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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】ダンピング構造及び衣類処理機
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/14 20060101AFI20240326BHJP
   D06F 37/28 20060101ALI20240326BHJP
   F16F 15/12 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
D06F39/14 Z
D06F37/28
F16F15/12 Q
F16F15/12 Z
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021523607
(86)(22)【出願日】2019-10-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-16
(86)【国際出願番号】 CN2019111122
(87)【国際公開番号】W WO2020088234
(87)【国際公開日】2020-05-07
【審査請求日】2021-10-07
(31)【優先権主張番号】201811277540.9
(32)【優先日】2018-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201811277516.5
(32)【優先日】2018-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(73)【特許権者】
【識別番号】520148792
【氏名又は名称】海爾智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】趙志強
(72)【発明者】
【氏名】許升
(72)【発明者】
【氏名】呂佩師
【審査官】新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-039269(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0018408(US,A1)
【文献】特開2007-298089(JP,A)
【文献】特開2002-242992(JP,A)
【文献】特開2004-156674(JP,A)
【文献】実開昭50-043560(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 39/14
D06F 37/28
F16F 15/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダンピング構造であって、
軸孔と、軸孔内に設置される回転軸を含み、回転軸と軸孔の間に相対運動が生じ得、回転軸の外壁はダンピング材料で構成される第1ダンピング部を含んでおり、第1ダンピング部を軸孔の内壁に密着させることで、回転軸と軸孔との相対運動を妨げ、
回転軸の外壁には収容溝が設けられており、第1ダンピング部は、回転軸の周方向に延伸するダンピングリングであり、前記収容溝の底壁に第1突起が設けられており、前記ダンピングリングの内側面に凹溝が設けられており、前記ダンピングリングを前記収容溝に嵌入すると、第1突起が凹溝に嵌め込まれて凹溝の内壁にぴったりと密着し、
第1ダンピング部のうち軸孔の内壁寄りの側にはダンピンググリースが塗布されており、
第1ダンピング部は多孔質構造をなしており、ダンピンググリースを多孔質構造の空隙に保持可能であることを特徴とするダンピング構造。
【請求項2】
1ダンピング部が前記収容溝に充填されており、且つ、第1ダンピング部のうち前記収容溝の底壁から遠い側は、前記収容溝の外周における回転軸の外壁と面一となっており、第1ダンピング部が回転軸の外壁を構成していることを特徴とする請求項1に記載のダンピング構造。
【請求項3】
第1ダンピング部と回転軸は互いに独立した2つの部材であり、第1ダンピング部は、前記収容溝に嵌入して前記収容溝の内壁にぴったりと密着することで、前記収容溝に充填されることを特徴とする請求項2に記載のダンピング構造。
【請求項4】
前記ダンピングリングは、弾性を有しており、内径が前記収容溝の底壁と回転軸の軸線との距離以下であり、内径と外径の差が前記収容溝の深さ以上であり、軸方向の長さが前記収容溝の両側壁の距離以上であり、外力を付与して前記ダンピングリングを広げ、前記収容溝の底壁の外周に配設したあと、外力を除去して前記ダンピングリングを収縮させれば、前記ダンピングリングが前記収容溝に嵌入されることを特徴とする請求項に記載のダンピング構造。
【請求項5】
ダンピング構造であって、
軸孔と、軸孔内に設置される回転軸を含み、回転軸と軸孔の間に相対運動が生じ得、軸孔の一端には回転軸が軸方向に挿入され、他端には回転軸の端部の少なくとも一部を覆う擁壁が設けられており、擁壁と回転軸の端部との間には、回転軸と軸孔との相対運動を妨げるべく、ダンピング材料で構成される第2ダンピング部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のダンピング構造。
【請求項6】
第2ダンピング部は独立した部材であり、第2ダンピング部は擁壁と回転軸の端部との間に自由に設置されるとともに、第2ダンピング部における対向して設けられる両側がそれぞれ回転軸の端部と擁壁に密着することで、第2ダンピング部により回転軸と軸孔との相対運動を妨げることを特徴とする請求項に記載のダンピング構造。
【請求項7】
第2ダンピング部は、軸孔と同軸且つ同径のシート状をなしており、軸方向の長さが軸孔の軸方向の長さよりも小さくなっており、軸孔における回転軸が挿入される側の一端から第2ダンピング部を軸孔に嵌め込み、擁壁に当接させたあと、回転軸を軸孔に挿入し、且つ、回転軸の端部が第2ダンピング部を押圧することで、第2ダンピング部における対向して設けられる両側がそれぞれ回転軸の端部と擁壁に密着することを特徴とする請求項に記載のダンピング構造。
【請求項8】
擁壁における第2ダンピング部寄りの側には、軸線から偏移した第2突起が設けられており、第2ダンピング部における擁壁寄りの側には凹溝が設けられており、第2ダンピング部が軸孔の内壁にぴったりと密着すると、第2突起が凹溝に嵌め込まれて凹溝の内壁にぴったりと密着することを特徴とする請求項に記載のダンピング構造。
【請求項9】
第2ダンピング部における回転軸寄りの側及び/又は擁壁寄りの側にはダンピンググリースが塗布されていることを特徴とする請求項に記載のダンピング構造。
【請求項10】
第2ダンピング部は回転軸の端部に固定されており、第2ダンピング部のうち回転軸の端部から遠い側が擁壁に密着しており、或いは、第2ダンピング部は擁壁に固定されており、第2ダンピング部のうち擁壁から遠い側が回転軸の端部に密着しており、第2ダンピング部により回転軸と軸孔との相対運動を妨げることを特徴とする請求項に記載のダンピング構造。
【請求項11】
第2ダンピング部は、回転軸の端部及び/又は擁壁に塗布されたダンピング塗料が乾燥してなることを特徴とする請求項10に記載のダンピング構造。
【請求項12】
衣類処理機であって、
パネルベースと扉を含み、扉は、請求項1~11のいずれか1項に記載のダンピング構造を介してパネルベースに接続されることで、回動及び開閉可能にパネルベースに装着されていることを特徴とする衣類処理機。
【請求項13】
パネルベースには同軸に配置される2つの軸孔が設けられており、2つの軸孔の間には一定の隙間が備わっており、扉における対向配置される両側には回転軸が1つずつ設けられており、且つ、2つの回転軸は同軸に設置されており、2つの回転軸は、2つの軸孔に然るべく挿入されて軸孔内で軸周りに回動可能であり、少なくとも1つの回転軸の外壁はダンピング材料で構成される第1ダンピング部を含み、第1ダンピング部が軸孔の内壁に密着していることを特徴とする請求項12に記載の衣類処理機。
【請求項14】
パネルベースには同軸に配置される2つの軸孔が設けられており、2つの軸孔の間には一定の隙間が備わっており、扉における対向配置される両側には回転軸が1つずつ設けられており、且つ、2つの回転軸は同軸に設置されており、2つの回転軸は、2つの軸孔に然るべく挿入されて軸孔内で軸周りに回動可能であり、少なくとも1つの軸孔の一端には、回転軸の端部の少なくとも一部を覆う擁壁が設けられており、擁壁と回転軸の端部との間にはダンピング材料で構成される第2ダンピング部が設けられていることを特徴とする請求項12に記載の衣類処理機。
【請求項15】
衣類処理機は、パルセータ式洗濯機又はドラム式洗濯機であることを特徴とする請求項12に記載の衣類処理機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は衣類処理機の分野に属し、具体的には、ダンピング構造に関し、更には、前記ダンピング構造を使用する衣類処理機に関する。
【背景技術】
【0002】
トップオープン式の洗濯機には、上方へ回動することで開閉する扉が設けられている。扉は、洗濯機の上部に位置するコントロールパネルベースの開口内に設置されており、扉の後側辺が枢着軸によってコントロールパネルベースの開口の後部に回動可能に接続されている。これにより、扉は開口を上方へ開放又は下方へ閉止することができる。しかし、扉を閉止する際には、重力の働きで扉が突然閉じられるとの事態が発生しやすい。そこで、現在のところ、扉とコントロールパネルベースの間には一般的にダンパーが設置されている。ダンパーは扉のヒンジ接続箇所に設置されており、扉の開閉の円滑さを向上させるほか、部材の急速運動に伴う摩損を回避するものである。ところが、従来技術のダンピング部は、扉の組み付けや使用過程で変位しやすく、磨損が発生してしまう。また、これにより減衰作用が失われる結果、扉が緩み、突然閉止してユーザを負傷させるとの事態が発生しやすい。且つ、洗濯機の稼働時の震動により発生する動作ノイズが大きくなり、ユーザエクスペリエンスに影響を及ぼす。
【0003】
以上に鑑みて、本発明を提案する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする第1の技術的課題は、従来技術の瑕疵を解消するために、ダンピング部が変位しやすいために磨損が発生し、減衰作用が失われるとの技術的課題を解決するダンピング構造を提供することである。
【0005】
本発明が解決しようとする第2の技術的課題は、従来技術の瑕疵を解消するために、衣類処理機の稼働時の震動により発生する動作ノイズが大きく、ユーザエクスペリエンスに影響を及ぼすとの技術的課題を解決する衣類処理機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の第1の技術的課題を解決するために、本発明で採用する技術方案の基本思想は以下の通りである。
【0007】
本発明は、ダンピング構造を提供する。当該ダンピング構造は、軸孔と、軸孔内に設置される回転軸を含む。回転軸と軸孔の間には相対運動が生じ得る。そこで、回転軸の外壁はダンピング材料で構成される第1ダンピング部を含んでおり、第1ダンピング部を軸孔の内壁に密着させることで、回転軸と軸孔との相対運動を妨げる。
【0008】
更に、回転軸の外壁には収容溝が設けられており、第1ダンピング部が収容溝に充填されている。且つ、第1ダンピング部のうち収容溝の底壁から遠い側は、収容溝の外周における回転軸の外壁と面一となっており、第1ダンピング部が回転軸の外壁を構成している。
【0009】
更に、第1ダンピング部と回転軸は互いに独立した2つの部材である。第1ダンピング部は、収容溝に嵌入して収容溝の内壁にぴったりと密着することで、収容溝に充填される。
【0010】
更に、第1ダンピング部は回転軸の周方向に延伸するダンピングリングである。
【0011】
更に、ダンピングリングは弾性を有しており、内径が収容溝の底壁と回転軸の軸線との距離以下である。また、内径と外径の差が収容溝の深さ以上であり、軸方向の長さが収容溝の両側壁の距離以上である。外力を付与してダンピングリングを広げ、収容溝の底壁の外周に配設したあと、外力を除去してダンピングリングを収縮させれば、ダンピングリングが収容溝に嵌入される。
【0012】
更に、収容溝の底壁に第1突起が設けられており、ダンピングリングの内側面に凹溝が設けられている。ダンピングリングを収容溝に嵌入すると、第1突起が凹溝に嵌め込まれて凹溝の内壁にぴったりと密着する。
【0013】
更に、第1ダンピング部のうち軸孔の内壁寄りの側にはダンピンググリースが塗布されている。
【0014】
本発明は、更にダンピング構造を提供する。当該ダンピング構造は、軸孔と、軸孔内に設置される回転軸を含む。回転軸と軸孔の間には相対運動が生じ得る。軸孔の一端には回転軸が軸方向に挿入され、他端には回転軸の端部の少なくとも一部を覆う擁壁が設けられている。また、擁壁と回転軸の端部との間には、回転軸と軸孔との相対運動を妨げるべく、ダンピング材料で構成される第2ダンピング部が設けられている。
【0015】
更に、第2ダンピング部は独立した部材である。第2ダンピング部は、擁壁と回転軸の端部との間に自由に設置されるとともに、第2ダンピング部における対向して設けられる両側がそれぞれ回転軸の端部と擁壁に密着している。このようにして、第2ダンピング部により回転軸と軸孔との相対運動を妨げる。
【0016】
更に、第2ダンピング部は、軸孔と同軸且つ同径のシート状をなしており、軸方向の長さが軸孔の軸方向の長さよりも小さくなっている。軸孔における回転軸が挿入される側の一端から第2ダンピング部を軸孔に嵌め込み、擁壁に当接させたあと、回転軸を軸孔に挿入する。且つ、回転軸の端部が第2ダンピング部を押圧することで、第2ダンピング部における対向して設けられる両側がそれぞれ回転軸の端部と擁壁に密着する。
【0017】
更に、擁壁における第2ダンピング部寄りの側には、軸線から偏移した第2突起が設けられており、第2ダンピング部における擁壁寄りの側には凹溝が設けられている。第2ダンピング部が軸孔の内壁にぴったりと密着すると、第2突起が凹溝に嵌め込まれて凹溝の内壁にぴったりと密着する。
【0018】
更に、第2ダンピング部における回転軸寄りの側及び/又は擁壁寄りの側にはダンピンググリースが塗布されている。
【0019】
更に、第2ダンピング部は回転軸の端部に固定されており、第2ダンピング部のうち回転軸の端部から遠い側が擁壁に密着している。或いは、第2ダンピング部は擁壁に固定されており、第2ダンピング部のうち擁壁から遠い側が回転軸の端部に密着している。こうすることで、第2ダンピング部により回転軸と軸孔との相対運動を妨げる。
【0020】
更に、第2ダンピング部は、回転軸の端部及び/又は擁壁に塗布されたダンピング塗料が乾燥してなる。
【0021】
上記の第2の技術的課題を解決するために、本発明で採用する技術方案の基本思想は以下の通りである。
【0022】
衣類処理装置は、パネルベースと扉を含む。扉は、上記いずれかのダンピング構造を介してパネルベースに接続されることで、回動及び開閉可能にパネルベースに装着されている。
【0023】
更に、パネルベースには同軸に配置される2つの軸孔が設けられており、2つの軸孔の間には一定の隙間が備わっている。また、扉における対向配置される両側には回転軸が1つずつ設けられている。且つ、2つの回転軸は同軸に設置されている。2つの回転軸は、2つの軸孔に然るべく挿入されて軸孔内で軸周りに回動可能である。少なくとも1つの回転軸の外壁はダンピング材料で構成される第1ダンピング部を含み、第1ダンピング部が軸孔の内壁に密着している。
【0024】
更に、パネルベースには同軸に配置される2つの軸孔が設けられており、2つの軸孔の間には一定の隙間が備わっている。また、扉における対向配置される両側には回転軸が1つずつ設けられている。且つ、2つの回転軸は同軸に設置されている。2つの回転軸は、2つの軸孔に然るべく挿入されて軸孔内で軸周りに回動可能である。少なくとも1つの軸孔の一端には、回転軸の端部の少なくとも一部を覆う擁壁が設けられており、擁壁と回転軸の端部との間にはダンピング材料で構成される第2ダンピング部が設けられている。
【0025】
更に、衣類処理機は、パルセータ式洗濯機又はドラム式洗濯機である。
【発明の効果】
【0026】
上記の技術方案を用いることで、本発明は従来技術と比較して以下の有益な効果を有する。
【0027】
1.本発明では、回転軸の外壁の少なくとも一部をダンピング材料で構成される第1ダンピング部とすることで、第1ダンピング部の安定性を向上させる。これにより、扉の組み付け及び使用過程における第1ダンピング部の変位に伴う磨損が回避されるため、第1ダンピング部の使用寿命が延びる。また、これにより扉の安定性が向上するため、扉が緩んで突然閉止し、ユーザを負傷させるとの事態が回避される。且つ、洗濯機の稼働時の震動により発生する動作ノイズも低減するため、ユーザエクスペリエンスが向上する。
【0028】
2.本発明における第2ダンピング部は占有スペースが小さいため、衣類処理機に応用した場合、扉とパネルベースとの接続構造の体積が小さくなる。これにより、衣類処理機の見栄えがよりよくなる。且つ、ダンピングリングと比較して、本発明の第2ダンピング部は構造がシンプルなため、生産・加工に都合がよい。
【0029】
以下に、図面を組み合わせて、本発明の具体的実施形態につき更に詳細に述べる。
【0030】
図面は、本発明の一部として本発明の更なる理解のために用いられる。また、本発明の概略的実施例及びその説明は本発明の解釈のために用いられるが、本発明を不当に限定するものではない。なお、言うまでもなく、以下で記載する図面は実施例の一部にすぎず、当業者であれば、創造的労働を要することなくこれらの図面から更にその他の図面を得ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1図1は、本発明における衣類処理機の構造を示す図である。
図2図2は、本発明における衣類処理機の平面図である。
図3図3は、本発明におけるダンピング構造の断面図である。
図4図4は、本発明におけるダンピング構造の断面図である。
図5図5は、本発明におけるダンピング構造の断面図である。
図6図6は、本発明におけるダンピング構造の断面図である。
図7図7は、本発明におけるダンピング構造の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
説明すべき点として、これらの図面及び文字記載は何らかの方式で本発明の構想の範囲を制限するとの意図ではなく、特定の実施例を参照して当業者に本発明の概念を説明するためのものである。
【0033】
本発明における実施例の目的、技術方案及び利点をより明確とすべく、以下では、本発明の実施例にかかる図面を組み合わせて、実施例の技術方案につき明瞭簡潔に述べる。なお、以下の実施例は本発明を説明するためのものであって、本発明の範囲を制限するものではない。
【0034】
本発明の記載において、説明すべき点として、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「内」、「外」等の用語で示される方向又は位置関係は、図示に基づく方向又は位置関係であって、本発明の記載の便宜上及び記載の簡略化のためのものにすぎず、対象となる装置又は部材が特定の方向を有し、且つ特定の方向で構成及び操作されねばならないことを明示又は暗示するものではない。よって、本発明を制限するものと理解すべきではない。
【0035】
本発明の記載において、説明すべき点として、別途明確に規定及び限定しない限り、「装着する」、「連なる」、「接続する」との用語は広義に解釈すべきである。例えば、固定的な接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、一体的な接続であってもよい。また、機械的な接続であってもよいし、電気的な接続であってもよい。更には、直接的な連なりであってもよいし、中間媒体を介した間接的な連なりであってもよい。当業者であれば、具体的状況に応じて本発明における上記用語の具体的意味を解釈可能である。
【0036】
図1図4図7に示すように、本発明の実施例では、軸孔8と、軸孔8内に設置される回転軸10を含むダンピング構造について説明する。回転軸10と軸孔8の間には相対運動が生じ得る。そこで、回転軸10の外壁はダンピング材料で構成される第1ダンピング部11を含んでおり、第1ダンピング部11を軸孔8の内壁に密着させることで、回転軸10と軸孔8との相対運動を妨げる。
【0037】
本発明では、回転軸10の外壁の少なくとも一部をダンピング材料で構成される第1ダンピング部11とすることで、第1ダンピング部11の安定性を向上させる。これにより、扉7の組み付け及び使用過程における第1ダンピング部11の変位に伴う磨損が回避されるため、第1ダンピング部11の使用寿命が延びる。また、これにより扉7の安定性が向上するため、扉7が緩んで突然閉止し、ユーザを負傷させるとの事態が回避される。且つ、洗濯機の稼働時の震動により発生する動作ノイズも低減するため、ユーザエクスペリエンスが向上する。
【実施例1】
【0038】
図3図4に示すように、本実施例において、回転軸10の外壁には収容溝9が設けられており、第1ダンピング部11が収容溝9に充填されている。且つ、第1ダンピング部11のうち収容溝9の底壁から遠い側は、収容溝9の外周における回転軸10の外壁と面一となっており、第1ダンピング部11が回転軸10の外壁を構成している。
【0039】
第1ダンピング部11と回転軸10は互いに独立した2つの部材である。第1ダンピング部11は、収容溝9に嵌入して収容溝9の内壁にぴったりと密着することで、収容溝9に充填される。
【0040】
好ましくは、第1ダンピング部11は回転軸10の周方向に延伸するダンピングリングである。より好ましくは、ダンピングリングは回転軸10の外壁の中間部分に設けられている。本発明のいくつかの実施例において、第1ダンピング部11は回転軸10の端部に設けられる。
【0041】
本発明のいくつかの実施例では、ダンピング塗料を回転軸10に塗布し、乾燥させることで第1ダンピング部11を形成する。また、本発明の他の実施例において、回転軸10はダンピング材料で構成される。
【実施例2】
【0042】
図3図4に示すように、本実施例は、上記実施例1と以下の点において異なっている。即ち、ダンピングリングは、弾性を有しており、内径が収容溝9の底壁と回転軸10の軸線との距離以下である。また、内径と外径の差が収容溝9の深さ以上であり、軸方向の長さが収容溝9の両側壁の距離以上である。外力を付与してダンピングリングを広げ、収容溝9の底壁の外周に配設したあと、外力を除去してダンピングリングを収縮させれば、ダンピングリングが収容溝9に嵌入される。
【0043】
好ましくは、ダンピングリングの内径は収容溝9の底壁と回転軸10の軸線との距離よりも小さく、内径と外径の差は収容溝9の深さよりも大きく、軸方向の長さは収容溝9の両側壁の距離よりも大きい。こうすることで、ダンピングリングを収容溝9に嵌入すると、ダンピングリングは収容溝9の底壁の外周に緊締される。
【0044】
好ましくは、ダンピングリングは多孔質ポリウレタンエラストマーで構成される。
【実施例3】
【0045】
図4に示すように、本実施例は、上記実施例1及び2と以下の点において異なっている。即ち、収容溝9の底壁に第1突起13が設けられており、ダンピングリングの内側面に凹溝が設けられている。ダンピングリングを収容溝9に嵌入すると、第1突起13が凹溝に嵌め込まれて凹溝の内壁にぴったりと密着することで、周方向におけるダンピングリングの運動が回避される。
【0046】
本発明のいくつかの実施例において、第1突起13はダンピングリングの内側面に設けられ、凹溝は収容溝9の底壁に設けられる。
【0047】
好ましくは、凹溝はダンピングリングにおける回転軸10の挿入端寄りの側に設けられる。
【0048】
第1ダンピング部のうち軸孔8の内壁寄りの側にはダンピンググリースが塗布されている。好ましくは、第1ダンピング部は多孔質構造をなしており、ダンピンググリースを多孔質構造の空隙に保持可能である。
【実施例4】
【0049】
図1図2に示すように、本実施例は、上記実施例1~3と以下の点において異なっている。即ち、本実施例では、パネルベース6と扉7を含む衣類処理機について説明する。扉7は、上記いずれかのダンピング構造を介してパネルベース6に接続されることで、回動及び開閉可能にパネルベース6に装着されている。
【0050】
具体的に、パネルベース6には同軸に配置される2つの軸孔8が設けられており、2つの軸孔8の間には一定の隙間が備わっている。また、扉7における対向配置される両側には回転軸10が1つずつ設けられている。且つ、2つの回転軸10は同軸に設置されている。2つの回転軸10は2つの軸孔8に然るべく挿入されて、軸孔8内で軸周りに回動可能である。少なくとも1つの回転軸10の外壁はダンピング材料で構成される第1ダンピング部11を含み、第1ダンピング部11が軸孔8の内壁に密着している。
【0051】
パネルベース6にはヒンジベース12が設けられている。ヒンジベース12の上部はパネルベース6の上方に設けられ、軸孔8がヒンジベース12の上部に設けられている。ヒンジベース12とパネルベース6は一体的に射出成形してもよいし、個別に設置して締結及び接続してもよい。締結及び接続の方式には様々なものがあり、例えばネジで締結する。また、回転軸10と扉7は一体的に成形してもよいし、個別に設置して締結及び接続してもよい。締結及び接続の方式には様々なものがあり、例えば、軸が孔を有しており、扉7の軸固定孔に締結及び接続される。
【0052】
本発明では、ダンピングリングの押圧度合とダンピングリングの接触面積によって、例えば0~150Nというように、減衰力の大きさを調節可能である。これにより、扉7の無音閉止や、扉7の任意の位置での停止が実現される。
【実施例5】
【0053】
図1図2に示すように、本実施例は、上記実施例1~4と以下の点において異なっている。即ち、衣類処理機はパルセータ式洗濯機又はドラム式洗濯機である。また、ダンピング構造は洗濯機の本体ドアに設けられる。且つ、ドラム式洗濯機はトップオープン式である。
【0054】
具体的に、パルセータ洗濯機はハウジング5を有し、内部に内槽2と外槽1が同軸に設置されている。外槽1には洗浄水が蓄えられる。また、内槽2は回転可能である。或いは、内槽2の内部にパルセータを設置し、パルセータを回転可能とすることで衣類の攪拌洗浄を実現する。駆動モータは、伝動軸を介して内槽2又はパルセータを回転駆動させる。ハウジング5の上部には、洗濯物の出し入れのためのパネルベース6ユニットが備わっている。また、ハウジング5の下部にはボトムパネル4が備わっており、ボトムパネル4の下部に洗濯機を支持するための底脚3が装着されている。パネルベース6アセンブリにおいて、扉7とパネルベース6はヒンジ構造により接続されている。扉7は、パネルベース6と角度aをなして停止可能である。なお、0°≦a≦180°であり、好ましくは0°≦a≦90°である。具体的には状況に応じて決定し、回転槽の角度aがやや大きくてもよい。
【実施例6】
【0055】
本実施例は、上記実施例1~5と以下の点において異なっている。即ち、ダンピングリングの軸方向の断面及び/又は径方向の断面の外辺縁は鋸歯形状をなしている。また、軸孔8の軸方向の断面及び/又は径方向の断面の内辺縁はダンピングリングにぴったりと密着する鋸歯形状をなしている。
【0056】
本発明のいくつかの実施例において、ダンピングリングの軸方向の断面及び/又は径方向の断面の外辺縁はその他の非直線となっており、軸孔8の軸方向の断面及び/又は径方向の断面の内辺縁はダンピングリングにぴったりと密着するその他の非直線となっている。
【0057】
上記に対応して、前記ダンピングリングを有する回転軸10を軸孔8内に設置するために、軸孔8の内壁は第1側壁と第2側壁を結合してなる。
【実施例7】
【0058】
図7に示すように、本実施例は、上記実施例1~6と以下の点において異なっている。即ち、軸孔8の一端には回転軸10が軸方向に挿入され、他端には回転軸10の端部の少なくとも一部を覆う擁壁が設けられている。また、擁壁と回転軸10の端部との間には、回転軸10と軸孔8との相対運動を妨げるべく、ダンピング材料で構成されるダンピング部材が設けられている。
【0059】
ダンピング部材は回転軸10の端部に固定されており、ダンピング部材のうち回転軸10の端部から遠い側が擁壁に密着している。或いは、ダンピング部材は擁壁に固定されており、ダンピング部材のうち擁壁から遠い側が回転軸10の端部に密着している。或いは、ダンピング部材は独立した部材であって、擁壁と回転軸10の端部との間に自由に設置され、ダンピング部材における対向して設けられる両側がそれぞれ回転軸10の端部と擁壁に密着している。このようにして、ダンピング部材により回転軸10と軸孔8との相対運動を妨げる。
【0060】
ダンピング部材は、軸孔8と同軸且つ同径のシート状をなしており、軸方向の長さが軸孔8の軸方向の長さよりも小さくなっている。軸孔8における回転軸10が挿入される側の一端からダンピング部材を軸孔8に嵌め込み、擁壁に当接させたあと、回転軸10を軸孔8に挿入する。且つ、回転軸10の端部がダンピング部材を押圧することで、ダンピング部材における対向して設けられる両側がそれぞれ回転軸10の端部と擁壁に密着する。
【0061】
擁壁におけるダンピング部材寄りの側には軸線から偏移した係合突起が設けられており、ダンピング部材における擁壁寄りの側には係合溝が設けられている。ダンピング部材と軸孔8の内壁がぴったりと密着すると、係合突起が第1係合溝に嵌め込まれて係合溝の内壁にぴったりと密着する。好ましくは、ダンピング部材における回転軸10寄りの側にはダンピンググリースが塗布されている。
【0062】
ダンピング部材は、回転軸10の端部及び/又は擁壁に塗布されたダンピング塗料が乾燥してなる。
【0063】
図1図2図5図7に示すように、本発明の実施例では、軸孔8と、軸孔8内に設置される回転軸10を含むダンピング構造について説明する。回転軸10と軸孔8の間には相対運動が生じ得る。軸孔8の一端には回転軸10が軸方向に挿入され、他端には回転軸10の端部の少なくとも一部を覆う擁壁15が設けられている。また、擁壁15と回転軸10の端部との間には、回転軸10と軸孔8との相対運動を妨げるべく、ダンピング材料で構成される第2ダンピング部14が設けられている。
【0064】
本発明における第2ダンピング部14は占有スペースが小さいため、衣類処理機に応用した場合、扉とパネルベースとの接続構造の体積が小さくなる。これにより、衣類処理機の見栄えがよりよくなる。且つ、ダンピングリングと比較して、本発明の第2ダンピング部14は構造がシンプルなため、生産・加工に都合がよい。
【実施例8】
【0065】
図5図6に示すように、本実施例において、第2ダンピング部14は独立した部材である。第2ダンピング部14は、擁壁15と回転軸10の端部との間に自由に設置されるとともに、第2ダンピング部14における対向して設けられる両側がそれぞれ回転軸10の端部と擁壁15に密着している。このようにして、第2ダンピング部14により回転軸10と軸孔8との相対運動を妨げる。
【0066】
具体的に、第2ダンピング部14は、軸孔8と同軸且つ同径のシート状をなしており、軸方向の長さが軸孔8の軸方向の長さよりも小さくなっている。軸孔8における回転軸10が挿入される側の一端から第2ダンピング部14を軸孔8に嵌め込み、擁壁15に当接させたあと、回転軸10を軸孔8に挿入する。且つ、回転軸10の端部が第2ダンピング部14を押圧することで、第2ダンピング部14における対向して設けられる両側がそれぞれ回転軸10の端部と擁壁15に密着する。
【0067】
第2ダンピング部14における回転軸10寄りの側及び/又は擁壁15寄りの側にはダンピンググリースが塗布されている。好ましくは、第2ダンピング部14は多孔質構造をなしており、ダンピンググリースを多孔質構造の空隙に保持可能である。
【実施例9】
【0068】
図6に示すように、本実施例は、上記実施例8と以下の点において異なっている。即ち、擁壁15における第2ダンピング部14寄りの側には、軸線から偏移した第2突起16が設けられており、第2ダンピング部14における擁壁15寄りの側には凹溝が設けられている。第2ダンピング部14が軸孔8の内壁にぴったりと密着すると、第2突起16が凹溝に嵌め込まれて凹溝の内壁にぴったりと密着することで、周方向における第2ダンピング部14の運動が回避される。
【0069】
本発明のいくつかの実施例において、第2突起16は第2ダンピング部14に設けられており、凹溝は擁壁15に設けられている。
【0070】
好ましくは、第2ダンピング部14は多孔質ポリウレタンエラストマーで構成される。
【実施例10】
【0071】
本実施例は、上記実施例8及び9と以下の点において異なっている。即ち、第2ダンピング部14は回転軸10の端部に固定されており、第2ダンピング部14のうち回転軸10の端部から遠い側が擁壁15に密着している。或いは、第2ダンピング部14は擁壁15に固定されており、第2ダンピング部14のうち擁壁15から遠い側が回転軸10の端部に密着している。こうすることで、第2ダンピング部14により回転軸10と軸孔8との相対運動を妨げる。
【0072】
第2ダンピング部14は、回転軸10の端部及び/又は擁壁15に塗布されたダンピング塗料が乾燥してなる。
【0073】
本発明のいくつかの実施例において、第2ダンピング部14は独立した部材であり、接着、係接等の接続方式で回転軸10の端部又は擁壁15に固定される。また、本発明の他の実施例において、回転軸10はダンピング材料で構成される。
【実施例11】
【0074】
図1図2に示すように、本実施例は、上記実施例8~10と以下の点において異なっている。即ち、本実施例では、パネルベース6と扉7を含む衣類処理機について説明する。扉7は、上記いずれかのダンピング構造を介してパネルベース6に接続されることで、回動及び開閉可能にパネルベース6に装着されている。
【0075】
具体的に、パネルベース6には同軸に配置される2つの軸孔8が設けられており、2つの軸孔8の間には一定の隙間が備わっている。また、扉7における対向配置される両側には回転軸10が1つずつ設けられている。且つ、2つの回転軸10は同軸に設置されている。2つの回転軸10は2つの軸孔8に然るべく挿入されて、軸孔8内で軸周りに回動可能である。また、少なくとも1つの軸孔8の一端には、回転軸10の端部の少なくとも一部を覆う擁壁15が設けられており、擁壁15と回転軸10の端部との間にはダンピング材料で構成される第2ダンピング部14が設けられている。
【0076】
パネルベース6にはヒンジベース12が設けられている。ヒンジベース12の上部はパネルベース6の上方に設けられ、軸孔8がヒンジベース12の上部に設けられている。ヒンジベース12とパネルベース6は一体的に射出成形してもよいし、個別に設置して締結及び接続してもよい。締結及び接続の方式には様々なものがあり、例えばネジで締結する。また、回転軸10と扉7は一体的に成形してもよいし、個別に設置して締結及び接続してもよい。締結及び接続の方式には様々なものがあり、例えば、軸が孔を有しており、扉7の軸固定孔に締結及び接続される。
【0077】
本発明では、ダンピングリングの押圧度合とダンピングリングの接触面積によって、例えば0~150Nというように、減衰力の大きさを調節可能である。これにより、扉7の無音閉止や、扉7の任意の位置での停止が実現される。
【実施例12】
【0078】
図1図2に示すように、本実施例は、上記実施例8~11と以下の点において異なっている。即ち、衣類処理機はパルセータ式洗濯機又はドラム式洗濯機である。また、ダンピング構造は洗濯機の本体ドアに設けられる。且つ、ドラム式洗濯機はトップオープン式である。
【0079】
具体的に、パルセータ洗濯機はハウジング5を有し、内部に内槽2と外槽1が同軸に設置されている。外槽1には洗浄水が蓄えられる。また、内槽2は回転可能である。或いは、内槽2の内部にパルセータを設置し、パルセータを回転可能とすることで衣類の攪拌洗浄を実現する。駆動モータは、伝動軸を介して内槽2又はパルセータを回転駆動させる。ハウジング5の上部には、洗濯物の出し入れのためのパネルベース6ユニットが備わっている。また、ハウジング5の下部にはボトムパネル4が備わっており、ボトムパネル4の下部に洗濯機を支持するための底脚3が装着されている。パネルベース6アセンブリにおいて、扉7とパネルベース6はヒンジ構造により接続されている。扉7は、パネルベース6と角度aをなして停止可能である。なお、0°≦a≦180°であり、好ましくは0°≦a≦90°である。具体的には状況に応じて決定し、回転槽の角度aがやや大きくてもよい。
【実施例13】
【0080】
図7に示すように、本実施例は、上記実施例8~12と以下の点において異なっている。即ち、回転軸10の側壁は、回転軸10の周方向に延伸し且つダンピング材料で構成されるダンピングリングを介して軸孔8の内壁に密着している。ダンピングリングの内側面は、回転軸10の側壁に嵌設されている。
【0081】
回転軸10の中間部分には回転軸10の周方向に延伸する収容溝が設けられており、ダンピングリングの少なくとも一部が収容溝に嵌め込まれて収容溝の内壁にぴったりと密着することで、ダンピングリングの内側面が回転軸10の側壁に嵌設される。
【0082】
ダンピングリングは、回転軸10と同軸で弾性を有するリング状をなしている。また、ダンピングリングの内径は収容溝部分の回転軸10の外径以下となっており、軸方向の幅は収容溝の両側壁の距離以上となっている。外力を付与してダンピングリングを広げ、回転軸10の外周に配設してから、軸方向に収容溝部分の外周まで運動させたあと、外力を除去してダンピングリングを収縮させれば、ダンピングリングの少なくとも一部が収容溝に嵌め込まれて収容溝の内壁にぴったりと密着する。
【0083】
ダンピングリングの外径は収容溝部分の外周における回転軸10の外径以上となっているため、ダンピングリングの外側面は、径方向において収容溝部分の外周における回転軸10の側壁から突出するか、収容溝部分の外周における回転軸10の側壁と径方向において面一となる。また、軸孔8は回転軸10と同軸の筒状をなしている。軸孔8の内径は、収容溝部分の外周における回転軸10の外径以上であり、ダンピングリングの外径以下である。ダンピングリングの内側面を回転軸10の側壁に嵌設し、回転軸10を軸方向に軸孔8に挿入すると、ダンピングリングの外側面は軸孔8の内壁にちょうど密着するか、押圧されて密着する。
【0084】
収容溝の底壁には係合突起が設けられており、ダンピングリングの内側面には係合溝が設けられている。ダンピングリングの内側面が収容溝の底壁に密着すると、係合突起が係合溝に挿入されて係合溝の内壁にぴったりと密着する。また、ダンピングリングの外側面にはダンピンググリースが塗布されている。
【0085】
好ましくは、ダンピングリングの軸方向の断面及び/又は径方向の断面の外辺縁は鋸歯形状をなしている。また、軸孔8の軸方向の断面及び/又は径方向の断面の内辺縁はダンピングリングにぴったりと密着する鋸歯形状をなしている。
【0086】
以上は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を何らかの形式に制限するものではない。本発明については好ましい実施例によって上記のように開示したが、本発明を限定するとの主旨ではない。本発明の技術方案を逸脱しない範囲において、当業者が上記で提示した技術内容を用いて実施可能なわずかな変形或いは補足は、同等に変形された等価の実施例とみなされ、いずれも本発明の技術方案の内容を逸脱するものではない。また、本発明の技術的本質に基づいて上記の実施例に加えられる任意の簡単な修正、同等の変形及び補足は、いずれも本発明の方案の範囲に属する。
【符号の説明】
【0087】
1 外槽
2 内槽
3 底脚
4 ボトムパネル
5 ハウジング
6 パネルベース
7 扉
8 軸孔
9 収容溝
10 回転軸
11 第1ダンピング部
12 ヒンジベース
13 第1突起
14 第2ダンピング部
15 擁壁
16 第2突起
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7