(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】空気調和機
(51)【国際特許分類】
F25B 47/02 20060101AFI20240326BHJP
【FI】
F25B47/02 550H
F25B47/02 550P
F25B47/02 570M
(21)【出願番号】P 2022549301
(86)(22)【出願日】2021-02-17
(86)【国際出願番号】 KR2021002003
(87)【国際公開番号】W WO2021167337
(87)【国際公開日】2021-08-26
【審査請求日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】10-2020-0019272
(32)【優先日】2020-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】LG ELECTRONICS INC.
【住所又は居所原語表記】128, Yeoui-daero, Yeongdeungpo-gu, 07336 Seoul,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100109841
【氏名又は名称】堅田 健史
(74)【代理人】
【識別番号】230112025
【氏名又は名称】小林 英了
(72)【発明者】
【氏名】ヤム,ヒョンユル
(72)【発明者】
【氏名】チョ,ウンジュン
(72)【発明者】
【氏名】ユン,ピルヒョン
【審査官】庭月野 恭
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-138063(JP,A)
【文献】特開昭63-113270(JP,A)
【文献】実開昭57-054869(JP,U)
【文献】実開昭62-204255(JP,U)
【文献】特開2009-264606(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109386982(CN,A)
【文献】特開2018-054236(JP,A)
【文献】特開2016-180564(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0104416(KR,A)
【文献】米国特許第04628706(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 47/02
F25B 1/00
F25B 39/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気調和機であって、
冷媒を圧縮する圧縮機と、
前記圧縮機に連結された配管に配置され、冷媒を室内空気と熱交換させる室内熱交換器と、
前記圧縮機に連結された配管に配置され、前記室内熱交換器が配置されていない配管に配置され、冷媒を室外空気と熱交換させる室外熱交換器と、
前記室内熱交換器と前記室外熱交換器とを連結する配管に配置され、冷媒を膨張させる膨張機構と、
一端は前記室外熱交換器の中間地点に連結され、他端は前記圧縮機の入口配管に連結される霜取りバイパス配管と、
前記霜取りバイパス配管に配置される霜取りバイパスバルブと、
前記室外熱交換器の冷媒の温度に応じて、前記霜取りバイパスバルブを開閉するプロセッサと、を備えてな
り、
前記室内熱交換器と前記圧縮機との間に配置されたアキュムレータを更に備え、
前記霜取りバイパス配管は、
前記室外熱交換器に連結される共通バイパス配管と、
前記共通バイパス配管から分岐し、前記圧縮機の入口配管に連結される第1バイパス配管と、
前記共通バイパス配管から分岐し、前記アキュムレータの入口配管に連結される第2バイパス配管と、を備える、空気調和機。
【請求項2】
前記室外熱交換器は、
前記圧縮機と連結された配管と連結されるチューブが配置される第1列と、
前記膨張機構と連結された配管と連結されるチューブが配置される第3列と、
前記第1列と前記第3列との間に配置され、前記第1列のチューブと前記第3列のチューブとを連結するチューブが配置される第2列と、を備え、
前記霜取りバイパス配管は、前記第2列上に配置されたチューブに連結される、請求項1に記載の空気調和機。
【請求項3】
前記室外熱交換器は、前記第1列の冷媒の流動方向が前記第2列の冷媒の流動方向と反対である、請求項2に記載の空気調和機。
【請求項4】
前記室外熱交換器は、第2列の下端が第1列と互いに連通し、第2列の上端が第3列と互いに連通する、請求項2に記載の空気調和機。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記室外熱交換器の冷媒の温度が既設定された温度未満である場合、前記霜取りバイパスバルブを開放し、
前記室外熱交換器の冷媒の温度が既設定された温度以上である場合、前記霜取りバイパスバルブを閉鎖する、請求項1に記載の空気調和機。
【請求項6】
前記霜取りバイパスバルブは、
前記第1バイパス配管上に配置される第1バイパスバルブ、及び
前記第2バイパス配管上に配置される第2バイパスバルブ、を備える、請求項
1に記載の空気調和機。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記室外熱交換器の冷媒の温度に応じて、前記第1バイパスバルブ又は第2バイパスバルブを選択的に開閉する、請求項
6に記載の空気調和機。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記室外熱交換器の冷媒の温度が既設定された基準温度未満である場合、前記第2バイパスバルブを開放し、
前記室外熱交換器の冷媒の温度が
前記既設定された
基準温度以上である場合、前記第2バイパスバルブを閉鎖する、請求項
6に記載の空気調和機。
【請求項9】
空気調和機の制御方法であって、
前記空気調和機は、圧縮機、室外熱交換器、膨張機構、及び室内熱交換器を備え、
一端は前記室外熱交換器の中間地点に連結され、他端は前記圧縮機の入口配管に連結される霜取りバイパス配管に配置される霜取りバイパスバルブを開放する高速霜取り運転段階と、
前記室外熱交換器の冷媒の温度が基準温度以上である場合、前記霜取りバイパスバルブを閉鎖する一般霜取り運転段階と、を含んでな
り、
前記霜取りバイパス配管は、
前記室外熱交換器に連結される共通バイパス配管と、
前記共通バイパス配管から分岐し、前記圧縮機の入口配管に連結される第1バイパス配管と、
前記共通バイパス配管から分岐し、アキュムレータの入口配管に連結される第2バイパス配管と、を備え、
前記高速霜取り段階は、前記室外熱交換器の温度に応じて、前記第1バイパス配管に配置された第1バイパスバルブ又は前記第2バイパス配管に配置された第2バイパスバルブを選択的に開閉する段階を含む、空気調和機の制御方法。
【請求項10】
前記高速霜取り段階は、
前記室外熱交換器の冷媒の温度が既設定された基準温度未満である場合、前記第2バイパスバルブを開放し、
前記室外熱交換器の冷媒の温度が既設定された基準温度以上である場合、前記第2バイパスバルブを閉鎖する、請求項
9に記載の空気調和機の制御方法。
【請求項11】
空気調和機であって、
冷媒を圧縮する圧縮機と、
前記圧縮機に連結された配管に配置され、冷媒を室内空気と熱交換させる室内熱交換器と、
前記圧縮機に連結された配管に配置され、前記室内熱交換器が配置されていない配管に配置され、冷媒を室外空気と熱交換させる室外熱交換器と、
前記室内熱交換器と前記室外熱交換器とを連結する配管に配置され、冷媒を膨張させる膨張機構と、
一端は前記室外熱交換器の中間地点に連結され、他端は前記圧縮機の入口配管に連結される霜取りバイパス配管と、
前記霜取りバイパス配管に配置される霜取りバイパスバルブと、を備えてな
り、
前記室内熱交換器と前記圧縮機との間に配置されたアキュムレータを更に備え、
前記霜取りバイパス配管は、
前記室外熱交換器に連結される共通バイパス配管と、
前記共通バイパス配管から分岐し、前記圧縮機の入口配管に連結される第1バイパス配管と、
前記共通バイパス配管から分岐し、前記アキュムレータの入口配管に連結される第2バイパス配管と、を備える、空気調和機。
【請求項12】
前記室外熱交換器は、
前記圧縮機と連結された配管と連結されるチューブが配置される第1列と、
前記膨張機構と連結された配管と連結されるチューブが配置される第3列と、
前記第1列と前記第3列との間に配置され、前記第1列のチューブと前記第3列のチューブとを連結するチューブが配置される第2列と、を備え、
前記霜取りバイパス配管は、前記第2列上に配置されたチューブに連結される、請求項
11に記載の空気調和機。
【請求項13】
前記室外熱交換器は、前記第1列の冷媒の流動方向が前記第2列の冷媒の流動方向と反対である、請求項
12に記載の空気調和機。
【請求項14】
前記室外熱交換器は、第2列の下端が第1列と互いに連通し、第2列の上端が第3列と互いに連通する、請求項
12に記載の空気調和機。
【請求項15】
前記霜取りバイパスバルブは、
前記第1バイパス配管上に配置される第1バイパスバルブ、及び
前記第2バイパス配管上に配置される第2バイパスバルブ、を備える、請求項
11に記載の空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機(エアーコンデショナー;エアコン;空気調整機;空気寒暖湿度調節機)に関し、より詳細には、寒冷地に設置される空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、空気調和機は、圧縮機、室外熱交換器、膨張機構及び室内熱交換器からなる冷凍サイクル装置を用いて、室内空気を冷房又は暖房する装置である。
【0003】
前記室内空気を冷房する場合、前記室外熱交換器は凝縮器として機能し、前記室内熱交換器は蒸発器として機能し、冷媒は、前記圧縮機、前記室外熱交換器、前記膨張機構、前記室内熱交換器及び前記圧縮機の順に循環する。
【0004】
前記室内空気を暖房する場合、前記室外熱交換器は蒸発器として機能し、前記室内熱交換器は凝縮器として機能し、冷媒は、前記圧縮機、前記室内熱交換器、前記膨張機構、前記室外熱交換器及び前記圧縮機の順に循環する。
【0005】
前記室内空気を暖房する場合、必要に応じて霜取り運転を行うことができる。室内空気を暖房する場合、前記室外熱交換器には外気より低い温度の冷媒が流動し、外気から熱を吸収する。この過程で室外熱交換器の表面には外気に含まれていた水分がつくことがあり、寒冷地の場合には室外熱交換器の表面で氷結する場合もある。室外熱交換器の表面が氷結する場合、熱交換がうまく行われず、暖房効率が減少するという問題点がある。従って、必要に応じて霜取り運転を行い、氷結した氷を除去しなければならない。
【0006】
一般に、霜取り運転は暖房運転の逆方向に冷媒が循環し、これは冷房運転における冷媒の循環方向と類似する。しかし、霜取り運転での冷媒の温度は冷房運転での冷媒の温度より常に低く、圧縮機の入口配管から流入する冷媒の温度は非常に低く、冷媒の圧力も非常に低い。従って、圧縮機の回転速度Hzも低くなるしかなく、結果として霜取り運転の性能が悪くなるという問題がある。
【0007】
特に、現在広く使用されている空気調和機は、様々な運転モードを有するために冷媒流路に様々な部品を備えており、冷媒が前記部品を通過しながら圧力損失が増加するという問題がある。また、冷暖房兼用の空気調和機の場合、冷房性能を確保するために室外熱交換器の出口端に配置された冷媒配管の直径を小さく設計しており、これにより圧力損失が増加し、霜取り性能が低下するという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、霜取り運転の初期に圧縮機における入口配管の冷媒の圧力を上昇させて、霜取り運転性能を維持する空気調和機を提供することにある。
【0009】
本発明が解決しようとする別の課題は、冷媒が流動して発生する圧力損失を最小限にして、室外熱交換器に氷結している氷を迅速に霜取りする空気調和機を提供することにある。
【0010】
本発明の課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されないまた別の課題は、以下の記載から当業者にとって明確に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を達成するために、本発明に係る空気調和機は、冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮機と連結された配管に配置され、冷媒を室内空気と熱交換させる室内熱交換器と、圧縮機と連結された配管に配置され、室内熱交換器が配置された配管と他の配管に配置され、冷媒を室外空気と熱交換させる室外熱交換器と、室内熱交換器と室外熱交換器とを連結する配管に配置され、冷媒を膨張させる膨張機構と、を含む。一端は、室外熱交換器の中間地点に連結され、他端は、圧縮機の入口配管に連結される霜取りバイパス配管と、霜取りバイパス配管に配置される霜取りバイパスバルブと、圧縮機の入口配管で圧縮機に流入する冷媒の温度に応じて、霜取りバイパスバルブを開閉するプロセッサと、を含む(を備える;を構成する;を構築する;を設定する;を包摂する;を包含する)。
【0012】
また、本発明に係る空気調和機は、冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮機と連結された配管に配置され、冷媒を室内空気と熱交換させる室内熱交換器と、圧縮機と連結された配管に配置され、室内熱交換器が配置された配管と他の配管に配置され、冷媒を室外空気と熱交換させる室外熱交換器と、室内熱交換器と室外熱交換器とを連結する配管に配置され、冷媒を膨張させる膨張機構と、を含む。一端は、室外熱交換器の中間地点に連結され、他端は、圧縮機の入口配管に連結される霜取りバイパス配管と、霜取りバイパス配管に配置される霜取りバイパスバルブと、を含む。
【0013】
室外熱交換器は、圧縮機と連結された配管と連結されるチューブが配置される第1列と、膨張機構と連結された配管と連結されるチューブが配置される第3列と、第1列と第3列との間に配置され、第1列のチューブと第3列のチューブとを連結するチューブが配置される第2列と、を含み、霜取りバイパス配管は、第2列上に配置されたチューブに連結されることができる。
【0014】
室外熱交換器は、第1列の冷媒の流動方向が第2列の冷媒の流動方向と反対であってもよい。
【0015】
室外熱交換器は、第2列の下端が第1列と互いに連通し、第2列の上端が第3列と互いに連通することができる。
【0016】
プロセッサは、室外熱交換器の冷媒の温度が既設定された温度未満である場合、霜取りバイパスバルブを開放し、既設定された温度以上である場合、霜取りバイパスバルブを閉鎖することができる。
【0017】
室内熱交換器と圧縮機との間に配置されたアキュムレータを更に含むことができる。このとき、霜取りバイパス配管は、室外熱交換器に連結される共通バイパス配管と、共通バイパス配管から分岐し、圧縮機の入口配管に連結される第1バイパス配管と、共通バイパス配管から分岐し、アキュムレータの入口配管に連結される第2バイパス配管と、を含むことができる。
【0018】
霜取りバイパスバルブは、第1バイパス配管上に配置される第1バイパスバルブ、及び第2バイパス配管上に配置される第2バイパスバルブを含むことができる。
【0019】
プロセッサは、室外熱交換器の冷媒の温度に応じて、第1バイパスバルブ又は第2バイパスバルブを選択的に開閉できる。
【0020】
プロセッサは、室外熱交換器の冷媒の温度が既設定された基準温度未満である場合、第2バイパスバルブを開放し、既設定された温度以上である場合、第2バイパスバルブを閉鎖することができる。
【0021】
本発明による空気調和機の制御方法は、圧縮機、室外熱交換器、膨張機構、及び室内熱交換器を含む空気調和機の制御方法において、一端は、室外熱交換器の中間地点に連結され、他端は、圧縮機の入口配管85に連結される霜取りバイパス配管に配置される霜取りバイパスバルブを開放する高速霜取り運転段階、及び室外熱交換器の冷媒の温度が基準温度以上である場合、霜取りバイパスバルブを閉鎖する一般霜取り運転段階を含む。
【0022】
霜取りバイパス配管は、室外熱交換器に連結される共通バイパス配管と、共通バイパス配管から分岐し、圧縮機の入口配管85に連結される第1バイパス配管と、共通バイパス配管から分岐し、アキュムレータの入口配管に連結される第2バイパス配管と、を含み、高速霜取り段階は、室外熱交換器の温度に応じて、第1バイパス配管に配置された第1バイパスバルブ又は第2バイパス配管に配置された第2バイパスバルブを選択的に開閉する段階を含むことができる。
【0023】
高速霜取り段階は、室外熱交換器の冷媒の温度が既設定された基準温度未満である場合、第2バイパスバルブを開放し、既設定された基準温度以上である場合、第2バイパスバルブを閉鎖することができる。
【0024】
その他の実施形態の具体的な事項は、詳細な説明及び図面に含まれている。
【発明の効果】
【0025】
本発明の空気調和機によると、次のような効果が1つ又はそれ以上ある。
【0026】
第一に、霜取り運転の初期に室外熱交換器の中間から冷媒の一部を分岐させて、圧縮機の入口配管にバイパスするので、霜取り運転の初期に圧縮機の入口配管から圧縮機に流入する冷媒の圧力を確保し、霜取り性能を維持するという利点がある。
【0027】
第二に、室外熱交換器の中間から冷媒の一部を分岐させて、他の構成要素を経由することなく、直ちに圧縮機の入口配管にバイパスするので、冷媒の圧力損失を最小とするという利点もある。
【0028】
第三に、第2実施形態に係ると、共通バイパスバルブから分岐した一部の冷媒は、アキュムレータの入口配管にバイパスされるので、分岐した一部冷媒に存在する凝縮された冷媒をアキュムレータに分離し、気化した冷媒のみを圧縮機に案内して、性能を担保するという利点もある。
【0029】
本発明の効果は、以上で言及した効果に制限されず、言及されないまた別の効果は、請求範囲の記載から当業者にとって明確に理解できるはずだ。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】第1実施形態に係る空気調和機の暖房運転時を示す構成図。
【
図2】
図1の空気調和機の冷房運転時を示す構成図。
【
図3】
図1の空気調和機の霜取り運転時を示す構成図。
【
図5】第2実施形態に係る空気調和機の霜取り運転時を示す構成図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の利点及び特徴、並びにそれらを達成する方法は、添付される図面と共に詳細に後述している実施形態を参照すると明確になるはずだ。しかしながら、本発明は、以下で開示される実施形態に限定されるわけではなく、互いに異なる様々な形態で実現されることができ、単に本実施形態は本発明の開示を完全にして、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は請求項の範疇によって定義されるだけである。明細書全体にわたって同じ参照符号は同じ構成要素を称する。
【0032】
以下、本発明の実施形態によって空気調和機を説明するための図面を参考して、本発明について説明する。
【0033】
<空気調和機>
【0034】
図1は、本発明の実施形態に係る空気調和機を示す構成図である。
【0035】
図1を参照すると、本発明の実施形態に係る空気調和機は、圧縮機1と、室外熱交換器2と、膨張機構3と、室内熱交換器4と、を含むことができる。
【0036】
圧縮機1、室外熱交換器2、膨張機構3、及び室内熱交換器4は、冷媒配管を介して連結できる。
【0037】
圧縮機1、室外熱交換器2、及び膨張機構3は、室外機を構成できる。前記室外機は、室外熱交換器2に空気を送風する室外送風機(図示せず)を含むことができる。前記室外送風機の回転作動により、室外空気が前記室外機の内部に流入し、室外熱交換器2と熱交換された後、室外へ吐出されることができる。
【0038】
室内熱交換器4は室内機を構成することができる。前記室内機は、室内熱交換器4に空気を送風する室内送風機(図示せず)を更に含むことができる。前記室内送風機の回転作動により、室内空気が前記室内機の内部に流入し、室内熱交換器4と熱交換された後、室内へ吐出されることができる。
【0039】
前記空気調和機の冷房運転時、室外熱交換器2は凝縮器として機能し、室内熱交換器4は蒸発器として機能できる。前記空気調和機の冷房運転時、冷媒は圧縮機1、室外熱交換器2、膨張機構3、室内熱交換器4、及び圧縮機1の順に循環できる。
【0040】
前記空気調和機の暖房運転時、室外熱交換器2は蒸発器として機能し、室内熱交換器4は凝縮器として機能できる。前記空気調和機の暖房運転時、冷媒は圧縮機1、室内熱交換器4、膨張機構3、室外熱交換器2、及び圧縮機1の順に循環できる。
【0041】
圧縮機1は冷媒を圧縮することができる。前記凝縮器は、圧縮機1を通過した冷媒を凝縮させることができる。膨張機構3は、前記凝縮器を通過した冷媒を膨張させることができる。前記蒸発器は、膨張機構3を通過した冷媒を蒸発させることができる。
【0042】
前記空気調和機は、冷房運転及び暖房運転の両方が可能な空気調和機で構成されることができる。但し、前記空気調和機は、暖房運転のみ可能な空気調和機で構成されることもある。
【0043】
以下、説明において、前記空気調和機は、冷房運転及び暖房運転の両方が可能な空気調和機で構成されるものと説明することとする。
【0044】
本発明の実施形態に係る空気調和機は、冷暖房切替バルブ7を更に含むことができる。冷暖房切替バルブ7は、前記室外機を構成することができる。冷暖房切替バルブ7は、圧縮機1から吐出された冷媒の流れを室外熱交換器2及び室内熱交換器4のうちの1つに切り替えさせることができる。
【0045】
圧縮機の吸入流路81、8、85は、室外熱交換器2の暖房運転時の出口及び圧縮機1の入口を連結することができる。圧縮機の吸入流路81、8、85は、液相冷媒及び気相冷媒を分離するアキュムレータ8と、室外熱交換器2の暖房運転時の出口及びアキュムレータ8の入口を連結する第1冷媒配管81と、アキュムレータ8の出口及び圧縮機1の入口を連結する圧縮機入口配管85と、を含むことができる。
【0046】
前記空気調和機の暖房運転時、室外熱交換器2から第1冷媒配管81を介して液相冷媒及び気相冷媒がアキュムレータ8に流動することができ、アキュムレータ8に流動した冷媒は、アキュムレータ8で液相冷媒及び気相冷媒に分離できる。
【0047】
アキュムレータ8で分離された液相冷媒は、アキュムレータ8内の下側に収容されてもよく、アキュムレータ8で分離された気相冷媒は、前記分離された液相冷媒の上側に配置されてもよい。
【0048】
アキュムレータ8で分離された気相冷媒は、圧縮機の入口配管85を介して圧縮機1に流動することができ、アキュムレータ8で分離された液相冷媒は、アキュムレータ8内にそのまま残っていることがある。
【0049】
第2冷媒配管82は、室内熱交換器4の暖房運転時の出口及び膨張機構3の暖房運転時の入口を連結することができる。
【0050】
第3冷媒配管83は、膨張機構3の暖房運転時の出口及び室外熱交換器2の暖房運転時の入口を連結することができる。
【0051】
第4冷媒配管84は、圧縮機1の出口及び室内熱交換器4の暖房運転時の入口を連結することができる。
【0052】
冷暖房切替バルブ7は、第1冷媒配管81及び第4冷媒配管84に設置されることができる。
【0053】
室外熱交換器2は、ピン-チューブ方式で構成できる。室外熱交換器2は、複数個のピンが幾層も配置され、前記ピンをチューブが数回貫通して形成される。チューブの内部には冷媒が循環する冷媒流路を形成する。
【0054】
図面を参照すると、室外熱交換器2は、冷媒流路が互いに区画された複数の単位流路を含むことができる。本実施形態においては、室外熱交換器2の冷媒流路が3個の単位流路に区画されたことと限定して説明する。しかしながら、これに限定されず、4個以上又は2個以下の単位流路からなることも可能である。本実施形態においては、室外熱交換器2の冷媒流路が上部/中央/下部に区画されているものと説明する。
【0055】
図面を参照すると、室外熱交換器2は、冷媒流路が側方に複数個の列で配置されてもよい。本実施形態においては、3個の列を形成するが、これに限定されず、通常の技術者を基準に3個以外の列を形成することができる。
【0056】
室外熱交換器2は、圧縮機1と連結される第1冷媒配管81に連結される第1列21を含むことができる。室外熱交換器2は、膨張機構3と連結される第3冷媒配管83に連結される第3列23を含むことができる。室外熱交換器2は、第1列21と第3列23との間に配置された第2列22を含むことができる。
【0057】
第1列21に配置されるチューブは、一側が圧縮機1と連結される第1冷媒配管81と連結され、他側が第2列22上に配置されたのチューブに連結される。第2列22に配置されるチューブは、一側で第1列21のチューブと連結され、他側が第3列23のチューブと連結される。第3列23に配置されるチューブは、一側で第2列22のチューブと連結され、他側が膨張機構3に連結される第2冷媒配管82と連結される。
【0058】
第1冷媒配管81は、第1列21の上部に配置されたチューブに連結されることができる。第1列21において、冷媒は上部から下部に流動できる。第2列22のチューブと第1列21のチューブは、下端で連通できる。第2列22において、冷媒は下部から上部に流動できる。第3列23のチューブと第2列22のチューブは、上端で連通できる。第3列23において、冷媒は上部から下部に流動できる。第3冷媒配管83は、第3列23の下部に配置されたチューブに連結されることができる。
【0059】
第1列21の冷媒の流動方向は、第2列22の冷媒の流動方向と反対であり得る。第2列22の冷媒の流動方向は、第3列23の冷媒の流動方向と反対であり得る。例えば、第1列21の冷媒の流動方向が下向きである場合、第2列22の冷媒の流動方向は上向きであり、第3列23の冷媒の流動方向は下向きであり得る。
【0060】
室外熱交換器2には少なくとも1つ以上の温度センサが配置されてもよい。
図1を参照すると、室外熱交換器の第1温度センサ221と、室外熱交換器の第2温度センサ231とを含むことができる。本発明において、プロセッサが制御する室外熱交換器の温度(Thex)は、室外熱交換器の第1温度センサ221である。
【0061】
室外熱交換器の第1温度センサ221は、第2列22に配置されてもよい。室外熱交換器の第1温度センサ221は、霜取りバイパス配管86と近い位置の室外熱交換器2に配置されてもよい。後述する第2実施形態に係ると、室外熱交換器の第1温度センサ221は、共通バイパス配管86cと近い位置の室外熱交換器2に配置されてもよい。室外熱交換器の第1温度センサ221は、共通バイパス配管86cと室外熱交換器2との連結点に配置されてもよい。
【0062】
室外熱交換器の第1温度センサ231は、室外熱交換器2からバイパス配管86にバイパスされる冷媒の温度を測定し、そのデータをプロセッサ300に送信することができる。
【0063】
室外熱交換器の第2温度センサ231は、第3列23に配置されてもよい。室外熱交換器の第2温度センサ231は、第3冷媒配管83と近い位置の室外熱交換器2に配置されてもよい。室外熱交換器の第2温度センサ231は、第3冷媒配管83と室外熱交換器2との連結点に配置されてもよい。
【0064】
室外熱交換器の第2温度センサ231は、室外熱交換器2から第3冷媒配管83へ吐出される冷媒の温度を測定し、そのデータをプロセッサ300に送信することができる。
【0065】
示してはいないが、室外熱交換器2の冷媒流路が、
図1に示すように上部/中央/下部に区画された場合、第1温度センサ221及び第2温度センサ231は中央の冷媒流路に対応する位置に配置されてもよく、下部の冷媒流路に対応する位置に配置されてもよい。
【0066】
<霜取りバイパス配管>
【0067】
霜取りバイパス配管86は、一端が室外熱交換器2と連結され、他端は圧縮機1の入口配管85に連結され、室外熱交換器2を流動する冷媒のうちの一部を圧縮機1にバイパスさせる装置である。
【0068】
霜取りバイパス配管86の一端は室外熱交換器2と連結され、冷媒が流動する。霜取りバイパス配管86は、室外熱交換器2の第2列22のチューブに連結されることができる。室外熱交換器2の冷媒流路が、
図1に示すように上部/中央/下部に区画された場合、霜取りバイパス配管86は上部のチューブ、中央のチューブ、及び下部のチューブに並列に各々連結されることができる。
【0069】
霜取りバイパス配管86は、室外熱交換器2における第2列22のチューブの中間に連結されることができる。霜取りバイパス配管86は、第2列22のチューブの中央に連結されることが好ましいが、
図1に示すように、できるだけ第2列22のチューブの中央に近く連結されるようにできる。
【0070】
霜取りバイパス配管86の他端は、圧縮機1の入口配管85に連結される。霜取りバイパス配管86は、圧縮機1の入口配管85に連結され、バイパスされた冷媒を圧縮機1に流入させる。
【0071】
霜取りバイパス配管は、冷媒の一部を圧縮機1にバイパスして、圧縮機1に流入する冷媒の圧力が限界以下に下がることを防止する効果があり、圧縮機1に流入する冷媒の温度を十分に上昇させて、霜取り性能を向上させる効果もある。
【0072】
霜取りバイパスバルブ87は、霜取りバイパス配管86に配置され、霜取りバイパス配管86を開閉する装置である。霜取りバイパスバルブ87は、暖房運転時、霜取りバイパス配管86を開放し、冷房運転時、霜取りバイパス配管86を遮断することができる。霜取りバイパスバルブ87は開閉バルブであってもよく、霜取りバイパス配管86を流動する冷媒の量を調節できる。
【0073】
プロセッサ300は、空気調和機の運転を制御する装置である。プロセッサ300は空気調和機の内部に配置されてもよい。
【0074】
プロセッサ300は、圧縮機1の稼働を制御することができ、膨張機構3の開閉を制御することができ、空気調和機の空気吐出口を開閉したり、吐出角度を変更したりするなどの制御をすることができる。更に、前記制御以外にも、通常の技術者を基準に容易に採択できる程度の制御方法を含む。
【0075】
プロセッサ300は、霜取りバイパスバルブ87を制御することができる。プロセッサ300は、霜取りバイパス配管86に配置された霜取りバイパスバルブ87を開閉し、冷媒を圧縮機1の入口配管85にバイパスさせることもできる。プロセッサ300は、一定時間の間、霜取りバイパスバルブ87を開放して冷媒を圧縮機1の入口配管85にバイパスさせ、一定時間が経過した後は、霜取りバイパスバルブ87を閉鎖し、冷媒をバイパスさせないことがある。
【0076】
前記一定時間は、霜取り性能が十分に維持できる圧縮機1の流入冷媒の圧力に対応する時間である。プロセッサ300は、前記一定時間の間は霜取りバイパスバルブ87を開放し、冷媒をバイパスして、圧縮機1の流入冷媒の圧力を補償する。プロセッサ300は、前記一定時間が経過した後は、霜取りバイパスバルブ87を閉鎖し、冷媒をバイパスさせない。プロセッサ300は、前記一定時間を室外熱交換器2の温度に応じて算出できる。
【0077】
プロセッサ300は、室外熱交換器2の冷媒の温度が既設定された基準温度未満である場合、霜取りバイパスバルブ87を開放し、既設定された基準温度以上である場合、霜取りバイパスバルブ87を閉鎖することができる。基準温度はプロセッサ300に既に保存されており、実験によって決定されることができる。基準温度は、冷媒がバイパスされなくても、圧縮機1の流入冷媒が霜取り性能を確保するのに十分なときの冷媒の圧力に対応する室外熱交換器2の冷媒温度である。すなわち、室外熱交換器2を通過する冷媒の温度が基準温度以上である場合、冷媒が圧縮機1の入口配管85にバイパスされない場合も、圧縮機1に流入する冷媒が十分に高い圧力を有するので、必要な霜取り性能を有する。
【0078】
例えば、プロセッサ300は、高速霜取り運転を始めるが、室外熱交換器2でバイパスされる冷媒の温度が摂氏12度になるときに霜取りバイパスバルブ87を閉鎖することができる。冷媒の温度が摂氏12度になる場合、圧縮機1に流入する冷媒の圧力が十分であり、冷媒をバイパスさせなくても霜取り性能を十分に確保することができる。
【0079】
<運転方法>
【0080】
前記空気調和機の暖房運転時の冷媒の流れを説明すると、次の通りである。圧縮機1で圧縮された冷媒は、第4冷媒配管84の前方部を介して冷暖房切替バルブ7に移動される。冷暖房切替バルブ7に移動された冷媒は、第4冷媒配管84の後方部を介して室内熱交換器4に移動される。室内熱交換器4に移動された冷媒は、第2冷媒配管82を介して膨張機構3に移動される。膨張機構3に移動された冷媒は、第3冷媒配管83を介して室外熱交換器2に移動される。室外熱交換器2に移動された冷媒は、第1冷媒配管81の前方部を介して冷暖房切替バルブ7に移動される。冷暖房切替バルブ7に移動された冷媒は、第1冷媒配管81の後方部を介してアキュムレータ8に移動される。アキュムレータ8に移動された冷媒は、圧縮機の入口配管85を介して圧縮機1に移動される。前記空気調和機の暖房運転時、冷媒はこのような流れを繰り返す。
【0081】
一方、前記空気調和機の冷房運転時の冷媒の流れを説明すると、次の通りである。圧縮機1で圧縮された冷媒は、第4冷媒配管84の前方部を介して冷暖房切替バルブ7に移動される。冷暖房切替バルブ7に移動された冷媒は、第1冷媒配管81の前方部を介して室外熱交換器2に移動される。室外熱交換器2に移動された冷媒は、第2冷媒配管82を介して膨張機構3に移動される。膨張機構3に移動された冷媒は、第2冷媒配管82を介して室内熱交換器4に移動される。室内熱交換器4に移動された冷媒は、第4冷媒配管84の後方部を介して冷暖房切替バルブ7に移動される。冷暖房切替バルブ7に移動された冷媒は、第1冷媒配管81の後方部を介してアキュムレータ8に移動される。アキュムレータ8に移動された冷媒は、圧縮機の入口配管85を介して圧縮機1に移動される。前記空気調和機の冷房運転時、冷媒はこのような流れを繰り返す。
【0082】
一方、前記空気調和機の一般霜取り運転時の冷媒の流れを説明すると、次の通りである。圧縮機1で圧縮された冷媒は、第4冷媒配管84の前方部を介して冷暖房切替バルブ7に移動される。冷暖房切替バルブ7に移動された冷媒は、第1冷媒配管81の前方部を介して室外熱交換器2に移動され、室外熱交換器2についた水分又は氷を除去する。室外熱交換器2に移動された冷媒は、第2冷媒配管82を介して膨張機構3に移動される。膨張機構3に移動された冷媒は、第2冷媒配管82を介して室内熱交換器4に移動される。室内熱交換器4に移動された冷媒は、第4冷媒配管84の後方部を介して冷暖房切替バルブ7に移動される。冷暖房切替バルブ7に移動された冷媒は、第1冷媒配管81の後方部を介してアキュムレータ8に移動される。アキュムレータ8に移動された冷媒は、圧縮機の入口配管85を介して圧縮機1に移動される。前記空気調和機の一般霜取り運転時、冷媒はこのような流れを繰り返す。
【0083】
一方、前記空気調和機の一般霜取り運転時、高速霜取り運転を一部含み得る。高速霜取り運転時間は、プロセッサ300によって制御される。プロセッサ300は、一般霜取り運転を始めるとき、高速霜取り運転を一部含み得る。プロセッサ300は、一般霜取り運転を始めるとき、高速霜取り運転を始め、既設定された設定時間が経過すると、高速霜取り運転を終了し、一般霜取り運転を始めることができる。
【0084】
前記空気調和機の高速霜取り運転時の冷媒の流れを説明すると、次の通りである。圧縮機1で圧縮された冷媒は、第4冷媒配管84の前方部を介して冷暖房切替バルブ7に移動される。冷暖房切替バルブ7に移動された冷媒は、第1冷媒配管81の前方部を介して室外熱交換器2に移動される。室外熱交換器2に移動された冷媒のうちの一部は、第2列22に連結されたバイパス配管86を流動し、残りは第3列23を通過して第2冷媒配管82を流動する。
【0085】
バイパス配管86を流動する一部冷媒は、圧縮機1の入口配管85で残りの冷媒と合流し、圧縮機1に流入する。第2冷媒配管82を流動する残りの冷媒は、前記一般霜取り運転時と同様に膨張機器等を通過して圧縮機1に流入し、圧縮機1の入口配管85で前記一部冷媒と合流する。前記空気調和機の高速霜取り運転時、冷媒はこのような流れを繰り返す。
【0086】
高速霜取り運転の場合、一部冷媒は室外熱交換器2を流動する中に分岐し、圧縮機1の入口配管85にバイパスされる。残りの冷媒は膨張機構3を通過して圧力が下降し、他の構成要素を通過するにつれて圧力損失が増加し、圧縮機1に流入する冷媒の圧力は更に下降することになる。従って、圧縮機1の入口配管85で冷媒の圧力は非常に低いため、霜取り性能がうまく発揮できない。このとき、バイパスされた一部冷媒が合流しながら圧力を補償することによって、空気調和機の霜取り性能を確保することができるという効果がある。
【0087】
更に、霜取り性能を確保するために、室外熱交換器2の出口端に連結された第3冷媒配管83の直径は十分に大きく設計しなければならないが、第3冷媒配管83が大きく設計される場合、冷房能力が大きく落ちるという問題点がある。従って、一般霜取り運転の前に高速霜取り運転を行うことによって、第3冷媒配管83の直径を十分に小さく設計しても、霜取り運転の初期に霜取り性能を確保することができ、冷房性能も維持するという効果がある。
【0088】
反面、高速霜取り運転は、室外熱交換器2の一部のみ流動し、残りは流動しない点で、他の構成要素を通過せず、一般的な運転性能が低下するという問題がある。また、室外熱交換器2で一部冷媒は第3列23のチューブ及び第2列22の一部チューブを流動しないため、霜取りがうまくならないという問題もある。従って、プロセッサ300は、適切な時に高速霜取り運転を終了し、一般霜取り運転に切り替えて、一般的な霜取り運転性能を確保する。前記適切な時とは、熱交換器の温度が基準温度以上のときであり、このときは圧縮機1の入口配管85の冷媒の圧力が、霜取り性能が確かに発揮される時期といえる。
【0089】
<第2実施形態>
【0090】
図5は、本発明の第2実施形態に係る空気調和機を示す構成図である。ここでは、第1実施形態と同じものについては同じ図面符号を付与し、それに対する詳しい説明は省略し、異なる点のみを説明する。
【0091】
図5を参照すると、霜取りバイパス配管86は室外熱交換器2の中間に連結されることができる。より詳細に、霜取りバイパス配管86のうち共通バイパス配管86cは、室外熱交換器2の中間に連結されることができる。共通バイパス配管86cの一端は、少なくとも2つの配管に分岐し得、分岐した配管は第1バイパス配管86a及び第2バイパス配管86bと名付ける。
【0092】
第1バイパス配管86aは共通バイパス配管86cから分岐し、圧縮機1の入口配管85に連結されることができる。すなわち、第1バイパス配管86aは第1実施形態と同様に圧縮機1の入口配管85に連結される。第1バイパス配管86a上には第1バイパスバルブ87aが配置されてもよい。
【0093】
第2バイパス配管86bは、共通バイパス配管86cから分岐し、アキュムレータ8の入口配管に連結される。共通バイパス配管86cから分岐した冷媒のうちの一部は、第2バイパス配管86bを介してアキュムレータ8の入口配管に流入できる。
【0094】
第2バイパス配管86bを通過した一部冷媒は、アキュムレータ8に流入して液相冷媒及び気相冷媒に分離されることができる。アキュムレータ8で分離された気相冷媒は、圧縮機1の入口配管を介して圧縮機1に流入し、アキュムレータ8で分離された液相冷媒は、アキュムレータ8内にそのまま残っていることがある。
【0095】
プロセッサ300は、空気調和機の一般霜取り運転時、高速霜取り運転を一部含み得、これは、第1実施形態の制御方法と類似する。
【0096】
しかしながら、プロセッサ300は、第1実施形態とは異なり、第1バイパスバルブ87aと第2バイパスバルブ87bを選択的に開閉できる。
【0097】
より詳細には、第2実施形態では第1実施形態とは異なり、室外熱交換器2の冷媒の温度が既設定された基準温度以下である場合、第2バイパスバルブ87bを開放し、既設定された基準温度以上である場合、第2バイパスバルブ87bを閉鎖することができる。
【0098】
プロセッサ300は第2バイパスバルブ87bを開放し、バイパスされた冷媒をアキュムレータ8の入口配管に案内できる。アキュムレータ8の入口配管にバイパスされた冷媒は、室内熱交換器4を通過した冷媒と混合され、アキュムレータ8に流入する。アキュムレータ8に流入した冷媒は、液相冷媒と気相冷媒とに分離されることができる。アキュムレータ8で分離された気相冷媒は、圧縮機の入口配管を介して圧縮機1に流入し、アキュムレータ8で分離された液相冷媒は、アキュムレータ8内にそのまま残っていることがある。
【0099】
前記のように、本発明の実施形態に係る空気調和機は、室外熱交換器2の中間から分岐した冷媒が圧縮機1の入口配管85にバイパスされ、霜取り運転の初期に圧縮機1の入口配管85で非正常的に圧力が落ちることを防止し、霜取り性能を維持する効果がある。また、冷媒の一部は、空気調和機の他の構成要素を循環せず、直ちに圧縮機1にバイパスされるので、霜取り運転の初期に霜取り性能を向上させる効果もある。更に、室外熱交換器2の後端を流れる冷媒の圧力損失を更に減少することによって、相対的に直径が小さい第3冷媒配管83の直径を更に小さく設計し、冷房性能を向上させる効果もある。
【0100】
以上では、本発明の好ましい実施形態について図示して説明しているが、本発明は、前述した特定の実施形態に限定されず、特許請求範囲で請求する本発明の要旨を外れることなく、当該発明が属する技術分野で通常の知識を有する者により多様な変形実施が可能であるのは勿論であり、このような変形実施は、本発明の技術的思想や展望から個別的に理解されてはならない。