(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】ディスプレイ用発光素子及びそれを有するディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
H01L 33/38 20100101AFI20240326BHJP
H01L 33/40 20100101ALI20240326BHJP
H01L 33/08 20100101ALI20240326BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240326BHJP
G09F 9/33 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
H01L33/38
H01L33/40
H01L33/08
G09F9/30 330
G09F9/33
(21)【出願番号】P 2021555039
(86)(22)【出願日】2020-03-12
(86)【国際出願番号】 KR2020003451
(87)【国際公開番号】W WO2020185006
(87)【国際公開日】2020-09-17
【審査請求日】2023-03-01
(32)【優先日】2019-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506029004
【氏名又は名称】ソウル バイオシス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SEOUL VIOSYS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】65-16,Sandan-ro 163 Beon-gil,Danwon-gu,Ansan-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ソン ギュ
(72)【発明者】
【氏名】シン,チャン ソブ
(72)【発明者】
【氏名】イ,ソム グン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ホ ジュン
【審査官】右田 昌士
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2019-0001050(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0027820(US,A1)
【文献】特開2014-175427(JP,A)
【文献】特開平08-236812(JP,A)
【文献】特開2014-026975(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0288093(US,A1)
【文献】特開2015-012244(JP,A)
【文献】特表2019-509636(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0064439(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0272989(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0078955(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00 - 33/64
G09F 9/00
G09F 9/30 - 9/33
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のLED積層と、
前記第1のLED積層の下に位置する第2のLED積層と、
前記第2のLED積層の下に位置する第3のLED積層と、
前記第1のLED積層上に配置されたバンプパッドと、を含み、
前記第1乃至第3のLED積層は、いずれも第1の導電型半導体層及
び第2の導電型半導体層を含み、
前記第1のLED積層は、第2の導電型半導体層を通じて露出された第1の導電型半導体層を含み
、
前記第2のLED積層は、第2の導電型半導体層を通じて露出された第1の導電型半導体層を含み
、
前記第3のLED積層は、第2の導電型半導体層を通じて露出された第1の導電型半導体層を含み、
前記バンプパッドは、第1乃至第3のバンプパッドと共通バンプパッドを含み、
前記第1のバンプパッドは、前記第1のLED積層の第2の導電型半導体層に電気的に接続され、
前記第2のバンプパッドは
、前記第2のLED積層の第2の導電型半導体層に電気的に接続され、
前記第3のバンプパッドは
、前記第3のLED積層の第2の導電型半導体層に電気的に接続され、
前記共通バンプパッドは、前記第1乃至第3のLED積層の露出された第1の導電型半導体層に共通して電気的に接続される、ディスプレイ用発光素子
であって、
前記第1のLED積層と前記第2のLED積層との間に介在し、前記第2のLED積層の第2の導電型半導体層にオーミック接触する第2の透明電極と、
前記第2のLED積層と前記第3のLED積層との間に介在し、前記第3のLED積層の第2の導電型半導体層にオーミック接触する第3の透明電極と、をさらに含み、
前記第2の透明電極の側面は、前記第2のLED積層の側面よりも内側に窪んでおり、
前記第3の透明電極の側面は、前記第3のLED積層の側面よりも内側に窪んでおり、
前記第2及び第3のバンプパッドは、それぞれ前記第2及び第3の透明電極に電気的に接続された、ディスプレイ用発光素子。
【請求項2】
前記第1、第2及び第3のLED積層は、それぞれ赤色光、緑色光及び青色光を発する、請求項1に記載のディスプレイ用発光素子。
【請求項3】
前記第1乃至第3のLED積層は、独立して駆動でき、
前記第1のLED積層で生成された光は、前記第2のLED積層及び前記第3のLED積層を透過して外部に放出され、
前記第2のLED積層で生成された光は、前記第3のLED積層を透過して外部に放出される、請求項1に記載のディスプレイ用発光素子。
【請求項4】
前記第1のLED積層は、前記第1の導電型半導体層を貫通する上部貫通ホールを有し、
前記第2のLED積層は、前記第1の導電型半導体層を貫通する下部貫通ホールを有し、
前記共通バンプパッドは、前記第1のLED積層の上部貫通ホールを通じて前記第2のLED積層の第1の導電型半導体層に接続されると同時に、前記第2のLED積層の下部貫通ホールを通じて前記第3のLED積層の第1の導電型半導体層に接続される、請求項1に記載のディスプレイ用発光素子。
【請求項5】
前記第1のLED積層上に位置して、前記第1のLED積層の第2の導電型半導体層にオーミック接触する第1の透明電極をさらに含み、
前記第1のバンプパッドは、前記第1の透明電極に電気的に接続された、請求項
1に記載のディスプレイ用発光素子。
【請求項6】
第1のLED積層と、
前記第1のLED積層の下に位置する第2のLED積層と、
前記第2のLED積層の下に位置する第3のLED積層と、
前記第1のLED積層上に配置されたバンプパッドと、を含み、
前記第1乃至第3のLED積層は、いずれも第1の導電型半導体層及び第2の導電型半導体層を含み、
前記第1のLED積層は、第2の導電型半導体層を通じて露出された第1の導電型半導体層を含み、
前記第2のLED積層は、第2の導電型半導体層を通じて露出された第1の導電型半導体層を含み、
前記第3のLED積層は、第2の導電型半導体層を通じて露出された第1の導電型半導体層を含み、
前記バンプパッドは、第1乃至第3のバンプパッドと共通バンプパッドを含み、
前記第1のバンプパッドは、前記第1のLED積層の第2の導電型半導体層に電気的に接続され、
前記第2のバンプパッドは、前記第2のLED積層の第2の導電型半導体層に電気的に接続され、
前記第3のバンプパッドは、前記第3のLED積層の第2の導電型半導体層に電気的に接続され、
前記共通バンプパッドは、前記第1乃至第3のLED積層の露出された第1の導電型半導体層に共通して電気的に接続される、ディスプレイ用発光素子であって、
前記第1のLED積層上に位置して、前記第1のLED積層の第2の導電型半導体層にオーミック接触する第1の透明電極と、
前記第1のLED積層と前記第2のLED積層との間に介在し、前記第2のLED積層の第2の導電型半導体層にオーミック接触する第2の透明電極と、
前記第2のLED積層と前記第3のLED積層との間に介在し、前記第3のLED積層の第2の導電型半導体層にオーミック接触する第3の透明電極と、をさらに含み、
前記第1、第2及び第3のバンプパッドは、それぞれ前記第1、第2及び第3の透明電極に電気的に接続され、
前記第1乃至第3の透明電極のいずれかは、他の透明電極と異なる材料で形成された
、ディスプレイ用発光素子。
【請求項7】
前記第2及び第3の透明電極は、それぞれ第2のLED積層の第2の導電型半導体層、及び第3のLED積層の第2の導電型半導体層よりも狭い面積を有するように窪んでいる、請求項
1に記載のディスプレイ用発光素子。
【請求項8】
前記第1乃至第3のLED積層の側面を覆う絶縁層をさらに含み、
前記絶縁層は、前記第1乃至第3のLED積層の第1の導電型半導体層の側面に接し、
前記第2及び第3の透明電極の側面は、前記絶縁層から離隔された、請求項
7に記載のディスプレイ用発光素子。
【請求項9】
前記第3のLED積層の第1の導電型半導体層上に配置されたn電極パッドと、
前記第3の透明電極上に配置された下部p電極パッドと、をさらに含み、
前記n電極パッドの上面は、前記下部p電極パッドの上面と同じ高さに位置する、請求項
1に記載のディスプレイ用発光素子。
【請求項10】
前記第2のLED積層と第3のLED積層との間に介在した第1のボンディング層と、
前記第1のLED積層と第2のLED積層との間に介在した第2のボンディング層と、をさらに含み、
前記第2のLED積層は、前記第1の導電型半導体層を貫通する下部貫通ホールを有し、
前記第2のLED積層の下部貫通ホールは、それぞれ前記第1のボンディング層を貫通して前記n電極パッド及び下部p電極パッドを露出させる、請求項
9に記載のディスプレイ用発光素子。
【請求項11】
前記第2のLED積層の第1の導電型半導体層及び前記第3のLED積層のn電極パッドに接続された下部共通コネクタと、
前記下部p電極パッドに接続された下部pコネクタと、
前記第2の透明電極上に位置する上部p電極パッドと、をさらに含み、
前記下部共通コネクタ及び前記下部pコネクタは、それぞれ前記第2のLED積層の下部貫通ホールを通じて前記n電極パッド及び前記下部p電極パッドに電気的に接続された、請求項1
0に記載のディスプレイ用発光素子。
【請求項12】
前記第1のLED積層は、前記第1の導電型半導体層を貫通する上部貫通ホールを有し、
前記第1のLED積層の上部貫通ホールは、それぞれ前記第2のボンディング層を貫通して前記下部共通コネクタ、前記下部pコネクタ及び前記上部p電極パッドを露出させる、請求項1
1に記載のディスプレイ用発光素子。
【請求項13】
前記第1のLED積層の上部貫通ホールによって露出される前記上部p電極パッド、前記下部共通コネクタ及び前記下部pコネクタの領域は、互いに同じ高さに位置する、請求項1
2に記載のディスプレイ用発光素子。
【請求項14】
前記第1のLED積層上に配置された第1乃至第3の上部コネクタ及び上部共通コネクタと、をさらに含み、
前記第1の上部コネクタは、前記第1のLED積層の第2の導電型半導体層に電気的に接続され、
前記第2の上部コネクタ、前記第3の上部コネクタ及び前記上部共通コネクタは、それぞれ前記第1のLED積層の上部貫通ホールを通じて前記上部p電極パッド、前記下部pコネクタ、及び前記下部共通コネクタに電気的に接続され、
前記バンプパッドは、それぞれ前記第1乃至第3の上部コネクタ及び上部共通コネクタ上に配置された、請求項1
2に記載のディスプレイ用発光素子。
【請求項15】
前記バンプパッドは、それぞれ前記第1乃至第3の上部コネクタ及び上部共通コネクタの平坦な部分上に位置する、請求項1
4に記載のディスプレイ用発光素子。
【請求項16】
前記第1乃至第3の上部コネクタ及び上部共通コネクタを覆う上部絶縁層をさらに含み、
前記上部絶縁層は、前記第1乃至第3の上部コネクタ及び上部共通コネクタを露出させる開口部を有し、
前記バンプパッドは、それぞれ前記開口部内に配置された、請求項1
5に記載のディスプレイ用発光素子。
【請求項17】
前記第1のLED積層と前記上部コネクタとの間に配置された中間絶縁層をさらに含み、
前記中間絶縁層は、前記発光素子の側面及び前記第1のLED積層の上部貫通ホールの側壁を覆うが、
前記上部p電極パッド、前記下部pコネクタ、及び下部共通コネクタを露出させる開口部を有する、請求項1
6に記載のディスプレイ用発光素子。
【請求項18】
前記第1乃至第3のLED積層は、成長基板から分離された、請求項1に記載のディスプレイ用発光素子。
【請求項19】
回路基板と、
前記回路基板上に整列された複数の発光素子と、を含み、
前記発光素子は、それぞれ
第1のLED積層と、
前記第1のLED積層の下に位置する第2のLED積層と、
前記第2のLED積層の下に位置する第3のLED積層と、
前記第1のLED積層上に配置されたバンプパッドと、を含み、
前記第1乃至第3のLED積層は、いずれも第1の導電型半導体層及
び第2の導電型半導体層を含み、
前記第1のLED積層は、第2の導電型半導体層を通じて露出された第1の導電型半導体層を含み
、
前記第2のLED積層は、第2の導電型半導体層を通じて露出された第1の導電型半導体層を含み
、
前記第3のLED積層は、第2の導電型半導体層を通じて露出された第1の導電型半導体層を含み、
前記バンプパッドは、第1乃至第3のバンプパッドと共通バンプパッドを含み、
前記第1のバンプパッドは、前記第1のLED積層の第2の導電型半導体層に電気的に接続され、
前記第2のバンプパッドは
、前記第2のLED積層の第2の導電型半導体層に電気的に接続され、
前記第3のバンプパッドは
、前記第3のLED積層の第2の導電型半導体層に電気的に接続され、
前記共通バンプパッドは、前記第1乃至第3のLED積層の露出された第1の導電型半導体層に共通して電気的に接続され、
前記バンプパッドが前記回路基板にボンディングされた、ディスプレイ装置
であって、
前記第1のLED積層と前記第2のLED積層との間に介在し、前記第2のLED積層の第2の導電型半導体層にオーミック接触する第2の透明電極と、
前記第2のLED積層と前記第3のLED積層との間に介在し、前記第3のLED積層の第2の導電型半導体層にオーミック接触する第3の透明電極と、をさらに含み、
前記第2の透明電極の側面は、前記第2のLED積層の側面よりも内側に窪んでおり、
前記第3の透明電極の側面は、前記第3のLED積層の側面よりも内側に窪んでおり、
前記第2及び第3のバンプパッドは、それぞれ前記第2及び第3の透明電極に電気的に接続された、ディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ディスプレイ用発光素子及びディスプレイ装置に関するものであり、特に、複数のLEDの積層構造を有するディスプレイ用発光素子及びそれを有するディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオードは、無機光源であり、ディスプレイ装置、車両用ランプ、一般照明のような様々な分野に多様に用いられている。発光ダイオードは、寿命が長く、且つ消費電力が低く、応答速度が速いという長所があるため、既存の光源を速い速度で置き換えている。
【0003】
一方、従来の発光ダイオードは、ディスプレイ装置においてバックライト光源として主に使用されてきた。しかし、近年、発光ダイオードを用いて直接イメージを表示するLEDディスプレイが開発されている。
【0004】
ディスプレイ装置は、一般的に、青色、緑色及び赤色の混合色を用いて多様な色を表示する。ディスプレイ装置は、多様なイメージを表示するために複数のピクセルを含み、各ピクセルは、青色、緑色及び赤色のサブピクセルを備え、これらサブピクセルの色を通じて特定ピクセルの色が決められ、これらピクセルの組合せによってイメージが表示される。
【0005】
LEDは、その材料によって多様な色の光を放出することができ、青色、緑色及び赤色を放出する個別LEDチップを二次元平面上に配列してディスプレイ装置を提供できる。しかし、各サブピクセルに一つのLEDチップを配列する場合、LEDチップの個数が多くなるため実装工程に多くの時間がかかる。
【0006】
また、サブピクセルを二次元平面上に配列するため、青色、緑色及び赤色サブピクセルを含む一つのピクセルが占有する面積が相対的に広くなる。よって、制限された面積内にサブピクセルを配列するためには、各LEDチップの面積を減らす必要がある。しかし、LEDチップの大きさを減少させることは、LEDチップの実装を困難にし、さらに、発光面積の減少を招く。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示が解決しようとする課題は、制限されたピクセル面積内で各サブピクセルの面積を増やすことのできるディスプレイ用発光素子及びディスプレイ装置を提供することである。
【0008】
本開示が解決しようとするまた別の課題は、実装工程時間を短縮できるディスプレイ用発光素子及びディスプレイ装置を提供することである。
【0009】
本開示が解決しようとするまた別の課題は、生産収率を増大させることのできるディスプレイ用発光素子及びディスプレイ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一実施形態に係るディスプレイ用発光素子は、第1のLED積層と、前記第1のLED積層の下に位置する第2のLED積層と、前記第2のLED積層の下に位置する第3のLED積層と、前記第1のLED積層上に配置されたバンプパッドと、を含み、前記第1乃至第3のLED積層は、いずれも第1の導電型半導体層及び前記第1の導電型半導体層の下に位置する第2の導電型半導体層を含み、前記第1のLED積層は第2の導電型半導体層を通じて露出された第1の導電型半導体層を含み、また、第1の導電型半導体層を貫通する上部貫通ホールを有し、前記第2のLED積層は第2の導電型半導体層を通じて露出された第1の導電型半導体層を含み、また、第1の導電型半導体層を貫通する下部貫通ホールを有し、前記第3のLED積層は第2の導電型半導体層を通じて露出された第1の導電型半導体層を含み、前記バンプパッドは、第1乃至第3のバンプパッドと共通バンプパッドを含み、前記第1のバンプパッドは前記第1のLED積層の第2の導電型半導体層に電気的に接続され、前記第2のバンプパッドは前記第1のLED積層の上部貫通ホールを通じて前記第2のLED積層の第2の導電型半導体層に電気的に接続され、前記第3のバンプパッドは前記第1のLED積層の上部貫通ホール及び前記第2のLED積層の下部貫通ホールを通じて前記第3のLED積層の第2の導電型半導体層に電気的に接続され、前記共通バンプパッドは前記第1乃至第3のLED積層の露出された第1の導電型半導体層に共通して電気的に接続される。
【0011】
本開示の一実施形態に係るディスプレイ装置は、回路基板と、前記回路基板上に整列された複数の発光素子と、を含み、前記発光素子はそれぞれ上で説明した発光素子であり、前記バンプパッドが前記回路基板に電気的に接続される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示の実施形態に係るディスプレイ装置を説明するための概略的な斜視図である。
【
図2】本開示の一実施形態に係るディスプレイパネルを説明するための概略的な平面図である。
【
図3a】本開示の一実施形態に係る発光素子を説明するための概略的な平面図である。
【
図3b】
図3aの切り取り線A-A’に沿って切り取った概略的な断面図である。
【
図3c】
図3aの切り取り線B-B’に沿って切り取った概略的な断面図である。
【
図3d】
図3aの切り取り線C-C’に沿って切り取った概略的な断面図である。
【
図4a】本開示の一実施形態に従って成長基板上に成長した第1乃至第3のLED積層を説明するための概略的な断面図である。
【
図4b】本開示の一実施形態に従って成長基板上に成長した第1乃至第3のLED積層を説明するための概略的な断面図である。
【
図4c】本開示の一実施形態に従って成長基板上に成長した第1乃至第3のLED積層を説明するための概略的な断面図である。
【
図5a】本開示の一実施形態に係るディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図及び断面図である。
【
図5b】本開示の一実施形態に係るディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図及び断面図である。
【
図5c】本開示の一実施形態に係るディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図及び断面図である。
【
図5d】本開示の一実施形態に係るディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図及び断面図である。
【
図6a】本開示の一実施形態に係るディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図及び断面図である。
【
図6b】本開示の一実施形態に係るディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図及び断面図である。
【
図6c】本開示の一実施形態に係るディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図及び断面図である。
【
図6d】本開示の一実施形態に係るディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図及び断面図である。
【
図7a】本開示の一実施形態に係るディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図及び断面図である。
【
図7b】本開示の一実施形態に係るディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図及び断面図である。
【
図7c】本開示の一実施形態に係るディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図及び断面図である。
【
図7d】本開示の一実施形態に係るディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図及び断面図である。
【
図8a】本開示の一実施形態に係るディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図及び断面図である。
【
図8b】本開示の一実施形態に係るディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図及び断面図である。
【
図8c】本開示の一実施形態に係るディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図及び断面図である。
【
図8d】本開示の一実施形態に係るディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図及び断面図である。
【
図9a】本開示の一実施形態に係るディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図及び断面図である。
【
図9b】本開示の一実施形態に係るディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図及び断面図である。
【
図9c】本開示の一実施形態に係るディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図及び断面図である。
【
図9d】本開示の一実施形態に係るディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図及び断面図である。
【
図10a】本開示の一実施形態に係るディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図及び断面図である。
【
図10b】本開示の一実施形態に係るディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図及び断面図である。
【
図10c】本開示の一実施形態に係るディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図及び断面図である。
【
図10d】本開示の一実施形態に係るディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図及び断面図である。
【
図11a】本開示の一実施形態に係るディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図及び断面図である。
【
図11b】本開示の一実施形態に係るディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図及び断面図である。
【
図11c】本開示の一実施形態に係るディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図及び断面図である。
【
図11d】本開示の一実施形態に係るディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図及び断面図である。
【
図12a】本開示の一実施形態に係るディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図及び断面図である。
【
図12b】本開示の一実施形態に係るディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図及び断面図である。
【
図12c】本開示の一実施形態に係るディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図及び断面図である。
【
図12d】本開示の一実施形態に係るディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図及び断面図である。
【
図13a】本開示の一実施形態に係るディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図及び断面図である。
【
図13b】本開示の一実施形態に係るディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図及び断面図である。
【
図13c】本開示の一実施形態に係るディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図及び断面図である。
【
図13d】本開示の一実施形態に係るディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図及び断面図である。
【
図14】回路基板上に実装された発光素子を説明するための概略的な断面図である。
【
図15a】発光素子を回路基板に転写する方法を説明するための概略的な断面図である。
【
図15b】発光素子を回路基板に転写する方法を説明するための概略的な断面図である。
【
図15c】発光素子を回路基板に転写する方法を説明するための概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付の図面を参照して本開示の実施形態を詳しく説明する。以下で説明する実施形態は、本開示の属する技術分野の通常の技術者に本開示の思想が十分に伝わるようにするために例として提供するものである。よって、本開示は以下で説明する実施形態に限定されるのではなく、他の形態に実施することもできる。そして、図面において、構成要素の幅、長さ、厚さ等は便宜のために誇張して表現する場合もある。また、一つの構成要素が他の構成要素の「上部に」又は「上に」あると記載されている場合は、各部分が他の部分の「真上部」又は「真上に」ある場合だけでなく、各構成要素と他の構成要素間にまた別の構成要素が介在する場合も含む。明細書全体に亘って、同じ参照番号は同じ構成要素を表す。
【0014】
本開示の一実施形態に係るディスプレイ用発光素子は、第1のLED積層、前記第1のLED積層の下に位置する第2のLED積層、前記第2のLED積層の下に位置する第3のLED積層、及び前記第1のLED積層上に配置されたバンプパッドを含むが、前記第1乃至第3のLED積層は全て第1の導電型半導体層及び前記第1の導電型半導体層の下に位置する第2の導電型半導体層を含み、前記第1のLED積層は第2の導電型半導体層を通じて露出された第1の導電型半導体層を含み、また、第1の導電型半導体層を貫通する上部貫通ホールを有し、前記第2のLED積層は第2の導電型半導体層を通じて露出された第1の導電型半導体層を含み、また、第1の導電型半導体層を貫通する下部貫通ホールを有し、前記第3のLED積層は第2の導電型半導体層を通じて露出された第1の導電型半導体層を含み、前記バンプパッドは第1乃至第3のバンプパッドと共通バンプパッドを含むが、前記第1のバンプパッドは前記第1のLED積層の第2の導電型半導体層に電気的に接続され、前記第2のバンプパッドは前記第1のLED積層の上部貫通ホールを通じて前記第2のLED積層の第2の導電型半導体層に電気的に接続され、前記第3のバンプパッドは、前記第1のLED積層の上部貫通ホール及び前記第2のLED積層の下部貫通ホールを通じて前記第3のLED積層の第2の導電型半導体層に電気的に接続され、前記共通バンプパッドは前記第1乃至第3のLED積層の露出された第1の導電型半導体層に共通して電気的に接続される。
【0015】
本明細書では、説明の便宜のために第1のLED積層の下に第2のLED積層が配置され、第2のLED積層の下に第3のLED積層が配置されていると説明しているが、発光素子はフリップボンディングすることができ、よって、これら第1乃至第3のLED積層の上下位置が逆になり得るということに留意する必要がある。
【0016】
第1乃至第3のLED積層を互いに積層することにより、ピクセル面積を増やすことなく、各サブピクセルの発光面積を増やすことができる。
【0017】
また、前記第1乃至第3のLED積層がいずれも前記第1の導電型半導体層の下に第2の導電型半導体層が配置された構造を有するため、製造工程を安定化させることができ、光の損失を防止することができる。
【0018】
一実施形態において、前記第1のLED積層は前記第2のLED積層よりも長波長の光を放出し、前記第2のLED積層は前記第3のLED積層よりも長波長の光を放出することができる。例えば、前記第1、第2及び第3のLED積層は、それぞれ赤色光、緑色光及び青色光を発することができる。他の実施形態において、前記第1のLED積層は前記第3のLED積層よりも長波長の光を放出し、前記第2のLED積層は前記第3のLED積層よりも短波長の光を放出することができる。例えば、前記第1、第2及び第3のLED積層は、それぞれ赤色光、青色光及び緑色光を発することができる。
【0019】
一方、前記第1乃至第3のLED積層は、独立して駆動することができ、前記第1のLED積層で生成された光は、前記第2のLED積層及び前記第3のLED積層を透過して外部に放出され、前記第2のLED積層で生成された光は、前記第3のLED積層を透過して外部に放出することができる。
【0020】
前記共通バンプパッドは、前記第1のLED積層の上部貫通ホールを通じて前記第2のLED積層の第1の導電型半導体層に接続されると同時に、前記第2のLED積層の下部貫通ホールを通じて前記第3のLED積層の第1の導電型半導体層に接続できる。
【0021】
前記発光素子は、前記第1のLED積層と前記第2のLED積層との間に介在し、前記第2のLED積層の第2の導電型半導体層にオーミック接触する第2の透明電極及び前記第2のLED積層と前記第3のLED積層との間に介在し、前記第3のLED積層の第2の導電型半導体層にオーミック接触する第3の透明電極をさらに含むことができ、前記第2及び第3のバンプパッドは、それぞれ前記第2及び第3の透明電極に電気的に接続できる。
【0022】
前記発光素子は、前記第1のLED積層上に位置して前記第1のLED積層の第2の導電型半導体層にオーミック接触する第1の透明電極をさらに含むことができ、前記第1のバンプパッドは前記第1の透明電極に電気的に接続できる。
【0023】
一実施形態において、前記第1乃至第3の透明電極のいずれかは、他の透明電極と他の材料で形成することができる。例えば、前記第1の透明電極はITO(indium-tin-oxide)で形成され、前記第2及び第3の透明電極はZnOで形成することができる。
【0024】
一実施形態において、前記第2及び第3の透明電極は、それぞれ第2のLED積層の第2の導電型半導体層及び第3のLED積層の第2の導電型半導体層よりも狭い面積を有するように窪むことができる。前記第1の透明電極もまた、前記第1のLED積層の第2の導電型半導体層よりも狭い面積を有するように窪むことができる。
【0025】
第2及び第3の透明電極を窪ませることにより、製造工程の間、エッチングガスによってこれらの損傷することを防ぐことができる。
【0026】
前記発光素子は、前記第1乃至第3のLED積層の側面を覆う絶縁層をさらに含むことができ、前記絶縁層は前記第1乃至第3のLED積層の第1の導電型半導体層の側面に接するが、前記第2及び第3の透明電極の側面は前記絶縁層から離隔され得る。
【0027】
一方、前記発光素子は、前記第3のLED積層の第1の導電型半導体層上に配置されたn電極パッド及び前記第3の透明電極上に配置された下部p電極パッドをさらに含むことができ、前記n電極パッドの上面は前記下部p電極パッドの上面と同じ高さに位置することができる。
【0028】
前記n電極パッドの上面と下部p電極パッドの上面が同じ高さに位置するようにさせることにより、製造工程の間これらのいずれかのパッドが損傷することを防ぐことができる。
【0029】
前記発光素子はまた、前記第2のLED積層と第3のLED積層との間に介在した第1のボンディング層及び前記第1のLED積層と第2のLED積層との間に介在した第2のボンディング層をさらに含むことができ、前記第2のLED積層の下部貫通ホールは、それぞれ前記第1のボンディング層を貫通して前記n電極パッド及び下部p電極パッドを露出させることができる。
【0030】
さらに、前記発光素子は、前記第2のLED積層の第1の導電型半導体層及び前記第3のLED積層のn電極パッドに接続された下部共通コネクタ、前記下部p電極パッドに接続された下部pコネクタ、及び前記第2の透明電極上に位置する上部p電極パッドをさらに含むことができ、前記下部共通コネクタ及び前記下部pコネクタは、それぞれ前記第2のLED積層の下部貫通ホールを通じて前記n電極パッド及び前記下部p電極パッドに電気的に接続できる。
【0031】
また、前記第1のLED積層の上部貫通ホールは、それぞれ前記第2のボンディング層を貫通して前記下部共通コネクタ、前記下部pコネクタ及び前記上部p電極パッドを露出させることができる。
【0032】
前記第1のLED積層の上部貫通ホールによって露出される前記上部p電極パッド、前記下部共通コネクタ及び前記下部pコネクタの領域は、互いに同じ高さに位置し得る。
【0033】
前記発光素子は、前記第1のLED積層上に配置された第1乃至第3の上部コネクタ及び上部共通コネクタをさらに含むことができ、前記第1の上部コネクタは前記第1のLED積層の第2の導電型半導体層に電気的に接続され得る、
【0034】
前記第2の上部コネクタ、前記第3の上部コネクタ及び前記上部共通コネクタは、それぞれ前記第1のLED積層の上部貫通ホールを通じて前記上部p電極パッド、前記下部pコネクタ、及び前記下部共通コネクタに電気的に接続され、前記バンプパッドはそれぞれ前記第1乃至第3の上部コネクタ及び上部共通コネクタ上に配置され得る。
【0035】
一実施形態において、前記バンプパッドは、それぞれ前記第1乃至第3の上部コネクタ及び上部共通コネクタの平坦な部分上に位置し得る。
【0036】
また、前記発光素子は、前記第1乃至第3の上部コネクタ及び上部共通コネクタを覆う上部絶縁層をさらに含むことができ、前記上部絶縁層は前記第1乃至第3の上部コネクタ及び上部共通コネクタを露出させる開口部を有することができ、前記バンプパッドはそれぞれ前記開口部内に配置できる。
【0037】
さらに、前記発光素子は、前記第1のLED積層と前記上部コネクタ間に配置された中間絶縁層をさらに含むことができ、前記中間絶縁層は前記発光素子の側面及び前記第1のLED積層の上部貫通ホールの側壁を覆うが、前記上部p電極パッド、前記下部pコネクタ、及び下部共通コネクタを露出させる開口部を有することができる。
【0038】
本開示において、前記第1乃至第3のLED積層は、成長基板から分離されたものでもよい。
【0039】
本開示の一実施形態に係るディスプレイ装置は、回路基板及び前記回路基板上に整列された複数の発光素子を含むが、前記発光素子はそれぞれ上で説明した発光素子であり、前記バンプパッドは前記回路基板に電気的に接続される。
【0040】
以下、図面を参照して本開示の実施形態について具体的に説明する。
【0041】
図1は、本開示の実施形態に係るディスプレイ装置を説明するための概略的な斜視図である。
【0042】
本開示の発光素子は、特別限定されるのではないが、特に、スマートウォッチ1000a、VRヘッドセット1000bのようなVRディスプレイ装置、又は拡張現実眼鏡1000cのようなARディスプレイ装置内に使用される。
【0043】
ディスプレイ装置内には、イメージを表示するためのディスプレイパネルが実装される。
図2は、本開示の一実施形態に係るディスプレイパネルを説明するための概略的な平面図である。
【0044】
図2を参照すると、ディスプレイパネルは回路基板101及び発光素子100を含む。
【0045】
回路基板101は、パッシブマトリックス駆動またはアクティブマトリックス駆動のための回路を含み得る。一実施形態において、回路基板101は内部に配線及び抵抗を含むことができる。他の実施形態において、回路基板101は配線、トランジスタ及びキャパシタを含むことができる。回路基板101はまた、内部に配置された回路に電気的接続を許容するためのパッドを上面に有してもよい。
【0046】
複数の発光素子100は、回路基板101上に整列される。それぞれの発光素子100は一つのピクセルを構成する。発光素子100は、バンプパッド73を有し、バンプパッド73が回路基板101に電気的に接続される。例えば、バンプパッド73は回路基板101上に露出されたパッドにボンディングされてもよい。
【0047】
発光素子100間の間隔は、少なくとも発光素子の幅よりも広くてもよい。
【0048】
発光素子100の具体的な構成について、
図3a、
図3b、
図3c及び
図3dを参照して説明する。
図3aは、本開示の一実施形態に係る発光素子100を説明するための概略的な平面図であり、
図3b、
図3c及び
図3dは、それぞれ
図3aの切り取り線A-A’、B-B’及びC-C’に沿って切り取った概略的な断面図である。説明の便宜のために、
図3a、
図3b、
図3c及び
図3dにおいて、バンプパッド73r,73b,73g,73cが上側に配置されたことを図示し、及び説明するが、発光素子100は
図2に示したように、回路基板101上にフリップボンディングされ、この場合、バンプパッド73r,73b,73g,73cが下側に配置される。
【0049】
図3a、
図3b、
図3c及び
図3dを参照すると、発光素子100は第1のLED積層23、第2のLED積層33、第3のLED積層43、第1の透明電極25、第2の透明電極35、第3の透明電極45、n電極パッド47a、下部p電極パッド47b、上部p電極パッド53g、下部pコネクタ53b、下部共通コネクタ53c、上部共通コネクタ63c、第1の上部コネクタ63r、第2の上部コネクタ63g、第3の上部コネクタ63b、第1のボンディング層49、第2のボンディング層59、下部絶縁層51、中間絶縁層61、上部絶縁層71及びバンプパッド73r,73b,73g,73cを含み得る。さらに、発光素子100は第1のLED積層23を貫通する上部貫通ホール23h1,23h2,23h3、第2のLED積層33を貫通する下部貫通ホール33h1,33h2を含み得る。
【0050】
図3bに示したように、本開示の実施形態は第1乃至第3のLED積層23,33,43が垂直方向に積層される。一方、各LED積層23,33,43は、互いに異なる成長基板上で成長したものであるが、本開示の実施形態において成長基板は最終発光素子100に残留せず全て除去される。よって、発光素子100は成長基板を含まない。しかし、本開示は必ずしもこれに限定されるものではなく、少なくとも一つの成長基板が含まれてもよい。
【0051】
第1のLED積層23、第2のLED積層33及び第3のLED積層43は、それぞれ第1の導電型半導体層23a,33a,又は43a、第2の導電型半導体層23b,33b,又は43b及びこれらの間に介在した活性層(図示せず)を含む。活性層は、特に多重量子井戸構造を有してもよい。
【0052】
第1のLED積層23の下に第2のLED積層33が配置され、第2のLED積層33の下に第3のLED積層43が配置される。第1乃至第3のLED積層23,33,43で生成された光は、最終的に第3のLED積層43を通じて外部に放出される。
【0053】
一実施形態において、第1のLED積層23は第2及び第3のLED積層33,43に比べて長波長の光を放出し、第2のLED積層33は第3のLED積層43に比べて長波長の光を放出し得る。例えば、第1のLED積層23は赤色光を発する無機発光ダイオードであり、第2のLED積層33は緑色光を発する無機発光ダイオードであり、第3のLED積層43は青色光を発する無機発光ダイオードであってもよい。第1のLED積層23はAlGaInP系列の井戸層を含んでもよく、第2のLED積層33はAlGaInP系列またはAlGaInN系列の井戸層を含んでもよく、第3のLED積層43はAlGaInN系列の井戸層を含んでもよい。
【0054】
第1のLED積層23は、第2及び第3のLED積層33,43に比べて長波長の光を放出するため、第1のLED積層23で生成された光は、第2及び第3のLED積層33,43を透過して外部に放出できる。また、第2のLED積層33は、第3のLED積層43に比べて長波長の光を放出するため、第2のLED積層33で生成された光は第3のLED積層43を透過して外部に放出できる。
【0055】
別の実施形態において、第1のLED積層23は第2及び第3のLED積層33,43に比べて長波長の光を放出し、第2のLED積層33は第3のLED積層43に比べて短波長の光を放出できる。例えば、第1のLED積層23は赤色光を発する無機発光ダイオードであり、第2のLED積層33は青色光を発する無機発光ダイオードであり、第3のLED積層43は緑色光を発する無機発光ダイオードであってもよい。第1のLED積層23はAlGaInP系列の井戸層を含んでもよく、第2のLED積層33はAlGaInN系列の井戸層を含んでもよく、第3のLED積層43はAlGaInP系列またはAlGaInN系列の井戸層を含んでもよい。
【0056】
第2のLED積層33で生成された光の一部は、第3のLED積層43で吸収されてもよく、よって、第2のLED積層33から放出される光の光度を、第1又は第3のLED積層23,43から放出される光の光度に比べて相対的に低くすることができる。これにより、第1乃至第3のLED積層23,33,43から放出される光の光度割合を制御することができる。
【0057】
一方、各LED積層23,33又は43の第1の導電型半導体層23a,33a,43aはそれぞれn型半導体層で、第2の導電型半導体層23b,33b,43bはp型半導体層である。また、本実施形態において、第1のLED積層23の上面はp型半導体層23bであり、第2のLED積層33の上面はp型半導体層33bであり、第3のLED積層43の上面はp型半導体層43bである。つまり、第1乃至第3のLED積層23,33,43は、いずれも同じ方向にn型及びp型半導体層が積層されている。第1のLED積層23及び第2のLED積層33の半導体層を第3のLED積層43の半導体層と同じ順序で配置することにより、工程安定性を確保することができ、これについては製造方法を説明しながら下記で詳しく説明する。
【0058】
第1のLED積層23は、第2の導電型半導体層23bが除去されて第1の導電型半導体層23aを露出させるメサエッチング領域を含む。上部貫通ホール23h1,23h2,23h3は、メサエッチング領域内に形成されてもよく、よって、上部貫通ホール23h1,23h2,23h3の側壁は段差のある構造を有してもよい。また、メサエッチング領域に露出された第1の導電型半導体層23aに上部共通コネクタ63cが電気的に接続され、これについては下記で再度説明する。
【0059】
第2のLED積層33は、第2の導電型半導体層33bが除去されて第1の導電型半導体層33aの上面を露出させるメサエッチング領域を含む。第3のLED積層43もまた、第2の導電型半導体層43bが除去されて第1の導電型半導体層43aの上面を露出させるメサエッチング領域を含む。下部貫通ホール33h1,33h2は、メサエッチング領域内に形成されてもよく、よって、下部貫通ホール33h1,33h2の側壁は段差のある構造を有してもよい。
【0060】
一方、第3のLED積層43は平坦な下部面を有してもよいが、これに限定されない。例えば、第1の導電型半導体層43aの表面に凹凸を含むことができ、この凹凸によって光抽出効率を向上させることができる。第1の導電型半導体層43aの表面に形成された凹凸は、パターニングされたサファイア基板を分離することによって形成されたものでもよいが、必ずしもこれに限定されるのではなく、成長基板を分離した後にテクスチャリングを通じて追加形成されたものでもよい。第2のLED積層33もまた、表面がテクスチャリングされた第1の導電型半導体層33aを有してもよい。
【0061】
さらに、本実施形態において、第1のLED積層23、第2のLED積層33及び第3のLED積層43は、互いに重なり合って、また、ほぼ同じ大きさの発光面積を有し得る。但し、上部貫通ホール23h1,23h2,23h3、及び貫通ホール33h1,33h2によって第1のLED積層23の発光面積が第2のLED積層33の発光面積よりも小さくてもよく、第2のLED積層33の発光面積が第3のLED積層43の発光面積よりも小さくてもよい。また、発光素子100の側面は、第1のLED積層23から第3のLED積層43に行くほど幅が広くなるように傾斜してもよく、これによって、第3のLED積層43の発光面積が第1のLED積層23の発光面積よりもさらに大きくなり得る。第3のLED積層43の上面に対して発光素子100の側面が成す傾斜角は、約75度乃至90度になり得る。傾斜角が75度よりも小さいと第1のLED積層23の発光面積が小さすぎて発光素子100の大きさを減らすことが難しい。
【0062】
第1の透明電極25は、第1のLED積層23上に配置される。第1の透明電極25は、第1のLED積層23の第2の導電型半導体層23bにオーミック接触する。第1の透明電極25は、インジウムスズ酸化物(ITO)等の透明酸化物層や金属層を用いて形成できる。第1の透明電極25は、第2の導電型半導体層23bのほぼ全領域を覆うことができる。第1の透明電極25は省略されてもよい。
【0063】
一方、第2の透明電極35は、第2のLED積層33の第2の導電型半導体層33bにオーミック接触する。図示したように、第2の透明電極35は第1のLED積層23と第2のLED積層33との間で第2のLED積層33の上面に接触する。第2の透明電極35は、赤色光に透明な金属層または導電性酸化物層で形成できる。導電性酸化物層の例としては、SnO2、InO2、ITO、ZnO、IZO等を挙げることができる。特に、第2の透明電極35はZnOで形成できるが、ZnOは第2のLED積層33上に単結晶で形成することができるため金属層や他の導電性酸化物層に比べて、電気的及び光学的特性に優れる。特に、ZnOは第2のLED積層33に対する接合力が強くレーザーリフトオフを用いて成長基板を分離しても損傷せず残っている。
【0064】
一方、第2の透明電極35は、第2のLED積層33の縁に沿って部分的に除去することができ、これにより、第2の透明電極35の外側の側面は、外部に露出せず、下部絶縁層51で覆われる。つまり、第2の透明電極35の側面は、第2のLED積層33の側面よりも内側に窪んでおり、第2の透明電極35が窪んだ領域は、下部絶縁層51及び第2のボンディング層59で埋められる。一方、第2のLED積層33のメサエッチング領域近くでも第2の透明電極35が窪んでおり、窪んだ領域は下部絶縁層51及び第2のボンディング層59で埋められる。
【0065】
第3の透明電極45は、第3のLED積層33の第2の導電型半導体層43bにオーミック接触する。第3の透明電極45は、第2のLED積層33と第3のLED積層43との間に位置してもよく、第3のLED積層43の上面に接触する。第3の透明電極45は、赤色光及び緑色光に透明な金属層または導電性酸化物層で形成することができる。導電性酸化物層の例としては、SnO2、InO2、ITO、ZnO、IZO等を挙げることができる。特に、第3の透明電極45はZnOで形成できるが、ZnOは第3のLED積層43上に単結晶で形成されてもよく、金属層や他の導電性酸化物層に比べて電気的及び光学的特性に優れる。特に、ZnOは第3のLED積層43に対する接合力が強くレーザーリフトオフを用いて成長基板を分離しても損傷せず残っている。
【0066】
第3の透明電極45は、第3のLED積層43の縁に沿って部分的に除去することができ、これにより、第3の透明電極45の外側の側面は、外部に露出せず、第1のボンディング層49で覆われる。つまり、第3の透明電極45の側面は、第3のLED積層43の側面よりも内側に窪んでおり、第3の透明電極45が窪んだ領域は、第1のボンディング層49で埋められる。一方、第3のLED積層43のメサエッチング領域近くでも第3の透明電極45が窪んでおり、窪んだ領域は第1のボンディング層49で埋められる。
【0067】
第2の透明電極35及び第3の透明電極45を上のように窪むことにより、これらの側面がエッチングガスに露出することを防ぐため、発光素子100の生産収率を向上させることができる。第1の透明電極25もまた、予め窪むように形成されてもよい。
【0068】
一方、本実施形態において、第2の透明電極35及び第3の透明電極45は、同種の導電性酸化物層、例えば、ZnOで形成することができ、第1の透明電極25は第2及び第3の透明電極35,45と異なる種類の導電性酸化物層、例えば、ITOで形成することができる。しかし、本開示がこれに限定されるのではなく、これら第1乃至第3の透明電極25,35,45は全て同種でもよく、少なくとも一つが別の種類でもよい。
【0069】
第1乃至第3の透明電極25,35,45は、熱蒸着、スパッタリング、ゾル-ゲル(sol-gel)法、水熱合成(Hydrothermal synthesis)等の技術を用いて形成できる。特に、水熱合成法のような化学的薄膜形成方法を通じて形成された透明電極は、多孔性薄膜で形成することができる。多孔性薄膜内のボイドは、LED積層の光抽出効率を向上させるように作用し、さらに、ストレスを緩和することができる。
【0070】
ボイドは、LED積層の光学特性を強化するための位置に分布されるように制御できる。ボイドは、凡そ透明電極の1/2地点で第2の導電型半導体層側の近くに分布されてもよい。水熱合成法で形成された透明電極は、ボイドを有しつつ結晶性も有し得、特に、単結晶で形成することができる。
【0071】
一実施形態において、ボイドは広い領域に亘って相対的に均一に分布することができる。ボイドが分布された透明電極は、ボイドがない透明電極に比べて改善された光抽出効率を表す。このような透明電極は、例えば、ZnO層またはドーピングされたZnO層でもよい。ドーピングされたZnO層は、例えば、銀(Ag)、インジウム(In)、スズ(Sn)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、チタニウム(Ti)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、金(Au)、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)及びパラジウム(Pd)の少なくとも一つをドーパントとして含むことができる。
【0072】
一実施形態において、ZnO層はまた、ZnOシード層とZnOバルク層を含み得る。ZnOシード層は、相対的に連続表面を有する。また、ZnOシード層とZnOバルク層は単結晶構造を形成する。一実施形態において、ZnOシード層とZnOバルク層は、ZnOシード層とZnOバルク層との間の如何なる界面も表れない。一実施形態において、ZnOシード層は、数百オングストロームの厚さを有している。ZnOシード層は、例えば、200オングストローム以下の厚さを有し得る。一方、ZnOバルク層は1μm以下の厚さを有し得る。一実施形態において、ZnOバルク層は8000オングストローム以下の厚さを有する。
【0073】
n電極パッド47aは、第3のLED積層43の第1の導電型半導体層43aにオーミック接触する。n電極パッド47aは、第2の導電型半導体層43bを通じて露出された第1の導電型半導体層43a上に、つまり、メサエッチング領域に配置されてもよい。n電極パッド47aは、例えば、Cr/Au/Tiに形成することができる。n電極パッド47aの上面は、第2の導電型半導体層43bの上面、さらに、第3の透明電極45の上面よりも高くなってもよい。例えば、n電極パッド47aの厚さは、約2um以上であってもよい。n電極パッド47aは、円錐台形状を有するが、これに限定されるものではなく、四角錐台、円筒形、四角筒形等の多様な形状を有することができる。
【0074】
下部p電極パッド47bは、n電極パッド47aと同じ材料で形成することができる。但し、下部p電極パッド47bの上面は、n電極パッド47aと同じ高さに位置させることができ、よって、下部p電極パッド47bの厚さはn電極パッド47aよりも小さくなり得る。つまり、下部p電極パッド47bの厚さは、第2の透明電極45上に突出したn電極パッド47a部分の厚さと大体同じであってもよい。例えば、下部p電極パッド47bの厚さは、約1.2um以下になってもよい。下部p電極パッド47bの上面がn電極パッド47aの上面と同じ高さに位置するようにさせることにより、下部貫通ホール33h1,33h2を形成する際、下部p電極パッド47bとn電極パッド47aが同時に露出するようにできる。n電極パッド47aと下部p電極パッド47bの高さが異なる場合、いずれかの電極パッドがエッチング工程で大きく損傷し得る。よって、n電極パッド47aと下部p電極パッド47bの高さを大体同じに合わせることにより、いずれかの電極パッドが大きく損傷することを防ぐことができる。
【0075】
第1のボンディング層49は、第2のLED積層33を第3のLED積層43に結合する。第1のボンディング層49は、第1の導電型半導体層33aと第3の透明電極35との間でこれらを結合させることができる。第1のボンディング層49は、第2の導電型半導体層43bに部分的に接してもよく、メサエッチング領域に露出された第1の導電型半導体層43aに部分的に接してもよい。さらに、第1のボンディング層49は、n電極パッド47a及び下部p電極パッド47bを覆うことができる。
【0076】
第1のボンディング層49は、透明有機物層で形成されたり、透明無機物層で形成されてもよい。有機物層は、SU8、ポリメチルメタアクリレート(poly(methylmethacrylate):PMMA)、ポリイミド、パリレン、ベンゾシクロブテン(Benzocyclobutene:BCB)等を例として挙げることができ、無機物層は、Al2O3、SiO2、SiNx等を例として挙げることができる。また、第1のボンディング層49はスピン-オン-ガラス(SOG)で形成することもできる。
【0077】
下部貫通ホール33h1及び下部貫通ホール33h2は、第2のLED積層33及び第1のボンディング層49を貫通してそれぞれn電極パッド47a及び下部p電極パッド47bを露出させる。上で説明した通り、下部貫通ホール33h1,33h2は、メサエッチング領域内に形成されてもよく、よって、下部貫通ホール33h1,33h2は段差のある側壁を有することができる。
【0078】
下部絶縁層51は、第2のLED積層33上に形成され、第2の透明電極35を覆う。下部絶縁層51はまた、下部貫通ホール33h1,33h2の側壁を覆う。下部絶縁層51は、n電極パッド47a、下部p電極パッド47b、第1の導電型半導体層33a及び第2の透明電極35を露出させる開口部51aを有することができる。下部絶縁層51は、シリコン酸化膜またはシリコン窒化膜で形成することができ、例えば、約800nmの厚さに形成できる。
【0079】
下部共通コネクタ53cは、下部絶縁層51上に配置され、下部絶縁層51の開口部51aを通じて露出された第1の導電型半導体層33a及びn電極パッド47aに接続できる。下部共通コネクタ53cは、第2のLED積層33のメサエッチング領域内で第1の導電型半導体層33aに接続し、さらに、下部貫通ホール33h1を通じてn電極パッド47aに接続する。
【0080】
下部pコネクタ53bは、下部絶縁層51上に配置され、下部絶縁層51の開口部51aを通じて露出した下部p電極パッド47bに接続され得る。下部pコネクタ53bの少なくとも一部は、下部絶縁層51上に位置する。
【0081】
一方、上部p電極パッド53gは、下部絶縁層51の開口部51a内で第2の透明電極35上に配置され得る。
図3a及び
図3bに示したように、上部p電極パッド53gは開口部51aに比べて幅が狭く、開口部51a内に配置されてもよい。しかし、本開示はこれに限定されるのではなく、上部p電極パッド53gの幅が開口部51aの幅よりも大きくてもよく、上部p電極パッド53gの一部が下部絶縁層51上に位置してもよい。
【0082】
下部共通コネクタ53c、下部pコネクタ53b及び上部p電極パッド53gは、同じ工程で同じ材料により一緒に形成できる。これらは、例えば、Ni/Au/Tiに形成することができ、約2umの厚さに形成できる。しかし、本開示はこれに限定されるものではなく、下部共通コネクタ53c及び下部pコネクタ53bの高さと上部p電極パッド53gの高さを合わせるために、上部p電極パッド53gを下部共通コネクタ53c及び下部pコネクタ53bと分離した工程で形成することもできる。
【0083】
第2のボンディング層59は、第1のLED積層23を第2のLED積層33に結合する。図示したように、第2のボンディング層59は第1の導電型半導体層23aと下部絶縁層51との間に配置できる。第2のボンディング層59はまた、下部共通コネクタ53c、下部pコネクタ53b及び上部p電極パッド53gを覆うことができる。第2のボンディング層59はまた、下部絶縁層51の開口部51aを通じて露出された第2の透明電極35に部分的に接してもよい。第2のボンディング層59は、前述の第1のボンディング層49について説明した材料と同じ材料で形成することができ、重複を避けるために詳しい説明は省略する。
【0084】
本実施形態と異なり、第1の透明電極25が下に向くように配置される場合、第2のボンディング層59は、第1の透明電極25と下部共通コネクタ53c、下部pコネクタ53b及び上部p電極パッド53gとの間に位置する。この場合、第1の透明電極25と下部共通コネクタ53c、下部pコネクタ53b及び上部p電極パッド53gとの間に電気的短絡(short)が発生し、これにより、サブピクセルの誤作動が発生し得る。また、第1の透明電極25が上面に配置される代わりに、第1のLED積層23と第2のLED積層33間に配置される場合、第1の透明電極25に電気的接続をするために第1のLED積層23をエッチングして第1の透明電極25を露出させなければならない。第1のLED積層23をエッチングしながら第1の透明電極25が貫通しないように第1の透明電極25を露出させるために、第1の透明電極25を相対的に厚く形成する必要がある。これにより、第1のLED積層23で生成された光が第1の透明電極25を透過する間、光の損失が実質的に発生する場合がある。
【0085】
これに対して本実施形態では、第1の透明電極25が上側に配置されることにより、第2のボンディング層59が第1の導電型半導体層23aと下部共通コネクタ53c、下部pコネクタ53b及び上部p電極パッド53g間に位置する。これにより、第1のLED積層23と第2のLED積層33間の電気的短絡を防止できるため、サブピクセルの誤作動を防止することができる。
【0086】
さらに、第1のLED積層23を貫通しながら第1の透明電極25を露出させる必要がないため、第1の透明電極25の厚さを相対的に薄くすることができ、第1の透明電極25が損傷するおそれがなく工程をより安定化させることができる。
【0087】
また、第1のLED積層23で生成された光は、第2のLED積層33及び第3のLED積層43を通じて外部に放出される。これにより、本実施形態において、第1の透明電極25は、第1のLED積層23で生成された光の出射経路から外れ、よって、第1の透明電極25による光の損失を避けることができる。
【0088】
一方、上部貫通ホール23h1,23h2,23h3は、第1のLED積層23を貫通する。上部貫通ホール23h1,23h2,23h3は、第1のLED積層23を貫通すると同時に、第2のボンディング層59を貫通し得る。上部貫通ホール23h1は上部p電極パッド53gを露出させ、上部貫通ホール23h2は下部pコネクタ53bを露出させ、上部貫通ホール23h3は下部共通コネクタ53cを露出させる。上部貫通ホール23h1,23h2,23h3によって露出される上部p電極パッド53g、下部pコネクタ53b、及び下部共通コネクタ53cの領域は、互いに同じ高さに位置してもよい。これにより、エッチング工程を通じて上部貫通ホール23h1,23h2,23h3を形成する間、いずれかの構成要素、例えば上部p電極パッド53が露出する前に他の構成要素、例えば下部pコネクタ53b又は下部共通コネクタ53cがひどく損傷することを防止できるため、工程を安定化させることができる。
【0089】
上部貫通ホール23h1,23h2,23h3は、第2の導電型半導体層23bをメサエッチングにより除去して第1の導電型半導体層23aを露出させ、次いで露出された第1の導電型半導体層23aをエッチングして形成することができる。つまり、上部貫通ホール23h1,23h2,23h3は、第1のLED積層23のメサエッチング領域内に形成することができる。これにより、上部貫通ホール23h1,23h2,23h3の側壁は、
図3bに示したように段差のある構造を有することができる。メサエッチング領域の一つは、底に第1の導電型半導体層23aを露出させる。
【0090】
中間絶縁層61は、第1のLED積層23及び第1の透明電極25を覆い、メサエッチング領域の側壁及び上部貫通ホール23h1,23h2,23h3の側壁を覆う。中間絶縁層61はまた、第1乃至第3のLED積層23,33,43の側面を覆うことができる。中間絶縁層61は、それぞれの上部貫通ホール23h1,23h2,23h3の底部を露出させる開口部61aを有するようにパターニングすることができる。前記開口部61aによって上部貫通ホール23h1,23h2,23h3内で上部p電極パッド53g、下部pコネクタ53b及び下部共通コネクタ53cが露出される。さらに、中間絶縁層61はメサエッチング領域内で第1の導電型半導体層23aを露出させる開口部61bを有することができる。また、中間絶縁層61は第1の透明電極25を露出させる開口部61cを有してもよい。
【0091】
中間絶縁層61は、アルミニウム酸化膜、シリコン酸化膜またはシリコン窒化膜で形成でき、例えば、約800nmの厚さに形成できる。
【0092】
第1の上部コネクタ63r、第2の上部コネクタ63g、第3の上部コネクタ63b及び上部共通コネクタ63cは、中間絶縁層61上に配置される。第1の上部コネクタ63rは、中間絶縁層61の開口部61cを通じて露出された第1の透明電極25に接続し、第2の上部コネクタ63g、第3の上部コネクタ63b及び上部共通コネクタ63cは、それぞれ中間絶縁層61の開口部61a,61b,61cを通じて露出された上部p電極パッド53g、下部pコネクタ53b及び下部共通コネクタ53cに接続する。さらに、上部共通コネクタ63cは開口部61bに露出された第1の導電型半導体層23aに接続できる。
【0093】
第1の上部コネクタ63r、第2の上部コネクタ63g、第3の上部コネクタ63b及び上部共通コネクタ63cは、同じ工程で同じ材料により形成することができ、例えば、AuGe/Ni/Au/Tiに形成できる。AuGeは、第1の導電型半導体層23aにオーミック接触できる。AuGeは、約100nmの厚さに形成することができ、Ni/Au/Tiは約2umの厚さに形成できる。AuGeの代わりにAuTeを使用することもできる。
【0094】
上部絶縁層71は、中間絶縁層61を覆い、第1の上部コネクタ63r、第2の上部コネクタ63g、第3の上部コネクタ63b及び上部共通コネクタ63cを覆う。上部絶縁層71はまた、第1乃至第3のLED積層23,33,43の側面において中間絶縁層61を覆うことができる。上部絶縁層71は、第1の上部コネクタ63r、第2の上部コネクタ63g、第3の上部コネクタ63b及び上部共通コネクタ63cを露出させる開口部71aを有してもよい。上部絶縁層71の開口部71aは、概ね、第1の上部コネクタ63r、第2の上部コネクタ63g、第3の上部コネクタ63b及び上部共通コネクタ63cの平らな面上に配置することができる。上部絶縁層71は、シリコン酸化膜またはシリコン窒化膜で形成することができ、中間絶縁層61よりも薄く、例えば、約400nmの厚さに形成できる。
【0095】
バンプパッド73r,73g,73b,73cは、それぞれ上部絶縁層71の開口部71a内で第1の上部コネクタ63r、第2の上部コネクタ63g、第3の上部コネクタ63b及び上部共通コネクタ63c上に配置されてこれらに電気的に接続できる。
【0096】
第1のバンプパッド73rは、第1の上部コネクタ63r及び第1の透明電極25を通じて第1のLED積層23の第2の導電型半導体層23bに電気的に接続できる。
【0097】
第2のバンプパッド73gは、第2の上部コネクタ63g、上部p電極パッド53g及び第2の透明電極35を通じて、第2のLED積層33の第2の導電型半導体層33bに電気的に接続できる。
【0098】
第3のバンプパッド73bは、第3の上部コネクタ63b、下部pコネクタ53b、下部p電極パッド47b及び第3の透明電極35を通じて第3のLED積層43の第2の導電型半導体層43bに電気的に接続できる。
【0099】
共通バンプパッド73cは、上部共通コネクタ63cを通じて、第1のLED積層23の第1の導電型半導体層23aに電気的に接続され、また、下部共通コネクタ53cを通じて第2のLED積層33の第1の導電型半導体層33aに電気的に接続し、さらに、n電極パッド47aを通じて第3のLED積層43の第1の導電型半導体層43aに電気的に接続できる。
【0100】
つまり、第1乃至第3のバンプパッド73r,73g,73bは、それぞれ第1乃至第3のLEDスタック23,33,43の第2の導電型半導体層23b,33b,43bに電気的に接続され、共通バンプパッド73cは第1乃至第3のLEDスタック23,33,43の第1の導電型半導体層23a,33a,43aに共通して電気的に接続される。
【0101】
前記バンプパッド73r,73g,73b,73cは、上部絶縁層71の開口部71a内に配置されてもよく、バンプパッドの上面は平坦な面であってもよい。バンプパッド73r,73g,73b,73cは、第1乃至第3の上部コネクタ63r,63g,63b及び上部共通コネクタ63cの平坦な面上に位置してもよい。前記バンプパッド73r,73g,73b,73cは、Au/Inに形成することができ、例えば、Auは3umの厚さに形成され、Inは約1umの厚さに形成できる。発光素子100は、Inを用いて回路基板101上のパッドにボンディングされてもよい。本実施形態において、Inを用いてバンプパッドをボンディングすることについて説明するが、Inに限定されるのではなく、Pb又はAuSnを用いてボンディングすることもできる。
【0102】
本実施形態において、バンプパッド73r,73g,73b,73cの上面が平坦であると説明し、及び図示しているが、本開示はこれに限定されるものではない。例えば、バンプパッド73r,73g,73b,73cの上面が不規則な面であってもよく、バンプパッドの一部が上部絶縁層71上に位置してもよい。
【0103】
本実施形態によると、第1のLED積層23はバンプパッド73r,73cに電気的に接続され、第2のLED積層33はバンプパッド73g,73cに電気的に接続され、第3のLED積層43はバンプパッド73b,73cに電気的に接続される。これにより、第1のLED積層23、第2のLED積層33及び第3のLED積層43のカソードが共通バンプパッド73cに電気的に接続され、アノードが第1乃至第3のバンプパッド73r,73b,73gにそれぞれ電気的に接続する。よって、第1乃至第3のLED積層23,33,43は、独立的に駆動し得る。
【0104】
以下で説明する発光素子100の製造方法を通じて、発光素子100の構造についてもより詳しく理解できると考える。
図4a、
図4b及び
図4cは、本開示の一実施形態に従って成長基板上に成長した第1乃至第3のLED積層を説明するための概略的な断面図である。
【0105】
先ず、
図4aを参照すると、第1の基板21上に第1の導電型半導体層23a及び第2の導電型半導体層23bを含む第1のLED積層23が成長する。第1の導電型半導体層23aと第2の導電型半導体層23bとの間に活性層(図示せず)が介在してもよい。
【0106】
第1の基板21は、第1のLED積層23を成長させるために使用できる基板、例えば、GaAs基板であってもよい。第1の導電型半導体層23a及び第2の導電型半導体層23bは、AlGaInAs系列またはAlGaInP系列の半導体層で形成でき、活性層は、例えば、AlGaInP系列の井戸層を含み得る。第1のLED積層23は、例えば、赤色光を発するようにAlGaInPの組成比を定めることができる。
【0107】
第2の導電型半導体層23b上に第1の透明電極25が形成され得る。第1の透明電極25は、上で説明したように、第1のLED積層23で生成された光、例えば、赤色光を透過する金属層または導電性酸化物層で形成することができる。例えば、第1の透明電極25は、ITO(indium-tin oxide)で形成できる。
【0108】
一方、第2の基板31上に第1の導電型半導体層33a及び第2の導電型半導体層33bを含む第2のLED積層33が成長する。第1の導電型半導体層33aと第2の導電型半導体層33bとの間に活性層(図示せず)が介在してもよい。
【0109】
第2の基板31は、第2のLED積層33を成長させるために使用できる基板、例えば、サファイア基板、GaN基板またはGaAs基板であってもよい。第1の導電型半導体層33a及び第2の導電型半導体層33bは、AlGaInAs系列またはAlGaInP系列の半導体層、AlGaInN系列の半導体層で形成でき、活性層は、例えば、AlGaInP系列の井戸層またはAlGaInN系列の井戸層を含み得る。第2のLED積層33は、例えば、緑色光を発するようにAlGaInP又はAlGaInNの組成比を定めることができる。
【0110】
第2の導電型半導体層33b上に第2の透明電極35が形成できる。第2の透明電極35は、上で説明したように、第1のLED積層23で生成された光、例えば、赤色光を透過する金属層または導電性酸化物層で形成することができる。特に、第2の透明電極35は、ZnOで形成できる。
【0111】
一方、第3の基板41上に第1の導電型半導体層43a及び第2の導電型半導体層43bを含む第3のLED積層43が成長する。第1の導電型半導体層43aと第2の導電型半導体層43bとの間に活性層(図示せず)が介在してもよい。
【0112】
第3の基板41は、第3のLED積層43を成長させるために使用できる基板、例えば、サファイア基板、SiC基板またはGaN基板であってもよい。一実施形態において、第3の基板41は平らなサファイア基板であってもよく、パターニングされたサファイア基板でもよい。第1の導電型半導体層43a及び第2の導電型半導体層43bは、AlGaInN系列の半導体層で形成することができ、活性層は、例えば、AlGaInN系列の井戸層を含み得る。第3のLED積層43は、例えば、青色光を発するようにAlGaInNの組成比を定めることができる。
【0113】
第2の導電型半導体層43b上に第3の透明電極45が形成されてもよい。第3の透明電極45は、上で説明したように、第1及び第2のLED積層23,33で生成された光、例えば、赤色光及び緑色光を透過する金属層または導電性酸化物層で形成できる。特に、第3の透明電極45は、ZnOで形成することができる。
【0114】
第1乃至第3のLED積層23,33,43は、それぞれ相互異なる成長基板21,31,41上で成長し、よって、その製造工程順序は制限されない。
【0115】
以下では、成長基板21,31,41上に成長した第1乃至第3のLED積層23,33,43を用いて発光素子100を製造する方法を説明する。以下では、主に一つの発光素子100領域について図示し、及び説明するが、当業者であれば成長基板21,31,41上に成長したLED積層23,33,43を用いて同じ製造工程で複数の発光素子100が一括して製造できることを理解し得る。
【0116】
図5a,5b,5c,5d,6a,6b,6c,6d,7a,7b,7c,7d,8a,8b,8c,8d,9a,9b,9c,9d,10a,10b,10c,10d,11a,11b,11c,11d,12a,12b,12c,12d,13a,13b,13c及び13dは、本開示の一実施形態に係るディスプレイ用発光素子100を製造する方法を説明するための概略的な平面図及び断面図である。ここで、断面図は、それぞれ
図3b、
図3c及び
図3dの断面図に対応するように図示した。
【0117】
先ず、
図5a、
図5b、
図5c及び
図5dを参照すると、フォトリソグラフィー及びエッチング技術を用いて第3の透明電極45及び第2の導電型半導体層43bをパターニングして第1の導電型半導体層43aを露出させる。この工程は、例えば、メサエッチング工程に該当する。フォトレジストパターンをエッチングマスクとして使用して行うことができる。例えば、エッチングマスクを形成した後、湿式エッチング技術で第3の透明電極45を先にエッチングし、次いで、同一エッチングマスクを用いて乾式エッチング技術で第2の導電型半導体層43bをエッチングできる。これにより、第3の透明電極45はメサエッチング領域から窪ませることができる。
図5aには図面を簡略して表すために、メサの縁を図示し、第3の透明電極45の縁は図示していない。しかし、同じエッチングマスクを使用して第3の透明電極45を湿式エッチングするため、第3の透明電極45の縁がメサの縁からメサ内側に窪んでいることを容易に理解することができる。同じエッチングマスクを用いるため、フォトリソグラフィーの工程数が増加することなく、工程コストを節約することができる。しかし、本開示はこれに限定されるものではなく、メサエッチング工程のためのエッチングマスクと第3の透明電極45をエッチングするためのエッチングマスクをそれぞれ使用することもできる。
【0118】
続いて、n電極パッド47a及び下部p電極パッド47bがそれぞれ第1の導電型半導体層43a及び第3の透明電極45上に形成される。n電極パッド47aと下部p電極パッド47bは互いに異なる厚さに形成できる。特に、n電極パッド47aと下部p電極パッド47bの上面が同じ高さに位置してもよい。
【0119】
図6a、
図6b、
図6c及び
図6dを参照すると、
図5a、
図5b、
図5c及び
図5dを参照して説明した第3のLED積層43上に
図4bを参照して説明した第2のLED積層33がボンディングされる。TBDB(temporary bonding/debonding)技術を用いて一時基板に第2のLED積層33をボンディングし、第2の基板31が第2のLED積層33から先に除去される。第2の基板31は、例えば、レーザーリフトオフ技術を用いて除去されてもよい。第2の基板31が除去された後、第1の導電型半導体層33aの表面に粗い面が形成され得る。その後、一時基板にボンディングされた第2のLED積層33の第1の導電型半導体層33aが、第3のLED積層43に向くように配置されて第3のLED積層43にボンディングされてもよい。第2のLED積層33と第3のLED積層43は、第1のボンディング層49によって互いにボンディングされる。第2のLED積層33をボンディングした後、一時基板もレーザーリフトオフ技術を用いて除去することができる。これにより、第2の透明電極35が上面に配置された形態で第2のLED積層33が第3のLED積層43に配置されてもよい。
【0120】
ITOは、レーザーリフトオフ技術を用いて第2の基板31を分離する際、第2のLED積層33からITOが剥離され得る。よって、レーザーリフトオフ技術を用いて第2の基板31を除去する場合、第2の透明電極35は接合力に優れるZnOで形成されたものが有利となる。
【0121】
次いで、第2の透明電極35及び第2の導電型半導体層33bをパターニングして第1の導電型半導体層33aを露出させる。第2の透明電極35及び第2の導電型半導体層33bは、フォトリソグラフィー及びエッチング技術を用いてパターニングできる。この工程は、前述の第3の透明電極45及び第2の導電型半導体層43bをエッチングしたメサエッチング工程と同じ方法で湿式エッチング及び乾式エッチング技術を用いて行うことができる。
【0122】
例えば、エッチングマスクを形成した後、湿式エッチング技術で第2の透明電極35を先にエッチングし、次いで同じエッチングマスクを用いて乾式エッチング技術で第2の導電型半導体層33bをエッチングすることができる。これにより、第2の透明電極35はメサエッチング領域から窪んでいてもよい。
図6aには図面を簡略に表すためにメサの縁を図示し、第2の透明電極35の縁は図示していない。しかし、同じエッチングマスクを使用して第2の透明電極35を湿式エッチングするため、第2の透明電極35の縁がメサの縁からメサ内側に窪んでいることが容易に理解できる。同じエッチングマスクを用いるため、フォトリソグラフィー工程の数が増えないことから、工程コストを節約することができる。しかし、本開示はこれに限定されるものではなく、メサエッチング工程のためのエッチングマスクと第2の透明電極35をエッチングするためのエッチングマスクをそれぞれ使用することもできる。
【0123】
図6aに示した通り、第2のLED積層33のメサエッチング領域は、第3のLED積層43のメサエッチング領域と一部重なってもよい。例えば、第2のLED積層33のメサエッチング領域の一部はn電極パッド47a上部に形成できる。また、メサエッチング領域のまた別の一部は、下部p電極パッド47b上部に位置してもよい。これに加え、第2のLED積層33のメサエッチング領域の一部は、第3のLED積層43のメサ領域上に位置してもよい。
【0124】
図7a、
図7b、
図7c及び
図7dを参照すると、第2のLED積層33を貫通する下部貫通ホール33h1,33h2が形成される。下部貫通ホール33h1,33h2は、第1のボンディング層49を貫通してn電極パッド47a及び下部p電極パッド47bを露出させる。下部貫通ホール33h1,33h2は、メサエッチング領域内に形成されてもよく、よって、下部貫通ホール33h1,33h2の側壁に段差のある構造が形成できる。
【0125】
下部p電極パッド47bとn電極パッド47aの上面が同じ高さに位置するため、下部貫通ホール33h1,33h2を形成する間にいずれかのパッドが先に露出して損傷することを防ぐことができる。
【0126】
図8a、
図8b、
図8c及び
図8dを参照すると、第2のLED積層33上に下部絶縁層51が形成される。下部絶縁層51は、第2の透明電極35を覆い、第2の導電型半導体層33bを覆う。また、下部絶縁層51は、下部貫通ホール33h1,33h2の側壁を覆う。一方、下部絶縁層51は、第2の透明電極35、第1の導電型半導体層33a、n電極パッド47a及び下部p電極パッド47bを露出させる開口部51aを有する。
【0127】
続いて、下部絶縁層51上に下部共通コネクタ53c、下部pコネクタ53b及び上部p電極パッド53gが形成される。下部共通コネクタ53c、下部pコネクタ53b及び上部p電極パッド53gは、同じ材料で一緒に形成することができる。しかし、本開示はこれに限定されるものではなく、互いに異なる工程で異なる材料によって形成することもできる。例えば、上部p電極パッド53gの上面高さを下部pコネクタ53bや下部共通コネクタ53cの上面高さと同一に合わせるために、上部p電極パッド53gをより厚く形成することもできる。
【0128】
上部p電極パッド53gは、開口部51aに露出した第2の透明電極35上に配置できる。さらに、上部p電極パッド53gの一部が下部絶縁層51上に位置するように形成することもできる。
【0129】
下部pコネクタ53bは、開口部51aを通じて露出した下部p電極パッド47bに接続すると同時に、下部絶縁層51上に一部が配置される。下部共通コネクタ53cは、開口部51aを通じて露出した第1の導電型半導体層33a及びn電極パッド47aに接続し、下部絶縁層51上に一部が配置される。
【0130】
図9a、
図9b、
図9c及び
図9dを参照すると、
図4aで説明した第1のLED積層23が第2のLED積層33にボンディングされる。TBDB(temporary bonding/debonding)技術を用いて一時基板に第1のLED積層23をボンディングし、第1の基板21が第1のLED積層23から先に除去される。第1の基板21は、例えば湿式または乾式エッチング技術を用いて除去することができる。第1の基板21が除去された後、第1のLED積層23で生成された光を吸収する半導体層も除去することができる。次いで、露出された第1の導電型半導体層23aの表面に粗い面が形成される場合もある。その後、一時基板にボンディングされた第1のLED積層23の第1の導電型半導体層23aが第2のLED積層33に向くように配置されて第2のLED積層33にボンディングすることができる。第1のLED積層23と第2のLED積層33は、第2のボンディング層59によって互いにボンディングされる。第1のLED積層23をボンディングした後、一時基板もレーザーリフトオフ技術を用いて除去することができる。これにより、第1の透明電極25が上面に配置された形態で第1のLED積層23が第2のLED積層33に配置されてもよい。
【0131】
これにより、第2のボンディング層59は第1の導電型半導体層23aに接すると同時に、下部絶縁層51、下部pコネクタ53b、上部p電極パッド53g及び下部共通コネクタ53cに接し、さらに、上部p電極パッド53gの周囲に露出された第2の透明電極35に接することができる。
【0132】
次いで、第1の透明電極25及び第2の導電型半導体層23bをパターニングして第1の導電型半導体層23aを露出させる。第1の透明電極25及び第2の導電型半導体層23bは、フォトリソグラフィー及びエッチング技術を用いてパターニングすることができる。この工程は、前述の第3の透明電極45及び第2の導電型半導体層43bをエッチングしたメサエッチング工程と同じ方法で湿式エッチング及び乾式エッチング技術を用いて行うことができる。
【0133】
例えば、エッチングマスクを形成した後、湿式エッチング技術で第1の透明電極25を先にエッチングし、次いで同じエッチングマスクを用いて乾式エッチング技術で第2の導電型半導体層23bをエッチングすることができる。これにより、第1の透明電極25は、メサエッチング領域から窪んでいてもよい。
図9aには、図面を簡略に表すためにメサの縁を図示し、第1の透明電極25の縁は図示していない。しかし、同じエッチングマスクを使用して第1の透明電極25を湿式エッチングするため、第1の透明電極25の縁がメサの縁からメサ内側に窪んでいることが容易に理解できる。同じエッチングマスクを用いるため、フォトリソグラフィー工程の数が増えないことから工程コストを節約することができる。しかし、本開示はこれに限定されるものではなく、メサエッチング工程のためのエッチングマスクと第1の透明電極25をエッチングするためのエッチングマスクをそれぞれ使用することもできる。
【0134】
図10a、
図10b、
図10c及び
図10dを参照すると、エッチング技術を用いて第1のLED積層23を貫通する上部貫通ホール23h1,23h2,23h3が形成される。上部貫通ホール23h1,23h2,23h3は、第2のボンディング層59を貫通して、それぞれ上部p電極パッド53g、下部pコネクタ53b及び下部共通コネクタ53cを露出させる。上部貫通ホール23h1,23h2,23h3によって露出される上部p電極パッド53g、下部pコネクタ53b及び下部共通コネクタ53cの領域は、互いに同じ高さに位置してもよい。これにより、上部貫通ホール23h1,23h2,23h3は大体長さが互いに同一になり、同じ工程で一緒に形成することができる。
【0135】
上部貫通ホール23h1,23h2,23h3は、メサエッチング領域内に形成でき、よって、これら上部貫通ホールの側壁は下部貫通ホール33h1,33h2のように段差のある構造を有することができる。
【0136】
図11a、
図11b、
図11c及び
図11dを参照すると、アイソレーション工程によって発光素子100領域を区画するための分離溝が形成される。分離溝は、第1乃至第3のLED積層23,33,43の周りに沿って第3の基板41を露出させることができる。発光素子領域間で第1のLED積層23、第2のボンディング層59、下部絶縁層51、第2のLED積層33、第1のボンディング層49、第3のLED積層43を順に除去することにより、分離溝が形成できる。第1の透明電極25,第2の透明電極35及び第3の透明電極45は、アイソレーション工程を行う間、露出されず、よって、エッチングガスによって損傷しない。第2及び第3の透明電極35,45がZnOで形成される場合、ZnOはエッチングガスによって容易に損傷され得る。しかし、本開示は第2及び第3の透明電極35,45を予め窪ませることにより、これらがエッチングガスに露出することを防ぐことができる。
【0137】
本実施形態において、アイソレーション工程を通じて第1乃至第3のLED積層23,33,43が順にパターニングされることを説明するが、本開示は必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、第1乃至第3のLED積層23,33,43の第2の導電型半導体層23b,33b,43bは、メサエッチング工程で予め除去することもできる。また、第2のLED積層33をボンディングする前に、分離溝が形成される領域で第3のLED積層43が予め除去される場合もあり、第1のLED積層23をボンディングする前に、分離溝が形成される領域で第2のLED積層33が予め除去される場合もある。この場合、第3のLED積層43が除去された領域は、第1のボンディング層49で埋めることができ、第2のLED積層33が除去された領域は、第2のボンディング層59で埋めることができる。これにより、アイソレーション工程で第2及び第3のLED積層33,43は、露出されなくなってもよい。
【0138】
図12a、
図12b、
図12c及び
図12dを参照すると、中間絶縁層61が第1のLED積層23及び第1の透明電極25上に形成される。中間絶縁層61は、分離溝を通じて露出した第1乃至第3のLED積層23,33,43の側面、第1及び第2のボンディング層49,59の側面、及び下部絶縁層51の側面を覆うことができる。
【0139】
中間絶縁層61はまた、上部貫通ホール23h1,23h2,23h3の側壁を覆うことができる。但し、中間絶縁層61は上部貫通ホール23h1,23h2,23h3の底を露出させる開口部61a、第1のLED積層23の第1の導電型半導体層23aを露出させる開口部61b及び第1の透明電極25を露出させる開口部61cを有するようにパターニングされる。開口部61aは上部貫通ホール23h1,23h2,23h3内で、上部p電極パッド53g、下部pコネクタ53b及び下部共通コネクタ53cを露出させる。
【0140】
中間絶縁層61上に第1乃至第3の上部コネクタ63r,63g,63b及び上部共通コネクタ63cが形成される。第1の上部コネクタ63rは第1の透明電極25に接続され、第2の上部コネクタ63gは上部p電極パッド53gに接続され、第3の上部コネクタ63bは下部pコネクタ53bに接続できる。一方、上部共通コネクタ63cは、下部共通コネクタ53cに接続できる。
【0141】
図13a、
図13b、
図13c及び
図13dを参照すると、中間絶縁層61及びコネクタ63r,63g,63b,63cを覆う上部絶縁層71が形成される。上部絶縁層71は、第1乃至第3のLED積層23,33,43の側面でも中間絶縁層61を覆うことができる。但し、上部絶縁層71は第1乃至第3の上部コネクタ63r,63g,63b及び上部共通コネクタ63cを露出させる開口部71aを有するようにパターニングすることができる。
【0142】
次いで、前記開口部71a内にそれぞれバンプパッド73r,73g,73b,73cが形成される。第1のバンプパッド73rは、第1の上部コネクタ63r上に配置され、第2のバンプパッド73gは第2の上部コネクタ63g上に配置され、第3のバンプパッド73bは第3の上部コネクタ63b上に配置される。共通バンプパッド73cは上部共通コネクタ63c上に配置される。
【0143】
続いて、発光素子100を回路基板101上にボンディングし、基板41を分離することにより、基板41から分離された発光素子100が完成する。回路基板101にボンディングされた発光素子100の概略的な仮想断面図は
図14に示した。
【0144】
図14は、単一の発光素子100が回路基板101上に配置されたことを示しているが、回路基板101上には複数の発光素子100が実装される。それぞれの発光素子100は、青色光、緑色光及び赤色光を放出できる一つのピクセルを構成し、回路基板101上に複数のピクセルが整列してディスプレイパネルが提供される。
【0145】
一方、基板41上には複数の発光素子100が形成でき、これら発光素子100は一つずつ回路基板101に転写されるのではなく、集団で回路基板101上に転写できる。
図15a、
図15b、及び
図15cは、発光素子を回路基板に転写する方法を説明するための概略的な断面図である。ここでは、基板41上に形成された発光素子100を集団で回路基板101に転写する方法を説明する。
【0146】
図15aを参照すると、発光素子の製造方法を通じて説明した通り、
図13a、
図13b、
図13c及び
図13dの工程が完了したら、基板41上に複数の発光素子100が分離溝によって分離されて整列される。
【0147】
一方、上面にパッドを有する回路基板101が提供される。パッドはディスプレイのためのピクセルの整列位置に対応するように回路基板101上に配列される。一般的に、基板41上に整列された発光素子100の間隔は、回路基板101内のピクセルの間隔に比べてより稠密になっている。
【0148】
図15bを参照すると、発光素子100のバンプパッドを回路基板101上のパッドにボンディングする。バンプパッドとパッドは、Inボンディングを用いてボンディングできる。一方、ピクセル領域間に位置する発光素子100は、ボンディングされるパッドがないため、回路基板101から離れた状態を維持する。
【0149】
次いで、基板41上に単一または多重レーザーが照射される。例えば、マスク201が基板41上に配置でき、レーザー照射される光透過領域は、ボンディングされた発光素子100に対応するように配置することができる。よって、パッドにボンディングされた発光素子100に選択的にレーザーが照射される。その後、レーザーが照射された発光素子100を基板41から分離することにより、発光素子100が回路基板101に転写される。これにより、回路基板101上に発光素子100が整列されたディスプレイパネルが提供される。ディスプレイパネルは、
図1を参照して説明したような多様なディスプレイ装置に実装することができる。
【0150】
以上で、本開示の多様な実施形態について説明したが、本開示はこれら実施形態に限定されるのではない。また、一つの実施形態について説明した事項や構成要素は、本開示の技術的思想から外れない限り、別の実施形態にも適用できる。