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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】骨移植片製造装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/17 20060101AFI20240326BHJP
   A61F 2/28 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
A61B17/17
A61F2/28
【請求項の数】 4
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022186640
(22)【出願日】2022-11-22
(62)【分割の表示】P 2020535318の分割
【原出願日】2018-09-12
(65)【公開番号】P2023010894
(43)【公開日】2023-01-20
【審査請求日】2022-11-22
(31)【優先権主張番号】1714634.1
(32)【優先日】2017-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】516151748
【氏名又は名称】プロメテウス サージカル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】デソーター,ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】デソーター,ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ブロック,クリストファー
【審査官】山口 賢一
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-240020(JP,A)
【文献】特開2017-124193(JP,A)
【文献】特開2005-063074(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/17
A61F 2/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨移植片を製造するために骨のセクションを修正するための製造装置であって、前記製造装置は:
前記骨のセクションを受け入れるとともに外科手術部位の型を受け入れるためのマウントと;
型表面データおよび患者の解剖学的構造の解剖学的特徴を表す画像データに基づいて計画された骨移植片の形状を決定するための前記型表面データを生成するために、前記型の表面の形状を記録するように構成される表面形状記録器であって、前記表面形状記録器はさらに、前記骨のそのセクションを前記製造装置および前記計画された骨移植片の形状に位置合わせするための表面データを生成するために、前記マウントによって受け入れられ前記骨のセクションの表面の形状を記録するように構成される、表面形状記録器と;
切削要素を前記製造装置に結合するように構成される切削要素または結合部と;
前記切削要素に結合されるとき、前記骨のセクションを前記計画された骨移植片の形状の少なくとも一部に合致するように、前記切削要素を駆動するように構成される駆動機構と;
を有する、
製造装置。
【請求項2】
交換可能な複数の切削要素のセットを保持するためのさらなるマウントをさらに有し、前記製造装置は、前記切削要素を交換するように構成される
請求項1に記載の製造装置。
【請求項3】
前記患者の前記解剖学的構造の前記解剖学的特徴を表す前記画像データに基づいて、前記計画された骨移植片の形状を決定するように構成されるプロセッサをさらに有する、
請求項1又は2に記載の製造装置。
【請求項4】
前記型表面データおよび前記患者の前記解剖学的構造の前記解剖学的特徴を表す前記画像データに基づいて、前記計画された骨移植片の形状を決定するように構成されるプロセッサをさらに有する、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、骨移植片製造装置、外科用ガイド製造装置(surgical guide production apparatuses)、外科用ガイド製造装置用の切削アタッチメント(cutting attachments)、外科用ガイドキャリア(surgical guide carriers)、および成形性材料キャリア(mouldable material carrier)に関する。
【背景技術】
【0002】
外科医はしばしば、正しい位置で患者に切開を行うことを確実にするために外科用ガイドを使用する。例えば、オステオパシー(osteopathy)では、外科用ガイドが、外科医が正しい位置に正しい軸に沿って穴を開けることを確実にするために一般的である。患者の解剖学的構造は様々であるため、外科用ガイドは、各患者に対して手術ごとにカスタマイズされなければならないことが多い。
【0003】
付加的な製造は、患者のスキャンに基づく外科用ガイドを作成するために利用することができるが、これらのガイドは、しばしば、患者との適合性が不良である。これは、ガイドが骨などの硬い解剖学的特徴の幾何学的形状に適合するように設計されることができるからである;しかし、実際には、外科医は周囲の軟組織の全てを除去するわけではない。従って、残りの軟組織は、外科用ガイドの適合性を不良にし、それによって、外科処置の精度を低下させることがある。
【0004】
上記の問題に対処するために、特許文献1(その全体は参照により本明細書に組み込まれる)は、手術中に手術部位のインプレッション(印象(impression))を採取する方法を提案する。次いで、外科医が現在の手術部位に正確に適合する外科用ガイドを有するように、手術室内に配置された外科用ガイド製造装置を用いて、印象を迅速に修正(例えば、適切なガイドホールまたはガイドフィーチャをドリル加工することによって)することができる。
【0005】
上述の方法は、外科用ガイドを製造する迅速かつ効果的な方法を提供するが、手術室などの滅菌環境内に製造装置を設けることに関連する問題がある。
【0006】
製造装置は、しばしばドリルビット又は他の切削(cutting)要素を用いて、印象に穴を開ける又は切開部を作る。これは、滅菌された器具を含む、周辺領域を汚染する可能性のある破片を作り出すことがある。
【0007】
加えて、いくつかの可動部品を持つ大型医療機器を滅菌することは、しばしば困難である。滅菌手順は、手術終了後、製造装置を使用できない期間があることを意味する。これは、製造器具が滅菌されるまでは、同様の手術を行うことができないか、病院が、1つが滅菌されているときに使用するための追加の製造装置を購入しなければならないことを意味する。
【0008】
さらに、看護師と外科医は手術中に手術室の滅菌領域を維持しなければならない。製造装置のいくつかの部品は滅菌されることができるが、他の部品は、コストを節約し、滅菌工程を迅速化するために滅菌されないことがある。従って、製造装置を使用している看護師または医師が、誤って非滅菌領域に触れるかもしれない危険性がある。これは、看護師や医師が治療者の身体又は衣服の冒された部分を再滅菌せずに働き続ける場合、手術室内の滅菌野が汚染されることを引き起こし得る。これは、看護師又は医師が滅菌した衣服を交換するために又は再度手や腕を洗って汚染された皮膚を滅菌するために作業を中止しなければならないことをもたらす。
【0009】
従って、手術室内の滅菌環境を維持するのを助けるために、改良された外科用ガイド製造装置および関連するアタッチメントに対する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】国際公開第2015/075423号
【発明の概要】
【0011】
本発明の第1の態様によれば、外科用ガイド製造装置に使用するための切削アタッチメントが提供され、切削アタッチメントは:切削要素と;切削要素が手術部位の印象を修正するように駆動機構によって駆動されて外科用ガイドを製造することができるように、切削要素を外科用ガイド製造装置の駆動機構に接続するためのコネクタと;印象の修正中に汚染物が切削領域に入る又は切削領域から出るのを防ぐことを助けるために切削領域を囲むように切削要素の周りに位置決めされるように構成される保護バリアと;を有する。
【0012】
切削アタッチメントに一体化された保護バリアを設けることにより、保護バリアは、切削アタッチメント及び外科用ガイド製造装置の滅菌部分をシールドするのに役立ち、修正中の手術部位の印象の汚染を回避するのに役立つことができる。
【0013】
保護バリアは、硬質(rigid)であっても可撓性(flexible)であってもよい。保護バリアが可撓性である場合(例えば、バリアドレープなどの可撓性シート)、ユーザは、切削アタッチメントを保護バリアが切削要素の周囲に巻かれた状態で把持して、切削要素が外科用ガイド製造装置に取り付けられているときに切削要素をシールドするのを助けることができる。
【0014】
使用時には、保護バリアは、例えば切削領域を囲む又は取り囲むように保護バリアを持ち上げることによって、切削領域の周囲に位置決めされ得る。切削領域は、切削要素、外科用ガイドおよび局所的な周囲空間を含み得る。従って、切削領域は、外科用ガイドが修正され得る空間を囲む容積であり得る。
【0015】
保護バリアは、切削要素の周囲に360°のシールを形成するように切削要素に接続され得る。これは、保護バリアと切削要素との間に破片(debris)が通過できないことを確実にする。
【0016】
有利には、切削アタッチメントは、保護バリアに接続され、切削領域の周りに保護バリアを位置決めするために動かされるように構成されるサポート(support)をさらに有し得る。
【0017】
サポートは、外科用製造装置が保護バリアを切削領域の周りの位置に移動させることができるように、外科用製造装置の被駆動サポートアームに結合されるように構成され得る。
【0018】
加えて、切削アタッチメントは、保護バリアの中間部を切削領域の基部において外科用ガイド製造装置の基部に接続するためのコネクタをさらに有し得る。保護バリアがバリアドレープなどの可撓性シートである場合、これは、直線的な壁が切削領域の周辺に設けられることを確実にするのを助けることができ、また、切削要素が外科用ガイド製造装置によって移動されることを可能にするように、保護バリア内の十分な緩みがベースに設けられることを確実にするのを助けることができる。
【0019】
有利には、保護バリアは可撓性シートを含み得る。これは、滅菌バリアを損なうことなく、修正中に切削要素が動かされることを可能にする。
【0020】
有利には、切削アタッチメントは、保護バリアに接続され、保護バリアが切削領域に入るのを防止するために切削領域の周りに位置決めされるように構成される1つ又は複数のサポートフレームをさらに有し得る。保護バリアが可撓性シートである場合、これは、シートが、たるむ、波打つ(billowing)、湾曲する(bowing into)、または切削領域に衝突するのを防止するのに役立つことができる。
【0021】
切削アタッチメントは、保護バリアの少なくとも一部を製造装置の基部に対して位置決めするために、保護バリアを押し下げる(weigh down)ように構成される下部サポートフレームを有し得る。代替的に、又は、加えて、下部サポートフレームは、製造装置の基部に結合するように構成され得る。
【0022】
切削要素は、電動工具用の切削要素を含み得る。これは、任意の電動工具切削要素、例えば、電動工具による切削動作において作動され得る任意の工具であり得る。これは、ドリルビット、鋸、バー、リーマ、ナイフ、針、または任意の他の適切な切削要素であり得る。電動工具は、大量の破片を発生させる可能性がある。この場合、保護バリアは、切削からの破片による周辺領域の汚染を防止するという付加的な機能を果たす。
【0023】
有利には、切削アタッチメントは、滅菌され得るか、または滅菌されるように構成され得る。この実施形態では、切削アタッチメントは、購入前に、またはエンドユーザによる、滅菌に適した材料から製造されるべきである。これは、手術室などの滅菌環境で使用され得ることを確実にする。
【0024】
有利には、切削アタッチメントは、外科用ガイド製造装置が、正しいタイプの切削アタッチメントが取り付けられた(fitted)ことを検証することができるように、切削アタッチメントのタイプを示し、外科用ガイド製造装置によって読み取られるように構成されるコーディング要素をさらに有し得る。これは、外科用ガイドを製造するときのエラーを防止するのに役立つ。
【0025】
コーディング要素は、無線周波数識別(RFID)チップ、バーコード、QRコード(登録商標)、メモリデバイス(例えば、フラッシュ)、または任意の他の形態の機械可読媒体であり得る。例えば、コーディング要素は、例えば、光学センサまたはボタンの構成を介して、製造装置によって読み取られ得る、その物理的形状を介して切削要素のタイプをエンコードし得る。異なるタイプの切削アタッチメントは、異なるタイプの切削要素(例えば、ドリル、バー等)、異なる長さまたは直径の切削要素、異なる材料の切削要素および/または異なるメーカーの切削アタッチメントを含み得る。
【0026】
本発明の第2の態様によれば、外科用ガイド製造装置に取り付けるための外科用ガイドキャリアが提供され、外科用ガイドキャリアは:外科用ガイド製造装置のマウントに外科用ガイドキャリアを取り付けるためのコネクタと;印象が外科用ガイドキャリア内に保持されるとき、および、外科用ガイドキャリアが外科用ガイド製造装置に取り付けられるとき、外科用ガイド製造装置が、印象を修正して外科用ガイドを製造することができるように、手術部位の印象を受容し、解放可能に保持する結合部と;外科用ガイドと外科用ガイド製造装置の少なくとも一部との間にバリアを提供するために、外科用ガイド製造装置の少なくとも一部の周りに位置決めされるように構成される保護バリアと;を有する。
【0027】
手術部位の印象は、結合部を介して外科用ガイドキャリアに結合されるように構成される成形性材料キャリア上に取られ得る。保護バリアを提供することによって、手術部位の印象は、滅菌されていない可能性がある外科用ガイド製造装置のセクションから保護され得る。これは、可動部品を有する装置を滅菌することが困難であり、手術間の外科用ガイド製造装置のダウンタイムを減少させるので、有利である。また、保護バリアは、印象の修正からの破片が外科用ガイド製造装置を汚染することを防止するのに役立つ。
【0028】
保護バリアは、保護バリアと結合部との間に360°のシールを提供するように、結合部に接続され得る。これは、汚染物質が保護バリアと結合部との間を通過するのを妨げる。
【0029】
外科用ガイドキャリアは、予め規定された位置および向きで製造装置に取り付けられるように構成され得る、および/または、製造装置に対する外科用ガイドキャリアの位置および/または向きが決定されることを可能にするために基準マーカを有し得る。
【0030】
有利には、外科用ガイドキャリアは、滅菌され得る、または、滅菌されるように構成され得、保護バリアは、修正中の印象の汚染を防止するのを助けるように、滅菌バリアを提供し得る。これは、手術室などの滅菌環境で使用され得ることを確実にする。
【0031】
有利には、保護バリアは、可撓性であり得る。これは、可撓性シートであり得る。これは、滅菌バリアを損なうことなく、修正中に結合部が移動することを可能にする。
【0032】
一実施形態では、外科用ガイドキャリアは、保護バリアが外科用ガイド製造装置のマウントを囲むように、保護バリアが外科用ガイド製造装置に固定され得るように構成される。これは、外科用ガイドキャリアを外科用ガイド製造装置に取り付けるとき、および成形性材料キャリアを取り付けるまたは取り外すときに、マウントからの起こりえる汚染からユーザの手を保護する。さらに、マウントは、印象が修正のために適切に位置決めされることを可能にする回転機構上に配置され得るまたはそれを含み得る。このようなメカニズムは滅菌が困難なことがある。したがって、マウント(および、おそらく、回転機構も)を囲むための保護バリアを設けることは、製造装置のこの部分を滅菌する必要を回避する。
【0033】
外科用ガイドキャリアは、保護バリアに接続されるサポートフレームをさらに有し得、サポートフレームは、開口部であって、その中に外科用ガイド製造装置のマウントが収容され得るとともに、サポートフレームが外科用ガイド製造装置の固定セクション上に嵌合できるように、開口部が、第1の構成から第1の構成より大きい第2の構成に拡張され得るように構成され得る、開口部を形成し、サポートフレームが、解放されるとき、固定セクションの上に保護バリアを固定するよう第1の構成に戻るように、サポートフレームは、第1の構成に向かって付勢される。これは、製造装置に対する保護バリアを確保するための簡単な機構を提供する。
【0034】
外科用ガイドキャリアは、さらに、サポートフレームに接続され、開口部を第1の構成から第2の構成に拡張するようサポートフレームが拡張力を受けることを可能にするように構成される1つ又は複数のレバーを有し得る。1つまたは複数のレバーは、製造装置に保護バリアを固定するときにユーザの手を製造装置から遠ざけることを助けるように開口部から離れて突出する1つまたは複数の対応するハンドルに組み込まれ得る。
【0035】
有利には、サポートフレームは:各々が、ロック部材が開口部内に突出する第1の位置に向かって付勢されるように構成され、開口部を拡張するように第1の位置から第2の位置に移動可能であるように構成される、1つ又は複数のロック部材;または開口部を拡張するように拡張可能であるように構成される弾性ループ;を有し得る。
【0036】
有利には、外科用ガイドキャリアは、サポートフレームに接続され、開口部から離れて突出するハンドルをさらに有し得る。これは、偶発的な汚染を避けるために製造装置に保護バリアを取り付けるときに、ユーザの手を製造装置から離れて位置決めすることを助ける。
【0037】
外科用ガイドキャリアは、さらに、結合部がその上に配置される回転可能なセクションを有し得、回転可能なセクションは、結合部が外科用ガイドの製造のための位置に回転されることができるように、外科用ガイド製造装置から回転力を受けるように構成される。
【0038】
有利には、外科用ガイドキャリアは、外科用ガイドキャリアのタイプを示し、外科用ガイド製造装置が、正しいタイプの外科用ガイドキャリアが取り付けられたことを検証できるように外科用ガイド製造装置によって読み取られるように構成されるコーディング要素をさらに有し得る。コーディング要素は、無線周波数識別(RFID)チップ、バーコード、QRコード、メモリデバイス(例えば、フラッシュ)、または任意の他の形態の機械可読媒体であり得る。例えば、コーディング要素は、例えば、光学センサまたはボタンの構成を介して、製造装置によって読み取られ得る、その物理的形状を介して外科用ガイドキャリアのタイプをエンコードし得る。異なるタイプの外科用ガイドキャリアは、異なるタイプのキャリア(例えば、異なるタイプの印象/外科用ガイド)、異なるサイズまたは形状のキャリア、異なる材料の外科用ガイドキャリアおよび/または異なるメーカーの外科用ガイドキャリアを含み得る。
【0039】
本発明の第3の態様によれば、手術部位の印象を製造するのに使用するための成形性材料キャリアが提供され、成形性材料キャリアは、成形性材料がその上に分配され得る第1の表面を有し:成形性材料キャリア内に入口が形成され、その中に成形性材料が押し込まれ(urged into)、内部キャビティが成形性材料キャリア内に形成され、内部キャビティは入口に接続され;複数の開口部が、第1の表面に形成されるとともに、成形性材料が入口に押し込まれるとき、成形性材料が内部キャビティに受け入れられ、成形性材料が第1の表面にわたって分配されるように開口部から押し出される(urged out of)ように、内部キャビティに接続される。
【0040】
開口部および内部キャビティは、成形性材料を均一に分配するのに役立つ。注入器(syringe)は、成形性材料を成形性材料キャリアに注入するための成形性材料キャリア(例えば、部品のキット)を備え得る。注入器は、適切な量の材料が成形性材料キャリア内に注入されることを確実にするように、予め規定された量の成形性材料を収容し得る。
【0041】
入口は、第1の表面に対して成形性材料キャリアの反対側の表面内に中央に配置され得る。代替的には、入口は、成形性材料キャリアの側壁に配置され得る。これは、成形性材料を成形性材料キャリア内に注入することを容易にすることができる。開口部は、成形性材料の均一な分布を提供するために、第1の表面にわたって実質的に均一に分布され得る。代替的には、成形性材料キャリアは、より大量の成形性材料を第1の表面の中心に(例えば、第1の表面の開口部の分布、または内部キャビティの配置を通して)分配するように構成され得る。
【0042】
成形性材料キャリアは、2つ以上の部品で作られ(例えば、射出成形されたプラスチックから作られ)、(例えば、スナップフィッティング、ネジまたは他の固定手段を介して)一緒に組み合わされ得る、または(例えば、積層造形によって)単一部品として製造され得る。
【0043】
有利には、成形性材料キャリアは:所定の位置および向きで成形性材料キャリアを外科用ガイド製造装置に接続するための接続部;および/または、外科用ガイド製造装置上の成形性材料キャリアの位置および/または向きが決定されることを可能にするための基準マーカ;をさらに有し得る。これは、種々の要素を互いに位置合わせされることを可能にする。外科用ガイド製造装置への接続は、外科用ガイド製造装置に取り付けられた外科用ガイドキャリアを介して行うことができる。
【0044】
成形性材料キャリアは、さらに、グリップを提供するために外面に形成された1つ又は複数の突起または1つ又は複数の凹みを含み得る。グリップは、成形性材料キャリアを保持するためのグリップを形成するために、成形性材料キャリアの側壁または後壁にあることができる。代替的に、または加えて、グリップは、成形性材料を前面に固定するのを助けるために、第1の表面グリップ上にあり得る。成形性材料は、成形性材料を成形性材料キャリアに固定するのを助けるために、突起の周囲(または凹み内)で硬化し得る。
【0045】
有利には、入口は、成形性材料を供給するための注入器の受け入れのための円錐台形開口部で形成され得る。これは、皿穴(countersink)の形態であり得る。これは、ユーザが注入器を入口内で正確に位置合わせするのを助け、成形性材料が入口の外に戻って漏れ出ることを避けるために注入器が完全に挿入されるときに注入器の周囲にシールを提供するのを助ける。
【0046】
内部キャビティは、入口を第1の表面の開口部に接続するいくつかのトンネルから形成され得る。
【0047】
有利には、第1の表面の開口部は、1つ又は複数の開口部のセットを有し得、各開口部のセットは、対応する中心軸の周囲に星形パターンで分布された開口部を有し、内部トンネルは、中心軸に沿った点で中心に位置する開口部の各々を接続する。これは、成形性材料を第1の表面にわたって均一に分配するのに役立つ。星のパターンは、ある種のアスタリスクであり得る。
【0048】
有利には、内部キャビティは、1つ又は複数の分割セクション(splitting sections)から形成されることができ、各分割セクションは、入口に接続されるとともにそれを通って成形性材料が押し込まれ得る分割キャビティへ開口するエントリ部と、成形性材料の進行を少なくとも部分的に妨げるようにエントリ部の上に配置されるバリアと、バリアの周囲に配置される2つ以上の出口開口部とを有し、成形性材料が分割キャビティの中に、エントリ部を通って押し込まれるとき、成形性材料が分割され、対応する出口開口部を通って押し出されるようにする。これは成形性材料を分割するのに役立つ。
【0049】
有利には、バリアは、エントリ部の断面を完全に覆い得る(ただし、バリアは、エントリ部から離間されている)。エントリ部を覆うバリアを配置することによって、成形性材料は、出口開口部から外に押し出される前に、分割キャビティを満たすように強制される。これは、成形性材料の均一な分布を提供するのに役立つ。分割セクションの複数のステージが設けられ得、前のステージの各出口開口部は、対応する後の分割セクションのエントリ部に接続される。
【0050】
出口開口部は、バリアの中心から等距離に配置され得、成形性材料が実質的に等容積の成形性材料に分割されるように、等しい断面積を有し得る。これは、成形性材料の均一な分配を提供するのに役立つ。代替的には、1つ又は複数の分割セクションは、第1の表面の周囲よりも第1の表面の中心に、より大きい体積の成形性材料を提供するように配置され得る。
【0051】
本発明のさらなる態様によれば、外科用ガイドを製造するために手術部位の印象を修正するための外科用ガイド製造装置が提供され、外科用ガイド製造装置は:手術部位の印象を解放可能に受けるためのマウントと;切削要素を外科用ガイド製造装置に結合するように構成される結合部と;結合要素に結合されるときに、外科用ガイドを製造するために手術部位の印象を修正するように切削要素を駆動するように構成される駆動機構と;を有し、使用時に、駆動機構は、印象からの破片が修正されるときに印象から離れて落ちるように、マウントの下に配置される。マウントの下に駆動機構を位置決めすることは、印象/外科用ガイドから破片を除去するのに役立つ。
【0052】
駆動機構は、切削要素を駆動する(例えば、ドリルを回転させる)ためのモータと、切削要素を所定の位置に移動させ、切削要素を成形性材料に押し込む(urging)ためのモータとを有し得る。外科用ガイド製造装置は、その上にマウントが配置され、マウントを(水平方向に延びる)傾斜軸の周りで回転させ、印象を(傾斜軸から半径方向に延びる)ヨー軸の周りで回転させる、回転機構をさらに有する。これは、外科用ガイド製造装置が、修正のために印象を適切に位置決めすることを可能にする。回転機構は、外科用ガイドキャリア上に取り付けられた印象をヨー軸の周りに回転させるために外科用ガイドキャリアの回転可能なセクションを回転させるためのヨー軸駆動部材を含み得る。
【0053】
有利には、外科用ガイド製造装置は、保護バリアを外科用ガイド製造装置に解放可能に結合するように構成される保護バリア結合機構をさらに有し得、保護バリア結合機構は:保護バリアのセクションに結合するように構成される可動部分と;印象の修正中に汚染物が切削領域に入る又はそこから出ることを防ぐのを助けるために、マウントおよび結合部へのアクセスを可能にする第1位置から、保護バリアが切削要素および印象を含む切削領域の周囲に位置決めされる第2の位置に、部分を移動させるように構成される位置決め機構と;を有する。
【0054】
駆動機構をマウントの下に位置決めし、保護バリアが切削領域の周囲に位置決めされることを可能にすることにより、修正からの破片が、保護バリア内に効果的に封じ込められることができ、修正後に容易に廃棄されることができる。
【0055】
有利には、外科用ガイド製造装置は、外科用ガイドをマウントから隔離するために、外科用ガイド製造装置に第2の保護バリアをマウントの周りに配置される構成で解放可能に固定するように構成される固定セクションをさらに有する。これは、外科用ガイドからの破片が外科用ガイド製造装置を汚染するのを防止するのを助け、外科用ガイドの装填/取り外し時にマウントとの偶発的な接触を通じたユーザの偶発的汚染を防止する。
【0056】
外科用ガイド製造装置は、さらに:印象のための外科用ガイドキャリアおよび/または切削要素に取り付けられるコーディング要素を読み取るように構成されるセンサであって、コーディング要素は、切削要素の1つ又は複数の特性および/または印象のための外科用ガイドキャリアの1つ又は複数の特性を示すコードを記憶する、センサと;プロセッサであって:コードから1つ又は複数の特性を判定し、1つ又は複数の特性を1つ又は複数の期待特性と比較し;1つ又は複数の特性が1つ又は複数の期待特性と一致することを判定することに応答して、駆動機構が型を修正するように使用されることを可能にする;または1つ又は複数の特性が1つ又は複数の期待特性と一致しないことを判定することに応答して、駆動機構が印象を修正するために使用されることを防止する;ように構成される、プロセッサとを有し得る。これは、誤ったアタッチメントの使用を通じた生産ミスを防止するのに役立つ。
【0057】
さらなる実施形態は、骨移植片またはインプラントを製造するための製造装置と共に使用するように構成され得る。これは、外科用ガイド製造装置と共に使用するために構成されることに追加され得る、またはその代わりになり得る。同様に、製造装置自体は、一方または両方の用途のために構成され得る。例えば、外科用ガイド製造装置を参照して上述した特徴は、骨移植片を製造するために骨移植片を修正するための製造装置に等しく適用可能である。
【0058】
例えば、実施形態によれば、外科用製造装置に使用するための切削アタッチメントが提供され、切削アタッチメントは:切削要素と;外科用ガイド、外科用インプラントまたは外科用骨移植片を製造するために切削要素を駆動メカニズムによって駆動されることができるように、切削要素を製造装置の駆動機構に接続するためのコネクタと;印象の修正中に汚染物が切削領域に侵入するまたはそこから出ることを防ぐのを助けるために、切削領域を囲むよう切削要素の周囲に位置決めされるように構成される保護バリアと;を有する。
【0059】
さらに、さらなる実施形態によれば、外科用製造装置に取り付けるためのキャリアが提供され、キャリアは:キャリアを製造装置のマウントに取り付けるためのコネクタと;印象がキャリアに保持されるとき、およびキャリアが製造装置に取り付けられるとき、製造装置が、外科用ガイドまたは外科用インプラントを製造するために印象を修正することができるように、手術部位の印象を;または骨のセクションがキャリアに保持されるとき、およびキャリアが製造装置に取り付けられるとき、製造装置が骨移植片を製造するために骨のセクションを修正することができるように、骨のセクションを;受けおよび保持するための結合部と;マウントと製造装置の少なくとも一部との間にバリアを提供するように、製造装置の少なくとも一部の周りに位置決めされるように構成される保護バリアと;を有する。
【0060】
本発明のさらなる態様によれば、骨移植片を製造するために骨のセクションを修正するための製造装置が提供される。製造装置は、骨のセクションを受け入れるためのマウントと;骨のそのセクションを製造装置および計画された骨移植片の形状に位置合わせする(registering)ための表面データを生成するために、マウントによって受け入れられる骨のセクションの表面の形状を記録するための表面形状記録器と;切削要素を製造装置に結合するように構成される切削要素又は結合部と;結合要素に結合されるとき、骨のセクションを計画された骨移植片の形状の少なくとも一部に合致するように、切削要素を駆動するように構成される駆動機構と;を有する。
【0061】
これは、骨移植片が、計画された骨移植片の形状に基づいて、より正確に形成されることを可能にする。骨のセクションは、骨移植片を製造するのに使用するために患者から採取された骨の切除されたまたは切断された部分であり得る。計画された骨移植片の形状は、患者の解剖学的特徴の画像データ(例えば、CTまたはMRI画像データ)および/または手術部位の型(mould)のスキャンに基づいて決定され得る。これは、取り付けられるとき手術部位内の動きを減少させるように骨移植片のより良い取り付けを確実にする。
【0062】
表面形状記録器は、骨のセクションの表面の幾何学的形状を決定するためのスキャナ(例えば、光学スキャナ)であり得る。骨の表面は、表面モデルまたは体積モデルのいずれかによって表され得る。表面データは、骨のセクションの全体的な幾何学的モデルを決定するために利用され得る。切削要素は、切削、ミリング、または穴あけを行う(cut, mill or drill)ように構成され得る。マウントは、骨のセクションを確実に受けるように構成され得る。これは、1つまたは複数のクリップ、クランプ、ネジ、または他の取り付け手段を介してもよい。
【0063】
製造装置は、計画された骨移植片の少なくとも一部に従って骨を形作るために骨を切り取り得る。例えば、骨の実質的に一方の側面が、反対側が成形されることを可能にするために、骨が反転される(例えば、その反対側に取り付けられる)前に成形され得る。
【0064】
一実施形態によれば、製造装置は、切削要素のセットを保持するためのマウントをさらに有し、製造装置は、切削要素を交換する(change between cutting elements)ように構成される。これは、骨セクションを修正するときに異なるツールが使用されることを可能にする。例えば、工具のラックが製造装置内に配置され得、結合部が可動アームに取り付けられ得る。可動アームは、ラック/マウントに結合部に取り付けられた切削要素を置き、ラック/マウントから新しい切削要素を取り出すために、結合部を移動させるように構成され得る。種々の切削要素は、例えば、切削、鋸引き、ミリング又は穴あけのための切削要素を含み得る。これは、骨の修正中のユーザの介入の必要性を回避し、従って、ユーザによる(切削要素からの)損傷のリスクを低減し、骨移植片、製造装置又はユーザの汚染のリスクを低減する。
【0065】
一実施形態によれば、製造装置は、患者の解剖学的構造の解剖学的特徴を表す画像データに基づいて、計画された骨移植片の形状を決定するように構成されるプロセッサをさらに有する。
【0066】
さらなる実施形態によれば、マウントは、外科手術部位の型を受けるように構成され、表面形状記録器は、型表面データおよび患者の解剖学的構造の解剖学的特徴を表す画像データに基づいて、計画された骨移植片の形状を決定するための型表面データを生成するために、型の表面の形状を記録するように構成される。
【0067】
さらなる実施形態によれば、製造装置は、型表面データおよび患者の解剖学的構造の解剖学的特徴を表す画像データに基づいて、計画された骨移植片の形状を決定するように構成されるプロセッサをさらに有する。
【0068】
手術部位の型の形状を登録することによって、骨移植片は、手術部位により正確に適合するように成形され得る。例えば、軟組織が手術部位から完全に除去されていない場合があり、(例えば、骨および硬部組織を示す)患者の解剖学的特徴の画像データのみに基づいて準備された骨移植片を適合させる問題を引き起こす可能性がある。さらに、手術部位の型を取ることによって、骨移植片は、手術中に手術部位に追加された特徴に適合するように成形されることができる。例えば、骨移植片が適合され得る手術部位内の骨からセクションが切削されることができる。代替的には、1つ又は複数のプロステーシス(prostheses)が手術部位内に既に装着されていてもよい。手術部位の型を取ることによって、骨移植片は、手術部位のこれらの特徴により正確に適合し、従って、手術部位への位置合わせを改善し、手術部位内の動きを減少させるように成形することができる。
【0069】
型は、骨のセクションが解放可能に受けられるのと同じ方法で解放可能に受けられ得る。
【0070】
製造装置は、さらに、外科用ガイドを製造するために手術部位の型を修正するように構成され得る。
【0071】
本発明のさらなる態様によれば、上記の製造装置;上記の切削アタッチメント;上記の外科用ガイドキャリア;および上記の成形性材料キャリア;の任意の組み合わせを含む外科用ガイドを製造するための部品のキットが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0072】
本発明の実施形態が、添付の図面を参照して本明細書に記載される。
【0073】
図1】一実施形態による製造装置を示す。
図2】製造装置の側面図を示す。
図3】製造装置の内部サポート機構を示す。
図4】一実施形態による一体化されたバリアドレープを有する切削アタッチメントを示す。
図5】引込み構成におけるバリアドレープを有する切削アタッチメントの断面図を示す。
図6】延長構成におけるバリアドレープを有する切削アタッチメントの断面図を示す。
図7】切削アタッチメントのドリル及び接続部の詳細な断面図を示す。
図8】切削アタッチメントのドリル及び接続部の詳細な斜視図を示す。
図9】一実施形態による一体化されたバリアドレープを有する外科用ガイドキャリアを示す。
図10】代替実施形態による一体化されたバリアドレープを有する外科用ガイドキャリアを示す。
図11】外科用ガイドキャリアのキャリア部の前面の詳細図を示す。
図12】外科用ガイドキャリアの断面図を示す。
図13】第1の実施形態による成形性材料キャリアを示す。
図14】成形性材料キャリアに成形性材料を注入する注入器の斜視図を示す。
図15】成形性材料キャリアの内部構造を示す。
図16】成形性材料キャリアに成形性材料を注入する注入器の断面図を示す。
図17】第2の実施形態による成形性材料キャリアを示す。
図18図17の成形性材料キャリアの断面図を示す。
図19図17の成形性材料キャリア内に成形性材料を注入する注入器の断面図および斜視図を示す。
図20図17の成形性材料キャリアの後部セクションの断面図を示す。
図21図17の成形性材料キャリアの第1ステージスプリッタを示す。
図22A図17の成形性材料キャリアの第2ステージスプリッタの前側の斜視図を示す。
図22B】第2ステージスプリッタの後側の斜視図を示す。
図22C】第2ステージスプリッタの後側の平面図である。
図23A図17の成形性材料キャリアの前部セクションの前側を示す。
図23B】前部セクションの後側を示す。
図24】前部セクションの後側の平面図を示す。
図25A】一実施形態による外科用ガイド製造手順における第1のステップを示す。
図25B】一実施形態による外科用ガイド製造手順における第2のステップを示す。
図25C】一実施形態による外科用ガイドの製造手順における第3のステップを示す。
図25D】一実施形態による外科用ガイドの製造手順における第4のステップを示す;
図25E】一実施形態による外科用ガイドの製造手順における第5のステップを示す。
図25F】一実施形態による外科用ガイドの製造手順における第6のステップを示す。
【発明を実施するための形態】
【0074】
本発明の実施形態は、手術中の製造中に、どのように外科用ガイドおよび周囲の手術室の滅菌性を維持するかという問題を解決することを目的とする。
【0075】
図1は、本発明の一実施形態による製造装置を示す。製造装置100は、外科用ガイドを製造するために手術部位の印象を修正するように構成される。製造装置100は、手術室内で使用されることが意図され、手術台の隣に配置される。本明細書に記載された実施形態は、手術室看護師および外科医などの滅菌された職員が、滅菌性を損なうことなく、製造装置および外科用ガイドを使用することができることを確実にする。
【0076】
製造装置100は、交換可能な切削アタッチメント200に結合するように構成される結合部112と、その上に外科用ガイドキャリア300が取り付けられ得る、取り付けポイント110とを有する。外科用ガイドキャリア300は、外科用ガイドのための取り外し可能な取り付けポイントである。外科用ガイドキャリア300は、予め規定された位置および方向に手術部位の印象を製造装置100に固定するように構成される。製造装置100は、印象の表面をスキャンするためのスキャナ150を含む。
【0077】
製造装置100は、印象の表面をスキャンし、これを患者の解剖学的構造の保存された医療スキャンと比較するように構成される。この医療スキャンは、MRIスキャン、CTスキャン、または患者の解剖学的構造を記録できる他のスキャンであり得る。印象の表面のスキャンは、光学的スキャンまたは印象の表面の幾何学的形状を測定することができる任意の他のスキャンであり得る。
【0078】
製造装置100は、患者の解剖学的特徴に印象を位置合わせするように構成される。これは、製造装置100が、所定の手術計画に従って外科用ガイドを製造するために、外科用ガイド孔が印象にドリルで穴あけする必要がある所を決定することを可能にする。
【0079】
位置合わせ(レジストレーション)プロセスは、ガイド孔が正しい位置で穴あけされることを確実にするために、製造装置100が印象に対してそれ自体を較正することを可能にする。
【0080】
製造装置を用いて手術部位の印象をスキャンし修正する一般的なプロセスは、国際公開第2015/075423号(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)においてより詳細に記載されている。
【0081】
本明細書に記載される実施形態による全体システムは、製造装置100および、手術室内の滅菌環境が維持されることを確実にするための、いくつかの単回使用の滅菌パックアクセサリを含む。
【0082】
第1のアクセサリは、一体化された滅菌バリアドレープ(図4~8に示される)を有する切削アタッチメント200(本例では、ドリルアタッチメント)からなる。わかりやすくするために、バリアドレープは図1には示されていない。切削アタッチメント200は、製造装置100の結合部112において、製造装置100に取り外し可能に取り付けることができる。結合部112は、切削アタッチメント200を駆動するためのモータに接続されている。
【0083】
結合部112は、可動アーム上に配置されている。製造装置は、可動アームを3つの直交方向、x、yおよびz(図1および2に示される)に沿って動かすことができるように構成される。これは、製造装置100が、切削アタッチメント200を正しい位置に位置決めし、必要な位置で印象内に外科用ガイド孔を形成するために切削アタッチメント200を印象内に駆動することを可能にする。
【0084】
第2のアクセサリは、一体化された滅菌バリアドレープ(図9-11に示される)を有する外科用ガイドキャリア300からなる。分かりやすくするために、バリアドレープは図1-3には示されていない。外科用ガイドキャリア300は、製造装置100の取り付けポイント110上に解放可能に取り付けられることができる。取り付けポイント110は、製造装置100のジンバル140に取り付けられる。ジンバル140は、取り付けポイント、および外科用ガイドキャリア300を、地面に対して平行に(水平面に沿って)延びる傾斜軸の周りに回転させるように構成されるモータを含む回転機構の一部を形成する。
【0085】
回転機構は、ジンバル上に配置されたヨー軸駆動部材をさらに有し、このヨー軸駆動部材は、外科用ガイドキャリア300内のヨー軸キー溝と嵌合して、傾斜軸から半径方向に延びるヨー軸周りに外科用ガイドキャリアの回転可能なセクションを回転させるように構成される。
【0086】
従って、回転機構は、製造装置100が、外科用ガイドキャリア300それ自体を傾斜軸周りに回転させ、手術部位の印象をヨー軸周りに回転させて、印象を正しい向きに移動させて、外科用ガイド孔が正しいラインに沿って形成されることを可能にする。
【0087】
ジンバル140はまた、製造装置100が外科用ガイドキャリア300を前方向きに回転させて、外科用ガイドが製造装置100に結合およびそれから分離されることを可能にし、外科用ガイドキャリア300を後方向きに回転させて、製造装置100が手術部位の印象の表面をスキャンして印象を修正する計画を作成することを可能にする。
【0088】
取り付けポイント110は、印象が修正されるときに印象からの破片が印象から離れて切削要素に向かって下方に落ちるように、結合部112の上方に位置している。
【0089】
第3のアクセサリは、成形性材料キャリア(図12-15に示す)からなる。成形性材料キャリアは、手術部位の印象が採取されることを可能にし、印象が修正されたときに外科用ガイドの一部を形成する。成形性材料キャリアは、成形性材料が成形性材料キャリアに注入され、成形性材料キャリアの前面にわたって均等に分布されるように、いくつかのチャネルを有する。
【0090】
さらなるアクセサリは、成形性材料ディスペンサおよび成形性材料(図14および15に示される)を有する。これは、成形性材料を外科用ガイド上に分配するために使用することができる。
【0091】
手術部位の印象は、成形性材料キャリア上に分配された成形性材料を使用して取られることができる。次いで、外科用ガイドキャリアが製造装置100上に取り付けられるとき、成形性材料キャリアおよび印象は、外科用ガイドキャリアを介して製造装置100に結合されることができる。次いで、製造装置100は、手術部位の印象をスキャンし、切削アタッチメント200によって印象を修正することができる。
【0092】
製造装置100の準備は、滅菌された手術室看護師によって行うことができる。個々のアクセサリは、二重包装またはブリスターパック構成のいずれかで供給することができる。次いで、外回り看護師は、滅菌アクセサリを手術室看護師が使用するために無菌的に移すことができるように、外包装を開けることができる。
【0093】
滅菌パックアクセサリの目的は、手術環境内で製造装置を使用するプロセスを単純化することである。アクセサリは、製造装置の滅菌されていない部分とユーザとの間に防護用の滅菌バリアが維持されることを確実にする。加えて、アクセサリは、外科用ガイドの修正から発生した破片が、単回使用アクセサリの境界内で隔離されることを確実にする。これは、手術後、生物学的材料が製造装置または手術室の他の部分に移されるリスクなしに、アクセサリを製造装置から迅速かつ容易に取り外すことができることを意味する。これは、準備期間が改善し、長期にわたる高価な再処理とそれに伴うリスクを回避する。
【0094】
図2は製造装置の側面図を示す。ここでも、切削アタッチメント200および外科用ガイドキャリア300のためのバリアドレープは示されていない。ジンバル140は、切削アタッチメント200のための結合部112の真上に配置される。これは、結合部112とジンバル140との間の切削領域を画定する。バリアドレープが所定の位置にあるとき、この切削領域の領域に滅菌ゾーンが位置する。
【0095】
ジンバル140(その上に取り付けポイントが取り付けられている)が、結合部112の真上に位置すると、穴あけからの破片は、切削アタッチメント200によって印象が修正されているときに、取り付けポイントから離れて、下方に落下する。これは、外科用ガイドが形成/修正されているときに、外科用ガイドから破片を除去するのを助ける。これはまた、破片をバリアドレープの境界内に維持するのを助け、また、外科用ガイドが完成した後に破片が容易に収集され、廃棄され得るように、切削アタッチメントのためのバリアドレープ内に破片を収集するのを助ける。これは、ある処置から次の処置への交差汚染がないことを確実にする。
【0096】
上述したように、切削アタッチメント200は、バリアドレープを含む。これは、切削アタッチメント200の中央ハウジングに一端に取り付けられる細長いチューブの形態である。細長いチューブの外縁は、製造装置100の被駆動サポートリング160の周囲に固定されることができる。被駆動サポートリング160は、製造装置100の上方に延びるアーム170に接続される。
【0097】
製造装置100は、被駆動サポートリング160を、被駆動サポートリング160が結合部の近位にある、(図1および図2に示すように)下方の格納位置から、切削領域をシールするように切削アタッチメント200のためのバリアドレープを持ち上げるために、上方の伸張位置に持ち上げるように構成される。これは、穴あけによる破片が切削領域から逃げ、手術室を汚染することを防止する。上方位置では、被駆動サポートリング160は、ジンバル140に近接している。
【0098】
製造装置100は、上部ハウジングリップ180をさらに有する。上部ハウジングリップ180は、外方に突出するリップを提供し、このリップの上に、外科用ガイドキャリア300のためのバリアドレープが固定され得る。これは、回転機構を切削領域から隔離し、外科用ガイドからの破片が回転機構を詰まることを防ぎ、回転機構からの汚染物が切削領域に落下し外科用ガイドを汚染することを防ぐ。加えて、これは、ユーザが外科用ガイドを取り付けるか又はそれを取り外すときに、回転機構との接触を通じたユーザの偶発的な汚染を避けるための滅菌バリアを提供する。
【0099】
従って、所定の位置にあるとき、バリアドレープは、外科用ガイドおよび/またはユーザの汚染を避けるために、滅菌切削領域から製造装置の(滅菌することが困難な)可動部品を隔離する。
【0100】
図3は製造装置の内部サポート機構を示す。被駆動サポートリング160は、上方に延びるアーム170の中央に持ち上げられて示されている。モータ165が、被駆動サポートリング160を昇降させるために、製造装置100のハウジング内に配置されている。同様に、モータ145が、ジンバル140を駆動するために、上方に延びるアーム170によって支持された製造装置100の上方ハウジング内に配置されている。
【0101】
図4は、一実施形態による、一体化されたバリアドレープを有する切削アタッチメントを示す。切削アタッチメント200は、中央に配置された切削要素210を有する。この場合、切削要素はドリルビットである。種々のタイプの切削要素(例えば、ドリルビット、のこ刃、及び種々のサイズの切削要素)が使用され得る。従って、異なる切削アタッチメント(一体化されたバリアドレープを含む)が、異なる用途のための異なる切削要素のために設けられ得る。種々の切削要素は、ステンレス鋼または他の任意の適切な耐久性材料で作られ得る。
【0102】
切削要素210は、切削要素210が、製造装置100によって回転するように駆動され得るように、中央ハウジング215に取り付けられる。中央ハウジング215は、製造装置100の結合部に結合するように構成される。
【0103】
切削アタッチメント200は、図4に透明シートとして示されるバリアドレープ220をさらに有する。バリアドレープ220は、中央ハウジング215の外側の全体の周りに中央に固定される。バリアドレープ220は、中央ハウジングから中央ハウジング215を取り囲む下方リング230まで半径方向外方に延びる。バリアドレープ220は、下方リング230に固定される。
【0104】
上方リング240は、下方リング230の上方に配置される。バリアドレープ220の外端は、上方リング240に取り付けられる。上方リング240は、上方リング240を製造装置100の被駆動サポートリング160に固定するための結合部を有する。これは、被駆動サポートリング160によって、製造装置100の切削領域の周囲でバリアドレープ220が持ち上げられることを可能にする。下方リング230は、バリアドレープ220の基部を押し下げ、バリアドレープ220を支持して、バリアドレープ220が切削領域内に垂れ下がる、または吹き飛ばされるのを回避するようにバリアドレープ220を張っておくようバリアドレープ220を支持するように構成される。この目的のために、中間サポートリング235が、上方リング240と下方リング230との間のバリアドレープ220に接続される。上方リング240、下方リング230、および中間サポートリング235は、概してサポートフレームであり、バリアドレープ220が切削領域に侵入するのを防止するために、任意の適切な形状であり得る。
【0105】
この実施形態は、ドリルビットを含むドリルアタッチメントに関するが、代替の切削要素を有する代替のアタッチメントが、本発明の実施形態による同様のバリアドレープとともに実施され得る。代替の切削要素は、スロットを切断するための鋸、より大きい穴を切削するためのバー若しくはリーマ、または他の切削要素を含み得る。
【0106】
図5は、引込み構成におけるバリアドレープを有する切削アタッチメントの断面図である。中央ハウジング215は、前部ハウジング217および後部ハウジング219を有する。前部ハウジング217および後部ハウジング219は、射出成形プラスチックから形成され得る。バリアドレープ220は、前部ハウジング217と後部ハウジング219との間の内縁222に固定される。
【0107】
結合セクション212が、切削要素210に接続され、製造装置100が切削要素210を駆動し得るように、製造装置100の対応する結合部と嵌合するように構成される。
【0108】
バリアドレープ220は、サポートリング230、235、240がバリアドレープ220を切削領域から離して保持するように、上方サポートリング240、下方サポートリング230、および中間サポートリング235を通過する。
【0109】
コーディング要素250が、後部ハウジング219内に配置される。コーディング要素250は、切削アタッチメント200に組み込まれる切削要素210のタイプの表示を含む。コーディング要素250は、製造装置が正しい切削要素210が取り付けられていることを確認することができるように、製造装置100内のセンサによって読み取り可能である。
【0110】
製造装置100は、誤った切削要素210が取り付けられたという決定に応答して、切削要素のための駆動機構を無効にするように構成される。同様に、製造装置100は、正しい切削要素210が取り付けられているという決定に応答して、切削要素のための駆動機構を有効にするように構成される。
【0111】
コーディング要素250は、無線周波数識別(RFID)チップ、バーコード、QRコード、メモリデバイス(例えば、フラッシュ)、または任意の他の形態の機械可読媒体であり得る。例えば、コーディング要素は、例えば、光学センサまたはボタンの構成を介して、製造装置によって読み取られ得るその物理的形状を介して切削要素のタイプをエンコードし得る。
【0112】
コーディング要素は、異なる切削要素のタイプ(例えば、ドリル、バー等)、異なる切削要素の長さ若しくは直径、異なる切削要素の材料、および/または異なる切削アタッチメントのメーカーを含む、異なる切削アタッチメントのタイプを示すことができる。
【0113】
図6は、拡張構成におけるバリアドレープを有する切削アタッチメントの断面図である。上方リング240は、リップであって、それが製造装置100の被駆動サポートリング160上に固定され得るように、リップを有する。
【0114】
被駆動サポートリング160が上方リング240を上昇させると、バリアドレープ220が中間サポートリング235と共に上昇する。バリアドレープ220の完全な拡張で、中間サポートリング235は、上方サポートリング240と下方サポートリング230との間に間隔をあけて配置される。
【0115】
バリアドレープ220は、下方サポートリング230と中央ハウジング215との間にある程度のたるみを有する。これは、中央ハウジング215および切削要素210が製造装置100によって3つの直交軸x、yおよびzに沿って動かされることを可能にする。
【0116】
下方サポートリング230は、下方サポートリング230と中央ハウジング215との間のバリアドレープ220のセクションが、上方サポートリングが持ち上げられるときに持ち上げられないことを確実にするように、バリアドレープ220を押し下げるように構成される。これは、バリアドレープ220が切削領域に衝突するのを防止するために、下方サポートリング230と上方サポートリング240との間でバリアドレープ220を張った状態を維持するのを助ける。これはまた、切削アタッチメントの周囲のたるみを維持し、それが動かされることを可能にするのを助ける。代替的に、または追加で、下方サポートリング230は、上方サポートリング240が上昇するときに下方サポートリング230が上昇するのを防止するように、下方サポートリング230を製造装置100に固定するための結合セクションを有し得る。
【0117】
x軸およびy軸は、水平面に沿って配置される。これらの軸に沿った動きは、製造装置100が、手術部位の印象を修正して必要な外科用ガイド孔を製造するために、切削要素210を正しいラインに沿って位置決めすることを可能にする。
【0118】
z軸は水平面に対して垂直に向けられる。z軸に沿った移動は、製造装置100が、印象を修正するために切削要素210を印象に押し付ける(urge)ことを可能にする。従って、滅菌ドレープ220は、切削要素210が手術部位の印象まで持ち上げられることを可能にするように、下方サポートリング230と中央ハウジング215との間で十分にだぶだぶである。
【0119】
図7は、切削アタッチメントのドリルおよび接続部の詳細な断面を示す。切削要素210は、この場合ドリルビットは、遠位端に切削セクションを有し、近位端に結合セクション212を有する。
【0120】
切削要素210の結合セクション212は、製造装置100の対応する結合セクションと嵌合するように構成される。結合セクション212は、切削要素210を駆動するために製造装置から駆動力を受けるように構成される駆動面を有する。
【0121】
ボールベアリング214が、中央ハウジング215内に配置される。ボールベアリングは、切削要素210を中央ハウジング215内に保持する一方、切削要素210が、中央ハウジング215内で回転するように駆動されることを可能にする。
【0122】
後部ハウジング219は、後部ハウジング219の外面に配置されたロック機構216を有する。これは、切削要素210が、製造装置100内の対応するロック機構を介して、製造装置100の結合セクション内の所定の位置にロックされることを可能にする。
【0123】
コーディング要素250が後部ハウジング219内に配置され、製造装置100が切削要素210の種々の特性を識別し、適切な切削要素210が取り付けられていることを検証することを可能にする。
【0124】
図8は、切削アタッチメントのドリル及び接続部の詳細な斜視図を示す。後部ハウジング219は、切削アタッチメント200の近位端に静的位置付け機構(static location features)213を含む。静的位置付け機構213は、切削アタッチメント200を製造装置100の結合セクションの正しい位置に付勢するのを助ける傾斜面を有する尖った突起部を有する。従って、静的位置付け機構213は、製造装置100の結合セクションの対応するキャビティ内に受け入れられるように構成される。また、静的位置付け機構213は、切削要素210が駆動されているときに後部ハウジングが回転することを防ぐように後部ハウジング219のためのひっかかり(purchase)を提供する。
【0125】
図9は、一実施形態による、一体化されたバリアドレープを有する外科用ガイドキャリアを示す。外科用ガイドキャリア300は、キャリア部310と、キャリア部310に接続されたバリアドレープ340と、バリアドレープ340に接続された上方サポートリング370とを含む。
【0126】
キャリア部310は、キャリア部310を製造装置100に固定するための接続部を有する。本実施形態では、接続部は、製造装置100の対応するインタロック部を受け入れるための一対の溝312を有する。溝312は、キャリア部310が製造装置100上の位置にスライドさせることを可能にする。これは、製造装置100がそれ自体をキャリア部310に位置合わせすることができるように、キャリア部310が予め規定された位置及び向きで製造装置100に固定されることを可能にする。
【0127】
接続部は、さらに、一対のリリースレバー314を有し、これは、リリースレバー314が互いに向かって付勢されるときに、キャリア部310が製造装置100から取り外されることを可能にするように構成されている。リリースレバー314は、キャリア部310が製造装置100上に正しく配置され、リリースレバー314が解放されるときに、キャリア部310を製造装置100上の位置に固定する歯を含む。
【0128】
キャリア部310は、回転可能部分320を有する。回転可能部分320は、ヨー軸周りにキャリア部310内で回転できるように構成された回転可能プラットフォームである。キャリア部310は、外科用ガイドを回転可能部分320の前部に固定するように構成されている。回転可能部分320は、製造装置100がヨー軸(前面及び後面に垂直に延びるヨー軸)周りに回転するように回転可能部分320を駆動することができるように、製造装置100のヨー軸駆動部材と嵌合するように構成された後面(前面と反対側)にヨー軸キー溝322を有する。
【0129】
バリアドレープ340は、キャリア部310の前部ハウジングと後部ハウジングとの間でキャリア部310に固定される。バリアドレープ340は、キャリア部310を取り囲み、キャリア部310の前面からキャリア部310の後面に破片が通過するのを防止するバリアを形成する。
【0130】
バリアドレープ340は、キャリア部310が固定される中心に位置する穴を有する、実質的に中空半球の形状である。上方サポートリング370は、半球のリムに接続される。これは、バリアドレープ340が製造装置100のジンバル140を越えて持ち上げられ、製造装置100の上部ハウジングリップ180上に固定されることを可能にする。
【0131】
上方サポートリング370は、製造装置100の上部ハウジングリップ180の上を通過さすることができるように拡張可能であるが、バリアドレープを上部ハウジングリップ180上に固定するために、より小さい半径に向かって付勢されている。これを達成するために、上方サポートリング370は、弾性材料の部分的に重複する螺旋を有する。これはプラスチックで形成され得る。螺旋の内側端部は、螺旋の外側端部の半径方向内側に配置される。
【0132】
内側端部及び外側端部は、各々、対応する半径方向に突出するレバー375を有する。内側端部のレバー375は、外側端部が通過する通路を有する。2つのレバーが互いに向かって付勢されるとき、上方サポートリング370の直径が増大し、上方サポートリング370が製造装置100の上部ハウジングリップ180を通過することを可能にする。上方サポートリング370は弾性であり、従って、上方サポートリング370を適所に固定するために、上部ハウジングリップ180の直径よりも小さい直径を有する配置に戻すように付勢される。
【0133】
上方サポートリング370は、半径方向に突出するハンドル390も含む。これは、ユーザが、製造装置100の非滅菌部分から手を離したままにしながら、製造装置の上部ハウジングリップ180の上に上方サポートリング370を持ち上げることを可能にする。
【0134】
代替的な実施形態では、レバー375は、上方サポートリング370のためのハンドルとして機能することができ、別個のハンドルを設ける必要がないように、ユーザが把持するのに十分な長さを有し、外科用ガイドキャリア300の重量を支持するように構成される。
【0135】
上記実施形態のキャリア部310の接続部は、キャリア部を製造装置100に予め規定された向きに固定する手段を提供するが、これは必須ではない。代替実施形態では、接続部は、回転可能部分320がヨー軸周りに回転され得るように、キャリア部310を製造装置に単純に接続し得る。接続部は、キャリア部が、任意に、または少なくとも特定の向きを必要としないで接続することを可能にする。この実施形態では、基準マーカが、キャリア部310の向き、又は少なくとも回転可能部分320の向きを、基準マーカをスキャンすることによって、製造装置が決定することを可能にするように、キャリア部に設けられる。
【0136】
図10は、代替実施形態による、一体化されたバリアドレープを有する外科用ガイドキャリアを示す。この実施形態の外科用ガイドキャリアは、図9の実施形態のものと同様のバリアドレープ340およびキャリア部310を有する。上述したが、図10の実施形態は、異なる形態の上方サポートリング380を有する。
【0137】
この実施形態では、上方サポートリング380は、それが上部ハウジングリップ180を通過することを可能にするように、上部ハウジングリップ180の直径よりも大きい固定直径の開口部を有するフレームを有する。上方サポートリング380を上部ハウジングリップ180の上に固定するために、上方サポートリング380は、フレームの開口部に半径方向に突出する一対の対向するロック部材382をさらに有する。ロック部材382は、フレームの両側に互いに配置され、互いに向かって突出している。
【0138】
ロック部材382は、少なくとも部分的に開口部から、互いに離れて移動され得るようにフレーム上に移動可能に取り付けられる。これは、上方サポートリング380が上部ハウジングリップ180の周囲および上方を通過することを可能にするように、ロック部材382が開口部内に突出する程度を低減する。各ロック部材382は、解放されると、ロック部材382が開口部内に戻り、上方サポートリング380を上部ハウジングリップ180の上に固定するように、開口部の中心に向かって付勢される。付勢力は、ばね、または任意の他の形態の弾性部材によって提供され得る。
【0139】
各ロック部材382は、フレームから外側に突出するハンドル385に取り付けられている。ハンドル385は、ユーザが、製造装置100から手を離して保持しながら、上方サポートリング380を上部ハウジングリップ180の上に持ち上げることを可能にする。各ハンドル385は、上述のように、ユーザが開口部からロック部材382を後退させることを可能にするグリップセクションを有する。
【0140】
図11は、外科用ガイドキャリアのキャリア部の前面の詳細図を示す。キャリア部310は、回転可能部分320の前面に配置された結合部330を有する。結合部330は、成形性材料キャリアを受け、それを解放可能に結合するように構成される。
【0141】
結合部330は、後壁を介して接続される2つの側壁を有するU形状ハウジングを有する。側壁及び後壁は、キャリア部310の前面から突出する。側壁は互いに平行に延びる。各側壁は、反対側の側壁に向かって突出する上部リップを備える。従って、側壁及び上部リップは、成形性材料キャリアの対応するセクションが挿入され得る対向するチャンネルを形成する。上部リップは、成形性材料キャリア内の対応するチャネル内に受け入れられ、成形性材料キャリアが、結合部330のチャネルに沿って通過することなく、結合部330から落下することを防止する。
【0142】
結合部330は、成形性材料キャリアをチャネル内の所定の位置に固定するためのロック機構を有する。ロック機構は、結合部330の対応するチャネルに各々突出する一対のロック部材332を有する。2つのロック部材332は、リリースボタン334に接続される。ロック機構は、ロック部材332を、チャンネル内に延びる上向き位置に向かって、上部リップに向かって付勢するように構成される。ロック部材332は、リリースボタン334の押下を介して少なくとも部分的にチャネルから押し出され得る。これは、ロック部材332がチャンネル内に突出する程度を減少させ、それにより、成形性材料キャリアが、結合部330に挿入またはそれから取り外されることを可能にする。
【0143】
各ロック部材332は、チャンネルの入口で結合部の入口を向く傾斜面を有する。傾斜面は、成形性材料キャリアが結合部内にチャネルに沿って付勢されると、ロック部材332が、成形性材料キャリアが所定の位置に完全に挿入されることを可能にするように押し下げられることを、引き起こす。成形性材料キャリアが結合部330内に完全に挿入されるとき、ロック部材332は、成形性材料キャリアを所定の位置に固定するように成形性材料キャリア内の対応するキャビティ内に受け入れられる。
【0144】
キャリア部310は、コーディング要素350を有する。切削アタッチメント200のコーディング要素と同様に、このコーディング要素350は、キャリアアタッチメント300の1つ又は複数の特性の表示を含む。これは、製造装置100が、正しいキャリアアタッチメント300が取り付けられたかどうかを決定することを可能にするように、キャリアアタッチメント300のタイプを示す。異なるタイプのキャリアアタッチメント300は、外科用ガイドの異なるサイズまたは形状に対して、結合部330の異なるサイズまたは形状を含み得る。
【0145】
切削アタッチメント200のコーディング要素と同様に、キャリアアタッチメント300のコーディング要素は、無線周波数識別(RFID)チップ、バーコード、QRコード、メモリデバイス(例えば、フラッシュ)、または任意の他の形態の機械可読媒体であり得る。例えば、コーディング要素は、例えば、光学センサまたはボタンの構成を介して、製造装置によって読み取られ得るその物理的形状を介して切削要素のタイプをエンコードし得る。
【0146】
製造装置100は、正しいタイプのキャリアアタッチメント300が製造装置100に装填されるかどうかに基づいて、起動または停止するように構成され得る。
【0147】
図12は、外科用ガイドキャリアの断面図を示す。バリアドレープ340は、キャリア部310の前部ハウジング316と後部ハウジング318との間に固定される。回転可能部分320は、ヨー軸キー溝322から結合部330にキャリア部310を通過する。キャリア部310は、結合部330が回転するように、ヨー軸キー溝322に入射する回転力を介して、回転可能部分320がキャリア部310内でヨー軸周りに回転することを可能にする。
【0148】
図13は、第1の実施形態による成形性材料キャリアを示す。成形性材料キャリア400は、成形性材料が成形性材料キャリア400の前面412にわたって均等に分配されるような方法で成形性材料を受け入れるように構成される。
【0149】
成形性材料キャリア400および成形性材料は、手術部位の印象を形成するために使用され得る。成形性材料が硬化すると、成形性材料キャリアは外科用ガイドキャリア300に取り付けられ、この外科用ガイドキャリア300は製造装置100に取り付けられる。次いで、製造装置100は、印象をスキャンし、外科用ガイドを製造するために手術計画に従って、印象を修正することができる。
【0150】
成形性材料キャリア400は、別々に形成され、その後に一緒に結合され得る前側部分410および後側部分420から形成される。前側部分及び後側部分は、射出成形プラスチックで形成され得る。成形性材料キャリア400は、成形性材料キャリア400の後側部分420の後面に形成された入口を有する。後面は、成形性材料キャリア400の前面412に対する反対側にある。入口は、内部通路を介して、前面412の出口孔416に接続される。これは、成形性材料キャリア400が、成形性材料が入口に注入されるとき、成形性材料が、成形性材料キャリア400を通り出口孔416から押し出されるように構成されることを意味する。出口孔416は、成形性材料キャリア400の前面412に渡って等間隔にされる。これは、成形性材料を前面412にわたって均一に分散させるのに役立つ。
【0151】
前面412は、前面412の範囲にわたって均等に分布する複数の小さい突出部414を有する。これらの突出部414は、成形性材料を突出部の周りに周囲に留まり、その後硬化することを可能にすることによって、成形性材料のための引っ掛かり(purchase)を提供する。これは、成形性材料が、成形性材料キャリア400により強固に固定されることを意味する。
【0152】
後側部分420は、成形性材料キャリア400を外科用ガイドキャリア300に結合するための結合部を有する。結合部は、後側部分420の側面を通る2つのチャネル430を有する。2つのチャネル430は、外科用ガイドキャリア300の結合部330の上部リップを受け入れるように形成される。これは、成形性材料キャリア400が外科用ガイドキャリア300のチャネル内にスライドされることを可能にする。2つの凹部432が、外科用ガイドキャリア300の結合部330のロック部材332を受け入れるために、成形性材料キャリア400の後面に形成される。これは、成形性材料キャリア400が、外科用ガイドキャリア300の結合部330内の所定の位置にロックされることを可能にする。
【0153】
平面436が、成形性材料キャリア400の先導側に配置される。平面436は、チャネル430に対して垂直に延びる。平面436は、成形性材料キャリア400が外科用ガイドキャリア内にきちんと鎮座する(sit square)ことを可能にする。これは、外科用ガイドキャリア300内で成形性材料キャリア400が動くことを回避するための確実な嵌合を提供する。
【0154】
図14は、成形性材料を成形性材料キャリアに注入する注入器の斜視図を示す。上述のように、入口424は、成形性材料キャリア400の後面422に形成される。入口424は、実質的に円錐形であり、成形性材料キャリア内により深く通過するにつれてその直径が減少するようにテーパ付きの壁を有する。テーパ付きの壁は、注入器の円錐形の先端が入口424内にしっかりと嵌合することを可能にする。これは、成形性材料が成形性材料キャリア424内に押し込まれているときに、成形性材料が入口424から漏れるのを防止するように注入器の周りに締まり嵌め(interference fit)を提供する。また、テーパ付き壁は、成形性材料の成形性材料キャリア400への効果的な移送を確実にするように、ユーザが注入器を正しく位置決めするのを助ける。
【0155】
図15は成形性材料キャリアの内部構造を示す。成形性材料キャリア400は、前側部分410および後側部分420を有する。前側部分410は、前面412と、前面412とは反対側の後面418とを有する。後側部分420は、後面422と、後面422とは反対側の前面428とを備える。成形性材料キャリア400が組み立てられると、前側部分410の後面418は後側部分420の前面428に固定される。
【0156】
相互接続チャネル429が後側部分420の前面428に形成される。後側部分420の後面422の入口424は、後側部分420を通過し、チャネル429に開口する。
【0157】
対応するチャネル419のセットが、前側部分410の後面418に形成される。前側部分410のチャネル419は、前側部分410の前面412の出口孔416に入る。
【0158】
チャネル419および429は、互いの鏡像である。チャネル419および429は、1つの7点アスタリスクまたは星および1つの6点アスタリスクまたは星の形態である。各アスタリスクは、点/脚の一つを介して他方にリンクされる。
【0159】
前側部分410と後側部分420とが組み合わされると、チャネル419、429の2つのセットが、組み合わさって成形性要素キャリア400内にトンネルを形成する。したがって、成形性材料は、入口424内に注入され、トンネルを通って、出口孔416から押し出され得る。
【0160】
入口424および出口孔416は、前面412にわたる成形性材料の均一な分布を確実にするように配置される。従って、入口424は、後面422上に中央に配置される。これは、入口424の両側に座る2つの中央出口孔416に入口を接続する長手方向に延びるトンネルをもたらす。これらの2つの中央出口孔416および入口424は全て、成形性材料キャリア400の中心軸に沿って存在する。中央出口孔416のうちの1つは、6つの外側出口孔416によって囲まれ、各々は対応する中央出口孔416にリンクされる。これらの中央出口孔416のうちの他のものは、5つの外部出口孔416によって囲まれ、各々は対応する中央出口孔416にリンクされる。トンネルの星形形成は、前面412にわたる成形性材料の均一な分布を確実にするのに役立つ。
【0161】
チャンネルおよび孔の正確な数は、成形性材料キャリアのサイズに依存して実施形態間で変化し得ることに留意されたい。
【0162】
図16は、成形性材料キャリアに成形性材料を注入する注入器の断面図を示す。注入器は、入口の一部を形成するテーパ付きチャネルに嵌合する。テーパ付きの壁は、注入器の先端が、入口を中央出口孔416に接続する長手方向に延びるトンネルに挿入されることを防止する。また、テーパ付きの壁は、成形性材料が成形性材料キャリア400内に注入されるときに、成形性材料が入口424から漏れるのを防止するために、注入器の周囲にシールを提供する。
【0163】
成形性材料が入口424内に注入されるとき、成形性材料は内部トンネルを通過し、成形性材料キャリアの前面412にわたって分配されるように出口孔416から押し出される。
【0164】
図13~16を参照して説明した成形性材料キャリアは、単なる一つの実施形態である。成形性材料が成形性材料ホルダの表面にわたって均一に分布されることを可能にする多くの異なる構成がある。例えば、図17図24を参照して第2の実施形態を説明する。
【0165】
図17は、第2の実施形態による成形性材料キャリアを示す。第2の実施形態の成形性材料キャリア500は、第1の実施形態のものと同様であるが、成形性材料を前面にわたって分配するように成形性材料を均一に分割するためのいくつかの分割ステージを含む。
【0166】
成形性材料キャリア500は、前部セクション510および後部セクション520を有する。前部セクション510は、後部セクション520内のキャビティ内に嵌合する。いくつかの開口部512が、前部セクション510を貫通し、成形性材料のための余分な孔として作用する。本実施形態では、開口部512は三角形である。
【0167】
後部セクション520は、成形性材料キャリア500の外側ハウジングを形成する。後部セクション520は、実質的にカップ形状であり、内部キャビティを形成し、その内部に第1および第2のスプリッタ、並びに前部セクション510が受け入れられ得る。後部セクション520は、成形性材料キャリア500を保持するときにユーザに追加のグリップを提供するために、後部セクション520の側壁の外側表面の周りに分布されるいくつかの突起522を有する。
【0168】
入口524は、成形性材料キャリア500の一端の側壁に形成される。この入口524は、図13-16に示す入口と同様の機能を果たす開口部である。入口524は、成形性材料が入口524に挿入されるとき、成形性材料が内部キャビティに入り、第1および第2のスプリッタによって分割され、前部セクション510の開口部512から押し出されて成形性材料を前部セクション510の前面にわたって均等に分配するように、内部キャビティに接続される。
【0169】
成形性材料キャリア500の後部ではなく、側壁上に入口524を配置することによって、成形性材料は、ユーザが成形性材料キャリア500を保持しているときに、入口により容易に注射され得る。
【0170】
結合機構が、成形性材料キャリア500の後部に配置される。これらの結合機構は、図13~16の実施形態で提供されるものと同様である。2つの結合チャネル526が、側壁に形成される。結合チャネル526は、成形性材料キャリア500の互いに対する反対側に配置される。結合チャネル526は、前面および後面に平行に側壁に沿って長手方向に通っている。これは、成形性材料キャリア500を外科用ガイドキャリア300の結合部内にスライドされることを可能にする。凹部528が、外科用ガイドキャリア300の結合部330のロック部材332を受けるために、後部セクションの後部に形成される。これは、成形性材料キャリア400が、外科用ガイドキャリア300の結合部330内の所定の位置にロックされることを可能にする。
【0171】
図18は、図17の成形性材料キャリアの断面図を示す。後部セクション520は、基部と、基部から突出し、キャビティを取り囲む周辺側壁とを有する。入口524は、後部セクション520の側面に形成され、基部内を通過する。入口524は、実質的に円錐形であり、基部に入るにつれて狭くなる。入口524は、基部の中心に入り、キャビティ内の中央開口部で開口する内部トンネル530に接続されている。
【0172】
第1のスプリッタ540が、中央開口部の上方のキャビティ内に配置される。これは、中央開口部を出る成形性材料を2つに分割するのに役立つ。第2のスプリッタ550が、第1のスプリッタ540の上方のキャビティ内に配置される。これは、成形性材料をさらに分割するのに役立つ。前部セクション510は、第2のスプリッタ550の上方のキャビティ内に配置される。前部セクション510は、後部セクションの結合セクションとの締り嵌めによってキャビティ内に固定される。前部セクション510がキャビティ内に固定されると、第1のスプリッタ540および第2のスプリッタ550もキャビティ内に保持される。
【0173】
図19は、図17の成形性材料キャリア内に成形性材料を注入する注入器の断面図および斜視図を示す。図14の成形性材料キャリアと同様に、成形性材料は、注入器600を介してキャリア内に注入され得る。
【0174】
制御された量の成形性材料が注入器内に提供される(注入器は、外科用ガイドのタイプのための正しい量の材料を予め充填されている)。これは、適切な量の材料が成形性材料キャリア500にわたって分配されることを確実にする。
【0175】
成形性材料が入口524内に押し込まれると、成形性材料はキャビティ内に押し込まれ、第1のスプリッタ540および第2のスプリッタ550および前方セクション510の開口部512を介して均等に分割される。成形性材料は、成形性材料キャリア500の前面にわたる成形性材料の均一な分布を提供するように、開口部512から押し出される。
【0176】
図20は、図17の成形性材料キャリアの後部セクションの断面図を示す。上述のように、後部セクション520の側面の入口524は、キャビティ内に開口する中央開口部に接続される内部トンネル530に接続される。
【0177】
中央のくぼみ532は、第1のスプリッタ540の一部を受け入れるために、キャビティの基部に配置される。
【0178】
溝521が、側壁の内面に形成され、キャビティの基部に平行に、側壁の周囲に延びる。これは、例えば、スナップ嵌めによって、前部セクション510が固定され得る結合部を提供する。
【0179】
図21は、図17の成形性材料キャリアの第1ステージスプリッタを示す。第1ステージスプリッタ540は、中央開口部から出る成形性材料を2つの部分に分割する。
【0180】
第1の開口部542および第2の開口部544が、第1ステージスプリッタ540に形成され、第1ステージスプリッタ540の後側から前側に通じる。2つの開口部542、544は、成形性材料キャリアの中心軸に沿って配置されるが、中心軸に沿って互いに分離される。2つの開口部542、544は、成形性材料キャリアの長さにわたって実質的に均等に間隔を空けられる。
【0181】
第1ステージスプリッタ540の前側は、実質的に平坦である。第1ステージスプリッタ540の後側は、第1ステージスプリッタ540の基部から突出する分割部を有する。この分割部は、中央キャビティ532内に嵌合する。分割部は、分割部540の中心に位置し、分割部540の後部に開口する第1のキャビティを有する。第1のキャビティは、第1の開口部542と第2の開口部544との間にチャネルを形成する。2つの開口部542、544は、チャネル内に開口する。
【0182】
第1ステージスプリッタ540が後部セクション520のキャビティ内に位置決めされると、チャネルは、後部セクション520の中央開口部の上方に位置決めされる。第1の開口部542および第2の開口部544は、中央開口部からオフセットされ且つ中央開口部と重ならない。これは、成形性材料が中央開口部から押し出されると、第1ステージスプリッタ540の基部に押し出され、従って、第1の開口部542および第2の開口部544に向かってチャネルを通過させられることを意味する。
【0183】
第1の開口部542および第2の開口部544は、中央開口部から等距離にあり、同等の断面を有する。これは、成形性材料が、第1の開口部542と第2の開口部544との間で均等に分割されることを意味する。
【0184】
図22Aは、図17の成形性材料キャリアの第2ステージスプリッタの前面の斜視図を示す。第2ステージスプリッタ550は、第1ステージスプリッタ540からの成形性材料の2つの部分のそれぞれを、6つの対応する部分に分割する。従って、第2ステージスプリッタ550は、成形性材料を合計12個の部分に分割する。
【0185】
第2ステージスプリッタ550は、実質的に平面であり、第2ステージスプリッタ550の前面から第2ステージスプリッタ550の後面に通じる12個の開口部556を有する。12個の開口部556は、第2ステージスプリッタ550の中心点で交差する2つの円の形態で、第2ステージスプリッタ550の前面にわたって配置される。12個の開口部556の各々は、他の開口部556と実質的に同じ断面を有する。
【0186】
第2ステージスプリッタ550が第1ステージスプリッタ550上に配置されると、2つの円は、第1ステージスプリッタ540の第1の開口部542および第2の開口部544上に中心合わせされる。
【0187】
図22Bは、第2ステージスプリッタの後面の斜視図である。第2ステージスプリッタ540は、第1の分割セクション552および第2の分割セクション554に分割される。分割セクション552、554の各々は、12個の開口部556のそれぞれの6つに接続された6つのチャネルを有する。6つのチャンネルはすべて分割セクションの中心で集まる。2つの分割セクション552、554は、互いに接続されていない。
【0188】
図22Cは、第2ステージスプリッタの後面の平面図である。第1の分割セクション552は、6点星形である。第2の分割セクション554は、2つの隣接点が除去された、8点星の形状である。第1の分割部は、隣接する2つの点が欠けている第2の分割部のギャップ内に部分的に嵌合する。
【0189】
各分割セクション552、554は、そのそれぞれのチャネルがそこから放射される中心点を有する。各分割セクション552に対して、それぞれの開口部556は、それぞれの中心点から等しい距離離れて配置される。換言すれば、各分割セクション552、554は、等しい長さのチャネルを含む。これは、各分割セクション内の成形性材料が均一に分割されることを確実にする。
【0190】
第2ステージスプリッタ550が第1ステージスプリッタ540の上方に配置されるとき、中心点は、第1ステージスプリッタ540の第1の開口部542および第2の開口部544の上方に配置される。
【0191】
成形性材料が第1の開口部542および第2の開口部544から押し出されるとき、成形性材料は、第2ステージスプリッタ550の後面に対して押し出される。従って、成形性材料は、チャネルの各々に沿って押し込まれ、対応する開口部556から押し出され、それによって、成形性材料を12個の部分に分割する。
【0192】
開口部は同じ断面を有し、各分割セクションに関して中心点から同じ距離だけ離れて配置されるので、成形性材料は、12個の開口部556間で実質的に均等に分割される。
【0193】
図23Aは、図17の成形性材料キャリアの前部の前面を示す。成形性材料キャリアの前部510は、第2ステージスプリッタ550から受け取った成形性材料の部分のそれぞれを3つの等しい部分に分割するように構成される。従って、前部510は、成形性材料を合計36個の部分に分割するための第3ステージスプリッタを形成する。
【0194】
リップ514が、前部510の外縁に配置される。リップ514は、前部510を後部セクション520内に固定するために、成形性材料キャリア500の後部セクション520の側壁内のチャネル521内に受け入れられるように構成される。
【0195】
図23Bは、前部の後面を示す。12個の三角形のキャビティ516が、第2ステージスプリッタ550の各開口部に1個ずつ、後面に形成される。第2ステージスプリッタ550上の開口部556と同様に、三角形キャビティ516は、星パターンで配置される。
【0196】
前部セクション510の後面は、事実上スポーク517の数によって細分される。2組のスポークが、対応する2つの中心点から放射状に伸びる。これは、後面を等しい断面の12個の開口部516に分割する。前部セクション510が第2ステージスプリッタ550の上に位置決めされるとき、三角形キャビティ516は、第2ステージスプリッタ550内の対応する開口部556の上に中心に位置決めされる。
【0197】
図24は前部セクションの後面の平面図を示す。各三角形キャビティ516は、三角形の断面であり、前部セクション510の後面に開口している。各三角形キャビティ516は、前部セクション510の前側(前面)の3つの対応する三角形開口部512に接続される。3つの三角形開口部512の各々は、対応する三角形キャビティ516のそれぞれのコーナーに開口する。
【0198】
3つの三角形開口部512は、キャビティ516上に中心合わせされ、キャビティ516の上部屋根を形成する分割壁518によって分離される。この場合、分割壁518は三角形である。前部セクション510が第2ステージスプリッタ550の上方に位置決めされるとき、分割壁518は、第2ステージスプリッタ550内の対応する開口部556の全体の上を通る。これは、成形性材料が、多少のかたより(deflection)なしに、開口部556から出ることを防止する。成形性材料が開口部556から押し出されるとき、分割壁518に対して押し込まれ、3つの三角形開口部512の1つに偏向される。これは、成形性材料が三角形開口部512から押し出される前に、三角形キャビティ516が成形性材料で満たされることを確実にする。従って、これは成形性材料の均一な分布を提供する。
【0199】
三角形開口部512の各々は、同じ面積の断面を有し、対応する三角形キャビティ516の中心点から同じ距離だけ離れて配置される。加えて、三角形開口部512は、前部セクション510の前面にわたって実質的に均等に分布している。従って、前部セクション510は、成形性材料を均一に分割して、前部セクション510の前面にわたる成形性材料の均一な分布を提供する。
【0200】
上述の実施形態は、成形性材料が特定の数の部分(第1の実施形態では13の部分、第2の実施形態では36の部分)に分割され得る特定の配置を記載しているが、成形性材料キャリアのサイズおよびそれが果たす機能に応じて、部分の数を変更することができることが理解されよう。提供される必要がある部分の数に応じて、追加の分割ステージまたはより少ない分割ステージを実施することができる。
【0201】
同様に、上述の実施形態は三角形開口部および三角形キャビティを記載しているが、開口部およびキャビティの形状は、成形性材料キャリアの特定の幾何学的形状に適合され得る。
【0202】
加えて、上述の実施形態は成形性材料を均等に分配することを目的としているが、代替の実施形態は成形性材料キャリアの前面にスプリッタまたは開口部を配置して、成形性材料の体積を周辺部よりも前面の中心に多く提供し得ることが理解されるであろう。これは、型がソケット内に嵌め込まれ、従って実質的にドーム形状になることが期待される状況において有用であり得る。
【0203】
さらに、成形性材料キャリアは、互いに接続され得る複数の部品から形成されると記載されているが、成形性材料キャリアは、積層造形を含む種々の方法によって製造され得、従って、単一部品または別個の部品として形成され得る。
【0204】
全体システムの複数の部分が本明細書に記載されている。これらの部品を組み合わせて、外科用ガイドを作成するための全体的なシステムを提供する。これらの部品は、別々にまたは一緒に提供され得る。手術部位の印象から外科用ガイドを製造するプロセスを以下に記載する。
【0205】
図25Aは、一実施形態による、外科用ガイド製造手順における第1のステップを示す。被駆動サポートリング160は、その引込み位置まで下降されている。外科用ガイドキャリア300のための取り付けポイント110は、ユーザが取り付けポイント110にアクセスすることを可能にするようにジンバル140を介して前方に傾けられる。
【0206】
図25Bは、一実施形態による、外科用ガイド製造手順における第2のステップを示す。外科用ガイドキャリア300のキャリア部310は、キャリア部310をマウントに入れることによって、マウントポイント110に固定される。これは、製造装置100の非滅菌部分(例えば、ジンバル140)からの汚染に対する滅菌バリアを提供するために、外科用ガイドキャリア300のバリアドレープ340内にユーザの手を挿入して行われる。製造装置が、誤った外科用ガイドキャリア300が使用されたことを記録する場合、製造装置は、ユーザに警告を発し得るおよび/または不作動にし得る。
【0207】
上方サポートリング370は、製造装置100の上部ハウジングリップ180上に嵌合することを可能にするように拡張される。次いで、上方サポートリング370は、上部ハウジングリップ180の上に持ち上げられ、収縮することを可能にされ、それにより、ジンバル140を包むように上部ハウジングリップ180の上にバリアドレープ340を固定する。
【0208】
図25Cは、一実施形態による、外科用ガイドの製造手順における第3のステップを示す。ジンバル140は、次に、後方位置に傾けられて、切削アタッチメント200が製造装置100に嵌合され得るように、取り付けポイント110および外科用ガイドキャリア300をユーザの邪魔にならないところに動かす。
【0209】
切削要素210は、製造装置100の結合セクション112に結合され、切削アタッチメント200の上方サポートリング240は、被駆動サポートリング160の上方に固定される。製造装置が、誤った切削アタッチメント200が使用されたことを記録する場合、製造装置は、不作動にし得るおよび/またはユーザに警告を発し得る。
【0210】
図25Dは、一実施形態による、外科用ガイドの製造手順における第4のステップを示す。ジンバル140は、ユーザが外科用ガイドキャリア300にアクセスすることを可能にするように、前方に傾斜される。成形性材料キャリア400上に堆積された成形性材料を使用して手術部位の印象が得られた後、成形性材料キャリア400が外科用ガイドキャリア300上に取り付けられる。
【0211】
図25Eは、一実施形態による、外科用ガイドの製造手順における第5のステップを示す。ジンバル140はスキャナ150に向かって後方に傾斜される。スキャナ150は、印象の表面をスキャンする。
【0212】
次に、製造装置100は、印象の表面を、患者の医療スキャンに示されている患者の解剖学的特徴に位置合わせする。次に、製造装置100は、予め規定された手術計画に従って外科用ガイドを作成するために印象を修正するための適切な動作を決定する。
【0213】
図25Fは、一実施形態による、外科用ガイドの製造手順における第6のステップを示す。被駆動サポートリング160は、切削領域を周囲の領域からシールするために、切削領域の周りに切削アタッチメント200のバリアドレープ220を持ち上げるように持ち上げられる。
【0214】
次に、印象は、回転機構を介して、正しい傾斜角度およびヨー角度に回転され、切削アタッチメント210は、製造されることになる第1の外科用ガイド孔のためのx、yおよびz軸の正しい位置に移動される。切削アタッチメント210(この場合はドリル)は、ガイド孔を形成するために手術部位の印象内に駆動される。このプロセスは、必要な数のガイド孔を有する外科用ガイドが作成されるまで繰り返される。次に、被駆動サポートリング160は、外科用ガイドが外科用ガイドキャリア300から取り外されることができるように下降される。
【0215】
切削アタッチメント210の結合部112は、キャリア部310の取り付けポイント110の下方に位置しているので、修正中の印象からの破片が印象から離れて落下し、切削アタッチメント200のバリアドレープ220内に集められる。操作が完了すると、切削アタッチメント200が製造装置100から取り外されるので、この破片は、ユーザによって容易にバリアドレープ220内に集められ得る。
【0216】
本明細書に記載される実施形態は、手術室などの滅菌環境内で、滅菌環境を損なうことなく、製造装置が利用されることを可能にするのを助ける、外科用ガイド製造装置および外科用ガイド製造装置用の種々のアタッチメントを含む。
【0217】
切削アタッチメントおよび外科用ガイドキャリアにそれぞれ一体化されたバリアドレープを含めることは、これらのアタッチメントが、ユーザの手を覆うバリアドレープを有する製造装置に装填されることを可能にする。これは、製造装置自体が滅菌される必要がないことを意味し、それによって、製造装置を運用するコストを低減し、手術後のターンアラウンド時間を短縮する。
【0218】
切削アタッチメントの一部として細長い管状バリアドレープを設けることによって、このバリアドレープは切削領域の周囲に位置決めされて、外側から切削領域をシールすることができる。これは、切削工程からの破片が製造装置から漏れ出し、周辺を汚染することを防止する。切削アタッチメントは、外科用ガイドキャリアの下方で製造装置に装填されるので、破片は、修正中に外科用ガイドから離れて落下し、切削アタッチメントのバリアドレープ内に集められる。これは、破片をバリアドレープ内に封じ込めるのを助け、切削アタッチメントが製造装置から分離されるときに、ユーザがこの破片を容易に処分することを可能にする。
【0219】
外科用ガイドキャリアを備えた一体型バリアドレープを提供することによって、外科用ガイドキャリアが取り付けられる回転機構は、外科用ガイドの修正からの破片から保護される。さらに、回転機構と切削領域との間に滅菌バリアが形成されて、汚染物質が滅菌切削領域に落下するのを防止する。加えて、バリアドレープは、成形性材料キャリアおよび/または外科用ガイドキャリアを装填または取り外す際に、ユーザの手が汚染されるリスクを低減する。
【0220】
それぞれのコーディング要素は、アタッチメントの各々の中に設けられ得る。これらのコーディング要素は、各アタッチメントの種々の特性またはタイプを示す。製造装置は、これらのコーディング要素を読み取り、正しいアタッチメントが、必要な外科用ガイドを製造するために装着されているかどうかを決定するように構成されることができる。正しいアタッチメントが装着されていないと決定される場合、製造装置は、例えば、切削アタッチメントの駆動機構を使用停止にすることによって、それ自体を使用停止にすることができる。
【0221】
上述の実施形態は、ドリルビットを有するドリルアタッチメントに言及しているが、切削アタッチメントに代替の切削手段または修正手段が実装されてもよい。適切な代替切削工具には、バー、ナイフ、ボア、リーマ、鋸刃、針、または適切な切削刃を有する他の工具が含まれる。代替的には、印象が依然として可鍛(malleable)である場合には、鈍い(blunt)ツールが利用され得る。それにもかかわらず、同じ概念が適用される。すなわち、切削/修正アタッチメントは、汚染物に対する滅菌バリアを提供するために切削/修正領域の周りに持ち上げられ得るバリアドレープを含む切削/修正アタッチメントの中央に配置される。
【0222】
上述の実施形態は、ドリルアタッチメントのバリアドレープの上部、下部、および中間サポートリングを記載しているが、これらは円形である必要はなく、正方形、長方形、またはその他などのループを形成する任意の形状であり得る。
【0223】
上記の実施形態は、互いに固定された前部と後部の部分を有する成形性材料キャリアを記載しているが、代替実施形態は、一緒に接合される追加の部品を有し得る。代替的には、成形性材料キャリアは、例えば、積層造形によって、単一ユニットとして形成され得る。
【0224】
上述の実施形態は、製造装置がどのようにして手術部位の印象のスキャンを患者の解剖学的特徴に位置合わせし、どのように印象を修正して外科用ガイドを作成するかを決定し得るかを記載しているが、これは代わりに外部コンピュータによって実行されてもよい。従って、コントローラが、ステップを実施するために製造装置に接続され得る。製造装置は、印象のスキャンをコントローラに転送し、コントローラから印象を修正するための命令を受信するように構成され得る。同様に、このコントローラは、製造装置内に一体化され得る。
【0225】
以上の説明は、外科用ガイド製造装置および外科用ガイド製造装置用のアクセサリに関するものである。前記したように、さらなる実施形態は、この用途に限定されず、手術に使用するための骨移植片を作製するために骨を整形するのに使用するように構成される。これは、外科用ガイドを作成するように構成されることに追加され得る、またはその代わりになり得る。
【0226】
骨移植片は、追加の骨を手術部位に加える必要がある場合に利用することができる。例えば、肩関節全置換術を行う場合、プロステーシスが肩甲骨の関節窩内に装着される。患者が重大な関節窩摩耗を有する場合、プロステーシスを位置決めしプロステーシスしっかりと位置付けられることを確実にすることは困難になり得る。これらの場合には、骨移植片を加えて、手術部位を埋めることができ、その結果、プロステーシスをより確実に所望の解剖学的位置に装着することができ、同時に、手術部位の骨を保存することができる。
【0227】
骨移植片は、患者から採取した骨から供給されることが多い。これは特に、骨が切り取られてプロステーシスに置き換えられる上腕骨の一部(例えば、上腕骨頭)から簡単に取り出すことができる肩関節全置換術の場合である。除去された骨(そうでなければ廃棄される)は、手術部位の骨移植片に形成することができる。
【0228】
本明細書に記載される製造装置は、骨を骨移植片に形成するために利用することができる。術前の段階の間に、患者のスキャン(例えば、CTスキャン)から必要な骨移植片の形状を決定することができる。この形状は、手術部位内に骨移植片を正確に位置合わせするためのガイド孔(または他の形態の位置合わせ部分)を含むことができる。これは、製造装置によって製造される外科用ガイドを介して提供されるガイド要素(例えば、ピン)を使用することができる。
【0229】
骨移植片を製造するために、ドナー骨を製造装置内に取り付けることができる。一実施形態では、骨は、取り付けポイント上に取り付けられる。これは、骨を保持し、取り付けポイントに取り付けられるように構成されたキャリアにより達成され得る。骨は、バイス、ネジ等を介して取り付けポイント/キャリアに固定され得る。代替的には、骨は、本明細書に記載される外科用ガイド(または3Dプリントされた滅菌ガイド)に取り付けられ得、これは、次に、外科用ガイドキャリアに取り付けられる。
【0230】
一旦取り付けポイントに取り付けられると、製造装置は、骨の表面をスキャンして骨の形状を登録し、骨をどこで切断すべきかを決定するように構成される。骨を切断するために、バーまたはミルのような切削要素が設けられる。製造装置は、切削要素を用いて骨を骨移植片に成形するように構成される。これは、効果的に、5軸フライス盤(図1を参照して説明したX、Y、Z、傾斜およびヨー軸を含む)を形成する。
【0231】
骨の片側のみが一度に修正され得るので、骨は、骨の両側の修正が骨移植片全体を形成することを可能にするために、製造装置から取り外され、反転され、再装着され得る。代替的は、片側のみが製造装置によって成形され、他側は骨移植片が装着されるときに外科医によって成形され得る。
【0232】
製造装置は、骨を修正するのに使用するための複数の異なる切削要素を含み得る。例えば、ミル、バー、ドリルおよび/または鋸が骨を成形するために用いられ得る。種々の切削要素が、製造装置内に取り付けられ得、製造装置は、必要に応じて切削要素間で交換するように構成され得る。例えば、切削要素のための結合セクションは、結合セクション内に最初に固定された切削要素をマウント内に置き、骨の切削に使用するための新しい切削要素を取得し得る。当然のことながら、この機構は、外科用ガイドを作るために型を修正するときにも使用され得る。
【0233】
骨移植片は、手術部位内に装着するように成形され得る。これをより正確に達成するために、手術部位の型を採取し、骨移植片の正しい形状を決定するために使用され得る。型は、手術部位の形状を決定するために製造装置によってスキャンされ得る。外科用ガイドも形成されている場合、同じ型が両方の目的(すなわち、外科用ガイドの製造および骨移植片の必要な形状の決定のため)のために使用され得る。
【0234】
骨移植片は、ガイドピン/ロッドなどの手術部位内に固定されるガイド要素の上に嵌合するように成形され得る。代替的に、またはさらに、骨移植片は、手術部位内に形成される対応する凹部内に嵌合するように成形され得る。例えば、凹部が、(上述の型を使用して)骨移植片が嵌入され得る手術部位内の骨内に切り込まれ得る。骨移植片を凹部内に嵌合させることにより、手術部位内の骨移植片の動きを減少させることができる。
【0235】
上記に照らして、本明細書に記載される実施形態による製造装置は、骨移植片を製造するために骨を修正するように構成され得る。これらの実施形態は、一体化されたバリアドレープを含む、本明細書に記載されるアタッチメントを使用しても、使用しなくてもよい。一体化されたバリアドレープアタッチメントが使用される場合、これらのアタッチメントは、骨移植片を作製するための使用のために改変され得る。例えば、外科用ガイドキャリアは、ドナー骨を製造装置に取り付けるための骨キャリアであることができる。同様に、切削アタッチメントは、代替の切削要素(例えば、ミルまたはバー)を含むようにまたは交換可能な切削要素を含むように改変され得る。
【0236】
特定の構成が記載されているが、構成は単なる例示として提示されており、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。実際、本明細書に記載の新規な方法および装置は、種々の他の形態で具体化することができ、さらに、本明細書に記載の方法およびシステムの形態における種々の省略、置換および変更が行われ得る。
【0237】
次の付記を記す。
(付記1)
外科用ガイド製造装置に使用するための切削アタッチメントであって:
切削要素と;
前記切削要素が手術部位の印象を修正するように駆動機構によって駆動されて外科用ガイドを製造することができるように、前記切削要素を前記外科用ガイド製造装置の駆動機構に接続するためのコネクタと;
前記印象の修正中に汚染物が切削領域に入る又は前記切削領域から出るのを防ぐことを助けるために前記切削領域を囲むように前記切削要素の周りに位置決めされるように構成される保護バリアと;
を有する、
切削アタッチメント。
(付記2)
前記保護バリアに接続され、前記切削領域の周りに前記保護バリアを位置決めするために動かされるように構成されるサポートをさらに有する、
付記1に記載の切削アタッチメント。
(付記3)
前記サポートは、前記外科用ガイド製造装置が前記保護バリアを前記切削領域の周りの位置に移動させることができるように、前記外科用ガイド製造装置の被駆動サポートアームに結合されるように構成される、
付記2に記載の切削アタッチメント。
(付記4)
前記保護バリアは可撓性シートを含む、
付記1乃至3のいずれか1項に記載の切削アタッチメント。
(付記5)
前記保護バリアに接続され、前記保護バリアが前記切削領域に入るのを防止するために前記切削領域の周りに位置決めされるように構成される1つ又は複数のサポートフレームをさらに有する、
付記4に記載の切削アタッチメント。
(付記6)
前記切削要素は、電動工具用の切削要素を含む、
付記1乃至5のいずれか1項に記載の切削アタッチメント。
(付記7)
前記切削アタッチメントは、滅菌されるかまたは滅菌されるように構成される、
付記1乃至6のいずれか1項に記載の切削アタッチメント。
(付記8)
前記外科用ガイド製造装置が、正しいタイプの前記切削アタッチメントが取り付けられた(fitted)ことを検証することができるように、前記切削アタッチメントのタイプを示し、前記外科用ガイド製造装置によって読み取られるように構成されるコーディング要素をさらに有する、
付記1乃至7のいずれか1項に記載の切削アタッチメント。
(付記9)
外科用ガイド製造装置に取り付けるための外科用ガイドキャリアであって、前記外科用ガイドキャリアは:
前記外科用ガイド製造装置のマウントに前記外科用ガイドキャリアを取り付けるためのコネクタと;
手術部位の印象が前記外科用ガイドキャリア内に保持されるとき、および、前記外科用ガイドキャリアが前記外科用ガイド製造装置に取り付けられるとき、前記外科用ガイド製造装置が、前記印象を修正して外科用ガイドを製造することができるように、前記印象を受容し、解放可能に保持する結合部と;
前記外科用ガイドと前記外科用ガイド製造装置の少なくとも一部との間にバリアを提供するために、前記外科用ガイド製造装置の少なくとも一部の周りに位置決めされるように構成される保護バリアと;
を有する、
外科用ガイドキャリア。
(付記10)
前記外科用ガイドキャリアは、滅菌される、または、滅菌されるように構成され、
前記保護バリアは、修正中の前記印象の汚染を防止するのを助けるように、滅菌バリアを提供する、
付記9に記載の外科用ガイドキャリア。
(付記11)
前記保護バリアは、可撓性である、
付記9又は10に記載の外科用ガイドキャリア。
(付記12)
前記保護バリアが前記外科用ガイド製造装置の前記マウントを囲むように、前記保護バリアが前記外科用ガイド製造装置に固定され得るように構成される、
付記9乃至11のいずれか1項に記載の外科用ガイドキャリア。
(付記13)
前記外科用ガイドキャリアは、前記保護バリアに接続されるサポートフレームをさらに有し、
前記サポートフレームは、開口部であって、前記開口部内に前記外科用ガイド製造装置の前記マウントが収容され得るとともに、前記サポートフレームが前記外科用ガイド製造装置の固定セクションの上に嵌合できるように、前記開口部が、第1の構成から前記第1の構成より大きい第2の構成に拡張され得るように構成され得る、開口部を形成し、
前記サポートフレームが、解放されるとき、前記固定セクションの上に前記保護バリアを固定するよう前記第1の構成に戻るように、前記サポートフレームは、前記第1の構成に向かって付勢される、
付記11を引用する付記12に記載の外科用ガイドキャリア。
(付記14)
前記サポートフレームに接続され、前記開口部を前記第1の構成から前記第2の構成に拡張するよう前記サポートフレームが拡張力を受けることを可能にするように構成される1つ又は複数のレバーをさらに有する、
付記13に記載の外科用ガイドキャリア。
(付記15)
前記サポートフレームは:
1つ又は複数のロック部材であって、各々が、前記ロック部材が前記開口部内に突出する第1の位置に向かって付勢されるように構成され、前記開口部を拡張するように前記第1の位置から第2の位置に移動可能であるように構成される、1つ又は複数のロック部材;または
前記開口部を拡張するように拡張可能であるように構成される弾性ループ;
を有する、
付記13又は14に記載の外科用ガイドキャリア。
(付記16)
前記サポートフレームに接続され、前記開口部から離れて突出するハンドルをさらに有する、
付記13乃至15のいずれか1項に記載の外科用ガイドキャリア。
(付記17)
前記結合部がその上に配置される回転可能なセクションをさらに有し、前記回転可能なセクションは、前記結合部が前記外科用ガイドの製造のための位置に回転されることができるように、前記外科用ガイド製造装置から回転力を受けるように構成される、
付記9乃至16のいずれか1項に記載の外科用ガイドキャリア。
(付記18)
前記外科用ガイドキャリアのタイプを示し、前記外科用ガイド製造装置が、正しいタイプの前記外科用ガイドキャリアが取り付けられたことを検証できるように、前記外科用ガイド製造装置によって読み取られるように構成されるコーディング要素をさらに有する、
付記9乃至17のいずれか1項に記載の外科用ガイドキャリア。
(付記19)
手術部位の印象を製造するのに使用するための成形性材料キャリアであって、前記成形性材料キャリアは、成形性材料がその上に分配され得る第1の表面を有し:
入口が前記成形性材料キャリア内に形成され、前記入口の中に成形性材料が押し込まれ、
内部キャビティが前記成形性材料キャリア内に形成され、前記内部キャビティは前記入口に接続され;
複数の開口部が、前記第1の表面に形成されるとともに、前記成形性材料が前記入口に押し込まれるとき、前記成形性材料が前記内部キャビティに受け入れられ、前記成形性材料が前記第1の表面にわたって分配されるよう前記開口部から押し出されるように、前記内部キャビティに接続される、
成形性材料キャリア。
(付記20)
所定の位置および向きで前記成形性材料キャリアを外科用ガイド製造装置に接続するための接続部;および/または、
前記外科用ガイド製造装置上の前記成形性材料キャリアの位置および/または向きが決定されることを可能にするための基準マーカ;
をさらに有する、
付記19に記載の成形性材料キャリア。
(付記21)
グリップを提供するために外面に形成された1つ又は複数の突起または1つ又は複数の凹みをさらに有する、
付記19又は20に記載の成形性材料キャリア。
(付記22)
前記入口は、前記成形性材料を供給するための注入器の受け入れのための円錐台形開口部で形成される、
付記19乃至21のいずれか1項に記載の成形性材料キャリア。
(付記23)
前記内部キャビティは、前記入口を前記第1の表面の前記開口部に接続するいくつかのトンネルから形成される、
付記19乃至22のいずれか1項に記載の成形性材料キャリア。
(付記24)
前記第1の表面の前記開口部は、1つ又は複数の開口部のセットを有し、各前記開口部のセットは、対応する中心軸の周囲に星形パターンで分布された開口部を有し、前記内部トンネルは、前記中心軸に沿った点で中心に位置する前記開口部の各々を接続する、
付記23に記載の成形性材料キャリア。
(付記25)
前記内部キャビティは、1つ又は複数の分割セクションから形成され、各前記分割セクションは:
前記入口に接続されるとともに、それを通って前記成形性材料が押し込まれる分割キャビティへ開口するエントリ部と;
前記成形性材料の進行を少なくとも部分的に妨げるように前記エントリ部の上に配置されるバリアと;
前記バリアの周囲に配置される2つ以上の出口開口部と;
を有し、
前記成形性材料が前記分割キャビティの中に、前記エントリ部を通って押し込まれるとき、前記成形性材料が分割され、対応する前記出口開口部を通って押し出されるようにする、
付記19乃至24のいずれか1項に記載の成形性材料キャリア。
(付記26)
前記出口開口部は、前記バリアの中心から等距離に配置され、前記成形性材料が実質的に等容積の前記成形性材料に分割されるように、等しい断面積を有する、
付記25に記載の成形性材料キャリア。
(付記27)
外科用ガイドを製造するために手術部位の印象を修正するための外科用ガイド製造装置であって、前記外科用ガイド製造装置は:
前記手術部位の前記印象を解放可能に受けるためのマウントと;
切削要素を前記外科用ガイド製造装置に結合するように構成される結合部と;
前記結合要素に結合されるときに、前記外科用ガイドを製造するために前記手術部位の前記印象を修正するように前記切削要素を駆動するように構成される駆動機構と;
を有し、
使用時に、前記駆動機構は、前記印象からの破片が修正されるときに前記印象から離れて落ちるように、前記マウントの下に配置される、
外科用ガイド製造装置。
(付記28)
保護バリアを前記外科用ガイド製造装置に解放可能に結合するように構成される保護バリア結合機構をさらに有し、前記保護バリア結合機構は:
前記保護バリアのセクションに結合するように構成される可動部分と;
前記印象の修正中に汚染物が切削領域に入る又はそこから出ることを防ぐのを助けるために、前記マウントおよび前記結合部へのアクセスを可能にする第1位置から、前記保護バリアが前記切削要素および前記印象を含む前記切削領域の周囲に位置決めされる第2の位置に、前記部分を移動させるように構成される位置決め機構と;
を有する、
付記27に記載の外科用ガイド製造装置。
(付記29)
前記外科用ガイドを前記マウントから隔離するために、前記外科用ガイド製造装置に第2の保護バリアを前記マウントの周りに配置される構成で解放可能に固定するように構成される固定セクションをさらに有する、
付記27又は28に記載の外科用ガイド製造装置。
(付記30)
前記切削要素および/または前記印象のための外科用ガイドキャリアに取り付けられるコーディング要素を読み取るように構成されるセンサであって、前記コーディング要素は、前記切削要素の1つ又は複数の特性および/または前記印象のための前記外科用ガイドキャリアの1つ又は複数の特性を示すコードを記憶する、センサと;
プロセッサであって:
前記コードから前記1つ又は複数の特性を判定し、前記1つ又は複数の特性を1つ又は複数の期待特性と比較し;
前記1つ又は複数の特性が前記1つ又は複数の期待特性と一致することを判定することに応答して、前記駆動機構が型を修正するように使用されることを可能にする;または
前記1つ又は複数の特性が前記1つ又は複数の期待特性と一致しないことを判定することに応答して、前記駆動機構が前記印象を修正するために使用されることを防止する;
ように構成される、プロセッサと;
をさらに有する、
付記27乃至29のいずれか1項に記載の外科用ガイド製造装置。
(付記31)
骨移植片を製造するために骨のセクションを修正するための製造装置であって、前記製造装置は:
前記骨のセクションを受け入れるためのマウントと;
前記骨のそのセクションを前記製造装置および計画された骨移植片の形状に位置合わせするための表面データを生成するために、前記マウントによって受け入れられる前記骨のセクションの表面の形状を記録するための表面形状記録器と;
切削要素を前記製造装置に結合するように構成される切削要素または結合部と;
前記結合要素に結合されるとき、前記骨のセクションを前記計画された骨移植片の形状の少なくとも一部に合致するように、前記切削要素を駆動するように構成される駆動機構と;
を有する、
製造装置。
(付記32)
前記切削要素のセットを保持するためのマウントをさらに有し、前記製造装置は、前記切削要素を交換するように構成される
付記31に記載の製造装置。
(付記33)
患者の解剖学的構造の解剖学的特徴を表す画像データに基づいて、前記計画された骨移植片の形状を決定するように構成されるプロセッサをさらに有する、
付記31又は32に記載の製造装置。
(付記34)
前記マウントは、外科手術部位の型を受けるように構成され;
前記表面形状記録器は、型表面データおよび前記患者の前記解剖学的構造の前記解剖学的特徴を表す前記画像データに基づいて、前記計画された骨移植片の形状を決定するための型表面データを生成するために、前記型の表面の形状を記録するように構成される、
付記31乃至33のいずれか1項に記載の製造装置。
(付記35)
前記型表面データおよび前記患者の前記解剖学的構造の前記解剖学的特徴を表す前記画像データに基づいて、前記計画された骨移植片の形状を決定するように構成されるプロセッサをさらに有する、
付記34に記載の製造装置。
(付記36)
付記27乃至30のいずれか1項に記載の外科用ガイド製造装置にしたがってさらに構成される付記31乃至33のいずれか1項に記載の製造装置。
(付記37)
付記27乃至30のいずれか1項に記載の製造装置;
付記1乃至8のいずれか1項に記載の切削アタッチメント;
付記9乃至18のいずれか1項に記載の外科用ガイドキャリア;および
付記19乃至26のいずれか1項に記載の成形性材料キャリア;
のうちのいずれかの組み合わせを有する外科用ガイドを製造するための部品のキット。
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