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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】管理装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 41/50 20220101AFI20240326BHJP
   G06Q 50/50 20240101ALI20240326BHJP
   H04L 12/14 20240101ALI20240326BHJP
   H04L 67/00 20220101ALI20240326BHJP
   H04W 4/24 20240101ALI20240326BHJP
【FI】
H04L41/50
G06Q50/50
H04L12/14
H04L67/00
H04W4/24
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022551884
(86)(22)【出願日】2021-09-10
(86)【国際出願番号】 JP2021033390
(87)【国際公開番号】W WO2022065087
(87)【国際公開日】2022-03-31
【審査請求日】2023-03-20
(31)【優先権主張番号】P 2020159646
(32)【優先日】2020-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石塚 広樹
(72)【発明者】
【氏名】安沢 昌志
【審査官】鈴木 香苗
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-176519(JP,A)
【文献】特表2018-521564(JP,A)
【文献】特開2002-158656(JP,A)
【文献】特表2015-529985(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0260750(US,A1)
【文献】村田 嘉利 Yoshitoshi Murata ほか,コグニティブ無線クラウドにおける通信情報管理 Network Information Management of The Cognitive Wireless Cloud,マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2007)シンポジウム論文集 情報処理学会シンポジウムシリーズ Vol.2007 No.1 [CD-ROM] IPSJ Symposium Series,日本,社団法人情報処理学会 Information Processing Society of Japan ,2007年06月29日,pp.1561-1567
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 41/50
G06Q 50/50
H04L 12/14
H04L 67/00
H04W 4/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数の通信事業者に管理される複数のネットワークのうちの1つ以上のネットワークに接続される端末装置と通信可能な管理装置であって、
前記端末装置にインストールされたアプリケーションプログラムの実行時に実行される通信の品質の制御を要求する制御要求と前記端末装置に関する端末情報とを取得し、前記制御要求及び前記端末情報に基づいて、前記1つ以上のネットワークのうちの少なくとも1つに前記品質の制御を実行させるための制御処理を、実行する品質管理部と、
前記品質の制御の利用料金を示す料金情報を前記複数のネットワークの各々から取得し、前記料金情報に基づく課金を、前記アプリケーションプログラムを前記端末装置に提供したアプリケーション事業者に対して行う課金管理部と、
を備えている、
ことを特徴とする管理装置。
【請求項2】
前記課金管理部は、
前記複数のネットワークのうち、前記品質の制御を実行するネットワークとして、前記品質の制御の利用に関する複数の料金プランに基づいて前記アプリケーション事業者により選択されたネットワークを示す選択情報を取得し、
前記アプリケーション事業者により選択されたネットワークが登録されたリストを前記選択情報に基づいて管理する、
ことを特徴とする請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記課金管理部は、
前記複数の料金プランを前記アプリケーション事業者に通知し、
前記複数の料金プランのいずれかの料金プランが変更された場合、変更された料金プランを、所定のタイミングで前記アプリケーション事業者に通知する、
ことを特徴とする請求項2に記載の管理装置。
【請求項4】
前記品質管理部は、
前記リストと前記制御要求と前記端末情報とに基づいて、前記制御処理を実行する、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の管理装置。
【請求項5】
前記品質管理部は、
前記複数のネットワークのうち、前記端末装置と接続中のネットワークを、前記端末情報に基づいて特定し、
前記端末情報に基づいて特定したネットワークが、前記リストに登録されていないネットワークを含む場合、前記リストに登録されていないネットワークが前記アプリケーションプログラムの実行時に実行される通信の前記品質の制御を実行しないように、前記制御処理を実行する、
ことを特徴とする請求項4に記載の管理装置。
【請求項6】
前記複数のネットワークの各々は、
前記複数の料金プランのうちの対応する料金プランに規定された上限料金に前記利用料金が達していないことを条件として、前記品質の制御を実行し、
前記課金管理部は、
前記複数のネットワークのうち、前記利用料金が前記上限料金に達したネットワークの料金プランの変更を打診する打診情報を、前記アプリケーション事業者に通知する、
ことを特徴とする請求項2から5のいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項7】
前記複数のネットワークの各々は、
前記複数の料金プランのうちの対応する料金プランに規定された上限料金に前記利用料金が達していないことを条件として、前記品質の制御を実行し、
前記課金管理部は、
前記複数のネットワークのうち、前記利用料金が前記上限料金に達したネットワークの料金プランを、前記上限料金が現状の料金プランより高い料金プランに変更し、料金プランを変更したことを前記アプリケーション事業者に通知する、
ことを特徴とする請求項2から5のいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項8】
前記複数のネットワークの各々は、
前記複数の料金プランのうちの対応する料金プランに規定された上限料金に前記利用料金が達していないことを条件として、前記品質の制御を実行し、
前記課金管理部は、
前記複数の料金プランのいずれかの前記上限料金が前記アプリケーション事業者により指定された第1料金以上に変更された場合、前記上限料金が前記第1料金以上に変更された料金プランに対応するネットワークを前記リストから削除する、
ことを特徴とする請求項2から5のいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項9】
前記品質管理部は、
前記アプリケーション事業者に対する課金が、前記アプリケーション事業者により指定された第2料金に達した場合、前記制御要求を棄却する、
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項10】
前記品質管理部は、
前記品質の制御が実行されている最中に、前記アプリケーション事業者に対する課金が、前記アプリケーション事業者により指定された第3料金に達した場合、前記品質の制御を終了させる、
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク等の通信網における通信の品質を確保する技術として、QoS(Quality of Service)制御が知られている。例えば、スマートフォン等の端末装置がネットワークに接続されるシステムでは、端末装置から要求されたQoSのレベルに応じたQoS制御を実行する方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-33446号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、複数の通信事業者によりそれぞれ管理される複数のネットワークでは、QoS制御の利用料金の計算方法(料金体系及び課金の仕組み等)は、QoSを提供する通信事業者によって異なる。このため、QoSの利用の申し込み、及び、QoS制御の利用料金の支払い等のQoSの利用に関する手続きは、通信事業者毎に行われる。また、例えば、複数のネットワークのいずれに対してもQoS制御の実行を要求できるアプリケーションプログラムが端末装置にインストールされる可能性がある。この場合、例えば、アプリケーションプログラムを提供するアプリケーション事業者が、複数の通信事業者に対して、QoSの利用に関する手続きを行うことが考えられる。しかしながら、アプリケーション事業者がQoSの利用に関する手続きを複数の通信事業者に対して行う場合、QoSの利用に関する手続きが煩雑になるといった問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、本発明の好適な態様に係る管理装置は、1又は複数の通信事業者に管理される複数のネットワークのうちの1つ以上のネットワークに接続される端末装置と通信可能な管理装置であって、前記端末装置にインストールされたアプリケーションプログラムの実行時に実行される通信の品質の制御を要求する制御要求と前記端末装置に関する端末情報とを取得し、前記制御要求及び前記端末情報に基づいて、前記1つ以上のネットワークのうちの少なくとも1つに前記品質の制御を実行させるための制御処理を、実行する品質管理部と、前記品質の制御の利用料金を示す料金情報を前記複数のネットワークの各々から取得し、前記料金情報に基づく課金を、前記アプリケーションプログラムを前記端末装置に提供したアプリケーション事業者に対して行う課金管理部と、を備えている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、複数のネットワークのいずれに対してもQoS制御の実行を要求できるアプリケーションプログラムが端末装置にインストールされる場合においても、QoSの利用に関する手続きが煩雑になることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態に係る管理装置を含むネットワークシステムの全体構成を示すブロック図である。
図2図1に示した管理テーブルの一例を示す説明図である。
図3】API情報の一例を示す説明図である。
図4】端末情報の一例を示す説明図である。
図5】ネットワーク情報の一例を示す説明図である。
図6】登録リストの一例を示す説明図である。
図7】料金情報の一例を示す説明図である。
図8】料金情報の別の例を示す説明図である。
図9図1に示したネットワークシステムの動作の一例を示すシーケンスチャートである。
図10】QoSの利用の申し込みに関する管理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図11】QoS制御に関する管理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図12】課金に関する管理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図13】第1変形例に係る管理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図14】第1変形例に係る管理装置の動作の別の例を示すフローチャートである
図15】第3変形例に係る管理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[1.実施形態]
図1は、実施形態に係る管理装置100を含むネットワークシステム10の全体構成を示すブロック図である。図1に例示するように、ネットワークシステム10は、インターネット500を介して互いに接続される複数のネットワーク300と、インターネット500を介して複数のネットワーク300に接続される管理装置100と、ネットワーク300に接続される複数の端末装置200とを有する。さらに、ネットワークシステム10は、端末装置200にインストールされるアプリケーションプログラムPRapを提供するアプリケーション事業者のアプリ事業者装置400を有する。
【0009】
アプリケーション事業者は、例えば、アプリケーション事業者が管理するウェブサイトから端末装置200にアプリケーションプログラムPRapを送信することにより、アプリケーションプログラムPRapを端末装置200に提供してもよい。なお、アプリケーション事業者は、アプリケーションプログラムPRapを端末装置200に送信するためのウェブサイトとして、サードパーティにより管理されるウェブサイトを利用してもよい。
【0010】
また、端末装置200は、複数のネットワーク300のうちの1つ以上のネットワーク300に接続される。例えば、端末装置200は、複数のネットワーク300のうちの2つ以上のネットワーク300に同時に接続されてもよい。また、管理装置100は、インターネット500を介さずに、複数のネットワーク300に接続されてもよい。本明細書における「装置」という用語は、回路、デバイス又はユニット等の他の用語に読替えてもよい。
【0011】
複数のネットワーク300の各々は、例えば、通信サービスを提供する複数の通信事業者の各々により管理される移動体通信網等の電気通信回線であり、有線ネットワーク及び無線ネットワークの一方又は両方を含む。なお、複数のネットワーク300には、同一の通信事業者により管理される2つ以上のネットワーク300が含まれてもよい。ネットワーク300の管理には、例えば、ネットワーク300の運用が含まれる。但し、通信事業者が仮想移動体通信事業者である場合、ネットワーク300の管理には、例えば、ネットワーク300に含まれる基地局等の無線局の運用が含まれない場合、及び、有線の運用が含まれない場合がある。また、複数のネットワーク300の各々は、品質制御装置302を有する。なお、図1では、図を見やくするため、ネットワーク300に含まれる複数のノード(装置)のうち、品質制御装置302以外のノード(例えば、基地局等)の記載を省略している。
【0012】
ここで、複数のネットワーク300間の接続、ネットワーク300と端末装置200との接続、及び、ネットワーク300と管理装置100との接続は、例えば、複数の要素間を互いに通信可能にする接続であればよく、有線及び無線の一方を用いた接続でもよいし、有線及び無線の両方を用いた接続でもよい。
【0013】
なお、図1では、複数のネットワーク300を互いに区別するために、ネットワーク300の符号の末尾には、小文字のアルファベット(a又はb)が付されている。また、ネットワーク300に含まれる品質制御装置302等の符号の末尾にも、対応するネットワーク300と同じ小文字のアルファベット(a又はb)が付されている。
【0014】
例えば、ネットワーク300aは、ネットワーク300bを管理する通信事業者と異なる通信事業者により管理される。また、例えば、品質制御装置302aは、ネットワーク300aに含まれ、ネットワーク300aに係る通信サービスの品質を制御する。また、例えば、品質制御装置302bは、ネットワーク300bに含まれ、ネットワーク300bに係る通信サービスの品質を制御する。
【0015】
また、図1では、複数のアプリ事業者装置400を互いに区別するために、アプリ事業者装置400の符号の末尾には、ギリシャ文字(α又はβ)が付されている。また、アプリ事業者装置400を管理するアプリケーション事業者から提供されるアプリケーションプログラムPRapの符号の末尾にも、対応するアプリ事業者装置400と同じギリシャ文字(α又はβ)が付されている。
【0016】
例えば、アプリ事業者装置400αは、アプリ事業者装置400βを管理するアプリケーション事業者と異なるアプリケーション事業者により管理される。また、例えば、アプリケーションプログラムPRapαは、アプリ事業者装置400αを管理するアプリケーション事業者から提供されるアプリケーションプログラムPRapである。また、例えば、アプリケーションプログラムPRapβは、アプリ事業者装置400βを管理するアプリケーション事業者から提供されるアプリケーションプログラムPRapである。
【0017】
ネットワーク300に係る通信サービスの品質の制御は、端末装置200毎に実行されてもよいし、アプリケーションプログラムPRap毎に実行されてもよいし、通信回線毎に実行されてもよいし、SIM(Subscriber Identity Module)毎に実行されてもよい。SIMは、例えば、通信サービスの加入者を特定するための識別情報が記録されたモジュールである。なお、本実施形態では、ネットワーク300に係る通信サービスの品質の制御がアプリケーションプログラムPRap毎に実行可能である場合を想定する。すなわち、本実施形態では、端末装置200にインストールされたアプリケーションプログラムPRapの通信に対する品質の制御をネットワーク300(より詳細には、品質制御装置302)が実行可能である場合を想定する。アプリケーションプログラムPRapの通信は、アプリケーションプログラムPRapの実行時に実行される通信である。また、通信に対する品質は、「通信の品質」を意味する。以下では、品質の制御は、QoS(Quality of Service)制御とも称される。例えば、通信の品質の制御は、通信に対するQoS制御とも称される。QoS制御は、例えば、帯域制御、低遅延制御及び優先制御等を含む。
【0018】
帯域制御では、例えば、ネットワーク300における通信の帯域が制御される。帯域の制御は、帯域の下限値が設定される帯域保証であってもよいし、帯域の上限値が設定される帯域制限であってもよい。同様に、低遅延制御は、例えば、遅延の上限値が設定される遅延保証であってもよいし、遅延の下限値が設定される遅延制限であってもよい。優先制御では、例えば、特定の通信に係るパケット(通信を行う際の転送単位のデータ)が優先して転送される。例えば、ネットワーク300上を流れるパケットに優先度が付けられ、優先度が他のパケットより高いパケットは、他のパケットよりも先に処理される。
【0019】
本実施形態では、QoS制御は、例えば、端末装置200が管理装置100を介して品質制御装置302にQoS制御を要求することにより、実行される。
【0020】
管理装置100は、例えば、サーバ等の情報処理装置であり、各ネットワーク300に接続された複数の端末装置200と通信可能である。また、本実施形態では、管理装置100は、各ネットワーク300に含まれる品質制御装置302と通信可能である。すなわち、ネットワークシステム10は、通信事業者に依存しない管理装置100を有する。なお、管理装置100は、複数の通信事業者のうちの特定の通信事業者により管理されてもよい。すなわち、特定の通信事業者が管理装置100を運用してもよい。この場合、例えば、管理装置100は、特定の通信事業者により管理されるネットワーク300にインターネット500を介さずに接続され、他の通信事業者により管理されるネットワーク300にインターネット500を介して接続されてもよい。管理装置100が特定の通信事業者により運用される場合においても、端末装置200等による管理装置100に対する動作は、通信事業者に依存しない。
【0021】
管理装置100は、例えば、処理装置110、記憶装置160及び通信装置170を具備するコンピュータシステムにより実現される。管理装置100の複数の要素は、情報を通信するための単体又は複数のバスで相互に接続される。また、管理装置100の複数の要素の各々を、単数又は複数の機器が構成してもよい。また、管理装置100の一部の要素は省略されてもよい。
【0022】
処理装置110は、管理装置100の全体を制御するプロセッサであり、例えば、単数又は複数のチップにより構成される。処理装置110は、例えば、周辺装置とのインタフェース、演算装置及びレジスタ等を含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)により構成される。なお、処理装置110の機能の一部又は全部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、及び、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアによって実現してもよい。処理装置110は、各種の処理を並列的又は逐次的に実行する。
【0023】
処理装置110は、例えば、記憶装置160から制御プログラムPRcl1を読み出し、読み出した制御プログラムPRcl1を実行することによって、品質管理部120及び課金管理部130として機能する。なお、制御プログラムPRcl1は、ネットワーク300を介して他の装置から送信されてもよい。
【0024】
品質管理部120は、端末装置200にインストールされたアプリケーションプログラムPRapの通信に対するQoS制御を要求する制御要求REQs1と端末装置200に関する端末情報TEINFとを取得する(図9のS120α参照)。そして、品質管理部120は、例えば、複数のネットワーク300のうち、QoS制御を要求した端末装置200と接続中のネットワーク300を、端末装置200から取得した端末情報TEINFに基づいて、特定する。なお、品質管理部120は、例えば、端末情報TEINFに基づいて、複数の通信事業者のうち、制御要求REQs1の送信元の端末装置200が接続されたネットワーク300を管理する通信事業者を、特定してもよい。この場合においても、端末装置200と接続中のネットワーク300が特定される。端末情報TEINFの一例は、後述する図4において説明する。
【0025】
また、品質管理部120は、端末装置200と接続中のネットワーク300のうち、QoS制御の対象となる制御対象のネットワーク300にQoS制御を開始させるための制御処理を、管理テーブルTBLに基づいて実行する。詳細は図2において説明するが、管理テーブルTBLには、例えば、QoS制御を要求する際のアクセス先を示すアクセス先情報等が、通信事業者毎に記憶されている。例えば、品質管理部120は、端末装置200から取得した制御要求REQs1を、制御要求REQs2として、制御対象のネットワーク300の品質制御装置302に、送信する(図9のS130α参照)。これにより、例えば、QoS制御を要求した端末装置200に対するQoS制御が、端末装置200と接続中のネットワーク300のうちの制御対象のネットワーク300の品質制御装置302により実行される。以下では、制御要求REQs1及びREQs2は、制御要求REQsと総称される場合がある。
【0026】
このように、品質管理部120は、制御要求REQs1及び端末情報TEINFに基づいて、端末装置200と接続中の1つ以上のネットワーク300のうちの少なくとも1つにQoS制御を実行させるための制御処理を、実行する。以下では、端末装置200と接続中の複数のネットワーク300の一部が制御対象のネットワーク300である場合、端末装置200と接続中の複数のネットワーク300のうち、制御対象のネットワーク300を除くネットワーク300は、制御対象外のネットワーク300とも称される。
【0027】
なお、制御処理は、例えば、端末装置200と接続中のネットワーク300から制御対象のネットワーク300を登録リストLSTに基づいて選択する処理を含んでもよい。登録リストLSTには、例えば、QoS制御を実行するネットワーク300がアプリケーションプログラムPRap毎に登録されている。登録リストLSTは、「リスト」の一例である。登録リストLSTの一例は、後述する図6において説明する。
【0028】
また、制御対象のネットワーク300は、端末装置200と接続中のネットワーク300から、登録リストLST及びQoS制御の品質モードに基づいて、選択されてもよい。品質モードとしては、例えば、他の品質モードに比べて大容量のデータを転送可能な大容量モード、他の品質モードに比べて通信の遅延が小さい低遅延モード、及び、ベストエフォートによる制御が行われるベストエフォートモード等が該当する。例えば、大容量モードのQoS制御では、帯域の下限値が設定される帯域保証の帯域制御が実行されてもよい。また、例えば、低遅延モードのQoS制御では、遅延の上限値が設定される遅延保証の低遅延制御が実行されてもよい。なお、品質モードは、例えば、端末装置200により指定されてもよいし、管理装置100等のサーバにより指定されてもよい。あるいは、品質モードは、ネットワーク300に含まれる装置(品質制御装置302とは別の図示しない装置)により指定されてもよい。また、品質モードの指定は、例えば、QCI(QoS Class Identifier)を指定することであってもよいし、5G(5th generation mobile communication system)において使用される5QI(5G QoS Identifier)を指定することであってもよい。
【0029】
なお、品質管理部120は、端末装置200と接続中の複数のネットワーク300が制御対象外のネットワーク300を含む場合、制御対象外のネットワーク300に対する制御要求REQsの応答として、否定応答NACKsを端末装置200に送信してもよい(図9のS134β参照)。否定応答NACKsは、制御要求REQsに応じたQoS制御が実行されないことを示す情報であり、制御要求REQsが否定されたことを示す。否定応答NACKsを端末装置200に送信する処理は、制御処理に含まれてもよい。
【0030】
課金管理部130は、QoS制御の利用料金を示す料金情報FEEINFを各ネットワーク300から取得する(図9のS180α参照)。そして、課金管理部130は、料金情報FEEINFに基づく課金を、アプリケーションプログラムPRapを端末装置200に提供したアプリケーション事業者に対して行う。例えば、課金管理部130は、料金情報FEEINFに基づく課金の内容(例えば、請求料金等)を示す課金情報CHINFをアプリ事業者装置400に送信する(図9のS184α参照)。これにより、アプリケーション事業者に対して課金が行われる。
【0031】
また、例えば、課金管理部130は、登録リストLSTを管理してもよい。なお、登録リストLSTの管理には、例えば、登録リストLSTの作成が含まれてもよいし、登録リストLSTの更新(QoS制御を実行するネットワーク300の追加及び削除)が含まれてもよい。あるいは、登録リストLSTの管理には、登録リストLSTの作成及び更新の両方が含まれてもよい。また、登録リストLSTの管理には、登録リストLSTを記憶装置160に記憶させることが含まれてもよい。
【0032】
例えば、課金管理部130は、QoS制御の利用に関する複数の料金プランをアプリケーション事業者に通知する。複数の料金プランの各々は、例えば、複数のネットワーク300のいずれかに対応付けされている。なお、2つ以上の料金プランが同一のネットワーク300に対応付けされていてもよい。各ネットワーク300の料金プランには、例えば、QoS制御の対象となる通信の通信量(トラフィック量)等のQoS制御の利用量と利用料金との関係が定められている。アプリケーション事業者は、例えば、複数のネットワーク300のうち、QoS制御を実行するネットワーク300を、各ネットワーク300の料金プランに基づいて、選択する。課金管理部130は、アプリケーション事業者により選択されたネットワーク300を登録リストLSTに登録する。
【0033】
記憶装置160は、処理装置110が読取可能な記録媒体であり、処理装置110が実行する制御プログラムPRcl1を含む複数のプログラム、管理テーブルTBL及び登録リストLST等の各種のデータを記憶する。記憶装置160は、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、及び、RAM(Random Access Memory)等の少なくとも1つによって構成されてもよい。記憶装置160は、レジスタ、キャッシュ、又は、メインメモリ(主記憶装置)等と呼ばれてもよい。
【0034】
通信装置170は、端末装置200及び品質制御装置302等の他の装置とネットワーク300を介して通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)である。通信装置170は、例えば、ネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュール等とも呼ばれる。通信装置170は、例えば、周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の一方又は両方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、及び、周波数シンセサイザ等を含んで構成されてもよい。
【0035】
端末装置200としては、例えば、任意の情報処理装置を採用することができ、パーソナルコンピュータ等の据置型の情報機器であってもよいし、スマートフォン、ノートパソコン、ウェアラブル端末及びタブレット端末等の可搬型の情報端末であってもよい。以下の説明では、端末装置200としてスマートフォンを想定する。
【0036】
端末装置200は、例えば、処理装置210、記憶装置260、通信装置270、入力装置280及び出力装置290を具備するコンピュータシステムにより実現される。処理装置210は、端末装置200の全体を制御するプロセッサであり、上述した管理装置100の処理装置110と同様に構成される。例えば、処理装置210は、記憶装置260から制御プログラムPRcl2を読み出し、読み出した制御プログラムPRcl2を実行することによって、端末装置200の全体を制御する図示しない制御部として機能する。
【0037】
また、例えば、処理装置210は、所定の機能を実現するためのアプリケーションプログラムPRapを記憶装置260から読み出し、読み出したアプリケーションプログラムPRapを実行することによって、要求部220等として機能する。なお、図1では、アプリケーションプログラムPRapの実行により実現される機能ブロックのうち、QoS制御の要求に関する要求部220以外の機能ブロックの記載を省略している。制御プログラムPRcl2及びアプリケーションプログラムPRapは、ネットワーク300を介して他の装置から送信されてもよい。
【0038】
要求部220は、例えば、QoS制御を要求する場合に、制御要求REQs1及び端末情報TEINFを管理装置100に送信する。なお、QoS制御の要求は、QoS制御の開始API(Application Programming Interface)を呼び出すことであってもよい。例えば、要求部220は、QoS制御の開始APIの呼び出しを管理装置100に対して実行することにより、QoS制御を管理装置100に要求してもよい。
【0039】
なお、アプリケーションプログラムPRapαの実行により実現された要求部220から送信される制御要求REQs1は、アプリケーションプログラムPRapαの通信に対するQoS制御を要求するものである。同様に、アプリケーションプログラムPRapβの実行により実現された要求部220から送信される制御要求REQs1は、アプリケーションプログラムPRapβの通信に対するQoS制御を要求するものである。
【0040】
また、本実施形態では、要求部220は、例えば、QoS制御の終了を要求する場合に、QoS制御の終了を要求する終了要求REQeを品質制御装置302に送信する(図9のS240α参照)。QoS制御の終了の要求は、QoS制御の終了APIを呼び出すことであってもよい。例えば、要求部220は、QoS制御の終了APIの呼び出しを品質制御装置302に対して実行することにより、QoS制御の終了を品質制御装置302に要求してもよい。なお、要求部220は、終了要求REQeを、管理装置100を介して品質制御装置302に送信してもよい。本実施形態では、制御要求REQsを送信することには、QoS制御の開始APIを呼び出すことも含まれ、終了要求REQeを送信することには、QoS制御の終了APIを呼び出すことも含まれる。以下では、QoS制御の要求を、QoS制御の終了の要求の表現に合わせて、QoS制御の開始の要求と称する場合がある。
【0041】
記憶装置260は、処理装置210が読取可能な記録媒体であり、処理装置210が実行する制御プログラムPRcl2を含む複数のプログラム等の各種のデータを記憶する。図1に示す例では、制御プログラムPRcl2の他に、アプリケーションプログラムPRapα及びPRapβが、記憶装置260に記憶される。なお、記憶装置260は、上述した記憶装置160と同様に、例えば、ROM、EPROM、EEPROM、及び、RAM等の少なくとも1つによって構成されてもよい。
【0042】
通信装置270は、管理装置100及び品質制御装置302等の他の装置とネットワーク300を介して通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、上述した通信装置170と同様に構成される。
【0043】
入力装置280は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、及び、センサ等)である。例えば、入力装置280は、数字及び文字等の符号を処理装置210に入力するための操作と、端末装置200の表示面に表示されるアイコンを選択するための操作とを受け付ける。例えば、端末装置200の表示面に対する接触を検出するタッチパネルが入力装置280として好適である。なお、入力装置280は、ユーザが操作可能な複数の操作子を含んでもよい。
【0044】
出力装置290は、外部への出力を実施するディスプレイ等の出力デバイスである。出力装置290は、例えば、処理装置210による制御のもとで、画像を表示する。例えば、液晶表示パネル及び有機EL(Electro Luminescence)表示パネル等の各種の表示パネルが出力装置290として好適に利用される。なお、入力装置280及び出力装置290は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。また、出力装置290は、スピーカー及びLED(Light Emitting Diode)ランプ等を有する出力デバイスでもよい。
【0045】
品質制御装置302は、例えば、サーバ等の情報処理装置であり、QoS制御を実行する。また、品質制御装置302は、管理装置100及び端末装置200と、通信可能である。例えば、品質制御装置302は、制御要求REQs2を受けた場合、QoS制御を要求した端末装置200による通信のうち、制御要求REQs2により指定されるアプリケーションプログラムPRapの通信に対して、QoS制御を実行する。なお、アプリケーションプログラムPRapの通信に対して実行されるQoS制御は、例えば、制御要求REQs2により指定される品質モードのQoS制御である。
【0046】
例えば、品質制御装置302は、制御要求REQs2により指定される品質モードのQoS制御を実行する場合、制御要求REQs2に対する肯定応答ACKsを、管理装置100を介して端末装置200に送信する(図9のS322α参照)。なお、品質制御装置302は、肯定応答ACKsを、管理装置100及び端末装置200にそれぞれ送信してもよい。また、品質制御装置302は、制御要求REQs2により指定される品質モードのQoS制御を実行できない場合、制御要求REQs2に対する否定応答NACKsを端末装置200に送信する。なお、品質制御装置302は、否定応答NACKsを、管理装置100を介して端末装置200に送信してもよい。
【0047】
ここで、制御要求REQs2により指定される品質モードのQoS制御を実行できるか否かは、例えば、QoS利用判定情報に基づいて判定されてもよい。QoS利用判定情報は、例えば、ネットワーク300に関するネットワーク情報、QoS制御に関するAPI情報、通信サービスの提供事業者情報、及び、緊急度情報の一部又は全部を含む。ネットワーク情報の一例は、後述する図5において説明する。また、API情報の一例は、後述する図3において説明する。提供事業者情報は、例えば、端末装置200に提供された通信サービスが仮想移動体通信事業者により提供された通信サービスか否かを判定するための情報である。また、緊急度情報は、例えば、通信の緊急度(例えば、災害時か否か等)を示す情報である。なお、QoS利用判定情報は、上述の項目以外の項目を含んでもよい。
【0048】
また、品質制御装置302は、QoS制御の対象となった通信の通信量(トラフィック量)等に基づいて、QoS制御の利用料金を算出する。そして、品質制御装置302は、QoS制御の利用料金を示す料金情報FEEINFを、管理装置100に送信する。料金情報FEEINFを管理装置100に送信するタイミングは、予め決められたタイミング(例えば、1月から12月の各月のX日等)でもよいし、管理装置100からの要求に応じたタイミングでもよい。
【0049】
図1では、品質制御装置302の構成を特に図示していないが、品質制御装置302は、例えば、管理装置100と同様に、品質制御装置302の全体を制御する処理装置と、各種のデータを記憶する記憶装置と、他の装置と通信を行うための通信装置とを具備するコンピュータシステムにより実現される。なお、品質制御装置302は、単体の装置として実現されてもよいし、相互に別体で構成された複数の装置の集合(すなわち、システム)として実現されてもよい。例えば、品質制御装置302において、制御要求REQs2等を受け付ける機能、QoS制御を実行する機能、及び、QoS制御の利用料金を算出する機能等が、単体の装置として実現されてもよいし、相互に別体で構成された2つ以上の装置の集合として実現されてもよい。あるいは、品質制御装置302は、QoS制御を実行する複数の装置を有してもよい。
【0050】
アプリ事業者装置400は、上述したように、QoS制御の利用料金の支払い等のQoSの利用に関する手続きを、管理装置100に対して実行する。なお、アプリ事業者装置400は、アプリケーションプログラムPRapを提供する機能を有してもよい。例えば、アプリ事業者装置400は、アプリケーションプログラムPRapのダウンロード要求に応じて、アプリケーションプログラムPRapを端末装置200にダウンロードしてもよい。
【0051】
図1では、アプリ事業者装置400の構成を特に図示していないが、アプリ事業者装置400は、例えば、管理装置100と同様に、アプリ事業者装置400の全体を制御する処理装置と、各種のデータを記憶する記憶装置と、他の装置と通信を行うための通信装置とを具備するコンピュータシステムにより実現される。また、アプリ事業者装置400は、単体の装置として実現されてもよいし、相互に別体で構成された複数の装置により実現されてもよい。例えば、QoSの利用に関する手続きを行う機能、及び、他の機能(例えば、アプリケーションプログラムPRapを提供する機能)等が、互いに同じ装置により実現されてもよいし、互いに異なる装置により実現されてもよい。
【0052】
なお、管理装置100、端末装置200、品質制御装置302及びアプリ事業者装置400の構成は、図1に示す例に限定されない。例えば、管理装置100は、端末装置200と同様に、入力装置及び出力装置を有してもよい。また、例えば、管理装置100は、補助記憶装置を有してもよい。補助記憶装置は、管理装置100が読取可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)等の光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、及び、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、及び、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、及び、磁気ストリップ等の少なくとも1つによって構成されてもよい。同様に、端末装置200、品質制御装置302及びアプリ事業者装置400の一部又は全部は、補助記憶装置を有してもよい。補助記憶装置は、ストレージと呼ばれてもよい。
【0053】
また、品質制御装置302は、対応するネットワーク300においてQoS制御を実行できればよく、ネットワーク300が品質制御装置302を含まずに定義されるか否かは特に限定されない。
【0054】
図2は、図1に示した管理テーブルTBLの一例を示す説明図である。管理テーブルTBLには、例えば、制御処理を品質管理部120が実行するために必要な情報を含む事業者個別情報CAINFが、通信事業者毎に記憶されている。
【0055】
例えば、管理テーブルTBLは、複数の通信事業者と1対1に対応する複数のレコードを有する。そして、管理テーブルTBLの各レコードには、例えば、複数の通信事業者の中から各通信事業者を識別するための通信事業者IDと、通信事業者IDにより示される通信事業者の事業者個別情報CAINFとが記憶されている。
【0056】
事業者個別情報CAINFは、例えば、通信事業者により管理装置100に通知されたAPIに関するAPI情報と、QoS制御の開始等を要求する際のアクセス先を示すアクセス先情報とを含む。API情報及びアクセス先情報は、通信事業者により公開されてもよい。API情報の一例は、後述する図3において説明する。アクセス先情報は、例えば、品質制御装置302のIP(Internet Protocol)アドレスであってもよいし、APIのURL(Uniform Resource Locator)であってもよい。また、アクセス先情報は、API情報に含まれてもよい。
【0057】
管理装置100は、例えば、制御対象のネットワーク300を管理している通信事業者の事業者個別情報CAINFに基づいて、制御要求REQs2を、制御対象のネットワーク300の品質制御装置302に、送信する。制御対象のネットワーク300を管理している通信事業者は、例えば、制御要求REQs2の送信先の品質制御装置302を管理している通信事業者である。
【0058】
なお、管理テーブルTBLは、図2に示す例に限定されない。例えば、複数の通信事業者が、2つ以上のネットワーク300を管理する一の通信事業者を含む場合、互いに異なる2つ以上の通信事業者IDが一の通信事業者に割り当てられてもよい。一の通信事業者に割り当てられる2つ以上の通信事業者IDは、例えば、一の通信事業者が管理する2つ以上のネットワーク300と1対1に対応する。すなわち、管理テーブルTBLは、1又は複数の通信事業者に管理される複数のネットワーク300と1対1に対応する複数のレコードを有する。ここで、一の通信事業者が2つ以上のネットワーク300を管理することは、例えば、QoS制御の開始等を要求する際のアクセス先(アクセス先情報)が互いに異なる2つ以上のネットワーク300を一の通信事業者が管理することであってもよい。
【0059】
図3は、API情報の一例を示す説明図である。
【0060】
API情報は、例えば、QoS制御の開始の要求、QoS制御の終了の要求、QoS制御の状態の確認、QoS制御の利用可否の確認及びSIM情報の取得等に関する情報を含む。さらに、API情報は、例えば、要求モード種別を示す情報、要求通信品質を示す情報、SIM情報、ユーザ装置情報、端末装置200が在圏するエリアに関するエリア情報、及び、通信事業者の独自機能を示す情報の一部又は全部を含む。
【0061】
要求モード種別は、例えば、品質制御装置302に要求するQoS制御の品質モードである。要求通信品質は、例えば、品質制御装置302に要求するQoS制御により実現される通信品質、又は、目標となる通信品質である。通信品質としては、例えば、スループット、遅延時間、ジッタ、フレームレート及びパケット損失率等が該当する。SIM情報は、例えば、SIMに格納されている情報である。ユーザ装置情報は、例えば、端末装置200に格納されている情報である。SIM情報及びユーザ装置情報の一例は、後述する図4において説明する。
【0062】
エリア情報は、端末装置200の位置を示す位置情報、端末装置200が在圏するエリアの地図情報、端末装置200が在圏するエリアの基地局に関する基地局情報、端末装置200が在圏するエリアの気象情報、端末装置200の周囲の遮蔽物に関する遮蔽物情報、及び、端末装置200が在圏するエリアの通信に関する障害通知の有無を示す情報の一部又は全部を含む。なお、エリア情報は、上述の項目以外の項目を含んでもよい。通信事業者の独自機能は、例えば、他の通信事業者と共通する機能と異なる機能であり、通信事業者により独自に付加された機能である。
【0063】
なお、API情報に含まれる項目は、図3に示す例に限定されない。例えば、API情報は、図3に示した項目の一部を含まなくてもよい。あるいは、API情報は、図3に示した項目の一部又は全部と、図3に示した項目以外の項目(例えば、図2において説明したアクセス先情報等)とを含んでもよい。また、API情報に含まれる項目は、図1において説明したように、QoS利用判定情報に含まれてもよい。
【0064】
図4は、端末情報TEINFの一例を示す説明図である。端末情報TEINFは、例えば、SIM情報及びユーザ装置情報を含む。
【0065】
SIM情報は、例えば、制御要求REQsを送信した端末装置200に通信サービスを提供している通信事業者を特定する場合に管理装置100により参照される。例えば、SIM情報は、IMSI(International Mobile Subscriber Identity)、MSISDN(Mobile Subscriber Integrated Services Digital Network Number)、ICCID(Integrated Circuit Card ID)、契約情報、及び、契約状態を示す情報の一部又は全部を含む。なお、SIM情報に含まれる項目は、図4に示す例に限定されない。例えば、SIM情報は、図4に示した項目の一部又は全部と、図4に示した項目以外の項目とを含んでもよい。
【0066】
ユーザ装置情報は、例えば、SIM情報と同様に、制御要求REQsを送信した端末装置200に通信サービスを提供している通信事業者を特定する場合に管理装置100により参照されてもよい。ユーザ装置情報は、例えば、端末装置200のIPアドレス、端末装置200のモデル名、アプリケーション情報、対向サーバ情報、対向ユーザ装置情報、署名情報、パッケージ情報、端末装置200のOS(Operating System)に関するOS情報、端末装置200のメモリに関するメモリ情報、端末装置200のCPUに関するCPU情報、CPUの利用率、メモリの利用率、ユーザの本人性情報の一部又は全部を含む。
【0067】
端末装置200のIPアドレスは、例えば、通信事業者により提供される通信サービスを利用するために端末装置200に付与され、通信事業者及びネットワーク300等を識別するための情報である。アプリケーション情報は、例えば、端末装置200において実行されているアプリケーションプログラムPRapの名称等を示す情報である。また、ユーザの本人性情報は、例えば、ユーザを認証する際に使用される情報(指紋、光彩、顔及びパスワード等)である。なお、ユーザ装置情報に含まれる項目は、図4に示す例に限定されない。例えば、ユーザ装置情報は、図4に示した項目の一部又は全部と、図4に示した項目以外の項目とを含んでもよい。
【0068】
また、端末情報TEINFに含まれる項目は、図4に示す例に限定されない。例えば、端末情報TEINFは、SIM情報及びユーザ装置情報の一方を含まなくてもよい。あるいは、端末情報TEINFは、SIM情報及びユーザ装置情報の一方又は両方と、SIM情報及びユーザ装置情報以外の情報(例えば、後述する図5に示すネットワーク情報)とを含んでもよい。
【0069】
図5は、ネットワーク情報の一例を示す説明図である。ネットワーク情報に含まれる項目は、例えば、図1において説明したように、QoS利用判定情報に含まれ、品質制御装置302が制御要求REQs2により指定される品質モードのQoS制御を実行できるか否かを判定する場合に、品質制御装置302により参照される。また、ネットワーク情報に含まれる項目は、端末情報TEINFに含まれてもよい。この場合、ネットワーク300に含まれる基地局等が、端末装置200からネットワーク300を介して管理装置100に送信される端末情報TEINFに、ネットワーク情報を付加してもよい。
【0070】
ネットワーク情報は、例えば、5タプル情報、APN(Access Point Name)、通信方式情報、通信品質を示す情報、基地局の稼働率を示す情報、基地局の可用性を示す情報、及び、基地局への同時接続数を示す情報の一部又は全部を含む。5タプル情報は、送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、送信元ポート番号、宛先ポート番号及びプロトコルIDを含む情報である。通信方式情報は、例えば、3G(3rd generation mobile communication system)、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、無線LAN(Local Area Network)、テザリング及び有線通信等の通信方式を示す。
【0071】
なお、ネットワーク情報に含まれる項目は、図5に示す例に限定されない。例えば、ネットワーク情報は、図5に示した項目の一部又は全部と、図5に示した項目以外の項目とを含んでもよい。また、ネットワーク情報が端末情報TEINFに含まれる場合、QoS利用判定情報に含まれるネットワーク情報の項目は、端末情報TEINFに含まれるネットワーク情報の項目と相違してもよい。ネットワーク情報が端末情報TEINFに含まれる場合、品質管理部120は、例えば、複数のネットワーク300のうち、端末装置200と接続中のネットワーク300を、端末情報TEINFに含まれるネットワーク情報(例えば、APN等)に基づいて、特定してもよい。
【0072】
また、例えば、図3において説明したAPI情報に含まれる項目の一部又は全部は、端末情報TEINF及びネットワーク情報の一方又は両方に含まれてもよい。また、例えば、図4において説明した端末情報TEINFに含まれる項目の一部又は全部は、API情報及びネットワーク情報の一方又は両方に含まれてもよい。また、例えば、図5において説明したネットワーク情報に含まれる項目の一部又は全部は、API情報及び端末情報TEINFの一方又は両方に含まれてもよい。
【0073】
図6は、登録リストLSTの一例を示す説明図である。登録リストLSTには、QoS制御を実行するネットワーク300がアプリケーションプログラムPRap毎に登録されている。図6に示す登録リストLSTでは、アプリケーションプログラムPRapの通信に対するQoS制御を実行するネットワーク300のネットワークIDが、アプリケーションプログラムPRapのアプリケーションIDに対応付けられている。
【0074】
なお、アプリケーションIDは、複数のアプリケーションプログラムPRapの中から各アプリケーションプログラムPRapを識別するための識別子である。また、ネットワークIDは、複数のネットワーク300の中から各ネットワーク300を識別するための識別子である。
【0075】
例えば、図6のAPαは、アプリケーションプログラムPRapαを示し、図6のAPβは、アプリケーションプログラムPRapβを示す。また、また、図6のNWaは、ネットワーク300aを示し、図6のNWbは、ネットワーク300bを示す。
【0076】
従って、図6に示す例では、アプリケーションプログラムPRapαに対するQoS制御を実行するネットワーク300として、ネットワーク300a及び300bが登録リストLSTに登録されている。また、アプリケーションプログラムPRapβに対するQoS制御を実行するネットワーク300として、ネットワーク300bが登録リストLSTに登録されている。すなわち、図6に示す例では、ネットワーク300a及び300bが、登録リストLSTのうちのアプリケーションプログラムPRapαのリストに登録され、ネットワーク300bが登録リストLSTのうちのアプリケーションプログラムPRapβのリストに登録されている。以下では、登録リストLSTのうちの各アプリケーションプログラムPRapのリストは、アプリケーションプログラムPRapの登録リストLSTとも称される。
【0077】
図7は、料金情報FEEINFの一例を示す説明図である。端末装置IDは、複数の端末装置200の中から各端末装置200を識別するための識別子である。
【0078】
図7に示す例では、各端末装置200により実行された各アプリケーションプログラムPRapに対するQoS制御の利用料金がアプリケーションプログラムPRap毎に記録されている。
【0079】
図8は、料金情報FEEINFの別の例を示す説明図である。図8に示す例では、各端末装置200により実行された各アプリケーションプログラムPRapに対するQoS制御の利用料金が端末装置200毎に記録されている。
【0080】
なお、図7及び図8では、各アプリケーションプログラムPRapと各端末装置200と各利用料金とを互いに対応付けた個別料金情報の集合を「料金情報」の一例として示したが、複数の個別料金情報の各々も「料金情報」の一例に該当する。例えば、図7及び図8において、APαとTE001と利用料金(2345円)とを互いに対応付けた個別料金情報、及び、APαとTE002と利用料金(0円)とを互いに対応付けた個別料金情報等を含む複数の個別料金情報の各々も「料金情報」の一例に該当する。
【0081】
図9は、図1に示したネットワークシステム10の動作の一例を示すシーケンスチャートである。図9に示す例では、制御要求REQs1を送信する端末装置200が、ネットワーク300a及び300bのうちのネットワーク300aのみに接続される場合を想定する。なお、制御要求REQs1の送信先(管理装置100のアドレス)は、通信事業者に依存せずに、複数の通信事業者で共通である。また、図9に示す例では、図を見やすくするために、アプリ事業者装置400βの記載を省略している。
【0082】
先ず、管理装置100は、各ネットワーク300(300a、300b)の料金プランを示すプラン情報PPL(PPLa、PPLb)を、各ネットワーク300から取得する。例えば、ネットワーク300aの品質制御装置302aは、プラン情報PPLaを管理装置100に送信し(S300a)、ネットワーク300bの品質制御装置302bは、プラン情報PPLbを管理装置100に送信する(S300b)。これにより、管理装置100の課金管理部130は、ネットワーク300aのプラン情報PPLa及びネットワーク300bのプラン情報PPLbを取得する(S100a及びS100b)。そして、課金管理部130は、ネットワーク300a及び300bから取得したプラン情報PPLa及びPPLbを、アプリ事業者装置400α及び400βに送信する(S102)。これにより、例えば、アプリ事業者装置400αは、各ネットワーク300のプラン情報PPLを受信する(S400)。
【0083】
このように、管理装置100は、アプリケーション事業者のアプリ事業者装置400に各ネットワーク300のプラン情報PPLを送信することにより、各ネットワーク300の料金プランをアプリケーション事業者に通知する。アプリケーション事業者は、複数の通信事業者のうちのどの通信事業者のQoS制御を利用するかをQoS制御の料金プラン等に基づいて決定する。すなわち、アプリケーション事業者は、複数のネットワーク300のうち、アプリケーションプログラムPRapの通信に対してQoS制御を実行するネットワーク300を、QoS制御の料金プラン等に基づいて選択する。そして、アプリケーション事業者は、QoS制御を実行するネットワーク300として選択したネットワーク300を管理装置100に通知することにより、QoS制御の利用を申し込む。例えば、アプリ事業者装置400は、QoS制御を実行するネットワーク300として選択されたネットワーク300を示す選択情報SELINFを、管理装置100に送信する(S410)。これにより、管理装置100の課金管理部130は、QoS制御を実行するネットワーク300として選択されたネットワーク300を示す選択情報SELINFをアプリケーションプログラムPRap毎に取得する(S104)。
【0084】
図9に示す例では、アプリケーションプログラムPRapαを提供するアプリケーション事業者がアプリケーションプログラムPRapαの通信に対するQoS制御を実行するネットワーク300としてネットワーク300a及び300bを選択した場合を想定する。また、図9に示す例では、アプリケーションプログラムPRapβを提供するアプリケーション事業者がアプリケーションプログラムPRapβの通信に対するQoS制御を実行するネットワーク300としてネットワーク300bを選択した場合を想定する。
【0085】
管理装置100の課金管理部130は、アプリケーションプログラムPRapαの通信に対するQoSの利用の申し込みをアプリケーション事業者から受け付けたことを示すエントリー情報ENTINFαを、ネットワーク300a及び300bに送信する(S106α)。同様に、課金管理部130は、アプリケーションプログラムPRapβの通信に対するQoSの利用の申し込みをアプリケーション事業者から受け付けたことを示すエントリー情報ENTINFβを、ネットワーク300bに送信する(S106β)。
【0086】
これにより、例えば、ネットワーク300aの品質制御装置302aは、エントリー情報ENTINFαを取得し(S302a)、ネットワーク300bの品質制御装置302bは、エントリー情報ENTINFα及びENTINFβを取得する(S302b)。なお、課金管理部130は、エントリー情報ENTINFα及びENTINFβの各々をネットワーク300bに送信する代わりに、エントリー情報ENTINFα及びENTINFβを含むエントリー情報ENTINFをネットワーク300bに送信してもよい。また、選択情報SELINF及びエントリー情報ENTINFには、アプリケーション事業者により選択された料金プランを示す情報が含まれてもよい。
【0087】
また、管理装置100の課金管理部130は、選択情報SELINFに基づいて、登録リストLSTを作成する(S108)。図9に示す例では、上述したように、アプリケーションプログラムPRapαの通信に対するQoS制御を実行するネットワーク300としてネットワーク300a及び300bが選択されている。また、アプリケーションプログラムPRapβの通信に対するQoS制御を実行するネットワーク300としてネットワーク300bが選択されている。このため、図9に示すステップS108では、例えば、図6に示した登録リストLSTのうちのアプリケーションプログラムPRapα及びPRapβのリストと同様の登録リストLSTが作成される。
【0088】
また、図9に示す例では、上述したように、端末装置200がネットワーク300a及び300bのうちのネットワーク300aのみに接続される場合を想定しているため、端末装置200とネットワーク300aとの間において接続手続きに関する処理が実行される(S200a及びS310a)。
【0089】
接続手続きに関する処理としては、例えば、端末装置200が周辺に存在するネットワーク300aを発見するまでの処理、RRC(Radio Resource Control) connectionを確立する処理、端末装置200からのAttach request、及び、Attach requestに対するネットワーク300aからの応答等が該当する。Attach requestは、例えば、ネットワーク300aへの接続要求である。
【0090】
また、端末装置200は、アプリケーションプログラムPRapαを起動する(S210α)。そして、端末装置200の要求部220は、制御要求REQs1及び端末情報TEINFを、ネットワーク300aを介して管理装置100に送信する(S220α)。なお、アプリケーションプログラムPRapαの起動に応じて送信された制御要求REQs1は、アプリケーションプログラムPRapαの通信に対するQoS制御を要求するものである。
【0091】
管理装置100の品質管理部120は、端末装置200からネットワーク300aを介して管理装置100に送信された制御要求REQs1及び端末情報TEINFを、取得する(S120α)。そして、品質管理部120は、複数のネットワーク300のうち、制御要求REQs1の送信元の端末装置200と接続中のネットワーク300を、端末装置200から取得した端末情報TEINFに基づいて、特定する(S122α)。例えば、品質管理部120は、複数のネットワーク300のうち、端末装置200と接続中のネットワーク300を、端末情報TEINFに含まれるIPアドレスに基づいて特定する。
【0092】
なお、品質管理部120は、例えば、端末装置200と接続中のネットワーク300を管理する通信事業者を端末情報TEINFに基づいて特定することにより、端末装置200と接続中のネットワーク300を特定してもよい。具体的には、品質管理部120は、端末情報TEINFに含まれるIPアドレスに基づいてネットワーク300aの通信事業者を特定してもよい。あるいは、品質管理部120は、端末情報TEINFに含まれるSIM情報(例えば、ICCID等)に基づいてネットワーク300aの通信事業者を特定してもよい。
【0093】
そして、品質管理部120は、例えば、端末情報TEINFに基づいて特定したネットワーク300aがアプリケーションプログラムPRapαの通信に対するQoS制御を実行するネットワーク300として登録リストLSTに登録されているか否かを判定する。図9に示す例では、ネットワーク300aは、アプリケーションプログラムPRapαの通信に対するQoS制御を実行するネットワーク300として、登録リストLSTに登録されている。従って、図9に示す例では、品質管理部120は、端末装置200と接続中のネットワーク300aを制御対象のネットワーク300に決定する。なお、図9に示す例では、ネットワーク300bは、アプリケーションプログラムPRapαの通信に対するQoS制御を実行するネットワーク300として登録リストLSTに登録されているが、端末装置200と接続中でないため、制御対象のネットワーク300に含まれない。
【0094】
品質管理部120は、ネットワーク300aを制御対象のネットワーク300に決定した後、ネットワーク300aに対応する事業者個別情報CAINFに基づいて、制御要求REQs2をネットワーク300aの品質制御装置302aに送信する(S130α)。
【0095】
本実施形態では、制御要求REQs2は、管理装置100の品質管理部120から制御対象のネットワーク300の品質制御装置302に送信される場合を想定する。制御要求REQs2には、例えば、端末装置200から取得した制御要求REQs1に含まれる項目が含まれる。なお、制御要求REQs2には、図3に示したAPI情報に含まれる項目の一部又は全部と、制御要求REQs1に含まれる項目とが含まれてもよい。従って、制御要求REQs2を品質制御装置302に送信することには、制御要求REQs1を品質制御装置302に送信することも含まれる。すなわち、品質管理部120が実行する制御処理には、端末装置200から取得した制御要求REQs1を品質制御装置302に送信する処理が含まれてもよい。
【0096】
ネットワーク300aの品質制御装置302aは、管理装置100から送信された制御要求REQs2を受信する(S320α)。そして、品質制御装置302aは、制御要求REQs2により指定される品質モードのQoS制御を実行できるか否かを、QoS利用判定情報に基づいて判定する。図9に示す例では、制御要求REQs2により指定される品質モードのQoS制御を品質制御装置302aが実行できる場合を想定する。従って、品質制御装置302aは、制御要求REQs2に対する肯定応答ACKs(制御要求REQsに応じたQoS制御が実行されることを示す情報)を、管理装置100に送信する(S322α)。なお、品質制御装置302aは、制御要求REQs2に対する肯定応答ACKsを、端末装置200と管理装置100とに送信してもよい。
【0097】
管理装置100の品質管理部120は、制御要求REQs2に対する肯定応答ACKsを受信する(S132α)。そして、品質管理部120は、肯定応答ACKsを端末装置200に送信する(S134α)。
【0098】
また、ネットワーク300aの品質制御装置302aは、制御要求REQs2に基づいて、QoS制御を開始する(S330α)。例えば、品質制御装置302aは、端末装置200による通信のうち、アプリケーションプログラムPRapαの通信に対して、制御要求REQs2により指定される品質モードのQoS制御を開始する。これにより、アプリケーションプログラムPRapαの通信に対するQoS制御が開始される。また、ネットワーク300aの品質制御装置302aは、アプリケーションプログラムPRapαの通信(QoS制御の対象となった通信)の通信量の計測を開始する(S340α)。
【0099】
端末装置200は、アプリケーションプログラムPRapαを終了させる(S230α)。これにより、アプリケーションプログラムPRapαは、アプリケーションプログラムPRapαの通信に対するQoS制御の終了を要求する終了要求REQeがネットワーク300aの品質制御装置302aに送信された後、終了する。例えば、端末装置200の要求部220は、終了要求REQeをネットワーク300aの品質制御装置302aに送信する(S240α)。なお、要求部220は、終了要求REQeを品質制御装置302aと管理装置100とに送信してもよいし、終了要求REQeを管理装置100を介して品質制御装置302aに送信してもよい。品質制御装置302aにアクセスするための情報(品質制御装置302aのアドレス等)は、例えば、肯定応答ACKsに含まれてもよいし、管理装置100から端末装置200に送信されてもよい。
【0100】
ネットワーク300aの品質制御装置302aは、終了要求REQeを端末装置200から受信する(S350α)。そして、品質制御装置302aは、終了要求REQeに対する肯定応答ACKeを、端末装置200に送信する(S352α)。これにより、端末装置200は、終了要求REQeに対する肯定応答ACKeを、品質制御装置302aから受信する(S242α)。また、品質制御装置302aは、終了要求REQeにより示されるQoS制御、すなわち、アプリケーションプログラムPRapαの通信に対するQoS制御を、終了する(S354α)。
【0101】
なお、品質制御装置302aは、終了要求REQeに対する肯定応答ACKeを、端末装置200と管理装置100とに送信してもよいし、終了要求REQeに対する肯定応答ACKeを、管理装置100を介して端末装置200に送信してもよい。この場合、管理装置100は、端末装置200にインストールされたアプリケーションプログラムPRapαの通信に対するQoS制御が終了することを認識できる。
【0102】
また、ネットワーク300aの品質制御装置302aは、アプリケーションプログラムPRapαの通信(QoS制御の対象となった通信)の通信量等に基づいて、アプリケーションプログラムPRapαの通信に対するQoS制御の利用料金を算出する(S360α)。そして、品質制御装置302aは、算出したQoS制御の利用料金を示す料金情報FEEINFを、管理装置100に送信する(S362α)。なお、QoS制御の利用料金は、QoS制御の対象となった通信の通信量等に基づいて算出した料金からキャンペーン等による所定の金額を減算した料金であってもよい。
【0103】
管理装置100の課金管理部130は、ネットワーク300aによるQoS制御の利用料金を示す料金情報FEEINFを、ネットワーク300aから取得する(S180α)。そして、課金管理部130は、QoS制御の利用料金としてアプリケーション事業者に請求する請求料金を、ネットワーク300aから取得した料金情報FEEINFに基づいて決定する(S182α)。なお、QoS制御の利用料金としてアプリケーション事業者に請求される請求料金は、例えば、ネットワーク300から管理装置100に送信された料金情報FEEINFにより示されるQoS制御の利用料金と同じ料金であってもよい。あるいは、請求料金は、料金情報FEEINFにより示されるQoS制御の利用料金と異なる料金であってもよい。例えば、請求料金は、料金情報FEEINFにより示されるQoS制御の利用料金に管理装置100の手数料等を加算した料金であってもよいし、料金情報FEEINFにより示されるQoS制御の利用料金からキャンペーン等による所定の金額を減算した料金であってもよい。
【0104】
また、管理装置100の課金管理部130は、料金情報FEEINFに基づいて決定した請求料金を示す課金情報CHINFをアプリ事業者装置400αに送信する(S184α)。これにより、アプリ事業者装置400αは、課金情報CHINFを管理装置100から受信する(S420)。
【0105】
図9に示す例では、管理装置100が課金情報CHINFをアプリ事業者装置400αに送信することにより、アプリケーションプログラムPRapαの通信に対するQoS制御の利用料金が、アプリケーションプログラムPRapαを提供するアプリケーション事業者に課金される。
【0106】
管理装置100の課金管理部130は、QoS制御の利用に対する請求料金を、アプリケーション事業者から徴収する(S186)。例えば、アプリケーション事業者は、課金情報CHINFに基づいて、QoS制御の利用に対する請求料金を管理装置100に送金する。なお、請求料金の管理装置100への送金は、アプリ事業者装置400を用いて実行されてもよい。
【0107】
また、管理装置100の課金管理部130は、アプリケーション事業者から送金された請求料金の一部又は全部を、各ネットワーク300から取得した料金情報FEEINF等に基づいて、各通信事業者に送金する(S188)。
【0108】
なお、各通信事業者に送金するQoS制御の利用料金は、アプリケーション事業者から送金された請求料金から、管理装置100の手数料等を減算した料金であってもよい。アプリケーション事業者から送金された請求料金から、管理装置100の手数料等を減算した料金が0円の場合、QoS制御に対する支払いが0円であることが通信事業者に通知されてもよい。また、課金に関する処理(S360α、S362α、S180α、S182α、S184α、S186、S188及びS420等)の一部又は全部は、リアルタイムに実行されてもよいし、QoS制御が終了する度に実行されてもよい。あるいは、課金に関する処理(S360α、S362α、S180α、S182α、S184α、S186、S188及びS420等)の一部又は全部は、定期的に実行されてもよい。
【0109】
また、端末装置200は、アプリケーションプログラムPRapβを起動する(S210β)。そして、端末装置200の要求部220は、制御要求REQs1及び端末情報TEINFを、ネットワーク300aを介して管理装置100に送信する(S220β)。なお、アプリケーションプログラムPRapβの起動に応じて送信された制御要求REQs1は、アプリケーションプログラムPRapβの通信に対するQoS制御を要求するものである。
【0110】
管理装置100の品質管理部120は、端末装置200からネットワーク300aを介して管理装置100に送信された制御要求REQs1及び端末情報TEINFを、取得する(S120β)。そして、品質管理部120は、複数のネットワーク300のうち、制御要求REQs1の送信元の端末装置200と接続中のネットワーク300を、端末装置200から取得した端末情報TEINFに基づいて、特定する(S122β)。例えば、品質管理部120は、端末情報TEINFに含まれるIPアドレスに基づいて、複数のネットワーク300のうちのネットワーク300aを、端末装置200と接続中のネットワーク300として特定する。
【0111】
そして、品質管理部120は、例えば、端末情報TEINFに基づいて特定したネットワーク300aがアプリケーションプログラムPRapβの通信に対するQoS制御を実行するネットワーク300として登録リストLSTに登録されているか否かを判定する。図9に示す例では、ネットワーク300aは、アプリケーションプログラムPRapβの通信に対するQoS制御を実行するネットワーク300としては登録リストLSTに登録されていない。従って、図9に示す例では、品質管理部120は、アプリケーションプログラムPRapβの通信に対するQoS制御の要求(制御要求REQs1)が否定されたことを示す情報として、否定応答NACKsを端末装置200に送信する(S134β)。なお、図9に示す例では、ネットワーク300bがアプリケーションプログラムPRapβの通信に対するQoS制御を実行するネットワーク300として登録リストLSTに登録されているが、ネットワーク300bは端末装置200と接続中でないため、QoS制御は実行されない。
【0112】
すなわち、品質管理部120は、制御要求REQs1により示されるアプリケーションプログラムPRapに対するQoSの利用の申し込みが行われていないネットワーク300aに対しては、制御要求REQs2を送信しない。これにより、QoSの利用の申し込みが行われていないネットワーク300において、QoS制御が実行されることを抑止することができる。
【0113】
このように、本実施形態では、端末装置200は、管理装置100に制御要求REQs1を送信することにより、端末装置200と接続中のネットワーク300のうちの適切なネットワーク300の品質制御装置302にQoS制御を開始させることができる。すなわち、端末装置200は、通信サービスを提供する通信事業者を特に認識することなく、QoS制御を品質制御装置302に開始させることができる。これにより、本実施形態では、例えば、QoS制御の実行を要求するアプリケーションプログラムPRapが煩雑になることを抑制することができる。
【0114】
例えば、アプリケーションプログラムPRapを提供するアプリケーション事業者は、QoS制御を利用するために、QoS制御を利用するためのQoS制御SDK(Software Development Kit)をアプリケーションプログラムPRapに内包してもよい。制御要求REQs1の送信先は、アプリケーションプログラムPRapがインストールされる端末装置200が接続されるネットワーク300を管理する通信事業者に拘わらず、管理装置100である。この結果、本実施形態では、複数の通信事業者が管理する複数のネットワーク300のいずれに対しても、QoS制御の実行を要求できるアプリケーションプログラムPRapを作成する場合に、通信事業者に合わせて制御要求REQs1の送信先を変更する必要がない。このため、本実施形態では、アプリケーションプログラムPRapが煩雑になることを抑制することができる。すなわち、本実施形態では、アプリケーション事業者が、複数の通信事業者のうちのどの通信事業者に対しても、QoS制御の実行を要求できるようにアプリケーションプログラムPRapを作成する場合においても、アプリケーションプログラムPRapが煩雑になることを抑制することができる。
【0115】
さらに、本実施形態では、アプリケーション事業者は、複数の通信事業者に対するQoSの利用の申し込み、及び、QoS制御の利用料金の支払い等のQoSの利用に関する手続きを、管理装置100に対して実行する。これにより、本実施形態では、端末装置200が複数のネットワーク300に接続される可能性がある場合においても、アプリケーション事業者によるQoSの利用に関する手続きが煩雑になることを抑制することができる。
【0116】
なお、ネットワークシステム10の動作は、図9に示す例に限定されない。例えば、端末装置200は、ネットワーク300a及び300bに同時に接続されてもよい。この場合においても、例えば、管理装置100の品質管理部120は、端末装置200から所定期間内に送信された端末情報TEINFに基づいて、端末装置200と接続中のネットワーク300を特定する。例えば、端末装置200が複数のネットワーク300に接続している場合、端末装置200は、端末装置200と接続中のネットワーク300毎に、制御要求REQs1及び端末情報TEINFを管理装置100に送信してもよい。端末装置200からネットワーク300aを介して管理装置100に送信される端末情報TEINFには、例えば、ネットワーク300aを管理する通信事業者により提供されるIPアドレス等の通信事業者を識別するための情報が含まれる。同様に、端末装置200からネットワーク300bを介して管理装置100に送信される端末情報TEINFには、例えば、ネットワーク300bを管理する通信事業者により提供されるIPアドレス等の通信事業者を識別するための情報が含まれる。
【0117】
また、例えば、端末装置200が複数のネットワーク300に接続している場合、端末装置200は、制御要求REQs1及び端末情報TEINFを管理装置100に送信してから所定時間経過するまで、端末情報TEINFを管理装置100にランダムに送信してもよい。端末装置200が複数のネットワーク300に接続している場合、端末装置200と接続中の複数のネットワーク300から、端末情報TEINFの送信に用いられるネットワーク300がランダムに選択される。このため、端末装置200と接続中の複数のネットワーク300のうち、互いに異なるネットワーク300を介して端末装置200から送信される複数の端末情報TEINFが、管理装置100に到達することが期待できる。
【0118】
図10は、QoSの利用の申し込みに関する管理装置100の動作の一例を示すフローチャートである。図10に示す動作は、例えば、管理装置100の課金管理部130により実行される。
【0119】
先ず、ステップS100において、課金管理部130は、各ネットワーク300の料金プランを示すプラン情報PPLを、各ネットワーク300から取得する。そして、ステップS102において、課金管理部130は、複数のネットワーク300から取得した複数のプラン情報PPLを、アプリ事業者装置400に送信する。
【0120】
次に、ステップS104において、課金管理部130は、QoS制御を実行するネットワーク300として選択されたネットワーク300を示す選択情報SELINFを、各アプリ事業者装置400から取得する。なお、複数の通信事業者のうちの一の通信事業者が互いに異なる複数のアプリケーションプログラムPRapを1つ又は複数の端末装置200に提供する場合、一の通信事業者は、QoS制御を実行するネットワーク300をアプリケーションプログラムPRap毎に選択してもよい。この場合、一の通信事業者が管理するアプリ事業者装置400は、選択情報SELINFを、アプリケーションプログラムPRap毎に管理装置100に送信してもよい。あるいは、一の通信事業者が管理するアプリ事業者装置400は、複数のアプリケーションプログラムPRapに対応する複数の選択情報SELINFを含む情報を、管理装置100に送信してもよい。
【0121】
次に、ステップS106において、課金管理部130は、例えば、アプリケーションプログラムPRap毎に、QoS制御を実行するネットワーク300として選択されたネットワーク300にエントリー情報ENTINFを送信する。
【0122】
次に、ステップS108において、課金管理部130は、ステップS104において取得した選択情報SELINFに基づいて、登録リストLSTの作成又は更新を実行する。例えば、登録リストLSTが作成されていない場合、課金管理部130は、ステップS104において取得した選択情報SELINFに基づいて、登録リストLSTを作成する。また、例えば、登録リストLSTが既に作成されている場合、課金管理部130は、ステップS104において取得した選択情報SELINFに基づいて、登録リストLSTを更新する。
【0123】
このように、課金管理部130は、QoS制御の利用に関する複数の料金プランをアプリケーション事業者に通知し、複数のネットワーク300のうち、QoS制御を実行するネットワーク300を、アプリケーション事業者に選択させる。そして、課金管理部130は、アプリケーション事業者により選択されたネットワーク300が登録された登録リストLSTを、選択情報SELINFに基づいて管理する。
【0124】
なお、QoSの利用の申し込みに関する管理装置100の動作は、図10に示した例に限定されない。例えば、ステップS106の処理は、ステップS108の処理の後に実行されてもよいし、ステップS108の処理と並列に実行されてもよい。また、例えば、課金管理部130は、複数の料金プランのいずれかの料金プランが変更された場合、変更された料金プランを、所定のタイミングで各アプリケーション事業者に通知してもよい。この場合、各アプリケーション事業者は、アプリケーションプログラムPRapの通信に対してQoS制御を実行するネットワーク300を、変更された料金プラン等に基づいて、更新してもよい。QoS制御を実行するネットワーク300が更新された場合、課金管理部130は、QoS制御を実行するネットワーク300として更新されたネットワーク300を示す選択情報SELINFを、アプリ事業者装置400から取得してもよい。所定のタイミングは、複数の料金プランのいずれかの料金プランが変更されたタイミングであってもよいし、QoS制御の開始タイミングであってもよいし、QoSの利用の申し込みタイミング(契約タイミング)であってもよい。
【0125】
図11は、QoS制御に関する管理装置100の動作の一例を示すフローチャートである。なお、図11に示す動作は、図10に示した動作が少なくとも1回実行された後に実行される。図11に示す動作は、例えば、管理装置100の品質管理部120により実行される。
【0126】
先ず、ステップS120において、品質管理部120は、端末装置200から管理装置100に送信された制御要求REQs1及び端末情報TEINFを、取得する。そして、ステップS122において、品質管理部120は、ステップS120において取得した制御要求REQs1の送信元の端末装置200と接続中のネットワーク300を、ステップS120において取得した端末情報TEINFに基づいて、特定する。
【0127】
次に、ステップS124において、品質管理部120は、端末装置200と接続中のネットワーク300が登録リストLSTに登録されていないネットワーク300を含むか否かを判定する。例えば、品質管理部120は、ステップS122において特定したネットワーク300が、ステップS120において取得した制御要求REQs1により示されるアプリケーションプログラムPRapの登録リストLSTに登録されていないネットワーク300を含むか否かを判定する。ステップS124における判定の結果が否定の場合、品質管理部120は、処理をステップS128に進める。一方、ステップS124における判定の結果が肯定の場合、品質管理部120は、処理をステップS126に進める。
【0128】
ステップS126において、品質管理部120は、端末装置200と接続中のネットワーク300が登録リストLSTに登録されているネットワーク300を含むか否かを判定する。例えば、品質管理部120は、ステップS122において特定したネットワーク300が、ステップS120において取得した制御要求REQs1により示されるアプリケーションプログラムPRapの登録リストLSTに登録されているネットワーク300を含むか否かを判定する。ステップS126における判定の結果が否定の場合、品質管理部120は、処理をステップS134に進める。一方、ステップS126における判定の結果が肯定の場合、品質管理部120は、処理をステップS128に進める。
【0129】
ステップS128において、品質管理部120は、制御対象のネットワーク300を決定する。例えば、品質管理部120は、端末装置200と接続中のネットワーク300のうち、ステップS120において取得した制御要求REQs1により示されるアプリケーションプログラムPRapの登録リストLSTに登録されているネットワーク300を、制御対象のネットワーク300に決定する。
【0130】
なお、制御対象のネットワーク300は、端末装置200と接続中のネットワーク300であり、かつ、制御要求REQs1により示されるアプリケーションプログラムPRapの登録リストLSTに登録されているネットワーク300から、QoS制御の品質モードに基づいて、選択されてもよい。品質管理部120は、ステップS128の処理を実行した後、処理をステップS130に進める。
【0131】
ステップS130において、品質管理部120は、ステップS128において決定した制御対象のネットワーク300に、制御要求REQs2を送信する。そして、品質管理部120は、処理をステップS132に進める。
【0132】
ステップS132において、品質管理部120は、ステップS130において制御対象のネットワーク300に送信した制御要求REQs2に対する応答情報を、制御対象のネットワーク300から取得する。例えば、品質管理部120は、制御要求REQs2により指定される品質モードのQoS制御が実行される場合、制御要求REQs2に対する応答情報として、肯定応答ACKsを取得する。また、例えば、品質管理部120は、制御要求REQs2により指定される品質モードのQoS制御が実行されない場合、制御要求REQs2に対する応答情報として、否定応答NACKsを取得する。品質管理部120は、ステップS132の処理を実行した後、処理をステップS134に進める。
【0133】
ステップS134において、品質管理部120は、ステップS120において取得した制御要求REQs1に対する応答情報を、端末装置200に送信する。例えば、ステップS132の処理が実行された後に実行されるステップS134では、品質管理部120は、ステップS132において制御対象のネットワーク300から取得した応答情報を、端末装置200に送信する。また、例えば、ステップS126における判定の結果が否定の場合に実行されるステップS134では、品質管理部120は、制御要求REQs1に対する応答情報として、否定応答NACKsを端末装置200に送信する。
【0134】
このように、品質管理部120は、制御要求REQs1、端末情報TEINF及び登録リストLSTに基づいて、端末装置200と接続中のネットワーク300のうちの少なくとも1つにQoS制御を実行させるための制御処理を、実行する。
【0135】
なお、QoS制御に関する管理装置100の動作は、図11に示した動作に限定されない。例えば、ステップS126の判定は、ステップS124の判定より前に実行されてもよい。あるいは、ステップS124において、ステップS124の判定とステップS126の判定とを一緒にした判定が実行されてもよい。
【0136】
また、例えば、ステップS124及びS126の判定は、省かれてもよい。すなわち、品質管理部120は、端末装置200と接続中の全てのネットワーク300を、制御対象のネットワーク300に決定してもよい。あるいは、品質管理部120は、端末装置200と接続中のネットワーク300から制御対象のネットワーク300を、QoS制御の品質モードに基づいて選択してもよい。ステップS124及びS126の判定が省かれる場合、登録リストLSTは作成されなくてもよい。なお、ステップS124及びS126の判定が省かれる場合、管理装置100が、QoSの利用の申し込みが行われていないアプリケーションプログラムPRapの通信に対するQoS制御を要求する制御要求REQs2を、ネットワーク300に送信する可能性がある。この場合、ネットワーク300は、管理装置100から送信された制御要求REQs2がQoSの利用の申し込みが行われたアプリケーションプログラムPRapの通信に対するQoS制御を要求する制御要求REQs2か否かをエントリー情報ENTINFに基づいて判定してもよい。すなわち、各ネットワーク300が、例えば、各ネットワーク300に対して申し込みが行われたアプリケーションプログラムPRapを示すエントリーリスト等を、有してもよい。
【0137】
図12は、課金に関する管理装置100の動作の一例を示すフローチャートである。なお、図12は、複数のアプリケーションプログラムPRapのうちの一のアプリケーションプログラムPRapの通信に対するQoS制御の利用料金を課金する場合の管理装置100の動作の一例を示している。従って、図12の説明では、特に断りがない場合、アプリケーションプログラムPRapは、一のアプリケーションプログラムPRapを意味し、アプリケーション事業者は、一のアプリケーションプログラムPRapを提供するアプリケーション事業者を意味するものとする。また、図12の説明では、特に断りがない場合、アプリ事業者装置400は、一のアプリケーションプログラムPRapを提供するアプリケーション事業者のアプリ事業者装置400を意味するものとする。
【0138】
図12に示す動作は、アプリケーションプログラムPRapの通信に対するQoS制御が終了する度に実行されてもよいし、定期的に実行されてもよい。例えば、図12に示す動作は、管理装置100の課金管理部130により実行される。
【0139】
先ず、ステップS180において、課金管理部130は、各ネットワーク300から料金情報FEEINFを取得する。
【0140】
次に、ステップS182において、課金管理部130は、QoS制御の利用料金としてアプリケーション事業者に請求する請求料金を、ステップS180において取得した料金情報FEEINFに基づいて決定する。例えば、アプリケーションプログラムPRapの通信に対するQoS制御が複数のネットワーク300において実行され、かつ、管理装置100の手数料等がない場合、複数のネットワーク300の料金情報FEEINFにより示されるQoS制御の利用料金の合計が、請求料金に対応する。なお、請求料金には、管理装置100の手数料等が含まれてもよい。
【0141】
次に、ステップS184において、課金管理部130は、ステップS182において決定した請求料金を示す課金情報CHINFをアプリ事業者装置400に送信する。これにより、アプリケーションプログラムPRapの通信に対するQoS制御の利用料金が、アプリケーションプログラムPRapを提供するアプリケーション事業者に課金される。
【0142】
次に、ステップS186において、課金管理部130は、QoS制御の利用に対する請求料金を、アプリケーション事業者から徴収する。そして、ステップS188において、課金管理部130は、ステップS186においてアプリケーション事業者から徴収した請求料金の一部又は全部を、各ネットワーク300から取得した料金情報FEEINF等に基づいて、各通信事業者に送金する。
【0143】
なお、課金に関する管理装置100の動作は、図12に示した例に限定されない。例えば、ステップS180及びS182の一連の処理は、ステップS184からステップS188までの一連の処理と異なるタイミングで実行されてもよい。具体的には、例えば、ステップS180及びS182の一連の処理が、QoS制御が終了する度に実行され、ステップS184からステップS188までの一連の処理が、所定の課金タイミング(例えば、1月から12月の各月のX日等)に実行されてもよい。また、例えば、ステップS180及びS182の一連の処理は、ステップS184からステップS188までの一連の処理が実行される間隔より短い所定の間隔で実行されてもよい。
【0144】
ステップS180及びS182の処理がステップS184の処理と異なるタイミングで実行される場合、例えば、ステップS182において算出される請求料金は、所定の第1タイミングから所定の第2タイミングまでの請求料金の累計である。第1タイミングは、例えば、課金が所定の課金期間(例えば、1ヶ月間)に発生した請求料金に基づいて決定される場合、課金期間の開始タイミングであってもよい。また、第2タイミングは、例えば、ステップS180において取得される料金情報FEEINFにより示されるQoS制御の利用料金をネットワーク300が算出した算出タイミングであってもよい。なお、課金期間が複数の算出タイミングを含む場合、第2タイミングは、例えば、ステップS182の処理の実行タイミングの直前の算出タイミングである。
【0145】
また、ネットワーク300により算出されるQoS制御の利用料金は、第1タイミングから第2タイミングまでの利用料金の累計であってもよいし、ステップS180の処理が実行される度にリセットされてもよい。ネットワーク300により算出されるQoS制御の利用料金がステップS180の処理が実行される度にリセットされる場合においても、ステップS182において、課金管理部130は、第1タイミングから第2タイミングまでの請求料金の累計を算出する。
【0146】
以上、本実施形態では、管理装置100は、品質管理部120及び課金管理部130を有する。品質管理部120は、端末装置200にインストールされたアプリケーションプログラムPRapの実行時に実行される通信の品質の制御(QoS制御)を要求する制御要求REQs1と端末装置200に関する端末情報TEINFとを取得する。そして、品質管理部120は、制御要求REQs1及び端末情報TEINFに基づいて、端末装置200と接続中の1つ以上のネットワーク300のうちの少なくとも1つにQoS制御を実行させるための制御処理を、実行する。また、課金管理部130は、QoS制御の利用料金を示す料金情報FEEINFを複数のネットワーク300の各々から取得する。そして、課金管理部130は、料金情報FEEINFに基づく課金を、アプリケーションプログラムPRapを端末装置200に提供したアプリケーション事業者に対して行う。
【0147】
このように、本実施形態では、QoS制御を実行するネットワーク300に拘わらず、管理装置100が、QoS制御の利用料金の支払い関する処理を実行する。すなわち、本実施形態では、複数の通信事業者に対するQoS制御の利用料金の支払い等のQoSの利用に関する手続きをアプリケーション事業者が行う場合、当該手続きは、管理装置100に対して行われる。これにより、本実施形態では、端末装置200が複数のネットワーク300に接続される可能性がある場合においても、アプリケーション事業者によるQoSの利用に関する手続きが煩雑になることを抑制することができる。
【0148】
また、本実施形態では、課金管理部130は、複数のネットワーク300のうち、QoS制御を実行するネットワーク300として、複数の料金プランに基づいてアプリケーション事業者により選択されたネットワーク300を示す選択情報SELINFを取得してもよい。そして、課金管理部130は、アプリケーション事業者により選択されたネットワーク300が登録された登録リストLSTを、選択情報SELINFに基づいて管理してもよい。
【0149】
ここで、QoS制御を実行するネットワーク300を複数のネットワーク300からアプリケーション事業者が選択することは、アプリケーション事業者がQoSの利用の申し込みをすることに該当する。従って、本実施形態では、複数の通信事業者に対するQoSの利用の申し込み等のQoSの利用に関する手続きをアプリケーション事業者が行う場合、当該手続きは、管理装置100に対して行われる。これにより、本実施形態では、端末装置200が複数のネットワーク300に接続される可能性がある場合においても、アプリケーション事業者によるQoSの利用に関する手続きが煩雑になることを抑制することができる。
【0150】
また、本実施形態では、課金管理部130は、QoS制御の利用に関する複数の料金プランをアプリケーション事業者に通知してもよい。この場合、課金管理部130は、QoS制御の利用に関する複数の料金プランをアプリケーション事業者に通知することにより、QoS制御を実行するネットワーク300を複数の料金プランに基づいてアプリケーション事業者に選択させることができる。さらに、課金管理部130は、複数の料金プランのいずれかの料金プランが変更された場合、変更された料金プランを、所定のタイミングでアプリケーション事業者に通知してもよい。この場合、アプリケーション事業者は、アプリケーションプログラムPRapの通信に対してQoS制御を実行するネットワーク300を、変更された料金プラン等に基づいて、更新してもよい。これにより、本実施形態では、複数の料金プランのいずれかの料金プランが変更された場合においても、QoS制御を実行するネットワーク300を、アプリケーション事業者に適切に選択させることができる。
【0151】
また、本実施形態では、品質管理部120は、登録リストLSTと制御要求REQs1と端末情報TEINFとに基づいて、端末装置200と接続中の1つ以上のネットワーク300のうちの少なくとも1つにQoS制御を実行させるための制御処理を実行してもよい。この場合、例えば、端末装置200と接続中のネットワーク300のうち、アプリケーション事業者によるQoSの利用の申し込みが行われていないネットワーク300にQoS制御が要求されることを抑制することができる。
【0152】
例えば、品質管理部120は、複数のネットワーク300のうち、端末装置200と接続中のネットワーク300を、端末情報TEINFに基づいて特定する。そして、品質管理部120は、端末情報TEINFに基づいて特定したネットワーク300が、登録リストLSTに登録されていないネットワーク300を含む場合、登録リストLSTに登録されていないネットワーク300がアプリケーションプログラムPRapの通信に対してQoS制御を実行しないように、制御処理を実行する。これにより、本実施形態では、QoSの利用の申し込みが行われていないネットワーク300において、QoS制御が実行されることを抑止することができる。
【0153】
[2.変形例]
本発明は、以上に例示した実施形態に限定されない。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を併合してもよい。
【0154】
[第1変形例]
上述した実施形態では、QoS制御の実行を制限する上限料金が料金プランに規定されている場合のネットワーク300等の動作については、特に説明していないが、ネットワーク300は、QoS制御の利用料金が上限料金に達していないことを条件として、QoS制御を実行してもよい。例えば、ネットワーク300は、QoS制御を実行中に、QoS制御の利用料金が料金プランの上限料金に達した場合、QoS制御を終了し、QoS制御を終了したことを示す情報を端末装置200に送信してもよい。なお、ネットワーク300は、QoS制御を終了したことを示す情報を、管理装置100を介して端末装置200に送信してもよい。
【0155】
また、例えば、ネットワーク300は、制御要求REQs2を受信した時点において、QoS制御の利用料金が料金プランの上限料金に既に達している場合、制御要求REQs2に対する応答情報として、否定応答NACKsを端末装置200に送信してもよい。なお、ネットワーク300は、制御要求REQs2に対する否定応答NACKsを、管理装置100を介して端末装置200に送信してもよい。
【0156】
また、例えば、課金管理部130は、図13に示すように、複数のネットワーク300のうち、利用料金が上限料金に達したネットワーク300の料金プランの変更を、アプリケーション事業者に打診してもよい。
【0157】
図13は、第1変形例に係る管理装置100の動作の一例を示すフローチャートである。なお、図13は、複数のアプリケーションプログラムPRapのうちの一のアプリケーションプログラムPRapの通信に対するQoS制御を1又は複数のネットワーク300が実行している場合の管理装置100の動作の一例を示している。従って、図13の説明では、特に断りがない場合、QoS制御は、一のアプリケーションプログラムPRapの通信に対するQoS制御を意味するものとする。また、図13の説明においても、特に断りがない場合、アプリケーションプログラムPRapは、一のアプリケーションプログラムPRapを意味し、アプリケーション事業者は、一のアプリケーションプログラムPRapを提供するアプリケーション事業者を意味するものとする。
【0158】
図13に示す動作では、例えば、ステップS150からステップS158までの処理は、管理装置100の課金管理部130により実行され、ステップS160からステップS164までの処理は、管理装置100の品質管理部120により実行される。また、図13では、1つのネットワーク300に適用する料金プランを2つ以上の料金プランから選択可能である場合を想定する。
【0159】
先ず、ステップS150において、課金管理部130は、QoS制御を実行中のネットワーク300から料金情報FEEINFを取得する。
【0160】
次に、ステップS152において、課金管理部130は、QoS制御を実行中のネットワーク300が、QoS制御の利用料金が料金プランの上限料金に達したネットワーク300を含むか否かを判定する。例えば、課金管理部130は、QoS制御を実行中のネットワーク300について、ステップS150において取得した料金情報FEEINFにより示される利用料金が料金プランの上限料金に達しているか否かを判定する。ステップS152における判定の結果が否定の場合、図13に示す動作は終了する。一方、ステップS152における判定の結果が肯定の場合、課金管理部130は、処理をステップS154に進める。
【0161】
ステップS154において、課金管理部130は、QoS制御の利用料金が料金プランの上限料金に達したネットワーク300に適用する料金プランの変更を、アプリケーション事業者に打診する。例えば、課金管理部130は、QoS制御の利用料金が料金プランの上限料金に達したネットワーク300に適用する料金プランの変更を打診する打診情報を、アプリケーション事業者に通知する。より具体的には、例えば、課金管理部130は、QoS制御の利用料金が料金プランの上限料金に達したネットワーク300に適用する料金プランの変更を打診する打診情報を、アプリケーション事業者のアプリ事業者装置400に送信する。課金管理部130は、ステップS154の処理を実行した後、処理をステップS156に進める。
【0162】
ステップS156において、課金管理部130は、QoS制御の利用料金が料金プランの上限料金に達したネットワーク300に適用する料金プランを変更するか否かを判定する。例えば、課金管理部130は、打診情報の応答情報として、料金プランを変更することを示す変更要求情報をアプリ事業者装置400から受信した場合、料金プランを変更すると判定する。変更要求情報には、例えば、変更後の料金プランを示す情報が含まれてもよい。また、例えば、課金管理部130は、打診情報の応答情報として、料金プランを変更しないことを示す維持要求情報をアプリ事業者装置400から受信した場合、料金プランを変更しないと判定する。また、例えば、課金管理部130は、打診情報を送信してから所定時間が経過するまでに、変更要求情報を受信しなかった場合、料金プランを変更しないと判定してもよい。
【0163】
ステップS156における判定の結果が否定の場合、課金管理部130は、処理をステップS160に進める。一方、ステップS156における判定の結果が肯定の場合、課金管理部130は、処理をステップS158に進める。
【0164】
ステップS158において、課金管理部130は、QoS制御の利用料金が料金プランの上限料金に達したネットワーク300に適用する料金プランを、アプリ事業者装置400からの回答(例えば、上述の変更要求情報)に基づいて変更する。例えば、課金管理部130は、料金プランが変更されるネットワーク300に、変更後の料金プランを示すプラン変更情報を送信する。ステップS158の処理が終了することにより、図13に示す動作は終了する。なお、料金プランが変更されない場合は、上述したように、ステップS160の処理が実行される。
【0165】
ステップS160において、品質管理部120は、QoS制御の利用料金が料金プランの上限料金に達したネットワーク300に、QoS制御の終了要求REQeを送信する。品質管理部120は、ステップS160の処理を実行した後、処理をステップS162に進める。
【0166】
ステップS162において、品質管理部120は、終了要求REQeに対する応答情報を、終了要求REQeの送信先のネットワーク300から取得する。例えば、終了要求REQeを受信したネットワーク300がQoS制御を終了する場合、品質管理部120は、終了要求REQeに対する応答情報として、肯定応答ACKeを取得する。また、例えば、終了要求REQeを受信したネットワーク300がQoS制御を終了しない場合、品質管理部120は、終了要求REQeに対する応答情報として、QoS制御を終了しないことを示す情報(例えば、否定応答)を取得してもよい。品質管理部120は、ステップS162の処理を実行した後、処理をステップS164に進める。
【0167】
ステップS164において、品質管理部120は、終了要求REQeに対する応答情報(ステップS162において取得した応答情報)を、端末装置200に送信する。なお、品質管理部120は、終了要求REQeを受信したネットワーク300がQoS制御を終了しない場合、ステップS162において取得した応答情報を端末装置200に送信しなくてもよい。ステップS164の処理が終了することにより、図13に示す動作は終了する。
【0168】
このように、図13に示す動作では、課金管理部130は、QoS制御の利用料金が上限料金に達したネットワーク300の料金プランの変更を、アプリケーション事業者に打診する。この場合、QoS制御の利用量に応じた料金プランをアプリケーション事業者に適切に選択させることができる。また、図13に示す動作では、料金プランが変更されない場合、課金管理部130は、QoS制御の利用料金が上限料金に達したネットワーク300に、QoS制御の終了要求REQeを送信する。この場合、QoS制御の利用料金が上限料金に達したネットワーク300において、QoS制御の実行が継続されることを抑制することができる。
【0169】
なお、第1変形例に係る管理装置100の動作は、図13に示した動作に限定されない。例えば、図14に示すように、課金管理部130は、複数のネットワーク300のうち、QoS制御の利用料金が上限料金に達したネットワーク300の料金プランを、上限料金が現状の料金プランより高い料金プランに変更してもよい。そして、課金管理部130は、料金プランを変更したことをアプリケーション事業者に通知してもよい。
【0170】
図14は、第1変形例に係る管理装置100の動作の別の例を示すフローチャートである。なお、図14に示す動作は、管理装置100が、QoS制御の利用料金が上限料金に達したネットワーク300の料金プランの変更をアプリケーション事業者に打診することなく、料金プランを変更する点が、図13に示した動作と相違する。例えば、図14に示す動作では、図13に示した動作から、ステップS154、S156、S160、S162及びS164が省かれ、ステップS159が図13に示した動作に追加されている。図14では、図13において説明した動作については、詳細な説明を書略する。
【0171】
例えば、ステップS158において、課金管理部130は、QoS制御の利用料金が上限料金に達したネットワーク300の料金プランを、上限料金が現状の料金プランより高い料金プランに変更する。そして、ステップS159において、課金管理部130は、QoS制御の利用料金が上限料金に達したネットワーク300の料金プランを変更したことを、アプリケーション事業者に通知する。例えば、課金管理部130は、QoS制御の利用料金が上限料金に達したネットワーク300の料金プランを変更したことを示す変更情報を、アプリケーション事業者のアプリ事業者装置400に送信する。ステップS159の処理が終了することにより、図14に示す動作は終了する。
【0172】
このように、図14に示す動作では、QoS制御の利用料金が上限料金に達したネットワーク300の料金プランを、QoS制御の利用量に応じた料金プランに変更することができる。これにより、図14に示す動作では、QoS制御がアプリケーションプログラムPRapの終了前に終了することを抑制することができる。
【0173】
[第2変形例]
上述した第1変形例では、料金プランの上限料金が変更された場合の管理装置100等の動作については、特に説明していないが、管理装置100は、上限料金が変更された料金プランに基づいて、登録リストLSTを更新してもよい。例えば、課金管理部130は、複数の料金プランのいずれかの上限料金がアプリケーション事業者により指定された第1料金以上に変更された場合、上限料金が第1料金以上に変更された料金プランに対応するネットワーク300を登録リストLSTから削除してもよい。具体的には、例えば、アプリケーションプログラムPRapαの登録リストLSTに登録されているネットワーク300aの料金プランの上限料金が第1料金以上に変更された場合、課金管理部130は、アプリケーションプログラムPRapαの登録リストLSTからネットワーク300aを削除してもよい。
【0174】
また、例えば、課金管理部130は、複数の料金プランのいずれかの上限料金が第1料金以上の料金から第1料金未満の料金に変更された場合、上限料金が第1料金未満に変更された料金プランに対応するネットワーク300を登録リストLSTに追加してもよい。なお、第1料金は、登録リストLSTからネットワーク300を削除する場合と登録リストLSTにネットワーク300を追加する場合とで異なってもよい。例えば、登録リストLSTからネットワーク300を削除する場合の第1料金は、登録リストLSTにネットワーク300を追加する場合の第1料金よりも高い料金であってもよい。
【0175】
第2変形例においても、上述した実施形態及び第1変形例と同様の効果を得ることができる。さらに、第2変形例では、QoS制御を実行するネットワーク300として登録リストLSTに登録されるネットワーク300を、料金プランの上限値の変更に合わせて、自動的に変更することができる。
【0176】
[第3変形例]
上述した実施形態、第1変形例及び第2変形例では、アプリケーション事業者に対する課金に上限が設定される場合の管理装置100等の動作については、特に説明していないが、管理装置100は、課金が上限に達したQoS制御の制御要求REQs1を棄却してもよい。
【0177】
例えば、品質管理部120は、制御要求REQs1により示されるアプリケーションプログラムPRapを提供するアプリケーション事業者に対する課金が、アプリケーション事業者により指定された第2料金に達している場合、制御要求REQs1を棄却してもよい。アプリケーション事業者に対する課金が第2料金に達しているか否かの上限判定は、例えば、図11に示したステップS120の処理の後に実行されてもよい。例えば、品質管理部120は、上述の上限判定の結果が否定の場合、処理をS122に進め、上限判定の結果が肯定の場合、処理をステップS134に進めてもよい。
【0178】
ここで、上限判定において参照されるアプリケーション事業者に対する課金は、例えば、課金が所定の課金期間(例えば、1ヶ月間)に発生した請求料金に基づいて決定される場合、課金期間の開始タイミングから上限判定の実行タイミングまでの請求料金の累計である。また、アプリケーション事業者が複数のアプリケーションプログラムPRapを提供する場合、アプリケーション事業者に対する課金は、複数のアプリケーションプログラムPRapに対応するQoS制御の課金の合計であってもよい。あるいは、アプリケーション事業者が複数のアプリケーションプログラムPRapを提供する場合、アプリケーション事業者に対する課金は、アプリケーションプログラムPRap毎のアプリケーション事業者に対する課金であってもよい。この場合、品質管理部120は、アプリケーション事業者に対する課金が第2料金に達しているか否かの判定として、制御要求REQs1により示されるアプリケーションプログラムPRapに対応するQoS制御の課金が第2料金に達しているか否かを判定してもよい。
【0179】
なお、第3変形例に係る管理装置100の動作は、上述の例に限定されない。例えば、図15に示すように、品質管理部120は、QoS制御が実行されている最中に、アプリケーション事業者に対する課金が、アプリケーション事業者により指定された第3料金に達した場合、QoS制御を終了させてもよい。第3料金は、上述の第2料金と同じ料金であってもよいし、第2料金と異なる料金であってもよい。
【0180】
図15は、第3変形例に係る管理装置100の動作の一例を示すフローチャートである。なお、図15は、複数のアプリケーションプログラムPRapのうちの一のアプリケーションプログラムPRapの通信に対するQoS制御を1又は複数のネットワーク300が実行している場合の管理装置100の動作の一例を示している。従って、図15の説明においても、特に断りがない場合、QoS制御は、一のアプリケーションプログラムPRapの通信に対するQoS制御を意味し、アプリケーションプログラムPRapは、一のアプリケーションプログラムPRapを意味するものとする。また、図15の説明においても、特に断りがない場合、アプリケーション事業者は、一のアプリケーションプログラムPRapを提供するアプリケーション事業者を意味するものとする。
【0181】
図15に示す動作では、例えば、ステップS150及びS153の処理は、管理装置100の課金管理部130により実行され、ステップS161、S162及びS164の処理は、管理装置100の品質管理部120により実行される。図15では、図1から図14において説明した動作については、詳細な説明を書略する。
【0182】
先ず、ステップS150において、課金管理部130は、QoS制御を実行中のネットワーク300から料金情報FEEINFを取得する。
【0183】
次に、ステップS153において、課金管理部130は、ステップS150において取得した料金情報FEEINFにより示される利用料金に基づいて決定される請求料金に基づいて、アプリケーション事業者に対する課金が第3料金に達したか否かを判定する。なお、アプリケーション事業者に対する課金が第3料金に達したか否かの判定は、第2料金の代わりに第3料金が参照されることを除いて、上述の上限判定と同様である。ステップS153における判定の結果が否定の場合、図15に示す動作は終了する。一方、ステップS153における判定の結果が肯定の場合、課金管理部130は、処理をステップS161に進める。
【0184】
ステップS161において、品質管理部120は、QoS制御を実行中のネットワーク300に、QoS制御の終了要求REQeを送信する。そして、ステップS162において、品質管理部120は、終了要求REQeに対する応答情報を、終了要求REQeの送信先のネットワーク300から取得する。次に、ステップS164において、品質管理部120は、終了要求REQeに対する応答情報(ステップS162において取得した応答情報)を、端末装置200に送信する。ステップS164の処理が終了することにより、図15に示す動作は終了する。
【0185】
このように、第3変形例では、アプリケーション事業者が想定した料金(例えば、第2料金又は第3料金等)以上の料金がアプリケーション事業者に対して課金されることを抑制することができる。
【0186】
[第4変形例]
上述した実施形態、及び、第1変形例から第3変形例までの変形例では、端末装置200が制御要求REQs1を管理装置100に送信する場合を示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、端末装置200は、端末装置200と接続中の全てのネットワーク300の品質制御装置302に制御要求REQs1を送信してもよい。この場合、端末装置200から制御要求REQs1を受信した品質制御装置302は、制御要求REQs1を管理装置100に転送し、制御要求REQs1の折り返しとして制御要求REQs2を管理装置100から受信するまで、QoS制御の実行を待機する。
【0187】
例えば、管理装置100の品質管理部120は、制御要求REQs1を管理装置100に転送した品質制御装置302を含むネットワーク300を、端末装置200と接続中のネットワーク300として特定する。そして、管理装置100の品質管理部120は、端末装置200と接続中のネットワーク300から制御対象のネットワーク300を選択し、制御対象のネットワーク300の品質制御装置302に、制御要求REQs1の折り返しとして、制御要求REQs2を送信する。また、品質管理部120は、制御対象外のネットワーク300の品質制御装置302が制御要求REQs1に応じたQoS制御を実行しないようにする情報(例えば、否定応答NACKs)を、制御対象外のネットワーク300の品質制御装置302に送信してもよい。
【0188】
以上、第4変形例においても、上述した実施形態、及び、第1変形例から第3変形例までの変形例と同様の効果を得ることができる。但し、第4変形例では、通信事業者に合わせて制御要求REQs1の送信先が決定されるため、上述した実施形態、及び、第1変形例から第3変形例までの変形例と比べた場合には、アプリケーションプログラムPRapが煩雑になる可能性がある。
【0189】
[第5変形例]
上述した実施形態、及び、第1変形例から第4変形例までの変形例では、制御対象のネットワーク300にQoS制御を開始させるための制御処理が、制御対象のネットワーク300に制御要求REQs2を送信する処理を含む場合を示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。
【0190】
例えば、上述した実施形態、第1変形例、第2変形例及び第3変形例において、制御処理は、制御対象のネットワーク300に対して端末装置200がQoS制御を要求するために必要な事業者個別情報CAINFを、管理装置100が端末装置200に送信する処理を含んでもよい。この場合、端末装置200は、管理装置100から受信した事業者個別情報CAINFに基づいて、制御対象のネットワーク300に制御要求REQs2を送信する。
【0191】
また、例えば、上述した第4変形例において、品質制御装置302は、端末装置200から受信した制御要求REQs1に基づいて、QoS制御を実行可能か否かを判定できる場合、判定結果を管理装置100又は端末装置200に送信してもよい。具体的には、品質制御装置302は、制御要求REQs1に応じたQoS制御を実行可能である場合、QoS制御を実行可能であることを示す情報を管理装置100に送信し、制御要求REQs1に応じたQoS制御を実行可能でない場合、否定応答NACKsを端末装置200に送信してもよい。
【0192】
管理装置100の品質管理部120は、QoS制御を実行可能であることを示す情報を送信した品質制御装置302を含むネットワーク300から制御対象のネットワーク300を選択する。そして、品質管理部120は、制御対象のネットワーク300の品質制御装置302に、制御要求REQs1に応じたQoS制御の実行の待機を解除する情報を送信してもよい。また、品質管理部120は、制御対象外のネットワーク300の品質制御装置302に、制御要求REQs1に応じたQoS制御を実行しないようにする情報(例えば、否定応答NACKs)を送信してもよい。
【0193】
以上、第5変形例においても、上述した実施形態、及び、第1変形例から第4変形例までの変形例と同様の効果を得ることができる。
【0194】
[第6変形例]
上述した実施形態、及び、第1変形例から第5変形例までの変形例では、端末装置200が制御要求REQs1を管理装置100に送信する場合を示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、QoS制御の対象となるアプリケーションプログラムPRapを実行している端末装置200の通信先であるアプリケーション管理装置(例えば、図1等には図示せず)が、端末装置200に対するQoS制御の制御要求REQs1と端末装置200に関する端末情報TEINFとを、管理装置100に送信してもよい。すなわち、管理装置100の品質管理部120は、端末装置200に対するQoS制御の制御要求REQs1と端末装置200に関する端末情報TEINFとを、アプリケーション管理装置から取得してもよい。なお、アプリケーション管理装置の機能は、例えば、アプリ事業者装置400に含まれてもよい。
【0195】
以上、第6変形例においても、上述した実施形態、及び、第1変形例から第5変形例までの変形例と同様の効果を得ることができる。
【0196】
[3.その他]
(1)上述した実施形態では、記憶装置(例えば、記憶装置160及び260)は、処理装置(例えば、処理装置110及び210)が読取可能な記録媒体であり、ROM及びRAMなどを例示したが、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、CD-ROM(Compact Disc-ROM)、レジスタ、リムーバブルディスク、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ、データベース、サーバその他の適切な記憶媒体である。また、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。また、プログラムは、電気通信回線を介して通信網から送信されてもよい。
【0197】
(2)上述した実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
【0198】
(3)上述した実施形態において、説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0199】
(4)上述した実施形態において、入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0200】
(5)上述した実施形態において、判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0201】
(6)上述した実施形態において例示した処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0202】
(7)図1等の図面に例示された各機能は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0203】
また、通信装置170及び270は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置170及び270は、例えば、周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。
【0204】
(8)上述した実施形態で例示したプログラムは、ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0205】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0206】
(9)前述の各形態において、「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0207】
(10)本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
【0208】
(11)上述した実施形態において、端末装置200は、移動局(MS:Mobile Station)である場合が含まれる。移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。また、本開示においては、「移動局」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」等の用語は、互換的に使用され得る。
【0209】
(12)上述した実施形態において、「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0210】
(13)上述した実施形態において、「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0211】
(14)本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0212】
(15)上述した実施形態において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0213】
(16)本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0214】
(17)本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」等の用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0215】
(18)本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0216】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0217】
10…ネットワークシステム、100…管理装置、110…処理装置、120…品質管理部、130…課金管理部、160…記憶装置、170…通信装置、200…端末装置、210…処理装置、220…要求部、260…記憶装置、270…通信装置、280…入力装置、290…出力装置、300…ネットワーク、302…品質制御装置、400…アプリ事業者装置、500…インターネット。
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