(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】スライダに組み付けられたCPAを備えた高圧電気コネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/64 20060101AFI20240326BHJP
H01R 13/639 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
H01R13/64
H01R13/639 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020035810
(22)【出願日】2020-03-03
【審査請求日】2023-03-01
(32)【優先日】2019-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】518405522
【氏名又は名称】アプティブ・テクノロジーズ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】フレデリック・メネ
(72)【発明者】
【氏名】プラサナ・ラマクリシュナン
(72)【発明者】
【氏名】ラマクリシュナ・マンネ
【審査官】松原 陽介
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0227494(US,A1)
【文献】米国特許第9455523(US,B1)
【文献】特開2016-212958(JP,A)
【文献】特開2015-215985(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/64
H01R 13/639
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
嵌合軸(X)を有するコネクタハウジング(12)と、該コネクタハウジング(12)に取り付けられて、該コネクタハウジング(12)を取り囲んだ嵌合支援装置(20)と、を備えた電気コネクタ(10)であって、
前記嵌合支援装置(20)は、第1位置(P1)から第2位置(P2)へと前記嵌合軸(X)に沿って嵌合方向(M)に移動可能であり、コネクタ位置保証装置(60)は前記嵌合支援装置(20)に取り付けられて、第3位置(P3)から第4位置(P4)へと前記嵌合軸(X)に沿って前記嵌合方向(M)に移動可能であり、
前記嵌合支援装置(20)はスリーブ形状であり、且つ前記コネクタハウジング(12)および前記嵌合軸(X)を取り囲んでおり、前記嵌合支援装置(20)は、前記コネクタ位置保証装置(60)を移動可能に保持するように適合されたキャビティ(30)を備えており、
前記コネクタ位置保証装置(60)は、前記電気コネクタ(10)が相手側電気コネクタ(100)に嵌合されていない場合に、前記第3位置(P3)において第1係止手段により係止され、
前記コネクタ位置保証装置(60)は、前記嵌合方向(M)に突出した第2アーム(64)を備えたスライダ部材(62)を備え、前記嵌合支援装置(20)は、前記嵌合方向(M)とは反対に前記キャビティ(30)内に突出した可撓性の第1アーム(26)を備え、前記コネクタ位置保証装置(60)は、前記電気コネクタ(10)と前記相手側電気コネクタ(100)とが嵌合されている場合に、前記相手側電気コネクタ(100)に取り付けられた第1係止解除手段により解放され、
解放された前記コネクタ位置保証装置(60)は、前記コネクタ位置保証装置(60)が前記第4位置(P4)に移動された場合に、前記位置保証装置(60)に取り付けられた第2係止手段により、前記電気コネクタ(10)を前記相手側電気コネクタ(100)にしっかりと固定
して、可撓性の前記第1アーム(26)の柔軟な変形を防止する、電気コネクタ(10)。
【請求項2】
前記キャビティ(30)は、前記コネクタ位置保証装置(60)を挿入および操作するためのキャビティ開口部(34)を備え、該キャビティ開口部(34)は、前記嵌合支援装置(20)の第1端部(22)の反対にある第2端部(24)に配置され、前記第1端部(22)は、前記相手側コネクタ(100)に向けられている、請求項
1に記載の電気コネクタ(10)。
【請求項3】
前記キャビティ(30)は、前記第3位置(P3)から前記第4位置(P4)に向かって前記嵌合軸(X)に沿って移動される間に、前記コネクタ位置保証装置(60)をガイドするガイド手段を備えている、請求項
1または
2に記載の電気コネクタ(10)。
【請求項4】
可撓性の前記第1アーム(26)は第1アーム端部(28)を備え、該第1アーム端部(28)は、前記嵌合方向(M)とは反対に向いた、丸められた部分またはくさび形状の部分を備えている、請求項
1から3のいずれか一項に記載の電気コネクタ(10)。
【請求項5】
前記第2アーム(64)は第2アーム端部(66)を備え、該第2アーム端部(66)は、前記嵌合方向(M)に向いたくぼみ面を備えている、請求項
1から4のいずれか一項に記載の電気コネクタ(10)。
【請求項6】
前記第1アーム端部(28)の丸められた部分またはくさび形状の部分は、前記第2アーム端部(66)のくぼみ面と協働して、前記電気コネクタ(10)が嵌合していない位置にある間に、前記第1アーム端部(28)が前記第2アーム端部(66)に対して押圧された場合に、前記嵌合軸(X)に直交した滑りを防止するように適合されている、請求項
4に従属した請求項
5に記載の電気コネクタ(10)。
【請求項7】
前記第1アーム端部(28)は半球形状であり、前記第2アーム端部(66)の目標部は半球形状である、請求項
4に従属した請求項
5または
請求項6に記載の電気コネクタ(10)。
【請求項8】
前記第1アーム端部(28)は丸められたバー形状を有し、前記第2アーム端部(66)の目標部は、前記丸められたバー形状に対応したU字形状溝を備えている、請求項4に従属した請求項5または請求項6に記載の電気コネクタ(10)。
【請求項9】
前記第1アーム端部(28)はくさび形状を有し、前記第2アーム端部(66)の目標部は、前記くさび形状に対応したV字形状溝を備えている、請求項4に従属した請求項
5または請求項6に記載の電気コネクタ(10)。
【請求項10】
前記第1係止手段は、前記コネクタ位置保証装置(60)から突出した第1突起(70)および第2突起(72)を備え、前記嵌合支援装置(20)は支持バー(21)を備え、該支持バー(21)は、前記第1突起(70)と前記第2突起(72)との間に配置されて、前記コネクタ位置保証装置(60)を前記第3位置(P3)に保持している、請求項1から
9のいずれか一項に記載の電気コネクタ(10)。
【請求項11】
前記係止解除手段は、前記相手側電気コネクタ(100)のシュラウド(110)に配置された突起(115)を備え、該突起(115)は、可撓性の前記
第1アーム(26)および可撓性の前記
第2アーム(64)と係合して、それにより可撓性の前記第2アーム(64)を、前記嵌合軸に対して垂直に且つ前記
第2アーム(64)から前記
第1アーム(26)を分離するように柔軟に変形させ、それにより前記コネクタ位置保証装置(60)を係止解除する、請求項1から
10のいずれか一項に記載の電気コネクタ(10)。
【請求項12】
前記第2係止手段は、前記嵌合軸(X)に沿って伸びた前記コネクタ位置保証装置(60)に配置された係止バー(68)を備
えている、請求項1から
11のいずれか一項に記載の電気コネクタ(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気コネクタを相手側電気コネクタに係止するための、嵌合支援システムおよび嵌合位置保証装置を備えた高圧電気コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
万人に手の届く価格である近い将来の電気自動車は、この電気自動車の製造に関する技術課題およびコスト低下を解決する必要がある。電気エネルギを電気自動車の電気装置に提供するために、高圧さらに高電流もが、電気ワイヤハーネスによって分配されなければならない。電気自動車の配線は、大きい断面積を有する電線および大きい電気コネクタを必要とする。電気コネクタは、大きい電気端子のための空間および改良された絶縁性能を提供しなければならない。これらすべての要求の結果は、大きく重いワイヤハーネスをもたらし、電気自動車の製造の間に、それらを自動車本体内に組み付けることを困難にしている。組み立てをより容易にするために、嵌合支援装置が電気コネクタに設けられている。この嵌合支援装置は、電気コネクタを相手側電気コネクタに嵌合する間の手作業を支援する、統合された歯車を備えている。タイラーの欧州特許文献は、嵌合支援装置を備えたそのようなコネクタを開示している。この種の嵌合支援装置は、より小さいサイズのために技術的に使用されており、作動方向は、電気コネクタが相手側電気コネクタに嵌合する方向と同じである。さらに、電気コネクタはコネクタ位置保証装置を必要とし、この装置は、電気自動車内において作動している間に、嵌合されたコネクタが接続されたままとなることを確実にしている。このコネクタ位置保証装置は、2つの電気コネクタが正確に嵌合される前に作動した場合に、問題を生じる。作動すると、コネクタ位置保証装置は正確な嵌合を阻止し、コネクタ位置保証装置を修理またはリセットすることを必要とする。特に部品が損傷した場合、このことは時間を消費し、且つコストをかけることになる。
【0003】
したがって、電気自動車を組み立てる間に頻繁に、電気コネクタを相手側電気コネクタに嵌合する場合に、改良された取り扱い性能を有する嵌合支援装置およびコネクタ位置保証装置を備えた、高圧電気コネクタを技術的に提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらのおよび以下の記載を読むことにより明確になる目的は、独立請求項1による電気コネクタにより解決される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願は、嵌合軸を有するコネクタハウジングと、このコネクタハウジングに取り付けられて、コネクタハウジングを取り囲んだ嵌合支援装置と、を備えた電気コネクタに関する。嵌合支援装置は、第1位置から第2位置へと嵌合軸に沿って嵌合方向に移動可能である。コネクタ位置保証装置は嵌合支援装置に取り付けられて、第3位置から第4位置へと嵌合軸に沿って嵌合方向に移動可能である。コネクタ位置保証装置は、電気コネクタが相手側電気コネクに嵌合されていない場合に、第3位置において第1係止手段により係止され、コネクタ位置保証装置は、電気コネクタと相手側電気コネクタとが嵌合されている場合に、相手側電気コネクタに取り付けられた第1係止解除手段により解放される。解放されたコネクタ位置保証装置は、コネクタ位置保証装置が第4位置に移動された場合に、位置保証装置に取り付けられた第2係止手段により、電気コネクタを相手側電気コネクタにしっかりと固定する。
【0006】
開示された発明は、電気コネクタの嵌合軸に沿って操作される位置保証装置を使用している。このことは、取り扱いを大きく容易にしており、それは、作業者が嵌合させた後に、嵌合支援装置から自身の手を離すことなく、自身の親指により位置保証装置を作動させることが可能であるためである。コネクタ位置保証装置の偶発的な作動を防止する手段があるため、組み立ての間に損傷することは不可能である。嵌合支援装置を移動させている間に、作業者がコネクタ位置保証装置を押したとしても、コネクタ位置保証装置は作動されない。
【0007】
好適に、嵌合支援装置はスリーブ形状であり、且つコネクタハウジングおよび嵌合軸を取り囲んでおり、嵌合支援装置は、コネクタ位置保証装置を移動可能に保持するように適合されたキャビティを備えている。キャビティは嵌合支援装置内に統合され、位置保証装置は、キャビティ内に事前に組み立てられることが可能である。
【0008】
好適な実施形態によれば、キャビティは、コネクタ位置保証装置を挿入および操作するためのキャビティ開口部を備え、キャビティ開口部は、嵌合支援装置の第1端部の反対にある第2端部に配置され、第1端部は、相手側コネクタに向けられている。コネクタ位置保証装置は、嵌合支援装置がコネクタハウジングにすでに装着された場合、および電気コネクタが相手側コネクタと嵌合される直前でさえも、装着されることが可能である。
【0009】
好適に、キャビティは、第3位置から第4位置に向かって嵌合軸に沿って移動される間にコネクタ位置保証装置をガイドする、ガイド手段を備えている。
【0010】
有利には、嵌合支援装置は、キャビティ内に突出した可撓性の第1アームを備え、可撓性の第1アームは、嵌合方向とは反対に突出している。
【0011】
好適に、可撓性の第1アームは第1アーム端部を備え、第1アーム端部は、嵌合方向とは反対に向いた、丸められた部分またはくさび形状の部分を備えている。
【0012】
有利には、コネクタ位置保証装置は、キャビティ内に突出した可撓性の第2アームを備えたスライダ部材を備え、第2アームは嵌合方向に突出している。
【0013】
好適に、第2アームは第2アーム端部を備え、第2アーム端部は、嵌合方向に向いたくぼみ面を備えている。
【0014】
好適に、第1アーム端部の丸められた部分またはくさび形状の部分は、第2アーム端部のくぼみ面と協働して、電気コネクタと相手側電気コネクタとが嵌合していない位置にある間に、第1アーム端部が第2アーム端部に対して押圧された場合に、嵌合軸に直交した滑りを防止するように適合されている。2つのアームの端部の形状が互いに嵌合するように形成されているので、互いに対して押圧された場合に、端部が滑って逃げる危険性が存在しない。
【0015】
好適な実施形態においては、第1アーム端部は半球形状であり、第2アーム端部の目標部は半球形状である。
【0016】
有利には、第1アーム端部は丸められたバー形状を有し、第2アーム端部の目標部は、丸められたバー形状に対応したU字形状溝を備えている。
【0017】
好適に、第1アーム端部はくさび形状を有し、第2アーム端部の目標部は、くさび形状に対応したV字形状溝を備えている。
【0018】
有利には、第1係止手段は、コネクタ位置保証装置から突出した第1突起および第2突起を備え、嵌合支援装置は支持バーを備えている。支持バーは、第1突起と第2突起との間に配置されて、コネクタ位置保証装置を第3位置に保持している。このことは、追加の部品を必要としない、容易なデザインである。
【0019】
好適に、係止解除手段は、相手側電気コネクタのシュラウドに配置された突起を備え、その突起は、可撓性の第1アームの端部および可撓性の第2アームの端部と係合して、それにより可撓性の第2アームを、嵌合軸に対して垂直に且つ第2アーム端部から第1アーム端部を分離するように柔軟に変形させ、それによりコネクタ位置保証装置を係止解除する。
【0020】
有利には、第2係止手段は、嵌合軸に沿って伸びたコネクタ位置保証装置に配置された係止バーを備え、コネクタ位置保証装置が第4位置にある場合に、可撓性の第1アームの柔軟な変形を防止している。
【0021】
以下において、本発明は添付の図を参照するとともに、例示的に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】電気コネクタおよび相手側電気コネクタを示した斜視図である。
【
図2】コネクタ位置保証装置を示した斜視図である。
【
図4】嵌合されていない電気コネクタを示した斜視図である。
【
図5】ブロック位置にあるコネクタ位置保証装置が入ったキャビティの断面を示した詳細図である。
【
図6】第1アーム端部および第2アーム端部の形状の断面を示した拡大図である。
【
図7】相手側コネクタ内の嵌合された位置にある電気コネクタを示した斜視図である。
【
図8】作動位置/解除位置にあるキャビティおよびコネクタ位置保証装置の断面を示した詳細図である。
【
図9】相手側コネクタ内の嵌合された位置にある電気コネクタを示した斜視図である。
【
図10】嵌合された位置にあるキャビティおよびコネクタ位置保証装置の断面を示した詳細図である。
【
図11】相手側コネクタ内の嵌合された位置にある電気コネクタを示した斜視図である。
【
図12】係止バーを示した、嵌合された位置にあるキャビティおよびコネクタ位置保証装置の断面を示した詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、電気コネクタ10および相手側コネクタ100を示した斜視図である。電気コネクタは、嵌合軸Xを有するコネクタハウジング12と、コネクタハウジング12に取り付けられた嵌合支援装置20と、を備えている。嵌合支援装置20は、コネクタハウジング12を取り囲んでいる。嵌合支援装置20は、第1位置P1から第2位置P2へと、嵌合軸Xに沿って嵌合方向Mに移動可能である。コネクタ位置保証装置60は嵌合支援装置20に取り付けられ、第3位置P3から第4位置P4へと嵌合軸Xに沿って嵌合方向Mに移動可能である。コネクタ位置保証装置60は、電気コネクタ10が相手側コネクタ100に嵌合されていない場合、第1係止手段により第3位置P3において係止されている。
【0024】
図2は、コネクタ位置保証装置を示した斜視図である。コネクタ位置保証装置60は、可撓性の第2アーム64を備えたスライダ部材62を備えている。第2アーム64は、嵌合方向Mに突出している。第2アーム64は第2アーム端部66を備え、第2アーム端部66は、嵌合方向Mに向けられたくぼみ面を備えている。
【0025】
請求項6および請求項8による電気コネクタ10には、丸められたまたはくさび形状の第1アーム端部28が、第2アーム端部66のくぼみ面と協働するように形成されている。
【0026】
図3は、嵌合支援装置を示した斜視図である。嵌合支援装置20はスリーブ形状であり、コネクタハウジング12および嵌合軸Xを取り囲んでいる。嵌合支援装置20は、コネクタ位置保証装置60を移動可能に保持するように適合されたキャビティ30を備えている。キャビティ30は、コネクタ位置保証装置60を挿入および操作するためのキャビティ開口部34を備えている。キャビティ開口部34は、嵌合支援装置20の第1端部22の反対にある第2端部24に配置されており、第1端部22は相手側コネクタ100に向けられている。キャビティ30は、第3位置P3から第4位置P4に向かって嵌合軸Xに沿って移動する間にコネクタ位置保証装置60をガイドするガイド手段を備えている。
【0027】
図4は、嵌合されていない電気コネクタを示した斜視図である。嵌合支援装置20は第1位置P1にあり、コネクタ位置保証装置60は嵌合支援装置20に取り付けられて、第3位置P3に保持されている。
【0028】
図5は、
図4に示された電気コネクタ10の詳細を示した図である。キャビティ30およびコネクタ位置保証装置60は、断面図で示されている。嵌合支援装置20は、キャビティ30内に突出した、可撓性の第1アーム26を備えている。可撓性の第1アーム26は、嵌合方向Mの反対向きに突出している。可撓性の第1アーム26は、第1アーム端部28を備えている。第1アーム端部28は、嵌合方向Mとは反対を向いた、丸められた部分またはくさび形状の部分を備えている。コネクタ位置保証装置60の可撓性の第2アーム64は、嵌合方向Mにおいてキャビティ30内に突出している。第2アーム64は第2アーム端部66を備え、第2アーム端部66は、嵌合方向Mに向けられたくぼみ面を備えている。第1アーム端部28の丸められた部分またはくさび形状の部分は、第2アーム端部66のくぼみ面と協働して、電気コネクタ10が嵌合していない位置にある間に、第2アーム端部66が第1アーム端部28に対して押圧された場合に、嵌合軸Xに直交して滑ることを防止するように適合されている。第1係止手段は、コネクタ位置保証装置60から突出した第1突起70および第2突起72を備え、嵌合支援装置20は、支持バー21を備えている。支持バー21は、第1突起70と第2突起72との間に配置され、位置保証装置60を第3位P3に保持している。
【0029】
図6は、第1アーム端部28および第2アーム端部66を示した拡大断面図である。第1アーム端部28はくさび形状を有し、第2アーム端部66の目標部は、くさび形状のバーに対応したV字形状溝を備えている。
【0030】
図7は、嵌合された位置にある、電気コネクタ10および相手側コネクタ100を示した斜視図である。
【0031】
図8は、解除位置にある、キャビティ30およびコネクタ位置保証装置60の詳細を示した断面図である。コネクタ位置保証装置60は、電気コネクタ10および相手側電気コネクタ100が嵌合されている場合に、相手側電気コネク100に取り付けられた第1係止解除手段により解放される。係止解除手段は、相手側電気コネク100にシュラウド110に配置された突起115を備えている。突起115は、可撓性の第1アーム26および可撓性の第2アーム64と係合して、それにより第2アーム64を嵌合軸に直交して柔軟に変形させ、第1アーム端部28を第2アーム端部66から分離し、それによりコネクタ位置保証装置60を係止解除する。コネクタ位置保証装置60は、嵌合軸Xに沿って嵌合方向において第4位置P4へと移動可能である。
【0032】
図9は、嵌合された位置にある、相手側コネクタ100内の電気コネクタ10を示した斜視図である。
【0033】
図10は、嵌合された位置にある、キャビティ30およびコネクタ位置保証装置60の詳細を示した断面図である。コネクタ位置保証装置60は、第4位置P4において、支持バー21と相互作用した第2突起72により解放可能に保持されている。
【0034】
図11は、嵌合された位置にある、相手側コネクタ100内の電気コネクタ10を示した斜視図である。
【0035】
図12は、嵌合された位置にある係止バーを示した、キャビティ30およびコネクタ位置保証装置60の詳細を示した断面図である。コネクタ位置保証装置60が第4位置P4に移動された場合、解放されたコネクタ位置保証装置60は、電気コネクタ10を相手側電気コネク100に、位置保証装置60に取り付けられた第2係止手段によりしっかりと係止される。第2係止手段は、嵌合軸Xに沿って伸びたコネクタ位置保証装置60に配置された係止バー68を備え、コネクタ位置保証装置60が第4位置P4にある場合に、可撓性の第1アーム26の柔軟な変形を防止している。
【符号の説明】
【0036】
10 ・・・電気コネクタ
12 ・・・コネクタハウジング
20 ・・・嵌合支援装置
21 ・・・支持バー
22 ・・・第1端部
24 ・・・第2端部
26 ・・・第1アーム
28 ・・・第1アーム端部
30 ・・・キャビティ
34 ・・・キャビティ開口部
60 ・・・コネクタ位置保証装置
62 ・・・スライダ部材
64 ・・・第2アーム
66 ・・・第2アーム端部
68 ・・・係止バー
70 ・・・第1突起
72 ・・・第2突起
100 ・・・相手側コネクタ
110 ・・・シュラウド
115 ・・・突起
M ・・・嵌合方向
P1 ・・・第1位置
P2 ・・・第2位置
P3 ・・・第3位置
P4 ・・・第4位置
X ・・・嵌合軸