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特許7460866フミン酸溶出に基づく重金属汚染土壌の修復装置および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-26
(45)【発行日】2024-04-03
(54)【発明の名称】フミン酸溶出に基づく重金属汚染土壌の修復装置および方法
(51)【国際特許分類】
   B09C 1/02 20060101AFI20240327BHJP
   B09C 1/08 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
B09C1/02
B09C1/08
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023212587
(22)【出願日】2023-12-16
【審査請求日】2023-12-16
(31)【優先権主張番号】202311668691.8
(32)【優先日】2023-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521088468
【氏名又は名称】生態環境部南京環境科学研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100216471
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬戸 麻希
(72)【発明者】
【氏名】韋▲じん▼
(72)【発明者】
【氏名】陳雲
(72)【発明者】
【氏名】王麗娜
(72)【発明者】
【氏名】王夢傑
【審査官】中田 光祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-133208(JP,A)
【文献】特開2008-55275(JP,A)
【文献】中国実用新案第211564032(CN,U)
【文献】中国実用新案第213728533(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第113210417(CN,A)
【文献】特開2005-712(JP,A)
【文献】米国特許第10456817(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B09C 1/02
B09C 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動篩(1)および溶出バケット(2)から構成され、
前記振動篩(1)の底部側に設けられた泥排出管(11)は、前記溶出バケット(2)の
頂部側に設けられた給料ホッパー(3)とドッキングされ、前記泥排出管(11)は前記
給料ホッパー(3)の上方に位置し、前記給料ホッパー(3)の内壁の前記泥排出管(1
1)が所在する側の中部に分注口(31)が設けられ、前記分注口(31)の直下の前記
溶出バケット(2)の頂部にメインスロット(21)が設けられ、前記メインスロット(
21)の内部にサンプリングボトル(4)が摺動可能に設けられ、前記サンプリングボト
ル(4)の頂部の縁の前記泥排出管(11)が所在する側に主バネ軸(41)が設けられ
、前記サンプリングボトル(4)の頂部の縁の両側に前記主バネ軸(41)に対して副バ
ネ軸(42)が対称的に設けられ、前記主バネ軸(41)上に、前記サンプリングボトル
(4)の頂部の開口をシールしてドッキングするためのシール板(43)が固定的に設け
られ、前記副バネ軸(42)上に、前記サンプリングボトル(4)を前記メインスロット
(21)の内部に固定するための固定板(44)が設けられ、前記溶出バケット(2)の
頂部の前記メインスロット(21)に対応する両側に、それぞれ前記固定板(44)を配
置するための副スロット(22)が設けられ、
前記溶出バケット(2)の頂部中心に攪拌モータ(5)が設けられ、前記攪拌モータ(5
)の底部出力端に前記溶出バケット(2)を貫通する攪拌軸(51)が設けられ、前記攪
拌軸(51)に、上から下へ複数組の攪拌ロッドセット(52)が設けられ、前記攪拌軸
(51)の最上方の1組の攪拌ロッドセット(52)の上方に連結ロッド(53)が設け
られ、前記連結ロッド(53)の端部に回転軸(54)が回転可能に接続され、前記回転
軸(54)の端部に、前記サンプリングボトル(4)を載置するための載置スロット(5
5)が設けられ、前記サンプリングボトル(4)が前記メインスロット(21)の内部に
固定された場合、前記サンプリングボトル(4)が前記載置スロット(55)の真上に位
置し、前記載置スロット(55)の外側壁の前記泥排出管(11)が所在する側にギアシ
ャフト(56)が設けられ、前記ギアシャフト(56)は前記溶出バケット(2)の内壁
に設けられたギアディスク(23)と噛み合わされ、前記サンプリングボトル(4)は鉄
製であり、表面に腐食防止層がコーティングされ、前記載置スロット(55)の内壁底部
は磁石製であり、
前記溶出バケット(2)の頂部に、酸補充管(24)、脱イオン水補充管(25)、アル
カリ液補充管(26)およびフミン酸補充管(27)が設けられている、
ことを特徴とするフミン酸溶出に基づく重金属汚染土壌の修復装置。
【請求項2】
前記振動篩(1)の底部四隅にそれぞれ支柱(13)が設けられ、4つの支柱(13)の
底部に可動ベース(8)が接続され、前記溶出バケット(2)が前記可動ベース(8)上
に位置し、前記振動篩(1)の一側壁の底部に砂排出管(12)が設けられ、前記サンプ
リングボトル(4)、前記メインスロット(21)、前記載置スロット(55)の断面形
状はいずれも円形であり、前記溶出バケット(2)の側壁にサンプリング口(28)が設
けられ、前記サンプリングボトル(4)が前記攪拌軸(51)および前記ギアシャフト(
56)の共同作用下で前記サンプリング口(28)の位置まで移動すると、前記サンプリ
ングボトル(4)の開口方向が垂直上方であり、前記シール板(43)の内壁に封止プラ
グ(45)が設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載のフミン酸溶出に基づく重金
属汚染土壌の修復装置。
【請求項3】
前記分注口(31)に摺動ストッパー(6)が設けられ、前記給料ホッパー(3)の外側
壁の前記分注口(31)に対応する両側にそれぞれ固定ブロック(32)が設けられ、前
記固定ブロック(32)の内側壁に摺動溝(33)が設けられ、前記摺動ストッパー(6
)の両側にそれぞれスライダ(61)が設けられ、前記スライダ(61)は前記摺動溝(
33)と1対1で対応して摺動可能に接続され、2つの前記固定ブロック(32)の頂部
間に第1制限ブロック(34)が設けられ、2つの前記固定ブロック(32)の底部間に
第2制限ブロック(35)が設けられ、前記摺動ストッパー(6)は鉄製であり、表面に
腐食防止層がコーティングされ、前記第1制限ブロック(34)は磁石製である、ことを
特徴とする請求項1に記載のフミン酸溶出に基づく重金属汚染土壌の修復装置。
【請求項4】
前記溶出バケット(2)の頂部の側壁の前記泥排出管(11)に対応する下方位置にL字
形のロッド(29)が設けられ、前記サンプリングボトル(4)が前記メインスロット(
21)の内部に固定された場合、前記L字形のロッド(29)端部が前記シール板(43
)の端部に接触して前記シール板(43)を開き、摺動ストッパー(6)の底部中心に制
限ロッド(62)が設けられ、前記サンプリングボトル(4)が前記メインスロット(2
1)の内部に固定された場合、前記制限ロッド(62)が前記シール板(43)の一側に
位置し、サンプリングボトル(4)に600~800mlフミン酸溶液が入れられ、土壌
が前記サンプリングボトル(4)に落下し、土壌とフミン酸溶液の固液比が1g:16m
Lに達すると、サンプリングボトル(4)の総重量が前記副バネ軸(42)の重量限界に
達し、サンプリングボトル(4)が落下し、サンプリングボトル(4)が落下するとき、
前記シール板(43)が主バネ軸(41)の作用下で反発しながら前記制限ロッド(62
)に衝突し、前記摺動ストッパー(6)を前記第1制限ブロック(34)から分離させて
前記摺動ストッパー(6)を前記第2制限ブロック(35)と相互接触するように摺動さ
せる、ことを特徴とする請求項3に記載のフミン酸溶出に基づく重金属汚染土壌の修復装
置。
【請求項5】
前記攪拌ロッドセット(52)は3~6組あり、各組の攪拌ロッドセット(52)は2~
5本の攪拌棒を含み、前記溶出バケット(2)の側壁に排出管(7)が設けられる、こと
を特徴とする請求項1に記載のフミン酸溶出に基づく重金属汚染土壌の修復装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載のフミン酸溶出に基づく重金属汚染土壌の修復装置に
基づくフミン酸溶出に基づく重金属汚染土壌の修復方法であって、
S1、篩分け:重金属汚染土壌を前記振動篩(1)によって破砕し篩分け、前記泥排出管
(11)を介して粒径<5mmの土壌を排出し、土壌を前記給料ホッパー(3)に落入さ
せるステップと、
S2、分注:土壌が前記給料ホッパー(3)を介して前記溶出バケット(2)に落入する
過程で、一部の土壌が分注口(31)から前記サンプリングボトル(4)に落入し、前記
溶出バケット(2)と前記サンプリングボトル(4)に調製されたフミン酸溶液が事前に
添加され、調製されたフミン酸溶液のpH値が7であり、質量濃度が10g/Lであり、
前記サンプリングボトル(4)中の土壌とフミン酸溶液が予め設定された固液比1g:1
6mLに達したとき、前記サンプリングボトル(4)の総重量も前記副バネ軸(42)の
重量限界に達し、前記サンプリングボトル(4)が落下し始め、2つの前記副バネ軸(4
2)が2つの前記固定板(44)を収縮させるように駆動し、前記主バネ軸(41)が前
記シール板(43)を反発して前記サンプリングボトル(4)の開口を封止し、その後前
記サンプリングボトル(4)が前記載置スロット(55)内に落入して固定されるステッ
プと、
S3、溶出:前記溶出バケット(2)の内部土壌とフミン酸溶液が予め設定された固液比
1g:16mLに達するまで、土壌が前記給料ホッパー(3)を介して前記溶出バケット
(2)に落入し続け、その後前記攪拌モータ(5)を起動して前記攪拌軸(51)を回転
させ、同時に前記攪拌ロッドセット(52)を駆動して前記溶出バケット(2)の内部土
壌とフミン酸溶液を攪拌し、溶出バケット(2)の内部土壌の溶出を実現すると同時に、
前記連結ロッド(53)の回転下で前記載置スロット(55)と前記サンプリングボトル
(4)を移動させるように駆動し、前記ギアシャフト(56)が前記ギアディスク(23
)と噛み合って回転し、前記サンプリングボトル(4)を連続的に反転させ、サンプリン
グボトル(4)の内部土壌とフミン酸溶液を十分に接触させ、サンプリングボトル(4)
の内部土壌の溶出を実現するステップと、
S4、パラメータ調整:ステップS3の溶出工程を30min実行した後、前記サンプリ
ングボトル(4)中の溶出後の土壌を取り出し、溶出後の土壌中の重金属を検出し、検出
結果に基づいてフミン酸溶液のpH値および土壌とフミン酸溶液の固液比を調整し、前記
溶出バケット(2)の内部フミン酸溶液のpH値を調整する必要がある場合、酸またはア
ルカリ液を添加し、前記溶出バケット(2)の内部土壌とフミン酸溶液の固液比を調整す
る必要がある場合、フミン酸溶液を添加し、前記溶出バケット(2)の内部フミン酸溶液
の質量濃度を調整する必要がある場合、脱イオン水を添加し、調整が完了した後、前記溶
出バケット(2)の内部細粒土壌を1~2h溶出し、重金属汚染土壌の修復を完了するス
テップと、を含む、ことを特徴とするフミン酸溶出に基づく重金属汚染土壌の修復方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土壌重金属汚染修復の技術分野に関し、具体的にフミン酸溶出に基づく重金属
汚染土壌の修復装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
土壌中のヒ素(As)やカドミウム(Cd)等の重金属の共汚染は、難分解性であると同
時に、非常に複雑で除去が困難である。そのため、産業廃棄物土壌を再利用に適したもの
にするために、産業廃棄物土壌の浄化方法を研究し、最適化することが急務となっている

土壌溶出は、土壌中の重金属汚染物質を迅速に除去し、汚染土壌の処理を短期間で完了す
ることができる。フミン酸は、微生物による動植物の遺体の分解・変質や、地球化学の一
連の過程によって生じ、蓄積される有機物質の一種である。有機酸であり、キレート剤で
あり、界面活性剤でもあり、土壌溶出剤の調製に理想的な原料である。
フミン酸を用いた土壌重金属溶出修復工程では、最適な溶出条件を選別し、工程全体を短
時間で行い、高い溶出効率を得る必要がある。既存の技術では、フミン酸濃度、フミン酸
pHおよび汚染土壌とフミン酸溶液固液比を正確に調整できる実施装置が不足している。
【発明の概要】
【0003】
上記問題点を鑑み、本発明は、フミン酸溶出に基づく重金属汚染土壌の修復装置および方
法を提供する。
本発明の技術的解決策は以下のとおりである。
フミン酸溶出に基づく重金属汚染土壌の修復装置は、振動篩および溶出バケットから構成
され、前記振動篩の底部側に設けられた泥排出管は、前記溶出バケットの頂部側に設けら
れた給料ホッパーとドッキングされ、前記泥排出管は前記給料ホッパーの上方に位置し、
前記給料ホッパーの内壁の前記泥排出管が所在する側の中部に分注口が設けられ、前記分
注口の直下の前記溶出バケットの頂部にメインスロットが設けられ、前記メインスロット
の内部にサンプリングボトルが摺動可能に設けられ、前記サンプリングボトルの頂部の縁
の前記泥排出管が所在する側に主バネ軸が設けられ、前記サンプリングボトルの頂部の縁
の両側に前記主バネ軸に対して副バネ軸が対称的に設けられ、前記主バネ軸上に、前記サ
ンプリングボトルの頂部の開口をシールしてドッキングするためのシール板が固定的に設
けられ、前記副バネ軸上に、前記サンプリングボトルを前記メインスロットの内部に固定
するための固定板が設けられ、前記溶出バケットの頂部の前記メインスロットに対応する
両側に、それぞれ前記固定板を配置するための副スロットが設けられ、
前記溶出バケットの頂部中心に攪拌モータが設けられ、前記攪拌モータの底部出力端に前
記溶出バケットを貫通する攪拌軸が設けられ、前記攪拌軸に、上から下へ複数組の攪拌ロ
ッドセットが設けられ、前記攪拌軸の最上方の1組の攪拌ロッドセットの上方に連結ロッ
ドが設けられ、前記連結ロッドの端部に回転軸が回転可能に接続され、前記回転軸の端部
に、前記サンプリングボトルを載置するための載置スロットが設けられ、前記サンプリン
グボトルが前記メインスロットの内部に固定された場合、前記サンプリングボトルが前記
載置スロットの真上に位置し、前記載置スロットの外側壁の前記泥排出管が所在する側に
ギアシャフトが設けられ、前記ギアシャフトは前記溶出バケットの内壁に設けられたギア
ディスクと噛み合わされ、前記サンプリングボトルは鉄製であり、表面に腐食防止層がコ
ーティングされ、前記載置スロットの内壁底部は磁石製であり、前記サンプリングボトル
が落入した後に前記サンプリングボトルを固定するために使用され、
前記溶出バケットの頂部に、酸補充管、脱イオン水補充管、アルカリ液補充管およびフミ
ン酸補充管が設けられる。
本発明の一側面として、前記振動篩の底部四隅にそれぞれ支柱が設けられ、4つの支柱の
底部に可動ベースが接続され、前記溶出バケットが前記可動ベース上に位置し、前記振動
篩の一側壁の底部に砂排出管が設けられ、前記サンプリングボトル、前記メインスロット
、前記載置スロットの断面形状はいずれも円形であり、前記溶出バケットの側壁にサンプ
リング口が設けられ、前記サンプリングボトルが前記攪拌軸および前記ギアシャフトの共
同作用下で前記サンプリング口の位置まで移動すると、前記サンプリングボトルの開口方
向が垂直上方であり、前記シール板の内壁に封止プラグが設けられる。可動ベースを設け
ることで、装置全体を容易に移動でき、サンプリング口を設けることで作業者がサンプリ
ングボトルを容易に取り出すことができる。
本発明の一側面として、前記分注口が摺動ストッパーによって開放または封止され、前記
給料ホッパーの外側壁の前記分注口に対応する両側にそれぞれ固定ブロックが設けられ、
前記固定ブロックの内側壁に摺動溝が設けられ、前記摺動ストッパーの両側にそれぞれス
ライダが設けられ、前記スライダは前記摺動溝と1対1で対応して摺動可能に接続され、
2つの前記固定ブロックの頂部間に第1制限ブロックが設けられ、2つの前記固定ブロッ
クの底部間に第2制限ブロックが設けられ、前記摺動ストッパーは鉄製であり、表面に腐
食防止層がコーティングされ、前記第1制限ブロックは磁石製であり、前記摺動ストッパ
ーとドッキングされて固定されるために使用される。摺動ストッパーを設けることで分注
口を開放または封止し、第1制限ブロックの設置と併せて、摺動ストッパーと第1制限ブ
ロックが磁気的に固定され、常時開放状態に維持される。
本発明の別の側面として、前記溶出バケットの頂部側壁の前記泥排出管に対応する下方位
置にL字形のロッドが設けられ、前記サンプリングボトルが前記メインスロットの内部に
固定された場合、前記L字形のロッド端部が前記シール板の端部に接触して前記シール板
を開き、摺動ストッパーの底部中心に制限ロッドが設けられ、前記サンプリングボトルが
前記メインスロットの内部に固定された場合、前記制限ロッドが前記シール板の一側に位
置し、サンプリングボトルに600~800mlフミン酸溶液が入られ、土壌が前記サン
プリングボトルに落下し、土壌とフミン酸溶液の固液比が1g:16mLに達すると、サ
ンプリングボトルの総重量が前記副バネ軸の重量限界に達し、サンプリングボトルが落下
し、サンプリングボトルが落下するとき、前記シール板が主バネ軸の作用下で反発しなが
ら前記制限ロッドに衝突し、前記摺動ストッパーを前記第1制限ブロックから分離させて
前記摺動ストッパーを前記第2制限ブロックと相互接触するように摺動させる。L字形の
ロッドを設けることでサンプリングボトルが所定重量に達して落下する同時に開口を自動
的に封止し、制限ロッドと併せて摺動ストッパーが自動的に下向きに摺動して分注口を封
止し、機能の同期を実現することができる。
本発明の一側面として、前記攪拌ロッドセットは3~6組あり、各組の攪拌ロッドセット
は2~5本の攪拌棒を含み、前記溶出バケット側壁に排出管が設けられる。排出管を設け
ることで溶出バケット中の溶出後の土壌およびフミン酸溶液を便利に排出することができ
る。
本発明は、上記のフミン酸溶出に基づく重金属汚染土壌の修復装置に基づくフミン酸溶出
に基づく重金属汚染土壌の修復方法をさらに提供し、この方法は、
S1、篩分け:重金属汚染土壌を前記振動篩によって破砕し篩分け、前記泥排出管を介し
て粒径<5mmの土壌を排出し、土壌を前記給料ホッパーに落入させるステップと、
S2、分注:土壌が前記給料ホッパーを介して前記溶出バケットに落入する過程で、一部
の土壌が分注口から前記サンプリングボトルに落入し、前記溶出バケットと前記サンプリ
ングボトルに調製されたフミン酸溶液が事前に添加され、調製されたフミン酸溶液のpH
値が7であり、質量濃度が10g/Lであり、前記サンプリングボトル中の土壌とフミン
酸溶液が予め設定された固液比1g:16mLに達したとき、前記サンプリングボトルの
総重量も前記副バネ軸の重量限界に達し、前記サンプリングボトルが落下し始め、2つの
前記副バネ軸が2つの前記固定板を収縮させるように駆動し、前記主バネ軸が前記シール
板を反発して前記サンプリングボトルの開口を封止し、その後前記サンプリングボトルが
前記載置スロット内に落入して固定されるステップと、
S3、溶出:前記溶出バケットの内部土壌とフミン酸溶液が予め設定された固液比1g:
16mLに達するまで、土壌が前記給料ホッパーを介して前記溶出バケットに落入し続け
、その後前記攪拌モータを起動して前記攪拌軸を回転させ、同時に前記攪拌ロッドセット
を駆動して前記溶出バケットの内部土壌とフミン酸溶液を攪拌し、溶出バケットの内部土
壌の溶出を実現する同時に、前記連結ロッドの回転下で前記載置スロットと前記サンプリ
ングボトルを移動させるように駆動し、前記ギアシャフトが前記ギアディスクと噛み合っ
て回転し、前記サンプリングボトルを連続的に反転させ、サンプリングボトルの内部土壌
とフミン酸溶液を十分に接触させ、サンプリングボトルの内部土壌の溶出を実現するステ
ップと、
均一な溶出を実現するために、土壌の粒径を最適に調整することが必要であり、同時に溶
出バケット内部の土壌とフミン酸溶液の予め設定された固液比および調製されたフミン酸
溶液pH値および質量濃度を最適化することにより、その後のパラメータの最適化の調整
を容易にすることができ、
S4、パラメータ調整:ステップS3の溶出工程を30min実行した後、前記サンプリ
ングボトル中の溶出後の土壌を取り出し、溶出後の土壌中の重金属を検出し、検出結果に
基づいてフミン酸溶液のpH値および土壌とフミン酸溶液の固液比を調整し、前記溶出バ
ケットの内部フミン酸溶液のpH値を調整する必要がある場合、酸またはアルカリ液を添
加し、前記溶出バケットの内部土壌とフミン酸溶液の固液比を調整する必要がある場合、
フミン酸溶液を添加し、前記溶出バケットの内部フミン酸溶液の質量濃度を調整する必要
がある場合、脱イオン水を添加し、調整が完了した後、前記溶出バケットの内部細粒土壌
を1~2h溶出し、重金属汚染土壌の修復を完了するステップと、を含む。
本発明は以下の有益な効果を有する。
(1)本発明のフミン酸溶出に基づく重金属汚染土壌の修復装置は、D-最適設計分析法
の理論に基づいて、土壌溶出工程で溶出パラメータを最適に調整し、重金属汚染物の除去
率を向上させ、土壌中のヒ素およびカドミウムの除去率が明らかに改善され、装置の操作
が便利で、自動化の程度が高く、サンプリングボトルを通じて少量のサンプルを収集し、
同期して急速溶出を完成し、D-最適設計分析法の実施に保証を提供し、より良い経済的
効果を生むことができる。
(2)本発明のフミン酸溶出に基づく重金属汚染土壌の修復装置は、摺動ストッパーを設
けることで分注口を開放または封止し、サンプリングボトルの位置により、分注口を自動
的に制御でき、利便性が大幅に向上し、サンプリングボトルの自動サンプリングを実現し
、土壌のオーバーフローを回避することができ、同時に専用の載置スロットにより攪拌溶
出過程でサンプリングボトルの自転攪拌を実現することができ、機能の同期を実現し、装
置の高度な統合を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】本発明の装置全体構造を示す概略図である。
図2】本発明の装置の上面図である。
図3】本発明の装置中の溶出バケットの内部構造を示す概略図である。
図4】本発明の装置中の溶出バケットを省略した後のサンプリングボトルと載置スロットドッキング箇所の構造を示す概略図である。
図5】本発明の装置中のサンプリングボトルがメインスロット内部に固定された場合の構造を示す概略図である。
図6】本発明の装置中のサンプリングボトルがメインスロット内部に固定された場合の正面図である。
図7】本発明の装置中の給料ホッパーの側面図である。
図8】本発明の装置中のギアシャフトとギアディスクが噛み合わされた構造を示す概略図である。
図9】本発明の装置中の溶出バケットの上面の断面図である。
図10】本発明のフミン酸溶出に基づく重金属汚染土壌の修復方法のフローチャートである。
【0005】
[符号の説明]
1 振動篩
11 泥排出管
12 砂排出管
13 支柱
2 溶出バケット
21 メインスロット
22 副スロット
23 ギアディスク
24 酸補充管
25 脱イオン水補充管
26 アルカリ液補充管
27 フミン酸補充管
28 サンプリング口
29 L字形のロッド
3 給料ホッパー
31 分注口
32 固定ブロック
33 摺動溝
34 第1制限ブロック
35 第2制限ブロック
4 サンプリングボトル
41 主バネ軸
42 副バネ軸
43 シール板
44 固定板
45 封止プラグ
5 攪拌モータ
51 攪拌軸
52 攪拌ロッドセット
53 連結ロッド
54 回転軸
55 載置スロット
56 ギアシャフト
6 摺動ストッパー
61 スライダ
62 制限ロッド
7 排出管
8 可動ベース
【発明を実施するための形態】
【0006】
実施例1
図1に示すように、フミン酸溶出に基づく重金属汚染土壌の修復装置は、振動篩1および
溶出バケット2から構成され、振動篩1の底部の四隅にそれぞれ支柱13が設けられ、4
つの支柱13の底部に可動ベース8が接続され、溶出バケット2は可動ベース8上に位置
し、振動篩1の底部側に設けられた泥排出管11が溶出バケット2の頂部側に設けられた
給料ホッパー3とドッキングされ、泥排出管11が給料ホッパー3の上方に位置し、振動
篩1の側壁底部に砂排出管12が設けられ、溶出バケット2の頂部に酸補充管24、脱イ
オン水補充管25、アルカリ液補充管26およびフミン酸補充管27が設けられ、溶出バ
ケット2の側壁の振動篩1に対応する反対側に排出管7が設けられ、
図3図6図9に示すように、給料ホッパー3の内壁の泥排出管11が所在する側の中
部に分注口31が設けられ、分注口31の直下の溶出バケット2の頂部にメインスロット
21が設けられ、メインスロット21の内部にサンプリングボトル4が摺動可能に設けら
れ、サンプリングボトル4の頂部縁の泥排出管11が所在する側に主バネ軸41が設けら
れ、サンプリングボトル4の頂部縁の両側に主バネ軸41に対して副バネ軸42が対称に
設けられ、主バネ軸41上にサンプリングボトル4の頂部の開口をシールしてドッキング
されたシール板43が固定され、シール板43の内壁に封止プラグ45が設けられ、副バ
ネ軸42にサンプリングボトル4をメインスロット21の内部に固定するための固定板4
4が設けられ、溶出バケット2の頂部のメインスロット21の両側にそれぞれ固定板44
を配置するための副スロット22が設けられ、
図1図4図8に示すように、溶出バケット2の頂部中心に攪拌モータ5が設けられ、
攪拌モータ5は市販されている産業用攪拌モータであり、攪拌モータ5の底部出力端に溶
出バケット2を貫通する攪拌軸51が設けられ、攪拌軸51上に、上から下へ3組の攪拌
ロッドセット52が設けられ、各組の攪拌ロッドセット52上に、周方向に等間隔で3本
の攪拌棒が設けられ、攪拌軸51の最上方の1組の攪拌ロッドセット52の上方に連結ロ
ッド53が設けられ、連結ロッド53の端部に回転軸54が回転可能に接続され、回転軸
54の端部にサンプリングボトル4を載置するための載置スロット55が設けられ、サン
プリングボトル4がメインスロット21内部に固定された場合、サンプリングボトル4が
載置スロット55の真上に位置し、載置スロット55の外側壁の泥排出管11が所在する
側にギアシャフト56が設けられ、ギアシャフト56は溶出バケット2内壁に設けられた
ギアディスク23と噛み合わされ、サンプリングボトル4は鉄製であり、表面に腐食防止
層塗料がコーティングされ、載置スロット55の内壁底部は磁石製であり、サンプリング
ボトル4が落入した後サンプリングボトル4を固定するために使用され、サンプリングボ
トル4、メインスロット21、載置スロット55の断面形状はいずれも円形であり、溶出
バケット2の側壁にサンプリング口28が設けられ、サンプリングボトル4が攪拌軸51
およびギアシャフト56の共同作用下でサンプリング口28の位置に移動するとき、サン
プリングボトル4の開口方向が垂直上方であり、
図4~7に示すように、分注口31が摺動ストッパー6によって開放または封止され、給
料ホッパー3の外側壁の分注口31に対応する両側にそれぞれ固定ブロック32が設けら
れ、固定ブロック32の内側壁に摺動溝33が設けられ、摺動ストッパー6の両側にそれ
ぞれスライダ61が設けられ、スライダ61は摺動溝33と1対1で対応して摺動可能に
接続され、2つの固定ブロック32の頂部間に第1制限ブロック34が設けられ、2つの
固定ブロック32の底部間に第2制限ブロック35が設けられ、摺動ストッパー6は鉄製
であり、表面に腐食防止層塗料がコーティングされ、第1制限ブロック34は磁石製であ
り、摺動ストッパー6とドッキングされて固定され、溶出バケット2の頂部側壁の泥排出
管11の下方にL字形のロッド29が設けられ、サンプリングボトル4がメインスロット
21の内部に固定された場合、L字形のロッド29の端部がシール板43の端部に接触し
てシール板43の開放を維持し、摺動ストッパー6の底部中心に制限ロッド62が設けら
れ、サンプリングボトル4がメインスロット21の内部に固定された場合、制限ロッド6
2がシール板43の一側に位置し、サンプリングボトル4に640mlフミン酸溶液が入
られ、土壌がサンプリングボトル4に落下し、土壌とフミン酸溶液の固液比が1g:16
mLに達したとき、サンプリングボトル4の総重量が副バネ軸42の重量限界に達し、サ
ンプリングボトル4が落下し、サンプリングボトル4が落下すると、シール板43が主バ
ネ軸41の作用下で反発しながら制限ロッド62に衝突し、摺動ストッパー6が第1制限
ブロック34から分離して摺動ストッパー6を第2制限ブロック35と相互接触するよう
に摺動させる。
実施例2
実施例1と異なり、本実施例では、
攪拌軸51上に、上から下へ4組の攪拌ロッドセット52が設けられ、各組の攪拌ロッド
セット52は2本の攪拌棒を含み、サンプリングボトル4に600mlフミン酸溶液が入
られる。
実施例3
実施例1と異なり、本実施例では、
攪拌軸51上に、上から下へ6組の攪拌ロッドセット52が設けられ、各組の攪拌ロッド
セット52は5本の攪拌棒を含み、サンプリングボトル4に800mlフミン酸溶液が入
られる。
実施例4
本実施例は、実施例1のフミン酸溶出に基づく重金属汚染土壌の修復装置に基づく、フミ
ン酸溶出に基づく重金属汚染土壌の修復方法であり、図10に示すように、
S1、篩分け:重金属汚染土壌を振動篩1によって破砕し篩分け、泥排出管11を介して
粒径<5mmの土壌を排出し、土壌を給料ホッパー3に落入させるステップと、
S2、分注:土壌が給料ホッパー3を介して溶出バケット2に落入する過程で、一部の土
壌が分注口31からサンプリングボトル4に落入し、溶出バケット2とサンプリングボト
ル4に調製されたフミン酸溶液が事前に添加され、調製されたフミン酸溶液のpH値が7
であり、質量濃度が10g/Lであり、サンプリングボトル4中の土壌とフミン酸溶液が
予め設定された固液比1g:16mLに達したとき、サンプリングボトル4の総重量も副
バネ軸42の重量限界に達し、サンプリングボトル4が落下し始め、2つの副バネ軸42
が2つの固定板44を収縮させるように駆動し、主バネ軸41がシール板43を反発して
サンプリングボトル4の開口を封止し、その後サンプリングボトル4が載置スロット55
内に落入して固定されるステップと、
S3、溶出:溶出バケット2の内部土壌とフミン酸溶液が予め設定された固液比1g:1
6mLに達するまで、土壌が給料ホッパー3を介して溶出バケット2に落入し続け、その
後攪拌モータ5を起動して攪拌軸51を回転させ、同時に攪拌ロッドセット52を駆動し
て溶出バケット2の内部土壌とフミン酸溶液を攪拌し、溶出バケット2の内部土壌の溶出
を実現する同時に、連結ロッド53の回転下で載置スロット55とサンプリングボトル4
を移動させるように駆動し、ギアシャフト56がギアディスク23と噛み合って回転し、
サンプリングボトル4を連続的に反転させ、サンプリングボトル4の内部土壌とフミン酸
溶液を十分に接触させ、サンプリングボトル4の内部土壌の溶出を実現するステップと、
S4、パラメータ調整:ステップS3の溶出工程を30min実行した後、サンプリング
ボトル4中の溶出後の土壌を取り出し、溶出後の土壌中の重金属を検出し、検出結果に基
づいてフミン酸溶液のpH値および土壌とフミン酸溶液の固液比を調整し、溶出バケット
2の内部フミン酸溶液のpH値を調整する必要がある場合、酸またはアルカリ液を添加し
、溶出バケット2の内部土壌とフミン酸溶液の固液比を調整する必要がある場合、フミン
酸溶液を添加し、溶出バケット2の内部フミン酸溶液の質量濃度を調整する必要がある場
合、脱イオン水を添加し、調整が完了した後、溶出バケット2の内部細粒土壌を1.5h
溶出し、重金属汚染土壌の修復を完了するステップと、を含む。
実施例5
実施例4と異なり、本実施例では、
ステップS4では、溶出バケット2の内部パラメータの調整を完了した後、溶出バケット
2内部の土壌を1h溶出し続け、重金属汚染土壌の溶出修復を完成する。
実施例6
実施例4と異なり、本実施例では、
ステップS4では、溶出バケット2の内部パラメータの調整を完了した後、溶出バケット
2の内部の土壌を2h溶出し続け、重金属汚染土壌の溶出修復を完成する。
作業原理:以下、本発明の方法と組み合わせて本発明の装置の作業原理をさらに説明する

ステップS2を実行するとき、最初にサンプリングボトル4がメインスロット21内に固
定され、このとき摺動ストッパー6が最上方に位置し、第1制限ブロック34と磁気的に
ドッキングされて固定され、分注口31の開放が維持され、サンプリングボトル4が落下
するとき、2つの固定板44が副バネ軸42の作用下でメインスロット21を通って落下
し、同時にシール板43が主バネ軸41の作用下で反発し、このとき主バネ軸41の十分
な反発力が必要であり、サンプリングボトル4の落下過程で反発して制限ロッド62をト
グルさせ、摺動ストッパー6が摺動し、スライダ61が摺動溝33内を摺動し、摺動スト
ッパー6が第2制限ブロック35に接触するまで摺動し、このとき摺動ストッパー6が分
注口31を封止する同時に、サンプリングボトル4も自動的に封止され、載置スロット5
5の内部に落下して載置スロット55の底部に磁気的に固定され、
ステップS3を実行するとき、連結ロッド53の回転に伴い、ギアシャフト56がギアデ
ィスク23と噛み合って移動し、サンプリングボトル4が回転軸54の作用下で連続的に
反転し、なお、ギアシャフト56の長さは、サンプリングボトル4の反転中、縁がギアデ
ィスク23に触れないように十分な長さであるべきであることを留意されたく、連結ロッ
ド53が1ターン回転すると、サンプリングボトル4が約30~40回自転し、サンプリ
ングボトル4の内部攪拌効率が向上し、サンプリングボトル4の内部の土壌サンプルが少
なく、攪拌が十分で、溶出が均一であるため、サンプリングボトル4の内部の土壌が溶出
バケット2の内部土壌よりも早く溶出工程を完了し、ステップS4の工程を実施するため
に早く取り出すことができる。
【0007】
実験例
以下、具体的な実験を通じて本発明の装置および方法の実現可能性を検証し、実験で使用
される土壌は黒土であり、最初にサンプリングボトル4に添加されたフミン酸溶液の量は
640mLであり、細粒黒土がサンプリングボトル4に40g落下したとき、副バネ軸4
2の重量限界に達し、サンプリングボトル4が落下し始め、サンプリングボトル4の内部
の細粒黒土の溶出を完了した後、サンプリングボトル4を取り出し、ステップS4を実施
し、検出されたデータをD-最適設計に基づく適合モデル式に代入し:
黒土-ヒ素=41.69-7.73X-40.07X+15.79X-9.23X
+29.63X -10.24X -4.33X+1.93X-1.61

黒土-カドミウム=47.48+24.6X-40.87X+3.82X-16.4
6X +16.91X -14.22X -7.28X+0.61X-0
.56X
D-最適設計に基づく適合モデルおよび適合度に対してP値検定を行い、ANOVA分析
結果および有意性検定結果を得、本実験例の適合から得られたP値はすべて0.0001
未満であり、黒土中のヒ素(As)およびカドミウム(Cd)の除去率と3つの要因の関
係は、一般的に非常に有意であることを示し、
フミン酸溶液で黒土を溶出して得られたヒ素(As)の除去率の実測値とD-最適設計に
基づく適合モデル式に対応するヒ素(As)の除去率の予測値の適合度Rは0.898
9であり、フミン酸溶液で黒土を溶出して得られたカドミウム(Cd)の除去率の実測値
とD-最適設計に基づく適合モデル式に対応するカドミウム(Cd)の除去率の予測値の
適合度Rは0.9204であり、フミン酸溶液による黒土溶出除去におけるヒ素(As
)およびカドミウム(Cd)の除去率の予測値と実測値は良好な直線関係を有し、D-最
適設計に基づく適合モデルの統計的妥当性は適合度Rによって検定され、Rは回帰式
の妥当性を判定するための重要なパラメータであり、R=0.8285~0.9500
の場合経験的なモデルの適合効果が良好であることを示すため、分散分析およびモデル診
断から分かるように、該モデルは高度な有意性を有し、応答値を効果的に模擬および予測
することができる。
フミン酸溶出単一要因実験処理後、3つの土壌のヒ素(As)およびカドミウム(Cd)
の溶出効率について、汚染土壌とフミン酸溶液固液比(S/L)のβ絶対値が他の2つ
の溶出プロセスパラメータ(フミン酸濃度、フミン酸pH)のβ絶対値よりも高く、
したがって、汚染土壌とフミン酸溶液固液比(S/L)は、フミン酸溶出単一要因実験に
おいてヒ素(As)およびカドミウム(Cd)を溶出除去するプロセスパラメータの中で
最も強い作用効果を持つ主制御パラメータである。汚染土壌とフミン酸溶液固液比(S/
L)の線形係数の負符号は、汚染土壌とフミン酸溶液固液比(S/L)が低下するほと、
すなわちフミン酸溶液体積が増加するほど、ヒ素(As)およびカドミウム(Cd)の除
去効率が増加することを示す。
3つの要因間に一定の相互作用があり、単一要因の独立変数は他の要因によって制限され
る。具体的に、ヒ素(As)およびカドミウム(Cd)の除去効率について、汚染土壌と
フミン酸溶液固液比(S/L)と他の2つの要因間に明らかな相乗効果が見られなかった
。除去効率の向上は、主に汚染土壌とフミン酸溶液固液比(S/L)によって支配され、
これは単一要因効果と一致する。
フミン酸濃度とフミン酸pH値はヒ素の除去効率に共同で影響し、ヒ素の除去効率はフミ
ン酸pH値の増加に伴って増加し、黒土に有利な濃度範囲は7.5~8.5mg/Lであ
り、2次元輪郭等高線図中の楕円はカドミウムの除去率を示し、フミン酸濃度とフミン酸
pH値間に強い相互作用がある。適切なpH値は7.0付近であり、固液比の増加に伴っ
て、すなわちフミン酸溶出剤の体積が大きくなるにつれて、除去効率が最高レベルに達し
、しかし、溶出剤の量をさらに増やすと重金属を含む浸出液が大量に発生し、フミン酸の
使用および溶出液処理コストが増加するため、実用的な観点から、固液比を1:20に選
択した。
以上の結論を通じて分かるように、溶出バケット2の内部に、固液比を適切に高め、pH
値を変化せず、フミン酸溶液の濃度を下げる必要があるため、溶出バケット2の内部に適
量のpH値7のフミン酸溶液を添加すればよく、脱イオン水補充管25およびフミン酸補
充管27を通じて要求を満たすフミン酸溶液を添加すればパラメータ調整を実現でき、溶
出バケット2の内部土壌を1.5h溶出し続け、重金属汚染土壌の溶出修復を完了する。
最終的に、サンプリングボトル4中の黒土のヒ素除去率が58%であり、パラメータ調整
後の溶出バケット2中の黒土のヒ素除去率が64%であり、サンプリングボトル4中の黒
土のカドミウム除去率が61%であり、パラメータ調整後の溶出バケット2中の黒土のヒ
素除去率が67%であり、本発明の装置および方法は土壌中の重金属ヒ素およびカドミウ
ムの除去率を効果的に向上させることができる。
【要約】      (修正有)
【課題】改善されたAsとCd除去率が得られ、操作が便利で自動化の程度が高い重金属汚染土壌の修復装置および修復方法を提供する。
【解決手段】修復装置は、振動篩および溶出バケットから構成され、振動篩の底部側に設けられた泥排出管は溶出バケットの頂部側に設けられた給料ホッパーとドッキングされ、給料ホッパー内壁に分注口が設けられ、分注口の直下の溶出バケット頂部にメインスロットが設けられ、メインスロット内部にサンプリングボトルが摺動可能に設けられる。修復方法は、篩分け(S1)、フミン酸溶液と土壌をサンプリングボトルに添加する分注(S2)、土壌とフミン酸溶液を十分に接触させる溶出(S3)、フミン酸溶液のpH値および土壌とフミン酸溶液の固液比を調整するパラメータ調整(S4)の4つのステップを含む。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10