(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】固体撮像装置、固体撮像装置の駆動方法、および電子機器
(51)【国際特許分類】
H04N 25/58 20230101AFI20240326BHJP
H04N 25/772 20230101ALI20240326BHJP
H04N 25/778 20230101ALI20240326BHJP
H01L 27/146 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
H04N25/58
H04N25/772
H04N25/778
H01L27/146 A
H01L27/146 C
(21)【出願番号】P 2019179918
(22)【出願日】2019-09-30
【審査請求日】2022-08-05
(73)【特許権者】
【識別番号】521182560
【氏名又は名称】ブリルニクス シンガポール プライベート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001863
【氏名又は名称】弁理士法人アテンダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮内 健
(72)【発明者】
【氏名】盛 一也
【審査官】三沢 岳志
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-087963(JP,A)
【文献】特表2017-536780(JP,A)
【文献】特開2019-062398(JP,A)
【文献】特開2019-062399(JP,A)
【文献】特開2019-062400(JP,A)
【文献】特開2019-080107(JP,A)
【文献】特開2019-080225(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0115730(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 25/58
H04N 25/772
H04N 25/778
H01L 27/146
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光電変換を行う画素が配置された画素部と、
前記画素部の前記画素から画素信号を読み出す読み出し部と、を有し、
前記画素は、
蓄積期間に光電変換により生成した電荷を蓄積する少なくとも一つの光電変換素子と、
前記光電変換素子に蓄積された電荷を前記蓄積期間後の転送期間に転送可能な少なくとも一つの転送素子と、
前記転送素子を通じて前記光電変換素子で蓄積された電荷が転送される出力ノードと、
リセット期間に前記出力ノードを所定の電位にリセットするリセット素子と、
前記出力ノードの電荷1電荷量に応じた電圧信号に変換し、変換した電圧信号を出力する出力バッファ部と、を含む光電変換読み出し部と、
前記出力バッファ部による電圧信号と参照電圧とを比較し、デジタル化した比較結果信号を出力する比較処理を行う比較器と、を含み、
前記比較器は、前記読み出し部の制御の下、
異なる前記光電変換素子の蓄積電荷に対して異なる読み出しシーケンスで読み出された少なくとも2系統のモード読み出し信号に対する比較処理を行うことが可能であって、
同一の前記光電変換読み出し部内の異なる前記光電変換素子または異なる前記光電変換読み出し部の前記光電変換素子の蓄積電荷に対して異なる読み出しシーケンスで読み出された少なくとも2系統のモード読み出し信号に対する比較処理を行うことが可能であり、
前記読み出し部は、
複数のうちの少なくとも2系統の読み出しモードで前記画素信号の読み出しが可能であって、
少なくとも第1の読み出しモード、第2の読み出しモード、第3の読み出しモード、および第4の読み出しモードの4系統の読み出しモードうちの少なくとも2系統の読み出しモードで前記画素信号の読み出しが可能であり、
前記画素の前記光電変換読み出し部は、
前記光電変換素子に接続され、前記光電変換素子から電荷を前記出力ノード方向または前記出力ノード外方向にオーバーフローさせることが可能な電荷オーバーフローゲート素子を含み、
前記第4の読み出しモード時には、読み出し対象の前記光電変換素子のオーバーフロー電荷を前記出力ノード側にオーバーフローさせる
固体撮像装置。
【請求項2】
前記転送素子の少なくともチャネル形成領域より深い層にオーバーフローパスが形成されている
請求項1記載の固体撮像装置。
【請求項3】
前記オーバーフローパスの電位は前記転送素子のゲート電位により制御可能である
請求項2記載の固体撮像装置。
【請求項4】
前記画素は、
前記出力ノードの電荷量を第1電荷量または第2電荷量に変更して前記出力バッファ部の変換利得を前記第1電荷量に応じた第1変換利得または前記第2電荷量に応じた第2変換利得に切り換え可能な利得切換部を含み、
前記読み出し部は、
前記第1の読み出しモード時には、
前記リセット期間後のリセット読み出し期間に、前記出力バッファ部から前記出力ノードの第1電荷量または第2電荷量に応じた第1変換利得または第2変換利得で変換した読み出しリセット信号を読み出し、前記比較器で当該読み出しリセット信号に対する前記比較処理を行う第1変換利得リセット読み出し処理または第2変換利得リセット読み出し処理と、
前記リセット読み出し期間後の前記転送期間に続く読み出し期間に、前記出力バッファ部から前記出力ノードの第1電荷量または第2電荷量に応じた第1変換利得または第2変換利得で変換した読み出し信号を読み出し、前記比較器で当該読み出し信号に対する前記比較処理を行う第1変換利得読み出し処理または第2変換利得読み出し処理と、を行うことが可能であり、
前記第2の読み出しモード時には、
前記リセット期間後のリセット読み出し期間に、前記出力バッファ部から前記出力ノードの第2電荷量に応じた第2変換利得で変換した第2の読み出しリセット信号を読み出し、前記比較器で当該第2の読み出しリセット信号に対する前記比較処理を行う第2変換利得リセット読み出し処理と、
前記利得切換部により利得を切り換えて、前記出力バッファ部から前記出力ノードの第1電荷量に応じた第1変換利得で変換した第1の読み出しリセット信号を読み出し、前記比較器で当該第1の読み出しリセット信号に対する前記比較処理を行う第1変換利得リセット読み出し処理と、
前記リセット読み出し期間後の第1の前記転送期間に続く第1の読み出し期間に、前記出力バッファ部から前記出力ノードの第1電荷量に応じた第1変換利得で変換した第1の読み出し信号を読み出し、前記比較器で当該第1の読み出し信号に対する前記比較処理を行う第1変換利得読み出し処理と、
前記第1の読み出し期間後に前記利得切換部により利得を切り換えて、前記第1の読み出し期間後の第2の前記転送期間に続く第2の読み出し期間に、前記出力バッファ部から前記出力ノードの第2電荷量に応じた第2変換利得で変換した第2の読み出し信号を読み出し、前記比較器で当該第2の読み出し信号に対する前記比較処理を行う第2変換利得読み出し処理と、を行うことが可能であり、
前記第3の読み出しモード時には、
第1のリセット読み出し期間に、前記出力バッファ部から前記出力ノードの第1電荷量に応じた第1変換利得で変換した第1の読み出しリセット信号を読み出し、前記比較器で当該第1の読み出しリセット信号に対する前記比較処理を行う第1変換利得リセット読み出し処理と、
前記第1のリセット読み出し期間後の第1の前記転送期間に続く第1の読み出し期間に、前記出力バッファ部から前記出力ノードの第1電荷量に応じた第1変換利得で変換した第1の読み出し信号を読み出し、前記比較器で当該第1の読み出し信号に対する前記比較処理を行う第1変換利得読み出し処理と、
前記第1の読み出し期間後に前記利得切換部により利得を切り換えて、前記第1の読み出し期間後の第2の前記転送期間に続く第2の読み出し期間に、前記出力バッファ部から前記出力ノードの第2電荷量に応じた第2変換利得で変換した第2の読み出し信号を読み出し、前記比較器で当該第2の読み出し信号に対する前記比較処理を行う第2変換利得読み出し処理と、
前記第2の読み出し期間後の第2のリセット期間に続く第2のリセット信号読み出し期間に、前記出力バッファ部から前記出力ノードの第2電荷量に応じた第2変換利得で変換した第2の読み出しリセット信号を読み出し、前記比較器で当該第2の読み出しリセット信号に対する前記比較処理を行う第2変換利得リセット読み出し処理と、を行うことが可能であり、
前記第4の読み出しモード時には、
不規則な強い光が光電変換素子に入射した場合であって、
オーバーフロー電荷によって前記出力ノードの電位が変動し前記比較器の出力が反転するまでの時間をクロックで数えて信号量を予測し、第1の前記リセット期間後の第1のリセット読み出し期間に、前記出力バッファ部から前記出力ノードの第1電荷量に応じた第1変換利得で変換した第1の読み出しリセット信号を読み出し、前記比較器で当該第1の読み出しリセット信号に対する前記比較処理を行う第1変換利得リセット読み出し処理と、
前記第1のリセット読み出し期間後の第1の前記転送期間に続く第1の読み出し期間に、前記出力バッファ部から前記出力ノードの第1電荷量に応じた第1変換利得で変換した第1の読み出し信号を読み出し、前記比較器で当該第1の読み出し信号に対する前記比較処理を行う第1変換利得読み出し処理と、
前記第1の読み出し期間後に前記利得切換部により利得を切り換えて、前記第1の読み出し期間後の第2の前記転送期間に続く第2の読み出し期間に、前記出力バッファ部から前記出力ノードの第2電荷量に応じた第2変換利得で変換した第2の読み出し信号を読み出し、前記比較器で当該第2の読み出し信号に対する前記比較処理を行う第2変換利得読み出し処理と、
前記第2の読み出し期間後の第2のリセット期間に続く第2のリセット信号読み出し期間に、前記出力バッファ部から前記出力ノードの第2電荷量に応じた第2変換利得で変換した第2の読み出しリセット信号を読み出し、前記比較器で当該第2の読み出しリセット信号に対する前記比較処理を行う第2変換利得リセット読み出し処理と、を行うことが可能である
請求項1から3のいずれか一に記載の固体撮像装置。
【請求項5】
前記読み出し部は、
異なる前記光電変換素子のうち、一の前記光電変換素子の蓄積電荷に対して前記第4の読み出しモードまたは前記第3の読み出しモードで前記画素信号としての読み出しを行い、
残りの前記光電変換素子の蓄積電荷に対しては、前記第4の読み出しモードまたは前記第3の読み出しモードを除く、少なくとも前記第1の読み出しモードおよび前記第2の読み出しモードのうちのいずれかの読み出しモードで前記画素信号としての読み出しを行う
請求項4記載の固体撮像装置。
【請求項6】
一つの前記比較器に複数の前記光電変換読み出し部が選択的に接続されて、一つの前記比較器が複数の前記光電変換読み出し部で共有されており、
前記読み出し部は、
前記一つの比較器につき、共有された複数の前記光電変換読み出し部のうちの一つの光電変換素子の蓄積電荷に対してのみ前記第4の読み出しモードで前記画素信号としての読み出しを行う
請求項4記載の固体撮像装置。
【請求項7】
前記読み出し部は、
残りの前記光電変換素子の蓄積電荷に対しては、前記第4の読み出しモードまたは前記第3の読み出しモードを除く、少なくとも前記第1の読み出しモードおよび前記第2の読み出しモードのうちのいずれかの読み出しモードで前記画素信号としての読み出しを行う
請求項6記載の固体撮像装置。
【請求項8】
前記画素の前記光電変換読み出し部は、
前記光電変換素子に接続され、前記光電変換素子から電荷を前記出力ノード方向または前記出力ノード外方向にオーバーフローさせることが可能な電荷オーバーフローゲート素子を含み、
前記第4の読み出しモードまたは前記第3の読み出しモードを除く、少なくとも前記第1の読み出しモードおよび前記第2の読み出しモードのうちのいずれかの読み出しモード時には、読み出し対象の前記光電変換素子のオーバーフロー電荷を前記電荷オーバーフローゲート素子にオーバーフローさせる
請求項4から7のいずれか一に記載の固体撮像装置。
【請求項9】
前記電荷オーバーフローゲート素子の少なくともチャネル形成領域下にオーバーフローパスが形成される
請求項8記載の固体撮像装置。
【請求項10】
前記電荷オーバーフローゲート素子は、前記光電変換素子の蓄積電荷を前記出力ノード外に転送するシャッタゲートとして機能する
請求項8または9記載の固体撮像装置。
【請求項11】
前記転送素子と前記電荷オーバーフローゲート素子はそれぞれ個別のタイミングで駆動制御される
請求項10記載の固体撮像装置。
【請求項12】
前記画素の前記光電変換読み出し部は、
前記転送素子が非導通状態において、前記電荷オーバーフローゲート素子が導通状態から非導通状態に切り替えられたタイミングで露光期間が開始される
請求項11記載の固体撮像装置。
【請求項13】
前記露光期間は、
前記第1の読み出しモードの場合、
前記電荷オーバーフローゲート素子が導通状態から非導通状態に切り替えられたタイミングから前記転送期間において前記転送素子が導通状態から非導通状態に切り換えられるタイミングまでであり、
前記第2の読み出しモードおよび前記第3の読み出しモードの場合、
前記電荷オーバーフローゲート素子が導通状態から非導通状態に切り替えられたタイミングから第2の前記転送期間において前記転送素子が導通状態から非導通状態に切り換えられるタイミングまでであり、
前記第4の読み出しモードの場合、
前記電荷オーバーフローゲート素子が導通状態から非導通状態に切り替えられたタイミングから前記比較器側がオートゼロ動作するタイミングまでである
請求項12記載の固体撮像装置。
【請求項14】
前記利得切換部は、
前記出力ノードに接続された蓄積素子と、
前記蓄積素子を介して前記出力ノードの電荷を蓄積する蓄積容量素子と、を含み、
前記読み出し部は、
前記第1変換利得リセット読み出し処理および前記第1変換利得読み出し処理を、前記転送素子、前記電荷オーバーフローゲート素子、および前記リセット素子を非導通状態に保持し、かつ、前記蓄積素子を非導通状態に保持して、前記出力ノードの電荷と前記蓄積容量素子の電荷を分離させて実行し、
前記第1の読み出しモードおよび前記第2の読み出しモードの場合は、
前記第2変換利得リセット読み出し処理を、
前記転送素子、前記電荷オーバーフローゲート素子、および前記リセット素子を非導通状態に保持し、かつ、前記蓄積素子を導通状態に保持して、前記出力ノードの電荷と前記蓄積容量素子の電荷を共有させて実行し、
前記第2変換利得読み出し処理を、前記転送素子、および前記リセット素子を非導通状態に保持し、前記電荷オーバーフローゲート素子を導通状態に保持し、かつ、前記蓄積素子を導通状態に保持して、前記出力ノードの電荷と前記蓄積容量素子の電荷を共有させて実行し、
前記第3の読み出しモードおよび前記第4の読み出しモードの場合は、
前記第2変換利得リセット読み出し処理および前記第2変換利得読み出し処理を、前記転送素子、および前記リセット素子を非導通状態に保持し、前記電荷オーバーフローゲート素子を導通状態に保持し、かつ、前記蓄積素子を導通状態に保持して、前記出力ノードの電荷と前記蓄積容量素子の電荷を共有させて実行する
請求項8から13のいずれか一に記載の固体撮像装置。
【請求項15】
前記画素の前記光電変換読み出し部は、
蓄積期間に光電変換により生成した電荷を蓄積する第1の光電変換素子と、
前記第1の光電変換素子に蓄積された電荷を前記蓄積期間後の転送期間に転送可能な第1の転送素子と、
前記第1の光電変換素子に接続され、前記第1の光電変換素子から電荷を前記出力ノード方向または前記出力ノード外方向にオーバーフローさせることが可能な第1の電荷オーバーフローゲート素子と、
蓄積期間に光電変換により生成した電荷を蓄積する第2の光電変換素子と、
前記第2の光電変換素子に蓄積された電荷を前記蓄積期間後の転送期間に転送可能な第2の転送素子と、
前記第2の光電変換素子に接続され、前記第2の光電変換素子から電荷を前記出力ノード方向または前記出力ノード外方向にオーバーフローさせることが可能な第2の電荷オーバーフローゲート素子と、
前記第1の転送素子を通じて前記第1の光電変換素子で蓄積された電荷または前記第2の転送素子を通じて前記第2の光電変換素子で蓄積された電荷が転送される前記出力ノードとしてのフローティングディフュージョンと、を含み、
前記出力バッファ部は、
前記フローティングディフュージョンの電荷を電荷量に応じた電圧信号に変換し、変換した信号を前記比較器の入力端子に接続された信号線に出力するソースフォロワ素子を含み、
前記読み出し部は、
前記第1の光電変換素子の蓄積電荷に対して前記第4の読み出しモードによる読み出しを行い、
続いて、前記第2の光電変換素子の蓄積電荷に対して前記第1の読み出しモードまたは前記第2の読み出しモードによる読み出しを行う
請求項14記載の固体撮像装置。
【請求項16】
前記読み出し部は、
前記第4の読み出しモードに続いて前記第2の読み出しモードの読み出し処理を行い、
引き継ぎ部分において前記第2変換利得リセット読み出し処理による信号を共用する
請求項15記載の固体撮像装置。
【請求項17】
同一の前記光電変換読み出し部内に配置された前記第1の光電変換素子は前記第2の光電変換素子より容量が小さく形成されている
請求項15または16記載の固体撮像装置。
【請求項18】
前記画素の前記光電変換読み出し部は、
素子の形成領域として、中央部分の中央領域、並びに、前記中央領域を挟んで両側の第1の領域および第2の領域を含み、
前記中央領域には、前記フローティングディフュージョン、前記リセット素子、前記蓄積素子が形成され、
前記第1の領域には、少なくとも前記第4の読み出しモードまたは前記第3の読み出しモードでアクセスされる前記第1の転送素子、第1の電荷オーバーフローゲート素子、および前記蓄積容量素子が隣接するように形成され、
前記第2の領域には、前記第4の読み出しモードまたは前記第3の読み出しモード以外の読み出しモードでアクセスされる前記第2の転送素子および第2の電荷オーバーフローゲート素子が形成されている
請求項15記載の固体撮像装置。
【請求項19】
一つの前記比較器に複数の前記光電変換読み出し部が選択的に接続されて、一つの前記比較器が複数の前記画素で共有されており、
一の前記光電変換読み出し部は、
蓄積期間に光電変換により生成した電荷を蓄積する第1の光電変換素子と、
前記第1の光電変換素子に蓄積された電荷を前記蓄積期間後の転送期間に転送可能な第1の転送素子と、
前記第1の光電変換素子に接続され、前記第1の光電変換素子から電荷を前記出力ノード方向または前記出力ノード外方向にオーバーフローさせることが可能な第1の電荷オーバーフローゲート素子と、
前記第1の転送素子を通じて前記第1の光電変換素子で蓄積された電荷が転送される前記出力ノードとしての第1のフローティングディフュージョンと、
利得切換部と、を含み、
前記出力バッファ部は、
前記第1のフローティングディフュージョンの電荷を電荷量に応じた電圧信号に変換し、変換した信号を前記比較器の入力端子に接続された信号線に出力する第1のソースフォロワ素子を含み、
前記利得切換部は、
前記第1のフローティングディフュージョンに接続された第1の蓄積素子と、
前記第1の蓄積素子を介して前記第1のフローティングディフュージョンの電荷を蓄積する第1の蓄積容量素子と、を含み、
他の前記光電変換読み出し部は、
蓄積期間に光電変換により生成した電荷を蓄積する第2の光電変換素子と、
前記第2の光電変換素子に蓄積された電荷を前記蓄積期間後の転送期間に転送可能な第2の転送素子と、
前記第2の光電変換素子に接続され、前記第2の光電変換素子から電荷を前記出力ノード方向または前記出力ノード外方向にオーバーフローさせることが可能な第2の電荷オーバーフローゲート素子と、
前記第2の転送素子を通じて前記第2の光電変換素子で蓄積された電荷が転送される前記出力ノードとしての第2のフローティングディフュージョンと、を含み、
前記出力バッファ部は、
前記第2のフローティングディフュージョンの電荷を電荷量に応じた電圧信号に変換し、変換した信号を前記比較器の入力端子に接続された前記信号線に出力する第2のソースフォロワ素子を含み、
前記利得切換部は、
前記第2のフローティングディフュージョンに接続された第2の蓄積素子と、
前記第2の蓄積素子を介して前記第2のフローティングディフュージョンの電荷を蓄積する第2の蓄積容量素子と、を含み、
前記読み出し部は、
前記一の画素の前記第1の光電変換素子の蓄積電荷に対して前記第4の読み出しモードまたは前記第3の読み出しモードによる読み出しを行い、
続いて、他の画素の前記第2の光電変換素子の蓄積電荷に対して前記第1の読み出しモードまたは前記第2の読み出しモードによる読み出しを行う
請求項15記載の固体撮像装置。
【請求項20】
前記画素の前記光電変換読み出し部は、
素子の形成領域として、中央部分の中央領域、並びに、前記中央領域を挟んで両側の第1の縁部領域および第2の縁部領域を含み、
前記中央領域には、
両側部に前記第1の蓄積容量素子および前記第2の蓄積容量素子が形成され、
前記第1の蓄積容量素子および前記第2の蓄積容量素子の形成領域間であって、前記第1の縁部領域側に前記第1の光電変換素子、前記第1の転送素子、および第1の電荷オーバーフローゲート素子が形成され、
前記第2の縁部領域側に前記第2の光電変換素子、前記第2の転送素子、および第2の電荷オーバーフローゲート素子が形成され、
前記第1の縁部領域には、
前記第1のフローティングディフュージョン、第1の前記リセット素子、前記第1の蓄積素子が形成され、
前記第2の縁部領域には、
前記第2のフローティングディフュージョン、第2の前記リセット素子、前記第2の蓄積素子が形成されている
請求項19記載の固体撮像装置。
【請求項21】
一つの前記比較器に複数の前記光電変換読み出し部が選択的に接続されて、一つの前記比較器が複数の前記光電変換読み出し部で共有されており、
一の前記光電変換読み出し部は、
蓄積期間に光電変換により生成した電荷を蓄積する第1の光電変換素子と、
前記第1の光電変換素子に蓄積された電荷を前記蓄積期間後の転送期間に転送可能な第1の転送素子と、
前記第1の光電変換素子に接続され、前記第1の光電変換素子から電荷を前記出力ノード方向または前記出力ノード外方向にオーバーフローさせることが可能な第1の電荷オーバーフローゲート素子と、
蓄積期間に光電変換により生成した電荷を蓄積する第2の光電変換素子と、
前記第2の光電変換素子に蓄積された電荷を前記蓄積期間後の転送期間に転送可能な第2の転送素子と、
前記第2の光電変換素子に接続され、前記第2の光電変換素子から電荷を前記出力ノード方向または前記出力ノード外方向にオーバーフローさせることが可能な第2の電荷オーバーフローゲート素子と、
前記第1の転送素子を通じて前記第1の光電変換素子で蓄積された電荷または前記第2の転送素子を通じて前記第2の光電変換素子で蓄積された電荷が転送される前記出力ノードとしての第1のフローティングディフュージョンと、
利得切換部と、を含み、
前記第1の転送素子を通じて前記第1の光電変換素子で蓄積された電荷が転送される前記出力ノードとしての第1のフローティングディフュージョンと、を含み、
前記出力バッファ部は、
前記第1のフローティングディフュージョンの電荷を電荷量に応じた電圧信号に変換し、変換した信号を前記比較器の入力端子に接続された信号線に出力する第1のソースフォロワ素子を含み、
前記利得切換部は、
前記第1のフローティングディフュージョンに接続された第1の蓄積素子と、
前記第1の蓄積素子を介して前記第1のフローティングディフュージョンの電荷を蓄積する第1の蓄積容量素子と、を含み、
他の前記光電変換読み出し部は、
蓄積期間に光電変換により生成した電荷を蓄積する第3の光電変換素子と、
前記第3の光電変換素子に蓄積された電荷を前記蓄積期間後の転送期間に転送可能な第3の転送素子と、
前記第3の光電変換素子に接続され、前記第3の光電変換素子から電荷を前記出力ノード方向または前記出力ノード外方向にオーバーフローさせることが可能な第3の電荷オーバーフローゲート素子と、
蓄積期間に光電変換により生成した電荷を蓄積する第4の光電変換素子と、
前記第4の光電変換素子に蓄積された電荷を前記蓄積期間後の転送期間に転送可能な第4の転送素子と、
前記第4の光電変換素子に接続され、前記第4の光電変換素子から電荷を前記出力ノード方向または前記出力ノード外方向にオーバーフローさせることが可能な第4の電荷オーバーフローゲート素子と、
前記第3の転送素子を通じて前記第3の光電変換素子で蓄積された電荷または前記第4の転送素子を通じて前記第4の光電変換素子で蓄積された電荷が転送される前記出力ノードとしての第2のフローティングディフュージョンと、を含み、
前記出力バッファ部は、
前記第2のフローティングディフュージョンの電荷を電荷量に応じた電圧信号に変換し、変換した信号を前記比較器の入力端子に接続された信号線に出力する第2のソースフォロワ素子を含み、
前記利得切換部は、
前記第2のフローティングディフュージョンに接続された第2の蓄積素子と、
前記第2の蓄積素子を介して前記第2のフローティングディフュージョンの電荷を蓄積する第2の蓄積容量素子と、を含み、
前記読み出し部は、
前記一の光電変換読み出し部の前記第1の光電変換素子の蓄積電荷に対して前記第4の読み出しモードまたは前記第3の読み出しモードによる読み出しを行い、
続いて、前記他の光電変換読み出し部の前記第3の光電変換素子の蓄積電荷に対して前記第3の読み出しモードによる読み出しを行い、
前記一の光電変換読み出し部の前記第2の光電変換素子の蓄積電荷に対して前記第1の読み出しモードまたは前記第2の読み出しモードによる読み出しを行い、
続いて、前記他の光電変換読み出し部の前記第4の光電変換素子の蓄積電荷に対して前記第1の読み出しモードまたは前記第2の読み出しモードによる読み出しを行う
請求項14記載の固体撮像装置。
【請求項22】
同一の前記一の光電変換読み出し部内に配置された前記第1の光電変換素子は前記第2の光電変換素子より容量が小さく形成され、
同一の前記他の光電変換読み出し部内に配置された前記第3の光電変換素子は前記第4の光電変換素子より小さく形成されている
請求項21記載の固体撮像装置。
【請求項23】
前記画素の前記光電変換読み出し部は、
素子の形成領域として、中央部分の中央領域、並びに、前記中央領域を挟んで両側の第1の縁部領
域および第2の縁部領域を含み、
前記中央領域には、
前記第1の蓄積容量素子に隣接して前記第1の光電変換素子、前記第1の転送素子、および第1の電荷オーバーフローゲート素子が前記第1の縁部領域側に形成され、前記第3の光電変換素子、前記第3の転送素子、および第3の電荷オーバーフローゲート素子が前記第2の縁部領域側に形成され、
残りの領域に、前記第2の光電変換素子、前記第2の転送素子、および第2の電荷オーバーフローゲート素子が前記第1の縁部領域側に形成され、前記第4の光電変換素子、前記第4の転送素子、および第4の電荷オーバーフローゲート素子が前記第2の縁部領域側に形成され、
前記第1の縁部領域には、
前記第1のフローティングディフュージョン、第1の前記リセット素子、前記第1の蓄積素子が形成され、
前記第2の縁部領域には、
前記第2のフローティングディフュージョン、第2の前記リセット素子、前記第2の蓄積素子が形成されている
請求項21記載の固体撮像装置。
【請求項24】
光電変換を行う画素が配置された画素部と、
前記画素部の前記画素から画素信号を読み出す読み出し部と、を有し、
前記画素は、
蓄積期間に光電変換により生成した電荷を蓄積する少なくとも一つの光電変換素子と、
前記光電変換素子に蓄積された電荷を前記蓄積期間後の転送期間に転送可能な少なくとも一つの転送素子と、
前記転送素子を通じて前記光電変換素子で蓄積された電荷が転送される出力ノードと、
リセット期間に前記出力ノードを所定の電位にリセットするリセット素子と、
前記出力ノードの電荷を電荷量に応じた電圧信号に変換し、変換した電圧信号を出力する出力バッファ部と、を含む光電変換読み出し部と、
前記出力バッファ部による電圧信号と参照電圧とを比較し、デジタル化した比較結果信号を出力する比較処理を行う比較器と、
を含む固体撮像装置の駆動方法であって、
前記読み出し部の制御の下、前記比較器において、
異なる前記光電変換素子の蓄積電荷に対して異なる読み出しシーケンスで読み出された少なくとも2系統のモード読み出し信号に対する比較処理を行い、
同一の前記光電変換読み出し部内の異なる前記光電変換素子または異なる前記光電変換読み出し部の前記光電変換素子の蓄積電荷に対して異なる読み出しシーケンスで読み出された少なくとも2系統のモード読み出し信号に対する比較処理を行い、
前記読み出し部の制御の下、
複数のうちの少なくとも2系統の読み出しモードで前記画素信号の読み出しにおいて、少なくとも第1の読み出しモード、第2の読み出しモード、第3の読み出しモード、および第4の読み出しモードの4系統の読み出しモードうちの少なくとも2系統の読み出しモードで前記画素信号の読み出しを行い、
前記画素の前記光電変換読み出し部においては、
前記光電変換素子に接続され、前記光電変換素子から電荷を前記出力ノード方向または前記出力ノード外方向にオーバーフローさせることが可能な電荷オーバーフローゲート素子を配置し、
前記第4の読み出しモード時には、読み出し対象の前記光電変換素子のオーバーフロー電荷を前記出力ノード側にオーバーフローさせる
固体撮像装置の駆動方法。
【請求項25】
固体撮像装置と、
前記固体撮像装置に被写体像を結像する光学系と、を有し、
前記固体撮像装置は、
光電変換を行う画素が配置された画素部と、
前記画素部の前記画素から画素信号を読み出す読み出し部と、を有し、
前記画素は、
蓄積期間に光電変換により生成した電荷を蓄積する少なくとも一つの光電変換素子と、
前記光電変換素子に蓄積された電荷を前記蓄積期間後の転送期間に転送可能な少なくとも一つの転送素子と、
前記転送素子を通じて前記光電変換素子で蓄積された電荷が転送される出力ノードと、
リセット期間に前記出力ノードを所定の電位にリセットするリセット素子と、
前記出力ノードの電荷を電荷量に応じた電圧信号に変換し、変換した電圧信号を出力する出力バッファ部と、を含む光電変換読み出し部と、
前記出力バッファ部による電圧信号と参照電圧とを比較し、デジタル化した比較結果信号を出力する比較処理を行う比較器と、を含み、
前記比較器は、前記読み出し部の制御の下、
異なる前記光電変換素子の蓄積電荷に対して異なる読み出しシーケンスで読み出された少なくとも2系統のモード読み出し信号に対する比較処理を行うことが可能であって、
同一の前記光電変換読み出し部内の異なる前記光電変換素子または異なる前記光電変換読み出し部の前記光電変換素子の蓄積電荷に対して異なる読み出しシーケンスで読み出された少なくとも2系統のモード読み出し信号に対する比較処理を行うことが可能であり、
前記読み出し部は
複数のうちの少なくとも2系統の読み出しモードで前記画素信号の読み出しが可能であって、
少なくとも第1の読み出しモード、第2の読み出しモード、第3の読み出しモード、および第4の読み出しモードの4系統の読み出しモードうちの少なくとも2系統の読み出しモードで前記画素信号の読み出しが可能であり、
前記画素の前記光電変換読み出し部は、
前記光電変換素子に接続され、前記光電変換素子から電荷を前記出力ノード方向または前記出力ノード外方向にオーバーフローさせることが可能な電荷オーバーフローゲート素子を含み、
前記第4の読み出しモード時には、読み出し対象の前記光電変換素子のオーバーフロー電荷を前記出力ノード側にオーバーフローさせる
電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体撮像装置、固体撮像装置の駆動方法、および電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光を検出して電荷を発生させる光電変換素子を用いた固体撮像装置(イメージセンサ)として、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサが実用に供されている。
CMOSイメージセンサは、デジタルカメラ、ビデオカメラ、監視カメラ、医療用内視鏡、パーソナルコンピュータ(PC)、携帯電話等の携帯端末装置(モバイル機器)等の各種電子機器の一部として広く適用されている。
【0003】
CMOSイメージセンサは、画素毎にフォトダイオード(光電変換素子)および浮遊拡散層(FD:Floating Diffusion、フローティングディフュージョン)を有するFDアンプを持ち合わせており、その読み出しは、画素アレイの中のある一行を選択し、それらを同時に列(カラム)出力方向へと読み出すような列並列出力型が主流である。
【0004】
また、列並列出力型CMOSイメージセンサの画素信号読み出し(出力)回路については実に様々なものが提案されている。
それらの中で、その最も進んだ回路のひとつが、列(カラム)毎にアナログ-デジタル変換器(ADC(Analog digital converter))を備え、画素信号をデジタル信号として取り出す回路である(たとえば特許文献1,2参照)。
【0005】
この列並列ADC搭載CMOSイメージセンサ(カラムAD方式CMOSイメージセンサ)では、比較器(コンパレータ)はいわゆるRAMP波と画素信号の比較をして、後段のカウンタでデジタルCDSを行うことによりAD変換を行う。
【0006】
しかしながら、この種のCMOSイメージセンサは、信号の高速転送が可能であるが、グローバルシャッタ読み出しができないという不利益がある。
【0007】
これに対して、各画素に比較器を含むADC(さらにはメモリ部)を配置して、画素アレイ部中の全画素に対して同一のタイミングで露光開始と露光終了とを実行するグローバルシャッタをも実現可能にするデジタル画素(ピクセル)センサが提案されている(たとえば特許文献3,4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2005-278135号公報
【文献】特開2005-295346号公報
【文献】US 7164114 B2 FIG、4
【文献】US 2010/0181464 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述した従来のデジタル画素センサを備えたCMOSイメージセンサでは、グローバルシャッタ機能を実現することは可能であり、また、各画素に比較器を含むADCを配置して、所定の読み出しモードによって広ダイナミックレンジ化を図ることが可能である。
【0010】
なお、ダイナミックレンジを拡大させる方法としては、たとえば、イメージセンサの同一の画素から蓄積時間の異なる2種類の信号を読み出し、この2種類の信号を組み合わせて、ダイナミックレンジを拡大させる方法や、高感度の画素でダイナミックレンジの小さい信号と、低感度でダイナミックレンジを拡大した信号を組み合わせてダイナミックレンジを拡大させる方法などが知られている。
【0011】
しかしながら、上述した従来のデジタル画素センサを備えたCMOSイメージセンサでは、画素内に比較器(コンパレータ)およびデジタルメモリの多くのトランジスタを実装する必要があるため、画素サイズを小さくすることは一般的に困難である。
このように、上述した従来のデジタル画素センサを備えたCMOSイメージセンサでは、比較器(コンパレータ)およびデジタルメモリの縮小化は困難で、画素サイズが律速され、広ダイナミックレンジ化には限界がある。
【0012】
本発明は、小さな画素サイズで所定の読み出しモードによりダイナミックレンジを拡大することが可能な固体撮像装置、固体撮像装置の駆動方法、および電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の観点の固体撮像装置は、光電変換を行う画素が配置された画素部と、前記画素部の前記画素から画素信号を読み出す読み出し部と、を有し、前記画素は、蓄積期間に光電変換により生成した電荷を蓄積する少なくとも一つの光電変換素子と、前記光電変換素子に蓄積された電荷を前記蓄積期間後の転送期間に転送可能な少なくとも一つの転送素子と、前記転送素子を通じて前記光電変換素子で蓄積された電荷が転送される出力ノードと、リセット期間に前記出力ノードを所定の電位にリセットするリセット素子と、前記出力ノードの電荷を電荷量に応じた電圧信号に変換し、変換した電圧信号を出力する出力バッファ部と、を含む光電変換読み出し部と、前記出力バッファ部による電圧信号と参照電圧とを比較し、デジタル化した比較結果信号を出力する比較処理を行う比較器と、を含み、前記比較器は、前記読み出し部の制御の下、異なる前記光電変換素子の蓄積電荷に対して異なる読み出しシーケンスで読み出された少なくとも2系統のモード読み出し信号に対する比較処理を行うことが可能である。
【0014】
本発明の第2の観点は、光電変換を行う画素が配置された画素部と、前記画素部の前記画素から画素信号を読み出す読み出し部と、を有し、前記画素は、蓄積期間に光電変換により生成した電荷を蓄積する少なくとも一つの光電変換素子と、前記光電変換素子に蓄積された電荷を前記蓄積期間後の転送期間に転送可能な少なくとも一つの転送素子と、前記転送素子を通じて前記光電変換素子で蓄積された電荷が転送される出力ノードと、リセット期間に前記出力ノードを所定の電位にリセットするリセット素子と、前記出力ノードの電荷を電荷量に応じた電圧信号に変換し、変換した電圧信号を出力する出力バッファ部と、を含む光電変換読み出し部と、前記出力バッファ部による電圧信号と参照電圧とを比較し、デジタル化した比較結果信号を出力する比較処理を行う比較器と、を含む固体撮像装置の駆動方法であって、前記読み出し部の制御の下、前記比較器において、異なる前記光電変換素子の蓄積電荷に対して異なる読み出しシーケンスで読み出された少なくとも2系統のモード読み出し信号に対する比較処理を行う。
【0015】
本発明の第3の観点の電子機器は、固体撮像装置と、前記固体撮像装置に被写体像を結像する光学系と、を有し、前記固体撮像装置は、光電変換を行う画素が配置された画素部と、前記画素部の前記画素から画素信号を読み出す読み出し部と、を有し、前記画素は、蓄積期間に光電変換により生成した電荷を蓄積する少なくとも一つの光電変換素子と、前記光電変換素子に蓄積された電荷を前記蓄積期間後の転送期間に転送可能な少なくとも一つの転送素子と、前記転送素子を通じて前記光電変換素子で蓄積された電荷が転送される出力ノードと、リセット期間に前記出力ノードを所定の電位にリセットするリセット素子と、前記出力ノードの電荷を電荷量に応じた電圧信号に変換し、変換した電圧信号を出力する出力バッファ部と、を含む光電変換読み出し部と、前記出力バッファ部による電圧信号と参照電圧とを比較し、デジタル化した比較結果信号を出力する比較処理を行う比較器と、を含み、前記比較器は、前記読み出し部の制御の下、異なる前記光電変換素子の蓄積電荷に対して異なる読み出しシーケンスで読み出された少なくとも2系統のモード読み出し信号に対する比較処理を行うことが可能である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、小さな画素サイズで所定の読み出しモードによりダイナミックレンジを拡大することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置の構成例を示すブロック図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置の画素部のデジタル画素アレイの一例を示す図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置のデジタル画素の一例を示す回路図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係るデジタル画素の主要部であるシャッタゲートトランジスタを有する電荷蓄積転送系の構成例を示す簡略断面図である。
【
図5】本第1の実施形態に係る同一の光電変換読み出し部内で2つのフォトダイオードで一つのフローティングディフュージョンを共有する場合の各トランジスタ、キャパシタ等の配置例を示す簡略平面図である。
【
図6】本第1の実施形態に係る同一の光電変換読み出し部内で4つのフォトダイオードで一つのフローティングディフュージョンを共有する場合の各トランジスタ、キャパシタ等の配置例を示す簡略平面図である。
【
図7】本第1の実施形態に係る同一の光電変換読み出し部内で4つのフォトダイオードで一つのフローティングディフュージョンを共有するデジタル画素の一例を示す回路図である。
【
図8】本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置における画素の第1の読み出しモードとして第2変換利得(LCG)による読み出しシーケンスの一例を説明するためのタイミングチャートである。
【
図9】本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置における画素の第1の読み出しモードとして第1変換利得(HCG)による読み出しシーケンスの一例を説明するためのタイミングチャートである。
【
図10】本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置における画素の第2の読み出しモードによる読み出しシーケンスの一例を説明するためのタイミングチャートである。
【
図11】本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置における画素の第3の読み出しモードによる読み出しシーケンスの一例を説明するためのタイミングチャートである。
【
図12】本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置における画素の第4の読み出しモードによる読み出しシーケンスの一例を説明するためのタイミングチャートである。
【
図13】本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置におけるデジタル画素の読み出しシーケンスの一例を示す図である。
【
図14】本発明の第2の実施形態に係る固体撮像装置の画素の一例を示す回路図である。
【
図15】本第2の実施形態に係る比較器を共有する隣接する2つの光電変換読み出し部におけるフォトダイオード周辺の各トランジスタ、キャパシタ、ノード等の集積化した配置例を示す図である。
【
図16】本発明の第2の実施形態に係る固体撮像装置におけるデジタル画素の読み出しシーケンスの一例を示す図である。
【
図17】本発明の第3の実施形態に係る固体撮像装置の画素の一例を示す回路図である。
【
図18】本第3の実施形態に係る比較器を共有する隣接する2つの光電変換読み出し部におけるフォトダイオード周辺の各トランジスタ、キャパシタ、ノード等の集積化した配置例を示す図である。
【
図19】本発明の第3の実施形態に係る固体撮像装置におけるデジタル画素の読み出しシーケンスの一例を示す図である。
【
図20】本発明の実施形態に係る固体撮像装置が適用される電子機器の構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面に関連付けて説明する。
【0019】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置の構成例を示すブロック図である。
本実施形態において、固体撮像装置10は、たとえば画素としてデジタル画素(Digital Pixel)を含むCMOSイメージセンサにより構成される。
【0020】
この固体撮像装置10は、
図1に示すように、撮像部としての画素部20、垂直走査回路(行走査回路)30、出力回路40、およびタイミング制御回路50を主構成要素として有している。
これらの構成要素のうち、たとえば垂直走査回路30、出力回路40、およびタイミング制御回路50により画素信号の読み出し部60が構成される。
【0021】
本第1の実施形態において、固体撮像装置10は、画素部20において、デジタル画素として光電変換読み出し部、AD(アナログデジタル)変換部、およびメモリ部を含み、たとえば積層型のCMOSイメージセンサとして構成されている。なお、固体撮像装置10は、グローバルシャッタの動作機能を持つように構成されてもよい。
本第1の実施形態に係る固体撮像装置10において、後で詳述するように、各デジタル画素DPがAD(アナログデジタル)変換機能を有しており、AD変換部は、光電変換読み出し部により読み出される電圧信号と参照電圧とを比較し、読み出される電圧信号VSLに対してアナログデジタル(AD)変換処理を行い、デジタル化した比較結果信号を出力する比較器(コンパレータ)を有している。
【0022】
比較器は、読み出し部60の制御の下、蓄積期間(露光期間)に光電変換素子から出力ノード(フローティングディフュージョン)に溢れ出たオーバーフロー電荷に応じた電圧信号に対するデジタル化した第1の比較結果信号を出力する第1の比較処理と、蓄積期間後の転送期間に出力ノードに転送された光電変換素子の蓄積電荷に応じた電圧信号に対するデジタル化した第2の比較結果信号を出力する第2の比較処理と、を行う。
【0023】
そして、本実施形態においては、第2の比較処理中に不規則な強い光が光電変換素子に入射したとしても、光電変換素子から不要な電荷をフローティングディフュージョンFD領域外に放出し、光電変換素子からフローティングディフュージョンFDに電荷がオーバーフローしてFDレベルが変動することを防止するシャッタゲート(SG)を有している。
これにより、第2の比較処理中に、不規則な強い光が光電変換素子に入射したとしてもFDレベルが変動することを防止し、正常なAD変換処理を実現可能に構成されている。
【0024】
そして、本第1の実施形態に係る固体撮像装置10は、小さな画素サイズで所定の読み出しモードによりダイナミックレンジを拡大しデジタル画素を実現することを可能とするため、読み出し部60はデジタル画素からの画素信号の読み出し処理およびAD変換処理後のデータ格納を以下のように実行する。
【0025】
固体撮像装置10において、比較器は、読み出し部60の制御の下、異なる光電変換素子の蓄積電荷に対して異なる読み出しシーケンスで読み出された少なくとも2系統のモード読み出し信号に対する比較処理を行うことが可能である。
より具体的には、比較器は、異なる2つの光電変換素子で一つの出力ノードとしてのフローティングディフュージョンFDを共有する一つの光電変換読み出し部(画素)に接続されており、同一の光電変換読み出し部内の異なる光電変換素子の蓄積電荷に対して異なる読み出しシーケンスで読み出された少なくとも2系統のモード読み出し信号に対する比較処理を行うことが可能に構成されている。
また、比較器は、それぞれ一つまたは複数の光電変換素子を含む複数の光電変換読み出し部が選択的に接続されて、一つの比較器が複数の光電変換読み出し部で共有されており、異なる光電変換読み出し部内の異なる光電変換素子の蓄積電荷に対して異なる読み出しシーケンスで読み出された少なくとも2系統のモード読み出し信号に対する比較処理を行うことが可能に構成されている。
【0026】
本実施形態において、読み出し部60は、少なくとも第1の読み出しモードRMD1、第2の読み出しモードRMD2、第3の読み出しモードRMD3、および第4の読み出しモードRMD4の4系統の読み出しモードうちの少なくとも2系統の読み出しモードで前記画素信号の読み出しが可能である。
各読み出しモードの読み出しシーケンスについては後で詳述する。
【0027】
読み出し部60は、第1の読み出しモードRMD1時には、リセット期間PR後のリセット読み出し期間PRRDに、出力バッファ部から出力ノード(フローティングディフュージョン)の第2電荷量に応じた第2変換利得(たとえば低変換利得:LCG)で変換した読み出しリセット信号LCGVRSTを読み出し、比較器でこの読み出しリセット信号LCGVRSTに対する比較処理を行う第2変換利得リセット読み出し処理LCGRRDを行うことが可能である。
さらに、読み出し部60は、第1の読み出しモードRMD1時には、リセット読み出し期間PRRD後の転送期間PTに続く読み出し期間PRDに、出力バッファ部から出力ノードの第2電荷量に応じた第2変換利得で変換した読み出し信号LCGVSIGを読み出し、比較器でこの読み出し信号LCGVSIGに対する比較処理を行う第2変換利得読み出し処理LCGSRDを行うことが可能である。
【0028】
または、読み出し部60は、第1の読み出しモードRMD1時には、リセット期間PR後のリセット読み出し期間PRRDに、出力バッファ部から出力ノード(フローティングディフュージョン)の第1電荷量に応じた第1変換利得(たとえば高変換利得:HCG)で変換した読み出しリセット信号HCGVRSTを読み出し、比較器でこの読み出しリセット信号HCGVRSTに対する比較処理を行う第1変換利得リセット読み出し処理HCGRRDを行うことが可能である。
さらに、読み出し部60は、第1の読み出しモードRMD1時には、リセット読み出し期間PRRD後の転送期間PTに続く読み出し期間PRDに、出力バッファ部から出力ノードの第1電荷量に応じた第1変換利得で変換した読み出し信号HCGVSIGを読み出し、比較器でこの読み出し信号HCGVSIGに対する比較処理を行う第1変換利得読み出し処理HCGSRDを行うことが可能である。
【0029】
読み出し部60は、第2の読み出しモードRMD2時には、リセット期間PR後のリセット読み出し期間PRRDに、出力バッファ部から出力ノードの第2電荷量に応じた第2変換利得で変換した第2の読み出しリセット信号LCGVRSTを読み出し、比較器で第2の読み出しリセット信号LCGVRSTに対する比較処理を行う第2変換利得リセット読み出し処理LCGRRDを行うことが可能である。
さらに、読み出し部60は、第2読み出しモードRMD2時には、利得切換部により利得を切り換えて、出力バッファ部から出力ノードの第1電荷量に応じた第1変換利得で変換した第1の読み出しリセット信号HCGVRSTを読み出し、比較器でこの第1の読み出しリセット信号HCGVRSTに対する比較処理を行う第1変換利得リセット読み出し処理HCGRRDを行うことが可能である。
さらに、読み出し部60は、第2読み出しモードRMD2時には、リセット読み出し期間PRRD後の第1の転送期間PT1に続く第1の読み出し期間PRD1に、出力バッファ部から出力ノードの第1電荷量に応じた第1変換利得で変換した第1の読み出し信号HCGVSIGを読み出し、比較器でこの第1の読み出し信号HCGVSIGに対する比較処理を行う第1変換利得読み出し処理HCGSRDを行うことが可能である。
さらに、読み出し部60は、第2読み出しモードRMD2時には、第1の読み出し期間PRD1後に利得切換部により利得を切り換えて、第1の読み出し期間PRD1後の第2の転送期間PT2に続く第2の読み出し期間PRD2に、出力バッファ部から出力ノードの第2電荷量に応じた第2変換利得で変換した第2の読み出し信号LCGVSIGを読み出し、比較器でこの第2の読み出し信号LCGVSIGに対する比較処理を行う第2変換利得読み出し処理LCGSRDを行うことが可能である。
【0030】
読み出し部60は、第3の読み出しモードRMD3時には、第1のリセット期間PR1後の第1のリセット読み出し期間PRRD1に、出力バッファ部から出力ノードの第1電荷量に応じた第1変換利得で変換した第1の読み出しリセット信号HCGVRSTを読み出し、比較器でこの第1の読み出しリセット信号HCGVRSTに対する比較処理を行う第1変換利得リセット読み出し処理HCGRRDを行うことが可能である。
さらに、読み出し部60は、第3の読み出しモードRMD3時には、第1のリセット読み出し期間PRRD1後の第1の転送期間PT1に続く第1の読み出し期間PRD1に、出力バッファ部から出力ノードの第1電荷量に応じた第1変換利得で変換した第1の読み出し信号HCGVSIGを読み出し、比較器でこの第1の読み出し信号HCGVSIGに対する比較処理を行う第1変換利得読み出し処理HCGSRDを行うことが可能である。
さらに、読み出し部60は、第3の読み出しモードRMD3時には、第1の読み出し期間PRD1後に利得切換部により利得を切り換えて、第1の読み出し期間PRD1後の第2の転送期間PT2に続く第2の読み出し期間PRD2に、出力バッファ部から出力ノードの第2電荷量に応じた第2変換利得で変換した第2の読み出し信号LCGVSIGを読み出し、比較器でこの第2の読み出し信号LCGVSIGに対する比較処理を行う第2変換利得読み出し処理LCGSRDを行うことが可能である。
さらに、読み出し部60は、第3の読み出しモードRMD3時には、第2の読み出し期間PRD2後の第2のリセット期間PR2に続く第2のリセット読み出し期間PRRD2に、出力バッファ部から出力ノードの第2電荷量に応じた第2変換利得で変換した第2の読み出しリセット信号LCGVRSTを読み出し、比較器でこの第2の読み出しリセット信号LCGVRSTに対する比較処理を行う第2変換利得リセット読み出し処理LCGRSDを行うことが可能である。
【0031】
読み出し部60は、第4の読み出しモードRMD4時には、不規則な強い光が光電変換素子に入射した場合であって、オーバーフロー電荷によって出力ノード(フローティングディフュージョンFD)の電位が変動し比較器の出力が反転するまでの時間をクロックで数えて信号量を予測し、第1のリセット読み出し期間PRRD1に、出力バッファ部から出力ノードの第1電荷量に応じた第1変換利得で変換した第1の読み出しリセット信号HCGVRSTを読み出し、比較器でこの第1の読み出しリセット信号HCGVRSTに対する比較処理を行う第1変換利得リセット読み出し処理HCGRRDを行うことが可能である。
さらに、読み出し部60は、第4の読み出しモードRMD4時には、第1のリセット読み出し期間PRRD1後の第1の転送期間PT1に続く第1の読み出し期間PRD1に、出力バッファ部から出力ノードの第1電荷量に応じた第1変換利得で変換した第1の読み出し信号HCGVSIGを読み出し、比較器でこの第1の読み出し信号HCGVSIGに対する比較処理を行う第1変換利得読み出し処理HCGSRDを行うことが可能である。
さらに、読み出し部60は、第4の読み出しモードRMD4時には、第1の読み出し期間PRD1後に利得切換部により利得を切り換えて、第1の読み出し期間PRD1後の第2の転送期間PT2に続く第2の読み出し期間PRD2に、出力バッファ部から出力ノードの第2電荷量に応じた第2変換利得で変換した第2の読み出し信号LCGVSIGを読み出し、比較器でこの第2の読み出し信号LCGVSIGに対する比較処理を行う第2変換利得読み出し処理LCGSRDを行うことが可能である。
さらに、読み出し部60は、第4の読み出しモードRMD4時には、第2の読み出し期間PRD2後の第2のリセット期間PR2に続く第2のリセット読み出し期間PRRD2に、出力バッファ部から出力ノードの第2電荷量に応じた第2変換利得で変換した第2の読み出しリセット信号LCGVRSTを読み出し、比較器でこの第2の読み出しリセット信号LCGVRSTに対する比較処理を行う第2変換利得リセット読み出し処理LCGRSDを行うことが可能である。
【0032】
以下、固体撮像装置10の各部の構成および機能の概要、特に、画素部20およびデジタル画素の構成および機能、それらに関連した読み出し処理、並びに、画素部20と読み出し部60の積層構造等について詳述する。
【0033】
(画素部20およびデジタル画素200の構成)
図2は、本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置10の画素部のデジタル画素アレイの一例を示す図である。
図3は、本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置10の画素の一例を示す回路図である。
【0034】
画素部20は、
図2に示すように、複数のデジタル画素200がN行M列の行列状(マトリクス状)に配列されている。
なお、
図2においては、図面の簡単化のため、9つのデジタル画素200が3行3列の行列状(M=3、N=3のマトリクス状)に配置されている例が示されている。
【0035】
本第1の実施形態に係るデジタル画素200は、光電変換読み出し部(
図2ではPDと表記)210、AD変換部(
図2ではADCと表記)220、およびメモリ部(
図2ではMEMと表記)230を含んで構成されている。
本第1の実施形態の画素部20は、第1の基板110と第2の基板120の積層型のCMOSイメージセンサとして構成されるが、本例では、
図3に示すように、第1の基板110に光電変換読み出し部210が形成され、第2の基板120にAD変換部220およびメモリ部230が形成されている。
【0036】
デジタル画素200の光電変換読み出し部210は、2つのフォトダイオード(光電変換素子)と1つの画素内アンプとを含んで構成される。
具体的には、この光電変換読み出し部210は、たとえば第1の光電変換素子である第1のフォトダイオードPD0、および第2の光電変換部であるフォトダイオードPD1を有する。
本第1の実施形態の画素200は、第1のフォトダイオードPD0および第2のフォトダイオードPD1が、出力ノードND0としてのフローティングディフュージョンFDを共有している。
【0037】
第1のフォトダイオードPD0および第2のフォトダイオードPD1は、蓄積期間に光電変換により生成した電荷を蓄積する。
第1のフォトダイオードPD0の蓄積部PND0とフローティングディフュージョンFDとの間に第1の転送素子としての第1の転送トランジスタTG0-Trが接続され、蓄積部PND0と所定の固定電位VAAPIXとの間に第1の電荷オーバーフローゲート素子としての第1のシャッタゲートトランジスタSG0-Trが接続されている。
また、第2のフォトダイオードPD1の蓄積部PND1とフローティングディフュージョンFDとの間に第2の転送素子としての第2の転送トランジスタTG1-Trが接続され、蓄積部PND1と所定の固定電位VAAPIXとの間に第2の電荷オーバーフローゲート素子としての第2のシャッタゲートトランジスタSG1-Trが接続されている。
【0038】
そして、光電変換読み出し部210は、一つの出力ノードND0としてのフローティングディフュージョンFDに対応して、リセット素子としてのリセットトランジスタRST-Tr、ソースフォロワ素子としてのソースフォロワトランジスタSF-Tr、蓄積素子としての蓄積トランジスタBIN-Tr、蓄積容量素子としての蓄積キャパシタCS、および読み出しノードND1をそれぞれ一つずつ有する。
【0039】
そして、本第1の実施形態においては、ソースフォロワトランジスタSF-Trおよび読み出しノードND1を含んで出力バッファ部211が構成されている。
また、蓄積トランジスタBIN-Trおよび蓄積キャパシタCSを含んで利得切換部212が構成されている。
【0040】
本第1の実施形態に係る光電変換読み出し部210は、出力バッファ部211の読み出しノードND1がAD変換部220の入力部に接続されている。
光電変換読み出し部210は、出力ノードとしてのフローティングディフュージョンFDの電荷を電荷量に応じた電圧信号に変換し、変換した電圧信号VSLをAD変換部220に出力する。
【0041】
本第1の実施形態に係る光電変換読み出し部210は、読み出し部60の制御の下、第1の光電変換素子としての第1のフォトダイオードPD0の蓄積電荷に対して第4の読み出しモードRMD4または前記第3の読み出しモードRMD3による読み出しを行う。
光電変換読み出し部210は、続いて、第2の光電変換素子としての第2のフォトダイオードPD1の蓄積電荷に対して第1の読み出しモードRMD1または第2の読み出しモードRMD2による読み出しを行う。
本第1の実施形態においては、第1の光電変換素子としての第1のフォトダイオードPD0の蓄積電荷に対して第4の読み出しモードRMD4による読み出しを行い、第2の光電変換素子としての第2のフォトダイオードPD1の蓄積電荷に対して第2の読み出しモードRMD2による読み出しを行う。
【0042】
たとえば、光電変換読み出し部210は、AD変換部220の第1の比較処理期間PCMP1において、蓄積期間PIに光電変換素子であるフォトダイオードPD0から出力ノードとしてのフローティングディフュージョンFDに溢れ出たオーバーフロー電荷に応じた電圧信号VSLを出力する。
【0043】
さらに、光電変換読み出し部210は、AD変換部220の第2の比較処理期間PCMP2において、蓄積期間PI後の転送期間PTに出力ノードとしてのフローティングディフュージョンFDに転送されたフォトダイオードPD1の蓄積電荷に応じた電圧信号VSLを出力する。
光電変換読み出し部210は、第2の比較処理期間PCMP2において、画素信号としての読み出しリセット信号(信号電圧)(VRST)および読み出し信号(信号電圧)(VSIG)をAD変換部220に出力する。
【0044】
第1のフォトダイオードPD0および第2のフォトダイオードPD1は、入射光量に応じた量の信号電荷(ここでは電子)を発生し、蓄積する。
以下、信号電荷は電子であり、各トランジスタがn型トランジスタである場合について説明するが、信号電荷が正孔(ホール)であったり、各トランジスタがp型トランジスタであっても構わない。
【0045】
各デジタル画素200において、フォトダイオード(PD)としては、埋め込み型フォトダイオード(PPD)が用いられる。
フォトダイオード(PD)を形成する基板表面にはダングリングボンドなどの欠陥による界面準位が存在するため、熱エネルギーによって多くの電荷(暗電流)が発生し、正しい信号が読み出せなくなってしまう。
埋め込み型フォトダイオード(PPD)では、フォトダイオード(PD)の電荷蓄積部を基板内に埋め込むことで、暗電流の信号への混入を低減することが可能となる。
【0046】
光電変換読み出し部210の第1の転送トランジスタTG0-Trは、第1のフォトダイオードPD0の蓄積部PND0とフローティングディフュージョンFDの間に接続され、制御線を通じてゲートに印加される制御信号TG0により制御される。
第1の転送トランジスタTG0-Trは、制御信号TG0がハイ(H)レベルの転送期間PTに選択されて導通状態となり、第1のフォトダイオードPD0で光電変換され蓄積された電荷(電子)をフローティングディフュージョンFDに転送する。
なお、第1のフォトダイオードPD0およびフローティングディフュージョンFDが所定のリセット電位にリセットされた後、第1の転送トランジスタTG0-Trは、制御信号TG0がロー(L)レベルの非導通状態となり、第1のフォトダイオードPD0は蓄積期間PIとなるが、このとき、入射する光の強度(量)が非常に高い場合、飽和電荷量を超えた電荷が第1の転送トランジスタTG0―Tr下のオーバーフローパスを通じてオーバーフロー電荷としてフローティングディフュージョンFDに溢れ出す。
【0047】
第1の電荷オーバーフローゲート素子としての第1のシャッタゲートトランジスタSG0-Trは、第1のフォトダイオードPD0の蓄積部PND0と所定の固定電位VAAPIXとの間が接続され、制御線を通じて印加される制御信号SG0により制御される。
第1のシャッタゲートトランジスタSG0-Trは、制御信号SG0がHレベルの期間に選択されて導通状態となり、第1のフォトダイオードPD0の電荷蓄積部PND0と所定の固定電位VAAPIX間にアンチブルーミングとしてのエミッタフローを形成し、不要な電荷を固定電位VAAPIXに放出させる。
【0048】
このように、第1の転送トランジスタTG0-Trと第1のシャッタゲートトランジスタSG0-Trは、それぞれ個別のタイミングで駆動制御される。
【0049】
光電変換読み出し部210の第2の転送トランジスタTG1-Trは、第2のフォトダイオードPD1の蓄積部PND1とフローティングディフュージョンFDの間に接続され、制御線を通じてゲートに印加される制御信号TG1により制御される。
第2の転送トランジスタTG1-Trは、制御信号TG1がハイ(H)レベルの転送期間PTに選択されて導通状態となり、第2のフォトダイオードPD1で光電変換され蓄積された電荷(電子)をフローティングディフュージョンFDに転送する。
なお、第2のフォトダイオードPD1およびフローティングディフュージョンFDが所定のリセット電位にリセットされた後、第2の転送トランジスタTG1-Trは、制御信号TG1がロー(L)レベルの非導通状態となり、第2のフォトダイオードPD1は蓄積期間PIとなるが、このとき、入射する光の強度(量)が非常に高い場合、飽和電荷量を超えた電荷が第2のシャッタゲートトランジスタSG1―Tr下のオーバーフローパスを通じてオーバーフロー電荷として固定電位VAAPIXに溢れ出す。
【0050】
第2の電荷オーバーフローゲート素子としての第2のシャッタゲートトランジスタSG1-Trは、第2のフォトダイオードPD1の蓄積部PND1と所定の固定電位VAAPIXとの間が接続され、制御線を通じて印加される制御信号SG1により制御される。
第2のシャッタゲートトランジスタSG1-Trは、制御信号SG1がHレベルの期間に選択されて導通状態となり、第2のフォトダイオードPD1の電荷蓄積部PND1と所定の固定電位VAAPIX間にアンチブルーミングとしてのエミッタフローを形成し、不要な電荷を固定電位VAAPIXに放出させる。
【0051】
このように、第2の転送トランジスタTG1-Trと第2のシャッタゲートトランジスタSG1-Trは、それぞれ個別のタイミングで駆動制御される。
【0052】
リセットトランジスタRST-Trは、電源電圧VAAPIXの電源線VaapixとフローティングディフュージョンFDの間に接続され、制御線を通じてゲートに印加される制御信号RSTにより制御される。
リセットトランジスタRST-Trは、制御信号RSTがHレベルのリセット期間に選択されて導通状態となり、フローティングディフュージョンFDを電源電圧VAAPIXの電源線Vaapixの電位にリセットする。
【0053】
蓄積トランジスタBIN―Trは、フローティングディフュージョンFDとリセットトランジスタRST―Trとの間に接続され、その接続ノードND2と基準電位VSSとの間に蓄積キャパシタCSが接続されている。
蓄積トランジスタBIN-Trは、制御線を通じてゲートに印加される制御信号BINにより制御される。
蓄積トランジスタBIN1-Trは、制御信号BINがHレベルのリセット期間に選択されて導通状態となり、フローティングディフュージョンFDと蓄積キャパシタCSとを接続する。
【0054】
第1変換利得信号読み出し処理HCGSRD時には、蓄積トランジスタBIN-Trは非導通状態に保持され、出力ノードND0であるフローティングディフュージョンFDの電荷と蓄積キャパシタCSの電荷を分離させて読み出し処理が実行される。
第2変換利得信号読み出し処理LCGSRD時には、蓄積トランジスタBIN-Trは導通状態に保持され、出力ノードND0であるフローティングディフュージョンFDの電荷と蓄積キャパシタCSの電荷を共有させて読み出し処理が実行される。
第2変換利得リセット読み出し処理LCGRRD時には、リセットトランジスタRST-Trおよび蓄積トランジスタBIN-Trが導通状態に保持され、出力ノードNDであるフローティングディフュージョンFDの電荷と蓄積キャパシタCSの電荷をクリアさせて読み出し処理が実行される。
【0055】
ソースフォロワ素子としてのソースフォロワトランジスタSF-Trは、ソースが読み出しノードND1に接続され、ドレイン側が電源線Vaapixに接続され、ゲートがフローティングディフュージョンFDに接続されている。
そして、出力バッファ部211を形成する出力ノードND1は、AD変換部220の入力部に接続された信号線LSGN1に接続されている。
読み出しノードND1が接続された信号線LSGN1と基準電位VSS(たとえばGND)の間に電流源素子としてのカレントトランジスタIC-Trのドレイン、ソースが接続されている。カレントトランジスタIC-Trのゲートは制御信号VBNPIXの供給ラインに接続されている。
そして、読み出しノードND1とAD変換部220の入力部間の信号線LSGN1は、電流源素子としてのカレントトランジスタIC-Trにより駆動される。
【0056】
図4は、本発明の第1の実施形態に係るデジタル画素の主要部であるシャッタゲートトランジスタを有する電荷蓄積転送系の構成例を示す簡略断面図である。
【0057】
各デジタル画素セルPXLCは、光Lが照射される第1基板面1101側(たとえば裏面側)と、この第1基板面1101側と対向する側の第2基板面1102側とを有する基板(本例では第1の基板110)に形成され、分離層SPLにより分離されている。
そして、
図4の本実施形態に係るデジタル画素セルPLXCは、光電変換読み出し部210を形成する、たとえば第1のフォトダイオードPD0、第1の転送トランジスタTG0-Tr、フローティングディフュージョンFD、シャッタゲートトランジスタSG0-Tr、分離層SPL、さらには図示しないカラーフィルタ部およびマイクロレンズを含んで構成されている。
【0058】
なお、
図4のデジタル画素は裏面照射型を一例として示しているが、本発明は、表面照射型であってもよい。
【0059】
(フォトダイオードの構成)
第1のフォトダイオードPD0は、第1基板面1101側と、第1基板面1101側と対向する側の第2基板面1102側とを有する半導体基板の第2導電型(本実施形態ではp型)のエピタキシャル層(p-epi)2101に対して埋め込むように形成された第1導電型(本実施形態ではn型)半導体層(本実施形態ではn層)2102を含み、受光した光の光電変換機能および電荷蓄積機能を有するように形成されている。
第1のフォトダイオードPD0の基板の法線に直交する方向(X方向)における側部には、図中の両側には、エピタキシャル層(p-epi)2101R、2101Lを介して第2の導電型(本実施形態ではp型)分離層SPL(SPL1,SPL2)が形成されている。
【0060】
このように、本実施形態では、各デジタル画素セルPXLCにおいて、フォトダイオード(PD)としては、埋め込み型フォトダイオード(PPD)が用いられる。
フォトダイオード(PD)を形成する基板表面にはダングリングボンドなどの欠陥による界面準位が存在するため、熱エネルギーによって多くの電荷(暗電流)が発生し、正しい信号が読み出せなくなってしまう。
埋め込み型フォトダイオード(PPD)では、フォトダイオード(PD)の電荷蓄積部を基板内に埋め込むことで、暗電流の信号への混入を低減することが可能となる。
【0061】
図4の第1のフォトダイオードPD0においては、n層(第1導電型半導体層)2102の第2基板面1102側にp+層2103が形成されている。
なお、エピタキシャル層(p-epi)2101の光入射側には、カラーフィルタ部が形成され、さらに、カラーフィルタ部の光入射側であって、第1のフォトダイオードPD0および分離層SPLの一部に対応するようにマイクロレンズが形成されている。
【0062】
(X方向(列方向)における分離層の構成)
図4のX方向(列方向)右側におけるp型分離層2104(SPL1)の第2の基板面1102側にはフローティングディフュージョンFDとなるn+層2105が形成されている。
図4のX方向(列方向)左側におけるp型分離層2106(SPL2)の第2の基板面1102側にはシャッタゲートトランジスタTSG0-Trのドレインとなるとなるn+層2107が形成されている。
そして、第2基板面1102側のエピタキシャル層(p-epi)2101R上に、ゲート絶縁膜を介して第1の転送トランジスタTG0-Trのゲート電極2108が形成されている。
第1の転送トランジスタTG0-Tr下には第1のフォトダイオードPD0からフローティングディフュージョンFDにいたるオーバーフローパスOVPが形成される。
なお、オーバーフローパスOVPの電位は、たとえばゲート制御により行うことも可能である。
【0063】
一方、第2基板面1102側のエピタキシャル層(p-epi)2101L上に、ゲート絶縁膜を介して第1のシャッタゲートトランジスタSG0-Trのゲート電極2109が形成されている。
第1のシャッタゲートトランジスタSG0-Tr下にはフォトダイオードPD0からn+層2107にいたるエミッタフローパスEFPが形成される。
【0064】
このような構造において、入射する光の強度(量)が非常に高い場合、飽和電荷量を超えた電荷が第1の転送トランジスタTG0―Tr下のオーバーフローパスOVPを通じてオーバーフロー電荷としてフローティングディフュージョンFDに溢れ出す。
比較器221の第1の比較処理CMPR1ではオーバーフロー電荷が使用される。
【0065】
これに対して、AD変換の第2の比較処理中に、不規則な強い光が第1のフォトダイオードPD0に入射すると、フォトダイオードPD0からフローティングディフュージョンFDに電荷がオーバーフローして出力ノードであるフローティングディフュージョンFDのレベルが変動してしまい、正常なAD変換処理を実現できないおそれがある。
そこで、本実施形態においては、第2の比較処理中に不規則な強い光が第1のフォトダイオードPD0に入射したとしても、第1のフォトダイオードPD0から不要な電荷をフローティングディフュージョンFD領域外に放出し、第1のフォトダイオードPD0からフローティングディフュージョンFDに電荷がオーバーフローしてFDレベルが変動することを防止する第1のシャッタゲートトランジスタSG0-Trを有している。
これにより、第2の比較処理中に、不規則な強い光が第1のフォトダイオードPD0に入射したとしてもFDレベルが変動することを防止し、正常なAD変換処理を実現可能に構成されている。
【0066】
このような2組の第1のフォトダイオードPD0、第1の転送ゲートトランジスタTG0-Tr、および第1のシャッタゲートトランジスタSG0-Tr、並びに、第2のフォトダイオードPD1、第2の転送ゲートトランジスタTG1-Tr、および第2のシャッタゲートトランジスタSG1-Trにより一つの出力ノードND0としてのフローティングディフュージョンFDを共有する画素200の光電変換読み出し部210は、ダイナミックレンジを向上させるために、対応する読み出しモードに応じて、フォトダイオードPDの容量を異ならせている。
本第1の実施形態においては、第1のフォトダイオードPD0の蓄積電荷に対して第4の読み出しモードRMD4による読み出しが行われ、第2のフォトダイオードPD1の蓄積電荷に対して、たとえば第2の読み出しモードRMD2による読み出しを行うことに対応して、同一の光電変換読み出し部210内に形成された第1のフォトダイオードPD0の容量が同一光電変換読み出し部210内に隣接して形成された第2のフォトダイオードPD1の容量より小さく形成されている。
【0067】
第4の読み出しモードRMD4による読み出しが行われる第1のフォトダイオードPD0のFWCはTTS飽和によって制限され、フォトダイオード自身のFWC(Full Well Capacity)には制限されない。
一方、第1の読み出しモードRMD1等による読み出しが行われる第1のフォトダイオードPD1のFWCはフォトダイオードのFWCに制限される。
したがって、第4の読み出しモードRMD4による読み出しが行われる第1のフォトダイオードPD0はFWCが小さくなるように形成され、第1の読み出しモードRMD1等による読み出しが行われる第2のフォトダイオードPD1はFWCが大きくなるように形成される。
【0068】
図5は、本第1の実施形態に係る同一の光電変換読み出し部内で2つのフォトダイオードで一つのフローティングディフュージョンFDを共有する場合の各トランジスタ、キャパシタ等の配置例を示す簡略平面図である。
【0069】
画素セルPXLCは、素子の形成領域として、中央部分の中央領域CTAR、並びに、中央領域CTARを挟んで両側(Y方向)の第1の領域FSARおよび第2の領域SCARを含んで、矩形領域RCTが割り当てられている。
【0070】
中央領域CTARには、フローティングディフュージョンFDがX方向の中央部に形成され、そのX方向の図中右側に、蓄積トランジスタBIN-Tr、リセットトランジスタRST-Trが形成され、左側にソースフォロワトランジスタSF-Trが形成されている。
【0071】
第1の領域FSARには、少なくとも第4の読み出しモードRMD4または第3の読み出しモードRMD3でアクセスされる第1の光電変換素子としての第1のフォトダイオードPD0、第1の転送素子としての第1の転送トランジスタTG0-Tr、第1の電荷オーバーフローゲート素子としての第1のシャッタゲートトランジスタSG0-Tr、および蓄積容量素子としての蓄積キャパシタCSが隣接するように形成されている。
図5の例では、蓄積キャパシタCSが2分割されて第1の領域FSARのX方向の縁部側(両側)に形成されている。
そして、2つの蓄積キャパシタCSの形成領域に挟まれた中央部に、第1のフォトダイオードPD0、第1の転送トランジスタTG0-Tr、第1のシャッタゲートトランジスタSG0-Trが形成されている。
この場合、第1の転送トランジスタTG0-Trが中央領域CTAR側にフローティングディフュージョンFDと接続するように形成され、第1のシャッタゲートトランジスタSG0-Trが矩形領域RCTの縁部側(外周側、図中上側)に形成されている。
【0072】
第2の領域SCARには、第4の読み出しモードRMD4または第3の読み出しモードRMD3以外の読み出しモード、たとえば第2の読み出しモードRMD2でアクセスされる第2の光電変換素子としての第2のフォトダイオードPD1、第2の転送素子としての第2の転送トランジスタTG1-Tr、第2の電荷オーバーフローゲート素子としての第2のシャッタゲートトランジスタSG1-Trが形成されている。
この場合、第2のフォトダイオードPD1が第2の領域SCARの全体にわたって、第1のフォトダイオードPD0より容量が大きく形成されている。
そして、第2の転送トランジスタTG1-Trが中央領域CTAR側にフローティングディフュージョンFDと接続するように形成され、第2のシャッタゲートトランジスタSG1-Trが矩形領域RCTの縁部側(外周側、図中下側)に形成されている。
【0073】
図5のような構成を採用することにより、第4の読み出しモード(または第3の読み出しモード)のみならず、他の第1の読み出しモード、第2の読み出しモードのダイナミックレンジを向上させることが可能となる。
【0074】
図6は、本第1の実施形態に係る同一の光電変換読み出し部内で4つのフォトダイオードで一つのフローティングディフュージョンFDを共有する場合の各トランジスタ、キャパシタ等の配置例を示す簡略平面図である。
図7は、本第1の実施形態に係る同一の光電変換読み出し部内で4つのフォトダイオードで一つのフローティングディフュージョンを共有するデジタル画素の一例を示す回路図である。
【0075】
この例では、第1のフォトダイオードPD0が、他の3つの第2のフォトダイオードPD1、第3のフォトダイオードPD2、および第4のフォトダイオードPD3より容量が小さく形成されている。
【0076】
図6の例では、第1の領域FSARのX方向の左半分に少なくとも第4の読み出しモードRMD4または第3の読み出しモードRMD3でアクセスされる第1の光電変換素子としての第1のフォトダイオードPD0、第1の転送素子としての第1の転送トランジスタTG0-Tr、第1の電荷オーバーフローゲート素子としての第1のシャッタゲートトランジスタSG0-Tr、および蓄積容量素子としての蓄積キャパシタCSが隣接するように形成されている。
【0077】
第1の領域FSARのX方向の右半分に第4の読み出しモードRMD4または第3の読み出しモードRMD3以外の読み出しモード、たとえば第1の読み出しモードRMD1または第2の読み出しモードRMD2でアクセスされる第3の光電変換素子としての第3のフォトダイオードPD2、第3の転送素子としての第3の転送トランジスタTG2-Tr、第3の電荷オーバーフローゲート素子としての第3のシャッタゲートトランジスタSG2-Trが形成されている。
【0078】
第2の領域FSARのX方向の左半分に第4の読み出しモードRMD4または第3の読み出しモードRMD3以外の読み出しモード、たとえば第1の読み出しモードRMD1または第2の読み出しモードRMD2でアクセスされる第2の光電変換素子としての第2のフォトダイオードPD1、第2の転送素子としての第2の転送トランジスタTG1-Tr、第2の電荷オーバーフローゲート素子としての第2のシャッタゲートトランジスタSG1-Trが形成されている。
【0079】
第2の領域FSARのX方向の右半分に第4の読み出しモードRMD4または第3の読み出しモードRMD3以外の読み出しモード、たとえば第1の読み出しモードRMD1または第2の読み出しモードRMD2でアクセスされる第4の光電変換素子としての第4のフォトダイオードPD3、第4の転送素子としての第4の転送トランジスタTG3-Tr、第4の電荷オーバーフローゲート素子としての第4のシャッタゲートトランジスタSG3-Trが形成されている。
【0080】
図6のような構成を採用することにより、第4の読み出しモードまたは前記第3の読み出しモードのみならず、他の第1の読み出しモード、第2の読み出しモードのダイナミックレンジを向上させることが可能となる。
【0081】
【0082】
デジタル画素200のAD変換部220は、光電変換読み出し部210により出力されるアナログの電圧信号VSLを、所定の傾きを持たせて変化させたランプ波形または固定電圧の参照電圧VREFと比較して、デジタル信号に変換する機能する。
【0083】
AD変換部220は、
図3に示すように、比較器(COMP)221、出力側の負荷キャパシタCL1、およびリセットスイッチSW-RSTを含んで構成されている。
【0084】
比較器221は、第1の入力端子としての反転入力端子(-)に、光電変換読み出し部210の出力バッファ部211から信号線LSGN1に出力された電圧信号VSLが供給され、第2の入力端子としての非反転入力端子(+)に参照電圧VREFが供給され、電圧信号VSTと参照電圧VREFとを比較し、デジタル化した比較結果信号SCMPを出力するAD変換処理(比較処理)を行う。
【0085】
比較器221は、第1の入力端子としての反転入力端子(-)に結合キャパシタCC1が接続されており、第1の基板110側の光電変換読み出し部210の出力バッファ部211と第2の基板120側のAD変換部220の比較器221の入力部をAC結合することにより、低ノイズ化を図り、低照度時に高SNRを実現可能なように構成されている。
【0086】
また、比較器221は、出力端子と第1の入力端子としての反転入力端子(-)との間にリセットスイッチSW-RSTが接続され、出力端子と基準電位VSSとの間に負荷キャパシタCL1が接続されている。
【0087】
基本的に、AD変換部220においては、光電変換読み出し部210の出力バッファ部211から信号線LSGN1に読み出されたアナログ信号(電位VSL)は比較器221で参照電圧VREF、たとえばある傾きを持った線形に変化するスロープ波形であるランプ信号RAMPと比較される。
このとき、たとえば比較器221と同様に列毎に配置された図示しないカウンタが動作しており、ランプ波形のあるランプ信号RAMPとカウンタ値が一対一の対応を取りながら変化することで電圧信号VSLをデジタル信号に変換する。
基本的に、AD変換部220は、参照電圧VREF(たとえばランプ信号RAMP)の変化は電圧の変化を時間の変化に変換するものであり、その時間をある周期(クロック)で数えることでデジタル値に変換する。
そして、アナログ信号VSLとランプ信号RAMP(参照電圧VREF)が交わったとき、比較器221の出力が反転し、図示しないカウンタの入力クロックを停止し、または、入力を停止していたクロックを図示しないカウンタに入力し、そのときのカウンタの値(データ)がメモリ部230に記憶されてAD変換を完了させる。
以上のAD変換期間終了後、各デジタル画素200のメモリ部230に格納されたデータ(信号)は出力回路40から図示しない信号処理回路に出力され、所定の信号処理により2次元画像が生成される。
【0088】
メモリ部230はSRAMやDRAMにより構成され、デジタル変換された信号が供給され、フォトコンバージョン符号に対応し、画素アレイ周辺の出力回路40の外部IOバッファにより読み出すことができる。
本例では、メモリ部230は、比較器221の出力に2つのメモリ231,232が接続されている。
【0089】
垂直走査回路30は、タイミング制御回路50の制御に応じてシャッタ行および読み出し行において行走査制御線を通してデジタル画素200の光電変換読み出し部210の駆動を行う。
垂直走査回路30は、タイミング制御回路50の制御に応じて、各デジタル画素200の比較器221に対して、比較処理に準じて設定される参照電圧VREFを供給する。
また、垂直走査回路30は、アドレス信号に従い、信号の読み出しを行うリード行と、フォトダイオードPDに蓄積された電荷をリセットするシャッタ行の行アドレスの行選択信号を出力する。
【0090】
出力回路40は、たとえば画素部20の各デジタル画素200のメモリ出力に対応して配置されたIOバッファを含み、各デジタル画素200から読み出されるデジタルデータを外部に出力する。
【0091】
タイミング制御回路50は、画素部20、垂直走査回路30、出力回路40等の信号処理に必要なタイミング信号を生成する。
【0092】
本第1の実施形態において、読み出し部60は、デジタル画素200からの画素信号の読み出し制御を行う。
【0093】
(読み出し部60によるデジタル画素200からの画素信号の読み出し制御)
次に、本第1の実施形態に係る読み出し部60によるデジタル画素200からの画素信号の読み出し制御について具体的に説明する。
【0094】
まず、本実施形態において例示する第1の読み出しモードRMD1、第2の読み出しモードRMD2、第3の読み出しモードRMD3、および第4の読み出しモードRMD4の具体的な読み出しシーケンスについて説明する。
【0095】
図8(A)~(D)は、本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置における画素の第1の読み出しモードとして第2変換利得(LCG)による読み出しシーケンスの一例を説明するためのタイミングチャートである。
図8(A)は第1の読み出しモードRMD1によるアクセス対象である転送トランジスタTG1-Trの制御信号TG1を、
図8(B)はシャッタゲートトランジスタSG1-Trの制御信号SG1を、
図8(C)は蓄積トランジスタBIN-Trの制御信号BINを、
図8(D)はリセットトランジスタRST-Trの制御信号RSTをそれぞれ示している。
【0096】
読み出し部60は、第1の読み出しモードRMD1時には、制御信号TG1をローレベルに設定して転送トランジスタTG1-Trを非導通状態に保持し、制御信号SG1がハイレベルからローレベルに切り替えられてシャッタゲートトランジスタSG1-Trを導通状態から非導通状態に切り替える。
このシャッタゲートトランジスタSG1-Trが導通状態から非導通状態に切り替えられたタイミングで露光時間が開始される。
また、読み出し部60は、制御信号RSTをハイレベルに設定してリセットトランジスタRST-Trを導通状態に保持し、かつ、制御信号BINをハイレベルに設定して蓄積トランジスタBIN-Trを導通状態に保持してリセット期間RPにおける出力ノードND0であるフローティングディフュージョンFDのリセット状態を維持する。
ここで、読み出し部60は、制御信号RSTをローレベルに切り替えてリセットトランジスタRST-Trを非導通状態に切り替え、リセット期間PRを終了させる。
このとき、読み出し部60は、制御信号BINをハイレベルにして蓄積トランジスタBIN-Trを導通状態に保持して出力ノードND0であるフローティングディフュージョンFDの電荷と蓄積容量素子である蓄積キャパシタCSの電荷を共有させて、フローティングディフュージョンFDの電荷量を第2電荷量に保持させる。これにより、第2変換利得リセット読み出し処理LCGRRDおよび第2変換利得信号読み出し処理LCGSRDが実行可能となる。
【0097】
このような状態で、読み出し部60は、リセット期間PR後のリセット読み出し期間PRRDに、出力バッファ部211から出力ノードND0としてのフローティングディフュージョンFDの第2電荷量に応じた第2変換利得(たとえば低変換利得:LCG)で変換した読み出しリセット信号LCGVRSTを読み出し、比較器221でこの読み出しリセット信号LCGVRSTに対する比較処理を行う第2変換利得リセット読み出し処理LCGRRDを行う。
さらに、読み出し部60は、第1の読み出しモードRMD1時には、リセット読み出し期間PRRD後に制御信号TG1を所定期間ハイレベルに設定し、この転送期間PTにフォトダイオードPD1の蓄積電荷をフローティングディフュージョンFDに転送させる。
そして、転送期間PTに続く読み出し期間PRDに、出力バッファ部211から出力ノードND0としてのフローティングディフュージョンFDの第2電荷量に応じた第2変換利得で変換した読み出し信号LCGVSIGを読み出し、比較器221でこの読み出し信号LCGVSIGに対する比較処理を行う第2変換利得読み出し処理LCGSRDを行う。
【0098】
図9(A)~(D)は、本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置における画素の第1の読み出しモードとして第1変換利得(HCG)による読み出しシーケンスの一例を説明するためのタイミングチャートである。
図9(A)は第1の読み出しモードRMD1によるアクセス対象である転送トランジスタTG1-Trの制御信号TG1を、
図9(B)はシャッタゲートトランジスタSG1-Trの制御信号SG1を、
図9(C)は蓄積トランジスタBIN-Trの制御信号BINを、
図9(D)はリセットトランジスタRST-Trの制御信号RSTをそれぞれ示している。
【0099】
上記の説明は、第1の読み出しモードRMD1として、第2変換利得リセット読み出し処理LCGRRDおよび第2変換利得信号読み出し処理LCGSRDを実行する例を説明したが、第1の読み出しモードRMD1として、第1変換利得リセット読み出し処理HCGRRDおよび第1変換利得信号読み出し処理HGSRDを実行することも可能である。
この場合、読み出し部60は、
図9(C)に示すように、制御信号BINを所定期間ローレベルに切り替え、蓄積トランジスタBIN-Trを非導通状態に保持して出力ノードND0であるフローティングディフュージョンFDの電荷と蓄積容量素子である蓄積キャパシタCSの電荷を切り離して、フローティングディフュージョンFDの電荷量を第1電荷量に保持させる。これにより、第1変換利得リセット読み出し処理HCGRRDおよび第1変換利得信号読み出し処理HCGSRDが実行可能となる。
【0100】
図10は、本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置10における画素の第2の読み出しモードRMD2による読み出しシーケンスの一例を説明するためのタイミングチャートである。
図10(A)は第2の読み出しモードRMD2によるアクセス対象である転送トランジスタTG1-Trの制御信号TG1を、
図10(B)はシャッタゲートトランジスタSG1-Trの制御信号SG1を、
図10(C)は蓄積トランジスタBIN-Trの制御信号BINを、
図10(D)はリセットトランジスタRST-Trの制御信号RSTをそれぞれ示している。
【0101】
読み出し部60は、第2の読み出しモードRMD2時には、露光開始からリセット期間PRの終了までの処理は、上述した第1の読み出しモードRMD1と同様に行われる。
この場合も、読み出し部60は、制御信号BINをハイレベルにして蓄積トランジスタBIN-Trを導通状態に保持して出力ノードND0であるフローティングディフュージョンFDの電荷と蓄積容量素子である蓄積キャパシタCSの電荷を共有させて、フローティングディフュージョンFDの電荷量を第2電荷量に保持させる。これにより、第2変換利得リセット読み出し処理LCGRRDが実行可能となる。
【0102】
このような状態で、読み出し部60は、リセット期間PR後のリセット読み出し期間PRRDに、出力バッファ部211から出力ノードND0としてのフローティングディフュージョンFDの第2電荷量に応じた第2変換利得で変換した読み出しリセット信号LCGVRSTを読み出し、比較器221でこの読み出しリセット信号LCGVRSTに対する比較処理を行う第2変換利得リセット読み出し処理LCGRRDを行う。
次いで、読み出し部60は、制御信号BINをローレベルに切り替えて、蓄積トランジスタBIN-Trを非導通状態に保持して出力ノードND0であるフローティングディフュージョンFDの電荷と蓄積容量素子である蓄積キャパシタCSの電荷を分離させて、フローティングディフュージョンFDの電荷量を第1電荷量に保持させる。これにより、第1変換利得信号読み出し処理HCGSRDが実行可能となる。
【0103】
このような状態で、読み出し部60は、リセット期間PR後のさらなるリセット読み出し期間PRRDに、出力バッファ部211から出力ノードND0としてのフローティングディフュージョンFDの第1電荷量に応じた第1変換利得(高変換利得:HCG)で変換した読み出しリセット信号HCGVRSTを読み出し、比較器221でこの読み出しリセット信号HCGVRSTに対する比較処理を行う第1変換利得リセット読み出し処理HCGRRDを行う。
さらに、読み出し部60は、第2の読み出しモードRMD2時には、リセット読み出し期間PPRD後に制御信号TG1を所定期間ハイレベルに設定し、この第1の転送期間PT1にフォトダイオードPD1の蓄積電荷をフローティングディフュージョンFDに転送させる。
そして、第1の転送期間PT1に続く第1の読み出し期間PRD1に、出力バッファ部211から出力ノードND0としてのフローティングディフュージョンFDの第1電荷量に応じた第1変換利得で変換した読み出し信号HCGVSIGを読み出し、比較器221でこの読み出し信号HCGVSIGに対する比較処理を行う第1変換利得読み出し処理HCGSRDを行う。
【0104】
さらに、読み出し部60は、第2読み出しモードRMD2時には、第1の読み出し期間PRD1後に制御信号BINをハイレベルに切り替えて、蓄積トランジスタBIN-Trを導通状態に保持して出力ノードND0であるフローティングディフュージョンFDの電荷と蓄積容量素子である蓄積キャパシタCSの電荷を共有させて、フローティングディフュージョンFDの電荷量を第2電荷量に保持させる。これにより、第2変換利得リセット読み出し処理LCGRRDが実行可能となる。
この状態で、読み出し部60は、第1の読み出し期間PRD1後に制御信号TG1を所定期間ハイレベルに設定し、この第2の転送期間PT2にフォトダイオードPD1の蓄積電荷をフローティングディフュージョンFDに転送させる。
そして、第2の転送期間PT2後に、制御信号SG1をハイレベルに切り替えてシャッタゲートトランジスタSG1-Trを導通状態に保持し、続く第2の読み出し期間PRD2に、出力バッファ部211から出力ノードND0としてのフローティングディフュージョンFDの第2電荷量に応じた第2変換利得で変換した読み出し信号LCGVSIGを読み出し、比較器221でこの読み出し信号LCGVSIGに対する比較処理を行う第2変換利得読み出し処理LCGSRDを行う。
【0105】
図11は、本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置10における画素の第3の読み出しモードRMD3による読み出しシーケンスの一例を説明するためのタイミングチャートである。
図11(A)は第3の読み出しモードRMD1によるアクセス対象である転送トランジスタTG0-Trの制御信号TG0を、
図11(B)はシャッタゲートトランジスタSG0-Trの制御信号SG0を、
図11(C)は蓄積トランジスタBIN-Trの制御信号BINを、
図11(D)はリセットトランジスタRST-Trの制御信号RSTをそれぞれ示している。
【0106】
読み出し部60は、第3の読み出しモードRMD3時には、露光開始からリセット期間PRの終了までの処理は、上述した第1の読み出しモードRMD1および第2の読み出しモードRMD2と同様に行われる。
この場合、読み出し部60は、制御信号BINをローレベルにして蓄積トランジスタBIN-Trを非導通状態に保持して出力ノードND0であるフローティングディフュージョンFDの電荷と蓄積容量素子である蓄積キャパシタCSの電荷を分離させて、フローティングディフュージョンFDの電荷量を第1電荷量に保持させる。これにより、第1変換利得リセット読み出し処理HCGRRDが実行可能となる。
なお、第3の読み出しモードRMD3時は、露光期間中において、フローティングディフュージョンFDと蓄積キャパシタCSはリセットされない。
【0107】
このような状態で、読み出し部60は、第1のリセット期間PR後の第1のリセット読み出し期間PRRDに、出力バッファ部211から出力ノードND0としてのフローティングディフュージョンFDの第1電荷量に応じた第1変換利得で変換した読み出しリセット信号HCGVRSTを読み出し、比較器221でこの読み出しリセット信号HCGVRSTに対する比較処理を行う第1変換利得リセット読み出し処理HCGRRDを行う。
さらに、読み出し部60は、第3の読み出しモードRMD3時には、リセット読み出し期間PPRD後に制御信号TG0を所定期間ハイレベルに設定し、この第1の転送期間PT1にフォトダイオードPD1の蓄積電荷をフローティングディフュージョンFDに転送させる。
そして、第1の転送期間PT1に続く第1の読み出し期間PRD1に、出力バッファ部211から出力ノードND0としてのフローティングディフュージョンFDの第1電荷量に応じた第1変換利得で変換した読み出し信号HCGVSIGを読み出し、比較器221でこの読み出し信号HCGVSIGに対する比較処理を行う第1変換利得読み出し処理HCGSRDを行う。
【0108】
さらに、読み出し部60は、第3読み出しモードRMD3時には、第1の読み出し期間PRD1後に制御信号BINをハイレベルに切り替えて、蓄積トランジスタBIN-Trを導通状態に保持して出力ノードND0であるフローティングディフュージョンFDの電荷と蓄積容量素子である蓄積キャパシタCSの電荷を共有させて、フローティングディフュージョンFDの電荷量を第2電荷量に保持させる。これにより、第2変換利得読み出し処理LCGSRDが実行可能となる。
この状態で、読み出し部60は、第1の読み出し期間PRD1後に制御信号TG0を所定期間ハイレベルに設定し、この第2の転送期間PT2にフォトダイオードPD1の蓄積電荷をフローティングディフュージョンFDに転送させる。
そして、第2の転送期間PT2後に、制御信号SG0をハイレベルに切り替えてシャッタゲートトランジスタSG0-Trを導通状態に保持し、続く第2の読み出し期間PRD2に、出力バッファ部211から出力ノードND0としてのフローティングディフュージョンFDの第2電荷量に応じた第2変換利得で変換した読み出し信号LCGVSIGを読み出し、比較器221でこの読み出し信号LCGVSIGに対する比較処理を行う第2変換利得読み出し処理LCGSRDを行う。
【0109】
さらに、読み出し部60は、第3読み出しモードRMD3時には、第1の読み出し期間PRD1後に制御信号RSTを所定期間ハイレベルに切り替えて、リセットトランジスタRST-Trを導通状態に保持して出力ノードND0であるフローティングディフュージョンFDをリセットする。
このような状態で、読み出し部60は、第2のリセット期間PR2後の第2のリセット読み出し期間PRRD2に、出力バッファ部211から出力ノードND0としてのフローティングディフュージョンFDの第2電荷量に応じた第2変換利得で変換した読み出しリセット信号LCGVRSTを読み出し、比較器221でこの読み出しリセット信号LCGVRSTに対する比較処理を行う第2変換利得リセット読み出し処理LCGRRDを行う。
【0110】
図12は、本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置10における画素の第4の読み出しモードRMD4による読み出しシーケンスの一例を説明するためのタイミングチャートである。
図12(A)は第4の読み出しモードRMD4によるアクセス対象である転送トランジスタTG0-Trの制御信号TG0を、
図12(B)はシャッタゲートトランジスタSG0-Trの制御信号SG0を、
図12(C)は蓄積トランジスタBIN-Trの制御信号BINを、
図12(D)はリセットトランジスタRST-Trの制御信号RSTをそれぞれ示している。
【0111】
読み出し部60は、第4の読み出しモードRMD4時の読み出しシーケンスは、蓄積期間(露光期間)にフォトダイオードPD0から出力ノードND0としてのフローティングディフュージョンFDに溢れ出たオーバーフロー電荷に応じた電圧信号に対する比較処理を行う点が、上述した第3の読み出しモードRMD3時の読み出しシーケンスと異なる以外は、基本的に、第3の読み出しモードRMD3時の読み出しシーケンスと同様の処理が行われる。
【0112】
すなわち、読み出し部60は、第4の読み出しモードRMD4時には、露光開始からリセット期間PRの終了までの処理は、上述した第1の読み出しモードRMD1および第2の読み出しモードRMD2と同様に行われる。
この場合、読み出し部60は、制御信号BINをローレベルにして蓄積トランジスタBIN-Trを非導通状態に保持して出力ノードND0であるフローティングディフュージョンFDの電荷と蓄積容量素子である蓄積キャパシタCSの電荷を分離させて、フローティングディフュージョンFDの電荷量を第1電荷量に保持させる。これにより、第1変換利得リセット読み出し処理HCGRRDが実行可能となる。
【0113】
このような状態で、読み出し部60は、第1のリセット期間PR後の第1のリセット読み出し期間PRRDに、出力バッファ部211から出力ノードND0としてのフローティングディフュージョンFDの第1電荷量に応じた第1変換利得で変換した読み出しリセット信号HCGVRSTを読み出し、比較器221でこの読み出しリセット信号HCGVRSTに対する比較処理を行う第1変換利得リセット読み出し処理HCGRRDを行う。
さらに、読み出し部60は、第4の読み出しモードRMD4時には、リセット読み出し期間PPRD後に制御信号TG0を所定期間ハイレベルに設定し、この第1の転送期間PT1にフォトダイオードPD0の蓄積電荷をフローティングディフュージョンFDに転送させる。
そして、第1の転送期間PT1に続く第1の読み出し期間PRD1に、出力バッファ部211から出力ノードND0としてのフローティングディフュージョンFDの第1電荷量に応じた第1変換利得で変換した読み出し信号HCGVSIGを読み出し、比較器221でこの読み出し信号HCGVSIGに対する比較処理を行う第1変換利得読み出し処理HCGSRDを行う。
【0114】
さらに、読み出し部60は、第4読み出しモードRMD4時には、第1の読み出し期間PRD1後に制御信号BINをハイレベルに切り替えて、蓄積トランジスタBIN-Trを導通状態に保持して出力ノードND0であるフローティングディフュージョンFDの電荷と蓄積容量素子である蓄積キャパシタCSの電荷を共有させて、フローティングディフュージョンFDの電荷量を第2電荷量に保持させる。これにより、第2変換利得リセット読み出し処理LCGRRDが実行可能となる。
この状態で、読み出し部60は、第1の読み出し期間PRD1後に制御信号TG0を所定期間ハイレベルに設定し、この第2の転送期間PT2にフォトダイオードPD0の蓄積電荷をフローティングディフュージョンFDに転送させる。
そして、第2の転送期間PT2後に、制御信号SG0をハイレベルに切り替えてシャッタゲートトランジスタSG0-Trを導通状態に保持し、続く第2の読み出し期間PRD2に、出力バッファ部211から出力ノードND0としてのフローティングディフュージョンFDの第2電荷量に応じた第2変換利得で変換した読み出し信号LCGVSIGを読み出し、比較器221でこの読み出し信号LCGVSIGに対する比較処理を行う第2変換利得読み出し処理LCGSRDを行う。
【0115】
さらに、読み出し部60は、第4読み出しモードRMD4時には、第1の読み出し期間PRD1後に制御信号RSTを所定期間ハイレベルに切り替えて、リセットトランジスタRST-Trを導通状態に保持して出力ノードND0であるフローティングディフュージョンFDをリセットする。
このような状態で、読み出し部60は、第2のリセット期間PR2後の第2のリセット読み出し期間PRRD2に、出力バッファ部211から出力ノードND0としてのフローティングディフュージョンFDの第2電荷量に応じた第2変換利得で変換した読み出しリセット信号LCGVRSTを読み出し、比較器221でこの読み出しリセット信号LCGVRSTに対する比較処理を行う第2変換利得リセット読み出し処理LCGRRDを行う。
【0116】
なお、比較器221の比較処理結果のデジタルデータは、メモリ部230のメモリ231,232に交互に格納される。
これにより、迅速な読み出し動作を実現可能である。
【0117】
図13(A)~(F)は、本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置10におけるデジタル画素の読み出しシーケンスの一例を示す図である。
図13(A)は第2の読み出しモードRMD2によるアクセス対象である転送トランジスタTG1-Trの制御信号TG1を、
図13(B)はシャッタゲートトランジスタSG1-Trの制御信号SG1を、
図13(C)は第4の読み出しモードRMD4によるアクセス対象である転送トランジスタTG0-Trの制御信号TG0を、
図13(D)はシャッタゲートトランジスタSG0-Trの制御信号SG0を、
図13(E)は蓄積トランジスタBIN-Trの制御信号BINを、
図13(F)はリセットトランジスタRST-Trの制御信号RSTをそれぞれ示している。
【0118】
本第1の実施形態においては、読み出し部60は、
図13に示すように、アクセス対象である転送トランジスタTG0-Trの蓄積電荷に対する第4の読み出しモードRMD4による読み出し処理を行い、この第4の読み出しモードRMD4に続いてアクセス対象である転送トランジスタTG1-Trの蓄積電荷に対する第2の読み出しモードRMD2による読み出し処理を行う。
なお、第4の読み出しモードRMD4による読み出しシーケンスと第2の読み出しモードRMD2による読み出しシーケンスは、
図12および
図10に関連付けて説明した読み出しシーケンスと基本的に同様であることから、ここではその詳細な説明は省略する。
【0119】
ただし、読み出し部60は、第4の読み出しモードRMD4と第2の読み出しモードRMD2の引き継ぎ部分において第2変換利得リセット読み出し処理LCGRRDによる信号を共用する。
これにより、処理の高速化を図ることが可能となる。
【0120】
以上説明したように、本第1の実施形態によれば、固体撮像装置10は、画素部20において、デジタル画素として光電変換読み出し部210、AD変換部220、およびメモリ部230を含み、たとえば積層型のCMOSイメージセンサとして構成されている。
本第1の実施形態に係る固体撮像装置10において、各デジタル画素200がAD変換機能を有しており、AD変換部220は、光電変換読み出し部210により読み出される電圧信号と参照電圧とを比較し、デジタル化した比較結果信号を出力するAD変換処理を行う比較器221を有している。
そして、本第1の実施形態に係る固体撮像装置10において、比較器221は、異なる2つのフォトダイオードPD0,PD1を一つのフローティングディフュージョンFDで共有する一つの光電変換読み出し部210に接続されており、同一の光電変換読み出し部210内の異なるフォトダイオードPD0,PD1の蓄積電荷に対して異なる読み出しシーケンスで読み出された少なくとも2系統のモード読み出し信号に対する比較処理を行うことが可能に構成されている。
本第1の実施形態においては、第1のフォトダイオードPD0の蓄積電荷に対して第4の読み出しモードRMD4による読み出しが行われ、第2のフォトダイオードPD1の蓄積電荷に対して、たとえば第2の読み出しモードRMD2による読み出しを行うことに対応して、同一画素内に形成された第1のフォトダイオードPD0の容量を同一画素内に隣接して形成された第2のフォトダイオードPD1の容量より小さく形成されている。
【0121】
したがって、本第1の実施形態の固体撮像装置10によれば、小さな画素サイズで所定の読み出しモードによりダイナミックレンジを拡大することが可能となる。
また、本第1の実施形態によれば、実質的に広ダイナミックレンジ化、高フレームレート化を実現することが可能で、しかも低ノイズ化を図れ、有効画素領域を最大限に拡大することができ、コストあたりの価値を最大限に高めることが可能となる。
【0122】
(第2の実施形態)
図14は、本発明の第2の実施形態に係る固体撮像装置10Aの画素の一例を示す回路図である。
【0123】
本第2の実施形態に係る固体撮像装置10Aの画素200Aが上述した第1の実施形態に係る固体撮像装置10の画素200と異なる点は、次の通りである。
【0124】
第1の実施形態に係る固体撮像装置10の画素200においては、比較器221は、異なる2つのフォトダイオードPD0,PD1を一つのフローティングディフュージョンFDで共有する一つの光電変換読み出し部210に接続されており、同一の光電変換読み出し部210内の異なるフォトダイオードPD0,PD1の蓄積電荷に対して異なる読み出しシーケンスで読み出された少なくとも2系統のモード読み出し信号に対する比較処理を行うことが可能に構成されている。
【0125】
これに対して、本第2の実施形態に係る固体撮像装置10Aの画素200Aにおいては、比較器221は、それぞれ一つのフォトダイオードPD0,PD1を含む複数(本例では2)の光電変換読み出し部210が選択的に接続されて、一つの比較器221が複数の光電変換読み出し部210で共有されており、異なる光電変換読み出し部210内の異なるフォトダイオードPD0,PD1の蓄積電荷に対して異なる読み出しシーケンスで読み出された少なくとも2系統のモード読み出し信号に対する比較処理を行うことが可能に構成されている。
【0126】
1つの比較器221を複数の光電変換読み出し部(共有画素)210A-0,210A-1で共有するため、
図12に示すように、光電変換読み出し部210A-0,210A-1の出力バッファ部211A-0,211A-1は、読み出しノードND1-0,ND1-1と信号線SGNL1との間に接続された選択素子としての選択トランジスタSEL0-Tr,SEL1-Trを有している。信号線SGNL1は、比較器221の入力端子に接続された結合キャパシタCC1と接続される
【0127】
第1の光電変換読み出し部210A-0は、第1の光電変換素子としての第1のフォトダイオードPD0、第1の転送素子としての第1の転送トランジスタTG0-Tr、第1の電荷オーバーフローゲート素子としての第1のシャッタゲートトランジスタSG0-Tr、および第1の出力ノードND0-0としての第1のフローティングディフュージョンFD0を含む。
さらに、第1の光電変換読み出し部210A-0は、第1のリセット素子としての第1のリセットトランジスタRST0-Tr、第1の出力バッファ部211A-0を形成する第1のソースフォロワ素子としての第1のソースフォロワトランジスタSF0-Trおよび第1の読み出しノードND1-0、並びに、第1の利得変換部212A-0を形成する第1の蓄積素子としての第1の蓄積トランジスタBIN0-Tr、および第1の蓄積容量素子としての第1の蓄積キャパシタCS0を含んで構成されている。
【0128】
第2の光電変換読み出し部210A-1は、第2の光電変換素子としての第2のフォトダイオードPD1、第2の転送素子としての第2の転送トランジスタTG1-Tr、第2の電荷オーバーフローゲート素子としての第2のシャッタゲートトランジスタSG1-Tr、および第2の出力ノードND0-1としての第2のフローティングディフュージョンFD1を含む。
さらに、第2の光電変換読み出し部210A-1は、第2のリセット素子としての第2のリセットトランジスタRST1-Tr、第2の出力バッファ部211A-1を形成する第2のソースフォロワ素子としての第2のソースフォロワトランジスタSF1-Trおよび第2の読み出しノードND1-11、並びに、第2の利得変換部212A-1を形成する第2の蓄積素子としての第2の蓄積トランジスタBIN1-Tr、および第2の蓄積容量素子としての第2の蓄積キャパシタCS1を含んで構成されている。
【0129】
このような構成を有する第1の光電変換読み出し部210A-0および第2の光電変換読み出し部210A-1は、フォトダイオードの周辺素子、ノードが、共通の形成領域に集積化して形成されている。
具体的には、第1の光電変換読み出し部210A-0の第1のフォトダイオードPD0、第1の転送トランジスタTG0-Tr、第1のシャッタゲートトランジスタSG0-Tr、および第1のフローティングディフュージョンFD0と、第2の光電変換読み出し部210A-1の第2のフォトダイオードPD1、第2の転送トランジスタTG1-Tr、第2のシャッタゲートトランジスタSG1-Tr、および第2のフローティングディフュージョンFD1が、たとえば一つの矩形の形成領域に集積化して形成されている。
【0130】
図15(A)および(B)は、本第2の実施形態に係る比較器を共有する隣接する2つの光電変換読み出し部におけるフォトダイオード周辺の各トランジスタ、キャパシタ、ノード等の集積化した配置例を示す図である。
図15(A)は簡略平面図であり、
図15(B)は
図15(A)のA-B線における簡略断面図である。
【0131】
画素セルPXLC-Aは、素子の形成領域として、中央部分の中央領域CTAR-A、並びに、中央領域CTAR-Aを挟んで両側(Y方向)の第1の縁部領域FSAREおよび第2の縁部領域SCAREを含んで、矩形領域RCT-Aが割り当てられている。
【0132】
中央領域RCT-Aには、X方向の両側部に第1の蓄積容量素子としての第1の蓄積キャパシタCS0および第2の蓄積容量素子としての第2の蓄積キャパシタCS1が形成されている。
第1の蓄積キャパシタCS0および第2の蓄積キャパシタCS1の形成領域間であって、第1の縁部領域FSARE側に、第1の光電変換素子としての第1のフォトダイオードPD0、第1の転送素子としての第1の転送トランジスタTG0-Tr、および第1の電荷オーバーフローゲート素子としての第1のシャッタゲートトランジスタSG0-Trが形成されている。
そして、第2の縁部領域SCARE側に、第2の光電変換素子としての第2のフォトダイオードPD1、第2の転送素子としての第2の転送トランジスタTG1-Tr、および第2の電荷オーバーフローゲート素子としての第2のシャッタゲートトランジスタSG1-Trが形成されている。
【0133】
第1の縁部領域FSAREには、第1のフローティングディフュージョンFD0がX方向の中央部に形成され、そのX方向の図中右側に、第1の蓄積トランジスタBIN0-Tr、第1のリセットトランジスタRST0-Trが形成され、左側に第1のソースフォロワトランジスタSF0-Tr、第1の選択トランジスタSEL0-Trが形成されている。また、第1のフローティングディフュージョンFD0には第1の転送トランジスタTG0-Trが接続されている。
第2の縁部領域SCAREには、第2のフローティングディフュージョンFD1がX方向の中央部に形成され、そのX方向の図中右側に、第2の蓄積トランジスタBIN1-Tr、第2のリセットトランジスタRST1-Trが形成され、左側に第2のソースフォロワトランジスタSF1-Tr、第2の選択トランジスタSEL1-Trが形成されている。また、第2のフローティングディフュージョンFD1には第2の転送トランジスタTG1-Trが接続されている。
【0134】
第4の読み出しモードRMD4による読み出しが行われる第1のフォトダイオードPD0および第3の読み出しモードRMD3による読み出しが行われる第2のフォトダイオードPD1のFWCはTTS飽和および蓄積キャパシタCS0、CS1の容量によって制限される。
したがって、第4の読み出しモードRMD4による読み出しが行われる第1のフォトダイオードPD0および第3の読み出しモードRMD3による読み出しが行われる第2のフォトダイオードPD1はFWCが小さくなるように形成される。
そして、
図15(B)に示すように、フォトダイオードPDを形成するディープn層2102-1が、第1の蓄積キャパシタCS0および第2の蓄積キャパシタCS1の形成領域と対向する下層領域まで形成されていることから、高感度で光学的対称性を達成することができる。
【0135】
図16(A)~(F)は、本発明の第2の実施形態に係る固体撮像装置10Aにおけるデジタル画素の読み出しシーケンスの一例を示す図である。
図16(A)は第1の光電変換読み出し部210A-0のシャッタゲートトランジスタSG0-Trの制御信号SG0を、
図16(B)は第4の読み出しモードRMD4によるアクセス対象である第1の光電変換読み出し部210A-0の転送トランジスタTG0-Trの制御信号TG0を、
図16(C)は第1の光電変換読み出し部210A-0の蓄積トランジスタBIN0-Trの制御信号BIN0を、
図16(D)は第1の光電変換読み出し部210A-0のリセットトランジスタRST0-Trの制御信号RST0をそれぞれ示している。
図16(E)は第2の光電変換読み出し部210A-1のシャッタゲートトランジスタSG1-Trの制御信号SG1を、
図16(F)は第3の読み出しモードRMD3によるアクセス対象である第2の光電変換読み出し部210A-1の転送トランジスタTG1-Trの制御信号TG1を、
図16(G)は第2の光電変換読み出し部210A-1の蓄積トランジスタBIN1-Trの制御信号BIN01、
図16(H)は第2の光電変換読み出し部210A-1のリセットトランジスタRST1-Trの制御信号RST1をそれぞれ示している。
【0136】
本第2の実施形態においては、読み出し部60は、
図16に示すように、アクセス対象である第1の光電変換読み出し部210A-0の転送トランジスタTG0-Trの蓄積電荷に対する第4の読み出しモードRMD4の読み出し処理を行い、この第4の読み出しモードRMD4に続いて第2の光電変換読み出し部210A-1の転送トランジスタTG0-Trの蓄積電荷に対する第3の読み出しモードRMD3の読み出し処理を行う。
なお、第4の読み出しモードRMD4による読み出しシーケンスと第3の読み出しモードRMD3による読み出しシーケンスは、
図12および
図11に関連付けて説明した読み出しシーケンスと基本的に同様であることから、ここではその詳細な説明は省略する。
【0137】
本第2の実施形態によれば、上述した第1の実施形態の効果と同様の効果を得ることができる。
【0138】
(第3の実施形態)
図17は、本発明の第3の実施形態に係る固体撮像装置10Bの画素の一例を示す回路図である。
【0139】
本第2の実施形態に係る固体撮像装置10Bの画素200Bが上述した第1の実施形態に係る固体撮像装置10の画素200と異なる点は、次の通りである。
【0140】
第1の実施形態に係る固体撮像装置10の画素200においては、比較器221は、異なる2つのフォトダイオードPD0,PD1を一つのフローティングディフュージョンFDで共有する一つの光電変換読み出し部210に接続されており、同一の光電変換読み出し部210内の異なるフォトダイオードPD0,PD1の蓄積電荷に対して異なる読み出しシーケンスで読み出された少なくとも2系統のモード読み出し信号に対する比較処理を行うことが可能に構成されている。
【0141】
これに対して、本第3の実施形態に係る固体撮像装置10Bの画素200Bにおいては、比較器221は、それぞれ異なる2つのフォトダイオードPD0,PD1,PD2,PD3を一つのフローティングディフュージョンFD0,FD1で共有する複数(本例では2)の光電変換読み出し部210B-0,210B-1が選択的に接続されて、一つの比較器221が複数(本例では2)の光電変換読み出し部210B-0,210B-1で共有されており、異なる光電変換読み出し部210B-0,210B-1内の異なるフォトダイオードPD0,PD1およびPD2,PD3の蓄積電荷に対して異なる読み出しシーケンスで読み出された4系統のモード読み出し信号に対する比較処理を行うことが可能に構成されている。
【0142】
なお、比較器221の比較処理結果のデジタルデータは、メモリ部230Bの4つのメモリ231,232,233,234に交互に格納される。
これにより、迅速な読み出し動作を実現可能である。
【0143】
1つの比較器221を複数の光電変換読み出し部(共有画素)210B-0,210B-1で共有するため、
図17に示すように、光電変換読み出し部210B-0,210B-1の出力バッファ部211B-0,211B-1は、出力ノードND1-0,ND1-1と信号線SGNL1との間に接続された選択素子としての選択トランジスタSEL0-Tr,SEL1-Trを有している。信号線SGNL1は、比較器221の入力端子に接続された結合キャパシタCC1と接続される
【0144】
第1の光電変換読み出し部210B-0は、第1の光電変換素子としての第1のフォトダイオードPD0、第1の転送素子としての第1の転送トランジスタTG0-Tr、第1の電荷オーバーフローゲート素子としての第1のシャッタゲートトランジスタSG0-Tr、第2の光電変換素子としての第2のフォトダイオードPD1、第2の転送素子としての第2の転送トランジスタTG1-Tr、第2の電荷オーバーフローゲート素子としての第2のシャッタゲートトランジスタSG1-Tr、および第1の出力ノードとしての第1のフローティングディフュージョンFD0を含む。
さらに、第1の光電変換読み出し部210B-0は、第1のリセット素子としての第1のリセットトランジスタRST0-Tr、第1の出力バッファ部211A-0を形成する第1のソースフォロワ素子としての第1のソースフォロワトランジスタSF0-Trおよび第1の読み出しノードND1-0、並びに、第1の利得変換部212A-0を形成する第1の蓄積素子としての第1の蓄積トランジスタBIN0-Tr、および第1の蓄積容量素子としての第1の蓄積キャパシタCS0を含んで構成されている。
【0145】
第2の光電変換読み出し部210B-1は、第3の光電変換素子としての第3のフォトダイオードPD2、第3の転送素子としての第3の転送トランジスタTG2-Tr、第3の電荷オーバーフローゲート素子としての第3のシャッタゲートトランジスタSG2-Tr、第4の光電変換素子としての第4のフォトダイオードPD3、第4の転送素子としての第4の転送トランジスタTG3-Tr、第4の電荷オーバーフローゲート素子としての第4のシャッタゲートトランジスタSG3-Tr、および第2の出力ノードとしての第2のフローティングディフュージョンFD1を含む。
さらに、第2の光電変換読み出し部210A-1は、第2のリセット素子としての第2のリセットトランジスタRST1-Tr、第2の出力バッファ部211A-1を形成する第2のソースフォロワ素子としての第2のソースフォロワトランジスタSF1-Trおよび第2の読み出しノードND1-1、並びに、第2の利得変換部212B-1を形成する第2の蓄積素子としての第2の蓄積トランジスタBIN1-Tr、および第2の蓄積容量素子としての第2の蓄積キャパシタCS1を含んで構成されている。
【0146】
このような構成を有する第1の光電変換読み出し部210B-0および第2の光電変換読み出し部210B-1は、フォトダイオードの周辺素子、ノードが、共通の形成領域に集積化して形成されている。
具体的には、第1の光電変換読み出し部210B-0の第1のフォトダイオードPD0、第1の転送トランジスタTG0-Tr、第1のシャッタゲートトランジスタSG0-Tr、第2のフォトダイオードPD1、第2の転送トランジスタTG1-Tr、第2のシャッタゲートトランジスタSG1-Tr、および第1のフローティングディフュージョンFD0と、第2の光電変換読み出し部210B-1の第3のフォトダイオードPD2、第3の転送トランジスタTG2-Tr、第3のシャッタゲートトランジスタSG2-Tr、第4のフォトダイオードPD3、第4の転送トランジスタTG3-Tr、第4のシャッタゲートトランジスタSG3-Trおよび第2のフローティングディフュージョンFD1が、一つの矩形の形成領域に集積化して形成されている。
【0147】
また、本第3の実施形態においては、第1の光電変換読み出し部210B-0の第1のフォトダイオードPD0の蓄積電荷に対して第4の読み出しモードRMD4による読み出しが行われ、第2のフォトダイオードPD1の蓄積電荷に対して、たとえば第1の読み出しモードRMD1による読み出しを行うことに対応して、同一画素内に形成された第1のフォトダイオードPD0の容量が同一の光電変換読み出し部210B-0内に隣接して形成された第2のフォトダイオードPD1の容量より小さく形成されている。
また、第2の光電変換読み出し部210B-1の第3のフォトダイオードPD2の蓄積電荷に対して第3の読み出しモードRMD3による読み出しが行われ、第4のフォトダイオードPD3の蓄積電荷に対して、たとえば第1の読み出しモードRMD1による読み出しを行うことに対応して、同一の光電変換読み出し部210B-1内に形成された第3のフォトダイオードPD2の容量が同一画素内に隣接して形成された第4のフォトダイオードPD3の容量より小さく形成されている。
【0148】
図18(A)および(B)は、本第3の実施形態に係る比較器を共有する隣接する2つの光電変換読み出し部におけるフォトダイオード周辺の各トランジスタ、キャパシタ、ノード等の集積化した配置例を示す図である。
図18(A)は簡略平面図であり、
図18(B)は
図18(A)のA-B線における簡略断面図である。
【0149】
画素セルPXLC-Bは、素子の形成領域として、中央部分の中央領域CTAR-B、並びに、中央領域CTAR-Aを挟んで両側(Y方向)の第1の領域FSARE-Bおよび第2の領域SCARE―Bを含んで、矩形領域RCT-Bが割り当てられている。
【0150】
中央領域CTAR-Bには、X方向の図中左側に、第1の蓄積容量素子としての第1の蓄積キャパシタCS0が、その基台CSBS0と、基台SCBS0の中央部がX方向右側に延びる延設部EXT0とを備えた略T字形状に形成されている。
そして、延設部EXT0を挟んでY方向の両側に容量の小さい第1のフォトダイオードPD0および第3のフォトダイオードPD2が形成されている。
第1のフォトダイオードPD0は、矩形状に形成され、対向する一対の角部に第1の転送トランジスタTG0-Trおよび第1のシャッタゲートトランジスタSG0-Trが形成されている。
同様に、第3のフォトダイオードPD2は、矩形状に形成され、対向する一対の角部に第3の転送トランジスタTG2-Trおよび第3のシャッタゲートトランジスタSG2-Trが形成されている。
【0151】
中央領域CTAR-Bには、さらに、X方向の図中右側に、第1のフォトダイオードPD0より容量が大きい第2のフォトダイオードPD1および第3のフォトダイオードPD2より容量が大きい第4のフォトダイオードPD3が形成されている。
第2のフォトダイオードPD1は、矩形状に形成され、対向する一対の角部に第2の転送トランジスタTG1-Trおよび第2のシャッタゲートトランジスタSG1-Trが形成されている。
同様に、第4のフォトダイオードPD3は、矩形状に形成され、対向する一対の角部に第4の転送トランジスタTG3-Trおよび第4のシャッタゲートトランジスタSG3-Trが形成されている。
【0152】
第1の縁部領域FSARE-Bには、第1のフローティングディフュージョンFD0がX方向の中央部に形成され、そのX方向の図中右側に、第1の蓄積トランジスタBIN0-Tr、第1のリセットトランジスタRST0-Trが形成され、左側に第1のソースフォロワトランジスタSF0-Tr、第1の選択トランジスタSEL0-Trが形成されている。また、第1のフローティングディフュージョンFD0には第1の転送トランジスタTG0-Trおよび第2の転送トランジスタTG1-TrNIが接続されている。
第2の縁部領域SCARE-Bには、第2のフローティングディフュージョンFD1がX方向の中央部に形成され、そのX方向の図中右側に、第2の蓄積トランジスタBIN1-Tr、第2のリセットトランジスタRST1-Trが形成され、左側に第2のソースフォロワトランジスタSF1-Tr、第2の選択トランジスタSEL1-Trが形成されている。また、第2のフローティングディフュージョンFD1には第3の転送トランジスタTG2-Trおよび第4の転送トランジスタTG3-Trが接続されている。
【0153】
本第3の実施形態においては、第4の読み出しモードRMD4による読み出しが行われる第1のフォトダイオードPD0および第3の読み出しモードRMD3による読み出しが行われる第3のフォトダイオードPD2のFWCはTTS飽和および蓄積キャパシタCS0、CS1の容量によって制限され、フォトダイオード自身のFWCによって制限されない。
したがって、第4の読み出しモードRMD4による読み出しが行われる第1のフォトダイオードPD0および第3の読み出しモードRMD3による読み出しが行われる第3のフォトダイオードPD2はFWCが小さくなるように形成される。これに対して、第2の読み出しモードRMD2等による読み出しが行われる第2のフォトダイオードPD1および第4のフォトダイオードPD4はFWCが大きくなるように形成される。
そして、
図18(B)に示すように、フォトダイオードPDを形成するディープn層2102が、第1の蓄積キャパシタCS0の形成領域と対向する下層領域まで形成されていることから、高感度で光学的対称性を達成することができる。
【0154】
図19(A)~(N)は、本発明の第3の実施形態に係る固体撮像装置10Bにおけるデジタル画素の読み出しシーケンスの一例を示す図である。
図19(A)は第1の光電変換読み出し部210B-0の第1の選択トランジスタSEL0-Trの制御信号SEL0を、
図19(B)は第1の光電変換読み出し部210B-0の第1のシャッタゲートトランジスタSG0-Trの制御信号SG0を、
図19(C)は第4の読み出しモードRMD4によるアクセス対象である第1の光電変換読み出し部210B-0の第1の転送トランジスタTG0-Trの制御信号TG0を、
図19(D)は第1の光電変換読み出し部210B-0の第2のシャッタゲートトランジスタSG1-Trの制御信号SG1を、
図19(E)は第2の読み出しモードRMD2によるアクセス対象である第1の光電変換読み出し部210B-0の第2の転送トランジスタTG1-Trの制御信号TG1を、
図19(F)は第1の光電変換読み出し部210B-0の第1の蓄積トランジスタBIN0-Trの制御信号BIN0を、
図19(G)は第1の光電変換読み出し部210B-0のリセットトランジスタRST0-Trの制御信号RST0をそれぞれ示している。
図19(H)は第2の光電変換読み出し部210B-1の第2の選択トランジスタSEL1-Trの制御信号SEL1を、
図19(I)は第2の光電変換読み出し部210B-1の第3のシャッタゲートトランジスタSG2-Trの制御信号SG2を、
図19(J)は第3の読み出しモードRMD3によるアクセス対象である第2の光電変換読み出し部210B-1の第3の転送トランジスタTG2-Trの制御信号TG2を、
図19(K)は第2の光電変換読み出し部210B-1の第4のシャッタゲートトランジスタSG3-Trの制御信号SG3を、
図19(L)は第2の読み出しモードRMD2によるアクセス対象である第2の光電変換読み出し部210B-1の第4の転送トランジスタTG3-Trの制御信号TG3を、
図19(M)は第2の光電変換読み出し部210B-1の第2の蓄積トランジスタBIN1-Trの制御信号BIN1を、
図19(N)は第2の光電変換読み出し部210B-1のリセットトランジスタRST1-Trの制御信号RST1をそれぞれ示している。
【0155】
本第4の実施形態においては、読み出し部60は、
図19に示すように、アクセス対象である第1の光電変換読み出し部210B-0の第1の転送トランジスタTG0-Trの蓄積電荷に対する第4の読み出しモードRMD4の読み出し処理を行い、この第4の読み出しモードRMD4に続いて第2の光電変換読み出し部210B-1の第3の転送トランジスタTG2-Trの蓄積電荷に対する第3の読み出しモードRMD3の読み出し処理を行う。
さらに、読み出し部60は、この第3の読み出しモードRMD3に続いて第1の光電変換読み出し部210B-0の第2の転送トランジスタTG1-Trの蓄積電荷に対する第2の読み出しモードRMD2の読み出し処理を行い、この第2の読み出しモードRMD2に続いて第2の光電変換読み出し部210B-1の第4の転送トランジスタTG3-Trの蓄積電荷に対する第2の読み出しモードRMD2の読み出し処理を行う。
なお、第4の読み出しモードRMD4による読み出しシーケンスと第3の読み出しモードRMD3による読み出しシーケンスは、
図12、
図11および
図10に関連付けて説明した読み出しシーケンスと基本的に同様であることから、ここではその詳細な説明は省略する。
【0156】
本第3の実施形態によれば、上述した第1の実施形態の効果と同様の効果を得ることができる。
【0157】
以上説明した固体撮像装置10,10A,10Bは、デジタルカメラやビデオカメラ、携帯端末、あるいは監視用カメラ、医療用内視鏡用カメラなどの電子機器に、撮像デバイスとして適用することができる。
【0158】
図20は、本発明の実施形態に係る固体撮像装置が適用されるカメラシステムを搭載し
た電子機器の構成の一例を示す図である。
【0159】
本電子機器300は、
図20に示すように、本実施形態に係る固体撮像装置10,10A,10Bが適用可能なCMOSイメージセンサ310を有する。
さらに、電子機器300は、このCMOSイメージセンサ310の画素領域に入射光を導く(被写体像を結像する)光学系(レンズ等)220を有する。
電子機器300は、CMOSイメージセンサ310の出力信号を処理する信号処理回路(PRC)330を有する。
【0160】
信号処理回路330は、CMOSイメージセンサ310の出力信号に対して所定の信号処理を施す。
信号処理回路330で処理された画像信号は、液晶ディスプレイ等からなるモニタに動画として映し出し、あるいはプリンタに出力することも可能であり、またメモリカード等の記録媒体に直接記録する等、種々の態様が可能である。
【0161】
上述したように、CMOSイメージセンサ310として、前述した固体撮像装置10,10A,10Bを搭載することで、高性能、小型、低コストのカメラシステムを提供することが可能となる。
そして、カメラの設置の要件に実装サイズ、接続可能ケーブル本数、ケーブル長さ、設置高さなどの制約がある用途に使われる、たとえば、監視用カメラ、医療用内視鏡用カメラなどの電子機器を実現することができる。
【符号の説明】
【0162】
10,10A,10B・・・固体撮像装置、20・・・画素部、PD0・・・第1のフォトダイオード、PD1・・・第2のフォトダイオード、PD2・・・第3のフォトダイオード、PD3・・・第4のフォトダイオード、TG0-Tr・・・第1の転送トランジスタ、TG1-Tr・・・第2の転送トランジスタ、TG2-Tr・・・第3の転送トランジスタ、TG3-Tr・・・第4の転送トランジスタ、SG0-Tr・・・第1のシャッタゲートトランジスタ、SG1-Tr・・・第2のシャッタゲートトランジスタ、SG2-Tr・・・第3のシャッタゲートトランジスタ、SG3-Tr・・・第4のシャッタゲートトランジスタ、FD・・・フローティングディフュージョン、FD0・・・第1のフローティングディフュージョン、FD1・・・第2のフローティングディフュージョン、RST-Tr・・・リセットトランジスタ、RST0-Tr・・・第1のリセットトランジスタ、RST1-Tr・・・第2のリセットトランジスタ、SF-Tr・・・ソースフォロワトランジスタ、SF0-Tr・・・第1のソースフォロワトランジスタ、SF1-Tr・・・第2のソースフォロワトランジスタ、BIN-Tr・・・蓄積トランジスタ、BIN0-Tr・・・第1の蓄積トランジスタ、BIN1-Tr・・・第2の蓄積トランジスタ、CS・・・蓄積キャパシタ、CS1・・・第1の蓄積キャパシタ、CS2・・・第2の蓄積キャパシタ、CC1・・・結合キャパシタ、200,220A,220B・・・デジタル画素、210,210A-0,210A-1、210B-0,210B-1・・・光電変換読み出し部、211,211A、211B・・・出力バッファ部、212,212A,212B・・・利得返還部、221・・・比較器、222・・・ドライバ、230,230A,230B・・・メモリ部、231~233・・・メモリ、30・・・垂直走査回路、40・・・出力回路、50・・・タイミング制御回路、60・・・読み出し部、300・・・電子機器、310・・・CMOSイメージセンサ、320・・・光学系、330・・・信号処理回路(PRC)。