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特許7460365情報提供サーバ、プログラム、および情報提供方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】情報提供サーバ、プログラム、および情報提供方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0201 20230101AFI20240326BHJP
【FI】
G06Q30/0201
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019237193
(22)【出願日】2019-12-26
(65)【公開番号】P2021105868
(43)【公開日】2021-07-26
【審査請求日】2022-10-21
(73)【特許権者】
【識別番号】514020389
【氏名又は名称】TIS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】岡部 耕一郎
【審査官】菅原 浩二
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-141642(JP,A)
【文献】特開2016-152024(JP,A)
【文献】特開2008-243072(JP,A)
【文献】特開2018-110010(JP,A)
【文献】特開2018-101375(JP,A)
【文献】特開2019-139773(JP,A)
【文献】特開2010-224734(JP,A)
【文献】特開2015-176263(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報提供サーバであって、
顧客に関する顧客情報であって前記顧客の個人情報、前記顧客の属性、前記顧客が使用する端末の端末情報、および/または前記顧客が行った取引の取引情報を含む顧客情報を記憶する顧客記憶部を参照して、前記顧客情報と類型情報とに基づいて、類型ごとに前記顧客を分類する分類部と、
前記分類の結果を示す分類情報を、前記顧客が使用する顧客端末に通知する通知部と、
前記通知した前記分類情報を前記情報提供サーバの外部に提供することに前記顧客が同意する旨を示す同意情報を前記顧客端末から取得する同意取得部と、
前記同意情報に基づいて、前記同意が得られた顧客に関する前記分類情報を、外部装置に提供する提供部と、を備え
前記類型情報は、キーワードと前記類型の対応付け、または、教師あり学習もしくは教師なし学習により前記顧客情報を入力して構築されたモデルであって前記顧客を前記類型に分類するモデルである、
情報提供サーバ。
【請求項2】
前記同意取得部は、前記顧客情報を前記情報提供サーバの外部に提供することに顧客が同意する旨を含む前記同意情報を取得し、
前記提供部は、前記分類情報と併せて、前記同意情報に基づいて、前記顧客情報の少なくとも一部を、外部装置に提供する、
請求項1に記載の情報提供サーバ。
【請求項3】
前記通知部は、前記分類情報と併せて、前記分類情報の提供する先を示す提供情報を前記顧客端末に通知し、
前記同意取得部は、前記通知した前記提供する先への前記分類情報の提供に顧客が同意する旨を含む前記同意情報を取得し、
前記提供部は、前記同意情報に基づいて、前記分類情報を、前記同意が得られた提供先の外部装置に提供する、
請求項1または2に記載の情報提供サーバ。
【請求項4】
前記同意が得られた顧客にインセンティブを付与するための処理を行う付与部と、
前記付与されたインセンティブを示すインセンティブ情報を、前記顧客の前記顧客端末に通知するインセンティブ通知部を、さらに備える、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報提供サーバ。
【請求項5】
付与先の前記顧客ごとに、前記インセンティブを決定する決定部を、さらに備え、
前記同意取得部は、前記通知した前記インセンティブに顧客が同意する旨を含む前記同意情報を取得し、
前記提供部は、前記同意情報に基づいて、前記インセンティブに対する同意が得られた顧客に関する前記分類情報を、外部装置に提供する、
請求項4に記載の情報提供サーバ。
【請求項6】
前記類型は、顧客特性の類型であり、
前記通知部は、前記分類情報と併せて、前記顧客特性の類型全体を示す類型情報を前記顧客端末に通知し、
前記同意取得部は、前記類型全体における自身の分類に顧客が同意する旨を含む前記同意情報を取得し、
前記提供部は、前記同意情報に基づいて、前記自身の分類に対する同意が得られた顧客に関する前記分類情報を、外部装置に提供する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の情報提供サーバ。
【請求項7】
提供先の外部装置またはユーザが使用するユーザ端末から、前記顧客に関する追加の情報による分類の要求を受け付ける受け付け部と、
前記追加の情報を、前記顧客端末に問い合わせる問い合わせ部と、
前記顧客端末から、前記問い合わせに対する応答として、前記追加の情報を取得する追加取得部と、をさらに備え、
前記分類部は、前記顧客情報および前記追加の情報に基づいて、前記分類の結果を再分類する、
請求項5に記載の情報提供サーバ。
【請求項8】
提供先の外部装置と前記顧客端末との間のアクセスを実現するアクセス部をさらに備える、
請求項1から6のいずれか一項に記載の情報提供サーバ。
【請求項9】
前記アクセス部は、前記アクセスを所定の期間に限定する、
請求項8に記載の情報提供サーバ。
【請求項10】
コンピュータに、
顧客に関する顧客情報であって前記顧客の個人情報、前記顧客の属性、前記顧客が使用する端末の端末情報、および/または前記顧客が行った取引の取引情報を含む顧客情報を記憶する顧客記憶機能を参照して、前記顧客情報と類型情報とに基づいて、類型ごとに前記顧客を分類する分類機能と、
前記分類の結果を示す分類情報を、前記顧客が使用する顧客端末に通知する通知機能と、
前記通知した前記分類情報を前記コンピュータの外部に提供することに前記顧客が同意する旨を示す同意情報を前記顧客端末から取得する同意取得機能と、
前記同意情報に基づいて、前記同意が得られた顧客に関する前記顧客情報および前記分類情報を、外部装置に提供する提供機能と、を実現させ
前記類型情報は、キーワードと前記類型の対応付け、または、教師あり学習もしくは教師なし学習により前記顧客情報を入力して構築されたモデルであって前記顧客を前記類型に分類するモデルである、
プログラム。
【請求項11】
コンピュータが、
顧客に関する顧客情報であって前記顧客の個人情報、前記顧客の属性、前記顧客が使用する端末の端末情報、および/または前記顧客が行った取引の取引情報を含む顧客情報を記憶する顧客記憶部を参照して、前記顧客情報と類型情報とに基づいて、類型ごとに前記顧客を分類し、
前記分類の結果を示す分類情報を、前記顧客が使用する顧客端末に通知し、
前記通知した前記分類情報を前記コンピュータの外部に提供することに前記顧客が同意する旨を示す同意情報を前記顧客端末から取得し、
前記同意情報に基づいて、前記同意が得られた顧客に関する前記顧客情報および前記分類情報を、外部装置に提供し
前記類型情報は、キーワードと前記類型の対応付け、または、教師あり学習もしくは教師なし学習により前記顧客情報を入力して構築されたモデルであって前記顧客を前記類型に分類するモデルである、
情報提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供サーバ、プログラム、および情報提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、データ利活用に関するサービスが多く存在する。また、近年、このようなサービスの提供にあたっては、顧客の個人情報等の顧客に関する情報(以下、「顧客情報」という)の保護が一層重要となってきている。下記特許文献1には、事業者が他の事業者等に閲覧させるために顧客秘密情報をアップロードする情報共有システムが記載されている。この情報共有システムは、顧客秘密情報以外の顧客情報に含まれる同意ステータスが「同意済」である場合に、顧客端末に向けてログインパスワードを入力させる招待メッセージを送信する。そして、この情報共有システムは、顧客によりログインパスワードが入力されると顧客秘密情報を顧客端末から送信させて、受信した顧客秘密情報のアップロードを行う。このようなシステムによれば、顧客の同意を得て、かつ顧客によりログインパスワードが入力されてはじめて、顧客秘密情報が顧客端末から送信されて他の事業者に提供されるため、顧客情報の保護にあたって機密性を向上することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6537158号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、提供された顧客情報に基づいて顧客を所定の類型(いわゆる、「ペルソナ」等)に分類して、この分類の結果と顧客情報とをマーケティングビジネス等に活用したいというニーズが多く存在する。しかしながら、特許文献1に記載された情報共有システムでは、顧客は、自身の顧客情報の外部提供に対する同意しか確認されないため、上記のような活用に対する顧客の意思を反映するという点で不十分である。
【0005】
そこで、本発明は、顧客から提供された顧客情報の活用にあたって、顧客の意思を反映できる情報提供サーバ等を提供する。
【0006】
本発明の一態様に係る情報提供サーバは、顧客に関する顧客情報を記憶する顧客記憶部を参照して、顧客情報に基づいて、顧客を類型ごとに分類する分類部と、分類の結果を示す分類情報を、顧客が使用する顧客端末に通知する通知部と、通知した分類情報をコンピュータの外部に提供することに顧客が同意する旨を示す同意情報を顧客端末から取得する同意取得部と、同意情報に基づいて、同意が得られた顧客に関する分類情報を、外部装置に提供する提供部と、を備える。
【0007】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、顧客に関する顧客情報を記憶する顧客記憶機能を参照して、顧客情報に基づいて、顧客を所定の類型ごとに分類する分類機能と、分類の結果を示す分類情報を、顧客が使用する顧客端末に通知する通知機能と、通知した分類情報をコンピュータの外部に提供することに顧客が同意する旨を示す同意情報を顧客端末から取得する同意取得機能と、同意情報に基づいて、同意が得られた顧客に関する分類情報を、外部装置に提供する提供機能と、を実現させる。
【0008】
本発明の一態様に係る連携方法は、コンピュータが、顧客に関する顧客情報を記憶する顧客記憶部を参照して、顧客情報に基づいて、顧客を所定の類型ごとに分類し、分類の結果を示す分類情報を、顧客が使用する顧客端末に通知し、通知した分類情報を情報提供サーバの外部に提供することに顧客が同意する旨を示す同意情報を顧客端末から取得し、同意情報に基づいて、同意が得られた顧客に関する分類情報を、外部装置に提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、顧客から提供された顧客情報の活用にあたって、顧客の意思を反映できる情報提供サーバ等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係る情報提供システムのシステム構成例を説明するための図である。
図2】本実施形態に係る情報提供システムの概要を説明するための図である。
図3】本実施形態に係る情報提供サーバの機能構成の一例を示す図である。
図4】本実施形態に係る顧客の同意を判定するフローの例を示す図である。
図5】本実施形態に係る情報提供システムの動作例を示す図である。
図6】本実施形態に係る情報提供システムの動作例を示す図である。
図7】本実施形態に係る情報提供サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態(以下、「本実施形態」という)について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一または同様の構成を有する。
【0012】
本実施形態において、「部」や「手段」、「装置」、「システム」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」や「手段」、「装置」、「システム」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」や「手段」、「装置」、「システム」が有する機能が2つ以上の物理的手段や装置により実現されても、2つ以上の「部」や「手段」、「装置」、「システム」の機能が1つの物理的手段や装置により実現されてもよい。
【0013】
<1.概要>
本実施形態では、個人の顧客(以下、単に「顧客」ともいう)にBtoCサービスを提供する事業者(以下、「サービス事業者」という)が、顧客から提供された顧客情報を、情報銀行を業とする事業者(以下、「情報提供業者」という)に預託する例を説明する。さらに、本実施形態では、情報提供業者が、サービス事業者から預託された顧客情報を管理し、他の事業者に提供する例を説明する。なお、これらの説明は、本発明を上記の例に限る趣旨ではない。例えば、サービス事業者が上記の情報提供事業者の役割の少なくとも一部を兼ねて、自身が顧客情報を管理・外部提供を行ってもよい。ここで「顧客情報」とは、顧客に関する情報である。顧客情報の詳細は、後述する。
【0014】
<1-1.システム構成>
図1を参照して、情報提供システム1のシステム構成例を説明する。
【0015】
情報提供システム1は、情報提供業者が他の事業者に個人の顧客のいわゆるペルソナを表す分類情報を提供するためのシステムである。図1に示すように、情報提供システム1は、情報提供サーバ100と、顧客が使用する顧客端末200と、サービス事業者が使用する顧客サービスサーバ300と、外部の事業者が使用する外部装置400と、を含む。分類情報の詳細は、後述する。
【0016】
顧客端末200と顧客サービスサーバ300と情報提供サーバ100とは、ネットワークNを介して互いに接続されている。また、情報提供サーバ100と外部装置400とは、ネットワークNを介して互いに接続されている。
【0017】
ネットワークNは、無線ネットワークや有線ネットワークにより構成される。ネットワークの一例としては、携帯電話網や、PHS(Personal Handy-phone System)網、無線LAN(Local Area Network)、3G(3rd Generation)、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation)、WiMax(登録商標)、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)、有線LAN、電話線、電灯線ネットワーク、IEEE1394等に準拠したネットワークがある。
【0018】
情報提供サーバ100は、顧客端末200、顧客サービスサーバ300および外部装置400との通信や顧客情報を管理するための情報処理装置である。
【0019】
情報提供サーバ100は、所定のプログラムを実行することにより、顧客サービスサーバ300等から取得する情報に応じて、顧客情報を新規で登録し、登録した顧客情報の参照・更新・削除を行い、顧客情報を最新の状態に維持するサーバ機能を実現する。また、情報提供サーバ100は、所定のプログラムを実行することにより、顧客情報に基づいて顧客を分類し、この分類に対する顧客からの同意を得たうえで、外部装置400に顧客情報とこの分類の結果を示す分類情報とを提供するサーバ機能を実現する。
【0020】
「分類情報」とは、顧客を類型ごとに分類した結果を示す情報である。分類情報は、例えば、顧客を特定のペルソナに分類した結果であってもよい。ここで「ペルソナ」とは、顧客の振る舞い、適性、目的、モチベーション等の顧客の特性を統合した顧客モデルである。すなわち、分類情報は、顧客がどの顧客モデルに当てはまるかを分類した結果であってもよい。また、分類情報は、顧客を匿名化した状態で上記分類した結果を示してもよい。ここで「匿名化」とは、顧客個人を特定可能な情報を削除または変更する処理を行うことで顧客個人を特定不能にすることをいう。匿名化の具体的な処理については、後述する。
【0021】
分類情報は、例えば、顧客が「オーガニック好きでナチュラルなテイストを好む」とするペルソナに当てはまることを示してもよい。また、分類情報は、顧客が「健康管理に気を使っていて、スポーツ好きで、体調もすぐれている」とするペルソナに当てはまることを示してもよい。また、分類情報は、顧客が「体調に課題を抱えているけれど、健康管理に気を使っていて、食事・睡眠等を規則正しく行うタイプ」とするペルソナに当てはまることを示してもよい。
【0022】
顧客端末200は、顧客からの顧客情報の入力や顧客サービスサーバ300および情報提供サーバ100との通信が可能なスマートフォンやラップトップ端末等の端末装置である。顧客端末200は、所定のプログラムを実行することにより、情報提供サーバ100と連携して分類情報の外部への提供に関する情報を送受信したりこの外部への提供に関する画面を表示したりユーザの要求を受け付けたりする。
【0023】
顧客サービスサーバ300は、顧客にサービスを提供するための情報処理装置である。本実施形態では、顧客サービスサーバ300は、顧客から提供された顧客情報を利用して、顧客にECサイトを提供するサービス(以下、「ECサービス」という)を提供する例を説明するが、これに限る趣旨ではない。顧客サービスサーバ300は、所定のプログラムを実行することにより、ECサイトを運営するサーバ機能を実現する。
【0024】
本実施形態では、情報提供サーバ100と顧客サービスサーバ300とをそれぞれ設けたが、顧客サービスサーバ300が情報提供サーバ100の役割を兼ねてもよいし、その逆に、情報提供サーバ100が顧客サービスサーバ300の役割を兼ねてもよい。
【0025】
外部装置400は、情報提供サーバ100から分類情報を提供する先の情報処理装置である。また、外部装置400は、外部の事業者が使用する装置である。また、外部装置400は、例えば、顧客サービスサーバ300を含んでもよい。
【0026】
<1-2.情報提供サービスの概要>
図2を参照して、本実施形態に係る情報提供サービスの流れの例を説明する。
【0027】
(1)図2に示すように、まず、ECサービスにおいて、顧客は、顧客サービスサーバ300に対して顧客情報を提供する。例えば、顧客は、顧客サービスサーバ300が顧客端末200に配信するECサイトに対して顧客情報を入力することで顧客サービスサーバ300に顧客情報を提供してもよい。
【0028】
(2)顧客サービスサーバ300は、上記(1)で取得した顧客情報を情報提供サーバ100に預託する。顧客サービスサーバ300は、例えば、顧客情報を一時的に保持したのちに、情報提供サーバ100で管理させるため顧客情報を情報提供サーバ100に転送してもよい。情報提供サーバ100は、転送された顧客情報を後述の顧客記憶部141に登録する。なお、上記転送にあたって、第1同意情報も併せて転送してもよい。
【0029】
「第1同意情報」とは、サービス事業者(顧客サービスサーバ300)から情報提供業者(情報提供サーバ100)への顧客情報の提供および提供先での顧客情報の管理等に対する顧客の同意を示す情報である。第1同意情報は、例えば、対象の同意事項を含んでもよい。対象の同意事項とは、例えば、情報提供業者への顧客情報の提供可否、情報提供業者での利用可否、または、顧客情報の情報提供業者への提供および利用を「可」とする場合におけるその利用目的等を含んでもよい。また、第1同意情報は、上記預託に顧客が同意する旨を含んでもよい。
【0030】
(3)情報提供サーバ100の分類部121は、顧客記憶部141に登録した顧客情報を、分類モデル等を用いて顧客を類型ごとに分類する。ここで「分類モデル」とは、顧客を類型ごとに分類するためのモデルである。分類モデルの詳細は、後述する。
【0031】
(3-1)情報提供サーバ100の問い合わせ部129は、上記(3)の分類部121の分類にあたって追加で顧客から情報を得る必要がある場合、当該情報に関して顧客に問い合わせる。分類部121は、問い合わせ部129が顧客に問い合わせた結果得た情報に基づいて、顧客を再分類する。
【0032】
(4)情報提供サーバ100の通知部122は、上記(3)および(3-1)の分類の結果を示す分類情報を、顧客端末200に通知する。
【0033】
通知部122は、具体的には、顧客の顧客情報に含まれるメールアドレス宛に、「オーガニック好きでナチュラルなテイストを好む」とするペルソナに分類された旨のメールを送信してもよい。また、このメールは、顧客に対して、(ア)上記分類の結果に対する同意と、(イ)上記分類の結果と顧客情報の一部を外部装置400に提供することに対する同意と、を要求する旨を含んでもよい。さらに、このメールは、これらの同意を入力するためのWebページに誘導するためのURLを含んでもよい。顧客端末200では、このメールを受信して、顧客に対して画面に上記URLを出力する。
【0034】
(5)顧客は、情報提供サーバ100に第2同意情報を提供する。顧客は、具体的には、上記(4)のURLを指定して、誘導されたWebページで第2同意情報を入力することで情報提供サーバ100に提供してもよい。
【0035】
「第2同意情報」とは、顧客に通知した分類情報や顧客情報を情報提供サーバ100の外部に提供すること(以下、単に「外部提供」ともいう)に顧客が同意する旨を示す情報である。第2同意情報の詳細は、後述する。なお、第1同意情報と第2同意情報とを総称して、「同意情報」という。
【0036】
(6)情報提供サーバ100の同意取得部123は、第2同意情報を顧客端末200から取得する。なお、情報提供サーバ100は、顧客端末200から第2同意情報を得られなかった場合は、顧客の分類情報等の提供を取りやめる。
【0037】
(7)情報提供サーバ100の提供部124は、同意情報に基づいて、同意が得られた顧客に関する分類情報と顧客情報の一部とを、外部装置400に提供する。
【0038】
(8)情報提供サーバ100の付与部125は、分類情報と顧客情報の一部の外部提供に対する同意をもらった顧客にインセンティブを付与するための処理を行う。
【0039】
上記構成によれば、情報提供システム1は、顧客情報を用いて顧客をどのように分類したか(どのペルソナに分類したか)を顧客に知らせることができる。さらに、上記構成によれば、情報提供システム1は、この分類に対する顧客の同意を得たうえで、顧客情報とこの分類の結果を外部提供することができる。このため、上記構成によれば、情報提供システム1は、顧客から提供された顧客情報の活用にあたって、顧客の意思を反映することができる。これにより、上記構成によれば、情報提供システム1は、顧客の顧客情報や分類情報の外部提供にあたって倫理面でのフォローをすることができる。
【0040】
<2.機能構成>
図3を参照して、本実施形態に係る情報提供サーバ100の機能構成を説明する。図3に示すように、情報提供サーバ100は、通信部110と、制御部120と、記憶部140と、を備える。
【0041】
通信部110は、ネットワークNを介して、顧客端末200、顧客サービスサーバ300または外部装置等と各種情報を送受信する。通信部110は、例えば、ネットワークNを介して、顧客端末200に分類情報を送信したり、顧客端末200から第2同意情報を受信したりする。
【0042】
制御部120は、分類部121と、通知部122と、同意取得部123と、提供部124とを備える。また、制御部120は、例えば、付与部125、インセンティブ通知部126、決定部127、受け付け部128、問い合わせ部129、または追加取得部130を備えてもよい。
【0043】
制御部120は、例えば、顧客ごとに、情報提供システム1において顧客を識別するための識別情報(以下、「マスタ顧客ID」という)を発行・付与してもよい。
【0044】
制御部120は、顧客サービスサーバ300から顧客情報を取得する。制御部120は、取得した顧客情報を顧客記憶部141に登録する。また、制御部120は、例えば、顧客情報の取得と併せて顧客サービスサーバ300から第1同意情報を取得してもよい。
【0045】
分類部121は、顧客情報を記憶する顧客記憶部を参照して、顧客情報に基づいて、顧客を類型ごとに分類する。なお、本実施形態では、顧客記憶部を情報提供サーバ100の記憶部140が備える機能部(顧客記憶部141)とする例を説明するが、これに限る趣旨ではない。顧客記憶部は、例えば、顧客サービスサーバ300が備える機能部であってもよいし、サードパーティシステムが備える機能部であってもよい。
【0046】
顧客情報は、例えば、顧客の個人情報を含んでもよい。また、顧客情報は、例えば、顧客が使用する顧客端末200の端末情報を含んでもよい。また、顧客情報は、例えば、顧客が行った取引の取引情報を含んでもよい。また、顧客情報は、例えば、サービス事業者において顧客を識別するための識別情報(以下、「提供元顧客ID」という)と、マスタ顧客IDとを含んでもよい。
【0047】
「個人情報」とは、例えば、顧客の名前、生年月日、性別、住所、電話番号、個人番号、メールアドレス、メッセージ交換ソフトにおけるアカウント情報、銀行口座に関する情報(例えば、口座種別、口座番号、名義等)、クレジットカードに関する情報(例えば、クレジットカード番号、名義、有効期限、セキュリティコード等)、本人確認のための認証情報(例えば、生体的特徴に関する情報(例えば、指紋、眼球の虹彩、声紋、顔画像等))等を含んでもよい。また、個人情報は、例えば、顧客の家族構成、健康状態、趣味・趣向等を含んでもよい。また、顧客の連絡先を示す住所、電話番号、メールアドレス、メッセージ交換ソフトにおけるアカウント情報等を、以下、「連絡先」と総称する。
【0048】
「端末情報」とは、顧客が使用する端末に関する情報である。端末情報は、例えば、端末が保持する位置情報(例えば、GPSデータ等)、Web履歴情報(例えば、Webサイトへのアクセス履歴として閲覧履歴、検索履歴、Cookie情報等)、デバイス情報(例えば、MACアドレス、IPアドレス、型番、搭載するアプリケーション・OSの情報、メモリ容量等)等を含んでもよい。
【0049】
「取引情報」とは、顧客が行った取引に関する情報である。取引情報は、例えば、決済履歴情報(例えば、電子決済やECサイトで支払い決済した商品・サービス名、商品・サービスID、決済金額、決済方法等、商品・サービスの購入履歴を含む)、ポイント情報(例えば、ポイントの識別情報、ポイント付与・利用履歴、現在のポイント残高等)を含んでもよい。
【0050】
分類部121は、例えば、類型情報に基づいて、顧客を類型ごとに分類してもよい。こここで「類型情報」とは、顧客の類型を示す情報である。また、顧客の類型は、例えば、顧客特性を示す類型であってもよい。「顧客特性」とは、例えば、「オーガニック好き」、「健康管理に気を使っている」、「スポーツ好き」等の顧客が特に備え持つ性質、または顧客が備え持つ性質のうち特出すべき性質である。
【0051】
類型情報は、例えば、顧客を類型ごとに分類するためのモデル(以下、「分類モデル」という)であってもよい。分類モデルは、例えば、(1)予め設定された所定の類型に分類するためのモデル、(2)顧客情報に基づいて構築されたモデル等であってもよい。
【0052】
分類部121は、例えば、上記(1)の場合、キーワードと類型の対応付けを示す分類モデルを用いて、キーワードマッチングにより分類してもよい。分類部121は、例えば、取引情報の決済履歴情報において顧客が過去に購入した商品名に「自然」「ナチュラル」等のキーワードが含まれていた場合、これらのキーワードと対応付けられた類型「オーガニック好き」にこの顧客を分類してもよい。
【0053】
分類部121は、例えば、上記(2)の場合、分類モデルを構築してもよい。分類部121は、例えば、顧客情報に基づいて、教師なし学習としてクラスタリング、主成分分析等手法により分類モデルを構築してもよい。分類部121は、顧客情報に基づいて、教師あり学習としてサポートベクターマシーン、ベイジアンフィルタ、決定木の構築のためのID3等の手法により学習させて分類モデルを構築してもよい。言い換えれば、分類モデルは、例えば、顧客情報に示された性別、年代、家族構成、職業、趣向、健康状態、Webサイトへのアクセス履歴、商品の購入履歴等の属性のうち少なくとも一つを説明変数とし、目的変数として顧客特性の類型を求めるための情報であってもよい。
【0054】
類型情報は、例えば、顧客特性の類型全体を示す情報であってもよい。類型情報は、例えば、健康状態に関する類型を5段階(例えば、-2…非常に悪い、-1…悪い、0…普通、1…良好、2…大変良好)とする場合、5段階のうち顧客に当てはまる類型を示すだけではなく、この5段階全ての類型を示す情報であってもよい。
【0055】
分類部121は、例えば、顧客情報および後述の追加情報に基づいて、分類部121による分類の結果を再分類してもよい。
【0056】
上記構成によれば、分類部121は、外部の事業者の要望に応じた分類情報を提供することができる。
【0057】
通知部122は、分類情報を、顧客が使用する顧客端末200に通知する。通知部122が分類情報を顧客に通知する態様はどのような態様でもよい。通知部122は、例えば、顧客情報に含まれる顧客のメールアドレス宛に分類情報を含むメールを送信してもよい。また、通知部122は、例えば、顧客端末200にプッシュ通知により分類情報を通知してもよい。また、通知部122は、例えば、分類情報を含むWebページを顧客端末200に配信してもよい。
【0058】
通知部122は、上記分類情報の通知と併せて、(ア)分類情報が示す分類の結果に対する同意と、(イ)分類情報および顧客情報を外部装置400に提供することに対する同意と、の少なくともいずれか一つを要求する旨を通知してもよい。また、通知部122は、同意情報が示す同意を要求する旨を通知してもよい。
【0059】
通知部122は、例えば、分類情報と併せて、提供情報を顧客端末200に通知してもよい。ここで「提供情報」とは、分類情報と顧客情報との提供先を示す情報である。提供情報は、例えば、提供先の外部装置400を使用する外部の事業者における事業者名のリストであってもよい。また、提供情報は、提供先ごとに、それぞれの分類情報と顧客情報との利用目的を含んでもよい。
【0060】
通知部122は、例えば、分類情報と併せて、顧客特性の類型を示す類型情報を顧客端末に通知してもよい。
【0061】
同意取得部123は、第2同意情報を顧客端末200から取得する。同意取得部123が第2同意情報を顧客から取得する態様はどのような態様でもよい。同意取得部123は、例えば、顧客から第2同意情報を含むメールを受信してもよい。また、他の例として、上記分類情報を含むWebページは顧客から第2同意情報を入力するための入力フォームを含んでもよい。同意取得部123は、顧客からこの入力フォームに第2同意情報を入力されることで第2同意情報を取得してもよい。
【0062】
ここで、図4を用いて、同意取得部123が顧客からの同意を判定するフローの例を説明する。図4に示すように、「ペルソナが自分にとって好ましくない」(S1)、「ペルソナ全体の中での位置付けに不満がある」(S2)、「提供先が自分にとって好ましくない」(S4)とする条件の組み合わせによって、分類情報と顧客情報との提供に同意することを判定してもよい(S5)。なお、他の例として、上記のS1~S4の少なくともいずれか一つの条件を用いて判定してもよい。
【0063】
図3に戻って説明を続ける。第2同意情報は、例えば、情報提供業者(情報提供サーバ100)から分類情報を外部に提供することや提供先で分類情報を利用すること等に顧客が同意する旨を示す情報であってもよい。また、第2同意情報は、例えば、同意対象の事項を含んでもよい。同意対象の事項とは、例えば、提供先全般または提供先ごとの分類情報の提供可否、提供先での利用可否、または、分類情報の提供および利用を「可」とする場合におけるその利用目的等を含んでもよい。また、第2同意情報は、例えば、分類情報が示す分類の結果に対して顧客が同意する旨を含んでもよい。
【0064】
第2同意情報は、例えば、情報提供業者(情報提供サーバ100)から顧客情報の少なくとも一部を外部に提供することや提供先で顧客情報の少なくとも一部を利用すること等に顧客が同意する旨を含んでもよい。また、第2同意情報は、例えば、同意対象の事項を含んでもよい。同意対象の事項とは、例えば、提供先全般または提供先ごとの顧客情報の少なくとも一部の提供可否、提供先での利用可否、または、顧客情報の少なくとも一部の提供および利用を「可」とする場合におけるその利用目的等を含んでもよい。
【0065】
第2同意情報は、例えば、提供情報により通知した提供先への顧客情報および分類情報の提供に顧客が同意する旨を含んでもよい。
【0066】
第2同意情報は、例えば、後述のインセンティブ情報により通知したインセンティブに顧客が同意する旨を含んでもよい。
【0067】
第2同意情報は、例えば、類型情報が示す類型全体における自身の分類に顧客が同意する旨を含んでもよい。
【0068】
提供部124は、第2同意情報に基づいて、分類情報を情報提供サーバ100の外部に提供することに同意が得られた顧客に関する分類情報を、外部装置400に提供する。
【0069】
提供部124は、例えば、同意情報に基づいて、分類情報と併せて、顧客情報の少なくとも一部を、外部装置400に提供してもよい。
【0070】
提供部124は、顧客情報の少なくとも一部の外部提供にあたって、顧客情報の少なくとも一部を加工することにより匿名化してもよい。提供部124は、例えば、顧客情報の少なくとも一部について、項目もしくはセル削除、抽象化、上位概念化もしくは数値による短縮化によって置き換える一般化、トップ・ボトムコーディング、データ交換、またはノイズの付加等を施すことによって加工してもよい。
【0071】
提供部124が分類情報と顧客情報とを提供する態様は、どのような態様でもよい。提供部124は、例えば、分類情報と顧客情報とを示すデータファイルをサイクリックまたは後述の受け付け部128が外部装置400からの要求を受け付けた際にイベントドリブンで外部装置400に送信してもよい。
【0072】
提供部124は、他の例として、分類情報と顧客情報とを外部装置400に参照させるためのAPIを実装してもよい。この場合、外部装置400は、このAPIに対して分類情報と顧客情報との参照を指示して分類情報と顧客情報とを取得する。
【0073】
提供部124は、他の例として、分類情報と顧客情報とを示すデータファイルを外部の事業者のメールアドレス宛に送信してもよい。外部の事業者は、このメールを外部装置400で受信して上記データファイルを取得する。
【0074】
提供部124は、他の例として、分類情報と顧客情報とを示す、または分類情報と顧客情報とにアクセスするためのURLを含むWebページを生成して、外部装置400に配信してもよい。外部の事業者は、外部装置400に配信されたこのWebページにより分類情報と顧客情報とを照会することができる。
【0075】
上記構成によれば、提供部124は、分類情報に対する顧客の同意を得たうえで、分類情報と顧客情報とを情報提供サーバ100の外部に提供することができる。このため、上記構成によれば、提供部124は、顧客から提供された顧客情報の活用にあたって、顧客の意思を反映することができる。
【0076】
提供部124は、例えば、同意情報に基づいて、分類情報と顧客情報とを、顧客から分類情報と顧客情報とのそれぞれの提供の同意が得られた提供先の外部装置400に提供してもよい。
【0077】
上記構成によれば、提供部124は、顧客の同意を得た提供先に限定して、分類情報と顧客情報とを提供することができる。このため、上記構成によれば、提供部124は、顧客から提供された顧客情報の活用にあたって、より顧客の意思を反映することができる。
【0078】
提供部124は、例えば、同意情報に基づいて、インセンティブに対する同意が得られた顧客に関する分類情報と顧客情報とを、外部装置400に提供してもよい。
【0079】
上記構成によれば、提供部124は、顧客からインセンティブに対する同意を得たうえで、分類情報と顧客情報とを提供先の外部装置400に提供することができる。このため、上記構成によれば、提供部124は、顧客から提供された顧客情報の活用にあたって、より顧客の意思を反映することができる。
【0080】
提供部124は、例えば、同意情報に基づいて、類型全体における自身の分類に対する同意が得られた顧客に関する顧客情報および前記分類情報を、外部装置に提供してもよい。
【0081】
上記構成によれば、提供部124は、顧客が類型全体における自身の位置づけに対する同意を得たうえで、分類情報と顧客情報とを提供先の外部装置400に提供することができる。このため、上記構成によれば、提供部124は、顧客から提供された顧客情報の活用にあたって、より顧客の意思を反映することができる。また、上記構成によれば、顧客は、類型全体をふまえて自身の分類を知ることができるため、より自身の分類について理解したうえで外部提供に対して同意するか否かを選択することができる。
【0082】
付与部125は、外部提供に対する同意が得られた顧客にインセンティブを付与するための処理を行う。付与部125は、例えば、インセンティブとして、顧客が指定する口座に所定の金額を振り込んでもよい。また、付与部125は、例えば、顧客サービスサーバ300が実装するポイント付与のためのAPIに対して、ECサービスで利用可能なポイントを顧客に付与するよう指示してもよい。また、付与部125は、例えば、ECサービスで利用可能なクーポンを発行し、このクーポンを示すクーポン情報を含むメールを顧客のメールアドレス宛に送信してもよい。
【0083】
インセンティブ通知部126は、インセンティブ情報を、顧客端末200に通知する。ここで「インセンティブ情報」とは、顧客に付与されたインセンティブを示す情報である。インセンティブ情報は、例えば、ECサービスで利用可能なポイントを示す情報、顧客が指定する口座への振込金額を示す情報、クーポン情報等の少なくともいずれか一つを含んでもよい。また、インセンティブ情報は、提供先ごと、または提供先の利用目的ごとにインセンティブが設定されていてもよい。
【0084】
インセンティブ通知部126が顧客端末200にインセンティブ情報を通知する態様はどのような態様でもよく、例えば、通知部122における上記通知の態様の例と同様の態様であってもよい。
【0085】
上記構成によれば、インセンティブ通知部126は、インセンティブ付与を通知することで、顧客に対して分類情報と顧客情報との外部提供に対する同意を促進することができる。
【0086】
決定部127は、付与先の顧客ごとに、インセンティブを決定する。決定部127は、例えば、顧客が同意する提供先の数に応じてインセンティブを決定してもよい。また、決定部127は、例えば、顧客が同意する提供先での利用目的の数に応じてインセンティブを決定してもよい。また、決定部127は、上記提供先ごと、および/または上記提供先の利用目的ごとに、インセンティブを変えるようにしてもよい。また、決定部127は、図4に示すような条件、例えば、自身の分類結果(S1)、類型全体における自身の分類(自身の位置付け)(S2)、提供先(S3)、インセンティブ(S4)、などに対する顧客からの同意の数に応じてインセンティブを決定してもよい。
【0087】
受け付け部128は、提供先の外部装置400から、顧客に関する追加の情報(以下、「追加情報」という)による分類の要求を受け付ける。受け付け部128が外部装置400から上記要求を受け付ける態様に関しては、どのような態様でもよい。受け付け部128は、例えば、上記要求の旨を含むメールを外部装置400から受信してもよい。また、受け付け部128は、例えば、外部装置400から、顧客に対して追加で「週に何回アルコールを飲むか?」や「最近1年間、どのような服を購入したか?」とする質問に対する回答の要求を受け付けてもよい。
【0088】
問い合わせ部129は、追加情報を、顧客端末200に問い合わせる。問い合わせ部129は、例えば、顧客に対して直接問い合わせるよう顧客のメールアドレス宛に追加情報を問い合わせる旨を含むメールを送信してもよい。問い合わせ部129は、他の例として、追加情報が「所定の期間におけるWeb履歴情報」であれば、同意情報が示す顧客からの同意のうえで、顧客端末200にリモートアクセスして顧客端末200に保存されている該当するWeb履歴情報を検索してもよい。
【0089】
追加取得部130は、顧客端末200から、問い合わせ部129による問い合わせに対する応答として、追加情報を取得する。追加取得部130は、例えば、追加情報を含むメールを受信してもよいし、顧客端末200に保存されているWeb履歴情報をリモートアクセスにより収集してもよい。
【0090】
記憶部140は、顧客記憶部141を備える。また、記憶部140は、例えば、分類情報、同意情報等を記憶してもよい。記憶部140は、データベースマネジメントシステム(DBMS)を利用して各情報を記憶してもよいし、ファイルシステムを利用して上記情報を記憶してもよい。DBMSを利用する場合は、上記情報ごとにテーブルを設けて、当該テーブル間を関連付けて上記情報を管理してもよい。
【0091】
顧客記憶部141は、顧客情報を記憶する。顧客記憶部141は、例えば、顧客情報と、同意情報と、分類情報と、インセンティブ情報とを対応付けて記憶してもよい。
【0092】
<3.動作例>
図5および図6を参照して、本実施形態に係る情報提供システム1の動作例を説明する。
【0093】
図5は、情報提供システム1において、外部装置400に分類情報と加工した顧客情報の一部(以下、「分類情報等」という)を提供する前段階として、顧客から顧客情報を取得して顧客を分類等する際の情報提供サーバ100と、顧客端末200と、顧客サービスサーバ300と、相互作用の例を示すシーケンス図である。
【0094】
図5に示すように、顧客端末200は、画面を介して顧客からの顧客情報の入力を受け付ける(S10)。顧客端末200は、受け付けた顧客情報を顧客サービスサーバ300に送信する(S11)。
【0095】
顧客サービスサーバ300は、顧客端末200から顧客情報を取得する(S12)。顧客サービスサーバ300は、取得した顧客情報を情報提供サーバ100に送信する(S13)。
【0096】
情報提供サーバ100は、顧客サービスサーバ300から顧客情報を取得する(S14)。情報提供サーバ100は、取得した顧客情報の少なくとも一部を匿名化するよう加工する(S15)。情報提供サーバ100は、加工前と加工後の顧客情報を顧客記憶部141に登録する(S16)。
【0097】
情報提供サーバ100は、顧客記憶部141を参照して、顧客情報に基づいて顧客を類型ごとに分類する(S17)。情報提供サーバ100は、この分類の結果を示す分類情報を記憶部140に登録する(S18)。
【0098】
図6は、情報提供システム1において、外部の事業者からの要求に応じて分類情報等を提供する際の情報提供サーバ100と、顧客端末200と、顧客サービスサーバ300と、外部装置400との相互作用の例を示すシーケンス図である。
【0099】
外部装置400は、外部の事業者から、分類情報等と、顧客に関する追加情報と、による分類の要求を受け付ける(S20)。
【0100】
外部装置400は、情報提供サーバ100に対して、分類情報等と、顧客に関する追加情報と、による分類を要求する(S21)。情報提供サーバ100は、この要求を受け付ける(S22)。
【0101】
情報提供サーバ100は、上記追加情報による分類の要求を受け付けると、顧客端末200に、上記追加情報を問い合わせる(S23)。
【0102】
顧客端末200は、画面を介して上記問い合わせを顧客に出力する(S24)。顧客端末200は、画面を介して顧客からの追加情報の入力を受け付ける(S25)。
【0103】
顧客端末200は、追加情報を情報提供サーバ100に送信する(S26)。情報提供サーバ100は、追加情報を取得する(S27)。
【0104】
情報提供サーバ100は、顧客情報および追加情報に基づいて、分類の結果を再分類する(S28)。情報提供サーバ100は、再分類した結果に基づいて、分類情報を更新する(S29)。
【0105】
情報提供サーバ100は、顧客端末200の顧客に対してインセンティブを決定する(S30)。情報提供サーバ100は、顧客端末200に分類情報およびインセンティブ情報を送信する(S31)。顧客端末200は、画面を介して受信した分類情報およびインセンティブを出力する(S32)。
【0106】
情報提供システム1は、顧客が分類情報等の提供およびインセンティブに対して同意する場合、複合フラグメントopt(Option)が示すエリア内の処理を実行する。具体的には、顧客端末200は、顧客からの上記同意の入力を受け付ける(S33)。顧客端末200は、受け付けた上記同意を示す第2同意情報を情報提供サーバ100に送信する(S34)。情報提供サーバ100は、第2同意情報を取得する(S35)。
【0107】
情報提供サーバ100は、第2同意情報に基づいて、上記同意が得られた顧客に関する分類情報等を、外部装置400に送信する(S36)。情報提供サーバ100は、外部提供に対する同意が得られた顧客にインセンティブを付与するための処理を行う(S37)。情報提供サーバ100は、付与されたインセンティブを示すインセンティブ情報を、上記顧客の顧客端末200に通知する(S38)。
【0108】
<4.ハードウェア構成>
図7を参照して、上述してきた情報提供サーバ100をコンピュータ800により実現する場合のハードウェア構成の一例を説明する。なお、それぞれの装置の機能は、複数台の装置に分けて実現することもできる。
【0109】
図7に示すように、コンピュータ800は、プロセッサ801と、メモリ803と、記憶装置805と、入力I/F部807と、データI/F部809と、通信I/F部811、および表示装置813を含む。
【0110】
プロセッサ801は、メモリ803に記憶されているプログラムを実行することによりコンピュータ800における様々な処理を制御する。例えば、情報提供サーバ100の制御部120が備える各機能部等は、メモリ803に一時記憶されたプログラムを、プロセッサ801が実行することにより実現可能である。
【0111】
メモリ803は、例えばRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体である。メモリ803は、プロセッサ801によって実行されるプログラムのプログラムコードや、プログラムの実行時に必要となるデータを一時的に記憶する。
【0112】
記憶装置805は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体である。記憶装置805は、オペレーティングシステムを含む各種プログラムを記憶する。この他、記憶装置805は、各種情報等を登録するテーブルと、当該テーブルを管理するDBを記憶することも可能である。このようなプログラムやデータは、必要に応じてメモリ803にロードされることにより、プロセッサ801から参照される。
【0113】
入力I/F部807は、ユーザからの入力を受け付けるためのデバイスである。入力I/F部807の具体例としては、キーボードやマウス、タッチパネル、各種センサ、ウェアラブル・デバイス等が挙げられる。入力I/F部807は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等のインタフェースを介してコンピュータ800に接続されても良い。
【0114】
データI/F部809は、コンピュータ800の外部からデータを入力するためのデバイスである。データI/F部809の具体例としては、各種記憶媒体に記憶されているデータを読み取るためのドライブ装置等がある。データI/F部809は、コンピュータ800の外部に設けられることも考えられる。その場合、データI/F部809は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ800へと接続される。
【0115】
通信I/F部811は、コンピュータ800の外部の装置と有線または無線により、インターネットNを介したデータ通信を行うためのデバイスである。通信I/F部811は、コンピュータ800の外部に設けられることも考えられる。その場合、通信I/F部811は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ800に接続される。
【0116】
表示装置813は、各種情報を表示するためのデバイスである。表示装置813の具体例としては、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、ウェアラブル・デバイスのディスプレイ等が挙げられる。表示装置813は、コンピュータ800の外部に設けられても良い。その場合、表示装置813は、例えばディスプレイケーブル等を介してコンピュータ800に接続される。また、入力I/F部807としてタッチパネルが採用される場合には、表示装置813は、入力I/F部807と一体化して構成することが可能である。
【0117】
なお、本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。さらに、当業者であれば、以下に述べる各要素を均等なものに置換した実施の形態を採用することが可能であり、かかる実施の形態も本発明の範囲に含まれる。
【0118】
また、上記実施の形態で記載された情報提供サーバ100が備える構成要素は、記憶装置805に格納されたプログラムがプロセッサ801によって実行されることで、定められた処理が他のハードウェアと協働して実現されるものとする。また、言い換えれば、これらの構成要素は、ソフトウェアまたはファームウェアとしても、それと対応するハードウェアとしても想定され、その双方の概念において、「機能」、「手段」、「部」、「処理回路」、「ユニット」、または「モジュール」等とも記載され、またそれぞれに読み替えることができる。
【0119】
[変形例]
なお、本発明を上記実施形態に基づいて説明してきたが、以下のような場合も本発明に含まれる。
【0120】
(1)上記実施形態では、顧客サービスサーバ300が顧客から提供された顧客情報を保持する例を説明したが、他の例として、情報提供サーバ100は、顧客サービスサーバ300を介さずに、顧客端末200から顧客情報を直接取得してもよい。この場合、顧客サービスサーバ300は、顧客情報を保持しない。
【0121】
情報提供サーバ100は、例えば、PDS(personal data store)を利用して、顧客にPDSに対して自身の顧客情報を登録してもらい、情報提供サーバ100はPDSから顧客情報を取得してもよい。また、PDSへの登録またはPDSからの取得の際、例えば、顧客情報が匿名化された状態で登録または取得されてもよい。
【0122】
(2)上記実施形態に係る情報提供サーバ100における各構成の少なくとも一部は、顧客端末200または顧客サービスサーバ300が備えていてもよい。例えば、情報提供サーバ100の付与部125とインセンティブ通知部126と決定部127との機能全てを顧客サービスサーバ300に備えさせてもよい。
【0123】
(3)上記実施形態では示していないが、提供部124は、顧客情報を提供先の外部装置400に提供するにあたって、顧客ごとかつ提供先ごとに顧客を識別するための識別情報(以下、「提供先顧客ID」という)を発行・付与してもよい。この際、顧客記憶部141において、提供元顧客IDとマスタ顧客IDを対応付けて記憶し、また、それとは別にマスタ顧客IDと提供先顧客IDとを対応付けて記憶してもよい。外部の事業者は、外部装置400を介して、特定の顧客に対する顧客情報の提供を受けるにあたって、提供先顧客IDで特定の顧客を指定することで所望の顧客情報の提供を受けることができる。
【0124】
提供部124は、例えば、顧客情報を提供先の外部装置400に提供するにあたって、提供都度、顧客ごとに当該顧客を識別するための識別情報(以下、「提供顧客ID」という)を発行・付与してもよい。提供顧客IDは、所定の期間のみ有効としてもよい。この際、顧客記憶部141において、上記とは別にマスタ顧客IDと提供顧客IDとを対応付けて記憶してもよい。外部の事業者は、外部装置400を介して、特定の顧客に対する顧客情報の提供を受けるにあたって、提供顧客IDで特定の顧客を指定することで所望の顧客情報の提供を受けることができる。また、外部の事業者は、例えば、上記所定の期間に限定して、提供顧客IDで特定の顧客を指定することで所望の顧客情報の提供を受けることができてもよい。
【0125】
(4)上記実施形態では示していないが、情報提供サーバ100は、顧客ごとに、所定の期間一時的に使用可能な顧客の仮の連絡先(以下、「仮連絡先」という)を発行・付与してもよい。情報提供サーバ100は、顧客と外部の事業者との間のメールの送受信やメッセージ交換を仲介し、仮の連絡先と実際の連絡先とを変換する機能を備えてもよい。この際、情報提供サーバ100は、発行した仮連絡先を含む顧客情報を提供先の外部装置400に提供する。
【0126】
情報提供サーバ100は、他の例として、制御部120に、提供先の外部装置400と顧客端末200との間のアクセスを実現するアクセス部(不図示)を備えてもよい。アクセス部は、例えば、顧客情報に基づいて、顧客端末200と提供先の外部装置400との間のメッセージ交換等を実現してもよい。また、アクセス部は、例えば、顧客情報に基づいて、顧客端末200と提供先の外部装置400との間のリモートアクセスを実現するための中継を行ってもよい。
【0127】
アクセス部は、上記アクセスを所定の期間に限定してもよい。ここで「所定の期間」とは、顧客ごとに、または提供先ごとに設けられた、提供先の外部の事業者と顧客との間のアクセスを可能とする期間である。アクセス部は、例えば、所定の期間を超過すると、上記アクセスを遮断してもよい。
【0128】
(5)上記実施形態では示していないが、分類部121は、類型情報に改善の余地があると判定した場合、類型情報の候補を生成して情報提供業者に対して表示装置813により出力してもよい。情報提供業者が出力された類型情報の候補を採用する指定入力した場合、分類部121は、これまでの類型情報に変えて採用された類型情報の候補を新しい類型情報として設定する。
【0129】
(6)上記実施形態では示していないが、情報提供システム1において、顧客サービスサーバ300が顧客情報を匿名化してもよい。この場合、情報提供サーバ100は、匿名化された顧客情報を顧客サービスサーバ300から取得する。
【0130】
(7)上記実施形態では、情報提供サーバ100が、提供先の外部装置400から上記追加情報による分類の要求を受け付けて顧客を再分類する例を示したが、再分類のトリガーは、(ア)分類部121の分類の結果が所定の条件を満たす場合又は分類モデルを用いて、再分類が必要と判定する判定部(不図示)からの要求、(イ)情報提供サーバ100の運用者等のユーザからの要求のいずれかを受け付け部が受け付けることであってもよい。
【0131】
上記(ア)の場合、例えば、判定部は、情報提供サーバ100が備えてもよいし、サードパーティシステムが備えてもよい。判定部は、例えば、上記に示した分類モデルのうち、分類部121が構築して用いる分類モデルとは異なる種類の分類モデルを構築してもよい。例えば、分類部121が用いる分類モデルが教師あり学習により構築した分類モデルであれば、判定部は、教師なし学習により分類モデルを構築してもよい。この際、判定部は、構築した分類モデルを用いて顧客情報に基づいて顧客を類型ごとに分類し、自身の分類の結果と分類部121による分類の結果との差分が所定の閾値を超える場合、再分類が必要と判定する。そして、判定部は、再分類が必要と判定した場合、受け付け部128に再分類を要求する。
【0132】
上記(イ)の場合、例えば、情報提供サーバ100は、ユーザが使用する端末(以下、「ユーザ端末」という)に対して上記分類の結果を出力し、出力された上記分類の結果に対してユーザが指定入力した再分類の要求をユーザ端末から受け付けてもよい。
【符号の説明】
【0133】
1…情報提供システム、100…情報提供サーバ、120…制御部、121…分類部、123…同意取得部、124…提供部、125…付与部、126…インセンティブ通知部、127…決定部、128…受け付け部、129…問い合わせ部、130…追加取得部、…、110…通信部、140…記憶部、141…顧客記憶部、200…顧客端末、300…顧客サービスサーバ、400…外部装置、800…コンピュータ、801…プロセッサ、803…メモリ、805…記憶装置、807…入力I/F部、809…データI/F部、811…通信I/F部、813…表示装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7