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特許7460323モジュール式のベース活性領域を有する燃料電池
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】モジュール式のベース活性領域を有する燃料電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/2483 20160101AFI20240326BHJP
   H01M 8/0202 20160101ALI20240326BHJP
   H01M 8/0258 20160101ALI20240326BHJP
   H01M 8/0267 20160101ALI20240326BHJP
   H01M 8/10 20160101ALI20240326BHJP
   H01M 8/1004 20160101ALI20240326BHJP
   H01M 8/247 20160101ALI20240326BHJP
   H01M 8/248 20160101ALI20240326BHJP
   H01M 8/2484 20160101ALI20240326BHJP
【FI】
H01M8/2483
H01M8/0202
H01M8/0258
H01M8/0267
H01M8/10 101
H01M8/1004
H01M8/247
H01M8/248
H01M8/2484
【請求項の数】 11
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018231334
(22)【出願日】2018-12-11
(62)【分割の表示】P 2015556097の分割
【原出願日】2014-01-29
(65)【公開番号】P2019057508
(43)【公開日】2019-04-11
【審査請求日】2019-01-08
【審判番号】
【審判請求日】2021-04-30
(31)【優先権主張番号】61/759,738
(32)【優先日】2013-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505163578
【氏名又は名称】ヌヴェラ・フュエル・セルズ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100141265
【弁理士】
【氏名又は名称】小笠原 有紀
(72)【発明者】
【氏名】ガンビニ,フィリッポ
(72)【発明者】
【氏名】コンチ,アメデオ
(72)【発明者】
【氏名】ブランシェ,スコット
【合議体】
【審判長】池渕 立
【審判官】山口 大志
【審判官】土屋 知久
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-247289(JP,A)
【文献】特開2002-050392(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/00 - 8/0297
H01M 8/08 - 8/2495
H01M 8/04 - 8/0668
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池スタックであって、
z軸に沿って伸長するスタック構造中に配置された複数の燃料電池を含み、ここで各燃料電池は、バイポーラプレート対の間に挿入された膜電極接合体を含み、各膜電極接合体は、全体的にz軸に垂直なx-y面で伸長する全活性領域を有し、
各バイポーラプレートは、全体的にz軸に平行に伸長する複数の共通通路を含み、
ここで各膜電極接合体の全活性領域は、連続した全活性領域を形成するようにx-y面中の同一平面上にx軸に沿って配置された複数のベース活性領域で構成され、
複数の共通通路が、
各ベース活性領域あたり少なくとも1つの第一のフィード通路および少なくとも1つの第二のフィード通路、
各ベース活性領域あたり少なくとも1つの第一の吐出通路および少なくとも1つの第二の吐出通路、ならびに
少なくとも1つの第一のクーラント用通路および少なくとも1つの第二のクーラント用通路を含み、
各バイポーラプレートが、
各バイポーラプレートのy軸に平行な両端に配置される2つのモジュール式のサイドセクション、および前記2つのサイドセクションの間に配置される少なくとも1つのモジュール式の内部セクション
をさらに含み、
ここで2つのモジュール式のサイドセクションおよび少なくとも1つのモジュール式の内部セクションのそれぞれは、複数のベース活性領域のうちの1つにそれぞれ接しており、
複数のベース活性領域、2つのモジュール式のサイドセクション、及び少なくとも1つのモジュール式の内部セクションを組み立てることにより各燃料電池が形成されており、
各モジュール式のサイドセクション及び内部セクションがさらにタイロッド用通路の一部を含み、タイロッド用通路の一部を隣接するセクションの一部であるタイロッド用通路の別の一部と並べることにより、完全なタイロッド用通路が形成されており、
バイポーラプレートのそれぞれを形成するモジュール式のサイドセクションおよびモジュール式の内部セクションの総数が、全活性領域を形成するのに組み合わされたベース活性領域の数に等しい、上記燃料電池スタック。
【請求項2】
全活性領域のy軸に沿って測定された高さが、複数のベース活性領域のy軸に沿って測定された高さに等しく、
全活性領域のx軸に沿って測定された長さが、x軸に沿って測定された複数のベース活性領域の長さの倍数に等しい、請求項1に記載の燃料電池スタック。
【請求項3】
フィード通路、吐出通路、およびタイロッド用通路の数は、全活性領域を形成する複数のベース活性領域の総数の倍数である、請求項1に記載の燃料電池スタック。
【請求項4】
フィード通路および吐出通路が、各バイポーラプレートのx軸に平行な両端に分布しており、クーラント用通路が、各バイポーラプレートのy軸に平行な両端に分布している、請求項1に記載の燃料電池スタック。
【請求項5】
効率的な燃料電池性能を得るために、フィード通路が、十分な量のガス状反応物が供給されるようなサイズであり、吐出通路が、少なくとも1つの膜電極接合体のベース活性領域へ、および該領域から十分な量の反応物の生成物を吐出させるようなサイズである、請求項1に記載の燃料電池スタック。
【請求項6】
各モジュール式のサイドセクションが、少なくとも1つのフィード通路、少なくとも1つの吐出通路、および少なくとも1つのタイロッド用通路を含む、請求項1に記載の燃料電池スタック。
【請求項7】
各モジュール式の内部セクションが、少なくとも1つのフィード通路および少なくとも1つの吐出通路を含む、請求項6に記載の燃料電池スタック。
【請求項8】
2つのモジュール式のサイドセクションおよび少なくとも1つのモジュール式の内部セクションが、x-y面に平行であり、x軸に沿って伸長する同一平面上で連結されるように設計される、請求項1に記載の燃料電池スタック。
【請求項9】
燃料電池スタックの端部に位置する少なくとも1つのエンドプレートをさらに含み、ここで少なくとも1つのエンドプレートは、ガス状反応物のフローを対応する共通通路に分配して、対応する共通通路からの反応物の生成物のフローを統合するように設計される、請求項1に記載の燃料電池スタック。
【請求項10】
モジュール式燃料電池であって、
アノード触媒層、カソード触媒層、およびアノード触媒層とカソード触媒層との間に位置するプロトン交換膜を含む膜電極接合体であって、ここでアノード触媒層、カソード触媒層、およびプロトン交換膜は、z軸に沿って置かれ、全体的にx-y面に平行である、膜電極接合体と、
全体的にz軸に平行に伸長する共通して整列させた通路を含むバイポーラプレート対とを含み、
ここで膜電極接合体は、連続した全活性領域を形成するようにx-y面中の同一平面上にx軸に沿って配置されるように設計された複数のベース活性領域を含む全活性領域を有し、
共通して整列させた通路が、
各ベース活性領域あたり少なくとも1つの第一のフィード通路および少なくとも1つの第二のフィード通路、
各ベース活性領域あたり少なくとも1つの第一の吐出通路および少なくとも1つの第二の吐出通路、ならびに
少なくとも1つの第一のクーラント用通路および少なくとも1つの第二のクーラント用通路を含み、
各バイポーラプレートが、
各バイポーラプレートのy軸に平行な両端に配置される2つのモジュール式のサイドセクション、および前記2つのモジュール式のサイドセクションの間に配置される少なくとも1つのモジュール式の内部セクション
をさらに含み、
ここで2つのモジュール式のサイドセクションおよび少なくとも1つのモジュール式の内部セクションのそれぞれは、複数のベース活性領域のうちの1つにそれぞれ接しており、
複数のベース活性領域、2つのモジュール式のサイドセクション、及び少なくとも1つのモジュール式の内部セクションを組み立てることにより燃料電池が形成されており、
各モジュール式のサイドセクション及び内部セクションがさらにタイロッド用通路の一部を含み、タイロッド用通路の一部を隣接するセクションの一部であるタイロッド用通路の別の一部と並べることにより、完全なタイロッド用通路が形成されており、
バイポーラプレートのそれぞれを形成するモジュール式のサイドセクションおよびモジュール式の内部セクションの総数が、全活性領域を形成するのに組み合わされたベース活性領域の数に等しい、上記モジュール式燃料電池。
【請求項11】
燃料電池の製造方法であって、該方法は、
燃料電池の電圧、燃料電池の電流、燃料電池の重量、および燃料電池の体積のうち少なくとも1つを包含する用途の規格に基づき燃料電池の全活性領域を計算すること、
ベース活性領域を選択すること、ここで、ベース活性領域は、連続した全活性領域を形成するように単一の軸に沿って同一平面上に配置されるように設計されている、
全活性領域を有する膜電極接合体を提供すること、ここで全活性領域は、少なくとも単一の軸に沿って同一平面上に配置された複数のベース活性領域を含む、
膜電極接合体の両側に隣接してバイポーラプレート対を設置すること、ここで各バイポーラプレートはセクションで構成され、各セクションは共通通路を包含し、セクションの数は、膜電極接合体の全活性領域を形成するベース活性領域の数に等しく、
共通通路が、
各ベース活性領域あたり少なくとも1つの第一のフィード通路および少なくとも1つの第二のフィード通路、
各ベース活性領域あたり少なくとも1つの第一の吐出通路および少なくとも1つの第二の吐出通路、ならびに
少なくとも1つの第一のクーラント用通路および少なくとも1つの第二のクーラント用通路
を含み、
各バイポーラプレートが、
各バイポーラプレートのy軸に平行な両端に配置される2つのモジュール式のサイドセクション、および前記2つのモジュール式のサイドセクションの間に配置される少なくとも1つのモジュール式の内部セクションをさらに含み、
ここで2つのモジュール式のサイドセクションおよび少なくとも1つのモジュール式の内部セクションのそれぞれは、複数のベース活性領域のうちの1つにそれぞれ接している、および
複数のベース活性領域、2つのモジュール式のサイドセクション、及び少なくとも1つのモジュール式の内部セクションを組み立てることにより燃料電池を形成すること、
を含む、上記製造方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[001]本出願は、参照により本明細書に組み入れられる2013年2月1日付けで出願された米国仮出願第61/759,738号の利益を主張する。
【0002】
[002]本発明の開示は、燃料電池を対象とし、より特定には、モジュール式のベース活性領域を有する燃料電池を対象とする。
【0003】
[003]燃料電池は、化学反応から電流を発生させるのに使用されるデバイスである。燃料電池は、燃料(例えば、水素、メタノールなど)の化学エネルギーを酸素または他の酸化剤との化学反応を介して電気に変換する。この化学反応は、典型的には電気、熱、および水を生産する。
【0004】
[004]基礎的な燃料電池は、負電荷を有するアノード、正電荷を有するカソード、および電解質と呼ばれるイオン伝導性材料を含む。様々な燃料電池技術において様々な電解質材料が利用されている。プロトン交換膜(PEM)燃料電池は、例えば、電解質として高分子イオン伝導膜を利用する。
【0005】
[005]燃料電池技術は、例えば運搬用車両、携帯用の電力供給、および定置式の電力生産などの様々な技術にとって、従来の電源の有望な代替物を提供する。燃料電池を従来の電源に代わるより実用的で普及した代替物にするためには、燃料電池の製造元は、現行の代替技術に対抗できるコストおよび性能を有する、廉価で、効率的で、信頼できる燃料電池を設計および構築しなければならない。この10年、燃料電池の性能を向上させながらコストも下げ続けてきたが、性能をさらに向上させて、且つ燃料電池と従来の電源との差が埋まるようにコストを下げることが引き続き必要である。
【0006】
[006]燃料電池にとって様々な好適な用途は、各用途で指定される規格を満たすために燃料電池性能の能力を変化させることを必要とする。燃料電池から生産された電力は、全電流と全電圧両方の関数である。個々の燃料電池は、一般的に、電流に応じて約0.2~1ボルトの比較的小さい電位を生産する。それゆえに、全電圧を増加させ、特定の用途に関する要求を満たすために、個々の燃料電池を連続的に組み合わせて、燃料電池スタックを形成する。全電流は、スタック内の個々の燃料電池の表面積を増加させることによって増加させることができる。
【0007】
[007]PEM燃料電池スタックにおいて、PEM燃料電池は、連続して一緒にスタックされており、ここで各電池は、カソード触媒層、電解質膜、およびアノード触媒層を包含する。各カソード触媒層/膜/アノード触媒層接合体は、「膜電極接合体」(MEA)を構成し、これは通常、バイポーラプレートによって両面で支持される。バイポーラプレート中に形成されたチャネルまたは溝を介してMEAの電極にガス(水素および空気)が供給される。
【0008】
[008]製造中、燃料電池スタック中の燃料電池の数は、用途の特定の電力の要求に基づき調整できる。燃料電池スタックに燃料電池を簡単に追加したり除いたりすることができることは、燃料電池の製造元にある程度の製造上の柔軟性をもたらしてきたが、これは、全ての様々な用途の必要性を効果的に満たすほど十分に柔軟ではない。
【0009】
[009]全ての用途に共通するそれぞれ個々の燃料電池の活性領域を維持しながらスタック中の燃料電池の数だけを変化させることは、用途ごとにスタックの全電圧および全電流の要求が一致しないことに基づき実現不可能である。例えば、スタック中の燃料電池の数だけを変化させることは、燃料電池スタックが有する燃料電池の数が最小になる(すなわち、電圧が低くなる)状況をもたらす可能性がある。しかしながら、スタック内の各燃料電池の活性領域は大きい(すなわち、電流は大きい)。
【0010】
[010]スタックの全電圧および電流の要求に加えて、ある用途は、厳しい重量および体積の要求を課す場合もある。例えば自動車用途では(すなわち、140KW)、一般的に、より高い電圧およびより低い電流を有することが好ましく、それゆえに燃料電池当たりの活性領域はより小さくなる。自動車用途において、燃料電池スタックおよび補助的な構成要素の体積は、設計時に考察する重要な要素であり得る。対照的に、定置用途のケースでは(すなわち、1MW)、より高い電流が容易に許容でき、重量および体積の重要性は低くなる可能性がある。
【0011】
[011]燃料電池の市場の必要性を満たすために、燃料電池の製造元は、スタックに使用される個々の燃料電池の活性領域が異なる燃料電池スタックを提供している。個々の燃料電池の活性領域と燃料電池スタック内の電池の数の両方を変化させることにより多数の組み合わせが生じる。それにより、製造元は特定の用途に最適化された燃料電池を設計し供給することが可能になる。
【0012】
[012]残念ながら、単に燃料電池の数ではなく各燃料電池の活性領域を変化させることによってもたらされる柔軟性は、不利益を有する。燃料電池の活性領域を変化させることは、燃料電池にとって新しい活性領域の流体力学、機械的および電気的な性能を検証するためにより多くの設計、モデリング、および試験を必要とする。これは、カスタマイズされた製品の供給に伴う追加の成形用具および製造コストに加えて設計コストも増加させる。燃料電池の活性領域を変化させることは、バイポーラプレートのガスフィードおよび吐出通路、冷却剤チャネル、タイロッド、ガスケットのシーリングシステムなどのサイジングおよび設計に影響を与える可能性がある。それゆえに、設計および製造コストを低減して、性能の柔軟性を犠牲にすることなく費用効率が高い大量生産をもたらす、燃料電池および燃料電池スタック設計における追加の柔軟性およびモジュール性が必要な場合がある。
【0013】
[013]上述した事情を考慮して、本発明の開示は、全活性領域のスケールアップまたはダウンを可能にする、モジュール式のベース活性領域を有する燃料電池および燃料電池スタック設計を対象とする。
【0014】
[014]本発明の開示の一形態は、燃料電池スタックであって、z軸に沿って伸長するスタック構造中に配置された複数の燃料電池を含み、ここで各燃料電池は、バイポーラプレート対の間に挿入された膜電極接合体を含み、各膜電極接合体は、全体的にz軸に垂直なx-y面で伸長する全活性領域を有し;各バイポーラプレートは、全体的にz軸に平行に伸長する複数の共通通路を含み;ここで各膜電極接合体の全活性領域は、x-y面中の同一平面上にx軸に沿って配置された複数のベース活性領域で構成される、上記燃料電池スタックを対象とする。
【0015】
[015]本発明の開示の他の形態は、モジュール式燃料電池であって、アノード触媒層、カソード触媒層、およびアノード触媒層とカソード触媒層との間に位置するプロトン交換膜を含む膜電極接合体であって、ここでアノード触媒層、カソード触媒層、およびプロトン交換膜は、z軸に沿って置かれ、全体的にx-y面に平行である、膜電極接合体と;全体的にz軸に平行に伸長する共通して整列させた通路を含むバイポーラプレート対とを含み、ここで膜電極接合体は、x軸に沿ってx-y面中の同一平面上に配置されるように設計されたベース活性領域のうち少なくとも1つを含む全活性領域を有する、上記モジュール式燃料電池を対象とする。
【0016】
[016]本発明の開示の他の形態は、燃料電池の製造方法であって、本方法は、用途の規格に基づき燃料電池の全活性領域を計算するステップであって、ここで該規格は、燃料電池の電圧、燃料電池の電流、燃料電池の重量、および燃料電池の体積のうち少なくとも1つを包含する、ステップ;ベース活性領域を選択するステップであって、ここでベース活性領域は、単一の軸に沿って同一平面上に配置されるように設計される、ステップ;全活性領域を有する膜電極接合体を提供するステップであって、ここで全活性領域は、少なくとも単一の軸に沿って同一平面上に配置された並列のベース活性領域を含む、ステップ;および膜電極接合体の両側に隣接してバイポーラプレート対を設置するステップであって、ここで各バイポーラプレートはセクションで構成され、各セクションは共通通路を包含し、セクションの数は、膜電極接合体の全活性領域を形成するベース活性領域の数に等しい、ステップを含む、上記製造方法を対象とする。
【0017】
[017]本発明の開示の他の形態は、燃料電池スタックの製造方法であって、本方法は、用途の規格に基づき燃料電池の数および各燃料電池の全活性領域を計算するステップであって、ここで該規格は、燃料電池スタックの電圧、燃料電池スタックの電流、燃料電池スタックの重量、および燃料電池スタックの体積のうち少なくとも1つを包含する、ステップ;ベース活性領域を選択するステップであって、ここでベース活性領域は、単一の軸に沿って同一平面上に配置されるように設計される、ステップ;計算された全活性領域に等しい面積を有する複数の膜電極接合体のスタックを組み立てるステップであって、ここで全活性領域は、少なくとも単一の軸に沿って同一平面上に配置された並列のベース活性領域で構成される、ステップ;および隣接する膜電極接合体間に複数のバイポーラプレートを挿入するステップであって、ここで各バイポーラプレートはセクションで構成され、各セクションは共通通路を包含し、セクションの数は、各膜電極接合体の全活性領域を形成するベース活性領域の数に等しい、ステップを含む、上記製造方法を対象とする。
【0018】
[018]前述の一般的な説明と以下の詳細な説明はいずれも単に典型的で説明的なものにすぎず、特許請求された開示を限定しないと理解されるものとする。
【0019】
[019]添付の図面は、本明細書に取り入れられ本明細書の一部を構成しており、これらは本発明の開示の実施態様を例示し、説明と共に本開示の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、プロトン交換膜燃料電池の様々な構成要素を示す、燃料電池の側面図である。
図2図2は、例示の実施態様に係る膜電極接合体を例示する。
図3図3は、例示の実施態様に係る燃料電池の一部の概略図である。
図4図4は、例示の実施態様に係る燃料電池スタックの一部の分解組み立て図である。
図5A図5Aは、例示の実施態様に係る様々なクーラントの構造を例示する。
図5B図5Bは、例示の実施態様に係る様々なクーラントの構造を例示する。
図5C図5Cは、例示の実施態様に係る様々なクーラントの構造を例示する。
図6A図6Aは、例示の実施態様に係る様々な構造を例示する。
図6B図6Bは、例示の実施態様に係る様々な構造を例示する。
図6C図6Bは、例示の実施態様に係る様々な構造を例示する。
図7図7は、例示の実施態様に係る燃料電池の製造方法を例示する流れ図である。
図8図8は、例示の実施態様に係る燃料電池スタックの製造方法を例示する流れ図である。
図9図9は、例示の実施態様に係る外部の圧縮システムを有する燃料電池スタックの一部の分解組み立て図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[029]ここで本発明の開示の本発明の例示の実施態様を詳細に述べ、その実施例を添付の図面で例示する。可能な限り、同じまたは類似の部品を指す場合は、図面全体にわたり同じ参照番号を使用するものとする。本発明の開示のデバイスおよび方法は、水素、酸素、および水を採用した燃料電池に関して説明されるが、電解セル、水素精製装置、水素エキスパンダー(hydrogen expander)、および水素圧縮機などを含むがこれらに限定されない様々な種類の燃料電池および電気化学セルで採用が可能であることが理解される。
【0022】
[030]明細書全体にわたり、用語「全体的に平行」および「全体的に垂直」は、軸、面、または他の構成要素に対する1つまたはそれより多くの構成要素の配置を説明するのに使用できる。配置を「全体的に平行」または「全体的に垂直」と述べるときに許容できる平行および垂直面からのオフセットの程度は様々であり得る。許容できるオフセットは、例えば、約20度未満のオフセットであってもよく、例えば約10度未満のオフセット、約5度未満のオフセット、および約3度未満のオフセット、約2度未満のオフセット、および約1度未満のオフセットである。
【0023】
[031]図1は、燃料電池100の分解側面図を示す。燃料電池100は、カソード触媒層110、アノード触媒層120、およびプロトン交換膜(PEM)130を含んでいてもよく、これらが組み合わされて、膜電極接合体(MEA)140を構成していてもよい。PEM130は、純粋な高分子膜または複合材料膜を含んでいてもよく、これらにおいて、他の材料、例えば、シリカ、ヘテロポリ酸、層状の金属リン酸塩、リン酸塩、およびリン酸ジルコニウムが高分子マトリックス中に埋め込まれていてもよい。PEM130は、電子伝導性ではないがプロトン透過性であってもよい。カソード触媒層110およびアノード触媒層120は、触媒を含有する多孔質炭素電極を含んでいてもよい。触媒材料、例えば白金は、酸素と燃料との反応を増加させるものであってもよい。MEA140の厚さは、PEM130の厚さ、加えてカソード触媒層110およびアノード触媒層120の厚さに基づいていてもよい。
【0024】
[032]燃料電池100は、2つのバイポーラプレート150、160を含んでいてもよい。MEA140は、バイポーラプレート150、160の間に挿入されていてもよい。バイポーラプレート150、160は、集電装置として作用し、それぞれの電極表面に燃料および酸化剤のためのアクセスチャネルを提供し、さらに燃料電池100の作動中に形成された水を除去するためのチャネルを提供できる。さらにバイポーラプレート150、160は、冷却流体(すなわち、水、グリコール、または水とグリコールとの混合物)のためのアクセスチャネルも提供できる。バイポーラプレートは、アルミニウム、鋼、ステンレス鋼、チタン、銅、Ni-Cr合金、グラファイトまたは他のあらゆる導電性材料から作製できる。バイポーラプレート150、160は、燃料電池スタック中で隣接する燃料電池からPEM燃料電池100を隔てることができる(示さず)。いくつかの実施態様において、燃料電池スタック中の2つの隣接する燃料電池は、バイポーラプレートを共有できる(図1では示さず)。燃料電池100は、x-y面で互いに垂直なx軸(X)およびy軸(Y)、ならびに燃料電池100のスタックされた方向に直線的に沿う全体的にx-y面と垂直なz軸(Z)を有していてもよい。
【0025】
[033]図2は、全活性領域200を有するMEA140のx-y面に平行な正面図を示し、ここで全活性領域200は、x-y面で伸長でき、y軸に沿って測定された全高(H)を掛けた、x軸に沿って測定された全長(L)に等しくてもよい。全活性領域200は、全活性領域200を得るためにモジュール式に複数回繰り返すことができる1つまたはそれより多くのベース活性領域210で構成されていてもよい。ベース活性領域210は、1つまたはそれより多くのベース活性領域210がx軸に沿って同一平面上に設置されるように設計できる。図2で例示される特定の実施態様では、全活性領域200は、3つのベース活性領域210で構成される。3つのベース活性領域210は、x-y面の同一平面上でx軸に沿って伸長しながら互いに隣接して設計される。他の同一平面上の配置も考えられる。
【0026】
[034]図2に示される実施態様において、ベース活性領域210は、全高(H)に実質的に等しくてもよいベースの高さ(h)と、全長(L)の3分の1に実質的に等しくてもよいベースの長さ(l)とを有していてもよい。様々な他の実施態様において、多数の全活性領域の設計の構築が可能な寸法の範囲を有するベース活性領域の設計を作り出すことができる。例えば、ベース活性領域210の寸法は、75cm~125cmの範囲であってもよい。
【0027】
[035]燃料電池100の適切な性能を達成するには、ガス状反応物、反応物の生成物、および水/湿度の適切な管理が重要となる可能性がある。一貫した性能を達成するために、数種のパラメーターを最適化してもよい。例えば、効率的な電力生産を達成するために、共通のフィード通路を介したMEAへのガス状反応物(すなわち、水素および酸素)の流速および圧力を最適化してもよい。加えて、効率的な電力生産を達成するために、共通の吐出通路を介したMEAからの反応物の生成物(すなわち、使われた水素および使われた酸素)および液体(水/湿度)の除去を最適化してもよい。したがって、これらのパラメーターを、単一のベース活性領域210ごとに最適化してもよい。用途に関する要求を満たすためには、電池を介した圧力低下の最適化に特に注意を払うとよい。
【0028】
[036]続いて、全活性領域200の設計の際に並列のベース活性領域210を追加して合わせることによって、全活性領域200の性能を計画できる。これを分析することは、ベース活性領域210の最適化された性能がわかっていることに基づきより簡単でより正確であるといえる。典型的な燃料電池の設計に基づいて、垂直寸法を変化させることにより、流体力学の変更が可能になり、したがって性能および電力効率の変更が可能になる。しかしながら、水平のx軸に沿ってベース活性領域210を繰り返すことによって、全活性領域200を形成するベース活性領域210の数に関わらず、全活性領域200の垂直寸法は不変のままである。それにより、流体力学および機械特性を実質的に不変のままにできる。全活性領域200においてベース活性領域210と同じ流体力学および機械特性を実質的に維持するためには、ガス状反応物および反応物の生成物を供給および吐出する共通通路を、ベース活性領域210の繰り返しに伴いモジュール式に繰り返すことができる。
【0029】
[037]全活性領域200を有するMEA140は、並列のベース活性領域210で構成されているにもかかわらず、全活性領域200に等しい面積を有する単一の連続MEAを形成できることが理解される。燃料電池100のプレート、電極、ガスケットおよび他の構成要素は、全活性領域200をカバーするかまたは取り囲む単一のピースから同様に形成できる。
【0030】
[038]バイポーラプレート150、160も、同様にモジュール式のようなベース活性領域210になるように設計できる。図3は、典型的な実施態様に係る図1のMEA140およびバイポーラプレート150のx-y面に平行な正面図を示す。MEA140の一部は、バイポーラプレート150で区切ることができる。MEA140の残りの部分は、バイポーラプレート160で区切ることができる(図2では示さず)。バイポーラプレート160は、バイポーラプレート150の鏡面反射(mirror reflection)になるように設計できる。バイポーラプレート150の特性、形態、および特徴はいずれも、バイポーラプレート160に関するそれらと同じであってもよいことが理解される。
【0031】
[039]典型的な実施態様によれば、図3に示されるバイポーラプレート150は、MEA140の全活性領域200の寸法より大きい寸法を有する導電性筐体から形成してもよい。バイポーラプレート150は、全活性領域200を構成するベース活性領域210の寸法および数に応じて、全体的に長方形または正方形の形状であってもよい。
【0032】
[040]様々な実施態様において、バイポーラプレート150は、x軸に沿って伸長する1つまたはそれより多くのセクションに隣接して設置されるように設計された、同一平面上のモジュール式セクションに分割できる。この特定の典型的な実施態様において、バイポーラプレート150は、3つのセクション、すなわち内部セクション280と2つのサイドセクション260、270とに分割できる。サイドセクション270は、サイドセクション260の鏡面反射になるように設計できる。それにより、サイドセクション260、270の設計および構築を実質的に同じにすることが可能になる。差は、バイポーラプレート150を形成するときの方向であり得る。例えば、サイドセクション260を180度回転させることにより、サイドセクション260がサイドセクション270になるようにサイドセクション260を方向付ける。さらにサイドセクション270がサイドセクション260になるように、サイドセクション270を180度回転させることができる。サイドセクション260の特性、形態、および特徴ははいずれも、サイドセクション270に関するそれらと同じであってもよいことが理解される。
【0033】
[041]内部セクション280は、サイドセクション260、270の間に挿入されるように設計できる。内部セクション280およびサイドセクション260、270も、モジュール式のベース活性領域210と同様であり、各セクションを、ベース活性領域210のうち1つに対応させることができる。したがって、燃料電池100は、全活性領域200を構成する各モジュール式のベース活性領域210ごとに、対応するモジュールの内部セクション280またはサイドセクション260、270を有していてもよい。
【0034】
[042]様々な実施態様において、燃料電池100は、あらゆる数のベース活性領域および対応するバイポーラプレートセクションで構成されていてもよい。例えば、図6Aは、共通の面630で合体した互いの鏡面反射であり得る2つのサイドセクション610、620で構成されるバイポーラプレート600を例示する。この特定の実施態様において、MEAの全活性領域は、2つのベース活性領域650で構成されていてもよいし、バイポーラプレート600は、内部セクションなしで構成されていてもよい。
【0035】
[043]別の実施態様において、図6Bで示されるように、バイポーラプレート660は、複数のセクションで構成されていてもよい。バイポーラプレート660は、複数の内部セクション670と、各端部における2つのサイドセクション610、620とで構成されていてもよい。この特定の実施態様において、MEAの全活性領域は、複数のベース活性領域650で構成されていてもよい。さらにその他の実施態様において、図6Cで示されるように、バイポーラプレート680は、個々のベース活性領域650ごとに設計できる単一のセクション690で構成されていてもよい。これらの実施態様によって例示されるように、ベース活性領域650、サイドセクション610、620、内部セクション670、および単一のセクション690を利用することによって、ベース活性領域650を任意に並列化した全活性領域を有する燃料電池を組み立てることができる。
【0036】
[044]代替の実施態様において、1つまたはそれより多くのセクションの代わりに、単一の構造からバイポーラプレートを形成してもよい。異なるサイズの全活性領域を収容するために、異なるサイズの単一の構造のバイポーラプレートを構築してもよい。例えば、単一のベース活性領域、2つのベース活性領域、3つのベース活性領域、4つのベース活性領域などに合わせたサイズのバイポーラプレートがあってもよい。単一の構造で構成されたとしても、なおバイポーラプレートの設計は、モジュール式に繰り返された共通通路を有するモジュール式セクションを、設計段階の一環として利用することができる。
【0037】
[045]互いに隣接して同一平面上に設置されるように設計できるベース活性領域210およびバイポーラプレート150のセクション(内部セクション280およびサイドセクション260、270)は、燃料電池100の設計、製造または組み立て段階中に生じる配置を指し得ることが理解される。
【0038】
[046]典型的な実施態様によれば、図4は、燃料電池スタック400の一部を例示しており、ここで燃料電池スタック400は、z軸に沿って伸長するスタック構造中に配置された複数の燃料電池100で構成されていてもよい。図1に関して前述したように、各燃料電池100は、バイポーラプレート150、160の間に挿入されたMEA140を包含していてもよい。図4で例示される特定の実施態様において、燃料電池スタック400中の2つの隣接する燃料電池100は、バイポーラプレート150、160を共有していてもよい。
【0039】
[047]バイポーラプレート150、160は、ガス状反応物をMEA140にフィードしてMEA140から反応物の生成物を吐出するための複数の共通通路430で構成されていてもよい。複数の共通通路430は、z軸に沿って燃料電池スタック400の長さの少なくとも一部に全体的に平行に伸長できる。燃料電池スタック400の各端部に、複数の共通通路が分配および統合されるように設計されたエンドプレート440があってもよい。例えば、エンドプレートは、水素の入力フローと酸素ガスの入力フローとを受け取ることができ、水素と酸素ガスとが各燃料電池に分配されるように設計された1つまたはそれより多くの共通通路にフローが分配されるように設計できる。加えて、エンドプレートはまた、1つまたはそれより多くの反応物の生成物のフローが、使われた燃料の吐出フローと使われた酸素の吐出フローとに統合されるようにも設計できる。
【0040】
[048]共通通路に加えて、各バイポーラプレート150、160は、1つまたはそれより多くのスタックのタイロッド410が受け入れられるように設計された、1つまたはそれより多くのタイロッド用通路243を含んでいてもよい。タイロッド用通路243は、スタックのタイロッド410が、燃料電池スタック400のバイポーラプレート150、160内の対応するタイロッド用通路を通過するように設計できる。スタックのタイロッド410は、燃料電池スタック400の各端部で少なくとも1対のファスナー420を締めることによって燃料電池スタック400全体を圧縮するのに使用できる。
【0041】
[049]典型的な実施態様によれば、図3および4で示されるように、バイポーラプレート150は、複数のスタックのタイロッド410が受け入れられるように設計された複数のタイロッド用通路243で構成されていてもよい。様々な実施態様において、スタックの均等且つ十分な圧縮を達成するために、追加のタイロッドおよび対応するタイロッド用通路を使用してもよい。
【0042】
[050]図9に示される代替の実施態様において、燃料電池スタック900は、外部の圧縮システム910を使用して圧縮できる。例えば、タイロッドおよびタイロッド用通路は、外部の圧縮システム910で置き換えてもよい。外部の圧縮システム910は、少なくとも2つのエンドプレート920、930と、少なくとも2つの圧縮連結棒940、950とを含んでいてもよい。エンドプレート920、930は、燃料電池スタック900の各端部に隣接して設置され、圧縮連結棒940、950で連結されていてもよい。圧縮連結棒940、950は、エンドプレート920、930間の距離を引き締めて、結果的にエンドプレート920、930の間に位置する燃料電池スタック900を圧縮するように設計できる。外部の圧縮システム910を使用することによって、複数のタイロッド用通路を用いずに、燃料電池スタック900内のバイポーラプレートを設計できる。バイポーラプレートから複数のタイロッド用通路を除去することは、バイポーラプレート設計を簡易化する可能性がある。
【0043】
[051]図3で示されるようにMEA140がバイポーラプレート150上に位置する場合、MEA140を超えて伸長するバイポーラプレート150の境界領域は、4つの外部壁、すなわち上壁220、下壁230、左壁240、および右壁250として出現する可能性がある。上壁220は、バイポーラプレート150の各セクション内において、少なくとも1つの第一のフィード通路261と、少なくとも1つの第二のフィード通路262とで構成されていてもよい。第一のフィード通路261および第二のフィード通路262は、ガス状反応物がMEA140にフィードされるように設計できる。バイポーラプレート150の各セクション内の第一のフィード通路261および第二のフィード通路262は、上壁220内で、互いに隣接して、x軸に沿って全体的に均等に分布していてもよい。MEA140に供給されたガス状反応物は、燃料および空気/酸素であってもよい。燃料としては、水素、メタノールまたはあらゆる好適な組み合わせが挙げられる。例えば、第一のフィード通路261は水素ガスを供給でき、第二のフィード通路262は酸素ガスを供給できる。バイポーラプレート150の各セクション内の各第一のフィード通路261および第二のフィード通路262は、対応するセクションによって取り囲まれたMEA140のベース活性領域210に好適な量のガス状反応物が供給されるようなサイズであってもよい。例えば、左セクション260内のバイポーラプレートのチャネル(示さず)と共にある第一のフィード通路261および第二のフィード通路262は、サイドセクション260によって取り囲まれたベース活性領域210に最適な量のガス状反応物が供給されるようなサイズであってもよい。
【0044】
[052]下壁230は、バイポーラプレート150の各セクション内において、少なくとも1つの第一の吐出通路263と、少なくとも1つの第二の吐出通路264とで構成されていてもよい。第一の吐出通路263および第二の吐出通路264は、MEA140から反応物の生成物が吐出されるように設計できる。バイポーラプレート150の各セクション内の第一の吐出通路263および第二の吐出通路264は、下壁230内で、互いに隣接して、x軸に沿って全体的に均等に分布していてもよい。MEA140からの反応物の生成物としては、使われた酸素、水、使われた燃料または生成物の組み合わせが挙げられる。例えば、第一の吐出通路263は、使われた酸素と水を吐出でき、第二の吐出通路264は、使われた燃料を吐出できる。バイポーラプレート150の各セクション内の各第一の吐出通路263および第二の吐出通路264は、対応するセクションによって取り囲まれたベース活性領域210から好適な量の反応物の生成物が吐出されるようなサイズであってもよい。例えば、左セクション260内のバイポーラプレートのチャネル(示さず)と共にある第一の吐出通路263および第二の吐出通路264は、サイドセクション260によって取り囲まれたベース活性領域210から最適な量の反応物の生成物が吐出されるようなサイズであってもよい。
【0045】
[053]第一のフィード通路261、第二のフィード通路262、第一の吐出通路263、および第二の吐出通路264それぞれの形状は、長方形、正方形、四辺形、卵形、円形、または他の様々な形状であってもよい。第一のフィード通路261、第二のフィード通路262、第一の吐出通路263、および第二の吐出通路264それぞれの寸法は、対応するセクション内に包含される各ベース活性領域210の最適なガスおよび水の管理が可能になるようなサイズであってもよい。
【0046】
[054]MEA140に供給されるガスが少なすぎると、燃料電池100の作動が最大効率未満になる可能性があり、一方でガスの供給が多すぎると、MEA140の乾燥を引き起こす可能性がある。
【0047】
[055]この特定の典型的な実施態様において、上壁220中にフィード通路が形成され、一方で下壁230に吐出通路が形成される。しかしながら、代替の実施態様において、フィード通路および吐出通路の構造は、上壁220に少なくとも1つのフィード通路および少なくとも1つの吐出通路が形成され、下壁230に少なくとも1つのフィード通路および少なくとも1つの吐出通路が形成されるによう変更できる。さらに別の可能性のある構造は、下壁230に形成された全てのフィード通路および上壁220に形成された全ての吐出通路を包含していてもよい。
【0048】
[056]第一のフィード通路261、第二のフィード通路262、第一の吐出通路263、および第二の吐出通路264はそれぞれ、フィード通路からMEA140内の電極に運搬しようとするガス状反応物用の通路を規定し、さらにMEA140内の電極から吐出通路に運搬しようとする反応物の生成物用の通路を規定するバイポーラプレート150、160の面上でチャネル(示さず)と連結するように設計できる。フィードおよび吐出通路と同様に、全活性領域200を構成するベース活性領域210の数に基づいて、チャネルをモジュール式に繰り返すことができる。
【0049】
[057]典型的な実施態様によれば、左壁240および右壁250はそれぞれ、少なくとも1つの第一のクーラント用通路241と、少なくとも1つの第二のクーラント用通路242とを含んでいてもよい。第一のクーラント用通路241および第二のクーラント用通路242は、燃料電池100作動中にMEA140で生成した熱を除去するために、クーラントの流体を通路を介してポンプ注送させるように設計できる。第一のクーラント用通路241および第二のクーラント用通路242は、y軸に沿って平行に伸長する左壁240および右壁250中で均等に分布させることができる。
【0050】
[058]第一のクーラント用通路241および第二のクーラント用通路242の形状は、長方形、正方形、四辺形、卵形、円形、または他の様々な形状であってもよい。選択された形状は、熱伝達を強化するためにMEA140との表面相互作用が最大になるように設計できる。第一のクーラント用通路241および第二のクーラント用通路242の寸法は、過熱の可能性を抑制しつつ燃料電池100の適切な温度制御を維持できる程度のクーラントの流体の十分なフローが可能になるようなサイズであってもよい。
【0051】
[059]図5A、5B、および5Cは、MEA140で生成した熱が除去されるように設計された、燃料電池スタック400を通るクーラントのフローの様々な実施態様および構造を例示する。クーラントの流体は、閉ループ系中で、燃料電池スタック400を通ってポンプ注送でき、ここで閉ループ系は、クーラント用のポンプおよび熱交換器(示さず)を含んでいてもよい。燃料電池スタック400を通るクーラントの連続的なフローは、熱を除去して熱を熱交換器に運ぶことができ、そこで熱を周囲環境に移すことができる。図5Aは、クーラントの流体が、平行して、または図5Bで例示されるように連続的に燃料電池スタックを通ってどのようにポンプ注送できるかを例示する。図5Aおよび5Bで示されるように、クーラントは、燃料電池スタック400の各側に入るとき、複数のクーラント用通路、例えば第一のクーラント用通路241および第二のクーラント用通路242に分割できる。
【0052】
[060]図5Cで例示される追加の実施態様において、クーラントの流体を、燃料電池スタック400の一方の側で1つの通路を介してポンプで回収し、次いで燃料電池スタック400の同じ側で折り返して第二の通路に循環させて戻してもよい。図5A、5B、および5Cで説明されるような構造により、スタック内の燃料電池間の別個の冷却チャネル/プレートをなくすことができ、これは、電池の構成を簡単にし、燃料電池スタックの冷却要素をデザイン変更したりまたは再構成したりする必要なく、燃料電池の全活性領域をモジュール式にスケールアップまたはダウンさせることを可能にする。
【0053】
[061]代替の実施態様において、燃料電池100は、バイポーラプレート150、160の第一のクーラント用通路241および第二のクーラント用通路242を介して流動させるクーラントを必要としない、伝導冷却、対流冷却または他の手段によって冷却されてもよい。それゆえに、これらの代替の実施態様において、バイポーラプレート150、160からクーラント用通路を除去できる。
【0054】
[062]図3および4で示されるように、バイポーラプレートセクションは、サイドセクション260、サイドセクション270、および内部セクション280を包含していてもよい。これらのセクションはそれぞれ、対応する各セクション内のベース活性領域210の要求を満たすサイズの、実質的に同一なガス状反応物のためのフィード通路および反応物の生成物のための吐出通路を有していてもよい。しかしながら、1つのセクションから供給されたガス状反応物を、別のセクションに流動させて消費することも可能である。様々な実施態様において、ガス状反応物がMEA140に供給されたら、それがMEA140を通って流動し、同様に反応物の生成物が生産されたら、それがMEA140を通って流動していずれかの吐出通路を介して吐出されるように、燃料電池100を設計してもよい。
【0055】
[063]一般的に、バイポーラプレート150、160の全セクションにおけるフィード通路および吐出通路の複合的な能力を、MEA140の全活性領域200にとって十分なものにすることができる。これは、上記で説明したように、追加のベース活性領域それぞれに合ったサイズの追加のフィード通路および吐出通路をモジュール式に繰り返すことによって達成できる。
【0056】
[064]フィードおよび吐出通路の構造と同様に、タイロッド用通路は、ベース活性領域210の数に基づきモジュール式にスケール変更されるようにも設計できる。典型的な実施態様によれば、図3および4で示されるように、左壁240および右壁250はそれぞれ、スタックのタイロッド410ごとに少なくとも1つのタイロッド用通路243を有していてもよい。加えて、上壁220および下壁230はいずれも、セクション間に位置する各継目245に沿って位置し得る少なくとも1つのタイロッド用通路243を包含していてもよい。継目245は、論理上、MEA140の全活性領域200をベース活性領域210のセクションに分割する。したがって、上壁220中のタイロッド用通路243の数は、全活性領域200を構成するベース活性領域210の数より1つ少なくてもよい。同様に、下壁230中のタイロッド用通路の数は、全活性領域200を構成するベース活性領域210の数より1つ少なくてもよい。
【0057】
[065]代替の実施態様において、フィード通路および吐出通路の断面積は、燃料電池スタック内のベース活性領域のサイズと燃料電池の数の両方に基づくサイズであってもよい。スタック中の全ての燃料電池を供給するのに共通のフィード通路および吐出通路を使用できることから、電池の数は、共通通路全体の流速に対する受容力に影響を与える可能性がある。例えば、100個の燃料電池で構成される燃料電池スタックは、同じ燃料電池10個を含む燃料電池スタックの流速より速い流速を可能にするより大きい断面積を有する通路を有していてもよい。電池の数に基づき共通通路の断面積をさらに最適化することによって、燃料電池全体の体積を最適化できる。燃料電池の数に基づきフィード通路および吐出通路の寸法を最適化することは、垂直寸法のみを改変して水平寸法を固定したままにすることを包含し得る。
【0058】
[066]代替の実施態様において、サイドセクション260、270内のクーラント用通
路241、242は、ベース活性領域の数およびサイドセクションを分離する対応する内
部セクションに応じたサイズにすることができる。例えば、ベース活性領域および対応す
る内部セクションの数が大きくなればなるほど、より多くの熱が移動してサイドセクションに到達し、そこで熱を吐出できる。それゆえに、クーラント用通路は、内部セクションの数に基づきサイズおよび冷却能力を大きくすることができる。さらにその他の実施態様において、クーラント用通路のサイズを変化させる代わりに、ベース活性領域の数および対応する内部セクションを補うためにクーラントの温度および流速を調整してもよい。
【0059】
[067]図7は、上述した様々な実施態様に係るモジュール式燃料電池の製造方法のフローチャート700を示す。フローチャート700は、工程S710を包含していてもよく、ここで工程S710は、用途の規格に基づき燃料電池の全活性領域を計算するステップを含んでいてもよい。用途の規格は、燃料電池の電圧、燃料電池の電流、燃料電池の重量、および燃料電池の体積を含む。
【0060】
[068]工程S710の後、工程S720は、ベース活性領域を選択するステップを含んでいてもよい。ベース活性領域は、少なくとも単一の軸に沿って同一平面上に配置されるように設計できる。例えば、上記で説明した実施態様において、ベース活性領域は、図2で例示されるようにx軸に沿って配置されていてもよい。工程S720の後、工程S730は、活性領域を有するMEAを提供するステップを含んでいてもよい。活性領域は、計算された全活性領域に等しくてもよいし、選択された並列のベース活性領域を含んでいてもよい。様々な実施態様において、提供された活性領域は、同一平面上の配置で組み合わされたあらゆる数のベース活性領域を含んでいてもよい。
【0061】
[069]工程S730の後、工程S740は、MEAの両側に隣接して設置されるようにバイポーラプレート対を設置するステップを含んでいてもよい。バイポーラプレート対は、MEAのサイズに対応するサイズにしてもよい。バイポーラプレート対は、典型的な実施態様に従って上記で説明したようなセクションで構成されていてもよい。各セクションは、共通通路を包含していてもよい。セクションの数は、MEAの全活性領域を形成するのに使用されるベース活性領域の数に基づいていてもよい。例えば、全活性領域が2つのベース活性領域で構成されている場合、バイポーラプレート対のそれぞれは、各セクションが共通通路を包含する2つのセクションを使用して組み立てることができる。同様に、全活性領域が3つのベース活性領域を包含する場合、各バイポーラプレート対は、3つのセクション(すなわち、1つの内部セクションおよび2つのサイドセクション)を使用して組み立てることができる。
【0062】
[070]図8は、様々な実施態様に係るモジュール式燃料電池スタックの製造方法に関するフローチャート800を示す。フローチャート800は、工程S810を包含していてもよく、ここで工程S810は、用途の規格に基づき燃料電池の数および各燃料電池の全活性領域を計算するステップを含んでいてもよい。用途の規格は、燃料電池スタックの電圧、燃料電池スタックの電流、燃料電池スタックの重量、および燃料電池スタックの体積を含んでいてもよい。
【0063】
[071]工程S810の後、工程S820は、ベース活性領域を選択するステップを含んでいてもよい。ベース活性領域は、少なくとも単一の軸に沿って同一平面上に配置されるように設計できる。例えば、上記で説明した実施態様において、ベース活性領域は、図2で例示されるようにx軸に沿って配置されていてもよい。工程S820の後、工程S830は、計算された燃料電池の数に等しいMEAのスタックを組み立てるステップを含んでいてもよい。活性領域は各MEAを有する。各MEAの活性領域は、計算された全活性領域に等しくてもよいし、選択された並列のベース活性領域を含んでいてもよい。様々な実施態様において、全活性領域は、同一平面上の配置で組み合わされたあらゆる数のベース活性領域を含んでいてもよい。
【0064】
[072]工程S830の後、工程S840は、隣接するMEA間に複数のバイポーラプレートを挿入するステップを含んでいてもよい。各バイポーラプレートは、MEAのサイズに対応するサイズにしてもよい。バイポーラプレート対は、典型的な実施態様に従って上記で説明したようなセクションを含んでいてもよい。各セクションは、共通通路を包含していてもよい。セクションの数は、MEAの全活性領域を形成するのに使用されるベース活性領域の数に基づいていてもよい。
【0065】
[073]本発明の開示の他の実施態様は、ここに記載された本明細書の考察および本発明の開示の実施から当業者には明らかであると予想される。本明細書および実施例は単なる例示みなされ、本発明の開示の真の範囲および本質は特許請求の範囲によって提示されることが意図される。
【0066】
本願の原出願の出願時の特許請求の範囲の記載は、以下の通りである。
(1)燃料電池スタックであって、
z軸に沿って伸長するスタック構造中に配置された複数の燃料電池を含み:ここで各燃料電池は、バイポーラプレート対の間に挿入された膜電極接合体を含み、各膜電極接合体は、全体的にz軸に垂直なx-y面で伸長する全活性領域を有し;
各バイポーラプレートは、全体的にz軸に平行に伸長する複数の共通通路を含み;
ここで各膜電極接合体の全活性領域は、x-y面中の同一平面上にx軸に沿って配置された複数のベース活性領域で構成される、上記燃料電池スタック。
(2)全活性領域のy軸に沿って測定された高さが、複数のベース活性領域のy軸に沿って測定された高さに等しく;
全活性領域のx軸に沿って測定された長さが、x軸に沿って測定された複数のベース活性領域の長さの倍数に等しい、(1)に記載の燃料電池スタック。
(3)複数の共通通路が、
少なくとも1つの第一のフィード通路および少なくとも1つの第二のフィード通路;
少なくとも1つの第一の吐出通路および少なくとも1つの第二の吐出通路;ならびに
少なくとも1つの第一のクーラント用通路および少なくとも第二のクーラント用通路
を含む、(1)に記載の燃料電池スタック。
(4)少なくとも1つのタイロッド用通路をさらに含み、ここでフィード通路、吐出通路、およびタイロッド用通路の数は、全活性領域を形成する複数のベース活性領域の総数の倍数である、(3)に記載の燃料電池スタック。
(5)フィード通路および吐出通路が、各バイポーラプレートのx軸に沿って伸長する上および下の境界領域に沿って分布しており、クーラント用通路が、各バイポーラプレートのy軸に沿って伸長する左および右の境界領域に沿って分布している、(3)に記載の燃料電池スタック。
(6)効率的な燃料電池性能を得るために、フィード通路が、十分な量のガス状反応物が供給されるようなサイズであり、吐出通路が、少なくとも1つの膜電極接合体のベース活性領域へ、および該領域から十分な量の反応物の生成物を吐出させるようなサイズである、(3)に記載の燃料電池スタック。
(7)各バイポーラプレートが、
2つのサイドセクションおよび少なくとも1つの内部セクション
をさらに含み、
ここでサイドセクションおよび少なくとも1つの内部セクションのそれぞれが、複数のベース活性領域のうちの1つに実質的に等しい全活性領域の部分の境界を区切っている、
(1)に記載の燃料電池スタック。
(8)各サイドセクションが、少なくとも1つのフィード通路、少なくとも1つの吐出通路、および少なくとも1つのタイロッド用通路を含む、(7)に記載の燃料電池スタック。
(9)各内部セクションが、少なくとも1つのフィード通路、少なくとも1つの吐出通路、およびタイロッド用通路の一部を含む、(8)に記載の燃料電池スタック。
(10)タイロッド用通路の一部を、隣接するセクションの一部であるタイロッド用通路の別の一部と並べることにより、完全なタイロッド用通路が形成される、(9)に記載の燃料電池スタック。
(11)バイポーラプレートのそれぞれを形成するサイドセクションおよび内部セクションの総数が、全活性領域を形成するのに組み合わされたベース活性領域の数に等しい、(7)に記載の燃料電池スタック。
(12)サイドセクションおよび少なくとも1つの内部セクションが、x-y面に平行であり、x軸に沿って伸長する同一平面上で連結されるように設計される、(7)に記載の燃料電池スタック。
(13)燃料電池スタックの端部に位置する少なくとも1つのエンドプレートをさらに含み、ここで少なくとも1つのエンドプレートは、ガス状反応物のフローを対応する共通通路に分配して、対応する共通通路からの反応物の生成物のフローを統合するように設計される、(3)に記載の燃料電池スタック。
(14)燃料電池スタックが、外部の圧縮システムによって圧縮されるように設計される、(1)に記載の燃料電池スタック。
(15)モジュール式燃料電池であって、
アノード触媒層、カソード触媒層、およびアノード触媒層とカソード触媒層との間に位置するプロトン交換膜を含む膜電極接合体であって、ここでアノード触媒層、カソード触媒層、およびプロトン交換膜は、z軸に沿って置かれ、全体的にx-y面に平行である、膜電極接合体と;
全体的にz軸に平行に伸長する共通して整列させた通路を含むバイポーラプレート対と
を含み、
ここで膜電極接合体は、x軸に沿ってx-y面中の同一平面上に配置されるように設計された少なくとも1つのベース活性領域を含む全活性領域を有する、上記モジュール式燃料電池。
(16)全活性領域のy軸に沿って測定された高さが、少なくとも1つのベース活性領域のy軸に沿って測定された高さに等しく;
全活性領域のx軸に沿って測定された長さが、少なくとも1つのベース活性領域のx軸に沿って測定された長さの少なくとも1倍に等しい、(15)に記載の燃料電池。
(17)複数の共通して整列させた通路が、
少なくとも1つの第一のフィード通路、および少なくとも1つの第一のフィード通路に全体的に平行に整列させた少なくとも1つの第二のフィード通路;
少なくとも1つの第一の吐出通路、および少なくとも1つの第一の吐出通路に全体的に平行に整列させた少なくとも1つの第二の吐出通路;ならびに
少なくとも1つの第一のクーラント用通路、および少なくとも1つの第一のクーラント用通路に全体的に平行に整列させた少なくとも第二のクーラント用通路
を含む、(15)に記載の燃料電池。
(18)少なくとも1つのタイロッド用通路をさらに含み、ここでフィード通路、吐出通路、およびタイロッド用通路の数は、全活性領域を形成するベース活性領域の総数の倍数である、(17)に記載の燃料電池。
(19)フィード通路および吐出通路が、各バイポーラプレートのx軸に沿って伸長する上および下の境界領域に沿って分布しており、クーラント用通路が、各バイポーラプレートのy軸に沿って伸長する左および右の境界領域に沿って均等に分布している、(17)に記載の燃料電池。
(20)燃料電池の製造方法であって、該方法は、
燃料電池の電圧、燃料電池の電流、燃料電池の重量、および燃料電池の体積のうち少なくとも1つを包含する用途の規格に基づき燃料電池の全活性領域を計算すること;
単一の軸に沿って同一平面上に配置されるように設計されるベース活性領域を選択すること;
少なくとも単一の軸に沿って同一平面上に配置された複数のベース活性領域を含む全活性領域を有する膜電極接合体を提供すること;および
膜電極接合体の両側に隣接してバイポーラプレート対を設置すること、ここで各バイポーラプレートはセクションで構成され、各セクションは共通通路を包含し、セクションの数は、膜電極接合体の全活性領域を形成するベース活性領域の数に等しい
を含む、上記製造方法。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9