(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】偏向可能な内視鏡を用いた鼻道の3Dスキャン
(51)【国際特許分類】
A61B 1/00 20060101AFI20240326BHJP
A61B 1/06 20060101ALI20240326BHJP
A61B 1/233 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
A61B1/00 522
A61B1/06 610
A61B1/06 531
A61B1/00 552
A61B1/233
(21)【出願番号】P 2021535778
(86)(22)【出願日】2019-12-13
(86)【国際出願番号】 IB2019060798
(87)【国際公開番号】W WO2020128766
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2022-10-19
(32)【優先日】2018-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516389190
【氏名又は名称】アクラレント インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Acclarent, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】シャメリ・エーサン
(72)【発明者】
【氏名】アクバリアン・ファテメ
【審査官】増渕 俊仁
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/125926(WO,A2)
【文献】特表2016-507886(JP,A)
【文献】特開2005-175256(JP,A)
【文献】特開2008-220802(JP,A)
【文献】特表2018-518312(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00-1/32
G01B 11/25
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
(a)長手方向軸を画定するシャフトであって、
(i)近位端と、
(ii)ヒトの鼻孔を通ってヒトの鼻腔内に嵌合するようにサイズ決めされている、遠位端と、
(iii)可撓性部分と、
を含む、シャフトと、
(b)前記シャフトの前記遠位端に配置された撮像ヘッドであって、
(i)第1の画像センサアセンブリと、
(ii)複数の光源であって、前記
複数の光源の少なくともいくつかは、前記第1の画像センサアセンブリに隣接して配置されており、前記
複数の光源は、所定のシーケンスで起動されるように構成されている、複数の光源と、
(iii)複数のコリメータであって、各コリメータは、前記複数の光源のうちの対応する光源の上に配置されている、複数のコリメータと、
を含む、撮像ヘッドと、
(c)前記撮像ヘッドと通信するプロセッサであって、前記プロセッサは、
前記所定のシーケンスで前記
複数の光源を起動するように構成されており、前記第1の画像センサアセンブリは、前記
複数の光源が前記所定のシーケンスで起動されるにつれて前記
複数の光源によって照明される表面の画像をキャプチャするように構成されている、プロセッサと、
を備え
、
前記複数のコリメータは、
(i)円形開口部を画定する第1の組のコリメータと、
(ii)矩形開口部を画定する第2の組のコリメータと、
の少なくともいずれか、を含む、装置。
【請求項2】
前記シャフトの前記可撓性部分は、前記シャフトの前記長手方向軸から離れる方向への前記撮像ヘッドの能動的な偏向を可能にするように操縦可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の画像センサアセンブリは、前記シャフトの前記長手方向軸に対して横方向に配向される視線を提供するように配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
各光源は、前記シャフトの前記長手方向軸に対して横方向に配向される経路に沿って光を投射するように配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
各コリメータは、前記シャフトの前記長手方向軸に対して横方向に配向される対応するコリメータ中心軸上に中心がある開口部を画定し、各コリメータは、前記コリメータ中心軸に沿って前記対応する光源からの光をコリメートするように配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記撮像ヘッドは、第2の画像センサアセンブリを更に含み、前記光源のうちの少なくともいくつかは、前記第1の画像センサアセンブリに隣接して配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記第1の画像センサアセンブリは、第1の長手方向位置に位置しており、前記第2の画像センサアセンブリは、第2の長手方向位置に位置しており、前記第2の長手方向位置は、前記第1の長手方向位置の近位にある、請求項
6に記載の装置。
【請求項8】
前記
複数の光源はLEDを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
装置であって、
(a)長手方向軸を画定するシャフトであって、
(i)近位端と、
(ii)ヒトの鼻孔を通ってヒトの鼻腔内に嵌合するようにサイズ決めされている、遠位端と、
(iii)可撓性部分と、
を含む、シャフトと、
(b)前記シャフトの前記遠位端に配置された撮像ヘッドであって、
(i)第1の画像センサアセンブリと、
(ii)複数の光源であって、前記複数の光源の少なくともいくつかは、前記第1の画像センサアセンブリに隣接して配置されており、前記複数の光源は、所定のシーケンスで起動されるように構成されている、複数の光源と、
(iii)複数のコリメータであって、各コリメータは、前記複数の光源のうちの対応する光源の上に配置されている、複数のコリメータと、
を含む、撮像ヘッドと、
(c)前記撮像ヘッドと通信するプロセッサであって、前記プロセッサは、前記所定のシーケンスで前記複数の光源を起動するように構成されており、前記第1の画像センサアセンブリは、前記複数の光源が前記所定のシーケンスで起動されるにつれて前記複数の光源によって照明される表面の画像をキャプチャするように構成されている、プロセッサと、
を備え、
前記
複数のコリメータは、円形開口部を画定する前記
複数のコリメータが、矩形開口部を画定する前記
複数のコリメータの間に交互に配列されるように配置されている
、装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、前記シャフト内に配置されている、請求項1
または9に記載の装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、前記撮像ヘッド内に配置されている、請求項1
または9に記載の装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、前記第1の画像センサアセンブリによってキャプチャされた画像に基づいて、患者の頭部内の解剖学的構造の表面トポグラフィを判定するように更に構成されている、請求項1
または9に記載の装置。
【請求項13】
前記プロセッサは、前記第1の画像センサアセンブリによってキャプチャされた画像に基づいて、患者の頭部内の解剖学的構造の三次元デジタルモデルを生成するように更に構成されている、請求項1
または9に記載の装置。
【請求項14】
前記プロセッサは、前記第1の画像センサアセンブリによってキャプチャされた画像からのデータを、別の撮像デバイスを介してキャプチャされた画像からのデータと組み合わせて、前記三次元デジタルモデルを生成するように更に構成されている、請求項1
3に記載の装置。
【請求項15】
前記撮像ヘッドは、三次元空間における前記撮像ヘッドの位置を示す信号を生成するように構成された位置センサを更に含む、請求項1
または9に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権)
本出願は、米国特許仮出願第62/782,608号、発明の名称「3D Scanning of Nasal Tract with Deflectable Endoscope」(2018年12月20日出願)(その開示は参照により本明細書に組み込まれる)に対する優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
一部の症例においては、患者の解剖学的通路の拡開が望ましい場合がある。これには、副鼻腔口の拡開(例えば、副鼻腔炎の治療のため)、喉頭の拡開、耳管の拡開、耳、鼻、又は咽頭内部の他の通路の拡開などが含まれる場合がある。解剖学的通路を拡開する1つの方法は、ガイドワイヤ及びカテーテルを使用して解剖学的通路内で膨張可能なバルーンを配置し、続いて流体(例えば、生理食塩水)でバルーンを膨張させ、解剖学的通路を拡開することを含む。例えば、拡張可能なバルーンを副鼻腔の口内に配置し、次に膨張させることによって、粘膜の切開又は骨の切除を必要とせずに、口に隣接する骨を再構築することにより口を拡開することができる。その後、拡開した口によって、罹患した副鼻腔からの排液及びその副鼻腔の通気を改善することができる。このような処置を行うために使用され得るシステムは、米国特許出願公開第2011/0004057号、発明の名称「Systems and Methods for Transnasal Dilation of Passageways in the Ear,Nose or Throat」(2011年1月6日に公開)の教示に従って提供され得、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
従来の内視鏡は、解剖学的通路内の可視化を提供するために使用することができるが、拡開カテーテル又は何らかの他の器具の適切な配置を、その器具を用いる動作を実行する前に更に視覚的に確認することが望ましい場合もある。これは、コンピュータを使用して、患者の体内に挿入された器具の位置の、一組の術前に得られた画像(例えば、CT又はMRIスキャン、3Dマップなど)に対するリアルタイムの相関を得ることで器具の現在の位置を術前に得られた画像に重ねる技術である画像誘導手術(Image-guided surgery、IGS)を使用して行うことができる。いくつかのIGS手技では、術野のデジタルトモグラフィスキャン(例えば、CT又はMRI、3Dマップなど)を外科手術の前に得る。次に、特別にプログラムされたコンピュータを使用して、デジタルトモグラフィスキャンデータをデジタルマップに変換する。外科手術中、センサ(例えば、電磁界を発生させる及び/又は外部で発生した電磁界に反応する電磁コイル)が装着された特別な器具を使用して処置を実行し、同時に、センサがコンピュータに各手術用器具の現在位置を示すデータを送る。コンピュータは、器具装着センサから受信するデータを、術前トモグラフィスキャンから作成されたデジタルマップと相関付ける。トモグラフィスキャン画像は、スキャン画像内に示される解剖学的構造に対する各外科器具のリアルタイム位置を示す指標(例えば、クロスヘア又は照明ドットなど)と共にビデオモニタ上に表示される。これにより、外科医は、器具自体を体内のその現在の位置において直接見ることができない場合であっても、ビデオモニタを見ることによって各センサ搭載器具の正確な位置を知ることができる。
【0004】
IGSナビゲーションENT手技で使用するためのデジタルマップ又はデジタルモデルを発生させる、いくつかのシステム及び方法が作られ、使用されてきたが、本発明の発明者ら以前に、添付の特許請求の範囲に述べた発明を作り、又は使用した者はいないと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本明細書は、本発明を具体的に示し、明確にその権利を請求する特許請求の範囲をもって結論とするものであるが、本発明は以下の特定の実施例の説明を添付図面と併せ読むことでより深い理解が得られるものと考えられる。図中、同様の参照番号は同様の要素を示す。
【
図1】例示的な医療処置椅子に着座した患者に使用される例示的な手術ナビゲーションシステムの概略図を示す。
【
図2】
図1のナビゲーションシステムと共に使用し得る例示的な3D撮像内視鏡の遠位端の斜視図を示す。
【
図5】
図2の内視鏡の遠位端の矩形スリットコリメータの斜視図である。
【
図6】
図2の内視鏡の遠位端の円形スリットコリメータの斜視図である。
【
図7】
図2の内視鏡の遠位端の第1の種類のサブアセンブリの斜視図である。
【
図8】
図2の内視鏡の遠位端の第2の種類のサブアセンブリの斜視図である。
【
図9】
図7のサブアセンブリの部分分解斜視図を示す。
【
図10】
図8のサブアセンブリの部分分解斜視図を示す。
【
図11】
図6のコリメータを通過して第1の表面に到達する光の線図を、得られた画像の表現と共に示す。
【
図12】
図6のコリメータを通過して第2の表面に到達する光の線図を、得られた画像の表現と共に示す。
【
図13】
図2の内視鏡の遠位端内のそれぞれの光源を起動するために使用され得る、個別のライト起動信号の例示的なシーケンスの線図を示す。
【
図14】
図2の内視鏡を使用して実施され得る例示的な方法のフローチャートを示す。
【0006】
図面は、いかなる方式でも限定することを意図しておらず、本発明の様々な実施形態は、図面に必ずしも描写されていないものを含め、他の様々な方式で実施し得ることが企図される。本明細書に組み込まれ、その一部をなす添付図面は、本発明のいくつかの態様を図示したものであり、本明細書と共に本発明の原理を説明する役割を果たすものである。しかしながら、本発明が、示される正確な配置に限定されない点は理解される。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の特定の実施例の以下の説明文は、本発明の範囲を限定する目的で使用されるべきではない。本発明の他の実施例、特徴部、態様、実施形態、及び利点は、本発明を実施するために想到される最良の形態の1つを実例として示す以下の説明文より、当業者には明らかとなろう。理解されるように、本発明は、いずれも本発明から逸脱することなく、他の異なるかつ明白な態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的な性質のものではなく、例示的な性質のものと見なされるべきである。
【0008】
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書では、ハンドピースアセンブリを把持している臨床医に対して使用されることが理解されるであろう。すなわち、エンドエフェクタは、より近位のハンドピースアセンブリに対して遠位側にある。便宜上及び明確さのために、「上部」及び「下部」などの空間用語もまた、本明細書において、ハンドピースアセンブリを把持している臨床医を基準にして使用されることが更に理解されよう。しかしながら、手術用器具は、多くの配向及び位置で使用されるものであり、これらの用語は、限定的かつ絶対的なものであることを意図するものではない。
【0009】
本明細書に記載の教示、表現、変形例、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上を、本明細書に記載の他の教示、表現、変形例、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上と組み合わせることができる点も更に理解される。したがって、以下に記載される教示、表現、変形例、実施例などは、互いに独立して考慮されるべきではない。本明細書の教示に照らして、本明細書の教示を組み合わせることができる様々な好適な方式が、当業者には容易に明らかとなろう。このような修正及び変形は、「特許請求の範囲」の範囲内に含まれるものとする。
【0010】
I.例示的な画像誘導手術ナビゲーションシステム
患者(P)の頭部(H)内で医療処置を実施するとき、特に器具が患者(P)の頭部(H)内の器具の作業要素の内視鏡視野を得ることが困難又は不可能である場所にある場合に、患者(P)の頭部(H)内の器具の位置に関する情報を有することが望ましい場合がある。
図1は、画像誘導を使用してENT手技の実施を可能にする例示的なIGSナビゲーションシステム(10)を示す。本明細書に記載される構成要素及び動作性を有することに加えて、あるいはそれに代わって、IGSナビゲーションシステム(10)は、以下の文献の教示の少なくとも一部に従って構成され、動作可能となり得る。すなわち、米国特許第7,720,521号、発明の名称「Methods and Devices for Performing Procedures within the Ear,Nose,Throat and Paranasal Sinuses」(2010年5月18日発行)(その開示は参照により本明細書に組み込まれる)、米国特許出願公開第2014/0364725号、発明の名称「Systems and Methods for Performing Image Guided Procedures within the Ear,Nose,Throat and Paranasal Sinuses」(2014年12月11日公開)(その開示は参照により本明細書に組み込まれる)。
【0011】
本実施例のIGSナビゲーションシステム(10)は、馬蹄形フレーム(22)に一体化された一組の磁界発生器(24)を備える磁界発生器アセンブリ(20)を備える。磁界発生器(24)は、患者(P)の頭部(H)の周りに異なる周波数の交流磁界を発生させるように動作可能である。この実施例では、3D撮像内視鏡(40)が患者(P)の頭部(H)に挿入される。本実施例では、フレーム(22)が椅子(30)に装着され、フレーム(22)が患者(P)の頭部(H)に隣接して位置するように患者(P)は椅子(30)に着座する。単に一例として、椅子(30)及び/又は磁界発生器アセンブリ(20)は、米国特許出願公開第2018/0310886号、発明の名称「Apparatus to Secure Field Generating Device to Chair」(2018年11月1日出願)(その開示は参照により本明細書に組み込まれる)の少なくとも一部の教示に従って構成され、動作可能であり得る。
【0012】
本実施例のIGSナビゲーションシステム(10)は、IGSナビゲーションシステム(10)の磁界発生器(24)及び他の要素を制御するプロセッサ(12)を更に含む。例えば、プロセッサ(12)は、磁界発生器(24)を駆動して交流電磁界を生成し、内視鏡(40)からの信号を処理して患者(P)の頭部(H)内における内視鏡(40)内の位置センサ(50)の場所を判定するように動作可能である。プロセッサ(12)は、1つ又は2つ以上のメモリと通信する処理ユニットを含む。本実施例のプロセッサ(12)は、キーパッド及び/又はマウス若しくはトラックボールなどのポインティングデバイスを含む動作制御部(14)を含むコンソール(18)内に装着される。医師は、外科手技を実行しながら、プロセッサ(12)と相互作用する動作制御部(14)を使用する。
【0013】
本実施例の内視鏡(40)は、磁界発生器(24)によって発生された交流磁界内における配置に応答する位置センサ(50)を含む。連結ユニット(42)は内視鏡(40)の近位端に固定され、コンソール(18)と内視鏡(40)との間のデータ及び他の信号の通信を提供するように構成される。連結ユニット(42)は、データ及び他の信号の有線又は無線通信を提供することができる。
【0014】
本実施例では、内視鏡(40)の位置センサ(50)は、内視鏡(40)の遠位端(48)に少なくとも1つのコイルを備える。磁界発生器(24)によって発生された交流電磁界の中にこのようなコイルが配置されると、交流磁界がコイルの中に電流を発生させ、この電流は、内視鏡(40)内の導電路(単数又は複数)に沿って、連結ユニット(42)を介してプロセッサ(12)に更に通信され得る。この現象により、IGSナビゲーションシステム(10)は、三次元空間内(すなわち、患者(P)の頭部(H)内など)内の内視鏡(40)の遠位端(48)の場所を判定することができる。これを達成するために、プロセッサ(12)は、内視鏡(40)の位置センサ(50)内のコイル(単数又は複数)の位置関連信号から、内視鏡(40)の遠位端(48)の位置座標を計算するアルゴリズムを実行する。
【0015】
プロセッサ(12)は、プロセッサ(12)のメモリに格納されたソフトウェアを使用して、IGSナビゲーションシステム(10)を較正及び操作する。このような動作は、磁界発生器(24)を駆動することと、内視鏡(40)からのデータを処理することと、動作制御部(14)からのデータを処理することと、ディスプレイスクリーン(16)を駆動することと、を含む。いくつかの実装形態では、動作はまた、IGSナビゲーションシステム(10)の1つ又は2つ以上の安全機構又は機能の監視及び施行も含み得る。プロセッサ(12)は、患者の頭部(H)のビデオカメラ画像、患者の頭部(H)のCTスキャン画像、及び/又は患者の鼻腔内及び患者の鼻腔に隣接する解剖学的構造のコンピュータ生成三次元モデルに関して内視鏡(40)の遠位端(48)の位置を示すディスプレイスクリーン(16)を介して、リアルタイムでビデオを提供するように更に動作可能である。ディスプレイスクリーン(16)は、外科手技中にこのような画像を同時に及び/又は互いに重ねて表示することができる。このような表示された画像はまた、患者の頭部(H)における内視鏡(40)のグラフィック表現を更に含んでもよく、これにより、操作者は内視鏡(40)のバーチャルレンダリングをその実際の場所でリアルタイムで見ることができる。単に一例として、ディスプレイスクリーン(16)は、米国特許出願公開第2016/0008083号、発明の名称「Guidewire Navigation for Sinuplasty」(2016年1月14日公開)(その開示は参照により本明細書に組み込まれる)の教示の少なくとも一部に従って画像を提供してもよい。後述するように、内視鏡(40)によってキャプチャされる内視鏡画像もまた、ディスプレイスクリーン(16)上に提供され得る。
【0016】
ディスプレイスクリーン(16)によって提供される画像は、操作者が患者の頭部(H)内で内視鏡(40)を操縦すること、及び他の場合には操作することを補助し得る。様々な他の種類の外科用器具(例えば、ガイドワイヤ、ガイドカテーテル、拡開カテーテル、吸引器具、シェーバ器具など)を、内視鏡(40)の位置センサ(50)のような位置センサを組み込んでもよいことも理解されたい。内視鏡(40)との関連で上述したように、IGSナビゲーションシステム(10)により、操作者は、患者(P)の頭部(H)の一組の術前に得られた画像(例えば、CTスキャンなど)からの動的に変化するビュー上に位置インジケータを重ねることなどによって、患者(P)の頭部(H)内のセンサ搭載器具の位置をリアルタイムで見ることが可能になる。
【0017】
II.内視鏡を用いる例示的な3Dマッピング
一部の症例では、患者(P)の頭部(H)内の解剖学的構造の表面の三次元ビューを操作者に提供することが有益である場合がある。上述したように、IGSナビゲーションシステム(10)は、患者(P)の頭部(H)内の解剖学的構造の術前に得られた画像を含んでもよい。IGSナビゲーションシステム(10)の従来例では、そのような画像は、患者(P)の頭部(H)内の解剖学的構造の表面の三次元ビューを含まない場合がある。例えば、IGSナビゲーションシステム(10)の従来例では、術前に得られた画像は、CTスキャン画像、患者(P)の頭部(H)内の解剖学的構造の表面の二次元ビュー、又は患者(P)の頭部(H)内の解剖学的構造の表面の三次元ビューを構成しない他の種類の画像を含んでもよい。IGSナビゲーションシステム(10)が、患者(P)の頭部(H)内の解剖学的構造の表面の術前に得られた三次元ビューに関してリアルタイムの器具位置表示を重ねることができる場合、操作者は、患者(P)の頭部(H)内の解剖学的構造に関する器具のリアルタイムの位置のより良好な感覚を有することができる。
【0018】
従来のIGSナビゲーションシステム(10)が、患者(P)の頭部(H)内の解剖学的構造の三次元デジタルモデルを生成する、又は他の場合には処理することができる限り、このような三次元デジタルモデルに、三次元デジタルモデルを生成するために使用されるデータセットの一部として、患者(P)の頭部(H)内の解剖学的構造の表面の三次元光学ビューが含まれない場合がある。したがって、三次元デジタルモデルを生成するために使用されるデータセットの一部として、患者(P)の頭部(H)内の解剖学的構造の表面の三次元光学ビューを含むことが有益である場合がある。患者(P)の頭部(H)内の解剖学的構造の表面のこのような三次元光学ビューを使用して、CTスキャンなどの他の撮像技術によって得られる表面のデータを洗練することができる。
【0019】
当業者であれば、鼻腔及び患者(P)の頭部(H)内の隣接領域が、様々な蛇行経路及び障害物を有する比較的小さい空間であることを認識するであろう。したがって、鼻腔及び患者(P)の頭部(H)内の隣接領域内での器具へ最大限にアクセスするために、このような器具に、比較的小さい形状因子及び少なくとも何らかの程度の可撓性を提供することが有利である。操作者が器具の近位部分に対して器具の遠位部分を能動的に曲げる、又は他の場合には移動させることができるように、操縦性を有するこのような器具を提供することは更に有益である場合があり、それによって、解剖学的構造の周囲で器具の遠位部分をより能動的に操作して、そうでない場合には完全に剛性の器具がアクセスできない空間に到達することが可能になる。
【0020】
以下の説明は、鼻腔及び隣接領域内の解剖学的構造を含む患者(P)の頭部(H)内の解剖学的構造の表面の三次元光学ビューを得るために使用され得る内視鏡(40)の例示的な形態に関する。このようなビューは、患者(P)に対して医療手技を実行する前に得られてもよく、したがって、ビューは、IGSナビゲーションシステム(10)を介して操作者に後で提供してもよい。あるいは、このようなビューを、任意の他の好適な方式で操作者に提供してもよく、又は任意の他の好適な方式で使用してもよい。更に、より詳細に後述するように、内視鏡(40)を介して得られた三次元光学ビューを使用して、患者(P)の頭部(H)内の解剖学的構造の表面の三次元デジタルモデルを生成することができる。いくつかのこのような場合、内視鏡(40)を介して得られた三次元光学ビューを、他の撮像手段(例えば、CTスキャンなど)によって得られたビューと組み合わせて、複合三次元デジタルモデルを生成する。このデジタルモデルは、IGSナビゲーションシステム(10)によって利用されて、洗練された画像誘導手術の能力を操作者に提供することができる。いくつかの他の例では、内視鏡(40)からの三次元画像及び/又は関連する三次元デジタルモデルは、いかなる方式でもIGSナビゲーションシステム(10)を必要とすることなく、何らかの他の様式で利用される。
【0021】
図2~
図4に示すように、本実施例の内視鏡(40)はシャフト(42)を含み、シャフトは、シャフト(42)の遠位にある撮像ヘッド(100)と、閉じた非外傷性の遠位先端(48)と、を備える。本実施例では、シャフト(42)の少なくとも一部分は、可撓性である。いくつかの変形例では、シャフト(42)の遠位部分は操縦可能であり、それにより、操作者は、シャフト(42)の近位部分の長手方向軸に対して異なる軸に沿って撮像ヘッド(100)を能動的に再配向するように、シャフト(42)の遠位部分を選択的に変形させることができる。単に一例として、内視鏡(40)は、撮像ヘッド(100)の制御された偏向を提供するためにプルワイヤ又は他のデバイスを含んでもよい。単に更なる例として、このような操縦は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第16/032,471号、発明の名称「Adjustable Instrument for Dilation of Anatomical Passageway」(2018年7月11日出願)、の教示の少なくとも一部に従って提供され得る。
【0022】
撮像ヘッド(100)は、遠位先端(48)の近位に、交互に配置される複数の長手方向にスタックされたサブアセンブリ(120、130)を含む。サブアセンブリ(120、130)は、遠位先端(48)の近位に、横方向のノッチ又は凹部(110)を画定する。
図2に示すように、シャフト(42)は、凹部(110)の近位端に配置された一対の遠位側に提示されたポート(46)を含む。ポート(46)は、洗浄流体(例えば、生理食塩水など)をポート(46)に提供するように動作可能な流体供給源(60)と連結される。したがって、ポート(46)は、内視鏡(40)の使用中に、撮像ヘッド(100)からデブリを洗い流すように動作可能である。いくつかの変形例では、撮像ヘッド(100)は、撮像ヘッド(100)からデブリなどを取り除くことを補助するワイパー又は他の要素を更に含む。本明細書の教示を考慮すると、デブリが実質的にないまま撮像ヘッド(100)が維持され得る他の好適な方式が、当業者には明らかになるであろう。いくつかの変形例は、ポート(46)を省略してもよい。本実施例の撮像ヘッド(100)は、鼻腔及び患者(P)の頭部(H)内の隣接領域の様々な領域内に嵌合するほどコンパクトである。したがって、撮像ヘッド(100)は、副鼻腔口、前頭陥凹、耳管開口部、鼻甲介の様々な領域などの解剖学的構造を観察するように配置されてもよい。このような小さいサイズの撮像ヘッド(100)は、特に、上述したように撮像ヘッド(100)を操作者が選択的に操縦する又は偏向させることを可能にする特徴部をシャフト(42)が含む変形例において有利に活用され得る。
【0023】
図3を見ると最も良く分かるように、サブアセンブリ(120、130)は、互いに隣接して長手方向にスタックされ、サブアセンブリ(120)は合計4つであり、サブアセンブリ(130)は合計3つであり、サブアセンブリ(120)は、スタックの各端にある。内視鏡(40)の変形例は、任意の他の好適な数のサブアセンブリ(120、130)を任意の他の好適な配列で含んでもよい。更に、内視鏡(40)の変形例は、サブアセンブリ(120、130)の後述する特徴部及び機能を1つの単一の構成要素に一体化しても、あるいは何らかの他の配列で一体化してもよい。本明細書の教示を考慮すると、サブアセンブリ(120、130)の後述する特徴及び機能が撮像ヘッド(100)に一体化され得る他の好適な方式が、当業者には明らかになるであろう。
【0024】
図4、
図7、及び
図9を見ると最も良く分かるように、各サブアセンブリ(120)は、本体(122)と、光源(180)のアレイと、コリメータ(150、160)のアレイと、を含む。本体(122)は、光源(180)を支持する凹面(126)を画定する。凹面(126)内に光源(180)を更に収容するために、凹面(126)の両端にフィンガ(124)が配置される。光源(180)は、互いに独立して光を放出するように動作可能であり、これにより、光源(180)は、より詳細に後述するように、所定のパターンで起動され得る。光源(180)はまた、異なる波長の光を放出するように構成されてもよく、それによって、異なる色の可視光又は光学特性の他の差異(例えば、紫外線、赤外線など)を提供する。光源(180)はまた、異なる強度の光を放出するように構成されてもよい。いくつかの変形例では、各光源(180)は、(例えば、その強度又は波長を変動させることなどによって)その光出力を変動させるように構成される。いくつかの他の変形例では、各光源(180)は、固定された所定の光出力(例えば、一定の強度、一定の波長など)を有する。いくつかのそのような変形例では、サブアセンブリ(120)内の1つの光源(180)の光出力が、サブアセンブリ(120)内の別の光源(180)の光出力とは異なり得るように、光源(180)の光出力は、サブアセンブリ(120)によって異なる。単に一例として、光源(180)はLEDを備えてもよい。本明細書の教示を考慮すると、光源(180)が取り得る他の好適な形態は、当業者には明らかになるであろう。当業者であれば、本実施例の光源(180)は、シャフト(42)の長手方向軸に対して横方向に配向される経路に沿って光を投射するように配置されることも認識するであろう。
【0025】
コリメータ(150、160)は、それぞれの光源(180)の上に配置され、したがって、各光源(180)は1つの対応するコリメータ(150、160)を有し、逆もまた同様である。コリメータ(150、160)は、光源(180)から放出された光を狭めるように動作可能である。
図5を見ると最も良く分かるように、各コリメータ(160)は矩形スリット開口部(162)を有する。この実施例では、矩形スリット開口部(162)は、矩形スリット開口部(162)がコリメータ(160)の2つの側面に対して平行である一方で、コリメータ(160)の2つの他の側面に対して垂直であるように配向される。いくつかの他の変形例では、矩形スリット(162)の開口部は、コリメータ(160)の側面に対して斜めに配向される。
図6を見ると最も良く分かるように、各コリメータ(150)は、円形開口部(152)を有する。開口部(162、152)の矩形スリット形状及び円形形状は、単なる例示的な実施例に過ぎない。本明細書の教示を考慮すると、使用され得る他の好適な形状が、当業者には明らかになるであろう。
図4、
図7、
図9を再び参照すると、コリメータ(150、160)は、各コリメータ(150)がコリメータ(160)に隣接して配置され、コリメータ(150)が別のコリメータ(150)に隣接して配置されず、コリメータ(160)が別のコリメータ(160)に隣接して配置されないように、交互に配列される。言うまでもなく、本明細書の教示を考慮すると、任意の他の好適な関係が使用され得ることが、当業者には明らかになるであろう。
【0026】
図4、
図8、及び
図10を見ると最も良く分かるように、各サブアセンブリ(130)は、本体(132)と、光源(180)の2つのアレイと、コリメータ(150、160)の2つのアレイと、1対の主光源(170)と、画像センサアセンブリ(140)と、を含む。本体(132)は、光源(180)及び主光源(170)を支持する凹面(136)を画定し、中央平坦領域(138)は、画像センサアセンブリ(140)を支持する。上述のフィンガ(124)と同様に、凹面(136)の両端にフィンガ(134)が配置される。サブアセンブリ(130)の光源(180)は、上述したサブアセンブリ(120)の光源(180)と同様に構成され、動作可能である。しかしながら、サブアセンブリ(120)の光源(180)とは異なり、サブアセンブリ(130)の光源(180)の各アレイは正方形パターンで配列され、正方形の中央に主光源(170)が配置される。同様に、サブアセンブリ(130)のコリメータ(150、160)は、上述したサブアセンブリ(120)のコリメータ(150、160)と同様に構成され、動作可能であるが、サブアセンブリ(130)のコリメータ(150、160)は、サブアセンブリ(130)の光源(180)によって画定される正方形パターンと相補的な正方形パターンで配列される。
【0027】
各コリメータ(150、160)のアレイの正方形パターンは、対応する主光源(170)が配設される中央開口部(172)を画定する。したがって、サブアセンブリ(130)の各光源(180)は、光源(180)の上に配置された対応するコリメータ(150、160)を有するが、主光源(170)は、主光源(170)の上に配置されたコリメータ(150、160)がまったくない。より詳細に後述するように、動作中、各主光源(170)は、光源(180)が既定のシーケンスで別々に照明されている間、常時照明されたままであり得る。単に一例として、主光源(170)はLEDを備えてもよい。本明細書の教示を考慮すると、主光源(170)が取り得る他の好適な形態が、当業者には明らかになるであろう。
【0028】
各画像センサアセンブリ(140)は、光学的に受信された画像をデジタル形式に変換するように動作可能である。任意の好適な従来の画像センサを使用してもよい。本実施例では、画像センサアセンブリ(140)は、光源(180)の2つの隣接するアレイと、コリメータ(150、160)と、主光源(170)との間に横方向に挿入される。また、本実施例では、各画像センサアセンブリ(140)は、シャフト(42)の長手方向軸に対して横方向に配向される視線を提供するように配置される。本明細書の教示を考慮することで、他の好適な配置が、当業者に明らかになるであろう。
【0029】
また、本実施例では、画像センサアセンブリ(140)によってキャプチャされた画像データは、プロセッサ(12)に通信され、プロセッサは、次いで、より詳細に後述するようにデータを処理する。プロセッサ(12)はまた、光源(170、180)を駆動して光を放出するために、光源(170、180)に電力を通信する。あるいは、任意の他の好適なハードウェアを使用して、画像センサアセンブリ(140)によってキャプチャされた画像データを処理し、及び/又は光源(170、180)に照明電力を供給してもよい。例えば、内視鏡(40)は、光源(170、180)に照明電力を供給するオンボード電源(例えば、電池)を含んでもよい。本明細書の教示を考慮すると、画像センサアセンブリ(140)によってキャプチャされた画像データの通信、及び光源(170、180)に照明電力を提供するための他の好適な配列が、当業者には明らかになるであろう。
【0030】
図11~
図12は、画像センサアセンブリ(140)が解剖学的構造の表面の画像をピックアップし得る異なる方式の実施例を示す。例えば、
図11は、解剖学的構造の表面(200)がコリメータ(150)の遠位面から距離(d
1)に配置されるシナリオを示し、表面(200)は、コリメータ(150)の中心軸(central axis、CA)から角度(φ
1)に配向されている。この実施例では、コリメータ(150)の中心軸(CA)は、シャフト(42)の長手方向軸に対して横方向に配向される。コリメータ(150)の円形開口部(152)は、光源(180)によって放出された光を、解剖学的構造の表面(200)に至る光円錐(LC
1)へと集束させる。画像センサアセンブリ(140)は、表面(200)の対応する照明された領域を画像(202)としてピックアップする。
図11に示す実施例では、角度(φ
1)は約90°であり、それにより、画像(202)は円の形態となる。
【0031】
図12は、解剖学的構造の表面(210)がコリメータ(150)の遠位面から距離(d
2)に配置されるシナリオを示し、表面(210)は、コリメータ(150)の中心軸(CA)から角度(φ
2)に配向されている。コリメータ(150)の円形開口部(152)は、光源(180)によって放出された光を、解剖学的構造の表面(210)に至る光円錐(LC
2)へと集束させる。画像センサアセンブリ(140)は、表面(210)の対応する照明された領域を画像(212)としてピックアップする。
図12に示す実施例では、角度(φ
1)は斜角であり、したがって、画像(212)は楕円の形態である。したがって、画像(212)は、画像(210)のアスペクト比とは異なるアスペクト比を有する。これを考慮すると、解剖学的構造の異なる配向の表面は、そのような表面の異なる構成の照明された領域を提供し、コリメータ(150、160)は、表面配向の差異を効果的に強化することが、当業者には理解されるであろう。
【0032】
図13は、光源(180)の起動の例示的なシーケンスを示す。具体的には、第1の光源(180)は、第1の信号(300)内の電力パルス(302)によって一時的に起動され、第2の光源(180)は、第2の信号(310)内の後続の電力パルス(312)によって一時的に起動され、第3の光源(180)は、第3の信号(320)内の後続の電力パルス(322)によって一時的に起動され、以下同様である。このスキームによれば、光源(180)があるシーケンスで起動されることにより、2つの光源(180)が同時に起動されることはない。単に一例として、シーケンスは、フェーズドアレイ起動と同様であってもよい。画像センサアセンブリ(140)は、このシーケンス中に高解像度画像を連続的にキャプチャしてもよい。光源(180)の同時起動を回避することによって、撮像ヘッド(100)は、光による撮像野の過飽和を回避することができる。いくつかの変形例では、実際には、2つ以上の光源(180)が、対応するパルスによって同時に起動される場合がある。いくつかのそのような変形例では、同時に起動された光源(180)は、撮像ヘッド(100)の異なるサブアセンブリ(120、130)にある。これにより、各画像センサアセンブリ(140)の撮像野が、任意の所与の時間に光で過飽和されることを防止することができる。
【0033】
本実施例では、サブアセンブリ(120、130)の構成要素は、凹部(110)の凹状曲線に沿って配置される。光源(170、180)のこの凹状配列、及び画像センサアセンブリ(140)の相対的な配置に起因して、光源(170、180)によって放出された光は、画像センサアセンブリ(140)の前に配置された表面に沿って、概ね収束することができる。光源(180)が上記のようにあるシーケンスで起動されると、光源(180)からの光は、解剖学的構造の同じ表面に、異なる角度(φ)で衝突し得る。換言すれば、第1の光源(180)からの光(対応するコリメータ(150、160)によってコリメートされる)は、解剖学的構造の表面に第1の角度(φ1)で衝突することができ、第2の光源(180)からの光(対応するコリメータ(150、160)によってコリメートされる)は、表面に対する光源(180)の異なる配置に起因して、同じ解剖学的構造の同じ表面に第2の角度(φ2)で衝突することができる。第1の光源(180)が最初に照明される場合、対応する画像センサアセンブリ(140)は、第1のアスペクト比を有する対応する画像(例えば、画像(202)と同様)をキャプチャすることができる。第2の光源(180)が2番目に照明される場合、対応する画像センサアセンブリ(140)は、第2のアスペクト比を有する対応する画像(例えば、画像(212)と同様)をキャプチャすることができる。各光源(180)及び対応するコリメータ(150、160)は、異なる位置のコリメータ軸(CA)を有するので、解剖学的構造の表面に対する入射角は、光源(180)と対応するコリメータ(150、160)との組み合わせ毎に変動し得る。これらの差異の結果、対応する画像センサアセンブリ(140)によってキャプチャされた画像のアスペクト比、形状、及び/又はサイズ(並びに/あるいは、他の光学的に知覚可能な差異)が異なる場合があり、このような画像は、同じ解剖学的構造の同じ表面でキャプチャされる。
【0034】
したがって、各画像センサアセンブリ(140)は、同じ解剖学的構造の同じ表面の一連の画像をキャプチャすることができ、一連の各画像は、単一の光源(180)の起動時にキャプチャされる。プロセッサ(12)は、これらの画像を処理し、アスペクト比の差異(又は他の光学的に知覚可能な差異)に基づいて、解剖学的構造の表面の距離(d)及び配向(φ)を判定することができる。プロセッサ(12)は、更に、解剖学的構造表面の領域の表面プロファイルを、光源(180)から光が投射された領域の間に内挿することができる。プロセッサ(12)によって判定される表面トポグラフィを使用して、撮像された解剖学的構造の3Dデジタルモデルを現像することができる。
【0035】
図14は、内視鏡(40)を使用して実行され得る例示的な工程の例示的な組を示す。本明細書の教示を考慮すると、これらの工程はプロセッサ(12)及び/又は任意の他のハードウェアによって実行され得ることが、当業者には明らかになるであろう。第1の工程として、上述したように、画像センサアセンブリ(140)を使用して画像をキャプチャすることができる(ブロック400)。患者(P)の頭部(H)内で医療手技を実行する前に、この画像キャプチャ動作(400)を実行して、頭部(H)内の解剖学的構造に関する術前データを収集することができる。内視鏡(40)が位置センサ(50)を含む変形例では、操作者は、IGSナビゲーションシステム(10)によって提供される対応する誘導に依拠して、患者の頭部(H)内における撮像ヘッド(100)の操作及び配置を支援することができる。
【0036】
撮像ヘッド(100)を用いて画像をキャプチャした後、既知の画像スティッチング技術を使用して、キャプチャされた画像を一緒にスティッチすることができる(ブロック410)。次に、プロセッサ(12)は、上述したように、撮像された解剖学的構造の表面トポグラフィを判定することができる(ブロック420)。いくつかの変形例では、表面トポグラフィを最初に判定し(ブロック420)、続いて、スティッチする(ブロック410)。また、いくつかの変形例では、操作者は、標的とする解剖学的構造の上で、撮像ヘッド(100)を数回通過させてもよい。これにより、光源(180)及び対応するコリメータ(150、160)から、より多くの入射角で追加の画像データを獲得することが可能になり、それによって、プロセッサ(12)が表面トポグラフィを確立するための追加のデータが提供され、それによって、プロセッサ(12)が、より高い精度でより正確に3Dデジタルモデルを作成することが可能になる。したがって、ブロック400、410、420に関連する工程を、所望される回数、再反復することができ、以前にキャプチャされたデータを、その後にキャプチャされたデータによって洗練することができる。
【0037】
所望の画像をキャプチャし(ブロック400)、スティッチし(410)、表面トポグラフィを判定した(ブロック420)後、プロセッサ(12)は、このデータを合成して、解剖学的構造の3Dデジタルモデルを形成することができる(ブロック430)。単に一例として、最終3DデジタルモデルはSTLファイルの形式であってもよい。
【0038】
撮像ヘッド(100)を用いてキャプチャされた画像データに基づいて生成されている3Dデジタルモデルは、多数の方式で使用され得る。例えば、IGSナビゲーションシステム(10)(又は何らかの他のコンピュータシステム)により、操作者は、デジタルモデルを探索して、患者の頭部(H)内の解剖学的表面のレイアウトのより良好な感覚を得ることが可能になり得る。また、IGSナビゲーションシステム(10)(又は何らかの他のコンピュータシステム)により、操作者は、患者の頭部(H)内の解剖学的構造をデジタル操作することが可能になり得る。単に一例として、ソフトウェアにより、操作者は、異なる外科手技(例えば、鼻甲介縮小、副鼻腔形成、鼻中隔形成など)をモデル化し、そのような外科手技の結果(例えば、鼻腔内の流体流の流速及び他の特性)を予測することが可能になり得る。そのような外科手技のモデル化により、患者の望ましくない状態に対する潜在的な解決策として、様々な異なる外科手技を医師が仮想的に試験することが可能になり、それによって、モデル化された結果に基づいて最も最適な解決策を医師が特定することが可能になる。
【0039】
別の単なる例示的な実施例として、撮像ヘッド(100)を用いてキャプチャされた画像データに基づいて生成されている3Dデジタルモデルを、他の術前画像データ(例えば、CTスキャン、MRIスキャンなど)と組み合わせて、複合3Dデジタルモデルを作成する、又は他の場合には既存のデジタルモデルを洗練することができる。内視鏡(40)が位置センサ(50)を含む変形例では、画像データを、IGSナビゲーションシステム(10)を介して獲得された空間位置データと既に相関させてもよく、この位置データ相関は、撮像ヘッド(100)からキャプチャされたデータと他の術前供給源(例えば、CTスキャナ、MRIスキャナなど)からキャプチャされたデータとのマッチングを更に容易にし得る。撮像ヘッド(100)を用いてキャプチャされた画像データを他の術前画像データ(例えば、CTスキャン、MRIスキャンなど)と組み合わせて複合3Dデジタルモデルを作成する変形例では、
図14に示すような3Dモデルフォーマットにエクスポートする工程(ブロック430)の前又はその間に、追加の術前画像データを考慮に入れてもよい。あるいは、撮像ヘッド(100)を用いてキャプチャされた画像データに基づいて、3Dデジタルモデルを最初に作成することができる(ブロック430)。次いで、他の術前画像データを、その3Dデジタルモデルと組み合わせて、複合3Dデジタルモデルを生成することができる(ブロック440)。
【0040】
本明細書の教示を考慮すると、撮像ヘッド(100)を用いてキャプチャされた画像及び他の術前画像データ(例えば、CTスキャン、MRIスキャンなど)に基づいて複合3Dデジタルモデルを生成することができる様々な好適な方式が、当業者には明らかになるであろう。単に一例として、以下の文献の教示の少なくとも一部に従って、このようなデータは、組み合わせて複合3Dデジタルモデルを生成し得る。すなわち、米国特許第8,199,988号、発明の名称「Method and Apparatus for Combining 3D Dental Scans with Other 3D Data Sets」(2012年6月12日発行)(その開示は参照により本明細書に組み込まれる)、及び/又は米国特許第8,821,158号、発明の名称「Method and Apparatus for Matching Digital Three-Dimensional Dental Models with Digital Three-Dimensional Cranio-Facial CAT Scan Records」(2014年9月2日発行)(その開示は参照により本明細書に組み込まれる)。
【0041】
前述の実施例は、画像をキャプチャして術前3Dデジタルモデルを生成するために使用されるものとして内視鏡(40)を説明しているが、医療手技の完了後、特に医療手技の結果、解剖学的構造が何らかの再構築をもたらすときには、同じ工程を実行することもできる。したがって、術前3Dデジタルモデルに関して上述したものと同じ工程を使用して、術後3Dデジタルモデルを生成するために使用される画像をキャプチャするために、内視鏡(40)を使用してもよい。このようなシナリオでは、術後3Dデジタルモデルを術前3Dデジタルモデルと比較して、医療手技が成功したかどうかを判定するために、プロセッサ(12)(又は何らかの他のハードウェア)を使用してもよい。本明細書の教示を考慮すると、術後3Dデジタルモデルを術前3Dデジタルモデルと比較して、医療手技が成功したかどうかを判定する様々な方式が当業者には明らかになるであろう。
【0042】
III.例示的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせるか又は適用することができる、様々な非網羅的な方式に関する。以下の実施例は、本出願における又は本出願の後の書類提出におけるどの時点でも提示され得る、いずれの特許請求の範囲の適用範囲をも限定することを目的としたものではないと理解されよう。一切の否定要素を意図するものではない。以下の実施例は、単なる例示の目的で与えられるものに過ぎない。本明細書の様々な教示は、多くの他の方式で構成及び適用され得ると考えられる。また、いくつかの変形例では、以下の実施例において言及される特定の特徴部を省略してもよいことも考えられる。したがって、本発明者ら又は本発明者らの利益の承継者により、後日、そうである旨が明示的に示されない限り、以下に言及される態様又は特徴部のいずれも重要なものとして見なされるべきではない。特許請求の範囲が本出願において、又は以下に言及される特徴部以外の更なる特徴部を含む本出願に関連する後の出願において示される場合、それらの更なる特徴部は、特許性に関連するいかなる理由によっても追加されたものとして仮定されるべきではない。
【実施例1】
【0043】
装置であって、(a)長手方向軸を画定するシャフトであって、(i)近位端と、(ii)ヒトの鼻孔を通ってヒトの鼻腔内に嵌合するようにサイズ決めされる、シャフトの遠位端と、(iii)可撓性部分と、を含む、シャフトと、(b)シャフトの遠位端に配置された撮像ヘッドであって、(i)第1の画像センサアセンブリと、(ii)複数の光源であって、光源の少なくともいくつかは、第1の画像センサアセンブリに隣接して配置されており、光源は、所定のシーケンスで起動されるように構成されている、複数の光源と、(iii)複数のコリメータであって、各コリメータは、複数の光源のうちの対応する光源の上に配置されている、複数のコリメータと、を含む、撮像ヘッドと、(c)撮像ヘッドと通信するプロセッサであって、プロセッサは、所定のシーケンスで光源を起動するように構成されており、第1の画像センサアセンブリは、光源が所定のシーケンスで起動されるにつれて光源によって照明される表面の画像をキャプチャするように構成されている、プロセッサと、を備える、装置。
【実施例2】
【0044】
シャフトの可撓性部分は、シャフトの長手方向軸から離れる方向への撮像ヘッドの能動的な偏向を可能にするように操縦可能である、実施例1に記載の装置。
【実施例3】
【0045】
第1の画像センサアセンブリは、シャフトの長手方向軸に対して横方向に配向される視線を提供するように配置されている、実施例1又は2に記載の装置。
【実施例4】
【0046】
各光源は、シャフトの長手方向軸に対して横方向に配向される経路に沿って光を投射するように配置されている、実施例1~3のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例5】
【0047】
各コリメータは、シャフトの長手方向軸に対して横方向に配向される対応するコリメータ中心軸上に中心がある開口部を画定し、各コリメータは、コリメータ中心軸に沿って対応する光源からの光をコリメートするように配置されている、実施例1~4のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例6】
【0048】
撮像ヘッドは、第2の画像センサアセンブリを更に含み、光源のうちの少なくともいくつかは、第1の画像センサアセンブリに隣接して配置されている、実施例1~4のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例7】
【0049】
第1の画像センサアセンブリは、第1の長手方向位置に位置しており、第2の画像センサアセンブリは、第2の長手方向位置に位置しており、第2の長手方向位置は、第1の長手方向位置の近位にある、実施例1~6のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例8】
【0050】
光源はLEDを備える、実施例1~7のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例9】
【0051】
コリメータは、円形開口部を画定する第1の組のコリメータを含む実施例1~8のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例10】
【0052】
コリメータは、矩形開口部を画定する第1の組のコリメータを含む、実施例1~8のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例11】
【0053】
コリメータは、(i)円形開口部を画定する第1の組のコリメータと、(ii)矩形開口部を画定する第2の組のコリメータと、を含む、実施例1~8のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例12】
【0054】
コリメータは、円形開口部を画定するコリメータが、矩形開口部を画定するコリメータの間に交互に配列されるように配置されている、実施例11に記載の装置。
【実施例13】
【0055】
プロセッサは、シャフト内に配置されている、実施例1~12のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例14】
【0056】
プロセッサは、撮像ヘッド内に配置されている、実施例1~12のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例15】
【0057】
プロセッサは、第1の画像センサアセンブリによってキャプチャされた画像に基づいて、患者の頭部内の解剖学的構造の表面トポグラフィを判定するように更に構成されている、実施例1~14のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例16】
【0058】
プロセッサは、第1の画像センサアセンブリによってキャプチャされた画像に基づいて、患者の頭部内の解剖学的構造の三次元デジタルモデルを生成するように更に構成されている、実施例1~15のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例17】
【0059】
プロセッサは、第1の画像センサアセンブリによってキャプチャされた画像からのデータを、別の撮像デバイスを介してキャプチャされた画像からのデータと組み合わせて、三次元デジタルモデルを生成するように更に構成されている、実施例16に記載の装置。
【実施例18】
【0060】
撮像ヘッドは、三次元空間における撮像ヘッドの位置を示す信号を生成するように構成された位置センサを更に含む、実施例1~17のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例19】
【0061】
装置であって、(a)長手方向軸を画定するシャフトであって、(i)近位端と、(ii)ヒトの鼻孔を通ってヒトの鼻腔内に嵌合するようにサイズ決めされる、シャフトの遠位端と、(iii)可撓性部分と、を含む、シャフトと、(b)シャフトの遠位端に配置された撮像ヘッドであって、(i)シャフトの長手方向軸に対して横方向に配向される視線を提供するように配置された第1の画像センサアセンブリと、(ii)第1の画像センサアセンブリに隣接して配置された複数の光源であって、各光源は、シャフトの長手方向軸に対して横方向に配向された経路に沿って光を投射するように配置されている、複数の光源と、(iii)第1の組のコリメータであって、第1の組の各コリメータは、複数の光源のうちの対応する光源の上に配置されており、第1の組のコリメータの各コリメータは、第1の形状を有する開口部を画定し、第1の組の各コリメータは、シャフトの長手方向軸に対して横方向に配向される経路に沿って対応する光源からの光をコリメートするように配置される、第1の組のコリメータと、(iv)第2の組のコリメータであって、第2の組のコリメータの各コリメータは、複数の光源のうちの対応する光源の上に配置されており、第2の組の各コリメータは、第2の形状を有する開口部を画定し、第2の組の各コリメータは、シャフトの長手方向軸に対して横方向に配向された経路に沿って対応する光源からの光をコリメートするように配置される、第2の組のコリメータと、を含む、撮像ヘッドと、を備える、装置。
【実施例20】
【0062】
方法であって、(a)患者の鼻腔内に配置されたシャフトの遠位端にある複数の光源を起動することであって、光源は、それぞれのコリメータを通して光を放出し、光源をあるシーケンスで起動する、ことと、(b)光源によって照明された解剖学的構造の画像をキャプチャすることであって、各画像が複数の光源のうちの対応する光源に関連付けられるように、各画像は、対応する光源によって照明されると解剖学的構造の領域に対応する、ことと、(c)キャプチャされた画像に基づいて、解剖学的構造の表面トポグラフィを判定することと、(d)キャプチャされた画像及び判定された表面トポグラフィに基づいて、三次元デジタルモデルを生成することと、を含む、方法。
【0063】
IV.その他
本明細書に記載される実施例のうちのいずれも、上述のものに加えて又はそれに代えて、様々な他の特徴部を含み得ることが理解されるべきである。単に一例として、本明細書に記載される実施例のうちのいずれも、参照により本明細書に組み込まれる様々な参考文献のいずれかに開示される様々な特徴部のうちの1つ又は2つ以上を含むことができる。
【0064】
本明細書に記載の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上を、本明細書に記載の他の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上と組み合わせることができる点が理解されるべきである。したがって、上記の教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して独立して考慮されるべきではない。本明細書の教示に照らして、本明細書の教示を組み合わせることができる様々な好適な方式が、当業者には容易に明らかとなろう。このような修正及び変形は、「特許請求の範囲」の範囲内に含まれるものとする。
【0065】
本明細書に参照により組み込まれると言及されるあらゆる特許、公報、又はその他の開示内容は、全体的に又は部分的に、組み込まれる内容が現行の定義、見解、又は本開示に記載されるその他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲内においてのみ本明細書に組み込まれると理解されるべきである。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれると言及されるが、現行の定義、見解、又は本明細書に記載される他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は、組み込まれた内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲内においてのみ、組み込まれるものとする。
【0066】
本明細書に開示されるデバイスの変形例は、1回の使用後に処分されるように設計されるか又は複数回使用されるように設計され得る。変形例は、いずれか又は両方の場合においても、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整され得る。再調整は、デバイスの分解工程、それに続く特定の部品の洗浄又は交換工程、及びその後の再組み立て工程の、任意の組み合わせを含み得る。特に、デバイスの変形例は、分解することができ、かつ、デバイスの任意の数の特定の部品若しくは部分を、任意の組み合わせにおいて選択的に交換又は取り外してもよい。特定の部分を洗浄時及び/又は交換時に、デバイスの変形例は、再調整用の施設において、又は外科手技の直前に外科チームによってかのいずれかで、その後の使用のために再組み立てされ得る。当業者であれば、デバイスの再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのための様々な技術を利用することができることを理解するであろう。かかる技術の使用、及び結果として得られる再調整されたデバイスは、全て本発明の範囲内にある。
【0067】
単に一例として、本明細書に記載の変形例は、手術前に処理することができる。まず、新品又は使用済みの器具を入手し、必要に応じて洗浄することができる。次いで器具を滅菌することができる。1つの滅菌技術では、器具は、プラスチックバッグ又はTYVEKバッグなど、閉鎖され密封された容器に入れられる。次いで、容器及び器具を、γ線、X線、又は高エネルギー電子などの容器を透過し得る放射線野に置くことができる。放射線は、器具上及び容器内の細菌を死滅させることができる。この後、滅菌済みの器具を滅菌容器内で保管することができる。密封容器は、手術設備で開封されるまで器具を滅菌状態に保つことができる。β線若しくはγ線、エチレンオキシド、又は水蒸気が挙げられるがこれらに限定されない、当該技術分野で既知の任意の他の技術を使用して、デバイスを滅菌してもよい。
【0068】
本発明の様々な変形例について図示し説明してきたが、本明細書で説明した方法及びシステムの更なる応用が、当業者による適切な改変形態により、本発明の範囲から逸脱することなく実現され得る。そのような可能な改変のうちのいくつかについて述べてきたが、他の改変も当業者には明らかになるであろう。例えば、上で考察された実施例、変形例、幾何形状、材料、寸法、比率、工程などは例示的なものであって、必須ではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の観点から考慮されるべきものであり、本明細書及び図面に示され記載された構造及び動作の細部に限定されないものとして理解される。
【0069】
〔実施の態様〕
(1) 装置であって、
(a)長手方向軸を画定するシャフトであって、
(i)近位端と、
(ii)ヒトの鼻孔を通ってヒトの鼻腔内に嵌合するようにサイズ決めされている、遠位端と、
(iii)可撓性部分と、
を含む、シャフトと、
(b)前記シャフトの前記遠位端に配置された撮像ヘッドであって、
(i)第1の画像センサアセンブリと、
(ii)複数の光源であって、前記光源の少なくともいくつかは、前記第1の画像センサアセンブリに隣接して配置されており、前記光源は、所定のシーケンスで起動されるように構成されている、複数の光源と、
(iii)複数のコリメータであって、各コリメータは、前記複数の光源のうちの対応する光源の上に配置されている、複数のコリメータと、
を含む、撮像ヘッドと、
(c)前記撮像ヘッドと通信するプロセッサであって、前記プロセッサは、所定のシーケンスで前記光源を起動するように構成されており、前記第1の画像センサアセンブリは、前記光源が前記所定のシーケンスで起動されるにつれて前記光源によって照明される表面の画像をキャプチャするように構成されている、プロセッサと、
を備える、装置。
(2) 前記シャフトの前記可撓性部分は、前記シャフトの前記長手方向軸から離れる方向への前記撮像ヘッドの能動的な偏向を可能にするように操縦可能である、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記第1の画像センサアセンブリは、前記シャフトの前記長手方向軸に対して横方向に配向される視線を提供するように配置されている、実施態様1に記載の装置。
(4) 各光源は、前記シャフトの前記長手方向軸に対して横方向に配向される経路に沿って光を投射するように配置されている、実施態様1に記載の装置。
(5) 各コリメータは、前記シャフトの前記長手方向軸に対して横方向に配向される対応するコリメータ中心軸上に中心がある開口部を画定し、各コリメータは、前記コリメータ中心軸に沿って前記対応する光源からの光をコリメートするように配置されている、実施態様1に記載の装置。
【0070】
(6) 前記撮像ヘッドは、第2の画像センサアセンブリを更に含み、前記光源のうちの少なくともいくつかは、前記第1の画像センサアセンブリに隣接して配置されている、実施態様1に記載の装置。
(7) 前記第1の画像センサアセンブリは、第1の長手方向位置に位置しており、前記第2の画像センサアセンブリは、第2の長手方向位置に位置しており、前記第2の長手方向位置は、前記第1の長手方向位置の近位にある、実施態様1に記載の装置。
(8) 前記光源はLEDを備える、実施態様1に記載の装置。
(9) 前記コリメータは、円形開口部を画定する第1の組のコリメータを含む、実施態様1に記載の装置。
(10) 前記コリメータは、矩形開口部を画定する第1の組のコリメータを含む、実施態様1に記載の装置。
【0071】
(11) 前記コリメータは、
(i)円形開口部を画定する第1の組のコリメータと、
(ii)矩形開口部を画定する第2の組のコリメータと、
を含む、実施態様1に記載の装置。
(12) 前記コリメータは、円形開口部を画定する前記コリメータが、矩形開口部を画定する前記コリメータの間に交互に配列されるように配置されている、実施態様11に記載の装置。
(13) 前記プロセッサは、前記シャフト内に配置されている、実施態様1に記載の装置。
(14) 前記プロセッサは、前記撮像ヘッド内に配置されている、実施態様1に記載の装置。
(15) 前記プロセッサは、前記第1の画像センサアセンブリによってキャプチャされた画像に基づいて、患者の頭部内の解剖学的構造の表面トポグラフィを判定するように更に構成されている、実施態様1に記載の装置。
【0072】
(16) 前記プロセッサは、前記第1の画像センサアセンブリによってキャプチャされた画像に基づいて、患者の頭部内の解剖学的構造の三次元デジタルモデルを生成するように更に構成されている、実施態様1に記載の装置。
(17) 前記プロセッサは、前記第1の画像センサアセンブリによってキャプチャされた画像からのデータを、別の撮像デバイスを介してキャプチャされた画像からのデータと組み合わせて、前記三次元デジタルモデルを生成するように更に構成されている、実施態様16に記載の装置。
(18) 前記撮像ヘッドは、三次元空間における前記撮像ヘッドの位置を示す信号を生成するように構成された位置センサを更に含む、実施態様1に記載の装置。
(19) 装置であって、
(a)長手方向軸を画定するシャフトであって、
(i)近位端と、
(ii)ヒトの鼻孔を通ってヒトの鼻腔内に嵌合するようにサイズ決めされている、遠位端と、
(iii)可撓性部分と、
を含む、シャフトと、
(b)前記シャフトの前記遠位端に配置された撮像ヘッドであって、
(i)前記シャフトの前記長手方向軸に対して横方向に配向される視線を提供するように配置される画像センサアセンブリと、
(ii)前記第1の画像センサアセンブリに隣接して配置された複数の光源であって、各光源は、前記シャフトの前記長手方向軸に対して横方向に配向される経路に沿って光を投射するように配置されている、複数の光源と、
(iii)第1の組のコリメータであって、前記第1の組のコリメータの各コリメータは、前記複数の光源のうちの対応する光源の上に配置されており、前記第1の組の各コリメータは、第1の形状を有する開口部を画定し、前記第1の組の各コリメータは、前記シャフトの前記長手方向軸に対して横方向に配向される経路に沿って前記対応する光源からの光をコリメートするように配置されている、第1の組のコリメータと、
(iv)第2の組のコリメータであって、前記第2の組のコリメータの各コリメータは、前記複数の光源のうちの対応する光源の上に配置されており、前記第2の組の各コリメータは、第2の形状を有する開口部を画定し、前記第2の組の各コリメータは、前記シャフトの前記長手方向軸に対して横方向に配向される経路に沿って前記対応する光源からの光をコリメートするように配置されている、第2の組のコリメータと、
を含む、撮像ヘッドと、
を備える、装置。
(20) 方法であって、
(a)患者の鼻腔内に配置されたシャフトの遠位端にある複数の光源を起動することであって、前記光源は、それぞれのコリメータを通して光を放出し、前記光源をあるシーケンスで起動する、ことと、
(b)前記光源によって照明された解剖学的構造の画像をキャプチャすることであって、各画像が前記複数の光源のうちの対応する光源に関連付けられるように、各画像は、対応する光源によって照明されると前記解剖学的構造の領域に対応する、ことと、
(c)キャプチャされた前記画像に基づいて、前記解剖学的構造の表面トポグラフィを判定することと、
(d)前記キャプチャされた画像及び判定された前記表面トポグラフィに基づいて、三次元デジタルモデルを生成することと、
を含む、方法。