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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】伴侶動物の健康モニタリングシステム
(51)【国際特許分類】
   A01K 29/00 20060101AFI20240326BHJP
   A01K 13/00 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
A01K29/00 B
A01K13/00 J
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2023000641
(22)【出願日】2023-01-05
(62)【分割の表示】P 2020182501の分割
【原出願日】2015-11-05
(65)【公開番号】P2023033376
(43)【公開日】2023-03-10
【審査請求日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】62/075,745
(32)【優先日】2014-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】14/932,212
(32)【優先日】2015-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520396658
【氏名又は名称】シュアフラップ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス ヒル
(72)【発明者】
【氏名】ヨハン ド メレミステル
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン ボルトン
(72)【発明者】
【氏名】ロバート スチュアート
【審査官】大澤 元成
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0123912(US,A1)
【文献】特開2010-220506(JP,A)
【文献】特開2007-135475(JP,A)
【文献】特開2005-165703(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 29/00
A01K 13/00
A01K 11/00
G06K 19/08-19/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物の健康モニタリングシステムであって、
アンテナを有している装着具であって、伴侶動物に装着されるように構成されている前記装着具と、
前記伴侶動物に配置されるように構成されている電子アセンブリであって、
マイクロプロセッサと、
前記マイクロプロセッサに接続されている電源と、
第1の送受信機と、
第2の送受信機と、
を備えている前記電子アセンブリと、
を備えている前記動物の健康モニタリングシステムにおいて、
前記電子アセンブリと前記アンテナとが、前記伴侶動物に埋設されたマイクロチップを読み取るためのマイクロチップスキャナを構成しており、
前記電子アセンブリが、少なくとも1つのセンサから前記伴侶動物の生理学的データを得るように構成されており、
前記電子アセンブリが、
前記第2の送受信機を利用して前記マイクロチップに照会することによって、前記マイクロチップのメモリから識別データを得ることと、
前記第1の送受信機を介して前記識別データ及び前記生理学的データを伝送することと、
を実行するために、前記アンテナを利用するように構成されており、
前記マイクロチップの励起周波数が一定とされ、前記マイクロプロセッサが、前記マイクロチップを読み取る場合に、前記アンテナのインダクタンスに基づいて前記アンテナの共振キャパシタンスを調節するように構成されており、
前記アンテナのインダクタンスが、前記装着具の幾何学形状に依存することを特徴とする、動物の健康モニタリングシステム。
【請求項2】
前記装着具が、首輪であることを特徴とする請求項1に記載の動物の健康モニタリングシステム。
【請求項3】
前記マイクロチップが、RFIDマイクロチップであり、
前記第2の送受信機が、RFID送受信機であることを特徴とする請求項1又は2に記載の動物の健康モニタリングシステム。
【請求項4】
前記電子アセンブリが、前記マイクロチップのメモリから前記生理学的データを得るために、前記マイクロチップを紹介するように構成されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の動物の健康モニタリングシステム。
【請求項5】
少なくとも1つの前記センサが、
前記マイクロチップのセンサと、
前記電子アセンブリのセンサと、
伴侶動物滑動センサのセンサと、
を備えていることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の動物の健康モニタリングシステム。
【請求項6】
前記動物の健康モニタリングシステムが、前記伴侶動物に埋設するための前記マイクロチップを備えており、
前記マイクロチップが、前記生理学的データを生成するために前記伴侶動物の生理学的パラメータを測定するための少なくとも1つの前記センサを有していることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の動物の健康モニタリングシステム。
【請求項7】
少なくとも1つの前記センサが、前記伴侶動物の心拍数を示す前記生理学的データを生成するための心拍数センサであることを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の動物の健康モニタリングシステム。
【請求項8】
少なくとも1つの前記センサが、前記伴侶動物の体温を示す前記生理学的データを生成するための体温センサであることを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の動物の健康モニタリングシステム。
【請求項9】
少なくとも1つの前記センサが、前記伴侶動物の活動又は運動を示す前記生理学的データを生成するための運動センサであることを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の動物の健康モニタリングシステム。
【請求項10】
前記電子アセンブリが、
場所データを生成することができる全地球測位システム(GPS)受信機であって、前記電子アセンブリが、前記場所データを伝送するように構成されている、前記全地球測位システム受信機と、
環境温度センサであって、前記電子アセンブリが、環境温度データを伝送するように構成されている、前記環境温度センサと、
リアルタイムクロック/カレンダ(RTCC)であって、前記電子アセンブリが、時間データを伝送するように構成されている、前記リアルタイムクロック/カレンダと、
前記伴侶動物の脈拍の提示を提供するための生理学的センサと、
前記伴侶動物の活動又は運動の提示を提供するための生理学的センサと、
のうち少なくとも1つを備えていることを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載の動物の健康モニタリングシステム。
【請求項11】
前記電子アセンブリが、遠隔制御から得られた入力に応答して、前記伴侶動物に案内を提供するための訓練用首輪と共にパッケージ化されていることを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載の動物の健康モニタリングシステム。
【請求項12】
前記電子アセンブリが、測位ビーコンと通信するための無線周波数送受信機を備えていることを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載の動物の健康モニタリングシステム。
【請求項13】
前記動物の健康モニタリングシステムが、前記電子アセンブリが前記測位ビーコンの範囲内に位置している場合に、前記測位ビーコンから、例えばビーコン識別子及び時間データのうち少なくとも1つのデータを受信するように構成されており、
前記動物の健康モニタリングシステムが、前記電子アセンブリの場所を判定するために、受信されたデータを利用するように構成されている、請求項12に記載の動物の健康モニタリングシステム。
【請求項14】
前記無線周波数送受信機が、例えばBluetooth(登録商標)低エネルギービーコンのような、前記測位ビーコンと通信可能とされるBluetooth送受信機であることを特徴とする請求項12又は13に記載の動物の健康モニタリングシステム。
【請求項15】
前記動物の健康モニタリングシステムが、前記伴侶動物の活動を測定するように、且つ、測定された活動データを前記電子アセンブリに伝送するように構成されている伴侶動物活動センサを備えていることを特徴とする請求項1~14のいずれか一項に記載の動物の健康モニタリングシステム。
【請求項16】
前記電子アセンブリが、前記伴侶動物活動センサを備えていることを特徴とする請求項15に記載の動物の健康モニタリングシステム。
【請求項17】
前記伴侶動物活動センサが、前記電子アセンブリの外部に配置されており、前記電子アセンブリと通信するように構成されていることを特徴とする請求項15又は16に記載の動物の健康モニタリングシステム。
【請求項18】
前記活動データが、
進行距離と、
方向情報と、
前記伴侶動物の雑音ベースの測定と、
鳴吠活動と、
前記動物の休息時の時間と、
前記伴侶動物の心拍数と、
のうち少なくとも1つを備えていることを特徴とする請求項15~17のいずれか一項に記載の動物の健康モニタリングシステム。
【請求項19】
前記電子アセンブリが、首輪に一体化されていることを特徴とする請求項1~18のいずれか一項に記載の動物の健康モニタリングシステム。
【請求項20】
前記電子アセンブリが、前記首輪に取り付けられていることを特徴とする請求項1~19のいずれか一項に記載の動物の健康モニタリングシステム。
【請求項21】
首輪と前記電子アセンブリとが、別々の物理的パッケージであり、
前記電子アセンブリが、前記首輪に取り付け可能であることを特徴とする請求項1~20のいずれか一項に記載の動物の健康モニタリングシステム。
【請求項22】
前記電子アセンブリが、前記マイクロチップに誘導給電するために前記アンテナに磁場を放出させるための信号を送信することによって、前記マイクロチップを起動するように構成されていることを特徴とする請求項1~21のいずれか一項に記載の動物の健康モニタリングシステム。
【請求項23】
前記アンテナが、首輪に円周方向に埋設されたループアンテナであることを特徴とする請求項1~22のいずれか一項に記載の動物の健康モニタリングシステム。
【請求項24】
前記ループアンテナが、電気導体から成る複数の巻線を含んでいることを特徴とする請求項23に記載の動物の健康モニタリングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[発明の分野]
本発明は、無線周波数識別の使用に関し、具体的には、動物の健康および福祉を査定する目的のために動物の生理学的データの遠隔モニタリングに適用される短距離無線周波数通信に関する。
【背景技術】
【0002】
[背景]
無線周波数識別(RFID)は、約30年にわたって動物識別用途において展開されている、確立された技術である。当初は、行方不明の動物の救助手段として奨励されていたが、RFIDは、より最近では、動物の健康保険製品と関連付けられた識別の手段として奨励されている。マイクロチップ技術におけるより最近の進歩として、トランスポンダ内への体温センサ等の生理学的センサの含有がもたらされている。そのようなデバイスの典型は、Destron-Fearing Corporation(Eagan,MN)製のDestron BioThermo(登録商標)トランスポンダである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
[発明の要約]
伴侶動物の健康モニタリングのためのシステムおよび方法が、説明される。一実施形態では、動物の健康モニタリングシステムは、伴侶動物上に位置している電子アセンブリであって、マイクロプロセッサと、マイクロプロセッサに接続される電源と、送受信機とを含む、電子アセンブリと、伴侶動物内に埋め込まれたマイクロチップであって、識別データを記憶するメモリと、伴侶動物の体温を測定する体温センサとを含む、マイクロチップとを含み、電子アセンブリは、マイクロチップに照会し、識別データおよび体温データを得て、識別データおよび体温データを伝送する。
【0004】
本発明の別の実施形態では、電源は、バッテリを含む。
【0005】
本発明の付加的実施形態では、電子アセンブリは、識別データおよび体温データを携帯電話に伝送する。
【0006】
本発明のさらに別の付加的実施形態では、電子アセンブリは、携帯電話から受信された要求に応答して、識別データおよび体温データを伝送する。
【0007】
本発明のなおも別の付加的実施形態では、電子アセンブリは、所定のスケジュールに基づいて、識別データおよび体温データを伝送する。
【0008】
本発明のなおもさらに別の付加的実施形態では、電子アセンブリはさらに、RFID送受信機を含み、電子アセンブリは、RFID送受信機を使用して、マイクロチップに照会する。
【0009】
本発明のさらに別の実施形態では、電子アセンブリは、RFID送受信機を使用してマイクロチップに照会するための周波数に基づいて、アンテナの共振キャパシタンスを動的に調節する。
【0010】
本発明のなおも別の実施形態では、電子アセンブリはさらに、メモリを含み、電子アセンブリは、メモリを使用して、得られたデータを記憶する。
【0011】
本発明のなおもさらに別の実施形態では、電子アセンブリはさらに、時間データを判定することが可能であるリアルタイムクロックを含む。
【0012】
本発明のさらに別の付加的実施形態では、電子アセンブリはさらに、リアルタイムクロックを使用して時間データを得て、時間データを伝送する。
【0013】
本発明のなおも別の付加的実施形態では、電子アセンブリはさらに、リアルタイムクロックを使用して得られた時間データに基づいて、データを伝送する。
【0014】
本発明のなおもさらに別の付加的実施形態では、電子アセンブリは、動物によって装着される首輪の中に統合される。
【0015】
本発明のさらに別の実施形態では、電子アセンブリはさらに、場所データを生成することが可能である全地球測位システム(GPS)受信機を含み、電子アセンブリはさらに、場所データを伝送する。
【0016】
本発明のなおも別の実施形態では、電子アセンブリはさらに、環境温度センサを含み、電子アセンブリはさらに、環境温度センサを使用して、環境温度データを得て、環境温度データを伝送する。
【0017】
本発明のなおもさらに別の実施形態では、電子アセンブリはさらに、アンテナに接続される。
【0018】
本発明のさらに別の付加的実施形態では、アンテナは、伴侶動物によって装着される首輪の中に統合され、電子アセンブリは、アンテナに接続する、コネクタを含む。
【0019】
本発明のなおも別の付加的実施形態では、アンテナは、フェライトコアソレノイド形態のアンテナを含む。
【0020】
本発明のなおもさらに別の付加的実施形態では、マイクロチップは、首輪が伴侶動物に嵌められると、マイクロチップがアンテナからの閾値距離内に位置するように、動物内に埋め込まれる。
【0021】
本発明のさらに別の実施形態では、電子アセンブリは、Bluetooth(登録商標)接続を使用して、データを伝送する。
【0022】
本発明のなおも別の実施形態では、電子アセンブリは、セルラー接続を使用して、データを伝送する。
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
動物の健康モニタリングシステムであって、
伴侶動物上に位置している電子アセンブリであって、
マイクロプロセッサと、
前記マイクロプロセッサに接続された電源と、
送受信機と
を備える、電子アセンブリと、
前記伴侶動物内に埋め込まれたマイクロチップであって、
識別データを記憶するメモリと、
前記伴侶動物の体温を測定する体温センサと
を備える、マイクロチップと
を備え、
前記電子アセンブリは、
前記マイクロチップに照会し、識別データおよび体温データを得ることと、
前記識別データおよび前記体温データを伝送することと
を行う、動物の健康モニタリングシステム。
(項目2)
前記電源は、バッテリを備える、項目1に記載の動物の健康モニタリングシステム。
(項目3)
前記電子アセンブリは、前記識別データおよび前記体温データを携帯電話に伝送する、項目1に記載の動物の健康モニタリングシステム。
(項目4)
前記電子アセンブリは、前記携帯電話から受信された要求に応答して、前記識別データおよび前記体温データを伝送する、項目3に記載の動物の健康モニタリングシステム。
(項目5)
前記電子アセンブリは、所定のスケジュールに基づいて、前記識別データおよび前記体温データを伝送する、項目3に記載の動物の健康モニタリングシステム。
(項目6)
前記電子アセンブリはさらに、RFID送受信機を備え、前記電子アセンブリは、前記RFID送受信機を使用して、前記マイクロチップに照会する、項目1に記載の動物の健康モニタリングシステム。
(項目7)
前記電子アセンブリはさらに、前記RFID送受信機を使用して前記マイクロチップに照会するための周波数に基づいて、アンテナの共振キャパシタンスを動的に調節する、項目6に記載の動物の健康モニタリングシステム。
(項目8)
前記電子アセンブリはさらに、メモリを備え、前記電子アセンブリは、前記メモリを使用して、前記得られたデータを記憶する、項目1に記載の動物の健康モニタリングシステム。
(項目9)
前記電子アセンブリはさらに、時間データを判定することが可能であるリアルタイムクロックを備える、項目1に記載の動物の健康モニタリングシステム。
(項目10)
前記電子アセンブリはさらに、
前記リアルタイムクロックを使用して時間データを得ることと、
前記時間データを伝送することと
を行う、項目9に記載の動物の健康モニタリングシステム。
(項目11)
前記電子アセンブリはさらに、前記リアルタイムクロックを使用して得られた前記時間データに基づいて、前記データを伝送する、項目9に記載の動物の健康モニタリングシステム。
(項目12)
前記電子アセンブリは、前記動物によって装着される首輪の中に統合される、項目1に記載の動物の健康モニタリングシステム。
(項目13)
前記電子アセンブリはさらに、場所データを生成することが可能である全地球測位システム(GPS)受信機を備え、前記電子アセンブリはさらに、前記場所データを伝送する、項目1に記載の動物の健康モニタリングシステム。
(項目14)
前記電子アセンブリはさらに、環境温度センサを備え、
前記電子アセンブリはさらに、
前記環境温度センサを使用して、環境温度データを得ることと、
前記環境温度データを伝送することと
を行う、項目1に記載の動物の健康モニタリングシステム。
(項目15)
前記電子アセンブリはさらに、アンテナに接続されている、項目1に記載の動物の健康モニタリングシステム。
(項目16)
前記アンテナは、前記伴侶動物によって装着される首輪の中に統合され、前記電子アセンブリは、前記アンテナに接続するコネクタを備える、項目15に記載の動物の健康モニタリングシステム。
(項目17)
前記アンテナは、フェライトコアソレノイド形態のアンテナを備える、項目15に記載の動物の健康モニタリングシステム。
(項目18)
前記マイクロチップは、前記首輪が前記伴侶動物に嵌められると、前記マイクロチップが前記アンテナからの閾値距離内に位置するように、前記動物内に埋め込まれている、項目15に記載の動物の健康モニタリングシステム。
(項目19)
前記電子アセンブリは、Bluetooth(登録商標)接続を使用して、前記データを伝送する、項目1に記載の動物の健康モニタリングシステム。
(項目20)
前記電子アセンブリは、セルラー接続を使用して、前記データを伝送する、項目1に記載の動物の健康モニタリングシステム。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、本発明のある実施形態による、典型的伴侶動物の実施例の概念的例証である。
図2図2は、本発明のある実施形態による、電子アセンブリのコンテンツの概念的例証である。
図3図3は、本発明のある実施形態による、データを読み取り、伝送するためのプロセスを図示する、フロー図である。
図4図4は、本発明のある実施形態による、首輪の概念的例証である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[発明の詳細な説明]
ここで図面に目を向けると、伴侶動物の健康モニタリングのためのシステムおよび方法が、開示される。そのような伴侶動物識別システムは、中空丸針を使用して容易かつ迅速に埋め込まれる、典型的には、長さ12mm×直径2mmの小型のガラス製のカプセル化された受動トランスポンダ(「マイクロチップ」)を含むことができる。マイクロチップは、アクティブ化され、リーダデバイスによって、その内部に記憶された一意の識別コードに関して走査されることができる。体温を感知するマイクロチップは、従来の識別マイクロチップと物理的に同じであり、体温センサを含むことができる。マイクロチップは、アクティブ化されると、自動的に、またはマイクロチップを読み取るために利用される走査ツールに応答してのいずれかにおいて、識別および体温データを伝送することができる。識別および体温走査は、動物の健康ケアの専門家に有用であり、また、動物の健康および福祉をモニタリングするための手段として、ペット所有者にも有益であり得る。
【0025】
[伴侶動物の健康モニタリングシステム]
図1は、本発明を説明する目的のために、イヌ101であって、以降、「Roscoe」と称される、典型的伴侶動物の実施例を図示する。Roscoeは、その身体内に、好ましくは、その肩甲骨(貝殻骨)の中間である場所において、移動に抵抗するであろう皮下組織の奥深くに注入されている、体温を感知するマイクロチップ102を保有している。Roscoeはまた、識別および体温データをマイクロチップから周期的に捕捉する目的のためにマイクロチップスキャナを装備し得る、首輪103を保有する。具体的には、ともにマイクロチップスキャナを構成する、走査アンテナ105および電子アセンブリ104が、首輪103上に搭載されることができる。アンテナ105および電子アセンブリ104は、従来の犬用首輪に取り付けられ得るが、本ケーブルが一体的に構築され、それによって保護される、カスタム首輪が、好ましい。例えば、ケーブルは、首輪の材料の中に縫着および/または成形されることができる。しかしながら、ワイヤレス接続を含む、アンテナおよび電子アセンブリを接続するための任意の種々の構造が、本発明の実施形態の具体的用途の要件に準拠して、利用されることができる。アンテナ105は、犬用首輪103内に円周方向に埋設される電気導体の多数の巻線を含む、ループアンテナとして構築されることができる。本タイプのアンテナは、取付目的のために、首輪が分離および継合されることを可能にする、電気コネクタ(図示せず)を含むことができる。いくつかの実施形態では、電子アセンブリ104は、アンテナ105に接続するために使用され得る、変圧器(図示せず)を含む。このように、単純コネクタが、アンテナに接続するために利用されることができる。いくつかの実施形態では、電子アセンブリ104は、アンテナ105に誘導結合される。本配列は、単一電子アセンブリがいくつかの代替首輪サイズまたは設計のいずれかと対合され得るように、首輪および電子アセンブリが別個の物理的パッケージであることを可能にすることができる。アンテナ105のための好ましい実施形態は、埋め込まれたマイクロチップ102の近傍の首輪103の上部に位置する、フェライトコアソレノイド形態のアンテナを含む。電子アセンブリ104の物理的重量は、アンテナの位置をマイクロチップ102の近傍に維持することができる。多くの実施形態では、電子アセンブリ104は、本発明の実施形態の具体的用途の要件に準拠して、ボタン、スナップ、マジックテープ(登録商標)締結具、または任意の他のコネクタ等の種々のコネクタのいずれかを介して、首輪103に取り付けられる。いくつかの実施形態では、首輪103は、アンテナにかかる歪みを低減させるために利用され得る、歪み緩和デバイスを含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、首輪103は、自動的に、伴侶動物のサイズにそれ自体をサイズ調整するように設計される。首輪は、本発明の実施形態の具体的用途の要件に準拠して、弾性材料から製造される、および/または過剰首輪材料を巻き取るためのリールを含むことができる。加えて、ハーネスは、多くの場合、首輪より安定し、伴侶動物の頭部と前足のすぐ後との間に位置する傾向にある。種々の実施形態では、首輪103は、ハーネスをRoscoeに固着させるために取り付けられ得る、種々の材料のストラップ、バンド、および/または他のパネルを含む、ハーネスである。電子アセンブリ104は、次いで、標準的首輪を用いて可能であるものより埋め込まれたマイクロチップに近接する場所を含む、ハーネス上の任意の場所に取り付けられることができる。
【0027】
ここで図4に目を向けると、伴侶動物によって装着され得る、首輪の概念的例証が、示される。首輪アセンブリ400は、首輪ストラップ401を含む。種々の実施形態では、首輪ストラップ401は、埋設されたアンテナを含有する。電子アセンブリ402は、首輪ストラップに取り付けられ、レセプタクル404を含むことができる。首輪ストラップはさらに、レセプタクル404と噛合され、埋設されたアンテナを電子アセンブリに接続し得る、埋設されたアンテナに接続される、コネクタプラグ403を含む。アンテナ、コネクタプラグ、および/またはレセプタクルは、本発明の実施形態の具体的用途の要件に準拠して、単一導体および/または多重導体であることができる。さらに、コネクタプラグとレセプタクルとの間の接続は、本発明の実施形態の具体的用途の要件に準拠して、直接および/または誘導接続等のワイヤレスであることができる。多くの実施形態では、レセプタクル404は、コネクタプラグ403に接続されると、首輪ストラップ401内に埋設された多重巻線アンテナを完成する、多極コネクタを含む。
【0028】
図1に戻ると、電子アセンブリ104は、以下に詳細に説明される機能を果たす構成要素および回路を含有する、密閉シールされたエンクロージャ内に含有されることができる。電子アセンブリ104は、周期的に、自己アクティブ化し、識別および体温データをマイクロチップ102から捕捉し、互換性のあるワイヤレス無線およびユーザアプリケーションを装備する、スマートフォン106等の近傍デバイスに本情報をワイヤレス107で伝達することができる。自己アクティブ化時間周期は、本発明の実施形態の具体的用途の要件に準拠して、所定のおよび/または動的に判定されることができる。電子アセンブリ104とスマートフォンデバイス106との間のワイヤレス接続107は、好ましくは、Bluetooth(登録商標)技術の短距離無線を含むが、代替として、Wi-Fi接続、近距離通信(NFC)無線、携帯電話接続、(SMS、例えば、「テキストメッセージ」)、または当業者に公知のいくつかの他のワイヤレス無線選択肢のいずれかを含み得る。加えて、種々の実施形態は、電子アセンブリを使用してデータを伝送するための有線接続を含むことに留意されたい。
【0029】
伴侶動物の健康モニタリングシステムの具体的実施例は、図1に関して説明され、首輪の具体的実施例は、図4に関して説明されるが、犬以外の動物と併用されるもの、および動物に関するバイオメトリックデータを判定するための代替センサを利用するものを含む、種々のシステムのいずれかが、本発明の実施形態に従って利用されることができる。
【0030】
[電子アセンブリ]
ここで図2に目を向けると、電子アセンブリ201のコンテンツの概念的例証が、示される。本電子アセンブリ201は、バッテリ203から給電されることができ、マイクロチップ202を走査するときと、識別および体温データを伝送するときとを除き、主に、非常に低電力を消費する休止状態のままであるように設計される。しかしながら、コンデンサおよびエネルギー回収デバイスを含む、任意の電源が、本発明の実施形態の具体的用途の要件に準拠して、利用されることができることに留意されたい。伴侶動物、首輪の動き、太陽熱、動物によって発生される熱、誘導充電コイル、および任意の他のエネルギー源に基づいてエネルギーを発生させるデバイス等の任意の形態のエネルギー回収デバイスが、本発明の実施形態の具体的用途の要件に準拠して、利用されることができる。特に、誘導充電コイルは、電子アセンブリ201を含有する密閉シールされた筐体内に含まれることができる。これらの密閉シールされた筐体は、電子アセンブリ201が種々の動物において利用される保護施設等の種々の環境において有利であり得る。種々の実施形態では、誘導充電コイルは、RFアンテナ204を含むが、誘導充電コイルは、本発明の実施形態の具体的用途の要件に準拠して、別個のアンテナを含むことができる。加えて、エネルギー回収デバイスは、本発明の実施形態の具体的用途の要件に準拠して、伴侶動物の首輪上等の電子アセンブリ201の外部に位置し、有線および/またはワイヤレス接続を介して電子アセンブリに接続されることができる。
【0031】
マイクロコントローラ206は、電子アセンブリ201の機能および挙動を監視するように(例えば、ファームウェアコードを用いて)プログラムされることができる。これらの機能は、限定ではないが、リアルタイムクロック/カレンダ(RTCC)210、環境温度センサ209、メモリ207、無線周波数(RF)送受信機208、RFアンテナ204、およびRFID送受信機211を含む、種々のセンサおよびデバイスのいずれかを使用して、種々のデータを測定および/または記録することを含む。マイクロコントローラ206は、ユーザアプリケーションを実行する走査ツールおよびスマートフォン等のいくつかのデバイスを使用して、1時間に1回、5分毎、1日2回、またはユーザが着目する任意の間隔等、周期的間隔でデータに関してマイクロチップ202を走査するようにプログラムされることができる。マイクロコントローラ206は、本発明の実施形態の具体的用途の要件に準拠して、需要に応じて、および/または定義された間隔の間、その通常の休止状態から脱し、データ報告に関する機能を実行することができる。
【0032】
電子アセンブリを使用してデータを測定および提供するためのプロセスが、図3に示される。プロセス300は、電子アセンブリをアクティブ化し(310)、マイクロチップデータを読み取り(312)、多くの実施形態では、データを記憶する(314)ことを含む。データは、伝送され(316)、いくつかの実施形態では、電子アセンブリおよび/またはマイクロチップは、低電力状態に入る(318)。しかしながら、種々のプロセスのいずれかが、本発明の実施形態の具体的用途の要件に準拠して、動物に関するデータを得て、伝送するために利用されることができる。
【0033】
例えば、ウェークアップに応じて、マイクロコントローラ206は、RFID送受信機211をアクティブ化し、これは、接続ケーブル213を介して、アクティブ化信号をRFIDアンテナ205に送信する。本アクティブ化信号は、RFIDアンテナ205に磁場212を放出させ、これは、順に、マイクロチップ202に誘導給電する。いくつかの実施形態では、マイクロチップ202のための動作周波数は、120KHz~150KHzであり、134.2KHzが、一般に利用されるが、任意の周波数が、本発明の実施形態の具体的用途の要件に準拠して、利用されることができる。多くの実施形態では、マイクロコントローラは、本発明の実施形態の具体的用途の要件に準拠して、種々のRFID自動同調技法のいずれかを利用して、マイクロチップとの通信のための周波数を自動的に識別する。いくつかの実施形態では、自動周波数識別は、マイクロチップを読み取るマイクロコントローラに電力を供給し、供給電力をモニタリングし、モニタリングされた供給電力に関連するデータを記憶し、信号をアンテナから放出し、そのような信号の高調波成分をフィルタ処理し、位相信号をプロセッサに出力し、位相信号およびモニタリングされた電流に基づいてコンデンサを調節することによって、行われることができる。本発明の実施形態に従って利用され得る、種々の自動同調リーダは、「Automatic Tuning Reader」と題され、2012年7月10日に登録された米国特許第8,219,053号において開示されており、その開示は、参照することによってその全体として本明細書に援用される。いくつかの実施形態では、マイクロチップ202の読取周波数(すなわち、励起周波数)は、固定され、マイクロコントローラ206は、マイクロチップ202を読み取る正確な瞬間における首輪の幾何学形状に依存する、アンテナインダクタンスに基づいて、共振キャパシタンスを調節する。種々の実施形態では、マイクロコントローラは、アンテナインダクタンスおよび/またはアンテナの共振から逸脱をモニタリングし、アンテナを共振周波数により近づけるように、同調コンデンサを調節し、それによって、マイクロチップ202の読取距離および読取信頼性を改善する。多くの実施形態では、電子アセンブリスイッチコンデンサは、アンテナ回路内外にあり、マイクロチップ信号の位相、振幅、または電力消費の査定に基づいて、共振への同調を最適化する。
【0034】
マイクロチップ202は、RFIDアンテナ205、接続ケーブル213、およびRFID送受信機211を介して、信号をマイクロコントローラに返し、信号は、識別および/または体温データを含む。マイクロコントローラ206は、マイクロチップ202から取得された識別および体温データと、RTCC210から取得された現在の時間および日付情報と、体温センサ209から取得された局所環境温度データとから成る、データ記録を作成し、本複合データ記録をメモリ207内に記憶する。マイクロコントローラ206は、次いで、RF送信機208をアクティブ化し、RFアンテナ204を使用して、遠隔デバイス(例えば、スマートフォンまたは走査ツール)と接続を確立する。いったん本接続が確立されると、マイクロコントローラ206は、メモリ207内に記憶された捕捉データを伝送する。以前に伝送されたものとして示されていない他の記憶されたデータもまた、本発明の実施形態の具体的用途の要件に準拠して、送信されることができる。いったんデータ記録伝達が生じ、確認されると、マイクロコントローラ206は、電子アセンブリ201を低電力休止状態に置き、次のアクティブ化イベントまでのカウントダウンを待機する。データは、本発明の実施形態の具体的用途の要件に準拠して、基地局またはデータサーバシステム等の任意のデバイスに伝送されることができることに留意されたい。
【0035】
識別および体温データを含むデータ記録を捕捉ならびに伝達することによって、複数の動物が、追跡およびモニタリングされることができる。電子アセンブリ201から送信される時間/日付および環境温度データは、ユーザアプリケーションアルゴリズムを介して、体温プロファイルを展開するために使用されることができ、これは、順に、動物の体温が正常またはユーザ規定体温範囲から逸脱すると、アラートをペット所有者に提供する。多くの実施形態では、本データは、自動車内に位置する基地局に伝送されることができ、車両内に残されている間の伴侶動物の状態を記述する。これは、夏の過熱および冬の低体温等、車両内の状態が伴侶動物にリスクを及ぼす場合、アラートが発生されることを可能にすることができる。
【0036】
電子アセンブリ201はさらに、例えば、脈拍および活動(運動)等の他の動物特性および挙動のインジケーションを提供し得る、付加的生理学的センサを装備することができる。そのような生理学的センサもまた、マイクロチップ202の中に統合され、適切なデータがマイクロチップから得られ得る。加えて、電子アセンブリ201は、本発明の実施形態の具体的用途の要件に準拠して、遠隔制御から得られた入力に応答して動物に指示を提供する訓練用首輪、動物の場所に関する場所データを提供する全地球測位システム(GPS)追跡ロケータ無線、および任意の他の電子機能等の他の電子機能と組み合わせてパッケージ化されることができる。多くの実施形態では、電子アセンブリは、限定ではないが、Bluetooth(登録商標)低エネルギービーコン等の測位ビーコンと通信し得る、Bluetooth(登録商標)送受信機等の無線周波数送受信機を含むことができる。電子アセンブリが、測位ビーコンの範囲内にあるとき、測位ビーコンに関する適切なデータ(本発明の実施形態の具体的用途の要件に準拠して、ビーコン識別子、時間データ、および/または別のデータ等)が、無線周波数送受信機を使用して受信され、電子アセンブリ201の場所を判定するために利用されることができる。
【0037】
種々の実施形態では、これらのセンサは、電子アセンブリ201の外部に位置し、有線および/またはワイヤレス手段を介して、電子アセンブリ201と通信することができる。例えば、伴侶動物活動センサが、利用され、伴侶動物の活動を測定することができ、測定された活動データは、電子アセンブリ201に伝送されることができる。活動データは、本発明の実施形態の具体的用途の要件に準拠して、進行距離、方向情報、鳴吠活動(または伴侶動物の他の適切な雑音ベースの測定)、休息時の時間、心拍数、および任意の他のデータを含むことができる。
【0038】
電子アセンブリの具体的実施例が、図2に関して説明されるが、動物に関するバイオメトリックデータを判定するための付加的センサを利用するものを含む、種々のシステムのいずれかが、本発明の実施形態に従って利用されることができる。
【0039】
本発明は、ある具体的側面において説明されたが、多くの付加的修正および変形例が、当業者に明白となるであろう。特に、前述の種々のプロセスのいずれも、具体的用途の要件により適切である様式において、類似結果を達成するために、代替シーケンスにおいておよび/または並行して行われることができる(同一または異なるコンピューティングデバイス上で)。したがって、本発明は、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、具体的に説明されたもの以外で実践されることができることを理解されたい。したがって、本発明の実施形態は、あらゆる観点において、制限ではなく、例証として見なされるべきである。故に、本発明の範囲は、図示される実施形態によってではなく、添付の請求項およびその均等物によって判定されるべきである。
【符号の説明】
【0040】
101 イヌ
102 マイクロチップ
103 首輪/犬用首輪
104 電子アセンブリ
105 走査アンテナ
105 アンテナ
106 スマートフォンデバイス/スマートフォン
107 ワイヤレス接続/ワイヤレス
201 電子アセンブリ
202 マイクロチップ
203 バッテリ
204 RFアンテナ
205 RFIDアンテナ
206 マイクロコントローラ
207 メモリ
208 RF送信機/送受信機
209 環境温度センサ/体温センサ
210 カレンダ(RTCC)
211 RFID送受信機
212 磁場
213 接続ケーブル
300 プロセス
400 首輪アセンブリ
401 首輪ストラップ
402 電子アセンブリ
403 コネクタプラグ
404 レセプタクル
GPS 全地球測位システム
NFC 近距離通信
RF 無線周波数
RFID 無線周波数識別
図1
図2
図3
図4