(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】カラー画像を投影するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
H04N 5/74 20060101AFI20240326BHJP
【FI】
H04N5/74 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022054246
(22)【出願日】2022-03-29
(62)【分割の表示】P 2018513480の分割
【原出願日】2016-10-06
【審査請求日】2022-04-27
(32)【優先日】2015-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516118903
【氏名又は名称】エムティティ イノベーション インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】MTT INNOVATION INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダンバーグ、ガーウィン
(72)【発明者】
【氏名】コザック、エリック ジャン
(72)【発明者】
【氏名】クマラン、ラヴィーン
(72)【発明者】
【氏名】バレスタッド、アンデルス
【審査官】長谷川 素直
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-182269(JP,A)
【文献】特表2008-544307(JP,A)
【文献】国際公開第2013/094011(WO,A1)
【文献】特表2014-517337(JP,A)
【文献】特開2008-015064(JP,A)
【文献】特開2015-099323(JP,A)
【文献】特表2011-528132(JP,A)
【文献】特表2011-514546(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/74
G03B 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラー画像を投影するための方法であって、
一連のフィールドの各々について、前記一連のフィールドの各々は対応する色に関連付けられ、前記対応する色に対応するパターンに従って光を空間変調するよう光変調素子を設定する段階と、前記光変調素子を前記対応する色の光で照射する段階とを備え、
前記光変調素子を前記対応する色の光で照射する段階は、前記光変調素子上の所望の位置へ前記対応する色の光をステアリングする働きをする位相パターンを提供するよう制御される位相変調器上へと前記対応する色の前記光を向ける段階を有し、
前記位相変調器は、前記一連のフィールドが示される周波数未満の周波数でリフレッシュされ、
複数の前記対応する色の各々について同じ位相パターンが用いられ、
前記方法は更に、前記複数の対応する色の各々の光を、前記位相変調器へ入射する異なる角度に向ける段階を備える、
方法。
【請求項2】
別々の位相変調器が、前記複数の対応する色の各々について設けられ、
前記方法は、前記複数の対応する色のうちの1つに対応する、複数の前記位相変調器のうちの1つを、前記複数の対応する色のうちの異なる1つに対応するフィールド中にリフレッシュする段階を備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記位相変調器の別個の領域が、前記複数の対応する色の各々に関連付けられ、
前記光変調素子を前記対応する色の光で照射する段階は、前記対応する色に関連付けられた前記位相変調器の前記別個の領域が、前記光変調素子上の所望の位置へ前記対応する色の光をステアリングする働きをする前記位相パターンを提供するよう制御されている間、前記対応する色に関連付けられた前記位相変調器の前記別個の領域を照射するように前記対応する色の前記光を向ける段階を有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の対応する色のうちの1つに対応する、前記位相変調器の複数の前記別個の領域のうちの1つを、前記複数の対応する色のうちの異なる1つに対応するフィールド中にリフレッシュする段階を備える、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の対応する色は青色を含み、青色に関連付けられた、複数の前記別個の領域のうちの1つは、前記複数の別個の領域のうちの他の少なくとも1つよりも大きい、
請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の対応する色は緑色を含み、緑色に関連付けられた、複数の前記別個の領域のうちの1つは、前記複数の別個の領域のうちの他の少なくとも1つよりも大きい、
請求項3に記載の方法。
【請求項7】
表示されている画像における前記複数の対応する色についての相対的な出力レベルに基づいて、複数の前記別個の領域の相対的なサイズを制御する段階を備える、
請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記複数の対応する色のうちのいくつかまたは全てを、前記位相変調器の複数の前記別個の領域のうちの異なるものに周期的に再び割り当てる段階を備える、
請求項3に記載の方法。
【請求項9】
前記一連のフィールドは、一連のフレームの各々において1回繰り返し、
前記方法は、前記一連のフレームの各々において、前記複数の対応する色のうちのいくつかまたは全てを、前記位相変調器の複数の前記複数の別個の領域のうちの異なるものに再び割り当てる段階を備える、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記位相変調器は、作動領域を有し、
前記光変調素子を前記対応する色の光で照射する段階は、前記対応する色の光を、実質的に前記位相変調器の前記作動領域の全てに向ける段階を有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記複数の対応する色の各々の前記光は、前記位相変調器から異なる距離で、または、前記位相変調器に対し異なる向きで画像を形成し、
当該方法は、前記複数の対応する色の各々の前記光により形成される複数の前記画像を合成する段階を備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記光変調素子を前記対応する色の光で照射する段階は、前記対応する色の追加の光を、前記位相変調器によりステアリングされた前記光と合成する段階をさらに有する、
請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記追加の光を、前記位相変調器によりステアリングされた前記光と合成する段階により、前記光変調素子を共通の方向から照射する光ビームが生成される、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記位相変調器によりステアリングされた前記光は、第1偏光を有し、前記追加の光は、前記第1偏光とは異なる第2偏光を有し、前記位相変調器によりステアリングされた前記光は、偏光ビームスプリッタにおいて前記追加の光と合成される、
請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
カラー画像を投影するための装置であって、
各々が、対応する色に関連付けられ、かつ、前記対応する色の光源を有する複数の色チャネルと、
少なくとも1つの位相変調器と、
光変調素子と、
前記少なくとも1つの位相変調器による位相変調を含む経路により前記光変調素子を照射するように、前記複数の色チャネルの各々の前記光源からの光を向けるよう配置された光学素子と、
各々が前記複数の色チャネルのうちの1つの前記対応する色に関連付けられた一連のフィールド内で画像を投影するよう前記光源と、前記少なくとも1つの位相変調器と、前記光変調素子とを制御するために接続された制御システムであって、前記フィールドにおいて、前記対応する色に対応するパターンに従って光を空間変調するよう前記光変調素子を設定する働きをし、かつ、前記少なくとも1つの位相変調器により位相変調され、前記光変調素子上へと向けられる光を発するよう前記対応する色の前記光源を制御する働きをする制御システムであり、前記制御システムは、複数の前記対応する色の各々について同じ位相パターンを適用するように構成され、前記複数の対応する色の各々の光は、前記少なくとも1つの位相変調器へ入射する異なる角度に向けられる、制御システムと
を備え、
前記制御システムはさらに、前記一連のフィールドが示される周波数未満の周波数で前記少なくとも1つの位相変調器が前記光を前記複数の色チャネルの各々に変調する位相パターンをリセットするように構成される、
装置。
【請求項16】
カラー画像を投影するための方法であって、
対応する色に関連付けられた一連のフィールドの各々について、前記対応する色に対応するパターンに従って光を空間変調するよう光変調素子を設定する段階と、前記光変調素子を前記対応する色の光で照射する段階とを備え、
前記光変調素子を前記対応する色の光で照射する段階は、前記光変調素子上の所望の位置へ前記対応する色の光をステアリングする働きをする位相パターンを提供するよう制御される位相変調器上へと前記対応する色の前記光を向ける段階を有し、
前記位相変調器は、前記一連のフィールドが示される周波数未満の周波数でリフレッシュされ、
前記光変調素子を前記対応する色の光で照射する段階は、前記対応する色の追加の光を、前記位相変調器によりステアリングされた前記光と合成する段階をさらに有し、
前記位相変調器によりステアリングされた前記光は、第1偏光を有し、前記追加の光は、前記第1偏光とは異なる第2偏光を有し、前記位相変調器によりステアリングされた前記光は、偏光ビームスプリッタにおいて前記追加の光と合成される、
方法。
【請求項17】
前記追加の光を、前記位相変調器によりステアリングされた前記光と合成する段階により、前記光変調素子を共通の方向から照射する光ビームが生成される、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記追加の光は、前記位相変調器により生成されたDCスポットから集められた光を含む、
請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記追加の光は、追加の光源からの光を含む、
請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記追加の光は、前記位相変調器によりステアリングされた前記光の波長とは異なる第2波長を有する、
請求項16に記載の方法。
【請求項21】
別々の位相変調器が、複数の前記対応する色の各々について設けられ、
前記方法は、前記複数の対応する色のうちの1つに対応する、複数の前記位相変調器のうちの1つを、前記複数の対応する色のうちの異なる1つに対応するフィールド中にリフレッシュする段階を備える、
請求項16に記載の方法。
【請求項22】
前記位相変調器の別個の領域が、複数の前記対応する色の各々に関連付けられ、
前記光変調素子を前記対応する色の光で照射する段階は、前記対応する色に関連付けられた前記位相変調器の前記別個の領域が、前記光変調素子上の所望の位置へ前記対応する色の光をステアリングする働きをする前記位相パターンを提供するよう制御されている間、前記対応する色に関連付けられた前記位相変調器の前記別個の領域を照射するように前記対応する色の前記光を向ける段階を有する、
請求項16に記載の方法。
【請求項23】
前記複数の対応する色のうちの1つに対応する、前記位相変調器の複数の前記別個の領域のうちの1つを、前記複数の対応する色のうちの異なる1つに対応するフィールド中にリフレッシュする段階を備える、
請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記複数の対応する色は青色を含み、前記複数の別個の領域のうちの1つは、青色に関連付けられ、且つ、前記複数の別個の領域のうちの他の少なくとも1つよりも大きい、
請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記複数の対応する色は緑色を含み、前記複数の別個の領域のうちの1つは、緑色に関連付けられ、且つ、前記複数の別個の領域のうちの他の少なくとも1つよりも大きい、
請求項23に記載の方法。
【請求項26】
表示されている画像における前記複数の対応する色についての相対的な出力レベルに基づいて、前記複数の別個の領域の相対的なサイズを制御する段階を備える、
請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記複数の対応する色のうちのいくつかまたは全てを、前記位相変調器の複数の前記別個の領域のうちの異なるものに周期的に再び割り当てる段階を備える、
請求項22に記載の方法。
【請求項28】
前記一連のフィールドは、一連のフレームの各フレームにおいて1回繰り返し、
前記方法は、前記一連のフレームの各フレームにおいて、前記複数の対応する色のうちのいくつかまたは全てを、前記位相変調器の複数の前記複数の別個の領域のうちの異なるものに再び割り当てる段階を備える、
請求項27に記載の方法。
【請求項29】
複数の前記対応する色の各々について同じ位相パターンが用いられる、
請求項16に記載の方法。
【請求項30】
前記位相変調器は作動領域を有し、前記光変調素子を前記対応する色の光で照射する段階は、前記対応する色の光を、実質的に前記位相変調器の前記作動領域の全てに向ける段階を有する、
請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記複数の対応する色の各々の前記光は、前記位相変調器から異なる距離に、または、前記位相変調器に対して異なる向きで画像を形成し、前記方法は、前記複数の対応する色の各々の前記光により形成される複数の前記画像を合成する段階を備える、
請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記複数の対応する色の各々の光を
平行に前記位相変調器へ向ける段階を備える、
請求項29に記載の方法。
【請求項33】
前記光変調素子に対して同じポイントに画像を形成するべく、前記複数の対応する色の各々の前記光のコリメーションを修正する段階を備える、
請求項32に記載の方法。
【請求項34】
カラー画像を投影するための装置であって、
各々が、対応する色に関連付けられ、かつ、前記対応する色の光源を有する複数の色チャネルと、
少なくとも1つの位相変調器と、
光変調素子と、
前記少なくとも1つの位相変調器による位相変調を含む経路により前記光変調素子を照射するように、前記複数の色チャネルの各々の前記光源からの光を向けるよう配置された光学素子と、
各々が前記複数の色チャネルのうちの1つの前記対応する色に関連付けられた一連のフィールド内で画像を投影するよう前記光源と、前記少なくとも1つの位相変調器と、前記光変調素子とを制御するために接続された制御システムであって、前記フィールドにおいて、前記対応する色に対応するパターンに従って光を空間変調するよう前記光変調素子を設定する働きをし、かつ、前記少なくとも1つの位相変調器により位相変調され、前記光変調素子上へと向けられる光を発するよう前記対応する色の前記光源を制御する働きをする制御システムと
を備え、
前記制御システムはさらに、前記一連のフィールドが示される周波数未満の周波数で前記少なくとも1つの位相変調器が前記光を前記複数の色チャネルの各々に変調する位相パターンをリセットするように構成され、
前記装置は更に、前記光変調素子の上流側において偏光ビームスプリッタを備え、
前記偏光ビームスプリッタは、前記対応する色の追加の光を、前記少なくとも1つの位相変調器によってステアリングされた前記光と合成するように構成され、
前記少なくとも1つの位相変調器によりステアリングされた前記光は、第1偏光を有し、前記追加の光は、前記第1偏光とは異なる第2偏光を有する、
装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照 本願は、2015年10月6日に出願された、投影システムおよび方法という発明の名称の米国出願第62/237989号明細書の米国特許法第119条に基づく利益を主張する。当該明細書は、ここに、参照により、あらゆる目的で、本明細書に組み込まれている。
【0002】
本発明の一態様は、フィールドシーケンシャル投影システムにおける所望のパターンの光の生成に関する。本発明の別の態様は、結像素子の複数の段を有する投影システムにおける所望のパターンの光の生成に関する。これらの態様は、個別に、または組み合わせて適用され得る。本発明の実施形態は、プロジェクタ、プロジェクタ用のコンポーネント、および関連する方法を提供する。
【発明の概要】
【0003】
本発明は複数の態様を有する。これらは、個別に、または様々な組み合わせで実施され得る。これらの態様は、画像投影装置と、画像投影方法と、位相変調器により、撮像素子上へとステアリングされた光を追加の光と混合するための装置および方法とを含むが、それらに限定されない。
【0004】
本発明の態様の一例は、カラー画像を投影するための方法を提供する。上記方法は、対応する色に関連付けられた一連のフィールドの各々について、上記色に対応パターンに従って光を空間変調するよう撮像素子を設定する段階と、前記撮像素子を前記対応する色の光で照射する段階とを備える。上記撮像素子を上記対応する色の光で照射する段階は、上記撮像素子上の所望の位置へ上記対応する色の光をステアリングする働きをする位相パターンを提供するよう制御される位相変調器上へと上記対応する色の上記光を向ける段階を有する。上記位相変調器は、上記フィールドが示される周波数未満の周波数でリフレッシュされる。いくつかの実施形態において、(1フレームが異なる色のフィールドの1つの完全なサイクルを含む場合)上記位相変調器は、1フレーム当たり1回リフレッシュされる。
【0005】
いくつかの実施形態において、別々の位相変調器が、複数の上記色の各々について設けられ、上記方法は、複数の上記色のうちの1つに対応する、複数の上記位相変調器のうちの1つを、複数の上記色のうちの異なる1つに対応するフィールド中にリフレッシュする段階を備える。
【0006】
いくつかの実施形態において、上記位相変調器の別個の領域が、複数の上記色の各々に関連付けられ、上記撮像素子を上記対応する色の光で照射する段階は、上記対応する色に関連付けられた上記位相変調器の上記領域が、上記撮像素子上の所望の位置へ上記対応する色の光をステアリングする働きをする上記位相パターンを提供するよう制御されている間、上記対応する色に関連付けられた上記位相変調器の上記領域を照射するように上記対応する色の上記光を向ける段階を有する。いくつかの実施形態において、上記方法は、複数の上記色のうちの1つに対応する、上記位相変調器の上記領域のうちの1つを、複数の上記色のうちの異なる1つに対応するフィールド中にリフレッシュする段階を備える。
【0007】
上記領域は異なるサイズを有し得る。例えば、複数の上記色は青色を含み得、青色に関連付けられた、上記領域のうちの1つは、上記領域のうちの他の少なくとも1つよりも大きい可能性があるか、または、複数の上記色は緑色を含み得、緑色に関連付けられた、上記領域のうちの1つは、上記領域のうちの他の少なくとも1つよりも大きい可能性があるか、または、表示されている画像における複数の上記色についての相対的な出力レベルに基づいて、上記領域の相対的なサイズが制御され得る。いくつかの実施形態において、上記方法は、複数の上記色のうちのいくつかまたは全てを、上記位相変調器の複数の上記領域のうちの異なるものに周期的に再び割り当てる段階を備える。例えば、上記一連のフィールドは、一連のフレームの各々において1回繰り返し得、上記方法は、上記フレームの各々において、複数の上記色のうちのいくつかまたは全てを、上記位相変調器の複数の上記領域のうちの異なるものに再び割り当てる段階を備え得る。
【0008】
いくつかの実施形態において、複数の上記色の各々について同じ位相パターンが用いられる。
【0009】
いくつかの実施形態において、複数の上記色は、赤色、緑色および青色を含む。
【0010】
いくつかの実施形態において、上記撮像素子は、DMDを備える。
【0011】
いくつかの実施形態において、上記位相変調器は、LCOSを備える。
【0012】
いくつかの実施形態において、上記撮像素子を上記対応する色の光で照射する段階は、上記対応する色の追加の光を上記位相変調器によりステアリングされた光と合成する段階、または上記位相変調器によりステアリングされた上記光を、上記位相変調器を迂回した光で置き換える段階をさらに有する。上記追加の光を上記位相変調器によりステアリングされた上記光と合成する段階により、上記撮像素子を共通の方向から照射する光ビームが生成され得る。いくつかの実施形態において、上記追加の光は、上記位相変調器により生成されたDCスポットから集められた光を含む。いくつかの実施形態において、上記追加の光は、追加の光源からの光を含む。いくつかの実施形態において、上記位相変調器によりステアリングされた上記光は第1偏光を有し、上記追加の光は上記第1偏光とは異なる第2偏光を有し、上記位相変調器によりステアリングされた上記光は、偏光ビームスプリッタにおいて上記追加の光と合成される。いくつかの実施形態において、上記位相変調器によりステアリングされた上記光は第1波長を有し、上記追加の光は上記第1波長とは異なる第2波長を有し、上記位相変調器によりステアリングされた上記光は、ダイクロイック素子において上記追加の光と合成される。いくつかの実施形態において、上記光源は、2つの偏光状態の成分を有する光を発し、上記方法は、発せられた上記光の上記成分を分離する段階を備え、上記追加の光は、発せられた上記光の上記成分の一方を含み、上記位相変調器によりステアリングされた上記光は、発せられた上記光の上記成分の他方で構成される。いくつかのそのような実施形態において、上記方法は、発せられた上記光に偏光シフト素子を通過させることにより上記2つの偏光状態の上記成分の相対的な強度を変える段階と、分離された上記成分の各々における上記光の割合を投影されている画像の明度に基づいて変化させるよう上記偏光シフト素子を制御する段階とを備える。
【0013】
別の例示的な態様が、撮像素子をある色の光で照射する段階を備える、カラー画像を投影するための方法を提供する。上記段階は、上記画像の明度または出力レベルに基づいて、第1モードで動作する段階であって、上記撮像素子上の所望の位置へ上記色の光をステアリングする働きをする位相パターンを提供するよう制御される位相変調器上へと上記色の上記光が向けられる、段階と、第2モードで動作する段階であって、上記色の光が、上記位相変調器と相互作用することなく、光源から撮像素子上へと向けられるか、または、上記色の光が、上記撮像素子上の所望の位置へ上記色の上記光をステアリングする働きをする位相パターンを提供するよう制御される位相変調器上へと向けられ、上記色の追加の光と合成され、合成された上記光が上記撮像素子上へと向けられるかのいずれかである、段階とを選択的に有する。
【0014】
別の例示的な態様が、画像を投影するための装置を提供する。上記装置は、本明細書において説明される方法のいずれかを実装するように構成される。
【0015】
本発明の追加の態様および本発明の実施形態の例が、図面に示され、および/または以下の説明において説明される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
添付の図面は、本発明の実施形態の非限定的な例を示す。これらの図面は、例字的なプロジェクタを示し、例示的な方法も示す。
【0017】
図1から9は、フィールドシーケンシャル方式で画像を表示する方法および装置に関する。また、等和色または白色をフィールドとして使用するフィールドシーケンシャルプロジェクタが、1つよりも多くの光源を一度にオンにし、振幅画像をデジタルマイクロミラーデバイス(「DMD」)上で調整することにより、これらの図を用いて表され得る。
【0018】
【
図1】第1アプローチに従って動作するプロジェクタを通る赤色光路を示す概略図である。赤色光路では、赤色チャネル位相のシリコン上液晶(「LCOS」)のみが照射され、DMDが赤色画素のみをスクリーンに向ける。
【0019】
【
図2】第1アプローチに従って動作するプロジェクタを通る緑色光路を示す概略図である。緑色光路では、緑色チャネル位相のLCOSのみが照射され、DMDは緑色画素のみをスクリーンに向ける。
【0020】
【
図3】第1アプローチに従って動作するプロジェクタを通る青色光路を示す概略図である。青色光路では、青色チャネル位相のLCOSのみが照射され、DMDは青色画素のみをスクリーンに向ける。
【0021】
【
図4】第2アプローチに従って動作するプロジェクタを通る赤色光路を示す概略図である。赤色光路では、位相LCOSの赤色空間部分のみが照射され、DMDは赤色画素のみをスクリーンに向ける。 単一のLCOSも緑色位相パターンおよび青色位相パターンを異なる位置に表示するが、これらは
図4では照射されていない。
【0022】
【
図5】第2アプローチに従って動作するプロジェクタを通る緑色光路を示す概略図である。緑色光路では、位相LCOSの緑色空間部分のみが照射され、DMDが緑色画素のみをスクリーンに向ける。 単一のLCOSも赤色位相パターンおよび青色位相パターンを異なる位置に表示するが、これらは
図5では照射されていない。
【0023】
【
図6】第2アプローチに従って動作するプロジェクタを通る青色光路を示す概略図である。青色光路では、位相LCOSの青色空間部分のみが照射され、DMDは青色画素のみをスクリーンに向ける。 単一のLCOSも赤色位相パターンおよび緑色位相パターンを異なる位置に表示するが、それらは
図6では照射されていない。
【0024】
【
図7】第3アプローチに従って動作するプロジェクタを通る赤色光路を示す概略図である。赤色光路では、LCOS上の輝度位相パターンが照射され、DMDは、赤色画素のみをスクリーンに向け、他の場所での不要な赤色光の遮断を試みる。 輝度位相パターンは、赤色位相パターン、緑色位相パターンおよび青色位相パターンの加重和(または他の方法)から生成される。
【0025】
【
図8】第3方法に従って動作するプロジェクタを通る緑色光路を示す概略図である。緑色光路では、LCOS上の輝度位相パターンが照射され、DMDは、緑色画素のみをスクリーンに向け、他の場所での不要な緑色光の遮断を試みる。 輝度位相パターンは、赤色位相パターン、緑色位相パターンおよび青色位相パターンの加重和(または他の方法)から生成される。
【0026】
【
図9】第3方法に従って動作するプロジェクタを通る青色光路を示す概略図である。青色光路では、LCOS上の輝度位相パターンが照射され、DMDは、青色画素のみをスクリーンに向け、他の場所での不要な青色光の遮断を試みる。 輝度位相パターンは、赤色位相パターン、緑色位相パターンおよび青色位相パターンの加重和(または他の方法)から生成される。
【0027】
図10から13は、複数の光路を用いて画像を表示する方法および装置に関する。
【0028】
【
図10】2つの別々のレーザ光源での、「固定偏光」の実行方法を示す。
【0029】
【
図11】ファイバ結合レーザ源で理想的となるであろう、「ランダム偏光」の実行方法を示す概略図である。
【0030】
【
図12】「可変偏光」の実行方法を示す概略図である。 これは最も複雑かつ高価であるが、レーザの最も効率の良い使用を可能にする。
【0031】
【
図13】2つの別々のレーザ光源での、「固定波長」の実行方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下の説明の全体を通じて、本発明のより完全な理解を提供すべく、具体的な詳細が記載される。しかしながら、本発明は、これらの詳細なしに実施され得る。他の例においては、本発明を不必要に不明瞭にすることを回避すべく、周知の要素は詳細には示されていないか、または説明されていない。従って、本明細書および図面は、限定的な意味ではなく、例示的な意味で考えられるべきである。
【0033】
本開示は、フィールドシーケンシャル色投影を実行するための複数の手法、およびまた、DMDまたは他の撮像素子を照射するための複数の手法の両方を説明する。本技術のこれらの態様は、個別に、または任意の組み合わせで適用され得る。フィールドシーケンシャル表示
【0034】
赤色光、緑色光および青色光の各々について別々の結像素子を用い、次にこれらの画像をスクリーン上で合成することにより、画像が投影システムにおいて形成され得る。しかしながら、プロジェクタ製造業者は通常、プロジェクタを可能な限り安価に製造することを望む。高画質、高解像度DMDなどの結像素子は高価であり得る。
【0035】
高ダイナミックレンジの投影システムは、撮像素子の複数の段を有し得る。これらの素子は、システムのコントラストを上げるべく、および/または黒レベルを低減すべく連携し得る。
【0036】
いくつかの高ダイナミックレンジ(「HDR」)投影システムにおいて、位相変調器(例えば、LCOS位相変調器)がDMD振幅変調器と組み合わされ得る。このタイプの投影システムの例は、例えば、国際公開第2015/054797号において説明されている。当該明細書は、ここに、参照により、あらゆる目的で本明細書に組み込まれる。本明細書において説明される実施形態は、国際公開第2015/054797号において説明される特徴のいずれも実装し得る。
【0037】
コンポーネントのコストを低減すべく、HDRプロジェクタが、要求されるDMDが1つのみで済むようにフィールドシーケンシャル技術を用い得る。本明細書において説明されるように、いくつかの実施形態において、3つの位相変調器ではなく、1つの位相変調器が用いられ得る。
【0038】
DMDは通常、応答時間が速い。具体的には、DMDは、それらが表示するパターンを、人間が認識し得るよりもはるかに速く変え得る。各色について別々のDMDを有する(およびそれにより3つのDMDを用いる)のではなく、単一のDMDを設け、その単一のDMDを通じてフィールドを急速に時分割多重化し得る。それらの色は1つずつ表示されるが、画像における全ての色が人間の目により一体化される。なぜなら、時分割多重化は、人間が個々のフィールドを認識し得るよりも速く生じるからである。これは業界内で、「フィールドシーケンシャル投影」として知られている。
【0039】
多くの位相変調器は、応答時間が比較的遅い。例えば、位相変調器はLCOSベースのものであり得る。人間の観察者は、単一のLCOSがフィールド間で次の色について再構成されるフィールドシーケンシャル適用例において、個々の色フィールドを容易に認識し得る。
【0040】
個々のLCOSパネルは通常、単一のDMDと同じ程度多くの光を損傷または劣化なしに処理し得ない。光出力が非常に高いシステムにおいては、単一のDMDを照射するのに2つまたはそれより多くのLCOSパネルが要求され得る。青色光は、波長がより長い光(例えば、赤色光)よりも多くのLCOSパネルの劣化を生じさせ得る。例示的なフィールドシーケンシャル実施形態
【0041】
LCOS位相変調器およびDMD振幅変調器を用いるプロジェクタにおいてフィールドシーケンシャル投影を実行するための3つの例示的な方法が、以下に説明される。これらの方法の各々は、単一のDMDを用いて実施され得る。以下の説明では、赤色、緑色および青色を3つのシーケンシャルフィールドとして用いるフィールドシーケンシャルプロジェクタを想定している。以下に説明される方法の変形例は、フィールドとしての異なる色、より多いかまたは少ない原色、1または複数の等和色(例えば、原色の組み合わせ)、および/または白色を用い得る。第1アプローチ―3つの位相変調器および1つの撮像素子
【0042】
「第1アプローチ」は、赤色光の向け直し用に1つ、緑色光の向け直し用に1つ、青色光の向け直し用に1つ、という3つのLCOS位相変調器を用いる。第1アプローチは、高い光スループットを提供し得、高コントラストおよび広色域を提供し得る。
【0043】
第1アプローチに従って動作し得る装置10が、
図1から3に概略的に示される。装置10は複数の光源11(11R、11Gおよび11Bが示される)を備える。光源11は、例えばレーザを備え得る。図示される実施形態において、光源11Rは赤色光を発し、光源11Gは緑色光を発し、光源11Bは青色光を発する。
【0044】
光源11の各々は、対応する位相変調器12(12R、12Gおよび12Bが示される)に関連付けられる。これらの位相変調器は、例えばLCOSを各々備え得る。複数の位相変調器12のいずれかにより変調された光が撮像素子14を照射する。撮像素子14は、例えばDMDを備え得る。撮像素子14が当該光を変調し、次に、当該光はスクリーン15上へと投影される。
【0045】
コントローラ16が、光源11、位相変調器12および撮像素子14の動作を調整して、画像データに従った画像を表示する。複数のシーケンシャルフィールドの各々(各フィールドはある期間である)において、1つの光源が作動中である。例示的な実施形態において、フレームレートが毎秒20から100フレームの範囲内であり、各フレームは3つのフィールドに分割される。
【0046】
図1に示されるように、第1フィールドにおいて、赤色光源11Rが作動中であり得る。赤色光源11Rからの赤色光は、位相変調器12Rに適用される位相パターンにより、所望の位置(例えば、より高い赤色強度を画像データが指定する領域に対応する位置)へとステアリングされ、および/または望ましくない位置(例えば、低い赤色強度を画像データが指定する領域に対応する位置)から離れるようにステアリングされる。位相変調器12Rにより変調された赤色光は次に、画像データにより赤色光用に指定されたパターンに入射光を変調するよう制御される撮像素子14上へと向けられる。
【0047】
第2フィールドおよび第3フィールドにおいて、上述の処理が、
図2および
図3に示されるように、緑色光および青色光のそれぞれについて繰り返される。
【0048】
この例示的な実施形態において、位相変調器12は、当該フレームレート(本例ではフィールドが示されるレートの1/3)よりも一切速くリフレッシュされる必要がない。撮像素子14は、全てのフィールドについてリフレッシュされる。
【0049】
各フィールドについて、コントローラ16は、対応する色に対応するパターンに撮像素子を設定する段階と、異なる色に対応する位相変調器をリフレッシュする(現在の色に対応する位相変調器は、前のフィールドにおいてリフレッシュされている可能性がある)段階と、現在の色の光源をオンにし、これにより、当該光源からの光が、位相変調器によりステアリングされ、撮像素子により変調され、スクリーン15上へと投影される段階とを含む複数の段階を実行し得る。
【0050】
各フィールドの期間は、各フィールドに表示される異なる色が観察者の目により一体化されてカラー画像として感知される程度に十分短い。
【0051】
例示的な実施形態において、3つの(1色当たり1つの)位相変調器が、変調された光源(通常はレーザ光源)により順次照射される。各位相変調器は、入射ビームの波長およびプロファイルについてカスタマイズされた位相パターンを提供するよう制御され、これにより、ステアリングされた画像が、当該位相変調器から既知の距離だけ離れた位置のステアリング像面に生成される。ステアリングされた画像は、画像データがその色についてより高い輝度を指定した場合、より高い強度を伝達し得、画像データがその色についてより低い輝度を指定した場合、より低い強度を伝達し得る。3つの色チャネル全てのステアリングされた画像を共通の経路に沿って撮像素子に(例えば、DMDを備えるヘッドに)リレーするために、光学素子が設けられる。各々のステアリングされた画像により、DMDまたは他の撮像素子に対する所望のステアリングされた照射がもたらされる。ステアリングされた画像を撮像素子にリレーする当該光学素子は、画像の質の向上およびDMDヘッドとの互換性の改善につながり得る拡大、テレセントリシティの向上およびエタンデュの増加のうちの1または複数をオプションでもたらし得る。
【0052】
ステアリングされた画像の各々を撮像素子にガイドする当該光学素子は、3つの別々のステアリングされた画像ビームがテレセントリックにされた後、またはステアリング像面の前のいずれかで、光路に位置し得る。これは容易になされる。なぜなら、ステアリングされた画像は、単色(レーザの原色)であり、F値が高い(発散が小さい)からである。
【0053】
位相変調器は、カスタマイズ済みのパターンを色チャネル毎に表示するよう設定され得る。これにより、各々のステアリングされた画像は、他の色チャネルのステアリングされた画像と一貫したフレーミング(画像のサイズおよび形状)のみならず、当該色チャネルの所望の輝度プロファイルを特徴とする。一貫したフレーミングを実現すべく、各位相変調器とその対応するステアリング像面との間の距離は、波長、ビーム発散およびビームプロファイルなどの基準に基づいて選択され得る。
【0054】
第1アプローチに従って動作する実施形態において、各光源が作動されている期間(R光源、G光源、B光源のオン時間)は、所望のステアリング輝度レベルおよび色に基づいて変えられ得る。例えば、ステアリングされた全画面白色をD65白色点で生じさせる期間、R光源、G光源、B光源を作動し得る。各光源による光出力の強度が変調され得る場合、表示画像の所望の輝度および色は、対応するフィールドにおける各光源のオン時間、各光源の出力、各光源のデューティサイクルのうちの1または複数を制御することにより設定され得る。変調された光源のいくつかの利点には、より低出力のレーザを用いることができ、より短いデューティサイクルでより高い要求出力(例えば、通常の最大出力の2倍での30%赤色)でそれらを駆動できることが含まれる。第2アプローチ―1つの空間分割位相変調器および1つの撮像素子
【0055】
「第2アプローチ」は、複数の領域へと空間分割された単一の位相変調器を使用する。当該位相変調器は、各領域が1色につき1つの位相パターン(すなわち、対応する色について光を適切にステアリングする位相パターン)を提供するように制御される。例示的な実施形態に従ったプロジェクタ40が
図4、
図5および
図6に示される。
【0056】
例示的な実施形態において、光源11(再びであるが、例えば、11R、11Gおよび11Bが設けられる)がそれぞれ、赤色光、緑色光および青色光を発する。赤色光、緑色光および青色光はそれぞれ、(例えばLCOSであり得る)位相変調器42の対応する領域43R、43Gおよび43Bを照射するように向けられる。領域43R、43Gおよび43Bはそれぞれ、赤色光用、緑色光用および青色光用の位相パターンを提供するよう制御される。これらの位相パターンは、当該光を撮像素子14上へと向ける。撮像素子14は、各フィールドにおいて、現在の色の光を変調するよう設定される。撮像素子14により変調された光は、スクリーン15上へと投影される。
【0057】
単一の位相変調器のみが要求されるので、第2アプローチは、第1アプローチと比較してコストの節約を提供し得る。第2アプローチはコントラストを損ない得る。なぜなら、個々の色の光が、当該光をステアリングするのに位相変調器の一部分のみが用いられる場合、当該光をステアリングするのに位相変調器全体が用いられる場合に可能であるのと同程度に正確にはステアリングされ得ないからである。第2アプローチは、レーザの原色であり得る原色により可能になる、全色域の使用も可能にする。
【0058】
いくつかの実施形態において、異なる色に対応する領域43の、LCOS上の物理的位置は、ウェアレベリングのために時々変えられ得る。青色領域43Bは、赤色領域43Rよりも速く経時的に劣化し得る。
【0059】
領域43への位相変調器42の分割は、等分である必要はない。領域43のうちのいくつかまたは全てのサイズは異なり得る。例えば、領域43のサイズは、異なる色についての出力要件に比例し得る。オプションで、領域43は、異なる色の光についての出力要件が変わる時にリアルタイムでサイズ変更され得る。領域43Gが、緑色光の精度に対する人間の視覚系の感度が増していることに起因して、他の領域43よりも大きくされ得るか、または青色用の領域43Bが、出力密度の低下および劣化の低減をもたらすために増大され得る。
【0060】
第2アプローチにおいて、位相変調器42の各領域43は、多くても1フレーム当たり1回リフレッシュされる必要がある。位相変調器42の全ての領域43は、1回の動作でリフレッシュされ得る。位相変調器42の異なる領域43が個別にリフレッシュされ得る場合、別の領域43により光がステアリングされている間に、1つの領域43がリフレッシュされ得る。
【0061】
単一の位相変調器が空間分割される場合、LCOSの地理的部分が個々の色の各々について用いられる。各部分が、対応する位相画像で駆動される。3つの位相画像の全てが計算され、スケーリングされ、LCOS位相変調器に適用される単一の位相画像へと合成される。
【0062】
各光源11(例えば、各レーザ)は、LCOS変調器42上の対応する色領域のみを照射するように向けられる。LCOSのいずれの部分も、1つよりも多くのレーザ色により照射されるべきではない。
【0063】
ウェアレベリングのために、レーザは時々、青色光の位置を変えるようにLCOSの異なる領域に向け直され得る。青色光は、赤色光または緑色光よりも速くLCOSデバイスを劣化させる。
【0064】
第2アプローチを実装する例示的な実施形態において、単一の位相変調器が複数の変調された光源の各々により順次照射されるが、各光源は、その単一の位相変調器の対応する部分のみを照射する。各色に対して割り当てられる位相変調器の当該部分のサイズは、所望のステアリングされた画像の質により決定され得る(一般的に、他の全てが等しく、1つの色に対して割り当てられる画素が多ければ多いほど、ステアリングされた画像の質は、その色についてより良好になる)。位相デバイスの色別の部分の各々は、その色の光の波長、入射ビームのプロファイル/性質等についてカスタマイズされた位相パターンを提供するよう制御され得る。これにより、当該部分により形成されるステアリングされた画像は、他のチャネルのステアリングされた画像と重なる(すなわち、フレーミングは一貫しているはずである)。
【0065】
位相変調器から共通の距離のステアリング像面にRGBステアリングされた画像を形成するためのいくつかの実施形態において、各色部分の位相パターンは、異なる幾何学的形状を有するターゲット画像を用いて計算され得る(すなわち、異なる色についてのターゲット画像は、ステアリングに対する波長の影響を補償すべく、異なるようにスケーリングされ得る)。第1アプローチを適用するいくつかの実施形態においてのように、ステアリングされた画像を撮像素子にリレーする光学素子は、画像の質の向上およびDMDヘッドとの互換性の改善につながり得る拡大、テレセントリシティの向上およびエタンデュの増加のうちの1または複数をオプションでもたらし得る。
【0066】
色合成光学素子がオプションで存在するが、通常、位相変調器の後には必要ない。なぜなら、各色についてのステアリングされた画像は、フィールドシーケンシャル方式で共通のステアリング像面に提供され得るからである。色合成光学素子は、位相変調器のそれら3つの部分からの入射光を集約するように設けられ得る。これにより、Rビーム、Gビーム、Bビームが撮像素子に入射する時に取る経路は、間隔が近くなり、平行またはほぼ平行になる。入射ビームが完全に平行ではない場合、対応する色別の位相パターンにより、傾き補正がもたらされ得る。第3アプローチ―1つの共通位相変調器および1つの撮像素子
【0067】
「第3アプローチ」は、各フレームについて単一の位相パターンを表示する単一のLCOS位相変調器を使用する。このアプローチは、最も費用対効果が高い方法である。その理由は、このアプローチが単一の位相変調器を用いること、およびより安価な計算ハードウェアが用いられ得るように、(3つではなく)1つの位相パターンのみが計算される必要があることである。第3アプローチは色域を損ない得る。なぜなら、このアプローチは、(不要な色成分をステアリングしないことに起因して)不要な色がシステムを通じてより多く漏れることを可能にしてしまい得るからである。第3アプローチは、第1アプローチとほぼ同等のコントラストをもたらし得る。
【0068】
図7、
図8および
図9は、第3アプローチに従った動作用に構成される装置70を概略的に示す。装置70は、赤色光、緑色光および青色光をそれぞれ発する光源11(再びであるが、例えば、11R、11Gおよび11Bが設けられる)を含む。赤色光、緑色光および青色光はそれぞれ、(例えばLCOSを備え得る)位相変調器72を照射するように向けられる。位相変調器72は、光を光源11のうちのいずれか1つから撮像素子14上へとステアリングするよう選択される位相パターンで設定される。同じ位相パターンが2つまたはそれより多くの、光の異なる色について用いられ得る。
【0069】
撮像素子14は、各フィールドにおいて、現在の色の光を変調するよう設定される。撮像素子14により変調された光は、スクリーン15上へと投影される。
【0070】
連続する複数のフレームの強度分布が同じであるか、または類似している場合、位相変調器72は、1フレーム当たり1回、またはそれよりも少なく、新しいパターンで更新され得る。輝度位相変調画像
【0071】
光を全ての色について向けるために単一の位相画像が用いられる場合(例えば、上述の第3アプローチを適用する場合)、その単一の位相画像は、全ての画像特徴部を照射するために、あらゆる色が存在するあらゆる領域において十分な光をDMDに向けるべきである。
【0072】
DMDは、各画像特徴部についてスクリーンからあらゆる不要な色を遮断するよう制御される。光を遮断するというDMDの機能により、最終的な色域のサイズが決定される(なぜなら、純粋な赤色の物体上には、少量の緑色光および青色光が漏れるからである)。
【0073】
RGB画像(すなわち、個々の画素についてR値、G値およびB値を指定する画像データ)から輝度画像を生成する1つの手法が、RGB画像をXYZ色空間に変換し、Yチャネルを輝度画像として用いることである。
【0074】
第3アプローチを実装する特定の実施形態において、単一の位相変調器が、異なる色の変調された光源により順次照射される。各光源は、位相変調器の作動領域の実質的に全てを照射し得る。3つの色チャネルの全てについて光をステアリングするために、共通の位相パターンが用いられる。これにより、ステアリングされた画像は、所望の輝度プロファイルを有し、ステアリングされた画像の組み合わせは、同じ色点をもたらす。
【0075】
当該位相パターンが全ての色について共通なので、ビームを異なる色の光源から位相変調器に異なる角度で入射するように向け得る。これにより、3つのステアリングされた画像が、位相変調器に対して、異なる距離の所に、かつ、異なる向きに沿って、生成される。次に、別々のステアリングされた画像を再合成し、整形し、撮像素子上へとリレーするために、別々の色合成光学素子およびリレー光学素子が用いられ得る。この構造は、異なる色のフレーミングを一致させるために用いられ得る。
【0076】
異なる色チャネルのフレーミングを一致させるための別の手法が、異なる色の光ビームを位相変調器に平行に入射させはするが、当該ビームのうちのいくつかまたは全てがわずかに発散または収束するように当該ビームのうちのいくつかまたは全てのコリメーションを修正することである。各ビームの発散または収束の量は、そうでない場合にステアリングされた画像が異なる色について形成されるであろう異なる距離を補償するように選択され得る。次に、ステアリングされた画像は、撮像素子上へとリレーされ得る。他のアプローチでのように、第3アプローチを適用するプロジェクタは、拡大力があり、テレセントリシティを改善し、および/またはエタンデュを増加させる光学素子をオプションで含み得る。撮像素子を照射するためのアプローチ
【0077】
本発明の別の態様は、何らかのやり方で予め変調された光で、および/または光源から振幅変調器へより直接的に届けられた光で、DMDをより直接的に照射するための、および/またはDMDまたは他の振幅変調器を選択的に照射するための方法および装置を提供する。そのような方法および装置は、光の一部分を、位相変調器または他の上流側の光減衰コンポーネントを迂回して光源からDMDに向け得、および/またはDMDのみを照射するように向けられた1または複数の第2光源を追加し得る。DMDを直接照射することは、明るいシーンを表示する場合に効率を高める一助となり得る。
【0078】
この態様の方法および装置は、個別に適用され得るか、または上述の第1アプローチから第3アプローチのいずれかに記載の方法および装置と組み合わされ得る。そのような方法および装置は、LCOSおよびDMDの3つの完全なセットを含む色投影システムにおいても適用され得る。
【0079】
高ダイナミックレンジの投影システムにおいて、LCOS位相変調器は、必要な場合にLCOS位相変調器が振幅変調器上の位置へとステアリングするように、振幅変調器(例えば、DMD)と組み合わされ得る。
【0080】
全画面白色または非常に明るい画像の場合、位相変調器を用いて光をDMD上へとステアリングするのとは対照的に、DMDを直接照射するのがより効率的である。LCOSパネルは通常、DMDと同じ程度多くの光エネルギーを処理し得ない。その結果、システムの光スループットキャパシティの合計は、少なくとも、明るい画像が投影されている場合に、少なくともいくつかの光がLCOS変調器を迂回するのを可能にすることにより、増やされ得る。
【0081】
いくつかの実施形態は、合成された光が均一の入射角でDMDに到達するように、位相変調器によりステアリングされている光を、位相変調器を迂回している光と合成する。これにより、光が接近する角度にDMDがしばしば非常に影響を受けるという問題に対処する。LCOSを迂回する光と、LCOSによりステアリングされた光とは、その全てが同じ角度で(すなわち、DMDが対応し得る狭い入射角範囲内で)DMDに入射するように合成され得る。いくつかの実施形態において、これは、2つの異なる方向から合成器に入射した光を、共通の方向に合成器を離れる合成光ビームへと合成する合成器を用いることにより、実現される。合成器は、例えば、偏光ビームスプリッタまたはダイクロイック素子を備え得る。
【0082】
図10から13は例示的な装置を示す。当該装置は、位相変調器によりステアリングされた(および/またはいくつかの他の上流側の光減衰光学素子により処理された)光、位相変調器によりステアリングされることなく撮像素子を照射するように向けられた光、または上記の2つの光を混合したものでDMDなどの撮像素子を照射するよう動作させられ得る。位相変調器によりステアリングされた光と、位相変調器によりステアリングされていない光とは、同じ光源または異なる光源から来得る。
【0083】
光は選択的に、偏光を用いて異なる経路で伝搬させられ得る。例えば、光は、P偏光され得るか、S偏光され得るか、またはそれらの両方(ランダム偏光)をされ得る。S偏光およびP偏光は、互いに直角に偏光される。S偏光およびP偏光は、偏光ビームスプリッタで互いに分離され得る。P偏光およびS偏光はランダム偏光へと合成され得、ランダム偏光は偏光ビームスプリッタを用いてP偏光およびS偏光に分割され得る。
【0084】
ランダム偏光を伴うレーザ光源は、S偏光およびP偏光の両方の大型のコンポーネントを有する。自由空間レーザは、当該レーザの物理的な向きに応じてS偏光またはP偏光を生成するに過ぎない傾向がある。当該レーザを物理的に回転させることにより、発せられた光がS偏光であるかまたはP偏光であるかが変わり得る。
【0085】
LCOS位相変調器は、(向きに応じて)単一のタイプの偏光でしか良好に機能しない傾向がある。例えば、LCOSパネルがP偏光に対して向けられる場合、当該LCOSパネルは、S偏光が通過することを可能にするのではなく、S偏光を当該光源に向かって戻るように直接反射する傾向があるだろう。
【0086】
LCOS変調器を用いて光をP偏光光源からステアリングすると、ステアリングされたP偏光をステアリングされていないS偏光と合成することが、結果として生じる合成ランダム偏光をDMD振幅変調器へと向ける前に可能になる。固定偏光アプローチ
【0087】
いくつかの実施形態において、1つはS偏光の生成用、もう1つはP偏光の生成用という2つの別々の光源、例えば、一群のレーザが用いられ得る(「固定偏光」アプローチ)。それら光源の一方からの光(例えば、P偏光)が、ステアリング素子(例えば、LCOS)により撮像素子(例えば、DMD)を照射するように向けられる。他方の光源(例えば、S偏光光源)からの光が、ステアリング素子と相互作用することなく(すなわち、ステアリング素子を迂回して)撮像素子を照射するように向けられる。表示されるシーンが非常に暗いといった理由で、迂回光(例えば、S偏光)が撮像素子において所望されない場合、迂回光の光源(例えば、S偏光光源)が、出力を下げられ得るか、またはオフにされ得、および/または、迂回光が、撮像素子から離れるように向けられ得、および/または撮像素子への到達を阻止され得る。
【0088】
図10は、2つの別々のレーザ光源11Sおよび11Pで「固定偏光」アプローチを実装するプロジェクタ100を示す。光源11Pは、P偏光で位相変調器12を照射する。位相変調器12は、偏光ビームスプリッタを本実施形態において備える合成器108によりP偏光をDMDなどの撮像素子14上へとステアリングする位相パターンで設定される。
【0089】
光源11SはS偏光を発する。S偏光は、光学システム109を通過することにより均質化され、合成器108上へと向けられる。光学システム109は、それ自体を通過する光を均一に分散させる(または別の所望の手法で撮像素子において分散させる)。光学システム109は、例えば、フライアイアレイおよび/または他のホモジナイザを備え得る。
【0090】
光源11Sからの任意の光が、合成器108において光源11Pからの光と合成され、撮像素子14を照射するように向けられる。
【0091】
デスペックル素子107が、撮像素子14から上流光路にオプションで設けられる。デスペックル素子は、合成ビームをデスペックルする。オプションのデスペックル素子は、例えば、DMD振幅変調器の直前に設けられ得る。
【0092】
DMDおよび他の振幅変調器は光を完全には遮断しないので、多くの暗い箇所があるシーンにおいては、位相変調器から生じたのではない光がDMDに当たるのを阻止することが望ましい。
【0093】
制御システム101が、光源11Pおよび11Sを制御するために接続され得る。いくつかの実施形態において、光源11Pおよび11Sは、個別に制御可能な出力を有する。いくつかの実施形態において、制御システム101は、光源11Sからの光の出力を制御し得る。いくつかの実施形態において、制御システム101は、追加の光が要求されるかどうかに応じて、光源11Sのオンまたはオフを切り替え得る。また、制御システム101は、位相変調器12および撮像素子14に対するデータの適用と、装置100の動作のタイミング全体とを制御し得る。ランダム偏光(または非偏光アプローチ)
【0094】
S偏光およびP偏光の両方を発する単一の光源(おそらくはファイバ結合LED)が用いられ得る(「ランダム偏光」アプローチ)。この場合、2つの別々の経路への入射光のS成分およびP成分を分離するために、偏光ビームスプリッタが使用され得る。開口および/またはシャッタなどの減衰器、および/または可動ミラーまたは可動レンズなどの制御可能な向け直し素子が、暗い黒色が要求される場合に位相変調器を迂回する光を減衰させるために、S(迂回)光路に設けられ得る。P成分は、振幅変調器に入射する前に変調され(例えば、位相変調器によりステアリングされ)得る。
【0095】
図11は、ランダム偏光アプローチに従って動作するように構成される装置110の例の概略図である。装置110は、複数の分離可能な偏光成分(例えば、S偏光成分およびP偏光成分)を含む光を発する光源11SPを備える。光源11SPは、有益にだが、オプションで、ファイバ結合レーザ源を備え得る。
【0096】
光源11SPにより発せられた光が、ビームとして良好な質を有し(すなわち、エタンデュが小さく)、それにより、発散が少ないようにコリメートされるのが可能になることが好ましい。次に、これにより、ビームスプリッタ112においてS偏光成分およびP偏光成分を経路111Aおよび111Bへとより良好に分離すること(例えば、より良好な均一性およびより高いスループットを有するようにすること)が可能になる。
【0097】
ホモジナイザ115は、当該光のエタンデュが経路111Bに沿って著しく増加しないように選択されることが好ましい。これにより、合成器114において光ビームを合成することが容易になる。ホモジナイザ115のための好適な選択の1つが、フライアイレンズアレイを含む、レンズの組み合わせである。これが当てはまるのは、そのような組み合わせにより、最小限のエタンデュの増加で均質化をもたらし得る場合である。
【0098】
図10から13のいずれに示される実施形態も、エタンデュが小さい光を用いることから利益を享受し得る。エタンデュが小さいことにより、異なる光ビームが合成される場合に、効率、均一性等が促進される。
【0099】
光源11SPにより発せられた光は、ビームスプリッタ112による、2つの経路111Aおよび111Bへの偏光に基づいて分割される。経路111Aは、位相変調器12により撮像素子14を照射するように光を伝達する。経路111Bは位相変調器12を迂回する。経路111Aおよび111Bは、撮像素子14からの上流へと合成器114において合流する。
【0100】
経路111Bはホモジナイザ115および開口116を含む。開口116は、迂回経路111Bにより届けられて撮像素子14に入射する光の量を調整するよう制御され得る。
【0101】
制御システム115が、撮像素子14への到達が可能になる経路111Bからの光の量を選択的に調節するよう、開口116を制御し得る。また、制御システム115は、位相変調器12および撮像素子14に対するデータの適用と、装置110の動作のタイミング全体とを制御し得る。可変偏光アプローチ
【0102】
「可変偏光」アプローチは、ランダム偏光アプローチに類似しているが、光源により発せられた光の分離可能な偏光成分の相対的な強度を変化させるための手法を提供する。例えば、可変偏光アプローチを実装する装置は、90度以内で迅速に回転させられ得る半波長板を備え得る。半波長板の回転をフレーム単位で設定することにより、偏光ビームスプリッタに送られるS偏光およびP偏光を混合したものを調整し得る。結果として生じるビームは、上述のランダム偏光装置への入力として用いられ得、より多くの光(例えば、より多くのS偏光)が明るいシーン用にDMDに直接送られることを可能にし、より多くの光(例えば、より多くのP偏光)が暗いシーン用にLCOSに直接送られることを可能にする。
【0103】
図12は、「可変偏光」アプローチを実装する装置120を示す概略図である。
図12の実施形態は通常、
図10および11の実施形態よりも実行が複雑かつ高価であるが、レーザの最も効率的な使用を可能にする。
【0104】
ボックス121の内側に示される、装置120の部分は、上述の装置110と共通している。装置120は、偏光を発する光源11を備える。光の偏光は、偏光シフト素子122により変化させられ得る。偏光シフト素子は、ビームスプリッタ112により分離可能な光における2つの偏光状態の相対的な量を変化させるよう制御され得る。例えば、偏光シフト素子122は、半波長板と、モータまたは他の半波長板の回転角を設定するために接続されたアクチュエータとを備え得る。
【0105】
制御システム125が、経路111Bに入射する光の量を選択的に調節するよう、偏光シフト素子122を制御し得る。また、制御システム125は、位相変調器12および撮像素子14へのデータの適用と、装置120の動作のタイミング全体とを制御し得る。波長ベースの分離アプローチ
【0106】
光が取る経路を制御するための他のアプローチは、波長に基づいて光を分離する。異なる波長の光が、例えば、ダイクロイック素子または多層薄膜で分離され得る。故に、赤色、緑色および青色の2つのセットを有するシステムが形成され得る。赤色、緑色および青色は、いずれかのセットで大きな色域が生成され得、一方の不存在が目立たないように、選択され得る。
【0107】
上記のものに類似する方式で、類似の波長を有する2つの光源、例えば、2つのレーザが用いられ得る。この場合、カラービームスプリッタを用いて、一方の波長がLCOSまたは他の位相変調器に送られ、他方の波長がDMDまたは他の振幅変調器に直接(例えば、著しい減衰なしに)提供される(「固定波長」アプローチ)。それら2つの波長は、同じ原色に対応し得る(例えば、それら2つの波長は、異なる赤色、緑色または青色であり得る)。
【0108】
図13は、異なる波長の光を発する2つの別々のレーザ光源11R1および11R2で「固定波長」アプローチを実装する装置130を概略的に示す。それら波長は間隔が近くなり得る。例えば、5nmまたは10nmの差異だけ離れる。他の実施形態において、それら2つの波長は、より広く離れ得る。それらの波長は、同じ色の2つのシェイド、例えば、赤色、緑色または青色の2つのシェイド/トーンであり得る。
【0109】
光源11R1は、位相変調器12により撮像素子14を照射する。光源11R2は、位相変調器12を迂回する光路により撮像素子14を照射する。光源11R1および11R2からの光は、合成器132において合成される。光学素子139が、光路11R2において光を均質化する。
【0110】
制御システム135が、光源11R1および11R2を制御するために接続され得る。いくつかの実施形態において、光源11R1および11R2は、個別に制御可能な出力を有する。いくつかの実施形態において、制御システム135は、光源11R2からの光の出力を制御し得る。いくつかの実施形態において、制御システム135は、追加の光が要求されるかどうかに応じて、光源11R2のオンまたはオフを切り替え得る。また、制御システム135は、位相変調器12および撮像素子14へのデータの適用と、装置130の動作のタイミング全体とを制御し得る。DCスポットの再利用
【0111】
位相変調器は、画像特徴部に対応しないDCスポットを生成し得る。通常、DCスポットを画像の外側へステアリングすることが望ましい。このスポットからの光は、復元され、例えば拡散光として、DMDまたは他の撮像デバイスに送られ得る。DCスポットからの光が撮像デバイスに向けられるか否か、および/またはDCスポットから撮像デバイスに向けられる光の量は、いくつかの実施形態において、フレーム単位またはフィールド単位で制御される。当該制御は、フィールドまたはフレームについて計算される出力レベルに基づき得る。より高い出力レベル(より明るい画像)では、DCスポットから光が撮像デバイスに向けられ得、一方で、より低い出力レベルでは、DCスポットから、より少ない光が撮像デバイスに向けられ得るか、または光が撮像デバイスに向けられない可能性がある。広範囲の光学システムが、光をDCスポットから撮像デバイスに伝達するために用いられ得る。いくつかの実施形態において、
図10に示されるものに類似する配置が、DCスポットから光を集め、当該光を撮像デバイスから上流へと位相変調器により変調された光と合成するために用いられ得る。DCスポットからの光のための光路は、DCスポットからの光によりもたらされた追加の照射を撮像デバイスにおいて拡散させるための1または複数のホモジナイザまたは光拡散器などの光学素子を含み得る。必要な場合、DCスポットからの光の偏光を変えて、DCスポットからの光と位相変調器によりステアリングされた光の合成を容易にするための偏光シフト素子が設けられ得る。この技術は、上記技術のいずれとも組み合わされ得るか、または単独で用いられ得る。
【0112】
本明細書において説明される様々なアプローチは、これらのアプローチを実装するように構成されるプロジェクタにおいて具現化され得る。さらに、フィールドシーケンシャル撮像のための説明される方法のいずれもが、光変調器の直接照射をもたらすための説明される方法のいずれとも、オプションで組み合わされ得る。LCOSは位相変調器の一例である。他の実施形態は、他のタイプの位相変調器を用い得る。DMDは振幅変調器の一例である。他の実施形態は、DMDの代わりに他のタイプの振幅変調器を用い得る。
【0113】
例示的な実施形態において、フレームの明度を識別するために動画データが処理される。当該フレームが暗い場合、位相変調器は、光源からの光を振幅変調器上へとステアリングするよう、かつ、ステアリング済みの光を変調するよう振幅変調器を制御することで、当該フレーム用に指定された画像を表示するよう、制御され得る。フレームシーケンシャル画像において、これは、各色サブフレームについて別々になされ得る。当該フレームが明るい場合、振幅変調器は、位相変調器によりステアリングされた光に加えて、または当該光の代わりに、のいずれかで位相変調器により最初にステアリングされていない光により照射され得る。振幅変調器は、(明るい)画像を表示するよう制御され得る。
【0114】
いくつかの例示的な実施形態において、
図11、12、13のうちのいずれか1つに示される装置は、複数の(例えば、いくつかの実施形態において、3つから6つの)色チャネルのうちの1つを提供するために用いられ得る。いくつかの実施形態において、それら色チャネルのうち、2つまたはそれより多く、または全ては、それぞれの色の光を並行して(すなわち、同時に)変調する。他の実施形態において、それら色チャネルのうちのいくつかまたは全ては、フィールドシーケンシャル方式またはタイムインターリーブ方式で動作し得る。いくつかの場合において、フィールドシーケンシャル動作は、それら色チャネルのうちのいくつかまたは全てについて上述されたアプローチ1、2または3のうちの1つを用いて実現される。
【0115】
いくつかの実施形態において、
図11、12または13により示される全体的アーキテクチャを有する別々の色チャネルからの複数の色が、同時に発せられ、白色光を提供するために合成される。
【0116】
本明細書において説明されるディスプレイは、画像または他の光パターンを表示するよう1または複数の位相変調器および1または複数の振幅変調器を制御するように構成されるコントローラ、それにより画像データが供給される入力またはデータストア、(レーザ、他のソリッドステート光源、または他の光源を全体的に備え得る)光源、プロジェクションレンズ、ディスプレイスクリーン(前方または後方投影)、光路における他の光学素子(例えば、レンズ、ミラー、コリメータ、拡散器等)、電源、合焦システム、熱管理システム等、明確性のために示されていない他の素子を含み得る。用語の解釈
【0117】
文脈上他の解釈を明らかに要求していない限り、本明細書および請求項の全体を通じて、「備え」、「備える」および同様のものは、排他的または網羅的な意味とは対照的に、包括的な意味で、つまり、「を含むがそれらに限定されない」という意味で解釈されるべきである。「接続され」、「結合され」またはそれらのあらゆる変形は、直接または間接いずれであれ、2つまたはそれより多くの素子の間のあらゆる接続または結合を意味し、当該素子間の結合または接続は、物理的、論理的またはそれらの組み合わせであり得る。「本明細書に」、「上記」、「以下」および類似の趣旨の語は、本明細書を説明するために用いられている場合、本明細書全体を指すものとし、本明細書のいかなる特定の部分も指さないものとする。2つまたはそれより多くの項目のリストを参照する際、「または」は、この語の以下の解釈、つまり、当該リストにおける当該項目のいずれか、当該リストにおける当該項目の全て、および当該リストにおける当該項目のあらゆる組み合わせの全てを包含する。「1つ」、「一」および「その」という単数形は、あらゆる適切な複数形の意味も含む。
【0118】
本明細書およびあらゆる添付の請求項において用いられる「鉛直」、「横」、「水平」、「上方」、「下方」、「前方」、「後方」、「内側」、「外側」、「鉛直」、「横」、「左」、「右」、「前」、「後」、「上部」、「下部」、「下の方」、「上の方」、「下」および同様のものなどの方向を示す語(存在する場合)は、説明され、示される装置の具体的な向きに依存する。本明細書において説明される主題は、様々な代替的な向きを想定し得る。従って、これら方向についての用語は、厳密には定義されず、狭義に解釈されるべきではない。
【0119】
本発明の実施形態は、特定的に設計されたハードウェア、構成可能なハードウェア、データプロセッサ上で実行可能なソフトウェア(オプションで「ファームウェア」を備え得る)の提供により構成されるプログラマブルデータプロセッサ、本明細書において詳細に説明される方法における1または複数の段階を実行するように特定的にプログラミングされるか、構成されるか、または構築される専用コンピュータまたはデータプロセッサおよび/またはこれらのうちの2つまたはそれより多くの組み合わせを含む制御システムを用いて実装され得る。特定的に設計されたハードウェアの例は、論理回路、特定用途向け集積回路(「ASIC」)、大規模集積回路(「LSI」)、超大規模集積回路(「VLSI」)および同様のものである。構成可能なハードウェアの例は、プログラマブルアレイロジック(「PAL」)、プログラマブルロジックアレイ(「PLA」)およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)などの1または複数のプログラマブルロジックデバイスである。プログラマブルデータプロセッサの例は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(「DSP」)、組み込みプロセッサ、グラフィックスプロセッサ、数値演算コプロセッサ、汎用コンピュータ、サーバコンピュータ、クラウドコンピュータ、メインフレームコンピュータ、コンピュータワークステーションおよび同様のものである。例えば、デバイス用の制御回路における1または複数のデータプロセッサが、それらプロセッサがアクセス可能なプログラムメモリにおけるソフトウェア命令を実行することにより、本明細書において説明される方法を実装し得る。
【0120】
処理は集中化または分散され得る。処理が分散される場合、ソフトウェアおよび/またはデータを含む情報は、集中化または分散されたままであり得る。そのような情報は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)またはインターネット、有線データリンクまたは無線データリンク、電磁信号または他のデータ通信チャネルなどの通信ネットワークにより、異なる機能ユニット間で交換され得る。
【0121】
例えば、処理またはブロックが所与の順序で示されているが、代替的な例が、異なる順序で、段階を有するルーチンを実行し得、またはブロックを有するシステムを使用し得る。また、いくつかの処理またはブロックが、代替物または部分的組み合わせを提供するために、削除され、移動され、追加され、細分化され、組み合わされ、および/または修正され得る。これらの処理またはブロックの各々は、様々な異なる手法で実装され得る。また、処理またはブロックが、連続して実行されるものとして時々示されているが、これらの処理またはブロックは、代わりに、並行して実行され得るか、または異なる時点で実行され得る。
【0122】
加えて、要素が連続して実行されるものとして時々示されているが、それらは、代わりに、同時に、または異なる順序で実行され得る。従って、以下の請求項が、そのような変形例の全てを、意図される範囲内に含むものと解釈されることが意図されている。
【0123】
ソフトウェアおよび他のモジュールは、サーバ、ワークステーション、パーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータ、画像データエンコーダ、画像データデコーダ、PDA、動画プロジェクタ、AVレシーバ、ディスプレイ(テレビなど)、デジタルシネマプロジェクタ、メディアプレーヤおよび本明細書において説明される目的に好適な他のデバイス上に存在し得る。当業者であれば、本システムの態様が、民生用電子機器(例えば、動画プロジェクタ、AVレシーバ、テレビなどのディスプレイ、および同様のもの)、セットトップボックス、ネットワークPC、小型コンピュータ、メインフレームコンピュータおよび同様のものを含む、他の通信、データ処理またはコンピュータシステム構成で実施され得ることを理解するであろう。
【0124】
本発明は、プログラム製品の形態でも提供され得る。プログラム製品は、データプロセッサにより実行された場合に当該データプロセッサに本発明の方法を実行させるコンピュータ可読命令のセットを保持する任意の非一時的媒体を備え得る。本発明に従ったプログラム製品は、多種多様な形態のいずれでもあり得る。プログラム製品は、例えば、フロッピー(登録商標)ディスクを含む磁気データ記憶媒体、ハードディスクドライブ、CD-ROM、DVDを含む光学データ記憶媒体、ROM、フラッシュRAM、EPROMを含む電子データ記憶媒体、ハードウェアに組み込まれているかまたは予めプログラミングされているチップ(例えば、EEPROM半導体チップ)、ナノ技術メモリまたは同様のものなどの非一時的媒体を備え得る。プログラム製品上のコンピュータ可読信号は、オプションで圧縮または暗号化され得る。
【0125】
いくつかの実施形態において、本発明は、ソフトウェアにおいて実装され得る。より明確にするために、「ソフトウェア」は、プロセッサ上で実行されるあらゆる命令を含み、ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードおよび同様のものを含み得る(が、それらに限定されない)。当業者に知られているように、処理ハードウェアおよび処理ソフトウェアの両方は、その全部または一部が、集中化または分散され得る(またはそれらの組み合わせであり得る)。例えば、ソフトウェアおよび他のモジュールは、ローカルメモリを介して、ネットワークを介して、分散型コンピューティング環境におけるブラウザまたは他のアプリケーションを介して、または上述の目的に好適な他の手段を介してアクセス可能であり得る。いくつかの実施形態において、画像データは、位相変調器用の制御信号を生じさせるために、ソフトウェア命令を実行するプロセッサにより処理される。当該ソフトウェアは、いくつかの実施形態(他の実施形態でも可能)において、リアルタイムで動作し得る。
【0126】
コンポーネント(例えば、ソフトウェアモジュール、プロセッサ、アセンブリ、デバイス、回路等)が上記で言及される場合、別段の記載がない限り、当該コンポーネントについての言及(「手段」についての言及を含む)は、本発明の実施形態の例示的な実施形態に示される機能を実行する開示されている構造物と構造的に等価ではないコンポーネントを含む、説明されるコンポーネントの機能を実行する(すなわち、機能的に等価である)あらゆるコンポーネントを、当該コンポーネントの等価物として含むものと解釈されるべきである。
【0127】
システム、方法および装置の具体的な例が、例示の目的で、本明細書において説明されてきた。これらは例に過ぎない。本明細書において提供される技術は、上述の例示的なシステム以外のシステムに適用され得る。多くの変更、修正、追加、省略および置換が、本発明の実施の範囲内で可能である。本発明は、当業者には明らかであろう、説明される実施形態の変形例を含む。当該変形例は、特徴、要素および/または動作を等価の特徴、要素および/または動作と置き換えること、異なる実施形態からの特徴、要素および/または動作を混合し一致させること、本明細書において説明される実施形態からの特徴、要素および/または動作を他の技術の特徴、要素および/または動作と組み合わせること、および/または説明される実施形態からの特徴、要素および/または動作を組み合わせることを省略することにより得られる変形例を含む。
【0128】
従って、以下の添付の請求項および今後導入される請求項は、合理的に推定され得るそのような全ての修正、置換、追加、省略および部分的組み合わせを含むものとして解釈されることが意図されている。特許請求の範囲は、例に記載されている好ましい実施形態により限定されるべきではなく、全体として説明と一貫した最も広い解釈が与えられるべきである。
[他の考え得る項目]
[項目1]
対応する色に関連付けられた一連のフィールドの各々について、前記対応する色に対応するパターンに従って光を空間変調するよう撮像素子を設定する段階と、前記撮像素子を前記対応する色の光で照射する段階とを備え、
前記撮像素子を前記対応する色の光で照射する段階は、前記撮像素子上の所望の位置へ前記対応する色の光をステアリングする働きをする位相パターンを提供するよう制御される位相変調器上へと前記対応する色の前記光を向ける段階を有し、
前記位相変調器は、前記一連のフィールドが示される周波数未満の周波数でリフレッシュされる、
カラー画像を投影するための方法。
[項目2]
別々の位相変調器が、複数の前記対応する色の各々について設けられ、
前記方法は、前記複数の対応する色のうちの1つに対応する、複数の前記位相変調器のうちの1つを、前記複数の対応する色のうちの異なる1つに対応するフィールド中にリフレッシュする段階を備える、
項目1に記載の方法。
[項目3]
前記位相変調器の別個の領域が、複数の前記対応する色の各々に関連付けられ、
前記撮像素子を前記対応する色の光で照射する段階は、前記対応する色に関連付けられた前記位相変調器の前記別個の領域が、前記撮像素子上の所望の位置へ前記対応する色の光をステアリングする働きをする前記位相パターンを提供するよう制御されている間、前記対応する色に関連付けられた前記位相変調器の前記別個の領域を照射するように前記対応する色の前記光を向ける段階を有する、
項目1に記載の方法。
[項目4]
前記複数の対応する色のうちの1つに対応する、前記位相変調器の複数の前記別個の領域のうちの1つを、前記複数の対応する色のうちの異なる1つに対応するフィールド中にリフレッシュする段階を備える、
項目3に記載の方法。
[項目5]
複数の前記別個の領域は異なるサイズを有する、
項目3に記載の方法。
[項目6]
前記複数の対応する色は青色を含み、青色に関連付けられた、前記複数の別個の領域のうちの1つは、前記複数の別個の領域のうちの他の少なくとも1つよりも大きい、
項目5に記載の方法。
[項目7]
前記複数の対応する色は緑色を含み、緑色に関連付けられた、前記複数の別個の領域のうちの1つは、前記複数の別個の領域のうちの他の少なくとも1つよりも大きい、
項目5に記載の方法。
[項目8]
表示されている画像における前記複数の対応する色についての相対的な出力レベルに基づいて、前記複数の別個の領域の相対的なサイズを制御する段階を備える、
項目5に記載の方法。
[項目9]
前記複数の対応する色のうちのいくつかまたは全てを、前記位相変調器の複数の前記別個の領域のうちの異なるものに周期的に再び割り当てる段階を備える、
項目3に記載の方法。
[項目10]
前記一連のフィールドは、一連のフレームの各々において1回繰り返し、
前記方法は、前記一連のフレームの各々において、前記複数の対応する色のうちのいくつかまたは全てを、前記位相変調器の複数の前記複数の別個の領域のうちの異なるものに再び割り当てる段階を備える、
項目9に記載の方法。
[項目11]
複数の前記対応する色の各々について同じ位相パターンが用いられる、
項目1に記載の方法。
[項目12]
複数の前記対応する色は、赤色、緑色および青色を含む、
項目1から11のいずれか一項に記載の方法。
[項目13]
前記撮像素子を前記対応する色の光で照射する段階は、前記対応する色の追加の光を、前記位相変調器によりステアリングされた前記光と合成する段階をさらに有する、
項目1から12のいずれか一項に記載の方法。
[項目14]
前記追加の光を、前記位相変調器によりステアリングされた前記光と合成する段階により、前記撮像素子を共通の方向から照射する光ビームが生成される、
項目13に記載の方法。
[項目15]
前記追加の光は、前記位相変調器により生成されたDCスポットから集められた光を含む、
項目13または14に記載の方法。
[項目16]
前記追加の光は、追加の光源からの光を含む、
項目13から15のいずれか一項に記載の方法。
[項目17]
前記位相変調器によりステアリングされた前記光は、第1偏光を有し、前記追加の光は、前記第1偏光とは異なる第2偏光を有し、前記位相変調器によりステアリングされた前記光は、偏光ビームスプリッタにおいて前記追加の光と合成される、
項目15または16に記載の方法。
[項目18]
前記位相変調器によりステアリングされた前記光は、第1波長を有し、前記追加の光は、前記第1波長とは異なる第2波長を有し、前記位相変調器によりステアリングされた前記光は、ダイクロイック素子において前記追加の光と合成される、
項目15または16に記載の方法。
[項目19]
前記第1波長と前記第2波長とは20nmまたは20nm未満だけ異なる、
項目18に記載の方法。
[項目20]
光源は、2つの偏光状態の成分を有する光を発し、
前記方法は、発せられた前記光の前記成分を分離する段階を備え、
前記追加の光は、発せられた前記光の前記成分の一方を含み、
前記位相変調器によりステアリングされた前記光は、発せられた前記光の前記成分の他方で構成される、
項目13から17のいずれか一項に記載の方法。
[項目21]
発せられた前記光に偏光シフト素子を通過させることにより前記2つの偏光状態の前記成分の相対的な強度を変える段階と、
分離された前記成分の各々における前記光の割合を投影されている画像の明度に基づいて変化させるよう前記偏光シフト素子を制御する段階とを備える、
項目20に記載の方法。
[項目22]
前記偏光シフト素子は半波長板を含み、
前記偏光シフト素子を制御する段階は、前記半波長板を回転させる段階を有する、
項目21に記載の方法。
[項目23]
カラー画像を投影するための方法であって、
撮像素子をある色の入射光で照射する段階と、
前記入射光を空間変調するよう前記撮像素子を動作させる段階と
を備え、
前記撮像素子を照射する段階は、前記カラー画像における前記色の明度または出力レベルに基づいて、
I)第1モードで動作する段階であって、前記撮像素子上の所望の位置へ前記色の光をステアリングする働きをする位相パターンを提供するよう制御される位相変調器上へと前記色の前記光が向けられる、段階と、
II)第2モードで動作する段階であって、
a.前記色の光が、前記位相変調器と相互作用することなく、光源から前記撮像素子上へと向けられるか、または
b.前記色の光が、前記撮像素子上の所望の位置へ前記色の前記光をステアリングする働きをする位相パターンを提供するよう制御される前記位相変調器上へと向けられ、前記色の追加の光と合成され、合成された前記光が前記撮像素子上へと向けられるか
のいずれかである、段階と
を選択的に有する、
方法。
[項目24]
ある色の光を撮像素子上の所望の位置へステアリングする働きをする位相パターンを提供するよう制御される位相変調器上へと前記色の光を向け、
前記色の追加の光をステアリング済みの前記光と合成し、
前記ステアリング済みの光と前記追加の光とを含む合成された前記光を前記撮像素子上へと向ける
ことにより、前記撮像素子を前記色の前記光で照射する段階を備える、
画像を投影するための方法。
[項目25]
前記追加の光は拡散している、
項目24に記載の方法。
[項目26]
前記追加の光を前記位相変調器によりステアリングされた前記ステアリング済みの光と合成する段階により、共通の方向から前記撮像素子を照射する光ビームが生成される、
項目24または25に記載の方法。
[項目27]
前記追加の光は、前記位相変調器により生成されたDCスポットから集められた光を含む、
項目24から26のいずれか一項に記載の方法。
[項目28]
前記追加の光は、追加の光源からの光を含む、
項目24から27のいずれか一項に記載の方法。
[項目29]
前記位相変調器によりステアリングされた前記光は、第1偏光を有し、前記追加の光は、前記第1偏光とは異なる第2偏光を有し、前記位相変調器によりステアリングされた前記光は、偏光ビームスプリッタにおいて前記追加の光と合成される、
項目27または28に記載の方法。
[項目30]
前記位相変調器によりステアリングされた前記光は、第1波長を有し、前記追加の光は、前記第1波長とは異なる第2波長を有し、前記位相変調器によりステアリングされた前記光は、ダイクロイック素子において前記追加の光と合成される、
項目28または29に記載の方法。
[項目31]
前記第1波長と前記第2波長とは、20nmまたは20nm未満だけ異なる、
項目30に記載の方法。
[項目32]
前記色の前記光は、2つの偏光状態の成分を有する光を発する光源により発せられ、
前記方法は、発せられた前記光の前記成分を分離する段階を備え、
前記追加の光は、発せられた前記光の前記成分の一方を含み、
前記位相変調器によりステアリングされた前記光は、発せられた前記光の前記成分の他方で構成される、
項目24から31のいずれか一項に記載の方法。
[項目33]
発せられた前記光に偏光シフト素子を通過させ、分離された前記成分の各々における前記光の割合を投影されている画像の明度に基づいて変化させるよう前記偏光シフト素子を制御することにより、前記2つの偏光状態の前記成分の相対的な強度を変える段階を備える、
項目32に記載の方法。
[項目34]
ステアリング済みの光を含む第1ビームと、均一に分散された光を含む第2ビームとを有する複数の合成された光ビームで空間振幅変調器を照射する段階を備える、
画像を表示するための方法。
[項目35]
前記第1ビームと前記第2ビームとを合成する前に、前記第2ビームにおける前記光を均質化する段階を備える、
項目34に記載の方法。
[項目36]
前記第1ビームにおける前記光を空間変調する段階を備える、
項目34または35に記載の方法。
[項目37]
前記第1ビームにおける前記光を空間変調する段階は、前記第1ビームを位相変調する段階を有する、
項目36に記載の方法。
[項目38]
前記第1ビームは、空間変調される前は均一である、
項目37に記載の方法。
[項目39]
前記第1ビームにおける前記光および前記第2ビームにおける前記光は、対応する分離可能な第1偏光状態および第2偏光状態にある、
項目34から38のいずれか一項に記載の方法。
[項目40]
前記第1ビームおよび前記第2ビームは、前記第1偏光状態および前記第2偏光状態を含む光を生成する光源から生じる、
項目39に記載の方法。
[項目41]
前記第1偏光状態および前記第2偏光状態はそれぞれ、P偏光状態およびS偏光状態であるか、またはS偏光状態およびP偏光状態である、
項目39または40に記載の方法。
[項目42]
前記光源は、前記第1偏光状態の光および前記第2偏光状態の光をそれぞれ発する第1発光素子および第2発光素子を含む、
項目40に記載の方法。
[項目43]
前記光源は、単一の発光素子を含む、
項目40に記載の方法。
[項目44]
偏光ビームスプリッタを用いて、前記光源からの光を前記第1ビームおよび前記第2ビームに分割する段階を備える、
項目43に記載の方法。
[項目45]
前記光源は、偏光光源と、回転可能な半波長板とを含む、
項目40に記載の方法。
[項目46]
前記回転可能な半波長板を回転させることにより前記第1ビームおよび前記第2ビームの相対的な強度を変化させる段階を備える、
項目45に記載の方法。
[項目47]
偏光ビームスプリッタを用いて、前記光源からの光を前記第1ビームおよび前記第2ビームに分割する段階を備える、
項目45または46に記載の方法。
[項目48]
前記第1ビームは第1光源から生じ、前記第2ビームは第2光源から生じる、
項目39に記載の方法。
[項目49]
前記第1光源の波長は、前記第2光源の波長から約5nmから約20nmの範囲内である、
項目48に記載の方法。
[項目50]
前記第1光源および前記第2光源の前記波長は、同じ色の2つのシェイドである、
項目49に記載の方法。
[項目51]
合成器を用いて前記第1ビームと前記第2ビームとを合成する段階をさらに備える、
項目48から50のいずれか一項に記載の方法。
[項目52]
前記第1ビームにおける前記光および前記第2ビームにおける前記光は、対応する分離可能な第1波長および第2波長の範囲内である、
項目34から38のいずれか一項に記載の方法。
[項目53]
前記第2ビームの経路における開口を調整することにより前記第2ビームを絞る段階を備える、
項目34から52のいずれか一項に記載の方法。
[項目54]
カラー画像を表示する場合に複数の色チャネルの各々について実行される、
項目34から53のいずれか一項に記載の方法。
[項目55]
別々の原色の3つまたはそれより多くのチャネルを合成するフルカラーシステムであって、
前記別々の原色の各々は、項目34から54のいずれか一項に記載の方法に従って届けられる、
フルカラーシステム。
[項目56]
前記第1ビームおよび前記第2ビームの各々における光が、類似の、小さいエタンデュまたはスプレッドを有する、
項目55に記載のフルカラーシステム。
[項目57]
カラー画像を投影するための装置であって、
各々が、対応する色に関連付けられ、かつ、前記対応する色の光源を有する複数の色チャネルと、
少なくとも1つの位相変調器と、
撮像素子と、
前記少なくとも1つの位相変調器による位相変調を含む経路により前記撮像素子を照射するように、前記複数の色チャネルの各々の前記光源からの光を向けるよう配置された光学素子と、
各々が前記複数の色チャネルのうちの1つの前記対応する色に関連付けられた一連のフィールド内で画像を投影するよう前記光源と、前記少なくとも1つの位相変調器と、前記撮像素子とを制御するために接続された制御システムであって、前記フィールドにおいて、前記対応する色に対応するパターンに従って光を空間変調するよう前記撮像素子を設定する働きをし、かつ、前記少なくとも1つの位相変調器により位相変調され、前記撮像素子上へと向けられる光を発するよう前記対応する色の前記光源を制御する働きをする制御システムと
を備え、
前記制御システムはさらに、前記一連のフィールドが示される周波数未満の周波数で前記少なくとも1つの位相変調器が前記光を前記複数の色チャネルの各々に変調する位相パターンをリセットする、
装置。