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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】光電スイッチおよびセンサユニット
(51)【国際特許分類】
   H01H 35/00 20060101AFI20240326BHJP
【FI】
H01H35/00 B
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023014162
(22)【出願日】2023-02-01
(62)【分割の表示】P 2022000937の分割
【原出願日】2017-09-27
(65)【公開番号】P2023041847
(43)【公開日】2023-03-24
【審査請求日】2023-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000129253
【氏名又は名称】株式会社キーエンス
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】呉 哲庸
【審査官】井上 信
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-278684(JP,A)
【文献】特表平10-503878(JP,A)
【文献】特開2004-205209(JP,A)
【文献】特開2015-79691(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 35/00
H05B 33/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出対象から物理量を検出するための検知部と、
略直方体形状の筐体と、
表示層として機能するOLED層と長方形の透明部材とが積層されるとともに前記筐体の第一面に設けられ、前記検知部により検出された検出対象の物理量を表示するための表示器と、
前記表示器と電気的に接続されるとともに前記検知部により検出された検出対象の物理量を前記表示器に表示させるコントローラを搭載する第一基板と、
前記第一面に設けられ前記検知部により検知された物理量と閾値との比較結果を出力する表示灯と、
前記第一面に設けられ前記閾値を調整するための調整ボタンと、を備え、
前記表示灯と前記表示器と前記調整ボタンとが前記第一面の長手方向に配列され、
前記表示器の前記OLED層は前記透明部材に対して長手方向に沿って前記表示灯側にオフセットして形成され、
前記透明部材における長手方向の前記調整ボタン側の端部には、前記OLED層から延びる透明電極が形成され
前記表示器は、当該表示器の上面のうち情報を表示しない非表示領域と、情報を表示する表示領域とを有し、当該非表示領域が覆われ、当該表示領域が露出することを特徴とするセンサユニット。
【請求項2】
前記センサユニットは、さらに、前記表示領域を露出させる窓部を有するとともに、前記筐体の外面に前記表示器を保持するカバー部材を備え、
前記表示器は、前記カバー部材により前記非表示領域が覆われる請求項に記載のセンサユニット。
【請求項3】
前記表示は、前記OLED層の下面側に積層される基材を有し、
前記センサユニットは、さらに、前記OLED層と、前記基材とを覆い、かつ、前記透明部材の少なくとも一部を覆うとともに、前記表示器を保護するためのシールド部材を備える請求項1または2に記載のセンサユニット。
【請求項4】
前記表示は、前記OLED層の下面側に積層される基材を有し、
前記センサユニットは、さらに、前記OLED層と、前記基材とを覆い、かつ、前記透明部材の少なくとも一部を覆うとともに、前記表示器を保護するためのシールド部材と、
前記表示領域を露出させる窓部を有するとともに、少なくとも前記OLED層を保護するように設けられるカバー部材を備え、
前記カバー部材は、前記表示器との間でシールド部材を挟み込む、請求項に記載のセンサユニット。
【請求項5】
前記第一面の隣に位置する前記筐体の第二面には投光ファイバ用の穴および受光ファイバ用の穴が形成され、
前記センサユニットは、前記投光ファイバ用の穴に挿入される投光ファイバおよび前記受光ファイバ用の穴に挿入される受光ファイバをクランプして保持するクランプモジュールを備え、
前記表示灯は、前記表示器と前記クランプモジュールとの間に配置される、請求項1ないしのいずれか一項に記載のセンサユニット。
【請求項6】
前記センサユニットは、さらに、前記第一面に設けられ前記閾値の自動設定を開始するためのセットボタンを備え、
前記セットボタンは、前記表示器と前記表示灯との間に配置される、請求項1ないしのいずれか一項に記載のセンサユニット。
【請求項7】
前記表示灯は光拡散部材を有し、
前記第一基板には前記光拡散部材に光を供給するLEDが実装される、請求項1ないしのいずれか一項に記載のセンサユニット。
【請求項8】
検出対象から受光量を検出するための受光素子と、
略直方体形状の筐体と、
表示層として機能するOLED層と長方形の透明部材とが積層されるとともに前記筐体の第一面に設けられ、前記受光素子により検出された検出対象の受光量を表示するための表示器と、
前記表示器と電気的に接続されるとともに前記受光素子により検出された検出対象の受光量を前記表示器に表示させるコントローラを搭載する第一基板と、
前記第一面に設けられ前記受光素子により検知された受光量と閾値との比較結果を出力する表示灯と、
前記第一面に設けられ前記閾値を調整するための調整ボタンと、を備え、
前記表示灯と前記表示器と前記調整ボタンとが前記第一面の長手方向に配列され、
前記表示器の前記OLED層は前記透明部材に対して長手方向に沿って前記表示灯側にオフセットして形成され、
前記透明部材の長手方向における前記調整ボタン側の端部には、前記OLED層から延びる透明電極が形成され
前記表示器は、当該表示器の上面のうち情報を表示しない非表示領域と、情報を表示する表示領域とを有し、当該非表示領域が覆われ、当該表示領域が露出することを特徴とする光電スイッチ。
【請求項9】
前記第一面の隣に位置する前記筐体の第二面には投光ファイバ用の穴および受光ファイバ用の穴が形成され、
前記光電スイッチは、さらに、前記投光ファイバ用の穴に挿入される投光ファイバおよび前記受光ファイバ用の穴に挿入される受光ファイバをクランプして保持するクランプモジュールを備え、
前記表示灯は、前記表示器と前記クランプモジュールとの間に配置される、請求項に記載の光電スイッチ。
【請求項10】
前記光電スイッチは、さらに、前記第一面に設けられ前記閾値の自動設定を開始するためのセットボタンを備え、
前記セットボタンは、前記表示器と前記表示灯との間に配置される、請求項又はに記載の光電スイッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電スイッチおよびセンサユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
工場において生産される製品(ワーク)はベルトコンベイヤーなどの搬送装置によって搬送され、光電スイッチによって所定の場所に到着したことを検知される。光電スイッチは、一般に、ワークなどに向けて光を投光し、ワークからの反射光を受光し、受光量を示す数値とこの数値と比較される閾値を7セグメントディスプレイに表示する(特許文献1)。光電スイッチは、受光量と閾値とに基づきワークを検知すると、検知したことを示すON信号を出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-141961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように光電スイッチは、ワークを検知しているか否かを示す検知信号を出力する比較的に単純なセンサである。そのため、長年にわたり7セグメントディスプレイが表示器として採用されてきた。数値を表示する表示器を備えていない光電スイッチもいまだに現存する。しかし、近年になり、光電スイッチの高度化に伴い、7セグメントディスプレイでは十分な情報をユーザに提供できなくなってきている。そこで、本願の発明者は、OLED(有機発光ダイオード)などのドットマトリクス表示器を採用することを検討した。ドットマトリクスディスプレイは多数の配線(ゲート線、信号線、電源線および接地線)を有しており、これらの交点に配置された半導体スイッチをON/OFFさせることで情報を表示する。多数の配線はFPCケーブルを介してコントローラに接続される。ここで問題となるのが、光電スイッチの筐体形状である。工場においては、多数の光電スイッチが連結してDIN(ドイツ規格協会)レールに取り付けられるため、光電スイッチの形状は長細い、略直方体形状である。そのため、表示器が取り付けられる光電スイッチの上面も長細い。これは、表示器の短手方向の長さを制限する。上述したように、ドットマトリクス表示器は多数の配線を有しているため、これらとFPC(フレキシブルプリント回路基板)ケーブルの接続位置を工夫しなければ、十分な表示面積を確保することが難しい。
【0005】
そこで、本発明は、光電スイッチにおける表示器に関して十分な表示面積を確保可能な信号ケーブルの接続構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、たとえば、
検出対象から物理量を検出するための検知部と、
略直方体形状の筐体と、
表示層として機能するOLED層と長方形の透明部材とが積層されるとともに前記筐体の第一面に設けられ、前記検知部により検出された検出対象の物理量を表示するための表示器と、
前記表示器と電気的に接続されるとともに前記検知部により検出された検出対象の物理量を前記表示器に表示させるコントローラを搭載する第一基板と、
前記第一面に設けられ前記検知部により検知された物理量と閾値との比較結果を出力する表示灯と、
前記第一面に設けられ前記閾値を調整するための調整ボタンと、を備え、
前記表示灯と前記表示器と前記調整ボタンとが前記第一面の長手方向に配列され、
前記表示器の前記OLED層は前記透明部材に対して長手方向に沿って前記表示灯側にオフセットして形成され、
前記透明部材における長手方向の前記調整ボタン側の端部には、前記OLED層から延びる透明電極が形成され
前記表示器は、当該表示器の上面のうち情報を表示しない非表示領域と、情報を表示する表示領域とを有し、当該非表示領域が覆われ、当該表示領域が露出することを特徴とするセンサユニットを提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、光電スイッチにおける表示器に関して十分な表示面積を確保可能な信号ケーブルの接続構造が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】光電スイッチを示す斜視図
図2】連結された複数の光電スイッチを示す斜視図
図3】光電スイッチを示す爆発図
図4】光電スイッチを示す斜視図
図5】カバー部材、表示器およびシールド部材の位置関係を示す斜視図
図6】上ケースなどを説明する図
図7】表示器と信号ケーブルとの関係を説明する図
図8】スリットの位置を説明する図
図9】スリットの位置を説明する図
図10】一体化された信号ケーブルとシールド部材とを示す図
図11】表示器と信号ケーブルとの関係を説明する図
図12】光電スイッチの断面図
図13】光電スイッチの断面の拡大図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に本発明の一実施形態を示す。以下で説明される個別の実施形態は、本発明の上位概念、中位概念および下位概念など種々の概念を理解するために役立つであろう。また、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確定されるのであって、以下の個別の実施形態によって限定されるわけではない。
【0010】
図1は光電スイッチを示す斜視図である。光電スイッチ1は略長方形の筐体を有している。ここでz軸は長手方向に対応している。x軸は短手方向に対応している。y軸は高さ方向に対応している。筐体は概ね六つの外面を有している。六つの外面は上面、底面、前面、背面、左側面および右側面を含む。図1においては上面、前面、右側面が見えている。筐体は下ケース2と上ケース3とを有している。下ケース2と上ケース3とを嵌合することで、制御基板などが収容される内部空間が形成される。上ケース3の一部は上面を形成している。上面には表示器5、モードボタン7、アクティブレシーバボタン8、調整ボタン9、スライドスイッチ10、セットボタン11、表示灯24、クランプモジュール14などが設けられている。表示器5は、OLEDなどのドットマトリクス表示器であり、閾値や受光量などを表示する。表示器5は上ケース3の外面とカバー部材4とによって挟持されて固定されている。表示器5は、上面の中心よりも、前面側にオフセットされて設けられている。調整ボタン9は、閾値を上下させたり、メニューを操作したりするためのボタンである。メニューとは、表示器5に表示され、光電スイッチ1の動作を設定するための各種の設定項目を有するメニューである。モードボタン7は、投光量などに関連した動作モードを切り替えるためのボタンである。アクティブレシーバボタン8は、光電スイッチ1から外部へ受光ファイバを通じて光を投光するための特殊なボタンである。光電スイッチ1はアクティブレシーバボタン8の押し下げを検知すると、受光ファイバを投光ファイバとして兼用し、外部から入射してくる光を受光しつつ、外部に向かって光を投光する。この光は、ワークを検出するための光ではなく、ユーザの光軸調整をアシストするための光である。なお、アシスト光を出力する発光素子は、たとえば、受光素子の中央に配置されてもよい。この場合、受光素子の受光面は発光素子の発光面よりも大きい。スライドスイッチ10は、複数ある設定パラメータのセットを選択するためのスイッチである。セットボタン11は、閾値の自動設定を開始するためのボタンである。光電スイッチ1はセットボタン11が押されたことを検知すると、受光量に応じて閾値を決定する。表示灯24は、たとえば、ワークを検知すると点灯または消灯する。クランプモジュール14は、投光ファイバと受光ファイバをクランプして保持するモジュールである。筐体の前面には投光ファイバが挿入される筒状の穴12と受光ファイバが挿入される筒状の穴13が設けられている。筐体の背面には出力ケーブルが取り付けられる。ケーブルブッシュ15は出力ケーブルを保持するためのブッシュである。
【0011】
筐体の右側面にはコネクタ16aと、連結部17a、17bが設けられている。図2(A)は、複数の光電スイッチ1がそれぞれコネクタ16aと、連結部17a、17bによって相互に連結され、DINレール18に固定されていることを示している。DINはドイツ規格協会の略称である。投光ファイバ22の入射端が穴12に挿入され、受光ファイバ23の出射端が穴13に挿入されている。図2(A)においては、筐体の上面を覆う開閉可能な上カバー19も示されている。なお、図2(B)が示すように、上カバー19が透光性を有している場合、上カバー19の上面には穴が設けられていなくてもよい。これは、透光性を有している上カバー19であれば、上カバー19が閉じた状態であってもユーザは表示器5の表示内容を確認できるからである。上カバー19が透光性を有していない場合、図2(A)が示すように、上カバー19の上面には穴ないしは窓が設けられてもよい。上カバー19はダストカバーとして機能する。図2(A)、(B)が示すように複数の光電スイッチ1はそれぞれ横に連結可能であるため、連設型センサとも呼ばれる。
【0012】
図3は光電スイッチ1の爆発図である。上カバー19の後端側には装飾部材20が設けられてもよい。上カバー19の後端側には回動ピン19aが設けられている。回動ピン19aは、上ケース3の後端側に設けられた保持穴19bに嵌合する。これにより、上カバー19は回動可能に上ケース3に連結される。上カバー19が閉じられている状態でもユーザが表示器5に表示されている情報を確認できるようにするために、上カバー19は透明部材により形成されていてもよい。上ケース3の中央付近には、表示器5を支持するための背骨部材36が設けられている。背骨部材36の左右には四つのフリンジ47が設けられている。四つのフリンジ47は上ケース3から上方に突出した突出部であり、表示器5を短手方向(x方向)において位置決めしている。なお、四つのフリンジ47はカバー部材4の凹部と嵌合する。また、背骨部材36の左右には二つの爪部48が設けられている。爪部48はカバー部材の中央脚の内側に設けられた凹部と嵌合し、カバー部材4を上ケース3に固定する。凹部は溝であってもよいし、貫通孔であってもよい。背骨部材36を中心とする表示器搭載部の後端側には開口部25が設けられている。開口部25は信号ケーブルを上ケース3の外面から内面側に通過させるための貫通孔や切欠きである。信号ケーブルは、表示器5に電力を供給する電源線と制御信号を供給する制御線とを含む。信号ケーブルは制御基板30に接続される。ここで制御基板30は一枚の基板であってもよい。x軸方向において二枚の基板を設けると、光電スイッチ1のx軸方向の長さが長くなってしまう。そこで、本実施例では、x軸方向においては一枚の制御基板30だけが設けられている。制御基板30にはCPU(中央演算処理装置)などのコントローラ6が搭載されている。コントローラ6は閾値や受光量を表示器5に表示させる。制御基板30には、調整ボタン9、モードボタン7、アクティブレシーバボタン8、スライドスイッチ10およびセットボタン11に対応するスイッチが実装されている。これらのボタンはPOM(ポリアセタール)などの樹脂により形成されていてもよい。なお、上カバー19やカバー部材4、筐体は基本的にポリカーボネートにより形成されていてもよい。また、表示灯24の光拡散部材に光を供給するLED(発光ダイオード)も制御基板30に実装されている。制御基板30には、隣接した別の光電スイッチ1と通信したり、電力を受給したりするためのコネクタ16aが設けられている。制御基板30の前面側には素子ホルダ26が設けられ、発光素子32と受光素子33とが取り付けられる。素子ホルダ26には、穴12から挿入された投光ファイバ22用の穴と、穴13から挿入された受光ファイバ23用の穴とを有している。素子ホルダ26の前面側にクランプモジュール14が配置され、投光ファイバ22と受光ファイバ23を保持する。下ケース2の底面には、DINレール18に固定するための固定具28と、金属カバー29とが取り付けられる。金属カバー29は放熱と電磁シールドの役割を果たしてもよい。
【0013】
図4(A)はカバー部材4が上ケース3に固定された状態の光電スイッチ1の斜視図である。図4(B)はカバー部材4が上ケース3に固定されていない状態の光電スイッチ1の斜視図である。ここでは、上ケース3に対して各種のボタンや表示器5が固定され、さらに、上ケース3に対して制御基板30も固定されている。表示器5と制御基板30と電気的に接続する信号ケーブル51は開口部25を通過して筐体内部に進入し、制御基板30のコネクタに接続される。制御基板30の左側面にはコネクタ16bが設けられている。光電スイッチ1のコネクタ16bは、雌型のコネクタであり、光電スイッチ1の左隣に位置している別の光電スイッチ1の雄型のコネクタ16aと嵌合して電気的に接続する。
【0014】
なお、図4(A)などからわかるように、アクティブレシーバボタン8の高さは、モードボタン7や調整ボタン9の高さよりも低い。これはアクティブレシーバボタン8の誤操作を防ぐためである。
【0015】
図5はカバー部材4を詳細に説明するための斜視図である。カバー部材4は二つの前脚42、二つの中央脚43、二つの後脚44を有している。カバー部材4の上面には窓部40が設けられている。ユーザは窓部40を通じて表示器5の表示面を見ることができる。窓部40は四つの枠により囲まれている。左枠41a、右枠41bは、前枠41dや後枠41cと比較して細い。これは、光電スイッチ1の短手方向における表示面積を確保するためである。後枠41cは、他の枠と比べて面積が大きい。これは、後枠41cが表示器5を制御するICなどを保護するためである。後枠41cには文字情報などが印刷されてもよい。また、後枠41cがある程度の面積を有しているため、ユーザが指で調整ボタン9を押したとしても、表示器5の表示情報が指で隠れにくい。つまり、後枠41は表示器5とボタンとの距離を十分に離すことができる。なお、前枠41での面積は小さいため、表示灯24と表示器5とを近接させることができる。これにより、ユーザによって注目される情報伝達機構を一か所に集約することができる。カバー部材4の右側面と左側面とには合計で四つの切欠き46が設けられている。四つの切欠き46は、上ケース3に設けられた四つのフリンジ47に嵌合し、カバー部材4を上ケース3に対して位置決めするとともに、固定する。二つの中央脚43の内面側にはそれぞれ凹部45が設けられている。凹部45は、上ケース3の右側面と左側面とにそれぞれ設けられた爪部48に嵌合する。表示器5の前面、底面、左側面、右側面を保護するために、シールド部材50が採用されてもよい。シールド部材50は、表示器5の前面を保護する前壁50d、表示器5の底面を保護する底部50a、表示器5の右側面を保護する右壁50b、表示器5の左側面を保護する左壁50cを有している。表示器5はシールド部材50に覆われた状態で、背骨部材36とカバー部材4とによって挟持される。シールド部材50はFPC(フレキシブルプリント回路基板)によって形成されていてもよい。
【0016】
図6(A)は光電スイッチ1の上面を示す平面図である。図6(A)が示すように、表示器5の短手方向にはスイッチやボタンは設けられていない。そのため、表示器5の短手方向における寸法を十分に大きくすることができる。なお、カバー部材4の後枠は文字などを印刷可能な程度の面積を有している。
【0017】
図6(B)は上ケース3の左側面を示している。図6(C)は制御基板30を取り付けられた上ケース3の左側面を示している。表示器5から延びる信号ケーブル51の端子52は、制御基板30に実装されたコネクタ16cに接続されて固定される。信号ケーブル51は筐体の外部から内部に進入して制御基板30に接続されるため、薄くかつ柔軟性を有するFPCケーブルなどにより形成される。
【0018】
図6(D)は下ケース2を取り付けられた状態の光電スイッチ1を示している。下ケース2の左側面には、固定穴63a、63bが設けられている。光電スイッチ1の固定穴63a、63bには、左隣に位置する別の光電スイッチ1の連結部17a、17bがそれぞれ挿入される。なお、下ケース2の左側面にはコネクタ16bが露出する穴が設けられているが、図6(D)においてはフタ64が穴を保護している。
【0019】
<表示器に対する信号ケーブルの配置>
図7(A)は表示器5の右側面を示している。表示器5は、透明部材70と、OLED層71と、透明基材72とが高さ方向に積層されて形成されている。透明部材70と透明基材72の素材はガラスや樹脂などを含む透明基板(第二基板)である。OLED層71の長辺から延びる透明電極と、短辺から延びる透明電極は透明部材70の底面に形成されており、駆動IC54に電気的に接続されている。駆動IC54は表示器5を駆動する集積回路である。駆動IC54は透明部材70の底面に接着剤73によって固定されている。駆動IC54の端子には制御基板30から延びる信号ケーブル51が電気的に接続されている。このように、表示器5の長手方向の端部、つまり、表示器5の短辺側に設けられた端子(接続部70a)に信号ケーブル51が接続されている。これは、表示器5の短手方向における表示面積を確保しやすくしている。ワークの製造・検査現場では、複数の光電スイッチ1が連結されて利用される。そのため、光電スイッチ1の短手方向の長さは、たとえば、5mm以上かつ14mm以下とされる。もし、表示器5の短手方向に駆動IC54や信号ケーブル51が取り付けられてしまうと、表示器5の表示領域が狭くなってしまう。つまり、表示器5に表示された文字が読み取りにくくなってしまう。そのため、表示器5の短手方向の端部(長辺側)には駆動IC54や信号ケーブル51が取り付けられないことが好ましい。
【0020】
図7(B)は信号ケーブル51の途中に駆動IC54が設けられていることを示している。これは、透明部材70の長手方向の長さを短くすることに役立つであろう。OLED層71の長辺から延びる透明電極は、表示器5の短辺側に設けられた端子(接続部70a)として、信号ケーブル51に接続される。
【0021】
図7(C)は透明基材72に代えて上ケース3の背骨部材36が基材として採用されていることを示している。これは、表示器5を薄くすることに役立つ。つまり、表示器5の高さを低くすることに役立つ。背骨部材36には開口部25が設けられており、信号ケーブル51は開口部25を通過して筐体の内部に進入する。駆動IC54は、信号ケーブル51の途中であり、かつ、筐体の内部に位置するように配置されている。なお、OLED層71の長辺から延び、透明部材70に設けられた透明電極は、表示器5の短辺側に設けられた端子(接続部70a)として、信号ケーブル51に接続される。
【0022】
このように表示器5は表示層として機能するOLED層71と、透明部材70とを有している。透明電極は、OLED層71から信号ケーブル51に向かう信号線として機能している。透明電極は、OLED層71と透明部材70との界面近傍に設けられている。カバー部材4は、OLED層71と透明部材70との界面近傍の側面を覆っている。この界面近傍は破損しやすいため、カバー部材4が界面近傍を保護している。
【0023】
<ケーブル通過部の配置>
図8(A)は上ケース3の概略断面図を示している。図8(B)ないし図8(E)は表示器搭載部の斜視図を示している。上ケース3は、セットボタン11が配置される第一上面38、第二上面(前壁37)、第三上面(背骨部材36)、第四上面(後壁35)、調整ボタン9などが配置される第六上面34などを含む。なお、第一上面38や第六上面34は上段と呼ばれ、背骨部材36は下段と呼ばれてもよい。このように上ケース3の上面は段差を有していてもよい。背骨部材36は載置部と呼ばれてもよい。載置部は、剛性を向上させる観点から中実であってもよい。図8(A)が示すように、筐体の長手方向において沿った断面において第二上面(前壁37)、第三上面(背骨部材36)、第四上面(後壁35)が凹部を形成している。表示器5は、凹部を形成している二つの壁面のうち第二面に近い側の壁面(前壁37)に押し当てられている。図8(A)や図8(B)によれば、開口部25は背骨部材36の後端側に設けられたスリット状の穴である。これは、開口部25が背骨部材36の前端側に設けられてもよいことを示唆している。図8(C)によれば、開口部25は後壁35の下側に設けられている。これは、開口部25が前壁37の下側に設けられてもよいことを示唆している。背骨部材36と後壁35(前壁37)との連結部に開口部25が設けられてもよい。つまり、背骨部材36と後壁35(前壁37)とにまたがってスリットが形成されてもよい。図8(D)は背骨部材36の中央に開口部25が設けられることを示している。ここで、開口部25の面積は、基本的に、表示器5の底面積よりも小さい。これは、表示器5の底面を背骨部材36により支持するためである。ただし、表示器5の底面は、背骨部材36の長手方向に延在する二つの長枠、または、背骨部材36の短手方向に延在する二つの短枠のどちらかによって支持されれば十分である。図8(E)は背骨部材36の右側に切欠き状の開口部25が設けられることを示している。これは、背骨部材36の左側に切欠き状の開口部25が設けられてもよいことを示唆している。信号ケーブル51がFPCケーブルのように柔軟性が高く、かつ、折り曲げ可能なケーブルであれば、開口部25の配置の自由度が増すであろう。なお、図8(E)のケースは、主に、表示器5の長辺側に信号ケーブル51が接続されるケースであろう。しかし、信号ケーブル51がFPCケーブルであれば、表示器5の短辺側から延在する信号ケーブル51を折り曲げることで、図8(E)に示された切欠き状の開口部25を通過させることも可能であろう。
【0024】
図9(A)は背骨部材36の後端部に設けられた開口部25を示している。図9(A)が示すように、光電スイッチ1の筐体は細長い。また、背骨部材36に着目すると、筐体の縁まで表示器搭載部が存在していることが分かる。これは表示器5の表示面積を拡大することに役立っている。また、開口部25が背骨部材36の後端側に設けられていることも、表示器5の表示面積を拡大することに役立っている。図9(B)は開口部25を通過するために、折り曲げられた信号ケーブル51を示している。このように、信号ケーブル51は、上ケース3の外部から内部へ開口部25を介して延在している。
【0025】
<信号ケーブルのシールドの一体化>
図10はFPC60により構成された信号ケーブル51を示している。ここでは、表示器5と駆動IC54とを含む表示モジュールも信号ケーブル51とともに図示されている。なお、信号ケーブル51はシールド部材50とFPC60によって一体化されている。シールド部材50は、銅などの金属層とベースフィルム層とを有している。折り目56cで直角にFPC60を折ることで、右壁50bが形成される。折り目56dで直角にFPC60を折ることで、左壁50cが形成される。折り目56eで直角にFPC60を折ることで、前壁50dが形成される。なお、FPC60を折りやすくするために、金属層には折り目56c、56d、56eに沿って複数の穴55が設けられていてもよい。金属層は信号ケーブル51のグランド線に接続されている。これによりシールド部材50は電気ノイズからOLED(表示器5)を保護することができる。
【0026】
さらに、FPC60を折り目56aに沿って谷折りすることで、シールド部材50は表示器5の底面を覆う。図9(B)に示された信号ケーブル51のうちU字に折り曲げられた部分は、FPC60のうち信号配線部53aとシールド配線部53bとが重なり合って形成されている。つまり、折り目56aに沿ってFPC60を谷折りすることで信号配線部53aとシールド配線部53bとが重なる。さらに、開口部25に挿し通されると、信号配線部53aとシールド配線部53bとが重なり合った部分がU字に折り曲げられる。さらに、折り目56bで直角にFPC60を折り曲げることで、端子52の実装面が制御基板30と平行となる。
【0027】
図11(A)ないし図11(E)は表示器5と信号ケーブル51との位置関係を示している。図11(A)は信号ケーブル51を接続された表示器5の平面図である。図11(B)は表示器5の左側面を示す図である。表示器5の後端側から延在する信号ケーブル51は、信号配線部53aとシールド配線部53bとが重なり合って形成された重ね合わせ部53でU字に折り曲げられている。さらに、信号ケーブル51を折り目56bで直角に折り曲げることで、端子52の実装面が制御基板30と平行となる。図11(C)ないし図11(E)は表示器5の斜視図である。端子52の実装面は制御基板30と平行となるが、表示器5の底面とは直交している。
【0028】
端子52は、たとえば、8つのピンから構成されていてもよい。VCCピンは電力を駆動IC54に供給するピンである。VSSピンはグランドに接続された(接地電位を提供する)ピンである。RESピンは駆動IC54を起動したり、再起動したりするためのリセット信号を駆動IC54に供給するピンである。SCLKピンはシリアル通信用のクロックを供給するピンである。SDAピンはシリアル通信用のデータを伝送するためのピンである。IREFピンはOLED層71に流される電流を調整するためのピンである。VCOMHピンは駆動IC54の内部電源を安定化させるために外付けコンデンサと駆動IC54とを接続するためのピンである。VDDピンは駆動IC54のロジック動作用の電圧を供給するピンである。
【0029】
なお、シールド部材50は、信号ケーブル51とは別部材により構成されたシールドシートであってもよい。
【0030】
<シールド>
図12(A)は図6(D)のA-A切断線で光電スイッチ1を切断して得られるA-A断面図である。図12(B)は図6(D)のB-B切断線で光電スイッチ1を切断して得られるB-B断面図である。図13は、図12(A)の一部を拡大して表記した拡大図である。図12(A)や図13が示すように、カバー部材4の左右の中央脚43に設けられた凹部45に上ケース3の爪部48が嵌合している。図12(A)、図12(B)および図13が示すように、シールド部材50の右壁50bの高さと、左壁50cの高さとは、それぞれ表示器5のOLED層71と、透明基材72とを覆い、かつ、透明部材70の少なくとも一部を覆うような高さである。透明部材70と透明基材72はガラスなどである。ガラスは樹脂と比較して割れやすい。そのため、シールド部材50は衝撃などから透明部材70と透明基材72を保護する。また、OLED層71については、さらに、シールド部材50によって電気的ノイズからも保護される。表示器5の底面はシールド部材50の底部50aによって覆われている。背骨部材36は、制御基板30から発生する熱を表示器5に伝達しにくくしている。
【0031】
図12(B)が示すように、カバー部材4の左右の前脚42の先端部は、下ケース2と上ケース3とによって挟持されている。これにより、カバー部材4が筐体にしっかりと固定される。
【0032】
<まとめ>
図1などを用いて説明したように光電スイッチ1は略直方体形状の筐体を有している。つまり、筐体は細長い。表示器5は筐体の外面であって第一面に取り付けられる表示部の一例である。従来は表示器が光電スイッチの筐体内部に収容されていたため、筐体の外面から表示器までに距離があり、表示情報が見にくかった。本実施例では、表示器5は筐体の外面に取り付けられているため、光電スイッチ1の外縁から表示器5までの距離が短くなり、表示器5の表示情報が見やすくなる。発光素子32と穴12などは第一面の隣に位置する第二面の近くに設けられる投光部の一例である。受光素子33と穴13は第一面の隣に位置する第二面の近くに設けられる受光部の一例である。調整ボタン9などは第一面または表示部上に設けられ、ユーザ操作を受け付ける受付部の一例である。コントローラ6は受付部を通じて調整された閾値と、受光部により受光された光の量を示す信号値とを表示部に表示させる表示制御部の一例である。制御基板30は筐体の内部に収容され、表示制御部が実装また接続される制御基板(第一基板)の一例である。信号ケーブル51は制御基板30と表示器5とを接続する信号ケーブルの一例である。図6(A)~図6(C)が示すように、表示器5は、信号ケーブル51と接続される接続部を有している。表示器5の接続部は、筐体の長手方向において、表示領域と信号ケーブル51との間に配置されている。なお、図7(A)~図7(C)や図10などが示すように表示器5は、二つの短辺と二つの長辺とを有し、二つの短辺のうち一方の短辺の側に信号ケーブル51が接続されていてもよい。これにより、光電スイッチ1における表示器5に関して十分な表示面積を確保可能な信号ケーブル51の接続構造が提供される。
【0033】
表示部は、ドットマトリクスディスプレイと、当該ドットマトリクスディスプレイを駆動する駆動回路とを有していてもよい。表示器5はドットマトリクスディスプレイの一例である。駆動IC54は駆動回路の一例である。図7(A)などが示すように、駆動IC54は、表示器5の長手方向の端部に設けられ、信号ケーブル51が接続されている。つまり、駆動IC54は、筐体の長手方向において表示器5と接続部との間に設けられていてもよい。なお、表示器5と駆動IC54とは同一の部材上に配置されていてもよい。図7(A)によれば、表示器5のOLED層71と駆動IC54とが透明部材70上に配置されている。
【0034】
図11(B)や図11(C)が示すように、信号ケーブル51は、表示器5と駆動IC54とを接続する第一部分と、駆動IC54と制御基板30とを接続する第二部分とを有していてもよい。図10が示すように、信号ケーブル51はFPCケーブルであってもよい。これにより筐体の外部に配置された表示器5と筐体の内部に配置された制御基板30とを接続しやすくなる。
【0035】
筐体は上ケース3と下ケース2とを有していてもよい。この場合、第一面は上ケース3の上面である。
【0036】
本発明によれば、開口部25が筐体の外面、とりわけ、上面に設けられている。開口部25は、信号ケーブル51を筐体の内部から外部へと配置することを可能とし、かつ、表示器5を筐体の外面に取り付けることを可能とする。つまり、信号ケーブル51は開口部25を介して制御基板30に接続されている。表示器5が筐体の外面に設けられているため、表示器5が奥まって配置された印象をユーザに対して与えにくい。よって、ユーザにとって表示器5が見やすくなる。信号ケーブル51が接続される表示器5の短辺の側は、表示器5の二つの短辺のうち、第二面(表示器5の前面)から遠いほうの短辺の側であってもよい。この場合に開口部25は背骨部材36の後端側などに設けられてもよい。信号ケーブル51が接続される表示器5の短辺の側は、表示器5の二つの短辺のうち、第二面(前面)から近いほうの短辺の側であってもよい。この場合に開口部25は背骨部材36の前端側などに設けられてもよい。なお、上ケース3の背骨部材36は、制御基板30によって支持されている。これは、筐体の剛性向上に役立っている。さらに、背骨部材36の厚みを、上ケース3の他の部分の厚みよりも厚くすることで、上ケース3自体の構成が向上している。とりわけ、背骨部材36の剛性を高くすることで、表示器5を保護しやすくなる。
【0037】
図8(A)ないし図8(E)などを用いて説明したように上ケース3の第一面(上面)は開口部25を有している。開口部25は、信号ケーブル51を筐体の外部から内部に通すための穴状または切欠き状の通過部として機能する。図8(B)などが示すように、開口部25は、第一面の短手方向(x軸方向)に沿って設けられたスリットであってもよい。図8(E)などが示すように、開口部25は、第一面の長手方向(z軸方向)に沿って設けられたスリットであってもよい。図7(C)が示すように、駆動IC54は筐体の内部に収容されていてもよい。これは表示器5の搭載部の寸法を削減する。図1などが示すように、表示器5の長手方向と第一面の長手方向とは平行である。
【0038】
図5などが示すように、筐体の外面に設けられた表示器5を保持する保持部材としてカバー部材4が採用されている。これにより、筐体の外面に表示器5を配置することが可能となり、ユーザにとって表示器5に表示された情報が見やすくなる。このようにカバー部材4を筐体の外側に配置することで、表示器5の表示領域を大きくすることができる。ただし、表示器5を筐体の外面に設けると、表示器5は外部からの衝撃を受けやすくなる。そこで、カバー部材4は表示器5を保護する役割を有している。さらに、図5図10などが示すように、シールド部材50は表示器5の側面の少なくとも一部に設けられたシールド部材の一例である。図13などが示すように、カバー部材4は、表示器5の側面との間でシールド部材50を挟み込み、少なくとも表示器5の側面の少なくとも一部をカバーするカバー部材の一例である。このようにシールド部材50も表示器5を衝撃から保護する役割を有している。
【0039】
図5が示すように、カバー部材4は、表示器5の表示領域を露出させる窓部40を有していてもよい。カバー部材4は、表示器5の非表示領域を覆うように構成されていてもよい。非表示領域は、表示器5の上面のうち情報を表示しない部分である。
【0040】
カバー部材4における窓部40の周囲に位置する四つの枠のうち窓部40の長手方向の端部に位置する一つの枠(例:右枠41b、左枠41a)の太さは、窓部40の短手方向の両端に位置する二つの枠(例:前枠41d、後枠41c)の太さよりも太い。これは、表示器5の短手方向における表示面積を確保しやすくしている。カバー部材4は、第一面から突出した突出部と係合するように構成されていてもよい。たとえば、カバー部材4の切欠き46に対して、上ケース3の上面から突出した突出部(フリンジ47)が係合してもよい。
【0041】
シールド部材50は信号ケーブル51のグランド線と電気的に接続していてもよい。これによりシールド部材50は電気ノイズが表示器5に与える影響を軽減する。
【0042】
図13が示すように上ケース3の第一面の短辺の長さは、表示器5の短辺の長さと、カバー部材4の短手方向の両端に位置する側面(中央脚43)の厚みと、シールド部材50(右壁50b、左壁50c)の厚みとの和にほぼ等しい。これにより、表示器5をシールド部材50で保護しつつ、表示器5の短手方向の長さを、光電スイッチ1の上面の短手方向の長さに近づけることが可能となる。つまり、表示器5に表示可能な文字のサイズを大きくしやすくなる。
【0043】
図10に示したように、信号ケーブル51とシールド部材50とは一体化されたFPCケーブルであってもよい。これにより部品点数を削減することが可能となる。また、シールド部材50へのグランド線を信号ケーブル51と一体化しやすくなる。
【0044】
図10図11(B)などが示すように、FPCケーブルは少なくとも一か所で折り曲げられていてもよい。さらに、シールド部材50の一部と信号ケーブル51の一部とが折り重なっていてもよい。
【0045】
シールド部材50は、表示器5の底面を覆う第一領域(底部50a)と、表示器5の第一側面を保護する第二領域(右壁50b)と、表示器5の第二側面を保護する第三領域(左壁50c)と、表示器5の第三側面を保護する第四領域(前壁50d)とを有していてもよい。図10が示すように、第二領域、第三領域および第四領域は前記第一領域とつながっていてもよい。
【0046】
上カバー19は、受付部と、カバー部材4によりカバーされた表示器5とを覆う開閉式のフタの一例である。これにより、調整ボタン9や表示器5に工場で発生した油滴などが付着しにくくなる。また、調整ボタン9や表示器5の破損も生じにくくなろう。カバー部材4は表示器5の一部を覆うカバーであり、筐体の第一面の外側に設けられている。図6(B)や図9(B)が示すように、筐体の高さ方向においてカバー部材4の上面の高さと第一面のうち受付部が設けられている面の高さとは略同一であってもよい。
【0047】
図1などが示すように、開口部25は、カバー部材4または表示器5によって覆われていてもよい。これにより、異物が開口部25を通じて筐体の内部に侵入しにくくなる。
【0048】
窓部40の長手方向の端部に位置する一つの枠(例:後枠41c)の表面には文字が記載されていてもよい。たとえば、透過型のファイバを用いた場合、ワークが検出されたときに表示灯24が点灯するD-ON(ダークオン)や、ワークが検出されたときに表示灯24が消灯するL-ON(ライトオン)といった動作モードが存在する。この場合に、後枠41cに印刷された「L-ON」と「D-ON」とのどちらかを指し示すようなマーク(例:矢印マークなど)を表示器5が表示してもよい。表示器5の後端と後枠41cとは隣接しているため、後枠41cに表示された情報と連携した表示情報を表示器5が表示してもよい。
【0049】
図7(A)が示すように、表示器5は、透明部材(透明部材70)と、透明部材の下面側に設けられたOLED(OLED層71)と、OLEDの下面側に設けられた基材(透明基材72、背骨部材36)とを有していてもよい。カバー部材4は少なくともOLED層71を保護するように設けられている。これにより、OLED層71の破損や電気ノイズの影響が軽減される。
【0050】
図13が示すように、カバー部材4の厚みは筐体(上ケース3や下ケース2)の厚みよりも薄い。これにより、表示器5の短手方向の長さをできる限り長くすることが可能となる。また、表示器5の表示面積を大きくすることが可能となり、表示される文字の大きさを大きくすることが可能となる。
【0051】
上記の実施形態ではセンサユニットの一例として光電スイッチ1が採用された。しかし、センサユニットは圧力センサなど他の物理量を検知するセンサユニットであってもよい。受光素子33は検知部の一例であるが、検出対象から検出した物理量(例:受光量や圧力)を検知し、物理量に応じて検出信号を出力する検知素子であってもよい。表示器5は検知部により検知された物理量を表示する表示部の一例である。表示灯24や外部への出力ケーブルなどは検知部により検知された物理量と閾値との比較結果を出力する出力部の一例である。調整ボタン9は閾値の調整操作を受け付ける受付部や操作部の一例である。また、調整ボタン9は閾値を調整する閾値調整部の一例である。コントローラ6は受付部を通じて調整された閾値と、検出部により検出された物理量を示す信号値とを表示部の表示領域に表示させる表示制御部の一例である。表示器5の接続部は、調整ボタン9と、表示器5の表示領域(OLED層)との間に配置されている。
【0052】
図3が示すように、下ケース2は、面が開放された断面凹状の下ケースである。上ケース3は、下ケース2の上面をふたするように構成された上ケースである。上ケース3と下ケース2とによって光電スイッチ1の筐体が形成されている。制御基板30は第一基板の一例であり、第一面および第二面の隣に位置する第三面を向くように下ケース2に収容される。ここで、第一面は上ケース3の上面である。第三面は、たとえば、連結部17a、17bである。より厳密には、第三面は下ケース2を形成する内面の一つである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13