(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】電気接続箱
(51)【国際特許分類】
H02G 3/16 20060101AFI20240326BHJP
H05K 7/06 20060101ALI20240326BHJP
B60R 16/02 20060101ALN20240326BHJP
【FI】
H02G3/16
H05K7/06 C
B60R16/02 610B
(21)【出願番号】P 2021184097
(22)【出願日】2021-11-11
【審査請求日】2022-11-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】竹内 孝之
(72)【発明者】
【氏名】柳田 弥希
(72)【発明者】
【氏名】冨平 昌吾
【審査官】神田 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-170943(JP,A)
【文献】特開2011-103444(JP,A)
【文献】特開2021-114852(JP,A)
【文献】特開平11-135955(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/16
H05K 7/06
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品が装着される筐体を備える電気接続箱であって、
前記筐体は、液体流入を検知する検知部を備え
ており、
前記検知部は、前記液体の流入口を有し、前記流入口から流入する液体を貯留する貯留凹部を備え、
前記貯留凹部において、前記流入口と対向する奥側壁には前記液体の排液孔が設けられている電気接続箱。
【請求項2】
前記検知部は、
前記貯留凹部内に配置された検知
針を有する請求項1に記載の電気接続箱。
【請求項3】
前記貯留凹部は、前
記奥側壁へ前記液体を誘導する湾曲底面を有し、
前記検知針は前記奥側壁の近傍に配置されている請求項2に記載の電気接続箱。
【請求項4】
前記貯留凹部は、前記流入口側の幅よりも前記奥側壁側の幅が狭い請求項
1に記載の電気接続箱。
【請求項5】
前記排液孔は、前記湾曲底面から、前記検知針と前記湾曲底面との間隔の2-4倍の位置に設けられている請求項
3に記載の電気接続箱。
【請求項6】
前記電子部品に接続されるバスバを備え、
前記検知針は前記バスバと一体形成されている請求項2
,3又は5のいずれか一項に記載の電気接続箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気接続箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両には、リレーのような電子部品が装着される電気接続箱が搭載されている。電気接続箱が搭載された車両が洪水又は事故に巻き込まれ、斯かる車両の電気接続箱内に水又は海水等の液体が流れ込む場合があり得る。斯かる液体の流入は、ショート及び誤作動の原因となる。
【0003】
特許文献1には、高圧回路領域及び低圧回路領域を有する筐体の周壁の高さよりも、高圧回路領域及び低圧回路領域の間を仕切る仕切壁の高さを高く構成することによって、流入した液体が筐体内に残っている場合であっても、両回路領域が水を介してショートすることを回避できる電気接続箱が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一旦、電気接続箱内に液体が流入すると、液体が完全に引くまで相当の時間がかかるうえに、その間は、依然としてショート及び誤作動等の危険性が存在する。従って、電気接続箱内への液体の流入を監視して事前に対策を講じることが望ましい。
【0006】
しかしながら、特許文献1の電気接続箱では、液体が流入した後の危険性についてのみ着目しており、液体の流入の監視及び事前対応については工夫されておらず、上述したような問題を解決することが出来ない。
【0007】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、液体の流入を監視することによって、事前対策を実現できる電気接続箱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の実施形態に係る電気接続箱は、電子部品が装着される筐体を備える電気接続箱であって、前記筐体は、液体流入を検知する検知部を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、電気接続箱内への液体の流入を監視することによって、事前対策を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態に係る電気接続箱の斜視図である。
【
図2】本実施形態の電気接続箱のロウアーケースの部分的斜視図である。
【
図3】本実施形態の電気接続箱のロウアーケースの部分的平面図である。
【
図4】
図3のIV-IV線による、ロウアーケースの部分的断面図である。
【
図5】検知部の貯留凹部の内部構成を示す部分的断面図である。
【
図6】検知部による流入液体の検知結果を運転者に通知する回路構成を概念的に説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[本発明の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列挙して説明する。また、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0012】
(1)本開示の実施形態に係る電気接続箱は、電子部品が装着される筐体を備える電気接続箱であって、前記筐体は、液体流入を検知する検知部を備える。
【0013】
本実施形態にあっては、液体流入を検知する前記検知部を備えるので、液体の流入を監視することができ、前記筐体内への液体の流入に対して事前に又は早期に対策をとることができる。
【0014】
(2)本開示の実施形態に係る電気接続箱は、前記検知部は、前記液体の流入口を有し、前記流入口から流入する液体を貯留する貯留凹部と、前記貯留凹部内に配置された検知針とを有する。
【0015】
本実施形態にあっては、前記検知部にて、前記流入口を通して前記貯留凹部内に流入する液体は、前記貯留凹部に貯留され、前記検知針によって検知される。流入した液体を貯留して検知するので、少ない液体量でも検知が可能である。
【0016】
(3)本開示の実施形態に係る電気接続箱は、前記貯留凹部は、前記流入口と対向する奥側壁へ前記液体を誘導する湾曲底面を有し、前記検知針は前記奥側壁の近傍に配置されている。
【0017】
本実施形態にあっては、前記流入口を通して前記貯留凹部内に流入する液体は、前記湾曲底面によって前記検知針が配置された前記奥側壁に誘導されて貯留される。よって、少ない液体量でも検知が可能である。
【0018】
(4)本開示の実施形態に係る電気接続箱は、前記奥側壁には前記液体の排液孔が設けられている。
【0019】
本実施形態にあっては、前記排液孔によって、前記検知針による検知に必要な量以上の液体は前記筐体の外に排出される。よって、前記貯留凹部内に液体が過剰に貯留され、前記貯留凹部を越えて前記筐体内に流れ込むことを事前に防止できる。
【0020】
(5)本開示の実施形態に係る電気接続箱は、前記貯留凹部は、前記流入口側の幅よりも前記奥側壁側の幅が狭い。
【0021】
本実施形態にあっては、前記貯留凹部は、前記流入口側の幅よりも前記奥側壁側の幅が狭いので、前記検知針が配置された前記奥側壁近傍での液面の上昇が速くなる。よって、前記検知針が早期に液体の流入を検知できる。
【0022】
(6)本開示の実施形態に係る電気接続箱は、前記排液孔は、前記湾曲底面から、前記検知針と前記湾曲底面との間隔の2-4倍の位置に設けられている。
【0023】
本実施形態にあっては、前記排液孔が、前記湾曲底面から、前記検知針と前記湾曲底面との間隔の2-4倍の位置に設けられているので、前記検知針による検知を確実に実行しつつ、前記検知に必要な量以上の液体を前記筐体の外に排出させることができる。
【0024】
(7)本開示の実施形態に係る電気接続箱は、前記電子部品に接続されるバスバを備え、前記検知針は前記バスバと一体形成されている。
【0025】
本実施形態にあっては、前記検知針が前記バスバと一体形成されているので、前記バスバを介して前記検知針の検知結果を取得でき、前記検知針の検知結果に関する回路構成が容易になる。
【0026】
[本発明の実施形態の詳細]
本開示の実施形態に係る電気接続箱を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0027】
以下においては、電子部品が実装された車両用の電気接続箱を例として本実施形態を説明する。
【0028】
図1は、本実施形態に係る電気接続箱100の斜視図である。
電気接続箱100は、例えば、EV(Electric Vehicle)の電池パックの外側に取り付けられる。電気接続箱100は、例えば、ヒューズ、リレー400等の電子部品が装着される筐体50を備える。
【0029】
筐体50は、例えば樹脂、金属等からなり、ロウアーケース52と、ロウアーケース52を覆うアッパーケース51とからなる。筐体50は、例えば、ロウアーケース52の底板521が前記電池パックと面するよう、該電池パックに取り付けられる。底板521は厚み方向に凹凸した形状をなしている。
【0030】
ロウアーケース52は一面が開放された扁平な筐体の形状をなしており、ロウアーケース52の内側には、複数箇所にリブが形成され、台座が複数形成されている。前記台座にはバスバ、電子部品(図示せず)等が取り付けられている。
【0031】
また、ロウアーケース52には、雨水、海水等の液体が前記電池パック又は電気接続箱100内に流入することを検知する検知部10を備えている。
【0032】
図2は、本実施形態の電気接続箱100のロウアーケース52の部分的斜視図であり、
図3は、本実施形態の電気接続箱100のロウアーケース52の部分的平面図である。
図2及び
図3は、アッパーケース51を取り外した状態にて、ロウアーケース52における検知部10及び検知部10の周囲を示している。
【0033】
検知部10は、外部から電気接続箱100に流入する液体(以下、流入液体と称する)を貯留する貯留凹部11と、 貯留凹部11内に配置された一対の検知針121,131とを有する。
【0034】
貯留凹部11は、ロウアーケース52の一側壁の近傍に設けられた凹部であって、前記一側壁に設けられた流入口15を通して、貯留凹部11はロウアーケース52の外部と連通している。換言すれば、貯留凹部11はロウアーケース52の外部と連通する流入口15を有する。よって、電気接続箱100への流入液体の流れ込みが始まる前、先ず、流入液体は、流入口15を通して貯留凹部11内に流れ込む。
【0035】
貯留凹部11は平面視で略ラッパの形状をなしており、ロウアーケース52の底板521の内側に立設された3つの側壁を有している。貯留凹部11は、流入口15から遠い奥側に設けられた、流入口15と対向する奥側壁112と、奥側壁112の両側にて連設されており、略対向配置された第1側壁113及び第2側壁114とを有する。第1側壁113及び第2側壁114は、内側端が、上述の如く、夫々奥側壁112に連設されており、外側端が流入口15の縁を構成している。
【0036】
第2側壁114は奥側壁112からロウアーケース52の前記一側壁に向かって真っすぐ延びているのに対して、第1側壁113はロウアーケース52の前記一側壁寄りの端部が外側、即ち、第2側壁114から遠ざかる方向に湾曲している。従って、第1側壁113及び第2側壁114間の間隔は、流入口15に近い程広くなっている。即ち、貯留凹部11では、流入口15側の幅よりも奥側壁112側の幅が狭い。換言すれば、貯留凹部11は、流入口15及び奥側壁112の対向方向と交差する方向の寸法が、流入口15よりも奥側壁112側で短い。
【0037】
貯留凹部11の底面111(湾曲底面)は、湾曲しており、流入口15を通して貯留凹部11内に流れ込む流入液体を奥側壁112側に誘導する。
図4は、
図3のIV-IV線による、ロウアーケース52の部分的断面図である。
【0038】
図4から分かるように、底面111は、断面視で奥側壁112側の端部は扁平であるが、流入口15側の端部が上向きに湾曲している。従って、流入口15を通して貯留凹部11内に流れ込む流入液体の流れに勢いをつけることができ、流入液体は奥側壁112側に流れ易い。
【0039】
また、検知部10は、検知針121,131による流入液体の検知に必要な量以上の流入液体を電気接続箱100の外に排出するための排液孔14を有している。排液孔14は奥側壁112に形成されている。
図5は、検知部10の貯留凹部11の内部構成を示す部分的断面図である。
【0040】
奥側壁112は、底面111寄りに設けられた下側奥側壁112aと、下側奥側壁112aよりも底面111から遠い位置の上側奥側壁112bとからなる。上下方向における下側奥側壁112aの寸法は、上側奥側壁112bよりも小さく、下側奥側壁112aは底面111に連設されている。上側奥側壁112bは、流入口15から遠ざかる方向に、下側奥側壁112aから離れて、下側奥側壁112aの上端よりも上側に設けられている。
【0041】
このように、奥側壁112が下側奥側壁112a及び上側奥側壁112bの2つの部分からなり、流入口15及び奥側壁112の対向方向に、上側奥側壁112bが下側奥側壁112aからずれているので、下側奥側壁112a及び上側奥側壁112bの間には略矩形の間隙が形成されている。斯かる間隙が排液孔14に相当する。上述の如く、排液孔14は、電気接続箱100の外部と連通している。
【0042】
また、流入液体の検知に必要な量以上に過剰な流入液体が貯留凹部11内に溜まることを防ぐ為に、上述の如く、上下方向における下側奥側壁112aの寸法(以下、上下寸法と称する)が、上側奥側壁112bよりも小さくなるように構成されている。
図4では、下側奥側壁112aの上下寸法を符号Lにて表している。
【0043】
下側奥側壁112aの上下寸法Lは、換言すれば、貯留凹部11内に溜まる流入液体の液面位置を定める。下側奥側壁112aの上下寸法Lが短すぎる場合、流入液体の液面位置が低すぎるので、検知針121,131による流入液体の検知が不正確になる。一方、下側奥側壁112aの上下寸法Lが長すぎる場合、流入液体の液面位置が高すぎるので、貯留凹部11内の流入液体が第1側壁113又は第2側壁114を飛び越えてロウアーケース52内に流れ込むおそれがある。
【0044】
このような問題に鑑み、下側奥側壁112aの上下寸法Lは、検知針121,131の下側端と底面111との間隔Gの2倍-4倍であることが望ましい(
図4参照)。換言すれば、排液孔14は、底面111から、検知針121,131と底面111との間隔Gの2-4倍の上側に設けられている。
【0045】
検知針121,131は、貯留凹部11内であって、奥側壁112の近傍に配置されている。検知針121,131は、流入口15及び奥側壁112の対向方向に、絶縁距離を隔てて配置されている。検知針121,131は、略短冊形状であって、上下方向に延びており、互いに平行である(
図4参照)。検知針121,131は同じ形状であり、下端部にて幅が縮小している。検知針121,131の下端は、上述の如く、底面111から間隔Gだけ離れて設けられている。
【0046】
ロウアーケース52において貯留凹部11の近傍には、電気接続箱100に実装される電子部品に接続されるバスバ12,13が配置されており、検知針121,131はそれぞれバスバ12,13と一体形成されている。検知針121はバスバ12と一体形成されており、検知針131はバスバ13と一体形成されている(
図2及び
図3参照)。バスバ12,13は、例えば導電性の金属板材からなる。
【0047】
詳しくは、検知針121,131は、夫々バスバ12,13から離れて配置されているが、検知針121の上端が短冊形状の板部材122によってバスバ12と連結されており、検知針131の上端が短冊形状の板部材132によってバスバ13と連結されている。
【0048】
このような構成を有する検知部10は、電気接続箱100内に流入液体が流入することを検知する。例えば、電気接続箱100内に流入液体が流入する際、流入液体はロウアーケース52の側壁の流入口15を通して貯留凹部11内に流れ込み、貯留凹部11内に溜まる。貯留凹部11内の流入液体の貯留量が増え、流入液体の液面が底面111と検知針121,131との間隔Gを越えると、検知針121,131が流入液体に浸かる。この際、検知針121,131間の抵抗値、即ちバスバ12,13間の抵抗値が減少するので、バスバ12,13間の抵抗値を監視することによって、電気接続箱100内への流入液体の流入を検知できる。
【0049】
即ち、電気接続箱100においては、検知部10が電気接続箱100内への流入液体の流入を監視(検知)するので、検知部10の監視結果に基づいて、流入液体の流入に対する対策を迅速に講じることができる。
【0050】
検知部10による流入液体の検知結果を外部、例えばECUに出力し、本実施形態の電気接続箱100が搭載された車両の運転者に通知するように構成しても良い。
図6は、検知部10による流入液体の検知結果を運転者に通知する回路構成を概念的に説明する説明図である。
【0051】
ECU200は、電気接続箱100(検知部10)と、インストルメントパネル300とに接続されている。例えば、インストルメントパネル300には、電気接続箱100又は前記電池パック内への流入液体の流入を知らせる警告灯が設けられている。ECU200は、検知部10から出力される検知結果に基づいて、バスバ12,13(検知針121,131)間の抵抗値の変化を監視し、監視結果に応じてインストルメントパネル300の前記警告灯を点滅させる。
【0052】
詳しくは、ECU200は、バスバ12,13間の抵抗値を監視し、斯かる抵抗値が所定の閾値以下に減少した場合、インストルメントパネル300の前記警告灯を点滅させて、運転者に流入液体の流入を通知する。
【0053】
本実施形態の電気接続箱100においては、上述の如く、検知部10がロウアーケース52の側壁に形成された流入口15を通して外部と連通しているので、流入液体が検知部10の貯留凹部11内に流れ込み易い。よって、流入液体が電気接続箱100内に流れ込む間際に流入液体を早期検知できる。
【0054】
また、電気接続箱100は、上述の如く、貯留凹部11において、流入口15側の幅よりも奥側壁112側の幅が狭い。よって、貯留凹部11内へ流入液体が流れ込んだ場合、奥側壁112の近傍、即ち、検知針121,131の近傍における液面上昇が速くなり、少ない流入液体の量でも検知針121,131が流入液体を迅速に検知できる。
更に、上述の如く、貯留凹部11の底面111が湾曲しており、貯留凹部11内に流れ込む流入液体が奥側壁112側に誘導されるので、検知針121,131の近傍における液面上昇が一層速くなる。
【0055】
また、電気接続箱100においては、検知部10が排液孔14を有するので、流入液体の検知に必要な量以上の流入液体は排液孔14を通して電気接続箱100の外に排出される。よって、貯留凹部11内に過剰の流入液体が貯留することはなく、例えば電気接続箱100が振動する際に、貯留凹部11内の流入液体が第1側壁113又は第2側壁114を越えてロウアーケース52内に飛び散ることを防止できる。
【0056】
また、電気接続箱100においては、検知針121,131が夫々バスバ12,13と一体形成されているので検知針121,131間の抵抗値の変化は、バスバ12,13間の抵抗値の変化を介して確認できる。よって、検知部10による流入液体の検知結果を出力するための回路構成が容易、且つ簡単である。
【0057】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0058】
10 検知部
11 貯留凹部
12,13 バスバ
14 排液孔
15 流入口
50 筐体
51 アッパーケース
52 ロウアーケース
100 電気接続箱
111 底面(湾曲底面)
112 奥側壁
113 第1側壁
114 第2側壁
112a 下側奥側壁
112b 上側奥側壁
121,131 検知針
200 ECU
300 インストルメントパネル
400 リレー(電子部品)
521 底板