(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】X線画像生成装置
(51)【国際特許分類】
G01N 23/041 20180101AFI20240326BHJP
【FI】
G01N23/041
(21)【出願番号】P 2021082899
(22)【出願日】2021-05-17
【審査請求日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】P 2020096569
(32)【優先日】2020-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000250339
【氏名又は名称】株式会社リガク
(74)【代理人】
【識別番号】100091904
【氏名又は名称】成瀬 重雄
(72)【発明者】
【氏名】影山 将史
(72)【発明者】
【氏名】岡島 健一
(72)【発明者】
【氏名】加藤 光一
【審査官】清水 靖記
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/095482(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/104008(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/130848(WO,A1)
【文献】特表2016-509872(JP,A)
【文献】特表2015-503988(JP,A)
【文献】特開2013-106883(JP,A)
【文献】国際公開第2018/186296(WO,A1)
【文献】特開2015-190776(JP,A)
【文献】国際公開第2020/066135(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 23/00 - G01N 23/2276
A61B 6/00 - A61B 6/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線の強度分布画像を用いて、被写体のX線画像を生成するための装置であって、
線源と、格子部と、検出器と、移動機構とを備えており、
前記線源は、前記格子部に向けてX線を照射する構成となっており、
前記格子部は、タルボ干渉計を構成する複数の格子を備えており、
前記検出器は、前記格子部を通過した前記X線を、前記強度分布画像として検出する構成となっており、
前記移動機構は、前記格子部に向けて照射された前記X線を横切る方向に、前記被写体を前記格子部に対して相対的に移動させる構成となっており、
前記格子部は、前記移動機構による移動方向に沿う方向に配列されたN個(ただし2≦N)の領域を備えており、
前記N個の領域のうちの第i番目(ただし1≦i≦N-1)の領域に属する、前記複数の格子における格子構造の周期方向と、前記N個の領域のうちの第i+1番目の領域に属する、前記複数の格子における格子構造の周期方向とが、異なる方向とされており、
前記複数の格子は、前記タルボ干渉計を構成するG1格子とG2格子とを備えており、
前記G2格子における前記N個の領域での周期方向は、前記格子部のG1格子によって生成されかつN個の周期方向を持つ自己像に対して、一様に角度θ(ただしθ≠0)で回転して配置されており、これによって前記N個全ての領域でモアレ干渉縞を生成するようになっており、
前記角度θは、前記N個全ての領域において下記の範囲を満たしており、
ただし、
d:G2格子の格子周期;
l
i
:N個の領域のうちの第i番目の領域の、被写体の移動方向における、検出器上での画像検出領域の幅;
ψ
i
:N個の領域のうちの第i番目の領域で、G1格子によって生成された自己像における周期方向の角度(被写体移動方向と平行な方向を0°とする);
p:検出器の画素サイズ
であり、
これによって、前記複数の格子は、前記N個全ての領域で生成されたモアレ干渉縞が、いずれも、前記検出器でその周期的な強度変動を計測することができ、かつ前記移動機構による移動方向において少なくとも1周期以上の強度変動を有するように構成されている、
X線画像生成装置。
【請求項2】
前記画像検出領域の幅l
iが、前記N個全ての領域において下記の範囲を満たす、
請求項
1に記載のX線画像生成装置:
ただし、
L:N個全ての領域についての、被写体の移動方向における、検出器上での画像検出領域の総幅。
【請求項3】
前記複数の格子は、いずれも、一枚の基板上に、異なる周期方向とされた前記格子構造が形成されたものとなっている
請求項1
又は2に記載のX線画像生成装置。
【請求項4】
前記複数の格子は、タルボ・ロー干渉計を構成するG0格子をさらに備えている
請求項1~
3のいずれか1項に記載のX線画像生成装置。
【請求項5】
さらに処理部を備えており、
前記処理部は、X線画像生成部と、アーティファクト処理部とを備えており、
前記X線画像生成部は、前記検出器で取得された複数枚の強度分布画像を用いてX線画像を生成する構成となっており、
前記アーティファクト処理部は、前記X線画像におけるアーティファクトを、前記X線画像のうちで被写体の無い領域におけるROI画像を用いて除去する構成となっている
請求項1~
4のいずれか1項に記載のX線画像生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料(被写体)を透過したX線における波としての性質を利用して試料の内部構造を高感度で観察するための技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
X線は、物体内部を透視するためのプローブとして、医用画像診断、非破壊検査、セキュリティチェックなどにおいて、広く利用されている。X線透視画像のコントラストは、X線減衰率の違いによっており、X線を強く吸収する物体はX線の影として描出される。X線吸収能は、原子番号が大きい元素を多く含むほど強くなる。逆に原子番号が小さい元素から成る物質についてはコントラストがつきにくいことも指摘でき、これが従来のX線透視画像の原理的欠点でもある。したがって、生体軟部組織や有機材料などに対しては、十分な感度を得ることができない。
【0003】
一方、X線における波としての性質を利用すれば、一般的な従来のX線透視画像に比べて最高で約3桁の高感度化を実現できる。以降、これを位相コントラストX線撮像法と称する。この技術を、X線をあまり吸収しない軽元素からなる物質(生体軟部組織や有機材料など)の観察に適用すれば、従来法では難しかった検査が可能となるため、その実用化が期待される。すなわち、位相コントラストX線撮像法は、例えば、低吸収性の試料のコントラストを、従来からの吸収コントラスト画像と比較して高めるために使用される。
【0004】
下記特許文献1には、画像検出器に加えて、多色X線源と、X線干渉計と、線源格子(いわゆるG0格子)と、位相格子(いわゆるG1格子)と、解析格子(いわゆるG2格子)とを有するX線干渉計装置が記載されている。線源格子と位相格子との間に被写体が配置される。これらの格子は、例えば金である吸収材料からなる複数のすだれ(周期的に配列された格子部材)間に、複数のX線透過スリットを有する構成となっている。この技術によれば、多色X線を用いていながら、位相コントラストを撮影することができる。しかしながら、このX線干渉計装置は、特定の1つの方向においてしか位相コントラスト情報を提供しない。
【0005】
一方、下記特許文献2には、周期方向の異なる複数の格子部分を備えたX線干渉計装置が記載されている。この技術では、複数の格子部分に、それぞれ、1/n周期オフセット(n≧2)させた複数の領域を設ける。そして、複数の格子部分の各領域を被写体が移動する間にX線撮像を行うことにより、複数方向の位相コントラスト情報を取得する。
【0006】
しかしながら、この技術では、少なくとも8個のライン検出器が必要であり、各ライン検出器は、それぞれの格子部分及び領域と一定の関連付けをもって配置されている必要がある。このため、この技術では、構成要素の数が増えてしまうばかりでなく、複数の構成要素間の精密な位置調整を必要とする。このため、実際上の製造コストや運用コストが増加してしまうという問題がある。
【0007】
また、下記非特許文献1には、前記した位相格子の1/n周期オフセットを不要とする撮像技術が記載されている。この技術は、X線干渉計を透過して生成されたモアレ干渉縞が理想的に等間隔で配置されているという前提を用いて、被写体を干渉縞に対して相対的に動かすことで縞走査法を実現するという手法である。
【0008】
下記特許文献3には、理想的でないモアレ干渉縞を用いた場合でも被写体を干渉縞に対して相対的に動かすことで縞走査法を実現できる手法が記載されている。
【0009】
下記特許文献4には、格子を動かしながら動画撮影することで縞走査を実現する技術が記載されている。
【0010】
ただし、これら非特許文献1、特許文献3、及び特許文献4は、構成要素の複雑化と精密な位置調整に対する解決手段を提示するものであり、あくまで、一つの方向の位相コントラスト情報のみが取得可能なものに過ぎない。
【0011】
下記非特許文献2には、1つの周期方向を持つ格子を備えたX線干渉計装置を用いて複数方向の情報を取得する手法が記載されている。この装置は、被写体の移動機構に加え、格子に対して被写体を回転させる機構を有し、被写体の移動と撮影を同時に行うことで、複数方向の情報を取得するものである。
【0012】
この手法によれば、構成要素の複雑化や精密な位置調整を避けることはできる。しかしながらこの手法では、X線の透過する領域が被写体の回転角度ごとに変わるため、ある領域に対する複数方向での情報を、厳密な意味で重ねあわせることはできない。
【0013】
また、この手法では、被写体を回転させる必要があるので、撮像装置の本来の視野が矩形であったとしても、実質的な視野は、矩形の短軸方向を直径とする円形に制限される。
【0014】
更に、非特許文献3には、1つの方向の格子を備えたX線干渉計装置による複数方向の三次元的な情報を取得する手法が記載されている。この装置は、被写体の向きを格子に対して回転させる機構を有したX線CT装置であり、従来の縞走査法及び被写体回転によるCTを複数方向で行う。しかしながら、この技術では、視野が格子や回転機構などで制限されるため、被写体の大きさが限られるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【文献】特表2008-545981号公報
【文献】特表2015-503988号公報
【文献】特許第6422123号公報
【文献】特開2017-167032号公報
【非特許文献】
【0016】
【文献】REVIEW OF SCIENTIFIC INSTRUMENTS 78, 043710 2007
【文献】Appl. Phys. Lett. 112, 111902 (2018)
【文献】Scientific Reports volume 7, Article number: 3195 (2017)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は、前記した状況に鑑みてなされたものである。本発明は、大視野でかつ複数方向における位相コントラスト情報の取得が容易になる技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、以下の項目に記載の発明として表現することができる。
【0019】
(項目1)
X線の強度分布画像を用いて、被写体のX線画像を生成するための装置であって、
線源と、格子部と、検出器と、移動機構とを備えており、
前記線源は、前記格子部に向けてX線を照射する構成となっており、
前記格子部は、タルボ干渉計を構成する複数の格子を備えており、
前記検出器は、前記格子部を通過した前記X線を、前記強度分布画像として検出する構成となっており、
前記移動機構は、前記格子部に向けて照射された前記X線を横切る方向に、前記被写体を前記格子部に対して相対的に移動させる構成となっており、
前記格子部は、前記移動機構による移動方向に沿う方向に配列されたN個(ただし2≦N)の領域を備えており、
前記N個の領域のうちの第i番目(ただし1≦i≦N-1)の領域に属する、前記複数の格子における格子構造の周期方向と、前記N個の領域のうちの第i+1番目の領域に属する、前記複数の格子における格子構造の周期方向とが、異なる方向とされており、
前記複数の格子は、前記N個全ての領域で生成されたモアレ干渉縞が、いずれも、前記検出器でその周期的な強度変動を計測することができ、かつ前記移動機構による移動方向において少なくとも1周期以上の強度変動を有するように構成されている、
X線画像生成装置。
【0020】
(項目2)
前記複数の格子は、前記タルボ干渉計を構成するG1格子とG2格子とを備えており、
前記G2格子における前記N個の領域での周期方向は、前記格子部のG1格子によって生成されかつN個の周期方向を持つ自己像に対して、一様に角度θ(ただしθ≠0)で回転して配置されており、これによって前記モアレ干渉縞を生成するようになっている
項目1に記載のX線画像生成装置。
【0021】
(項目3)
前記角度θは、前記N個全ての領域において下記の範囲を満たす、
項目2に記載のX線画像生成装置:
ただし、
d:G2格子の格子周期;
l
i:N個の領域のうちの第i番目の領域の、被写体の移動方向における、検出器上での画像検出領域の幅;
ψ
i:N個の領域のうちの第i番目の領域で、G1格子によって生成された自己像における周期方向の角度(被写体移動方向と平行な方向を0°とする);
p:検出器の画素サイズ
である。
【0022】
(項目4)
前記画像検出領域の幅l
iが、前記N個全ての領域において下記の範囲を満たす、
項目3に記載のX線画像生成装置:
ただし、
L:N個全ての領域についての、被写体の移動方向における、検出器上での画像検出領域の総幅。
【0023】
(項目5)
前記複数の格子は、いずれも、一枚の基板上に、異なる周期方向とされた前記格子構造が形成されたものとなっている
項目1~4のいずれか1項に記載のX線画像生成装置。
【0024】
(項目6)
前記複数の格子は、タルボ・ロー干渉計を構成するG0格子をさらに備えている
項目1~5のいずれか1項に記載のX線画像生成装置。
【0025】
(項目7)
さらに処理部を備えており、
前記処理部は、X線画像生成部と、アーティファクト処理部とを備えており、
前記X線画像生成部は、前記検出器で取得された複数枚の強度分布画像を用いてX線画像を生成する構成となっており、
前記アーティファクト処理部は、前記X線画像におけるアーティファクトを、前記X線画像のうちで被写体の無い領域におけるROI画像を用いて除去する構成となっている
項目1~6のいずれか1項に記載のX線画像生成装置。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、大視野でありながら、複数方向における位相コントラスト情報の取得が容易になる技術を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の一実施形態に係るX線画像生成装置の概略的な構成を示す説明図である。
【
図2】
図1を被写体の搬送方向とX線の放射方向を含む面に沿う切断面から見た状態での、要部の概略的な説明図である。
【
図3】
図1の装置に用いる格子部を構成する1枚の格子の概略的な構造を説明するための斜視図である。
【
図4A】格子の回転状態を説明するための説明図である。
【
図4B】G1格子により生成される自己像を説明するための説明図である。
【
図5】検出器によって検出される、格子部によって生じたモアレ縞の一例を説明するための説明図である。
【
図6】
図2において格子の拡大図とモアレ縞の拡大図を参考のために追加した説明図である。
【
図7】処理部の概要を説明するためのブロック図である。
【
図8】
図1の装置を用いたX線画像生成方法の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図9】実施例1に係るアーティファクト除去方法を説明するための説明図であって、図(a)は補正前、図(b)は補正後のX線画像の一例を示す。
【
図10】実施例2に係るアーティファクト除去方法を説明するための説明図であって、図(a)は補正前、図(b)は補正後のX線画像の一例を示す。
【
図11】実施例3に係るアーティファクト除去方法を説明するための説明図であって、図(a)は補正前、図(b)は補正後のX線画像の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係るX線画像生成装置(以下「生成装置」又は「装置」と略称することがある)の構成を説明する。この装置は、X線の強度分布画像を用いて、被写体のX線画像を生成するための装置である。
【0029】
本実施形態の生成装置は、
図1に示されるように、線源1と、格子部2と、検出器3と、移動機構4とを備えている。さらにこの装置は、処理部5と、制御部6と、駆動部7とを追加的な要素として備えている。
【0030】
(線源)
線源1は、窓11(
図2参照)から格子部2に向けて、被写体10に対する透過性を有するX線を照射する構成となっている。線源1の構成は基本的に従来と同様でよいので、これ以上詳しい説明は省略する。
【0031】
(格子部)
格子部2は、タルボ干渉計を構成する複数の格子を備えている。具体的には、格子部2は、G0格子(いわゆる線源格子)21とG1格子(いわゆる位相格子)22とG2格子(いわゆる解析格子)23とを備えている。つまり、本実施形態の格子部2は、タルボ干渉計を構成するG1格子及びG2格子に加えて、タルボ・ロー干渉計を構成するG0格子をさらに備えている。
【0032】
格子部2は、移動機構4による被写体10の移動方向に沿う方向に配列されたN個(Nは2以上の自然数)の領域を備えている。具体的には、本実施形態の格子部2は、1番目の領域201と、2番目の領域202と、3番目の領域203とを備えている(
図2参照)。領域の数としては、複数であればよく、4以上であってもよい。
【0033】
各領域201~203に属する複数の格子21~23における隣接した格子構造の周期方向は、互いに異なったものとされている。これにより、本実施形態では、N個の領域のうちの第i番目(ただし1≦i≦N-1)の領域に属する、複数の格子における格子構造の周期方向と、N個の領域のうちの第i+1番目の領域に属する、複数の格子における格子構造の周期方向とは、異なる方向とされている。
図3には、G0格子21の一例を示している。この格子においては、三つの領域201~203に応じて、異なる周期方向の格子構造を構成する格子部材211・221・231が設けられている。他の格子においても、同じ領域201~203においては同じ周期方向の格子構造とされており、異なる領域では、異なる周期方向とされている。
【0034】
複数の格子21~23のうちの少なくとも一枚(例えばG2格子23)は、「移動機構4による移動方向において少なくとも1周期以上の強度変動を有し、かつその強度変動が検出器3において計測可能であるモアレ干渉縞」を生成するため、「タルボ干渉計を構成するために配置されるべき位置において、G1格子22によって生成された自己像に対し、角度θで回転して配置したもの」となっている(
図4A参照)。ただしθ≠0である。
【0035】
さらに詳しくは、本実施形態における前記角度θ(rad)は、下記の範囲に設定されている:
【数1】
【0036】
ただし、
d:G2格子の格子周期;
li:N個の領域のうちの第i番目の領域の、被写体の移動方向における、検出器上での画像検出領域の幅;
ψi:N個の領域のうちの第i番目の領域で、G1格子によって生成された自己像における周期方向の角度(被写体移動方向と平行な方向を0°とする);
p:検出器の画素サイズ
である。なお式(1)の左項は、移動機構4による移動方向における回転モアレ干渉縞が生成する強度変動周期が、検出器3の検出面内で1周期以上観測できる条件を意味し、右項は、この強度変動周期が検出器3の3画素以上の幅を持つ条件を意味している。
【0037】
【0038】
このとき、各格子領域の配向角のうち、設計値からのずれ量をδψiとすると、
MAX(δψi)-MIN(δψi)<2dcosψi
をとるような格子21~23を一枚の基板24上に生成することが望ましい。
【0039】
例えばd=5μm、l=10mm、ψ=45°、p=100μmとした場合、いずれかの格子21~23の回転角θ(rad)は、
0.00071 rad<|θ|<0.024 rad
の範囲内となる。
【0040】
また、liはψiに対して以下の条件を満たすように設定してもよい。
【数3】
ただし、
L:N個全ての領域についての、被写体の移動方向における、検出器上での画像検出領域の総幅
である。なお式(3)は、移動機構4による移動方向における回転モアレ干渉縞が生成する強度変動周期が、検出器3の検出面内におけるN個全ての領域で、ψ
iによらず同数生成される条件である。これにより式(1)の左項がψ
iに依存せずN個の領域全てで一定の値をとるため、格子の調整が簡便になる。
【0041】
ここで、G1格子22による自己像におけるψ
iの取り方を
図4Bに示す。
図4Bでは、図中右端における領域201での周期方向の角度をψ
iとしている。
【0042】
本実施形態の格子部2は、タルボ干渉計(タルボ・ロー干渉計である場合を含む)を構成するために必要な機械的構造及び幾何学的配置についての条件を満たしている。ただし、本実施形態においては、タルボ干渉計を構成する条件は、必要な検査を可能にするために十分な程度に満たされていればよく、数学的に厳密な意味で条件を満足する必要はない。
【0043】
G0格子21は、タルボ干渉計の一種であるタルボ・ロー干渉計を構成するための格子であって、吸収型格子が用いられる。G0格子により、タルボ・ロー干渉計の構成要素である微小光源アレイが実現される。G1格子は、通常は位相型格子とされるが、吸収型格子とすることも可能である。G2格子23としては、吸収型格子が用いられる。
【0044】
G0~G2格子21~23は、それぞれタルボ干渉計を構成するために決定される既定周期で配置された複数の格子部材211、221、231、及び、これらの格子部材を支持する基板24をそれぞれ備えている(
図3参照)。これにより、本実施形態における格子21~23は、いずれも、一枚の基板24上に、異なる周期方向とされた格子構造が形成されたものとなっている。格子部材の既定周期は、タルボ・ロー干渉計を構成するために幾何学的に算出されるものであり、同じ格子における(つまり同じ基板24上に立設された)格子部材211、221、231における既定周期は同一とされている。
【0045】
本実施形態においては、1番目の領域201に属する格子部材は第1の方向、2番目の領域202に属する格子部材は第2の方向、3番目の領域203に属する格子部材は第3の方向と、それぞれ異なる方向に配列している。ここで第1の方向は、移動機構4による被写体10の移動方向に対して-45°の方向、第2の方向は、移動機構4による被写体10の移動方向と平行な方向、第3の方向は、移動機構4による被写体10の移動方向に対して+45°の方向とする。なお、これらの角度は、いずれかの格子を角度θで回転させる場合、回転前の角度である。また、第1~第3の方向は、必ずしも互いに直交する関係を含んでいなくてもよい。
【0046】
それぞれの領域を透過したX線によるモアレ縞20の一例を
図5に示す。このモアレ縞20は、X線の検出器3で観測される(この状態を
図6に模式的に示す)。この時、干渉縞の空間周波数は、「移動機構4による被写体10の移動方向において1/(検出器3の画素サイズ×3)cycle/mm以下」かつ「それぞれの部分領域内で1周期以上の強度変化が観測できる範囲内にある」のが望ましい。ここで本例では、厳密な干渉条件からずらすために、前記式(1)のように、G2格子23を、X線投影による自己像に対して僅かに傾けている。
【0047】
なお、式(1)の|θ|が大きくなりすぎると、検出器によっては縞の解像が困難となるため、2~l/10pの範囲内にモアレ縞20の強度変化の周期を収めることが望ましい。これにより各領域において適切なモアレ縞が生成される(
図5参照)。
図5には、検出器3の画素サイズpの一例を参考までに併せて示している。
【0048】
G0~G2格子21~23における領域201~203の面積(格子部材211、221、231が配置される領域の面積)は、それぞれの格子21~23の位置と線源1の位置に応じて決定できる。ただし、各領域201~203の位置及び面積は、必要な干渉条件を満たす限り変更可能である。また、1枚の基板24上の各領域201~203の面積がそれぞれ異なっていてもよい。例えば式(3)を満たすようなliに比例するよう、被写体の移動方向の領域長さをそれぞれ選択することで、各領域の強度変化の周期数が同数となり、格子の調整が簡便となる。
【0049】
本実施形態のG0~G2格子21~23は、それぞれの格子部材211~231と線源1との距離が一定になるように、線源1を中心とした同心円状に配列されている(
図1参照)。
【0050】
また、G0~G2格子21~23は、被写体10の並進方向に対して垂直方向に複数枚配列されており、これにより、視野の広さを格子一枚分以上に広げている。
【0051】
(検出器)
検出器3は、格子部2を通過したX線を、強度分布画像として画素ごとに検出する構成となっている。具体的には、本実施形態の検出器3としては、被写体10の移動方向とX線照射方向とが作る面に対して垂直方向に延伸された検出面において、画素ごとにX線を検出できるX線カメラが用いられている。
【0052】
検出器3は、格子部2における1~3番目の領域201~203のそれぞれを通過したX線を検出する構成となっている。また、検出器3の検出面内には、P×Qの画素で構成される矩形領域があり、移動機構4による被写体10の移動方向がP方向またはQ方向に平行となるように、検出器3の向きが設定されている。
【0053】
(移動機構)
移動機構4は、格子部2に向けて照射されたX線を横切る方向に、被写体10を格子部2に対して相対的に移動させる構成となっている。なお、本実施形態の移動機構4は、格子部2に対して被写体10を移動させているが、被写体10に対して格子部2を移動させることも可能である。また、移動方向としては、並進に限らず、回転であってもよい。例えば、被写体10を中心として格子部2、線源1、検出器3等の装置を回転させることも可能である。
【0054】
(処理部)
処理部5は、X線画像生成部51と、アーティファクト処理部52とを備えている(
図7参照)。
【0055】
X線画像生成部51は、検出器3で取得された複数枚の強度分布画像を用いてX線画像を生成する構成となっている。アーティファクト処理部52は、生成されたX線画像におけるアーティファクトを、X線画像のうちで被写体10の無い領域におけるROI画像を用いて除去する構成となっている。処理部5の詳しい動作は、本実施形態のX線画像生成方法として後述する。
【0056】
(制御部)
制御部6は、処理部5からの指示に基づいて移動機構4に指令を送り、必要なタイミングで被写体10を移動させるようになっている。制御部6は、移動機構4からのフィードバックを受け取って被写体10の位置を把握する構成であってもよい。本実施形態の制御部6は駆動部7の動作制御も行う(後述)。
【0057】
(駆動部)
駆動部7は、この実施形態では、被写体10の移動方向とX線照射方向とがなす平面に対して垂直方向にG2格子23を移動させる構成となっている。駆動部7は、G2格子23を並進させるための適宜の機構、例えばボールねじ、リニアモータ、ピエゾ素子、静電アクチュエータなどを用いることが可能であるが、これらには制約されない。また、駆動部7は、G2格子23に代えてG0格子21又はG1格子22を移動させる構成であってもよい。本実施形態の駆動部7は、制御部6からの指令によって、所定のタイミングで所定の向き(例えば往動方向又は復動方向)に格子を移動させる構成となっている。
【0058】
(本実施形態のX線画像生成方法)
次に、本実施形態の装置を用いてX線画像を生成する方法を、
図8をさらに参照しながら説明する。
【0059】
(
図8のステップSA-1)
このステップは、前記した特許文献4の手法を用いて、リファレンス画像(被写体がない状態でのモアレ画像)を生成するためのものである。
【0060】
まず被写体がない状態で、線源1から格子部2にX線を照射する。これにより、格子部2における第1~第3の領域201~203それぞれに対応する干渉縞(モアレ縞)を生成できる(
図5参照)。
【0061】
この状態において、駆動部7は、いずれかの格子(本実施形態ではG2格子)を等速かつ連続的に移動させる。これにより干渉縞を連続的に変化させることができる。
【0062】
この動作と並行して、検出器3により、この干渉縞の連続的な変化を、継続的に(つまり動画として)撮影する。
【0063】
ここで、駆動部7による格子の移動量は、1番目~3番目の各領域201~203それぞれにおける干渉縞について、少なくとも1周期以上となるようにする。
【0064】
一般に、駆動部7による格子の移動方向と、1番目~3番目の領域201~203の格子方向(すなわち格子の周期方向)とがなす角は、領域ごとに異なる。すると、駆動部7の移動による、各領域における干渉縞の変化量もまたそれぞれ異なる。そこで、本実施形態では、前記のような手順を行う。
【0065】
干渉縞を変化させながらの撮影が終了した後、駆動部7は初期状態に復帰する。すなわち、移動させられた格子は初期の位置に戻る。
【0066】
ついで、処理部5は、1周期以上連続的に変化した干渉縞の一連の画像から、第1~第3の領域201~203のそれぞれにおいて、1/M周期ごとの離散的な画素値(変化)の集合であるM枚の画像Ak(特許文献4参照)を作成する。
【0067】
この離散的なM枚の干渉縞画像から、画素値正規化のための平均強度分布A0を、第1~第3の領域201~203のそれぞれにおいて作成する。
【0068】
さらに、検出器3上で生成された干渉縞において、「移動機構4による搬送方向と平行な方向に沿って干渉縞の変化の1周期分をM等分して生成される領域」におけるk番目に相当する領域の画素数の合計値Gk(q)(特許文献3におけるNk(y)に相当)の分布を、1番目の領域201、2番目の領域202、3番目の領域203についてそれぞれ作成する。
【0069】
前記以外の手法は、前記した特許文献4と同様なので、これ以上詳しい説明は省略する。
【0070】
(
図8のステップSA-2)
ついで、移動機構4により被写体を移動させながら、実質的な縞走査を行う。この手法は、前記した特許文献3における手法と同様である。なお、前記したステップSA-1の手法は、この特許文献3における、サンプルの無い状態での位相マップ(いわばリファレンス画像)の生成を、特許文献4の手法を用いて行うものといえる。
【0071】
このステップSA-2において、移動機構4により移動させられる被写体10は、線源1からのX線照射中に、1番目の領域201、2番目の領域202、3番目の領域203を、格子部2に対して相対的に並進移動しながら通過する(
図6参照)。その間、検出器3は、格子部2を透過したX線の強度を連続的に計測する。
【0072】
このときの並進速度をv、検出器3上の画素位置(p,q)におけるtフレーム目の強度をI(p, q, t)とすると、検出器3上における被写体の相対的な位置は(p=x+vt, q=y)なので、拡大率を含めた被写体10の相対的移動速度に対しtフレーム目の強度はI(p-vt, q, t)と記述できる。
【0073】
すると、ステップSA-1で求めたA0(p,q)、Gk(q)より、検出器3上の画素位置(p,q)における、干渉縞のk/M番目の位相量に相当する周期領域の強度は、
Jk(p, q)=Σ[I(p-vt, q, t)/A0(p, q)/Gk(q)]
と表現できる。
【0074】
(
図8のステップSA-3)
したがって、本実施形態の処理部5により、
吸収像Abs(p, q)=ΣJk(p, q)
微分位相像φ(p, q)=arg[ΣJk(p,q)exp(i2πk/n)]
ビジビリティ像Vis(p, q)=2|ΣJk(p,q)exp(i2πk/n)|/Abs(p,q)
を、1番目の領域201、2番目の領域202、3番目の領域203においてそれぞれ算出できる。
【0075】
前記以外の手法は、前記した特許文献3の手法と同様なので、これ以上詳しい説明は省略する。
【0076】
(
図8のステップSA-4)
ついで、本実施形態では、ここで得られた各領域のビジビリティ像に対し、ストライプ状のアーティファクトの除去処理を行う。この処理は、「撮影開始位置及び撮影終了位置付近において被写体が存在しない領域」をROIに設定し、このROIでの画素値を利用して行う。
【0077】
ここで、被写体10のない状態において、1番目の領域201で得られたビジビリティ像強度をVis10、2番目の領域202で得られたビジビリティ強度をVis20、3番目の領域203で得られたビジビリティ強度をVis30とする。さらに、被写体のある状態においての前記のそれぞれのビジビリティ強度をVis1、Vis2、Vis3とする。すると、各領域での散乱強度はそれぞれ、
S1=-ln(Vis1/Vis10)、
S2=-ln(Vis2/Vis20)、
S3=-ln(Vis3/Vis30)
と表記できる。被写体10の無い領域をROIに指定することにより、前記の計算を用いてアーティファクト除去が可能になる。ROIの具体的な取り方や計算方法は、下記実施例1~3において説明する。
【0078】
(配向度情報の取得)
以上の考察に基づき、
全方向散乱成分分布Sall=(S2+S3)/2
異方成分分布Saniso=√((S1-Sall)2+(S2-Sall)2)
配向度Orientation=Saniso/Sall
主配向方向分布θmain=0.5*atan2(2(S1-Sall),2(S2-Sall))
をそれぞれ求めることができる。この計算は処理部5で行うことができる。
【0079】
本実施形態では、前記のようにして、複数方向における位相コントラスト情報を取得することができる。ここで、従来の技術では、試料を回転する必要があったため、視野が狭くなり、また、装置構成が複雑化するという問題があった。これに対して、本実施形態の技術では、試料回転を行わずに複数方向での位相コントラスト情報を得ることができるので、装置構成が簡略化するだけでなく、広い視野を得ることができるという利点がある。
【0080】
また、本実施形態では、いずれかの格子を角度θだけ回転させることとしたので、各領域において、X線画像の生成に適切なモアレ縞を確実に発生させることができるという利点がある。
【0081】
さらに、本実施形態では、基板24上に格子部材211、221、231を立設したので、格子部材211、221、231を別々に構成して配置する場合に比較して、装置への格子21~23の設置作業を容易とすることができる。
【0082】
また、格子部材211、221、231を別々に構成して装置に設置すると、格子部材の間に隙間を生じ、ファン角において格子が幅広となってしまう。これに対して、本実施形態では、基板24上に格子部材211、221、231を立設したので、格子部材211、221、231の間の隙間を極小に(好ましくは0に)することができ、ファン角の広がりを防止することができる。これにより、無駄なX線の照射を抑制することが可能になる。
【0083】
なお、本実施形態においてアーティファクト除去処理を省略することは可能である。
【0084】
(実施例1)
ついで、本実施形態の実施例1に係るアーティファクト除去処理の手法を、
図9をさらに参照しながら説明する。この実施例1の説明においては、前記した一実施形態の手法と基本的に共通する要素については、同一符号を用いることにより説明を省略する。
【0085】
本実施例では、まず、得られた画像中の画素値をI(x,y)とする。ついで、以下の手法を用いる。
(1)被写体の存在しない矩形領域100(
図9中太線参照)を設定し、領域のX座標両端をX
roi1、X
roi2とする(
図9(a))。
(2)I
bg(y)=(1/(X
roi2-X
roi1+1))ΣI(x,y)により、Y座標ごとにX
roi1からX
roi2の間における画素値の平均値をとる。
(3)吸収像・散乱像では
I
off(x,y)=I(x,y)/I
bg(y)、
屈折像では
I
off(x,y)=I(x,y)-I
bg(y)
でそれぞれを補正する。これにより、アーティファクト除去を行うことができる(
図9(b)参照)。
【0086】
(実施例2)
ついで、実施例2に係るアーティファクト除去処理の手法を、
図10をさらに参照しながら説明する。この実施例2の説明においては、前記した実施例1の手法と基本的に共通する要素については、同一符号を用いることにより説明を省略する。
【0087】
本実施例では、以下の手法を用いる。得られた画像中の画素値をI(x,y)とする。
(1)被写体10の存在しない矩形領域101・102(
図10(a)の太線参照)を、スキャン開始点付近と終了点付近の2箇所において設定する。ここで、矩形領域のX座標端を、スキャン開始点付近においてX
roi11、X
roi12とし、スキャン終了点付近においてX
roi21、X
roi22とする。
(2)ついで、2領域101・102の平均をそれぞれとる。具体的には、
I
bg1(y)=(1/(X
roi12-X
roi11+1))ΣI(x,y)
I
bg2(y)=(1/(X
roi22-X
roi21+1))ΣI(x,y)
をyごとに算出する。
(3)二つの領域101・102間でX方向において一次関数的に画素値が変化すると仮定する。
I
bg(x,y)=I
bg1(y)+x*(I
bg2(y)-I
bg1(y))/(X
roi21-X
roi11+1)
とする。
(4)吸収像・散乱像では
I
off(x,y)=I(x,y)/I
bg(x,y)、
屈折像では
I
off(x,y)=I(x,y)-I
bg(x,y)
により、それぞれの像を補正することができる。これにより、アーティファクト除去を行うことができる(
図10(b)参照)。
【0088】
(実施例3)
ついで、実施例3に係るアーティファクト除去処理の手法を、
図11をさらに参照しながら説明する。この実施例3の説明においては、前記した実施例1の手法と基本的に共通する要素については、同一符号を用いることにより説明を省略する。
【0089】
本実施例では、以下の手法を用いる。
(1)被写体がない状態での撮影を行う。ついで、直線上の領域(ROI)103(
図11(a)の太線)を設定し、そのX方向両端をそれぞれX
roi1、X
roi2とする。
(2)X
roi1からX
roi2までの領域の画素値I(x,y)を、yごとに、二次関数Ax
2+Bx+Cでフィッティングする。すなわち、I
bg(x,y)=A(y)x
2+B(y)x+C(y)とし、yごとの係数A(y)、B(y)、C(y)を決定する。
(3)吸収像・散乱像では
I
off(x,y)=I(x,y)/I
bg(x,y)、
屈折像では
I
off(x,y)=I(x,y)-I
bg(x,y)
でそれぞれの像を補正することができる。これにより、アーティファクト除去を行うことができる(
図11(b)参照)。
【0090】
なお、前記実施形態及び各実施例の記載は単なる一例に過ぎず、本発明に必須の構成を示したものではない。各部の構成は、本発明の趣旨を達成できるものであれば、上記に限らない。
【0091】
例えば、微小焦点X線源を用いてG0格子を省略する構成(つまりタルボ干渉計構成)も可能である。この場合、G1格子及びG2格子において、格子部材の周期方向を、領域ごとに異ならせればよい。
【0092】
また、前記した実施形態では、各格子を、線源1を中心とした同心円状に形成したが、平板状とすることもできる。
【0093】
さらに、本実施形態では、各格子において、三つの周期方向を持つように構成し、3方向への異方性を検出できるものとしたが、二つの周期方向を持つように構成して、2方向への異方性を検出する構成であってもよい。
【符号の説明】
【0094】
1 線源
11 窓
2 格子部
201 1番目の領域
202 2番目の領域
203 3番目の領域
21 G0格子
211 格子部材(格子構造)
22 G1格子
221 格子部材(格子構造)
23 G2格子
231 格子部材(格子構造)
24 基板
3 検出器
4 移動機構
5 処理部
51 X線画像生成部
52 アーティファクト処理部
6 制御部
7 駆動部
10 被写体
20 モアレ縞
100・101・102・103 画像中の領域(ROI)