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特許7460541アシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumannii)に対するペプチド大環状分子
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】アシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumannii)に対するペプチド大環状分子
(51)【国際特許分類】
   C07K 7/54 20060101AFI20240326BHJP
   A61K 38/12 20060101ALI20240326BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
C07K7/54
A61K38/12
A61P31/04
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020558432
(86)(22)【出願日】2019-04-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-30
(86)【国際出願番号】 EP2019060272
(87)【国際公開番号】W WO2019206853
(87)【国際公開日】2019-10-31
【審査請求日】2022-04-15
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2018/084131
(32)【優先日】2018-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ. ホフマン-ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN-LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】ブライヒャー,コンラート
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ダニエラ
(72)【発明者】
【氏名】ディ ジョルジオ,パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ホゥ,タイシャン
(72)【発明者】
【氏名】ジェニー,クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】マッテイ,パトリツィオ
(72)【発明者】
【氏名】シュミッツ,ペトラ
(72)【発明者】
【氏名】シュトル,テオドール
【審査官】山本 匡子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/072062(WO,A1)
【文献】Wei Wang et al.,Design and synthesis of novel x2-constrained phenylalanine, naphthylalanine, and tryptophan analogues and their use in biologically active melanotropin peptides,Tetrahedron,2002年12月31日,58(36),7365-7374
【文献】Hiroki Azuma et al.,Preparation of Horner-Wadsworth-Emmons reagent: Methyl 2-Benzyloxycarbonylamino-2-(Dimethoxy-Phosphinyl)Acetate,Organic Synthesis,2011年01月14日,2011(88),152-161
【文献】Wei Wang et al.,Practical, asymmetric synthesis of aromatic-substituted bulky and hydrophobic tryptophan and phenylalanine derivatives,Tetrahedron,2002年12月31日,58(15),3101-3110
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 1/00-15/90
C12P
C12Q
C07K
MEDLINE/EMBASE/BIOSIS/CAPLUS/REGISTRY(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタザトリシクロ[19.4.0.0*3,8*]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-22-イル]安息香酸;
2-クロロ-4-[rac-(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-25-クロロ-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,7,10,13,16,19-ヘキサザトリシクロ[19.4.0.0*3,8*]ペンタコサ-1(21),3,5,7,22,24-ヘキサエン-22-イル]安息香酸;
4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-25-フルオロ-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタザトリシクロ[19.4.0.0*3,8*]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-22-イル]安息香酸;
4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-25-クロロ-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタザトリシクロ[19.4.0.0*3,8*]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-22-イル]-2-メチルスルホニル-安息香酸;
4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-16-メチル-17-[(2-メチル-1H-インドール-3-イル)メチル]-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタザトリシクロ[19.4.0.0*3,8*]ペンタコサ-1(25),3,5,7,21,23-ヘキサエン-22-イル]安息香酸;
4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16,25-ジメチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタザトリシクロ[19.4.0.0*3,8*]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-22-イル]安息香酸;
2-メトキシ-4-[rac-(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-25-クロロ-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,7,10,13,16,19-ヘキサザトリシクロ[19.4.0.0*3,8*]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-22-イル]安息香酸;
2-[4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-25-フルオロ-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタザトリシクロ[19.4.0.0*3,8*]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-22-イル]-2-オキソ-1-ピリジル]酢酸;
4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-25-メトキシ-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタザトリシクロ[19.4.0.0*3,8*]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-22-イル]安息香酸;
5-[(11S,14S,17S)-11,14-ビス(3-アミノプロピル)-25-フルオロ-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタザトリシクロ[19.4.0.0*3,8*]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-22-イル]ピリジン-2-カルボン酸;
2-[4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-25-クロロ-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタザトリシクロ[19.4.0.0*3,8*]ペンタコサ-1(21),3,5,7,22,24-ヘキサエン-22-イル]-2-オキソ-1-ピリジル]酢酸;
2-[4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16,25-ジメチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタザトリシクロ[19.4.0.0*3,8*]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-22-イル]-2-オキソ-1-ピリジル]酢酸;
4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19,24-ヘキサザトリシクロ[19.4.0.0*3,8*]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-22-イル]安息香酸;
2-[4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-25-クロロ-16-メチル-17-[(2-メチル-1H-インドール-3-イル)メチル]-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタザトリシクロ[19.4.0.0*3,8*]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-22-イル]-2-オキソ-1-ピリジル]酢酸;および
5-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-25-クロロ-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタザトリシクロ[19.4.0.0*3,8*]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-22-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-2-カルボン酸;
から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタザトリシクロ[19.4.0.0*3,8*]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-22-イル]安息香酸;
2-[4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-25-クロロ-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタザトリシクロ[19.4.0.0*3,8*]ペンタコサ-1(21),3,5,7,22,24-ヘキサエン-22-イル]-2-オキソ-1-ピリジル]酢酸;および
4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19,24-ヘキサザトリシクロ[19.4.0.0*3,8*]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-22-イル]安息香酸;
から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタザトリシクロ[19.4.0.0*3,8*]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-22-イル]安息香酸;
【化1】
、またはその薬学的に許容される塩である、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
2-[4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-25-クロロ-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタザトリシクロ[19.4.0.0*3,8*]ペンタコサ-1(21),3,5,7,22,24-ヘキサエン-22-イル]-2-オキソ-1-ピリジル]酢酸;
【化2】
、またはその薬学的に許容される塩である、請求項2に記載の化合物。
【請求項5】
4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19,24-ヘキサザトリシクロ[19.4.0.0*3,8*]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-22-イル]安息香酸;
【化3】
、またはその薬学的に許容される塩である、請求項2に記載の化合物。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩と、1つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物。
【請求項7】
治療活性物質として使用するための、請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項8】
抗生物質として使用するための、請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項9】
アシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumannii)によって引き起こされる感染症および結果として生じる疾患の治療または予防に使用するための、請求項6に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細菌、特にアシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumannii)などのグラム陰性菌に対して活性を示す化合物、それらの製造、それらを含む医薬組成物、ならびに細菌によって引き起こされる疾患および感染症を治療するための医薬としてのそれらの使用を提供する。
【背景技術】
【0002】
アシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumannii)は、過去数十年にわたって、治療選択肢が非常に限られた新興病原体として認識されてきた、グラム陰性、好気性、非発酵性細菌である。
【0003】
A.バウマンニ(A.baumannii)は、米国疾病管理予防センターによって深刻な脅威であるとみなされており、現在、院内感染症の大部分を引き起こし、抗微生物薬の活性から有効に「逃れる(escape)」、いわゆる「エスケープ(ESKAPE)」病原体(エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、アシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumannii)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)ならびにエンテロバクター属(Enterobacter)種および大腸菌(E.coli))に属する。
【0004】
A.バウマンニ(A.baumannii)には、集中治療室および外科病棟で最も頻繁に遭遇し、ここでの広範囲な抗生物質の使用が、全ての既知の抗微生物薬に対する耐性の選択を可能にし、菌血症、肺炎、髄膜炎、尿路感染症および創傷感染症を含む感染症を引き起こす。
【0005】
A.バウマンニ(A.baumannii)は、耐性決定因子(determinats)を上方制御および獲得する並み外れた能力を有し、院内設定におけるその生存および伝播を可能にする環境持続性を示し、このことがこの生物を感染症および風土性、ヘルスケア関連病原体の大発生の頻繁な原因にしている。
【0006】
全てではないとしてもほとんどの利用可能な治療選択肢に対する抗生物質耐性増加により、多剤耐性(MDR)A.バウマンニ(A.baumannii)感染症、特にカルバペネム耐性A.バウマンニ(A.baumannii)によって引き起こされるものは、高い死亡率ならびに罹病率および集中治療室における滞在期間の増加により、治療することが極めて困難または不可能でさえある。
【0007】
アシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumannii)は、米国感染症学会(IDSA)の抗微生物薬利用可能性タスクフォース(Antimicrobial Availability Task Force)(AATF)に従って、「アンメットメディカルニーズと現在の抗微生物研究および開発パイプラインとの間のミスマッチの主要例」と定義されてきており、依然としてそのままである。よって、アシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumannii)によって引き起こされる疾患および感染症の治療に適した化合物を同定する、高い需要および必要性がある。
【0008】
国際公開第2017/072062号は、アシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumannii)に対して活性のペプチド大環状分子を開示している。しかしながら、アシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumannii)によって引き起こされる疾患および感染症の治療に適した改善された化合物に対する高い未だ対処されていないニーズが依然としてある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の態様では、本発明は、式(I)の化合物
【0010】
【化1】
【0011】
またはその薬学的に許容される塩
(式中、
はCHまたはNであり;
はCHまたはNであり;
Aは
【0012】
【化2】
【0013】
から選択され;
は水素、ハロゲン、C1~6-アルコキシおよびC1~6-アルキルから選択され;
は水素またはC1~6-アルキルであり;
はC1~6-アミノアルキルであり;
はC1~6-アミノアルキルまたはカルバモイル-C1~6-アルキルであり;
はカルボキシ、カルボキシ-C1~6-アルキルおよびカルボキシ-C2~6-アルケニルから選択され;
は水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C1~6-アルコキシおよびC1~6-アルキルスルホニルから選択される)
であって、
但し、
4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノ-ブチル)-11-(3-アミノ-プロピル)-25-クロロ-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタアザ-トリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-22-イル]-安息香酸
ではない、化合物を提供する。
【0014】
さらなる態様では、本発明は、本明細書に記載される式(I)の化合物を製造する方法であって、
a)式(VI)の化合物(式中、R、R、R5’、R、R30、R40、XおよびXは本明細書に定義される通りである)中に存在する全てのアミノ-、インドール-およびカルボキシ保護基を切断して、
【0015】
【化3】
【0016】
前記式(I)の化合物を得るステップ
を含む方法を提供する。
さらなる態様では、本発明は、式(IXa)または(IXb)の化合物(式中、PGはインドール窒素のための適切な保護基であり、PGは適切なアミノ保護基であり、RおよびR20はそれぞれ独立に、C1~6-アルキルである)を製造する方法であって、
【0017】
【化4】
【0018】
式(VIII)の化合物(式中、PGはインドール窒素のための適切な保護基であり、PGは適切なアミノ保護基であり、RおよびR20はそれぞれ独立に、C1~6-アルキルである)を均一系触媒の存在下で不斉水素化して、
【0019】
【化5】
【0020】
前記式(IXa)または(IXb)の化合物を得るステップ
を含む方法を提供する。
さらなる態様では、本発明は、本明細書に記載される方法によって得られる、本明細書に記載される式(I)の化合物を提供する。
【0021】
さらなる態様では、本発明は、本明細書に記載される式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩と、1つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物を提供する。
【0022】
さらなる態様では、本発明は、治療活性物質として使用するための、本明細書に記載される式(I)の化合物もしくはその薬学的に許容される塩または本明細書に記載される医薬組成物を提供する。
【0023】
さらなる態様では、本発明は、抗生物質として使用するための、本明細書に記載される式(I)の化合物もしくはその薬学的に許容される塩または本明細書に記載される医薬組成物を提供する。
【0024】
さらなる態様では、本発明は、アシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumannii)によって引き起こされる感染症および結果として生じる疾患の治療または予防に使用するための、本明細書に記載される式(I)の化合物もしくはその薬学的に許容される塩または本明細書に記載される医薬組成物を提供する。
【0025】
さらなる態様では、本発明は、アシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumannii)によって引き起こされる感染症および結果として生じる疾患を治療または予防する方法であって、本明細書に記載される式(I)の化合物もしくはその薬学的に許容される塩または本明細書に記載される医薬組成物を、ヒトまたは動物に投与するステップを含む方法を提供する。
【0026】
さらなる態様では、本発明は、アシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumannii)によって引き起こされる感染症および結果として生じる疾患を治療または予防するための、本明細書に記載される式(I)の化合物もしくはその薬学的に許容される塩または本明細書に記載される医薬組成物の使用を提供する。
【0027】
さらなる態様では、本発明は、アシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumannii)によって引き起こされる感染症および結果として生じる疾患を治療または予防するための医薬を製造するための、本明細書に記載される式(I)の化合物もしくはその薬学的に許容される塩または本明細書に記載される医薬組成物の使用を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0028】
定義
別段の定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者に一般に理解されているのと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと同様のまたは同等の方法および材料を本発明の実施または試験に使用することができるが、適切な方法および材料を以下に記載する。
【0029】
本発明の特定の態様、実施形態または実施例と合わせて記載される特徴、整数、特性、化合物、化学的部分または基は、矛盾しない限り、本明細書に記載される任意の他の態様、実施形態または実施例に適用可能であると理解されるべきである。本明細書(任意の付随する特許請求の範囲、要約書および図面を含む)に開示される特徴の全て、ならびに/あるいはそのように開示される任意の方法またはプロセスのステップの全ては、このような特徴および/またはステップのうちの少なくともいくつかが相互排他的である組み合わせを除いて、任意の組み合わせで組み合わせられ得る。本発明は、いずれの前記実施形態の詳細にも限定されない。本発明は、本明細書(任意の付随する特許請求の範囲、要約書および図面を含む)に開示される特徴の任意の新規な1つもしくは任意の新規な組み合わせ、またはそのように開示される任意の方法もしくはプロセスのステップの任意の新規な1つもしくは任意の新規な組み合わせに及ぶ。
【0030】
本明細書に言及される全ての刊行物、特許出願、特許および他の参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本出願で使用される命名法は、別段の指示がない限り、IUPAC系統的命名法に基づく。
【0031】
IUPAC化学名を作り出すために、OpenEye Lexichemバージョン1.2.0、PerkinElmer E-Notebook for ChemistryまたはInsight for Excel 2017 R2が使用された。
【0032】
本明細書における構造において、炭素、酸素、硫黄または窒素原子上に現れる任意の開いた原子価は、別段の指示がない限り、水素原子の存在を示す。
「部分」という用語は、1つまたは複数の化学結合によって別の原子または分子に結合して、それによって、分子の一部を形成する、原子または化学的に結合した原子の群を指す。例えば、式(I)の可変基R、RおよびRは、共有結合によって式(I)のコア構造に結合した部分を指す。
【0033】
置換基の数を示す場合、「1つまたは複数の」という用語は、1つの置換基から可能な限り最大数の置換の範囲、すなわち、置換基による、1個の水素原子の置き換えから最大で全ての水素原子の置き換えを指す。
【0034】
「任意選択の」または「場合により」という用語は、後に記載される事象または状況が起こり得るが起こる必要がないこと、ならびに該記載が、該事象または状況が起こる場合および起こらない場合を含むことを表す。
【0035】
「置換基」という用語は、親分子上の水素原子を置き換える原子または原子の群を表す。
「置換された」という用語は、指定された基が1つまたは複数の置換基を有することを表す。任意の基が複数の置換基を担持することができ、多様な考えられる置換基が提供される場合、置換基は独立に選択され、同じである必要はない。「非置換」という用語は、指定された基が置換基を有さないことを意味する。「場合により置換された」という用語は、指定された基が非置換である、または考えられる置換基の群から独立に選択される、1つもしくは複数の置換基によって置換されていることを意味する。置換基の数を示す場合、「1つまたは複数の」という用語は、1つの置換基から可能な限り最大数の置換の範囲、すなわち、置換基による、1個の水素原子の置き換えから最大で全ての水素原子の置き換えを意味する。
【0036】
「この発明の化合物(複数可)」および「本発明の化合物(複数可)」という用語は、本明細書に開示される化合物、ならびにその立体異性体、互変異性体、溶媒和物および塩(例えば、薬学的に許容される塩)を指す。
【0037】
本発明の化合物が固体である場合、これらの化合物ならびにその溶媒和物および塩が、異なる固体形態、特に異なる結晶形態で存在してよく、それらの全てが、本発明および指定された式の範囲内にあることを意図されていることが、当業者に理解される。
【0038】
「薬学的に許容される塩」という用語は、生物学的にも他の点でも望ましくないものでない塩を表す。薬学的に許容される塩は、酸付加塩と塩基付加塩の両方を含む。
「薬学的に許容される酸付加塩」という用語は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、炭酸、リン酸などの無機酸、ならびにギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、アスパラギン酸、アスコルビン酸、グルタミン酸、アントラニル酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、エンボン酸、フェニル酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸およびサリチル酸(salicyclic acid)などの脂肪族、脂環式、芳香族、芳香脂肪族、複素環式、カルボン酸およびスルホン酸クラスの有機酸から選択される有機酸で形成された薬学的に許容される塩を表す。
【0039】
「薬学的に許容される塩基付加塩」という用語は、有機または無機塩基で形成された薬学的に許容される塩を表す。許容される無機塩基の例は、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、マンガン塩およびアルミニウム塩を含む。薬学的に許容される有機非毒性塩基から誘導される塩は、第一級、第二級および第三級アミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環状アミンならびに塩基性イオン交換樹脂、例えばイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、2-ジエチルアミノエタノール、トロメタミン(trimethamine)、ジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルカミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N-エチルピペリジンおよびポリアミン樹脂の塩を含む。
【0040】
本明細書で使用される立体化学の定義および慣習は、概して、S.P.Parker編、McGraw-Hill Dictionary of Chemical Terms(1984)McGraw-Hill Book Company、New York;ならびにEliel,E.およびWilen,S.、「Stereochemistry of Organic Compounds」、John Wiley&Sons,Inc.、New York、1994に準拠する。光学活性化合物を記載する場合、そのキラル中心(複数可)の周りの分子の絶対配置を表すために、接頭辞DおよびL、またはRおよびSが使用される。検討中のキラル中心に結合した置換基は、カーン・インゴルド・プレローグ順位則に従ってランク付けされる(Cahnら、Angew.Chem.Inter.Edit.1966、5、385;正誤表511)。接頭辞DおよびLまたは(+)および(-)は、化合物による平面偏光の回転の記号を指定するために使用され、(-)またはLは、化合物が左旋性であることを指定する。(+)またはDの接頭辞が付いた化合物は右旋性である。
【0041】
「ハロ」、「ハロゲン」および「ハロゲン化物」という用語は、本明細書で互換的に使用され、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを表す。ハロの特定の例は、フルオロおよびクロロである。
【0042】
「シアノ」という用語は、基-CN(ニトリル)を指す。
「カルボキシ」という用語は、基-C(O)OHを指す。
「アルキル」という用語は、1~12個の炭素原子の一価直鎖または分岐鎖の飽和炭化水素基を表す。特定の実施形態では、アルキルが、1~6個の炭素原子、さらに特定の実施形態では、1~4個の炭素原子を有する。アルキルの例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソ-ブチル、sec-ブチルまたはtert-ブチルを含む。アルキルの特定の例は、メチル、エチル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチルおよびtert-ブチル、最も特にメチルおよびエチルである。
【0043】
「アルコキシ」という用語は、式-O-R’の基(式中、R’はアルキル基である)を表す。アルコキシ部分の例は、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシおよびtert-ブトキシを含む。アルコキシの特定の例は、メトキシ(-OCH)である。
【0044】
「保護基」という用語は、合成化学におけるそれに従来関連する意味で、別の保護されていない反応性部位において選択的に化学反応を行うことができるように、多官能性化合物で反応性部位を選択的にブロックする基を表す。保護基は、適切な時点で除去され得る。例示的な保護基は、アミノ保護基、カルボキシ保護基またはヒドロキシ保護基である。
【0045】
「アミノ保護基」という用語は、アミノ基を保護することを意図された基を表し、ベンジル、ベンジルオキシカルボニル(カルボベンジルオキシ、CBZ)、Fmoc(9-フルオレニルメチルオキシカルボニル)、p-メトキシベンジルオキシカルボニル、p-ニトロベンジルオキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル(BOC)およびトリフルオロアセチルを含む。これらの基のさらなる例は、T.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts、「Protective groups in Organic Synthesis」、第2版、John Wiley&Sons,Inc.、New York、NY、1991、第7章;E.Haslam、「Protecting groups in Organic Chemistry」、J.G.W.McOmie編、Plenum Press、New York、NY、1973、第5章、ならびにT.W.Greene、「Protective groups in Organic Synthesis」、John Wiley and Sons、New York、NY、1981に見られる。「保護されたアミノ基」という用語は、アミノ保護基によって置換されているアミノ基を指す。
【0046】
「インドール窒素のための保護基」という用語は、インドールNHを保護することを意図された基を表す。インドール窒素のための保護基は、当技術分野で一般的に知られており、本明細書に記載されるアミノ保護基と大きく重複する。インドール窒素のための保護基の特定の、非限定的な例は、tert-ブトキシカルボニル(BOC)である。
【0047】
「カルボキシ保護基」という用語は、カルボキシ基を保護することを意図された基を表し、エステル基およびヘテロシクロアルキル基を含む。このようなエステル基の例は、4-ニトロベンジル、4-メトキシベンジル、3,4-ジメトキシベンジル、2,4-ジメトキシベンジル、2,4,6-トリメトキシベンジル、2,4,6-トリメチルベンジル、ペンタメチルベンジル、3,4-メチレンジオキシベンジル、ベンズヒドリル、4,4’-ジメトキシベンズヒドリル、2,2’,4,4’-テトラメトキシベンズヒドリルなどの置換ベンジルを有するエステル、メチル、エチル、t-ブチルアリルまたはt-アミル、トリフェニルメチル(トリチル)、4-メトキシトリチル、4,4’-ジメトキシトリチル、4,4’,4”-トリメトキシトリチル、2-フェニルプロパ-2-イルなどのアルキルまたは置換アルキルを有するエステル、t-ブチルチオエステルなどのチオエステル、トリメチルシリル、t-ブチルジメチルシリルエステル、フェナシル、2,2,2-トリクロロエチル、ベータ-(トリメチルシリル)エチル、ベータ-(ジ(n-ブチル)メチルシリル)エチル、p-トルエンスルホニルエチル、4-ニトロベンジルスルホニルエチル、アリル、シンナミル、および1-(トリメチルシリルメチル)プロパ-1-エン-3-イルなどのシリルエステルを含む、置換アリールアルキルエステルを含む。カルボキシ保護基の別の例は、1,3-オキサゾリニルなどのヘテロシクロアルキル基である。これらの基のさらなる例は、T.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts、「Protective groups in Organic Synthesis」、第2版、John Wiley&Sons,Inc.、New York、N.Y.、1991、第5章;E.Haslam、「Protecting groups in Organic Chemistry」、J.G.W.McOmie編、Plenum Press、New York、N.Y.、1973、第5章、ならびにT.W.Greene、「Protective groups in Organic Synthesis」、John Wiley and Sons、New York、NY、1981、第5章に見られる。「保護されたカルボキシ基」という用語は、カルボキシ保護基によって置換されているカルボキシ基を表す。
【0048】
「ヒドロキシ保護基」という用語は、ヒドロキシ基を保護することを意図された基を表し、エステルおよびエーテル形成基、特に、テトラヒドロピラニルオキシ、ベンゾイル、アセトキシ、カルバモイルオキシ、ベンジル、およびシリルエーテル(例えば、TBS、TBDPS)基を含む。これらの基のさらなる例は、T.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts、「Protective groups in Organic Synthesis」、第2版、John Wiley&Sons,Inc.、New York、NY、1991、第2~3章;E.Haslam、「Protecting groups in Organic Chemistry」、J.G.W.McOmie編、Plenum Press、New York、NY、1973、第5章、ならびにT.W.Greene、「Protective groups in Organic Synthesis」、John Wiley and Sons、New York、NY、1981に見られる。「保護されたヒドロキシ基」という用語は、ヒドロキシ保護基によって置換されているヒドロキシ基を指す。
【0049】
「脱保護」または「脱保護すること」という用語は、選択的反応が完了した後に保護基が除去されるプロセスを表す。脱保護試薬は、酸、塩基または水素、特に、炭酸カリウムもしくは炭酸ナトリウム、アルコール溶液中の水酸化リチウム、メタノール中の亜鉛、酢酸、トリフルオロ酢酸、パラジウム触媒、または三臭化ホウ素を含む。
【0050】
「カップリング試薬」という用語は、アミド結合形成を促進するためにペプチド合成に使用される試薬を指す。ペプチド合成に使用するためのカップリング試薬は、当技術分野で周知である。カップリング試薬のいくつかの非限定的な例は、2-クロロ-1-メチルピリジニウムヨージド(向山試薬)、カルボジイミド、例えばジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)および1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)、ならびにアミニウム/ウロニウムおよびホスホニウム塩、例えばO-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウム-ヘキサフルオロホスフェート(HATU)、2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルアミニウムテトラフルオロボレート(TBTU)、O-(1H-6-クロロベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HCTU)、ベンゾトリアゾール-1-イル-オキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)および(7-アザベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyAOP)である。カップリング試薬の特定の例は、向山試薬およびHATUである。
【0051】
「樹脂」という用語は、ペプチド鎖がその上に構築され得る、反応性「リンカー」基(アミノ基またはヒドロキシル基など)で官能化されたポリマーマトリックスからなるペプチド合成用の固体支持体を指す。固相ペプチド合成用の樹脂は当技術分野で周知である。適切なポリマーマトリックスの非限定的な例は、ジビニルベンゼンで架橋されたポリスチレン、スチレンジビニルベンゼンまたはスチレン-DVBコポリマー(100~200メッシュ)としても公知のポリ(スチレン-コ-ジビニルベンゼン)である。リンカー基の非限定的な例は、2-クロロ-トリチルクロリド、アミノおよびヒドロキシ基である。
【0052】
「医薬品有効成分」(または「API」)という用語は、特定の生物学的活性を有する医薬組成物中の化合物または分子を表す。
「医薬組成物」および「医薬製剤」(または「製剤」)という用語は、互換的に使用され、治療上有効量の医薬品有効成分を、それを必要とする哺乳動物、例えばヒトに投与される薬学的に許容される賦形剤と一緒に含む、混合物または溶液を表す。
【0053】
「薬学的に許容される」という用語は、概して安全であり、非毒性であり、生物学的にも他の点でも望ましくないものでない、獣医学ならびにヒトの医薬用に許容される、医薬組成物を調製する際に有用な材料の属性を表す。
【0054】
「薬学的に許容される賦形剤」、「薬学的に許容される担体」および「治療上不活性な賦形剤」という用語は、互換的に使用され、医薬品を製剤化する際に使用される、崩壊剤、結合剤、充填剤、溶媒、緩衝剤、等張化剤、安定剤、酸化防止剤、界面活性剤、担体、希釈剤または滑沢剤などの、治療活性を有さず、投与される対象に対して非毒性である、医薬組成物中の任意の薬学的に許容される成分を表すことができる。
【0055】
「治療上有効量」という用語は、対象に投与された場合に、(i)特定の疾患、状態または障害を治療または予防する、(ii)特定の疾患、状態または障害の1つまたは複数の症状を、軽減する、改善するまたは除外する、あるいは(iii)本明細書に記載される特定の疾患、状態または障害の1つまたは複数の症状の発症を予防するまたは遅延させる、本発明の化合物または分子の量を表す。治療上有効量は、化合物、治療されている疾患状態、治療される疾患の重症度、対象の年齢および相対的健康、投与の経路および形態、担当の医師または獣医師の判断、ならびに他の因子に応じて変動すると予想される。
【0056】
疾患状態の「治療すること」または「治療」という用語は、疾患状態を阻害すること、すなわち、疾患状態もしくはその臨床症状の発生を停止させること、または疾患状態を和らげること、すなわち、疾患状態もしくはその臨床症状の一時的もしくは永続的退行を引き起こすことを含む。
【0057】
疾患状態の「予防すること」または「予防」という用語は、疾患状態に曝露され得るまたはかかりやすいが、疾患状態の症状を未だ経験しても示してもいない対象で、疾患状態の臨床症状を発生させないことを表す。
【0058】
本明細書で使用される「アミノ酸」という用語は、カルボキシル基に対してα位に位置するアミノ部分を保有する有機分子を表す。アミノ酸の例は、アルギニン、グリシン、オルニチン、2,4-ジアミノ酪酸、リジン、ヒスチジン、グルタミン酸、アスパラギン酸、イソロイシン、ロイシン、アラニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、メチオニン、セリンおよびプロリンを含む。使用されるアミノ酸は、場合により、各場合でL-形態である。
【0059】
「塩基」という用語は、概説される反応ステップに適した任意の塩基を指す。本発明の方法に使用され得る塩基のいくつかの特定の、非限定的な例は、ジイソプロピルエチルアミン、炭酸ナトリウム、リン酸カリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムである。カルボン酸とアミンとの間のカップリング反応のためには、ジイソプロピルエチルアミンなどの塩基が好ましい。カルボン酸エステルを加水分解するためには、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物が好ましい塩基である。鈴木・宮浦カップリングなどの遷移金属触媒クロスカップリング反応のためには、炭酸ナトリウムおよびリン酸カリウムなどの塩基が好ましい。
【0060】
「均一系触媒」という用語は、反応物質として同じ相中にある触媒を指す。特に、均一系触媒は、反応が起こる溶媒に可溶性の触媒である。均一系触媒の例は、[(1,2,5,6-η)-1,5-シクロオクタジエン][(2S,2’S,5S,5’S)-1,1’-(1,2-フェニレン)ビス[2,5-ジエチルホスホラン-κP]]-ロジウム(1+)トリフルオロメタンスルホネート(CAS-RN142184-30-3)である。
【0061】
不斉水素化という用語は、水素の2個の原子を、アルケンなどの不飽和基質分子の2つの面の一方に優先的に付加する化学反応を指す。
本発明の化合物
第1の態様では、本発明は、式(I)の化合物
【0062】
【化6】
【0063】
またはその薬学的に許容される塩
(式中、
はCHまたはNであり;
はCHまたはNであり;
Aは
【0064】
【化7】
【0065】
から選択され;
は水素、ハロゲン、C1~6-アルコキシおよびC1~6-アルキルから選択され;
は水素またはC1~6-アルキルであり;
はC1~6-アミノアルキルであり;
はC1~6-アミノアルキルまたはカルバモイル-C1~6-アルキルであり;
はカルボキシ、カルボキシ-C1~6-アルキルおよびカルボキシ-C2~6-アルケニルから選択され;
は水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C1~6-アルコキシおよびC1~6-アルキルスルホニルから選択される)
であって、
但し、
4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノ-ブチル)-11-(3-アミノ-プロピル)-25-クロロ-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタアザ-トリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-22-イル]-安息香酸
ではない、化合物を提供する。
【0066】
本明細書に開示される具体的なX、X、R~RおよびAに関する全ての実施形態が、本明細書に開示される別のX、X、R~RおよびAに関する任意の他の実施形態と組み合わせ得ることを理解されたい。
【0067】
一実施形態では、本発明は、XがCHである、本明細書に記載される式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
一実施形態では、本発明は、XがNである、本明細書に記載される式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0068】
一実施形態では、本発明は、Aが
【0069】
【化8】
【0070】
から選択される、本明細書に記載される式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
一実施形態では、本発明は、Aが
【0071】
【化9】
【0072】
(式中、
波線は式(I)の残りとの結合点を示し;
はRの結合点を示し;
**はRの結合点を示す)
から選択される、本明細書に記載される式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0073】
一実施形態では、本発明は、
Aが
【0074】
【化10】
【0075】
から選択され;
がカルボキシおよびカルボキシメチルから選択され;
が水素である、
本明細書に記載される式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0076】
好ましい実施形態では、本発明は、Aがフェニルである、本明細書に記載される式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
一実施形態では、本発明は、Rが水素およびハロゲンから選択される、本明細書に記載される式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0077】
好ましい実施形態では、本発明は、Rが水素およびクロロから選択される、本明細書に記載される式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
一実施形態では、本発明は、Rが水素、クロロ、フルオロ、メチルおよびメトキシから選択される、本明細書に記載される式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0078】
特に好ましい実施形態では、本発明は、Rが水素である、本明細書に記載される式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
一実施形態では、本発明は、Rが水素またはメチルである、本明細書に記載される式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0079】
好ましい実施形態では、本発明は、Rが水素である、本明細書に記載される式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
好ましい実施形態では、本発明は、RがC2~4-アミノアルキルである、本明細書に記載される式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0080】
好ましい実施形態では、本発明は、RがC-アミノアルキルである、本明細書に記載される式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
特に好ましい実施形態では、本発明は、Rが4-アミノブチルである、本明細書に記載される式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0081】
一実施形態では、本発明は、Rが2-アミノエチル、3-アミノプロピルおよび4-アミノブチルから選択される、本明細書に記載される式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0082】
一実施形態では、本発明は、RがC1~6-アミノアルキルである、本明細書に記載される式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
一実施形態では、本発明は、RがC2~3-アミノアルキルである、本明細書に記載される式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0083】
好ましい実施形態では、本発明は、RがC-アミノアルキルである、本明細書に記載される式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
特に好ましい実施形態では、本発明は、Rが3-アミノプロピルである、本明細書に記載される式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0084】
一実施形態では、本発明は、Rが2-アミノエチル、3-アミノプロピルおよび3-アミノ-3-オキソ-プロピルから選択される、本明細書に記載される式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0085】
一実施形態では、本発明は、Rがカルボキシ、カルボキシメチルおよび(Z)-2-カルボキシビニルから選択される、本明細書に記載される式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0086】
好ましい実施形態では、本発明は、Rがカルボキシまたはカルボキシメチルである、本明細書に記載される式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
好ましい実施形態では、本発明は、Rがカルボキシである、本明細書に記載される式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0087】
好ましい実施形態では、本発明は、Rがカルボキシメチルである、本明細書に記載される式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
好ましい実施形態では、本発明は、Rが水素である、本明細書に記載される式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0088】
一実施形態では、本発明は、Rが水素、クロロ、フルオロ、ヒドロキシ、メトキシおよびメチルスルホニルから選択される、本明細書に記載される式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0089】
一実施形態では、本発明は、
がCHであり;
がCHまたはNであり;
Aが
【0090】
【化11】
【0091】
から選択され;
が水素またはハロゲンであり;
が水素であり;
がC2~4-アミノアルキルであり;
がC2~3-アミノアルキルであり;
がカルボキシまたはカルボキシ-C1~6-アルキルであり;
が水素である、
本明細書に記載される式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0092】
好ましい実施形態では、本発明は、
がCHであり;
がCHまたはNであり;
Aが
【0093】
【化12】
【0094】
から選択され;
が水素またはハロゲンであり;
が水素であり;
がC-アミノアルキルであり;
がC-アミノアルキルであり;
がカルボキシまたはカルボキシ-C1~6-アルキルであり;
が水素である、
本明細書に記載される式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0095】
特に好ましい実施形態では、本発明は、
がCHであり;
がCHまたはNであり;
Aが
【0096】
【化13】
【0097】
から選択され;
が水素またはクロロであり;
が水素であり;
が4-アミノブチルであり;
が3-アミノプロピルであり;
がカルボキシまたはカルボキシメチルであり;
が水素である、
本明細書に記載される式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0098】
一実施形態では、本発明は、
がCHまたはNであり;
がCHまたはNであり;
Aが
【0099】
【化14】
【0100】
から選択され;
が水素、クロロ、フルオロ、メチルおよびメトキシから選択され;
が水素またはメチルであり;
が2-アミノエチル、3-アミノプロピルおよび4-アミノブチルから選択され;
が2-アミノエチル、3-アミノプロピルおよび3-アミノ-3-オキソ-プロピルから選択され;
がカルボキシ、カルボキシメチルおよび(Z)-2-カルボキシビニルから選択され;
が水素、クロロ、フルオロ、ヒドロキシ、メトキシおよびメチルスルホニルから選択される、
本明細書に記載される式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0101】
好ましい実施形態では、本発明は、基
【0102】
【化15】
【0103】
【0104】
【化16】
【0105】
である、本明細書に記載される式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
好ましい実施形態では、本発明は、
4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノ-3-オキソ-プロピル)-25-クロロ-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(21),3,5,7,22,24-ヘキサエン-22-イル]安息香酸;
4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-22-イル]安息香酸;
4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-22-イル]安息香酸;
4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-25-クロロ-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,7,10,13,16,19-ヘキサザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(21),3,5,7,22,24-ヘキサエン-22-イル]安息香酸;
2-クロロ-4-[rac-(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-25-クロロ-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,7,10,13,16,19-ヘキサザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(21),3,5,7,22,24-ヘキサエン-22-イル]安息香酸;
4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-25-クロロ-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,7,10,13,16,19-ヘキサザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(21),3,5,7,22,24-ヘキサエン-22-イル]-2-フルオロ-安息香酸;
4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-25-フルオロ-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-22-イル]安息香酸;
4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-25-クロロ-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-22-イル]-2-メチルスルホニル-安息香酸;
4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノ-3,3-ジフルオロ-ブチル)-11-(3-アミノプロピル)-25-クロロ-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(21),3,5,7,22,24-ヘキサエン-22-イル]安息香酸;
4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-25-クロロ-16-メチル-17-[(2-メチル-1H-インドール-3-イル)メチル]-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(25),3,5,7,21,23-ヘキサエン-22-イル]安息香酸;
4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-25-クロロ-16-メチル-17-[(2-メチル-1H-インドール-3-イル)メチル]-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(25),3,5,7,21,23-ヘキサエン-22-イル]安息香酸;
5-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-25-クロロ-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(25),3,5,7,21,23-ヘキサエン-22-イル]ピリジン-2-カルボン酸;
4-[(11S,14S,17S)-11,14-ビス(3-アミノプロピル)-25-クロロ-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(21),3,5,7,22,24-ヘキサエン-22-イル]安息香酸;
4-[(11S,14S,17S)-11,14-ビス(3-アミノプロピル)-25-フルオロ-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-22-イル]安息香酸;
4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-16-メチル-17-[(2-メチル-1H-インドール-3-イル)メチル]-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(25),3,5,7,21,23-ヘキサエン-22-イル]安息香酸;
4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16,25-ジメチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-22-イル]安息香酸;
4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-25-クロロ-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(21),3(8),4,6,22,24-ヘキサエン-22-イル]-2-ヒドロキシ-安息香酸;
4-[(11S,14S,17S)-14-(2-アミノエチル)-11-(3-アミノプロピル)-25-クロロ-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-22-イル]安息香酸;
2-メトキシ-4-[rac-(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-25-クロロ-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,7,10,13,16,19-ヘキサザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-22-イル]安息香酸;
2-[4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-25-フルオロ-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-22-イル]-2-オキソ-1-ピリジル]酢酸;
4-[(11S,14S,17S)-11,14-ビス(3-アミノプロピル)-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-22-イル]安息香酸;
4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-25-メトキシ-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-22-イル]安息香酸;
5-[(11S,14S,17S)-11,14-ビス(3-アミノプロピル)-25-フルオロ-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-22-イル]ピリジン-2-カルボン酸;
2-[4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-25-クロロ-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(21),3,5,7,22,24-ヘキサエン-22-イル]-2-オキソ-1-ピリジル]酢酸;
4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(2-アミノエチル)-25-クロロ-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-22-イル]安息香酸;
4-[(11S,14S,17S)-11-(2-アミノエチル)-14-(3-アミノプロピル)-25-クロロ-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-22-イル]安息香酸;
2-[4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16,25-ジメチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-22-イル]-2-オキソ-1-ピリジル]酢酸;
4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19,24-ヘキサザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-22-イル]安息香酸;
2-[4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-25-クロロ-16-メチル-17-[(2-メチル-1H-インドール-3-イル)メチル]-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-22-イル]-2-オキソ-1-ピリジル]酢酸;
(E)-3-[4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-25-フルオロ-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-22-イル]-2-オキソ-1-ピリジル]プロパ-2-エン酸;および
5-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-25-クロロ-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-22-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-2-カルボン酸;
またはその薬学的に許容される塩から選択される、本明細書に記載される式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0106】
特に好ましい実施形態では、本発明は、
4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-22-イル]安息香酸;
2-[4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-25-クロロ-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(21),3,5,7,22,24-ヘキサエン-22-イル]-2-オキソ-1-ピリジル]酢酸;および
4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19,24-ヘキサザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-22-イル]安息香酸;
またはその薬学的に許容される塩から選択される、本明細書に記載される式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0107】
一実施形態では、本発明は、本明細書に記載される式(I)による化合物の薬学的に許容される塩、特に塩酸塩を提供する。さらなる特定の実施形態では、本発明は、本明細書に記載される式(I)による化合物を提供する。
製造方法
本発明の化合物は、任意の従来の手段によって調製され得る。これらの化合物を合成するための適切な方法ならびにそれらの出発物質は、以下のスキームおよび実施例で提供される。全ての置換基、特にX、X、R~RおよびAは、別段の指示がない限り、上に定義される通りである。さらに、別段の明示的な言及がない限り、全ての反応、反応条件、略語および記号は、有機化学の当業者に周知の意味を有する。
1.テザーの一般的合成
式(III)のテザー中間体は、当技術分野で公知の標準的な方法に準拠して、特に実施例に記載される方法に従って、調製され得る。
【0108】
【化17】
【0109】
化合物(III)中、PGは9-フルオレニルメトキシカルボニルなどの適切なアミノ保護基であり、Halはハロゲン、好ましくはBrまたはIであり、X、XおよびRは本明細書に定義される通りである。
2.トリペプチドの一般的合成
式(IV)のトリペプチド(式中、R30は-C1~6-アルキル-NH-COOBuであり;R40は-C1~6-アルキル-NH-COOBuまたは-C1~6-アルキル-C(O)-NH-CPhであり、Rは本明細書に定義される通りである)は、当技術分野で知られている標準的な方法に準拠して調製され得る。
【0110】
【化18】
【0111】
トリペプチド配列(IV)は、例えば、以下の通り先行技術の固相ペプチド合成プロトコルを介して合成され得る:
a)固体支持体としての樹脂(例えば、2-クロロ-トリチル樹脂)に、第1のN-保護アミノ酸およびジイソプロピルエチルアミン(N,N-ジイソプロピルエチルアミンまたはN,N-ジイソプロピルエチルアミン)をロードし、引き続いて保護基を切断する。
【0112】
b)第2のN-保護アミノ酸を、カップリング試薬およびジイソプロピルエチルアミンを用いてカップリングし、引き続いて保護基(例えば、9-フルオレニルメトキシカルボニル)を切断する。
【0113】
c)第3のN-保護アミノ酸を、カップリング試薬およびジイソプロピルエチルアミンを用いてカップリングし、引き続いて保護基を切断する。
特定の実施形態では、N-保護アミノ酸が、9-フルオレニルメチルオキシカルボニルで保護されている。
【0114】
特定の実施形態では、樹脂に、ステップa)で、ジクロロメタン中、0.1~1.0当量の第1のアミノ酸および過剰なジイソプロピルエチルアミンをロードする。
特定の実施形態では、樹脂を、ステップa)でのカップリング反応後、ジメチルホルムアミド(N,N-ジメチルホルムアミド)およびジクロロメタン(ジクロロメタン)で徹底的に洗浄する。
【0115】
特定の実施形態では、9-フルオレニルメトキシカルボニル保護基を、ステップa)で、ジクロロメタン/N,N-ジメチルホルムアミド(1:1)中50%ピペリジンの混合物により切断する。
【0116】
特定の実施形態では、樹脂を、ステップa)での脱保護後、N,N-ジメチルホルムアミド、ジクロロメタンおよびメタノールで徹底的に洗浄し、引き続いて真空下で乾燥させ、秤量する。
【0117】
特定の実施形態では、ステップb)のカップリング試薬が2-クロロ-1-メチルピリジニウムヨージドである。
特定の実施形態では、ステップb)の第2のアミノ酸を、カップリング試薬としての4当量の2-クロロ-1-メチルピリジニウムヨージドおよび6当量のN,N-ジメチルホルムアミド/ジクロロメタン(1:1)中ジイソプロピルエチルアミンを用いてカップリングする。
【0118】
特定の実施形態では、樹脂を、ステップb)でのカップリング反応後、N,N-ジメチルホルムアミドおよびジクロロメタンで徹底的に洗浄する。
特定の実施形態では、9-フルオレニルメトキシカルボニル保護基を、ステップb)で、ジクロロメタン/N,N-ジメチルホルムアミド(1:1)中50%ピペリジンの混合物により切断する。
【0119】
特定の実施形態では、樹脂を、ステップb)での脱保護後、N,N-ジメチルホルムアミドおよびジクロロメタンで徹底的に洗浄し、引き続いて真空下で乾燥させ、秤量する。
特定の実施形態では、ステップc)のカップリング試薬がO-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウム-ヘキサフルオロホスフェートである。
【0120】
特定の実施形態では、ステップc)の第3のアミノ酸を、カップリング試薬としての4当量のO-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウム-ヘキサフルオロホスフェートおよび6当量のN,N-ジメチルホルムアミド/ジクロロメタン(1:1)中ジイソプロピルエチルアミンを用いてカップリングする。
【0121】
特定の実施形態では、樹脂を、ステップc)でのカップリング反応後、N,N-ジメチルホルムアミドおよびジクロロメタンで徹底的に洗浄する。
特定の実施形態では、9-フルオレニルメトキシカルボニル保護基を、ステップc)で、N,N-ジメチルホルムアミド中20%ピペリジンの混合物により切断する。
【0122】
特定の実施形態では、樹脂を、ステップc)での脱保護後、N,N-ジメチルホルムアミドおよびジクロロメタンで徹底的に洗浄し、引き続いて真空下で乾燥させ、秤量する。
3.トリペプチドをテザーとカップリングするための一般的手順
式(V)の中間体を、例えば、式(III)のおよび式(IV)の化合物から出発して、スキーム1に従って得ることができる。Halはハロゲン、好ましくはBrまたはIであり、R30は-C1~6-アルキル-NH-COOBuであり;R40は-C1~6-アルキル-NH-COOBuまたは-C1~6-アルキル-C(O)-NH-CPhであり;X、X、RおよびRは本明細書に定義される通りである。
【0123】
【化19】
【0124】
式(III)のテザーアルデヒドと式(IV)のトリペプチドのカップリング(スキーム1、ステップa)は、例えば、前記式(III)のテザーアルデヒドを、1-メチル-2-ピロリドン、オルトギ酸トリメチルおよび酢酸の混合物に溶解し、式(IV)のトリペプチドを含む樹脂を溶液に添加することによって達成され得る。混合物の攪拌後、シアノ水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤を添加して、式(II)の化合物を得る。
【0125】
スキーム1、ステップbでは、テザーの保護基(PG)を、例えばN,N-ジメチルホルムアミド中20%ピペリジンの混合物により切断する。トリペプチド上の樹脂を、例えばジクロロメタン中20%ヘキサフルオロイソプロパノールの添加により切断し、濾別することができる。式(V)の中間体は、例えばO-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウム-ヘキサフルオロホスフェートおよびジイソプロピルエチルアミンを使用する式(II)の切断された化合物の環化を通して最終的に得られる。
4.カルボン酸サブユニットを取り付けるための一般的手順
式(I)の化合物は、例えば式(V)の化合物から出発して、スキーム2に従って得ることができる。Halはハロゲン、好ましくはBrまたはIであり;R30は-C1~6-アルキル-NH-COOBuであり;R40は-C1~6-アルキル-NH-COOBuまたは-C1~6-アルキル-C(O)-NH-CPhであり、A、X、X、RおよびRは本明細書に定義される通りである。
【0126】
【化20】
【0127】
ステップa、スキーム2では、ハロ大環状分子(V)を、ボロン酸(VIIA)またはジオキソボロラン(VIIB)と反応させて、式(VI)の化合物(式中、R30は-C1~6-アルキル-NH-COOBuであり;R40は-C1~6-アルキル-NH-COOBuまたは-C1~6-アルキル-C(O)-NH-CPhであり;A、X、X、R、RおよびRは本明細書に定義される通りであり、R5’はR、-C1~6-アルキル-RおよびC2~6-アルケニル-Rから選択され、Rはカルボキシおよび保護されたカルボン酸から選択される)を得る。保護されたカルボン酸の特定の、非限定的な例は、メチルエステルおよびtert-ブチルエステルなどの、アルキルおよびアリールアルキルエステルである。
【0128】
【化21】
【0129】
この反応を、場合によりマイクロ波照射下、20℃~150℃の温度で、塩基、例えば炭酸ナトリウムまたはリン酸カリウムの存在下、水、1,4-ジオキサン、N,N-ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフランまたはこれらの混合物などの溶媒中、適切なパラジウム触媒、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)または[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)の存在下で実施する。
【0130】
ステップb、スキーム2では、当技術分野で知られている方法および試薬を使用して、保護基を切断する。例えば、ジクロロメタン中トリフルオロ酢酸を使用して全体的脱保護を行い、引き続いて溶媒を蒸発させ、室温で、水または塩酸水溶液中で加水分解を行うことができる。この順序により、例えば以下の保護基が除去され得る:
・R30のtert-ブトキシカルボニル基
・R40のtert-ブトキシカルボニル基またはトリチル基
・インドールサブユニットのtert-ブトキシカルボニル基
・R5’のtert-ブチルエステル
ステップaで使用されるホウ素試薬(VIIA)または(VIIB)のR5’がメチルエステルである特定の実施形態では、中間体(VI)を、最初に20℃~100℃の温度で、適切な溶媒混合物、例えば水/テトラヒドロフランまたは水/エタノール中、塩基、例えば水酸化ナトリウムで加水分解する。この手順はまた、インドール窒素からtert-ブトキシカルボニル基を切断する。第2のステップでは、残っている保護基を、0℃~50℃の温度で、適切な溶媒混合物、例えば水/テトラヒドロフラン中塩酸を使用して切断する。この脱保護反応順序により、式(I)の化合物が製造される。
【0131】
したがって、一態様では、本発明は、本明細書に記載される式(I)の化合物を製造する方法であって、
b)式(VI)の化合物(式中、R、R、R5’、R、R30、R40、XおよびXは本明細書に定義される通りである)中に存在する全てのアミノ-、インドール-およびカルボキシ保護基を切断して、
【0132】
【化22】
【0133】
前記式(I)の化合物を得るステップ
を含む方法を提供する。
本発明による方法の一実施形態では、R5’がR、-C1~6-アルキル-Rおよび-C2~6-アルケニル-Rから選択され、Rがカルボキシおよび保護されたカルボン酸から選択される。
【0134】
本発明による方法の好ましい実施形態では、R5’がR、-C1~6-アルキル-Rおよび-C2~6-アルケニル-Rから選択され、Rがカルボキシおよび保護されたカルボン酸から選択され、前記保護されたカルボン酸がアルキル-またはアリールアルキルエステルである。
【0135】
本発明による方法の特に好ましい実施形態では、R5’がR、-C1~6-アルキル-Rおよび-C2~6-アルケニル-Rから選択され、Rがカルボキシおよび保護されたカルボン酸から選択され、前記保護されたカルボン酸がメチルエステルまたはtert-ブチルエステルである。
【0136】
本発明による方法の一実施形態では、前記式(VI)の化合物が、
c)式(V)のハロ大環状分子(式中、R、R、R30、R40、XおよびXは本明細書に定義される通りである)
【0137】
【化23】
【0138】
をボロン酸(VIIA)
【0139】
【化24】
【0140】
またはジオキソボロラン(VIIB)(式中、R5’およびRは本明細書に定義される通りである)
【0141】
【化25】
【0142】
と反応させるステップ
によって得られる。
本発明による方法の一実施形態では、前記式(V)のハロ大環状分子が、
d)塩基の存在下、カップリング試薬を使用して、式(IIa)の化合物(式中、R、R、R30、R40、XおよびXは本明細書に定義される通りである)を環化するステップ
【0143】
【化26】
【0144】
によって得られる。
本発明による方法の一実施形態では、前記式(IIa)の化合物が、
e)式(II)の化合物(式中、R、R、R30、R40、X、XおよびPGは本明細書に定義される通りである)から保護基(PG)および樹脂を除去するステップ
【0145】
【化27】
【0146】
によって得られる。
本発明による方法の一実施形態では、前記式(II)の化合物が、
f)式(III)のアルデヒド(式中、X、X、RおよびPGは本明細書に定義される通りである)
【0147】
【化28】
【0148】
を式(IV)のアミン(式中、R、R30およびR40は本明細書に定義される通りである)
【0149】
【化29】
【0150】
で還元的アミノ化するステップ
によって得られる。
特に好ましい実施形態では、本発明は、本明細書に記載される式(I)の化合物を製造する方法であって、
a)式(III)の化合物(式中、X、X、RおよびPGは本明細書に定義される通りである)を式(IV)の化合物(式中、R、R30およびR40は本明細書に定義される通りである)で還元的アミノ化して、式(II)の化合物(式中、R、R、R30、R40、X、XおよびPGは本明細書に定義される通りである)を得るステップと;
【0151】
【化30】
【0152】
b)式(II)の化合物から保護基(PG)および樹脂を除去して、式(IIa)の化合物(式中、R、R、R30、R40、XおよびXは本明細書に定義される通りである)を得るステップと;
【0153】
【化31】
【0154】
c)塩基の存在下、カップリング試薬を使用して、式(IIa)の化合物を環化して、式(V)のハロ大環状分子(式中、R、R、R30、R40、XおよびXは本明細書に定義される通りである)を得るステップと;
【0155】
【化32】
【0156】
d)前記式(V)ハロ大環状分子をボロン酸(VIIA)
【0157】
【化33】
【0158】
またはジオキソボロラン(VIIB)(式中、R5’およびRは本明細書に定義される通りである)
【0159】
【化34】
【0160】
と反応させて、式(VI)の化合物(式中、R、R、R5’、R、R30、R40、XおよびXは本明細書に定義される通りである)
【0161】
【化35】
【0162】
を得るステップと;
e)式(VI)の化合物中に存在する全てのアミノ-、インドール-およびカルボキシ保護基を切断して、前記式(I)の化合物を得るステップと
を含む方法を提供する。
【0163】
保護基の切断は、一般的に、当技術分野で知られている方法および試薬を使用して達成される(例示的な保護基および有機合成へのそれらの適用は、例えば、「Protective groups in Organic Chemistry」、T.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts、第5版、2014、John Wiley&Sons、N.Y.に記載されている)。
【0164】
特定の実施形態では、第一級または第二級アミンを、場合によりカルボカチオン捕捉剤、例えばトリイソプロピルシランまたはトリエチルシランの存在下、ジクロロメタン、水、1,4-ジオキサン、2-プロパノール、アセトニトリルまたはこれらの混合物などの溶媒中で、適切な酸、例えばトリフルオロ酢酸または塩化水素と反応させることによって、tert-ブチルカルバメート誘導体から製造する。これらの条件下で、N-(tert-ブトキシカルボニル)インドール、N-(トリメチルフェニル)-アミドおよびO-tert-ブチル-ジメチルシリルエーテルをそれぞれ遊離インドール、アミドおよびアルコールに同時に変換する。
【0165】
特定の実施形態では、カルボン酸を、水/エタノールまたは水/テトラヒドロフランなどの溶媒系中、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどの塩基を使用したけん化によって、そのアルキルエステル誘導体から製造する。
【0166】
式(IXa)および(IXb)の化合物(式中、PGはインドール窒素のための適切な保護基であり、PGは適切なアミノ保護基であり、RおよびR20はそれぞれ独立に、C1~6-アルキルである)は、式(I)の化合物(式中、RはC1~6-アルキルである)を合成するための構築ブロックとして使用されるトリペプチドを合成するための重要な中間体である(中間体4、ステップ3参照)。
【0167】
【化36】
【0168】
したがって、一実施形態では、式(I)の化合物(式中、RはC1~6-アルキルである)を製造する方法であって、
a)均一系触媒の存在下で、式(VIII)の化合物(式中、PGはインドール窒素のための適切な保護基であり、PGは適切なアミノ保護基であり、RおよびR20はそれぞれ独立に、C1~6-アルキルである)を不斉水素化して、
【0169】
【化37】
【0170】
式(IXa)または(IXb)の化合物(式中、PGはインドール窒素のための適切な保護基であり、PGは適切なアミノ保護基であり、RおよびR20はそれぞれ独立に、C1~6-アルキルである)
【0171】
【化38】
【0172】
を得るステップと;
b)前記式(IXa)または(IXb)の化合物を本明細書に記載されるようにさらに反応させて、前記式(I)の化合物(式中、RはC1~6-アルキルである)を得るステップと
を含む方法が提供される。
【0173】
一実施形態では、前記均一系触媒が[(1,2,5,6-η)-1,5-シクロオクタジエン][(2S,2’S,5S,5’S)-1,1’-(1,2-フェニレン)ビス[2,5-ジエチルホスホラン-κP]]-ロジウム(1+)トリフルオロメタンスルホネート(CAS-RN142184-30-3)である。
【0174】
好ましい実施形態では、式(VIII)の化合物の不斉水素化が、式(IXa)の化合物をもたらす。
適切なアミノ保護基は当業者に周知であり、いくつかの非限定的な例は本明細書に記載される。
【0175】
一実施形態では、PGの各出現がBOC(tert-ブトキシカルボニル)である。
一実施形態では、PGの各出現がCbz(ベンジルオキシカルボニル)である。
一実施形態では、Rの各出現がメチルである。
【0176】
一実施形態では、R20の各出現がメチルである。
一態様では、本発明は、式(IXa)または(IXb)の化合物(式中、PGはインドール窒素のための適切な保護基であり、PGは適切なアミノ保護基であり、RおよびR20はそれぞれ独立に、C1~6-アルキルである)を製造する方法であって、
【0177】
【化39】
【0178】
均一系触媒の存在下で、式(VIII)の化合物(式中、PGはインドール窒素のための適切な保護基であり、PGは適切なアミノ保護基であり、RおよびR20はそれぞれ独立に、C1~6-アルキルである)を不斉水素化して、
【0179】
【化40】
【0180】
前記式(IXa)または(IXb)の化合物を得るステップ
を含む方法を提供する。
医薬組成物
本発明の別の態様は、本発明の化合物と、治療上不活性な担体、希釈剤または薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物または医薬、ならびにこのような組成物および医薬を調製するために本発明の化合物を使用する方法を提供する。
【0181】
組成物は、医学行動規範と一致する様式で、製剤化、投薬および投与される。この文脈で考慮すべき因子は、治療されている特定の障害、治療されている特定の哺乳動物、個々の患者の臨床状態、障害の原因、薬剤の送達部位、投与の方法、投与のスケジューリングおよび医療従事者に公知の他の因子を含む。
【0182】
本発明の化合物は、経口、局所(頬側および舌下を含む)、経直腸、膣内、経皮、非経口、皮下、腹腔内、肺内、皮内、髄腔内および硬膜外および鼻腔内、ならびに、局所治療のために所望される場合、病巣内投与を含む任意の適切な手段によって投与され得る。非経口注入は、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内または皮下投与を含む。
【0183】
好ましい実施形態では、1つまたは複数の本発明の化合物を含む医薬組成物であって、静脈内投与に適した医薬組成物が提供される。
本発明の化合物は、任意の便利な投与形態、例えば、錠剤、散剤、カプセル剤、液剤、分散剤、懸濁剤、シロップ、スプレー、坐剤、ゲル、乳剤、パッチ等で投与され得る。このような組成物は、医薬調製物で慣用的な成分、例えば、希釈剤、担体、pH調整剤、保存剤、可溶化剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味剤、着色剤、香味剤、浸透圧を変化させるための塩、緩衝剤、マスキング剤、酸化防止剤およびさらなる活性剤を含み得る。これらはまた、さらに他の治療的に価値のある物質を含むこともできる。
【0184】
典型的な製剤は、本発明の化合物および担体または賦形剤を混合することによって調製される。適切な担体および賦形剤は、当業者に周知であり、例えば、Ansel H.C.ら、Ansel’s Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems(2004)Lippincott、Williams&Wilkins、Philadelphia;Gennaro A.R.ら、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(2000)Lippincott、Williams&Wilkins、Philadelphia;およびRowe R.C、Handbook of Pharmaceutical Excipients(2005)Pharmaceutical Press、Chicagoに詳細に記載されている。製剤は、1つまたは複数の緩衝剤、安定剤、界面活性剤、湿潤剤、滑沢剤、乳化剤、懸濁剤、保存剤、酸化防止剤、不透明化剤、滑剤、加工助剤、着色剤、甘味剤、芳香剤、香味剤、希釈剤および整った外見の薬物(すなわち、本発明の化合物またはその医薬組成物)を提供するまたは医薬品(すなわち、医薬)の製造を補助するための他の既知の添加剤も含み得る。
【0185】
本発明の化合物が投与され得る投与量は、広い範囲内で変動することができ、当然、各特定の場合で個々の要件に適合することになる。概して、静脈内投与の場合、1人当たり約1~1000mgの一般式(I)の化合物の1日投与量が適切となるはずであるが、必要な場合には、上限を超えてもよい。
【0186】
適切な静脈内剤形の例は、約1mg~約500mgの本発明の化合物を含む無菌水溶液である。このような静脈内投与用の無菌水溶液は、例えば1mg~約500mgの本発明の化合物を水(例えば、約50mL)に溶解し、水酸化ナトリウム水溶液を添加することによってpHを4~8、好ましくは約7に調整することによって得ることができる。この手順は、当技術分野で知られている方法を使用した最終滅菌によって完了される。
【0187】
エアゾール製剤の例は、例えば10~100mgの本発明の化合物を、適切な緩衝溶液、例えばリン酸緩衝液に溶解し、所望であれば、等張化剤、例えば塩化ナトリウムなどの塩を添加することによって調製することができる。例えば0.2μmのフィルターを使用して溶液を濾過して、不純物および汚染物質を除去してよい。
使用
式(I)の化合物およびそれらの薬学的に許容される塩は、病原体によって、特に細菌によって、さらに特にアシネトバクター属(Acinetobacter)種によって、最も特にアシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumannii)によって引き起こされる感染症および結果として生じる疾患、特に菌血症、肺炎、髄膜炎、尿路感染症および創傷感染症を治療または予防するための価値のある薬理学的特性を保有する。
【0188】
式(I)の化合物およびそれらの薬学的に許容される塩は、抗生物質として、特にアシネトバクター属(Acinetobacter)種に対する抗生物質として、さらに特にアシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumannii)に対する抗生物質として、最も特にアシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumannii)に対する病原体特異的抗生物質として、活性を示す。
【0189】
式(I)の化合物およびそれらの薬学的に許容される塩は、抗生物質として、すなわち、細菌感染症の治療および予防、特にアシネトバクター属(Acinetobacter)種によって引き起こされる細菌感染症の治療および予防、さらに特にアシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumannii)によって引き起こされる細菌感染症の治療および予防に適した抗菌医薬成分として使用され得る。
【0190】
本発明の化合物は、単独でまたは他の薬物と組み合わせてのいずれかで、病原体によって、特に細菌によって引き起こされる、さらに特にアシネトバクター属(Acinetobacter)種によって、最も特にアシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumannii)によって引き起こされる感染症および結果として生じる疾患、特に菌血症、肺炎、髄膜炎、尿路感染症および創傷感染症を治療または予防するために使用され得る。
【0191】
本発明の一態様は、上に定義される式(I)の化合物または上に定義されるそれらの薬学的に許容される塩と、1つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物に関する。
【0192】
本発明のさらなる態様は、病原体によって、特に細菌によって引き起こされる、さらに特にアシネトバクター属(Acinetobacter)種によって、最も特にアシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumannii)によって引き起こされる感染症および結果として生じる疾患、特に菌血症、肺炎、髄膜炎、尿路感染症および創傷感染症を治療または予防するための、上に定義される式(I)の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩と、1つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物に関する。
【0193】
本発明のさらなる態様は、治療活性物質として使用するための、特に、病原体によって、特に細菌によって引き起こされる、さらに特にアシネトバクター属(Acinetobacter)種によって、最も特にアシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumannii)によって引き起こされる感染症および結果として生じる疾患、特に菌血症、肺炎、髄膜炎、尿路感染症および創傷感染症を治療または予防するための治療活性物質として使用するための、上に定義される式(I)化合物またはそれらの薬学的に許容される塩に関する。
【0194】
本発明のさらなる態様は、病原体によって、特に細菌によって引き起こされる、さらに特にアシネトバクター属(Acinetobacter)種によって、最も特にアシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumannii)によって引き起こされる感染症および結果として生じる疾患、特に菌血症、肺炎、髄膜炎、尿路感染症および創傷感染症の治療または予防に使用するための、上に定義される式(I)の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩に関する。
【0195】
本発明のさらなる態様は、病原体によって、特に細菌によって引き起こされる、さらに特にアシネトバクター属(Acinetobacter)種によって、最も特にアシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumannii)によって引き起こされる感染症および結果として生じる疾患、特に菌血症、肺炎、髄膜炎、尿路感染症および創傷感染症を治療または予防する方法であって、上に定義される式(I)の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩を、対象に投与するステップを含む方法に関する。
【0196】
本発明のさらなる態様は、病原体によって、特に細菌によって引き起こされる、さらに特にアシネトバクター属(Acinetobacter)種によって、最も特にアシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumannii)によって引き起こされる感染症および結果として生じる疾患、特に菌血症、肺炎、髄膜炎、尿路感染症および創傷感染症を治療または予防するための、上に定義される式(I)の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩の使用に関する。
【0197】
本発明のさらなる態様は、病原体によって、特に細菌によって引き起こされる、さらに特にアシネトバクター属(Acinetobacter)種によって、最も特にアシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumannii)によって引き起こされる感染症および結果として生じる疾患、特に菌血症、肺炎、髄膜炎、尿路感染症および創傷感染症を治療または予防するための医薬を調製するための、上に定義される式(I)の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩の使用に関する。このような医薬は、上に定義される式(I)の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩を含む。
【0198】
一実施形態では、本発明は、グラム陰性菌によって引き起こされる感染症および結果として生じる疾患の治療に使用するための、本明細書に記載される式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0199】
一実施形態では、本発明は、「エスケープ(ESKAPE)」病原体(エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、アシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumannii)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)ならびにエンテロバクター属(Enterobacter)種および大腸菌(E.coli))またはその組み合わせによって引き起こされる感染症および結果として生じる疾患の治療に使用するための、本明細書に記載される式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0200】
一実施形態では、本発明は、院内感染症の治療に使用するための、本明細書に記載される式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
一実施形態では、本発明は、多剤耐性(MDR)細菌、特にMDR A.バウマンニ(A.baumannii)によって引き起こされる感染症および結果として生じる疾患の治療に使用するための、本明細書に記載される式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0201】
一実施形態では、本発明は、カルバペネム耐性細菌、特にカルバペネム耐性A.バウマンニ(A.baumannii)によって引き起こされる感染症および結果として生じる疾患の治療に使用するための、本明細書に記載される式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【実施例
【0202】
以下の実施例を参照することによって、本発明がより完全に理解されるだろう。しかしながら、これらは本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
全ての実施例および中間体は、別段の指定がない限り、窒素雰囲気下で調製した。
使用される略語
aq.=水性;CAS-RN=ケミカルアブストラクトサービス登録番号;HPLC=高速液体クロマトグラフィー;MPLC=中圧液体クロマトグラフィー;MS=質量スペクトル;sat.=飽和。
【0203】
実施例1
4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタアザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-22-イル]安息香酸
【0204】
【化41】
【0205】
tert-ブチル3-(((7S,10S,13S)-17-ブロモ-10-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ブチル)-7-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロピル)-12-メチル-8,11,14-トリオキソ-5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16-ドデカヒドロベンゾ[b]ピリド[3,2-p][1]チア[5,8,11,14]テトラアザシクロヘプタデシン-13-イル)メチル)-1H-インドール-1-カルボキシレート(中間体1;2.15g、1.97mmol)4-(tert-ブトキシカルボニル)フェニルボロン酸(CAS-RN850568-54-6;675mg、2.95mmol)および炭酸ナトリウム(521mg、4.91mmol)をジオキサン/水6:1(22mL)に溶解した。反応混合物を、超音波浴中で容器を超音波処理しながら、アルゴンで2分間スパージングした。次いで、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(459mg、393μmol)を添加し、脱気をさらに2分間続け、次いで、管を密封し、混合物を、マイクロ波照射下、120℃で30分間加熱した。冷却後、反応混合物を酢酸エチルと1M炭酸ナトリウム水溶液に分配した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、粗物質(1.95g、淡橙色泡)を得た。物質を、固定相としてRediSep Rf Gold(登録商標)C18 Reversed Phase(100gカラム、20~40μM粒径)および溶離液として水(+0.05%トリフルオロ酢酸)からアセトニトリルまでの勾配を使用するMPLCによって精製した。凍結乾燥後、淡黄色生成物2.21gが得られた。この物質をジクロロメタン(22mL)に溶解し、室温で、トリフルオロ酢酸(22mL、295mmol)で処理し、次いで、90分後、反応混合物を真空中で蒸発させた。残渣を水(22mL)に溶解し、室温で2時間攪拌し、次いで、凍結乾燥させた。残渣を水/アセトニトリル10:1に溶解し、C18 Reverse Phaseカラム(Phenomenex Gemini-NX 5u 110A、100×30mm)および溶離液として水(+0.05%トリフルオロ酢酸)からアセトニトリルまでの勾配を使用する分取HPLCによって精製した。純粋な画分の凍結乾燥により、標記化合物がテトラキス(トリフルオロアセテート)塩(1.65g、67%)として得られた。白色凍結乾燥粉末、MS:791.7[M+H]
【0206】
実施例2
4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-25-クロロ-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタアザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-22-イル]-2-メチルスルホニル安息香酸
【0207】
【化42】
【0208】
標記化合物を、tert-ブチル3-(((7S,10S,13S)-17-ブロモ-10-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ブチル)-7-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロピル)-12-メチル-8,11,14-トリオキソ-5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16-ドデカヒドロベンゾ[b]ピリド[3,2-p][1]チア[5,8,11,14]テトラアザシクロヘプタデシン-13-イル)メチル)-1H-インドール-1-カルボキシレートおよび4-(tert-ブトキシカルボニル)フェニルボロン酸をtert-ブチル3-(((7S,10S,13S)-17-ブロモ-10-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ブチル)-7-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロピル)-20-クロロ-12-メチル-8,11,14-トリオキソ-5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16-ドデカヒドロベンゾ[b]ピリド[3,2-p][1,5,8,11,14]チアテトラアザシクロヘプタデシン-13-イル)メチル)-1H-インドール-1-カルボキシレート[CAS-RN2097294-18-1]およびtert-ブチル2-(メチルスルホニル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンゾエート(中間体6)によってそれぞれ置き換えて、実施例1と同様に製造した。白色凍結乾燥粉末、MS:903.3[M+H]
【0209】
以下の実施例を、tert-ブチル2-(メチルスルホニル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンゾエートを適切なホウ素試薬によって置き換えて、実施例2と同様に製造した:
【0210】
【表1-1】
【0211】
【表1-2】
【0212】
実施例3
4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-25-クロロ-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタアザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(21),3(8),4,6,22,24-ヘキサエン-22-イル]-2-ヒドロキシ-安息香酸
【0213】
【化43】
【0214】
ステップ1:tert-ブチル3-(((7S,10S,13S)-10-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ブチル)-7-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロピル)-20-クロロ-17-(3-ヒドロキシ-4-(メトキシカルボニル)フェニル)-12-メチル-8,11,14-トリオキソ-5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16-ドデカヒドロベンゾ[b]ピリド[3,2-p][1,5,8,11,14]チアテトラアザシクロヘプタデシン-13-イル)メチル)-1H-インドール-1-カルボキシレート
tert-ブチル3-(((7S,10S,13S)-17-ブロモ-10-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ブチル)-7-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロピル)-20-クロロ-12-メチル-8,11,14-トリオキソ-5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16-ドデカヒドロベンゾ[b]ピリド[3,2-p][1,5,8,11,14]チアテトラアザシクロヘプタデシン-13-イル)メチル)-1H-インドール-1-カルボキシレート(CAS-RN2097294-18-1;250mg、0.23mmol)を1,4-ジオキサン(6mL)および水(1mL)に溶解し、次いで、メチル2-ヒドロキシ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンゾエート(CAS-RN1073371-99-9;256mg、922μmol)および炭酸カリウム(95mg、0.69mmol)を添加した。反応混合物を、超音波浴中で容器を超音波処理しながら、アルゴンで2分間スパージングした。次いで、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウム(II)(51.3mg、69.2μmol)を添加し、脱気をさらに2分間続けた。次いで、管を密封し、マイクロ波照射下、100℃で90分間加熱し、次いで、反応混合物を水と酢酸エチルに分配した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。粗生成物をクロマトグラフィー(シリカゲル;ヘプタン-(酢酸エチル/メタノール9:1)勾配)によって精製して、標記化合物(160mg、60%)を白色固体として得た。
ステップ2:4-((7S,10S,13S)-13-((1H-インドール-3-イル)メチル)-10-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ブチル)-7-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロピル)-20-クロロ-12-メチル-8,11,14-トリオキソ-5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16-ドデカヒドロベンゾ[b]ピリド[3,2-p][1,5,8,11,14]チアテトラアザシクロヘプタデシン-17-イル)-2-ヒドロキシ安息香酸
tert-ブチル3-(((7S,10S,13S)-10-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ブチル)-7-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロピル)-20-クロロ-17-(3-ヒドロキシ-4-(メトキシカルボニル)フェニル)-12-メチル-8,11,14-トリオキソ-5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16-ドデカヒドロベンゾ[b]ピリド[3,2-p][1,5,8,11,14]チアテトラアザシクロヘプタデシン-13-イル)メチル)-1H-インドール-1-カルボキシレート(160mg、138μmol)のテトラヒドロフラン(1mL)中の溶液に、水酸化ナトリウム(80mg、2.0mmol)の水(1mL)中の溶液を添加した。反応混合物にアルゴンを流し、密封し、次いで、50℃で16時間加熱し、次いで、1M塩酸水溶液を添加することによってpH3に酸性化した。反応混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。クロマトグラフィー(シリカゲル;ヘプタン(酢酸エチル/メタノール9:1)勾配)により、標記化合物(30mg、21%)が白色固体として得られた。
ステップ3:4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-25-クロロ-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタアザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(21),3(8),4,6,22,24-ヘキサエン-22-イル]-2-ヒドロキシ-安息香酸
4-((7S,10S,13S)-13-((1H-インドール-3-イル)メチル)-10-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ブチル)-7-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロピル)-20-クロロ-12-メチル-8,11,14-トリオキソ-5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16-ドデカヒドロベンゾ[b]ピリド[3,2-p][1,5,8,11,14]チアテトラアザシクロヘプタデシン-17-イル)-2-ヒドロキシ安息香酸(30mg、28.8μmol)、37%塩酸水溶液(500μL)およびテトラヒドロフラン(500μL)の混合物を室温で2時間攪拌し、次いで、水(20mL)で希釈し、窒素を流して、テトラヒドロフランのほとんどを除去した。凍結乾燥により、標記化合物(23mg、96%)が得られた。白色凍結乾燥粉末、MS:841.3[M+H]
【0215】
実施例4
4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノ-3,3-ジフルオロ-ブチル)-11-(3-アミノプロピル)-25-クロロ-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタアザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(21),3,5,7,22,24-ヘキサエン-22-イル]安息香酸
【0216】
【化44】
【0217】
標記化合物を、tert-ブチル3-(((7S,10S,13S)-17-ブロモ-10-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ブチル)-7-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロピル)-12-メチル-8,11,14-トリオキソ-5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16-ドデカヒドロベンゾ[b]ピリド[3,2-p][1]チア[5,8,11,14]テトラアザシクロヘプタデシン-13-イル)メチル)-1H-インドール-1-カルボキシレートをtert-ブチル3-(((7S,10S,13S)-17-ブロモ-10-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3,3-ジフルオロブチル)-7-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロピル)-20-クロロ-12-メチル-8,11,14-トリオキソ-5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16-ドデカヒドロベンゾ[b]ピリド[3,2-p][1,5,8,11,14]チアテトラアザシクロヘプタデシン-13-イル)メチル)-1H-インドール-1-カルボキシレート(中間体1.09)によって置き換えて、実施例1と同様に製造した。白色凍結乾燥粉末、MS:861.4[M+H]
【0218】
実施例5
4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノ-3-オキソ-プロピル)-25-クロロ-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタアザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(21),3,5,7,22,24-ヘキサエン-22-イル]安息香酸
【0219】
【化45】
【0220】
標記化合物を、tert-ブチル3-(((7S,10S,13S)-17-ブロモ-10-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ブチル)-7-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロピル)-12-メチル-8,11,14-トリオキソ-5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16-ドデカヒドロベンゾ[b]ピリド[3,2-p][1]チア[5,8,11,14]テトラアザシクロヘプタデシン-13-イル)メチル)-1H-インドール-1-カルボキシレートをtert-ブチル3-{[(11S,14S,17S)-22-ブロモ-14-(4-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}ブチル)-25-クロロ-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-11-{2-[(トリフェニルメチル)カルバモイル]エチル}-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタアザトリシクロ[19.4.0.0^{3,8}]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-17-イル]メチル}-1H-インドール-1-カルボキシレート(中間体1.05)によって置き換えて、実施例1と同様に製造した。白色凍結乾燥粉末、MS:839.6[M+H]
【0221】
実施例6
4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-16-メチル-17-[(2-メチル-1H-インドール-3-イル)メチル]-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタアザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(25),3,5,7,21,23-ヘキサエン-22-イル]安息香酸
【0222】
【化46】
【0223】
標記化合物を、tert-ブチル3-(((7S,10S,13S)-17-ブロモ-10-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ブチル)-7-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロピル)-12-メチル-8,11,14-トリオキソ-5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16-ドデカヒドロベンゾ[b]ピリド[3,2-p][1]チア[5,8,11,14]テトラアザシクロヘプタデシン-13-イル)メチル)-1H-インドール-1-カルボキシレートをtert-ブチル3-{[(11S,14S,17S)-22-ブロモ-14-(4-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}ブチル)-11-(3-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}プロピル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタアザトリシクロ[19.4.0.0^{3,8}]ペンタコサ-1(21),3,5,7,22,24-ヘキサエン-17-イル]メチル}-2-メチル-1H-インドール-1-カルボキシレート(中間体1.12)によって置き換えて、実施例1と同様に製造した。白色凍結乾燥粉末、MS:805.5[M+H]
【0224】
実施例7
4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-25-クロロ-16-メチル-17-[(2-メチル-1H-インドール-3-イル)メチル]-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタアザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(25),3,5,7,21,23-ヘキサエン-22-イル]安息香酸
【0225】
【化47】
【0226】
標記化合物を、tert-ブチル3-(((7S,10S,13S)-17-ブロモ-10-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ブチル)-7-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロピル)-12-メチル-8,11,14-トリオキソ-5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16-ドデカヒドロベンゾ[b]ピリド[3,2-p][1]チア[5,8,11,14]テトラアザシクロヘプタデシン-13-イル)メチル)-1H-インドール-1-カルボキシレートをtert-ブチル3-{[(11S,14S,17S)-22-ブロモ-14-(4-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}ブチル)-11-(3-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}プロピル)-25-クロロ-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタアザトリシクロ[19.4.0.0^{3,8}]ペンタコサ-1(21),3,5,7,22,24-ヘキサエン-17-イル]メチル}-2-メチル-1H-インドール-1-カルボキシレート(中間体1.11)によって置き換えて、実施例1と同様に製造した。白色凍結乾燥粉末、MS:839.6[M+H]
【0227】
実施例7.01
2-[4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-25-クロロ-16-メチル-17-[(2-メチル-1H-インドール-3-イル)メチル]-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタアザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-22-イル]-2-オキソ-1-ピリジル]酢酸
【0228】
【化48】
【0229】
標記化合物を、4-(tert-ブトキシカルボニル)フェニルボロン酸を(1-(2-(tert-ブトキシ)-2-オキソエチル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-4-イル)ボロン酸(中間体7)によって置き換えて、実施例7と同様に製造した。白色凍結乾燥粉末、MS:870.7[M+H]
【0230】
実施例8
4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-25-クロロ-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,7,10,13,16,19-ヘキサアザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(21),3,5,7,22,24-ヘキサエン-22-イル]安息香酸
【0231】
【化49】
【0232】
標記化合物を、tert-ブチル3-(((7S,10S,13S)-17-ブロモ-10-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ブチル)-7-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロピル)-12-メチル-8,11,14-トリオキソ-5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16-ドデカヒドロベンゾ[b]ピリド[3,2-p][1]チア[5,8,11,14]テトラアザシクロヘプタデシン-13-イル)メチル)-1H-インドール-1-カルボキシレートをtert-ブチル3-{[(11S,14S,17S)-22-ブロモ-14-(4-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}ブチル)-11-(3-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}プロピル)-25-クロロ-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,7,10,13,16,19-ヘキサアザトリシクロ[19.4.0.0^{3,8}]ペンタコサ-1(21),3,5,7,22,24-ヘキサエン-17-イル]メチル}-1H-インドール-1-カルボキシレート(中間体1.01)によって置き換えて、実施例1と同様に製造した。白色凍結乾燥粉末、MS:826.3[M+H]
【0233】
以下の実施例を、4-(tert-ブトキシカルボニル)フェニルボロン酸を適切なホウ素試薬によって置き換えて、実施例8と同様に製造した:
【0234】
【表2-1】
【0235】
【表2-2】
【0236】
実施例9
4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-25-フルオロ-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタアザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-22-イル]安息香酸
【0237】
【化50】
【0238】
標記化合物を、tert-ブチル3-(((7S,10S,13S)-17-ブロモ-10-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ブチル)-7-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロピル)-12-メチル-8,11,14-トリオキソ-5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16-ドデカヒドロベンゾ[b]ピリド[3,2-p][1]チア[5,8,11,14]テトラアザシクロヘプタデシン-13-イル)メチル)-1H-インドール-1-カルボキシレートをtert-ブチル3-(((7S,10S,13S)-17-ブロモ-10-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ブチル)-7-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロピル)-20-フルオロ-12-メチル-8,11,14-トリオキソ-5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16-ドデカヒドロベンゾ[b]ピリド[3,2-p][1,5,8,11,14]チアテトラアザシクロヘプタデシン-13-イル)メチル)-1H-インドール-1-カルボキシレート(中間体1.02)によって置き換えて、実施例1と同様に製造した。白色凍結乾燥粉末、MS:809.4[M+H]
【0239】
以下の実施例を、4-(tert-ブトキシカルボニル)フェニルボロン酸を適切なホウ素試薬によって置き換えて、実施例2と同様に製造した:
【0240】
【表3】
【0241】
実施例10
4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16,25-ジメチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタアザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-22-イル]安息香酸
【0242】
【化51】
【0243】
標記化合物を、tert-ブチル3-(((7S,10S,13S)-17-ブロモ-10-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ブチル)-7-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロピル)-12-メチル-8,11,14-トリオキソ-5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16-ドデカヒドロベンゾ[b]ピリド[3,2-p][1]チア[5,8,11,14]テトラアザシクロヘプタデシン-13-イル)メチル)-1H-インドール-1-カルボキシレートをtert-ブチル3-(((7S,10S,13S)-17-ブロモ-10-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ブチル)-7-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロピル)-12,20-ジメチル-8,11,14-トリオキソ-5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16-ドデカヒドロベンゾ[b]ピリド[3,2-p][1,5,8,11,14]チアテトラアザシクロヘプタデシン-13-イル)メチル)-1H-インドール-1-カルボキシレート(中間体1.06)によって置き換えて、実施例1と同様に製造した。白色凍結乾燥粉末、MS:805.4[M+H]
【0244】
実施例10.01
2-[4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16,25-ジメチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタアザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-22-イル]-2-オキソ-1-ピリジル]酢酸
【0245】
【化52】
【0246】
標記化合物を、4-(tert-ブトキシカルボニル)フェニルボロン酸を(1-(2-(tert-ブトキシ)-2-オキソエチル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-4-イル)ボロン酸(中間体7)によって置き換えて、実施例10と同様に製造した。白色凍結乾燥粉末、MS:836.4[M+H]
【0247】
実施例11
4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-25-メトキシ-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタアザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-22-イル]安息香酸
【0248】
【化53】
【0249】
標記化合物を、tert-ブチル3-(((7S,10S,13S)-17-ブロモ-10-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ブチル)-7-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロピル)-12-メチル-8,11,14-トリオキソ-5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16-ドデカヒドロベンゾ[b]ピリド[3,2-p][1]チア[5,8,11,14]テトラアザシクロヘプタデシン-13-イル)メチル)-1H-インドール-1-カルボキシレートをtert-ブチル3-{[(11S,14S,17S)-22-ブロモ-14-(4-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}ブチル)-11-(3-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}プロピル)-25-メトキシ-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタアザトリシクロ[19.4.0.0^{3,8}]ペンタコサ-1(21),3,5,7,22,24-ヘキサエン-17-イル]メチル}-1H-インドール-1-カルボキシレート(中間体1.10)によって置き換えて、実施例1と同様に製造した。白色凍結乾燥粉末、MS:821.6[M+H]
【0250】
実施例12
4-[(11S,14S,17S)-11,14-ビス(3-アミノプロピル)-25-クロロ-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタアザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(21),3,5,7,22,24-ヘキサエン-22-イル]安息香酸
【0251】
【化54】
【0252】
標記化合物を、tert-ブチル3-(((7S,10S,13S)-17-ブロモ-10-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ブチル)-7-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロピル)-12-メチル-8,11,14-トリオキソ-5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16-ドデカヒドロベンゾ[b]ピリド[3,2-p][1]チア[5,8,11,14]テトラアザシクロヘプタデシン-13-イル)メチル)-1H-インドール-1-カルボキシレートをtert-ブチル3-{[(11S,14S,17S)-22-ブロモ-11,14-ビス(3-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}プロピル)-25-クロロ-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタアザトリシクロ[19.4.0.0^{3,8}]ペンタコサ-1(21),3,5,7,22,24-ヘキサエン-17-イル]メチル}-1H-インドール-1-カルボキシレート(中間体1.03)によって置き換えて、実施例1と同様に製造した。白色凍結乾燥粉末、MS:811.3[M+H]
【0253】
実施例13
4-[(11S,14S,17S)-14-(2-アミノエチル)-11-(3-アミノプロピル)-25-クロロ-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタアザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-22-イル]安息香酸
【0254】
【化55】
【0255】
標記化合物を、tert-ブチル3-(((7S,10S,13S)-17-ブロモ-10-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ブチル)-7-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロピル)-12-メチル-8,11,14-トリオキソ-5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16-ドデカヒドロベンゾ[b]ピリド[3,2-p][1]チア[5,8,11,14]テトラアザシクロヘプタデシン-13-イル)メチル)-1H-インドール-1-カルボキシレートをtert-ブチル3-{[(11S,14S,17S)-22-ブロモ-14-(2-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}エチル)-11-(3-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}プロピル)-25-クロロ-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタアザトリシクロ[19.4.0.0^{3,8}]ペンタコサ-1(21),3,5,7,22,24-ヘキサエン-17-イル]メチル}-1H-インドール-1-カルボキシレート(中間体1.13)によって置き換えて、実施例1と同様に製造した。白色凍結乾燥粉末、MS:797.5[M+H]
【0256】
実施例14
4-[(11S,14S,17S)-11,14-ビス(3-アミノプロピル)-25-フルオロ-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタアザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-22-イル]安息香酸
【0257】
【化56】
【0258】
標記化合物を、tert-ブチル3-(((7S,10S,13S)-17-ブロモ-10-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ブチル)-7-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロピル)-12-メチル-8,11,14-トリオキソ-5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16-ドデカヒドロベンゾ[b]ピリド[3,2-p][1]チア[5,8,11,14]テトラアザシクロヘプタデシン-13-イル)メチル)-1H-インドール-1-カルボキシレートをtert-ブチル3-{[(11S,14S,17S)-22-ブロモ-11,14-ビス(3-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}プロピル)-25-フルオロ-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタアザトリシクロ[19.4.0.0^{3,8}]ペンタコサ-1(21),3,5,7,22,24-ヘキサエン-17-イル]メチル}-1H-インドール-1-カルボキシレート(中間体1.04)によって置き換えて、実施例1と同様に製造した。白色凍結乾燥粉末、MS:795.3[M+H]
【0259】
実施例14.01
5-[(11S,14S,17S)-11,14-ビス(3-アミノプロピル)-25-フルオロ-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタアザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-22-イル]ピリジン-2-カルボン酸
【0260】
【化57】
【0261】
標記化合物を、4-(tert-ブトキシカルボニル)フェニルボロン酸をtert-ブチル5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピコリネート[CAS-RN1354356-24-3]によって置き換えて、実施例14と同様に製造した。白色凍結乾燥粉末、MS:796.6[M+H]
【0262】
実施例15
4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(2-アミノエチル)-25-クロロ-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタアザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-22-イル]安息香酸
【0263】
【化58】
【0264】
標記化合物を、tert-ブチル3-(((7S,10S,13S)-17-ブロモ-10-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ブチル)-7-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロピル)-12-メチル-8,11,14-トリオキソ-5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16-ドデカヒドロベンゾ[b]ピリド[3,2-p][1]チア[5,8,11,14]テトラアザシクロヘプタデシン-13-イル)メチル)-1H-インドール-1-カルボキシレートをtert-ブチル3-{[(11S,14S,17S)-22-ブロモ-14-(4-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}ブチル)-11-(2-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}エチル)-25-クロロ-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタアザトリシクロ[19.4.0.0^{3,8}]ペンタコサ-1(21),3,5,7,22,24-ヘキサエン-17-イル]メチル}-1H-インドール-1-カルボキシレート(中間体1.07)によって置き換えて、実施例1と同様に製造した。白色凍結乾燥粉末、MS:811.4[M+H]
【0265】
実施例16
4-[(11S,14S,17S)-11-(2-アミノエチル)-14-(3-アミノプロピル)-25-クロロ-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタアザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-22-イル]安息香酸
【0266】
【化59】
【0267】
標記化合物を、tert-ブチル3-(((7S,10S,13S)-17-ブロモ-10-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ブチル)-7-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロピル)-12-メチル-8,11,14-トリオキソ-5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16-ドデカヒドロベンゾ[b]ピリド[3,2-p][1]チア[5,8,11,14]テトラアザシクロヘプタデシン-13-イル)メチル)-1H-インドール-1-カルボキシレートをtert-ブチル3-{[(11S,14S,17S)-22-ブロモ-11-(2-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}エチル)-14-(3-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}プロピル)-25-クロロ-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタアザトリシクロ[19.4.0.0^{3,8}]ペンタコサ-1(21),3,5,7,22,24-ヘキサエン-17-イル]メチル}-1H-インドール-1-カルボキシレート(中間体1.08)によって置き換えて、実施例1と同様に製造した。白色凍結乾燥粉末、MS:797.6[M+H]
【0268】
実施例17
4-[(11S,14S,17S)-11,14-ビス(3-アミノプロピル)-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタアザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-22-イル]安息香酸
【0269】
【化60】
【0270】
標記化合物を、tert-ブチル3-(((7S,10S,13S)-17-ブロモ-10-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ブチル)-7-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロピル)-12-メチル-8,11,14-トリオキソ-5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16-ドデカヒドロベンゾ[b]ピリド[3,2-p][1]チア[5,8,11,14]テトラアザシクロヘプタデシン-13-イル)メチル)-1H-インドール-1-カルボキシレートをtert-ブチル3-{[(11S,14S,17S)-22-ブロモ-11,14-ビス(3-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}プロピル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタアザトリシクロ[19.4.0.0^{3,8}]ペンタコサ-1(21),3,5,7,22,24-ヘキサエン-17-イル]メチル}-1H-インドール-1-カルボキシレート(中間体1.14)によって置き換えて、実施例1と同様に製造した。白色凍結乾燥粉末、MS:777.4[M+H]
【0271】
実施例18
4-[(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19,24-ヘキサアザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-22-イル]安息香酸
【0272】
【化61】
【0273】
標記化合物を、tert-ブチル3-(((7S,10S,13S)-17-ブロモ-10-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ブチル)-7-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロピル)-12-メチル-8,11,14-トリオキソ-5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16-ドデカヒドロベンゾ[b]ピリド[3,2-p][1]チア[5,8,11,14]テトラアザシクロヘプタデシン-13-イル)メチル)-1H-インドール-1-カルボキシレートをtert-ブチル3-{[(11S,14S,17S)-22-ブロモ-14-(4-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}ブチル)-11-(3-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}プロピル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19,24-ヘキサアザトリシクロ[19.4.0.0^{3,8}]ペンタコサ-1(21),3,5,7,22,24-ヘキサエン-17-イル]メチル}-1H-インドール-1-カルボキシレート(中間体1.15)によって置き換えて、実施例1と同様に製造した。白色凍結乾燥粉末、MS:792.7[M+H]
中間体
ペプチド大環状分子合成の一般的手順
1.固相ペプチド合成
トリペプチド配列を、例えば:KatesおよびAlbericio編、「Solid Phase Synthesis:A practical guide」、Marcel Dekker、ニューヨーク、Basel、2000によって言及される先行技術の固相合成プロトコル(Fmoc化学)を介して手動で合成した。
【0274】
固体支持体として、2-クロロ-トリチルクロリド樹脂(1.6meq/g、100~200メッシュ)を使用した。この樹脂に、無水ジクロロメタン中第1のアミノ酸(0.6当量)およびジイソプロピルエチルアミン(8当量)を室温で一晩ロードした。N,N-ジメチルホルムアミドおよびジクロロメタンで徹底的に洗浄した後、9-フルオレニルメトキシカルボニル保護基を、N,N-ジメチルホルムアミド中ジクロロメタン(dichlomethane)/N,N-ジメチルホルムアミド(1:1)中50%ピペリジンの混合物により室温で30分間切断した。N,N-ジメチルホルムアミド、ジクロロメタンおよびメタノールによる洗浄後、樹脂を真空下、室温で一晩乾燥させた。重量増加を介して、樹脂ローディングを決定した。
【0275】
カップリング試薬としての4当量の2-クロロ-1-メチルピリジニウムヨージド、6当量のジクロロメタン/N,N-ジメチルホルムアミド(1:1)中N,N-ジイソプロピルエチルアミンを用いて室温で一晩、第2のアミノ酸をカップリングした。樹脂をN,N-ジメチルホルムアミドおよびジクロロメタンで徹底的に洗浄し、試験-切断によってカップリング速度を制御した。
【0276】
ジペプチドの9-フルオレニルメトキシカルボニル基を、ピペリジン/ジクロロメタン/N,N-ジメチルホルムアミド(2:1:1)の混合物で最大5分間切断し、引き続いてN,N-ジメチルホルムアミドおよびジクロロメタンで洗浄した。試験-切断によって切断速度も制御した。
【0277】
カップリング試薬としての4当量のO-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウム-ヘキサフルオロホスフェートおよび6当量のジイソプロピルエチルアミンを使用して、第3のアミノ酸をカップリングした。試験-切断によって再度カップリング速度を制御して、室温で2~4時間、完全なカップリングを達成した。
【0278】
トリペプチドの9-フルオレニルメトキシカルボニル基を、N,N-ジメチルホルムアミド中20%ピペリジンの混合物により室温で2×15~20分間切断し、引き続いてN,N-ジメチルホルムアミドおよびジクロロメタンで洗浄した(試験-切断)。
2.還元的アミノ化:
トリペプチドを含む樹脂をジクロロメタンで洗浄し、対応するテザーを1-メチル-2-ピロリドン/オルトギ酸トリメチル/酢酸(49.7/49.7/0.6)の混合物に溶解し、溶液を樹脂に添加した。混合物を室温で30分~最大3時間振盪し、次いで、10当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを添加し、反応混合物を室温で一晩振盪した。最後に、樹脂をN,N-ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、メタノール/ジクロロメタン(1:1)およびN,N-ジメチルホルムアミドで洗浄した。
【0279】
テザー上の9-フルオレニルメトキシカルボニル基を、N,N-ジメチルホルムアミド中20%ピペリジンの混合物により室温で2×15~20分間切断し、引き続いてN,N-ジメチルホルムアミドおよびジクロロメタンで洗浄した(試験-切断)。
3.切断:
ジクロロメタン中20%ヘキサフルオロイソプロパノールの切断カクテルを樹脂に添加し、混合物を室温で2時間攪拌した。樹脂を濾別し、溶液を蒸発乾固させた。残渣を水/アセトニトリルに溶解し、凍結乾燥させた。
4.環化:
粉末をN,N-ジメチルホルムアミドに溶解することによって、得られた粗直鎖化合物を環化した。1.2当量のO-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウム-ヘキサフルオロホスフェートおよび5当量のジイソプロピルエチルアミンを添加し、反応混合物を室温で攪拌した。HPLCによって反応の進行を監視した。完了後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水およびブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣を、溶離液としてヘプタン-酢酸エチル勾配を使用するシリカゲルクロマトグラフィーに供して、粗生成物を得た。
5.精製:
固定相としてPhenomenex Gemini-NX 5u 110Aカラム(100×30mm)および溶離液として水(+0.05%トリフルオロ酢酸)からアセトニトリルまでの勾配を使用した逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)によって粗生成物を精製した。画分を回収し、LC/MSによって分析した。純粋な生成物試料を合わせ、凍結乾燥させた。質量分析を介して生成物を同定した。
中間体1
tert-ブチル3-{[(11S,14S,17S)-22-ブロモ-14-(4-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}ブチル)-11-(3-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}プロピル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタアザトリシクロ[19.4.0.0^{3,8}]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-17-イル]メチル}-1H-インドール-1-カルボキシレート
【0280】
【化62】
【0281】
標記化合物を、第1のアミノ酸として1-[(1,1-ジメチルエトキシ)カルボニル]-N-[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]-N-メチル-L-トリプトファン[CAS-RN197632-75-0]、第2のアミノ酸としてN-[(1,1-ジメチルエトキシ)カルボニル]-N-[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]-L-リジン[CAS-RN71989-26-9]、第3のアミノ酸としてN-[(1,1-ジメチルエトキシ)カルボニル]-N-[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]-L-オルニチン[CAS-RN109425-55-0]およびテザーとして9H-フルオレン-9-イルメチルN-[[2-ブロモ-6-[(3-ホルミル-2-ピリジル)スルファニル]フェニル]メチル]カルバメート(中間体2)を使用して、ペプチド大環状分子合成の一般的手順に従って製造した。白色固体、MS:1051.7[M+H]
中間体1.01
tert-ブチル3-(((7S,10S,13S)-17-ブロモ-10-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ブチル)-7-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロピル)-20-クロロ-12-メチル-8,11,14-トリオキソ-5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16-ドデカヒドロベンゾ[b]ピラジノ[2,3-p][1,5,8,11,14]チアテトラアザシクロヘプタデシン-13-イル)メチル)-1H-インドール-1-カルボキシレート
【0282】
【化63】
【0283】
標記化合物を、9H-フルオレン-9-イルメチルN-[[2-ブロモ-6-[(3-ホルミル-2-ピリジル)スルファニル]フェニル]メチル]カルバメートを9H-フルオレン-9-イルメチルN-[[6-ブロモ-3-クロロ-2-(3-ホルミルピラジン-2-イル)スルファニル-フェニル]メチル]カルバメート(中間体3)によって置き換えて、中間体1と同様に製造した。灰白色固体、MS:1084.9[M+H]
中間体1.02
tert-ブチル3-{[(11S,14S,17S)-22-ブロモ-11,14-ビス(3-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}プロピル)-25-フルオロ-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタアザトリシクロ[19.4.0.0^{3,8}]ペンタコサ-1(21),3,5,7,22,24-ヘキサエン-17-イル]メチル}-1H-インドール-1-カルボキシレート
【0284】
【化64】
【0285】
標記化合物を、9H-フルオレン-9-イルメチルN-[[2-ブロモ-6-[(3-ホルミル-2-ピリジル)スルファニル]フェニル]メチル]カルバメートを(9H-フルオレン-9-イル)メチル6-ブロモ-3-フルオロ-2-((3-ホルミルピリジン-2-イル)チオ)ベンジルカルバメート(中間体2.01)によって置き換えて、中間体1と同様に製造した。白色固体、MS:1067.7[M+H]
中間体1.03
tert-ブチル3-{[(11S,14S,17S)-22-ブロモ-11,14-ビス(3-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}プロピル)-25-クロロ-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタアザトリシクロ[19.4.0.0^{3,8}]ペンタコサ-1(21),3,5,7,22,24-ヘキサエン-17-イル]メチル}-1H-インドール-1-カルボキシレート
【0286】
【化65】
【0287】
標記化合物を、第1のアミノ酸として1-[(1,1-ジメチルエトキシ)カルボニル]-N-[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]-N-メチル-L-トリプトファン[CAS-RN197632-75-0]、第2のアミノ酸としてN-[(1,1-ジメチルエトキシ)カルボニル]-N-[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]-L-オルニチン[CAS-RN109425-55-0]、第3のアミノ酸としてN-[(1,1-ジメチルエトキシ)カルボニル]-N-[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]-L-オルニチン(CAS-RN109425-55-0)およびテザーとして9H-フルオレン-9-イルメチルN-[[6-ブロモ-3-クロロ-2-[(3-ホルミル-2-ピリジル)スルファニル]フェニル]メチル]カルバメート[CAS-RN2097290-48-5]を使用して、ペプチド大環状分子合成の一般的手順に従って製造した。白色固体、MS:1069.8[M+H]
中間体1.04
tert-ブチル3-{[(11S,14S,17S)-22-ブロモ-11,14-ビス(3-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}プロピル)-25-フルオロ-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタアザトリシクロ[19.4.0.0^{3,8}]ペンタコサ-1(21),3,5,7,22,24-ヘキサエン-17-イル]メチル}-1H-インドール-1-カルボキシレート
【0288】
【化66】
【0289】
標記化合物を、9H-フルオレン-9-イルメチルN-[[6-ブロモ-3-クロロ-2-[(3-ホルミル-2-ピリジル)スルファニル]フェニル]メチル]カルバメートを(9H-フルオレン-9-イル)メチル6-ブロモ-3-フルオロ-2-((3-ホルミルピリジン-2-イル)チオ)ベンジルカルバメート(中間体2.01)によって置き換えて、中間体1.03と同様に製造した。白色固体、MS:1053.7[M+H]
中間体1.05
tert-ブチル3-{[(11S,14S,17S)-22-ブロモ-14-(4-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}ブチル)-25-クロロ-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-11-{2-[(トリフェニルメチル)カルバモイル]エチル}-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタアザトリシクロ[19.4.0.0^{3,8}]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-17-イル]メチル}-1H-インドール-1-カルボキシレート
【0290】
【化67】
【0291】
標記化合物を、第1のアミノ酸として1-[(1,1-ジメチルエトキシ)カルボニル]-N-[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]-N-メチル-L-トリプトファン[CAS-RN197632-75-0]、第2のアミノ酸としてN-[(1,1-ジメチルエトキシ)カルボニル]-N-[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]-L-リジン(CAS-RN71989-26-9)、第3のアミノ酸としてN-[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]-N-(トリフェニルメチル)-L-グルタミン[CAS-RN132327-80-1]およびテザーとして9H-フルオレン-9-イルメチルN-[[6-ブロモ-3-クロロ-2-[(3-ホルミル-2-ピリジル)スルファニル]フェニル]メチル]カルバメート[CAS-RN2097290-48-5]を使用して、ペプチド大環状分子合成の一般的手順に従って製造した。白色固体、MS:1239.9[M+H]
中間体1.06
tert-ブチル3-(((7S,10S,13S)-17-ブロモ-10-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ブチル-7-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロピル)-12,20-ジメチル-8,11,14-トリオキソ-5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16-ドデカヒドロベンゾ[b]ピリド[3,2-p][1,5,8,11,14]チアテトラアザシクロヘプタデシン-13-イル)メチル)-1H-インドール-1-カルボキシレート
【0292】
【化68】
【0293】
標記化合物を、9H-フルオレン-9-イルメチルN-[[2-ブロモ-6-[(3-ホルミル-2-ピリジル)スルファニル]フェニル]メチル]カルバメートを9H-フルオレン-9-イルメチルN-[[6-ブロモ-2-[(3-ホルミル-2-ピリジル)スルファニル]-3-メチル-フェニル]メチル]カルバメート(中間体2.02)によって置き換えて、中間体1と同様に製造した。白色固体、MS:1063.6[M+H]
中間体1.07
tert-ブチル3-{[(11S,14S,17S)-22-ブロモ-14-(4-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}ブチル)-11-(2-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}エチル)-25-クロロ-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタアザトリシクロ[19.4.0.0^{3,8}]ペンタコサ-1(21),3,5,7,22,24-ヘキサエン-17-イル]メチル}-1H-インドール-1-カルボキシレート
【0294】
【化69】
【0295】
標記化合物を、第1のアミノ酸として1-[(1,1-ジメチルエトキシ)カルボニル]-N-[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]-N-メチル-L-トリプトファン[CAS-RN197632-75-0]、第2のアミノ酸としてN-[(1,1-ジメチルエトキシ)カルボニル]-N-[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]-L-リジン[CAS-RN71989-26-9]、第3のアミノ酸として(S)-4-[[(1,1-ジメチルエトキシ)カルボニル]アミノ]-2-[[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ]-ブタン酸[CAS-RN125238-99-5]およびテザーとして9H-フルオレン-9-イルメチルN-[[6-ブロモ-3-クロロ-2-[(3-ホルミル-2-ピリジル)スルファニル]フェニル]メチル]カルバメート[CAS-RN2097290-48-5]を使用して、ペプチド大環状分子合成の一般的手順に従って製造した。白色固体、MS:1069.8[M+H]
中間体1.08
tert-ブチル3-{[(11S,14S,17S)-22-ブロモ-11-(2-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}エチル)-14-(3-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}プロピル)-25-クロロ-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタアザトリシクロ[19.4.0.0^{3,8}]ペンタコサ-1(21),3,5,7,22,24-ヘキサエン-17-イル]メチル}-1H-インドール-1-カルボキシレート
【0296】
【化70】
【0297】
標記化合物を、第1のアミノ酸として1-[(1,1-ジメチルエトキシ)カルボニル]-N-[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]-N-メチル-L-トリプトファン[CAS-RN197632-75-0]、第2のアミノ酸としてN-[(1,1-ジメチルエトキシ)カルボニル]-N-[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]-L-オルニチン[CAS-RN109425-55-0]、第3のアミノ酸として(S)-4-[[(1,1-ジメチルエトキシ)カルボニル]アミノ]-2-[[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ]-ブタン酸[CAS-RN125238-99-5]およびテザーとして9H-フルオレン-9-イルメチルN-[[6-ブロモ-3-クロロ-2-[(3-ホルミル-2-ピリジル)スルファニル]フェニル]メチル]カルバメート[CAS-RN2097290-48-5]を使用して、ペプチド大環状分子合成の一般的手順に従って製造した。白色固体、MS:1055.8[M+H]
中間体1.09
tert-ブチル3-(((7S,10S,13S)-17-ブロモ-10-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3,3-ジフルオロブチル)-7-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロピル)-20-クロロ-12-メチル-8,11,14-トリオキソ-5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16-ドデカヒドロベンゾ[b]ピリド[3,2-p][1,5,8,11,14]チアテトラアザシクロヘプタデシン-13-イル)メチル)-1H-インドール-1-カルボキシレート
【0298】
【化71】
【0299】
標記化合物を、第1のアミノ酸として1-[(1,1-ジメチルエトキシ)カルボニル]-N-[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]-N-メチル-L-トリプトファン[CAS-RN197632-75-0]、第2のアミノ酸として(2S)-6-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)-5,5-ジフルオロヘキサン酸(中間体5)、第3のアミノ酸としてN-[(1,1-ジメチルエトキシ)カルボニル]-N-[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]-L-オルニチン[CAS-RN109425-55-0]およびテザーとして9H-フルオレン-9-イルメチルN-[[6-ブロモ-3-クロロ-2-[(3-ホルミル-2-ピリジル)スルファニル]フェニル]メチル]カルバメート[CAS-RN2097290-48-5]を使用して、ペプチド大環状分子合成の一般的手順に従って製造した。白色固体、MS:1191.1[M+H]
中間体1.10
tert-ブチル3-{[(11S,14S,17S)-22-ブロモ-14-(4-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}ブチル)-11-(3-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}プロピル)-25-メトキシ-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタアザトリシクロ[19.4.0.0^{3,8}]ペンタコサ-1(21),3,5,7,22,24-ヘキサエン-17-イル]メチル}-1H-インドール-1-カルボキシレート
【0300】
【化72】
【0301】
標記化合物を、9H-フルオレン-9-イルメチルN-[[2-ブロモ-6-[(3-ホルミル-2-ピリジル)スルファニル]フェニル]メチル]カルバメートを9H-フルオレン-9-イルメチルN-[[6-ブロモ-2-[(3-ホルミル-2-ピリジル)スルファニル]-3-メトキシ-フェニル]メチル]カルバメート(中間体2.03)によって置き換えて、中間体1と同様に製造した。灰白色固体、MS:1079.8[M+H]
中間体1.11
tert-ブチル3-{[(11S,14S,17S)-22-ブロモ-14-(4-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}ブチル)-11-(3-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}プロピル)-25-クロロ-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタアザトリシクロ[19.4.0.0^{3,8}]ペンタコサ-1(21),3,5,7,22,24-ヘキサエン-17-イル]メチル}-2-メチル-1H-インドール-1-カルボキシレート
【0302】
【化73】
【0303】
標記化合物を、第1のアミノ酸として(2S)-2-[9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニル(メチル)アミノ]-3-[2-メチル-1-[(2-メチルプロパン-2-イル)オキシカルボニル]インドール-3-イル]プロパン酸(中間体4)、第2のアミノ酸としてN-[(1,1-ジメチルエトキシ)カルボニル]-N-[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]-L-リジン[CAS-RN71989-26-9]、第3のアミノ酸としてN-[(1,1-ジメチルエトキシ)カルボニル]-N-[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]-L-オルニチン[CAS-RN109425-55-0]およびテザーとして9H-フルオレン-9-イルメチルN-[[6-ブロモ-3-クロロ-2-[(3-ホルミル-2-ピリジル)スルファニル]フェニル]メチル]カルバメート[CAS-RN2097290-48-5]を使用して、ペプチド大環状分子合成の一般的手順に従って製造した。白色固体、MS:1097.5[M+H]
中間体1.12
tert-ブチル3-{[(11S,14S,17S)-22-ブロモ-14-(4-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}ブチル)-11-(3-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}プロピル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタアザトリシクロ[19.4.0.0^{3,8}]ペンタコサ-1(21),3,5,7,22,24-ヘキサエン-17-イル]メチル}-2-メチル-1H-インドール-1-カルボキシレート
【0304】
【化74】
【0305】
標記化合物を、第1のアミノ酸として(2S)-2-[9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニル(メチル)アミノ]-3-[2-メチル-1-[(2-メチルプロパン-2-イル)オキシカルボニル]インドール-3-イル]プロパン酸(中間体4)、第2のアミノ酸としてN-[(1,1-ジメチルエトキシ)カルボニル]-N-[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]-L-リジン[CAS-RN71989-26-9]、第3のアミノ酸としてN-[(1,1-ジメチルエトキシ)カルボニル]-N-[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]-L-オルニチン[CAS-RN109425-55-0]およびテザーとして9H-フルオレン-9-イルメチルN-[[2-ブロモ-6-[(3-ホルミル-2-ピリジル)スルファニル]フェニル]メチル]カルバメート(中間体2)を使用して、ペプチド大環状分子合成の一般的手順に従って製造した。白色固体、MS:1063.7[M+H]
中間体1.13
tert-ブチル3-{[(11S,14S,17S)-22-ブロモ-14-(2-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}エチル)-11-(3-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}プロピル)-25-クロロ-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタアザトリシクロ[19.4.0.0^{3,8}]ペンタコサ-1(21),3,5,7,22,24-ヘキサエン-17-イル]メチル}-1H-インドール-1-カルボキシレート
【0306】
【化75】
【0307】
標記化合物を、第1のアミノ酸として1-[(1,1-ジメチルエトキシ)カルボニル]-N-[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]-N-メチル-L-トリプトファン[CAS-RN197632-75-0]、第2のアミノ酸として(S)-4-[[(1,1-ジメチルエトキシ)カルボニル]アミノ]-2-[[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ]-ブタン酸[CAS-RN125238-99-5]、第3のアミノ酸としてN-[(1,1-ジメチルエトキシ)カルボニル]-N-[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]-L-オルニチン[CAS-RN109425-55-0]およびテザーとして9H-フルオレン-9-イルメチルN-[[6-ブロモ-3-クロロ-2-[(3-ホルミル-2-ピリジル)スルファニル]フェニル]メチル]カルバメート[CAS-RN2097290-48-5]を使用して、ペプチド大環状分子合成の一般的手順に従って製造した。白色固体、MS:1056.0[M+H]
中間体1.14
tert-ブチル3-{[(11S,14S,17S)-22-ブロモ-11,14-ビス(3-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}プロピル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタアザトリシクロ[19.4.0.0^{3,8}]ペンタコサ-1(21),3,5,7,22,24-ヘキサエン-17-イル]メチル}-1H-インドール-1-カルボキシレート
【0308】
【化76】
【0309】
標記化合物を、第1のアミノ酸として1-[(1,1-ジメチルエトキシ)カルボニル]-N-[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]-N-メチル-L-トリプトファン[CAS-RN197632-75-0]、第2のアミノ酸としてN-[(1,1-ジメチルエトキシ)カルボニル]-N-[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]-L-オルニチン[CAS-RN109425-55-0]、第3のアミノ酸としてN-[(1,1-ジメチルエトキシ)カルボニル]-N-[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]-L-オルニチン[CAS-RN109425-55-0]およびテザーとして9H-フルオレン-9-イルメチルN-[[6-ブロモ-3-クロロ-2-[(3-ホルミル-2-ピリジル)スルファニル]フェニル]メチル]カルバメート[CAS-RN2097290-48-5]を使用して、ペプチド大環状分子合成の一般的手順に従って製造した。白色固体、MS:1035.5[M+H]
中間体1.15
tert-ブチル3-{[(11S,14S,17S)-22-ブロモ-14-(4-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}ブチル)-11-(3-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}プロピル)-16-メチル-12,15,18-トリオキソ-2-チア-4,10,13,16,19,24-ヘキサアザトリシクロ[19.4.0.0^{3,8}]ペンタコサ-1(21),3,5,7,22,24-ヘキサエン-17-イル]メチル}-1H-インドール-1-カルボキシレート
【0310】
【化77】
【0311】
標記化合物を、第1のアミノ酸として1-[(1,1-ジメチルエトキシ)カルボニル]-N-[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]-N-メチル-L-トリプトファン[CAS-RN197632-75-0]、第2のアミノ酸としてN-[(1,1-ジメチルエトキシ)カルボニル]-N-[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]-L-リジン[CAS-RN71989-26-9]、第3のアミノ酸としてN-[(1,1-ジメチルエトキシ)カルボニル]-N-[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]-L-オルニチン[CAS-RN109425-55-0]およびテザーとして9H-フルオレン-9-イルメチルN-[[3-ブロモ-5-[(3-ホルミル-2-ピリジル)スルファニル]-4-ピリジル]メチル]カルバメート(中間体2.04)を使用して、ペプチド大環状分子合成の一般的手順に従って製造した。白色固体、MS:1050.8[M+H]
中間体2
9H-フルオレン-9-イルメチルN-[[2-ブロモ-6-[(3-ホルミル-2-ピリジル)スルファニル]フェニル]メチル]カルバメート
【0312】
【化78】
【0313】
ステップ1:メチル2-(3-ブロモ-2-ホルミル-フェニル)スルファニルピリジン-3-カルボキシレート
2-ブロモ-6-フルオロベンズアルデヒド(37.0g、182mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(370mL)中攪拌溶液に、カリウムtert-ブチレート(40.9g、365mmol)を添加し、反応塊を25℃で30分間攪拌した。次いで、2-メルカプトニコチン酸(CAS-RN38521-46-9;31.1g、200mmol)を添加し、反応混合物を80℃で4時間攪拌した。室温に冷却した後、炭酸カリウム(75.5g、547mmol)を添加し、引き続いてヨードメタン(77.6g、547mmol)を添加し、次いで、16時間後、反応混合物を酢酸エチルと水に分配した。分離した有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させた。クロマトグラフィー(シリカゲル;ヘキサン/ジクロロメタン85:15)により、標記化合物(27.5g、43%)が得られた。黄色固体、MS:351.9[M+H]
ステップ2:エチル2-[3-ブロモ-2-[(E)-tert-ブチルスルフィニルイミノメチル]フェニル]スルファニルピリジン-3-カルボキシレート
メチル2-(3-ブロモ-2-ホルミル-フェニル)スルファニルピリジン-3-カルボキシレート(27.0g、76.7mmol)のテトラヒドロフラン(270mL)中攪拌溶液に、2-メチル-2-プロパンスルフィンアミド(CAS-RN146374-27-8;9.29g、76.7mmol)、チタンエトキシド(73.9g、384mmol)を添加し、反応混合物を70℃で4時間加熱した。冷却後、反応混合物をブラインで処理し、次いで、珪藻土を通した濾過によって、不溶性物質を除去した。濾液を酢酸エチルで抽出し、分離した有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発させて、標記化合物(28.5g、79%)を黄色ガムとして得た。
ステップ3:N-[[2-ブロモ-6-[[3-(ヒドロキシメチル)-2-ピリジル]スルファニル]フェニル]メチル]-2-メチル-プロパン-2-スルフィンアミド
エチル2-[3-ブロモ-2-[(E)-tert-ブチルスルフィニルイミノメチル]フェニル]スルファニルピリジン-3-カルボキシレート(28.4g、60.5mmol)のテトラヒドロフラン(284mL)中攪拌溶液に、水素化アルミニウムリチウム溶液(テトラヒドロフラン中2.5M、48.4mL、121mmol)を-40℃で添加し、反応混合物を-40℃で2時間攪拌し、次いで、飽和硫酸ナトリウム水溶液の添加により、過剰な試薬を破壊した。反応混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、標記化合物(22.6g、87%)を黄色半固体として得た。
ステップ4:[2-[2-(アミノメチル)-3-ブロモ-フェニル]スルファニル-3-ピリジル]メタノール塩酸塩
N-[[2-ブロモ-6-[[3-(ヒドロキシメチル)-2-ピリジル]スルファニル]フェニル]メチル]-2-メチル-プロパン-2-スルフィンアミド(58.0g、135mmol)のテトラヒドロフラン(550mL)およびメタノール(10mL)中攪拌溶液に、塩化水素溶液(1,4-ジオキサン中4M、67.5mL、270mmol)を室温で添加し、次いで、2時間後、反応混合物を濃縮して、標記化合物(46.1g、94%)を灰白色固体として得た。
ステップ5:9H-フルオレン-9-イルメチルN-[[2-ブロモ-6-[[3-(ヒドロキシメチル)-2-ピリジル]スルファニル]フェニル]メチル]カルバメート
[2-[2-(アミノメチル)-3-ブロモ-フェニル]スルファニル-3-ピリジル]メタノール塩酸塩(46g、127mmol)の5%炭酸水素ナトリウム水溶液(150mL)中攪拌懸濁液に、1,4-ジオキサン(25mL)中(フルオレニルメトキシカルボニル)ヒドロキシスクシンイミドエステル(CAS-RN82911-69-1;51.5g、153mmol)を室温で添加し、次いで、15時間後、反応混合物を水とジクロロメタン/メタノール9:1に分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。クロマトグラフィー(シリカゲル;ジクロロメタン/酢酸エチル19:1)により、標記化合物(34.3g、収率49%)が灰白色固体として得られた。
ステップ6:9H-フルオレン-9-イルメチルN-[[2-ブロモ-6-[(3-ホルミル-2-ピリジル)スルファニル]フェニル]メチル]カルバメート
9H-フルオレン-9-イルメチルN-[[2-ブロモ-6-[[3-(ヒドロキシメチル)-2-ピリジル]スルファニル]フェニル]メチル]カルバメート(16.0g、29.2mmol)のジクロロメタン(160mL)中の溶液に、1,1,1-トリス(アセチルオキシ)-1,1-ジヒドロ-1,2-ベンズヨードキソール-3(1H)-オン(CAS-RN87413-09-0;18.6g、43.8mmol)を0℃で添加し、次いで、反応混合物を1時間にわたって室温に到達させた。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液とジクロロメタンに分配した。有機層を水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。クロマトグラフィー(シリカゲル;ジクロロメタン/酢酸エチル19:1)により、標記化合物(11.9g、収率68%)が得られた。灰白色固体、MS:545.2[M+H]
【0314】
以下の中間体を、2-ブロモ-6-フルオロベンズアルデヒドを適切なアルデヒドによって置き換えて、中間体2と同様に製造した。
【0315】
【表4】
【0316】
中間体3
9H-フルオレン-9-イルメチルN-[[6-ブロモ-3-クロロ-2-(3-ホルミルピラジン-2-イル)スルファニル-フェニル]メチル]カルバメート
【0317】
【化79】
【0318】
標記化合物を、ステップ1の2-ブロモ-6-フルオロベンズアルデヒドを6-ブロモ-3-クロロ-2-フルオロベンズアルデヒドによって、またステップ1の2-メルカプトニコチン酸を3,4-ジヒドロ-3-チオキソ-2-ピラジンカルボン酸[CAS-RN36931-81-4]によって置き換えて、中間体2と同様に製造した。白色固体、MS:580.0[M+H]
中間体4
(2S)-2-[9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニル(メチル)アミノ]-3-[2-メチル-1-[(2-メチルプロパン-2-イル)オキシカルボニル]インドール-3-イル]プロパン酸
【0319】
【化80】
【0320】
ステップ1:tert-ブチル3-[(1Z)-2-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-3-メトキシ-3-オキソプロパ-1-エン-1-イル]-2-メチル-1H-インドール-1-カルボキシレート
(±)-ベンジルオキシカルボニル-α-ホスホノグリシントリメチルエステル(CAS-RN88568-95-0;28.7g、86.9mmol)のジクロロメタン(250mL)中攪拌溶液に、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(13.2g、86.7mmol)を室温で添加した。10分後、tert-ブチル3-ホルミル-2-メチル-1H-インドール-1-カルボキシレート(CAS-RN885524-92-5;15.0g、57.9mmol)のジクロロメタン(50mL)中の溶液を添加し、次いで、16時間後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチルと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に分配し、有機層を水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。クロマトグラフィー(シリカゲル;ヘキサン-酢酸エチル勾配)により、標記化合物(22g、81%)が得られた。灰白色固体、MS:465.2[M+H]
ステップ2:tert-ブチル3-[(2S)-2-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-3-メトキシ-3-オキソ-プロピル]-2-メチル-インドール-1-カルボキシレート
グローブボックス(2ppm O未満)中で、tert-ブチル3-[(1Z)-2-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-3-メトキシ-3-オキソプロパ-1-エン-1-イル]-2-メチル-1H-インドール-1-カルボキシレート(10.5g、22mmol)、[(1,2,5,6-η)-1,5-シクロオクタジエン][(2S,2’S,5S,5’S)-1,1’-(1,2-フェニレン)ビス[2,5-ジエチルホスホラン-κP]]-ロジウム(1+)トリフルオロメタンスルホネート(CAS-RN142184-30-3;107mg、0.148mmol)およびメタノール(100mL)を鋼オートクレーブ中で合わせた。橙-黄色溶液に水素(18bar)を3回流し、次いで、水素雰囲気(50bar)下、30℃で24時間攪拌し、次いで、反応混合物を真空下で濃縮した。残渣を酢酸エチル(100mL)に溶解し、活性炭(1.5g)で処理し、1時間攪拌し、次いで、シリカゲルパッドを通して濾過した。溶媒を蒸発させた後、標記化合物(10.5g、100%;エナンチオマー比97.1:2.9)が得られた。淡黄色粘性油、MS:467.2[M+H]
ステップ3:tert-ブチル3-[(2S)-2-アミノ-3-メトキシ-3-オキソプロピル]-2-メチル-1H-インドール-1-カルボキシレート
tert-ブチル3-[(2S)-2-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-3-メトキシ-3-オキソプロピル]-2-メチル-1H-インドール-1-カルボキシレート(18.3g、39.2mmol)のメタノール(200mL)中脱気溶液に、パラジウム(活性炭上10%、3.5g)を25℃で添加し、反応混合物を水素雰囲気(1bar)下で6時間攪拌し、次いで、珪藻土を通して濾過した。濾液を蒸発させて、標記化合物(12.5g、95%)を得た。無色粘着性油、MS:333.2[M+H]
ステップ4:tert-ブチル3-[(2S)-3-メトキシ-2-[(2-ニトロベンゼン)スルホンアミド]-3-オキソプロピル]-2-メチル-1H-インドール-1-カルボキシレート
tert-ブチル3-[(2S)-2-アミノ-3-メトキシ-3-オキソプロピル]-2-メチル-1H-インドール-1-カルボキシレート(13.0g、39.1mmol)の飽和重炭酸ナトリウム水溶液(300mL)とジオキサン(300mL)の混合物中の溶液に、2-ニトロベンゼンスルホニルクロリド(10.4g、46.9mmol)を添加し、反応混合物を25℃で16時間攪拌した。反応が完了した後、0.5M塩酸水溶液を使用して水溶液のpHを7.0に調整し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄し;硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。クロマトグラフィー(シリカゲル;ヘキサン-酢酸エチル勾配)により、標記化合物(17.5g、86%)が得られた。黄色粘着性固体、MS:518.4[M+H]
ステップ5:tert-ブチル3-[(2S)-3-メトキシ-2-[N-メチル(2-ニトロベンゼン)スルホンアミド]-3-オキソプロピル]-2-メチル-1H-インドール-1-カルボキシレート
N,N-ジメチルホルムアミド(150mL)中tert-ブチル3-[(2S)-3-メトキシ-2-[(2-ニトロベンゼン)スルホンアミド]-3-オキソプロピル]-2-メチル-1H-インドール-1-カルボキシレート(17.5g、33.8mmol)および炭酸カリウム(16.4g、118mmol)の攪拌混合物に、ヨウ化メチル(24.0g、169mmol)を添加し、25℃で16時間攪拌した。反応が完了した後、これを冷水に注ぎ入れ、得られた固体を濾過し、水、引き続いてヘキサンで繰り返し洗浄し、最後に、高真空下で乾燥させて標記化合物(15g、83%)を得た。淡黄色固体、MS:532.2[M+H]
ステップ6:tert-ブチル3-[(2S)-3-メトキシ-2-(メチルアミノ)-3-オキソプロピル]-2-メチル-1H-インドール-1-カルボキシレート
tert-ブチル3-[(2S)-3-メトキシ-2-[N-メチル(2-ニトロベンゼン)スルホンアミド]-3-オキソプロピル]-2-メチル-1H-インドール-1-カルボキシレート(14.0g、26.3mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(140mL)中の溶液に、チオフェノール(3.48g、31.6mmol)および炭酸カリウム(11.0g、79.0mmol)を添加した。反応混合物を室温で2時間攪拌し、次いで、水と酢酸エチルに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。クロマトグラフィー(シリカゲル;ヘキサン/酢酸エチル1:3)により、標記化合物(7.3g、80%)が得られた。無色液体、MS:346.7[M+H]
ステップ7:(2S)-3-{1-[(tert-ブトキシ)カルボニル]-2-メチル-1H-インドール-3-イル}-2-(メチルアミノ)プロパン酸
tert-ブチル3-[(2S)-3-メトキシ-2-(メチルアミノ)-3-オキソプロピル]-2-メチル-1H-インドール-1-カルボキシレート(14.2g、41.0mmol)のテトラヒドロフラン(270mg)および水(90mL)中の溶液に、水酸化リチウム一水和物(2.0g、48.8mmol)を添加し、25℃で16時間攪拌した。反応が完了した後、溶媒を減圧下で蒸発させ、0.5M塩酸水溶液を使用して水溶液のpHを3.0に調整した。沈殿を濾過によって回収し、水およびヘキサンで洗浄し、乾燥させて、標記化合物(13.5g、99%)を得た。白色固体、MS:248.2[M+H]
ステップ8:(2S)-3-{1-[(tert-ブトキシ)カルボニル]-2-メチル-1H-インドール-3-イル}-2-{[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル](メチル)アミノ}プロパン酸
(2S)-3-{1-[(tert-ブトキシ)カルボニル]-2-メチル-1H-インドール-3-イル}-2-(メチルアミノ)プロパン酸(13.5g、40.6mmol)の5%炭酸水素ナトリウム水溶液(200mL)中の溶液に、N-(9-フルオレニルメチルオキシカルボニル)オキシスクシンイミド(CAS-RN Fmoc-OSu CAS 82911-69-1;16.5g、48.7mmol)のアセトニトリル(200mL)中の溶液を0℃で添加した。反応混合物を25℃で16時間攪拌し、次いで、有機溶媒を減圧下で蒸発させた。水性部分を、0.5M塩酸水溶液を使用して中和し、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。クロマトグラフィー(シリカゲル;ヘキサン-酢酸エチル勾配)により、標記化合物(13.5g、60%)が得られた。白色固体、MS:555.4[M+H]
中間体5
(2S)-6-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)-5,5-ジフルオロ-ヘキサン酸
【0321】
【化81】
【0322】
ステップ1:(S)-メチル6-アジド-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-5,5-ジフルオロヘキサノエート
(S)-メチル2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-5,5-ジフルオロ-6-(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)ヘキサノエート(CAS-RN667464-89-3;1.39g、3.00mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(15mL)中の溶液に、アジ化ナトリウム(585mg、9.00mmol)を室温で一度に添加した。溶液を30℃で20時間攪拌し、次いで、水と酢酸エチルに分配した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。クロマトグラフィー(ヘプタン-酢酸エチル勾配)により、標記化合物(650mg、61%)、MS:329[M-N+H]+が得られた。
ステップ2:(S)-メチル6-アミノ-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-5,5-ジフルオロヘキサノエート
(S)-メチル6-アジド-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-5,5-ジフルオロヘキサノエート(1.30g、3.65mmol)のテトラヒドロフラン(10.5mL)中の溶液に、水(10.5ml)およびトリフェニルホスフィン(1.24g、4.74mmol)を添加した。反応混合物を室温で一晩攪拌し、次いで、水と酢酸エチルに分配した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、標記化合物(1.21g、100%)、MS:331[M+H]を得た。
ステップ3:(S)-メチル2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-6-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5,5-ジフルオロヘキサノエート
(S)-メチル6-アミノ-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-5,5-ジフルオロヘキサノエート(991mg、3.0mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)および水(5mL)中の溶液に、炭酸ナトリウム(191mg、1.8mmol)およびジ-tert-ブチルジカルボネート(720mg、3.3mmol)を室温で添加し、次いで、2時間後、反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と酢酸エチルに分配した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。クロマトグラフィー(シリカゲル;ヘプタン-酢酸エチル勾配)により、標記化合物(1.10g、85%)が得られた。
ステップ4:(S)-メチル2-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-6-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5,5-ジフルオロヘキサノエート
(S)-メチル2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-6-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5,5-ジフルオロヘキサノエート(1.20g、2.79mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)中の溶液に、パラジウム(活性炭上10%、0.40g、2.8mmol)を添加し、反応混合物を水素雰囲気(1bar)下、室温で4時間攪拌し、次いで、不溶性物質を濾過によって除去した。濾液を濃縮し、残渣をテトラヒドロフラン(10mL)および水(10mL)に溶解し、炭酸ナトリウム(295mg、2.79mmol)および9-フルオレニルメチルクロロホルメート(938mg、3.62mmol)で処理した。反応混合物を室温で5時間攪拌し、次いで、石油エーテル/酢酸エチル1:1で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。C.混合物をPE/EA=2/1で抽出し、ブラインで洗浄した。クロマトグラフィー(シリカゲル;ヘプタン-酢酸エチル勾配)により、標記化合物(1.00g、69%)、MS:419[M-イソブテン-CO+H]が得られた。
ステップ5:(2S)-6-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)-5,5-ジフルオロ-ヘキサン酸
(S)-メチル2-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-6-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5,5-ジフルオロヘキサノエート(1.00g、1.93mmol)のテトラヒドロフラン(2mL)中の溶液に、1M塩化カルシウム溶液(2-プロパノール/水6:5中1M;22mL、22mmol)および水酸化ナトリウム(193mg、4.82mmol)の水(2mL)中の溶液を添加した。反応混合物を32℃で3時間攪拌し、次いで、1M塩酸水溶液でpH5に酸性化し、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、標記化合物(800mg、82%)、MS:505[M+H]を得た。
中間体6
tert-ブチル2-(メチルスルホニル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンゾエート
【0323】
【化82】
【0324】
ステップ1:tert-ブチル4-ブロモ-2-(メチルスルホニル)ベンゾエート
4-ブロモ-2-(メチルスルホニル)安息香酸(CAS-RN142994-02-3;0.89g、3.19mmol)の無水トルエン(2mL)中懸濁液に、N,N-ジメチルホルムアミドジ-tert-ブチルアセタール(4.68g、20.7mmol)を添加し、混合物を80℃に2時間加熱し、次いで、反応混合物を酢酸エチルと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。クロマトグラフィー(シリカゲル;ヘプタン-酢酸エチル勾配)により、標記化合物(698mg、65%)が得られた。淡黄色固体、MS:280.9[M+H-イソブテン]
ステップ2:tert-ブチル2-(メチルスルホニル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンゾエート
圧力管中のtert-ブチル4-ブロモ-2-(メチルスルホニル)ベンゾエート(0.698g、2.08mmol)、酢酸カリウム(715mg、7.29mmol)およびビス(ピナコラト)ジボロン(701mg、2.71mmol)のジメチルスルホキシド(5.95ml)中淡黄色懸濁液を、超音波浴中で容器を超音波処理しながら、アルゴンで5分間スパージングした。次いで、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(76.2mg、104μmol)を添加し、脱気を3分間続け、管を密封し、反応物を80℃に3時間加熱した。冷却後、不溶性物質を濾過によって除去し、反応混合物を酢酸エチルとブラインに分配した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。クロマトグラフィー(シリカゲル;ヘプタン-酢酸エチル勾配)により、標記化合物が白色固体(602mg、76%)として得られた。
中間体6.01
tert-ブチル2-メトキシ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンゾエート
【0325】
【化83】
【0326】
標記化合物を、4-ブロモ-2-メトキシ安息香酸[CAS-RN72135-36-5]から、中間体6と同様に製造した。
中間体7
[1-(2-tert-ブトキシ-2-オキソ-エチル)-2-オキソ-4-ピリジル]ボロン酸
【0327】
【化84】
【0328】
tert-ブチル2-(4-ブロモ-2-オキソピリジン-1(2H)-イル)アセテート(CAS-RN1630192-25-4;1.28g、4.44mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(1.69g、6.66mmol)および酢酸カリウム(1.31g、13.3mmol)の1,4-ジオキサン(20mL)中懸濁液を排気し、アルゴンで5分間パージし、引き続いて[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]-ジクロロパラジウム(II)(325mg、444μmol)を添加した。アルゴンでさらに2分間パージした後、反応容器を密封し、100℃で16時間加熱した。次いで、混合物を室温に冷却し、珪藻土を通して濾過した。濾液を酢酸エチルと水に分配し、有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。粗物質を、溶離液として水(+0.05%トリフルオロ酢酸)からアセトニトリルまでの勾配を使用する逆相分取HPLCによって精製して、標記化合物(937mg、83%)を得た。白色固体、MS:254.2[M+H]
中間体8
[2-[(2-メチルプロパン-2-イル)オキシカルボニル]ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イル]ボロン酸
【0329】
【化85】
【0330】
ステップ1:tert-ブチル5-ブロモピラゾロ[1,5-a]ピリジン-2-カルボキシレート
標記化合物を、5-ブロモピラゾロ[1,5-a]ピリジン-2-カルボン酸[CAS-RN1363381-10-5]から、中間体6、ステップ1と同様に製造した。白色固体、MS:297.0[M+H]
ステップ2:[2-[(2-メチルプロパン-2-イル)オキシカルボニル]ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イル]ボロン酸
標記化合物を、4-ブロモ-2-(メチルスルホニル)安息香酸をtert-ブチル5-ブロモピラゾロ[1,5-a]ピリジン-2-カルボキシレートによって置き換えて、中間体7と同様に製造した。白色固体、MS:207.2[M-イソブテン+H]
中間体9
(E)-(1-(3-(tert-ブトキシ)-3-オキソプロパ-1-エン-1-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-4-イル)ボロン酸
【0331】
【化86】
【0332】
ステップ1:tert-ブチル(E)-3-(4-ブロモ-2-オキソピリジン-1(2H)-イル)アクリレート
炭酸カリウム(477mg、3.45mmol)を、4-ブロモピリジン-2(1H)-オン(CAS-RN13466-38-1;300mg、1.72mmol)およびtert-ブチル3-ブロモプロパノエート(433mg、2.07mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(10mL)中懸濁液に添加し、混合物を60℃で30分間攪拌した。次いで、反応混合物を水と酢酸エチルに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、固定相としてRediSep Gold:C18カラムおよび溶離液として水(+0.05%トリフルオロ酢酸)からアセトニトリルまでの勾配を使用する分取HPLCによって精製して、標記化合物(320mg、62%)を得た。白色固体、MS:300.0[M+H]
ステップ2:(E)-(1-(3-(tert-ブトキシ)-3-オキソプロパ-1-エン-1-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-4-イル)ボロン酸
標記化合物を、tert-ブチル2-(4-ブロモ-2-オキソピリジン-1(2H)-イル)アセテートをtert-ブチル(E)-3-(4-ブロモ-2-オキソピリジン-1(2H)-イル)アクリレートによって置き換えて、中間体7と同様に製造した。灰白色固体、MS:266.3[M+H]。本発明は、以下の実施例を参照することによってより完全に理解されるだろう。しかしながら、これらは本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0333】
実施例19
抗微生物薬感受性試験:
50%増殖阻害濃度(IC50)決定
化合物のインビトロ抗微生物活性を、代替として、下記の手順に従って決定した:
アッセイは、A.バウマンニ(A.baumannii)ATCC17978に対する化合物のインビトロ活性を定量的に測定するために、10ポイントIso-Sensitestブロス培地を使用した。
【0334】
DMSO中のストック化合物を、384ウェルマイクロタイタープレート内で連続2倍希釈(例えば、50~0.097μMまたは10~0.020μM最終濃度の範囲)し、Iso-Sensitest培地中に49μlの細菌懸濁液と共に接種して、50μl/ウェルの最終体積/ウェルで約5×10(5)CFU/mlの最終細胞濃度とした。マイクロタイタープレートを35±2℃でインキュベートした。
【0335】
細菌細胞増殖を、20分毎にλ=600nmにおける光学濃度の測定により16時間の時間経過にわたって決定した。
増殖阻害を、細菌細胞の対数増殖中に、増殖の50%(IC50)および90%(I
C90)を阻害する濃度の決定によって計算した。
【0336】
表1は、A.バウマンニ(A.baumannii)株ATCC17978に対して得られた本発明の化合物の50%増殖阻害濃度(IC50)(マイクロモル/リットル)を提供する。
【0337】
本発明の特定の化合物は、10μmol/l以下のIC50(ATCC17978)を示す。
本発明のより特定の化合物は、1μmol/l以下のIC50(ATCC17978)を示す。
【0338】
本発明の最も特定の化合物は、0.5μmol/l以下のIC50(ATCC1797
8)を示す。
【0339】
【表5-1】
【0340】
【表5-2】
【0341】
表1.(i)A.バウマンニ(A.baumannii)株ATCC17978に対して得られた本発明の化合物の50%増殖阻害濃度(IC50)(マイクロモル/リットル);(ii)血漿沈殿最小効果濃度(MEC)(μmol/l);(iii)BIOVIA Pipeline Pilot 2017 R2によって計算した、ALogP、原子分配係数。
【0342】
実施例20
血漿沈殿スクリーニングアッセイ
原理
生理学的緩衝液に可溶化した化合物またはインビボでのその非経口投与に使用される製剤、およびリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中のその種々の希釈液のアリコート(10μL)を、ラット血漿と1:1混合する。室温で10分間のインキュベーション後、混合物のUV吸収を測定し、ブランク血漿またはビヒクル溶液の血漿と比較する。吸収の有意な(通常は濃度依存的)増加は、沈殿を示す。
材料および方法
ペントバルビタール溶液の腹腔内注射後、終末麻酔下で、WISTARラット(Hanbrl:Wist SPF)から全血を得る(他の実験目的については組織を回収するために安楽死させた動物から)。血液を、ヘパリン血漿を調製するために1.2mLのHeparin S-Monovette管(Sarstedt)に回収する。
【0343】
次いで、管を室温において5200gで5分間遠心分離して、血漿上清を単離する。血漿を回収48時間以内にアッセイに使用する(4℃で貯蔵)。
試験化合物を粉末として受け取るまたは製剤化する。粉末として得た場合、試験する最高の指示濃度を得るために、これらを0.9%塩化ナトリウム水溶液に可溶化する。可溶性を視覚的に確認し、0.45PVDF親水性フィルター(Durapore(登録商標)、Darmstadt、ドイツ)を使用して溶液を濾過して、考えられる固体不純物を除去する。この初期溶液のpHを、化合物のPBS中希釈系列(1:1希釈ステップ)の調製に進む前に、濾過ストック溶液で測定することができるだろう。
【0344】
アッセイを384ウェルプレートで行う。ラット血漿10μLを、種々の化合物溶液10μLに添加する。アッセイは2連で実施する。血漿に添加したビヒクル10μL(0.9%塩化ナトリウム水溶液、PBS)を陰性対照として使用する。吸収を362nmで測定する。
【0345】
血漿中での沈殿を誘導することが知られている、(11S,14S,17S)-14-(4-アミノブチル)-11-(3-アミノプロピル)-22,25-ジクロロ-17-(1H-インドール-3-イルメチル)-16-メチル-2-チア-4,10,13,16,19-ペンタアザトリシクロ[19.4.0.03,8]ペンタコサ-1(25),3(8),4,6,21,23-ヘキサエン-12,15,18-トリオン[CAS-RN2097284-11-0]を、陽性対照および比較物質(comparator)として全てのアッセイ実行に含める。
【0346】
得られる生データは吸光度データである。試料の吸光度とビヒクルの平均吸光度の差を計算する。最小効果濃度(MEC)を、吸光度差、OD362≧0.05を与える最低濃度として定義する。
【0347】
結果は上記表1に提供される。
一実施形態では、本発明は、470μM超、好ましくは760μM超、より好ましくは870μM超、特に1000μM超の血漿沈殿の閾値濃度を有する、本明細書に記載される式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0348】
一実施形態では、本発明は、470μM超、好ましくは760μM超、より好ましくは870μM超、特に1000μM超の血漿沈殿の閾値濃度を有し、前記血漿沈殿の閾値濃度が、本実施例20のアッセイに準拠して決定される、本明細書に記載される式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
比較実施例
【0349】
【表6-1】
【0350】
【表6-2】
【0351】
実施例21
雄ラットでの単回投与薬物動態試験
3匹の雄ラットに化合物製剤(0.9%生理食塩水中3mg/mL)を6mg/kgの静脈内ボーラス投与として投与した。
【0352】
血液を投与0.08、0.25、0.5、1、2、4、7および24時間後に採取し、採血管を室温において5200gで5分間遠心分離して血漿上清を単離した。
1~2500ng/mLの較正範囲で、LC-MS法を使用して血漿中の化合物の濃度を分析した。当技術分野で記載される方法を使用してクリアランス値を計算し、実施例23に要約する。
【0353】
実施例22
雄カニクイザルでの単回投与薬物動態試験
3匹の雄サルに化合物製剤(0.9%生理食塩水中2mg/mL)を1mg/kgの静脈内ボーラス投与として投与した。
【0354】
血液を投与0.08、0.25、0.5、1、2、4、7および24時間後に採取し、採血管を室温において5200gで5分間遠心分離して血漿上清を単離した。
0.5~2500ng/mLの較正範囲で、LC-MS法を使用して血漿中の化合物の濃度を分析し、実施例23に要約する。
【0355】
実施例23
インビボクリアランスを予測するための肝細胞取り込みデータのスケーリング
原理
本発明の化合物は肝取り込みを通して取り除かれ、これを当技術分野で記載される方法を使用してインビトロで実験的に決定することができる(例えば、K.Menochet、K.E.Kenworthy、J.B.Houston、A.Galetin、Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics 2012、34、2)。スケーリングされたインビトロ肝細胞取り込みクリアランスデータが動物で観察されるクリアランスに対応する場合、インビトロヒト肝細胞取り込みデータに基づいて、ヒトクリアランスの有意義な予測を行うことができる。
材料および方法
(a)肝細胞取り込みアッセイ
肝細胞取り込みアッセイを、文献(K.Menochet、K.E.Kenworthy、J.B.Houston、A.Galetin、Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics 2012、34、2)に記載されるプロトコルと同様に、24ウェルプレートにおいて手動で実施した。手短に言えば、様々な種(ラット、ヒト、サル)から単離した初代培養肝細胞をマルチウェルプレートに蒔き、ここでこれらの細胞が、37℃でのインキュベーション下、数時間以内に各ウェルの底で付着し、単層を形成した。アッセイのために、細胞をインキュベーションから取り出し、取り込み緩衝液(HBSSカルシウムマグネシウム[Gibco Invitrogen 14065056]、20mM HEPES、37℃)中で洗浄し、数分間順化させた。全ての主要な薬物輸送経路を遮断することができる全阻害剤カクテルの存在/非存在下で、試験化合物を添加した取り込み緩衝液を添加することによって取り込みを開始し、設定時間(典型的には1~3分間)インキュベートした。活発な取り込みを直ちに停止し、投与化合物を希釈する過剰の氷冷緩衝液(HBSSカルシウムマグネシウム+0.2%ウシ血清アルブミン)を添加して取り込みを停止した。これに続いて、2回の急速な温緩衝液(HBSSカルシウムマグネシウム+0.2%ウシ血清アルブミン、37℃、次いで、HBSSカルシウムマグネシウム、37℃)による洗浄サイクルを行った。後者のステップは、ウェルからの非特異的結合および結合していない過剰な化合物を最小化するためのものであった。次に、アセトニトリル/水3:1を使用して細胞単層を溶解し、LC-MS/MSを使用して細胞内濃度を測定した。
(b)肝細胞取り込みデータのスケーリング
阻害剤の存在および非存在下で、初期取り込み速度から、総(CL取り込み)および受動(CL受動)取り込みクリアランス値を測定した。細胞濃度対時間プロットの線形回帰の勾配から、37℃で10分間にわたって取り込み速度を計算した。勾配を初期基質濃度で割ることによって、総および受動取り込みクリアランス値を計算し、タンパク質含有量について正規化した。
【0356】
肝臓全タンパク質(200mg/g肝臓)および40g肝臓/kg体重の平均肝臓重量を掛け、全体重250gと仮定することによって、μL/分/mgタンパク質として表されるラットインビトロ固有クリアランス値(CLint,H)を、インビボ当量全肝臓にスケーリングした。
【0357】
1mgタンパク質が150万個の細胞に等しいと仮定することによって、μL/分/mgタンパク質として表されるカニクイザルおよびヒトCLint,HをμL/分/10細胞に変換し、肝細胞量(hepatocellularity)(1億2000万個細胞/g肝臓)ならびにカニクイザルおよびヒトでそれぞれ30および21.4g肝臓/kg体重の平均肝臓重量を掛けることによって、インビボ当量全肝臓にスケーリングした。
【0358】
十分攪拌された肝臓モデル(K.S.Pang、M.Rowland、Journal of Pharmacokinetics and Biopharmaceutics 1977、5、625)を使用してインビボCLint,hを推定した;
【0359】
【数1】
【0360】
(式中、Qは、ラット(55.2mL/分/kg)、サル(43.6mL/分/kg)またはヒト(21mL/分/kg)の血流量を表し;fは1と仮定された)。ラット、カニクイザルおよびヒトについてのスケーリングクリアランス値は以下の表に報告される。
結果
以下の表は、ラットおよびサルについてのスケーリングインビトロおよびインビボクリアランス値を要約している。分かるように、ラットおよびカニクイザルについてのインビボクリアランスを、スケーリングインビトロクリアランス値から2倍以内で予測することができる。実施例1についてのスケーリングヒトクリアランスは、以前開示された構造的に類似の分子のものと遜色がなく、ヒトで低い予測クリアランス(0.46mL/分/kg)をもたらす。
【0361】
【表7】