(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】プログラム、車両端末及び表示方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240326BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2020022470
(22)【出願日】2020-02-13
【審査請求日】2022-11-10
(73)【特許権者】
【識別番号】512200217
【氏名又は名称】GO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(72)【発明者】
【氏名】内田 優雨
【審査官】小原 正信
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-168047(JP,A)
【文献】特開2014-068308(JP,A)
【文献】特開2019-087103(JP,A)
【文献】特開2017-182137(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライバーが使用するために旅客を輸送する車両に設けられたコンピュータを、
前記車両に相乗りする利用者を識別するための利用者識別情報と、前記車両に設けられた複数の座席のうち前記利用者が座る座席の位置を示すための座席位置情報と
、前記車両が前記利用者の乗車地から出発する出発時刻を示す情報とを、管理装置から取得する情報取得部、及び
前記車両に設けられた座席ごとに、当該座席に対応する前記座席位置情報と、当該座席に座る前記利用者に対応する前記利用者識別情報とを関連付けて表示した座席画面を
前記コンピュータが有する表示部に表示させる表示制御部、
として機能させ
、
前記表示制御部は、前記座席画面を表示させた後において、現在時刻が前記出発時刻に基づく待機時刻を経過した場合に、前記座席画面を、前記車両の位置からの経路を表示した経路案内画面に切り替える、
プログラム。
【請求項2】
ドライバーが使用するために旅客を輸送する車両に設けられたコンピュータを、
前記車両に相乗りする利用者を識別するための利用者識別情報と、前記車両に設けられた複数の座席のうち前記利用者が座る座席の位置を示すための座席位置情報とを、管理装置から取得する情報取得部、
前記車両に設けられた座席ごとに、当該座席に対応する前記座席位置情報と、当該座席に座る前記利用者に対応する前記利用者識別情報とを関連付けて表示し、かつ、当該座席に座る前記利用者が乗車したか否かを示す乗車状態を変更可能な態様で表示した座席画面を前記コンピュータが有する表示部に表示させる表示制御部、及び
前記座席画面において、前
記ドライバーが前記乗車状態を変更するための操作を受け付ける受付部
、
とし
て機能させ、
前記表示制御部は、前記受付部が前記操作を受け付けた場合に、前記座席画面を
、前記車両の位置からの経路を表示した経路案内画面に切り替える、
プログラム。
【請求項3】
ドライバーが使用するために旅客を輸送する車両に設けられたコンピュータを、
前記車両に相乗りする利用者を識別するための利用者識別情報と、前記車両に設けられた複数の座席のうち前記利用者が座る座席の位置を示すための座席位置情報と、前記利用者の乗車地を示す情報と、前記利用者の降車地を示す情報とを、管理装置から取得する情報取得部、及び
前記車両に設けられた座席ごとに、当該座席に対応する前記座席位置情報と、当該座席に座る前記利用者に対応する前記利用者識別情報とを関連付けて表示した座席画面を前記コンピュータが有する表示部に表示させる表示制御部、
として機能させ、
前記表示制御部は、前記座席画面と、前記車両の位置から前記乗車地と前記降車地とを含む経路を表示した経路案内画面とを切り替えて前記表示部に表示させ、
前記コンピュータを、
前記車
両の位置を示す
位置情報を取得する位置取得部、及び
前記車両が前記利用者を乗車させるために前記
利用者の乗車地とは異なる位置に停車した場合に、前記位置取得部が取得した前
記位置情報を、前記利用者が使用する利用者端末に通知する
ことにより、前記車両の位置から前記利用者端末の位置までの経路を前記利用者端末に表示させる通知部、
としてさらに機能させ
るプログラム。
【請求項4】
ドライバーが使用するために旅客を輸送する車両に設けられたコンピュータを、
前記車両に相乗りする利用者を識別するための利用者識別情報と、前記車両に設けられた複数の座席のうち前記利用者が座る座席の位置を示すための座席位置情報と、前記利用者の乗車地を示す情報と、前記利用者の降車地を示す情報とを、管理装置から取得する情報取得部、及び
前記車両に設けられた座席ごとに、当該座席に対応する前記座席位置情報と、当該座席に座る前記利用者に対応する前記利用者識別情報とを関連付けて表示した座席画面と、前記車両の位置から前記乗車地と前記降車地とを含む経路を表示した経路案内画面とを切り替えて前記コンピュータが有する表示部に表示させる表示制御部、
として機能させ、
前記表示制御部は、前記経路案内画面を表示させた後において、前記車両が前記利用者を乗車させるための所定の地点に到着した場合に、前記経路案内画面を前記座席画面に切り替える、
プログラム。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記車両が前記
利用者の降車地に到着した場合に、前記経路案内画面において当該降車地で降りる前記利用者を示すための情報を表示させる、
請求項
1から
4のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記車両が前記
利用者の降車地に到着した場合に、前記車両に設けられた座席ごとに、当該座席の前記利用者が利用料金の割引サービスを適用するか否かを示す適否状態を変更可能な態様で表示した割引適用画面を前記表示部に表示させる、
請求項
1から
5のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項7】
ドライバーが使用するために旅客を輸送する車両に設けられたコンピュータを、
前記車両に相乗りする複数の利用者それぞれを識別するための利用者識別情報と、前記車両に設けられた複数の座席のうち前記複数の利用者それぞれが座る座席の位置を示すための座席位置情報と、前記複数
の利用者それぞれの利用料金を合計した合計料金に対応する情報
とを、管理装置か
ら取得
する情報取得部、及び
前記車両に設けられた座席ごとに、当該座席に対応する前記座席位置情報と、当該座席に座る前記利用者に対応する前記利用者識別情報とを関連付けて表示した座席画面を前記コンピュータが有する表示部に表示させる表示制御部、
として機能させ、
前記表示制御部は、前記複数の利用者それぞれの利用料金を前記表示部に表示させず、前記合計料金を前記表示部に表示させる、
プログラム。
【請求項8】
ドライバーが使用するために旅客を輸送する車両に設けられた車両端末であって、
前記車両に相乗りする利用者を識別するための利用者識別情報と、前記車両に設けられた複数の座席のうち前記利用者が座る座席の位置を示すための座席位置情報と
、前記車両が前記利用者の乗車地から出発する出発時刻を示す情報とを、管理装置から取得する情報取得部と、
前記車両に設けられた座席ごとに、当該座席に対応する前記座席位置情報と、当該座席に座る前記利用者に対応する前記利用者識別情報とを関連付けて表示した座席画面を
前記車両端末が有する表示部に表示させる表示制御部と、
を有
し、
前記表示制御部は、前記座席画面を表示させた後において、現在時刻が前記出発時刻に基づく待機時刻を経過した場合に、前記座席画面を、前記車両の位置からの経路を表示した経路案内画面に切り替える、
車両端末。
【請求項9】
ドライバーが使用するために旅客を輸送する車両に設けられたコンピュータが実行する、
前記車両に相乗りする利用者を識別するための利用者識別情報と、前記車両に設けられた複数の座席のうち前記利用者が座る座席の位置を示すための座席位置情報と
、前記車両が前記利用者の乗車地から出発する出発時刻を示す情報とを、管理装置から取得するステップと、
前記車両に設けられた座席ごとに、当該座席に対応する前記座席位置情報と、当該座席に座る前記利用者に対応する前記利用者識別情報とを関連付けて表示した座席画面を
前記コンピュータが有する表示部に表示させるステップと、
前記座席画面を表示させた後において、現在時刻が前記出発時刻に基づく待機時刻を経過した場合に、前記座席画面を、前記車両の位置からの経路を表示した経路案内画面に切り替えるステップと、
を有する表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、旅客を輸送させるためのプログラム、車両端末及び表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、日本において、他人同士である複数の利用者をタクシーに乗車させる行為、いわゆるタクシーの相乗りの運用が検討されている。特許文献1には、複数のユーザの乗り合い(相乗り)を支援するための技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、タクシーにおいて複数の利用者を相乗りで輸送する場合、利用者を単独で輸送する場合には生じ得ない問題が発生し得る。例えば、各利用者が乗車時に任意の座席に座ってしまうと、利用者がスムーズに乗り降りすることができないという問題が発生し得る。そのため、タクシーにおいて複数の利用者を相乗りで輸送する場合には、上記のような問題が発生しないように管理することが求められている。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、一例として、複数の利用者を相乗りで輸送するサービスの品質を向上させることができるプログラム、車両端末及び表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様にかかるプログラムは、コンピュータを、旅客を輸送する車両に相乗りする利用者を識別するための利用者識別情報と、前記車両に設けられた複数の座席のうち前記利用者が座る座席の位置を示すための座席位置情報とを、管理装置から取得する情報取得部、及び前記車両に設けられた座席ごとに、当該座席に対応する前記座席位置情報と、当該座席に座る前記利用者に対応する前記利用者識別情報とを関連付けて表示した座席画面を表示部に表示させる表示制御部、として機能させる。
【0007】
前記情報取得部は、前記利用者の乗車地を示す情報と、前記利用者の降車地を示す情報とを前記管理装置からさらに取得し、前記表示制御部は、前記座席画面と、前記車両の位置から前記乗車地と前記降車地とを含む経路を表示した経路案内画面とを切り替えて前記表示部に表示させてもよい。
【0008】
前記情報取得部は、前記車両が前記乗車地から出発する出発時刻を示す情報を前記管理装置からさらに取得し、前記表示制御部は、前記座席画面を表示させた後において、現在時刻が前記出発時刻に基づく待機時刻を経過した場合に、前記座席画面を前記経路案内画面に切り替えてもよい。
【0009】
前記表示制御部は、前記車両に設けられた座席ごとに、当該座席に座る前記利用者が乗車したか否かを示す乗車状態を変更可能な態様でさらに表示した前記座席画面を前記表示部に表示させてもよい。
【0010】
前記プログラムは、前記コンピュータを、前記座席画面において、前記車両のドライバーが前記乗車状態を変更するための操作を受け付ける受付部としてさらに機能させ、前記表示制御部は、前記受付部が前記操作を受け付けた場合に、前記座席画面を前記経路案内画面に切り替えてもよい。
【0011】
前記プログラムは、前記コンピュータを、前記車両に設置された車両端末の位置を示す情報を取得する位置取得部、及び前記車両が前記利用者を乗車させるために前記乗車地とは異なる位置に停車した場合に、前記位置取得部が取得した前記車両端末の位置を示す位置情報を、前記利用者が使用する利用者端末に通知する通知部、としてさらに機能させ、前記表示制御部は、前記経路案内画面を表示させた後において、前記通知部が前記位置情報を通知した場合に、前記経路案内画面を前記座席画面に切り替えてもよい。
【0012】
前記表示制御部は、前記車両が前記降車地に到着した場合に、前記経路案内画面において当該降車地で降りる前記利用者を示すための情報を表示させてもよい。
前記表示制御部は、前記車両が前記降車地に到着した場合に、前記車両に設けられた座席ごとに、当該座席の前記利用者が利用料金の割引サービスを適用するか否かを示す適否状態を変更可能な態様で表示した割引適用画面を前記表示部に表示させてもよい。
【0013】
前記情報取得部は、複数の前記利用者それぞれの利用料金を合計した合計料金に対応する情報を前記管理装置からさらに取得し、前記表示制御部は、前記複数の利用者それぞれの利用料金を前記表示部に表示させず、前記合計料金を前記表示部に表示させてもよい。
【0014】
本発明の第2の態様にかかる車両端末は、旅客を輸送する車両に相乗りする利用者を識別するための利用者識別情報と、前記車両に設けられた複数の座席のうち前記利用者が座る座席の位置を示すための座席位置情報とを、管理装置から取得する情報取得部と、前記車両に設けられた座席ごとに、当該座席に対応する前記座席位置情報と、当該座席に座る前記利用者に対応する前記利用者識別情報とを関連付けて表示した座席画面を表示部に表示させる表示制御部と、を有する。
【0015】
本発明の第3の態様にかかる表示方法は、コンピュータが実行する、旅客を輸送する車両に相乗りする利用者を識別するための利用者識別情報と、前記車両に設けられた複数の座席のうち前記利用者が座る座席の位置を示すための座席位置情報とを、管理装置から取得するステップと、前記車両に設けられた座席ごとに、当該座席に対応する前記座席位置情報と、当該座席に座る前記利用者に対応する前記利用者識別情報とを関連付けて表示した座席画面を表示部に表示させるステップと、を有する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、一例として、複数の利用者を相乗りで輸送するサービスの品質を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】サービス提供システムの概要を説明するための図である。
【
図2】サービス提供システムの概要を説明するための図である。
【
図6】サービス提供システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図7】利用者アプリの表示画面の一例を示す図である。
【
図8】サービス提供システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図9】利用者アプリの表示画面の一例を示す図である。
【
図10】ドライバーアプリの表示画面の一例を示す図である。
【
図11】ドライバーアプリの表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[サービス提供システムSの概要]
図1及び
図2は、サービス提供システムSの概要を説明するための図である。サービス提供システムSは、車両Tを利用する利用者Uに配車サービスを提供するために用いられるシステムである。
【0019】
車両Tは、旅客を輸送するために用いられる車両であり、例えばタクシーである。
図1に示す例において、車両Tには、利用者Uが座る座席として3つの座席(A席、B席及びC席)が設けられている。配車サービスは、相乗りによる配車を申し込んだ利用者Uを、当該利用者Uが相乗りで車両Tを利用するための利用条件を満たす相乗りが可能な他の利用者Uとともに乗車させる車両Tを手配するサービスである。サービス提供システムSは、利用者端末1と、車両端末2と、管理装置3とを有する。
【0020】
利用者端末1は、利用者Uが使用する端末であり、例えばスマートフォンをはじめとするモバイル端末である。利用者端末1には、利用者Uに配車サービスを提供するための利用者用のアプリケーションプログラム(以下、「利用者アプリ」という)がインストールされている。
【0021】
車両端末2は、車両Tのドライバーが使用するために当該車両Tに設けられた端末であり、例えばカーナビ及びモバイル端末等である。車両端末2には、ドライバーが輸送サービスを提供するためのドライバー用のアプリケーションプログラム(以下、「ドライバーアプリ」という)がインストールされている。輸送サービスは、配車サービスを介して配車を申し込んだ利用者Uを輸送するサービスである。
【0022】
管理装置3は、配車サービスを管理する装置であり、例えばサーバである。管理装置3は、配車サービスに登録した利用者Uを識別するための利用者識別情報と、配車サービスに加入した事業者が管理する車両Tを識別するための車両識別情報とを記憶している。利用者識別情報は、例えば、識別ID、利用者Uの名前、利用者Uのニックネーム、及び利用者Uの住所の一部(例えば市区町村)等である。車両識別情報は、例えば、自動車登録番号及び車種等である。
【0023】
相乗りが成立するためには、各利用者Uの利用条件が相互に満たしていることが必要である。しかしながら、利用者Uの利用条件が、他の利用者Uの利用条件を満たしづらい条件である場合、相乗りが成立するまでに時間がかかり、早期に車両Tを利用することができない蓋然性が高くなる。そこで、サービス提供システムSは、相乗りによる配車が申し込まれる前に、利用者Uの利用条件を満たす相乗りが成立する蓋然性を示すための情報を当該利用者Uに提示する。
【0024】
まず、利用者Uは、利用者端末1の利用者アプリを用いて、利用条件を入力する(
図2(a)の(1))。利用条件は、例えば、降車範囲、乗車地及び乗車希望時間帯等を含む。降車範囲は、利用者Uの目的地に応じて定まる範囲(例えば、目的地から徒歩5分で到着可能な地点までの範囲、又は目的地から500メートル以内の範囲等)であり、降車範囲内から利用者Uが降車する地点(以下、「降車地」という)が決定される。
【0025】
乗車地は、利用者Uが乗車する地点であり、乗車対象範囲において乗車可能な地点として予め定められた一以上の乗車候補地の中から利用者Uが選択した地点である。配車サービスにおいては、相乗りする複数の利用者Uを同一の乗車地から乗車させる。乗車対象範囲は、利用者端末1の位置に応じて定まる範囲であり、例えば、利用者端末1の位置から所定の距離(例えば500メートル等)までの範囲、利用者端末1の位置から徒歩で所定の時間(例えば5分等)で到着可能な地点までの範囲、又は利用者端末1の位置を含む所定の地域(例えば字又は番地等)等である。乗車希望時間帯は、利用者Uが乗車を希望する時間帯である。
【0026】
利用者端末1は、少なくとも一部の利用条件(例えば降車範囲)の入力を受け付けると、受け付けた利用条件を示す利用条件情報と、利用者端末1の位置を示す利用者位置情報とを、管理装置3に送信する(
図2(a)の(2))。
【0027】
管理装置3は、利用者端末1から利用条件情報と利用者位置情報とを取得すると、当該利用者位置情報に対応する乗車対象範囲において、当該利用条件情報が示す利用条件を満たす相乗りが成立する蓋然性を示すための所定の情報を生成する(
図2(a)の(3))。所定の情報は、例えば、利用者Uが利用条件を入力するときに参考にし得る参考情報である。参考情報は、例えば、乗車対象範囲において相乗りが成立した成立件数又は相乗りによる配車が申し込まれた申込件数のうちの少なくともいずれかに基づく統計値、又は相乗りによる配車を申し込んだ他の利用者Uの人数等である。統計値は、例えば、利用者Uの利用条件を満たす相乗りが成立する確率を示す数値である。
【0028】
利用者端末1は、管理装置3が生成した参考情報を取得すると、当該参考情報を表示する(
図2(a)の(4)、(5))。その後、利用者Uは、表示された参考情報を参照しながら、未入力の利用条件を入力したり、入力済みの利用条件を変更したりして、当該利用条件で相乗りによる配車を申し込む。このようにすることで、サービス提供システムSは、入力された利用条件で相乗りが成立する蓋然性を利用者Uに認識させることができる。これにより、サービス提供システムSは、相乗りが成立する蓋然性が高くなる利用条件を入力させる動機付けを利用者Uに提供することができる。その結果、サービス提供システムSは、相乗りの成立率を向上させることができる。
【0029】
その後、利用者Uの利用条件に基づく相乗りが成立した場合、利用者Uは、配車サービスから提供された情報(例えば、利用者Uが車両Tに乗車するための情報等)に従って、手配された車両Tに乗車する。ところで、車両Tに相乗りする各利用者Uが任意の座席に座ってしまうと、利用者Uがスムーズに乗降車することができない場合がある。
【0030】
例えば、各利用者Uが、
図1に示す車両Tの左側のドアで乗り降りする場合において、車両Tが到着した降車地で降りる利用者Uが後席の右側の座席であるC席に座っている場合、後席の左側であるB席に座っている利用者Uが、C席の利用者Uが降りるために一旦降りなければならず、スムーズに降車させられないという問題が生じ得る。そこで、サービス提供システムSは、車両Tにおいて各利用者Uが座る座席を指定する。
【0031】
まず、管理装置3は、相乗りが成立した後に、車両Tに設けられた複数の座席のうち利用者Uが座る座席の位置を示すための座席位置情報を、当該利用者Uに対応する利用者端末1に送信する(
図2(b)の(1))。利用者端末1は、管理装置3から座席位置情報を取得すると、当該座席位置情報を表示する(
図2(b)の(2))。利用者端末1は、例えば、座席位置情報を、車両Tに設けられた複数の座席の中で、利用者Uが座る座席の位置が認識可能な態様で表示する。このようにすることで、利用者Uは、指定された座席の位置を特定することができる。
【0032】
管理装置3は、相乗りが成立した後に、車両Tに設けられた座席ごとに、当該座席に対応する座席位置情報と、当該座席に座る利用者Uに対応する利用者識別情報とを関連付けて車両端末2に送信する(
図2(b)の(3))。車両端末2は、管理装置3から座席位置情報及び利用者識別情報を取得すると、当該座席位置情報及び当該利用者識別情報を表示する(
図2(b)の(4))。車両端末2は、例えば、座席位置情報及び利用者識別情報を、車両Tに設けられた座席ごとに、当該座席に座る利用者Uが識別可能な態様で表示する。
【0033】
このようにすることで、ドライバーは、利用者Uが乗車するときに、当該利用者Uに指定された座席の位置を確認することができる。これにより、サービス提供システムSは、各利用者Uを指定した座席に座らせることができ、車両Tが降車地に到着したときに、当該降車地で降りる利用者Uをスムーズに降車させることができる。その結果、サービス提供システムSは、複数の利用者Uを相乗りで輸送するサービス(配車サービス及び輸送サービス)の品質を向上させることができる。
以下、利用者端末1、車両端末2及び管理装置3の構成について説明する。
【0034】
[利用者端末1の構成]
図3は、利用者端末1の構成を示す図である。利用者端末1は、位置測定部11と、I/F(Interface)部12と、通信部13と、記憶部14と、制御部15とを有する。
【0035】
位置測定部11は、例えばGPS(Global Positioning System)受信機であり、GPS衛星から受信した信号を用いて利用者端末1の位置を測定する。I/F部12は、情報を表示したり情報を入力させたりするためのユーザインターフェイスであり、情報の入力を受け付ける受付部及び情報を表示する表示部として機能する。I/F部12は、例えば、タッチパネルが重ねられたディスプレイである。
【0036】
通信部13は、ネットワークNに接続するためのネットワークインターフェイスであり、例えばLTE(Long Term Evolution)用の通信モジュールである。記憶部14は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びハードディスク等の記憶媒体である。記憶部14は、制御部15が実行するプログラムを記憶している。
【0037】
制御部15は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部15は、記憶部14に記憶されたプログラムを実行することにより、位置取得部151、受付部152、送信部153、情報取得部154及び表示制御部155として機能する。
【0038】
位置取得部151は、位置測定部11が測定した利用者端末1の位置、すなわち利用者Uの位置を示す利用者位置情報を取得する。位置取得部151は、例えば、予め定められた間隔で利用者位置情報を取得する。受付部152は、I/F部12を介して、利用者Uの操作を受け付ける。
【0039】
送信部153は、通信部13を介して、位置取得部151が取得した利用者位置情報、又は受付部152が受け付けた利用者Uの操作に基づく情報を管理装置3に送信する。送信部153が管理装置3に送信する利用者Uの操作に基づく情報の詳細については後述する。
【0040】
情報取得部154は、通信部13を介して、管理装置3から情報を取得する。情報取得部154が管理装置3から取得する情報の詳細については後述する。表示制御部155は、情報取得部154が取得した情報に基づいて、利用者アプリの表示画面をI/F部12に表示させる。利用者アプリの表示画面の詳細については後述する。
【0041】
[車両端末2の構成]
図4は、車両端末2の構成を示す図である。車両端末2は、位置測定部21と、I/F部22と、通信部23と、記憶部24と、制御部25とを有する。
【0042】
位置測定部21は、例えばGPS受信機であり、GPS衛星から受信した信号を用いて車両端末2の位置を測定する。I/F部22は、情報を表示したり情報を入力させたりするためのユーザインターフェイスであり、情報の入力を受け付ける受付部及び情報を表示する表示部として機能する。I/F部22は、例えば、タッチパネルが重ねられたディスプレイである。
【0043】
通信部23は、ネットワークNに接続するためのネットワークインターフェイスであり、例えばLTE用の通信モジュールである。記憶部24は、ROM、RAM及びハードディスク等の記憶媒体である。記憶部24は、制御部25が実行するプログラムを記憶している。
【0044】
制御部25は、例えばCPUである。制御部25は、記憶部24に記憶されたプログラムを実行することにより、位置取得部251、受付部252、送信部253、情報取得部254及び表示制御部255として機能する。
【0045】
位置取得部251は、位置測定部21が測定した車両端末2の位置、すなわち車両Tの位置を示す車両位置情報を取得する。位置取得部251は、例えば、予め定められた間隔で車両位置情報を取得する。受付部252は、I/F部22を介して、ドライバーの操作を受け付ける。
【0046】
送信部253は、通信部23を介して、位置取得部251が取得した車両位置情報、又は受付部252が受け付けたドライバーの操作に基づく情報を管理装置3に送信する。また、送信部253は、管理装置3を介して、利用者端末1に情報を通知する通知部として機能する。送信部253が管理装置3に送信するドライバーの操作に基づく情報、及び送信部253が利用者端末1に通知する情報の詳細については後述する。
【0047】
情報取得部254は、通信部23を介して、管理装置3から情報を取得する。情報取得部254が管理装置3から取得する情報の詳細については後述する。表示制御部255は、情報取得部254が取得した情報に基づいて、ドライバーアプリの表示画面をI/F部22に表示させる。ドライバーアプリの表示画面の詳細については後述する。
【0048】
[管理装置3の構成]
図5は、管理装置3の構成を示す図である。管理装置3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを有する。通信部31は、ネットワークNに接続するためのネットワークインターフェイスであり、例えばLAN(Local Area Network)コントローラを含んで構成されている。
【0049】
記憶部32は、ROM、RAM及びハードディスク等の記憶媒体である。記憶部32は、制御部33が実行するプログラムを記憶している。記憶部32は、配車サービスに登録した利用者Uに対応する利用者識別情報と、配車サービスに加入した事業者が管理する車両Tに対応する車両識別情報とを記憶している。
【0050】
制御部33は、例えばCPUである。制御部33は、記憶部32に記憶されたプログラムを実行することにより、情報取得部331、情報生成部332、マッチング処理部333、配車管理部334及び送信部335として機能する。
【0051】
情報取得部331は、通信部31を介して、利用者端末1又は車両端末2から情報を取得する。情報取得部331が取得する情報の詳細については後述する。情報生成部332は、情報取得部331が利用者端末1から取得した情報に基づいて、参考情報を生成する。情報生成部332が参考情報を生成する処理の詳細については後述する。
【0052】
マッチング処理部333は、情報取得部331が利用者端末1から取得した情報に基づいて、利用者Uの利用条件を満たす相乗りが可能な他の利用者Uを検索するマッチング処理を実行する。マッチング処理部333が実行するマッチング処理の詳細については後述する。
【0053】
配車管理部334は、利用者Uを輸送させる車両Tを配車するための配車処理を実行する。配車管理部334が実行する配車処理の詳細については後述する。送信部335は、通信部31を介して、利用者端末1又は車両端末2に情報を送信する。送信部335が利用者端末1又は車両端末2に送信する情報の詳細については後述する。
【0054】
[配車申込の処理]
続いて、利用者Uが相乗りによる配車を申し込む際のサービス提供システムSの処理の流れについて説明する。
図6は、サービス提供システムSの処理の流れを示すシーケンス図である。
【0055】
本処理は、利用者端末1の処理として、受付部152が、I/F部12に表示された利用者アプリの表示画面において、利用者Uが相乗りで車両Tを利用するための利用条件の入力を受け付けたことを契機として開始する(S11)。受付部152は、例えば、利用条件として、降車範囲、乗車地及び乗車希望時間帯の入力を受け付ける。
【0056】
図7は、利用者アプリの表示画面の一例を示す図である。
図7(a)に示す利用者アプリの表示画面は、降車範囲を入力するための入力画面である。
図7(a)に示す設定フラグAは、利用者Uの目的地を設定するためのマークであり、例えば、入力画面の中央に固定されている。
図7(a)に示す範囲Bは、降車範囲である。
【0057】
図7(a)に示す例において、利用者Uは、地図が表示された領域をスライドさせ、設定フラグAを地図上の所望の位置に合わせることにより、目的地を設定する。なお、利用者Uは、住所を入力して目的地を設定してもよい。
図7(a)に示す例において、利用者Uが、目的地を設定した後にボタンCを押下すると、受付部152は、範囲Bを降車範囲として受け付ける。
【0058】
図6に戻り、利用者端末1の処理として、送信部153は、受付部152が少なくとも一部の利用条件の入力を受け付けた場合に、通信部13を介して、位置取得部151が取得した利用者位置情報と、受付部152が受け付けた利用条件を示す利用条件情報とを、管理装置3に送信する(S12)。
【0059】
管理装置3の処理として、情報取得部331が利用者端末1から利用者位置情報及び利用条件情報を取得すると、情報生成部332は、利用者位置情報及び利用条件情報に基づいて、当該利用者位置情報に対応する乗車対象範囲において、当該利用条件情報が示す利用条件を満たす相乗りが成立する蓋然性を示すための参考情報を生成する(S13)。
【0060】
具体的には、情報生成部332は、乗車対象範囲において相乗りが成立した成立件数及び相乗りによる配車が申し込まれた申込件数のうちの少なくともいずれかに基づく統計値を算出することにより、参考情報を生成する。例えば、記憶部32には、マッチング処理部333がマッチング処理を実行した実行結果に関する履歴情報を管理する履歴管理データベースが記憶されている。履歴管理データベースは、例えば、相乗りで配車を申し込んだ利用者Uの利用条件と、当該利用条件に基づくマッチング処理の実行結果とを関連付けて記憶している。
【0061】
この場合において、情報生成部332は、例えば、履歴管理データベースにおいて利用者Uの利用条件と同様な利用条件と関連付けて記憶されている実行結果に基づいて、統計値を算出する。「利用者Uの利用条件と同様な条件」は、例えば、過去に相乗りによる配車を申し込んだ他の利用者の利用条件が、利用者Uの降車範囲と同じ方向にある降車範囲であること、利用者Uの乗車地と同じ乗車地であること、又は利用者Uの乗車希望時間帯の少なくとも一部が重複する乗車希望時間帯であること等である。また、情報生成部332は、乗車対象範囲における申込件数が多いほど高い統計値を算出してもよいし、利用者Uの利用条件と同様な条件で申し込まれた申込件数が多いほど高い統計値を算出してもよい。
【0062】
情報生成部332は、相乗りによる配車を申し込んだ他の利用者Uの人数を集計することにより、参考情報を生成してもよい。具体的には、情報生成部332は、乗車対象範囲に含まれる乗車地を利用条件として相乗りによる配車を申し込んだ複数の他の利用者Uのうち、未だ相乗りが成立していない他の利用者Uの人数を集計する。
【0063】
情報生成部332は、情報取得部331が一部の利用条件を示す利用条件情報を取得した場合、利用者Uがまだ入力していない他の利用条件に対応する参考情報を生成してもよい。例えば、情報取得部331が取得した利用条件情報において、降車範囲、乗車地及び乗車希望時間帯のうちの降車範囲が含まれている場合、情報生成部332は、利用者位置情報及び利用条件情報(降車範囲)に基づいて、乗車対象範囲に含まれる乗車候補地ごとに、当該乗車候補地に対応する参考情報を生成する。
【0064】
管理装置3の処理として、送信部335は、通信部31を介して、情報生成部332が生成した参考情報を、利用者端末1に送信する(S14)。利用者端末1の処理として、情報取得部154が管理装置3から参考情報を取得すると、表示制御部155は、当該参考情報をI/F部12に表示させる(S15)。
【0065】
表示制御部155は、例えば、参考情報を所定の時間帯(例えば、1時間間隔の時間帯)に関連付けてI/F部12に表示させる。具体的には、まず、情報取得部331は、乗車対象範囲において所定の時間帯に相乗りが成立した成立件数及び相乗りによる配車が申し込まれた申込件数のうちの少なくともいずれかに基づく統計値を含む参考情報を取得する。そして、表示制御部155は、所定の時間帯を示す情報と、当該所定の時間帯に対応する統計値とを関連付けてI/F部12に表示させる。
【0066】
表示制御部155は、例えば、参考情報を、所定の時間帯ごとに相乗りが成立する蓋然性の高さが認識可能な態様(例えばグラフ形式)でI/F部12に表示させる。このようにすることで、利用者Uは、相乗りが成立しやすい時間帯を把握することができる。
【0067】
表示制御部155は、参考情報を、乗車対象範囲において乗車可能な地点として予め定められた乗車候補地に関連付けて表示してもよい。具体的には、まず、情報取得部154は、乗車対象範囲に含まれる乗車候補地に対応する参考情報を管理装置3から取得する。そして、表示制御部155は、乗車対象範囲に含まれる乗車候補地ごとに、当該乗車候補地と、当該乗車候補地に対応する参考情報とを関連付けてI/F部12に表示させる。
【0068】
図7(b)に示す利用者アプリの表示画面は、利用者Uが乗車地を入力するための入力画面であり、例えば、
図7(a)に示す利用者アプリの表示画面において利用者Uが降車範囲を入力した後に表示される画面である。
図7(b)に示す利用者アプリの表示画面には、乗車対象範囲に含まれる乗車候補地を示す地点フラグDが地図上に表示された表示領域R1と、当該乗車候補地の中から乗車地を選択させるための表示領域R2とが表示されている。
【0069】
表示領域R2に設けられた各ボタンEには、乗車候補地の名称と参考情報(相乗り成立)とが関連付けて表示されている。
図7(b)に示すように、表示制御部155は、参考情報(例えば統計値)によって示される相乗りが成立する蓋然性の高さを5段階評価で表示させてもよい。
【0070】
表示領域R2に設けられた各ボタンEは、表示領域R1に表示されている各地点フラグDに対応している。例えば、利用者Uが、ボタンE2を押下すると、受付部152は、当該ボタンE2に対応する地点フラグD1に示す乗車候補地を乗車地として受け付ける。このように、利用者端末1が乗車候補地と参考情報とを関連付けて表示することにより、利用者Uは、どの乗車候補地を乗車地として選択したら相乗りが成立する蓋然性が高くなるかを把握することができる。
【0071】
表示制御部155は、参考情報を、現在時刻から所定の時間(例えば6時間等)が経過するまでの期間において車両Tが出発する時刻として予め定められた出発候補時刻に関連付けて表示してもよい。具体的には、まず、情報取得部154は、現在時刻から所定の時間が経過するまでの期間に含まれる出発候補時刻に対応する参考情報を取得する。そして、表示制御部155は、現在時刻から所定の時間が経過するまでの期間に含まれる出発候補時刻ごとに、当該出発候補時刻と、当該出発候補時刻に対応する参考情報とを関連付けてI/F部12に表示させる。
【0072】
図7(c)に示す利用者アプリの表示画面は、利用者Uが乗車希望時間帯を入力するための画面であり、例えば、
図7(b)に示す利用者アプリの表示画面において利用者Uが乗車地を選択した後に表示される画面である。
図7(c)に示す利用者アプリの表示画面には、利用者Uが選択した乗車候補地と利用者Uが設定した目的地とが地図上に表示された表示領域R3と、乗車希望時間帯を入力するための表示領域R4とが表示されている。
【0073】
表示領域R4には、乗車希望時間帯を入力するための入力項目Fと、現在時刻から所定の時間が経過するまでの期間に含まれる出発候補時刻ごとに、当該出発候補時刻と、参考情報(相乗り成立)と、成立通知とが関連付けられた表示項目Gとが表示されている。成立通知は、対応する出発候補時刻を出発時刻とする相乗りが成立した場合に通知される時刻を示す。
【0074】
例えば、利用者Uが、入力項目Fに乗車希望時間帯を入力した後にボタンHを押下すると、受付部152は、入力項目Fに入力された乗車希望時間帯を受け付ける。表示制御部155は、入力項目Fに乗車希望時間帯が入力された場合、現在時刻から所定の時間が経過するまでの期間に含まれる出発候補時刻のうち、入力された乗車希望時間帯に含まれる出発候補時刻に対応する表示項目Gを表示させてもよい。このように、利用者端末1が出発候補時刻と参考情報とを関連付けて表示することにより、利用者Uは、各出発候補時刻における相乗りが成立する蓋然性の高さを把握することができる。
【0075】
サービス提供システムSは、利用者Uが一部の利用条件を入力するごとにS11からS15までの処理を実行してもよいし、利用者Uが全ての利用条件を入力した場合にS11からS15までの処理を実行してもよい。
【0076】
図6に戻り、利用者端末1の処理として、利用者Uが、利用条件を入力した後に、当該利用条件で配車を申し込む申込操作を行うと、受付部152は、当該申込操作を受け付ける(S16)。例えば、まず、表示制御部155は、利用者Uが全ての利用条件(降車範囲、乗車地及び乗車希望時間帯)を入力した後に、入力した利用条件を確認させるための確認画面をI/F部12に表示させる。例えば、確認画面には、利用者Uが配車を申し込むための申込ボタンが表示されている。そして、受付部152は、利用者Uが確認画面において申込ボタンを押下すると、申込操作を受け付ける。
【0077】
表示制御部155は、確認画面に様々な情報を表示させてもよい。表示制御部155は、例えば、確認画面に相乗り料金と単独料金とを表示させてもよい。相乗り料金は、乗車地から降車範囲に入るまでの予定経路を相乗りで利用した場合にかかる利用者Uの利用料金である。単独料金は、利用者Uが上記予定経路を単独で利用した場合にかかる利用者Uの利用料金である。
【0078】
具体的には、まず、情報取得部154は、送信部153が乗車地と降車範囲とを含む利用条件情報を送信した後に、相乗り料金を示す情報と、単独料金を示す情報とを管理装置3から取得する。そして、表示制御部155は、相乗り料金と単独料金とを比較可能な態様で表示した確認画面をI/F部12に表示させる。このようにすることで、利用者Uは、相乗り料金と単独料金との差の大きさを把握することができる。
【0079】
なお、利用者端末1は、利用者Uの操作に応じて、配車を申し込む申込種類を切り替えてもよい。申込種類は、例えば、相乗りによる配車の申し込み、及び単独による配車の申し込みである。例えば、上記確認画面には、申込種類を切り替えるための切替ボタンが設けられており、利用者端末1は、利用者Uが当該切替ボタンを押下すると、配車を申し込む申込種類を、相乗りによる配車の申し込みから単独による配車の申し込みに切り替える。
【0080】
単独による配車の申し込みへの切り替えは、単独による配車を申し込むための利用者アプリの表示画面を表示させてもよいし、後述する送信部153が単独による配車を申し込むための情報を管理装置3に送信してもよいし、送信部153が単独による配車を申し込むための情報を、輸送サービスを管理する不図示のサーバに送信してもよい。このようにすることで、例えば、利用者Uの利用条件に基づく参考情報によって示される相乗りが成立する蓋然性が低かったり、相乗り料金と単独料金との差が小さかったり等の理由により、利用者Uが、相乗りではなく単独による車両Tの利用を希望した場合に、利用者端末1は、利用者Uのニーズに応じたサービスを提供することができる。
【0081】
利用者端末1の処理として、送信部153は、受付部152が申込操作を受け付けた場合に、利用者Uが入力した利用条件で配車を申し込むための申込情報を管理装置3に送信する(S17)。送信部153は、利用者Uが入力した全ての利用条件を示す利用条件情報を含む申込情報を管理装置3に送信してもよい。
【0082】
管理装置3の処理として、マッチング処理部333は、情報取得部331が利用者端末1から取得した申込情報に対応する利用者Uの利用条件を満たす相乗りが可能な他の利用者Uを検索するマッチング処理を実行する(S18)。マッチング処理部333は、例えば、所定の間隔(例えば30分ごと)で、直近の出発候補時刻に出発する車両Tに乗車可能な利用者Uを対象としてマッチング処理を実行する。
【0083】
マッチング処理部333は、例えば、相乗りによる配車を申し込んだ複数の他の利用者Uの中から、利用者Uの乗車地と同じ乗車地であり、利用者Uの降車範囲と同じ方向にある降車範囲であり、かつ直近の出発候補時刻を含む乗車希望時間帯である利用条件で相乗りによる配車を申し込んだ他の利用者Uを検索する。
【0084】
管理装置3の処理として、マッチング処理部333は、利用者Uの利用条件を満たす相乗りが可能な他の利用者Uが見つからなかった場合(S19においてNOの場合)、処理をS18に戻す。なお、管理装置3の処理として、利用者Uの利用条件を満たす相乗りが可能な他の利用者Uが見つからなかった場合において、次の出発候補時刻が当該利用者Uの乗車希望時間帯に含まれない場合、送信部335は、相乗りが成立しなかったことを利用者端末1に通知してもよい。
【0085】
管理装置3の処理として、マッチング処理部333が利用者Uの利用条件を満たす相乗りが可能な他の利用者Uを見つけた場合(S19においてYESの場合)、送信部335は、通信部31を介して、利用者Uが車両Tに乗車するための乗車情報を利用者端末1に送信する(S20)。また、管理装置3の処理として、マッチング処理部333は、利用者Uの利用条件を満たす相乗りが可能な他の利用者Uを見つけた場合、各利用者Uの降車地を決定する。マッチング処理部333は、例えば、道幅の広さ、幹線道路(国道及び都道府県道等)への戻りやすさ、及び移動距離の短さ(利用料金の安さ)等を勘案して、利用者Uの利用条件に含まれる降車範囲の中から降車地を決定する。
【0086】
その後、利用者端末1の処理として、情報取得部154が管理装置3から乗車情報を取得すると、表示制御部155は、当該乗車情報をI/F部12に表示させる。
【0087】
[相乗り成立後の処理]
<乗車前>
続いて、相乗りが成立した後におけるサービス提供システムSの処理の流れについて説明する。
図8は、サービス提供システムSの処理の流れを示すシーケンス図である。本処理は、利用者端末1の処理として、情報取得部154が、通信部13を介して、利用者Uと車両Tに相乗りさせる一以上の他の利用者Uが見つかったことに応じて管理装置3から送信された乗車情報を取得したことを契機として開始する(S21)。
【0088】
乗車情報は、例えば、座席位置情報と、利用者Uの乗車地を示す情報と、利用者Uの降車地を示す情報と、出発時刻を示す情報と、証明情報とを含む。証明情報は、利用者Uが、配車の申し込みに応じて手配された車両Tに乗車する利用者Uであることを証明するための情報である。証明情報は、例えば、車両Tの自動車登録番号に含まれる一部の文字列、マーク(例えばトランプカードに用いられるスペードをはじめとする絵札等)、記号、予め設定されたパスワード、ランダムな文字列又はランダムな数字列等である。
【0089】
表示制御部155は、情報取得部154が取得した乗車情報をI/F部12に表示させる(S22)。表示制御部155は、例えば、I/F部12に表示させる乗車情報として、座席位置情報を、車両Tに設けられた複数の座席の中で、利用者Uが座る座席の位置が認識可能な態様で表示させる。表示制御部155は、I/F部12に表示させる乗車情報として、座席位置情報とともに証明情報を表示させてもよい。
【0090】
図9は、利用者アプリの表示画面の一例を示す図である。
図9(a)に示す利用者アプリの表示画面は、車両Tにおいて利用者Uが座る座席の位置を表示した利用者用座席画面である。利用者用座席画面には、チケット番号(証明情報)が表示された表示領域R5と、車両Tにおいて利用者Uが座る座席の位置が表示された表示領域R6とが表示されている。このように、利用者端末1が利用者用座席画面を表示することで、利用者Uは、指定された座席の位置を特定することができる。
【0091】
表示制御部155は、利用者端末1の位置及び出発時刻までの残り時間のうちの少なくともいずれかが所定の条件を満たす場合に、利用者用座席画面を表示させてもよい。表示制御部155は、例えば、利用者端末1の位置と利用者Uの乗車地との関係が所定の条件を満たす場合に、利用者用座席画面を表示させる。具体的には、表示制御部155は、利用者端末1の位置と利用者Uの乗車地との関係が、利用者端末1の位置が利用者Uの乗車地に近づいていることを示している場合に、利用者用座席画面を表示させる。
【0092】
表示制御部155は、例えば、位置取得部151によって予め定められた間隔で取得された利用者位置情報が、利用者端末1の位置が利用者Uの乗車地に向かっていることを示す場合に、利用者用座席画面を表示させる。表示制御部155は、利用者端末1の位置が利用者Uの乗車地に向かっており、かつ利用者端末1の位置が利用者Uの乗車地を基準に定められた第1の範囲(例えば、乗車地から500メートル以内の範囲等)に含まれる場合に、利用者用座席画面を表示させてもよい。
【0093】
表示制御部155は、利用者端末1の位置と利用者Uの乗車地との関係が、利用者端末1の位置が利用者Uの乗車地に到着したことを示している場合に、利用者用座席画面を表示させてもよい。表示制御部155は、例えば、利用者端末1の位置が利用者Uの乗車地を基準に定められた第2の範囲(例えば、乗車地から10メートル以内の範囲等)に含まれる場合に、利用者用座席画面を表示させてもよい。第2の範囲は、少なくとも第1の範囲より小さい範囲である。
【0094】
このように、利用者端末1は、利用者端末1の位置と利用者Uの乗車地との関係に基づいて利用者用座席画面を表示することで、利用者Uにとって適切なタイミングで当該利用者Uが座る座席の位置を提示することができる。また、利用者Uが配車を申し込んだ後に他のタクシーを利用してしまうことが起こり得るが、上記のように利用者用座席画面を表示するタイミングを制御することで、利用者端末1は、車両Tを利用する意思がある利用者Uに対して、当該利用者Uが座る座席の位置を提示することができる。
【0095】
表示制御部155は、例えば、現在時刻が出発時刻に近い場合に、利用者用座席画面を表示させる。具体的には、表示制御部155は、現在時刻が出発時刻を基準に定められた時刻(例えば、出発時刻の5分前等)になった場合に、利用者用座席画面を表示させる。このようにすることで、利用者端末1は、利用者Uに対して、当該利用者Uが座る座席の位置を提示するとともに、現在時刻が出発時刻に迫っていることを知らせることができる。
【0096】
上記において、表示制御部155が、利用者端末1の位置及び出発時刻までの残り時間のうちの少なくともいずれかが所定の条件を満たす場合に利用者用座席画面を表示させる例を説明したが、これに限らない。例えば、表示制御部155は、利用者Uの操作に応じて利用者用座席画面を表示させてもよい。
【0097】
具体的には、表示制御部155は、受付部152によって利用者Uが乗車地で待機していることを示すための待機操作が受け付けられた場合に、利用者用座席画面をI/F部12に表示させてもよい。例えば、まず、表示制御部155は、利用者端末1の位置及び出発時刻までの残り時間のうちの少なくともいずれかが所定の条件を満たす場合に、当該乗車地で待機することを示すための待機ボタンを表示させる。そして、表示制御部155は、利用者Uが待機ボタンを押下したことを受付部152が待機操作として受け付けた場合に、利用者用座席画面を表示させる。
【0098】
表示制御部155は、利用者端末1の位置及び出発時刻までの残り時間のうちの少なくともいずれかが所定の条件を満たす場合に、乗車地に近づいていることを示すメッセージ(プッシュ通知)をI/F部12に表示させてもよい。この場合、表示制御部155は、利用者Uが当該プッシュ通知に応答する操作(例えば、ロック画面に表示されたメッセージをタップする操作)を受付部152が待機操作として受け付けた場合に、利用者用座席画面を表示させてもよい。
【0099】
表示制御部155は、手配された車両Tが利用者Uの乗車地に近づいた場合に、利用者用座席画面を表示させてもよい。例えば、まず、情報取得部154は、管理装置3を介して車両端末2から車両位置情報を取得する。そして、表示制御部155は、車両位置情報によって示される車両Tの位置が利用者Uの乗車地を基準に定められた範囲(例えば、乗車地から1キロメートル以内の範囲、又は乗車地までの移動時間が5分以内の範囲等)に含まれる場合に、利用者用座席画面を表示させる。このようにすることで、利用者端末1は、利用者Uが車両Tに乗る時期が近いタイミングで利用者Uが座る座席の位置を提示することができる。
【0100】
表示制御部155は、I/F部12に表示させる乗車情報として、利用者端末1の位置から利用者Uの乗車地までの乗車地経路を案内するための情報を表示させてもよい。例えば、乗車情報には、乗車地経路を示す情報がさらに含まれており、表示制御部155は、乗車情報に含まれる乗車地経路をI/F部12に表示させる。なお、表示制御部155は、利用者位置情報と、乗車情報に含まれる乗車地を示す情報とを用いて地図サービスで検索した乗車地経路をI/F部12に表示させてもよい。
【0101】
図9(b)に示す利用者アプリの表示画面は、乗車地経路が地図形式で表示された利用者用案内画面であり、利用者端末1の位置を示す現在地マークIから、利用者Uの乗車地を示す地点フラグDまでの乗車地経路を示す経路Jが地図形式で表示されている。このような利用者用案内画面を表示することで、利用者端末1は、利用者Uを乗車地まで案内することができる。
【0102】
表示制御部155は、利用者端末1の位置と利用者Uの乗車地との関係に基づいて、I/F部12に表示させる乗車情報を変化させてもよい。具体的には、表示制御部155は、利用者端末1の位置から利用者Uの乗車地までの距離の短さに応じて、I/F部12に表示させる乗車情報を変化させる。より具体的には、表示制御部155は、利用者端末1の位置が利用者Uの乗車地に到着した場合に、I/F部12に表示させる乗車情報を変化させる。
【0103】
表示制御部155は、例えば、乗車地経路が表示された利用者用案内画面を表示させた後において、利用者端末1の位置が利用者Uの乗車地に到着した場合に、I/F部12に表示させる表示画面を、利用者用案内画面から利用者用座席画面に切り替える。このようにすることで、利用者端末1は、利用者Uの位置に適した乗車情報を利用者Uに提示することができる。
【0104】
例えば、表示制御部155は、証明情報とは別に車両識別情報をI/F部12に表示させてもよい。具体的には、乗車情報には、車両識別情報がさらに含まれており、表示制御部155は、利用者アプリの表示画面(利用者用案内画面又は利用者用座席画面)に車両識別情報(自動車登録番号及び車種等)を表示させる。このようにすることで、利用者Uは、乗車地において車両Tを特定することができる。
【0105】
図8に戻り、管理装置3の処理として、配車管理部334は、記憶部32に記憶されている複数の車両識別情報に基づいて、利用者Uを輸送させる車両Tを特定する(S23)。具体的には、まず、情報取得部331は、複数の車両端末2それぞれから車両位置情報と車両識別情報とを取得する。そして、配車管理部334は、情報取得部331によって取得された複数の車両位置情報それぞれが示す車両Tの位置と、利用者Uの乗車地とに基づいて、複数の車両Tの中から利用者Uを輸送させる車両Tを特定する。
【0106】
配車管理部334は、例えば、複数の車両Tの中で、利用者Uの乗車地に最も近い車両Tを、利用者Uを輸送させる車両Tとして特定する。配車管理部334は、旅客が乗車してない車両T(例えば、タクシーメータの乗車状態が空車である車両T)のうち、走行している車両T(例えば流し営業をしている車両T)を、利用者Uを輸送させる車両Tとして特定してもよい。配車管理部334は、相乗りが成立したときに車両Tを特定してもよいし、現在時刻が出発時刻を基準に定められた時刻(例えば、出発時刻の5分前等)になったときに車両Tを特定してもよい。
【0107】
管理装置3の処理として、送信部335は、通信部31を介して、配車管理部334が特定した車両Tのドライバーに輸送サービスを提供させるための配車情報を、当該車両Tに対応する車両端末2に送信する(S24)。配車情報は、利用者識別情報と、座席位置情報と、出発時刻を示す情報と、利用者Uの乗車地を示す情報と、利用者Uの降車地を示す情報とを含む。
【0108】
なお、送信部335は、配車管理部334が特定した車両Tのドライバーが配車依頼を了承した場合に、配車情報を送信してもよい。具体的には、まず、送信部335は、配車管理部334が特定した車両Tに対応する車両端末2に配車依頼を通知する。そして、送信部335は、配車依頼を通知した後に車両端末2から通知された情報が、ドライバーが当該配車依頼を了承したことを示す場合に、配車情報を送信する。
【0109】
車両端末2の処理として、表示制御部255は、情報取得部254が管理装置3から配車情報を取得すると、当該配車情報をI/F部22に表示させる(S25)。具体的には、表示制御部255は、I/F部22に表示させる配車情報として、車両Tに設けられた座席ごとに、当該座席に対応する座席位置情報と、当該座席に座る利用者Uに対応する利用者識別情報とを関連付けて表示したドライバー用座席画面を表示させる。
【0110】
表示制御部255は、車両Tに設けられた座席ごとに、当該座席に座る利用者Uが乗車したか否かを示す乗車状態(例えば、未乗車及び乗車済等)を変更可能な態様でさらに表示したドライバー用座席画面をI/F部22に表示させてもよい。表示制御部255は、出発時刻に基づく待機時刻をさらに表示したドライバー用座席画面を表示させてもよい。待機時刻は、出発時刻であってもよいし、出発時刻に延長時間(例えば5分等)を加えた時刻であってもよい。
【0111】
図10及び
図11は、ドライバーアプリの表示画面の一例を示す図である。
図10(a)に示すドライバーアプリの表示画面は、ドライバー用座席画面である。
図10(a)に示すように、ドライバー用座席画面に表示された表示領域R7には、車両Tに設けられた座席ごとに、当該座席の位置を示すための座席識別情報(A席等)と、利用者識別情報(X様等)と、乗車状態を示す情報(未乗車等)とが関連付けられた座席項目が表示されている。
【0112】
例えば、A席の利用者Uが乗車する場合において、まず、利用者Uは、利用者端末1に表示された利用者用座席画面(例えば
図9(a)に示す利用者アプリの表示画面)を車両Tのドライバーに提示する。そして、ドライバーは、利用者Uに提示された利用者用座席画面と、車両端末2に表示されたドライバー用座席画面(例えば
図10(a)に示すドライバーアプリの表示画面)とを参照しつつ、当該利用者Uの名前と、当該利用者Uが座る座席の位置とを確認する。このようにすることで、ドライバーは、指定された座席に利用者Uを座らせることができる。
【0113】
その後、ドライバーが、ドライバー用座席画面においてA席(利用者Uが座った座席)に対応する座席項目を押下すると、表示制御部255は、当該座席項目の乗車状態を「未乗車」から「乗車済」に切り替える。このようにすることで、ドライバーは、座席ごとに利用者Uが乗車したか否かを確認することができる。
【0114】
図10(a)に示すように、ドライバー用座席画面には、現在時刻が待機時刻になるまでをカウントダウン形式で表した時刻表示Kがさらに表示されている。このようにすることで、ドライバーは、車両Tを出発させる時刻を把握することができる。
【0115】
表示制御部255は、I/F部22に表示させる配車情報として、車両Tの位置から利用者Uの乗車地と利用者Uの降車地とを含む輸送経路を表示したドライバー用案内画面を表示させてもよい。
図10(b)に示すドライバーアプリの表示画面は、利用者Uの乗車地を示す地点マークM1と、車両Tの位置(車両端末2の位置)を示す現在地マークOと、輸送経路を示す経路Pとが地図上に表示されたドライバー用案内画面である。
【0116】
ドライバー用案内画面に設けられたボタンQは、車両Tが乗車地に到着したことを利用者Uに通知するためのボタンであり、ドライバーが当該ボタンQを押下する操作を行うと、送信部253は、車両Tが乗車地に到着したことを、管理装置3を介して利用者端末1に通知する。ドライバー用案内画面に設けられたボタンVは、全体の輸送経路を表示するためのボタンであり、ドライバーが当該ボタンVを押下する操作を行うと、表示制御部255は、利用者Uの乗車地及び利用者U(例えばA席の利用者UとB席の利用者U)の降車地を経由地として含み、車両Tの位置から終点の利用者U(例えばC席の利用者U)の降車地までの輸送経路をドライバー用案内画面に表示させる。
【0117】
表示制御部255は、ドライバー用座席画面と、ドライバー用案内画面とを切り替えてI/F部22に表示させてもよい。具体的には、まず、表示制御部255は、情報取得部254が配車情報を取得すると、ドライバー用案内画面をI/F部22に表示させる。そして、表示制御部255は、車両Tが利用者Uの乗車地に到着した場合に、I/F部22に表示させる表示画面を、ドライバー用案内画面からドライバー用座席画面に切り替える。
【0118】
表示制御部255は、例えば、ドライバーが
図10(b)に示すドライバー用案内画面においてボタンQを押下する操作を行った場合に、I/F部22に表示させる表示画面を、ドライバー用案内画面からドライバー用座席画面に切り替える。このようにすることで、車両端末2は、ドライバーにとって適切なタイミングでドライバー用座席画面をドライバーに提示することができる。
【0119】
ところで、車両Tが利用者Uの乗車地に到着しても、当該乗車地に車両Tを停車できない場合がある。例えば、乗車地に他の車両が停車していたり、乗車地の道路が工事されていたりすると、ドライバーは、車両Tを乗車地に停車させることができない。そこで、車両端末2は、車両Tが利用者Uの乗車地とは異なる位置に停車した場合、車両Tが停車した位置を利用者Uに通知してもよい。
【0120】
具体的には、送信部253は、車両Tが利用者Uを乗車させるために乗車地とは異なる位置に停車した場合に、位置取得部251が取得した車両位置情報を、利用者端末1に通知する。送信部253は、例えば、利用者Uの乗車地から車両Tが停車した位置までの距離が所定の閾値より長い場合に、車両位置情報を利用者端末1に通知する。このようにすることで、車両端末2は、車両Tが乗車地とは異なる位置に停車したことによって、利用者Uが車両Tを見つけられないという事態を回避することができる。
【0121】
表示制御部255は、ドライバー用案内画面を表示させた後において、送信部253が車両位置情報を利用者端末1に通知した場合に、I/F部22に表示させる表示画面を、ドライバー用案内画面からドライバー用座席画面に切り替えてもよい。このようにすることで、車両端末2は、ドライバーにとって適切なタイミングでドライバー用座席画面をドライバーに提示することができる。
【0122】
利用者端末1は、車両端末2から車両位置情報が通知された場合、利用者端末1の位置から車両位置情報が示す車両Tの位置までの追加経路を表示させてもよい。具体的には、利用者端末1の処理として、まず、情報取得部154は、表示制御部155によって乗車情報が表示された後において、車両Tが利用者Uを乗車させるために乗車地とは異なる地点に停車した場合に応じて管理装置3から送信された追加経路を示す情報を取得する。
【0123】
そして、表示制御部155は、追加経路を示す情報をI/F部12に表示させる。表示制御部155は、例えば、追加経路を表示した利用者用案内画面をI/F部12に表示させる。このようにすることで、利用者端末1は、利用者Uを車両Tの位置まで案内することができる。
【0124】
<乗車後>
その後、車両端末2の処理として、表示制御部255は、車両Tが出発する場合に、I/F部22に表示させる表示画面を、ドライバー用座席画面からドライバー用案内画面に切り替える。表示制御部255は、例えば、車両Tが出発する場合として、ドライバー用座席画面を表示させた後において、現在時刻が待機時刻を経過した場合に、I/F部22に表示させる表示画面を、ドライバー用座席画面からドライバー用案内画面に切り替える。このようにすることで、車両端末2は、ドライバーにとって適切なタイミングでドライバー用案内画面をドライバーに提示することができる。
【0125】
表示制御部255は、車両Tが出発する場合として、ドライバー用座席画面において車両Tのドライバーが乗車状態を変更するための操作を受付部252が受け付けた場合に、I/F部22に表示させる表示画面を、ドライバー用座席画面からドライバー用案内画面に切り替えてもよい。表示制御部255は、例えば、
図10(a)に示すドライバー用座席画面においてドライバーが座席項目を押下する操作を行った後に、旅客の輸送を開始するためのボタンLを押下した場合に、I/F部22に表示させる表示画面を、ドライバー用座席画面からドライバー用案内画面に切り替える。このようにすることで、車両端末2は、ドライバーにとって適切なタイミングでドライバー用案内画面をドライバーに提示することができる。
【0126】
上記において、表示制御部255が、ドライバーの操作に応じて乗車状態を変更する例を説明したが、これに限らない。例えば、車両端末2が不図示のタクシーメータと電気的に接続されており、表示制御部255は、タクシーメータの乗車状態が変更(例えば、空車又は迎車から実車又は賃走に変更等)されたことに応じて、ドライバー用座席画面に表示された利用者Uの乗車状態を変更(例えば、各座席の乗車状態を「未乗車」から「乗車済」に変更)してもよい。
【0127】
なお、表示制御部255は、ドライバー用座席画面からドライバー用案内画面に切り替えた後に、再びドライバー用案内画面からドライバー用座席画面に切り替えてもよい。表示制御部255は、例えば、ドライバー用案内画面においてドライバーがドライバー用座席画面に切り替える操作を行った場合に、I/F部22に表示させる表示画面を、ドライバー用案内画面からドライバー用座席画面に切り替える。このようにすることで、車両端末2は、出発時刻に遅刻した利用者Uを乗車させた場合に、当該利用者Uに対応する乗車状態を変更させることができる。
【0128】
図8に戻り、車両端末2の処理として、送信部253は、車両Tが出発する場合に、乗車状態を示す状態情報を管理装置3に送信する(S26)。管理装置3は、状態情報を取得することにより、利用者Uが車両Tに乗車したことを特定することができる。
【0129】
管理装置3は、車両端末2から状態情報を取得した場合、当該状態情報が示す乗車状態に応じたメッセージ(例えば、「ご乗車ありがとうございます」等)を、各利用者Uの利用者端末1に通知してもよい。例えば、管理装置3の処理として、送信部335は、情報取得部331が車両端末2から取得した状態情報において、乗車したことを示す乗車状態に対応する利用者Uの利用者端末1に対して、乗車済に関するメッセージ(例えば、「ご乗車ありがとうございます」等)を通知する。
【0130】
また、例えば、送信部335は、情報取得部331が車両端末2から取得した状態情報において、乗車しなかったことを示す乗車状態に対応する利用者Uの利用者端末1に対して、未乗車に関するメッセージ(例えば、「キャンセルされました」等)を通知する。このようにすることで、例えば、利用者Uは、配車を申し込んだことに応じて手配された車両Tに乗ったにも関わらず未乗車に関するメッセージが通知された場合、又は当該車両Tに乗っていないにも関わらず乗車済に関するメッセージが通知された場合に、状況に誤りがあることを認識することができる。
【0131】
車両端末2は、降車地で降りる利用者Uを示すための情報をドライバーに提示してもよい。利用者Uを示すための情報は、例えば、利用者識別情報又は座席位置情報である。具体的には、車両端末2の処理として、表示制御部255は、車両Tが降車地に到着した場合に、ドライバー用案内画面において当該降車地で降りる利用者Uを示すための情報を表示させる。
【0132】
図10(c)に示すドライバーアプリの表示画面は、ドライバー用案内画面であり、例えば、車両Tが乗車地を出発するときにドライバー用座席画面(
図10(a)に示すドライバーアプリの表示画面)から切り替えられた画面である。
図10(c)に示すように、ドライバー用案内画面には、利用者Uの降車地を示す地点マークM2の地点で降りる利用者Uに対応する座席位置情報を表示した表示領域R8が表示されている。このようにすることで、ドライバーは、降車地で降りる利用者Uを特定することができる。
【0133】
利用者端末1は、車両Tが利用者Uの降車地に近づいた場合、利用者Uにその旨を知らせてもよい。具体的には、利用者端末1の処理として、表示制御部155は、利用者Uが車両Tに乗った後において、車両Tが利用者Uの降車地に近づいた場合に、車両Tが降車地に到着することを示す情報をI/F部12に表示させる。
【0134】
表示制御部155は、例えば、車両Tに乗った利用者Uの位置が当該利用者Uの降車地から所定の距離(例えば1キロメートル等)までの範囲に含まれる場合に、車両Tが降車地に到着することを示す情報をI/F部12に表示させる。このようにすることで、利用者端末1は、降車するための準備をする動機付けを利用者Uに提供することができる。その結果、利用者端末1は、スムーズに降車させることができる。
【0135】
<降車>
車両端末2は、車両Tが降車地に到着した場合、利用者Uが利用料金の割引サービスを適用するための割引適用画面を表示してもよい。割引サービスは、利用者Uの利用料金を割り引きするサービスであり、例えば、学生割引又は障害者割引等である。割引サービスは、例えば、利用者Uが配車を申し込むときに割引サービスの適用を希望した場合であって、ドライバーが所定の証明書(例えば学生証又は障害者手帳等)を目視で確認した場合に適用される。
【0136】
具体的には、車両端末2の処理として、表示制御部255は、車両Tが降車地に到着した場合に、車両Tに設けられた座席ごとに、当該座席の利用者Uが利用料金の割引サービスを適用するか否かを示す適否状態を変更可能な態様で表示した割引適用画面をI/F部22に表示させる。
【0137】
図11に示すドライバーアプリの表示画面は、割引適用画面である。
図11に示すように、割引適用画面の表示領域R9には、車両Tに設けられた座席ごとに、当該座席の位置を示すための座席識別情報(A席等)と、利用者識別情報(X様等)と、適否状態を示す情報(未適用等)とが関連付けられた座席項目が表示されている。
【0138】
例えば、A席の利用者Uが降車する場合において、ドライバーが、当該利用者Uの所定の証明書を確認した後に、割引適用画面においてA席(利用者Uが座った座席)に対応する座席項目を押下すると、表示制御部255は、当該座席項目の適否状態を「未適用」から「適用済」に切り替える。その後、ドライバーが、割引適用画面において運転を再開するためのボタンWを押下する操作を行うと、表示制御部255は、I/F部22に表示させる表示画面を、割引適用画面からドライバー用案内画面に切り替える。このようにすることで、車両端末2は、利用者Uの利用料金に割引サービスを適用するための確認作業を、ドライバーに行わせることができる。
【0139】
また、車両端末2の処理として、送信部253は、割引適用画面において運転を再開するためのボタンWを押下する操作を行うと、ドライバーの操作によって変更された適否状態の座席項目に対応する利用者識別情報と、変更された適否状態を示す適否状態情報とを管理装置3に送信する。このようにすることで、管理装置3は、利用者Uの利用料金に割引サービスを適用できる状態であることを特定することができる。
【0140】
なお、ボタンWは、ドライバー用案内画面に設けられていてもよく、ドライバーがボタンW(ドライバー用案内画面又は割引適用画面のボタンW)を押下する操作を行うと、送信部253は、運転を再開することを示す情報を管理装置3に送信してもよい。このようにすることで、管理装置3は、降車地で利用者Uが降りたことを特定することができる。
【0141】
車両端末2は、利用者Uの利用料金を表示してもよい。車両端末2の処理として、例えば、配車情報には、複数の利用者それぞれの利用料金を合計した合計料金に対応する情報がさらに含まれており、表示制御部255は、配車情報に含まれる合計料金に対応する情報をI/F部12に表示させる。合計料金に対応する情報は、合計料金を示す情報であってもよいし、各利用者Uの利用料金であってもよい。このようにすることで、ドライバーは、複数の利用者Uを相乗りで輸送した場合の売上額を把握することができる。
【0142】
なお、表示制御部255は、複数の利用者Uそれぞれの利用料金をI/F部12に表示させず、合計料金をI/F部12に表示させてもよい。表示制御部255は、例えば、利用者Uが乗車している場合、少なくとも複数の利用者Uそれぞれの利用料金の表示を禁止する。このようにすることで、車両端末2は、乗車している利用者Uが、他の利用者Uの利用料金を把握してしまう事態を抑止することができる。
【0143】
利用者端末1の処理として、表示制御部155は、車両Tが降車地に到着すると、相乗りによる輸送にかかる利用者Uの利用料金を示す料金情報をI/F部12に表示させる(S27)。具体的には、利用者端末1の処理として、まず、情報取得部154は、料金情報を管理装置3から取得する。料金情報は、予め乗車情報に含まれていてもよい。そして、表示制御部155は、車両Tが利用者Uの降車地に到着した後に、料金情報をI/F部12に表示させる。
【0144】
例えば、管理装置3は、相乗りした全ての利用者Uが降車した後に利用料金の決済を実行する。この場合において、利用者端末1の処理として、まず、表示制御部155は、車両Tが利用者Uの降車地に到着した場合、乗車情報に含まれる料金情報をI/F部12に表示させる。車両Tが利用者Uの降車地に到着した場合に表示される料金情報は、例えば、割引サービスの適否に基づく利用料金を示す情報である。
【0145】
そして、表示制御部155は、相乗りした全ての利用者Uが降車した場合に、相乗りした全ての利用者Uが降車したことに応じて管理装置3から送信された料金情報をI/F部12に表示させる。相乗りした全ての利用者Uが降車した場合に表示される料金情報は、例えば、決済された利用料金を示す情報である。このように、利用者端末1が料金情報を表示することにより、利用者Uは、利用料金を把握することができる。
【0146】
上述のとおり、降車地は、降車範囲の中から任意に決定された地点であるため、目的地から離れている場合がある。そこで、利用者端末1は、利用者Uの降車地から利用者の目的地までの目的地経路を利用者Uに提示してもよい。
【0147】
具体的には、利用者端末1の処理として、表示制御部155は、車両Tが利用者Uの降車地に到着した場合に、当該降車地から利用者の目的地までの目的地経路をI/F部12に表示させる。目的地経路を示す情報は、予め乗車情報に含まれていてもよいし、車両Tが利用者Uの降車地に到着したときに情報取得部154が管理装置3から取得されてもよい。このようにすることで、利用者端末1は、利用者Uを目的地まで案内することができる。
【0148】
[本実施の形態における効果]
以上説明したとおり、サービス提供システムSは、利用者Uが入力した利用条件に基づく参考情報を利用者端末1に表示させる。このようにすることで、サービス提供システムSは、入力された利用条件で相乗りが成立する蓋然性を利用者Uに認識させることができる。これにより、サービス提供システムSは、相乗りが成立する蓋然性が高くなる利用条件を入力させる動機付けを利用者Uに提供することができる。その結果、サービス提供システムSは、相乗りの成立率を向上させることができる。
【0149】
また、サービス提供システムSは、座席位置情報を利用者端末1に表示させる。このようにすることで、利用者Uは、指定された座席の位置を特定することができる。また、サービス提供システムSは、車両Tに設けられた座席ごとに利用者識別情報と座席位置情報とを関連付けて車両端末2に表示させる。このようにすることで、ドライバーは、利用者Uが乗車するときに、当該利用者Uに指定された座席の位置を確認することができる。
【0150】
これにより、サービス提供システムSは、各利用者Uを指定した座席に座らせることができ、車両Tが降車地に到着したときに、当該降車地で降りる利用者Uをスムーズに降車させることができる。その結果、サービス提供システムSは、複数の利用者Uを相乗りで輸送するサービスの品質を向上させることができる。
【0151】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0152】
1 利用者端末
11 位置測定部
12 I/F部
13 通信部
14 記憶部
15 制御部
151 位置取得部
152 受付部
153 送信部
154 情報取得部
155 表示制御部
2 車両端末
21 位置測定部
22 I/F部
23 通信部
24 記憶部
25 制御部
251 位置取得部
252 受付部
253 送信部
254 情報取得部
255 表示制御部
3 管理装置
31 通信部
32 記憶部
33 制御部
331 情報取得部
332 情報生成部
333 マッチング処理部
334 配車管理部
335 送信部
N ネットワーク
S サービス提供システム
T 車両
U 利用者