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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】トランスデューサ
(51)【国際特許分類】
   H04R 17/00 20060101AFI20240326BHJP
【FI】
H04R17/00
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019174030
(22)【出願日】2019-09-25
(65)【公開番号】P2021052305
(43)【公開日】2021-04-01
【審査請求日】2022-08-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100133514
【弁理士】
【氏名又は名称】寺山 啓進
(72)【発明者】
【氏名】内貴 崇
(72)【発明者】
【氏名】長畑 ▲隆▼也
【審査官】間宮 嘉誉
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-98546(JP,A)
【文献】国際公開第2017/129958(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0215706(US,A1)
【文献】特開2015-162710(JP,A)
【文献】国際公開第2018/037730(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 30/00-39/00
H04R 17/00-17/02
H04R 17/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空部を形成する筒状の内周面を備える膜支持部と、
前記内周面の全周にわたって前記内周面に連結され、膜厚方向に変位可能な振動膜と、
一対の電極と前記一対の電極の間に挟まれた圧電膜とを備え、前記振動膜上に積層される圧電素子と、
前記振動膜と前記圧電素子とが積層された振動体を厚み方向に貫通し、前記振動膜を複数の振動領域に分割する分割スリットと、を有し、
前記内周面は、
前記中空部が角柱の隅角部が面取りされた多角形状を呈することで、前記筒状の内周面は、前記角柱の平面部分に対応する複数の平面部と、前記角柱の面取り部分に対応する角部とを有し、
前記分割スリットは、
前記振動膜の中心から前記角部に向かって延在する主スリット部と、
前記角部と前記平面部とが連結する連結部から、前記主スリット部における前記角部側の端部まで延在する副スリット部と、
を有する
トランスデューサ。
【請求項2】
前記圧電素子は、
厚み方向に貫通し、前記平面部の垂直方向に沿って前記平面部から前記分割スリットまで延在する圧電スリットを有する
請求項1記載のトランスデューサ。
【請求項3】
前記一対の電極のそれぞれは、前記複数の振動領域毎に、前記電極に駆動電圧を印加するための回路パターンに接続される
請求項1又は2記載のトランスデューサ。
【請求項4】
前記圧電素子は、
前記振動膜の中央に対応する領域に、前記圧電素子を厚さ方向に貫通する開口部を有する
請求項1から3のいずれか一項記載のトランスデューサ。
【請求項5】
前記複数の振動領域は、
第1の振動領域と、
前記第1の振動領域とは異なる形状に分割された第2の振動領域と、を含む
請求項1から4のいずれか一項記載のトランスデューサ。
【請求項6】
前記内周面に沿って前記圧電素子上に設けられ、前記振動膜と前記内周面との連結部を保護する膜体保護層をさらに有する
請求項1から5のいずれか一項記載のトランスデューサ。
【請求項7】
前記分割スリットを覆うように前記圧電素子上に設けられ、前記振動膜の変位に応じて伸縮するカバー層をさらに有する
請求項1から6のいずれか一項記載のトランスデューサ。
【請求項8】
前記複数の振動領域のそれぞれは、前記振動膜の中心側に位置する先端部の厚さが前記振動膜の中心に向かうに従って減少するように面取りされている
請求項1から7のいずれか一項記載のトランスデューサ。
【請求項9】
前記複数の振動領域のうち、いずれか1つの振動領域の先端部には、前記振動膜の中心まで延出した円形状の突起部が設けられ、
前記複数の振動領域のうち、前記突起部が設けられた前記振動領域を除く残余の振動領域の先端部には、前記突起部を囲むように円弧状に切り欠かれた切欠部が設けられている
請求項1から7のいずれか一項記載のトランスデューサ。
【請求項10】
中空部を形成する筒状の内周面を備える膜支持部と、
前記内周面の全周にわたって前記内周面に連結され、膜厚方向に変位可能な振動膜と、
一対の電極と前記一対の電極の間に挟まれた圧電膜とを備え、前記振動膜上に積層される圧電素子と、
前記振動膜と前記圧電素子とが積層された振動体を厚み方向に貫通し、前記振動体を複数の振動領域に分割する分割スリットと、を有し、
前記内周面は、
前記中空部が角柱の隅角部が面取りされた多角形状を呈することで、前記筒状の内周面は、前記角柱の平面部分に対応する複数の平面部と、前記角柱の面取り部分に対応する角部とを有し、
前記分割スリットは、
前記振動膜の中心から前記角部に向かって延在し、
前記圧電素子は、
前記圧電素子を厚み方向に貫通し、前記平面部の垂直方向に沿って前記平面部から前記分割スリットまで延在する圧電スリットを有する
トランスデューサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トランスデューサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、音波又は超音波の送信又は受信を行うトランスデューサが知られている。トランスデューサは、例えば音波を送信するスピーカとして利用され、イヤホン又はウェアラブル端末などに搭載されている。
【0003】
例えば特許文献1には、イヤホンに好適な音発生装置が開示されている。この音発生装置は、磁界を発生させるコイルと、コイルにより発生させた磁界と相互作用して振動板を振動させるマグネットとを備えている。
【0004】
コイルとマグネットとを用いるスピーカは、磁界を発生させるためにコイルに電流を流す必要があり、消費電力が高くなる。そこで、一対の電極によって圧電膜を両側から挟んで構成される圧電素子を利用したスピーカも注目されている(例えば特許文献2参照)。この類のスピーカは、微細加工を実現する半導体製造技術であるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を用いて製造される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-170592号公報
【文献】特開2012-105170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、MEMSによって製造されるスピーカは微細な形状を有するため、脆弱な構造になりやすい。そのため、外部から入力される衝撃や熱応力などによって、破損が生じてしまう可能性がある。
【0007】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、破損の発生を抑制することができるトランスデューサを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような課題を解決するために、本発明に係るトランスデューサは、中空部を形成する筒状の内周面を備える膜支持部と、内周面の全周にわたって内周面に連結され、膜厚方向に変位可能な振動膜と、一対の電極と一対の電極の間に挟まれた圧電膜とを備えて振動膜上に積層される圧電素子と、振動膜と圧電素子とが積層された振動体を厚み方向に貫通し、振動体を複数の振動領域に分割する分割スリットと、を有する。内周面は、中空部が角柱の隅角部が面取りされた多角形状を呈することで、筒状の内周面は、角柱の平面部分に対応する複数の平面部と、角柱の面取り部分に対応する角部とを有する。分割スリットは、振動膜の中心から角部に向かって延在する主スリット部と、角部と平面部とが連結する連結部から、主スリット部における角部側の端部まで延在する副スリット部と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、破損に強い構造を備えるトランスデューサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、第1の実施形態に係るトランスデューサの上面図である。
図2図2は、図1の矢視方向の断面図である。
図3A図3Aは、内周面の角部に位置する分割スリットの構造を拡大して示す上面図である。
図3B図3Bは、図3Aに示す構造の変形例を説明する図である。
図4図4は、第2の実施形態に係るトランスデューサの上面図である。
図5図5は、第3の実施形態に係るトランスデューサの上面図である。
図6図6は、第1の変形例に係るトランスデューサの上面図である。
図7図7は、第2の変形例に係るトランスデューサの上面図である。
図8図8は、第3の変形例に係るトランスデューサの上面図である。
図9A図9Aは、図8に示すトランスデューサの要部を示す拡大図である。
図9B図9Bは、図9Aに示す構造の変形例を説明する図である。
図10図10は、第4の変形例に係るトランスデューサの断面図である。
図11A図11Aは、図10に示すトランスデューサの要部を示す拡大図である。
図11B図11Bは、図11Aに示す構造の変形例を説明する図である。
図11C図11Cは、図11Aに示す構造の変形例を説明する図である。
図12A図12Aは、第5の変形例に係るトランスデューサの要部を拡大して示す断面図である。
図12B図12Bは、図12Aに示す構造の変形例を説明する図である。
図12C図12Cは、図12Aに示す構造の変形例を説明する図である。
図13図13は、第6の変形例に係るトランスデューサの要部を拡大して示す上面図である。
図14図14は、第4の実施形態に係るトランスデューサの上面図である。
図15図15は、図14の矢視方向の断面図である。
図16図16は、図15の矢視方向の断面図である。
図17A図17Aは、図16に示す構造の変形例を説明する図である。
図17B図17Bは、図16に示す構造の変形例を説明する図である。
図18図18は、第5の実施形態に係るトランスデューサの上面図である。
図19図19は、図18の矢視方向の断面図である。
図20図20は、第6の実施形態に係るトランスデューサの上面図である。
図21図21は、図20の矢視方向の断面図である。
図22図22は、図20の一点鎖線で囲む領域を拡大して示す上面図である。
図23図23は、第7の実施形態に係るトランスデューサの上面図である。
図24図24は、図23の矢視方向の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図面の記載において同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0012】
(第1の実施形態)
図1乃至図3を参照して、本実施形態に係るトランスデューサ1の構成を説明する。本実施形態に係るトランスデューサ1は、圧電素子10と、膜体15とを主体に構成されている。以下の説明では、図2に示すトランスデューサ1の状態を基準に上下方向を定義するが、トランスデューサ1を使用する方向を限定するものではない。
【0013】
圧電素子10は、一対の電極11、12と、一対の電極11、12の間に挟まれた圧電膜13とで構成されている。一対の電極11、12及び圧電膜13は、後述する振動膜16の形状と対応する形状を有しており、図1乃至図3に示す例では四角状を有している。
【0014】
一対の電極11、12のそれぞれは、例えばアルミニウム又は銅などの導電性を有する金属の薄膜より形成されている。一方の電極11は、圧電膜13の上側に位置し、電極11に駆動電圧を印加するための回路パターンである電極パッド11aと接続されている。他方の電極12は、圧電膜13の下側に位置し、電極12に駆動電圧を印加するための回路パターンである電極パッド12aと接続されている。
【0015】
圧電膜13は、例えばチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)膜によって構成されている。圧電膜13は、チタン酸ジルコン酸鉛以外にも、窒化アルミニウム(AlZ)、酸化亜鉛(ZnO)又はチタン酸鉛(PbTiO)などを用いることができる。
【0016】
膜体15は、振動膜16と、膜支持部17とで構成されている。膜体15は、例えばシリコン(Si)より構成されている。膜体15の下面側をエッチングすることで、振動膜16と膜支持部17とが一体に形成されている。
【0017】
振動膜16は、薄膜から構成されており、膜厚方向、すなわち、振動膜16に対する法線方向(図1における紙面垂直方向、図2における紙面上下方向)に変位可能に構成されている。振動膜16は、振動膜16と平行な平面で見た場合、略四角状を有している。
【0018】
膜支持部17は、キャビティ(中空部)18を形成する四角筒状の内周面を備えている。膜支持部17の内周面には、振動膜16が内接するように振動膜16が全周にわたって連結され、これにより、振動膜16の周囲が膜支持部17によって支持される。振動膜16は膜支持部17の上端側に連結され、キャビティ18の上側は振動膜16によって閉塞されている。
【0019】
内周面は、4つの平面部17aと、隣り合う平面部17a同士を連結する4つの角部17bとで構成されている。それぞれの角部17bは、四角形の内角に応じた形状ではなく、面取りされた形状を有している。角部17bの面取り形状は、振動膜16と平行な平面で見た場合、直線形状に形成されており、面取りされた角部17bの端部に平面部17aの端部が連結している。隣り合う平面部17aが、面取りされた角部17bを介して連結することで、隣り合う平面部17aがなす角度(四角形の内角)よりも大きな角度(鈍角)で平面部17aと角部17bとが連結している。また、振動膜16と平行な平面で見た場合、角部17bは、1つの直線から形成される以外にも、複数の直線を組み合わせて形成したり、曲線から形成してもよい。
【0020】
また、トランスデューサ1は、分割スリット2を備えている。分割スリット2は、圧電素子10と振動膜16とが積層された振動体を厚み方向に貫通する切り込みである。分割スリット2により、振動体が複数の振動領域100に分割される。
【0021】
分割スリット2は、振動膜16の中心から角部17bに向かって延在する主スリット部2aを備えている。本実施形態では、内周面が四角形状であるため、分割スリット2は、4つの主スリット部2aを備える。4つの主スリット部2aにより、圧電素子10と振動膜16とが積層された振動体が4つの振動領域100に分割される。
【0022】
分割された振動膜16のそれぞれは、膜支持部17から振動膜16の中心に向かって張り出した片持ち梁形状を有している。各振動膜16の先端部は、自由端に構成されている。
【0023】
また、図3Aに示すように、分割スリット2は、副スリット部2bを備えている。副スリット部2bは、角部17bと平面部17aとが連結する連結部、すなわち、角部17bと平面部17aとのコーナー(角)から、主スリット部2aの角部17b側の端部まで延在している。コーナーは、角部17bの両側にそれぞれ存在しているため、1つの主スリット部2aに対して、2つの副スリット部2bが設けられている。
【0024】
例えば、主スリット部2aの端部が角部17bまで到達している場合、図3Aに示すように、副スリット部2bは、直線で形成されており、T字形状をなすように主スリット部2aと接続されている。もっとも、主スリット部2aは角部17bに到達している必要は無い。この場合、図3Bに示すように、副スリット部2bは、Y字形状をなすように主スリット部2aと接続される。なお、副スリット部2bは、直線以外で形成してもよい。例えば、振動膜16と平行な平面で見た場合に、角部17bが複数の直線を組み合わせて形成されたり、曲線から形成されたりする場合、副スリット部2bは、角部17bに沿った形状で形成してもよい。
【0025】
なお、分割スリット2によって電極11、12が分断されることがないように、角部17bに対応する位置には、隣り合う振動領域100に位置する電極11、12を相互に接続するための配線部が設けられている。
【0026】
このような構成のトランスデューサ1において、膜体15の振動膜16上には、圧電素子10が設けられている。すなわち、振動膜16上には、下側の電極12、圧電膜13及び上側の電極11が順番に積層されている。一対の電極11、12に駆動電圧がそれぞれ印加されると、一対の電極11、12の間に電位差が生じる。この電位差により、振動膜16が変位する。具体的には、分割された振動膜16の先端側が反るように変位する。
【0027】
一対の電極11、12に対して駆動電圧を繰り返し印加することで、振動膜16は、上側への変位と下側への変位を交互に繰り返す。この振動膜16の振動により、振動膜16の周囲の空気が振動させられ、空気の振動が音波として出力される。
【0028】
このように本実施形態において、キャビティ18を形成する内周面は、面取りされた角部17bを介して4つの平面部17aが連結された四角形状を有している。分割スリット2は、振動膜16の中心から角部17bに向かって延在する主スリット部2aと、角部17bと平面部17aとが連結する連結部(コーナー)から、主スリット部2aにおける角部17b側の端部まで延在する副スリット部2bとを有している。
【0029】
この構成によれば、内周面の角部17bが面取りされているので、平面部17aが角部17bに対して連結する角度が大きくなる。これにより、角部17bに集中する応力を緩和することができる。その結果、膜支持部17の強度を高めることができる。
【0030】
角部17bが面取りされた場合、分割された振動膜16と膜支持部17との連結部位は、1つの平面部17aに沿った直線と、角部17bに沿った直線とを含み、屈曲した形状となっている。平面部17aと角部17bとの間に屈曲点(コーナー)が存在するため、分割された振動膜16が変位した場合には、屈曲点に応力が集中し、亀裂などが発生する可能性がある。
【0031】
そこで、本実施形態では、副スリット部2bを、主スリット部2aの端部からコーナーまで繋げている。これにより、分割された振動膜16と膜支持部17との連結部位は、平面部17aに対応する直線領域のみで構成されることとなる。振動膜16が変位した場合であっても、特定の箇所への応力の集中を抑制することができる。その結果、振動膜16及び膜支持部17の強度を高めることができるので、破損の発生を抑制することができる。
【0032】
上述した実施形態では、キャビティ18を形成する内周面は四角形状に構成されている。しかしながら、内周面は多角形に構成されていればよく、例えば六角形又は八角形、若しくは五角形又は七角形に構成されていてもよい。
【0033】
(第2の実施形態)
図4を参照し、第2の実施形態に係るトランスデューサ1について説明する。この第2の実施形態に係るトランスデューサ1が、第1の実施形態に係るトランスデューサ1と相違する点は、圧電素子10の構成である。第1の実施形態と重複する内容の説明は省略し、以下、相違点を中心に説明を行う。
【0034】
圧電素子10は、圧電素子10を厚み方向に貫通する圧電スリット14を備えている。圧電スリット14は、振動領域100毎に設けられている。具体的には、圧電スリット14は、平面部17aの垂直方向に沿って、平面部17aから分割スリット2(主スリット部2a)まで延在している。この圧電スリット14により、個々の振動領域100は、複数の小領域に分割される。そして、個々の小領域は、平面部17aと平行な方向(横方向)にかけて不連続となる。
【0035】
分割スリット2により分割された振動膜16の変位は、平面部17aから先端側に向かう程大きくなる。そして、横方向に沿って振動膜16を見た場合、どの位置でも変位が同じであることが理想である。しかしながら、振動膜16が振動を繰り返すうちに、横方向への反りが発生し、振動膜16に歪み発生してしまうことがある。
【0036】
本実施形態では、圧電スリット14により、振動膜16が横方向にかけて分割されているので、振動膜16における横方向への反りの発生を抑制することができる。これより、振動膜16における歪みの発生を抑制し、振動膜16を適切に振動させることができる。
【0037】
なお、圧電スリット14は、1つの振動領域100に対して4つ設けられているが、1つ以上設けられていればよい。また、振動領域100毎に、圧電スリット14の数が異なっていてもよい。
【0038】
(第3の実施形態)
図5を参照し、第3の実施形態に係るトランスデューサ1について説明する。この第3の実施形態に係るトランスデューサ1が、第1の実施形態に係るトランスデューサ1と相違する点は、電極11、12と電極パッド11a、12aとの接続形態である。以下、電極11と電極パッド11aとの接続形態を説明するが、電極12と電極パッド12aとの接続形態についても同様である。また、第1の実施形態と重複する内容の説明は省略し、相違点を中心に説明を行う。
【0039】
電極パッド11aは、分割スリット2によって分割される振動領域100毎に設けられている。具体的には、上側の電極11と接続される電極パッド11aは、4つ設けられている。1つの振動領域100に対して1つの電極パッド11aが配置され、個々の電極パッド11aは、該当する振動領域100の電極11に接続されている。
【0040】
外力などが作用し、膜体15に歪みが発生した場合、分割スリット2の端部から亀裂が発生し、この亀裂が電極11に及ぶことがある。例えば、対向する角部17bのそれぞれに亀裂が発生した場合、電極11が2つに分断されてしまい、電流の経路が遮断されてしまうことがある。このため、トランスデューサ1を駆動させることができなくなる。
【0041】
この点、本実施形態によれば、4つの分割領域100毎に電極パッド11aが用意されている。このため、電極11は、4つの振動領域100毎に、電極パッド11aに接続することができる。電極11が2つに分断されるような場合であっても、分断された後の領域毎に、駆動電圧の印加を継続することができる。これにより、トランスデューサ1の動作を継続させることができる。
【0042】
なお、本実施形態では、1つの振動領域100に対して電極パッド11aを1つ設けている。しかしながら、1つの振動領域100に対して一対の電極パッド11aを設けてもよい。これにより、振動領域100毎に、電極11と一対の電極パッド11aとが接続されるので、電極11が亀裂によって分断されたとしても、個別の振動領域100毎に振動膜16を振動させることができる。
【0043】
以下、上述した各実施形態に適用可能な変形例について説明する。なお、以下に示す変形例は、特に断らない限り、第1から第3の実施形態のいずれにも適用可能である。
【0044】
(第1の変形例)
図6を参照し、第1の変形例に係るトランスデューサ1を説明する。この第1の変形例において、圧電素子10は、振動膜16の中央に対応する中央領域に、圧電素子10を厚さ方向に貫通する開口部20を備えている。図6において、開口部20は、振動膜16と同様、四角形状に形成されている。すなわち、振動膜16の中央領域には、圧電素子10が設けられておらず、開口部20の外側に位置する外側領域にのみ、圧電素子10が設けられている。
【0045】
分割された振動膜16の自由端側が反ることで、振動膜16の膜厚方向に隙間が発生する。この隙間を介して空気が移動するため、空気を振動させる際に空気の漏れが発生してしまう。第1の変形例の構成によれば、振動膜16の自由端側の反りを抑制することができる。これにより、振動膜16の反りによって生じる空気の移動を抑制することができるので、空気を効率よく振動させることができる。
【0046】
(第2の変形例)
図7を参照し、第2の変形例に係るトランスデューサ1を説明する。この第2の変形例において、分割スリット2は、振動膜16と圧電素子10とが積層された振動体を分割する第3スリット部2dをさらに備えている。第3スリット部2dは、振動膜16の中心から平面部17aの中央位置に向かって延在している。第3スリット部2dは、4つの平面部17aの全部に設けられておらず、図7に示す例では、互いに対向する2つの平面部17aにのみ設けられている。
【0047】
このように、主スリット部2a及び第3スリット部2dにより、振動膜16と圧電素子10とが積層された振動体が、6つの振動領域に分割されている。具体的には、6つの振動領域は、一対の主スリット部2aの間に位置する第1の振動領域101と、主スリット部2aと第3スリット部2dとの間に位置する第2の振動領域102とを備えている。第2の振動領域102は、第1の振動領域101とは異なる形状、具体的には、第1の振動領域101よりも先端側の角度が小さい三角形状に分割されている。
【0048】
この構成によれば、第1の振動領域101と、第2の振動領域102とで形状が相違しているため、各振動領域101、102の共振周波数がずれることとなる。これにより、全ての振動領域の形状が同一である場合と比べ、幅広い出力特性を得ることができる。
【0049】
なお、本実施形態では、複数の振動領域を、2種類の形状から構成しているが、3種類以上の形状で構成してもよい。また、複数の振動領域の全てで形状が相違してもよい。
【0050】
(第3の変形例)
図8図9A及び図9Bを参照し、第3の変形例に係るトランスデューサ1を説明する。この第3の変形例において、トランスデューサ1は、圧電素子10上に積層された膜体保護層30を備えている。この膜体保護層30は、振動膜16と内周面との連結部を保護する機能を担っている。膜体保護層30は、弾性を備える軟質の素材、例えば樹脂から形成された薄膜である。膜体保護層30は、キャビティ18を形成する膜支持部17の内周面(平面部17a及び角部17b)に沿って所定幅で設けられているが、圧電素子10の全面を覆うように設けてもよい。
【0051】
振動膜16に大きな変位が与えられたり、膜体15に衝撃などが入力したりした場合には、振動膜16と内周面との連結部に亀裂などが生じることがある。しかしながら、本実施形態によれば、膜体保護層30が連結部を覆っているので、膜体15の破損を保護することができる。
【0052】
なお、膜体保護層30は、振動膜16と内周面との連結部を保護するものであるから、少なくとも連結部において保護性能が得られればよい。よって、膜体保護層30は、内周面よりも内側に向かう程、膜体保護層30の一部が間引かれた形状となってもよい。例えば、図9Bに示す例では、膜体保護層30は、三角形状のスリットが周方向に沿って連続的に設けられている。
【0053】
(第4の変形例)
図10図11A乃至図11Cを参照し、第4の変形例に係るトランスデューサ1を説明する。この第4の変形例において、トランスデューサ1は、圧電素子10上に積層されたカバー層40を備えている。カバー層40は、例えば圧電素子10の全域を覆うように設けられているが、少なくとも分割スリット2を覆う範囲に存在していればよい。このカバー層40は、振動膜16の変位に応じて伸縮する軟質な素材、例えば樹脂などで形成された薄膜である。図11Aにおいて、分割スリット2上に位置するカバー層40は、分割スリット2の上部を塞ぐように平面的に設けられている。
【0054】
この構成によれば、カバー層40によって分割スリット2が覆われるため、振動膜16の片側から反対側への空気の移動を抑制することができる。これにより、分割スリット2を介した空気の移動を抑制することができるので、空気を効率よく振動させることができる。また、片持ち梁形状の先端部が互いに接続されているため、強い外的衝撃の入力時に先端部の急激な変位を抑制することができる。これにより、振動膜16が折れてしまうような破損を抑制することができる。
【0055】
ここで、図11Bに示すように、分割スリット2の縦溝に沿うように、カバー層40を設けてもよい。この構成の場合、振動膜16が変位した際には、分割スリット2の縦溝から、カバー層40が剥がれることで、振動膜16の変位を許容することができる。このカバー層40は、振動膜16と圧電素子10とが積層された振動体に分割スリット2を形成した上で、カバー層40を薄膜状に堆積させることで形成することができる。また、図11Bに示すように、振動領域100の先端側は、振動膜16の中心に向かう程厚さが減少するように面取りされていてもよい。
【0056】
(第5の変形例)
図12A乃至図12Cを参照し、第5の変形例に係るトランスデューサ1を説明する。図12Aには、互いに対向する一対の振動領域100の先端部側がそれぞれ示されている。この第5の変形例では、4つの振動領域100のそれぞれは、振動膜16の中心に向かうに従って先端部の厚さが減少するように面取りされている。図12Aに示す例では、振動領域100の先端部の上面側が面取りされている。
【0057】
対向する一対の振動領域100が互いに変位した際、振動領域100の先端部同士が衝突してしまうことがある。そこで、振動領域100の先端部を面取りすることで、先端部を逃がす隙間が生じるので、衝突を抑制することができる。これにより、振動膜16の破損を抑制することができる。
【0058】
なお、面取りする部位は、振動領域100の先端部の上面側に限らず、先端部の上面側と下面側との両方であってもよい(図12B参照)。また、先端部の面取り方法は、上面から下面にかけて連続的に面取りを行う方法であってもよい(図12C参照)。
【0059】
(第6の変形例)
図13を参照し、第6の変形例に係るトランスデューサ1を説明する。この第6の変形例は、振動領域100の先端形状に特徴を備えている。
【0060】
第6の変形例において、4つの振動領域100のうち、いずれか1つの振動領域100の先端部には、振動膜16の中心まで延出した円形状の突起部100aが設けられている。一方、4つの振動領域100のうち、残余の振動領域100の先端部には、突起部100aを囲むように円弧状に切り欠かれた切欠部100bが設けられている。
【0061】
突起部100aの形状に合わせて切欠部100bが設けられているので、振動領域100の先端部同士が衝突することを抑制することができる。これにより、振動膜16の破損を抑制することができる。また、突起部100aが存在することで、振動膜16の中心の隙間を塞ぐことができる。その結果。振動膜16の片側から反対側への空気の移動を抑制することができ、振動膜16によって空気を効果的に振動させることができる。
【0062】
このように第1から第6の変形例を説明したが、第1から第6の変形例は、それぞれの変形例に示す技術的な特徴を組み合わせて利用することもできる。
【0063】
(第4の実施形態)
以下、図14乃至図16を参照し、第4の実施形態に係るトランスデューサ1を説明する。第4の実施形態に係るトランスデューサ1が、第1の実施形態に係るトランスデューサ1と相違する点は、膜支持部17の構造である。第1の実施形態と重複する内容の説明は省略し、以下、相違点を中心に説明を行う。
【0064】
本実施形態では、キャビティ18を形成する角部17bが、四角形の内角に応じた形状となっている。すなわち、隣り合う平面部17aが角部17bを介して90°に連結されている。このような膜支持部17において、角部17bの周囲には、振動膜16の膜厚方向に延在する中空部である小キャビティ17cが3つ設けられている。個々の小キャビティ17cは、それぞれ独立しており、また、キャビティ18とは繋がらない位置に設けられている。
【0065】
小キャビティ17cは、膜支持部17の下面側から上面側に向かって延在しており、膜支持部17を貫通しない程度の高さ(深さ)に形成されている。振動膜16と平行な平面でみた場合、小キャビティ17cは、円形状又は楕円形状を有している。
【0066】
内周面が多角形状の場合、膜体15に生じる応力は角部17bに集中する。そこで、本実施形態では、角部17bの周囲に小キャビティ17cを設けることで、角部17bに集中する応力を緩和している。また、角部17bに割れが発生した場合であっても、角部17bに周囲に、曲面で形成された小キャビティ17cが存在することで、割れの進行を受け止めることができる。これにより、膜支持部17が大きく破損することを抑制することができる。
【0067】
なお、図17A及び図17Bに示すように、小キャビティ17cとキャビティ18とを繋げるように形成してもよい。図17Aに示す例では、小キャビティ17cとキャビティ18とが直接連通しており、図17Bに示す例では、小キャビティ17cとキャビティ18とが、スリット状の連通部17c1を介して連通している。
【0068】
(第5の実施形態)
以下、図18及び図19を参照し、第5の実施形態に係るトランスデューサ1を説明する。第5の実施形態に係るトランスデューサ1が、第1の実施形態に係るトランスデューサ1と相違する点は、膜支持部17の構造である。第1の実施形態と重複する内容の説明は省略し、以下、相違点を中心に説明を行う。なお、図18では、電極パッド11a、12aの一部が省略されている。
【0069】
本実施形態において、膜支持部17は、キャビティ18を形成する内周面を備えている。内周面は、1つの曲面部17dで構成されており、円形状を有している。そして、膜支持部17の上面側には、貫通しない程度の深さを有する溝部17eが形成されている。溝部17eは、曲面部17dよりも外側に位置し、曲面部17dの周囲を囲むように形成されている。
【0070】
また、電極11、12と電極パッド11a、12aとを接続する配線を保護するため、この配線箇所では溝部17eを形成していない。その代わり、配線箇所では、配線の外周側に溝部17eを設け、溝部17eが二重となるように構成している。
【0071】
このような構成によれば、振動膜16の周囲を囲むように、膜支持部17の上面に溝部17eが形成されている。これにより、膜支持部17のうち、溝部17eよりも内側の領域を内側へと撓ませることができる。その結果、振動膜16の変位に応じて、溝部17eよりも内側の領域を内側へと変位させることができ、ひいては、振動膜16の撓み量を増やすことができる。したがって、振動膜16を大きく変位させることができるので、空気を効率よく振動させることができる。
【0072】
(第6の実施形態)
以下、図20乃至図22を参照し、第6の実施形態に係るトランスデューサ1を説明する。第6の実施形態に係るトランスデューサ1が、第1の実施形態に係るトランスデューサ1と相違する点は、分割スリット2の構造である。第1の実施形態と重複する内容の説明は省略し、以下、相違点を中心に説明を行う。
【0073】
本実施形態において、膜支持部17は、キャビティ18を形成する内周面を備えている。内周面は、1つの曲面部17dで構成されており、円形状を有している。また、トランスデューサ1は、圧電素子10と振動膜16とが積層された振動体を複数の振動領域100に分割する分割スリット2を備えている。
【0074】
分割スリット2は、振動膜16の中心から曲面部17dに向かって延在する、4つの主スリット部2aを備えている。4つの主スリット部2aは、放射形状に分布しており、これにより、圧電素子10と振動膜16とが積層された振動体が、4つの振動領域100に分割される。図22に示すように、主スリット部2aにおける曲面部17d側の端部は、曲線形状に形成されている。
【0075】
また、図22に示すように、主スリット部2aにおける曲面部17d側の端部には、スリット保護層50が設けられている。スリット保護層50は、主スリット部2aの端部を囲む程度の大きさを有している。スリット保護層50は、軟質な素材より形成された薄膜である。なお、スリット保護層50は、電極11、12、圧電膜13のいずれかと同一の素材で形成してもよい。この場合、スリット保護層50として固有の素材を用意する必要がないので、トランスデューサ1の製造工程が煩雑となることを抑制することができる。
【0076】
主スリット部2aの端部が直角な角部で形成されている場合、角部に応力が集中する恐れがある。しかしながら、本実施形態によれば、主スリット部2aの端部が曲線形状に形成されている。これにより、主スリット部2aの端部の特定箇所に応力が集中するといった事態を抑制することができる。これにより、主スリット部2aの端部から割れが発生することを抑制することができる。
【0077】
なお、主スリット部2aの端部は、曲線形状以外の形状であってもよい。例えば、3つ以上の直線を組み合わせた多角形状であってもよい。また、曲線形状と多角形状とを組み合わせた形状、例えば、2つ以上の曲線と1つ以上の直線との組み合わせであったり、1つ以上の曲線と2つ以上の直線との組み合わせであったりしてもよい。
【0078】
また、本実施形態では、主スリット部2aの端部に、スリット保護層50が配置されている。このスリット保護層50により、主スリット部2aの端部が保護される。これにより、主スリット部2aの端部から割れが発生することを抑制することができる。
【0079】
なお、第5の実施形態に示す手法では、キャビティ18を形成する内周面を円形状としているが、内周面の形状は多角形状であってもよい。
【0080】
(第7の実施形態)
以下、図23乃至図24を参照し、第7の実施形態に係るトランスデューサ1を説明する。第7の実施形態に係るトランスデューサ1が、第1の実施形態に係るトランスデューサ1と相違する点は、振動膜16の動作構造である。第1の実施形態と重複する内容の説明は省略し、以下、相違点を中心に説明を行う。なお、図23では、電極パッド11a、12aの一部について省略されている。
【0081】
本実施形態において、膜体15は、カンチレバー型の振動膜16と、膜支持部17とで構成されている。振動膜16は、振動膜16と平行な平面で見た場合、略四角状を有している。膜支持部17は、振動膜16の周囲を囲み、振動膜16の1辺と連結されている。振動膜16の残余の3辺と膜支持部17との間には、隙間19が設定されている。すなわち、振動膜16は片持ち梁形状に支持されている。
【0082】
圧電素子10は、振動膜16の自由端側には設けられておらず、膜支持部17と連結される基端部側に配置されている。一対の電極11、12に駆動電圧がそれぞれ印加されると、一対の電極11、12の間に電位差が生じる。この電位差により、振動膜16の自由端側が膜厚方向に変位する。一対の電極11、12に対して駆動電圧を繰り返し印加することで、振動膜16は、上側への変位と下側への変位を交互に繰り返する。この振動膜16の振動により、振動膜16の周囲の空気を振動させられ、空気の振動が音波として出力される。
【0083】
本実施形態の特徴の一つとして、隙間19によって膜支持部17と隔てられた振動膜16の3辺には、衝立16bが設けられている。衝立16bは、圧電素子10とは反対側の面に設けられており、キャビティ18に向かって延出している。自由端側に位置する辺に設けられる衝立16bは、辺に沿って連続的に形成されている。一方、自由端側と基端部側との間をつなぐ2つの辺に設けられる衝立16bは、所定の間隔(スリット)をあけながら断続的に設けられている。
【0084】
また、膜支持部17のうち、振動膜16の自由端側と向き合う面には、空間部17fが形成されている。空間部17fは、膜支持部17の上部を残すように形成されている。
【0085】
振動膜16の自由端側が反ることで、振動膜16の膜厚方向に隙間が発生する。この隙間を介して空気が移動するため、空気を振動させる際に空気の漏れが大きくなる。しかしながら、本実施形態によれば、振動膜16の下面に衝立16bが設けられている。この衝立16bにより隙間の形成が抑制されるので、空気の抜けを抑制することができる。
【0086】
また、振動膜16が反り上がる辺では、衝立16bが断続的に形成されている。これにより、衝立16bが振動膜16の変位を阻害することがない。その結果、振動膜16の振動を許容することができる。
【0087】
加えて、膜支持部17に空間部17fを設けることで、自由端側に設けた衝立16bと、膜支持部17とが干渉することを防止することができる。これにり、振動膜16の自由な変位を許容することができる。また、空間部17fは、膜支持部17の上部を残すように形成されているため、振動膜16と膜支持部17との隙間19が大きくなることを抑制することができる。これにより、隙間19を介した空気の流れを抑制することができる。
【0088】
以上、第4から第7の実施形態を説明したが、第4から第7の実施形態は、それぞれの実施形態に示される技術的な特徴を互いに組み合わせて利用することができる。また、第4から第7の実施形態は、第1から第3の実施形態及び第1から第6の変形例に示される技術的な特徴を組み合わせて利用することができる。
【0089】
上記のように、本発明の実施形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0090】
例えば、トランスデューサは、音波を送信する以外にも、音波を受信する用途に適用してもよい。また、トランスデューサは、音波に限らず、超音波の送信又は受信を行う用途に適用してもよい。
【符号の説明】
【0091】
1 トランスデューサ
2 分割スリット
2a 主スリット部
2b 副スリット部
10 圧電素子
11、12 電極
13 圧電膜
14 圧電スリット
15 膜体
16 振動膜
16b 衝立
17 膜支持部
17a 平面部
17b 角部
17c 小キャビティ
17d 曲面部
17e 溝部
18 キャビティ
19 隙間
20 開口部
30 膜体保護層
40 カバー層
50 スリット保護層
100 振動領域
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図12C
図13
図14
図15
図16
図17A
図17B
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24