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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】自動販売機の商品収納装置
(51)【国際特許分類】
   G07F 11/58 20060101AFI20240326BHJP
   G07F 11/00 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
G07F11/58 101
G07F11/00 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020039382
(22)【出願日】2020-03-06
(65)【公開番号】P2020161128
(43)【公開日】2020-10-01
【審査請求日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】P 2019051801
(32)【優先日】2019-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】722012006
【氏名又は名称】サンデン・リテールシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】弁理士法人エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 第
(72)【発明者】
【氏名】角田 勝
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開昭63-061397(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07F 11/00 - 11/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
螺旋状に形成され、当該螺旋により形成される間隙に商品が収納されるスパイラル部材と、
前記スパイラル部材の回転軸方向の一端部を保持する保持部材と、
前記保持部材を回転させることにより、前記スパイラル部材を回転させる駆動機構と
を備え、
前記駆動機構の駆動に基づいて前記スパイラル部材を前記回転軸を中心として回転させることによって、前記間隙に収納された商品を前記回転軸方向に移動させる自動販売機の商品収納装置であって、
前記スパイラル部材は、同一の前記回転軸を有するとともに同一距離の前記間隙を有する第1スパイラル部材及び第2スパイラル部材を有し、
前記第1スパイラル部材及び第2スパイラル部材は、
前記第2スパイラル部材に対し、前記第1スパイラル部材の回転方向における相対位置を変更することによって、前記第1スパイラル部材と前記第2スパイラル部材とによって形成される間隙の距離が変更され
前記保持部材は、前記第1スパイラル部材の一端部を保持する第1保持部材と、前記第1保持部材と係合可能であり、前記第2スパイラル部材の一端部を保持する第2保持部材とからなり、
前記第1保持部材及び前記第2保持部材の一方が他方に対して回転することによって、前記第1スパイラル部材と前記第2スパイラル部材との間に、前記第1保持部材及び前記第2保持部材の一方が他方に対して回転する際の回転角度に応じた距離の間隙が形成される
ことを特徴とする自動販売機の商品収納装置。
【請求項2】
前記第2スパイラル部材は、前記第1スパイラル部材よりも大きいスパイラル径を有することを特徴とする請求項1に記載の自動販売機の商品収納装置。
【請求項3】
前記第1保持部材は、前記第2保持部材に対して回転する際の複数の回転角度位置に係止部を有し、
前記第2保持部材は、前記係止部が係止される被係止部を有し、
前記係止部が前記被係止部に係止することによって、前記第1保持部材の前記第2保持部材に対する回転方向とは反対の回転方向への回転が規制されることを特徴とする請求項に記載の自動販売機の商品収納装置。
【請求項4】
前記保持部材に保持される前記第1スパイラル部材の回転軸方向の他端部に取り付けられる第1軸保持部材と、前記保持部材に保持される前記第2スパイラル部材の回転軸方向の他端部に取り付けられる第2軸保持部材とを有し、前記第1軸保持部材と前記第2軸保持部材とが互いに回動自在に連結されてなる軸位置保持部材をさらに備え、
前記軸位置保持部材は、
前記第1軸保持部材が前記第1スパイラル部材の回転軸方向の他端部に取り付けられ、
且つ、前記第2軸保持部材が前記第2スパイラル部材の回転軸方向の他端部に取り付けられた状態で、前記第1スパイラル部材の回転軸と前記第2スパイラル部材の回転軸とを一致させる
ことを特徴とする請求項1に記載の自動販売機の商品収納装置。
【請求項5】
前記第1軸保持部材及び前記第2軸保持部材の少なくとも一方は、前記スパイラル部材に対して商品の移動方向に張り出す押出片を有する
ことを特徴とする請求項に記載の自動販売機の商品収納装置。
【請求項6】
螺旋状に形成され、当該螺旋により形成される間隙に商品が収納されるスパイラル部材と、
前記スパイラル部材の回転軸方向の一端部を保持する保持部材と、
前記保持部材を回転させることにより、前記スパイラル部材を回転させる駆動機構と、
を備え、
前記駆動機構の駆動に基づいて前記スパイラル部材を、前記回転軸を中心として回転させることによって、前記間隙に収納された商品を前記回転軸方向に移動させる自動販売機の商品収納装置であって、
前記スパイラル部材は、同一の前記回転軸を有するとともに同一距離の前記間隙を有する第1スパイラル部材及び第2スパイラル部材を有し、
前記第1スパイラル部材及び第2スパイラル部材は、
前記第2スパイラル部材に対し、前記第1スパイラル部材の回転方向における相対位置を変更することによって、前記第1スパイラル部材と前記第2スパイラル部材とによって形成される間隙の距離が変更され、
前記保持部材は、前記第1スパイラル部材の一端部を保持する第1保持部分と、前記第2スパイラル部材の一端部を保持する第2保持部分とからなり、
前記第1保持部分における周方向の角度位置及び前記第2保持部分の周方向の角度位置の一方が他方に対して変更されることによって、前記第1スパイラル部材と前記第2スパイラル部材との間に、前記第1保持部分における周方向の角度位置及び前記第2保持部分における周方向の角度位置の一方が他方に対して変更される際の変更角度に応じた距離の間隙が形成される
ことを特徴とする自動販売機の商品収納装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動販売機の商品収納装置に関し、特に、箱、袋、カップ等に収容した食品や、缶、ボトル、カップ、紙パック等に収容した飲料等、様々なサイズの商品を収納可能な自動販売機の商品収納装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の商品収納装置としては、螺旋状に形成され、その螺旋により形成される間隙に商品を収納するスパイラル部材と、スパイラル部材を回転させる駆動機構とを備え、駆動機構の駆動に基づいてスパイラル部材が回転することによって間隙に収納された商品を移動させるものがある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6344427号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような従来の商品収納装置におけるスパイラル部材は、商品を収納するための間隙がその商品のサイズに応じたものとなっている。そのため、この商品収納装置では、収納する商品を別のサイズの商品に変更する場合に、その間隙の距離を、変更する商品のサイズに応じた距離に変えなければならない。
【0005】
しかしながら、従来の商品収納装置において、スパイラル部材の間隙の距離を変えるには、スパイラル部材を別のスパイラル部材と交換するしかなく、作業者による交換作業の負担が大きくなるといった問題があった。また、スパイラル部材の交換によって、使用されないスパイラル部材の保管場所が必要となり、適当な保管場所が無い場合には、例えば自動販売機の機械室内部や作業者の自動車の内部等に無造作に保管されることとなり、結果としてスパイラル部材の管理が難しくなるといった問題もあった。
【0006】
本発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたものであり、スパイラル部材を交換せずとも、スパイラル部材の商品を収納するための間隙の距離を変更することが可能な自動販売機の商品収納装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するため、本発明に係る自動販売機の商品収納装置は、螺旋状に形成され、当該螺旋により形成される間隙に商品が収納されるスパイラル部材と、前記スパイラル部材の回転軸方向の一端部を保持する保持部材と、前記保持部材を回転させることにより、前記スパイラル部材を回転させる駆動機構とを備え、前記駆動機構の駆動に基づいて前記スパイラル部材を前記回転軸を中心として回転させることによって、前記間隙に収納された商品を前記回転軸方向に移動させる自動販売機の商品収納装置であって、前記スパイラル部材は、同一の前記回転軸を有するとともに同一距離の前記間隙を有する第1スパイラル部材及び第2スパイラル部材を有し、前記第1スパイラル部材及び第2スパイラル部材は、前記第2スパイラル部材に対し、前記第1スパイラル部材の回転方向における相対位置を変更することによって、前記第1スパイラル部材と前記第2スパイラル部材とによって形成される間隙の距離が変更され、前記保持部材は、前記第1スパイラル部材の一端部を保持する第1保持部材と、前記第1保持部材と係合可能であり、前記第2スパイラル部材の一端部を保持する第2保持部材とからなり、前記第1保持部材及び前記第2保持部材の一方が他方に対して回転することによって、前記第1スパイラル部材と前記第2スパイラル部材との間に、前記第1保持部材及び前記第2保持部材の一方が他方に対して回転する際の回転角度に応じた距離の間隙が形成されることを特徴とする
また上述の目的を達成するため、本発明に係る自動販売機の商品収納装置は、螺旋状に形成され、当該螺旋により形成される間隙に商品が収納されるスパイラル部材と、前記スパイラル部材の回転軸方向の一端部を保持する保持部材と、前記保持部材を回転させることにより、前記スパイラル部材を回転させる駆動機構と、を備え、前記駆動機構の駆動に基づいて前記スパイラル部材を、前記回転軸を中心として回転させることによって、前記間隙に収納された商品を前記回転軸方向に移動させる自動販売機の商品収納装置であって、前記スパイラル部材は、同一の前記回転軸を有するとともに同一距離の前記間隙を有する第1スパイラル部材及び第2スパイラル部材を有し、前記第1スパイラル部材及び第2スパイラル部材は、前記第2スパイラル部材に対し、前記第1スパイラル部材の回転方向における相対位置を変更することによって、前記第1スパイラル部材と前記第2スパイラル部材とによって形成される間隙の距離が変更され、前記保持部材は、前記第1スパイラル部材の一端部を保持する第1保持部分と、前記第2スパイラル部材の一端部を保持する第2保持部分とからなり、前記第1保持部分における周方向の角度位置及び前記第2保持部分の周方向の角度位置の一方が他方に対して変更されることによって、前記第1スパイラル部材と前記第2スパイラル部材との間に、前記第1保持部分における周方向の角度位置及び前記第2保持部分における周方向の角度位置の一方が他方に対して変更される際の変更角度に応じた距離の間隙が形成されることを特徴とする。
【0008】
これにより、本発明に係る自動販売機の商品収納装置は、スパイラル部材を交換せずとも、第2スパイラル部材に対し、第1スパイラル部材の回転方向における相対位置を変更するだけで、第1スパイラル部材と第2スパイラル部材とによって形成される間隙の距離を変更することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る自動販売機の商品収納装置によれば、スパイラル部材を交換せずとも、第1スパイラル部材と第2スパイラル部材とによって形成される間隙の距離を変更することができるので、収納する商品を容易に別のサイズの商品に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】自動販売機の正面図である。
図2】自動販売機の側面断面図である。
図3】(a)は第1保持部材に保持された第1スパイラル部材の斜視図であり、(b)は第2保持部材に保持された第2スパイラル部材の斜視図である。
図4】自動販売機が図2に示す状態であるときのスパイラル部材及び保持部材を示す斜視図である。
図5図4に示す状態のスパイラル部材に商品が収納された商品収納装置を上方から見た図である。
図6】互いに係合させる向きに配置した第1保持部材及び第2保持部材の斜視図である。
図7図6の第1保持部材及び第2保持部材を別の方角から見た斜視図である。
図8】第1保持部材と第2保持部材とが係合してなる保持部材の側面図である。
図9】保持部材において、第1保持部材を第2保持部材に対して回転させる際の第1保持部材の動作を説明するための図である。
図10】第1保持部材に保持される第1スパイラル部材と、第2保持部材に保持される第2スパイラル部材との間に距離Lの間隙が形成された状態を示す斜視図である。
図11図10に示す状態のスパイラル部材に商品が収納された商品収納装置を上方から見た図である。
図12】第1スパイラル部材と第2スパイラル部材との間に距離Lの間隙と距離Lの間隙とが形成された状態を示す斜視図である。
図13図12に示す状態のスパイラル部材に商品が収納された商品収納装置を上方から見た図である。
図14】自動販売機を正面に対して右側から見た側面図であり、図2とは別の状態を示す図である。
図15】軸位置保持部材の全体構成を示す斜視図である。
図16】保持部材に保持されるスパイラル部材の回転軸方向の前端部に軸位置保持部材が取り付けられた状態を示す斜視図である。
図17】軸位置保持部材が取り付けられたスパイラル部材を有する商品収納装置に商品が収納された様子を上方から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1乃至図14を用いて本発明の一実施形態(以下、これを「本実施の形態」という。)について説明する。
【0012】
図1は、自動販売機1の正面図であり、図2は、自動販売機1の側面断面図である。図1及び図2に示すように、自動販売機1は、前面の一部を透明部材によって形成することで内部が目視可能とされた自動販売機本体10と、自動販売機本体10内に配置された複数の商品収納装置20と、各商品収納装置20によって移動(搬送)された商品を受容する商品バケット30と、商品バケット30を上下方向及び左右方向に移動させるバケット移動機構40とを備えている。
【0013】
自動販売機本体10は、前面を開口しており、その前面開口部が外扉11によって開閉するように構成されている。外扉11の前面下部及び一側部を除く部分には透明のガラス窓11aが設けられており、ガラス窓11aを透して自動販売機本体10内を外部から目視可能となっている。
【0014】
また、自動販売機本体10の前面には、紙幣投入口12と、硬貨投入口13と、金額表示部14と、硬貨返却口15と、商品選択操作部16と、商品取出口17とが設けられている。また、自動販売機本体10内には、商品収納庫18が設けられており、商品収納庫18内に各商品収納装置20が配置されている。
【0015】
商品収納装置20は、箱に菓子、インスタント食品、健康食品等の食品が収容された商品を収納するものである。この商品収納装置20は、商品収納庫18内において、上下方向に複数段設けられているとともに、各段の左右方向に複数設けられている。なお、商品としては、箱に菓子が収容されたものに限定されず、例えば缶、ボトル、カップ、紙パック等に飲料が収容されたもの、缶、袋、カップに菓子、パン、インスタント食品、健康食品等の食品が収容されたもの等、様々な種類及びサイズの商品が挙げられる。
【0016】
図1又は図2に示すように、商品収納装置20は、棚を形成する底部21と、底部21の幅方向の両側にそれぞれ設けられた側板22と、螺旋状に形成され、その螺旋により形成される間隙に商品を収納するスパイラル部材23と、スパイラル部材23の回転軸方向の一端部を保持する保持部材24と、保持部材24を回転させることによってスパイラル部材23を回転させる駆動機構25とを備える。このスパイラル部材23は、底部21と、その幅方向の両側にそれぞれ設けられた側板22とで仕切られる空間内に配置される。
【0017】
後述する図3に示すように、スパイラル部材23は、距離Lの間隙を有する第1スパイラル部材231と、同じく距離Lの間隙を有するとともに、第1スパイラル部材231よりも僅かに大きいスパイラル径を有する第2スパイラル部材232とからなる。スパイラル部材23は、第2スパイラル部材232の内側に、それよりもスパイラル径が小さい第1スパイラル部材231が配置されることで、第1スパイラル部材231と第2スパイラル部材232とが重なり合った二重のスパイラル部材を構成している。
【0018】
図1に示すように、商品収納庫18内の上から1段目から3段目には、1個の商品を、1つの二重のスパイラル部材23の間隙に収納する商品収納装置201が備えられている。商品収納庫18内の上から4段目及び5段目には、1個の商品を、互いに巻回方向が異なる2つの二重のスパイラル部材23の間隙に収納する商品収納装置202が備えられている。
【0019】
図2の側面図には、図1において、最も右側に配置された商品収納装置20として、商品収納庫18内の上から1段目から3段目までの商品収納装置201A、201B、201Cと、商品収納庫18内の上から4段目及び5段目の商品収納装置202A、202Bが示されている。なお、ここでは、主に商品収納装置201について詳細に説明する。
【0020】
保持部材24は、第1スパイラル部材231の回転軸方向の一端部を装着して保持する第1保持部材241と、第2スパイラル部材232の回転軸方向の一端部を装着して保持する第2保持部材242とが係合してなるものである。保持部材24は、第1スパイラル部材231及び第2スパイラル部材232からなるスパイラル部材23を保持した状態で駆動機構25に装着される。
【0021】
駆動機構25は、回転可能なモータ(図示せず)を有している。駆動機構25のモータが回転すると、駆動機構25に装着された保持部材24は、所定の回転方向に回転する。これにより、保持部材24に保持されたスパイラル部材23も、その所定の回転方向に回転する。このように、スパイラル部材23を構成する第1スパイラル部材231及び第2スパイラル部材232は、同一の回転軸を中心として同一の回転方向に回転する。
【0022】
図2に示すように、自動販売機1において、商品バケット30は、外扉11の背面側と各商品収納装置20との間の空間に配置され、バケット移動機構40によって上下方向及び左右方向に移動するようになっている。
【0023】
バケット移動機構40は、商品バケット30を左右方向に移動させる左右駆動部41と、左右駆動部41を上下方向に移動させる左右一対の上下駆動部42とからなる。各上下駆動部42は、自動販売機本体10内の幅方向両側にそれぞれ配置されている。左右駆動部41は、商品バケット30を左右方向に延びるガイドレール(図示せず)によって移動自在に支持しており、左右移動用モータ(図示せず)によって商品バケット30をガイドレールに沿って左右方向に移動させるように構成される。上下駆動部42は、左右駆動部41を上下方向に延びるガイドレール42aによって移動自在に支持しており、上下移動用モータ(図示せず)によって商品バケット30をガイドレール42aに沿って上下方向に移動させるように構成される。
【0024】
以上のように構成された自動販売機1では、金銭が投入され、商品選択操作部16によって商品が選択されると、駆動機構25が、商品選択操作部16からの信号に基づいてモータを正方向に回転させて保持部材24を所定の回転方向に回転させ、これによって二重のスパイラル部材23をその所定の回転方向に回転させる。
【0025】
これにより、スパイラル部材23の間隙に収納された商品は、自動販売機本体10の前方側に移動する。これに伴い、バケット移動機構40によって商品バケット30が、選択された商品に対応する商品収納装置20まで移動する。そして、商品収納装置20から商品が商品バケット30に受容される。商品を受容した商品バケット30は、バケット移動機構40によって商品取出口17まで移動し、商品バケット30内の商品が商品取出口17に搬出される。
【0026】
次に、スパイラル部材23の詳細について図3を参照して説明する。図3(a)は第1保持部材241に保持された第1スパイラル部材231の斜視図であり、図3(b)は第2保持部材242に保持された第2スパイラル部材232の斜視図である。
【0027】
図3(a)及び図3(b)に示すように、第1スパイラル部材231及び第2スパイラル部材232は、何れも、螺旋により形成される、商品を収納可能な間隙を7つ形成しており、その間隙の距離として距離Lを有している。
【0028】
なお、第1スパイラル部材231及び第2スパイラル部材232における螺旋により形成される間隙の数は何れも7であるが、これに限定されず、何れの数であってもよい。また、この間隙の距離の値は、何れの値であってもよい。
【0029】
図3(a)に示すように、第1保持部材241は、第1スパイラル部材231の回転軸方向の一端部を側面部241Bに装着することで第1スパイラル部材231を保持する。この第1保持部材241は、第2保持部材242と係合する側の係合部241Aとは反対側の非係合部241Cが第1スパイラル部材231の巻回方向を向くように第1スパイラル部材231を保持する。
【0030】
また、図3(b)に示すように、第2保持部材242は、第2スパイラル部材232の回転軸方向の一端部を側面部242Bに装着することで第2スパイラル部材232を保持する。この第2保持部材242は、第1保持部材241と係合する側の係合部242Aが第2スパイラル部材232の巻回方向を向くように第2スパイラル部材232を保持する。また、第2保持部材242における係合部242Aとは反対側の非係合部242Cは、駆動機構25に装着される。
【0031】
第2スパイラル部材232は、第1スパイラル部材231よりも僅かに大きいスパイラル径を有していることから、これに応じ、第2保持部材242の側面部242Bは、第1保持部材241の側面部241Bよりも僅かに大きい外径を有している。
【0032】
図4は、自動販売機1が図2に示す状態であるときのスパイラル部材23及び保持部材24を示す斜視図である。第1スパイラル部材231に装着された第1保持部材241と、第2スパイラル部材232に装着された第2保持部材242とを係合させた後、第1保持部材241を第2保持部材242に対して回転させることで、図4に示すように、第1スパイラル部材231と第2スパイラル部材232とを重ねて配置することができる。
【0033】
スパイラル部材23の図4に示す状態は、第1スパイラル部材231と第2スパイラル部材232との間に間隙が形成されない状態である。そのため、この状態のスパイラル部材23は、商品を収納可能な間隙を7つ形成しており、その間隙の距離が、第1スパイラル部材231及び第2スパイラル部材232の何れの間隙の距離とも同一の距離Lとなっている。
【0034】
図5は、図4に示す状態のスパイラル部材23に商品が収納された商品収納装置201を上方から見た図である。スパイラル部材23が有する距離Lの7つ間隙のそれぞれには、その距離Lに応じた厚みを有する商品Aを収納することができる。すなわち、スパイラル部材23には、この厚みの商品Aを最大で7個収納することができる。
【0035】
次に、図6乃至図9を用いて、保持部材24を構成する第1保持部材241及び第2保持部材242について説明する。
【0036】
図6は、互いに係合させる向き(XYZ軸空間のZ軸方向)に配置した第1保持部材241及び第2保持部材242の斜視図である。また、図7は、図6の第1保持部材241及び第2保持部材242を別の方角から見た斜視図である。
【0037】
図6には、第1保持部材241の非係合部241Cが示されている。第1保持部材241は、非係合部241Cにおいて、第2保持部材242を係合させるための貫通穴2401が形成されている。貫通穴2401には、第1角穴部2401a及び第2角穴部2401bが形成されている。第1保持部材241は、第2保持部材242と係合した状態で、第2保持部材242に対し、貫通穴2401内に位置する中心点を通る回転軸を中心として回転可能である。
【0038】
また、図6に示すように、第1保持部材241の側面部241Bには、第1スパイラル部材231の回転軸方向の一端部を装着して保持するための第1スパイラル保持部2402が形成されている。
【0039】
また、図6には、第2保持部材242の係合部242Aが示されている。第2保持部材242は、係合部242Aにおいて、第1保持部材241の貫通穴2401に挿入される突起部2431と、突起部2431の先端に設けられる固定部2432とが形成されている。固定部2432は、第1角穴部2401a及び第2角穴部2401bの何れかに挿入されて回転により固定される、第1固定部2432a及び第2固定部2432bからなる。また、第2保持部材242の前面部242Aには、被係止溝(被係止部)2433a及び内壁2433bを含む溝部2433が形成されている。
【0040】
また、図6に示すように、第2保持部材242の側面部242Bには、第2スパイラル部材232の回転軸方向の一端部を装着して保持するためのするための第2スパイラル保持部2434が形成されている。
【0041】
図7には、第1保持部材241の係合部241Aが示されている。第1保持部材241は、この係合部241Aにおいて、8つの係止部2403が、第1保持部材241の回転中心に対する一定の回転角度(45度)毎に形成されている。係止部2403は、第1保持部材241と中心点が同一の円形の外周部2404から略放射状に延びる基部2403aと、基部2403aの先端から第1保持部材241の回転方向とは反対の方向に屈曲される屈曲部2403bとからなる。屈曲部2403bの先端には、鋭角状の係止先端部2403cが形成されている。第1保持部材241と第2保持部材242とを係合する際には、この係止部2403が、第2保持部材242の前面部242Aにおける溝部2433に挿入される。
【0042】
また、図7には、第2保持部材242の非係合部242Cが示されている。この非係合部242Cには、駆動機構25に装着可能な4つの突出部2435が、第2保持部材242の回転中心に対する一定の回転角度(90度)毎に設けられている。突出部2435の先端には、駆動機構25に装着されるための爪部2435aが形成されている。
【0043】
図8は、このような第1保持部材241と第2保持部材242とが係合してなる保持部材24の側面図である。第1保持部材241と第2保持部材242とが係合される際には、第1保持部材241の係合部241A側の貫通穴2401に第2保持部材242の係合部242Aの突起部2431が挿入される。その際、突起部2431の先端の第1固定部2432a及び第2固定部2432bは、貫通穴2401の第1角穴部2401a及び第2角穴部2401bに挿入されると、図8に示すように非係合部241C側から露出するようになる。
【0044】
その状態で、第1保持部材241を第2保持部材242に対して回転させると、その回転に応じて、第1固定部2432a及び第2固定部2432bが、非係合部241Cにおける第1角穴部2401a及び第2角穴部2301bとは異なる回転角度位置まで回転する。すると、第1保持部材241から第2保持部材242を取り外そうとしても、第1固定部2432a及び第2固定部2432bが非係合部241Cに係止されるため、取り外しが不可能になる。これにより、互いに係合した第1保持部材241と第2保持部材242とは、固定されることになる。
【0045】
図9は、保持部材24において、第1保持部材241を第2保持部材242に対して回転させる際の第1保持部材241の動作を説明するための図である。この図9は、第1保持部材241の非係合部241C側から見た保持部材24における説明に必要な要部を示している。但し、第1保持部材241と第2保持部材242とが係合された保持部材24の内部は、視認することができない。そこで、図9では、説明のために、視認不可能な保持部材24の内部も含めた要部を表示している。図9において、第1保持部材241の要部については一点鎖線で示し、第2保持部材242の要部については実線で示している。
【0046】
図9(a)に示すように、第1保持部材241を第2保持部材242と係合させる際には、第1保持部材241の係止部2403を第2保持部材242の溝部2433に挿入させる。そして、中心点Aを通る回転軸を中心として、第1保持部材241を第2保持部材242に対して矢印で示される回転方向に回転させる。
【0047】
すると、図9(b)に示すように、係止部2403の係止先端部2403cが溝部2433の被係止溝2433aに係止され、第1保持部材241が矢印で示される回転方向とは反対の回転方向には回転できない状態となる。このため、第1保持部材241は、第2保持部材242に対して矢印で示される回転方向に45度回転する毎に、係止先端部2403cが被係止溝2433aに係止され、この回転方向とは反対の回転方向への回転が規制される。
【0048】
このことから、第1保持部材241は、矢印で示される回転方向のみに回転可能となる。第1保持部材241は、この回転方向に回転する際、図9(c)に示すように、係止先端部2403cが溝部2433の内壁2433bに当接しつつ、屈曲部2403bが中心点A側に撓むことで、スムーズに矢印で示される回転方向に回転していくことになる。
【0049】
第1保持部材241を第2保持部材242に対して所定の回転方向に任意の回転角度回転させると、第1保持部材241に保持されている第1スパイラル部材231も、その所定の回転方向にその回転角度だけ第2スパイラル部材232に対して回転する。第1スパイラル部材231の第2スパイラル部材232に対する回転によって、第1スパイラル部材231と第2スパイラル部材232との間には、その回転角度に応じた距離を有する間隙が形成される。このように、第1スパイラル部材231及び第2スパイラル部材232は、第2スパイラル部材232に対し、第1スパイラル部材231の回転方向における相対位置が変更されることによって、第1スパイラル部材231と第2スパイラル部材232とによって形成される間隙の距離が変更される。
【0050】
図10は、第1保持部材241に保持される第1スパイラル部材231と、第2保持部材242に保持される第2スパイラル部材232との間に距離Lの間隙が形成された状態を示す斜視図である。
【0051】
先の図4に示す状態のスパイラル部材23及び保持部材24について、第1保持部材241を第2保持部材242に対して先の中心点Aを通る回転軸と同一の回転軸を中心として矢印に示される回転方向に180度回転させると、これに応じて、第1スパイラル部材231も、第2スパイラル232に対してこの回転方向に180度回転する。すると、図10に示すように、第1スパイラル部材231と、第2スパイラル部材232との間には、距離Lの間隙が形成されるようになる。この距離Lは、第1スパイラル部材231及び第2スパイラル部材232のそれぞれの間隙の距離である距離Lの2分の1の距離である。これにより、図10に示す状態のスパイラル部材23は、この距離Lの間隙を14個有することになる。
【0052】
図11は、図10に示す状態のスパイラル部材23に商品が収納された商品収納装置201を上方から見た図である。スパイラル部材23が有する距離Lの14個の間隙のそれぞれには、その距離Lに応じた厚みを有する商品Bを収納することができる。すなわち、商品収納装置201は、スパイラル部材23の間隙の距離を距離Lからその距離の2分の1の距離Lに変更することで、商品Aの2分の1の厚みの商品Bを、商品Aの2倍量である14個収納することができる。
【0053】
図12は、第1スパイラル部材231と第2スパイラル部材232との間に距離Lの間隙と距離Lの間隙とが形成された状態を示す斜視図である。
【0054】
先の図4に示す状態のスパイラル部材23及び保持部材24について、第1保持部材241を第2保持部材242に対して先の中心点Aを通る回転軸と同一の回転軸を中心として矢印に示される方向に240度回転させると、これに応じて、第1スパイラル部材231も、第2スパイラル232に対してこの方向に240度回転する。すると、図12に示すように、第1スパイラル部材231と第2スパイラル部材232との間には、距離Lの間隙と距離Lの間隙とが形成されるようになる。距離Lは、第1スパイラル部材231及び第2スパイラル部材232のそれぞれの間隙の距離である距離Lの3分の1の距離である。また、距離Lは、この距離Lの3分の2の距離である。これにより、図12に示す状態のスパイラル部材23は、距離Lの間隙と距離Lの間隙とをそれぞれ7つ有することになる。
【0055】
図13は、図12に示す状態のスパイラル部材23に商品が収納された商品収納装置201を上方から見た図である。図13に示すスパイラル部材23が有する7つの距離Lの間隙のそれぞれには、その間隙の距離Lに応じた厚みを有する商品Cを収納することができる。すなわち、商品収納装置201は、スパイラル部材23の間隙の距離を距離Lからその距離の3分の2の距離Lに変更することで、商品Aの3分の2の厚みの商品Cを7個収納することができる。
【0056】
商品収納装置201は、この図13に示す状態では、スパイラル部材23が有する7つの距離Lの間隙の何れにも商品は収納されない。これにより、商品収納装置201における商品C間の間隔を広くすることができ、商品C同士が接触し難い余裕のある商品収納を実現することができる。また、このような商品収納により、最前列よりも後方に収納された商品を消費者に見せ易くすることが可能となる。しかしながら、これに限定されず、スパイラル部材23が有する距離Lの間隙に、この距離Lに応じた厚みを有する商品を収納するようにしてもよい。
【0057】
このように、商品収納装置201では、第2スパイラル部材232に対し、第1スパイラル部材231の回転方向における相対位置を変更することによって、第1スパイラル部材231と第2スパイラル部材232とによって形成される間隙の距離を、収納する商品のサイズに応じた距離に変更することができる。
【0058】
上述したように、図1に示す商品収納庫18内の上から4段目及び5段目には、1個の商品を、互いに巻回方向が異なる2つの二重のスパイラル部材23の間隙に収納する商品収納装置202が備えられている。このような商品収納装置202は、上述の二重のスパイラル部材23と、これとは巻回方向が逆である二重スパイラル部材(図示せず)とが、互いに反対の回転方向に回転することによって、収納された商品を移動させるようにしている。なお、商品収納装置202における2つの二重のスパイラル部材の何れも、その間隙の距離が距離Lに設定されている。
【0059】
図14は、図2と同様に、自動販売機1を正面に対して右側から見た側面図である。図14に示す側面図には、商品収納装置201Bが備えるスパイラル部材23の間隙の距離を距離L1から距離L2に変更し(図10参照)、商品収納装置201Cが備えるスパイラル部材23における間隙の距離を距離L1から距離L3及び距離L4に変更し(図12参照)、商品収納装置202Bが備える2つの二重のスパイラル部材のそれぞれにおける間隙の距離についても、距離L1から距離L3及び距離L4に変更した状態が示されている。
【0060】
このように、商品収納装置20によれば、第1スパイラル部材231と第2スパイラル部材232とによって形成される間隙の距離を何れの距離に変更する場合であっても、第1保持部材241を第2保持部材242に対して任意の回転角度だけ回転させるといった簡易な操作を行うだけで、その距離を変更することができる。これにより、この商品収納装置20では、スパイラル部材23を交換せずとも、スパイラル部材23の間隙の距離を変更することができるため、収納する商品を、別のサイズの商品に容易に変更することができる。
【0061】
上述の実施の形態では、第1保持部材241を第2保持部材242に対して回転させる場合について説明したが、この例に限定されない。例えば、第2保持部材242を第1保持部材241に対し、第1保持部材241を回転させた場合とは反対の回転方向に回転させるようにしてもよい。第2保持部材242を第1保持部材241に対して回転させるようにしても、上述の例と同様に、第1スパイラル部材231と第2スパイラル部材232との間の間隙の距離を設定することができる。
【0062】
また、上述の実施の形態では、第2スパイラル部材232が、第1スパイラル部材231よりも僅かに大きいスパイラル径を有することとしたが、これに限定されない。例えば、第1スパイラル部材231のスパイラル径と第2スパイラル部材232のスパイラル径とが同一であってもよい。
【0063】
また、自動販売機1は、次に説明するような軸位置保持部材を有する商品収納装置を備えるようにしてもよい。図15は、軸位置保持部材の全体構成を示す斜視図である。図16は、保持部材に保持されるスパイラル部材の回転軸方向の前端部(保持部材に保持される側である後端部(一端部)とは反対側(他端部))に軸位置保持部材が取り付けられた状態を示す斜視図である。図17は、軸位置保持部材が取り付けられたスパイラル部材を有する商品収納装置に商品が収納された様子を上方から見た図である。
【0064】
図15に示すように、軸位置保持部材34は、第1軸保持部材341及び第2軸保持部材342を有する。第1軸保持部材341と第2軸保持部材342とは、連結部343において連結しており、これにより互いに回動自在な状態となっている。
【0065】
このような軸位置保持部材34は、弾性を有する材料、例えばポリカーボネート等の合成樹脂によって製造される。
【0066】
第1軸保持部材341は、第1回転板部3411と、第1装着部3412と、第1押出片3413と、連結突部3414とを有する。また、第2軸保持部材342は、第2回転板部3421と、第2装着部3422と、第2押出片3423と、連結孔部3424とを有する。
【0067】
連結部343は、連結突部3414と、連結孔部3424とからなる。連結突部3414は、先端が鋭角の三角形状の第1連結突部3414a及び第2連結突部3414bが撓みながら連結孔部3424に挿入され、第1引掛爪3414a-1及び第2引掛爪3414b-1が連結孔部3424の孔周縁に引っ掛かることで挿入方向とは反対方向への動きが規制され、これにより、連結孔部3424と連結するようになっている。第1軸保持部材341と第2軸保持部材342とは、このような連結部343において、互いに回動自在に連結される。
【0068】
第1軸保持部材341の第1回転板部3411は、連結突部3414に隣接して略扇形を形成するように広がる平面であり、その略扇形の円弧となる第1回転板部341の先端が第1押出片3413と繋がっている。第1装着部3412は、第1スパイラル部材331の回転軸方向の前端部(他端部)に装着可能な溝を有している。第1押出片3413は、第1装着部3412の溝の一方側に沿うように形成されている。同様に、第2軸保持部材342の第2回転板部3421は、連結孔部3424に隣接して略扇形を形成するように広がる平面であり、その略扇形の円弧となる第2回転板部342の先端が第2押出片3423と繋がっている。第2装着部3422は、第2スパイラル部材332の回転軸方向の前端部(他端部)に装着可能な溝を有している。第2押出片3423は、第2装着部3422の溝の一方側に沿うように形成されている。
【0069】
このような構成を有する軸位置保持部材34は、図16に示すように、保持部材24によって保持されている二重のスパイラル部材33の回転軸方向の前端部に取り付けられる。この際、第1装着部3412の溝に第1スパイラル部材331の回転軸方向の前端部を嵌めるとともに、第2装着部3422の溝に第2スパイラル部材332の回転軸方向の前端部を嵌めることで、第1装着部3412及び第2装着部3422をスパイラル部材33の回転軸方向の前端部に装着固定させる。この図16に示す軸位置保持部材34は、第2保持部材242に対する第1保持部材241の回転に応じて第1軸保持部材341が第2軸保持部材342に対して回動する。
【0070】
この軸位置保持部材34は、第1軸保持部材341が第1スパイラル部材331の回転軸方向の前端部(他端部)に取り付けられ、且つ、第2軸保持部材342が第2スパイラル部材332の回転軸方向の前端部(他端部)に取り付けられた状態で、第1スパイラル部材331の前端部及び第2スパイラル部材332の前端部それぞれの自由な動きを抑制して、第1スパイラル部材331の回転軸と第2スパイラル部材332の回転軸とを回転軸Cに一致させる。このような第1スパイラル部材331と第2スパイラル部材332とは、第2スパイラル部材332に対する第1スパイラル部材331の回転方向における相対位置が変更されたとしても、共通の回転軸Cを有した状態が保持される。
【0071】
自動販売機1は、図17に示すような商品収納装置100A、100Bを備える。この商品収納装置100A、100Bは、何れも、第1スパイラル部材331及び第2スパイラル部材332からなる二重のスパイラル部材33と、第1スパイラル部材351及び第2スパイラル部材352からなる二重のスパイラル部材35とを備える。第1スパイラル部材351及び第2スパイラル部材352は、対称軸Tに対して第1スパイラル部材331及び第2スパイラル部材332とは逆方向の巻回方向を有する。この商品収納装置100A、100Bの何れも、図17に示すように、2つの二重のスパイラル部材33、35によって形成される間隙に1個の商品を収納する。自動販売機1において、商品収納装置100A、100Bは、スパイラル部材33、35の回転軸方向の保持部材24に保持される後端部(一端部)が自動販売機1の後方側に位置し、スパイラル部材33、35の回転軸方向の前端部(他端部)が自動販売機1の前方側に位置するように設置される。
【0072】
商品収納装置100A、100Bでは、スパイラル部材33の回転軸方向の前端部に軸位置保持部材34が取り付けられている。また、スパイラル部材35の回転軸方向の前端部に、対称軸Tに対して軸位置保持部材34とは対照的な構造を有する軸位置保持部材36が取り付けられている。具体的に、第1スパイラル部材351には、対称軸Tに対して第1軸保持部材341とは対照的な構造を有する第1軸保持部材361が取り付けられ、第2スパイラル部材352には、対称軸Tに対して第2軸保持部材342とは対照的な構造を有する第2軸保持部材362が取り付けられている。
【0073】
図17に示す商品収納装置100Aでは、2つの二重のスパイラル部材33、35において、第2保持部材242に対する第1保持部材241の一定方向の回転に応じた間隙を形成している。例えば、第2保持部材242に対して第1保持部材241を240度回転させることにより、第1スパイラル部材331と第2スパイラル部材332との間、第1スパイラル部材351と第2スパイラル部材352との間に、距離L11の間隙及び距離L12の間隙が形成される(距離L11は、第1スパイラル部材331及び351、第2スパイラル部材332及び352のそれぞれの間隙の距離である距離L10の3分の2の距離であり、距離L12は距離L10の3分の1の距離である)。
【0074】
一方、図17に示す商品収納装置100Bでは、2つの二重のスパイラル部材33、35において、第1スパイラル部材331と第2スパイラル部材332との間、第1スパイラル部材351と第2スパイラル部材352との間の何れにおいても間隙を形成しない状態となっている。
【0075】
商品収納装置100Bでは、スパイラル部材33、35が有する距離L10の間隙に、その間隙の距離L10に応じた厚みを有する商品Eを収納している。商品収納装置100Aでは、スパイラル部材33、35が有する6つの距離L11の間隙に、その間隙の距離L11に応じた厚み、すなわち商品Eの3分の2の厚みを有する商品Dを収納している。
【0076】
商品収納装置100A、100Bでは、軸位置保持部材34によって第1スパイラル部材331の回転軸と第2スパイラル部材332の回転軸とを回転軸Cに一致させるとともに、軸位置保持部材36によって第1スパイラル部材351の回転軸と第2スパイラル部材352の回転軸とを回転軸Cに一致させる。これにより、商品収納装置100A、100Bでは、第2スパイラル部材332に対する第1スパイラル部材331の回転方向における相対位置、第2スパイラル部材352に対する第1スパイラル部材351の回転方向における相対位置がそれぞれ変更されたとしても、第1スパイラル部材331と第2スパイラル部材332との間、第1スパイラル部材351と第2スパイラル部材352との間において、共通の回転軸C、Cを有した状態が保持される。
【0077】
そのため、スパイラル部材33、35において、商品を収納するための間隙として所望の距離の間隙を形成する場合に、スパイラル部材33、35の回転軸方向の何れの位置においても、その間隙の距離を安定的に所望の距離とすることができる。
【0078】
例えば図17の商品収納装置100Aのように、第1スパイラル部材331と第2スパイラル部材332との間隙、及び、第1スパイラル部材351と第2スパイラル部材352との間隙として、距離L11の間隙と距離L12の間隙とを形成した場合に、スパイラル部材33、35の回転軸方向の何れにおいても、距離L11の間隙と距離L12の間隙との繰り返しを安定的に維持することができる。
【0079】
このような商品収納装置100A、100Bでは、スパイラル部材33、35の回転軸方向の何れの位置においても間隙の距離に応じた厚みを有する商品を収納することができる。
【0080】
また、商品収納装置100A、100Bにおいて、軸位置保持部材34が有する第1押出片3413及び第2押出片3423は、二重のスパイラル部材33に対して商品の移動方向(自動販売機1の前方側へと向かう方向)に張り出している。同様に、軸位置保持部材36が有する第1押出片3613及び第2押出片3623も、二重のスパイラル部材35に対して商品の移動方向に張り出している。具体的には、図17に示すように、第1押出片3413、第2押出片3423、第1押出片3613、第2押出片3623それぞれの前端部は、商品収納装置100A、100Bの底部21の前端部よりも前方に張り出している。これらの押出片によれば、スパイラル部材33、35が回転したときに、スパイラル部材33、35の間隙に収納される商品を押し出して商品収納装置100A、100Bの前端部から商品バケット30へと落下させることができる。
【0081】
例えば、商品収納装置100Aにおいて、スパイラル部材33、35の回転により、スパイラル部材33、35によって形成される間隙に収納される商品Dが、スパイラル部材33、35における軸位置保持部材34、36の取付位置まで移動したとする。この場合、軸位置保持部材34、36は、その移動した商品Dを、第1押出片3413、第2押出片3423、第1押出片3613及び第2押出片3623のうちの1つ又は複数の押出片によって押し出し、商品収納装置100Aの前端部から商品バケット30へと落下させることができる。
【0082】
これにより、商品収納装置100Aは、商品バケット30へと落下せずに商品収納装置100Aに留まった状態となることを防止することができる。その結果、商品収納装置100Aでは、商品Dを確実に商品バケット30へと落下させて商品バケット30に受容させることができる。このような効果は、商品収納装置100Aと同様の構成を備える商品収納装置100Bからも当然に得ることができる。
【0083】
なお、ここで説明した例に代えて、軸位置保持部材34を構成する第1軸保持部材341及び第2軸保持部材342の一方、及び/又は、軸位置保持部材36を構成する第1軸保持部材361及び第2軸保持部材362の一方に、このような押出片を設けるようにしてもよい。
【0084】
また、図17の例に代えて、1つの二重のスパイラル部材に1個の商品を収納する商品収納装置において、その二重のスパイラル部材の回転軸方向の前端部に軸位置保持部材を取り付けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0085】
1 自動販売機、10 自動販売機本体、11 外扉、11a ガラス窓、12 紙幣投入口、13 硬貨投入口、14 金額表示部、15 硬貨返却口、16 商品選択操作部、17 商品取出口、18 商品収納庫、20,201,202 商品収納装置、21 底部、22 側板、23 スパイラル部材、24 保持部材、25 駆動機構、30 商品バケット、40 バケット移動機構、231 第1スパイラル部材、232 第2スパイラル部材、241 第1保持部材、241A 係合部、241B 側面部、241C 非係合部、242 第2保持部材、242A 係合部、242B 側面部、242C 非係合部、2401 貫通穴、2401a 第1角穴部、2401b 第2角穴部、2402 第1スパイラル保持部、2403 係止部、2403a 基部、2403b 屈曲部、2403c 係止先端部、2404 外周部、2433 溝部、2433a 被係止溝、2433b 内壁、2434 第2スパイラル保持部、2435 突出部、2435a 爪部、34,36 軸位置保持部材、341,361 第1軸保持部材、3411 第1回転板部、3412 第1装着部、3413 第1押出片、3414 連結突部、3414a 第1連結突部、3414b 第2連結突部、3414a-1 第1引掛爪、3414b-1 第2引掛爪、342,362 第2軸保持部材、3421 第2回転板部、3422 第2装着部、3423 第2押出片、3424 連結孔部、343 連結部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17