(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】バッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック及び自動車、並びにバッテリーパックを製造する方法
(51)【国際特許分類】
H01M 50/242 20210101AFI20240326BHJP
H01M 50/213 20210101ALI20240326BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20240326BHJP
H01M 50/293 20210101ALI20240326BHJP
H01M 50/271 20210101ALI20240326BHJP
H01M 50/291 20210101ALI20240326BHJP
H01M 50/298 20210101ALI20240326BHJP
H01M 50/507 20210101ALI20240326BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20240326BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20240326BHJP
H01M 10/643 20140101ALI20240326BHJP
H01M 10/6554 20140101ALI20240326BHJP
H01M 10/658 20140101ALI20240326BHJP
H01M 10/653 20140101ALI20240326BHJP
H01M 50/503 20210101ALI20240326BHJP
H01M 50/509 20210101ALN20240326BHJP
【FI】
H01M50/242
H01M50/213
H01M50/204 401H
H01M50/293
H01M50/271 S
H01M50/291
H01M50/298
H01M50/507
H01M50/249
H01M10/613
H01M10/643
H01M10/6554
H01M10/658
H01M10/653
H01M50/503
H01M50/509
(21)【出願番号】P 2022544390
(86)(22)【出願日】2021-06-17
(86)【国際出願番号】 KR2021007627
(87)【国際公開番号】W WO2021256878
(87)【国際公開日】2021-12-23
【審査請求日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】10-2020-0073905
(32)【優先日】2020-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ブム・チェ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン-ユン・クム
(72)【発明者】
【氏名】ドン-ファン・シン
【審査官】儀同 孝信
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2019-0047513(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0000210(KR,A)
【文献】国際公開第2019/083177(WO,A1)
【文献】特表2016-516273(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20
H01M 50/50
H01M 10/613
H01M 10/643
H01M 10/6554
H01M 10/658
H01M 10/653
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に立てられた形態の複数の電池セルであって、上部に位置する一対の電極端子を備え、かつ少なくとも一方向に配列された複数の電池セルと、
上面に前記複数の電池セルの下部が固定され、水平方向に延びた形態を有する冷却フレームと、
前記複数の電池セルと前記冷却フレームとの間に介在された接着剤と、
前記複数の電池セルを覆うように構成された上部フレームと、
前記上部フレーム上に載置された複数のバスバーであって、前記複数の電池セルの電極端子とそれぞれ接触するように構成された複数のバスバーと、
を含
み、
前記バスバーには、複数の伝導性ワイヤが備えられる、バッテリーモジュール。
【請求項2】
前記冷却フレームは、前記複数の電池セルのそれぞれの下部を固定するように構成された複数の固定突起を備える、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項3】
前記上部フレームには、
前記複数の電池セルの上部を外部に露出させるように打ち抜かれた露出部と、
前記複数の電池セルの電極端子のそれぞれの一部分を覆うように、前記電極端子に向かって突出した突出部と、
が備えられる、請求項
1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項4】
前記上部フレームは、
前記複数の電池セルの上部に位置する上壁、及び前記複数の電池セルの側部を覆うように構成された側壁を備え、
前記上部フレームの側壁の側部には、締結孔が形成された締結部が備えられ、
前記上部フレームの側壁の下部には、上方に凹んだ挿入溝が備えられ、
前記冷却フレームには、前記冷却フレームの外周縁部が上方に突出した形態を有する結合部が備えられる、請求項1から
3のいずれか一項に記載のバッテリーモジュール。
【請求項5】
前記複数の電池セルのそれぞれの側部を囲むように構成された充填材をさらに含む、請求項
4に記載のバッテリーモジュール。
【請求項6】
請求項1から
5のいずれか一項に記載のバッテリーモジュールを少なくとも二つ含み、
少なくとも二つの前記バッテリーモジュールを収容する収容空間が備えられたパックハウジングを含む、バッテリーパック。
【請求項7】
前記バッテリーパックは、
前記パックハウジングの内部下面、内部上面、及び内部側面のうちのいずれか一つ以上に固定された補強部材をさらに含む、請求項
6に記載のバッテリーパック。
【請求項8】
請求項
6または
7に記載のバッテリーパックを含む、自動車。
【請求項9】
バッテリーパックを製造する方法であって、
複数の電池セルの下部を冷却フレームに固定する固定段階と、
前記複数の電池セルを覆うように構成された上部フレームを前記冷却フレームと結合する結合段階と、
前記上部フレーム上に載置された複数のバスバーであって、前記複数の電池セルの電極端子とそれぞれ接触するように構成された複数のバスバーをさらに含み、前記バスバーには複数の伝導性ワイヤが備えられ、前記複数の電池セル同士を電気的に接続するため、
前記バスバーを前記複数の電池セルの電極端子のそれぞれに接続する接続段階と、
前記固定段階、前記結合段階、及び前記接続段階を順次に少なくとも二回行って少なくとも二つのバッテリーモジュールを製造する製造段階と、
少なくとも二つの前記バッテリーモジュールをパックハウジングの内部に固定する固定段階と、
前記バッテリーモジュールの内部及びパックハウジングの内部の少なくとも一方に電気絶縁性の充填材を充填した後、硬化させる充填段階と、
を含む、製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック及び自動車、並びにバッテリーパックを製造する方法に関し、より詳しくは、製造コストを節減したバッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック及び自動車、並びにバッテリーパックを製造する製造方法に関する。
【0002】
本出願は、2020年6月17日付け出願の韓国特許出願第10-2020-0073905号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
近年、ノートパソコン、ビデオカメラ、携帯電話などのような携帯用電子製品の需要が急激に伸び、電気自動車、エネルギー貯蔵用蓄電池、ロボット、衛星などの開発が本格化されるにつれて、繰り返して充放電可能な高性能二次電池に対する研究が活発に行われている。
【0004】
現在、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などの二次電池が商用化しているが、中でもリチウム二次電池はニッケル系の二次電池に比べてメモリ効果が殆ど起きず充放電が自在であって、自己放電率が非常に低くてエネルギー密度が高いという長所から脚光を浴びている。
【0005】
このようなリチウム二次電池は、主に、リチウム系酸化物と炭素材をそれぞれ正極活物質と負極活物質として使用する。また、このようなリチウム二次電池は、正極活物質が塗布された正極板と負極活物質が塗布された負極板とがセパレータを介在して配置された電極組立体と、このような電極組立体を電解液とともに封止収納する外装材、例えば電池ケースを備える。
【0006】
そして、リチウム二次電池は、外装材の形状に応じて、電極組立体が金属缶に収納されている円筒型二次電池と、電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチに収納されているパウチ型二次電池とに分類され得る。
【0007】
そのうち、円筒型二次電池は、電極組立体が収納される金属缶を円筒型に製作する場合がある。従来のバッテリーモジュールは、複数の二次電池を収容するモジュールケース、及び複数の円筒型二次電池を電気的に接続するように構成されたバスバーを備え得る。
【0008】
しかし、大容量バッテリーパックの場合、多数の円筒型二次電池を備えており、多数の円筒型二次電池とバスバーとを溶接によって連結するためには広い面積の溶接施設が必要であり、またこれら溶接作業を画一的に行うことは困難である。これは、バッテリーパックの製造コストを上昇させ、不良率を高める要因になる。
【0009】
また、複数の二次電池は、パックハウジングの内部に収納される。この場合、バッテリーパックに加えられる振動や外部衝撃によってパックハウジングの中心部分が上下に揺れるか、または、パックハウジングの中心部分が上方や下方に反る(膨れ上がる)変形が頻繁に生じ得る。このようにパックハウジングの振動や反り現象が繰り返されると、パックハウジングが損傷され、バッテリーモジュールの耐久性の低下につながる。
【0010】
特に、バッテリーモジュールが多数の二次電池を備える場合、多数の二次電池の荷重によってパックハウジングの中心部分がさらに大きく変形し、問題を悪化させるおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記の問題点を解決するために創案されたものであって、製造コストを節減して機械的剛性を高めたバッテリーモジュール、複数のバッテリーモジュールを含むバッテリーパック、このようなバッテリーパックを含む自動車、及びこのようなバッテリーパックを製造する製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解でき、本発明の実施形態によってより明らかに分かるであろう。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示される手段及びその組合せによって実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するため、本発明の一態様によるバッテリーモジュールは、
上下方向に立てられた形態の電池セルであって、上部に位置する一対の電極端子を備え、かつ少なくとも一方向に配列された複数の電池セルと、
上面に複数の電池セルの下部が固定され、水平方向に延びた形態を有する冷却フレームと、
複数の電池セルと冷却フレームとの間に介在された接着剤と、
複数の電池セルを覆うように構成された上部フレームと、を含む。
【0014】
また、冷却フレームは、複数の電池セルのそれぞれの下部を固定するように構成された複数の固定突起を備え得る。
【0015】
さらに、バッテリーモジュールは、上部フレーム上に載置された複数のバスバーであって、複数の電池セルの電極端子とそれぞれ接触するように構成された複数のバスバーをさらに含み、
バスバーには、複数の伝導性ワイヤが備えられ得る。
【0016】
そして、上部フレームには、
複数の電池セルの上部を外部に露出させるように打ち抜かれた露出部と、
複数の電池セルの電極端子のそれぞれの一部分を覆うように、電極端子に向かって突出した突出部と、が備えられ得る。
【0017】
また、上部フレームは、複数の電池セルの上部に位置する上壁、及び複数の電池セルの側部を覆うように構成された側壁を備え、
上部フレームの側壁の側部には、締結孔が形成された締結部が備えられ、
上部フレームの側壁の下部には、上方に凹んだ挿入溝が備えられ、
冷却フレームには、冷却フレームの外周縁部が上方に突出した形態を有する結合部が備えられ得る。
【0018】
さらに、複数の電池セルのそれぞれの側部を囲むように構成された充填材をさらに含み得る。
【0019】
そして、上記の目的を達成するため、本発明の他の一態様によるバッテリーパックは、上述したバッテリーモジュールを少なくとも二つ含む。
【0020】
また、バッテリーパックは、少なくとも二つのバッテリーモジュールを収容する収容空間が備えられたパックハウジングをさらに含む。
【0021】
また、バッテリーパックは、パックハウジングの内部下面、内部上面及び内部側面のうちのいずれか一つ以上に固定された補強部材をさらに含み得る。
【0022】
さらに、上記の目的を達成するため、本発明のさらに他の一態様による自動車は、上述したバッテリーパックを含む。
【0023】
そして、上記の目的を達成するため、本発明のさらに他の一態様による製造方法は、
バッテリーパックを製造する方法であって、
複数の電池セルの下部を冷却フレームに固定する固定段階と、
複数の電池セルを覆うように構成された上部フレームを冷却フレームと結合する結合段階と、
複数の電池セル同士を電気的に接続するため、バスバーを複数の電池セルの電極端子のそれぞれに接続する接続段階と、
固定段階、結合段階及び接続段階を順次に少なくとも二回行って少なくとも二つのバッテリーモジュールを製造する製造段階と、
少なくとも二つのバッテリーモジュールをパックハウジングの内部に固定する固定段階と、
バッテリーモジュールの内部及びパックハウジングの内部の少なくとも一方に電気絶縁性の充填材を充填した後、硬化させる充填段階と、を含む。
【発明の効果】
【0024】
本発明の一態様によれば、本発明のバッテリーモジュールは、モジュールケースの代わりに、冷却フレームに直接複数の電池セルを載置することで、部品数を効果的に減らし、バッテリーモジュールを軽量化し、バッテリーモジュールの製造コストを節減することができる。
【0025】
また、本発明は、上面に複数の電池セルの下部が固定され、水平方向に延びた形態を有する冷却フレーム、及び複数の電池セルと冷却フレームとの間に介在された接着剤を含むことで、接着剤によって複数の電池セルの下部を冷却フレームに直接固定できるため、複数の電池セルから発生した熱を高い熱伝導性で冷却フレームに伝達することができる。さらに、本発明は、接着剤を使用して複数の電池セルを容易に固定できるため、製造工程を簡素化し、部品数を減らし、製造コストを節減することができる。
【0026】
そして、本発明の一態様によれば、本発明のバッテリーモジュールは、上部フレームの挿入溝及び冷却フレームの結合部を備えることで、上部フレームと冷却フレームとを容易に結合することができる。さらに、上方に突出して外周縁部に沿って延びた冷却フレームの結合部の形態は、冷却フレームの機械的剛性を高めることができる。特に、冷却フレームが上下方向に反る力が発生する場合、それを阻止する機械的剛性を高めることができる。
【0027】
さらに、従来は大容量バッテリーパックを製造する場合、多数の電池セルとバスバーとの接続作業のため大規模の溶接施設が必要となって溶接コストが嵩むが、本発明の一態様によれば、複数の電池セルとバスバーとが電気的に接続された少なくとも二つのバッテリーモジュールを予め製作し、製作されたバッテリーモジュールをパックハウジングに固定することができる。すなわち、換言すると、本発明は、複数の電池セルをバッテリーモジュールのような単位に分けて製造するため、小規模の溶接施設を用いて溶接コストを比較的に低く抑えることができる。これにより、本発明は、低い製造コストでバッテリーパックを製造することができる。
【0028】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施形態を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするものであるため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の一実施形態によるバッテリーパックを概略的に示した斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールを概略的に示した分解斜視図である。
【
図3】
図1のバッテリーモジュールの構成を概略的に示した分解斜視図である。
【
図4】本発明の一実施形態によるバッテリーパックの内部を概略的に示した斜視図である。
【
図5】
図3のA-A’線に沿った概略的な縦断面図である。
【
図6】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの一部構成を概略的に示した部分平面図である。
【
図7】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの一部構成を概略的に示した部分平面図である。
【
図8】
図2のバッテリーモジュールのC-C’線に沿った概略的な縦断面図である。
【
図9】本発明の他の一実施形態によるバッテリーパックの一部構成を概略的に示した縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
【0031】
したがって、本明細書に記載された実施形態及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0032】
図1は本発明の一実施形態によるバッテリーパックを概略的に示した斜視図であり、
図2は本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールを概略的に示した分解斜視図であり、
図3は
図1のバッテリーモジュールの構成を概略的に示した分解斜視図である。
【0033】
図1~
図3を参照すると、本発明のバッテリーモジュール200は、複数の電池セル100、冷却フレーム260、及び上部フレーム270を含む。
【0034】
ここで、電池セル100は、上下方向に立てられた形態であり得る。電池セル100の上部には電極端子が備えられ得る。
【0035】
具体的には、電池セル100は、円筒型電池セルであり得る。複数の電池セル100は、電池缶116、及び電池缶116の内部に収容された電極組立体(図示せず)を含み得る。電池缶116の本体には負極端子112が形成され、電池缶116の上部に結合された電池キャップには正極端子111が形成され得る。
【0036】
さらに、複数の電池セル100は、少なくとも一方向に配列され得る。複数の電池セル100は、所定の間隔で離隔して配列され得る。例えば、
図2のF方向から眺める場合、
図3に示されたように、複数の電池セル100は前後方向と左右方向に配列され得る。
【0037】
一方、本明細書において、前、後、左、右、上、下のような方向を示す用語は、観測者の位置や対象が置かれた形態によって変わり得る。ただし、本明細書では、説明の便宜上、F方向から眺めたときを基準にして、前、後、左、右、上、下などの方向を区分して示すことにする。
【0038】
さらに、複数の電池セル100は、例えば、約3mmの間隔で離隔して配置され得る。また、一つの行に位置した複数の電池セル100と他の一つの行に位置した複数の電池セル100とは、前後方向の位置が互いにずれるように配置され得る。そして、一つの列に位置した複数の電池セル100と他の一つの列に位置した複数の電池セル100とは、左右方向の位置が互いにずれるように配置され得る。すなわち、複数の電池セル100は、全体的に前後左右でジグザグに配置された形態であると言える。
【0039】
また、冷却フレーム260は、複数の電池セル100で充放電によって発生した熱を吸収または放出するように構成され得る。例えば、冷却フレーム260は、熱伝導性に優れた金属素材を含み得る。例えば、金属素材は、銅、アルミニウムなどであり得る。
【0040】
さらに、冷却フレーム260は、水平方向に延びたプレート状であり得る。プレートの上面に複数の電池セル100の下部が固定され得る。
【0041】
そして、冷却フレーム260は、冷媒の注入及び排出が可能な入口及び出口を有し、冷媒が移動可能な冷媒流路が内部に備えられたヒートシンクであり得る。すなわち、冷却フレーム260の内部には、冷媒流路を形成する隔壁が備えられ得る。しかし、必ずしもこのような形態に限定されることはなく、複数の電池セル100から生成された熱を外部に排出可能な冷却構造体であれば適用可能である。
【0042】
したがって、本発明のこのような構成によれば、本発明のバッテリーモジュール200は、モジュールケースの代わりに、冷却フレーム260に直接複数の電池セル100を載置することで、部品数を効果的に減らし、バッテリーモジュール200を軽量化し、エネルギー密度を高め、バッテリーモジュール200の製造コストを節減することができる。
【0043】
さらに、接着剤230は、複数の電池セル100と冷却フレーム260との間に介在され得る。すなわち、接着剤230は、複数の電池セル100のそれぞれの下部を冷却フレーム260の上面に接合できるように、複数の電池セル100と冷却フレーム260との間に付加され得る。
【0044】
また、接着剤230は、特定の素材に限定されず、例えば、グルー(glue)またはホットメルト樹脂(hot-melt resin)であり得る。例えば、接着剤230は、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、及びアクリル系樹脂のうちの少なくとも一つを備え得る。
【0045】
さらに、上部フレーム270は、複数の電池セル100の上部及び水平方向の側部を覆うように構成され得る。上部フレーム270は、複数の電池セル100の上部及び側部を覆うように、水平方向に延びた上壁272、及び上壁272の外周部から下方に延びた側壁274を有し得る。上壁272は、複数の電池セル100の上部に位置し得る。
【0046】
このように本発明によるバッテリーモジュール200は、上面に複数の電池セル100の下部が固定され、水平方向に延びた形態を有する冷却フレーム260、及び複数の電池セル100と冷却フレーム260との間に介在された接着剤230を含む構造を有する。すなわち、バッテリーモジュール200は、接着剤230を用いて複数の電池セル100の下部を冷却フレーム260に直接固定した構造を有する。したがって、バッテリーモジュール200は、複数の電池セル100から発生した熱を効率的に冷却フレーム260に伝達することができる。さらに、本発明は、接着剤230を使用して複数の電池セル100を容易に固定できるため、製造工程を簡素化し、部品数を減らし、製造コストを節減することができる。
【0047】
図4は、本発明の一実施形態によるバッテリーパックの内部を概略的に示した斜視図である。
【0048】
図1及び
図4をさらに参照すると、本発明のバッテリーパック300は、複数のバッテリーモジュール200、及びパックハウジング350を含み得る。複数のバッテリーモジュール200は、バッテリーパック300のパックハウジング350の内部に固定され得る。例えば、複数のバッテリーモジュール200のそれぞれの下部は、接着剤230を使用してパックハウジング350の内部下面に接着され得る。
【0049】
図5は、
図3のA-A’線に沿った概略的な縦断面図である。
【0050】
図3及び
図5を参照すると、冷却フレーム260は、複数の電池セル100のそれぞれの下部を固定するように構成された複数の固定突起Pを備え得る。固定突起Pは、複数の電池セル100の載置位置をガイドするように、冷却フレーム260の内面から電池セル100に向かって(上方に)突出した形態を有し得る。
【0051】
すなわち、固定突起Pは、電池セル100の下端部の外周部を囲むように、平面上で円形状であり得る。また、円形の固定突起Pの内部に一つの電池セル100が載置され得る。
【0052】
また、固定突起Pには接着剤230が収容され得る。接着剤230は、複数の電池セル100それぞれの下部と固定突起Pの内面との間を接着するように構成され得る。
【0053】
したがって、本発明のこのような構成によれば、冷却フレーム260の上面に固定突起Pが備えられることで、複数の電池セル100を正位置に配置し易いだけでなく、冷却フレーム260の内面と複数の電池セル100との間の接着面積を増やすことができ、接着力を効果的に向上させることができる。
【0054】
図6は、本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの一部構成を概略的に示した部分平面図である。
図6には、バスバー250と複数の電池セル100とが電気的に接続された様子を示すため、バスバー250と複数の電池セル100のみが示され、他の構成は示されていない。
【0055】
図3とともに
図6を参照すると、バッテリーモジュール200は、複数のバスバー250をさらに含み得る。バスバー250は、複数の電池セル100同士の間を電気的に接続するように構成され得る。バスバー250は、伝導性金属を含み得る。バスバー250は、例えば、銅、ニッケル及びアルミニウムのうちの少なくとも一つを含み得る。
【0056】
また、複数のバスバー250は、上部フレーム270上に載置され得る。バスバー250は、複数の電池セル100の電極端子(正極端子111、負極端子112)とそれぞれ接触するように構成され得る。例えば、バスバー250は、複数の電池セル100に沿って長く延びた本体プレート251、及び複数の伝導性ワイヤ252を備え得る。本体プレート251と伝導性ワイヤ252とは互いに連結され得る。伝導性ワイヤ252は、上部フレーム270の露出部T2を通して複数の電池セル100の上部に形成された正極端子111または負極端子112と接触し得る。露出部T2は、上部フレーム270の上壁272に位置し得る。バスバー250は、複数の電池セル100同士を電気的に直列及び/または並列に接続できる。
【0057】
本発明の電池セル100は、一対の電極端子(正極端子111、負極端子112)が同じ方向に備えられた構造を有する。このような構造は電気的接続を簡素化することができる。また、このような構造は、電極端子(正極端子111、負極端子112)が形成された面の反対側の面を冷却フレーム260上に直接結合した構造を適用可能にする。上述したように、本発明に適用される電池セル100の正極端子111及び負極端子112はすべて電池セル100の一側に備えられる。例えば、電池セル100が円筒型電池セルである場合、電池缶116の上端の周縁領域が負極端子112として機能し、電池缶116の上端開口部を覆う電池キャップが正極端子111として機能する。電池缶116の上端の周縁領域は、例えば、電池缶116の上端開口部を覆い、正極端子111として機能する電池キャップを固定するために形成される圧着部(crimping portion)の上面を意味し得る。
【0058】
したがって、本発明のこのような構成によれば、バスバー250が複数の伝導性ワイヤ252を備えることで、複数の電池セル100の上部に備えられた電極端子(正極端子111、負極端子112)と精密に接触できる。すなわち、バスバー250は、複数の電池セル100同士の間に短絡が発生しないように構成される必要がある。ただし、複数の電池セル100の正極端子111と負極端子112との間の距離が非常に近い場合は、バスバー250と電極端子との間の精密な連結作業が必要となる。本発明によれば、伝導性ワイヤを通じてバスバー250が電極端子同士の間を精密に連結でき、短絡による爆発や火災の発生を減らすことができる。
【0059】
さらに、本発明のバッテリーモジュール200は、上部カバー216をさらに含み得る。上部カバー216は、複数のバスバー250の上部を覆うことで、他の伝導性導体がバスバー250と接触することを防止することができる。上部カバー216は、水平方向に延びたプレート状であり得る。
【0060】
図7は、本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの一部構成を概略的に示した部分平面図である。
【0061】
図3とともに
図7を参照すると、上部フレーム270には、複数の電池セル100の上部が外部に露出するように、打ち抜かれた露出部T2が備えられ得る。
【0062】
本発明のパックハウジング350の上部フレーム270は、複数の電池セル100それぞれの電極端子の一部分を覆うように構成された突出部Kを備え得る。すなわち、突出部Kは、正極端子111及び/または負極端子112の一部分を覆うように突出し得る。突出部Kは、電極端子に向かって突出した形態を有し得る。
【0063】
例えば、
図7に示されたように、複数の突出部Kのうちのいずれか一つは、電池セル100の上部に備えられた負極端子112の一部が上部に露出しないように突出して延びた形態を有し得る。そして、他の一つは、電池セル100の上部に備えられた正極端子111の一部が上部に露出しないように突出して延びた形態を有し得る。
【0064】
例えば、バスバー250の複数の伝導性ワイヤ252のうち、正極端子111との接続が必要な伝導性ワイヤ252と隣接した上部フレーム270の一部分には、伝導性ワイヤ252が負極端子112と接触する可能性を減らすため、負極端子112の一部を覆うように突出した突出部Kが備えられ得る。
【0065】
逆に、バスバー250の複数の伝導性ワイヤ252のうち、負極端子112との接続が必要な伝導性ワイヤ252と隣接した上部フレーム270の他の一部分には、伝導性ワイヤ252が正極端子111と接触する可能性を減らすため、正極端子111の一部を覆うように突出した突出部Kが備えられ得る。
【0066】
したがって、本発明のこのような構成によれば、上部フレーム270には、複数の電池セル100の電極端子の一部分を覆うように、電極端子に向かって突出した突出部Kが備えられることで、バスバー250と電極端子とを連結する作業中に発生し得る電池セル100同士間の短絡の危険を効果的に低減することができる。これにより、バッテリーパック300の製造効率が高くなって、製造過程で事故の発生を効果的に減らすことができる。
【0067】
図2及び
図3をさらに参照すると、本発明のバッテリーモジュール200の上部フレーム270は、側壁274に形成される少なくとも一つの締結部273を備え得る。締結部273により、バッテリーモジュール200はパックハウジング350及び/または隣接した他のバッテリーモジュール200と結合され得る。締結部273には、例えば、ボルト締結のための締結孔H1が形成され得る。締結孔H1は、例えば、バッテリーモジュール200がパックハウジング350の内部下面350aに載置される場合、パックハウジング350に備えられる他の締結孔及び/または後述する補強部材220に形成された他の締結孔と連通する位置に構成され得る。すなわち、締結ボルトBを上部フレーム270の締結孔H1及び他の締結孔のそれぞれに挿入することで、バッテリーモジュール200とパックハウジング350との間及び/または互いに隣接したバッテリーモジュール200同士を結合することができる。
【0068】
このように本発明のバッテリーモジュール200は、上部フレーム270にパックハウジング350と結合されるように構成された締結部273を備える。したがって、本発明のバッテリーモジュール200は、別途のブラケットのような部材がなくても、上部フレーム270とパックハウジング350とをボルト締結でき、部品数を減らし、バッテリーパックのエネルギー密度を高め、製造コストを節減することができる。
【0069】
図8は、
図2のバッテリーモジュールのC-C’線に沿った概略的な縦断面図である。
【0070】
図2及び
図3とともに
図8を参照すると、本発明の上部フレーム270は、側壁274の下部に上方に向かって凹んだ挿入溝Gが備えられ得る。挿入溝Gは、上部フレーム270の側壁274の下端面に沿って延びた線状の溝であり得る。すなわち、上部フレーム270を下方から上方に眺める場合、挿入溝Gは四角形状であり得る。
【0071】
また、冷却フレーム260には、挿入溝Gに挿入されるように構成された結合部263が備えられ得る。結合部263は、冷却フレーム260の水平方向の外周縁部が上方に突出した形態であり得る。すなわち、結合部263は、冷却フレーム260の水平方向の外周縁部が上方に折り曲げられた形態であり得る。換言すると、冷却フレーム260は外周縁部に側壁が備えられたトレイ形状であり得る。
【0072】
結合部263は、上部フレーム270の挿入溝Gの内部空間に挿入可能な形態を有し得る。すなわち、結合部263は、上部フレーム270の挿入溝Gと対向した状態で互いに結合されるように構成され得る。
【0073】
例えば、
図8に示されたように、上部フレーム270の側壁274の下部には挿入溝Gが形成され得る。冷却フレーム260は、挿入溝Gの内部に挿入されるように上方に突出した形態の結合部263を外周縁部に備え得る。換言すると、挿入溝Gは、略「U」字状の溝であり得る。
【0074】
さらに、挿入溝Gと結合部263との間には接着剤230が介在され得る。すなわち、接着剤230によって挿入溝Gと結合部263とが互いに接着され、固定され得る。
【0075】
このように本発明のバッテリーモジュール200は、上部フレーム270に挿入溝Gが備えられ、冷却フレーム260に結合部263が備えられた構造を有することで、上部フレーム270と冷却フレーム260とを容易に結合することができる。さらに、結合部263が冷却フレーム260の上方に突出し、且つ、冷却フレーム260の外周縁部に沿って延びた形態を有することで、冷却フレーム260の機械的剛性を高めることができる。特に、冷却フレーム260は、上述したような構造を有することで、冷却フレーム260が上下方向に反る力が発生する場合、それを阻止可能な機械的剛性を高めることができる。
【0076】
図9は、本発明の他の一実施形態によるバッテリーパックの一部構成を概略的に示した縦断面図である。
【0077】
図4とともに
図9を参照すると、本発明のバッテリーモジュール200は、内部に充填材240が充填され得る。充填材240は、電気絶縁性の素材を含み得る。充填材240は、耐熱性及び断熱性能の良い素材を含み得る。また、充填材240は、バッテリーモジュール200の内部に充填された後、硬化するように構成された高分子樹脂であり得る。例えば、充填材240は、エポキシ樹脂であり得る。
【0078】
さらに、充填材240は、複数の電池セル100の側部を囲むようにバッテリーモジュール200の内部に充填され得る。すなわち、充填材240は、複数の電池セル100の上部に位置した正極端子111及び負極端子112を覆わない高さまでバッテリーモジュール200の内部に充填され得る。
【0079】
充填材240は、例えば、上部フレーム270に形成された露出部T2からバッテリーモジュール200の内部に注入され得る。このようにバッテリーモジュール200の内部に注入された充填材240は、互いに隣接した電池セル100同士の間に形成された空間を満たし得る。
【0080】
このように本発明のバッテリーモジュール200は、充填材240をさらに含むことで、複数の電池セル100同士の間の短絡を防止できるだけでなく、複数の電池セル100のうちのいずれかに熱暴走や火災が発生する場合、電池缶の側部が破裂して火炎が噴出し、隣接した他の電池セル100に熱や火炎が伝播することを防止することができる。すなわち、充填材240は、電池セル100の火炎及び熱を遮断し、バッテリーモジュール200の安全性を効果的に高めることができる。
【0081】
図1及び
図4をさらに参照すると、本発明の一実施形態によるバッテリーパック300は、バッテリーモジュール200を少なくとも二つを含み得る。また、バッテリーパック300は、少なくとも二つのバッテリーモジュール200を収容する収容空間が備えられたパックハウジング350を含み得る。そして、バッテリーパック300は、バッテリーモジュール200の充放電を制御するための各種の装置(図示せず)、例えばBMS(Battery Management System:バッテリー管理システム)、電流センサ、ヒューズなどをさらに含み得る。
【0082】
また、バッテリーパック300は、補強部材220をさらに含み得る。補強部材220は、パックハウジング350の内部下面、内部上面、及び内部側面のうちのいずれか一つ以上に固定され得る。補強部材220は、パックハウジング350の機械的剛性を補強するために備えられ得る。例えば、補強部材220は、一方向に長く延びたH形鋼であり得る。
【0083】
例えば、補強部材220は、前後方向に延びたビーム形態であり得る。補強部材220の延びた長手方向の両端部(前端部及び後端部)は、パックハウジング350の内部側面を支持するか又は内部側面に結合され得る。
【0084】
また、補強部材220は、接着剤230及び/またはボルトなどの締結手段を使用してパックハウジング350に結合され得る。
【0085】
このように本発明のバッテリーパック300は、補強部材220を備えることで、バッテリーパック300の機械的剛性を補強することができる。これにより、本発明は、補強部材220を使用することで、大容量のバッテリーパック300の場合、収容された多数の電池セル100の重さによってパックハウジング350が上下方向に反る現象を防止することができる。結果的に、バッテリーパック300の耐久性を効果的に高めることができる。
【0086】
一方、
図4を参照すると、補強部材220は、互いに隣接したバッテリーモジュール200同士の結合のための支持体として機能できる。補強部材220は、互いに隣接するバッテリーモジュール200にそれぞれ備えられた締結部273とパックハウジング350の下面350aとの間に介在され得る。この場合、締結部273は、補強部材220上にボルティングなどによって結合され得る。
【0087】
図示されていないが、パックハウジング350の内部空間、すなわちパックハウジング350とバッテリーモジュール200との間の空間には、上述したような電気絶縁性及び耐火性を有する充填材240が充填され得る。
【0088】
一方、本発明の一実施形態による電子デバイス(図示せず)は、上述したバッテリーパック300を少なくとも一つ含む。電子デバイスは、バッテリーパック300を収納するための収納空間が備えられたデバイスハウジング(図示せず)、及びユーザがバッテリーパック300の充電状態を確認可能な表示部をさらに含み得る。
【0089】
また、本発明の一実施形態によるバッテリーパック300は、電気自動車やハイブリッド自動車のような自動車に含まれ得る。すなわち、本発明の一実施形態による自動車は、車体内に本発明の一実施形態によるバッテリーパック300が少なくとも一つ搭載され得る。
【0090】
一方、本発明の一実施形態によるバッテリーパック300を製造する製造方法は、複数の電池セル100の下部を冷却フレーム260に固定する固定段階と、複数の電池セル100を覆うように構成された上部フレーム270を冷却フレーム260と結合する結合段階と、複数の電池セル100同士を電気的に接続するため、バスバー250を複数の電池セル100の電極端子(正極端子または負極端子)のそれぞれに接続する接続段階と、固定段階、結合段階及び接続段階を順次に少なくとも二回行って少なくとも二つのバッテリーモジュール200を製造する製造段階と、少なくとも二つのバッテリーモジュール200をパックハウジング350の内部に固定する固定段階と、を含む。バッテリーモジュール200を製造する段階は、上述した固定段階、結合段階及び接続段階の他にも、電池セル100同士の間に形成された空間及び電池セル100と上部フレーム270の側壁274との間に形成された空間を満たすように、電気絶縁性及び耐火性を有する充填材240を充填するモジュール充填段階をさらに含み得る。一方、本発明の製造方法は、上述した段階の他にも、パックハウジング350の内部に電気絶縁性の充填材240を充填した後、硬化させるパック充填段階をさらに含み得る。すなわち、本発明の一実施形態によるバッテリーパック製造方法は、充填材240を充填する段階を含まなくてもよく、モジュール充填段階及び/またはパック充填段階を含んでもよい。
【0091】
また、本発明の一実施形態によるバッテリーパック製造方法は、これとは異なり、バッテリーモジュール200の内部を充填する段階と、バッテリーモジュール200とパックハウジング350との間の空間を充填する段階とを結合した統合充填段階をさらに含んでもよい。
【0092】
この場合、パックハウジング350の内部に充填された充填材240は、バッテリーモジュール200の少なくとも一部に形成されている隙間を通ってバッテリーモジュール200の内部に流れ込んだ後、硬化し得る。例えば、上部フレーム270と冷却フレーム260との間に隙間があり得、上部フレーム270とバスバー250との間にも隙間が形成され得る。
【0093】
従来は大容量のバッテリーパック300を製造する場合、多数の電池セル100とバスバー250との連結作業のため大規模の溶接施設が必要となって溶接コストが嵩むが、本発明によれば、複数の電池セル100とバスバー250とが電気的に接続された少なくとも二つのバッテリーモジュール200を予め製作し、製作されたバッテリーモジュール200をパックハウジング350に固定することができる。すなわち、換言すると、本発明は、複数の電池セルをバッテリーモジュールのような単位に分けて製造するため、小規模の溶接施設を用いて溶接コストを比較的に低く抑えることができる。これにより、本発明は、低い製造コストでバッテリーパックを製造することができる。
【0094】
なお、本明細書において、上、下、左、右、前、後のような方向を示す用語が使用されたが、このような用語は説明の便宜のためのものであるだけで、対象となる事物の位置や観測者の位置などによって変わり得ることは、当業者にとって自明である。
【0095】
以上のように、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明が属する技術分野における通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0096】
100 電池セル
111 正極端子(電極端子)
112 負極端子(電極端子)
200 バッテリーモジュール
230 接着剤
260 冷却フレーム
270 上部フレーム