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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】分割読み出し画像センサ
(51)【国際特許分類】
   H04N 25/77 20230101AFI20240326BHJP
   H04N 25/589 20230101ALI20240326BHJP
   H04N 25/771 20230101ALI20240326BHJP
【FI】
H04N25/77
H04N25/589
H04N25/771
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021506463
(86)(22)【出願日】2019-08-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-02
(86)【国際出願番号】 US2019047696
(87)【国際公開番号】W WO2020041584
(87)【国際公開日】2020-02-27
【審査請求日】2022-07-22
(31)【優先権主張番号】62/721,183
(32)【優先日】2018-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521013518
【氏名又は名称】ギガジョット テクノロジー,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100121979
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 吉信
(72)【発明者】
【氏名】マ,ジャジュ
(72)【発明者】
【氏名】マスーディアン,サレハ
【審査官】三沢 岳志
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0002089(US,A1)
【文献】特開2017-055403(JP,A)
【文献】特表2017-534230(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0033118(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0098008(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 25/77
H04N 25/589
H04N 25/771
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積回路画像センサであって、
露光間隔中に光検出要素の飽和容量未満の光電荷を蓄積する光検出要素と、
前記光検出要素に結合され、第1の転送ゲートおよび第1の浮動拡散ノードを有する第1の読み出し回路と、
前記光検出要素に結合され、第2の転送ゲートおよび第2の浮動拡散ノードを有する第2の読み出し回路と、
(i)前記露光間隔の終了時に前記第1の転送ゲートをオンにすることによって前記蓄積された光電荷の第1の部分を前記光検出要素から前記第1の浮動拡散ノードに転送することと、前記第1の浮動拡散ノードに転送された前記光電荷に対応する第1の出力信号を前記第1の読み出し回路内で生成することと、を可能にし、(ii)前記第1の浮動拡散ノードへの前記蓄積された光電荷の前記第1の部分の転送の後、かつ任意の後続の露光間隔の開始の前に、前記第2の転送ゲートをオンにすることによって前記蓄積された光電荷の第2の部分を前記光検出要素から前記第2の浮動拡散ノードに転送することと、前記第2の浮動拡散ノードに転送された前記光電荷に対応する第2の出力信号を前記第2の読み出し回路内で生成することと、を可能にし、前記蓄積された光電荷の前記第2の部分は、前記光検出要素から前記第1の浮動拡散ノードへの前記蓄積された光電荷の前記第1の部分の転送の後に前記光検出要素内に残っている光電荷を含む、読み出し制御回路と、
(i)前記蓄積された光電荷の前記第1の部分が前記光検出要素内に蓄積された前記光電荷の全体を構成することを閾値との前記第1の出力信号の比較が示す場合、前記第1の出力信号に少なくとも部分的に基づき、かつ前記第2の出力信号には基づかずにデジタル画素値を生成し、(ii)前記蓄積された光電荷の前記第1の部分が前記光検出要素内に蓄積された前記光電荷の全体を構成しないことを前記閾値との前記第1の出力信号の前記比較が示す場合、前記第1の出力信号および前記第2の出力信号に少なくとも部分的に基づいて前記デジタル画素値を生成する列出力回路と、を備える、集積回路画像センサ。
【請求項2】
前記第1の出力信号および前記第2の出力信号に少なくとも部分的に基づいて、デジタル画素値を生成する列出力回路をさらに備える、請求項1に記載の集積回路画像センサ。
【請求項3】
前記列出力回路は、第1の列出力ラインを介して前記第1の出力信号を受信し、第2の列出力ラインを介して前記第2の出力信号を受信するように結合されている、請求項2に記載の集積回路画像センサ。
【請求項4】
前記列出力回路は、前記第1および第2の出力信号にそれぞれ少なくとも部分的に基づいて、第1および第2のデジタル値を生成するアナログ-デジタル(A/D)変換回路と、前記第1および第2のデジタル値に少なくとも部分的に基づいて、前記デジタル画素値を生成するマージ回路と、を備える、請求項2に記載の集積回路画像センサ。
【請求項5】
前記アナログ-デジタル(A/D)変換回路は、前記第1および第2の出力信号の時間差のある同時処理を提供するための個別の構成要素を含む、請求項4に記載の集積回路画像センサ。
【請求項6】
前記第1の読み出し回路は、前記第1の浮動拡散ノードと前記光検出要素との間に結合された第1の転送ゲートを備え、前記第2の読み出し回路は、前記第2の浮動拡散ノードと前記光検出要素との間に結合された第2の転送ゲートを備え、前記蓄積された光電荷の前記第1および第2の部分の、前記第1および第2の浮動拡散ノードへの転送を可能にする前記第1および第2の読み出し回路は、第1の間隔中に、前記第1の転送ゲートをオンにして、前記蓄積された光電荷の前記第1の部分の、前記第1の浮動拡散ノードへの転送を可能にし、前記第1の間隔に続く第2の間隔中に、前記第2の転送ゲートをオンにして、前記蓄積された光電荷の前記第2の部分の、前記第2の浮動拡散ノードへの転送を可能にする回路を備える、請求項1に記載の集積回路画像センサ。
【請求項7】
前記第1の読み出し回路は、前記蓄積された光電荷の前記第1の部分内の各成分光電荷キャリアが、前記第1の浮動拡散ノードに転送されると、前記第1の浮動拡散ノードにおいて第1の電圧ステップを生成するような第1の変換ゲインを有し、
前記第2の読み出し回路は、前記蓄積された光電荷の前記第2の部分内の各成分光電荷キャリアが、前記第2の浮動拡散ノードに転送されると、前記第2の浮動拡散ノードにおいて第2の電圧ステップを生成するような第2の変換ゲインを有し、前記第2の電圧ステップは前記第1の電圧ステップよりも小さい、請求項1に記載の集積回路画像センサ。
【請求項8】
前記第1の浮動拡散ノードの光電荷容量および前記第2の浮動拡散ノードの光電荷容量は、集合的に、前記光検出要素の光電荷容量を満たすか、または超える、請求項1に記載の集積回路画像センサ。
【請求項9】
前記第1の浮動拡散ノードの前記光電荷容量は、前記第1および第2の浮動拡散ノード上の達成可能な最小電圧と最大電圧との間の差によって制約され、かつ前記第1の読み出し回路の第1の変換ゲインに比例し、前記第2の浮動拡散ノードの前記光電荷容量は、前記第1および第2の浮動拡散ノード上の前記達成可能な最小電圧と最大電圧との間の前記差によって制約され、かつ前記第2の読み出し回路の第2の変換ゲインに比例し、前記第1の変換ゲインは、前記第2の変換ゲインよりも高い、請求項8に記載の集積回路画像センサ。
【請求項10】
記蓄積された光電荷の前記第2の部分の、前記光検出要素から前記第2の浮動拡散ノードへの転送を可能にする前記第2の読み出し回路は、前記蓄積された光電荷の前記第1の部分が、前記光検出要素内に蓄積された前記光電荷の全体を構成することを、閾値との前記第1の出力信号の比較が示しているかどうかに応じて、前記蓄積された光電荷の前記第2の部分の、前記光検出要素から前記第2の浮動拡散ノードへの転送を選択的に可能にする回路を備える、請求項1に記載の集積回路画像センサ。
【請求項11】
集積回路画像センサ内の動作方法であって、
露光間隔中に光検出要素内に前記光検出要素の飽和容量未満の光電荷を蓄積することと、
前記露光間隔の終了時に第1の転送ゲートをオンにして前記蓄積された光電荷の第1の部分を前記光検出要素から第1の浮動拡散ノードに転送することと、
前記第1の浮動拡散ノードに転送された前記光電荷に対応する第1の出力信号を生成することと、
前記第1の浮動拡散ノードへの前記蓄積された光電荷の前記第1の部分の転送の後、かつ任意の後続の露光間隔の開始の前に、第2の転送ゲートをオンにして前記蓄積された光電荷の第2の部分を前記光検出要素から第2の浮動拡散ノードに転送することであって、前記蓄積された光電荷の前記第2の部分は、前記光検出要素から前記第1の浮動拡散ノードへの前記蓄積された光電荷の前記第1の部分の転送の後に前記光検出要素内に残っている光電荷を含む、前記第2の浮動拡散ノードに転送することと、
前記第2の浮動拡散ノードに転送された前記光電荷に対応する第2の出力信号を生成することと、
前記第1の出力信号および前記第2の出力信号に少なくとも部分的に基づいて、デジタル画素値を生成することと、を含み、
前記第1の出力信号および前記第2の出力信号に少なくとも部分的に基づいて、デジタル画素値を生成することは、前記蓄積された光電荷の前記第1の部分が前記光検出要素内に蓄積された前記光電荷の全体を構成しないことを、前記第1の出力信号と閾値との比較が示す場合、前記第1の出力信号および前記第2の出力信号に少なくとも部分的に基づいて、デジタル画素値を生成することを含む、方法。
【請求項12】
前記第1の出力信号を生成することは、前記光検出要素を包含する画素を含む画素の列に結合された第1の列出力ライン上に前記第1の出力信号を生成することを含み、前記第2の出力信号を生成することは、前記画素の列に結合された第2の列出力ライン上に前記第2の出力信号を生成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記デジタル画素値を生成することは、前記第1および第2の出力信号にそれぞれ少なくとも部分的に基づいて、第1および第2のデジタル値を生成することと、前記第1および第2のデジタル値に少なくとも部分的に基づいて、前記デジタル画素値を生成することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記第1および第2のデジタル値は、前記第1および第2の出力信号の時間差のある同時処理を提供するアナログ-デジタル(A/D)変換回路によって生成される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の転送ゲートは、前記光検出要素と前記第1の浮動拡散ノードとの間に結合され、前記第2の転送ゲートは、前記光検出要素と前記第2の浮動拡散ノードとの間に結合される、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記蓄積された光電荷の前記第1の部分を前記光検出要素から前記第1の浮動拡散ノードに転送することは、前記蓄積された光電荷の前記第1の部分を、第1の変換ゲインで前記光検出要素から前記第1の浮動拡散ノードに転送することを含み、前記蓄積された光電荷の前記第2の部分を前記光検出要素から前記第2の浮動拡散ノードに転送することは、前記蓄積された光電荷の前記第2の部分を、第2の変換ゲインで前記光検出要素から前記第2の浮動拡散ノードに転送することを含み、前記第2の変換ゲインは前記第1の変換ゲインより低い、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の浮動拡散ノードの光電荷容量および前記第2の浮動拡散ノードの光電荷容量は、集合的に、前記光検出要素の光電荷容量を満たすか、または超える、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記蓄積された光電荷の前記第2の部分を前記光検出要素から前記第2の浮動拡散ノードに転送することは、前記蓄積された光電荷の前記第1の部分が前記光検出要素内に蓄積された前記光電荷の全体を構成することを、閾値を超える前記第1の出力信号が示しているかどうかに応じて、前記蓄積された光電荷の前記第2の部分を前記光検出要素から前記第2の浮動拡散ノードに選択的に転送することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
集積回路画像センサであって、
露光間隔中に光検出要素の飽和容量未満の光電荷を蓄積する光検出要素と、
第1および第2の浮動拡散ノードと、
前記露光間隔の終了時に第1の転送ゲートをオンにして前記蓄積された光電荷の第1の部分を前記光検出要素から前記第1の浮動拡散ノードに転送する手段と、
前記第1の浮動拡散ノードに転送された前記光電荷に対応する第1の出力信号を生成する手段と、
前記第1の浮動拡散ノードへの前記蓄積された光電荷の前記第1の部分の転送の後、かつ任意の後続の露光間隔の開始の前に、前記蓄積された光電荷の第2の部分を前記光検出要素から前記第2の浮動拡散ノードに転送する手段であって、前記蓄積された光電荷の前記第2の部分は、前記光検出要素から前記第1の浮動拡散ノードへの前記蓄積された光電荷の前記第1の部分の転送の後に前記光検出要素内に残っている光電荷を含む、前記第2の浮動拡散ノードに転送する手段と、
前記第2の浮動拡散ノードに転送された前記光電荷に対応する第2の出力信号を生成する手段と、
前記第1の出力信号および前記第2の出力信号に少なくとも部分的に基づいて、デジタル画素値を生成する手段と、を備え
前記第1の出力信号および前記第2の出力信号に少なくとも部分的に基づいて、デジタル画素値を生成することは、前記蓄積された光電荷の前記第1の部分が前記光検出要素内に蓄積された前記光電荷の全体を構成しないことを、前記第1の出力信号と閾値との比較が示す場合、前記第1の出力信号および前記第2の出力信号に少なくとも部分的に基づいてデジタル画素値を生成することを含む、集積回路画像センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年8月22日に出願された米国仮出願第62/721,183号の優先権を主張し、参照により組み込む。
【0002】
本明細書の開示は、高ダイナミックレンジ画像センサに関する。
【0003】
イントロダクション
最新のCMOS(相補型金属酸化物半導体)画像センサのダイナミックレンジは、一般に、高照度条件では画素飽和容量によって制約され、低照度条件では入力換算読み出しノイズによって制約される。4トランジスタ(4T)画素では、光ダイオードから浮動拡散読み出しノードへの光電荷転送の変換ゲインを上げることで、すなわち、光ダイオードに対する浮動拡散の容量を低減させることで、入力換算読み出しノイズを減少させることができ、その結果、転送された各光キャリア(N型MOS画素実装の電子)は、より大きな読み出し電圧ステップをもたらす。一方、変換ゲインを所与の点を超えて増加させると、完全な光電荷の転送が妨げられ(浮動拡散は、転送される電子が少なくなると出力電圧の限界に達する)、画素の有効な飽和容量が減少し、高照度の感度が低下する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
本明細書に開示のさまざまな実施形態は、添付の図面の図において、限定としてではなく例として示されており、これらの図面では、同様の参照符号は、同様の要素を指す。
【0005】
図1】最大高照度性能に必要な完全な光電荷転送を損なうことなく、高変換ゲインの読み出しを可能にする分割読み出し画素の実施形態を示す。
図2】高照度条件下および低照度条件下での図1の分割読み出し画素内の例示的な光電荷転送動作を示す。
図3】分割読み出し画素のアレイを有する集積回路撮像システムの一実施形態を示す。
図4図3の読み出しコントローラによって実施され得る代替の読み出しシーケンスを示す。
図5】画素アレイ内の複数(またはすべて)の分割読み出し画素列間で列読み出し論理回路が共有される代替の撮像ICアーキテクチャを示す。
図6】シングルスロープA/D変換器が、画素アレイ内の複数(またはすべて)の分割読み出し画素列の読み出し論理回路パスにわたって分散されている別の撮像アーキテクチャを示す。
図7】一次および二次チャネルの読み出しの例示的なパイプライン化を示し、時間差一次チャネル相関ダブルサンプリング(CDS)動作および二次チャネルCDS動作を示す。
図8図3に示されるメモリおよび読み出しマージ論理回路構成要素を実装するために使用され得る列毎のメモリ要素および読み出しマージ論理回路の実施形態を示す。
図9】一次チャネル出力の閾値未満/閾値超過条件にしたがって、二次読み出しチャネルの寄与を選択的にゼロにする代替の読み出しマージ論理回路の実施形態を示す。
図10】不均一な一次および二次読み出しチャネル変換ゲインと、光ダイオードの飽和容量と集合的に一致する対応する浮動拡散ノード容量と、を有する分割読み出し画素の実施形態を示す。
図11】各画素内の一次チャネル/二次チャネル指定が、較正時間ノイズ評価にしたがって、選択的かつプログラム的に交換され得る分割読み出し画像センサの実施形態を示す。
図12】1つの画素の二次読み出しチャネルが、隣接する画素の一次読み出しチャネルとして機能する分割読み出し画素アレイの実施形態を示し、これは、従来の単一読み出しチャネル画素アレイの数またはそれに近い数の総トランジスタ数を維持する、画素アレイ全体にわたる共有読み出しチャネル構成である。
図13図12による、共有チャネル分割読み出し画素アレイを有する撮像装置の列読み出し論理回路において実装され得るチャネル多重化構成を示す。
図14図13に示すものに対応するチャネルマルチプレクサの例示的な動作を示す。
図15】画素毎に4つの共有読み出しチャネルを有する分割読み出し画素アレイの一部を示す。
図16図15の画素アレイの所与の行内の画素の各々からの4つの異なるチャネルの読み出しに関する例示的なチャネル多重化構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
光検出要素毎に2つ以上の読み出しチャネルである、一次読み出しチャネルと、1つ以上の二次読み出しチャネルと、を有する集積回路画像センサが、本明細書の様々な実施形態で開示される。多くの実施形態では、光検出要素に結合された読み出しチャネルの各々は、それぞれの転送ゲート/浮動拡散ノードペアを含み、一次読み出しチャネルは、光検出要素の飽和容量を下回る光電荷転送容量と引き換えに、少なくとも、低照度の感度(非常に低い入力換算ノイズ)を高める非常に高い変換ゲインを有する。1つ以上の二次読み出しチャネルを介した読み出しは、光検出要素から(一次チャネルの読み出し後の)残留光電荷を排出し、光検出要素の飽和容量まで、組み合わされた一次/二次チャネル光電荷転送(および読み出し)を実行し、それによって高照度の感度(およびダイナミックレンジ)を最大化する。それに応じて、高照度の画素読み出しは、少なくとも2つの相に分割される。一次チャネルを介した相1の読み出しでは、光検出器に蓄積された電荷の一部が一次チャネルの浮動拡散ノードに転送され、一次読み出し信号が生成され、続いて、二次チャネルの読み出しを介した相2の読み出しでは、光検出器内の残留/残存電荷が二次チャネルの浮動拡散ノードに転送されて、二次読み出し信号が生成される。分割読み出し信号(一次および二次)は、デジタル化の前または後に組み合わされて、所与の露光間隔中に光検出器内に蓄積された総光電荷に対応する複合読み出し信号をもたらす。複数の二次読み出しチャネルを有する実施形態では、一次読み出し信号は、2つ以上の連続して生成された二次読み出し信号と組み合わされて、複合読み出し信号を生成する。他の実施形態では、一次および/または二次読み出しチャネルは、反復して3つ以上の読み出し信号をもたらし(例えば、一次チャネルの読み出し、二次チャネルの読み出し、ついで別の一次チャネルの読み出し、など)、それらを組み合わせて複合読み出し信号をもたらすことを可能にし得る。さらに他の実施形態では、一次チャネルの読み出しおよび二次チャネルの読み出し内の成分の動作をパイプライン化して(時間間隔は重複するが、交互に実行して)、多相読み出し時間を短縮し、一次および二次チャネルは、不均一な変換ゲインをともなって実装することができ、チャネル共有または非共有のアナログーデジタル変換回路を実装することができ、変換ゲイン較正動作を実行して、合成出力信号/値への組み合わせの前または一部として、成分である読み出し信号/値を正規化し、読み出しチャネルは、(デバイスの起動時またはデバイスの製造中に実行される)ノイズ評価またはその他の要因に基づいて、一次または二次としてプログラム的に確立され、および/または読み出し回路が2つ以上の分割読み出し(マルチ読み出しチャネル)画素間で共有されて、トランジスタ数を低減し/画素アレイ内のフィルファクタを増大させる。これらおよび他の特徴および実施形態は、以下により詳細に説明される。
【0007】
図1は、最大高照度性能に必要な完全な光電荷転送を損なうことなく、高変換ゲインの読み出しを可能にし、したがって従来の画素アーキテクチャよりも高いダイナミックレンジを達成する分割読み出し画素100の実施形態を示す。分割読み出し画素100は、光検出要素105、つまりこの例および以下に提示される他の例においてはpin光ダイオード(PPD)に結合された2つの読み出しチャネル、一次101と二次103とを含むが、他の任意の実用的な電荷蓄積光検出器をすべての場合において使用することができる。構成要素のサイズと物理的なレイアウトの考えられる違いを除いて、一次および二次読み出しチャネルは、各チャネルが、それぞれの転送ゲート(TG1、TG2)と、浮動拡散ノード(FD1、FD2)と、ソースフォロワトランジスタ(SF1、SF2)と、リセットトランジスタ(RST1、RST2)と、読み出し選択トランジスタ(SEL1、SEL2)と、を含んで、同じように実装される。
【0008】
決定性読み出しモードで動作する場合、一次読み出しチャネルおよび二次読み出しチャネルは、連続して(すなわち、露光間隔中に光ダイオード105内に光電荷が蓄積した後)有効になり、列出力ラインOUT1およびOUT2上にそれぞれ一次および二次出力信号を生成する。一次チャネルの読み出しは、浮動拡散FD1をリセットするためのRST1パルス(トランジスタの指定およびそのゲート信号は、本明細書では交換可能に使用される)で開始し、ソースフォロワトランジスタ(SF1)のソース端子を、読み出し選択トランジスタを介して出力ラインOUT1に結合するSEL1アサーションでも開始する。浮動拡散ノードFD1は、ソースフォロワトランジスタSF1のゲートに結合され、SF1は、(例えば、列出力ラインOUT1上の定電流源によって)バイアスされて、FD1の電位に追随する(例えば、FD1の電位に比例して上昇および下降する)信号をOUT1に駆動する。したがって、SEL1アサーションとRSTパルスの後、一次チャネルはFD1のリセット電位に対応する出力信号を(OUT1上に)生成し、これは、相関ダブルサンプル(CDS)読み出しにおいて、下流読み出し回路によってサンプリングされ、後続の読み出し信号生成のベースラインを確立するためのリセット状態信号である。FD1のリセット直後に、転送ゲートTG1がオンになり(TG1パルス)、pin光ダイオードからFD1への光電荷転送が可能になり、それによって、キャリアあたりの電圧ステップを乗じた、転送されたキャリアの数(図1のNMOS画素実装における電子)に応じて、浮動拡散の電位が変化し、後者は、電荷転送動作の変換ゲインである。
【0009】
図1の実装では、(少なくとも)一次チャネル101は非常に高い変換ゲインで実装されている(それに応じて入力換算ノイズが低くなり、低照度の感度の向上を可能にする)が、その代償として光電荷の転送性が低下する。すなわち、光ダイオード105の飽和容量未満の光電荷量子の転送は、FD1を光ダイオードのpin電圧に駆動し(その時点で電荷転送は停止する)、その結果、比較的高照度の条件下で、蓄積された光電荷の一部が一次チャネルの読み出し後に光ダイオード内に残る。別の言い方をすれば、一次読み出し信号は、FD1を光ダイオードのpin電圧に駆動する量子を超えた光電荷の蓄積に対して同じ出力限界に駆動され、実質的に、浮動拡散ノードの容量限界に達するので、電荷蓄積範囲の高照度の端部において分解能が不足する。二次チャネルを介したその後の読み出しによって、このダイナミックレンジの損失を回避し、残留光電荷を光ダイオード105から浮動拡散ノードFD2に転送し(FD2をリセットし、SEL2をオンにし、任意選択でFD2リセットレベルを読み取った後)、二次読み出し信号をもたらし、二次読み出し信号は、デジタル化の前または後に一次信号とマージされて、蓄積された総光電荷を表す複合読み出し信号(またはデジタル読み出し値)を生成することができる。
【0010】
図2は、高照度条件下および低照度条件下での図1の分割読み出し画素内の例示的な光電荷転送動作を示す(高コントラストのシーンでは、同時に一部の画素が高照度にさらされ、他の画素が薄暗い光または無光にさらされる場合があることに留意されたい)。高照度の例では、pin光ダイオードの飽和容量に近づく光電荷Qが、露光間隔(131)の間に蓄積され、一次および二次読み出し(139および147)が続く。一次読み出し139では、FD1が光ダイオードのpin電位、電荷の流れ(電流)が電界の欠如により止まる平衡点に到達するまで、光電荷は、pin光ダイオードから一次チャネル浮動拡散(FD1)に、高い変換ゲインで転送される。図示の例では、FD1の最大出力電圧振幅VpinーVrst1(ここで、Vrst1は、例えば、トランジスタRST1の両端における閾値降下をVDD電源電圧から差し引いたもの)にしたがって、多数のキャリアq1がFD1に転送され、一次チャネル変換ゲイン(CG1)で除算されて、光ダイオード内にq2(=Q-q1)キャリアが残る。二次読み出し147において、残留光電荷q2がFD2に転送され、光ダイオードを空にする。一次および二次読み出しの両方で、浮動拡散ノードは電荷転送の前にリセットされ、そのリセット状態は任意選択で読み出され、一次および二次チャネルの光電荷転送に応答して、それぞれOUT1およびOUT2上で生成された一次および二次「電荷状態」信号に対して、相関二重サンプリング(CDS)を可能にする。いずれの場合も、一次および二次チャネルの読み出しは、デジタルまたはアナログドメインでマージされて、露光間隔131の間に光ダイオード内に蓄積された正味の光電荷を示す複合信号をもたらす。
【0011】
低照度への露光では、光電荷の蓄積がはるかに少なくなり、一次チャネル浮動拡散ノード(FD1)の出力振幅限界容量(q1)を下回るため、高変換ゲインの一次読み出しにより、pin光ダイオードが完全に空になる。多くの実施形態では、この場合、二次チャネルの読み出しはスキップされ、電力を節約し、いくつかの実施形態では、総読み出し遅延を減少させる。光ダイオードにおける光電荷蓄積がq1限界(FD1の有効容量)よりも低い場合、潜在的な障壁や欠陥によって引き起こされる電荷転送の遅れなしに、蓄積された光電荷の全体をFD1に転送することができる。同様に、FD1への転送後に光ダイオード内に残っている光電荷がFD2の容量を下回る場合、その光電荷は電荷転送の遅れなしにFD2に転送することができる。
【0012】
図2の実施形態では、浮動拡散ノードFD1およびFD2は、名目上均一(等しい)容量で実装されているが、代替の実施形態において、2つの浮動拡散ノード、したがって一次および二次読み出しチャネルは、不均衡(不等/不均一)だが、相補的変換ゲインで実装されていて、これは、一次読み出しチャネルの変換ゲインを上げて、高性能の低照度読み出し(高い変換ゲイン、低い入力換算ノイズ)を可能にし、それに応じて二次読み出しチャネルの変換ゲインを低く下げて、組み合わされた一次チャネル/二次チャネルの電荷転送容量が光ダイオードの飽和容量と一致する(もしくはほぼ一致するか、または超える)ことを保証する構成である。また、2つの読み出しチャネルが名目上等しいか、または相補的/不均衡な変換ゲインで実装されているかどうかに関係なく、2つの読み出しチャネルを提供することで、単一チャネルの実装では不可能なパイプライン化読み出し動作が可能になる。例えば、光電荷転送は、一次チャネルにおける光電荷転送のすぐ後または直後に、したがって一次読み出し信号が安定するのを待たずに、二次読み出しチャネルで開始することができ、そうでない場合に、動きアーチファクト(すなわち、シーン内のオブジェクトが一次読み出しと二次読み出しとの合間に移動する)またはその他の歪みをもたらし得る、一次および二次電荷状態読み出し間の比較的長い遅延を回避する。さらに、高フレームレート(高速画素アレイスキャン)を必要とする用途では、行の読み出し時間を短縮するために単一チャネルの読み出しを実装することができ、例えば、二次読み出しチャネルの電荷転送制限がより大きい場合、二次読み出しチャネルのみを介して(FD2を介して、FD1を介さず)読み出しを実行し、または低照度の条件では、一次チャネルの電荷転送制限がより低く、かつ変換ゲインがより高い場合、一次チャネルのみを介して読み出しを実行する。
【0013】
図3は、分割読み出し(SR)画素161のアレイと、読み出しコントローラ163と、画素アレイの列方向スライスのための読み出し論理回路165と、を有する集積回路撮像システム160(例えば、相補型MOS撮像装置)の実施形態を示す。図示されるように、読み出し論理回路165は、チャネルマルチプレクサ171と、アナログゲイン要素173と、アナログ-デジタル変換器(ADC)175と、記憶メモリ(またはバッファ)177と、読み出しマージ論理回路179と、を含み、これらのすべてまたはほとんどは、読み出しコントローラ163からの制御信号に応答して動作する(アナログゲイン構成要素は、任意選択で、1つ以上のゲイン制御信号(GC)を受信し、これを使用して、一次および二次チャネルの読み出しのゲインを切り替え、および/または選択されたゲインの較正制御を提供することができる)。読み出しコントローラはさらに、転送ゲート信号ペア(チャネル毎に1つ)と、読み出し選択信号ペアと、各画素行のリセット信号ペアと、を含む制御信号を、画素アレイ161に出力して、行シーケンスの列並列読み出しを可能にする。
【0014】
引き続き図3を参照すると、チャネルマルチプレクサ171は、交互の(トグルする)チャネル選択信号(CS)に応答して、一次および二次出力信号(Out1およびOut2)をアナログゲイン構成要素に順次供給する。一実施形態では、アナログゲイン構成要素173は、選択された読み出しチャネルにバイアスをかける(すなわち、上記のように読み出しチャネル内でソースフォロワ動作を可能にする)電流源と、ADC175内でのアナログーデジタル(A/D)変換に備えて読み出し信号を増幅する電圧モードまたは電流モード増幅器と、の両方を含む。代替の実施形態では、ソースフォロワバイアス電流源は、ゲイン回路173の増幅器構成要素とは別に実装されてもよく、または増幅器構成要素は省略されてもよい(ソースフォロワバイアス電流源のみを残す)。アナログ-デジタル変換器175(ADC)は、逐次近似レジスタ(SAR)、シングルスロープADC(SSADC)、シグマデルタADC、または他の任意の実用的なA/D変換回路によって実装され得る。また、特に示されていないが、サンプルアンドホールド回路を、読み出し論理回路165内に提供して(例えば、チャネルマルチプレクサの前、チャネルマルチプレクサとゲイン構成要素との間、またはゲイン構成要素とアナログ-デジタル変換器との間)、アナログ信号のサンプルアンドホールド動作を有効にすることができる。サンプルアンドホールド回路は、アナログドメインの電荷状態/リセット状態の信号相関を有効にし(すなわち、対応する電荷状態のサンプルからリセット状態のサンプルを減算することによって)、したがってCDSサンプルをADC175に供給する減算/差分ユニット(これも図示されていない)を含み得る。あるいは、リセット状態信号および電荷状態信号は、ADC175によって順次デジタル化され、ついで、デジタルドメインにおいて差分され得る(デジタルCDS動作)。いずれの場合も、デジタル化されたCDS読み出し値のストリームが、記憶のためにメモリ177に供給され(すなわち、読み出しコントローラからの記憶可能信号(SE)によってトリガされ)、連続して記憶された一次および二次読み出し値が、画素出力値180への組み合わせのために、読み出しマージ論理回路に転送される(読み出しコントローラからのマージ可能(ME)によってトリガされる)。
【0015】
低遅延列読み出しの実装では、185で示されるように、それぞれの(個別の専用)アナログゲインおよびADC構成要素を一次および二次読み出しに提供して、2つの読み出しの時間差のある同時処理を可能にすることができる。また、選択的二次チャネルの読み出しを実装する実施形態(または構成)では、閾値比較器181を提供して、閾値超過状態OT(または閾値未満状態)を読み出しコントローラ163に信号で伝え、したがって、読み出しコントローラが二次チャネルの読み出し制御信号(RST2、SEL2、TG2)を選択的に生成できるように(または生成を控えるように)することができる。(ADC後の)デジタルドメインで示されているが、閾値比較は、代替の実施形態では、アナログドメインで実施されてもよい。
【0016】
200(図3)で示される例示的な動作シーケンスでは、読み出しコントローラ163は、一次チャネル出力行を下流の列読み出し回路に結合するようにチャネルマルチプレクサ171を構成することによって、201で分割チャネルの読み出しを開始する(すなわち、場合によって、チャネル選択信号CSを上げるまたは下げる)。203で、読み出しコントローラは、読み出し制御信号、変換可能信号(CE)、および記憶可能信号(SE)を確定的にアサートして、一次チャネルの読み出し(一次浮動拡散(FD)ノードをリセットし、FDリセット状態をサンプリングし、一次チャネル電荷転送を有効にし、FD電荷状態をサンプリングする)、一次読み出し信号のA/D変換、およびメモリ177内へのCDS一次読み出し値の記憶(リセット状態/電荷状態の差分は、ADC前のアナログドメインまたはADC後のデジタルドメインで実行される)を有効にする。選択的読み出しの実施形態では、比較器181の出力が205で評価され、肯定的な閾値超過判定(閾値超過信号OTがアサートされる)が、209でチャネルマルチプレクサの切り替え、二次チャネルの読み出し、デジタル化および記憶(211)、最後に213でCDS一次および二次読み出し値のマージをトリガする。一次読み出しが二相の読み出し閾値を超えないと判定された場合(205での否定的な判定)、二次チャネルの読み出しはスキップされ、CDS一次読み出し値は最終的な画素読み出し結果として転送される(例えば、読み出しマージをスキップするか、または一次読み出し値をヌルまたはゼロの二次値とマージする)。確定的読み出しの実施形態では、209および211での二次読み出し動作は、無条件で実行される(すなわち、205での評価をスキップする)が、一次読み出しおよび/または二次読み出しの閾値評価は、一次および二次読み出し結果を選択的にマージするために依然として実行され得る(例えば、一次読み出しが最大に近い閾値を下回っている場合、および/または二次読み出しがノイズフロア閾値を下回っている場合、213でのマージ動作をスキップする)。いずれの場合も、読み出しの完了時に行ポインタがインクリメントされ(215)、次のループ反復で読み出しする後続の画素行が選択される。
【0017】
図4は、例えば、修正された実装において、またはプログラムされた読み出しポリシー設定に応答して、図3の読み出しコントローラ163によって実装され得る代替の読み出しシーケンスを示す。この場合、一次チャネルの読み出しは231および233の動作(図3の動作フローの201および203の動作に対応する)で実行され、続いて235で閾値評価が実行され、チャネルマルチプレクサが反転して代替チャネル(すなわち、第1のパスにおける二次チャネル)読み出しが有効となり、閾値評価が読み出しチャネルの飽和を示している(すなわち、光電荷が前の読み出し後に光ダイオードに残っているか、残っている可能性が高い)場合、読み出しカウンタ(N)をインクリメントする。チャネルマルチプレクサを反転し(すなわち、チャネル選択信号の状態を変更して代替画素読み出しチャネルを選択し)、読み出しカウントをインクリメントした後、新しく選択された読み出しチャネル(第2のパスにおける二次読み出しチャネル)に対して、233および235での読み出し(デジタル化および結果の記憶を含む)および閾値評価動作が繰り返され、この読み出しループは、最大読み出しカウントに達するか(すなわち、Nが、光ダイオードの飽和容量か、またはそれを超える光電荷レベルに対応する所定の最大値に達する)、または閾値未満の読み出しが検出される(235での否定的な判定)まで、一次チャネルと二次チャネルとの間で交互に継続する。この動作により、一次および二次チャネルのパイプライン化された低遅延読み出し(読み出しの均一性のために等しい変換ゲインで実装され得る)を繰り返し実行して(1回、2回、3回、4回...、またはN回=最大個別チャネルの読み出し)、非常に高い変換ゲインおよびそれに対応する低い入力換算ノイズで、個々の転送(光ダイオードから浮動拡散ノード)を介して光ダイオードから光電荷を徐々に排出する。ループが終了すると(235での否定の判定、または読み出しカウントが最大に達する)、複数の読み出し(N回の読み出し)が239でマージされ、ついで行ポインタが241でインクリメントされて次の行に進む。確定的な読み出しタイミングを提供するために(例えば、ローリングシャッタ撮像装置において)、固定時間が割り当てられて、画素行毎に所定の数Kのチャネルの読み出しを可能にすることができ(すなわち、K=2は、図3に示される二重チャネルの読み出しに対応する)、1つ以上のチャネルの読み出し間隔は、低照度露光では使用されない。
【0018】
図5は、列読み出し論理回路261が、画素アレイ161内の複数の(またはすべての)分割読み出し画素列間で共有される代替の撮像ICアーキテクチャ260を示す。図示の実施形態では、チャネルマルチプレクサは、「n」画素列から一次および二次読み出し信号を受信し、したがって、図3を参照して総じて述べたように実装された共有読み出しパスへの2n読み出し信号を多重化する。マルチプレクサ263に伝達されるチャネル選択信号(CS)および読み出しコントローラ265によって生成される他の制御信号(例えば、メモリ267への記憶可能)は、n個の画素列の各々に対してマルチチャネル画素読み出しデータを捕捉するために、必要に応じてマルチビット信号によって実装され得る。
【0019】
図6は、シングルスロープADC301が、画素アレイ161内の複数(またはすべて)の分割読み出し画素列の読み出し論理回路パスにわたって分散されている別の撮像アーキテクチャ300を示す。示される実施形態では、列共有ランプ発生器303は、デジタルおよびアナログランプ信号(例えば、デジタルランプ信号は単調なマルチビットカウント値であり、アナログランプ信号はそのカウント値のデジタルからアナログへの変換である)を、それぞれ列毎のレジスタ要素305および列毎の比較器307に出力する。読み出しコントローラ309は、ロックステップで選択された行のすべての分割読み出し画素を動作させ、その結果、各画素列の一次(ついで二次)読み出し信号が同時に(チャネルマルチプレクサ171および任意選択のゲイン要素173を介して)、比較器307のそれぞれにルーティングされる。アナログおよびデジタルランプ信号が最小レベルから最大レベルまで段階的に進行するにつれて(アナログランプは単調に減少する信号であり得、最大レベルは最小レベルよりも正電圧が低い)、比較器307の出力は、アナログランプが入来する読み出し信号を超える(例えば、下回る)と遷移し、A/D変換結果としてレジスタ305内の対応するデジタルランプ値(デジタルカウント)の捕捉がトリガされる。図3の単一SSADC実装では、ランプ発生器は、一次チャネルA/D変換に続いて(すなわち、ランプ出力が最小値から最大値に進んだ後、および/またはすべての比較器/レジスタがトリガされてADCの結果が下流メモリに転送された後)再起動されて、二次チャネルA/D変換を実施し、デジタルCDSの実施形態では、ランプ発生器は、二重チャネルの読み出し毎に4回再起動されて、両方のチャネルのリセット状態および電荷状態読み出し信号をデジタル化することができる。画素あたり3つ以上の読み出しチャネルを有する(または図4のように2つ以上の読み出しチャネルが繰り返し有効にされる)実施形態では、SSADC動作は、必要な回数(読み出しチャネル数または反復限界まで)完了させて、入来した読み出し信号をデジタル化することができる。デジタルCDS実装では、リセット状態SSADCランプは、電荷状態SSADCランプよりも短い範囲を進行して(すなわち、有効なリセット状態信号の範囲がはるかに狭いことを考慮して)、全体的なA/D変換時間を短縮させることができる。
【0020】
引き続き図6を参照すると、パイプライン化された一次および二次チャネルA/D変換を可能にするために、代替の実施形態において、別個の読み出しチャネル毎のSSADC301が提供され得る。例えば、一次チャネルSSADCのランプ生成は、一次チャネル転送のすぐ後に(例えば、比較器307の入力で安定した一次読み出し信号をもたらすのに十分な整定遅延の後に)開始し、二次チャネルSSADCのランプ生成は、そのすぐ後、一次チャネルランプが完了する前に開始することができ、その結果、2つの時間差ランプ生成がそれらの進行の少なくとも一部で重複する。
【0021】
図7は、一次および二次チャネルの読み出しの例示的なパイプライン化を示しており、時間差のある一次チャネルCDS動作(上行)および二次チャネルCDS動作(下行)を示している。説明を簡単にするために、成分の浮動拡散リセット、リセット状態サンプリング、電荷転送、電荷状態サンプリング、およびADC動作は、同じ時間間隔を費すものとして示されており(実際には、異なる動作は、異なる時間を費す場合がある)、単一の動作に割り当てられた時間だけ、一次チャネル動作に対して二次チャネル動作が遅延する。したがって、一次チャネル浮動拡散ノードは341でリセットされ、続いて一次チャネルリセット状態サンプリング343および二次チャネルFDリセット344が同時に(または少なくとも並行して)実行される。この並列であるが時間差のあるシーケンスを継続して、一次チャネル電荷転送が、二次チャネル(346)でのリセット状態サンプリングと並行して345で実行され、続いて一次チャネル電荷状態サンプリング(347)および二次チャネル電荷転送(348)が並行して実行され、ついで一次チャネルA/D変換(349)および二次チャネル電荷状態サンプリング350が並行して実行される。行iの分割チャネルの読み出しは、352での二次チャネルADC動作で(少なくともA/D変換を通して)終了する(例えば、行i+1読み出しの開始-一次チャネルFDリセットと並行して実行される)。リセット状態および電荷状態のサンプリング動作(343、346、347、350)は、アナログドメインのサンプルアンドホールド動作として示されていることに留意されたい(これには、電荷状態のサンプルからのリセット状態サンプルの考えられるアナログドメイン減算が含まれ得る)。他の実施形態では、これらのサンプリング動作は、デジタルドメインで実行することができる(アナログサンプル/ホールドなしで、所与の読み出しチャネルの出力信号の直接的なA/D変換)。いずれの場合も、パイプライン化された一次および二次チャネルの読み出しは、行毎の読み出し遅延全体を短縮するだけでなく(より高速の行シーケンスを有効にし、したがって、最小露出時間の短縮、オーバーサンプリングレートの向上など)、一次および二次読み出しシーケンスの並列化された実行ではなく連続した実行に必要とされる時間に対して、一次および二次電荷転送動作345および348間の時間も短縮し、したがって、動きアーチファクトまたは他の時間的歪みの可能性を低減する。
【0022】
図8は、図3に示されるメモリおよび読み出しマージ論理回路構成要素を実装するために使用され得る、列毎のメモリ要素361および読み出しマージ論理回路363の実施形態を示す。示される例では、レジスタ367および369は、デジタル化された一次および二次読み出し値(例えば、CDS値)をそれぞれ記憶するためにメモリ361内に提供され、記憶された読み出し値は、組み合わせのために読み出しマージ論理回路363に供給される。読み出しマージ論理回路は、任意選択で、ゲイン較正(gc1、gc2)またはデジタル重み付け(w1、w2)を入来した読み出し値に適用してから、これらの値(375)を合計して複合画素値180を生成する。一実施形態では、ゲイン較正値は、分割画素アレイ(またはその比較的大きなサブ領域)全体で均一であり得、その結果、比較的少数の較正値および/または重み値が、すべてまたは多数の画素の読み出しに適用されて、オンダイのゲイン較正値および/または重み値の記憶(すなわち、分割読み出し画素アレイと同じダイ上の記憶)が容易に実行可能になる。他の実施形態では、画素毎(または画素毎のサブグループ)のゲイン較正値および/または重み値は、オフダイのメモリに、例えば、分割読み出し撮像装置のダイに積み重ねられた(および相互接続された)IC内のSRAMまたはDRAMストレージに記憶され得、読み出しマージ論理回路363への低電力/低遅延のゲイン較正値/重み値の伝達を可能にする。また、ゲイン較正値および/または重み値は、アナログ読み出しパスを含む、列読み出し論理回路の他の場所に適用され得る(例えば、図3に示されるアナログゲイン構成要素173内)。
【0023】
引き続き図8を参照すると、選択的な二次チャネルの読み出しの場合(すなわち、一次チャネルの読み出しが閾値未満の信号または値をもたらす場合に、二次チャネルの読み出しをスキップできる場合)、レジスタ369内の読み出し値をゼロにして、加算要素375へのゼロの二次読み出し寄与をもたらすことができる。例えば、図9に示される実施形態では、閾値未満/閾値超過の比較結果(すなわち、閾値未満または閾値超過の一次読み出しを示す)は、メモリ385内(すなわち、要素386内)に記憶され、読み出しマージ論理回路387内に適用されて、二次寄与をゼロにすることができる。マルチプレクサ388内のゼロ値の選択として概念的に示されているが、二次チャネル寄与のヌル化は、代わりに、様々なやり方で、かつ列読み出しパスに沿った様々なポイントで実装され得(レジスタ369におけるゼロ化、二次パスゲイン較正および/または重み付け乗算器のゼロ化)、または加算器375などの出力ではなく、最終的な画素値として一次チャネルの読み出しパスの出力を選択することによって、実装され得る。すべての場合において、閾値未満(一次チャネルのみ)読み出しで使用されていない論理回路は、電力を節約するために、無効にすることができる。また、閾値未満/閾値超過の判定は、比較器181によって示されるようにデジタルドメインにおいて、またはアナログドメインにおいて実施され得、判定/比較結果は、直接(事前の記憶なしで)または記憶要素386を介して、読み出しマージ論理回路387に適用される。電荷状態およびリセット状態のサンプルアンドホールド要素391および393(およびアナログ差分/減算要素395)は、アナログドメインCDS動作をサポートするように図8に示されているが、電荷状態およびリセット状態の信号は、事前のサンプルアンドホールドの有無にかかわらず、差分(デジタルドメインCDS)の前に、ADC175内でデジタル化することができる。
【0024】
図10は、不均一な一次および二次読み出しチャネル変換ゲインと、光ダイオードの飽和容量と集合的に一致する対応する浮動拡散ノード容量と、を有する分割読み出し画素の実施形態を示す。一次および二次読み出しチャネル構成要素は、概して図1に示すものと一致するが、一次浮動拡散ノードの容量は、二次浮動混乱ノードよりも大幅に低く、したがって一次チャネル変換ゲインは、二次チャネル変換ゲインよりも高くなる。一実施形態では、例えば、400μv/e-(電子あたり400マイクロボルト)対二次チャネルの50μv/e-では、例えば、一次チャネル変換ゲインは、二次チャネルの約8倍である。両方の読み出しチャネルで1.5ボルトの出力振幅をもたらすCMOSプロセス(すなわち、FDリセット電圧から光ダイオードのpin電圧を引いた値=1.5ボルト)を想定すると、一次および二次チャネルの総電荷転送容量は、1.5v/(400μv/e-)+1.5v/(50μv/e-)=33,750e-である。pin光ダイオード(PPD)がほぼ同じ電子数の飽和容量(Q)を有するように設計することにより、光ウェルは分割チャネル読み出しによって完全に空になり得る(ダイナミックレンジの損失を回避する)一方で、高変換ゲイン一次チャネルを介した電荷転送のみ(または主にそれ)による並外れた低照度感度を実現する。
【0025】
図1および本明細書の他の実施形態に示される画素内ソースフォロワトランジスタ(SF1およびSF2)内の電圧ノイズは、画像センサ全体における画素間の読み出しノイズの変動の主な発生源を構成するデバイス毎(トランジスタ毎)の変動を有する傾向がある。このノイズ変動は、画素検出器内のランダムに分布した製造関連の欠陥または非理想的な原子構造によって引き起こされるため、いくつかの読み出しチャネルは、その欠陥によって引き起こされるランダム電信ノイズ(RTN)およびフリッカーノイズのために非常に高いノイズを示すことがあり、他の読み出しチャネルは、実質的により低いノイズ(より少ないおよび/またはより重要性の低い欠陥)、つまり単一の分割読み出し画素の2つ(またはそれ以上)のチャネル間でも発生し得る変動を呈する。図11は、分割読み出しCMOS画像センサの実施形態420を示し、ここでは、各画素内の一次チャネル/二次チャネルの指定(名目上等しい変換ゲインを有する読み出しチャネル)が、較正時のノイズ評価にしたがって選択的かつプログラム的に逆転(反転または交換)され得、それによって、最低ノイズの読み出しチャネルを一次読み出しチャネルとして動作させることができる。一実施形態では、例えば、各分割読み出し画素内の名目上一次および二次読み出しチャネルの各々のノイズ特性を評価して、どのチャネルが最良の入力換算ノイズ性能を示すかを判定し、各画素について、二次チャネルがより良い低照度ノイズ性能を呈する場合は一次/二次指定を逆転させるアサート状態、または一次チャネルがより良いノイズ特性を呈する場合(またはノイズ特性が区別できないと見なされる場合)はデフォルトの一次/二次指定で二重読み出しチャネル画素をそのままにするデアサート状態のいずれかで、「逆」ビットを記録する。示される実装では、マルチプレクサ421および423は、各分割読み出し画素に対して提供され、対応する画素列の逆ビット(「Rev」)がアサートされる場合(この例では論理回路「1」)は、対応する分割-リセット画素に伝達されるデフォルトの一次/二次画素制御信号を交換し、逆ビットがデアサートされた場合は、交換せずにこれらの信号を画素に渡す。同様に、排他的ORゲート425は、逆ビットが設定されている場合、チャネルマルチプレクサ171に供給されるチャネル選択信号(CS)の状態を逆転させる。図3の185のように読み出しチャネル毎のADCが提供される場合、421および423と同様の出力パスマルチプレクサを提供して、列出力信号(Out1およびOut2)を、逆ビット状態にしたがうADCのいずれかに、選択的にルーティングすることができるか、または読み出しコントローラ内の回路が1つの読み出しパスを動作させ得るか、もしくは逆ビットにしたがって、他方を一次として(および他方を二次として)動作させ、例えば、指定された一次列出力パス内で最初にA/D変換をトリガすることができる。画素の読み出しが1つの行から次の行に進むにつれて、較正データの新しいページ(画素行幅に応じたN個の逆ビットの組)を較正データストア430から取得して、その次の画素行の一次/二次指定を確立することができる。十分なダイ面積を有するセンサでは、較正データストア430は、分割読み出し画素アレイと同じダイ上に実装され得る。他の実施形態では、較正データストア430(重み付けまたは他の画素毎の値をさらに記憶することができる)は、分割読み出し画素アレイを含むダイと積み重ねられた(かつ相互接続された)別個のチップ内に実装され得る。
【0026】
多くの実施形態では、マルチチャネルの読み出しを可能にするために提供される追加のトランジスタおよび浮動拡散ノード(複数可)は、光ダイオードの設置面積に対して追加の面積をほとんど費すことがなく、したがって、センサのフィルファクタに大きな影響を与えない(例えば、光ダイオードが比較的大きいおよび/または、浮動拡散ノードもしくは他の構造の全体もしくは一部と重なる)。より小さな光ダイオードを有する、および/または比較的小さなフィルファクタの影響でさえ望ましくない実施形態では、読み出しチャネルリソースを隣接する画素間で共有して、分割読み出し画素アレイ内の正味のトランジスタ数を減らすことができる。図12は、1つの画素の二次読み出しチャネルが隣接画素の一次読み出しチャネルとして機能する分割読み出し画素アレイの実施形態を示しており、これは、トランジスタの総数を従来の単一読み出しチャネル画素アレイの数またはそれに近い数に維持する(したがって、撮像装置のフィルファクタを上げる)、画素アレイ全体にわたる共有読み出しチャネル構成(隣接する画素の各ペアは、読み出しチャネルを共有する)である。図示の実施形態(分割読み出し画素の1行に沿った抜粋)では、浮動拡散ノードFD34、リセットトランジスタRST34、ソースフォロワトランジスタSF34、および読み出し選択トランジスタSEL34は、集合的に、光ダイオードPPD3のための二次読み出しチャネルおよび光ダイオードPPD4のための一次読み出しチャネルの両方として機能する。個別の転送ゲートTGaおよびTGbは、PPD3およびPPD4に対して、より一般的には各共有読み出しチャネルに対して提供されるため、分割読み出し動作に必要な正味の追加ダイ面積は、画素毎の追加転送ゲート(2つの異なる浮動拡散ノードへの光電荷転送を可能にする)、および分割読み出し画素アレイの周辺(行端の位置)にある画素のための非共有読み出し回路に使用される。
【0027】
引き続き図12を参照して、等しい変換ゲインを有する事前に割り当てられた一次および二次読み出しチャネル内の二相読み出しを想定すると、画素行内の一次チャネルの読み出しは、すべての読み出しチャネルを介したリセット状態出力で始まり、行選択トランジスタ(SEL34、SEL45、SEL56など)をオンにし、リセットトランジスタ(RST34、RST45、RST56など)をパルス化する。その後間もなく(リセット状態出力信号の信号化とサンプリングに十分な長さ)、光電荷は一次チャネル転送ゲート(TGa)を介して隣接する浮動拡散ノードに転送され、共有読み出しチャネルを介して電荷状態出力を生成する。したがって、光電荷はPPD4からFD34に(蓄積レベルに応じて部分的または全体的に)転送されて、Out34上に一次チャネルの電荷状態出力信号をもたらし、PPD5からFD45に転送されて、Out45上に一次チャネルの電荷状態出力信号をもたらし、PPD6からFD56に転送されて、Out56上に一次チャネルの電荷状態出力信号をもたらし、以下同様に続く。これらの出力信号がサンプリングされた後(例えば、アナログのサンプルアンドホールドまたは直接A/D変換を通して)、二次チャネルの読み出しは、浮動拡散リセットおよびリセット状態の出力信号生成の反復で始まり、その後、各光ダイオードに隣接する他の浮動拡散ノードへの二次チャネル転送ゲート(TGb)を介した残留光電荷の転送が続く。すなわち、一次チャネル読み出しがPPD4からFD45に転送された後に残っている光電荷は、Out45上に二次チャネルの電荷状態出力信号をもたらし、PPD5からFD56に転送されたものは、Out56上に二次チャネルの電荷状態出力信号をもたらし、以下同様に続き、画素アレイに対する分割読み出し動作を完了する。
【0028】
図13は、図12による共有チャネル分割読み出し画素アレイを有する撮像装置の列読み出し論理回路において実装され得るチャネル多重化構成を示す。示されるように、共有チャネル出力ライン(Oot01、Out12、Out23など)の各々は、隣接する画素列に機能する2入力チャネルマルチプレクサ501のそれぞれの入力に結合される。チャネル選択信号(CS)が一次チャネル選択と二次チャネル選択との間で交互になると、各マルチプレクサ571は、隣接する画素共有読み出しラインからの対応する一次および二次読み出し信号を適切な画素列の列論理回路パスにルーティングする。図示の例では、列論理回路パスは、図3に示されるように、チャネル共有ゲイン要素173とチャネル共有ADC175とを含む。代替の実施形態では、専用のゲイン要素(もしあれば)およびADCが各列出力ラインに提供され得、ADC結果を対象画素列用のマージ前の記憶要素にルーティングするために、ポストADCマルチプレクサが提供される。
【0029】
図14は、図13に示されているものに対応するチャネルマルチプレクサ501の例示的な動作を示す。示されているように、読み出し動作は、画素アレイ内の行から行へ(行i、行i+1など)シーケンスされ、各行の読み出しは、連続する一次および二次チャネルの読み出しに分割される。一次チャネル読み出し中、チャネル選択信号(CS)がローに駆動され、選択された行における各画素のための一次チャネルに対応するリセット状態および電荷状態の信号が下流の列読み出し論理回路にルーティングされ、すなわち、読み出しチャネル(すなわち、図13の転送ゲートTGaを介して光電荷が転送される読み出しチャネル)を共有する2つの光ダイオードの最左端に対するリセット状態および電荷状態の信号出力を選択する。一次チャネル読み出しが完了した後(例えば、デジタル化またはアナログのサンプルアンドホールドの後)、チャネル選択信号が発生して、各画素の二次チャネル、つまり図13の転送ゲートTGbを介して光電荷が伝達される読み出しチャネルに対応するリセット状態および電荷状態の信号が、下流の読み出し論理回路にルーティングされる。この変更は、各行の読み出しに対して繰り返され、画素アレイのスキャンが完了する。
【0030】
図15は、画素毎に4つの共有読み出しチャネルを有する分割読み出し画素アレイの一部を示す。示されている例では、画素アレイ内の各光ダイオード(PPD)は、4つの転送ゲートTGa、TGb、TGc、およびTGdを介して、それぞれ4つの浮動拡散ノード(すなわち、行「i」、列「j+1」における光ダイオード527に対して525に示されているように、FD[i、j+1]、FD[i、j+2]、FD[i+1、j+1]、およびFD[i+1、j+2])に結合され、これらの浮動拡散ノードは、光ダイオード527のそれぞれの読み出しチャネルa、b、c、およびdの成分である。これらの浮動拡散ノードの各々は、3つの隣接する4読み出しチャネル画素によって共有され、例えば、浮動拡散ノードは、行「i+1」および列「j+1」における光ダイオードの読み出しチャネル「a」の一部を構成し(すなわち、FD[i+1、j+1])、光ダイオード[i+1、j]の読み出しチャネルbの一部、光ダイオード[i、j+1]の読み出しチャネルcの一部、および光ダイオード[i、j]のチャネルdの一部も構成し、読み出し共有構成は、画素アレイのすべての内部画素に対して対称的に実装される(アレイの縁における画素は、内部の隣接画素と2つの読み出しチャネルを共有する)。4つの光ダイオード[i、j]、[i、j+1]、[i+1、j]、および[i+1、j+1]の完全な共有読み出しチャネルは、531に図示されている。示されているように、行制御信号の各々(すなわち、同じ行のすべての分割読み出し画素に適用される)は、隣接する画素行のペア(この例では行iおよび行i+1)の読み出し動作を制御するためにアサートされる。より具体的には、リセット信号Rst i/i+1は、読み出しチャネルを共有する4つの画素(すなわち、行iにおける2つの画素および行i+1における2つの画素)の各々の光電荷転送の前に、浮動拡散ノードFD[i+1、j+1]をリセットするようにアサートされ、選択信号Sel i/i+1は、4つの画素の各々の浮動拡散ノード電位にしたがってアサートされ、出力ラインOut[j、j+1]上でソースフォロワ信号の生成(SF i/i+1を介して)が可能になる。
【0031】
図16は、図15の画素アレイの所与の行内の画素の各々からのチャネルa、b、c、およびdの読み出しに対する例示的なチャネル多重化構成を示している。したがって、信号TGaはパルス化されて、チャネル「a」の電荷状態読み出しを実施し、チャネル選択信号(CS)をローに駆動して、チャネルaの読み出しパスを選択し、続いて信号TGbをパルス化して、チャネルbを介して電荷状態読み出しを実施し、チャネル選択信号をハイに駆動して、チャネルb読み出しパスを選択する。次に、チャネルcおよびdに対して同様の動作が実行される(TGcをパルス化してチャネル選択信号を下げ、ついでTGdをパルス化してチャネル選択信号を上げる)。列出力ライン毎に専用のA/D変換器(すなわち、チャネルaおよびc用の1つのADC、ならびにチャネルbおよびd用の別のADC)を有する実施形態では、チャネル多重化は、A/D変換の下流に実装され得る。
【0032】
本明細書に開示される分割読み出し画素アレイ、列読み出し論理回路、読み出しコントローラなどの様々な実施形態は、それらの挙動、レジスタ転送、論理回路構成要素、トランジスタ、レイアウトジオメトリ、および/またはその他の特性の観点から、コンピュータ支援設計ツールを使用して記述され得、様々なコンピュータ可読媒体で具体化されるデータおよび/または命令として表現(または表現)され得る。このような回路表現が実装され得るファイルおよびその他のオブジェクトの形式には、C、Verilog、VHDLなどの動作言語をサポートする形式、RTLなどのレジスタレベルの記述言語をサポートする形式、GDSII、GDSIII、GDSIV、CIF、MEBESなどのジオメトリ記述言語をサポートする形式、ならびにその他の適切な形式および言語を含むが、これらに限定されない。そのようなフォーマット化されたデータおよび/または命令が具体化され得るコンピュータ可読媒体は、様々な形態のコンピュータ記憶媒体(例えば、そのように独立して分散されるか、または「その場」でオペレーティングシステムに記憶されるかどうかにかかわらず、光学、磁気、または半導体記憶媒体)を含むが、これらに限定されない。
【0033】
1つ以上のコンピュータ可読媒体を介してコンピュータシステム内で受信される場合、上記の回路のそのようなデータおよび/または命令ベースの表現は、ネットリスト生成プログラム、配置およびルートプログラムなどを含むが、これらに限定されない、1つ以上の他のコンピュータプログラムの実行と連動して、コンピュータシステム内の処理エンティティ(例えば、1つ以上のプロセッサ)によって処理され、そのような回路の物理的発現の表現または画像を生成することができる。その後、そのような表現または画像は、例えば、デバイス製造プロセスにおいて回路の様々な構成要素を形成するために使用される1つ以上のマスクの生成を可能にすることによって、デバイス製造において使用され得る。
【0034】
前述の説明および添付の図面では、開示された実施形態の完全な理解を提供するために、特定の用語および図面記号が記載されている。場合によっては、用語および記号は、それらの実施形態を実施するために必要とされない詳細を暗示し得る。例えば、特定の読み出しチャネル数、共有読み出し回路の数、閾値レベル、増幅レベル、変換ゲイン、構成要素数、相互接続トポロジ、センサ実装、トランジスタタイプ(例えば、NMOSまたはPMOS)構成要素などのいずれかは、代替の実施形態において上記のものとは異なる可能性がある。個々の信号線として図示または記述された信号パスは、代わりに多導体信号バスによって実装され得、逆もまた同様であり、伝達された信号毎に複数の導体を含み得る(例えば、差動または疑似差動信号)。「coupled(結合された)」という用語は、本明細書では、直接接続、ならびに1つ以上の介在する機能的構成要素または構造を介した接続を表すために使用される。デバイス構成またはプログラミングは、例えば、限定されないが、ホスト命令に応答して、または1回限りのプログラミング動作(例えば、デバイス製造中に構成回路内でヒューズを飛ばす)を通して、集積回路デバイス内のレジスタまたは他の記憶回路に制御値をロードすること(したがって、デバイスの動作態様を制御することおよび/またはデバイス構成を確立すること)、および/またはデバイスの1つ以上の選択されたピンもしくは他の接触構造を基準電圧線に接続して(ストラッピングとも称する)、特定のデバイス構成またはデバイスの動作態様(例えば、増幅率、ラッチ閾値など)を確立すること、を含むことができる。「exemplary(例示的)」および「embodiment(実施形態)」という用語は、好みまたは要件ではなく、例を表現するために使用される。また、「may(してもよい)」と「can(できる)」という用語は、任意選択の(許容される)主題を示すために、交換可能に使用される。どちらの用語も存在しないことは、所与の機能または技法が必要であることを意味すると解釈されるべきではない。
【0035】
本開示のより広い精神および範囲から逸脱することなく、本明細書に提示される実施形態に対して様々な修正および変更を行うことができる。例えば、実施形態のいずれかの特徴または態様は、他の実施形態のいずれかと組み合わせて、またはその対応する特徴もしくは態様の代わりに適用することができる。したがって、本明細書および図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味で考えられるべきである。
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