(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】2段ギアと2モータで駆動するハイブリッド動力伝達装置及びその動力伝達方法
(51)【国際特許分類】
B60K 6/40 20071001AFI20240326BHJP
【FI】
B60K6/40 ZHV
(21)【出願番号】P 2024014700
(22)【出願日】2024-02-02
【審査請求日】2024-02-02
(31)【優先権主張番号】202310329987.0
(32)【優先日】2023-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522173446
【氏名又は名称】哈爾浜東安汽車発動機製造有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001966
【氏名又は名称】弁理士法人笠井中根国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100147717
【氏名又は名称】中根 美枝
(74)【代理人】
【識別番号】100103252
【氏名又は名称】笠井 美孝
(72)【発明者】
【氏名】馬静
(72)【発明者】
【氏名】関▲ウェイ▼
(72)【発明者】
【氏名】楊林
(72)【発明者】
【氏名】蘇俊元
(72)【発明者】
【氏名】柴召朋
(72)【発明者】
【氏名】姚書濤
(72)【発明者】
【氏名】周章遐
(72)【発明者】
【氏名】李暁宇
(72)【発明者】
【氏名】李賓龍
(72)【発明者】
【氏名】趙彦輝
(72)【発明者】
【氏名】張暁冬
(72)【発明者】
【氏名】▲ビン▼紀秋
(72)【発明者】
【氏名】袁小星
(72)【発明者】
【氏名】何延宇
(72)【発明者】
【氏名】王墨
(72)【発明者】
【氏名】宋名
(72)【発明者】
【氏名】張鵬
【審査官】冨永 達朗
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-37558(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第113002286(CN,A)
【文献】特開2008-308012(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 6/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力軸(1)、フロントエンドモータ(2)、リアエンドモータ(3)、出力軸(4)、第1クラッチ(41)、第2クラッチ(42)、第3クラッチ(43)、前列遊星歯車機構及び後列遊星歯車機構を含み、前記前列遊星歯車機構は、第1太陽歯車(11)、第1遊星歯車(12)、第1リングギア(13)及び第1遊星キャリア(14)を含み、前記後列遊星歯車機構は、第2太陽歯車(21)、第2遊星歯車(22)、第2リングギア(23)、第2遊星キャリア(24)、第3太陽歯車(31)及び第3遊星歯車(32)を含み、前記入力軸(1)の入力端はエンジンの動力系統に接続され、入力軸(1)の外側には第1太陽歯車(11)及び第1遊星キャリア(14)がセットされ、前記第1遊星キャリア(14)は入力軸(1)に固定接続され、且つ第1遊星キャリア(14)は第1クラッチ(41)の一端と接続され、第1遊星キャリア(14)には第1遊星歯車(12)が設けられ、前記第1遊星歯車(12)は、第1太陽歯車(11)及び第1リングギア(13)と噛み合い接続され、前記第1リングギア(13)はトランスミッションケースに固定設置され、前記第1太陽歯車(11)はフロントエンドモータ(2)のローターに接続され、前記フロントエンドモータ(2)のステーターはトランスミッションケースに固定接続され、前記第1クラッチ(41)の他端は出力軸(4)の入力端に接続され、前記出力軸(4)の出力端は車両の後車軸に駆動接続され、出力軸(4)の外側には第2太陽歯車(21)、第2遊星キャリア(24)及び第3太陽歯車(31)がセットされ、前記第2遊星キャリア(24)は出力軸(4)に固定接続され、第2遊星キャリア(24)には第2遊星歯車(22)及び第3遊星歯車(32)が設置され、前記第2遊星歯車(22)は、第2太陽歯車(21)、第2リングギア(23)及び第3遊星歯車(32)と噛み合い接続され、前記第2太陽歯車(21)はリアエンドモータ(3)のローターに接続され、前記リアエンドモータ(3)のステーターはトランスミッションケースに固定接続され、前記第2リングギア(23)は第2クラッチ(42)の一端に接続され、前記第3遊星歯車(32)は前記第3太陽歯車(31)に噛み合い接続され、前記第3太陽歯車(31)は第3クラッチ(43)の一端に接続され、前記第2クラッチ(42)の他端及び第3クラッチ(43)の他端は、いずれもトランスミッションケースに接続されことを特徴とする2段ギアと2モータで駆動するハイブリッド動力伝達装置。
【請求項2】
前記エンジンとフロントエンドモータ(2)を非作動状態にし、前記第1クラッチ(41)と第3クラッチ(43)を分離状態にし、前記第2クラッチ(42)を結合状態にし、前記リアエンドモータ(3)を作動状態にするステップS1と、
前記リアエンドモータ(3)を始動して、第2太陽歯車(21)を回転駆動するステップS2と、
前記第2リングギア(23)は結合状態の第2クラッチ(42)によって位置固定されて、前記第2太陽歯車(21)が第2遊星歯車(22)を回転駆動するステップS3と、
前記第2遊星歯車(22)が第2遊星キャリア(24)を回転駆動するステップS4と、
前記第2遊星キャリア(24)が出力軸(4)を回転駆動して、動力を出力するステップS5が含まれることを特徴とする請求項1に記載の2段ギアと2モータで駆動するハイブリッド動力伝達装置のEV1ギア段の動力伝達方法。
【請求項3】
前記エンジンとフロントエンドモータ(2)を非作動状態にし、前記第1クラッチ(41)と第2クラッチ(42)を分離状態にし、前記第3クラッチ(43)を結合状態にして、前記リアエンドモータ(3)を作動状態にするステップS1と、
前記リアエンドモータ(3)を始動して、第2太陽歯車(21)を回転駆動するステップS2と、
前記第2太陽歯車(21)が第2遊星歯車(22)を回転駆動するステップS3と、
前記第3太陽歯車(31)は結合状態の第3クラッチ(43)によって位置固定されて、第2遊星歯車(22)が第3遊星歯車(32)と第2遊星キャリア(24)を一緒に回転駆動するステップS4と、
前記第2遊星キャリア(24)が出力軸(4)を回転駆動して、動力を出力するステップS5が含まれることを特徴とする請求項1に記載の2段ギアと2モータで駆動するハイブリッド動力伝達装置のEV2ギア段の動力伝達方法。
【請求項4】
前記フロントエンドモータ(2)、リアエンドモータ(3)及びエンジンを作動状態にし、前記第1クラッチ(41)と第3クラッチ(43)を分離状態にし、前記第2クラッチ(42)を結合状態にするステップS1と、
前記エンジンを始動して入力軸(1)を回転駆動するステップS2と、
前記入力軸(1)が第1遊星キャリア(14)を回転駆動するステップS3と、
前記第1遊星キャリア(14)が第1遊星歯車(12)を回転駆動するステップS4と、
前記第1遊星歯車(12)が第1太陽歯車(11)を回転駆動するステップS5と、
前記第1太陽歯車(11)がフロントエンドモータ(2)のローターを回転駆動し、フロントエンドモータ(2)が発電してバッテリーにエネルギーを蓄積するステップS6と、
前記バッテリーがリアエンドモータ(3)に電力を供給するステップS7と、
前記リアエンドモータ(3)が第2太陽歯車(21)を回転駆動するステップS8と、
前記第2リングギア(23)は結合状態の第2クラッチ(42)によって位置固定されて、前記第2太陽歯車(21)が第2遊星歯車(22)を回転駆動するステップS9と、
前記第2遊星歯車(22)が第2遊星キャリア(24)を回転駆動するステップS10と、
前記第2遊星キャリア(24)が出力軸(4)を回転駆動して動力を出力するステップS11が含まれることを特徴とする請求項1に記載の2段ギアと2モータで駆動するハイブリッド動力伝達装置の直列1ギア段の動力伝達方法。
【請求項5】
前記フロントエンドモータ(2)、リアエンドモータ(3)、エンジンを作動状態にし、前記第1クラッチ(41)と第2クラッチ(42)を分離状態にし、前記第3クラッチ(43)を結合状態にするステップS1と、
前記エンジンを始動して入力軸(1)を回転駆動するステップS2と、
前記入力軸(1)が第1遊星キャリア(14)を回転駆動するステップS3と、
前記第1遊星キャリア(14)が第1遊星歯車(12)を回転駆動するステップS4と、
前記第1遊星歯車(12)が第1太陽歯車(11)を回転駆動するステップS5と、
前記第1太陽歯車(11)がフロントエンドモータ(2)のローターを回転駆動し、フロントエンドモータ(2)が発電してバッテリーにエネルギーを蓄積するステップS6と、
前記バッテリーがリアエンドモータ(3)に電力を供給するステップS7と、
前記リアエンドモータ(3)が第2太陽歯車(21)を回転駆動するステップS8と、
前記第3太陽歯車(31)は結合状態の第3クラッチ(43)によって位置固定されて、第2遊星歯車(22)が第3遊星歯車(32)と第2遊星キャリア(24)を一緒に回転駆動するステップS9と、
前記第2遊星キャリア(24)が出力軸(4)を回転駆動して、動力を出力するステップS10が含まれることを特徴とする請求項1に記載の2段ギアと2モータで駆動するハイブリッド動力伝達装置の直列2ギア段の動力伝達方法。
【請求項6】
前記フロントエンドモータ(2)を非作動状態にし、前記第1クラッチ(41)と第2クラッチ(42)を結合状態にし、前記第3クラッチ(43)を分離状態にし、前記エンジンとリアエンドモータ(3)を作動状態にするステップS1と、
前記エンジンを始動して入力軸(1)を回転駆動し、同時に前記リアエンドモータ(3)を始動して第2太陽歯車(21)を回転駆動するステップS2と、
前記入力軸(1)が第1遊星キャリア(14)を回転駆動し、前記第1遊星キャリア(14)が第1クラッチ(41)を回転駆動するステップS3と、
前記第2リングギア(23)は結合状態の第2クラッチ(42)によって位置固定されて、前記第2太陽歯車(21)が第2遊星歯車(22)を回転駆動し、前記第2遊星歯車(22)が第2遊星キャリア(24)を回転駆動するステップS4と、
前記第1クラッチ(41)と第2遊星キャリア(24)が共同して出力軸(4)を回転駆動して、動力を出力するステップS5が含まれることを特徴とする請求項1に記載の2段ギアと2モータで駆動するハイブリッド動力伝達装置の並列1ギア段の動力伝達方法。
【請求項7】
前記フロントエンドモータ(2)を非作動状態にし、第1クラッチ(41)と第3クラッチ(43)を結合状態にし、前記第2クラッチ(42)を分離状態にし、前記エンジンとリアエンドモータ(3)を作動状態にするステップS1と、
前記エンジンを始動して入力軸(1)を回転駆動し、同時に前記リアエンドモータ(3)を始動して第2太陽歯車(21)を回転駆動するステップS2と、
前記入力軸(1)が第1遊星キャリア(14)を回転駆動し、前記第1遊星キャリア(14)が第1クラッチ(41)を回転駆動するステップS3と、
前記第2太陽歯車(21)が第2遊星歯車(22)を回転駆動し、前記第3太陽歯車(31)が結合状態の第3クラッチ(43)によって位置固定されているので、第2遊星歯車(22)が第3遊星歯車(32)と第2遊星キャリア(24)を一緒に回転駆動するステップS4と、
前記第1クラッチ(41)と第2遊星キャリア(24)が共同して出力軸(4)を回転駆動して、動力を出力するステップS5が含まれることを特徴とする請求項1に記載の2段ギアと2モータで駆動するハイブリッド動力伝達装置の並列2ギア段の動力伝達方法。
【請求項8】
前記フロントエンドモータ(2)とリアエンドモータ(3)を非作動状態にし、前記第2クラッチ(42)と第3クラッチ(43)を分離状態にし、前記第1クラッチ(41)を結合状態にし、前記エンジンを作動状態にし、エンジンが動力伝達装置の動力源として単独で動力を出力するステップS1と、
前記エンジンを始動して入力軸(1)を回転駆動するステップS2と、
前記入力軸(1)が第1遊星キャリア(14)を回転駆動するステップS3と、
前記第1遊星キャリア(14)が第1クラッチ(41)を回転駆動するステップS4と、
前記第1クラッチ(41)が出力軸(4)を回転駆動して、動力を出力するステップS5が含まれることを特徴とする請求項1に記載の2段ギアと2モータで駆動するハイブリッド動力伝達装置のダイレクトギア段の動力伝達方法。
【請求項9】
前記エンジン及びフロントエンドモータ(2)を非作動状態にし、前記第1クラッチ(41)及び第3クラッチ(43)を分離状態にし、前記第2クラッチ(42)を結合状態にし、前記リアエンドモータ(3)を非作動状態にするステップS1と、
前記出力軸(4)が第2遊星キャリア(24)を回転駆動するステップS2と、
前記第2遊星キャリア(24)が第2遊星歯車(22)を回転駆動するステップS3と、
前記第2リングギア(23)は結合状態の第2クラッチ(42)によって位置固定されて、第2遊星歯車(22)が第2太陽歯車(21)を回転駆動するステップS4と、
前記第2太陽歯車(21)がリアエンドモータ(3)のローターを回転駆動するステップS5と、
前記リアエンドモータ(3)が発電してバッテリーにエネルギーを蓄積するステップS6が含まれることを特徴とする請求項1に記載の2段ギアと2モータで駆動するハイブリッド動力伝達装置の制動回生ギア段の動力伝達方法。
【請求項10】
前記エンジン及びフロントエンドモータ(2)を作動状態にし、前記第1クラッチ(41)、第2クラッチ(42)及び第3クラッチ(43)を全て分離状態にし、前記リアエンドモータ(3)を非作動状態にするステップS1と、
前記エンジンを始動して入力軸(1)を回転駆動するステップS2と、
前記入力軸(1)が第1遊星キャリア(14)を回転駆動するステップS3と、
前記第1遊星キャリア(14)が第1遊星歯車(12)を回転駆動するステップS4と、
前記第1遊星歯車(12)が第1太陽歯車(11)を回転駆動するステップS5と、
前記第1太陽歯車(11)がフロントエンドモータ(2)のローターを回転駆動し、前記フロントエンドモータ(2)が発電してバッテリーにエネルギーを蓄積するステップS6が含まれることを特徴とする請求項1に記載の2段ギアと2モータで駆動するハイブリッド動力伝達装置のアイドル発電ギア段の動力伝達方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2段ギアと2モータで駆動するハイブリッド動力伝達装置及びその動力伝達方法に関し、トランスミッション技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来のハイブリッド動力伝達装置は無段変速構造と単歯車構造が主流であったが、無段変速構造は制御方式が比較的複雑であり、単歯車構造ではモータの総合性能を十分に発揮できなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
背景技術に存在する問題を解決するために、本発明は2段ギアと2モータで駆動するハイブリッド動力伝達装置及びその動力伝達方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の技術的解決策を採用する。2段ギアと2モータで駆動するハイブリッド動力伝達装置であって、入力軸、フロントエンドモータ、リアエンドモータ、出力軸、第1クラッチ、第2クラッチ、第3クラッチ、前列遊星歯車機構及び後列遊星歯車機構を含み、前記前列遊星歯車機構は、第1太陽歯車、第1遊星歯車、第1リングギア及び第1遊星キャリアを含み、前記後列遊星歯車機構は、第2太陽歯車、第2遊星歯車、第2リングギア、第2遊星キャリア、第3太陽歯車及び第3遊星歯車を含み、前記入力軸の入力端はエンジンの動力系統に接続され、入力軸の外側には第1太陽歯車及び第1遊星キャリアがセットされ、前記第1遊星キャリアは入力軸に固定接続され、且つ第1遊星キャリアは第1クラッチの一端と接続され、第1遊星キャリアには第1遊星歯車が設けられ、前記第1遊星歯車は、第1太陽歯車及び第1リングギアと噛み合い接続され、前記第1リングギアはトランスミッションハウジングに固定設置され、前記第1太陽歯車はフロントエンドモータのローターに接続され、前記フロントエンドモータのステーターはトランスミッションハウジングに固定接続され、前記第1クラッチの他端は出力軸の入力端に接続され、前記出力軸の出力端は車両の後車軸に駆動接続され、出力軸の外側には第2太陽歯車、第2遊星キャリア及び第3太陽歯車がセットされ、前記第2遊星キャリアは出力軸に固定接続され、第2遊星キャリアには第2遊星歯車及び第3遊星歯車が設置され、前記第2遊星歯車は、第2太陽歯車、第2リングギア及び第3遊星歯車と噛み合い接続され、前記第2太陽歯車はリアエンドモータのローターに接続され、前記リアエンドモータのステーターはトランスミッションハウジングに固定接続され、前記第2リングギアは第2クラッチの一端に接続され、前記第3遊星歯車は第3太陽歯車に噛み合い接続され、前記第3太陽歯車は第3クラッチの一端に接続され、前記第2クラッチの他端及び第3クラッチの他端は、いずれもトランスミッションハウジングに接続されている。
【0005】
本発明の2段ギアと2モータで駆動するハイブリッド動力伝達装置のEV1ギア段の動力伝達方法であって、前記方法には、
前記エンジンとフロントエンドモータを非作動状態にし、第1クラッチと第3クラッチを分離状態にし、前記第2クラッチを結合状態にし、前記リアエンドモータを作動状態にするステップS1と、
前記リアエンドモータを始動して、第2太陽歯車を回転駆動するステップS2と、
前記第2リングギアは結合状態の第2クラッチによって位置固定されて、前記第2太陽歯車が第2遊星歯車を回転駆動するステップS3と、
前記第2遊星歯車が第2遊星キャリアを回転駆動するステップS4と、
前記第2遊星キャリアが出力軸を回転駆動して、動力を出力するステップS5が含まれる。
【0006】
本発明の2段ギアと2モータで駆動するハイブリッド動力伝達装置のEV2ギア段の動力伝達方法であって、前記方法には、
前記エンジンとフロントエンドモータを非作動状態にし、第1クラッチと第2クラッチを分離状態にし、第3クラッチを結合状態にして、前記リアエンドモータを作動状態にするステップS1と、
前記リアエンドモータを始動して、第2太陽歯車を回転駆動するステップS2と、
前記第2太陽歯車が第2遊星歯車を回転駆動するステップS3と、
前記第3太陽歯車は結合状態の第3クラッチによって位置固定されて、第2遊星歯車が第3遊星歯車と第2遊星キャリアを一緒に回転駆動するステップS4と、
前記第2遊星キャリアが出力軸を回転駆動して、動力を出力するステップS5が含まれる。
【0007】
本発明の2段ギアと2モータで駆動するハイブリッド動力伝達装置の直列1ギア段の動力伝達方法であって、前記方法には、
前記フロントエンドモータ、リアエンドモータ及びエンジンを作動状態にし、前記第1クラッチと第3クラッチを分離状態にし、前記第2クラッチを結合状態にするステップS1と、
前記エンジンを始動して入力軸を回転駆動するステップS2と、
前記入力軸が第1遊星キャリアを回転駆動するステップS3と、
前記第1遊星キャリアが第1遊星歯車を回転駆動するステップS4と、
前記第1遊星歯車が第1太陽歯車を回転駆動するステップS5と、
前記第1太陽歯車がフロントエンドモータのローターを回転駆動し、フロントエンドモータが発電してバッテリーにエネルギーを蓄積するステップS6と、
前記バッテリーがリアエンドモータに電力を供給するステップS7と、
前記リアエンドモータが第2太陽歯車を回転駆動するステップS8と、
前記第2リングギアは結合状態の第2クラッチによって位置固定されて、前記第2太陽歯車が第2遊星歯車を回転駆動するステップS9と、
前記第2遊星歯車が第2遊星キャリアを回転駆動するステップS10と、
前記第2遊星キャリアが出力軸を回転駆動して動力を出力するステップS11が含まれる。
【0008】
本発明の2段ギアと2モータで駆動するハイブリッド動力伝達装置の直列2ギア段の動力伝達方法であって、前記方法には、
前記フロントエンドモータ、リアエンドモータ、エンジンを作動状態にし、前記第1クラッチと第2クラッチを分離状態にし、前記第3クラッチを結合状態にするステップS1と、
前記エンジンを始動して入力軸を回転駆動するステップS2と、
前記入力軸が第1遊星キャリアを回転駆動するステップS3と、
前記第1遊星キャリアが第1遊星歯車を回転駆動するステップS4と、
前記第1遊星歯車が第1太陽歯車を回転駆動するステップS5と、
前記第1太陽歯車がフロントエンドモータのローターを回転駆動し、フロントエンドモータが発電してバッテリーにエネルギーを蓄積するステップS6と、
前記バッテリーがリアエンドモータに電力を供給するステップS7と、
前記リアエンドモータが第2太陽歯車を回転駆動するステップS8と、
前記第3太陽歯車は結合状態の第3クラッチによって位置固定されて、第2遊星歯車が第3遊星歯車と第2遊星キャリアを一緒に回転駆動するステップS9と、
前記第2遊星キャリアが出力軸を回転駆動して、動力を出力するステップS10が含まれる。
【0009】
本発明の2段ギアと2モータで駆動するハイブリッド動力伝達装置の並列1ギア段の動力伝達方法であって、前記方法には、
前記フロントエンドモータを非作動状態にし、前記第1クラッチと第2クラッチを結合状態にし、前記第3クラッチを分離状態にし、前記エンジンとリアエンドモータを作動状態にするステップS1と、
前記エンジンを始動して入力軸を回転駆動し、同時に前記リアエンドモータを始動して第2太陽歯車を回転駆動するステップS2と、
前記入力軸が第1遊星キャリアを回転駆動し、前記第1遊星キャリアが第1クラッチを回転駆動するステップS3と、
前記第2リングギアは結合状態の第2クラッチによって位置固定されて、前記第2太陽歯車が第2遊星歯車を回転駆動し、前記第2遊星歯車が第2遊星キャリアを回転駆動するステップS4と、
前記第1クラッチと第2遊星キャリアが共同して出力軸を回転駆動して、動力を出力するステップS5が含まれる。
【0010】
本発明の2段ギアと2モータで駆動するハイブリッド動力伝達装置の並列2ギア段の動力伝達方法であって、前記方法には、
前記フロントエンドモータを非作動状態にし、第1クラッチと第3クラッチを結合状態にし、前記第2クラッチを分離状態にし、前記エンジンとリアエンドモータを作動状態にするステップS1と、
前記エンジンを始動して入力軸を回転駆動し、同時に前記リアエンドモータを始動して第2太陽歯車を回転駆動するステップS2と、
前記入力軸が第1遊星キャリアを回転駆動し、前記第1遊星キャリアが第1クラッチを回転駆動するステップS3と、
前記第2太陽歯車が第2遊星歯車を回転駆動し、前記第3太陽歯車が結合状態の第3クラッチによって位置固定されているので、第2遊星歯車が第3遊星歯車と第2遊星キャリアを一緒に回転駆動するステップS4と、
前記第1クラッチと第2遊星キャリアが共同して出力軸を回転駆動して、動力を出力するステップS5が含まれる。
【0011】
本発明の2段ギアと2モータで駆動するハイブリッド動力伝達装置のダイレクトギア段の動力伝達方法であって、前記方法には、
前記フロントエンドモータとリアエンドモータを非作動状態にし、前記第2クラッチと第3クラッチを分離状態にし、前記第1クラッチを結合状態にし、前記エンジンを作動状態にするステップS1と、
前記エンジンを始動して入力軸を回転駆動するステップS2と、
前記入力軸が第1遊星キャリアを回転駆動するステップS3と、
前記第1遊星キャリアが第1クラッチを回転駆動するステップS4と、
前記第1クラッチが出力軸を回転駆動して、動力を出力するステップS5が含まれる。
【0012】
本発明の2段ギアと2モータで駆動するハイブリッド動力伝達装置の制動回生ギア段の動力伝達方法であって、前記方法には、
前記エンジン及びフロントエンドモータを非作動状態にし、前記第1クラッチ及び第3クラッチを分離状態にし、前記第2クラッチを結合状態にし、前記リアエンドモータを非作動状態にするステップS1と、
前記出力軸が第2遊星キャリアを回転駆動するステップS2と、
前記第2遊星キャリアが第2遊星歯車を回転駆動するステップS3と、
前記第2リングギアは結合状態の第2クラッチによって位置固定されて、第2遊星歯車が第2太陽歯車を回転駆動するステップS4と、
前記第2太陽歯車がリアエンドモータのローターを回転駆動するステップS5と、
前記リアエンドモータが発電してバッテリーにエネルギーを蓄積するステップS6が含まれる。
【0013】
本発明の2段ギアと2モータで駆動するハイブリッド動力伝達装置のアイドル発電ギア段の動力伝達方法であって、前記方法には、
前記エンジン及びフロントエンドモータを作動状態にし、前記第1クラッチ、第2クラッチ及び第3クラッチを全て分離状態にし、前記リアエンドモータを非作動状態にするステップS1と、
前記エンジンを始動して入力軸を回転駆動するステップS2と、
前記入力軸が第1遊星キャリアを回転駆動するステップS3と、
前記第1遊星キャリアが第1遊星歯車を回転駆動するステップS4と、
前記第1遊星歯車が第1太陽歯車を回転駆動するステップS5と、
前記第1太陽歯車がフロントエンドモータのローターを回転駆動し、前記フロントエンドモータが発電してバッテリーにエネルギーを蓄積するステップS6が含まれる。
【発明の効果】
【0014】
従来技術と比較して、本発明の有益な効果は次のとおりである。
本発明は、第1クラッチ、第2クラッチ及び第3クラッチの異なる組み合わせと、エンジン、フロントエンドモータ、リアエンドモータの異なる動作状態により、EV1ギア段、EV2ギア段、直列1ギア段、直列2ギア段、並列1ギア段、並列2ギア段、ダイレクトギア段、制動回生ギア段、アイドル発電ギア段などの複数のギアモードを実現し、車両の多様な作業環境条件の要件に適応でき、車両の経済性と燃費性能を向上させ、遊星歯車機構とクラッチは組み立てが簡単で、使用する部品が少なく、部品コストや加工難易度が低く、伝達装置の実装が容易であり、コストパフォーマンスが高く、使いやすく、普及しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図2】本発明のEV1ギア段の機械的構造概略図である。
【
図3】本発明のEV2ギア段の機械的構造概略図である。
【
図4】本発明の直列1ギア段の機械的構造概略図である。
【
図5】本発明の直列2ギア段の機械的構造概略図である。
【
図6】本発明の並列1ギア段の機械的構造概略図である。
【
図7】本発明の並列2ギア段の機械的構造概略図である。
【
図8】本発明のダイレクトギア段の機械的構造概略図である。
【
図9】本発明の制動回生ギア段の機械的構造概略図である。
【
図10】本発明のアイドル発電ギア段の機械的構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明における技術的解決策を図面と共に本発明の実施例において明確かつ完全に説明するが、説明した実施例は本発明の実施例の一部に過ぎず、その全てではないことは明らかであり、本発明の実施例に基づいて、当業者が創作的な労作をすることなく得られる他の全ての実施例は本発明の保護範囲に属する。
【0017】
2段ギアと2モータで駆動するハイブリッド動力伝達装置であって、入力軸1、フロントエンドモータ2、リアエンドモータ3、出力軸4、第1クラッチ41、第2クラッチ42、第3クラッチ43、前列遊星歯車機構及び後列遊星歯車機構を含み、前記前列遊星歯車機構は、第1太陽歯車11、第1遊星歯車12、第1リングギア13及び第1遊星キャリア14を含み、前記後列遊星歯車機構は、第2太陽歯車21、第2遊星歯車22、第2リングギア23、第2遊星キャリア24、第3太陽歯車31及び第3遊星歯車32を含み、前記入力軸1の入力端はエンジンの動力系統に接続され、入力軸1の外側には第1太陽歯車11及び第1遊星キャリア14がセットされ、前記第1遊星キャリア14は入力軸1に固定接続され、且つ第1遊星キャリア14は第1クラッチ41の一端と接続され、第1遊星キャリア14には第1遊星歯車12が設けられ、前記第1遊星歯車12は、第1太陽歯車11及び第1リングギア13と噛み合い接続され、前記第1リングギア13はトランスミッションケースに固定設置され、前記第1太陽歯車11はフロントエンドモータ2のローターに接続され、前記フロントエンドモータ2のステーターはトランスミッションケースに固定接続され、前記第1クラッチ41の他端は出力軸4の入力端に接続され、前記出力軸4の出力端は車両の後車軸に駆動接続され、出力軸4の外側には第2太陽歯車21、第2遊星キャリア24及び第3太陽歯車31がセットされ、前記第2遊星キャリア24は出力軸4に固定接続され、第2遊星キャリア24には第2遊星歯車22及び第3遊星歯車32が設置され、前記第2遊星歯車22は、第2太陽歯車21、第2リングギア23及び第3遊星歯車32と噛み合い接続され、前記第2太陽歯車21はリアエンドモータ3のローターに接続され、前記リアエンドモータ3のステーターはトランスミッションケースに固定接続され、前記第2リングギア23は第2クラッチ42の一端に接続され、前記第3遊星歯車32は第3太陽歯車31に噛み合い接続され、前記第3太陽歯車31は第3クラッチ43の一端に接続され、前記第2クラッチ42の他端及び第3クラッチ43の他端は、いずれもトランスミッションケースに接続されている。
【0018】
エンジンはフロントエンドモータ2及びリアエンドモータ3とともに動力伝達装置の動力源となる。
【0019】
第1クラッチ41、第2クラッチ42、第3クラッチ43の異なる組み合わせ、エンジン、フロントエンドモータ2、リアエンドモータ3の異なる作動状態により、遊星機構の多様な速度比と多様なギア段の作動モードの選択を実現する。
【0020】
本発明の2段ギアと2モータで駆動するハイブリッド動力伝達装置のEV1ギア段の動力伝達方法であって、前記方法には、
前記エンジンとフロントエンドモータ2を非作動状態にし、第1クラッチ41と第3クラッチ43を分離状態にし、前記第2クラッチ42を結合状態にし、前記リアエンドモータ3を作動状態にし、リアエンドモータ3が動力伝達装置の動力源として単独で動力を出力するステップS1と、
前記リアエンドモータ3を始動して、第2太陽歯車21を回転駆動するステップS2と、
前記第2リングギア23は結合状態の第2クラッチ42によって位置固定されて、前記第2太陽歯車21が第2遊星歯車22を回転駆動するステップS3と、
前記第2遊星歯車22が第2遊星キャリア24を回転駆動するステップS4と、
前記第2遊星キャリア24が出力軸4を回転駆動して、動力を出力するステップS5が含まれる。
【0021】
本発明の2段ギアと2モータで駆動するハイブリッド動力伝達装置のEV2ギア段の動力伝達方法であって、前記方法には、
前記エンジンとフロントエンドモータ2を非作動状態にし、第1クラッチ41と第2クラッチ42を分離状態にし、第3クラッチ43を結合状態にして、前記リアエンドモータ3を作動状態にし、リアエンドモータ3が動力伝達装置の動力源として単独で動力を出力するステップS1と、
前記リアエンドモータ3を始動して、第2太陽歯車21を回転駆動するステップS2と、
前記第2太陽歯車21が第2遊星歯車22を回転駆動するステップS3と、
前記第3太陽歯車31は結合状態の第3クラッチ43によって位置固定されて、第2遊星歯車22が第3遊星歯車32と第2遊星キャリア24を一緒に回転駆動するステップS4と、
前記第2遊星キャリア24が出力軸4を回転駆動して、動力を出力するステップS5が含まれる。
【0022】
本発明の2段ギアと2モータで駆動するハイブリッド動力伝達装置の直列1ギア段の動力伝達方法であって、前記方法には、
前記フロントエンドモータ2、リアエンドモータ3及びエンジンを作動状態にし、前記第1クラッチ41と第3クラッチ43を分離状態にし、前記第2クラッチ42を結合状態にするステップS1と、
前記エンジンを始動して入力軸1を回転駆動するステップS2と、
前記入力軸1が第1遊星キャリア14を回転駆動するステップS3と、
トランスミッションケースが第1リングギア13を固定しているので、前記第1遊星キャリア14が第1遊星歯車12を回転駆動するステップS4と、
前記第1遊星歯車12が第1太陽歯車11を回転駆動するステップS5と、
前記第1太陽歯車11がフロントエンドモータ2のローターを回転駆動し、フロントエンドモータ2が発電してバッテリーにエネルギーを蓄積するステップS6と、
前記バッテリーがリアエンドモータ3に電力を供給するステップS7と、
前記リアエンドモータ3が第2太陽歯車21を回転駆動するステップS8と、
前記第2リングギア23は結合状態の第2クラッチ42によって位置固定されて、前記第2太陽歯車21が第2遊星歯車22を回転駆動するステップS9と、
前記第2遊星歯車22が第2遊星キャリア24を回転駆動するステップS10と、
前記第2遊星キャリア24が出力軸4を回転駆動して動力を出力するステップS11が含まれる。
【0023】
本発明の2段ギアと2モータで駆動するハイブリッド動力伝達装置の直列2ギア段の動力伝達方法であって、前記方法には、
前記フロントエンドモータ2、リアエンドモータ3、エンジンを作動状態にし、前記第1クラッチ41と第2クラッチ42を分離状態にし、前記第3クラッチ43を結合状態にするステップS1と、
前記エンジンを始動して入力軸1を回転駆動するステップS2と、
前記入力軸1が第1遊星キャリア14を回転駆動するステップS3と、
トランスミッションケースが第1リングギア13を固定しているので、前記第1遊星キャリア14が第1遊星歯車12を回転駆動するステップS4と、
前記第1遊星歯車12が第1太陽歯車11を回転駆動するステップS5と、
前記第1太陽歯車11がフロントエンドモータ2のローターを回転駆動し、フロントエンドモータ2が発電してバッテリーにエネルギーを蓄積するステップS6と、
前記バッテリーがリアエンドモータ3に電力を供給するステップS7と、
前記リアエンドモータ3が第2太陽歯車21を回転駆動するステップS8と、
前記第3太陽歯車31は結合状態の第3クラッチ43によって位置固定されて、第2遊星歯車22が第3遊星歯車32と第2遊星キャリア24を一緒に回転駆動するステップS9と、
前記第2遊星キャリア24が出力軸4を回転駆動して、動力を出力するステップS10が含まれる。
【0024】
本発明の2段ギアと2モータで駆動するハイブリッド動力伝達装置の並列1ギア段の動力伝達方法であって、前記方法には、
前記フロントエンドモータ2を非作動状態にし、前記第1クラッチ41と第2クラッチ42を結合状態にし、前記第3クラッチ43を分離状態にし、前記エンジンとリアエンドモータ3を作動状態にし、エンジンとリアエンドモータ3が共に動力伝達装置の動力源として動力を出力するステップS1と、
前記エンジンを始動して入力軸1を回転駆動し、同時に前記リアエンドモータ3を始動して第2太陽歯車21を回転駆動するステップS2と、
前記入力軸1が第1遊星キャリア14を回転駆動し、前記第1遊星キャリア14が第1クラッチ41を回転駆動するステップS3と、
前記第2リングギア23は結合状態の第2クラッチ42によって位置固定されて、前記第2太陽歯車21が第2遊星歯車22を回転駆動し、前記第2遊星歯車22が第2遊星キャリア24を回転駆動するステップS4と、
前記第1クラッチ41と第2遊星キャリア24が共同して出力軸4を回転駆動して、動力を出力するステップS5が含まれる。
【0025】
本発明の2段ギアと2モータで駆動するハイブリッド動力伝達装置の並列2ギア段の動力伝達方法であって、前記方法には、
前記フロントエンドモータ2を非作動状態にし、第1クラッチ41と第3クラッチ43を結合状態にし、前記第2クラッチ42を分離状態にし、前記エンジンとリアエンドモータ3を作動状態にし、エンジンとリアエンドモータ3が共に動力伝達装置の動力源として動力を出力するステップS1と、
前記エンジンを始動して入力軸1を回転駆動し、同時に前記リアエンドモータ3を始動して第2太陽歯車21を回転駆動するステップS2と、
前記入力軸1が第1遊星キャリア14を回転駆動し、前記第1遊星キャリア14が第1クラッチ41を回転駆動するステップS3と、
前記第2太陽歯車21が第2遊星歯車22を回転駆動し、前記第3太陽歯車31が結合状態の第3クラッチ43によって位置固定されているので、第2遊星歯車22が第3遊星歯車32と第2遊星キャリア24を一緒に回転駆動するステップS4と、
前記第1クラッチ41と第2遊星キャリア24が共同して出力軸4を回転駆動して、動力を出力するステップS5が含まれる。
【0026】
本発明の2段ギアと2モータで駆動するハイブリッド動力伝達装置のダイレクトギア段の動力伝達方法であって、前記方法には、
前記フロントエンドモータ2とリアエンドモータ3を非作動状態にし、前記第2クラッチ42と第3クラッチ43を分離状態にし、前記第1クラッチ41を結合状態にし、前記エンジンを作動状態にし、エンジンが動力伝達装置の動力源として単独で動力を出力するステップS1と、
前記エンジンを始動して入力軸1を回転駆動するステップS2と、
前記入力軸1が第1遊星キャリア14を回転駆動するステップS3と、
前記第1遊星キャリア14が第1クラッチ41を回転駆動するステップS4と、
前記第1クラッチ41が出力軸4を回転駆動して、動力を出力するステップS5が含まれる。
【0027】
本発明の2段ギアと2モータで駆動するハイブリッド動力伝達装置の制動回生ギア段の動力伝達方法であって、前記方法には、
前記エンジン及びフロントエンドモータ2を非作動状態にし、前記第1クラッチ41及び第3クラッチ43を分離状態にし、前記第2クラッチ42を結合状態にし、前記リアエンドモータ3を非作動状態にするステップS1と、
前記出力軸4が第2遊星キャリア24を回転駆動するステップS2と、
前記第2遊星キャリア24が第2遊星歯車22を回転駆動するステップS3と、
前記第2リングギア23は結合状態の第2クラッチ42によって位置固定されて、第2遊星歯車22が第2太陽歯車21を回転駆動するステップS4と、
前記第2太陽歯車21がリアエンドモータ3のローターを回転駆動するステップS5と、
前記リアエンドモータ3が発電してバッテリーにエネルギーを蓄積し、リアエンドモータ3がホイーリングシステムの減速制動で生成された動力を受けるステップS6が含まれる。
【0028】
本発明の2段ギアと2モータで駆動するハイブリッド動力伝達装置のアイドル発電ギア段の動力伝達方法であって、前記方法には、
前記エンジン及びフロントエンドモータ2を作動状態にし、前記第1クラッチ41、第2クラッチ42及び第3クラッチ43を全て分離状態にし、前記リアエンドモータ3を非作動状態にするステップS1と、
前記エンジンを始動して入力軸1を回転駆動するステップS2と、
前記入力軸1が第1遊星キャリア14を回転駆動するステップS3と、
トランスミッションケースが第1リングギア13を固定しているので、前記第1遊星キャリア14が第1遊星歯車12を回転駆動するステップS4と、
前記第1遊星歯車12が第1太陽歯車11を回転駆動するステップS5と、
前記第1太陽歯車11がフロントエンドモータ2のローターを回転駆動し、前記フロントエンドモータ2が発電してバッテリーにエネルギーを蓄積するステップS6が含まれる。
【0029】
本発明は、電気モータとエンジンのそれぞれの特性を十分に発揮することができるだけでなく、多様なモータとエンジンの動力組み合わせ形態を実現でき、従来の燃料自動車のような航続距離と低インフラの要求を満たし、純粋な電気自動車のような経済的要求を満たし、様々な環境条件の異なるニーズをバランスさせることができる。限られたスペースと少ない部品という条件の下で、遊星歯車機構の各要素と各クラッチの組み合わせるによって、異なるギア段を実現でき、これはハイブリッド車両の動力伝達装置の重要な実現形態である。
【0030】
本発明が上記実施例の詳細に限定されるものではなく、本発明の精神または本質的な特徴から逸脱することなく他の形態で実施できることは、当業者には明らかである。したがって、実施例は、いかなる観点からも例示的で非限定的なものとみなされるべきであり、本発明の範囲は、上記の説明ではなく添付の特許請求の範囲によって定義され、したがって、特許請求の範囲の均等の意味及び範囲内にあるすべての変更が本発明内に包含されることが意図される。特許請求の範囲におけるいかなる符号も、当該の特許請求の範囲を限定するものとして解釈されないものとする。
【0031】
さらに、本明細書は実施形態に従って説明されているが、各実施形態が独立した技術的解決策を1つだけ含んでいるわけではなく、本明細書のこの説明は明瞭にするためのものに過ぎず、当業者は本明細書を全体として捉えるべきであり、様々な実施例における技術的解決策を適切に組み合わせて、当業者が理解できる他の実施形態を形成することができることを理解すべきである。
【要約】
【要約】
2段ギアと2モータで駆動するハイブリッド動力伝達装置及びその動力伝達方法であって、入力軸の入力端はエンジンの動力系統に接続され、出力端は前列遊星歯車機構を介してフロントエンドモータに接続され、前列遊星歯車機構は第1クラッチの一端に接続され、第1クラッチの他端は出力軸の入力端に接続され、出力軸の出力端は車両の後車軸に接続され、出力軸は後列遊星歯車機構を介してリアエンドモータに接続され、後列遊星歯車機構は第2クラッチ及び第3クラッチに接続され、フロントエンドモータ、リアエンドモータ、第2クラッチ、第3クラッチ及び前列遊星歯車機構はすべてトランスミッションケースに接続されている。本発明は、多様なギアモードを実現し、車両の経済性と燃費性能を向上させ、遊星歯車機構とクラッチは組み立てが簡単で、部品コストや加工難易度が低く、伝達装置の実装が容易であり、使いやすく、普及しやすい。
【選択図】
図1