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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】コーヒーメーカー
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/46 20060101AFI20240326BHJP
   A47J 31/02 20060101ALI20240326BHJP
   A47J 31/44 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
A47J31/46
A47J31/02
A47J31/44 180
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020060007
(22)【出願日】2020-03-30
(65)【公開番号】P2021154063
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2023-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】390008497
【氏名又は名称】日本電熱株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001368
【氏名又は名称】清流国際弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100129252
【弁理士】
【氏名又は名称】昼間 孝良
(74)【代理人】
【識別番号】100155033
【弁理士】
【氏名又は名称】境澤 正夫
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 浩幸
(72)【発明者】
【氏名】小池 幸司
【審査官】柳本 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】実開昭59-095935(JP,U)
【文献】国際公開第02/16054(WO,A1)
【文献】米国特許第4901630(US,A)
【文献】実開昭59-095933(JP,U)
【文献】特開2019-093012(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第01800577(EP,A1)
【文献】特開平04-227213(JP,A)
【文献】特表2018-531101(JP,A)
【文献】特表2005-537196(JP,A)
【文献】特開2018-33960(JP,A)
【文献】実開平4-52816(JP,U)
【文献】独国特許出願公開第102018113016(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/46
A47J 31/02
A47J 31/06
A47J 31/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーヒー液を抽出するドリッパーと、該ドリッパーの下部に配置され、抽出されたコーヒー液を排出するための孔部を有する第1のコーヒー受けと、該第1のコーヒー受けを保持し、該第1のコーヒー受けを回転させる回転保持機構と、該回転保持機構の下部に配置され、抽出されたコーヒー液を排出するための複数の孔部を有する第2のコーヒー受けとを備え、前記第1のコーヒー受けの孔部が前記回転保持機構の回転中心軸から外れた位置に設けられており、前記第1のコーヒー受けが回転している際に、抽出されたコーヒー液が前記第1のコーヒー受けの回転に応じて前記第2のコーヒー受けの複数の孔部から順次排出されることを特徴とするコーヒーメーカー。
【請求項2】
前記第2のコーヒー受けの複数の孔部を互いに隔てる隔離部が前記第2のコーヒー受けに設けられていることを特徴とする請求項1に記載のコーヒーメーカー。
【請求項3】
前記第1のコーヒー受け及び前記第2のコーヒー受けの各々が前記回転保持機構に対して着脱可能に構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のコーヒーメーカー。
【請求項4】
前記第1のコーヒー受けの孔部に向かって徐々に深くなるように前記第1のコーヒー受けに傾斜部が設けられていることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のコーヒーメーカー。
【請求項5】
前記第2のコーヒー受けの複数の孔部の各々に向かって徐々に深くなるように前記第2のコーヒー受けに傾斜部が設けられていることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のコーヒーメーカー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーヒーメーカーに関し、更に詳しくは、ドリッパーで抽出したコーヒー液を複数のコーヒーカップに均等に注ぐことを可能にしたコーヒーメーカーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のコーヒーメーカーでは、ドリッパーで抽出したコーヒー液を1つの大きなサーバーに落とすようにしている。ユーザーが複数人分のコーヒーを準備する場合、コーヒー液の入ったサーバーから人数分のコーヒーカップにコーヒー液を注ぎ分ける必要がある。このようなコーヒー液を注ぎ分ける作業は非常に手間が掛かると共に、サーバーの洗浄も必要となるためコーヒーの提供時の効率が悪いという問題がある。
【0003】
これに対して、コーヒー液の抽出口を複数個設けたコーヒードリッパーが提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、このようなコーヒードリッパーでは、ドリッパー内で抽出口が分かれているため、コーヒー粉への注湯状態によってはそれぞれの抽出口から量や濃度の異なるコーヒー液が排出される可能性がある。また、ドリッパーに対して抽出口の位置が固定されているため、注ぎ分けが可能なコーヒーカップのサイズが限定され、カップサイズの変更に柔軟に対応することが困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-93012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、ドリッパーで抽出したコーヒー液を複数のコーヒーカップに均等に注ぐことを可能にしたコーヒーメーカーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためのコーヒーメーカーは、コーヒー液を抽出するドリッパーと、該ドリッパーの下部に配置され、抽出されたコーヒー液を排出するための孔部を有する第1のコーヒー受けと、該第1のコーヒー受けを保持し、該第1のコーヒー受けを回転させる回転保持機構と、該回転保持機構の下部に配置され、抽出されたコーヒー液を排出するための複数の孔部を有する第2のコーヒー受けとを備え、前記第1のコーヒー受けの孔部が前記回転保持機構の回転中心軸から外れた位置に設けられており、前記第1のコーヒー受けが回転している際に、抽出されたコーヒー液が前記第1のコーヒー受けの回転に応じて前記第2のコーヒー受けの複数の孔部から順次排出されることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明では、コーヒー液を抽出するドリッパーと、ドリッパーの下部に配置され、抽出されたコーヒー液を排出するための孔部を有する第1のコーヒー受けと、第1のコーヒー受けを保持し、第1のコーヒー受けを回転させる回転保持機構と、回転保持機構の下部に配置され、抽出されたコーヒー液を排出するための複数の孔部を有する第2のコーヒー受けとを備え、第1のコーヒー受けの孔部は回転保持機構の回転中心軸から外れた位置に設けられているので、ドリッパーで抽出されたコーヒー液は、回転保持機構により回転する第1のコーヒー受けの孔部を通り、第2のコーヒー受けの複数の孔部を通って、複数のコーヒーカップに注がれる。このようにしてユーザーが複数人分のコーヒーを準備する際、人数分のコーヒーカップに対してコーヒー液を均等に注ぎ分けることができる。また、コーヒー液を注ぎ分ける際に、コーヒー粉への注湯状態によって量や濃度の異なるコーヒー液が排出されることを抑制することができる。
【0008】
本発明のコーヒーメーカーにおいて、第2のコーヒー受けの複数の孔部を互いに隔てる隔離部が第2のコーヒー受けに設けられていることが好ましい。これにより、抽出されたコーヒー液を確実にそれぞれの孔部に導くことができる。
【0009】
第1のコーヒー受け及び第2のコーヒー受けの各々は回転保持機構に対して着脱可能に構成されていることが好ましい。これにより、カップサイズの変更やカップ数の変更に柔軟に対応することができると共に、コーヒー受けの洗浄が必要な際に取り外して洗浄作業を容易に行うことができる。
【0010】
第1のコーヒー受けの孔部に向かって徐々に深くなるように第1のコーヒー受けに傾斜部が設けられていることが好ましい。これにより、抽出されたコーヒー液を速やかに孔部に集め、コーヒー液の温度低下を抑制することができる。
【0011】
第2のコーヒー受けの複数の孔部の各々に向かって徐々に深くなるように第2のコーヒー受けに傾斜部が設けられていることが好ましい。これにより、抽出されたコーヒー液を孔部に速やかに集め、コーヒー液の温度低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態からなるコーヒーメーカーの要部を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態からなるコーヒーメーカーの要部を示す断面図である。
図3】本発明の実施形態からなるコーヒーメーカーの要部を構成する各部材を鉛直方向に並べて示す斜視図である。
図4】(a),(b)は本発明に係るコーヒーメーカーの第1のコーヒー受けを示すものであり、(a)は平面図であり、(b)は(a)のX-X矢視断面図である。
図5】(a),(b)は本発明に係るコーヒーメーカーの第2のコーヒー受けを示すものであり、(a)は平面図であり、(b)は(a)のY-Y矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1~3は本発明の実施形態からなるコーヒーメーカーの要部を示すものである。
【0014】
図1~3に示すように、本発明のコーヒーメーカーは、コーヒー液を抽出するドリッパー10と、コーヒーのドリップ(抽出)時に回転する回転保持機構20と、抽出されたコーヒー液を受けるための第1のコーヒー受け30及び第2のコーヒー受け40と、回転保持機構20を制御する制御装置とを備えている。
【0015】
ドリッパー10は、下方に向かうにつれて内径が徐々に縮小する円錐形状を有している。ドリッパー10の底部(図2では、円錐形状のドリッパー10の円錐頂点に相当する部分)には、抽出されたコーヒー液をドリッパー10から排出し、第1のコーヒー受け30に落とすための抽出口11が設けられている。なお、抽出口11の鉛直方向の位置は、図示の箇所に限定されるものではない。
【0016】
ドリッパー10の内部には、フィルターFが配置される。具体的には、フィルターFは、ドリッパー10の内部形状に沿うようにドリッパー10の内部に配置される。そのため、フィルターFは、ドリッパー10の内部において円錐形状になっている。なお、本実施形態に係るフィルターFの底部(円錐形状のフィルターFの円錐頂点に相当する部分)は、一例として、ドリッパー10の抽出口11よりも下方側に突出している。このフィルターFの内側には、コーヒー粉が充填される。このコーヒー粉の一例として、ミルで粉砕されたコーヒー豆の粉などを用いることができる。
【0017】
ドリッパー10の形状は円錐形状に限定されるものではなく、例えば台形形状であっても良い。また、ドリッパー10自体に金属製のメッシュが設けられており、コーヒー液の抽出時にフィルターFを使用しないものであっても良い。
【0018】
回転保持機構20は、第1のコーヒー受け30を回転可能に保持すると共に、制御装置の指示を受けてコーヒーのドリップ時に第1のコーヒー受け30を回転中心軸Lの周りに回転させる機構である。
【0019】
なお、図1~3においては、図を簡略化するため、回転保持機構20の具体的な構成は図示していないが、本実施形態に係る回転保持機構20は、一例として、第1のコーヒー受け30を保持する保持部21と、制御装置に制御され、第1のコーヒー受け30を保持した保持部21を回転中心軸Lの周りに回転させる回転機構22とを備えている。この回転機構22の一例として、歯車列と、制御装置に制御されて歯車列を駆動する電動式モーターとを有する回転保持機構を用いることができる。なお、歯車列に代えて又は歯車列と共に、回転ベルトを用いても良い。
【0020】
第1のコーヒー受け30は、ドリッパー10の下部に配置されている。具体的に、第1のコーヒー受け30は、回転保持機構20の保持部21に着脱可能に取り付けられている。具体的に、第1のコーヒー受け30の外縁部30aが保持部21の内縁部21aに支持されることにより、第1のコーヒー受け30は保持部21に保持されている。このような構成により、第1のコーヒー受け30は、コーヒーのドリップ時に、回転保持機構20の回転中心軸Lの周りに回転するようになっている。
【0021】
第1のコーヒー受け30には、抽出されたコーヒー液を排出するための単一の孔部31(以下、第1の孔部と記載することもある)が形成されている。この孔部31は、図4(a),(b)に示すように、回転保持機構20の回転中心軸Lから外れた位置に設けられている。孔部31は、回転中心軸Lから少なくとも孔部31の半径分の距離を離して配置することが好ましい。孔部31が回転中心軸Lに過度に近接していると、後述する第2のコーヒー受け40の孔部41,42にコーヒー液を正確に導くことができないため、好ましくない。第1の孔部の平面形状は、特に限定されるものではないが、円形であると良い。
【0022】
また、第1のコーヒー受け30には、孔部31に向かって深さが漸増するように傾斜部32が形成されている。即ち、第1のコーヒー受け30の深さは、孔部31の位置で最も深くなっている。傾斜部32の傾斜角度は、特に限定されるものではないが、例えば、水平方向に対して5°~15°の範囲に設定することができる。
【0023】
第2のコーヒー受け40は、回転保持機構20の下部に配置されている。具体的に、第2のコーヒー受け40は、図5(a),(b)に示すように、回転保持機構20に取り付けられる取付部40aと、取付部40aの内側に位置し、抽出されたコーヒー液を受ける円形の本体部40bとを有しており、取付部40aが回転保持機構20の底面に固定されている。また、第2のコーヒー受け40は、回転保持機構20に対して着脱可能に構成されている。なお、第2のコーヒー受け40は、コーヒーのドリップ時に回転しない。
【0024】
第2のコーヒー受け40には、コーヒー液を排出するための少なくとも2つの孔部41,42(以下、第2の孔部と記載することもある)が形成されている。これら孔部41,42は、回転保持機構20の回転中心軸Lから外れた位置に設けられ、互いに回転中心軸Lから等間隔となるように配置されていることが好ましい。なお、第2の孔部の個数は、特に限定されるものではないが、例えば2個~4個を設けることができ、これは同時に注ぎ分けが可能なカップ数に相当する。第2の孔部の平面形状は、特に限定されるものではないが、円形であると良い。
【0025】
また、第2のコーヒー受け40には、孔部41,42の各々に向かって深さが漸増するように傾斜部43,44が形成されている。即ち、第2のコーヒー受け40の深さは、孔部41,42の位置で最も深くなっている。傾斜部43は、本体部40bの周縁部と孔部41,42との間の部位であり、傾斜部44は、後述する隔離部45の頂点と孔部41,42との間の部位である。傾斜部43,44の傾斜角度は、特に限定されるものではないが、例えば、水平方向に対して5°~30°の範囲に設定することができる。傾斜部43,44の傾斜角度は、互いに同等であっても良く、異なっていても良い。
【0026】
更に、第2のコーヒー受け40には、2つの孔部41,42を互いに隔てる隔離部45が形成されている。この隔離部45は、本体部40bを平面視で2等分に区画する一方で、断面視で鉛直上方に向かって突出した形状を有している。なお、隔離部45は、第2の孔部の個数や位置に応じて本体部40bを区画するものであるため、その形状を適宜変更することができる。
【0027】
制御装置は、コーヒーメーカーの内部に組み込まれ、マイクロコンピュータによって構成されている。具体的には、このマイクロコンピュータは、各種の制御処理を実行する制御部としての機能を有するCPUと、このCPUが作動する際に用いられるプログラムや各種データ等を記憶する記憶部としての機能を有するROM、RAM等を有している。制御装置は、コーヒーのドリップ時において、第1のコーヒー受け30(保持部21)の回転を制御すると共に、ドリッパー10への注湯を制御する。
【0028】
図1~3において、ドリッパー10の抽出口11、回転保持機構20の保持部21、第1のコーヒー受け30及び第2のコーヒー受け40の本体部40bの中心は、いずれも回転保持機構20の回転中心軸L上に配置されている。また、図1~3において、ドリッパー10は保持部21に載置されており、コーヒーのドリップ時に、ドリッパー10が第1のコーヒー受け30と共に回転する例を示したが、これに限定されるものではなく、ドリッパー10は、コーヒーメーカーの本体に対して固定されていても良い。この場合、コーヒーのドリップ時において、ドリッパー10は回転せず、第1のコーヒー受け30のみが回転する。
【0029】
上記コーヒーメーカーを用いて複数のコーヒーカップにコーヒー液を注ぎ分ける場合、コーヒー粉が充填されたフィルターFをドリッパー10の内部に配置し、そのドリッパー10の上方から湯を注入する。その際、第1のコーヒー受け30は、回転保持機構20により一定の速度で回転する。回転中に、ドリッパー10で抽出されたコーヒー液は、ドリッパー10の抽出口11から排出され、第1のコーヒー受け30に落ちて孔部31から排出され、第2のコーヒー受け40に落ちる。その際、抽出されたコーヒー液は、第1のコーヒー受け30の回転に応じて、第2のコーヒー受け40の孔部41,42から交互に排出される。そして、第2のコーヒー受け40の孔部41,42から排出されたコーヒー液は、コーヒーカップC1,C2の各々に注がれる。
【0030】
なお、上記コーヒーメーカーを用いて、一つのコーヒーカップC1のみにコーヒー液を注ぐことも可能である。この場合、第2のコーヒー受け40の孔部41,42の各々から排出されるコーヒー液をコーヒーカップC1で受けられるように、コーヒーカップC1を適切な位置に載置すれば良い。
【0031】
上記コーヒーメーカーにおいて、コーヒー液の注ぎ分けを終了させるタイミングとして、コーヒーカップC1,C2の重量が予め設定された所定重量以上になった場合に終了するように構成することができる。具体的には、この場合、コーヒーメーカーは、例えばコーヒーカップC1,C2を載置する台座部に、コーヒーカップC1,C2の重量(kgf)を検出する重量センサを備えている。そして、制御装置は、この重量センサの検出結果に基づいて、コーヒーカップC1,C2の重量を取得し、この取得されたコーヒーカップC1,C2の重量が所定重量以上になった場合に、制御装置は、回転保持機構20の回転及びドリッパー10への注湯を中止する。そして、制御装置は、コーヒーカップC1,C2に余分なコーヒー液が流入しないようにするためのコーヒー液受けを作動させ、コーヒー液の注ぎ分け作業を終了させる。
【0032】
或いは、コーヒー液の抽出開始からの経過時間が予め設定された所定時間以上になった場合に終了するように構成しても良い。具体的には、この場合、コーヒーメーカーは、ドリップ時におけるドリッパー10への注湯開始からの経過時間を検出する時間検出センサを備えている。この時間検出センサとしては、例えばタイマーを用いることができる。また、制御装置の記憶部には、ドリップ量の基準値に相当する基準時間が予め記憶されている。そして、制御装置は、時間検出センサの検出結果に基づいて取得した経過時間が記憶部の基準時間以上であるか否かを判定し、その結果、注湯開始からの経過時間が基準時間以上であると判定された場合に、ドリップ量が基準値以上であると判定し、制御装置は、回転保持機構20の回転及びドリッパー10への注湯を中止する。そして、制御装置は、コーヒーカップC1,C2に余分なコーヒー液が流入しないようにするためのコーヒー液受けを作動させ、コーヒー液の注ぎ分け作業を終了させる。
【0033】
上述したコーヒーメーカーでは、コーヒー液を抽出するドリッパー10と、ドリッパー10の下部に配置され、抽出されたコーヒー液を排出するための孔部31を有する第1のコーヒー受け30と、第1のコーヒー受け30を保持し、第1のコーヒー受け30を回転させる回転保持機構20と、回転保持機構20の下部に配置され、抽出されたコーヒー液を排出するための複数の孔部41,42を有する第2のコーヒー受け40とを備え、第1のコーヒー受け30の孔部31は回転保持機構20の回転中心軸Lから外れた位置に設けられているので、ドリッパー10で抽出されたコーヒー液は、回転保持機構20により回転する第1のコーヒー受け30の孔部31を通り、第2のコーヒー受け40の複数の孔部41,42を通って、複数のコーヒーカップC1,C2に注がれる。このようにしてユーザーが複数人分のコーヒーを準備する際、人数分のコーヒーカップC1,C2に対してコーヒー液を均等に注ぎ分けることができる。また、コーヒー液を注ぎ分ける際に、コーヒー粉への注湯状態によって量や濃度の異なるコーヒー液が排出されることを抑制することができる。
【0034】
上記コーヒーメーカーにおいて、第1のコーヒー受け30の孔部31に向かって徐々に深くなるように第1のコーヒー受け30に傾斜部32が設けられていることが好ましい。このように第1のコーヒー受け30に傾斜部32を設けることで、抽出されたコーヒー液を速やかに孔部31に集め、コーヒー液の温度低下を抑制することができる。
【0035】
また、第2のコーヒー受け40の複数の孔部41,42の各々に向かって徐々に深くなるように第2のコーヒー受け40に傾斜部43,44が設けられていることが好ましい。このように第2のコーヒー受け40に傾斜部43,44を設けることで、抽出されたコーヒー液を速やかに孔部41,42に集め、コーヒー液の温度低下を抑制することができる。
【0036】
第2のコーヒー受け40の複数の孔部41,42を互いに隔てる隔離部45が第2のコーヒー受け40に設けられていることが好ましい。このように第2のコーヒー受け40に隔離部45を設けることで、抽出されたコーヒー液を確実にそれぞれの孔部41,42に導くことができる。
【0037】
更に、第1のコーヒー受け30及び第2のコーヒー受け40の各々は、回転保持機構20に対して着脱可能に構成されていると良い。このように着脱可能であることで、カップサイズの変更やカップ数の変更に柔軟に対応することができると共に、第1のコーヒー受け30又は第2のコーヒー受け40の洗浄が必要な際に、取り外して洗浄作業を容易に行うことができる。特に、第2の孔部の個数や位置が異なる複数種類の第2のコーヒー受け40を予め用意しておくことで、様々なカップサイズやカップ数に柔軟に対応することができる。
【0038】
以上本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0039】
10 ドリッパー
20 回転保持機構
30 第1のコーヒー受け
31 孔部(第1の孔部)
40 第2のコーヒー受け
41,42 孔部(第2の孔部)
L 回転中心軸
図1
図2
図3
図4
図5