(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-26
(45)【発行日】2024-04-03
(54)【発明の名称】非円形ビーム要素を含むシミュレーションにおける接触挙動をモデル化する接触エンティティの内部生成
(51)【国際特許分類】
G06F 30/23 20200101AFI20240327BHJP
G06F 30/12 20200101ALI20240327BHJP
G06F 111/20 20200101ALN20240327BHJP
G06F 111/04 20200101ALN20240327BHJP
【FI】
G06F30/23
G06F30/12
G06F111:20
G06F111:04
(21)【出願番号】P 2022183799
(22)【出願日】2022-11-17
【審査請求日】2022-11-17
(32)【優先日】2021-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514180812
【氏名又は名称】ダッソー システムズ アメリカス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マルコ スピネリ
(72)【発明者】
【氏名】ハリントン ハンター ハークネス
【審査官】堀井 啓明
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-262654(JP,A)
【文献】特開2002-207778(JP,A)
【文献】米国特許第09361413(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 30/00-30/28
G06F 111/20
G06F 111/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
現実世界の物体の接触挙動を決定するコンピューター実行方法であって、
メモリー内で、現実世界の物体の構成要素を表すビーム要素モデルを作成することであって、前記ビーム要素モデルがビームノードを含む、ことと、
(i)前記現実世界の物体の前記構成要素の断面形状、および(ii)前記作成されたビーム要素モデルに基づき、接触エンティティを自動的に生成すること
であって、前記生成された接触エンティティが、前記ビーム要素モデルの接触ノードを含む、ことと、
前記接触ノードを接続することによって、前記生成された接触エンティティに基づきメッシュを確立することであって、前記メッシュが前記現実世界の物体の前記構成要素の表面形状を表す、ことと、
前記ビーム要素モデルおよび前記確立されたメッシュを使用してコンピューターベースのシミュレーションを実施することによって、前記現実世界の物体の接触挙動を決定することであって、前記メッシュの動きが、前記ビームノードの動きに対応するように制約される、ことと
を含む、方法。
【請求項2】
前記
接触ノードを
接続する
ことが、
前記接触ノード
間の接続
をインスタンス化することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記接触ノードを接続することが、
前記接触ノードを格子状パターンで接続することを含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項4】
接触エンティティを自動的に生成することが、前記断面形状に基づき、前記接触ノードの位置を設定することを含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項5】
前記メッシュを確立することが、
第一の断面形状に基づき生成された接触エンティティを、第二の断面形状に基づき生成された対応する接触エンティティに接続することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記断面形状のユーザー表示をキーワードの形態で受信することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ドロップダウンメニューを提供することであって、前記ドロップダウンメニューが、複数のキーワード、またはその表現を表示し、前記断面形状の前記ユーザー表示が、前記複数のキーワードの中から前記キーワードの前記ドロップダウンメニューからのユーザー選択を介して受信される、提供することをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ビームノードが、一対のビームノードを含み、前記ビーム要素モデルを作成することが、
前記一対のビームノードの間にエッジを画定することと、
ビームを含む材料を画定することと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記現実世界の物体の前記構成要素が第一の構成要素であり、前記現実世界の物体の前記接触挙動を決定することが、
第二の構成要素の有限要素モデルを受信することと、
前記ビーム要素モデル、前記確立されたメッシュ、および前記第二の構成要素の前記受信された有限要素モデルを使用して、前記シミュレーションを実施し、前記第二の構成要素と接触することに応答して、前記現実世界の物体の前記接触挙動を決定することと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
現実世界の物体の接触挙動を決定するためのコンピューター支援設計(CAD)システムであって、
プロセッサーと、
コンピューターコード命令が格納されるメモリーと
を含み、前記プロセッサーおよび前記メモリーが、前記コンピューターコード命令により、前記システムに、
前記メモリー内に、現実世界の物体の構成要素を表すビーム要素モデルを作成することであって、前記ビーム要素モデルがビームノードを含む、作成すること、
前記現実世界の物体の前記構成要素の断面形状および前記作成されたビーム要素モデルに基づき、接触エンティティを自動的に生成すること
であって、前記生成された接触エンティティが、前記ビーム要素モデルの接触ノードを含む、こと、
前記接触ノードを接続することによって、前記生成された接触エンティティに基づきメッシュを確立することであって、前記メッシュが、前記現実世界の物体の前記構成要素の表面形状を表す、確立すること、および
前記ビーム要素モデルおよび前記確立されたメッシュを使用してコンピューターベースのシミュレーションを実施することによって、前記現実世界の物体の接触挙動を決定することであって、前記メッシュの動きが、前記ビームノードの動きに対応するように制約される、決定すること
をさせるよう構成される、システム。
【請求項11】
前記接触ノードを接続するとき、前記プロセッサーおよび前記メモリーが、前記コンピューターコード命令により、前記システムに、
前記接触ノード間の接続をインスタンス化
するようさらに構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
接触エンティティを自動的に生成する際に、前記プロセッサーおよび前記メモリーが、前記コンピューターコード命令により、前記システムに、
前記断面形状に基づき、前記接触ノードの位置を設定させるようさらに構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記メッシュを確立する際に、前記プロセッサーおよび前記メモリーが、前記コンピューターコード命令により、前記システムに、
第一の断面形状の生成された接触エンティティを、第二の断面形状の対応する生成された接触エンティティと接続させるようさらに構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
前記メッシュを確立する際に、前記プロセッサーおよび前記メモリーが、前記コンピューターコード命令により、前記システムに、
前記第一の断面形状と前記第二の断面形状との間の前記メッシュを格子状にさせるようさらに構成される、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記プロセッサーと前記メモリーとが、前記コンピューターコード命令により、前記システムに、
キーワードの形態の断面形状のユーザー表示を受信させるようさらに構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項16】
ドロップダウンメニューを提供するように構成されるグラフィカル表示装置であって、前記ドロップダウンメニューが、キーワード、またはその表現を含む、グラフィカル表示装置をさらに含み、
前記プロセッサーおよび前記メモリーが、前記コンピューターコード命令により、前記システムに、前記ドロップダウンメニューからのユーザー選択を介して前記断面形状のユーザー表示を受信させるようにさらに構成される、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記ビームノードが一対のビームノードを含み、前記ビーム要素モデルを作成する際に、前記プロセッサーおよび前記メモリーが、前記コンピューターコード命令により、前記システムに、
前記一対の前記ビームノードの間にエッジを画定すること、および
ビームを含む材料を画定すること
をさせるようさらに構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項18】
前記現実世界の物体の前記構成要素が第一の構成要素であり、前記現実世界の物体の前記接触挙動を決定する際に、前記プロセッサーおよび前記メモリーが、前記コンピューターコード命令により、前記システムに、
第二の構成要素の有限要素モデルを受信すること、および
前記ビーム要素モデル、前記確立されたメッシュ、および前記第二の構成要素の前記受信された有限要素モデルを使用して、前記シミュレーションを実施し、前記第二の構成要素と接触することに応答して、前記現実世界の物体の前記接触挙動を決定すること
をさせるようさらに構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項19】
現実世界の物体の接触挙動を決定するためのコンピュータープログラムであって、前記コンピュータープログラムがコンピューター読取り可能な命令を含み、前記命令が、プロセッサーによって実行されると、前記プロセッサーに、
データーベース内に、現実世界の物体の構成要素を表すビーム要素モデルを作成することであって、前記ビーム要素モデルがビームノードを含む、作成すること、
前記現実世界の物体の前記構成要素の断面形状および前記作成されたビーム要素モデルに基づき、接触エンティティを自動的に生成すること
であって、前記生成された接触エンティティが、前記ビーム要素モデルの接触ノードを含む、こと、
前記接触ノードを接続することによって、前記生成された接触エンティティに基づきメッシュを確立することであって、前記メッシュが、前記現実世界の物体の前記構成要素の表面形状を表す、確立すること、および
前記ビーム要素モデルおよび前記確立されたメッシュを使用してコンピューターベースのシミュレーションを実施することによって、前記現実世界の物体の接触挙動を決定することであって、前記メッシュの動きが、前記ビームノードの動きに対応するように制約される、決定すること、をさせる、コンピュータープログラム。
【請求項20】
前記命令が、前記プロセッサーに、(i)前記断面形状に基づき前記接触ノードの位置を設定することによって、接触エンティティを自動的に生成させ、および(ii)前記接触ノード間の接続をインスタンス化することによって、前記
接触ノードを
接続させる、請求項19に記載のコンピュータープログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接触エンティティの内部生成に関し、より詳細には、非円形ビーム要素を含むシミュレーションにおける接触挙動をモデル化する接触エンティティの内部生成に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピューター支援設計(CAD)ソフトウェアは、特に、三次元(3D)CADモデル、例えば有限要素モデルおよび固体モデルの使用を通して、複雑な現実世界の物体の構造および行動の態様をモデル化することを可能にする多くの利点を提供する。CADソフトウェアユーザーは、さまざまな現実世界の物体の現実世界のユースケースに関連する情報を収集するために、個々の静的現実世界の物体だけでなく、複数の現実世界の物体とその構成要素の間の相互作用もモデル化することを求めることが多い。物体間のこうした相互作用は、しばしば、さまざまな動作状態の物体間の物理的接触を含む。
【0003】
ビーム要素は、多くの業界で使用される一般的なタイプの構成要素である。従って、ビーム要素は、多くの場合、これらの業界で働くCADソフトウェアユーザーによって作成されたCADモデルの主題である。モデル化されたビーム要素を含む接触事象は、多くの場合、CAD環境でシミュレーションされて、例えば、他のビームまたは非ビーム構成要素などの構成要素と接触する、衝突する、打つ、またはそうでなければ物理的に相互作用する、ビームに似た構成要素の効果を評価する。
【発明の概要】
【0004】
既存の方法では、計算の簡略化のために、円形断面は、例えば、接触、シミュレーションなどのビーム要素のモデリングおよび挙動においてしばしば仮定される。しかしながら、ビーム要素の断面形状は、ビーム要素の物理的挙動、特に接触事象におけるビーム要素の挙動に著しい影響を与える。従って、これらの既存の方法を改善し、より正確にビーム要素の物理的挙動をモデル化し、シミュレートするための機能性が必要である。実施形態は、こうした機能性を提供する。
【0005】
こうした実施形態の一つは、ビーム要素の断面形状の表示に基づき(CADモデルの)接触エンティティを自動的に生成することによって、これらの改善を提供する。実施形態は、所定のモデル化された構成要素と別のモデル化された構成要素との間の接触事象の物理的効果をシミュレーションによって決定し得るように、所定のモデル化された構成要素の表面の末端を画定する基準点を提供するために、CADモデル内に接触エンティティを自動的に作成する。すなわち、自動生成された接触エンティティは、モデル化された物体挙動のシミュレーションの目的で、モデル上の潜在的な接触点を画定するか、またはそうでなければそれとして論理的に機能する。画定された潜在的接触点は、当技術分野でのニーズを満たすシミュレーションの精度を高める。
【0006】
別の実施形態は、現実世界の物体の構成要素を表すビーム要素モデルをメモリー内で生成することによって開始する、現実世界の物体の接触挙動を決定する、コンピューター実行方法を対象とする。こうした実施形態では、ビーム要素モデルは、ビームノードを含む。続けて、方法は、現実世界の物体の構成要素の断面形状および作成されたビーム要素モデルに基づき、ビーム要素モデルの接触エンティティを自動的に生成する。次に、こうした実施形態は、生成された接触エンティティに基づき、現実世界の物体の構成要素の表面形状を表すメッシュを確立する。次いで、現実世界の物体の接触挙動は、ビーム要素モデルおよび確立されたメッシュを使用してコンピューターベースのシミュレーションを実行することによって決定され、メッシュの動きは、ビームノードの動きに対応するように制約される。
【0007】
方法の別の実施形態では、生成された接触エンティティは、ビーム要素モデルの接触ノードを含む。こうした実施形態では、方法は、接触ノードを接続してメッシュを確立することを含む。実施形態は、格子状パターンで接触ノードを接続する。別の実施形態では、方法は、断面形状に基づき、接触ノードの位置を設定することを含む。実施形態によれば、メッシュを確立することは、第一の断面形状に基づき生成された接触エンティティを、第二の断面形状に基づき生成された対応する接触エンティティと接続することを含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、方法は、キーワードの形態で断面形状のユーザー表示を受信することを含む。一部のこうした実施形態では、方法は、ドロップダウンメニュー、ポップアップメニュー、他のユーザー選択可能なリストなどを提供することを含む。ドロップダウンメニューは、複数のキーワード、またはその表現を表示し得る。断面形状のユーザー表示は、複数のキーワードの中から、キーワードのドロップダウンメニューからのユーザー選択を介して受信され得る。
【0009】
方法のいくつかの実施形態では、ビームは、一対のビームノードを含む。こうした実施形態では、ビーム要素モデルを作成することは、(i)一対のビームノードの間にエッジを画定することと、(ii)ビームによって構成される材料を画定することと、を含む。方法の一部の実施形態では、現実世界の物体の構成要素は、第一の構成要素であり、現実世界の物体の接触挙動を決定することは、第二の構成要素の有限要素モデルを受信することを含む。こうした実施形態では、方法は、第二の構成要素に接触することに応答して、第二の構成要素の第一の構成要素の接触挙動を決定するために、ビーム要素モデル、確立されたメッシュ、および受信された有限要素モデルを使用してシミュレーションを行うことを含む。
【0010】
例示的なシステム実施形態は、プロセッサーと、コンピューターコード命令が記憶されたメモリーと、を含む。こうした実施形態では、プロセッサーおよびメモリーは、コンピューターコード命令により、システムに、本明細書に記載される任意の実施形態を実施させるように構成される。
【0011】
別の実施形態では、コンピュータープログラム製品は、コンピューター可読プログラム命令が格納される非一時的コンピューター可読媒体を含む。こうした実施形態では、命令は、プロセッサーによって実行されるとき、プロセッサーに、本明細書に記載される実施形態の任意の実施形態または組み合わせを実施させる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
前述のことは、添付の図面に示されるように、例示的な実施形態の以下のより具体的な説明から明らかであり、同様の参照文字は、異なるビュー全体にわたって同じ部分を参照している。図面は必ずしも原寸に比例しておらず、代わりに実施形態を説明することに重点が置かれている。
【0013】
【
図1】
図1は、現実世界の物体曲げの構成要素を表すビーム要素モデルを示す。
【
図2】
図2A~Bは、現実世界の物体の例示的な構成要素を表すビーム要素モデルを示す。
【
図3】
図3A~Cは、一実施形態によるモデリングのさまざまな段階で、現実世界の物体の例示的な構成要素を表すビーム要素モデルを示す。
【
図4】
図4A~Cは、実施形態によるモデル化された点質量の接触に応答するさまざまな段階で、現実世界の物体の例示的な構成要素を表すビーム要素モデルを示す。
【
図5】
図5は、実施形態による現実世界の物体の接触挙動を自動的に決定するためのさまざまな例示的な方法のフロー図である。
【
図6】
図6A~Cは、一実施形態による、さまざまな任意の角半径を有するビーム要素モデルの断面形状の例を示す。
【
図7】
図7は、実施形態による、例示的な断面形状を有するビーム要素モデルを示す。
【
図8A】
図8Aは、実施形態による、例示的な断面形状を有するビーム要素モデルを示す。
【
図8B】
図8Bは、
図8Aの例示的な断面形状を有するビーム要素モデルを示し、一実施形態による、現実世界の物体のねじれの構成要素を表している。
【
図9】
図9は、接触挙動を自動的に決定するために実施形態で使用されるCADモデルの例を示す。
【
図10】
図10A~Bは、一実施形態で使用されて物体の相互接触挙動を自動的に決定することができる、一対の例示的現実世界の物体の構成要素を表すビーム要素モデルを示す。
【
図11】
図11は、本発明の実施形態が実施され得る、コンピューターネットワークまたは類似のデジタル処理環境を描写する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
例示的な実施形態の説明は、以下の通りである。
【0015】
上述のように、実施形態は、実語の物体、特にビームの物理的挙動を決定するための改善された方法を提供する。コンピューターベースのシミュレーションおよびモデリング、例えば、有限要素シミュレーションでは、ビーム要素は、構造、例えば、細い構造のシミュレーション、曲げ、または他の物理的応答によって、実証または決定するためにモデル化される。
図1は、六つのビームノード110a、110b、110c、110d、110e、および110fを含む、五つのビーム要素105a、105b、105c、105d、105eでモデル化された細長い部品の、すなわちモデル100の表現を示す。ビームノード110a~fは、その隣接するビームノードの間に線セグメント108a、108b、108c、108d、および108eを有する
図1に見ることができる。こうした線セグメントは、ビームエッジ108a~eを表す。ビームエッジについては、少なくとも
図3Bおよび4Aに関して以下でさらに説明する。各ビーム要素105a~eは、ビームエッジおよび二つのビームノードから構成される。例示的なモデル100では、ビーム要素105aは、エッジ108aによって接続されるノード110aおよび110bから構成される。ビーム要素105bは、エッジ108bによって接続されるノード110bおよび110cから構成される。ビーム要素105cは、エッジ108cによって接続されるノード110cおよび110dから構成される。ビーム要素105dは、エッジ108dによって接続されるノード110dおよび110eから構成され、ビーム要素105eは、エッジ108eによって接続されるノード110eおよび110fから構成される。
【0016】
モデル100はまた、ビームエッジ108a~eにそれぞれ垂直な断面形状120a、120b、120c、120d、120e、および120fも描写する。断面形状120a~fの描写におけるわずかな変動は、ビームエッジ108a~eの周りに中心を置いたビーム要素モデル105a~eの配向の変化に対応するものとして、
図1に見ることができる。断面形状120a~fは、この実施例では長方形であるが、実施形態は、長方形の断面形状に限定されず、任意の所望の断面形状を利用し得る。例えば、実施形態は、他の例の中でも特に、Iビーム、Lビーム、およびUビームなどのビームに対して断面を採用することができる。
【0017】
図1の表現100は、一例として、各ノード110a~eに三つの並進自由度および三つの回転自由度を組み込むが、他の量の並進自由度および回転自由度を組み込むことができる。
図1のタイプのビーム要素モデル105a~eを使用して、現実世界の物体の個々のビーム要素構成要素間の接触挙動を決定し得る。こうしたビーム要素モデル105a~eはまた、少なくとも単一のビーム要素または類似の細い構造の曲げ特性または他の応答を示すために使用され得る。ビーム要素構成要素、例えば、構成要素105a~eを使用して決定される挙動および特性は、ビーム要素構成要素が表す現実世界の物体を設計、製造、および改善するために使用され得る。設計修正は、例えば、その厚さを変更することによってビームを強化するために、本明細書に記載のシミュレーション方法およびシステムの使用によって決定することができる。
【0018】
曲げを受けるビームの連続曲線特性は、モデル内のビーム要素の数を増加させ、それに応じてビーム要素のそれぞれのサイズを減少することによって、精度の度合いの増加に近似され得る。例えば、車の衝突事象をシミュレートする際に、ストラットのような細長い部品は、部品(ストラット)の剛性および慣性態様がビーム要素によって正確かつ効率的に表されるように、本明細書に記載の戦略で表され得る。こうした実施例では、膜または表面要素に基づく表面が、接触計算のための正確な幾何学的表現を提供し得る。
【0019】
歴史的に、ビームの実際の断面積に関係なく、既存のシミュレーション方法は、ビームを円形の断面でモデル化する。これは、円形の断面形状220aを有するビーム要素モデル205aの表現200aが示される、
図2Aに示される。しかし、全てのビームを円形として扱うことは問題である。例えば、円形断面ビームを使用してIビームを表すことは、不正確なシミュレーション結果をもたらし得る。
【0020】
そのため、長方形およびその他の断面を有するビームに対する現実的な表現が必要である。
図2Bは、本明細書に記載の実施形態を使用して、正確かつ現実的にシミュレーションできる、長方形の断面形状220bを有するビーム要素モデル205bのこうした例示的の表現200bを描写する。本明細書に記載される実施形態を使用することにより、例えば、接触事象におけるビーム要素モデル205bの物理的挙動を正確に決定することができる。
【0021】
図3Aは、ビーム要素モデル305aの表現300aを示す。ビーム要素モデル305aは、円形断面形状320aを有することが示される。円形断面形状320aは、ビーム要素モデル305aの移動または他の態様に関する効率的な計算を提供する。しかしながら、円形断面形状320aは、モデル305aによって表される現実世界の物体が現実世界の円形断面形状を有していない場合、接触事象の影響の正確なシミュレーションを提供しない。例えば、ビーム要素モデル305a、またはビーム要素モデル305aによって表されるビーム要素と接触する物体は、その間の接触事象の結果として、動きの偏向における差異を示し得る。
【0022】
ビーム要素が、
図3Aで示される円筒によって表現されるように、円形の断面形状を有するビーム要素については、浸透に耐える接触力は、ビームエッジから点質量への半径方向と整列する。こうしたビームエッジは、ビーム要素の長手方向軸に沿って画定され、ビーム要素の円筒形表現に対して内部的に実行される。ビームエッジのさらなる説明を、以下に提供する。接触のシミュレーションには、衝撃および/または浸透がいつ、どこで起こるかの効率的かつ正確な決定、ならびに浸透に抵抗する接触力の大きさおよび方向の決定、ならびに摩擦挙動のモデル化が必要である。
【0023】
しかしながら、半径方向は、業界のユーザーによってCADソフトウェア環境内で一般的にシミュレートされるように、非円断面には関連しない。なぜなら、浸透に耐える接触力は、通常、ビーム外部に対して垂直であるべきであるからである。
図3Bは、長方形の断面形状320bを有するビーム要素モデル305bの表現300bを示す。こうしたビーム要素モデル305bは、その長方形の断面形状320bによって、所与のビーム要素をより正確にモデル化し、従って所与のビーム要素に関与する接触事象をより正確にシミュレートし得る。
【0024】
全てのビームを円形の断面積を有するものとしてモデル化する歴史的方法に対する一つの改善は、ユーザーが面倒な手動手順を実行することを必要とする。この手動手順では、接触計算においてビーム断面形状をより現実的に処理しようと試みる以下の戦略が必要となる。第一に、ビーム要素が、部品または構成要素の物理的剛性挙動を表すために使用される。次に、わずかな剛性を有する膜要素(または剛性のない「表面要素」)のメッシュが、ビーム要素の周りにメモリー内に構築され、部品の表面形状を表す。ユーザーは、全ての膜または表面要素のノード位置を手動で指定する。より多くの膜または表面要素を指定することにより、より正確な部品の表面形状を表すことができる。典型的な用途では、例えば、単一のビーム要素に対して、100個超、1,000個超、またはそれ以上の膜または表面要素を手動で指定することを要求し得る。最後に、膜または表面要素のノード位置は、ビームノードの動きに従って移動するように制約される。ユーザーは、ビームの全ての膜または表面要素に対してこうした制約を確立し、膜または表面要素の座標をビームノードの座標に依存するように強制する。
【0025】
有限要素シミュレーション内の接触計算に関与する基礎的エンティティには、ノード(代表点)、エッジ(ノードを接続する一次元セグメント)、および面(通常、面の頂点でノードを有する有限要素の露出側を表す、二次元多角形)が含まれる。
図1のビームノード110a~fなどのビームノードは、ビーム基準線、またはビームの長手方向軸に沿って配置される。
図1のビームエッジ108a~eなどのビームエッジは、ビームノードを接続する。ビームエッジを使用して、ビームエッジから別の点への径方向を決定することができる。ビームエッジを使用して、別の点が半径方向に沿ってビームエッジに突出する軸方向位置を決定することができる。ビームエッジは、必ずしもモデル化されたビームの表面に沿って配置されるわけではなく、むしろモデル化されたビームに対して内部的に配置され得る。ビームノードを接続する面は、ビームエッジが通常、それぞれのビームに対して内部的に実行されるため、自然には存在しない。
【0026】
ビームノードおよびビームエッジに加えて、有限要素シミュレーション内の接触計算に関与し得る他のタイプのエンティティは、接触ノード、接触エッジ、および接触面などの接触エンティティを含む。接触ノードに関するデータは、例えば、こうした接触計算に使用されてもよく、接触エッジおよび接触面に関するデータは、こうした接触計算によって生成され得る。
【0027】
図3Cは、長方形の断面形状320cを使用したビーム要素モデル305cのメッシュ表現300cを示し、接触ノード314、接触エッジ318、および接触面321は、メッシュ300cを形成するように接続される接触エンティティ315を具現化する。メッシュ300cは、ビーム要素モデル305cの表面形状を表し、ビーム要素モデル305cまたはその態様の動きに対応するように制約され得る。
図3Cに示すメッシュ300は、接触ノード314、および接触エッジ318および接触面321によって形成される、格子状パターンを有する。なお、実施形態は、格子状メッシュ表現に限定されず、任意のメッシュ表現を利用し得る。
【0028】
図4Aは、ビーム要素モデル405aの正面
図400aを示し、ビームノード410aがビーム要素モデル405aの断面420a内に中央に位置し、モデル化された点質量412aが、シミュレーションによれば、右から左へ走行し、ビーム要素モデル405aに現在影響を与える。ビームノードは、本明細書では、相互交換可能にビーム要素ノードと呼んでもよい。ビーム要素モデル405aは、長い長方形断面形状420aを有するものとして
図4Aに示される。ビーム要素モデル405aは、ビーム要素モデル405aの長手方向軸が、ページ、画面、または
図4Aを見る、他の表示手段の平面に対して垂直であるように、長い長方形断面形状420aを示すビームの端部から直接見たものとして
図4Aに示される。ビームノード410aは、前述の近位および遠位ビームノードを接続するビームエッジがビーム405aの長さ方向に対して平行な方向に配向されるように、近位ビームノードから離れて位置する少なくとも一つの遠位ビームノードに接続される近位ビームノードであり得る。近位および遠位ビームノードは、その間に位置するビームエッジとともに、ビームの表面形状に関連する接触エンティティの決定に一緒に影響を与える。構成のエッジがビームの長さに沿って配置される、接触面421a-1、421a-2を表す表面は、
図4Aのビーム要素モデル405aの前述の垂直配向により、単一のそれぞれのエッジを超えて、
図4Aに見えない。
【0029】
図4Bは、ビームノード410bを有するビーム要素モデル405bの等角
図400bを示す。
図4Bのビーム要素モデル405bは、接触事象を受けた直後の、
図4Aのビーム要素モデル405aの変更された配向を示す。接触事象では、ビーム要素モデル405bは、ビーム要素が、点質量412bによってモデル化された移動点質量によって影響を受けたかのように反応する。
図4Bに見ることができるように、点質量412bとの接触は、ビーム要素モデル405bを回転させ、従って、ビーム405aの長さに沿って配置される構成のエッジを有する接触面421b-1、421b-2を表す一対の表面を明らかにし始める。長い長方形断面形状420bは、回転した向きにもかかわらず、
図4Bで容易に見ることができる。
図4Bとの違いを見つけるのが難しいが、理解するのに役立つことは、接触事象の直後の図示した時点で、モデル化された点質量412bが、ビーム要素モデル405bから跳ね返り、衝撃(接触事象)前の走行方向とは異なる方向に走行している。
【0030】
図4Cは、ビームノード410cを有するビーム要素モデル405cの表現400cを示す。
図4Cのビーム要素モデル405cは、
図4Bの表現400bで経過したよりも、前述の接触事象からさらなる時間が経過した後の、
図4Bのビーム要素モデル405bのさらに変更された配向を示す。
図4Cでは、ビーム要素モデル405cは、
図4Bの表現400bのビューによって描かれ、および上記で説明された向きに対して、さらに回転した向きを想定していることがわかる。モデル化された点質量412c、接触面421c-1、421c-2を表す表面、および断面形状420cが、
図4Bのそれぞれの対応物412b、421b-1、421b-2、420bと同様に、
図4Cに見られる。
【0031】
図5は、例示的な実施形態による現実世界の物体の接触挙動を決定する、コンピューター実行方法500を示す。方法500は、コンピューターメモリー内にビーム要素モデルを505で作成することで始まる。実施形態では、505で作成されたビーム要素モデルは、現実世界の物体の構成要素を表し、一つまたは複数のビームノード510を含む。一つまたは複数のビームノード510は、
図1のビームノード110a~fによって示されるように、ビーム基準線、またはビームモデル505の長手方向軸に沿って配置される。一つまたは複数のビームノードは、
図4A~Cのビームノード410a~cに示されるように、ビーム要素モデル505の断面内に、中央に位置し得る。典型的には、505で作成されたビーム要素モデルは、複数のビームノード510を含む。複数のビームノード510は、ビーム要素モデル505の両側の長手方向端に配置される近位ビームノードおよび遠位ビームノードを含み得る。505で作成されたビーム要素モデルは、(i)一対の隣接するビームノードを接続し、(ii)ビーム要素モデル505の対応するセグメントの長さおよび配向を画定する、線セグメントによって表される、
図1のビームエッジ108a~eのいずれかなどのビームエッジを含む。
【0032】
方法500は継続し、接触エンティティ(ビーム要素モデルの、またはビーム要素モデルに対して)は、実世界の構成要素の断面形状520と、505で作成されたビーム要素モデルの両方に基づき、515で自動的に生成される。実施形態では、メッシュは、515で生成された接触エンティティに基づき525で確立される。確立されたメッシュ525は、現実世界の物体の構成要素の表面形状530を表す。続けて、現実世界の物体の接触挙動は、505で作成されたビーム要素モデルおよび525で確立されたメッシュを使用してコンピューターベースのシミュレーションを実行することによって、535で決定される。シミュレーションでは、メッシュの動きは、ビームノード510の動きに対応するように制約される。従って、自動生成された接触エンティティは、モデル化された物体挙動のシミュレーションの目的で、モデル上の潜在的な接触点として画定されるか、または論理的に機能する。こうした画定された点は、これまでに達成されなかったシミュレーションの精度を増大させる。
【0033】
実施形態では、例えば、方法500では、自動的に生成される接触ノード、接触エッジ、および接触面(確立されたメッシュの表面部分またはサブ表面部分)は、例えば、浸透を検知し、接触ノードに作用する接触力を計算するために、ステップ535で実行される接触シミュレーションにおいて、他の接触ノード、接触エッジ、および接触面と等しくなるようにほとんど参加することができる。
【0034】
ステップ535でシミュレーションを実施する際に、本開示の自動生成された接触ノードに作用する接触力は、その動きを制御する同じビームノードのノード力およびモーメントにリダイレクトされてもよく、その結果、その後のビームノードの動きおよび回転が、接触力によって適切に影響される。これは、当該技術分野で共通または公知の力再分布方程式を用いて達成され得る。
【0035】
前述の例示的な実施形態500に基づく別の実施形態では、自動生成された接触エンティティ515は、
図3Cに示されるメッシュ表現300cの接触ノード314などの接触ノードを含む。こうした実施形態では、メッシュ525を確立することは、接触ノード314を接続することを含む。接触ノード314は、
図3Cを参照して上に示し説明したように、格子状パターンで接続することができる。
【0036】
前述の例示的実施形態500に基づくさらに別の代替的な実施形態では、方法は、複数の断面形状520に基づき自動的に生成される接触エンティティ515に基づき、メッシュ525を確立する。こうした実施形態では、複数の断面形状520は、少なくとも第一の断面形状および第二の断面形状を含む。続けて、方法は、第一の断面形状に基づき生成された接触エンティティを、第二の断面形状に基づき生成された接触エンティティと接続することを含む。
【0037】
方法500の別の実施形態は、現実世界の物体の構成要素の断面形状520の表示をユーザーから取得することを含む。非限定的な例示的実施形態では、ドロップダウンメニューが提供される。提供されるドロップダウンメニューは、複数のキーワード、またはその表現を表示し得る。こうした実装では、断面形状520のユーザー表示は、提供されるドロップダウンメニューによって表示される複数のキーワードの中からユーザーによって選択されるキーワードの形態で受信される。ポップアップメニュー、キーワードまたはその表現の他のユーザーによる対話型のリスト、他のグラフィカルユーザーインターフェイス部品などが適切である。
【0038】
前述の例示的な実施形態500に基づくさらに別の例示的な実施形態では、ビームノード510は、例えば、
図1のビームノード110aおよび110bなど、ビーム要素モデル505の近位端および遠位端でそれぞれ画定される一対のビームノードを含む。この非限定的な例示的実施形態では、
図1のビームエッジ108aのようなビームエッジは、ビームノードの対象対の間にビーム要素モデル505内に画定される。続けて、ビーム要素モデル505によって表される構成要素によって構成される材料が画定される。従って、ビーム要素モデルは、本例示的実施形態に従い、ビーム要素の長さ、配向、および材料を含む情報に基づき505で作成される。
【0039】
前述の例示的実施形態500に基づくさらに別の代替的な実施形態では、現実世界の物体の第一の構成要素を表すビーム要素モデル505が作成される。例示的な実施形態では、現実世界の物体の第二の構成要素の有限要素モデルが受信される。続けて、現実世界の物体の接触挙動は、第一の構成要素の505で作成されたビーム要素モデル、対応する525で確立されたメッシュ、および第二の構成要素の受信した有限要素モデルを使用して、コンピューターベースのシミュレーションを実行することによって、535で決定される。このシミュレーションでは、第二の構成要素に接触することに応答して、第一の構成要素の接触挙動を決定する。シミュレーションでは、メッシュ525の動きは、ビームノード510の動きに対応するように制約される。
【0040】
図6A~Cは、さまざまな例示的な断面形状620a、620b、620cを有する、例示的なビーム要素モデル605a、605b、605cの表現600a、600b、600cをそれぞれ示す。ビーム要素モデル605a、605b、605cは、方法500のステップ505で作成され、方法500のステップ535で接触挙動を決定するために使用される。例示的な断面形状620a、620b、620cは、角の異なる量の円形を示す。さらなるコンテキストは、
図7によって提供され、
図6Bの620bの断面形状に似た断面形状を使用して、以下に記載される。
【0041】
図6Aは、接触ノード614a-1、614a-2、614a-3、および614a-4を示す。接触ノード614a-1~614a-4は、接触エッジ617a-1、617a-2、617a-3、および617a-4によって接続され、接触エッジ617a-1は、接触ノード614a-1および614a-2を接続し、接触エッジ617a-2は、接触ノード614a-2および614a-3を接続し、接触エッジ617a-3は、接触ノード614a-3および614a-4を接続し、および接触エッジ617a-4は、接触ノード614a-4および614a-1を接続する。接触エッジ617a-1~617a-4に関するより多くのコンテキストは、
図7に示される近位接触エッジ717-1~717-4および遠位接触エッジ716-1~716-4を参照して以下に提供される。接触エッジ617a-1~617a-4によって相互接続される接触ノード614a-1~614a-4は、ビームノード610aの周りを中心として、長方形の断面形状620aに直接対応する長方形領域を画定する。
【0042】
図6Bは、接触ノード614b-1、614b-2、614b-3、614b-4を示す。接触ノード614b-1~614b-4は、接触エッジ617b-1、617b-2、617b-3、および617b-4によって接続され、接触エッジ617b-1は、接触ノード614b-1および614b-2を接続し、接触エッジ617b-2は、接触ノード614b-2および614b-3を接続し、接触エッジ617b-3は、接触ノード614b-3および614b-4を接続し、および接触エッジ617b-4は、接触ノード614b-4および614b-1を接続する。接触エッジ617b-1~617b-4に関するより多くのコンテキストは、
図7に示される近位接触エッジ717-1~717-4および遠位接触エッジ716-1~716-4に関して以下に提供される。接触エッジ617b-1~617b-4によって相互接続される接触ノード614b-1~614b-4は、
図6Bの点線内に存在するように示される長方形領域を画定する。また、接触ノード614b-1~614b-4の周りに円状に適用される角半径パラメーターも含まれる。記載されるように適用された角半径パラメーターと組み合わせた場合、点線内に示される長方形領域は、ビームノード610bの周りを中心とする丸い角620bを有する長方形断面形状をもたらす。角半径パラメーターは、表面厚さの寸法をビーム要素モデル605bに付与するために記載されるように使用され得る。
【0043】
図6Cは、接触ノード614c-1、614c-2、614c-3、614c-4を示す。接触ノード614c-1~614c-4は、接触エッジ617c-1、617c-2、617c-3、および617c-4によって接続され、接触エッジ617c-1は、接触ノード614c-1および614c-2を接続し、接触エッジ617c-2は、接触ノード614c-2および614c-3を接続し、接触エッジ617c-3は、接触ノード614c-3および614c-4を接続し、および接触エッジ617c-4は、接触ノード614c-4および614c-1を接続する。接触エッジ617c-1~617c-4に関するより多くのコンテキストは、
図7に示される近位接触エッジ717-1~717-4および遠位接触エッジ716-1~716-4を参照して以下に提供される。接触エッジ617c-1~617c-4によって相互接続される接触ノード614c-1~614c-4は、
図6Cの点線内に存在するように示される長方形領域を画定する。また、
図6Bの角半径パラメーターよりも大きい、接触ノード614c-1、614c-2、614c-3、614c-4の周りに円形状に適用される角半径パラメーターが含まれる。点線内に示される長方形領域は、記載されるように適用された角半径パラメーターと組み合わせた場合、ビームノード610cの周りを中心とする丸い角620cを有する長方形の断面形状をもたらし、丸い角は、
図6Bのそれらより大きい。角半径パラメーターは、ビーム要素モデル605cに表面厚さの寸法を付与するために、説明したように使用することができる。
図6Cの大きな角半径パラメーターは、
図6Bのそれと比較して、従って、
図6Bの表面厚さ寸法よりも、
図6Cに対するより大きな表面厚さ寸法を付与する。
【0044】
図7は、
図6Bの適度に丸い角を示す例示的ビーム要素モデル705の表現700を示す。
図7では、丸い角は、ビーム要素モデル705の表面厚さの要素を組み込む。ビーム要素モデル705は、近位ビームノード711、および近位ビームノード711から離れて位置する遠位ビームノード709に基づき構築される。対応する長手方向端部では、近位接触ノード714-1、714-2、714-3、714-4および遠位接触ノード713-1、713-2、713-3、713-4が示される。
【0045】
接触エッジ、具体的には、長手方向接触エッジ718-1、718-2、718-3、718-4は、それぞれ対応する近位714-1、714-2、714-3、714-4および遠位713-1、713-2、713-3、713-4接触ノードを接続する
図7に見ることができる。さらに、表現700は、追加の接触エッジ、特に、近位接触ノード714-1、714-2、714-3、および714-4を接続する、近位接触エッジ717-1、717-2、717-3、および717-4を含む。特に、接触エッジ717-1は、接触ノード714-1および714-2を接続し、接触エッジ717-2は、接触ノード714-2および714-3を接続し、接触エッジ717-3は、接触ノード714-3および714-4を接続し、および接触エッジ717-4は、接触ノード714-4および714-1を接続する。同様に、表現700は、追加の接触エッジ、特に、遠位接触ノード713-1、713-2、713-3、および713-4を接続する、遠位接触エッジ716-1、716-2、716-3、および716-4を含む。接触エッジ716-1は、接触ノード713-1および713-2を接続し、接触エッジ716-2は、接触ノード713-2および713-3を接続し、接触エッジ716-3は、接触ノード713-3および713-4を接続し、および接触エッジ716-4は、接触ノード713-4および713-1を接続する。
【0046】
接触面、具体的には、長手方向接触面722-1、722-2、722-3、722-4が
図7に示さ、接触ノードとエッジのセットの間に、以下のように形成される{エッジ717-1、718-2、716-1、718-1によって接続される、ノード714-1、714-2、713-2、713-1によって形成される、面722-1}、{エッジ717-2、718-3、716-2、718-2によって接続される、ノード714-2、714-3、713-3、713-2によって形成される、面722-2}、{エッジ717-3、718-4、716-3、718-3によって接続される、ノード714-3、714-4、713-4、713-3によって形成される、面722-3}、および{エッジ717-4、718-1、716-4、718-4によって接続される、ノード714-4、714-1、713-1、713-4によって形成される、面722-4}。
【0047】
また、
図7の表現700において、ユーザーが指定した長方形の近位断面形状720および遠位断面形状719に従ってそれぞれ描かれている、追加の接触面、特に近位接触面724および遠位接触面723が、それぞれのビームノード711および709と同一平面上にある。近位接触面724は、エッジ717-1、717-2、717-3、717-4によって接続されるノード714-1、714-2、714-3、714-4によって形成される。遠位接触面723は、エッジ716-1、716-2、716-3、716-4によって接続されるノード713-1、713-2、713-3、713-4によって形成される。
【0048】
方法500のステップ515に従って生成され得る接触エンティティは、近位接触ノード714-1、714-2、714-3、714-4および遠位接触ノード713-1、713-2、713-3、713-4;長手方向接触エッジ718-1、718-2、718-3、718-4、近位接触エッジ717-1、717-2、717-3、717-4、および遠位接触エッジ716-1、716-2、716-3、716-4;および長手方向接触面722-1、722-2、722-3、722-4、近位接触面724、および遠位接触面723を含むように表現700に示され、これらは全て上で詳述した通りである。
【0049】
さらに、丸い角は、
図6Bを参照して上で紹介したように、角半径パラメーターを含めることによって、断面形状720、719に組み込まれている。角半径パラメーターは、ビーム要素モデル705の表面厚さを指令する。このように、接触エッジ718-1、718-2、718-3、718-4は、ビーム要素モデル705の表面に沿った位置を表すのではなく、むしろ、断面形状719、720に適用され、接触ノード714-1、714-2、714-3、714-4、713-1、713-2、713-3、713-4を中心にする角半径によって画定される円筒の中心軸を表すことができる。従って、円筒の表面の一部分は、実際にビーム要素モデル705の表面の少なくとも一部分を表し得る。本開示によると、
図3Cのメッシュ300cのようにメッシュは、例えば、自動生成された接触エンティティ515、例えば、接触エンティティ714-1、714-2、714-3、714-4、713-1、713-2、713-3、713-4、718-1、718-2、718-3、718-4、717-1、717-2、717-3、717-4、716-1、716-2、716-3、716-4、722-1、722-2、722-3、722-4、724、723に基づき、ビーム要素モデル、例えばモデル705を囲んで、生成され得る。次に、メッシュの動きは、例えば、自動的に生成された接触エンティティ515に基づき、
図5の方法500のステップ535に従って、ビーム要素モデル705の動きに従うように制約され得る。
【0050】
図8Aは、Lビームとして一般的に知られているビームのタイプのための例示的なビーム要素モデル805aの表現800aを示し、L字型断面形状820a、819aが指定される。表現800aは、実施形態を使用して作成およびモデル化され得るビームモデルの一例に過ぎないが、他の例示的なビームタイプが、IビームおよびUビームを含み(ただし、これに限定されない)、同様に表され得る。ビーム要素モデル805aは、ビーム805aの両側の長手方向端に示される、近位ビームノード811aおよび遠位ビームノード809aに基づき構築される。対応する長軸方向端部では、近位接触ノード814a-1、814a-2、814a-3、814a-4、814a-5、814a-6、および遠位接触ノード813a-1、813a-2、813a-3、813a-4、813a-5、813a-6が示される。
【0051】
接触エッジ、具体的には、長手方向接触エッジ818-1、818-2、818-3、818-4、818-5、818-6は、対応する近位814a-1、814a-2、814a-3、814a-4、814a-5、814a-6および遠位813a-1、813a-2、813a-3、813a-4、813a-5、813a-6接触ノードをそれぞれ接続する、
図8Aにみられる。さらに、表現800aは、追加的な接触エッジ、特に、近位接触ノード814a-1、814a-2、814a-3、814a-4、814a-5、および814a-6を接続する、近位接触エッジ817a-1、817a-2、817a-3、817a-4、817a-5、および817a-6を含む。特に、接触エッジ817a-1は、接触ノード814a-1および814a-2を接続し、接触エッジ817a-2は、接触ノード814a-2および814a-3を接続し、接触エッジ817a-3は、接触ノード814a-3および814a-4を接続し、接触エッジ817a-4は、接触ノード814a-4および814a-5を接続し、接触エッジ817a-5は、接触ノード814a-5および814a-6を接続し、および接触エッジ817a-6は、接触ノード814a-6および814a-1を接続する。同様に、表現800aは、追加の接触エッジ、特に、遠位接触ノード813a-1、813a-2、813a-3、813a-4、813a-5、および813a-6を接続する、遠位接触エッジ816a-1、816a-2、816a-3、816a-4、816a-5、および816a-6を含む。接触エッジ816a-1は、接触ノード813a-1および813a-2を接続し、接触エッジ816a-2は、接触ノード813a-2および813a-3を接続し、接触エッジ816a-3は、接触ノード813a-3および813a-4を接続し、接触エッジ816a-4は、接触ノード813a-4および813a-5を接続し、接触エッジ816a-5は、接触ノード813a-5および813a-6を接続し、および接触エッジ816a-6は、接触ノード813a-6および813a-1を接続する。
【0052】
接触面、具体的には長手方向接触面822-1、822-2、822-3、822-4、822-5、822-6が
図8Aに示され、次のように接触ノードのセット間で形成される{エッジ817a-1、818-2、816a-1、818-1によって接続されるノード814a-1、814a-2、813a-2、813a-1によって形成される面822-1}、{エッジ817a-2、818-3、816a-2、818-2によって接続されるノード814a-2、814a-3、813a-3、813a-2によって形成される面822-2}、{エッジ817a-3、818-4、816a-3、818-3によって接続されるノード814a-3、814a-4、813a-4、813a-3によって形成される面822-3}、{エッジ817a-4、818-5、816a-4、818-4によって接続されるノード814a-4、814a-5、813a-5、813a-4によって形成される面822-4}、{エッジ817a-5、818-6、816a-5、818-5によって接続されるノード814a-5、814a-6、813a-6、813a-5によって形成される面822-5}、および{エッジ817a-6、818-1、816a-6、818-6によって接続されるノード814a-6、814a-1、813a-1、813a-6によって形成される面822-6}。
【0053】
また、
図8Aの表示800aに示すように、ユーザーが指定したLビーム近位断面形状820aおよび遠位断面形状819aに従ってそれぞれ描かれる、追加の接触面、具体的には、近位接触面824aおよび遠位接触面823aが、それぞれのビームノード811a、809aに同一平面上にある。近位接触面824aは、エッジ817a-1、817a-2、817a-3、817a-4、817a-5、817a-6によって接続される、ノード814a-1、814a-2、814a-3、814a-4、814a-5、814a-6によって形成される。遠位接触面823aは、エッジ816a-1、816a-2、816a-3、816a-4、816a-5、816a-6によって接続される、ノード813a-1、813a-2、813a-3、813a-4、813a-5、813a-6によって形成される。
【0054】
図8Aは、方法500のステップ515に従って生成され得る例示的な接触エンティティ、特に、近位接触ノード814a-1、814a-2、814a-3、814a-4、814a-5、814a-6および遠位接触ノード813a-1、813a-2、813a-3、813a-4、813a-5、813a-6;長手方向接触エッジ818-1、818-2、818-3、818-4、818-5、818-6、近位接触エッジ817a-1、817a-2、817a-3、817a-4、817a-5、817a-6、および遠位接触エッジ816a-1、816a-2、816a-3、816a-4、816a-5、816a-6;および長手方向接触面;822-1、822-2、822-3、822-4、822-5、822-6、近位接触面824a、および遠位接触面823a、を示し、これらは全て上で詳述した通りである。
【0055】
加えて、丸い角が、
図6Bおよび7を参照して上述したように、角半径パラメーターを含めることによって、断面形状820a、819aに組み込まれている。角半径パラメーターは、ビーム要素モデル805aの表面厚さを指令する。このように、接触エッジ818-1、818-2、818-3、818-4、818-5、818-6は、ビーム要素モデル805aの最も外側の末端ではなく、むしろ、接触ノード814a-1、814a-2、814a-3、814a-4、814a-5、814a-6、813a-1、813a-2、813a-3、813a-4、813a-5、813a-6を中心にする断面形状820a、819aに適用される角半径によって画定される、円筒の中心軸を表し得る。従って、円筒の表面の一部分は、実際にビーム要素モデル805aの表面の少なくとも一部分を表し得る。本開示によると、
図3Cのメッシュ300などのメッシュは、自動的に生成された接触エンティティ515、例えば、接触エンティティ814a-1、814a-2、814a-3、814a-4、814a-5、814a-6、813a-1、813a-2、813a-3、813a-4、813a-5、813a-6、818-1、818-2、818-3、818-4、818-5、818-6、817a-1、817a-2、817a-3、817a-4、817a-5、817a-6、816a-1、816a-2、816a-3、816a-4、816a-5、816a-6、822-1、822-2、822-3、822-4、822-5、822-6、824a、823aに基づき、ビーム要素モデル、例えば、モデル805aを囲んで生成され得る。次に、メッシュの動きは、例えば、自動的に生成された接触エンティティ515に基づき、
図5の方法500のステップ535に従って、ビーム要素モデル805aの動きに従うように制約され得る。
【0056】
図8Bは、ツイスト事象を受けた後、
図8Aのビーム要素モデル805aを表す例示的なビーム要素モデル805bの操作表現800bを示す。自動生成された接触エンティティ814b-1、814b-2、814b-3、814b-4、814b-5、814b-6、813b-1、813b-2、813b-3、813b-4、813b-5、813b-6、817b-1、817b-2、817b-3、817b-4、817b-5、817b-6、816b-1、816b-2、816b-3、816b-4、816b-5、816b-6、824b、823bの動きは、シミュレーション中、
図8Aの表現800aのビューのビームノード811aに対してある量だけ少なくとも回転される、ビームノード811bなどのビームノードの並進および回転によって決定される。ビームノード811bを含む近位接触面824bは、前述のビームノード811bの周りで、ある量だけ回転されたように、
図8Bに示す。長手方向接触エッジは図の他の要素の視認性を維持するため、
図8Bに示されない、およびそのため長手方向接触エッジが
図8Bに明示的に示されない。ビーム要素モデル805bは、ビーム805bの両側の長手方向端に示されるように、近位ビームノード811bおよび遠位ビームノード809bに基づき構築される。対応する長軸方向端では、近位接触ノード814b-1、814b-2、814b-3、814b-4、814b-5、814b-6、および遠位接触ノード813b-1、813b-2、813b-3、813b-4、813b-5、813b-6が示される。
【0057】
表現800bは、接触エッジ、特に、近位接触ノード814b-1、814b-2、814b-3、814b-4、814b-5、および814b-6を接続する、近位接触エッジ817b-1、817b-2、817b-3、817b-4、817b-5、および817b-6を含む。特に、接触エッジ817b-1は、接触ノード814b-1および814b-2を接続し、接触エッジ817b-2は、接触ノード814b-2および814b-3を接続し、接触エッジ817b-3は、接触ノード814b-3および814b-4を接続し、接触エッジ817b-4は、接触ノード814b-4および814b-5を接続し、接触エッジ817b-5は、接触ノード814b-5および814b-6を接続し、および接触エッジ817b-6は、接触ノード814b-6および814b-1を接続する。同様に、表現800bは、追加の接触エッジ、特に、遠位接触ノード813b-1、813b-2、813b-3、813b-4、813b-5、および813b-6を接続する、遠位接触エッジ816b-1、816b-2、816b-3、816b-4、816b-5、および816b-6を含む。接触エッジ816b-1は、接触ノード813b-1および813b-2を接続し、接触エッジ816b-2は、接触ノード813b-2および813b-3を接続し、接触エッジ816b-3は、接触ノード813b-3および813b-4を接続し、接触エッジ816b-4は、接触ノード813b-4および813b-5を接続し、接触エッジ816b-5は、接触ノード813b-5および813b-6を接続し、および接触エッジ816b-6は、接触ノード813b-6および813b-1を接続する。
【0058】
接触面、具体的には、近位接触面824bおよび遠位接触面823bは、ユーザー指定のLビーム近位断面形状820bおよび遠位断面形状819bに従って、
図8Bに示される。近位接触面824bは、エッジ817b-1、817b-2、817b-3、817b-4、817b-5、817b-6によって接続される、ノード814b-1、814b-2、814b-3、814b-4、814b-5、815b-6によって形成される。遠位接触面823bは、エッジ816b-1、816b-2、816b-3、816b-4、816b-5、816b-6によって接続される、ノード813b-1、813b-2、813b-3、813b-4、813b-5、813b-6によって形成される。
【0059】
方法500のステップ515に従って生成され得る接触エンティティは、表現800bに示される。特に、
図8Bの接触エンティティは、近位接触ノード814b-1、814b-2、814b-3、814b-4、814b-5、814b-6および遠位接触ノード813b-1、813b-2、813b-3、813b-4、813b-5、813b-6;近位接触エッジ817b-1、817b-2、817b-3、817b-4、817b-5、817b-6、および遠位接触エッジ816b-1、816b-2、816b-3、816b-4、816b-5、816b-6;および近位接触面824b、遠位接触面823bを含み、全て上記に参照される。長手方向接触エッジ818-1、818-2、818-3、818-4、818-5、818-6、および長手方向接触面822-1、822-2、822-3、822-4、822-5、822-6は、
図8Bに示されない。
【0060】
図9は、別個の第一および第二のビーム要素モデル905および906を含む、例示的なCADモデル900を示す。各ビーム要素モデル905、906は、各ビーム要素モデル905、906内に図示された見かけの複数の異種のビーム要素配向によって画定される複数の接続部品(部分)を有するように
図9に示される。また、
図9は、モデル化された長方形固体907の例も示す。当業者がビーム要素として考慮しないであろう任意の形状によって特徴付けられる任意の固体は、ビーム要素との接触事象のシミュレーションのためにそのようにモデル化され得る。また、
図9は、第一のビーム要素モデル905と第二のビーム要素モデル906との間の接触点956、第一のビーム要素モデル905と長方形固体907との間の二つの接触点957-1、957-2、および第二のビーム要素モデル906と長方形固体907との間の接触点967を示す。
【0061】
本明細書に記載の実施形態を利用して、ビーム905および906の挙動をモデル化し、シミュレートし得る。一実施形態では、接触エンティティは、互いに、または他の物体または本体と相互作用し得るビーム905および906の部分について、本明細書に記載される実施形態を使用して、自動的に生成される。言い換えれば、実施形態は、接点956、957-1、957-2、および967に関与するビーム905および906の一部をモデル化およびシミュレートするために使用され得る。さらに、実装は、接触に関与しないビーム905および906の部分に対して既存の方法を使用する一方で、接触956、957-1、957-2、および967に関与するビーム905および906の一部をモデル化およびシミュレートするために、例えば、方法500など、本明細書に記載の方法を利用し得る。
【0062】
例えば、
図9の左上のビーム要素モデル905のビーム要素902は、他の物体またはビーム要素モデルと接触することほど近いものではない。実施例の実装は、こうした領域(シミュレーション中にしばしば進化する)を特定し、ビーム要素モデル905の部分902が、接触エンティティが自動生成されない既存の方法を用いてモデル化され、ビーム要素モデル905の他の部分が本明細書に記載の方法を用いてモデル化されるシミュレーションを実施することができる。このようにして、実施形態は、計算性能を向上させ、接触に関与しない領域(接触点956、957-1、957-2、および967)において、より詳細な表面表現を含む計算をバイパスする接触挙動を決定するためのシミュレーションを実施することができる。
【0063】
前述のさまざまな非限定的な実施例によって図示されるように、実施形態の自動生成された接触エンティティは、モデル化された物体挙動のシミュレーションの目的で、モデル上の潜在的な接触点を画定するか、またはそうでなければそれとして論理的に機能する。こうした画定された点は、これまで当技術分野で達成されなかったシミュレーションの精度を増大させる。
【0064】
図10Aは、ビーム要素モデル1005a-1および1005a-2によってそれぞれモデル化されたピンセット先端セグメントなどのビームセグメントを含む、一対のピンセット1007のモデルを含む、例示的なCADモデル1000aを示す。例示的なモデル1000aは、ビーム要素モデル1006aによって表される別個の単数ビームを含む。本発明の実施形態は、モデル1005a-1および1005a-2によって表されるピンセット1007先端とビーム要素モデル1006aとの間の接触をシミュレートするために利用され得る。
【0065】
図10Bは、
図10Aの例示的なCADモデル1000aの別のビュー1000bを示し、ここで、モデルを示す表示は、ズーム設定を介して、ピンセット先端のそれぞれのビーム要素モデル1005b-1、1005b-2と単数ビームのビーム要素モデル1006bの間のインターフェイス1056-1、1056-2の領域を示すよう構成されている。
図10Bは、単数ビーム1006bのビーム要素モデルが、六角形断面形状1020を組み込むことがわかる。ピンセット先端のビーム要素モデル1005b-1、1005b-2は、長方形の断面形状を有するものと想定される。こうした断面形状は、図に明示的かつ完全には示されていないが、1000bの斜視図を考慮すると、ピンセット先端のビーム要素モデル1005b-1、1005b-2の隣接する表面間の見かけの直角から推測することができる。
【0066】
モデル1000aおよび1000bは、実施形態の利点および利点を示す。例示するために、単数ビーム要素モデル1006bが、その断面積に中心であり、その断面に垂直な軸の周りを回転するように構成されることを想像し、一方、ピンセット先端のビーム要素モデル1005b-1、1005b-2は、単数ビーム要素モデル1006bに向かって相互に圧縮し、最終的に接触するように構成される。こうした状態では、ピンセット先端は、単数ビーム要素の端部をつまむと理解され得る。単数ビーム要素の六角形断面形状1020の少なくとも第一の頂点が、単数ビーム要素モデル1006bの回転中に、ピンセット先端のビーム要素モデル1005b-1、1005b-2と接触するにつれて、ピンセット先端のビーム要素モデル1005b-1、1005b-2の動きのたわみが予想される。ピンセット先端の間の単数ビーム要素のピンチを維持するように、例示的なモデルのピンセット1007に充分なばね抵抗が組み込まれている仮定して、単数ビーム要素モデル1006bが回転し続け、かつ六角形断面形状1020の頂点がピンセット先端のビーム要素モデル1005b-1、1005b-2の間を通過するにつれて、ピンセット先端のビーム要素モデル1005b-1、1005b-2によって跳ね返り効果が現れることが予期される。
【0067】
単数ビーム要素モデル1006bの六角形断面形状1020に関与する接触事象が、全てのビームが円形断面領域を有するとして扱われる既存の方法を使用してシミュレーションされた場合、そのようなシミュレーションは、単数ビーム要素モデル1006bがピンセット先端のビーム要素モデル1005b-1、1005b-2の間で回転するとき、ピンセット先端のビーム要素モデル1005b-1、1005b-2における動きまたは跳ね返りの任意のかなりの量の偏向を予測できないであろうことが、
図10Bによって明らかにされる。
【0068】
さらに、ピンセット先端のビーム要素モデル1005b-1、1005b-2の断面形状が上述のように長方形である場合、ピンセット先端のビーム要素モデル1005b-1、1005b-2は、同様に、既存の方法を使用して実装された接触シミュレーションにおいて円形の断面積を有するものとして扱われるであろう。既存の方法は、各ビーム要素モデル1005b-1、1005b-2の長方形の断面の周りの円形の領域を割ることによって接触計算のための円形の断面を確立し、それによって、考慮されるそれぞれの断面領域を拡大する。結果として、既存の方法を使用して、ビーム要素モデル1005b-1、1005b-2に関与する接触シミュレーションは、物理的に発生しない接触事象を識別することになる。言い換えれば、既存の方法を使用して、インターフェイス1056-1、1056-2の領域は、人工的に大きく見え、シミュレーションを不正確にするであろう。このように、本明細書に記載の方法およびシステムは、関与するビーム要素モデルの真の断面形状を考慮することによって、既存の方法を使用して実装された、接触シミュレーションの精度を高めた接触シミュレーションをサポートする。
【0069】
中央差分時間積分を伴う動的事象の構造シミュレーションは、非常に小さな時間増分またはステップサイズを必要とし、従って例えば、少なくとも100,000の増分またはステップをしばしば必要とする。シミュレーションは、例えば、1000万個のオーダーの接触ノード、エッジ、および面の数を伴うことが多い。特許請求される方法、システム、および製品は、接触エンティティのどの組み合わせがアクティブに接触しているか、およびどの接触力が各増分またはステップで生成されるべきかの効率的な決定を可能にすることによって、合理的なシミュレーション実行時間を提供する。特許請求される方法、システム、および製品は、各接触エンティティに、効率的かつ並列可能なプロセスを促進する特性を付与する。例えば、特許請求される方法、システム、および製品は、コード開発およびメンテナンスが、エンティティのいくつかのタイプの組み合わせに集中できるように、接触エンティティのタイプの総数を小さく保つ。
【0070】
図11は、本開示の実施形態が実施され得る、コンピューターネットワークまたは同様のデジタル処理環境を示す。
【0071】
クライアントコンピューター/デバイス50およびサーバーコンピューター60は、アプリケーションプログラムおよび類似のものを実行する、処理、記憶および入出力デバイスを提供する。クライアントコンピューター/デバイス50は、通信ネットワーク70を介して、他のクライアントデバイス/プロセス50およびサーバーコンピューター60を含む、他のコンピューティングデバイスにリンクできる。通信ネットワーク70は、リモートアクセスネットワーク、グローバルネットワーク(例えば、インターネット)、コンピューターの世界的な集合体、ローカルエリアまたはワイドエリアネットワーク、および互いに通信するために、現在それぞれのプロトコル(TCP/IP、Bluetooth(登録商標)など)を使用するゲートウェイの一部であり得る。他の電子デバイス/コンピューターネットワークアーキテクチャーも好適である。
【0072】
図12は、
図11のコンピューターシステムにおけるコンピューター(例えば、クライアントプロセッサー/デバイス50またはサーバーコンピューター60)の例示的な内部構造の図である。各コンピューター50、60は、システムバス79を包含し、バスは、コンピューターまたは処理システムの構成要素間のデータ転送に使用される、一連のハードウェアラインである。システムバス79は本質的に、要素間の情報転送を可能なコンピューターシステム(例えば、プロセッサー、ディスクストレージ、メモリー、入出力ポート、ネットワークポートなど)の異なる要素を接続する、共有導管である。システムバス79に取り付けられるのは、さまざまな入出力デバイス(例えば、キーボード、マウス、ディスプレイ、プリンター、スピーカーなど)をコンピューター50、60に接続するための、I/Oデバイスインターフェイス82である。ネットワークインターフェイス86によって、コンピューターが、ネットワーク(例えば、
図11のネットワーク70)に取り付けられる、さまざまな他のデバイスに接続することが可能になる。メモリー90は、本開示の実施形態、例えば、方法500を実施するために使用され、および上で論じたグラフィカルユーザーインターフェイスを支持する、コンピューターソフトウェア命令92(
図12にコンピューターソフトウェア命令92Aおよび92Bとして示される)、およびデータ94のための揮発性ストレージを提供する。ディスクストレージ95は、本開示の実施形態を実施するために使用される、コンピューターソフトウェア命令92およびデータ94のための不揮発性ストレージを提供する。中央処理装置84がシステムバス79に接続され、コンピューター命令の実行を提供する。
【0073】
一実施形態では、プロセッサールーチン92およびデータ94は、実施形態のソフトウェア命令の少なくとも一部分を提供する、非一時的コンピューター可読媒体(例えば、一つまたは複数のDVD-ROM、CD-ROM、ディスケット、テープなど)などの取り外し可能な記憶媒体)を含むコンピュータープログラム製品(全体的に92で参照される)である。コンピュータープログラム製品92は、当技術分野において周知のように、任意の好適なソフトウェアインストール手順によってインストールすることができる。別の実施形態では、ソフトウェア命令の少なくとも一部分は、ケーブル、通信および/または無線接続でダウンロードされ得る。他の実施形態では、プロセッサールーチン92およびデータ94は、伝搬媒体(例えば、電波、赤外線波、レーザー波、音波、またはインターネットやその他のネットワークなどのグローバルネットワークを介して伝播される電気波)上の伝搬信号で具現化されたコンピュータープログラム伝搬信号生成物である。)。そのようなキャリア媒体または信号は、現在のプロセッサールーチン/プログラム92およびデータ94のためのソフトウェア命令の少なくとも一部分を提供するために使用され得る。
【0074】
特許請求される方法、システム、および製品によって提供される利点は、少なくとも部分的には、CADビーム要素モデルの接触エンティティのコンピューター実装による決定による、ビーム要素を含む接触事象のより正確なモデリングを含む。接触事象の影響をモデル化するために、具体的に、ソフトウェアによって生成されるビーム幾何学的形状の外面表現を有することは、結果として得られる表面表現が、性能、堅牢性、正確性、および保守性に関して接触シミュレーションに好適であることを保証するのに役立つ。ユーザーは、実装する時間と費用などの一般的な制約、ならびにソフトウェアによってモデル化された多くの現実世界の物体に固有の複雑さを考慮すると、ヒューマンエラーの大きな可能性のため、CADソフトウェア内で類似の外面表現を手動で構築ことに、通常、意欲をそがれるであろう。特許請求される方法、システム、および製品は、このような意欲をくじくものおよび人的エラーの可能性を効果的に排除し、ユーザーが、実際の製品設計設定内で、これまで実現不可能または達成不可能であった利益を実現および構築することを可能にする。
【0075】
さらに、オリジナルのビーム表現と自動生成された詳細な外面表現との間の関連付けは、性能を最適化するのに役立ち得る。特定の領域内で自動的に生成される接触エンティティを考慮する必要があるのみであるが、親ビーム要素が、粗スクリーニング方法に基づき、接触に関与する可能性があると判断される。
【0076】
例示的な実施形態が特に示され、説明されるが、当業者には、添付の特許請求の範囲に含まれる実施形態の範囲から逸脱することなく、形態および詳細のさまざまな変更を行うことができることが理解される。例えば、実施においては、操作が実施される順序を変更し得る。さらに、実施の必要に応じて、本明細書に記載の特定の操作は、組み合わされた操作として実施されてもよく、無くしてもよく、追加されてもよく、またはその他の方法で再配置し得る。さらに、マウスに関連する特定のユーザーインターフェイス操作(例えば、クリック、ドラッグ、ドロップ、など)は、例示のためのものであり、限定するものではない。モデルまたは設計データの選択、移動、配置などのための他のユーザーインターフェイス操作が適切である。
【符号の説明】
【0077】
100 モデル
105a 構成要素
105b 構成要素
105c 構成要素
105d 構成要素
105e 構成要素
108a エッジ
108b エッジ
108c エッジ
108d エッジ
108e エッジ
110a ノード
110b ノード
110c ノード
110d ノード
110e ノード
110f ノード
120a 断面形状
120b 断面形状
120c 断面形状
120d 断面形状
120e 断面形状
120f 断面形状