(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】再生可能な原材料から作製された可塑剤を組み込んだHMPSA
(51)【国際特許分類】
C09J 153/02 20060101AFI20240326BHJP
C09J 7/38 20180101ALI20240326BHJP
C09J 11/06 20060101ALI20240326BHJP
C09J 11/08 20060101ALI20240326BHJP
G09F 3/10 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
C09J153/02
C09J7/38
C09J11/06
C09J11/08
G09F3/10 Z
(21)【出願番号】P 2021551511
(86)(22)【出願日】2020-02-13
(86)【国際出願番号】 FR2020050270
(87)【国際公開番号】W WO2020174155
(87)【国際公開日】2020-09-03
【審査請求日】2023-01-17
(32)【優先日】2019-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】501305888
【氏名又は名称】ボスティク エス アー
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ロベール, クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】ラフェタン, アマンディーヌ
(72)【発明者】
【氏名】イドタルベ, ラウシヌ
【審査官】澤村 茂実
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-060847(JP,A)
【文献】特表2010-518191(JP,A)
【文献】特表2003-523477(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 1/00-201/10
G09F 3/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホットメルト感圧接着剤組成物であって、前記組成物の総重量に基づいて:
- 20重量%~50重量%の、少なくとも1つのエラストマーブロックを含むスチレンブロック共重合体の組成物(a1)と;
- 35重量%~65重量%の1つ又は複数の粘着付与樹脂(a2)と;
- 7重量%~25重量%の可塑剤(a3)と;
を含み、可塑剤(a3)が、植物油のスタンド油(a3-1)を含む組成物(a3)からなることを特徴とする、
ホットメルト感圧接着剤組成物。
【請求項2】
スチレンブロック共重合体の組成物(a1)が、その総重量に基づいて:
- 30重量%~90重量%の、SI、SIB、SB、SEB及びSEPを含む群から選択される少なくとも1つのジブロック共重合体と、
- 10重量%~70重量%の、SIS、SIBS、SBS、SEBS及びSEPSを含む群から選択される少なくとも1つのトリブロック共重合体と;
を含み、前記組成物(a1)のスチレン単位の総含有量は、(a1)の総重量に基づいて10重量%~40重量%の範囲にある、請求項1に記載の
ホットメルト感圧接着剤組成物。
【請求項3】
粘着付与樹脂(a2)が:
- (i)水素化、脱水素化、二量体化、重合、又はモノアルコール若しくはポリオールでエステル化された、天然由来のロジン又は変性ロジン及びそれらの誘導体と;
- (ii)石油留分由来の約5、9又は10個の炭素原子を有する不飽和炭化水素の混合物の水素化、重合又は(芳香族炭化水素との)共重合によって得られる樹脂と;
- (iii)フリーデルクラフツ触媒の存在下におけるテルペン炭化水素の重合から生じ、任意選択的にフェノールの作用により変性される、テルペン樹脂と;
- (iv)天然テルペンベースの共重合体と
から選択されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の
ホットメルト感圧接着剤組成物。
【請求項4】
植物油スタンド油(a3-1)が、二酸素の非存在下で200℃を超え
る温度で前記植物油を加熱する工程を含む方法によって得られることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の
ホットメルト感圧接着剤組成物。
【請求項5】
植物油を加熱する工程が、スタンド油(a3-1)について、20℃で測定された50mPa・s以上のブルックフィールド粘度が得られるのに対応する時間維持されることを特徴とする、請求項4に記載の
ホットメルト感圧接着剤組成物。
【請求項6】
スタンド油(a3-1)が植物油のスタンド油であり、
植物油に由来する脂肪酸は、少なくとも75%の割合の16~22個の炭素原子を含む脂肪酸を含み、前記割合は、前記油に由来する脂肪酸の総重量に基づく重量パーセントとして表されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の
ホットメルト感圧接着剤組成物。
【請求項7】
スタンド油(a3-1)が、ヒマワリ油、菜種油、亜麻仁油、及び大豆油から選択される植物油のスタンド油であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の
ホットメルト感圧接着剤組成物。
【請求項8】
可塑剤として使用できる組成物(a3)がスタンド油(a3-1)からなることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の
ホットメルト感圧接着剤組成物。
【請求項9】
可塑剤として使用できる組成物(a3)が、スタンド油(a3-1)に加えて、ヒマワリ油、菜種油、亜麻仁油及び大豆油から選択され、
植物油(a3-2)に由来する脂肪酸が、少なくとも75%の割合の16~22個の炭素原子を含む脂肪酸を含む植物油(a3-2)を含み、前記パーセンテージは、植物油(a3-2)に由来する脂肪酸の総重量に基づいて表される重量パーセントであることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の
ホットメルト感圧接着剤組成物。
【請求項10】
- 請求項1から9のいずれか一項において定義された
ホットメルト感圧接着剤組成物からなる接着剤層(A)と;
- 接着剤層(A)に隣接する支持層(B)と;
- 接着剤層(A)に隣接する付着防止保護層(C)とを含む、多層系。
【請求項11】
接着剤層(A)の厚さ
が10μmより大き
いことを特徴とする、請求項10に記載の多層系。
【請求項12】
リールの周りに巻かれた形態にパッケージ化されていることを特徴とする、請求項
10又は1
1に記載の多層系。
【請求項13】
付着防止
保護層(C)が、接着剤層(A)と接触している面の反対側の面がシリコーンベースの材料でコーティングされている支持層(B)からなることを特徴とする、請求項12に記載の多層系。
【請求項14】
自己接着性物品の製造のための、請求項
10から13のいずれか一項に記載の多層系の使用。
【請求項15】
請求項
10から13のいずれか一項に記載の多層系
を含む自己接着性ラベル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホットメルト感圧接着剤組成物(又はHMPSA)、及び前記組成物によって構成される層を含む、自己接着性物品、特に自己接着性ラベルの製造に適した多層系にも関する。
【背景技術】
【0002】
感圧接着剤(PSA)は、周囲温度で即時に粘着度を有するコーティングされた支持層を与える物質である。この即時の粘着度は、穏やかで短い圧力の影響下で、すべてのタイプの基材への前記自己接着性支持体の瞬間的な接着を可能にする。PSAは、情報(バーコード、名前、価格など)を提示する目的で、及び/又は装飾目的で、物品(パッケージなど)に貼付される粘着ラベルの製造に広く使用されている。PSAは、様々な用途の粘着テープの製造にも使用されている。例えば、日常生活で広く使用されている透明な粘着テープに加えて、段ボール包装の成形及び組み立て;建築業界における塗装作業のための表面の保護;運輸業界における電気ケーブルのメンテナンス:両面粘着テープによる取り付けられたカーペットの粘着接着を挙げることができる。
【0003】
PSAは、一般に、「コーター」として知られる産業機械によって実行される連続コーティングプロセスによって、大きなサイズの支持層の表面全体に適用され、適切な場合、これは、以下に「単位面積当たりの重量」という用語で示される量(一般にg/m2で表される)で印刷可能である。支持層は、一般に、紙又は1つ若しくは複数の層を有するポリマー材料のフィルムからなる。支持層を覆う自己接着性組成物の層は、それ自体が保護付着防止層(しばしば剥離ライナーとして知られている)で覆われており、これはしばしばシリコーンフィルムからなる。得られた多層系は、一般に、幅2m、直径1mまでの大きなリール(又はロール)の形態で巻くことによってパッケージ化され、保管及び輸送が可能であり、そのようなパッケージ化は、しばしば「ロールストック」という表現で呼ばれる。
【0004】
この多層系は、その後、変換プロセスによって、「コンバータ」と呼ばれるラベルメーカーによって適用できる粘着ラベルに変換することができ、これには、支持層の印刷可能な面への所望の有益な及び/又は装飾的な要素の印刷、続いて所望の形状及びサイズへの切断が含まれる。
【0005】
印刷可能な支持層に付着したままである接着剤層を変更することなく、保護付着防止層を容易に除去することができる。その付着防止保護層から分離した後、ラベルは、一般に、周囲温度に近い温度で、手動で、又は自動パッケージ化ライン上のラベリングマシンの助けを借りて、コーティングされる物品(例えば、パッケージ化)に適用される。
【0006】
この多層系は、所定の幅と長さのロールとして切断及びパッケージ化することにより、接着テープに変換することもできる。
【0007】
周囲温度の粘着度が高いため、PSAは、有利には、コーティングされる基材(又は物品)への自己接着性ラベル及び/又はテープの迅速な保持又は取り付けを可能にし(例えば、ラベルに関してはパッケージ上、又はテープに関してはパッキングボード上で)、高い工業生産率を得るのに適している。
【0008】
ホットメルト接着剤又はホットメルト(HM)は、周囲温度で固体であり、水も溶剤も含まない物質である。それらは溶融状態で適用され、冷却すると固化して、その接着強度のために、組み立てられる基材を取り付ける接合部を形成する。特定のホットメルトは、それでコーティングされた支持体に比較的硬くて粘着性のない特性を与えるように配合されている。他のホットメルトは、比較的柔らかい特性と高いタックでサポートを提供し;これらは、自己接着性物品(例えば、自己接着性ラベル)の製造に広く使用されているPSAである。対応する接着剤は、「ホットメルト感圧接着剤」(又はHMPSA)という名称で示される。したがって、それらはまた、それらの接着強度のために、それが例えばラベル付けされるパッケージであろうと組み立てられるボードであろうと、ラベル又はテープを所望の基材にしっかりと取り付けることを可能にする。
【0009】
HMPSAは一般に、粘着付与樹脂及び可塑剤と組み合わせた熱可塑性ポリマー(特にスチレンブロック共重合体)を含む。
【0010】
そのようなHMPSA組成物及び前記組成物からなる接着剤層、並びに隣接する印刷可能な支持層及び保護層を含む多層系は、例えば、国際公開第2008/077509号パンフレット及び同第2008/110685号パンフレットから知られている。
【0011】
これらのHMPSA組成物に使用される可塑剤、特に後者の2つの用途によって開示される可塑剤は、一般に、原油に由来し、パラフィン系、芳香族及び/又はナフテン系の性質の炭化水素油である。このような可塑剤は、例えば、ExxonMobil社からPrimol(登録商標)352の名前で販売されており、Nynas社からNyflex(登録商標)222B又はNyflex(登録商標)223の名前で販売されている。
【0012】
しかしながら、「グリーン」ケミストリーの開発の現在の状況では、石油又は化石由来の再生不可能な原材料を省くか、少なくともその一部を減らし、特に植物由来の再生可能な原材料を優先することがますます求められている。
【発明の概要】
【0013】
したがって、HMPSA組成物に使用されている石油由来の可塑剤を、再生可能な原材料から得られた可塑剤に置き換える必要がある。
【0014】
国際公開第99/13016号パンフレットは、可塑剤として、6~22個の炭素原子を含む脂肪酸を含む水素化若しくは非水素化天然油を含むホットメルト組成物を記載している。好ましい脂肪酸は、ココナッツ油などのC10ーC14炭素原子の混合物、並びに大豆油及びヒマワリ油などのC18混合物である。これらのホットメルト組成物は、例えば、使い捨ておむつなどの使い捨て吸収性製品を製造する目的で、織布又は不織布をベースとする基材を他の基材に接着するためのプロセスで使用される。しかしながら、この文献は、自己接着性物品の製造に適した多層系での使用に必要な接着強度及び粘着度毒性を有するHMPSA組成物を決して教示又は示唆していない。
【0015】
本発明の1つの目的は、一方で、新規のHMPSA組成物を提供することであり、その可塑剤は、再生可能な原材料から作製され、そして、他方で、自己接着性物品、特に自己接着性ラベルの製造に適した、前記組成物からなる接着剤層を含む多層系を提供することである。
【0016】
本発明の別の目的は、多層システムの接着剤層を形成するのに適したHMPSA組成物を提供することであり、これはまた、様々な基材への適切な、さらには改善された接着強度を備えている。
【0017】
本発明の別の目的は、多層系の接着剤層を形成するのに適したHMPSA組成物を提供することであり、これはまた、様々な素材に適切な、一層改善された粘着度を有する。
【0018】
これらの目的は、以下に説明するように、HMPSA組成物及びその接着剤層がそれからなる多層系によって、全体的又は部分的に達成できることが今や見出された。
【発明を実施するための態様】
【0019】
したがって、本発明の第1の主題は、HMPSA組成物であって、前記組成物の総重量に基づいて:
-20重量%~50重量%の、少なくとも1つのエラストマーブロックを含むスチレンブロック共重合体の組成物(a1)と;
-35重量%~65重量%の、1つ又は複数の粘着付与樹脂a2)と;
-7重量%~25重量%の可塑剤(a3)と、を含み;
可塑剤(a3)が、植物油のスタンド油(a3-1)を含む組成物(a3)からなることを特徴とするHMPSA組成物である。
【0020】
前記HMPSA組成物は、可塑剤に植物油誘導体を使用することにより再生不可能な原材料の含有量が減少することに加えて、自己接着性物品の製造に適した多層系での使用に非常に適しており、その接着力とその粘着度のために、特に自己接着性ラベルの製造において非常に適している。
【0021】
具体的には、前記HMPSA組成物は、FINAT試験方法1に従って測定された接着強度(「剥離」とも呼ばれる)を得ることが可能であり、これは、金属又はポリマー基材に対して有利には5N/2.54cmより大きく、段ボール基材の場合は3N/2.54cmを超える。本発明によるHMPSA組成物はまた、FINAT試験方法No.9に記載された「ループ」瞬間接着試験に従って測定された粘着度を得ることが可能であり、これはガラス基材上で10N/2.54cmより有利に大きく、ポリマー基材では8N/2.54cmを超え、段ボール基材では3N/2.54cmを超える。
【0022】
さらに、驚くべきことに、可塑剤がヒマワリ油、菜種油、亜麻仁油、又は大豆油などの植物油であるHMPSA組成物と比較して、接着強度と粘着度の両方が大幅に改善される。
【0023】
スチレンブロック共重合体の組成物(a1):
HMPSA組成物は、20重量%~50重量%の、少なくとも1つのエラストマーブロックを含むスチレンブロック共重合体の組成物(a1)を含む。
【0024】
前記スチレンブロック共重合体は、一般に、50kDaと500kDaとの間の重量平均モル質量Mwを有する。それらは、少なくとも1つのポリスチレン(又はスチレン)ブロックを含む様々な重合モノマーのブロックで構成され、ラジカル重合技術によって調製される。
【0025】
特に明記されていない限り、ここに記載されている重量平均モル質量Mwはダルトン(Da)で表され、ポリスチレン標準でキャリブレーションされたゲル浸透クロマトグラフィーによって決定される。
【0026】
好ましい実施形態によれば、前記組成物(a1)は、その総重量に基づいて:
- 30重量%~90重量%の、SI、SIB、SB、SEB及びSEPを含む群から選択される少なくとも1つのジブロック共重合体と;
- 10重量%~70重量%の、SIS、SIBS、SBS、SEBS及びSEPSを含む群から選択される少なくとも1つのジブロック共重合体は、1つのポリスチレンブロック及び1つのエラストマーブロックとからなり、
前記組成物(a1)のスチレン単位は、(a1)の総重量に基づいて、10重量%~40重量%の範囲にある。
【0027】
トリブロック共重合体は、2つのポリスチレンブロック及び1つのエラストマーブロックを含む。それらは様々な構造:線形、星形(放射状とも呼ばれる)、分岐状、又は櫛などを有することができる。ジブロック共重合体は、1つのポリスチレンブロック及び1つのエラストマーブロックを含む。
【0028】
トリブロック共重合体は、一般式:
ABA (I)
(式中:
- Aは、スチレン(又はポリスチレン)の非エラストマーブロックを表し;かつ
- Bは:
- ポリイソプレンであり得る、エラストマーを表す。)を有する。ブロック共重合体は、構造:ポリスチレン-ポリイソプレン-ポリスチレンを有し、SIS;という名称を有する;
- ポリイソプレンとそれに続くポリブタジエンブロックである。ブロックコポリマーは、構造:ポリスチレン-ポリイソプレン-ポリブタジエン-ポリスチレンを有し、SIBSという名称を有する;
- ポリブタジエンである。ブロック共重合体は、構造:ポリスチレン-ポリブタジエン-ポリスチレンを有し、SBSという名称を有する;
- 全体的又は部分的に水素化されたポリブタジエンである。ブロック共重合体は、構造:ポリスチレン-ポリ(エチレンブチレン)-ポリスチレンを有し、SEBS;という名称を有する;
- 全体的又は部分的に水素化されたポリイソプレンである。ブロック共重合体は、構造:ポリスチレン-ポリ(エチレンプロピレン)-ポリスチレンを有し、SEPSという名称を有する。
【0029】
ジブロック共重合体は、次の一般式:
A-B (II)
(式中、A及びBは前に定義した通りである。)を有する。
【0030】
組成物(a1)がいくつかのトリブロックスチレン共重合体を含み、後者がSIS、SBS、SEPS、SIBS及びSEBSを含む群から選択される場合、前記トリブロックは、これらの5つの共重合体ファミリーのうちの1つ又はいくつかにのみ属することができるものと明確に理解される。同じことが、必要な変更を加えて、ジブロック共重合体にも当てはまる。
【0031】
特にそのようなブレンドが市販されているという事実のために、同じエラストマーブロックを有するトリブロック共重合体及びジブロック共重合体を含む組成物(a1)を使用することが好ましい。
【0032】
1つの好ましい実施形態によれば、組成物(a1)中のジブロック共重合体の含有量は、70重量%~90重量%の範囲にある。
【0033】
組成物(a1)で使用することができる、特にSI及びSISタイプのエラストマーブロックを含むスチレンブロック共重合体は、しばしばトリブロック/ジブロックブレンドの形態で市販されている。
【0034】
Polimeri Europa(イタリア)社から入手可能なEuroprene(登録商標)SolT166は、それぞれ、90%SのBSトリブロック(Mw約121kDa)及び10%のSBジブロック(Mw約64kDa)からなるブレンドであり、これらの共重合体はそれぞれが約30%のスチレンを含む。
【0035】
Dynasol社から入手可能なSolprene(登録商標)1205は、約30%のスチレンを含むSBジブロック共重合体(Mw約100kDa)である。
【0036】
Kraton社から入手可能なKraton(登録商標)D1183PTは、それぞれ、62%のSISトリブロック及び38%のSIジブロックからなるブレンドであり、約16%のスチレンを含む。
【0037】
Kraton社から入手可能なKraton(登録商標)D1118は、それぞれ、22%のSBSトリブロック及び78%のSBジブロックからなるブレンドであり、約33%のスチレンを含む。
【0038】
好ましいバリアントによれば、HMPSA組成物は、25重量%~45重量%、さらにより優先的には31重量%~40重量%のスチレンブロック共重合体の組成物(a1)を含む。
【0039】
粘着付与樹脂(a2):
HMPSA組成物は、35重量%~65重量%の、1つ又は複数の粘着付与樹脂(a2)を含む。
【0040】
使用できる粘着付与樹脂(a2)は、重量平均モル質量Mwが一般に300Daと7000Daとの間であり、特に以下から選択される:
- (i)天然由来のロジン又は変性ロジン、例えば、マツガムから抽出されたロジン、木の根から抽出されたウッドロジン、及びモノアルコール又はポリオールで水素化、脱水素、二量化、重合若しくはグリセリンなどのエステル化されたそれらの誘導体;
- (ii)石油留分由来の、約5、9、又は10個の炭素原子を有する不飽和炭化水素の混合物の水素化、重合又は(芳香族炭化水素との)共重合によって得られる樹脂;
- (iii)一般に、フリーデルクラフツ触媒の存在下での、例えばモノテルペン(又はピネン)などのテルペン炭化水素の重合から生じるテルペン樹脂であり、任意選択的にフェノールの作用により変性されるもの;
- (iv)天然テルペン、例えばスチレン/テルペン、α-メチルスチレン/テルペン及びビニルトルエン/テルペンに基づくコポリマー。
【0041】
粘着付与樹脂(a2)は、一般に5℃と150℃との間の軟化温度を有する。
【0042】
本発明による組成物に使用することができる粘着付与樹脂の軟化温度(又は軟化点)は、5℃~140℃まで変化し得る。軟化温度は、標準化された試験ASTM E 28に準拠して決定され、その原理は次の通りである。直径約2cmの真ちゅう製のリングに、溶融状態の試験対象の樹脂を充填する。周囲温度に冷却した後、リングと固体樹脂を温度調節されたグリセリン浴に水平に置き、その温度は毎分5℃変化する可能性がある。約9.5mmの直径を有する鋼製のボールが中実の樹脂の円盤の中心にある。軟化温度は、毎分5℃の速度での浴の温度上昇の段階の間、樹脂の円盤がボールの重量の下で25.4mmの高さで降伏する温度である。
【0043】
好ましい実施形態によれば、使用される粘着付与樹脂は、80℃と120℃との間、さらにより優先的には90℃と110℃との間の軟化温度を有する。
【0044】
粘着付与樹脂は市販されており、例えば、以下の製品の上記のファミリーを挙げることができる。
ファミリー(i):軟化温度約100℃を有する、ArizonaChemicalのSylvalite(登録商標)RE100S(ロジンとペンタエリスリトールのエステル)。
ファミリー(ii):軟化温度約93℃を有する、ExxonMobilChemicalのEscorez(登録商標)2203LC。
【0045】
好ましいバリアントによれば、HMPSA組成物は、40重量%~60重量%、さらにより優先的には40重量%~55重量%の粘着付与樹脂(a2)を含む。
【0046】
可塑剤(a3):
HMPSA組成物は、植物油のスタンド油(a3-1)を含む組成物(a3)からなる、7重量%~25重量%の可塑剤(a3)を含む。
【0047】
植物油スタンド油(a3-1)は、酸素の非存在下で、200℃を超える温度、好ましくは270℃を超える温度、さらにより優先的には270℃と360℃との間で前記植物油を加熱する工程を含むプロセスによって得られる。
【0048】
この加熱は、特に二重結合の重合及び対応するトリグリセリドの架橋を含む油の熱重合反応を引き起こし、これは前記油の粘度を増加させる効果を有することが一般に認められている。この反応は、しばしば「スタンドリゼーション反応(standolization reaction)」と呼ばれる。
【0049】
植物油の加熱は、スタンド油(a3-1)について、20℃で測定された、50mPa・s以上、好ましくは100mPa・sのブルックフィールド粘度が得られるのに対応する時間維持される。前記粘度は、一般に100Pa・s未満、好ましくは60Pa・s未満である。
【0050】
好ましいバリアントによれば、スタンド油(a3-1)は植物油のスタンド油であり、その誘導脂肪酸は、16~22個の炭素原子を含む、少なくとも75%の割合の脂肪酸を含み、前記割合は、前記油に由来する脂肪酸の総重量に基づく重量パーセントとして表される。
【0051】
植物油は、脂肪酸とグリセリン(「トリグリセリド」とも呼ばれる。)のトリプルエステルの組成物である。それは植物の種子から得られ、もちろん多くは広く市販されている植物油である。
【0052】
したがって、「植物油に由来する脂肪酸」という表現は、これらのトリグリセリドの分子構造に存在する脂肪酸を示すことを意図している。前記脂肪酸は、前記トリグリセリドのケン化、加水分解又はメタノリシスによって、単離された化合物の形態で得ることができる。
【0053】
16~22個の炭素原子を含む脂肪酸の割合は、植物油に由来する脂肪酸の総重量に基づいて、より好ましくは少なくとも80重量%であり、さらにより好ましくは少なくとも85重量%である。
【0054】
非常に特に好ましいバリアントによれば、スタンド油(a3-1)は、ヒマワリ油、菜種油、亜麻仁油及び大豆油から選択される植物油のスタンド油である。
【0055】
一実施形態によれば、植物油スタンド油(a3-1)は、20℃で測定されたブルックフィールド粘度が200mPa・s以上であり、好ましくは0.2~9Pa・sの範囲、特に0.2~5Pa・sの範囲に含まれる大豆油スタンド油である。
【0056】
別の実施形態によれば、植物油スタンド油(a3-1)は亜麻仁油スタンド油であり、そのブルックフィールド粘度は、20℃で測定して、100mPa・s以上であり、好ましくは0.1~60Pa・sの範囲、特に2~10Pa・sの範囲に含まれる。
【0057】
スタンド油は市販されており、例えば次を挙げることができる:
-大豆スタンド油として、20℃でのブルックフィールド粘度が267mPa・sであるVeopol(登録商標)315002、及び20℃でのブルックフィールド粘度が4420mPa・sであるVeopol(登録商標)215035;
-亜麻仁油として、20℃でのブルックフィールド粘度が5870mPa・sであるVeopol(登録商標)212055。
【0058】
これらの製品は、Vandeputte社から入手できる。
【0059】
好ましいバリアントによれば、可塑剤として使用することができる組成物(a3)は、1つ(又は複数)のスタンド油(a3-1)からなる。
【0060】
別のバリアントによれば、可塑剤として使用できる組成物(a3)は、スタンド油(a3-1)に加えて、ヒマワリ油、菜種油、亜麻仁油及び大豆油から選択される植物油(a3-2)を含み、誘導されたその脂肪酸は、16~22個の炭素原子を含む、少なくとも75%の割合の脂肪酸を含み、前記パーセンテージは、植物油(a3-2)由来の脂肪酸の総重量に基づいて表される重量パーセントである。植物油(a3-2)は、スタンド油(a3-1)が得られる植物油と同一であっても異なっていてもよい。
【0061】
後者のバリアントによれば、組成物(a3)は、50%~100%のスタンド油(a3-1)及び0~50%の植物油(a3-2)を含み、これらのパーセンテージは、 組成物(a3)の総重量に基づいて表される重量パーセントである。
【0062】
植物油(a3-2)由来の脂肪酸の総重量中、16~22個の炭素原子を含む脂肪酸の割合は、好ましくは少なくとも80重量%であり、さらにより好ましくは少なくとも85重量%である。
【0063】
好ましいバリアントによれば、HMPSA組成物は、7重量%~20重量%、より優先的には10重量%~19重量%、さらにより優先的には10重量%~15重量%の可塑剤(a3)を含む。
【0064】
安定剤(a4):
好ましい実施形態によれば、HMPSA組成物は、0.1%~2%の1つ又は複数の安定剤(又は抗酸化剤)(a4)をさらに含む。
【0065】
これらの化合物は、粘着付与樹脂などの特定の原材料に対する熱、光、又は残留触媒の作用によって形成されやすい酸素との反応から生じる劣化から前記組成物を保護するために導入される。これらの化合物には、フリーラジカルを捕捉し、BASFのIrganox(登録商標)1010などの一般に置換フェノールである一次酸化防止剤を含むことができる。一次酸化防止剤は、単独で使用することも、亜リン酸エステルなどの他の酸化防止剤、例えばBASFのIrgafos(登録商標)168と組み合わせて使用することも、アミンなどのUV安定剤と組み合わせて使用することもできる。
【0066】
ワックス(a5):
本発明によるHMPSA組成物はまた、ポリエチレンホモポリマー(HoneywelのA-C(登録商標)617など)又はポリエチレンと酢酸ビニルの共重合体のワックス(a5)を含むことができる。対応する量は最大5%の範囲にある可能性がある。
【0067】
最後に、任意選択的に、顔料、染料、又は充填剤を含むことができる。
【0068】
1つの好ましいバリアントによれば、HMPSA組成物は:
- 25重量%~45重量%のスチレンブロック共重合体の組成物(a1)と;
- 40重量%~60重量%の相溶性粘着付与樹脂(a2)と;
- 7重量%~20重量%の可塑剤(a3)とを含み、好ましくは、本質的にこれらからなる。
【0069】
さらに好ましい1つのバリアントによれば、HMPSA組成物は:
- 31重量%~40重量%のスチレンブロック共重合体の組成物(a1)と;
- 40重量%~55重量%の相溶性粘着付与樹脂(a2)と;
- 10重量%~19重量%の可塑剤(a3)とを含み、好ましくは、本質的にこれらからなる。
【0070】
Brookfield(登録商標)RVT粘度計によって163℃で測定されたHMPSA組成物の粘度は、4Pa・sと50Pa・sとの間、好ましくは10Pa・sと40Pa・sとの間である。このような粘度は、印刷可能な支持層上にコーティングするためのコーターの工業用ユニットで使用されるノズルに特によく適している。
【0071】
本発明による自己接着性ホットメルト組成物は、均質な混合物が得られるまで、その成分を130℃と200℃との間の温度で単純に混合することによって調製される。必要な混合技術は当業者によく知られている。
【0072】
本発明の第2の主題は:
- 本発明の主題であるHMPSA組成物からなる接着剤層(A)と;
- 接着剤層(A)に隣接する支持層(B)と;
- 接着剤層(A)に隣接する付着防止保護層(C)とを含む、多層系である。
【0073】
接着剤層(A):
本発明による多層系の好ましいバリアントによれば、接着剤層(A)の厚さは、厳密に10μmより大きく、好ましくは11~100μmの範囲内にあり、より好ましくは12~35μmである。
【0074】
支持層(B):
本発明による多層系に含まれる支持層(B)は、接着剤層(A)に隣接している。
【0075】
本発明のより好ましいバリアントによれば、前記層(B)は、紙又は1つ若しくは複数の、ポリマーの均質層を含む膜からなる。
【0076】
適切なポリマーの中で、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン及び線状超低密度ポリエチレンを含むポリエチレンなどのポリエチレン;ポリプロピレン及びポリブチレン;ポリスチレン;天然又は合成ゴム;可塑化されている場合もされていない場合もあるポリ塩化ビニルなどのビニル共重合体、及びポリ(酢酸ビニル);エチレン/メタクリル酸共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体、及びエチレン/プロピレン共重合体などのオレフィン共重合体;アクリルポリマー及びコポリマー;ポリウレタン;ポリエーテル;ポリエステル;並びにそれらの混合物などを挙げることができる。
【0077】
好ましくは、支持層(B)は、アクリルポリマー、ポリエチレン(PE)、配向、非配向若しくは二軸配向ポリプロピレン(PP)、ポリイミド、ポリウレタン、又はポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステルをベースとする。
【0078】
さらに別のバリアントによれば、支持層(B)は印刷可能な支持層である。
【0079】
付着防止保護層(C):
保護付着防止層(C)は、支持層(B)に付着したままの層(A)を変更せずに簡単に取り外すことができる。
【0080】
好ましいバリアントによれば、前記層(C)は、シリコーンベースの材料を含み、前記材料は、前記層(C)を構成するか、又は前記層(C)の表面コーティングの形態で存在し、前記コーティングは、接着剤層(A)と接触することが意図される。
【0081】
本発明による多層系の好ましいバリアントによれば、前記系は、リール(又はロール)の周りに巻かれた形態でパッケージ化され、その寸法は、広い範囲内で変化し得る。したがって、そのようなロールの直径は0.25~1mの範囲であり得、その幅は0.25~2mの範囲であり得る。
【0082】
この好ましいバリアントによれば、保護付着防止層(C)は、多層系に含まれる支持層(B)からなり、接着剤層(A)と接触する面の反対側の面は、シリコーンベースの材料でコーティングされる。保護非粘着層(C)が層(B)と区別されないそのような多層系は、「ライナーレス」という名称で示されることがある。前記パッケージ化は、その簡単さ、及び結果として生じる経済性のために、これらのロールストックをラベル又は自己接着性テープなどの最終的な自己接着性物品に変換するコンバータにとって特に有利である。
【0083】
HMPSA組成物は、130℃を超える温度で溶融状態で、厳密に10g/m2より大きく、接着剤層(A)を形成するために、一般に11~100g/m2、好ましくは11~35g/m2の範囲にある量で支持層(B)上に施用される。
【0084】
施用は、例えば、リップノズルコーティング(約160℃~180℃の温度で)又はカーテンコーティング(約120℃~180℃の温度で)などの既知のコーティング技術によって実施される。HMPSAは通常、リップノズルによって付着防止保護層(C)に施用され、アセンブリは支持層(B)にラミネートされる(転写コーティング)。カーテンコーティングによるHMPSAの施用は、コーティング温度に応じて、支持層(B)上で直接実施することができる。
【0085】
本発明はまた、自己接着性ラベル及び自己接着性テープなどの自己接着性物品の製造のための上記で定義された多層系の使用に関する。
【0086】
本発明の別の主題は、上記の多層系の変換によって得ることができる自己接着性ラベルである。この場合、印刷可能な支持層(B)が好ましい。
【0087】
実行される変換プロセスは、概して:
- 印刷可能な支持層(B)に印刷する行程と、次に
- 多層系を切断してその幅を狭くし、そしてそれゆえにそれをより狭い幅のリールに再パッケージする行程と、次に
- 前の工程のリールにパッケージされた多層系を得る工程(「ストリッピング」と呼ばれる)とを含み、未変化の付着防止保護層(C)は、支持層の、その最終使用のために設計された自己接着性ラベルの形状及び寸法に対応する印刷された部分ちょうどに結合される。したがって、この工程は、それを選択的に切断し、次に印刷可能な支持層(B)及び接着剤層(A)の望ましくない部分を除去することからなり、前記部分はしばしば「ラベルのバックボーン」と呼ばれる。
【0088】
後者の多層系は、例えば、パッケージ品などのラベル付けされる物品を、保護層から自己粘着性ラベルを分離し、それらをラベル付けされる物品に取り付ける自動化システムによってパッケージするためのラインに使用される。ラベル付けされた物品は、好ましくは:
- ガラス;
- ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、特に高密度ポリエチレン(HDPE)など、若しくはポリプロピレン(PP)から選択される通常のプラスチック材料;又は
- 段ボール、例えば、FIPAGO段ボール(the Federation Internationale des fabricants de PApiers GOmmes(国際ガム紙製造業者連盟)に由来する名前)の名前で知られている、クラフトライナーのグレードと単位面積当たりの重量が200g/m2の段ボール)からなるパッケージ品又は容器である。
【0089】
以下の実施例は、純粋に本発明の例示として与えられており、その範囲を限定するように解釈されるべきではない。
【実施例】
【0090】
実施例A(参照)、実施例1~6(本発明による)及びB、C、D(比較):
以下の表1に示されている組成物は、示された成分を180℃で単純にな熱混合することによって調製される。
【0091】
これらの組成物のブルックフィールド粘度は、163℃の温度で測定された。結果を表2にmPa・sで示す。
【0092】
これらの組成物はまた、以下に記載される試験に従って試験された。
【0093】
接着強度:剥離試験
組成物の接着強度は、FINATテクニカルハンドブック、第6版、2001年に公開されたFINAT試験方法1に記載されているように、特定の基材のプレート上での180°剥離試験によって評価される。FINATは、International Federation of Self-Adhesive Label Manufacturersである。
【0094】
この試験の原理は次のとおりである:50μm厚のPETフィルムからなる支持層は、20g/m2の量でHMPSAがプレコートされる。
【0095】
このようにして得られた自己接着性支持体から、長方形のストリップ(25.4mm×175mm)の形態の試験片を切り出す。この試験片は、特定の基材からなるプレートに固定される。得られたアセンブリを周囲温度で20分間放置する。それは次に、毎分300mmの分離速度で180°の角度でストリップの剥離又は剥離を実行することができる引張試験装置に導入される。装置は、これらの条件下でストリップを取り外すのに必要な力を測定する。
【0096】
結果はN/2.54cmで表され、プレートの基材の性質と共に表2に示される。
【0097】
即時タック:ループタック試験
組成物の即時タックは、FINAT試験方法第9号に記載されているループタック試験によって評価される。
【0098】
50μm厚のPETフィルムからなる支持層は、25.4mm×175mmの長方形のストリップが得られるように、20g/m2の量のHMPSAでプレコートされる。このストリップの両端は、接着層が外側を向いているループを形成するように結合される。接合された2つの端部は、垂直軸に沿って300mm/分の変位速度を課すことができる引張試験装置の可動ジョーに配置され、前後の動きの可能性がある。垂直位置に配置されたループの下部は、最初に、一辺が約25mmの正方形の領域にわたって、25mm×30mmの特定の基材の水平プレートと接触させられる。この接触が確立されると、ジョーの変位方向が逆になる。即時タックは、ループが基材プレートから完全に外れるのに必要な力の最大値です。
【0099】
結果はN/2.54cmで表され、水平プレートの基材の性質と共に表2に示される。
【0100】
スタンド油からなる可塑剤をベースとする、実施例1~6について得られた剥離及びタックの結果は、一般に、可塑剤が石油起源である実施例Aの結果と同じオーダーである。
【0101】
上記の結果はまた、植物油をベースとする、実施例B、C及びDについて得られた結果と比較して著しく改善されている。
【0102】
【0103】