(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】マルチビーム電力制御方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
H04W 52/18 20090101AFI20240326BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20240326BHJP
H04W 52/38 20090101ALI20240326BHJP
【FI】
H04W52/18
H04W16/28
H04W52/38
(21)【出願番号】P 2021524011
(86)(22)【出願日】2018-11-02
(86)【国際出願番号】 CN2018113832
(87)【国際公開番号】W WO2020034442
(87)【国際公開日】2020-02-20
【審査請求日】2021-11-01
【審判番号】
【審判請求日】2023-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ヤオ, ケ
(72)【発明者】
【氏名】ガオ, ボー
(72)【発明者】
【氏名】リー, ユー ゴー
(72)【発明者】
【氏名】ルー, ジャオファ
【合議体】
【審判長】中木 努
【審判官】本郷 彰
【審判官】新田 亮
(56)【参考文献】
【文献】ZTE,Maintenance for UL power control[online],3GPP TSG RAN WG1 #94b R1-1810217,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_94b/Docs/R1-1810217.zip>,2018年09月29日
【文献】InterDigital,Corrections on CFRA BFR termination[online],3GPP TSG RAN WG2 #103bis R2-1815643,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_103bis/Docs/R2-1815643.zip>,2018年10月12日
【文献】3rd Generation Partnership Project,Technical Specification Group Radio Access Network; NR; Physical layer procedures for control (Release 15),3GPP TS 38.213 V15.3.0 (2018-09),2018年10月01日,13-14ページ
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24-7/26
H04W4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
3GPP TSG SA WG1-4
3GPP TSG CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信の方法であって、前記方法は、
ユーザデバイスが、リンク回復確認情報を検出することと、
前記検出することに続いて、ランプアップ電力および伝送電力制御(TPC)電力オフセットの総和に、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)伝送の閉ループ電力制御を初期化することであって、前記ランプアップ電力は、上位層によって要求される総電力ランプアップに対応する、ことと
を含み、
前記リンク回復確認情報を検出することは、サーチスペースセットにおけるセル無線ネットワーク一時識別子(C-RNTI)または変調およびコーディング方式(MCS)C-RNTIによってスクランブルされた巡回冗長検査(CRC)を備えているダウンリンク制御情報(DCI)形式を検出することを含み、
前記PUCCH伝送の前記閉ループ電力制御を初期化することは、前記ユーザデバイスが前記DCI形式を検出する前記サーチスペースセットにおける最初の物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)受信の最後のシンボルからのK個のシンボルの後、前記PUCCH伝送の前記閉ループ電力制御を初期化することを含
み、
前記PUCCH伝送は、前記サーチスペースセットにおける最初のPDCCH受信の前記最後のシンボルからの前記K個のシンボルの後の最初のPUCCH伝送である、方法。
【請求項2】
前記PUCCH伝送は、前記リンク回復確認情報を検出することに続く最初のPUCCH伝送に対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記TPC電力オフセットは、ダウンリンク制御情報(DCI)信号からのTPCコマンド値である、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
無線通信のための装置であって、前記装置は、
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
リンク回復確認情報を検出することと、
前記検出することに続いて、ランプアップ電力および伝送電力制御(TPC)電力オフセットの総和に、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)伝送の閉ループ電力制御を初期化することであって、前記ランプアップ電力は、上位層によって要求される総電力ランプアップに対応する、ことと
を行うように構成されており、
前記プロセッサは、サーチスペースセットにおけるセル無線ネットワーク一時識別子(C-RNTI)または変調およびコーディング方式(MCS)C-RNTIによってスクランブルされた巡回冗長検査(CRC)を備えているダウンリンク制御情報(DCI)形式を検出することによって、前記リンク回復確認情報を検出するようにさらに構成されており、
前記プロセッサは、前記装置が前記DCI形式を検出する前記サーチスペースセットにおける最初の物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)受信の最後のシンボルからのK個のシンボルの後、前記PUCCH伝送の前記閉ループ電力制御を初期化するようにさらに構成されて
おり、
前記PUCCH伝送は、前記サーチスペースセットにおける最初のPDCCH受信の前記最後のシンボルからの前記K個のシンボルの後の最初のPUCCH伝送である、装置。
【請求項5】
前記PUCCH伝送は、前記リンク回復確認情報を検出することに続く最初のPUCCH伝送に対応する、請求項
4に記載の装置。
【請求項6】
前記TPC電力オフセットは、ダウンリンク制御情報(DCI)信号からのTPCコマンド値である、請求項
4または請求項
5に記載の装置。
【請求項7】
命令を含む記憶媒体であって、前記命令は、プロセッサによって実行されると、請求項1~
3のいずれかに記載の方法を実施する、記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本書は、概して、無線通信を対象とする。
【背景技術】
【0002】
無線通信技術は、ますます接続およびネットワーク化された社会に向けて世界を移行させている。無線通信の急速な成長および技術の進歩は、容量および接続性のさらなる需要につながっている。エネルギー消費、デバイスコスト、スペクトル効率、および待ち時間等の他の側面も、種々の通信シナリオの必要性を満たすために重要である。既存の無線ネットワークと比較して、次世代システムおよび無線通信技法は、増加した数のユーザおよびデバイスのためのサポート、およびより高いデータレートのためのサポートを提供する必要があり、それによって、ユーザ機器およびネットワークノードにおける複数のビームの電力制御を要求する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本書は、モバイル技術通信システム、例えば、ロングタームエボリューション(LTE)、第5世代(5G)、および新規無線(NR)ネットワークにおけるマルチビーム電力制御のための方法、システム、およびデバイスに関する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
1つの例示的側面において、無線通信方法が、開示される。方法は、パラメータの組と複数のビームとの間の関連付けを決定することと、端末によって、関連付けに基づいて、1つ以上のアップリンク伝送を実施することとを含み、パラメータの組は、以下のパラメータのうちの少なくとも1つを備えている:1つ以上の開ループパラメータ、1つ以上の閉ループパラメータ、1つ以上の伝送電力制御(TPC)コマンド、または1つ以上のパスロス参照信号(PL-RS)パラメータ。
【0005】
別の例示的側面において、無線通信方法が、開示される。方法は、ネットワークノードによって、端末に関して、パラメータの組と複数のビームとの間の関連付けを決定することと、関連付けを示すメッセージを端末に伝送することとを含む。パラメータの組は、開ループパラメータ、上回る閉ループパラメータ、伝送電力制御(TPC)コマンド、またはパスロス参照信号(PL-RS)パラメータのうちの少なくとも1つを備えている。
【0006】
さらに別の例示的側面において、無線通信方法が、開示される。方法は、リンク回復確認情報を検出することと、検出することに続いて、ゼロ値、ランプアップ電力、伝送電力制御(TPC)電力オフセット、またはランプアップ電力およびTPC電力オフセットの総和に、アウトバウンドチャネル伝送の閉ループ電力制御を初期化することとを含む。
【0007】
さらに別の例示的側面において、上で説明される方法は、プロセッサ実行可能コードの形態で具現化され、コンピュータ読み取り可能なプログラム媒体内に記憶される。
【0008】
さらに別の例示的実施形態において、上で説明される方法を実施するように構成され、または動作可能であるデバイスが、開示される。
【0009】
上記および他の側面、およびそれらの実装が、図面、説明、および請求項においてさらに詳細に説明される。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
無線通信のための方法であって、前記方法は、
パラメータの組と複数のビームとの間の関連付けを決定することと、
端末によって、前記関連付けに基づいて、1つ以上のアップリンク伝送を実施することと
を含み、
前記パラメータの組は、1つ以上の開ループパラメータ、1つ以上の閉ループパラメータ、1つ以上の伝送電力制御(TPC)コマンド、または1つ以上のパスロス参照信号(PL-RS)パラメータのうちの少なくとも1つを備えている、方法。
(項目2)
無線通信のための方法であって、前記方法は、
ネットワークノードによって、端末に関して、パラメータの組と複数のビームとの間の関連付けを決定することと、
前記関連付けを示すメッセージを前記端末に伝送することと
を含み、
前記パラメータの組は、1つ以上の開ループパラメータ、1つ以上の閉ループパラメータ、1つ以上の伝送電力制御(TPC)コマンド、または1つ以上のパスロス参照信号(PL-RS)パラメータのうちの少なくとも1つを備えている、方法。
(項目3)
前記複数のビームのうちのビームは、1つ以上の参照信号(RS)、1つ以上のリソース指示、1つ以上のSRS(サウンディングRS)リソース指示、1つ以上の空間関係、1つ以上の空間ドメインフィルタ、1つ以上のプリコーディングマトリクス、1つ以上のポート、1つ以上のポート群、1つ以上のパネル、または1つ以上のアンテナ群を備えている、項目1または2に記載の方法。
(項目4)
前記開ループパラメータは、パスロス係数または受信標的電力のうちの少なくとも1つを備えている、項目1-3のいずれかに記載の方法。
(項目5)
前記パラメータの組は、電力配分比パラメータをさらに備えている、項目1-3のいずれかに記載の方法。
(項目6)
前記電力配分比パラメータは、前記複数のビームに関する複数の電力の事前定義された比にマッピングするインデックスを備えている、項目5に記載の方法。
(項目7)
前記電力配分比パラメータは、前記1つ以上のアップリンク伝送のために前記複数の電力を前記複数のビームに配分するために使用される、項目6に記載の方法。
(項目8)
前記電力配分比パラメータは、媒体アクセス制御(MAC)制御要素(CE)シグナリング、物理層シグナリング、または無線リソース制御(RRC)シグナリングにおいて伝えられる、項目5に記載の方法。
(項目9)
前記パラメータの組は、1つ以上の電力配分オフセットパラメータをさらに備えている、項目1-3のいずれかに記載の方法。
(項目10)
等しい電力が、前記複数のビームの各々に配分され、前記1つ以上の電力配分オフセットパラメータの各々は、前記複数のビームのうちの対応するビームの前記等しい電力をオフセットする値を備えている、項目9に記載の方法。
(項目11)
前記1つ以上の電力配分オフセットパラメータの各々は、前記複数のビームのうちのそれぞれのビームに関連付けられており、前記1つ以上の電力配分オフセットパラメータのうちの少なくとも1つの値は、前記それぞれのビームの対応する電力を直接オフセットする、項目9に記載の方法。
(項目12)
前記1つ以上の電力配分オフセットパラメータは、媒体アクセス制御(MAC)制御要素(CE)シグナリング、物理層シグナリング、または無線リソース制御(RRC)シグナリングにおいて伝えられる、項目9-11のいずれかに記載の方法。
(項目13)
前記開ループパラメータ、前記閉ループパラメータ、および前記PL-RSパラメータは、前記複数のビームに関して共通であり、前記TPCコマンドは、前記複数のビームの各々に関して異なる、項目1-3のいずれかに記載の方法。
(項目14)
前記開ループパラメータおよび前記PL-RSパラメータは、前記複数のビームに関して共通であり、前記閉ループパラメータおよび前記TPCコマンドは、前記複数のビームの各々に関して異なる、項目1-3のいずれかに記載の方法。
(項目15)
前記PL-RSパラメータおよび前記閉ループパラメータは、前記複数のビームに関して共通であり、前記開ループパラメータおよび前記TPCコマンドは、前記複数のビームの各々に関して異なる、項目1-3のいずれかに記載の方法。
(項目16)
前記PL-RSパラメータは、前記複数のビームに関して共通であり、前記開ループパラメータ、前記閉ループパラメータ、および前記TPCコマンドは、前記複数のビームの各々に関して異なる、項目1-3のいずれかに記載の方法。
(項目17)
前記閉ループパラメータおよび前記TPCコマンドは、前記複数のビームに関して共通であり、前記開ループパラメータおよび前記PL-RSパラメータは、前記複数のビームの各々に関して異なる、項目1-3のいずれかに記載の方法。
(項目18)
前記PL-RSパラメータ、前記閉ループパラメータ、および前記TPCコマンドは、前記複数のビームに関して共通であり、前記開ループパラメータは、前記複数のビームの各々に関して異なる、項目1-3のいずれかに記載の方法。
(項目19)
前記開ループパラメータは、前記複数のビーム毎に明確に異なり、媒体アクセス制御(MAC)制御要素(CE)シグナリング、物理層シグナリング、または無線リソース制御(RRC)シグナリングにおいて伝えられる、項目18に記載の方法。
(項目20)
前記PL-RSパラメータ、前記閉ループパラメータ、前記開ループパラメータ、および前記TPCコマンドは、前記複数のビームの各々に関して異なる、項目1-3のいずれかに記載の方法。
(項目21)
前記関連付けを決定することは、複数の電力を決定することを含み、前記複数の電力の各々は、前記複数のビームのうちの1つに関連付けられている、項目4-20のいずれかに記載の方法。
(項目22)
前記複数の電力の総和は、最大電力を上回らない、項目21に記載の方法。
(項目23)
前記複数の電力の総和は、最大電力を超え、前記方法は、
前記複数の電力のうちの少なくとも1つを規模調整し、その総和が前記最大電力未満である複数の規模調整された電力を発生させることをさらに含む、項目21に記載の方法。
(項目24)
前記複数の電力のうちの少なくとも1つを規模調整することは、同一の倍率によって前記複数の電力の各々を規模調整することを含む、項目23に記載の方法。
(項目25)
前記規模調整することは、複数のパラメータのうちの少なくとも1つに基づき、前記複数のパラメータの各々は、前記複数のビームのうちの1つに適用可能であり、前記複数のパラメータは、要求される伝送電力、パスロス値、TPCコマンド値、受信標的電力、前記開ループパラメータ、前記閉ループパラメータ、ビームインデックス、サービスタイプ、リソースブロックの数、または、変調およびコーディング方式(MCS)を備えている、項目23に記載の方法。
(項目26)
無線通信の方法であって、前記方法は、
リンク回復確認情報を検出することと、
前記検出することに続いて、ゼロ値、ランプアップ電力、伝送電力制御(TPC)電力オフセット、または、前記ランプアップ電力および前記TPC電力オフセットの総和に、アウトバウンドチャネル伝送の閉ループ電力制御を初期化することと、
を含む、方法。
(項目27)
前記リンク回復確認情報を検出することは、recoverySearchSpaceIdによって提供されるサーチスペースセットにおけるセル無線ネットワーク一時識別子(C-RNTI)または変調およびコーディング方式(MCS)C-RNTIによってスクランブルされた巡回冗長検査(CRC)を備えているダウンリンク制御情報(DCI)形式を検出することを含む、項目26に記載の方法。
(項目28)
前記リンク回復確認情報を検出することは、
端末がセル無線ネットワーク一時識別子(C-RNTI)または変調およびコーディング方式(MCS)C-RNTIによってスクランブルされた巡回冗長検査(CRC)を備えているダウンリンク制御情報(DCI)形式を検出したrecoverySearchSpaceIdによって提供されるサーチスペースセットにおける最初の物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)受信の最後のシンボルを決定することを含み、
前記リンク回復確認情報を検出することは、前記最後のシンボルの後のK個のシンボルで生じ、Kは、負ではない整数である、項目26に記載の方法。
(項目29)
前記アウトバウンドチャネル伝送は、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)伝送、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)伝送、またはサウンディング参照信号(SRS)伝送を含む、項目26に記載の方法。
(項目30)
前記アウトバウンドチャネル伝送は、前記リンク回復確認情報を検出することに続く最初のアウトバウンドチャネル伝送に対応する、項目26に記載の方法。
(項目31)
前記最初のアウトバウンドチャネル伝送がDCI形式1_0またはDCI形式1_1の検出に応答する場合、前記TPC電力オフセットは、前記DCI形式1_0または前記DCI形式1_1からのTPCコマンド値である、項目30に記載の方法。
(項目32)
前記最初のアウトバウンドチャネル伝送がDCI形式0_0またはDCI形式0_1によってスケジュールされている場合、前記TPC電力オフセットは、前記DCI形式0_0または前記DCI形式0_1からのTPCコマンド値である、項目30に記載の方法。
(項目33)
前記最初のアウトバウンドチャネル伝送がDCI形式1_0またはDCI形式1_1の検出に応答しない場合、前記TPC電力オフセットが、ゼロであるか、または、前記アウトバウンドチャネル伝送の前記閉ループ電力制御が、前記ゼロ値または前記ランプアップ電力に初期化される、項目30に記載の方法。
(項目34)
前記最初のアウトバウンドチャネル伝送がConfiguredGrantConfigによって構成されている場合、前記TPC電力オフセットが、ゼロであるか、または、前記アウトバウンドチャネル伝送の前記閉ループ電力制御が、前記ゼロ値または前記ランプアップ電力に初期化される、項目30に記載の方法。
(項目35)
前記アウトバウンドチャネル伝送は、前記リンク回復確認情報を検出することに続くDCI形式1_0またはDCI形式1_1のうちの最初のものの検出に応答する、項目26に記載の方法。
(項目36)
前記TPC電力オフセットは、前記DCI形式1_0または前記DCI形式1_1からのTPCコマンド値である、項目35に記載の方法。
(項目37)
前記アウトバウンドチャネル伝送は、前記リンク回復確認情報を検出することに続くDCI形式0_0またはDCI形式0_1のうちの最初のものによってスケジュールされる、項目26に記載の方法。
(項目38)
前記TPC電力オフセットは、前記DCI形式0_0または前記DCI形式0_1からのTPCコマンド値である、項目37に記載の方法。
(項目39)
前記TPC電力オフセットは、1つのDCI信号からのTPCコマンド値、または、ある期間内の複数のDCI信号からの複数のTPCコマンド値の総和である、項目26に記載の方法。
(項目40)
前記複数のDCI信号の形式は、前記アウトバウンドチャネル伝送に対応する、項目39に記載の方法。
(項目41)
前記期間の開始時間は、前記リンク回復確認情報を検出すること、または前記リンク回復確認情報を検出するために使用されたDCIを含む物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を検出することに基づく、項目39に記載の方法。
(項目42)
前記期間の終了時間は、前記アウトバウンドチャネル伝送の開始時間、または前記アウトバウンドチャネル伝送の前記開始時間に先立つK
c
個のシンボルに基づき、K
c
は、整数である、項目39に記載の方法。
(項目43)
前記期間の開始時間は、前記リンク回復確認情報を検出することより早くない、項目39に記載の方法。
(項目44)
プロセッサとメモリとを備えている無線通信装置であって、前記プロセッサは、前記メモリからコードを読み取り、項目1-43のいずれかに記載の方法を実装するように構成されている、無線通信装置。
(項目45)
その上に記憶されたコンピュータ読み取り可能なプログラム媒体コードを備えているコンピュータプログラム製品であって、前記コードは、プロセッサによって実行されると、項目1-43のいずれかに記載の方法を前記プロセッサに実装させる、コンピュータプログラム製品。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本開示される技術のいくつかの実施形態による、無線通信における基地局(BS)およびユーザ機器(UE)の例を示す。
【0011】
【
図2】
図2は、異なるパネルからの複数のビームの例を示す。
【0012】
【
図3】
図3は、基地局において構成された各々が複数のビームをサポートする複数の伝送ポイント(TRP)の例を示す。
【0013】
【
図4】
図4は、ダウンリンク制御情報(DCI)の形式に基づくビーム回復の例を示す。
【0014】
【
図5】
図5は、DCI形式に基づくビーム回復の別の例を示す。
【0015】
【
図6】
図6は、DCI形式に基づくビーム回復のさらに別の例を示す。
【0016】
【
図7】
図7は、本開示される技術のいくつかの実施形態による、無線通信方法の例を示す。
【0017】
【
図8】
図8は、本開示される技術のいくつかの実施形態による、別の無線通信方法の例を示す。
【0018】
【
図9】
図9は、本開示される技術のいくつかの実施形態による、さらに別の無線通信方法の例を示す。
【0019】
【
図10】
図10は、本開示される技術のいくつかの実施形態による、装置の一部のブロック図表現である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
新世代の無線通信技術、例えば、新規無線(NR)が、開発されている。第5世代モバイル通信システムとして、この技術は、従来的低周波数および高周波数帯域の両方における種々の適用シナリオをサポートする必要があるので、ビームモード通信(またはビーム形成)は、NRシステムの主要な特徴のうちの1つである。
【0021】
ビーム形成は、伝送距離を改良し、高帯域通信における干渉を回避するための効果的な手段である。ビームは、方向性および幅を有する。異なる方向を対象とするために、通常、複数のアンテナが、複数の方向にビームを形成するように伝送端および受信端において構成される。
【0022】
無線通信ノードの複数のアンテナは、異なる群に分割されることができ、各群は、アンテナパネルと呼ばれる(またはパネルと称される)。UEは、概して、異なる方向を対象とする複数のアンテナパネルをサポートすることができる。異なるアンテナパネルは、概して、同時にビームを伝送することができる。1つから複数のビームが、各パネル上で同時に送信されることができる。各パネル上で同時に伝送されることが可能なビームの数は、パネルがサポートできるビームの最大数より小さい。
【0023】
現在、関連技術は、基本的マルチビーム電力制御機構をすでにサポートしているが、以前として、複数のパネルおよび複数の伝送ポイント(TRP)を伴う既存の実装に関して不足が存在する。例えば、複数のビーム間の柔軟な電力配分は、複数のビームがアップリンク伝送を同時に伝送するために使用されるときに達成されることができない。この要件は、異なるビームによって伝送された異なるアップリンクが基地局の異なるTRPに着信するとき、および各TRPの干渉レベルが大きく変動する場合等、複数のパネルおよび複数のTRPの適用のために必要である。既存の方式は、各伝送ビームへの電力の等しい分配のみをサポートすることができ、それは、複数のパネルおよび複数のTRPの適用を限定する。
【0024】
図1は、BS120と、1つ以上のユーザ機器(UE)111、112、および113とを含む無線通信システム(例えば、LTE、5G、または新規無線(NR)セルラーネットワーク)の例を示す。いくつかの実施形態において、BSは、後続の通信(131、132、133)のための複数の伝送ビームの電力を規模調整する電力スケーリング(141、142、143)の指示をUEに伝送する。UEは、例えば、スマートフォン、タブレット、モバイルコンピュータ、マシンツーマシン(M2M)デバイス、端末、モバイルデバイス、モノのインターネット(IoT)デバイス等であり得る。
【0025】
本書は、開示される技法および実施形態の範囲をある節に限定するためではなく、容易な理解を促進するために、節の表題および副表題を使用する。故に、異なる節で開示される実施形態は、互いに併用されることができる。さらに、本書は、理解を促進するためだけに、3GPP新規無線(NR)ネットワークアーキテクチャおよび5Gプロトコルからの例を使用し、開示される技法および実施形態は、3GPPプロトコルと異なる通信プロトコルを使用する他の無線システムで実践され得る。
【0026】
(開示される技術の概観)
【0027】
基地局は、UEのためのアップリンク伝送の電力制御パラメータを構成し、説明は、以下の通りである:
【0028】
1)いくつかの実施形態において、基地局は、UEに関する開ループ電力制御パラメータのJ個の組を構成し、開ループ電力制御パラメータの各組は、以下のうちの少なくとも1つを含む:標的受信電力P0、パスロス補償係数α。Jは、1以上の整数であり、開ループ電力制御パラメータの各組は、整数jによって識別され、0≦j<J。
【0029】
2)いくつかの実施形態において、基地局は、UEに関するパスロス測定パラメータのK個の組を構成し、パスロス測定パラメータの各組は、以下のうちの少なくとも1つを含む:パスロス測定のための少なくとも1つの参照信号RSリソースタイプ指示、および、パスロス測定のための参照信号RSリソース指示。Kは、1以上の整数であり、パスロス測定パラメータの各組は、整数kによって識別され、0≦k<Kである。
【0030】
パスロス測定パラメータは、PL-RSパラメータとしてで書かれ得、それは、パスロスを推定するために使用される参照信号RSの指示であり、以下のうちの少なくとも1つを含み得る:CRI-RS指示、またはSSB指示。
【0031】
3)いくつかの実施形態において、基地局は、UEに関する閉ループ電力制御パラメータのL個の組を構成し、閉ループ電力制御パラメータの各組は、以下のうちの少なくとも1つを含む:閉ループ電力制御識別子、および閉ループ電力制御数量。Lは、1以上の整数であり、閉ループ電力制御パラメータの各組は、整数lによって識別され、0≦l<Lである。
【0032】
アップリンク伝送は、以下のうちの少なくとも1つを含む:PUSCH伝送、PUCCH伝送。
【0033】
いくつかの実施形態において、基地局は、UEのための少なくとも1つのSRSリソースセットを構成し、各SRSリソースセットは、少なくとも1つのSRSリソースを含む。各SRSリソースは、時間ドメイン、周波数ドメイン、コードドメイン、およびエアスペース(または空間ドメイン)を含む、SRSによって占有されるリソースを示す。
【0034】
基地局は、PUSCHの少なくとも1つのSRI値と前述の電力制御パラメータとの間の関連付け関係を構成する。例えば、SRI=0、j=0、k=1、l=0であるとき、または、SRI=1、j=1、k=1、l=0であるとき。本明細書において、各SRIの値は、少なくとも1つのSRSリソースを表す。基地局が、DCIを使用し、PUSCH伝送をスケジュールするとき、SRI(SRSリソースインジケータ)フィールドが、PUSCHの空間パラメータ、例えば、空間関係情報、SRSポート等を説明するために使用される。
【0035】
本書は、複数のビームを示すSRIを指すために複合ビームSRIを使用し、単一のビームを示すSRIを指すために単一のビームSRIを使用する。
【0036】
具体的PUSCH伝送に関して、PUSCH伝送の電力制御パラメータは、スケジューリング情報におけるSRIフィールドを使用して、SRI値と電力制御パラメータとの間の関連付け関係を調べることによって、取得されることができる。
【0037】
いくつかの実施形態において、基地局は、PUCCHの少なくとも1つの空間関係を構成し、空間関係と電力制御パラメータとの間の関連付け関係を構成する。例えば、j=0、k=1、l=0は、空間関係1に関して構成され、j=1、k=1、l=0は、空間関係2に関して構成される。基地局は、MAC CEを通して空間関係をアクティブにし得る。PUCCH伝送は、現在アクティブにされている空間関係を使用し、空間関係と電力制御パラメータとの間の関係をチェックすることによって、PUCCH伝送の電力制御パラメータを取得する。さらに、空間関係は、アップリンク参照信号および/またはダウンリンク参照信号によって示され得る。
【0038】
参照信号指示は、参照信号リソース指示である。例えば、参照信号は、以下のうちの少なくとも1つを含む:SRS(サウンディング参照)、CSI-RS(チャネルステータス情報参照信号)、SSB(同期化信号ブロック)。SSBは、SS/PBCHブロックも指し、SS/PBCHブロックは、PBCHのためのPSS、SSS、PBCH、およびDM-RSから成る。
【0039】
上記閉ループ電力制御パラメータは、閉ループ電力制御の数を指す。例えば、閉ループ電力制御の数が、2である場合、l=0およびl=1の2つの閉ループ電力制御プロセスが、サポートされる。閉ループ電力制御プロセスは、閉ループ電力制御インデックスとして示され、閉ループ電力制御ループまたは閉ループ電力制御として書かれることもできる。
【0040】
各上流伝送は、具体的閉ループ電力制御インデックスを有する。
基地局は、履歴アップリンク伝送の測定結果と標的との間の差異に従って、UEによって調節される必要がある電力オフセットを決定し、DCIにおいてPUSCHおよびPUCCHのための電力制御コマンド(例えば、伝送電力制御(TPC)コマンド)を伝送することによって、UEに通知する。UEは、各閉ループ電力制御識別子に関して、ローカル電力調節量f(l)を維持し、TPCコマンドに従って更新し、閉ループ制御電力の目的を達成する。
【0041】
いくつかの既存の実装において、UE側の複数のビームが、同時伝送のためにサポートされる。
図2に示されるように、UEは、2つのパネルを含み、異なるパネルからの2つのビームが、基地局の1つのビームと通信する。UEの2つの同時に伝送されるビームは、DCIにおけるSRIフィールドの値によって説明され、電力制御パラメータの組に対応する。換言すると、基地局は、同時に伝送される複数のビームに関して1つのPL-RSを構成する。UEは、そのPL-RSを測定し、同時に、伝送される複数のビームが、PL-RSを測定することができ、複数のPL結果が、取得されることができる。UE実装は、PLが複数のPLから導出される方法を決定し得る。UEは、同時に伝送される複数のビームに関する伝送電力値を計算し、ビームまたはポートに従って電力を分割する。
【0042】
現在および将来の実装において、基地局側は、マルチTRP(伝送機・受信機ポイント)構成を実装する必要がある。各TRPは、少なくとも1つのパネルを含むことができる。例示的展開において、TRPの地理的場所は、遠く離れ得る。したがって、マルチTRPシナリオにおいて、各TRPによって遭遇されるチャネル環境は、異種であり得る。
【0043】
図3に示されるように、2つのTRPが、基地局によって構成されるとき、異なるTRPが、異なる場所にあるので、異なる干渉が、受信され、異なる伝送電力要件が、それぞれのリンクに関して要求される。典型的シナリオにおいて、各TRPは、対応する一次伝送ビームを有する。したがって、基地局は異なるビームのために異なる電力要件を有し得ると言え得る。
【0044】
(マルチビーム電力制御機構の実施形態)
【0045】
開示される技術は、下で説明される種々の実装を提供し、異なるビームリンクが等しくない様式で電力を使用することを可能にする。
【0046】
実施形態1は、共有開ループ電力制御パラメータ、閉ループ電力制御パラメータ、PL-RSパラメータ、TPCコマンド、およびビームリンク電力配分パラメータを含む。
【0047】
いくつかの実施形態において、UEは、同時にUEによって伝送される複数のビームリンクのために、開ループ電力制御パラメータ、PL-RSパラメータ、および閉ループ電力制御パラメータを含む電力制御パラメータの組を決定し、複数のビームリンクの総伝送電力を調節するためのTPCコマンドを受信する。UEは、基地局からも電力配分パラメータを受信し、総伝送電力を配分するときに同時に伝送される複数のビームリンクの電力配分パラメータを決定する。
【0048】
いくつかの実施形態において、電力配分パラメータは、電力配分比および/または電力配分差を含む。電力配分比は、複数の同時に伝送されるビームリンクの総伝送電力の比である(配電比は、電力線形値の分配比を指す)。電力配分差は、同時に伝送される複数のビームリンクによって分割される電力間の差である。
【0049】
例えば、2つの同時に伝送されるビームリンクに関して、電力配分比は、x:yであり、xおよびyは、正の数である。3つの同時に伝送されるビームリンクに関して、電力配分比は、x:y:zであり、x、y、およびzは、正の数である。インデックス化されたテーブル実装を使用して、複数の事前定義された比のうちの1つを示すことも可能である。
【0050】
ある例において、2つの同時に伝送されるビームリンクに関して、電力配分差は、aデシベル(dB)である。したがって、第1のビームリンクと第2のビームリンクとの間の最終電力差は、a dBであり、aは、実数である。別の例において、3つの同時に伝送されるビームリンクに関して、配電差は、a dBおよびb dBであり、aおよびbは、実数である。次いで、第1のビームリンクと第2のビームリンクとの間の差は、a dBであり、第2のビームリンクと第3のビームリンクとの間の差は、b dBである。
【0051】
方法は、従来的電力制御機構に基づく受信側上の干渉を反映することができる。以下の例は、開示される技術の実施形態に基づく電力制御機構によって制御されている干渉の一般的概念の例証である:
【0052】
○電力ビーム配分比は、重い干渉を伴うTRPに対応する伝送ビームリンクに関して増加させられ、電力ビーム分配比は、より少ない干渉を伴うTRPに対応する伝送ビームリンクに関して低減させられる。
【0053】
○マルチセル干渉調整シナリオにおいて、基地局は、いくつかのビームリンクの伝送電力を低減させ、他のユーザへの干渉を軽減する。
【0054】
○UEは、2つのビームを使用し、アップリンク伝送を伝送し、基地局は、2つのビームに関して電力制御パラメータの組を構成し、共通TPCコマンドを使用することによって閉ループ電力制御調節を実施する。
【0055】
いくつかの実施形態において、UEは、基地局およびTPCコマンドによって構成される電力制御パラメータの組を使用することによって、2つのビームリンクの総伝送電力を計算し得る。基地局も、UEのための電力配分パラメータを構成または示し、電力配分パラメータは、事前定義された比を示す。
【0056】
事前定義された比は、下記の例示的表に示される。次いで、電力配分パラメータは、整数インデックスによって、それらのうちの1つを示す。
【表1】
【0057】
電力配分パラメータ数が、2である場合、それは、2つのビームが1:3の比に従って総伝送電力に分割されることを意味する。電力配分パラメータは、電力配分差でもあり得る。差が3dBであると仮定して、第1のビームリンクの伝送電力と第2のビームリンクの伝送電力との間の差は、3dBである。
【0058】
第1、第2、および第3のビームリンク等の同時に伝送される複数のビームリンクは、以下の方法のうちの1つに従って決定され得る:複数のビームリンクに対応するSRI(SRSリソースインジケータ)、および、複数のビームリンクに対応する複数のビームリンク。参照信号リソースの数および空間関係番号は、複数のビームリンクに対応する。
【0059】
・複数のビームリンクに対応するSRIは、複数のビームリンクの伝送のULグラント情報を同時に含むDCIにおけるSRIフィールド(2つ以上のSRI値を含む)を指す。
【0060】
・複数のビームリンクに対応する空間関係は、同時に送信される複数のビームリンクが空間関係によって示されることを意味する。
【0061】
前述の電力配分指示は、以下の方法のうちの少なくとも1つによってUEに通知され得る:上位層シグナリング(例えば、RRCシグナリング)、MAC CEシグナリング、および物理層シグナリング。
【0062】
実施形態2は、共有開ループ電力制御パラメータ、閉ループ電力制御パラメータ、PL-RSパラメータ、TPCコマンド、および独立ビームリンク電力配分パラメータを含む。
【0063】
いくつかの実施形態において、開ループ電力制御パラメータ、閉ループ電力制御パラメータ、PL-RSパラメータ、およびTPCコマンドは、実施形態1との関連で説明されるものと同じであるが、ビームリンクの電力調節パラメータは、各ビームリンクのために別個に構成される。ある例において、ビームリンクの電力調節パラメータは、3dB等の電力偏差の量である。別の例において、ビームリンクの電力調節パラメータは、事前定義された電力調節量における指示のうちの1つである。
【0064】
前述の電力制御調節パラメータは、以下の方法のうちの少なくとも1つによってUEに通知され得る:上位層シグナリング、MAC CEシグナリング、および物理層シグナリング。上位層シグナリングは、RRCシグナリングであり得る。
【0065】
例えば、UEは、2つのビームを使用し、アップリンク伝送を送信する。基地局は、2つのビームに関して電力制御パラメータの組を構成し、共通TPCコマンドを使用し、閉ループ電力制御調節を実施する。UEは、基地局によって構成された電力制御パラメータの組とTPCコマンドとを使用することによって、複数のビームリンクの総伝送電力Psum0を計算する。総伝送電力は、最大伝送電力を超えない。
【0066】
いくつかの実施形態において、総伝送電力は、複数のビームリンクに等しく分配され、次いで、電力調節パラメータによって示される電力調節は、2つのビームリンクにそれぞれ実施される。例えば、第1のビームリンクの伝送電力は、3dB増加させられ、第2のビームリンクの伝送電力は、2dB減少させられる。
【0067】
調節された複数のビームリンクの伝送電力の総和が最大伝送電力を上回らないとき、伝送は、各ビームリンクの調節された伝送電力を使用することによって実施される。
【0068】
調節された複数のビームリンクの伝送電力の総和が最大伝送電力を上回るとき、以下の動作が、複数のビームリンクの伝送電力の総和が最大伝送電力を上回らないことを確実にするために実施される。
【0069】
ステップ1:調節前の総伝送電力Psum0が、各ビームリンクに等しく分配され、各ビームリンクの伝送電力Pbeam0(z)が、取得され、zは、ビームリンクの数(またはインデックス)である。
【0070】
ステップ2:各ビームリンクの伝送電力Pbeam1(z)が、各ビームリンクの伝送電力Pbeam0(z)にそれぞれの電力調節量を加算することによって取得される。
【0071】
ステップ3:それぞれのビームリンクの伝送電力Pbeam1(z)の総和が最大電力を超えるとき、各ビームリンクの電力Pbeam1(z)は、各ビームリンクPbeam2の電力であるように、Pbeam2(z)を取得するために比例的に低減させられ、(z)の総和電力は、最大伝送電力に等しく;そうでなければ、各ビームリンクの電力Pbeam2(z)は、各ビームリンクの電力Pbeam1(z)に等しい。
【0072】
最後に、各ビームリンクの電力は、Pbeam2(z)である。
【0073】
例えば、2つのビームリンクのシナリオに関して、UEが、基地局によって構成される電力制御パラメータおよびTPCコマンドを使用し、2つのビームリンクに関して要求される電力を25dBmであると計算し、最大伝送電力が、23dBmであるとき、2つのビームリンクの合計は、2つのうちの小さい方の伝送電力、すなわち、23dBmである。したがって、Psum0=23dBmである。Psum0が2つのビームリンクに等しく分配された後、各ビームリンクの伝送電力Pbeam0(z)は、20dBmである(ステップ1)。基地局が、UEの第1のビームリンク電力調節量が+3dBであり、第2のビームリンク電力調節量が-2dBであることを示すと仮定して、第1のビームリンクの調節された伝送電力Pbeam1(z=1)は、23dBmであり、第2のビームリンクは、アイスコーンPbeam1(z=2)18dBmを伝送する(ステップ2)。
【0074】
Pbeam1(z=1)およびPbeam1(z=2)の総和が、23dBmを超えるので、それは、等しい低減のために線形電力値に変換され、総和および電力は、23dBmである。23dBmの線形値は、約200mWであり、18dBmの線形値は、約63.0957mWであり、2つの総和は、約263.0957mWである。23dBmの線形値は、約200mWである。したがって、比例低減のための倍率は、200/263.0957である。それは、-1.2dBのdB値に変換されることもできる。したがって、第1のビームリンクの伝送電力Pbeam2(z=1)は、23dBm-1.2dBm=21.8dBmであり、第2のビームリンクの伝送電力Pbeam2(z=2)は、18dBm-1.2dBm=16.8dBmである。
【0075】
実施形態3は、共有開ループ電力制御パラメータ、閉ループ電力制御パラメータ、およびPL-RSパラメータ、および独立TPCコマンドを含む。
【0076】
いくつかの実施形態において、UEは、UEによって同時に伝送される複数のビームリンクに関する電力制御パラメータ(開ループ電力制御パラメータ、PL-RSパラメータ、および閉ループ電力制御パラメータを含む)の組を決定する。基地局は、複数のTPCコマンドを別個に送信し、それらの各々は、複数のビームリンクの伝送電力を調節するための各ビームリンクのためである。
【0077】
従来のDCIにおいて、1つのみのTPCコマンドが、各UEのために送信される。開示される技術は、TPCコマンドを複数のビームリンクに拡張する方法を提案する。
【0078】
例えば、UEは、N個のTPCコマンドをDCIに含み、DCIは、N個の同時に伝送されるビームリンクに対応し、Nは、2以上の整数である。N個のTPCコマンドは、N個のビームリンクのTPCコマンドに対応するが、それらは、閉ループ電力制御番号がl=0であると仮定すると、1つの閉ループ電力制御にのみ対応する。lが別の値であることも可能である。
【0079】
閉ループ電力制御モードが累積的閉ループ電力制御であるとき、伝送電力は、共有開ループ、PL-RS、および前の伝送更新のローカル閉ループ電力制御調節量f(i-1,l=0)(iは、伝送の番号である)を使用することによって計算される。
【0080】
閉ループ電力制御モードが絶対的閉ループ電力制御であるとき、伝送電力は、上記の共有開ループ、PL-RS、および、0であるべきローカル閉ループ電力制御調節量を使用することによって、計算される。
【0081】
次いで、実施形態2との関連で説明される方法を使用して、「ビームリンク電力調節パラメータ」は、実施形態3のビームリンクのTPCコマンドと置換され、異なるビームリンクの伝送電力が、取得されることができる。
【0082】
最後に、閉ループ電力制御モードが累積的閉ループ電力制御であるとき、現在の伝送のローカル閉ループ電力制御調節量f(i,l=0)は、以下の方法のうちの1つによって更新される。
【0083】
・f(i,l=0)=f(i-1,l=0)+N個のビームリンクのTPCコマンドの総和
【0084】
・f(i,l=0)=f(i-1,l=0)+N個のビームリンクのTPCコマンドの最小値
【0085】
・f(i,l=0)=f(i-1,l=0)+N個のビームリンクのTPCコマンドの最大値
【0086】
いくつかの実施形態において、最後の伝送のスケジュールされた伝送時間とこの伝送のスケジューリング時間との間にマルチキャストTPCコマンドが存在する場合、TPCコマンドは、対応する閉ループ電力制御番号に追加されるべきである。
【0087】
実施形態4は、共有開ループおよびPL-RSパラメータ、および独立閉ループパラメータおよびTPCコマンドを含む。
【0088】
いくつかの実施形態において、UEは、UEによって同時に伝送される複数のビームリンクに関して、開ループ電力制御パラメータおよびPL-RSパラメータを含む電力制御パラメータの組を決定する。UEは、各ビームリンクのための閉ループ電力制御パラメータを決定し、複数のビームリンクの伝送電力を調節するためのTPCコマンドを受信する。UEは、各ビームリンクのTPCコマンドおよび各リンクの閉ループ電力制御番号に対応するローカル閉ループ電力制御調節量に従って、現在の伝送の各ビームリンクのローカル閉ループ電力制御調節量を更新する。
【0089】
各ビームリンクの伝送電力は、構成された開ループ電力制御パラメータ、PL-RSパラメータ、および各ビーム自身のローカル閉ループ電力制御調節を使用することによって、各ビームリンクのために計算される。全てのビームリンクの伝送電力の総和が最大伝送電力を超えるとき、各ビームリンクの伝送電力は、最終的な複数のビームリンクの伝送電力の総和が伝送電力を上回らないように、比例的に低減させられる。
【0090】
実施形態5は、共有PL-RSおよび閉ループパラメータ、および独立開ループパラメータおよびTPCコマンドを含む。
【0091】
いくつかの実施形態において、UEは、UEによって同時に伝送される複数のビームリンクに関する電力制御パラメータ(閉ループ電力制御パラメータおよびPL-RSパラメータを含む)の組を決定する。基地局は、それらの各々が各ビームリンクのためである開ループ電力制御パラメータを構成し、複数のビームリンクの伝送電力を調節するためのTPCコマンドをUEに送信しする。
【0092】
いくつかの実施形態において、複数のTPCコマンドと1つの閉ループとの間の対応は、実施形態3のそれに類似する。DCIにおけるUEは、N個のTPCコマンドを含み、それらは、N個の同時に伝送されるビームリンクにそれぞれ対応し、Nは、2以上の整数である。
【0093】
閉ループ電力制御モードが累積的閉ループ電力制御であるとき、伝送電力は、共有PL-RS、および前の伝送更新のローカル閉ループ電力制御調節量f(i-1,l=0)(iは、伝送の番号である)を使用することによって、計算される。
【0094】
閉ループ電力制御モードが絶対的閉ループ電力制御であるとき、伝送電力は、上記の共有開ループ、PL-RS、および0であるべきローカル電力制御調節量を使用することによって、計算される。
【0095】
UEは、構成された開ループ電力制御パラメータ、各ビーム自身のローカル閉ループ電力制御調節、および共有PL-RSを使用することによって、各ビームリンクのために各ビームの伝送電力を計算する。全てのビームリンクの伝送電力の総和が最大伝送電力を超えるとき、各ビームリンクの伝送電力は、最終的な複数のビームリンクの伝送電力の総和が伝送電力を上回らないように、比例的に低減させられる。最後に、閉ループ電力制御モードが累積的閉ループ電力制御であるとき、以下の方法のうちの1つによって、この伝送のローカル閉ループ電力制御調節量f(i,l=0)を更新する。
【0096】
・f(i,l=0)=f(i-1,l=0)+N個のビームリンクのTPCコマンドの総和
【0097】
・f(i,l=0)=f(i-1,l=0)+N個のビームリンクのTPCコマンドの最小値
【0098】
・f(i,l=0)=f(i-1,l=0)+N個のビームリンクのTPCコマンド内の最大値
【0099】
実施形態6は、共有PL-RSパラメータ、および独立開ループパラメータ、閉ループパラメータ、およびTPCコマンドを含む。
【0100】
いくつかの実施形態において、UEは、UEによって同時に伝送される複数のビームリンクに関する電力制御パラメータ(PL-RSパラメータを含む)の組を決定する。基地局は、各ビームリンクのために開ループ電力制御パラメータおよび閉ループ電力制御パラメータを構成し、複数のビームリンクの伝送電力を調節するためのTPCコマンドを送信する。UEは、各ビームリンクのTPCコマンドと各リンクの閉ループ電力制御番号に対応するローカル閉ループ電力制御調節量に従って、現在の伝送の各ビームリンクのローカル閉ループ電力制御調節量を更新する。
【0101】
各ビームリンクの伝送電力は、構成された開ループ電力制御パラメータ、各ビーム自身のローカル閉ループ電力制御調節、および共有PL-RSパラメータを使用して、各ビームリンクのために計算される。全てのビームリンクの伝送電力の総和が最大伝送電力を超えるとき、各ビームリンクの伝送電力は、最終的な複数のビームリンクの伝送電力の総和が伝送電力を上回らないように、比例的に低減させられる。
【0102】
実施形態7は、共有閉ループパラメータおよびTPCコマンド、および独立開ループおよびPL-RSパラメータを含む。
【0103】
いくつかの実施形態において、UEは、UEによって同時に伝送される複数のビームリンクに関して閉ループ電力制御を決定し、複数のビームリンクの伝送電力を調節するためのTPCコマンドを受信する。UEは、各ビームリンクのために開ループ電力制御パラメータおよびPL-RSパラメータを決定する。
【0104】
閉ループ電力制御番号は、l=0に固定され得るか、または、それは、複数のリンクの共通パラメータとして基地局によって構成され、またはUEに示され得る。UEは、共有TPCコマンドおよび共有閉ループ電力制御番号に対応するローカル閉ループ電力制御調節量に従って、現在の伝送の各ビームリンクによって共有されるローカル閉ループ電力制御調節量を更新する。
【0105】
各ビームの伝送電力は、それ自身の開ループ電力制御パラメータ、PL-RSパラメータ、および各ビーム自身のローカル閉ループ電力制御調節を用いて、各ビームリンクのために計算される。全てのビームリンクの伝送電力の総和が最大伝送電力を超えるとき、各ビームリンクの伝送電力は、最終的な複数のビームリンクの伝送電力の総和が伝送電力を上回らないように、比例的に低減させられる。
【0106】
実施形態8は、共有PL-RSパラメータ、閉ループパラメータ、およびTPCコマンド、および独立開ループパラメータを含む。
【0107】
いくつかの実施形態において、UEは、各ビームリンクのために開ループ電力制御パラメータを決定する。UEは、UEによって同時に伝送される複数のビームリンクに関する電力制御パラメータ(PL-RSパラメータ、閉ループ電力制御パラメータを含む)の組を決定し、TPCコマンドを受信し、複数のビームリンクの伝送電力を調節する。UEは、TPCコマンドを使用することによって、共有ローカル閉ループ電力制御調節量を更新する。
【0108】
UEは、共有PL-RS、共有ローカル閉ループ電力調節量、および各ビームリンクの独自の開ループ電力制御パラメータを使用することによって、各リンクの伝送電力を計算する。全てのビームリンクの伝送電力の総和が最大伝送電力を超えるとき、各ビームリンクの伝送電力は、複数のビームリンクの伝送電力の総和が伝送電力を上回らないように、比例的に低減させられる。
【0109】
異なる開ループ電力制御パラメータが異なるビームリンクに関して構成されるとき、RRCシグナリング構成等の上位層シグナリングが、使用されることができる。
【0110】
異なるビームリンクの柔軟な電力制御をより柔軟に実装するために、開ループ電力制御パラメータも、MAC CEまたは物理層シグナリングを使用して送信されることができる。換言すると、MAC CEまたは物理層シグナリングは、異なるビームリンクの開ループ電力制御パラメータを示すために使用されることができる。MAC CEおよび物理層シグナリングは、合同で異なるビームリンクの開ループ電力制御パラメータを決定することもできる。
【0111】
上記MAC CEおよび物理層シグナリングは、開ループ電力制御パラメータがP0およびαの値を直接示し得ること、または、開ループ電力制御パラメータがP0およびαを含むRRC構成開ループ電力制御パラメータの複数の組のうちの1つを示し得ることを示し得る。
【0112】
実施形態9は、独立開ループパラメータ、閉ループパラメータ、PL-RSパラメータ、およびTPCコマンドを含む。
【0113】
いくつかの実施形態において、UEは、各ビームリンクのために、開ループ電力制御パラメータ、閉ループ電力制御パラメータ、およびPL-RSパラメータを決定し、複数のビームリンクの伝送電力を調節するためのTPCコマンドをそれぞれ受信する。
【0114】
アップリンク伝送をスケジュールするときに基地局によって示されるビームリンクの数は、2以上であり、各ビームリンクは、1つの伝送ビームに対応し、ビームリンクの電力制御パラメータが、決定されることができる。
【0115】
基地局によってUEに送信されるTPCコマンドの数は、アップリンクによって伝送されるビームリンクの数と同じである。DCIにおいて、複数のTPCコマンドは、それぞれ、複数のビームリンクと1対1の対応にある。
【0116】
UEは、各ビームリンクのTPCコマンドおよび各リンクの閉ループ電力制御番号に対応するローカル閉ループ電力制御調節量に従って、現在の伝送の各ビームリンクのローカル閉ループ電力制御調節量を更新する。
【0117】
各ビームリンクの伝送電力は、それ自身の開ループ電力制御パラメータ、PL-RSパラメータ、およびそれぞれのローカル閉ループ電力制御調節を用いて、各ビームリンクのために計算される。全てのビームリンクの伝送電力の総和が最大伝送電力を超えるとき、各ビームリンクの伝送電力は、最終的な複数のビームリンクの伝送電力の総和が伝送電力を上回らないように、比例的に低減させられる。
【0118】
(独立電力制御実施形態に関する実装)
【0119】
いくつかの実施形態において、複数のリンクが独立電力制御パラメータを使用するかどうかを区別するために、RRCが、複合ビームSRI構成または上で述べられる電力制御パラメータのために使用される。
【0120】
例えば、RRCが複合ビームSRIのための電力制御パラメータの組を構成する場合、それは、複合ビームSRIが従来の様式でマルチビームリンクによって共有される電力制御パラメータの組を構成することを示し;RRCが複合SRIのための電力制御パラメータを構成しない場合、独立電力制御パラメータとして、複合SRIにおける単一のSRSリソースに対応するSRI電力制御パラメータを使用する。
【0121】
いくつかの実施形態において、MAC CEまたはDCI情報を使用し、複数のリンクが独立電力制御を使用するかどうかを明示的に示す。
【0122】
例えば、RRCは、複合ビームSRIのための電力制御パラメータの組を構成するが、それは、MAC CEまたはDCI情報を使用し、複合ビームのSRIが電力制御パラメータの組を使用するかどうか、または、その中に含まれる各SRSビームに対応するSRI電力制御を使用すべきかどうかを示すことができる。
【0123】
いくつかの実施形態において、独立閉ループに対応する複数のTPCコマンドが、以下の方法のうちの1つによって実装される:
【0124】
・ダウンリンクDCIは、複数のビームリンク上で送信されるが、DCIコンテンツは、同じ(全ての複数のTPCコマンドを含む)である。DCIに含まれるTPCコマンドの数は、UEによってサポートされる閉ループ電力制御の最大数と同じである。
【0125】
・ダウンリンクも、アップリンクのように独立リンクである。DCIは、1つのTPCコマンドのみを含む必要がある。異なるビームリンクが、異なるTPCコマンドを送信する。UEは、それぞれのビームの伝送のために異なるビームから受信されるDCIのTPCコマンドを区別する必要がある。
【0126】
(最大電力限界を超えるときの例示的実施形態)
【0127】
上記の実施形態との関連で、同時に伝送される複数のビームリンクのそれぞれの電力の総和が最大伝送電力限界を超える場合、以下の因子または方法のうちの1つが、この問題を軽減するとき、考慮されなければならない:
【0128】
A)伝送電力要件に従って、各ビームリンクの電力配分を決定する。
【0129】
いくつかの実施形態において、比較的に低い伝送電力要件を伴うビームリンクの伝送が、優先され得る。例えば、異なる要求電力を伴う2つのビームリンクが存在する。2つのビームリンクの要求電力に従って伝送することが十分ではないとき、高需要電力を伴うビームリンクの伝送電力が、有意な程度ではないが最初に低減させられる。低い電力要件を伴うビームリンクの伝送電力は、2つのビームリンクの伝送電力の総和が最大伝送電力を上回らなくなるまで伝送される。より高い要求電力が、より低い要求電力と同一まで降下し、伝送電力の総和が最大伝送電力を依然として上回るとき、比は、2つのビームリンクの伝送電力の総和が最大伝送電力を上回らなくなるまで低減させられる。
【0130】
B)各ビームのPLに従って、各ビームリンクの電力配分を決定する。
【0131】
いくつかの実施形態において、PLが小規模ビームリンクを経由して伝送されることを確実にすることが、優先され得る。例えば、異なるビームリンクが異なるPL値を有するとき、電力低減は、低減量がPLの差をオフセットするまで、または、異なるビームリンクの伝送電力の総和が最大伝送電力を上回らなくなるまで、より大きいPL値を伴うビームリンクから開始される。低減の量がPLの差に到達するが、異なるビームリンクの伝送電力の総和が最大伝送電力を依然として上回るとき、比は、2つのビームリンクの伝送電力の総和が最大伝送電力を上回らなくなるまで低減させられる。
【0132】
いくつかの実施形態において、伝送電力は、PL値と比例的に低減させられる。例えば、PL値が大きくなるほど、電力低減が大きくなり、PL電力の電力値が小さくなるほど、電力低減が小さくなる。
【0133】
C)各ビームリンクのTPCコマンドに従って、各ビームリンクの電力配分を決定する。
【0134】
いくつかの実施形態において、各ビームリンクのTPCコマンドが、解決されることができる場合、より低いTPCコマンド値を伴うビームリンクが、電力低減を優先的に実施し、TPCコマンド値間の差は、せいぜい、それぞれのビームリンクの伝送電力の総和が満たされないとき、低減させられる。最大伝送電力が上回るとき、各リンクの伝送電力は、それぞれのビームリンクの伝送電力の総和が最大伝送電力を上回らなくなるまで比例的に低減させられる。
【0135】
D)構成された開ループ電力制御パラメータに従って、各ビームリンクの電力配分を決定する。
【0136】
いくつかの実施形態において、各ビームリンクのP0値が異なる場合、より小さいP0を伴うビームリンクが、優先的に電力低減を実施し、最大でも、P0の電力差が、低減させられる。それぞれのビームリンクの伝送電力の総和が満たされないとき、総和は、最大伝送電力を上回らない。各リンクの伝送電力は、それぞれのビームリンクの伝送電力の総和が最大伝送電力を上回らなくなるまで比例的に低減させられる。
【0137】
いくつかの実施形態において、それぞれのビームリンクのα値が異なる場合、より小さいαを伴うビームリンクが、それぞれのビームリンクの伝送電力の総和が最大伝送電力を上回らなくなるまで優先的に電力削減される。
【0138】
E)構成された閉ループ電力制御パラメータに従って、各ビームリンクの電力配分を決定する。
【0139】
いくつかの実施形態において、それぞれのビームリンクの閉ループ電力制御番号が異なる場合、より大きい閉ループ電力制御番号を伴うビームリンクが、それぞれのビームリンクの伝送電力の総和が最大伝送電力を上回らなくなるまで優先的に電力低減を実施する。
【0140】
F)ビームリンク番号に従って、各ビームリンクの電力配分を決定する。
【0141】
いくつかの実施形態において、ビームリンク番号は、より大きく、電力は、それぞれのビームリンクの伝送電力の総和が最大伝送電力を上回らなくなるまで優先的に削減される。
【0142】
G)アップリンク伝送のサービスタイプに従って、各ビームリンクの電力配分を決定する。
【0143】
いくつかの実施形態において、各ビームリンクのアップリンク伝送のサービスタイプが異なる場合、より低い優先順位を伴うサービスタイプのビームリンクが、それぞれのビームリンクの伝送電力の総和が最大伝送電力を上回らなくなるまで優先的に電力低減を実施する。
【0144】
H)アップリンク伝送の変調コーディング方式(MCS)に従って、各ビームリンクの電力配分を決定する。
【0145】
いくつかの実施形態において、各ビームリンクのアップリンク伝送の変調コーティング順が異なる場合、高い変調コーティング順を伴うビームリンクが、それぞれのビームリンクの伝送電力の総和が最大伝送電力を上回らなくなるまで電力低減のために優先される。
【0146】
I)アップリンク伝送の帯域幅に従って、各ビームリンクの電力配分を決定する。
【0147】
いくつかの実施形態において、各ビームリンクのアップリンク伝送の伝送帯域幅が異なる場合、大きい伝送帯域幅を伴うビームリンクが、それぞれのビームリンクの伝送電力の総和が最大伝送電力を上回らなくなるまで優先的に電力低減を実施する。
【0148】
上記の例において、上記電力調節標的は、ビームリンクであり、上記電力調節標的は、以下のうちの1つでもあり得る:ビーム、ビーム群、パネル、パネル群、空間関係、および空間関係群。
【0149】
いくつかの実施形態において、上記の電力調節オプションのうちの2つ以上のものが、開示される技術の実施形態1-9を使用するときに適用され得る。例えば、複数のパネルが、同時に伝送されるとき、上記方法のうちの1つによって、各パネルの電力調節を実施することが必要であり得る。
【0150】
いくつかの実施形態において、使用され得る実施形態1-9のいずれかは、以下の要因のうちの少なくとも1つに基づき得る。
【0151】
・伝送方法;例えば、コードブックベースではない伝送が、上記の方法1-9のうちの1つを使用する;コードブックベースの伝送が、従来的電力制御方法を使用する。
【0152】
・層の数;例えば、層の数が1より大きいとき、上記のモード1-9のうちの1つが適用されることが決定される;層の数が1に等しいとき、従来の電力制御モードが、使用される。
【0153】
いくつかの実施形態において、TRPの理想的な帰還能力が、考慮される。ある例において、理想的なバックホールをサポートするとき、電力配分比が、物理層シグナリングおよび/またはMAC CEによって搬送される。別の例において、理想的ではないバックホールがサポートされるとき、電力配分比が、RRCシグナリング等の上位層シグナリングによって構成される。さらに別の例において、理想的なバックホールをサポートするとき、電力調節パラメータが、物理層シグナリングおよび/またはMAC CEによって搬送される。さらに別の例において、理想的ではないバックホールがサポートされるとき、電力調節パラメータが、RRCシグナリング等の上位層シグナリングによって構成される。
【0154】
(ビーム回復機構の実施形態)
【0155】
開示される技術の実施形態は、ビーム回復後にも使用され得、PUCCH伝送のビームが変化されるべきと考えられるとき、PUCCH伝送のための閉ループ電力制御は、初期化されるべきである。既存の実装は、PUCCHまたはPUSCH伝送の場合、この初期化を考慮しない。
【0156】
本書に説明される例および方法において、アウトバウンドチャネル伝送の閉ループ電力制御を初期化することは、アウトバウンドチャネル伝送インデックスを再設定することと、閉ループ電力制御値を割り当てることとを含む。
【0157】
いくつかの実施形態において、ビーム回復成功後、アウトバウンドチャネル伝送(「アウトバウンドチャネル」とも称される)の閉ループ電力制御が、以下の値のうちの1つに初期化される:{ゼロ、ランプアップ電力、TPC電力オフセット、ランプアップ電力およびTPC電力オフセットの総和}。ここで、ランプアップ電力は、最初から最後のランダムアクセスプリアンブルまで、上位層によって要求される総電力ランプアップに対応する。ある例において、アウトバウンドチャネル伝送は、PUCCH、PUSCH、またはSRS伝送を含む。
【0158】
図4は、アウトバウンドチャネルの例を示し、アウトバウンドチャネルは、PUCCH伝送である。図において示されるように、ビーム回復要求である複数のMsg1を伝送した後、UEが、recoverySearchSpaceIdによって提供されるサーチスペースセットにおけるDCI形式1_0またはDCI形式1_1を検出し、ビーム回復が、成功したと仮定される。
【0159】
いくつかの実施形態において、以下の方式のうちの1つが、ビーム回復成功を決定するために使用されることができる:
【0160】
○UEは、recoverySearchSpaceIdによって提供されるサーチスペースセットにおけるセル無線ネットワーク一時識別子(C-RNTI)またはMCS-C-RNTIによってスクランブルされた巡回冗長検査(CRC)を用いてDCI形式を検出する。これは、
図4のビーム回復1の終了として示される。
【0161】
○UEがC-RNTIまたはMCS-C-RNTIによってスクランブルされたCRCを用いてDCI形式を検出するrecoverySearchSpaceIdによって提供されるサーチスペースセットにおける最初のPDCCH受信の最後のシンボルからK個のシンボルの後(Kは、負ではない数である)。これは、
図4のビーム回復2の終了として示される。
【0162】
○リンク回復確認情報を検出すること。それは、第1のタイプの無線ネットワーク一時識別子によってスクランブルされた巡回冗長検査(CRC)を伴うダウンリンク制御インジケータである。リンク回復確認情報を検出することは、ビーム回復が成功したと決定することとも見なされ得る。
【0163】
いくつかの実施形態において、ビーム回復成功後、PUCCHの閉ループ電力制御が、初期化され、以下の方式のうちの1つが、PUCCHの閉ループ電力制御を初期化するために使用されるべきPUCCH伝送を決定するために使用される。ある例において、アウトバウンドチャネルは、決定されたPUCCH伝送とも呼ばれる
図4のPUCCH_0によって示されるようなビーム回復成功後の最初のアウトバウンドチャネルである。別の例において、アウトバウンドチャネルは、
図4のPUCCH_1によって示されるようなビーム回復成功後のDCI形式1_0またはDCI形式1_1のうちの最初のもの(決定されたPUCCH伝送とも呼ばれる)の検出に応答する。
【0164】
いくつかの実施形態において、決定されたPUCCH伝送に関して、それがDCI形式1_0またはDCI形式1_1の検出に応答する場合、PUCCHの閉鎖ループは、以下の値のうちの1つとして初期化される:0、ランプアップ電力、TPC電力オフセット、ランプアップ電力およびTPC電力オフセットの総和。TPC電力オフセットは、DCI形式1_0またはDCI形式1_1からのTPCコマンド値である。
【0165】
いくつかの実施形態において、決定されたPUCCH伝送に関して、それがDCI形式1_0またはDCI形式1_1の検出に応答しない場合、アウトバウンドチャネルの閉ループ電力制御は、以下の値のうちの1つに初期化される:0、ランプアップ電力。
【0166】
図5に示されるように、ビーム回復が、DCI形式0_0または0_1に基づいて決定され、PUSCH_0が、ConfiguredGrantConfigによって構成され、PUSCH_1が、DCI形式0_0またはDCI形式0_1によってスケジュールされる。決定されたPUSCH伝送は、ビーム回復成功後の最初のPUSCH伝送が仮定される場合、PUSCH_0であり、決定されたPUSCHは、ビーム回復成功が仮定された後にPUSCHが最初のDCI形式0_0またはDCI形式0_1によってスケジュールされる場合、PUSCH_1である。ある例において、決定されたPUSCH伝送に関して、それがDCI形式0_0またはDCI形式0_1によってスケジュールされている場合、PUSCHのための閉ループ電力制御は、0、ランプアップ電力、TPC電力オフセット、ランプアップ電力およびTPC電力オフセットの総和である。TPC電力オフセットは、DCI形式0_0またはDCI形式0_1からのTPCコマンド値である。別の例において、ConfiguredGrantConfigによって構成される決定されたPUSCH伝送に関して、次いで、閉ループは、以下の値のうちの1つに初期化される:0、ランプアップ電力。
【0167】
いくつかの実施形態において、TPC電力オフセットは、1つのDCI信号からの1つのTPCコマンド値、または複数のDCI信号からの複数のTPCコマンド値の総和である。TPC電力オフセットは、ある期間内の複数のDCI信号からの複数のTPCコマンド値の総和であり、DCIの形式は、アウトバウンドチャネルに対応する。
【0168】
いくつかの実施形態において、アウトバウンドチャネルが、PUCCHまたはPUCCH伝送であるとき、DCI形式は、以下のうちの少なくとも1つを備えている:TPC-PUSCH-RNTIによってスクランブルされたCRCを伴うDCI形式1_0、DCI形式1_1、DCI形式2_2。例えば、DCI形式は、DCI形式1_0およびDCI形式1_1を備えている。または、DCI形式は、TPC-PUSCH-RNTIによってスクランブルされたCRCを伴うDCI形式1_0およびDCI形式1_1およびDCI形式2_2を備えている。
【0169】
いくつかの実施形態において、アウトバウンドチャネルが、PUSCHまたはPUSCH伝送であるとき、DCI形式は、以下のうちの少なくとも1つを備えている:TPC-PUCCH-RNTIによってスクランブルされたCRCを伴うDCI形式0_0、DCI形式0_1、DCI形式2_2。例えば、DCI形式は、DCI形式0_0およびDCI形式0_1を備えている。または、DCI形式は、TPC-PUCCH-RNTIによってスクランブルされたCRCを伴うDCI形式0_0およびDCI形式0_1およびDCI形式2_2を備えている。
【0170】
いくつかの実施形態において、期間開始時間は、ビーム回復成功、または、ビーム回復成功を決定するために使用されるDCIを含むPDCCH(例えば、ビーム回復成功を決定するために使用されるDCIを含むPDCCHの開始)によって決定される。他の実施形態において、期間終了時間は、アウトバウンドチャネル伝送開始時間、またはアウトバウンドチャネル伝送開始時間の前のKc個のシンボルによって決定される。しかしながら、アウトバウンドチャネル伝送のTPCコマンド蓄積期間(期間とも称される)の開始時間は、ビーム回復成功より早くないこともある。アウトバウンドチャネル伝送のTPCコマンド蓄積期間中、アウトバウンドチャネル伝送に対応するDCI信号からの全てのTPCコマンドが、蓄積される。
【0171】
○PUSCH伝送がDCI形式0_0またはDCI形式0_1によってスケジュールされる場合、Kcは、対応するPDCCH受信の最後のシンボルの後、かつPUSCH伝送の最初のシンボルの前のシンボルの数である。
【0172】
○PUSCH伝送がConfiguredGrantConfigによって構成されている場合、Kcは、KPUSCH,minシンボルの数であり、それは、スロットあたりのシンボルの数とPUSCH-ConfigCommonでk2によって提供される値の最小値との積に等しい。
【0173】
○PUCCH伝送が、DCI形式1_0またはDCI形式1_1のUEによる検出に応答する場合、Kcは、対応するPDCCH受信の最後のシンボルの後、かつPUCCH伝送の最初のシンボルの前のシンボルの数である。
【0174】
○PUCCH伝送が、DCI形式1_0またはDCI形式1_1のUEによる検出に応答しない場合、Kcは、KPUSCH,minシンボルの数であり、それは、スロットあたりのシンボルの数とPUSCH-ConfigCommonでk2によって提供される値の最小値との積に等しい。
【0175】
図6に示されるように、PUCCH_0に関して、期間の終了時間は、t1であり、期間の開始時間は、t0であり、期間中、2つのDCI信号が存在する:DCI形式1_0または1_1、および、DCI形式2_2。DCI形式2_2がTPC-PUCCH-RNTIによってスクランブルされたCRCを伴うDCI形式2_2である場合、DCI形式1_0または1_1、およびDCI形式2_2におけるTPCコマンド値の総和は、TPC電力オフセットと見なされる。PUCCH_1に関して、期間の開始時間は、DCI形式1_0または1_1を含むPDCCHの開始時間であり、期間の終了時間は、DCI形式1_0または1_1を含むPDCCHの終了時間であるので、DCI形式1_0または1_1におけるTPCコマンドのみが、TPC電力オフセットと見なされる。
【0176】
ある例では(
図6との関連で)、最初のPUCCH伝送は、DCI形式1_0またはDCI形式1_1に応答せず、PUCCHの閉ループ電力制御が、初期化され、PUCCH伝送インデックスiが、0にリセットされ、閉ループ電力制御値が、上記の方法に従って割り当てられる。そして、DCI形式1_0またはDCI形式1_1に応答して、PUCCH伝送が存在し、例えば、PUCCH伝送i=1である。
図6に示されるように、PUCCH伝送i=0は、PUCCH_0であり、PUCCH伝送i=1は、PUCCH_1である。PUCCH伝送i=1のTPCコマンド蓄積期間の終了時間は、DCI形式1_0またはDCI形式1_1を含むPDCCHの開始であると考えられ、それは、
図6ではt0である。PUCCH伝送i=1のTPCコマンド蓄積期間の開始時間は、PUCCH伝送i-i0のTPCコマンド蓄積期間の終了時間として決定されると考えられる。i0=1である場合、開始時間は、
図6ではt1である。
【0177】
この例において、i0は、PUCCH伝送i-i0のTPCコマンド蓄積期間の終了時間がPUCCH伝送iのTPCコマンド蓄積期間の終了時間より早いという要件を満たす最小の整数である。PUCCH伝送i-i0は、適格PUCCH伝送と呼ばれる。t1は、t0より早くないので、i0=1は、適格ではない。i0>1である場合、1-i0は、負であり、実数ではない。したがって、適格i0が存在しない。
【0178】
別の例において、アウトバウンドチャネル伝送iに関して、適格アウトバウンドチャネル伝送i-i0のTPCコマンド蓄積期間の終了時間がビーム回復成より早い場合、アウトバウンドチャネル伝送iのTPCコマンド蓄積期間の開始時間は、ビーム回復成功を決定するために使用されるDCIを含むPDCCHの開始である。
【0179】
さらに別の例において、アウトバウンドチャネル伝送iに関して、適格i0が存在しない場合、アウトバウンドチャネル伝送iのTPCコマンド蓄積期間の開始時間は、ビーム回復成功を決定するために使用されるDCIを含むPDCCHの開始である。
【0180】
いくつかの実施形態において、適格アウトバウンドチャネル伝送i-i0は、アウトバウンドチャネル伝送iのTPCコマンド蓄積期間の終了時間より早いアウトバウンドチャネル伝送i-i0のTPCコマンド蓄積期間の終了時間という要件を満たす最小の整数であるi0に基づいて決定される。
【0181】
(開示される技術のための例示的方法)
【0182】
開示される技術の実施形態は、有利なこととして、基地局がUE側で複数の同時に伝送されるビームの伝送電力を柔軟に制御することを可能にする。UEは、各ビームの伝送の特性、チャネル測定の結果等に従って、各ビームの電力を柔軟に調節することができる。
【0183】
図7は、マルチビーム電力制御のための無線通信方法700の例を示す。方法700は、ステップ710において、パラメータの組と複数のビームとの間の関連付けを決定することを含む。いくつかの実施形態において、パラメータの組は、以下のパラメータのうちの少なくとも1つを備えている:1つ以上の開ループパラメータ、1つ以上の閉ループパラメータ、1つ以上の伝送電力制御(TPC)コマンド、または1つ以上のパスロス参照信号(PL-RS)パラメータ。
【0184】
方法700は、ステップ720において、端末によって、関連付けに基づいて、1つ以上のアップリンク伝送を実施することを含む。
【0185】
図8は、マルチビーム電力制御のための無線通信方法800の例を示す。方法800は、ステップ810において、ネットワークノードによって、端末に関して、パラメータの組と複数のビームとの間の関連付けを決定することを含む。
【0186】
方法800は、ステップ820において、関連付けを示すメッセージを端末に伝送することを含む。
【0187】
いくつかの実施形態において、複数のビームのうちのビームは、1つ以上の参照信号(RS)、1つ以上のリソース指示、1つ以上のSRS(サウンディングRS)リソース指示、1つ以上の空間関係、1つ以上の空間ドメインフィルタ、1つ以上のプリコーディングマトリクス、1つ以上のポート、1つ以上のポート群、1つ以上のパネル、または1つ以上のアンテナ群を備えている。
【0188】
いくつかの実施形態において、開ループパラメータは、パスロス係数または受信標的電力のうちの少なくとも1つを備えている。他の実施形態において、パラメータの組は、電力配分比パラメータをさらに備えている。ある例において、電力配分比パラメータは、複数のビームに関する複数の電力の事前定義された比にマッピングするインデックスを備えている。別の例において、電力配分比パラメータは、1つ以上のアップリンク伝送のために複数の電力を複数のビームに配分するために使用される。さらに別の例において、電力配分比パラメータは、媒体アクセス制御(MAC)制御要素(CE)シグナリング、物理層シグナリング、または無線リソース制御(RRC)シグナリングにおいて伝えられる。
【0189】
いくつかの実施形態において、パラメータの組は、1つ以上の電力配分オフセットパラメータをさらに備えている。ある例において、等しい電力が、複数のビームの各々に配分され、1つ以上の電力配分オフセットパラメータの各々は、複数のビームのうちの対応するビームの等しい電力をオフセットする値を備えている。別の例において、1つ以上の電力配分オフセットパラメータの各々は、複数のビームのうちのそれぞれのビームに関連付けられ、1つ以上の電力配分オフセットパラメータのうちの少なくとも1つの値は、それぞれのビームの対応する電力を直接オフセットする。さらに別の例において、1つ以上の電力配分オフセットパラメータは、媒体アクセス制御(MAC)制御要素(CE)シグナリング、物理層シグナリング、または無線リソース制御(RRC)シグナリングにおいて伝えられる。
【0190】
いくつかの実施形態において、開ループパラメータ、閉ループパラメータ、およびPL-RSパラメータは、複数のビームに関して共通であり、TPCコマンドは、複数のビームの各々に関して異なる。
【0191】
いくつかの実施形態において、開ループパラメータおよびPL-RSパラメータは、複数のビームに関して共通であり、閉ループパラメータおよびTPCコマンドは、複数のビームの各々に関して異なる。
【0192】
いくつかの実施形態において、PL-RSパラメータおよび閉ループパラメータは、複数のビームに関して共通であり、開ループパラメータおよびTPCコマンドは、複数のビームの各々に関して異なる。
【0193】
いくつかの実施形態において、PL-RSパラメータは、複数のビームに関して共通であり、開ループパラメータ、閉ループパラメータ、およびTPCコマンドは、複数のビームの各々に関して異なる。
【0194】
いくつかの実施形態において、閉ループパラメータおよびTPCコマンドは、複数のビームに関して共通であり、開ループパラメータおよびPL-RSパラメータは、複数のビームの各々に関して異なる。
【0195】
いくつかの実施形態において、PL-RSパラメータ、閉ループパラメータ、およびTPCコマンドは、複数のビームに関して共通であり、開ループパラメータは、複数のビームの各々に関して異なる。ある例において、開ループパラメータは、複数のビーム毎に明確に異なり、媒体アクセス制御(MAC)制御要素(CE)シグナリング、物理層シグナリング、または無線リソース制御(RRC)シグナリングにおいて伝えられる。
【0196】
いくつかの実施形態において、PL-RSパラメータ、閉ループパラメータ、開ループパラメータ、およびTPCコマンドは、複数のビームの各々に関して異なる。
【0197】
方法700のいくつかの実施形態において、関連付けを決定することは、複数の電力を決定することを含み、複数の電力の各々は、複数のビームのうちの1つに関連付けられる。ある例において、複数の電力の総和は、最大電力を上回らない。別の例において、複数の電力の総和は、最大電力を超え、方法700は、複数の電力のうちの少なくとも1つを規模調整し、その総和が最大電力未満である複数の規模調整された電力を発生させるステップをさらに含む。さらに別の例において、複数の電力のうちの少なくとも1つを規模調整することは、同一の倍率によって複数の電力の各々を規模調整することを含む。さらに別の例において、規模調整することは、複数のパラメータのうちの少なくとも1つに基づき、複数のパラメータの各々は、複数のビームのうちの1つに適用可能であり、複数のパラメータは、要求される伝送電力、パスロス値、TPCコマンド値、受信標的電力、開ループパラメータ、閉ループパラメータ、ビームインデックス、サービスタイプ、リソースブロックの数、または変調およびコーディング方式(MCS)を備えている。
【0198】
図9は、ビーム回復のための無線通信方法700の例を示す。方法900は、ステップ910において、リンク回復確認情報を検出することを含む。いくつかの実施形態において、リンク回復確認情報を検出することは、recoverySearchSpaceIdによって提供されるサーチスペースセットにおけるセル無線ネットワーク一時識別子(C-RNTI)または変調およびコーディング方式(MCS)C-RNTIによってスクランブルされた巡回冗長検査(CRC)を備えているダウンリンク制御情報(DCI)形式を検出することを含む。他の実施形態において、それは、端末が、セル無線ネットワーク一時識別子(C-RNTI)または変調およびコーディング方式(MCS)C-RNTIによってスクランブルされた巡回冗長検査(CRC)を備えているダウンリンク制御情報(DCI)形式を検出するrecoverySearchSpaceIdによって提供されるサーチスペースセットにおける最初の物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)受信の最後のシンボルを決定することを含み、リンク回復確認情報を検出することは、最後のシンボルの後のK個のシンボルで生じ、Kは、負ではない整数である。
【0199】
方法900は、ステップ920において、検出することに続いて、ゼロ値、ランプアップ電力、伝送電力制御(TPC)電力オフセット、またはランプアップ電力およびTPC電力オフセットの総和にアウトバウンドチャネル伝送の閉ループ電力制御を初期化することを含む。
【0200】
いくつかの実施形態において、アウトバウンドチャネル伝送は、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)伝送、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)伝送、またはサウンディング参照信号(SRS)伝送を含む。
【0201】
いくつかの実施形態において、アウトバウンドチャネル伝送は、リンク回復確認情報を検出することに続く最初のアウトバウンドチャネル伝送に対応する。ある例において、最初のアウトバウンドチャネル伝送がDCI形式1_0またはDCI形式1_1の検出に応答する場合、TPC電力オフセットは、DCI形式1_0またはDCI形式1_1からのTPCコマンド値である。別の例において、最初のアウトバウンドチャネル伝送がDCI形式0_0またはDCI形式0_1によってスケジュールされる場合、TPC電力オフセットは、DCI形式0_0またはDCI形式0_1からのTPCコマンド値である。さらに別の例において、最初のアウトバウンドチャネル伝送がDCI形式1_0またはDCI形式1_1の検出に応答しない場合、TPC電力オフセットは、ゼロであるか、または、アウトバウンドチャネル伝送の閉ループ電力制御は、ゼロ値またはランプアップ電力に初期化される。さらに別の例において、最初のアウトバウンドチャネル伝送がConfiguredGrantConfigによって構成されている場合、TPC電力オフセットが、ゼロであるか、または、アウトバウンドチャネル伝送の閉ループ電力制御は、ゼロ値またはランプアップ電力に初期化される。
【0202】
いくつかの実施形態において、アウトバウンドチャネル伝送は、リンク回復確認情報を検出することに続いて、DCI形式1_0またはDCI形式1_1のうちの最初のものの検出に応答する。例えば、TPC電力オフセットは、DCI形式1_0またはDCI形式1_1からのTPCコマンド値である。
【0203】
いくつかの実施形態において、アウトバウンドチャネル伝送は、リンク回復確認情報を検出することに続いて、DCI形式0_0またはDCI形式0_1のうちの最初のものによってスケジュールされる。例えば、TPC電力オフセットは、DCI形式0_0またはDCI形式0_1からのTPCコマンド値である。
【0204】
いくつかの実施形態において、TPC電力オフセットは、1つのDCI信号からのTPCコマンド値、またはある期間内の複数のDCI信号からの複数のTPCコマンド値の総和である。ある例において、複数のDCI信号の形式は、アウトバウンドチャネル伝送に対応する。別の例において、期間の開始時間は、リンク回復確認情報、またはリンク回復確認情報を検出するために使用されたDCIを含む物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を検出することに基づく。さらに別の例において、期間の終了時間は、アウトバウンドチャネル伝送の開始時間またはアウトバウンドチャネル伝送の開始時間に先立つKC個のシンボルに基づき、KCは、整数である。さらに別の例において、期間の開始時間は、リンク回復確認情報を検出することより早くない。
【0205】
(開示される技術に関する実装)
【0206】
図10は、本開示される技術のいくつかの実施形態による装置の一部のブロック図表現である。基地局または無線デバイス(またはUE)等の装置1005は、本書に提示される技法のうちの1つ以上のものを実装するマイクロプロセッサ等のプロセッサ電子機器1010を含むことができる。装置1005は、アンテナ1020等の1つ以上の通信インターフェースを経由して無線信号を送信および/または受信するための送受信機電子機器1015を含むことができる。装置1005は、データを伝送および受信するための他の通信インターフェースを含むことができる。装置1005は、データおよび/または命令等の情報を記憶するように構成された1つ以上のメモリ(明示的に示されていない)を含むことができる。いくつかの実装において、プロセッサ電子機器1010は、送受信機電子機器1015の少なくとも一部を含むことができる。いくつかの実施形態において、開示される技法、モジュール、または機能のうちの少なくともいくつかは、装置1005を使用して実装される。
【0207】
本明細書は、図面とともに、例示的と見なされるのみであり、例示的は、例を意味し、別様に記述されない限り、理想的または好ましい実施形態を含意しないことが意図される。本明細書で使用されるように、「または」の使用は、文脈が別様に明確に示さない限り、「および/または」を含むことを意図している。
【0208】
本明細書に説明される実施形態のうちのいくつかは、方法またはプロセスの一般的文脈で説明され、それらは、一実施形態において、ネットワーク化された環境内でコンピュータによって実行されるプログラムコード等のコンピュータ実行可能命令を含むコンピュータ読み取り可能な媒体で具現化されるコンピュータプログラム製品によって実装され得る。コンピュータ読み取り可能な媒体は、限定ではないが、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)等を含むリムーバブルおよび非リムーバブル記憶デバイスを含み得る。したがって、コンピュータ読み取り可能な媒体は、非一過性の記憶媒体を含むことができる。概して、プログラムモジュールは、特定のタスクを実施する、または特定の抽象データタイプを実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造等を含み得る。コンピュータまたはプロセッサ実行可能命令、関連付けられるデータ構造、およびプログラムモジュールは、本明細書に開示される方法のステップを実行するためのプログラムコードの例を表す。そのような実行可能命令または関連付けられるデータ構造の特定のシーケンスは、そのようなステップまたはプロセスで説明される機能を実装するための対応する行為の例を表す。
【0209】
開示される実施形態のうちのいくつかは、ハードウェア回路、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせを使用するデバイスまたはモジュールとして実装されることができる。例えば、ハードウェア回路実装は、例えば、プリント回路基板の一部として統合される別々のアナログおよび/またはデジタルコンポーネントを含むことができる。代替として、または加えて、開示されるコンポーネントまたはモジュールは、特定用途向け集積回路(ASIC)として、および/またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)デバイスとして実装されることができる。いくつかの実装は、加えて、または代替として、本願の開示される機能性に関連付けられるデジタル信号処理の動作の必要性のために最適化されるアーキテクチャを伴う特殊マイクロプロセッサであるデジタル信号プロセッサ(DSP)を含み得る。同様に、各モジュール内の種々のコンポーネントまたはサブコンポーネントが、ソフトウェア、ハードウェア、またはファームウェアで実装され得る。モジュールおよび/またはモジュール内のコンポーネントの間の接続性は、限定ではないが、適切なプロトコルを使用するインターネット、有線、または無線ネットワークを経由した通信を含む、当技術分野で公知である接続性方法および媒体のうちのいずれか1つを使用して、提供され得る。
【0210】
本書は、多くの詳細を含むが、これらは、請求される発明または請求され得るものの範囲への限定としてではなく、むしろ、特定の実施形態に特有の特徴の説明として解釈されるべきである。別個の実施形態との関連で本書に説明されるある特徴も、単一の実施形態において組み合わせて実装されることができる。逆に、単一の実施形態との関連で説明される種々の特徴も、複数の実施形態において別個に、または任意の好適な副次的組み合わせにおいて実装されることができる。さらに、特徴が、ある組み合わせにおいて作用するものとして上で説明され、さらに、そのようなものとして最初に請求され得るが、請求される組み合わせからの1つ以上の特徴は、ある場合、組み合わせから削除されることができ、請求される組み合わせは、副次的組み合わせまたは副次的組み合わせの変形例を対象とし得る。同様に、動作は、特定の順序で図面に描写され得るが、それは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が示される特定の順序で、または連続的順序で実施されること、または全ての図示される動作が実施されることを要求するものとして理解されるべきではない。
【0211】
いくつかの実装および例のみが、説明され、他の実装、向上、および変形例も、本開示に説明および図示されるものに基づいて成されることができる。