(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】寒冷気候用電池加熱を備えた輸送用冷却ユニット
(51)【国際特許分類】
B60K 11/02 20060101AFI20240326BHJP
B60K 1/04 20190101ALI20240326BHJP
H02J 7/04 20060101ALI20240326BHJP
B60L 58/24 20190101ALI20240326BHJP
B60P 3/20 20060101ALI20240326BHJP
F25D 11/00 20060101ALI20240326BHJP
H01M 10/615 20140101ALI20240326BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20240326BHJP
H01M 10/635 20140101ALI20240326BHJP
【FI】
B60K11/02
B60K1/04 Z
H02J7/04 N
B60L58/24
B60P3/20 Z
F25D11/00 101F
H01M10/615
H01M10/625
H01M10/635
(21)【出願番号】P 2020569948
(86)(22)【出願日】2019-09-13
(86)【国際出願番号】 US2019050912
(87)【国際公開番号】W WO2020068446
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2022-08-31
(32)【優先日】2018-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591003493
【氏名又は名称】キャリア コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】CARRIER CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】サロカ,メアリー ディー.
(72)【発明者】
【氏名】バーチル,ジェフリー ジェイ.
【審査官】中川 隆司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0029436(US,A1)
【文献】特開2014-223891(JP,A)
【文献】特開2015-174629(JP,A)
【文献】特開2011-255879(JP,A)
【文献】特開2007-003170(JP,A)
【文献】特開2007-032987(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 11/02
B60K 1/04
H02J 7/04
B60L 58/24
B60P 3/20
F25D 11/00
H01M 10/615
H01M 10/625
H01M 10/635
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒を圧縮するように構成された圧縮機と、
前記圧縮機を駆動するように構成された圧縮機モータであって、エネルギー貯蔵装置によって電力を供給される前記圧縮機モータと、
前記圧縮機に動作可能に結合された蒸発器熱交換器と、
輸送用冷却ユニットの運転を制御するためのコントローラと、
前記コントローラと電子通信する周囲温度センサであって、前記輸送用冷却ユニットの外部の周囲温度を検出する前記周囲温度センサと、
前記エネルギー貯蔵装置の温度を検出する電池管理システムと、
を含む、輸送用冷却ユニットであって、
前記コントローラは、前記周囲温度に応答して、前記エネルギー貯蔵装置の温度制御システムの動作を調整し、前記温度制御システムは、前記エネルギー貯蔵装置の温度を調整
し、
前記温度制御システムは、電気ヒータであり、
前記周囲温度が第1の選択された温度よりも低いときに、前記コントローラが前記電気ヒータを作動させ、
前記エネルギー貯蔵装置の温度が、前記第1の選択された温度よりも高い第2の選択された温度に達したときに、前記コントローラは前記エネルギー貯蔵装置を停止する、輸送用冷却ユニット。
【請求項2】
前記エネルギー貯蔵装置の高電圧直流のごく一部を低電圧直流に変換することによって前記温度制御システムに電力を供給するように構成されたDC/DCコンバー
タをさらに含む、請求項1に記載の輸送用冷却ユニット。
【請求項3】
前記エネルギー貯蔵装置は、
前記電池
管理システムを含む、請求項
1に記載の輸送用冷却ユニット。
【請求項4】
前記電池
管理システムは、前記電池
管理システム内の選択された数の電池セルを利用して、前記温度制御システムに電力を提供するように構成され、前記選択された数の電池セルは、15VDC以下の電圧を有する、請求項3に記載の輸送用冷却ユニット。
【請求項5】
前記温度制御システム及び前記エネルギー貯蔵装置は、前記輸送用冷却ユニットの外部に配置される、請求項1に記載の輸送用冷却ユニット。
【請求項6】
前記温度制御システム及び前記エネルギー貯蔵装置は、前記輸送用冷却ユニット内に配置される、請求項1に記載の輸送用冷却ユニット。
【請求項7】
前記電気ヒータは、対流加熱、及び伝導加熱の少なくとも一方を利用する、請求項
1に記載の輸送用冷却ユニット。
【請求項8】
前記電気ヒータは、
対流加熱のために空気及び液体の少なくとも1つを利用して、前記電気ヒータから前記エネルギー貯蔵装置に熱を伝える、請求項
1に記載の輸送用冷却ユニット。
【請求項9】
輸送用冷却ユニットを運転する方法であって、
エネルギー貯蔵装置を使用して輸送用冷却ユニットに電力を供給することと、
周囲温度センサを使用して、前記輸送用冷却ユニットの外部の周囲温度を検出することと、
電池管理システムを使用して前記エネルギー貯蔵装置の温度を検出することと、
前記周囲温度に応じて、
電気ヒータである温度制御システムを使用して前記エネルギー貯蔵装置の温度を調節することと、
前記周囲温度が第1の選択された温度よりも低いときに前記電気ヒータを作動させることと、
前記エネルギー貯蔵装置の温度が、前記第1の選択された温度よりも高い第2の選択された温度に達したときに、前記エネルギー貯蔵装置を停止することと、
を含む、方法。
【請求項10】
DC/DCコンバータを使用して、前記エネルギー貯蔵装置の高電圧直流のごく一部を低電圧直流に変換して、前記温度制御システムに電力を供給すること
をさらに含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項11】
前記エネルギー貯蔵装置は、
前記電池
管理システムを含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項12】
前記電池
管理システム内の選択された数の電池セルを使用して前記温度制御システムに電力を供給することをさらに含み、前記選択された数の電池セルは、15VDC以下の電圧を有する、請求項
11に記載の方法。
【請求項13】
前記温度制御システム及び前記エネルギー貯蔵装置は、前記輸送用冷却ユニットの外部に配置される、請求項
9に記載の方法。
【請求項14】
前記温度制御システム及び前記エネルギー貯蔵装置は、前記輸送用冷却ユニット内に配置される、請求項
9に記載の方法。
【請求項15】
前記電気ヒータは、対流加熱、及び伝導加熱の少なくとも一方を利用する、請求項
9に記載の方法。
【請求項16】
前記電気ヒータは、
対流加熱のために空気及び液体の少なくとも1つを利用して、前記電気ヒータから前記エネルギー貯蔵装置に熱を伝える、請求項
9に記載の
方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本明細書に開示される主題は、一般に、輸送用冷却ユニット、より具体的には、輸送用冷却ユニットの電源の環境条件を制御するための装置及び方法に関する。
【0002】
海上、鉄道、または道路による貨物輸送に利用されるものなど、従来の冷凍・冷蔵貨物トラックまたは冷凍・冷蔵トラクタトレーラは、トラック、トレーラ、または貨物コンテナであり、一般に貨物コンパートメントを画定し、トラック、トレーラ、または貨物コンテナの一端に配置された冷却システムを備えるように改造されている。冷却システムは、通常、既知の冷媒蒸気圧縮サイクルに従って、閉じた冷媒回路内の冷媒ラインによって直列に接続された圧縮機、凝縮器、膨張弁、及び蒸発器を含む。燃焼機関などの動力装置は、冷却ユニットの圧縮機を駆動し、ディーゼル動力、天然ガス動力、または他のタイプの機関であってよい。多くのトラクタトレーラ輸送用冷却システムでは、圧縮機は、ベルト駆動または機械的なシャフトとシャフトのリンクのいずれかを介してエンジンシャフトによって駆動される。他のシステムでは、冷却ユニットの機関が電力を生成する発電機を駆動し、次に、電力が圧縮機を駆動する。
【0003】
現在の環境動向では、特に効率、音、及び環境影響の観点から、輸送用冷却ユニットの改善が望まれる。環境にやさしい冷却ユニットでは、信頼性、コスト、及び軽量化の改善も望まれる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態によると、輸送用冷却ユニットが提供される。輸送用冷却ユニットは、冷媒を圧縮するように構成された圧縮機と、圧縮機を駆動するように構成された圧縮機モータであって、エネルギー貯蔵装置によって電力を供給される圧縮機モータと、圧縮機に動作可能に結合された蒸発器熱交換器と、輸送用冷却ユニットの運転を制御するコントローラと、コントローラと電子通信する周囲温度センサとを備え、周囲温度センサは、輸送用冷却ユニットの外部の周囲温度を検出し、コントローラは、周囲温度に応答してエネルギー貯蔵装置の温度制御システムの動作を調整し、温度制御システムは、エネルギー貯蔵装置の温度を調整する。
【0005】
上記の特徴の1つまたは複数に加えて、または代替として、さらなる実施形態は、エネルギー貯蔵装置の高電圧直流のごく一部を低電圧直流に変換することによって、温度制御システムに電力を供給するように構成されたDC/DCコンバータを備えてよい。
【0006】
上記の特徴の1つまたは複数に加えて、または代替として、さらなる実施形態は、エネルギー貯蔵装置が電池システムを備えることを含んでよい。
【0007】
上記の特徴の1つまたは複数に加えて、または代替として、さらなる実施形態は、電池システムが、電池システム内の選択された数の電池セルを利用して温度制御システムに電力を供給するように構成されることを含んでよく、ここで、選択した数の電池セルは、15VDC以下の電圧を有する。
【0008】
上記の特徴の1つまたは複数に加えて、または代替として、さらなる実施形態は、温度制御システムが電気ヒータであることを含んでよい。
【0009】
上記の特徴の1つまたは複数に加えて、または代替として、さらなる実施形態は、温度制御システム及びエネルギー貯蔵装置が輸送用冷却ユニットの外側に配置されることを含んでよい。
【0010】
上記の特徴の1つまたは複数に加えて、または代替として、さらなる実施形態は、温度制御システム及びエネルギー貯蔵装置が輸送用冷却ユニット内に配置されることを含んでよい。
【0011】
上記の特徴の1つまたは複数に加えて、または代替として、さらなる実施形態は、周囲温度が選択された温度よりも低いときにコントローラが電気ヒータを作動させることを含んでよい。
【0012】
上記の特徴の1つまたは複数に加えて、または代替として、さらなる実施形態は、電気ヒータが対流加熱、及び伝導加熱の少なくとも一方を利用することを含んでよい。
【0013】
上記の特徴の1つまたは複数に加えて、または代替として、さらなる実施形態は、電気ヒータが対流加熱のために空気及び液体の少なくとも1つを利用して、電気ヒータからエネルギー貯蔵装置に熱を伝達することを含んでよい。
【0014】
別の実施形態によれば、輸送用冷却ユニットを運転する方法が提供される。方法は、エネルギー貯蔵装置を使用して輸送用冷却ユニットに電力を供給することと、周囲温度センサを使用して、輸送用冷却ユニットの外側の周囲温度を検出することと、周囲温度に応答して、温度制御システムを使用してエネルギー貯蔵装置の温度を調節することとを含む。
【0015】
上記の特徴の1つまたは複数に加えて、または代替として、さらなる実施形態は、DC/DCコンバータを使用して、エネルギー貯蔵装置の高電圧直流のごく一部を低電圧直流に変換して、温度制御システムに電力を供給することを含んでよい。
【0016】
上記の特徴の1つまたは複数に加えて、または代替として、さらなる実施形態は、エネルギー貯蔵装置が電池システムを備えることを含んでよい。
【0017】
上記の特徴の1つまたは複数に加えて、または代替として、さらなる実施形態は、電池システム内の選択された数の電池セルを使用して温度制御システムに電力を供給することを含んでよく、ここで、選択された数の電池セルは、15VDC以下の電圧を有する。
【0018】
上記の特徴の1つまたは複数に加えて、または代替として、さらなる実施形態は、温度制御システムが電気ヒータであることを含んでよい。
【0019】
上記の特徴の1つまたは複数に加えて、または代替として、さらなる実施形態は、温度制御システム及びエネルギー貯蔵装置が輸送用冷却ユニットの外側に配置されることを含んでよい。
【0020】
上記の特徴の1つまたは複数に加えて、または代替として、さらなる実施形態は、温度制御システム及びエネルギー貯蔵装置が輸送用冷却ユニット内に配置されることを含んでよい。
【0021】
上記の特徴の1つまたは複数に加えて、または代替として、さらなる実施形態は、周囲温度が選択された温度よりも低いときに電気ヒータを作動させることを含んでよい。
【0022】
上記の特徴の1つまたは複数に加えて、または代替として、さらなる実施形態は、電気ヒータが対流加熱、及び伝導加熱の少なくとも一方を利用することを含んでよい。
【0023】
上記の特徴の1つまたは複数に加えて、または代替として、さらなる実施形態は、電気ヒータが対流加熱のために空気及び液体の少なくとも1つを利用して、電気ヒータからエネルギー貯蔵装置に熱を伝達することを含んでよい。
【0024】
本開示の実施形態の技術的効果には、TRUの外側の温度がTRUの外気温度によって検出されたときに熱力学的に調整されるエネルギー貯蔵装置によって電力を供給される輸送冷却ユニットが含まれる。
【0025】
上述の特徴及び要素は、別段に明記されない限り、排他性なしに様々な組み合わせで組み合わされてよい。それらの特徴及び要素と共に、その動作は、以下の記載及び添付図面に照らしてより明らかになるであろう。しかしながら、以下の記載及び図面は、本質的に例示的及び説明的であり、非限定的であることを理解されたい。
【0026】
本開示とみなされる主題は、本明細書の最後にある特許請求の範囲において具体的に示され、明確に特許請求される。本開示の前述の及び他の特徴及び利点は、添付図面と併せることにより、以下の詳細な記載から明らかである。
【0027】
以下の記載は、決して制限と見なされるべきではない。添付の図面に関し、類似の要素には類似の番号が付されている。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本開示の実施形態による、1つの非限定的なものとしての、エンジンレス輸送用冷却ユニットを有する輸送用冷却システムの斜視図である。
【
図2】本開示の実施形態による、エンジンレス輸送用冷却ユニットの概略図である。
【
図3】本開示の実施形態による、輸送用冷却ユニットの電源インタフェースのブロック図である。
【
図4】本開示の実施形態による、輸送用冷却ユニットを運転する方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
開示される装置及び方法の1つまたは複数の実施形態の詳細な説明を、図面を参照して、限定ではなく例示として本明細書に提示する。
【0030】
図1を参照すると、本開示の輸送用冷却システム20が示されている。図示の実施形態では、輸送用冷却システム20は、トラクタもしくは車両22、コンテナ24、及びエンジンレス輸送用冷却ユニット(TRU)26を備えてよい。コンテナ24は、車両22によって牽引されてよい。本明細書に記載の実施形態は、鉄道用、海上用、空中用、または任意の他の適切なコンテナによって出荷される出荷用コンテナに適用されてよく、したがって、車両は、トラック、列車、ボート、飛行機、ヘリコプタなどであってよいことが理解される。
【0031】
車両22は、運転者コンパートメントまたは運転室28、及び車両22のパワートレインまたは駆動システムの一部であるエンジン42を含んでよい。エンジン42は、電気モータ、燃焼機関、またはそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない推進機関であってよい。コンテナ24は、車両22に結合されてよく、したがって、所望の目的地の方に牽引または推進される。トレーラは、上壁30と、上壁30に向かい合うように上壁30から間隔を置いて配置された底壁32と、互いに間隔を置いて向かい合う2つの側壁34と、向かい合う前壁36及び後壁38とを含んでよく、前壁36が車両22に最も近い。コンテナ24は、後壁38または任意の他の壁にドア(図示せず)をさらに含んでよい。壁30、32、34、36、38は一緒になって、貨物コンパートメント40の境界を画定する。典型的には、輸送用冷却システム20は、例えば、生鮮品及び環境に敏感な品物(本明細書では生鮮品と呼ばれる)などの貨物を輸送及び流通するために使用される。生鮮品は、果物、野菜、穀物、豆類、ナッツ類、卵、乳製品、種子、花、獣肉、鶏肉、魚、氷、血液、医薬品、またはコールドチェーン輸送を必要とする任意の他の適切な貨物を含んでよいが、これらに限定されない。図示の実施形態では、TRU26は、例えば、温度、圧力、湿度、二酸化炭素、エチレン、オゾン、光暴露、振動暴露、及び他の条件などの所望の環境パラメータを貨物コンパートメント40に提供するようにコンテナ24に関連付けられている。さらなる実施形態では、TRU26は、所望の温度及び湿度範囲を提供することができる冷却システムである。
【0032】
図1及び
図2を参照すると、コンテナ24は、一般に、コンパートメント40に貨物(図示せず)を保管するように構築されている。エンジンレスTRU26は、一般に、コンテナ24に組み込まれ、前壁36に取り付けられてよい。貨物は、コンテナ24の貨物コンパートメント40に冷却空気流を入れて循環させるTRU26を介してコンパートメント40を冷却することにより、所望の温度に維持される。TRU26は、任意の輸送用コンパートメント(例えば、出荷用または輸送用コンテナ)に適用されてよく、必ずしもトラクタトレーラシステムで使用されるものではないことがさらに企図され、理解される。さらに、輸送用コンテナは、車両22の一部であってよい、または、代替の出荷手段(例えば、海上、鉄道、飛行機など)用のコンテナ24の枠組み及び車輪(図示せず)から取り外されるように構築されてよい。
【0033】
エンジンレスTRU26の構成要素は、圧縮機58、電動圧縮機モータ60、電気エネルギー貯蔵装置152、空冷され得る凝縮器64、凝縮器ファンアセンブリ66、レシーバ68、フィルタ乾燥機70、熱交換器72、膨張弁74、蒸発器76、蒸発器ファンアセンブリ78、吸入調整弁80、コンピュータベースのプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)などを含み得るコントローラ82を含んでよく、これらについては、本明細書でさらに記載する。エンジンレスTRU26の運転は、圧縮機58で開始すると、最もよく理解され得る。ここで、吸引ガス(例えば、自然冷媒、ハイドロフルオロカーボン(HFC)R-404a、HFCR-134aなど)が、吸引ポート84から圧縮機58に入り、高温、高圧に圧縮される。冷媒ガスは、出口ポート85で圧縮機58から放出され、次に、凝縮器64の管(複数可)86に流れ込んでよい。
【0034】
複数の凝縮器コイルフィン(図示せず)及び管86を横切って流れる空気は、ガスをその飽和温度まで冷却する。凝縮器64を横切る空気流は、凝縮器ファンアセンブリ66の1つまたは複数のファン88によって促進されてよい。凝縮器ファン88は、電気的であり得るファンアセンブリ66の各凝縮器ファンモータ90によって駆動されてよい。潜熱を除去することにより、管86内の冷媒ガスは、高圧及び高温の液体に凝縮し、低温運転中に過剰な液体冷媒を貯蔵するレシーバ68に流れる。レシーバ68から、液体冷媒は、凝縮器64のサブクール熱交換器92を通り、冷媒を清潔で乾燥した状態に保つフィルタ乾燥機70を通り、次に冷媒のサブクーリングを増加させる熱交換器72を通って、最後に膨張弁74に到達してよい。
【0035】
液体冷媒が膨張弁74のオリフィスを通るとき、液体の一部は気化して気体(すなわち、フラッシュガス)になる。冷却空間(すなわち、貨物コンパートメント40)からの還気は、蒸発器76の熱伝達面上を流れる。冷媒が蒸発器76の複数の管94を通って流れると、残りの液体冷媒は還気から熱を吸収し、熱を吸収する時に、気化されて、還気を冷却する。
【0036】
蒸発器ファンアセンブリ78は、電気的であってよい各ファンモータ98によって駆動され得る1つまたは複数の蒸発器ファン96を含む。蒸発器76を横切る空気流は、蒸発器ファン96によって促進される。次に、蒸発器76から、蒸気形態の冷媒が、吸入調整弁80を通って流れ、圧縮機58に戻ってよい。膨張弁74は、サーモスタットまたは電気的に調整可能であってよい。ある実施形態では、図示のように、膨張弁74はサーモスタットである。サーモスタット膨張弁球(bulb)センサ100は、蒸発器管94の出口の近くに配置されてよい。球センサ100は、サーモスタット膨張弁74を制御することを意図しており、それにより、蒸発器管94の出口での冷媒の過熱を制御する。サーモスタット膨張弁74は、TRUコントローラ82と通信している電子膨張弁であってよい。コントローラ82は、蒸発器76の出口での温度及び圧力測定値に応答して弁の位置を決めてよい。上記は、R-404a及びR-134aなどのHFC、及びプロパンやアンモニアなどの自然冷媒に使用されてよい単段蒸気圧縮システムを一般的に記載していることがさらに企図及び理解される。二酸化炭素(CO2)冷媒を使用し、且つ、2段蒸気圧縮システムであり得る他の冷媒システムも適用されてよい。
【0037】
バイパス弁(図示せず)は、冷媒のフラッシュガスが蒸発器76をバイパスするのを容易にし得る。これにより、蒸発器コイルを液体で満たし、完全に「濡らして」、熱伝達効率を向上させることができる。CO2冷媒を使用すると、このバイパスフラッシュガスは、2段圧縮機58の中段に再導入され得る。
【0038】
圧縮機58及び圧縮機モータ60は、相互接続する駆動シャフト102を介して連結されてよい。圧縮機58、圧縮機モータ60及び駆動シャフト102は全て、共通のハウジング104内に密封されてよい。圧縮機58は、1つの圧縮機であってよい。一つの圧縮機は、二段圧縮機、スクロール型圧縮機、またはHFCもしくは自然冷媒を圧縮するように適合された他の圧縮機であってよい。自然冷媒は、CO2、プロパン、アンモニア、または約1の地球温暖化係数(GWP)を含み得る任意の他の自然冷媒であってよい。
【0039】
図1と共に、引き続き
図2を参照すると、
図2はまた、TRU26及び貨物コンパートメント40を通る空気流を示している。空気流は、TRU26によって、コンテナ24の貨物コンパートメント40に入り、貨物コンパートメント40を通り、貨物コンパートメント40から出るように循環される。戻り空気流134は、貨物コンパートメント40から還気取入口136を通ってTRU26に流れ込み、ファン96によって蒸発器76を横切って、戻り空気流134を選択されたまたは所定の温度に調整する。調整された戻り空気流134は、ここで供給空気流138と呼ばれ、冷却ユニット出口140を通ってコンテナ24の貨物コンパートメント40に供給される。冷却ユニット出口140は、一部の実施形態では、コンテナ24の上壁30の近くに位置する。供給空気流138は、コンテナ24の貨物コンパートメント40内の生鮮品を冷却する。例えば、外気温が非常に低い場合、TRU26をさらに逆に操作して、コンテナ24を暖めることができることを理解されたい。
【0040】
還気温度センサ142(すなわち、サーミスタ、熱電対、RTDなど)は、空気流中、蒸発器76上、還気取入口136などに配置されて、貨物コンパートメント40からの還気流134の温度を監視する。RATと示される戻り空気流の温度を示すセンサ信号は、ライン144を介してTRUコントローラ82に動作可能に接続されて、TRU26の制御及び動作を容易にする。同様に、給気温度センサ146は、供給空気流138中、蒸発器76上、冷却ユニット出口140に配置されて、貨物コンパートメント40に向けられる供給空気流138の温度を監視する。同様に、SAT14で示される供給空気流温度を示すセンサ信号は、ライン148を介してTRUコントローラ82に動作可能に接続されて、TRU26の制御及び動作を容易にする。
【0041】
ここで
図1の参照を続けながら、
図2及び
図3を参照すると、TRU26は、一般に120として示される電源インタフェースを含んでよい、または電源インタフェースと動作可能にインタフェースされてよい。電源インタフェース120は、一般に122として示される様々な電源へのインタフェース、より具体的には、本明細書では、TRU26及びその構成要素のための以下に記載するインタフェースを含んでよい。実施形態では、電源122は、エネルギー貯蔵装置152及びグリッド電力182を含んでよいが、これらに限定されない。各電源122は、圧縮機モータ60、凝縮器ファンモータ90、蒸発器ファンモータ98、コントローラ82、ならびに、様々なソレノイド及び/またはセンサを含み得るTRU26の他の構成要素99を含むTRU26に選択的に電力を供給するように構成されてよい。コントローラ82は、様々な経路108を介した一連のデータ及びコマンド信号を通して、例えば、TRU26の冷却ニーズによって示されるように、電気モータ60、90、98への電力の印加を制御してよい。
【0042】
TRU26は、TRUコントローラ82と電子通信する周囲温度センサ83を備える。周囲温度センサは、TRU26の外部の周囲温度を検出する。
【0043】
エンジンレスTRU26は、交流(AC)を採用する選択された構成要素、及び直流(DC)を採用する他の構成要素を備えたACまたはDCアーキテクチャを含んでよい。例えば、ある実施形態では、モータ60、90、98は、ACモータとして構成されてよく、一方、他の実施形態では、モータ60、90、98は、DCモータとして構成されてよい。TRU26に電力を供給するときの電源122の動作は、電力管理システム124によって管理及び監視されてよい。電力管理システム124は、電気変圧器を備えてよい。電力管理システム124は、TRU26の様々な要件に基づいて、様々な電源122の状態を決定し、それらの動作を制御し、電力を様々な電源122に移動させる、及び、様々な電源122から移動させる等を行うように構成される。ある実施形態では、TRUコントローラ82は、TRU26の運転状態を示す様々な信号を受信し、それに応じてTRUシステム26の電力要件を決定し、電源インタフェース120、具体的には電力管理システム124に、TRU26の要件に対応するように電力を移動させるように指示する。一実施形態では、TRUコントローラは、還気温度センサ142及び給気温度センサ146によってそれぞれ測定されるRAT及び任意選択でSATを監視する。TRUコントローラ82は、(とりわけ)RATに基づいてTRU26の電力要件を推定し、電源インタフェース120の様々な構成要素、具体的には、電源インタフェース120及びTRUシステム26における電力の変換及びルーティングを管理するための電力管理システム124及びエネルギー貯蔵システム150に応じてコマンドを提供する。
【0044】
TRU26は、TRU26のユーザによって提供される温度設定値命令に制御される。TRUコントローラ82は、測定されたRAT及び設定値に応答して推定電力需要を判断してよい。例えば、(RAT設定値)が第1の閾値を超えている(すなわち、>10度F)場合、TRU26のフルパワーが必要である(すなわち、電圧で、最大アンペアが分かる)。(RAT設定値)が第1の閾値と第2の閾値の間にある場合、電流は(電圧で)制限されて、中間の電力(すなわち、50%の電力)を達成する。(RAT設定値)が第2の閾値を下回っている場合、最小電力(すなわち、20%の電力)を達成するように電流が(電圧で)制限される。
【0045】
電力の切り替えに関して、TRUコントローラ82は、TRU26がオンであるかどうか、及びTRU26の運転に必要な電力を認識している。TRUコントローラ82はまた、グリッド電力182が利用可能かどうかが分かるようにプログラムされてよい。グリッド電力182が利用可能であり、TRU26がオンであり、エネルギー貯蔵装置152の充電状態がエネルギー貯蔵装置152が完全に充電されていることを示す場合、グリッド電力182はTRU26の電力需要を満たす。グリッド電力182が利用可能であり、TRU26がオンであり、エネルギー貯蔵装置152が完全に充電されていない場合、TRU26の電力需要が最優先事項として満たされ、次に、第2の優先事項として、DC/ACインバータ156を作動して、エネルギー貯蔵装置152に必要なアンペアを充電する。グリッド電力182が利用可能であり、TRU26がオフであり、エネルギー貯蔵装置152が完全に充電されていない場合、DC/ACインバータ156が作動して、エネルギー貯蔵装置152に必要な充電アンペアを提供する。グリッド電力182が利用できない場合、TRU26のすべての電力需要は、エネルギー貯蔵装置152によって満たされる。
【0046】
TRUコントローラ82は、輸送用冷却システム20の運転ニーズに従って、TRU26の構成要素ならびにエネルギー貯蔵システム150の構成要素を制御するように構成される。TRUコントローラ82は、DC/ACコンバータ156、電池管理システム154、及びDC/DCコンバータ155に通信可能に結合され、その結果、コンバータ155、156及びエネルギー貯蔵装置152の動作は、TRU26の電力需要及び/またはエネルギー貯蔵装置152の加熱需要のニーズを満たす。DC/DCコンバータ155は、エネルギー貯蔵装置152の高電圧直流のごく一部を低電圧直流に変換することによって、温度制御システム153に電力を供給するように構成されてよい。
【0047】
図3を引き続き参照し、TRU26及びその構成要素に電力を供給するために採用される電源インタフェース120及び様々な電源122のアーキテクチャについて記載する。ある実施形態では、電源122の1つは、電力管理システム124に動作可能に結合されたエネルギー貯蔵システム150を含んでよいが、これに限定されない。さらに、グリッド電源182は、選択された条件下で、電力管理システム124に三相AC電力を提供する。エネルギー貯蔵システム150は、直流(DC)電力157を電力管理システム124に送り、電力管理システム124から電力を受け取る。エネルギー貯蔵システム150は、エネルギー貯蔵装置152、DC/ACコンバータ156、及び電池管理システム154を含んでよいが、これらに限定されない。一実施形態では、電力管理システム124は、三相AC電力158をDC/ACコンバータ156に提供して、エネルギー貯蔵装置152にエネルギーを充電及び貯蔵するためのDC電圧及び電流を作り出す。エネルギー貯蔵装置152は、DC/ACコンバータ156に直流を供給して、TRU26に電力を供給するための三相AC電力158を供給する。TRUはまた、TRUコントローラ82に電力を供給するための専用のTRU制御電池85を含み得る。例えば、TRU制御電池85は、TRUコントローラ82に電力を供給するために、12Vまたは24Vの鉛蓄(DC)電池を含んでよい。TRU制御電池85からの電力はまた、必要に応じてセンサ及び弁操作をサポートするために使用される。
【0048】
電池管理システム154は、エネルギー貯蔵装置152の性能を監視する。例えば、エネルギー貯蔵装置152の充電状態、エネルギー貯蔵装置152の健康状態、及びエネルギー貯蔵装置152の温度を監視する。エネルギー貯蔵装置152の実施例は、電池システム(例えば、電池または電池のバンク)、燃料電池、フロー電池、及び直流(DC)であり得る電気エネルギーを貯蔵及び出力することができる他の装置を含んでよい。2018年1月11日に出願された米国特許出願第62/616,077号に記載されるように、エネルギー貯蔵装置152は、電池システムを備えてよく、電池システムは、電池バンクに編成された複数の電池を採用してよく、冷却空気は、電池バンクを通って電池温度制御のために流れてよい。同出願内容は、その全体が本明細書に組み込まれる。電池システムは、電池システム内の選択された数の電池セルを利用して、温度制御システム153に電力を供給するように構成されてよい。ある実施形態では、選択された数の電池セルは、15VDC以下の電圧を有する。
【0049】
エネルギー貯蔵システム150がエネルギー貯蔵装置152用の電池システムを含む場合、電池システムは、約200ボルト(200V)から約600ボルト(600V)の範囲内の電位を有し得る。一般に、電圧が高いほど、電力の持続可能性が高くなり、好ましい。しかしながら、電圧が高いほど、例えば、エネルギー貯蔵装置152内の電池のサイズ及び重量が大きくなり、これは、貨物を輸送する場合には好ましくない。さらに、エネルギー貯蔵装置152が電池である場合、電圧及び/または電流のいずれかを増加させるために、電池は、電気的ニーズに応じて直列または並列に接続される必要がある。電池エネルギー貯蔵装置152の電圧が高いと、電圧が低い場合よりも直列により多くの電池を必要とし、その結果、電池エネルギー貯蔵装置152は、より大きく、より重くなる。より低い電圧及びより高い電流のシステムを使用してよいが、そのようなシステムは、より大きなケーブルまたはバスバーを必要とし得る。一実施形態では、エネルギー貯蔵装置152は、TRU26の構造27内に収容されてよい。ある実施形態では、エネルギー貯蔵装置152は、TRU26内に配置されているが、他の構成も可能である。ある実施形態では、エネルギー貯蔵装置152は、TRU26の外部に配置されているが、他の構成も可能である。別の実施形態では、エネルギー貯蔵装置152は、例えば、貨物コンパートメント40の下など、コンテナ24と共に配置されてよい。同様に、DC/ACコンバータ156は、例えば、貨物コンパートメント40の下など、コンテナ24と共に配置されてよいが、一部の実施形態では、DC/ACコンバータ156を電力管理システム124及び/またはTRU26及びTRUコントローラ82に近接させることが望ましい場合がある。1つまたは複数の実施形態では、エネルギー貯蔵装置152及び/またはDC/ACコンバータ156を含む選択された構成要素の接続及び配置に関して特定の場所を記載したが、そのような記載は単なる例示であり、制限を意図していないことは理解されよう。構成要素の様々な場所、配置、及び構成が可能であり、本開示の範囲内である。
【0050】
エネルギー貯蔵システム150はまた、温度制御システム153を備えてよい。温度制御システム153は、エネルギー貯蔵装置152の温度を制御するように構成される。温度制御システム153は、対流加熱及び伝導加熱のうちの少なくとも1つを利用してよい。さらに、温度制御システム153は、対流加熱のために空気及び液体のうちの少なくとも1つを利用して、温度制御システム153からエネルギー貯蔵装置152に熱を伝達してよい。ある実施形態では、温度制御システム153は、
図3に示すように、電気ヒータであってよい。電気ヒータは低電圧DCヒータであってよい。TRUコントローラ82は、周囲温度がTRU26の周囲温度センサ83によって測定されると選択された温度よりも低いときに、電気ヒータ(例えば、温度制御システム)を作動させるように構成されてよい。例えば、選択された温度が10℃(50°F)であり、周囲温度が選択された温度よりも低い場合、DC/DCインバータ155が作動されてよく、(1)エネルギー貯蔵装置152からの高電圧直流の一部が、低電圧直流に変換されて、温度制御システム153に電力を供給する、または(2)15VDC未満の結合電圧と直列の追加の電池セル(複数可)を使用して温度制御システム153に電力を供給してよい。BMS154は、エネルギー貯蔵装置152の温度を検出し、エネルギー貯蔵装置152の温度が第2の選択された温度(例えば、20℃(68°F))に達したときに、TRUコントローラ82が温度制御装置153を停止し得るように、TRUコントローラ82と通信してよい。別の実施形態では、温度制御システム153はファンであってよい。
【0051】
ある実施例では、温度制御システム153が電気ヒータである場合、電気ヒータに電力を供給するための電気は、エネルギー貯蔵装置152からのHV DCのDC/DC変換155から、またはエネルギー貯蔵装置152内のいくつかのセルを介して供給されてよい。一実施例では、電気ヒータは、エネルギー貯蔵装置152の内部に(すなわち、ファンを使用して)流体連通している空気を加熱してよい。第2の実施例では、電気ヒータは、液体を加熱して、加熱された流体を(すなわち、ポンプを使用して)エネルギー貯蔵装置152の内部に取り付けられた熱プレートを通してポンプで送ってよく、電気ヒータは、電池セル/モジュールと直接熱伝達してよい、または、電気ヒータは、エネルギー貯蔵装置152のハウジングに直接伝わるように装着された/取り付けられた管に直接熱伝達してよい。
【0052】
TRUコントローラ82は、周囲温度センサ83によって検出された周囲温度に応答して、エネルギー貯蔵装置152の温度制御システム153の動作を調整する。一実施形態では、温度制御システム153及びエネルギー貯蔵装置152は、
図3に示されるように、TRU26の外部に配置されている。別の実施形態では、温度制御システム153及びエネルギー貯蔵装置152は、TRU26内に配置されている。TRU26は、エネルギー貯蔵装置152及び温度制御システム153を備えてよい。
【0053】
電池管理システム154及びDC/ACコンバータ156は、TRUコントローラ82に動作可能に接続され、TRUコントローラ82とインタフェースする。TRUコントローラ82は、エネルギー貯蔵装置152を含むエネルギー貯蔵システム150の状態に関する情報を受信し、DC/ACコンバータ156に制御入力を提供して、エネルギー貯蔵装置152を監視し、エネルギー貯蔵装置152等の充電及び放電速度を制御する。
【0054】
図3の参照を続けると、前述のように、電源インタフェース120は、電力管理システム124によって管理及び監視される様々な電源122へのインタフェースを含んでよい。電力管理システム124は、TRU26の動作上のニーズ及び電源インタフェース120内の構成要素(例えば、エネルギー貯蔵装置152など)の能力に基づいて、電源インタフェース120内の電力の流れを管理及び決定する。電力管理システム124は、TRU26の様々な要件に基づいて、様々な電源122の状態を決定し、それらの動作を制御し、且つ、電力を様々な電源122に移動させる、及び、様々な電源122から移動させる等を行うように構成される。
【0055】
ある実施形態では、電力管理システム124によって管理される4つの主要な電力フローが存在する。第1は、TRUシステム26がグリッド電源182に動作可能に接続されているときに電力管理システム124に供給される電力である。第2は、エネルギー貯蔵装置152から電力管理システム124に供給される電力である。第3は、電力管理システム124からエネルギー貯蔵装置152に向けられる電力である。第4は、TRU26を動作させる電力を提供するために電力管理システム124からTRU26に向けられる電力である。
【0056】
4つの電力フローは、電力管理システム124に課せられた要件及び電源インタフェース120の特定の構成に基づいて、異なる経路を介して伝えられる。電力管理システム124は、TRU26の電力ニーズを供給するために様々な電源122を一緒に接続するための中央電力バスとして動作する。電力管理システム124は、TRU26の電力要件を満たすために、必要に応じて、5つの電力フローとの間の電力の切り替え、方向付け、または方向変更を制御する。切り替え、方向付け、及び方向変更は、電力管理システム124のバス制御スイッチングデバイス126を使用して容易に達成し得る。バス制御スイッチングデバイス126は、リレー、コンタクタ、ソリッドステートコンタクタを含む電気機械的及びソリッドステート半導体スイッチングデバイス、ならびにトランジスタ、FET、MOSFET、IGBT、サイリスタ、SCRなどの半導体スイッチングデバイスを含み得るが、これらに限定されない。さらに、電力管理システム124の機能を容易にし、実施するために、電力の電圧及び周波数は、グリッド電源182によって、またはエネルギー貯蔵システム150のDC/ACコンバータ156によって供給されるかどうかにかかわらず、TRU26に供給するために、及び/またはエネルギー貯蔵装置152を充電するために、同期して共通の電源を提供する必要がある。消費電流は、TRU26及びエネルギー貯蔵装置152を充電するニーズによって決定される。
【0057】
グリッド電源182からのグリッド電力及び/またはエネルギー貯蔵システム150に移動する/から移動する電力は、バス制御スイッチングデバイス126によって決定されるように、オーバーラップまたはブレークビフォアメイク状態でバス制御スイッチングデバイス126に供給される。DC/ACコンバータ156は、DCからACへのコンバータとして動作する場合、必要に応じて電力をエネルギー貯蔵装置152から電力管理システム124(それによりTRU26)に伝達するために、生成された電力(例えば、157)の電圧及び周波数をバス制御スイッチング装置126と同期させる。同様に、電力管理システム124に提供されるグリッド電源182からのグリッド電力は、接続されるとバス制御スイッチングデバイス126によって方向付けられ、DC/AC HV電池コンバータは、グリッド電力伝達が行われる前に同期されているかどうかを判断する。DC/ACコンバータ156は、バス制御スイッチングデバイス126のバス電圧/周波数を監視して、接続前に上記のパラメータが等しいかどうかを決定し、したがって、電力バスシステムの中断を最小限に抑える。電力バス制御デバイス126は、接続されたフローの状態を決定するために、TRUコントローラ82と通信する。ある実施形態では、電力管理システム124、及び/またはTRUコントローラ82は、バス制御スイッチングデバイス126上でどの電源が選択され、動作しているのかを視覚的に示す。
【0058】
ここで
図1~
図3の構成要素を参照しながら、
図4を参照する。
図4は、TRU26を運転する方法400のフローチャートを示す。ある実施形態では、方法300は、TRUコントローラ82によって実行されてよい。ブロック404において、TRU26は、エネルギー貯蔵装置152を使用して電力を供給される。ブロック406において、周囲温度が、周囲温度センサ83を使用して、TRU26の外部で検出される。ブロック408において、エネルギー貯蔵装置152の温度は、周囲温度に応答して温度制御システム153によって調整される。温度制御システム153は、エネルギー貯蔵装置152の温度を上下に調整することによってエネルギー貯蔵装置152の温度を調節するように構成される。方法400は、エネルギー貯蔵装置152の温度を監視することと、エネルギー貯蔵装置152の温度が第2の選択された温度よりも高いときに温度制御システム153を停止することをさらに含んでよい。
【0059】
方法400はまた、DC/DCコンバータ155を使用してエネルギー貯蔵装置152の高電圧直流のごく一部を低電圧直流に変換して、温度制御システム153に電力を供給することを含んでよい。さらに、方法400は、電池システム内の選択された数の電池セルを使用して温度制御システム153に電力を供給することをさらに含んでよい。選択された数の電池セルは、15VDC以下の電圧を有してよい。
【0060】
上記の説明は
図4のフロープロセスを特定の順序で記載したが、添付の請求項で特に要求されない限り、ステップの順序は変更されてよいことを理解されたい。
【0061】
上記のように、実施形態は、プロセッサによって実施されるプロセス及びそれらのプロセスを行うためのプロセッサ等の装置の形態であってよい。実施形態はまた、ネットワーククラウドストレージ、SDカード、フラッシュドライブ、フロッピーディスク、CD ROM、ハードドライブ、または任意の他のコンピュータ可読記憶媒体などの有形媒体に具体化された命令を含むコンピュータプログラムコードの形態であってよく、コンピュータプログラムコードがコンピュータにロードされ、コンピュータによって実行されると、コンピュータは、実施形態を行う装置となる。実施形態はまた、例えば、記憶媒体に記憶されるか、コンピュータにロード及び/または実行されるか、または、電気配線もしくはケーブル、光ファイバ、または電磁放射等、何らかの伝送媒体を介して送信され、コンピュータにロード及び/または実行されるコンピュータプログラムコードの形態であってよく、コンピュータプログラムコードがコンピュータにロード及び/または実行されると、コンピュータは実施形態を実施する装置になる。汎用マイクロプロセッサで実施されると、コンピュータプログラムコードセグメントは、特定の論理回路を作成するようにマイクロプロセッサを構成する。
【0062】
「約」という用語は、出願時に利用可能な機器に基づく特定の量の測定に関連する誤差の程度を含むことを意図している。例えば、「約」は、所与の値の±8%、5%、または2%の範囲を含み得る。
【0063】
本明細書の専門用語は、特定の実施形態を説明する目的のためのみに用いられており、本開示を限定する意図はない。本明細書で使用される場合、単数形の「a」、「an」及び「the」は、文脈により明確に異ならない限り、複数形も含むことが意図されている。用語「含む(comprises)」及び/または「含んでいる(comprising)」は、本明細書で使用されるとき、記載した特徴、整数、ステップ、動作、要素及び/または構成要素の存在を指定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素及び/またはそれらのグループの存在または追加を排除しないことがさらに理解されよう。
【0064】
本開示は例示の1つまたは複数の実施形態を参照して記載されているが、本開示の範囲を逸脱することなく、様々な変更が行われてよく、また均等物が本開示の要素の代わりをする場合もあることは当業者には理解されるであろう。さらに、本開示の必須の範囲を逸脱することなく、特定の状況または材料を本開示の教示に適合させるために多くの修正が行われてよい。したがって、本開示は、本開示を実施するために企図された最適な態様として開示される特定の実施形態に限定されるのではなく、本開示は、特許請求の範囲内に収まる全ての実施形態を含むことが意図されている。