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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】血液癌を治療するための併用療法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/63 20060101AFI20240326BHJP
   A61K 31/4545 20060101ALI20240326BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20240326BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
A61K31/63
A61K31/4545
A61P35/02
A61P43/00 121
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021539498
(86)(22)【出願日】2019-09-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-06
(86)【国際出願番号】 US2019051764
(87)【国際公開番号】W WO2020061216
(87)【国際公開日】2020-03-26
【審査請求日】2022-09-16
(31)【優先権主張番号】62/732,816
(32)【優先日】2018-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515071074
【氏名又は名称】シグナルケム・ライフサイエンシーズ・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】SIGNALCHEM LIFESCIENCES CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100156144
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 康
(72)【発明者】
【氏名】ザイホイ・ジャン
(72)【発明者】
【氏名】シャオヤン・ジアン
(72)【発明者】
【氏名】カタリーナ・ローテ
(72)【発明者】
【氏名】シャオジア・ニウ
【審査官】春日 淳一
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-501981(JP,A)
【文献】特表2008-540577(JP,A)
【文献】Selective BCL-2 Inhibition by ABT-199 Causes On-Target Cell Death in Acute Myeloid Leukemia,Cancer Discovery,2014年,Vol.4, No.3,p.362-375
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K,A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液癌の療法において同時に使用するための、Axl阻害剤と、BCL-2ファミリータンパク質阻害剤との併用剤であって、
前記Axl阻害剤が、3-(5-(シクロプロピルメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-5-(1-(ピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-アミンであり、前記BCL-2ファミリータンパク質阻害剤が、下記構造を有するベネトクラクスである、併用剤。
【請求項2】
血液癌の療法において同時に使用するための、Axl阻害剤と、BCL-2ファミリータンパク質阻害剤との併用剤であって、
前記Axl阻害剤が、3-(5-(シクロプロピルメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-5-(1-(ピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-アミンであり、前記BCL-2ファミリーのタンパク質阻害剤が、下記構造を有するナビトクラクスである、併用剤。
【請求項3】
前記血液癌が、急性骨髄性白血病(AML)である、請求項1または2に記載の併用剤。
【請求項4】
前記Axl阻害剤が、同じAxl阻害剤を使用する単剤療法よりも低い用量で投与される、請求項1~のいずれか一項に記載の併用剤。
【請求項5】
前記BCL-2ファミリータンパク質阻害剤が、同じBCL-2ファミリータンパク質阻害剤を使用する単剤療法よりも低い用量で投与される、請求項1~のいずれか一項に記載の併用剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)の下、2018年9月18日出願の米国仮特許出願第62/732,816号の利益を主張し、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本開示は、血液癌、具体的には急性骨髄性白血病を治療するための併用療法を提供する。
【0003】
関連技術の説明
急性骨髄性白血病(AML)は、白血病幹細胞(LSC)および骨髄前駆細胞(芽細胞)のクローン増殖を特徴とし、造血障害および骨髄(BM)不全をもたらす(1~3)。それは、非常に不均一であり、最大9つの個々のカテゴリーの遺伝子変異を有する(1、2、4~6)。近年、分子および遺伝子の下位群を特定する上で大きな進歩がなされているが、AML療法および長期的な患者の転帰は、過去40年間にわたって有意には改善していない(3、4、7)。したがって、5年生存率は、60歳未満の患者では40%未満、およびそれより高齢の患者では10~20%にとどまるにすぎない(1、8)。アントラサイクリンまたはサイトアラビンなどの標準的な誘導化学療法は、ほとんどの患者において骨髄芽球細胞の初期低減につながるが、現在利用可能な治療のいずれも、治癒的ではない。薬剤耐性および再発は、依然として治療失敗の主な原因であり、より有効な療法に対する必要性を強調している(9~11)。加えて、ヒト血液癌に由来するLSCおよびそれらの前駆細胞は、現在の療法に対して高度に耐性があり、これが、多くの患者において再発の潜在性を維持することが実証されている(12~17)。したがって、AMLの改善された療法が、緊急に必要とされる。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、現在利用可能な療法よりも優れた治療転帰を提供する併用療法に関連する。様々な実施形態は、血液癌の治療を必要とする対象において血液癌(例えば、AML)を治療するための方法を対象とし、この方法は、少なくとも1つのTAMファミリーキナーゼ阻害剤(例えば、Axl阻害剤)を、少なくとも1つのBCL-2ファミリータンパク質阻害剤と併用して、対象に投与することを含む。有利なことに、本明細書に開示される併用療法は、別個に投与される単剤療法と比較して、相加的効力および相乗的治療効果を超えるものを提供することが実証されている。
【0005】
一実施形態では、本併用療法で利用されるTAMファミリーキナーゼ阻害剤は、強力なAxl阻害剤である。
【0006】
より具体的な実施形態では、Axl阻害剤は、式(I)の化合物であり、
【化1】
式中、
A、A、およびAが、同じであるか、または異なり、独立して-N=、-CR5=、または-O-であり、
【0007】
が、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルであり、これらの各々が、任意で置換され得、
【0008】
が、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、シクロアルキル、アルキル、アラルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、またはアリールであり、これらの各々が、任意で置換され得、
【0009】
各RおよびRが、同じであるか、または異なり、水素、アルキル、アラルキル、アルケニル、アラルケニル、アルキニル、アラルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロ、またはハロアルキルから独立して選択され、これらの各々が、任意で置換され得、
【0010】
が、各出現において、水素、アルキル、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロ、またはハロアルキルであり、これらの各々が、任意で置換され得るか、あるいは
【0011】
その立体異性体、鏡像異性体、もしくは互変異性体、その薬学的に許容される塩、またはその医薬組成物である。
【0012】
好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、3-(5-(シクロプロピルメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-5-(1-(ピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-アミン(化合物A)である。
【化2】
【0013】
別の実施形態では、BCL-2ファミリータンパク質阻害剤が、式(II)の化合物であり、
【化3】
式中、
nが、0または1であり、
【0014】
が、任意で置換されたヘテロシクリルアルキル、任意で置換されたシクロアルキルアルキル、または任意で置換されたヘテロアルキルであり、
が、任意で置換されたヘテロシクリルアルキルであり、
が、任意で置換されたヘテロアリールまたは任意で置換されたアリールであり、
が、電子求引性基である。
より具体的な実施形態では、BCL-2阻害剤は、ベネトクラクス(VENCLEXTA(登録商標)、ABT-199としても知られる)、またはナビトクラクス(ABT-263としても知られる)である。
【化4】
【0015】
より具体的な実施形態では、本併用療法は、例えば、白血病、リンパ腫、または骨髄腫を含む血液癌を治療するための、Axl阻害剤およびBCL-2ファミリータンパク質阻害剤の同時投与を含む。より具体的な実施形態では、血液癌は、AMLである。
【0016】
さらなる実施形態は、患者において血液癌、例えば、AMLを予防、治療、または管理する上での、1つ以上の化学療法剤と併用した式(I)の化合物の有効性を決定することができるインビボアッセイを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1Aおよび1Bは、それぞれMolm-13およびMV4-11AML細胞株に対するAxl/BCL-2阻害剤併用療法の併用指数値を示す。
図2図2Aおよび2Bは、AML患者試料のAxl、ならびにそれぞれCD34+AMLおよび幹細胞富化CD34+CD38-AMLの正常骨髄(NBM)ドナー細胞の細胞表面発現を示す。
図3図3Aおよび3Bは、AML患者試料のAxl、ならびにそれぞれCD34+AMLおよび幹細胞富化CD34+CD38-AMLのNBMドナー細胞の平均細胞表面発現を示す。
図4図4Aおよび4Bは、Axl阻害剤単剤療法、BCL-2阻害剤単剤療法、およびAxl/BCL-2阻害剤併用療法による治療前(図4A)および治療後(図4B)のAMLの患者由来異種移植片(PDX)モデルからのマウスの生物発光画像を示す。
図5】各患者コホートに示される、各治療群のAMLのPDXモデルからの代表的な安楽死させたマウスの脾臓サイズおよび重量を示す。
図6図6Aおよび6Bは、AMLのPDXモデルの各治療群からの代表的な安楽死させたマウスの末梢血(PB)中の、形質導入(GFP+)した、および形質導入していない(GFP-)ヒト白血病細胞の生着の蛍光活性化細胞分取(FACS)分析を示す。 図6Cおよび6Dは、AMLのPDXモデルの各治療群からの代表的な安楽死させたマウスの骨髄(BM)中の、形質導入(GFP+)した、および形質導入していない(GFP-)ヒト白血病細胞の生着の蛍光活性化細胞分取(FACS)分析を示す。
図7】それぞれ治療群コホート1およびコホート2の、AMLのPDXモデルにおける白血病マウスの生存曲線を示す。
図8】Axl阻害剤単剤療法、BCL-2阻害剤単剤療法、およびAxl/BCL-2併用療法による治療前(図8A)および治療後(図8B)のAMLのMV4-11細胞株異種移植片モデルにおけるマウスの生物発光画像を示す。
図9A】示される各治療群からのAMLのMV4-11細胞株異種移植片モデルにおける代表的な安楽死させたマウスの脾臓サイズおよび重量を示す。
図9B】示される各治療群からのAMLのMV4-11細胞株異種移植片モデルにおける代表的な安楽死させたマウスのヘモトキシリンおよびエオシン染色を示す。
図10】示される各治療群からのAMLのMV4-11細胞株異種移植片モデルにおける代表的なマウスのPB、BM、脾臓、および肝臓における白血病細胞の生着のFACS分析を示す。
図11】示される治療群のAMLのMV4-11細胞株異種移植片モデルにおける白血病マウスの生存曲線を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示の様々な実施形態は、血液癌、具体的には急性骨髄性白血病(AML)を治療するための、TAMファミリーキナーゼ阻害剤(例えば、Axl阻害剤)をBCL-2ファミリータンパク質阻害剤と併用して利用する併用療法を対象とする。
【0019】
AxlおよびBCL-2を標的とすることの相乗効果
GAS6/Axlシグナル伝達は、AMLの病態形成および療法耐性において重要である。AMLの治療のための1つの候補標的は、受容体チロシンキナーゼのTAM(TRYO3、Axl、およびMER)ファミリーのメンバーである、Axlである(18、19)。4つの推定TAMRリガンド、つまり成長停止特異的遺伝子6(GAS6)、プロテインS、TUBBY、およびTUBBY様タンパク質1(TULP1)が存在する(18、20)。興味深いことに、GAS6は、Axlに対してナノモル以下の親和性を有し、Axlの唯一の活性化リガンドである。TAMRは、多くの固形腫瘍で過剰発現され、アポトーシスに対する生存および耐性を増強する(18、19)。Axlは、癌細胞の移動および浸潤を媒介する上で重要な役割を果たす。具体的には、AxlおよびGAS6の発現は、BCL-2およびCD34の異常な発現に加えて、一部のAMLおよび慢性骨髄性白血病(CML)患者において増加し、これは、予後不良に関連することが報告されている(18、21~23)。ヒト白血病における治療標的としてのその潜在的な役割はまた、shRNAまたは小分子阻害剤を通して達成されるAxl阻害が、アポトーシスを増加させ、インビトロおよびインビボでAML/CML細胞株および患者細胞の増殖を阻害したことを実証することによっても報告されている(21、23~25)。AML細胞は、BM由来間質細胞を刺激して、GAS6を上方制御し、これが、AML細胞の化学療法耐性を増加させる(21、23)。したがって、GAS6/Axl活性を標的とすることは、結果的にAMLにおける合理的で新たな治療戦略である。固形腫瘍およびAML/CMLを治療するためのいくつかのAxlおよび/またはMER阻害剤は、様々な開発段階にある(19)。しかしながら、多くは、マルチキナーゼ阻害剤であり、健康な造血細胞に対する標的外効果および/または毒性が、依然として困難であり、ほとんどの研究は、細胞株、および未精製またはCD34+バルクAML細胞で実行したものであった(19、21、26、27)。GAS6/Axl経路が、特定の染色体異常もしくは変異を有するAML患者の下位群において、または最高レベルのAxlおよび他のファミリーメンバーを発現し得るためAxl阻害に対して最も感受性である特定の下位集団(複数可)において特異的に活性化されるかどうかについては、ほとんど知られていない。また、Axl阻害剤が、AML幹細胞および前駆細胞を化学療法または標的化治療剤に対して感作することができるかどうかも知られていないが、これは、これらの細胞が、現在の抗癌療法に対して高度に耐性があるためである(12~14、17)。
【0020】
BCL-2ファミリーのタンパク質は、アポトーシス応答に対する重要なゲートキーパーとして知られている。構造的に関連するタンパク質のこの群は、互いに相互作用するアポトーシス促進性および抗アポトーシス性のメンバーを構成する。このタンパク質ファミリーのBCL-2および他のメンバーに共通するアミノ酸の短い配列は、BCL-2相同性(BH)モチーフとして知られている。少なくとも1つのBHモチーフが、BCL-2ファミリーメンバーの各々に収容される。これらのモチーフは、一部には、各メンバーの機能に寄与する。BCL-2ファミリーメンバーは、3つの機能群、つまりBCL-2などの抗アポトーシス性タンパク質、アポトーシス促進性エフェクター、およびアポトーシス促進性活性化因子に分類することができる。前臨床データは、単一のBH3モチーフのみを含有する活性化因子が、DNA損傷などのストレスに対する細胞応答の重要な媒介物であることを示唆する。エフェクターは、ミトコンドリア膜に密接に関連するBCL-2タンパク質であり、BH3のみの活性化因子によって刺激されると、ミトコンドリア膜内の細孔の形成を促進し、アポトーシスプログラムを開始する。腫瘍細胞は、生存のためにBCL-2に依存するようになり得る。腫瘍細胞が生存のために単一の優性遺伝子に依存する癌遺伝子依存性と同様に、腫瘍細胞はまた、生存するためにBCL-2にも依存するようになり得る。ストレスシグナルに応答して、悪性細胞は、アポトーシス促進性活性化因子を発現し得る。いくつかの癌細胞は、BCL-2を過剰発現し、これは、このアポトーシス促進性応答を弱める可能性がある。その結果、多くの場合、BCL-2によって結合および隔絶されたアポトーシス促進性活性化因子が豊富に存在する。このシナリオでは、癌細胞は、BCL-2から置き換えられた場合、プログラム細胞死を誘導するのに十分な量のアポトーシス促進性活性化因子を含有し得るという点で、アポトーシスの準備刺激がされていると考えられる。このように生存のためにBCL-2に依存する癌は、BCL-2調節に対して感受性である可能性が高い。
【0021】
本開示は、血液癌、具体的にはAMLを治療するために、AxlおよびBCL-2を同時に標的化することの相乗効果を記載する。Axl阻害剤およびBCL-2阻害剤を、それらを必要とする患者に同時に投与することによって、本併用療法は、Axl阻害剤を利用する単剤療法または他の現在の併用療法よりも優れた治療転帰を提供する。
【0022】
具体的には、急性骨髄性白血病のモデルに対する相乗効果が、本明細書で実証される。実施例に明記されるように、インビトロおよびインビボ生物学的アッセイの両方を含む急性骨髄性白血病の複数のモデルにおいて、ならびに複数のAML細胞株にわたって、相乗効果が観察された。
【0023】
より具体的には、化合物AであるAxl阻害剤とBCL-2阻害剤(ABT-199またはABT-263)との薬物の併用を、Molm-13およびMV4-11AML細胞株を使用してインビトロで試験した。BCL-2感受性細胞株は、ABT-199またはABT-263単剤療法と比較して、化合物Aと併用した場合に、ABT-199およびABT-263に対する増加した感受性を実証した。このデータの併用指数(CI)分析は、1未満の指数を提供し、これは、Axl阻害剤化合物Aと、BCL-2阻害剤ABT-199またはABT-263との併用の両方がそれぞれ、AML細胞株の両方に対して相乗効果を生成したことを示す。例えば、実施例1を参照されたい。
【0024】
加えて、Axl阻害剤(化合物A)とBCL-2阻害剤(ABT-199)との薬物の併用は、インビボアッセイで、原始白血病細胞の標的とし、かつ/または白血病の発症を予防する上で、化合物A単独よりも有効であることが実証された。簡単に言えば、GFP/ルシフェラーゼレンチウイルスレポーターを形質導入したAML患者からの精製CD34+幹細胞および前駆細胞を使用して、マウスにおける患者由来異種移植片モデルアッセイを開発して、白血病発病を追跡するためのマウスの非侵襲的インビボ撮像(IVIS)を可能にした。驚くべきことに、化合物A/ABT-199の併用は、初期時点での白血病発症の遅延および排除に高度に有効であったが、単一の薬剤の単剤療法は、白血病進行を示した。
【0025】
安楽死させたマウスを、脾腫(肥大化した脾臓)について、ならびに末梢血(PB)および骨髄(BM)中の白血病細胞の存在について、蛍光活性化細胞分取(FACS)分析を介してさらに確認した。併用療法群の脾臓サイズおよび重量は、非白血病マウスのものと一致していた。対照的に、単一の薬剤の単剤療法群は、脾臓サイズおよび重量の増加を実証した。同様に、併用療法群は、単剤療法を受けている対象と比較して、PBおよびBM中の白血病細胞の存在の低減を実証した。加えて、対照群および治療群の生存曲線は、併用療法群と単剤療法群との間で有意差(P<0.05)を実証した。結論として、化合物AおよびABT-199による併用治療は、白血病負担を減少させ、初代AML患者細胞による患者由来異種移植片(PDX)モデルにおいて白血病マウスの生存を有意に増強する。例えば、実施例3を参照されたい。
【0026】
さらに、Axl阻害剤(化合物A)とBCL-2阻害剤(ABT-199)との薬物の併用の有効性および安全性を、動物モデルで実証した。具体的には、この併用は、化合物A単独またはABT-199単独による単剤療法と比較して、インビボでヒト白血病細胞を排除する上で有効であることが示された。簡単に言えば、GFP/ルシフェラーゼレンチウイルスベクターを形質導入したMV4-11細胞を使用して、細胞株ベースの異種移植片マウス研究を実行して、マウスにおけるヒト白血病細胞の分取/分析、ならびに白血病発病および白血病形成部位を追跡するためのマウスの非侵襲的インビボ撮像(IVIS)を可能にした。注目すべきことに、化合物A/ABT-199の併用療法は、治療後に観察された生物発光シグナルが検出閾値未満であったため、白血病発症の排除に高度に有効であった。逆に、化合物Aによる単一の薬剤の単剤療法もまた、より低い程度ではあるものの、生物発光シグナルを低下させたが、ビヒクルおよびABT-199単剤療法は全て、侵襲性の白血病進行を示した。安楽死させたマウスを、脾臓(脾腫)および肝臓白血病細胞浸潤について、ならびに末梢血(PB)、骨髄(BM)、脾臓、および肝臓における白血病細胞の存在について、蛍光活性化細胞分取(FACS)分析を介してさらに確認した。併用療法群および化合物A単剤療法の脾臓サイズおよび重量は、非白血病マウスのものと一致していた。逆に、ABT-199単剤療法群およびビヒクル(対照)群は、脾臓サイズおよび重量の増加を実証した。同様に、FACS分析は、併用療法群が、単剤療法を受けている対象と比較して、BM、PB、脾臓、および肝臓におけるGFP形質導入白血病細胞の劇的に低減した存在を実証することを示した。加えて、対照群および治療群の生存曲線は、併用療法群と単剤療法群との間で有意差(P<0.05)を実証した。要約すると、化合物A治療単独は、このMV4-11動物モデルにおいてインビボでの白血病増殖活性を低減することができ、この阻害効果は、ABT-199との併用治療後に劇的に増強された。
【0027】
併用療法
したがって、血液癌の治療を必要とする患者において血液癌を治療するための方法を、本明細書でより詳細に記載し、この方法は、1つ以上のAxl阻害剤を、1つ以上のBCL-2ファミリータンパク質阻害剤(「BCL-2阻害剤」)と同時に投与することを含む。結果として得られる治療効果は、各種類の阻害剤を単独で使用する単剤療法の単なる相加効果よりも驚くほど大きい。そのような相乗的な併用には、さらに低い毒性が伴う。
【0028】
1.Axl阻害剤
開示される併用療法に好適なAxl阻害剤は、TAMファミリーキナーゼ阻害剤であることが知られているアミノピリジン誘導体である。例えば、WO2015/081257を参照されたい。具体的には、Axl阻害剤は、式(I)の構造を有する化合物であり、
【化5】
式中、
A、A、およびAが、同じであるか、または異なり、独立して-N=、-CR5=、または-O-であり、
【0029】
が、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルであり、
【0030】
が、水素、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、シクロアルキル、アルキル、アラルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、またはアリールであり、
【0031】
各RおよびRが、同じであるか、または異なり、水素、アルキル、アラルキル、アルケニル、アラルケニル、アルキニル、アラルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロ、またはハロアルキルから独立して選択され、
【0032】
が、各出現において、水素、アルキル、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロ、またはハロアルキルであるか、あるいは
【0033】
その立体異性体、鏡像異性体、もしくは互変異性体、その薬学的に許容される塩、またはその医薬組成物である。
【0034】
式(I)の化合物のうち、別の実施形態は、式(Ia)の化合物を提供し、
【化6】
式中、R、R、R、およびRは、上記に定義されるとおりである。
【0035】
式(I)の化合物のうち、別の実施形態は、式(Ib)の化合物を提供し、
【化7】
式中、R、R、R、およびRは、上記に定義されるとおりである。
【0036】
式(I)の化合物のうち、別の実施形態は、式(Ic)の化合物を提供し、
【化8】
式中、R、R、R、およびRは、上記に定義されるとおりである。
【0037】
式(I)の化合物のうち、一実施形態は、式(Id)の化合物を提供し、
【化9】
式中、
、R、R、およびRは、上記に定義されるとおりである。
【0038】
式(I)の化合物のうち、別の実施形態は、式(Ie)の化合物を提供し、
【化10】
式中、R、R、R、およびRは、上記に定義されるとおりである。
【0039】
式(I)の化合物のうち、別の実施形態は、式(If)の化合物を提供し、
【化11】
式中、R、R、R、およびRは、上記に定義されるとおりである。
【0040】
より具体的な実施形態では、Axl阻害剤は、上記に明記される式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、または(If)の化合物であり、化合物は、以下からなる群から選択される。
tert-ブチル-4-(4-(6-アミノ-5-(5-フェニルオキサゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート、
3-(5-フェニルオキサゾール-2-イル)-5-(1-(ピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-アミン、
tert-ブチル4-(4-(6-アミノ-5-(5-(4-クロロフェニル)オキサゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート、
3-(5-(4-クロロフェニル)オキサゾール-2-イル)-5-(1-(ピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-アミン、
1-(4-(4-(6-アミノ-5-(5-(4-クロロフェニル)オキサゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-イル)エタノン、
(4-(4-(6-アミノ-5-(5-(4-クロロフェニル)オキサゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-イル)(シクロプロピル)メタノン、
3-(5-(3-クロロフェニル)オキサゾール-2-イル)-5-(1-(ピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-アミン、
1-(4-(4-(6-アミノ-5-(5-(3-クロロフェニル)オキサゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-イル)エタノン、
3-(5-(3-クロロフェニル)オキサゾール-2-イル)-5-(1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-アミン、
(4-(4-(6-アミノ-5-(5-(3-クロロフェニル)オキサゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-イル)(シクロプロピル)メタノン、
(4-(4-(6-アミノ-5-(5-(3-クロロフェニル)オキサゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-イル)(フェニル)メタノン、
1-(4-(4-(6-アミノ-5-(5-(3-クロロフェニル)オキサゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-イル)-2-フェニルエタノン、
(4-(4-(6-アミノ-5-(5-(4-クロロフェニル)オキサゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-イル)(フェニル)メタノン、
1-(4-(4-(6-アミノ-5-(5-(4-クロロフェニル)オキサゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-イル)-2-フェニルエタノン、
3-(5-(4-クロロフェニル)オキサゾール-2-イル)-5-(1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-アミン、
1-(4-(4-(6-アミノ-5-(5-(3-クロロフェニル)オキサゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-イル)-2,2-ジメチルプロパン-1-オン、
(4-(4-(6-アミノ-5-(5-(3-クロロフェニル)オキサゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-イル)(4-フルオロフェニル)メタノン、
5-(1-(1-エチルピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)-3-(5-フェニルオキサゾール-2-イル)ピリジン-2-アミン、
3-(5-フェニルオキサゾール-2-イル)-5-(1-(テトラヒドロ-2ピラン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-アミン、
3-(5-(4-クロロフェニル)オキサゾール-2-イル)-5-(1-(テトラヒドロ-2ピラン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-アミン、
3-(5-(3-クロロフェニル)オキサゾール-2-イル)-5-(1-シクロヘキシル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-アミン、
3-(5-(4-クロロフェニル)オキサゾール-2-イル)-5-(1-シクロヘキシル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-アミン、
5-(1-シクロヘキシル-1H-ピラゾール-4-イル)-3-(5-フェニルオキサゾール-2-イル)ピリジン-2-アミン、
5-(1-(ピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)-3-(5-(ピリジン-3-イル)オキサゾール-2-イル)ピリジン-2-アミン、
5-(1-シクロヘキシル-1H-ピラゾール-4-イル)-3-(5-フェニルイソキサゾール-3-イル)ピリジン-2-アミン、
3-(5-フェニルイソキサゾール-3-イル)-5-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-アミン、
3-(5-フェニルイソキサゾール-3-イル)-5-(1-(ピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-アミン、
5-(1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)-3-(5-フェニルイソキサゾール-3-イル)ピリジン-2-アミン、
3-(5-フェニルフラン-2-イル)-5-(1-(ピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-アミン、
5-(1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)-3-(5-フェニルフラン-2-イル)ピリジン-2-アミン、
5-(1-シクロヘキシル-1H-ピラゾール-4-イル)-3-(5-フェニルフラン-2-イル)ピリジン-2-アミン、
3-(5-フェニルフラン-2-イル)-5-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-アミン、
tert-ブチル4-(4-(6-アミノ-5-(5-フェニル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート、
3-(5-フェニル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-5-(1-(ピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-アミン、
3-(5-(2,6-ジクロロ-3-フルオロフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-5-(1-(ピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-アミン、
3-(5-(4-(tert-ブチル)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-5-(1-(ピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-アミン、
tert-ブチル4-(4-(6-アミノ-5-(5-(4-(tert-ブチル)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート、
3-(5-(2,5-ジフルオロフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-5-(1-(ピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-アミン、
3-(5-(2,6-ジクロロフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-5-(1-(ピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-アミン、
tert-ブチル4-(4-(6-アミノ-5-(5-(2,6-ジクロロフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート、
3-(5-(4-フルオロフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-5-(1-(ピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-アミン、
tert-ブチル4-(4-(6-アミノ-5-(5-(4-フルオロフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート、
1-(4-(4-(6-アミノ-5-(5-(2,6-ジクロロフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-イル)エタノン、
3-(5-(2,6-ジクロロフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-5-(1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-アミン、
1-(4-(4-(6-アミノ-5-(5-(2,6-ジクロロフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-イル)-4-メチルペンタン-1-オン、
(4-(4-(6-アミノ-5-(5-(2,6-ジクロロフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-イル)(シクロプロピル)メタノン、
(4-(4-(6-アミノ-5-(5-(2,6-ジクロロフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-イル)(フェニル)メタノン、
1-(4-(4-(6-アミノ-5-(5-(2,6-ジクロロフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-イル)-2-フェニルエタノン、
3-(5-(2,6-ジクロロフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-5-(1-(1-エチルピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-アミン、
3-(5-(2,6-ジクロロフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-5-(1-(1-ドデシルピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-アミン、
tert-ブチル4-(4-(6-アミノ-5-(5-(ピラジン-2-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート、
tert-ブチル4-(4-(6-アミノ-5-(5-(ピリジン-2-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート、
5-(1-(ピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)-3-(5-(ピラジン-2-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジン-2-アミン、
5-(1-(ピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)-3-(5-(ピリジン-2-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジン-2-アミン、
tert-ブチル4-(4-(6-アミノ-5-(5-(チアゾール-2-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート、
5-(1-(ピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)-3-(5-(チアゾール-2-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジン-2-アミン、
5-(1-(ピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)-3-(5-(ピリジン-3-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジン-2-アミン、
tert-ブチル4-(4-(6-アミノ-5-(5-(ピリジン-3-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート、
tert-ブチル4-(4-(6-アミノ-5-(5-(4-(トリフルオロメチル)-チアゾール-2-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート、
5-(1-(ピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)-3-(5-(4-(トリフルオロメチル)チアゾール-2-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジン-2-アミン、
tert-ブチル4-(4-(6-アミノ-5-(5-(シクロプロピルメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート、
3-(5-(シクロプロピルメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-5-(1-(ピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-アミン、
tert-ブチル4-(4-(6-アミノ-5-(5-ベンジル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート、
3-(5-ベンジル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-5-(1-(ピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-アミン、
3-(5-(2,6-ジクロロフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-5-(1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-アミン、
3-(5-フェニル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-5-(1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-アミン、
3-(5-(4-(tert-ブチル)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-5-(1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-アミン、
3-(5-(2,5-ジフルオロフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-5-(1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-アミン、
3-(5-(4-フルオロフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-5-(1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-アミン、
5-(1-シクロヘキシル-1H-ピラゾール-4-イル)-3-(5-(2,6-ジクロロフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジン-2-アミン、
5-(1-シクロヘキシル-1H-ピラゾール-4-イル)-3-(5-フェニル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジン-2-アミン、
3-(5-(2,6-ジクロロフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-5-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-アミン、
3-(5-フェニル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-5-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-アミン、
3-(3-フェニル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-5-(1-(ピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-アミン、
1-(4-(4-(6-アミノ-5-(3-フェニル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-イル)エタノン、
(4-(4-(6-アミノ-5-(3-フェニル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-イル)(シクロプロピル)メタノン、
5-(1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)-3-(3-フェニル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ピリジン-2-アミン、
(4-(4-(6-アミノ-5-(3-フェニル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-イル)(フェニル)メタノン、
1-(4-(4-(6-アミノ-5-(3-フェニル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-イル)-2-フェニルエタノン、
3-(3-(2,6-ジクロロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-5-(1-(ピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-アミン、
3-(3-(2,6-ジクロロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-5-(1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-アミン、
3-(3-(2,6-ジクロロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-5-(1-(1-エチルピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-アミン、
5-(1-(1-エチルピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)-3-(3-フェニル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ピリジン-2-アミン、
3-(3-(2,6-ジクロロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-5-(1-(1-ドデシルピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-アミン、
5-(1-シクロヘキシル-1H-ピラゾール-4-イル)-3-(3-フェニル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ピリジン-2-アミン、
5-(1-シクロヘキシル-1H-ピラゾール-4-イル)-3-(3-(2,6-ジクロロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ピリジン-2-アミン、
3-(3-フェニル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-5-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-アミン、;
3-(3-(2,6-ジクロロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-5-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-アミン、
3-(3-フェニル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-5-(1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-アミン、
5-(1-シクロヘキシル-1H-ピラゾール-4-イル)-3-(5-フェニル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ピリジン-2-アミン、
3-(5-フェニル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-5-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-アミン、
3-(5-フェニル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-5-(1-(ピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-アミン、
5-(1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)-3-(5-フェニル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ピリジン-2-アミン、
3-(5-(2,5-ジクロロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-5-(1-(ピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-アミン、
3-(5-フェニル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-5-(1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-アミン。
【0041】
好ましい実施形態では、本併用療法は、式(Ia)によって表される構造を有するAxl阻害剤を利用する。
【0042】
より好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、3-(5-(シクロプロピルメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-5-(1-(ピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-アミンである。
【0043】
本明細書に記載のAxl阻害剤は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、WO2015/081257に開示される方法に従って調製することができる。
【0044】
2.BCL-2ファミリータンパク質阻害剤
様々な実施形態によれば、本併用療法に好適なBCL-2阻害剤は、式(II)の化合物であり、
【化12】
式中、
nが、0または1であり、
【0045】
が、任意で置換されたヘテロシクリルアルキル、任意で置換されたシクロアルキルアルキル、または任意で置換されたヘテロアルキルであり、
が、任意で置換されたヘテロシクリルアルキルであり、
が、任意で置換されたヘテロアリールまたは任意で置換されたアリールであり、
が、電子求引性基、
その立体異性体、鏡像異性体、もしくは互変異性体、その薬学的に許容される塩、またはその医薬組成物である。
【0046】
より具体的な実施形態では、BCL-2阻害剤は、Rがヘテロアルキルまたはヘテロシクリルアルキルである式(II)の化合物である。
【0047】
より具体的な実施形態では、Rは、以下の構造を有するヘテロアルキルであり、
【化13】
式中、
Zが、-O-、-S-、または-NHであり、
が、ヘテロシクリルである。より具体的な実施形態では、Zは、アゼパン-1-イル、モルホリン-1-イル、1,4-オキサゼパン-4-イル、ピロリジン-1-イル、-N(CH3)、-N(CH)(CH(CH)、7-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-イル、または2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-イルである。
特定の実施形態では、Rは、以下であり、
【化14】
式中、
が、H、F、Cl、Br、またはIであり、
およびXが独立して、水素またはアルキルであり、
が、-O-、-C(R)2-、または-CHCH-であり、
が、水素またはアルキルである。
【0048】
より具体的な実施形態では、BCL-2阻害剤は、式(IIa)または式(IIb)の構造を有し、
【化15】
式中、R、R、X、X、X、X、Y、Z、およびZが、上記に定義されるとおりである。
【0049】
様々な実施形態では、Rは、アルキル、NH、およびハロからなる群から選択される1つ以上の置換基で任意で置換されたヘテロアリールである。
【0050】
より具体的な実施形態では、Rは、1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イルである。
【0051】
様々な実施形態では、Yは、-CN、-NO、-SOC(X、-CF、F、Cl、またはBrであり、各Xは、各出現において、独立してH、F、またはClである。
【0052】
より具体的な実施形態では、Yは、-NO、または-SOCFである。
【0053】
上記に明記される式(II)、(IIa)、および(IIb)のBCL-2阻害剤は、それらの全体が参照により組み込まれる、米国特許第7,390,799号および米国特許公開第9,345,702号に開示されるプロセスに従って調製することができる。
【0054】
好ましい実施形態では、1つ以上のBCL-2阻害剤は、ベネトクラクス(VENCLEXTA(登録商標)/ABT-199)、またはナビトクラクス(ABT-263)である。
【化16】
【0055】
本明細書で名称を挙げる特定の化学基には、示される化学基に見出される炭素原子の総数を示す省略表記が先行する。例えば、C-C12アルキルは、合計7~12個の炭素原子を有する以下に定義されるアルキル基を記載し、C-C12シクロアルキルアルキルは、合計4~12個の炭素原子を有する以下に定義されるシクロアルキルアルキル基を記載する。省略表記の炭素の総数には、記載の基の置換基に存在し得る炭素は含まれない。
【0056】
したがって、本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、それとは反対に指定されない限り、以下の用語は、示される意味を有する。
「アミノ」は、-NHラジカルを指す。
「メトキシ」は、-OCHラジカルを指す。
「シアノ」は、-CNラジカルを指す。
「ニトロ」は、-NOラジカルを指す。
「トリフルオロメチル」は、-CFラジカルを指す。
「オキソ」は、=Oを指す。
「チオキソ」は、=Sを指す。
【0057】
「アシル」は、-C(O)R14ラジカルを指し、R14は、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルである。
【0058】
「アルキル」は、非置換の場合、炭素原子および水素原子のみからなり、不飽和を含有せず、1~12個の炭素原子、好ましくは1~8個の炭素原子または1~6個の炭素原子を有し、かつ単結合によって分子の残りに結合する、直鎖または分岐鎖炭化水素鎖ラジカル、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、1-メチルエチル(イソ-プロピル)、n-ブチル、n-ペンチル、1,1-ジメチルエチル(t-ブチル)などを指す。別段本明細書で具体的に述べられない限り、アルキル基は、本明細書で定義される1つ以上の置換基によって任意で置換され得る。「アルケニル」は、非置換の場合、炭素原子および水素原子のみからなり、少なくとも1つの二重結合を含有し、2~12個の炭素原子、好ましくは1~8個の炭素原子を有し、かつ単結合によって分子の残りに結合する、直鎖または分岐鎖炭化水素鎖ラジカル基、例えば、エテニル、プロパ-1-エニル、ブタ-1-エニル、ペンタ-1-エニル、ペンタ-1,4-ジエニルなどを指す。別段本明細書で具体的に述べられない限り、アルケニル基は、本明細書で定義される1つ以上の置換基によって任意で置換され得る。
【0059】
「アルキニル」は、非置換の場合、炭素原子および水素原子のみからなり、少なくとも1つの三重結合を含有し、任意で少なくとも1つの二重結合を含有し、2~12個の炭素原子、好ましくは1~8個の炭素原子を有し、かつ単結合によって分子の残りに結合する、直鎖または分岐鎖炭化水素鎖ラジカル基、例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニルなどを指す。別段本明細書で具体的に述べられない限り、アルキニル基は、本明細書で定義される1つ以上の置換基によって任意で置換され得る。「アルキレン」および「アルキレン鎖」は、分子の残りをラジカル基に連結し、炭素および水素のみからなり、不飽和を含有せず、かつ1~12個の炭素原子を有し、好ましくは1~8個の炭素を有する、直鎖または分岐鎖二価炭化水素鎖、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、n-ブチレンなどを指す。アルキレン鎖は、分子の残りに結合すること、および鎖内の1つの炭素を通して、または鎖内の任意の2つの炭素を通してラジカル基に結合することができる。
【0060】
「アルケニレン」および「アルケニレン鎖」は、分子の残りをラジカル基に連結し、炭素および水素のみからなり、少なくとも1つの二重結合を含有し、かつ2~12個の炭素原子を有する、直鎖または分岐鎖二価炭化水素鎖、例えば、エテニレン、プロペニレン、n-ブテニレンなどを指す。アルケニレン鎖は、単結合を通して分子の残りに結合し、二重結合または単結合を通してラジカル基に結合する。分子の残りおよびラジカル基へのアルケニレン鎖の結合点は、鎖内の1つの炭素または任意の2つの炭素を通したものであり得る。
【0061】
「アルコキシ」は、式-ORのラジカルを指し、式中、Rは、上記に定義されるアルキルラジカルである。アルコキシラジカルのアルキル部分は、上記に定義されるように、アルキルラジカルについて任意で置換され得る。
【0062】
「アリール」は、非置換の場合、水素および炭素のみからなり、かつ6~19個の炭素原子、好ましくは6~10個の炭素原子を含有する、芳香族単環式または多環式炭化水素環系を指し、環系は、部分的または完全に飽和し得る。アリール基には、フルオレニル、フェニル、およびナフチルなどの基が含まれるが、これらに限定されない。別段本明細書で具体的に述べられない限り、「アリール」という用語、または(「アラルキル」などにおけるような)「ar-」という接頭辞は、本明細書で定義される1つ以上の置換基によって任意で置換されたアリールラジカルを含むことが意図される。「アラルキル」は、式-Rのラジカルを指し、式中、Rが、上記に定義されるアルキルラジカルであり、Rが、上記に定義される1つ以上のアリールラジカル、例えば、ベンジル、ジフェニルメチルなどである。アラルキルラジカルのアリール部分は、上記のように、アリール基について任意で置換され得る。アラルキルラジカルのアルキル部分は、上記に定義されるように、アルキル基について任意で置換され得る。
【0063】
「アラルケニル」は、式-Rのラジカルを指し、式中、Rが、上記に定義されるアルケニルラジカルであり、Rが、任意で上記のように置換され得る、上記に定義される1つ以上のアリールラジカルである。アラルケニルラジカルのアリール部分は、上記のように、任意でアリール基について置換され得る。アラルケニルラジカルのアルケニル部分は、上記に定義されるように、アルケニル基について任意で置換され得る。
【0064】
「アラルキニル」は、式-Rのラジカルを指し、式中、Rが、上記に定義されるアルキニルラジカルであり、Rが、上記に定義される1つ以上のアリールラジカルである。アラルキニルラジカルのアリール部分は、上記のように、アリール基について任意で置換され得る。アラルキニルラジカルのアルキニル部分は、上記に定義されるように、アルキニル基について任意で置換され得る。
【0065】
「シクロアルキル」は、非置換の場合、炭素原子および水素原子のみからなり、3~15個の炭素原子、好ましくは3~12個の炭素原子を有し、かつ飽和または不飽和であり、単結合によって分子の残りに結合する、安定した非芳香族単環式または二環式炭化水素ラジカル、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、デカリニルなどを指す。別段本明細書で具体的に述べられない限り、「シクロアルキル」という用語は、本明細書で定義される1つ以上の置換基によって任意で置換されるシクロアルキルラジカルを含むことが意図される。「シクロアルキルアルキル」は、式-Rのラジカルを指し、式中、Rが、上記に定義されるアルキルラジカルであり、Rが、上記に定義されるシクロアルキルラジカルである。シクロアルキルラジカルのシクロアルキル部分は、上記に定義されるように、シクロアルキルラジカルについて任意で置換され得る。シクロアルキルラジカルのアルキル部分は、上記に定義されるように、アルキルラジカルについて任意で置換され得る。
【0066】
「電子求引性基」とは、(置換基を有しない部分の密度と比較して)それらが結合している部分の電子密度を低減する基を指す。そのような基には、例えば、-F、-Cl、-Br、-I、-CN、CF、-NO、-C(O)H、-C(O)アルキル、-C(O)Oアルキル、-C(O)OH、-C(O)Cl、および-S(O)R(式中、Rが、アルキル、ハロアルキル、OH、NHなどである)が挙げられる。
【0067】
「ハロ」は、ブロモ、クロロ、フルオロ、またはヨードを指す。
【0068】
「ハロアルキル」は、上記に定義される1つ以上のハロラジカルによって置換される、上記に定義されるアルキルラジカルを指す。アルキルラジカルの1つ以上の炭素は、1つ以上のハロラジカルによって置換され得る。ハロアルキルの例には、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリクロロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、1-フルオロメチル-2-フルオロエチル、3-ブロモ-2-フルオロ-プロピル、1-ブロモメチル-2-ブロモエチルなどが含まれる。ハロアルキルラジカルのアルキル部分は、上記に定義されるように、アルキル基について任意で置換され得る。
【0069】
「ハロアルケニル」は、上記に定義される1つ以上のハロラジカル、例えば、2-ブロモエテニル、3-ブロモプロパ-1-エニルなどによって置換される、上記に定義されるアルケニルラジカルを指す。ハロアルケニルラジカルのアルケニル部分は、上記に定義されるように、アルケニル基について任意で置換され得る。
【0070】
「ヘテロアルキル」は、少なくとも1つの炭素原子ならびに(例えば、O、N、P、Si、およびSからなる群から選択される)少なくとも1つのヘテロ原子を含む、安定した直鎖もしくは分岐鎖、またはそれらの組み合わせを指し、窒素原子および硫黄原子は、任意で酸化されてもよく、窒素ヘテロ原子は、任意で四級化されてもよい。ヘテロ原子(複数可)(例えば、O、N、P、S、B、As、およびSi)は、ヘテロアルキル基の任意の内部位置、またはアルキル基が分子の残りに結合している位置に配置され得る。例には、-CH-CH-O-CH-、-CH-CH-N-CH、-CH-CH-S-CH、-CH-CH-S(O)-CH、-CH=CH-O-CH、-Si(CH、-CH-CH=N-OCH、-CH=CH-N(CH)-CH、-O-CH、および-CNが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、-CH-O-Si(CHなどのように、最大2つまたは3つのヘテロ原子が連続してもよい。ヘテロアルキル鎖は、非環状であるが、それは、例えば、アリール(例えば、フェニル)、ヘテロシクリル(例えば、モルホリン-1-イル)、ヘテロアリール、シクロアルキルなどを含む環状部分によってさらに置換され得る。
【0071】
「ヘテロシクリル」は、環原子として、少なくとも1つの炭素原子、ならびに窒素、酸素、および硫黄からなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含む、安定した3~18員環非芳香族環ラジカルを指す。本開示の目的のために、ヘテロシクリルラジカルは、縮合または架橋環系を含み得る、単環式、二環式、三環式、または四環式であってもよく、ヘテロシクリルラジカル中の窒素、炭素、または硫黄原子は、任意で酸化されてもよく、窒素原子は、任意で四級化されてもよく、ヘテロシクリルラジカルは、部分的または完全に飽和してもよい。そのようなヘテロシクリルラジカルの例には、ジオキソラニル、デカヒドロイソキノリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソキサゾリジニル、モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、2-オキソピペラジニル、2-オキソピペリジニル、2-オキソピロリジニル、2-オキソピペリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4-ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロフリル、トリチアニル、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、チアモルホリニル、1-オキソ-チオモルホリニル、および1,1-ジオキソ-チオモルホリニルが挙げられるが、これらに限定されない。別段本明細書で具体的に述べられない限り、「ヘテロシクリル」という用語は、本明細書で定義される1つ以上の置換基によって任意で置換される、上記に定義されるヘテロシクリルラジカルを含むことが意図される。
【0072】
「ヘテロシクリルアルキル」は、式-Rのラジカルを指し、式中、Rが、上記に定義されるアルキルラジカルであり、Rが、上記に定義されるヘテロシクリルラジカルであり、ヘテロシクリルが、窒素含有ヘテロシクリルである場合、ヘテロシクリルは、窒素原子でアルキルラジカルに結合し得る。ヘテロシクリルアルキルラジカルのアルキル部分は、上記に定義されるように、アルキル基について任意で置換され得る。ヘテロシクリルアルキルラジカルのヘテロシクリル部分は、上記に定義されるように、アルケニル基について任意で置換され得る。
【0073】
「ヘテロアリール」は、環原子として、少なくとも1つの炭素原子、ならびに窒素、酸素、および硫黄からなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含む、5~18員環芳香族環ラジカルを指す。本開示の目的のために、ヘテロアリールラジカルは、縮合または架橋環系を含み得る、単環式、二環式、三環式、または四環式であってもよく、ヘテロアリールラジカル中の窒素、炭素、または硫黄原子は、任意で酸化されてもよく、窒素原子は、任意で四級化されてもよい。例には、アゼピニル、アクリジニル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズインドリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾナフトフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキシニル、ベンゾピラニル、ベンゾピラノニル、ベンゾフラニル、ベンゾフラノニル、ベンゾチエニル(ベンゾチオフェニル)、ベンゾトリアゾリル、ベンゾ[4,6]イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、カルバゾリル、シンノリニル、ジベンゾフラニル、フラニル、フラノニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、インドリル、インダゾリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、インドリジニル、イソキサゾリル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、2-オキソアゼピニル、オキサゾリル、オキシラニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピロリル、ピロロ[2,3-b]ピリジニル、ピラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、キヌクリジニル、イソキノリニル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニル、およびチオフェニルが挙げられるが、これらに限定されない。別段本明細書で具体的に述べられない限り、「ヘテロアリール」という用語は、本明細書で定義される1つ以上の置換基によって任意で置換される、上記に定義されるヘテロアリールラジカルを含むことが意図される。本明細書で定義されるヘテロアリールは、一価または二価であり得る。ヘテロアリールが、別の部分の置換基である場合、ヘテロアリールは、一価であり、これは、ヘテロアリールが単一の環原子によって他の部分に接続されていることを意味する。一価ヘテロアリールの例は、アルキル基がヘテロアリール基で置換される、ヘテロアリールアルキルのラジカルに見出すことができる。
【0074】
「ヘテロアリールアルキル」は、式-Rのラジカルを指し、式中、Rが、上記に定義されるアルキルラジカルであり、Rが、上記に定義されるヘテロアリールラジカルである。ヘテロアリールアルキルラジカルのヘテロアリール部分は、上記に定義されるように、ヘテロアリール基について任意で置換され得る。ヘテロアリールアルキルラジカルのアルキル部分は、上記に定義されるように、アルキル基について任意で置換され得る。
【0075】
「ヘテロアリールアルケニル」は、式-Rのラジカルを指し、式中、Rが、上記に定義されるアルケニルラジカルであり、Rが、上記に定義されるヘテロアリールラジカルである。ヘテロアリールアルケニルラジカルのヘテロアリール部分は、上記に定義されるように、ヘテロアリール基について任意で置換され得る。ヘテロアリールアルケニルラジカルのアルケニル部分は、上記に定義されるように、アルケニル基について任意で置換され得る。
【0076】
「N-ヘテロアリール」は、ヘテロアリールのサブセットであり、少なくとも1つの窒素環原子を有するヘテロアリールを指す。それ以外の場合、ヘテロアリールは、本明細書で定義されるとおりである。N-ヘテロアリールの例には、ベンズイミダゾリル、ベンズインドリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾ[4,6]イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、カルバゾリル、シンノリニル、イミダゾリル、インドリル、インダゾリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、インドリジニル、イソキサゾリル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、2-オキソアゼピニル、オキサゾリル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピロリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、キヌクリジニル、イソキノリニル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、およびトリアジニルが非限定的に挙げられる。
【0077】
「置換基」は、別の分子に結合しているか、または結合することができるラジカル(単一の非水素原子または官能基)を指す。したがって、置換基は、以下のラジカル、つまりアルキル、アルケニル、アミノ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルケニル、シアノ、オキソ、チオキソ、ニトロ、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、-OR14、-OC(O)R14、-N(R14、-C(O)R14、-C(O)OR14、-C(O)N(R14、-N(R14)C(O)OR16、-N(R14)C(O)R16、-N(R14)(S(O)16)(式中、tが、1~2である)、-S(O)OR16(式中、tが、1~2である)、-S(O)16(式中、tが、0~2である)、および-S(O)N(R14(式中、tが、1~2である)のいずれか1つであり、各R14は独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、(任意で1つ以上のハロ基で置換される)アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルであり、各R16は、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルであり、かつ上記の置換基の各々は、別段示されない限り、非置換である。
【0078】
「プロドラッグ」は、生理学的条件下で、または加溶媒分解によって、式(I)もしくは(II)の生物学的に活性な化合物、またはそれぞれの下部構造のいずれか1つに変換され得る化合物を指す。したがって、「プロドラッグ」という用語は、化合物式(I)もしくは(II)の代謝前駆体、または薬学的に許容されるそれぞれの下部構造のいずれか1つを指し、後者はまた、「親化合物」とも称される。プロドラッグは、それを必要とする対象への投与時には不活性であり得るが、インビボで活性化合物、すなわち、親化合物に変換される。プロドラッグは、典型的にはインビボで急速に変換されて、例えば、血中での加水分解によって、親化合物をもたらす。
【0079】
「プロドラッグ」という用語はまた、そのようなプロドラッグが哺乳動物対象に投与された時に、インビボで本開示の活性化合物を放出する、任意の共有結合した担体を含むことも意図される。本開示の化合物のプロドラッグは、修飾が通例の操作またはインビボのいずれかで親化合物へと切断されるように、式(I)の化合物または下部構造のいずれか1つに存在する官能基を修飾することによって調製することができる。プロドラッグは、ヒドロキシ、アミノ、またはメルカプト基が、本開示のプロドラッグが哺乳動物対象に投与された時に、それぞれ遊離ヒドロキシ基、遊離アミノ基、または遊離メルカプト基を切断して回復させる、任意の基に結合する本開示の化合物を含む。プロドラッグの例には、酢酸塩、ギ酸塩、および安息香酸塩、ならびに式(I)、(II)の化合物中、または下部構造のいずれか1つのアルコールまたはアミン官能基のリン酸誘導体が含まれるが、これらに限定されない。
【0080】
「哺乳動物」または「哺乳動物対象」には、ヒト、およびネコ、イヌ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ウサギなどの家畜が含まれる。
【0081】
「任意の」または「任意で」は、その後に記載の状況の事象が発生しても発生しなくてもよいこと、ならびにその記載が、該事象または状況が発生する実例および発生しない実例を含むことを意味する。例えば、「任意で置換されたアリール」は、アリールラジカルが置換されても置換されなくてもよいこと、ならびにその記載が、置換されたアリールラジカルおよび置換を有しないアリールラジカルの両方を含むことを意味する。
【0082】
「薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤」には、米国食品医薬品局によって、ヒトまたは家畜における使用が許容されるものとして承認されている任意のアジュバント、担体、賦形剤、滑剤、甘味剤、希釈剤、保存剤、染料/着色剤、香味増強剤、界面活性剤、湿潤剤、分散剤、懸濁剤、安定剤、等張剤、溶媒、または乳化剤が非限定的に挙げられる。
【0083】
「薬学的に許容される酸付加塩」は、遊離塩基の生物学的有効性および特性を保持し、生物学的または別様に望ましくないものではなく、かつ塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などであるがこれらに限定されない、無機酸、および酢酸、2,2-ジクロロ酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4-アセトアミド安息香酸、カンフル酸、カンファー-10-スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、炭酸、桂皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、グルタル酸、2-オキソ-グルタル酸、グリセロリン酸、グリコール酸、ヒプリン酸、イソ酪酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、ニコチン酸、オレイン酸、オロチン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、プロピオン酸、ピログルタミン酸、ピルビン酸、サリチル酸、4-アミノサリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、酒石酸、チオシアン酸、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、ウンデシレン酸などであるがこれらに限定されない、有機酸で形成される塩を指す。
【0084】
「薬学的に許容される塩基付加塩」は、生物学的または別様に望ましくないものではない、遊離酸の生物学的有効性および特性を保持する塩を指す。これらの塩は、遊離酸への無機塩基または有機塩基の付加から調製される。無機塩基に由来する塩には、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウム塩などが挙げられるが、これらに限定されない。好ましい無機塩は、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、およびマグネシウム塩である。有機塩基に由来する塩には、一級、二級、および三級アミンの塩、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、およびアンモニア、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、デアノール、2-ジメチルアミノエタノール、2-ジエチルアミノエタノール、ジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、ベネタミン、ベンザチン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、トリエタノールアミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N-エチルピペリジン、ポリアミン樹脂などの塩基性イオン交換樹脂が挙げられるが、これらに限定されない。特に好ましい有機塩基は、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、コリン、およびカフェインである。
【0085】
多くの場合、結晶化が、本開示の化合物の溶媒和物を生成する。本明細書で使用される場合、「溶媒和物」という用語は、本開示の化合物の1つ以上の分子を、1つ以上の溶媒分子とともに含む凝集体を指す。溶媒は、水であってもよく、その場合、溶媒和物は、水和物であり得る。あるいは、溶媒は、有機溶媒であってもよい。したがって、本開示の化合物は、一水和物、二水和物、半水和物、セスキ水和物、三水和物、四水和物などを含む水和物、および対応する溶媒和形態として存在し得る。本開示の化合物は、真の溶媒和物であり得るが、他の場合では、本開示の化合物は、単に外来性の水を保持しても、水といくらかの外来性の溶媒との混合物であってもよい。
【0086】
「医薬組成物」は、本開示の化合物の製剤、および哺乳動物、例えば、ヒトへの生物学的に活性な化合物の送達のために当該技術分野で一般に許容される培地を指す。そのような培地は、そのための全ての薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤を含む。
【0087】
「治療有効量」は、哺乳動物、好ましくはヒトに投与された時に、哺乳動物、好ましくはヒトにおける疾患または病態の以下に定義される治療をもたらすのに十分である本開示の化合物の量を指す。「治療有効量」を構成する本開示の化合物の量は、化合物、病態およびその重症度、ならびに治療される哺乳動物の年齢に応じて変化するが、当業者が自身の知識および本開示を考慮して通例的に決定することができる。
【0088】
本明細書で使用される場合、「治療すること」または「治療」は、対象となる疾患または障害を有する哺乳動物、好ましくはヒトにおける、対象となる疾患または病態の治療を網羅し、
(i)哺乳動物における病気もしくは病態の発生を予防すること(具体的には、そのような哺乳動物がその病態になりやすいが、まだそれを有するとは診断されていない場合)、
(ii)疾患もしくは病態を阻害すること、すなわち、その発症を停止するか、もしくはその進行を逆転させること、または
(iii)疾患もしくは病態を緩和すること、すなわち、疾患もしくは病態の退行を引き起こすことを含む。
【0089】
本開示の化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩は、1つ以上の不斉中心を含有してもよく、したがって鏡像異性体、ジアステレオマー、および絶対立体化学に関して、(R)-もしくは(S)-として、またはアミノ酸の場合は(D)-もしくは(L)-として定義され得る他の立体異性形態を生じさせてもよい。本開示は、全てのそのような可能な異性体、ならびにそれらのラセミ形態および光学的に純粋な形態を含むことが意図される。光学活性(+)および(-)、(R)-および(S)-、または(D)-および(L)-異性体は、キラルシントンもしくはキラル試薬を使用して調製するか、またはキラルカラムを使用するHPLCなどの従来の技術を使用して分解することができる。
【0090】
「立体異性体」は、同じ結合によって結合した同じ原子からなるが、互換的ではない異なる三次元構造を有する化合物を指す。本開示は、様々な立体異性体およびそれらの混合物を企図し、「鏡像異性体」を含み、これは、分子が互いに重ね合わせることができない鏡像である2つの立体異性体を指す。
【0091】
「互変異性体」は、分子のある原子から同じ分子の別の原子へのプロトンシフトを指す。本開示は、任意の該化合物の互変異性体を含む。
【0092】
結合が破線(---)で示される場合、その場所は、二重結合の可能性を可能にすることが理解される。例えば、リンカー「A」環部分の構造は、
【化17】
として示され、各破線結合は、二重結合の存在を示し得るが、必ずしもそうではない。例えば、Aが-NH=である場合、Aは、それぞれ単結合および二重結合によって2つの隣接する炭素原子に接続されている。一方、Aが-O-として定義される場合、Aは、それぞれ単結合によって2つの隣接する炭素原子に接続されている。所与の「A」環構造内の二重結合の場所および数は、当業者によって認識される原子価要件を満たすべきである。
【0093】
併用療法の投与
様々な実施形態によれば、1つ以上のAxl阻害剤、好ましくは式(I)の化合物または式(Ia)~(If)によって表される下部構造のいずれか1つが、1つ以上のBCL-2阻害剤、好ましくは式(II)の化合物または式(IIa)~(IIb)によって表される下部構造のいずれか1つと併用して、活性成分として使用される。本併用療法は、1つ以上の血液癌の予防、治療、または管理に有効である。
【0094】
本明細書で使用される場合、血液癌は、3つの主要な種類の血液学的癌、つまり白血病、リンパ腫、および骨髄腫のいずれか1つを指す。本併用療法は、AMLに対して特に有効である。
【0095】
有利なことに、そのような併用療法は、個々に投与される各療法と比較して、相加効果、すなわち相乗効果よりも大きな効果を発揮する。したがって、本明細書で使用される場合、「併用療法」は、1つ以上のBCL-2阻害剤の投与と併用した、1つ以上のAxl阻害剤(例えば、式(I)の化合物)の投与を指す。別段述べられない限り、「併用療法」は、任意の順序で、任意の剤形での、Axl阻害剤およびBCL-2阻害剤の同時または連続投与を含み得る。
【0096】
本発明の併用療法は、1つ以上の血液癌、具体的には、白血病の予防、治療、または管理に有用である。白血病の例には、急性白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄球性白血病(骨髄芽球性白血病、前骨髄球性白血病、骨髄単球性白血病、単球性白血病、赤白血病、および骨髄異形成症候群など)、慢性白血病(慢性骨髄球性(顆粒球性)白血病、慢性リンパ性白血病、有毛細胞白血病などであるが、これらに限定されない)が含まれる。
【0097】
本発明の併用療法の抗増殖効果は、併用療法の活性成分を培養した腫瘍細胞株に投与することによって評価することができる。インビトロアッセイの文脈では、活性成分の投与は、培養物中の細胞を、細胞増殖の阻害に有効な量の活性成分と接触させることによって簡単に達成することができる。あるいは、本発明の併用療法の抗増殖効果は、細胞増殖について承認されたインビボモデルにおいて、動物に併用療法の活性成分を投与することによって評価することができる。
【0098】
本発明の併用療法は、Molm-13、MV4-11、HeLa、MDA-MB-231、SK-OV-3、OVCAR-8、DU145、H1299、ACHN、A498、およびCaki-1を含むがこれらに限定されない、ヒトAxl発現癌細胞株を使用して、SCIDマウスモデルにおいて異種移植片における併用療法を試験することによって、白血病およびリンパ腫の治療について試験することができる。加えて、本併用療法は、ヒトAxl発現AMLおよびCML白血病細胞株を使用して、SCIDまたはnu/nuマウスモデルにおいて異種移植片における白血病を治療する上でのその使用について試験することができる。
【0099】
本発明の併用療法で使用される活性成分の好ましい予防または治療有効用量の選択は、用いられる特定の化合物の活性、化合物の代謝安定性および作用の長さ、患者の年齢、体重、一般的な健康状態、性別、および食事、投与様式および時間、排泄率、薬物の組み合わせ、ならびに転移性癌の重症度を含む、いくつかの因子の考慮に基づいて、当業者によって(例えば、臨床試験によって)決定され得る。
【0100】
本発明の併用療法で使用されるAxl阻害剤または1つ以上のBCL-2阻害剤のいずれかの正確な用量はまた、投与経路および白血病の重症度にも依存し、医師の判断および各患者の状況に従って決定されるべきである。有効用量は、インビトロまたは動物モデル試験システムから導出した用量応答曲線から推定することができる。
【0101】
例えば、Axl阻害剤またはBCL-2阻害剤の治療有効一日用量は、70kgの哺乳動物の場合、約0.001mg/kg(すなわち、0.07mg)~約300mg/kg(すなわち、21.0gm)であり得、好ましくは治療有効用量は、約0.01mg/kg(すなわち、0.7mg)~約100mg/kg(すなわち、7.0gm)であり、より好ましくは治療有効用量は、約0.1mg/kg(すなわち、7mg)~約50mg/kg(すなわち、3.5gm)であり、より好ましくは治療有効用量は、約0.5mg/kg(すなわち、35mg)~約25mg/kg(すなわち、1.75gm)である。
【0102】
好ましくは、本発明は、血液癌の予防、治療、および管理に有効であることが以前に知られているよりも低用量の、本発明の併用療法で使用される1つ以上のBCL-2阻害剤を投与する任意の方法を提供する。さらにより好ましくは、より低い用量の1つ以上のBCL-2阻害剤は、本発明の併用療法で、より低い用量のAxl阻害剤とともに投与される。
【0103】
本発明の併用療法では、Axl阻害剤は、本明細書に記載の1つ以上のBCL-2阻害剤の投与と同時に、投与前に、または投与後に、同じ投与経路によって、または異なる経路によって投与される。そのような併用療法は、Axl阻害剤および1つ以上の追加の化学療法剤を含有する単一の製剤投与処方の投与、ならびにそれ自体の別個の製剤投与処方中のAxl阻害剤および各BCL-2阻害剤の投与を含む。例えば、Axl阻害剤および他の1つ以上のBCL-2阻害剤は、錠剤もしくはカプセルなどの単一の経口用量組成物中で一緒に患者に投与することができるか、または各薬剤は、別個の経口投与製剤中で投与することができる。別個の投与製剤を使用する場合、Axl阻害剤および1つ以上のBCL-2阻害剤は、本質的に同時に、すなわち同時に、または別個にずらした時間に、すなわち連続して患者に投与することができる。そのような全ての投与の併用は、本発明の併用療法に包含される。
【0104】
本発明の併用療法の特定の実施形態では、Axl阻害剤は、癌の治療に有用な1つ以上のBCL-2阻害剤と同時に患者に投与される。「同時に(concomitantly)」または「同時に(concurrently)」という用語は、正確に同時の活性成分(すなわち、Axl阻害剤および1つ以上のBCL-2阻害剤)の投与に限定されず、むしろAxl阻害剤およびBCL-2阻害剤(複数可)は、TAM阻害剤がBCL-2阻害剤と一緒に作用して、それらが別様に投与された場合よりも相乗的な利益を提供することができるように、連続してある時間間隔内で患者に投与されることが意図される。例えば、本発明の併用療法の各活性成分は、同時に、または異なる時点で任意の順序で連続して投与することができるが、同時に投与されない場合、それらは、所望の治療または予防効果を提供するために、十分に近い時間に投与されるべきである。例えば、化学療法剤は、1週間に1回投与されてもよく、Axl阻害剤は、毎日投与されてもよい。言い換えれば、活性成分が同時にまたは同じ患者訪問中に投与されない場合でも、活性成分の投薬計画は、同時に実行される。
【0105】
特定の実施形態では、本発明の活性成分は、患者に周期的に投与される。周期療法は、Axl阻害剤などの第1の活性成分を一定期間にわたって投与し、その後第2および/または第3の活性成分を一定期間にわたって投与し、この連続投与を反復することを伴う。周期療法は、療法のうちの1つ以上に対する耐性の発生を低減し、療法のうちの1つの副作用を回避もしくは低減し、かつ/または治療の有効性を改善することができる。
【0106】
さらに他の実施形態では、本発明の併用療法の活性成分は、持続注入または長期の休止期間のない頻繁な投与のいずれかによって、メトロノミック投薬レジメンで投与される。そのようなメトロノミック投与は、休止期間なく一定の間隔で投薬することを伴い得る。典型的には、化学療法剤、具体的には細胞毒性剤は、より低い用量で使用される。そのような投薬レジメンは、長期間にわたる比較的低用量の慢性的な毎日の投与を包含する。一実施形態では、より低用量の化学療法剤の使用は、毒性副作用を最小化し、休止期間を排除することができる。特定の実施形態では、活性成分は、約24時間から、約2日間、約1週間、約2週間、約3週間、約1ヶ月間、約2ヶ月間、約3ヶ月間、約4ヶ月間、約5ヶ月間、約6ヶ月間までの範囲である慢性的な低用量または持続注入によって投与される。そのような用量レジメンの予定は、当業者である腫瘍学者によって最適化され得る。
【0107】
好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、24時間ごとに患者に投与され、1つ以上のBCL-2阻害剤は、24時間投与される。
【0108】
当業者はまた、投与方法(経口、静脈内、吸入、皮下など)、剤形、好適な薬学的賦形剤、および化合物を必要とする対象への化合物の送達に関連する他の事項の決定に精通している。
【0109】
純粋な形態での、または適切な医薬組成物中の、本開示の化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩の投与は、同様の有用性を提供するための薬剤の許容される投与様式のいずれかを介して実行することができる。本開示の医薬組成物は、本開示の化合物を、適切な薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤と組み合わせることによって調製することができ、錠剤、カプセル、粉末、顆粒、軟膏、溶液、坐剤、注射剤、吸入剤、ゲル、微粒子、およびエアロゾルなどの固体、半固体、液体、または気体形態の調製物に製剤化することができる。そのような医薬組成物を投与する典型的な経路には、経口、局所、経皮、吸入、非経口、舌下、頬側、直腸、膣内、および鼻腔内が非限定的に挙げられる。本明細書で使用される場合、非経口という用語は、皮下注射、静脈内、筋肉内、胸骨内注射または注入技術を含む。本開示の医薬組成物は、その中に収容される活性成分を、患者への組成物の投与時に生体利用可能にすることを可能にするように製剤化される。対象または患者に投与される組成物は、1回以上の用量単位の形態を取り、例えば、錠剤は、単一の用量単位であり得、エアロゾル形態の本開示の化合物の容器は、複数回の用量単位を保持し得る。そのような剤形を調製する実際の方法は、当業者に知られているか、または明らかになるであろう。例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Edition(Philadelphia College of Pharmacy and Science,2000)を参照されたい。投与される組成物は、いずれの場合も、本開示の教示に従って、対象となる疾患または病態を治療するための、治療有効量の本開示の化合物、またはその薬学的に許容される塩を含有する。
【0110】
本開示の医薬組成物は、固体または液体の形態であり得る。一態様では、担体(複数可)は、粒子状であるため、組成物は、例えば、錠剤、カプセル、または粉末形態である。担体(複数可)は、液体であってもよく、組成物は、例えば、経口油、注射可能な液体、または例えば、吸入投与において有用なエアロゾルである。
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(27)Sheridan C.First Axl inhibitor enters clinical trials.Nat Biotechnol.2013;31:775-776.
【実施例
【0111】
以下の併用療法の実施例は、限定ではなく、例示として提供される。以下の併用療法の実施例では、式(I)の化合物であり、以下の実施例および図1~11で「化合物A」または「Cmpd A」として指定される3-(5-(シクロプロピルメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-5-(1-(ピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-アミンを、それが単独またはBCL-2ファミリータンパク質阻害剤との併用のいずれかで転移性癌を予防、治療、または管理する能力についてアッセイした。
【0112】
実施例1
細胞ベースのアッセイにおける併用指数の決定
細胞、培養条件、および試薬:
AML細胞株Molm-13およびMV4-11は、DSMZから入手した。細胞は、37℃/5%のCOで10%の熱不活性化血清を含有するRPMI-1640を使用して培養物中で維持した。全ての実験について、別段指定されない限り、上記の培養条件を使用した。BCL-2阻害剤であるベネトクラクス(ABT-199)およびナビトクラクス(ABT-263)は、Chemietekから購入した。Axl阻害剤3-(5-(シクロプロピルメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-5-(1-(ピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-アミン(化合物A)は、WO2015/081257に開示される方法に従って合成した。
【0113】
化合物用量応答アッセイおよびCompuSyn分析:
AML細胞であるMolm-13およびMV4-11を、24ウェルプレートに5×10個の細胞/mLで播種し、単一の薬物または薬物の併用をビヒクル(DMSO)のみの対照とともに使用して、翌日に投薬した。各細胞治療は、二連で実行した。薬物治療の48または72時間後に細胞を収集し、トリパンブルーと1:1で混合し、血球計数器を使用して手動で計数した。各試料について、(少なくとも)合計100個の細胞を計数した。生存率%を計算し、ビヒクルで治療した対照に対して正規化した。各化合物の個々のIC50を、増加する用量を使用して各細胞株において決定した。各細胞株の各化合物についてIC50未満の4つの用量を選択して、併用研究を実行した。IC50値は、Prismバージョン5.01を使用して計算した。CompuSynソフトウェアバージョン1.0を使用して、併用指数を計算した。
【0114】
結果:
BCL-2阻害剤とAxl阻害剤との間の潜在的な相乗効果を確認するために、BCL-2阻害剤であるベネトクラクスおよびナビトクラクスに感受性のあるAML細胞株Molm-13およびMV4-11を、研究に選択した。これら両方の細胞株は、試験したBCL-2阻害剤に対して低いナノモルIC50を有することが実証されている。ベネトクラクス感受性細胞株であるMolm-13およびMV4-11において、ベネトクラクスについての単剤のIC50値は、それぞれ55.91nmおよび20.53nMであることが見出された。これらのIC50値は、化合物Aの存在下で有意に低減した。ABT-199のIC50値は、化合物Aが存在する場合、Molm-13では9.9nMまで、およびMV4-11では0.99nMまで低減した。ABT-263のIC50値は、Molm-13およびMV4-11についてそれぞれ358.4nMおよび93.47nMであると決定した。ABT-199の状況と同様に、ABT-263のIC50値もまた、化合物Aの存在下では、Molm-13およびMV4-11でそれぞれ116nMおよび36.75nMまで減少した。これらの結果を、表1に要約する。
【表1】
【0115】
併用研究について、各単一化合物濃度がその単剤IC50濃度よりも低くなるように、4つの濃度を選択して、評価した化合物の併用の相乗効果を確立した。併用指数(CI)が1未満である場合、それは、2つの化合物の併用が相乗効果を有することを示す。図1Aおよび1Bは、併用指数が両方の細胞株について1未満であったことを示す。結果は、Axl阻害剤である化合物Aと、BCL-2阻害剤であるABT-199またはABT-263との併用が、AML細胞株Molm-13およびMV4-11の両方で相乗効果を生じたことを実証する。同じ用量で影響を受けた画分(FA)は、単一化合物群のFAと比較して、化合物併用群についてはるかに高かった。
【0116】
実施例2
AXL表面染色
方法/実験設計:
どのAML患者試料が高タンパク質レベルのAxlを発現するかを調べるために、Axl-APC抗体による(混合系統白血病(MLL)融合物を有する、およびMLL融合物を有しない)様々な異なるAML試料の表面染色を実行した。CD34AML幹細胞/前駆細胞および幹細胞富化CD34CD38AML集団を含めたが、これは、後者が、一部のAML患者において高レベルのAxl発現を有することが報告されているためである。
【0117】
図2Aおよび2Bが実証するように、AML患者試料は、正常な骨髄(NBM)ドナー細胞よりも高レベルのAxlを表面上に発現する。図2Aは、CD34+AMLおよびNBM細胞のAxl-APC抗体によるAxlの表面染色の要約(上)、ならびに各試料の詳細(下)である。図2Bは、幹細胞富化CD34+CD38-AMLおよびNBM集団のAxlの表面染色の要約(上)、ならびに各試料の詳細(下)である。
【0118】
図3Aおよび3Bは、MLL AML患者試料が高レベルのAxlを表面上に発現することをさらに実証する。図3Aは、CD34+AMLおよびNBM細胞のAxl-APC抗体によるAxlの表面染色の要約である。図3Bは、幹細胞富化CD34+CD38-AMLおよびNBM集団のAxlの表面染色の要約である。
【0119】
結果:
結果は、Axlタンパク質が、健康なCD34NBM細胞と比較して、有意により高レベルでCD34AML患者の細胞上で発現され(図2A)、いくつかのMLL AML試料が、最高のAxlレベルを発現することを示した(図2Aおよび図3A)。興味深いことに、CD34CD38幹細胞富化AML患者試料は、それらの正常な対応物よりも、わずかに高いタンパク質レベルのAxlおよび有意に多くのAxlを発現し(図2B)、MLL AML試料は、平均してより高いAxlタンパク質レベルを発現する(図3B)。AML試料番号2および番号14は、高レベルのAxlを発現し、これらを、インビボでのPDXモデルに使用した。
【0120】
実施例3
患者由来の異種移植片(PDX)モデルにおける化合物AおよびABT-199の併用療法
方法/実験設計:
原始白血病細胞を標的とする上での、および/または白血病の発症を予防する上での、化合物Aおよび化合物AとABT-199との併用の相対的な有効性を、インビボアッセイで調べた。最初に、2人の異なるAML患者(高いAxlおよびGAS6発現を有する。実施例2で決定される、コホート1=AML患者番号2、コホート2=AML患者番号14)からの高度に精製されたCD34+幹細胞および前駆細胞に、GFP/ルシフェラーゼレンチウイルスレポーターを形質導入して、白血病の発症を追跡するためのマウスの非侵襲的インビボ撮像(IVIS)を可能にした。次に、1匹のマウスあたり50,000個の細胞の最適化された細胞数を、放射線照射された雌の易感染性NRG-3GSマウス(ヒトIL-3、GMC-SF、およびSteel因子を生成する)に静脈内注射し、その後細胞注射の1および2日後に腹腔内抗ジフテリア毒素注射を行って、マウスを殺傷する潜在性のある残留T細胞を排除した。3週間後、IVISを実行して、全てのマウスで白血病の開始を確認した。その後、ビヒクル(対照)、1日1回50mg/kgの化合物A単独、1日1回50mg/kgのABT-199単独、または化合物A(50mg/kg、1日1回)と50mg/kgのABT-199(1日1回)との併用による治療を、強制経口投与によって4週間にわたって開始(合計20用量)してから、IVISをもう一巡実行して、治療の有効性を評価した。
【0121】
図4Aおよび4Bは、それぞれ示される治療による強制経口投与の前後の代表的なマウスの生物発光撮像を示す。暗い領域は、GFP/ルシフェラーゼ白血病細胞の存在に起因する観察された生物発光の部位を表す。
【0122】
白血病細胞負荷はまた、一組の安楽死させたマウス(それぞれ両方のコホートの各治療群から1匹のマウス)の末梢血(PB)、骨髄(BM)、および脾臓でも測定し、生着した細胞の免疫表現型を、蛍光標識CD45、CD34、CD38、CD33、CD15、CD14、CD19表面マーカーで測定した。脾腫は、脾臓サイズおよび重量によって評価した(図5)。図6は、各患者コホートについて示される、各治療群からの代表的な安楽死させたマウスのPBおよびBM中の、形質導入(GFP+)した、および形質導入していない(GFP-)ヒト白血病細胞の生着の蛍光活性化細胞分取(FACS)分析を示す。
【0123】
残り全てのマウスを、疾患発症の症状(体重減少、嗜眠など)について監視し、治療群間の生存を比較した。図7Aおよび7Bは、両方の患者コホートについて示される治療群の白血病マウスの生存曲線を示す。各治療群の生存中央値を、括弧内に日数で示す。P値は、ログランク(マンテル・コックス)検定で計算し、群間の有意差を示す。
【0124】
結果:
化合物AとABT-199との併用は、初期時点での白血病発症を遅延させる上だけではなく、それを排除する上でも高度に有効であったが、単剤、および特にビヒクル対照は、白血病進行を示した。例えば、AML前処理(図4A)および後処理(図4B)のPDXモデルを参照されたい。
【0125】
さらに、AxlおよびBCL-2を同時に標的とする併用アプローチは、脾腫を予防することができた。図5は、健康な非白血病マウス(細胞なし)、ビヒクル対照(治療なし)、化合物A単独、ABT-199単独による単剤療法、ならびに化合物AおよびABT-199による併用療法のサイズおよび重量を示す。示されるように、脾臓は、健康な非白血病マウスのものと比較して、ビヒクル対照群および単剤療法群で有意に拡大したが、併用療法を受けているマウスは、脾臓拡大の徴候を示さなかった。
【0126】
図6A~6Dは、PB(図6Aおよび図6B)およびBM(図6Cおよび図6D)中のヒト白血病細胞の生着の低減、ならびに脾臓への白血病細胞の浸潤をさらに実証する。結果として、両方の患者コホートにおいて、単剤またはビヒクルで治療したマウスと比較して、併用療法群において有意な生存利点が示された(図7Aおよび図7B、P<0.025)。代表的な白血病マウスのBMの詳細な分析により、AxlおよびBCL-2の同時阻害が、生着した幹細胞、前駆細胞、分化した芽球細胞、ならびに骨髄細胞および骨髄芽球を排除する上で非常に有効であることが明らかになった。結論として、化合物AおよびABT-199による併用治療は、白血病負担を減少させ、初代AML患者細胞による患者由来異種移植片(PDX)モデルにおいて白血病マウスの生存を有意に増強する。
【0127】
実施例4
MV4-11細胞株異種移植片モデルにおける化合物AおよびABT-199の併用療法
方法/実験設計:
動物においてヒト白血病細胞を排除するための化合物A単剤療法およびABT-199との併用療法の安全性および有効性を調べるために、細胞株ベースの異種移植片マウス研究を実行した。最初に、MV4-11細胞に、GFP/ルシフェラーゼレンチウイルスベクターを形質導入して、マウスにおけるヒト白血病細胞の分取/分析、ならびに白血病発病および白血病形成部位を追跡するためのマウスの非侵襲的インビボ撮像システム(IVIS)を可能にした。次に、1匹のマウスあたり250万個のGFP陽性MV4-11細胞を、放射線照射された雄のNRGマウスに静脈内注射した。注射の2週間後、IVIS撮像を実行して、各マウスにおける白血病形成および一貫したレベルの白血病負荷を確認した。その後、マウスは、ビヒクル(対照)、1日1回50mg/kgの化合物A単独、1日1回50mg/kgのABT-199単独、または化合物A(50mg/kg、1日1回)とBT-199(50mg/kg、1日1回)との併用による3週間(合計15用量)の経口治療を受けた。
【0128】
治療期間後、IVIS撮像をもう一巡実行して、治療の有効性を評価した。図8Aおよび図8Bは、それぞれ示される治療による治療前および強制経口投与後の代表的なマウスの生物発光撮像を示す。暗い領域は、GFP/ルシフェラーゼ白血病細胞の存在に起因する観察された生物発光の部位を表す。比較のために、形質導入された白血病細胞を有しない健康なマウス(「細胞なし」)も示す。
【0129】
次に、代表的なマウスの群を屠殺して、各治療群の末梢血(PB)、骨髄(BM)、脾臓、および肝臓における白血病細胞の生着を比較した。脾臓および肝臓としての造血器官への白血病細胞の浸潤は、重量および組織病理学的分析によって評価した。図9Aおよび9Bは、脾臓サイズおよび重量、ならびにそれぞれ示される各治療群からの代表的なマウスのヘモトキシリンおよびエオシン染色を示す。図10は、示される各治療群からの代表的なマウスのBM、PB、脾臓、および肝臓における白血病細胞生着のFACS分析を示す。
【0130】
残りのマウスは、治療群間の生存について監視した。図11は、示される治療群の白血病マウスの生存曲線を示す。各治療群の生存中央値を、括弧内に日数で示す。P値は、ログランク(マンテル・コックス)検定で計算し、群間の有意差を示す。
【0131】
結果:
3週間の強制経口投与後、化合物Aで治療したマウスは、ビヒクルおよびABT-199で治療したマウスと比較して、劇的により低い強度の生物発光シグナルを有し、併用治療したマウスのシグナルに至っては、検出閾値未満であった(図8B)。この観察は、ビヒクル対照およびABT-199で治療したマウスと比較して、化合物AまたはABT-199との併用で治療したマウスにおいて脾臓拡大の徴候がないことによってさらに裏付けられた(図9A)。組織学的分析は、併用治療が脾臓への白血病細胞の浸潤を予防したことをさらに確認した(図9B)。蛍光活性化細胞分取(FACS)分析は、併用療法が、PB、BM、脾臓、および肝臓におけるヒト白血病細胞の生着を低減し(図10)、単剤またはビヒクルで治療したマウスと比較して、有意に延長された生存をもたらすことを示した(図11、P<0.007)。要約すると、化合物A治療単独は、このMV4-11動物モデルにおいてインビボでの白血病増殖活性を低減することができ、この阻害効果は、ABT-199との併用治療後に劇的に増強された。
【0132】
本明細書で言及される、かつ/または出願データシートに列挙される米国特許、米国特許出願刊行物、米国特許出願、外国特許、外国特許出願、および非特許刊行物の全ては、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0133】
前述のことから、本開示の特定の実施形態は、例示の目的で本明細書に記載されているが、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な修正を行うことができることが理解されるであろう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲によって以外は限定されない。
本発明には、次の態様が含まれる。
[項1]
血液癌の療法において同時に使用するための、Axl阻害剤と、BCL-2ファミリータンパク質阻害剤との併用であって、前記Axl阻害剤が、式(I)の化合物であるか、
[化1]
(式中、
A、A 、およびA が、同じであるか、または異なり、独立して-N=、-CR =、または-O-であり、
が、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルであり、これらの各々が、任意で置換され得、
が、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、シクロアルキル、アルキル、アラルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、またはアリールであり、これらの各々が、任意で置換され得、
各R およびR が、同じであるか、または異なり、水素、アルキル、アラルキル、アルケニル、アラルケニル、アルキニル、アラルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロ、またはハロアルキルから独立して選択され、これらの各々が、任意で置換され得、
が、各出現において、水素、アルキル、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロ、またはハロアルキルであり、これらの各々が、任意で置換され得る)、あるいは
その立体異性体、鏡像異性体、もしくは互変異性体、その薬学的に許容される塩、またはその医薬組成物であり、
前記BCL-2ファミリータンパク質阻害剤が、式(II)の化合物であるか、
[化2]
(式中、
nが、0または1であり、
が、任意で置換されたヘテロシクリルアルキル、任意で置換されたシクロアルキルアルキル、または任意で置換されたヘテロアルキルであり、
が、任意で置換されたヘテロシクリルアルキルであり、
が、任意で置換されたヘテロアリールまたは任意で置換されたアリールであり、
が、電子求引性基である)、
その立体異性体、鏡像異性体、もしくは互変異性体、その薬学的に許容される塩、またはその医薬組成物である、併用。
[項2]
前記Axl阻害剤が、
[化3]
の化合物である、項1に記載の併用。
[項3]
前記Axl阻害剤が、3-(5-(シクロプロピルメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-5-(1-(ピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-アミンである、項1に記載の併用。
[項4]
前記BCL-2ファミリータンパク質阻害剤が、式(IIa)または(IIb)の化合物である、
[化4]
(式中、
が、H、F、Cl、Br、またはIであり、
およびX が独立して、水素またはアルキルであり、
が、-O-、-C(R -、または-CH CH -であり、
が、-CN、-NO 、-SO C(X 、-CF 、F、Cl、またはBrであり、各X が、各出現において、独立してH、F、またはClであり、
が、水素またはアルキルである)、項1~3のいずれか一項に記載の併用。
[項5]
が、-NO または-SO CF である、項4に記載の併用。
[項6]
前記BCL-2ファミリータンパク質阻害剤が、
[化5]
である、項5に記載の併用。
[項7]
前記Axl阻害剤が、3-(5-(シクロプロピルメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-5-(1-(ピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-アミンであり、前記BCL-2ファミリータンパク質阻害剤が、ベネトクラクスである、項1~6のいずれか一項に記載の併用。
[項8]
前記Axl阻害剤が、3-(5-(シクロプロピルメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-5-(1-(ピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-アミンであり、前記BCL-2ファミリーのタンパク質阻害剤が、ナビトクラクスである、項1~6のいずれか一項に記載の併用。
[項9]
前記血液癌が、急性骨髄性白血病(AML)である、項1~8のいずれか一項に記載の併用。
[項10]
前記Axl阻害剤が、同じAxl阻害剤を使用する単剤療法よりも低い用量で投与される、項1~9のいずれか一項に記載の併用。
[項11]
前記BCL-2ファミリータンパク質阻害剤が、同じBCL-2ファミリータンパク質阻害剤を使用する単剤療法よりも低い用量で投与される、項1~10のいずれか一項に記載の併用。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11