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特許7460868溶接技術に基づいて設計された電子コンバータ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-26
(45)【発行日】2024-04-03
(54)【発明の名称】溶接技術に基づいて設計された電子コンバータ
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/07 20060101AFI20240327BHJP
   H01L 25/18 20230101ALI20240327BHJP
   H01L 23/473 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
H01L25/04 C
H01L23/46 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021552646
(86)(22)【出願日】2020-02-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-10
(86)【国際出願番号】 EP2020055141
(87)【国際公開番号】W WO2020178133
(87)【国際公開日】2020-09-10
【審査請求日】2022-12-05
(31)【優先権主張番号】102019202903.5
(32)【優先日】2019-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】523380173
【氏名又は名称】ヒタチ・エナジー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HITACHI ENERGY LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グラディンガー,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】バウマン,ダビド
(72)【発明者】
【氏名】リウ,チュンレイ
(72)【発明者】
【氏名】トッレジン,ダニエレ
【審査官】井上 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-270295(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03276657(EP,A1)
【文献】国際公開第2015/033515(WO,A1)
【文献】特開2001-223310(JP,A)
【文献】特開2001-335859(JP,A)
【文献】特開2016-021450(JP,A)
【文献】特開2012-077323(JP,A)
【文献】国際公開第2010/103865(WO,A1)
【文献】特開2016-146451(JP,A)
【文献】特開2003-092484(JP,A)
【文献】特開2017-212401(JP,A)
【文献】特開2013-062506(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105408997(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 25/07
H01L 23/473
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの半導体モジュール(11)および冷却ハウジング(12)を備えるコンバータ(10)であって、前記少なくとも1つの半導体モジュール(11)は、半導体チップ(13)と、第1の面(15)および第2の面(16)を有する基板(14)と、第1の面(18)および第2の面(19)を有するベースプレート(17)と、成形化合物(20)とを含み、前記半導体チップ(13)は前記基板(14)の前記第1の面(15)に接続され、前記基板(14)の前記第2の面(16)は前記ベースプレート(17)の前記第1の面(18)に接続され、前記ベースプレート(17)の前記第2の面(19)は、第1の領域(21)および第2の領域(22)を有し、前記第1の領域(21)は、冷却構造(23)の形態の表面延在部(23)を有し、動作状態では、前記表面延在部(23)を有する前記第1の領域(21)は、冷却液体と直接接触し、前記第2の領域(22)は、前記第1の領域(21)の周囲に閉じた通路を形成し、前記冷却ハウジング(12)は、少なくとも1つの開口部(25)を含むプレート(24)を有し、前記プレート(24)は、前記開口部(25)の周囲で前記ベースプレート(17)の前記第2の領域(22)に溶接によって接続され、前記ベースプレート(17)は、前記第2の領域(22)上にアルミニウム富化ゾーンを有するアルミニウム炭化ケイ素AlSiCから形成されることを特徴とする、コンバータ(10)。
【請求項2】
前記プレート(24)は、アルミニウムまたはアルミニウム系合金から形成されることを特徴とする、請求項1に記載のコンバータ(10)。
【請求項3】
前記ベースプレート(17)の前記第2の面(19)は縁部(28)を含み、前記第2の領域(22)は前記縁部(28)の突出部であることを特徴とする、請求項1に記載のコンバータ(10)。
【請求項4】
前記縁部(28)は肩部として設計され、それぞれの肩部は各場合に前記ベースプレート(17)の前記第2の面(19)の前記第2の領域(22)に形成され、少なくとも1つの肩部がアルミニウムコーティングとともに形成されることを特徴とする、請求項に記載のコンバータ。
【請求項5】
前記半導体チップ(11)および前記基板(14)は、エポキシ樹脂によって成形化合物内に封入されていることを特徴とする、請求項1に記載のコンバータ(10)。
【請求項6】
請求項1~のいずれか1項に記載のコンバータ(10)を製造するための方法であって、前記コンバータ(10)は、少なくとも1つの半導体モジュール(11)と冷却ハウジング(12)とを備え、前記少なくとも1つの半導体モジュール(11)は、半導体チップ(13)と、第1の面(15)および第2の面(16)を有する基板(14)と、第1の面(18)および第2の面(19)を有するベースプレート(17)と、成形化合物(20)とを含み、前記方法は、
a)前記少なくとも1つの半導体モジュールをプレートに組み込むことと、
b)前記少なくとも1つの半導体モジュールの前記ベースプレートの前記第2の面を前記プレートに溶接することと、
c)カバーを前記プレートに適用することと、
d)前記カバーを前記プレートに溶接して冷却路を形成することとを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
詳細な説明:
本発明は、半導体モジュールと冷却ハウジングとを備えるコンバータに関し、半導体モジュールは、半導体チップと、第1および第2の面を有する基板と、第1および第2の面を有するベースプレートと、成形化合物とを備える。
【背景技術】
【0002】
先行技術では、樹脂に包まれたモジュールを共通のベースプレートまたは共通の冷却器にはんだ付けすることが公知である。
【0003】
文献US6,594,149B2は、液冷式回路装置を開示しており、この液冷式回路装置は、回路素子およびこの回路素子の表面に実装されるモジュールベースプレートを有するモジュールと、モジュールを収容するための回路ハウジングと、冷却液がモジュールのモジュールベースプレートの裏面側に接触して流れるための冷却液室とを含む。モジュールのモジュールベースプレートは、冷却液室を構成する要素に設けられた開口部に嵌合され、隙間なく溶接される。
【0004】
文献US6,473,303B2は、冷却器底部と冷却器頂部とを有し、冷却器頂部が材料嵌合接続を介して冷却器底部に接続される、高出力半導体モジュール用の冷却装置を開示している。この場合、冷却器頂部は、少なくとも1つの半導体部品を取り付けることができる、金属マトリックス複合材からなる冷却プレートを有する。冷却プレートには、冷却器頂部と冷却器底部との間の材料嵌合接続を可能にするために、金属縁部が一体的に形成される。
【0005】
文献DE 10 2006 009 978 B4からは、少なくとも1つの半導体ユニットを有し、ベースプレートを担持体として有するパワー半導体モジュールを作製することが公知である。それぞれの半導体ユニットは、上面および下面を有する基板からなる。少なくとも1つの半導体ユニットが基板の上面に設けられる。次いで、ベースプレートは上面を有し、その上面に、それぞれの半導体ユニットが、その底面、すなわち半導体ユニットのそれぞれの基板の底面で、適用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、成形および焼結されたコンパクトなハーフブリッジモジュールを、閉じた冷却器内に6パック構成で収容することを可能にする装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、請求項1の特徴を有するコンバータ、および請求項5の特徴を有する方法によって達成される。有利な展開および実施形態は、明細書の記載および図面の記載の主題である。
【0008】
本発明の主題は、少なくとも1つの半導体モジュールと冷却ハウジングとを含むコンバータであって、少なくとも1つの半導体モジュールは、半導体チップと、第1の面および第2の面を有する基板と、第1の面および第2の面を有するベースプレートと、成形化合物または鋳造化合物(モールド化合物)とを含むコンバータである。
【0009】
本発明によれば、半導体チップは、基板の第1の面に接続され、基板の第2の面は、ベースプレートの第1の面に接続され、ベースプレートの第2の面は、第1の領域および第2の領域を有し、第1の領域は、例えば冷却リブおよび/または冷却ピンによって実現される冷却構造の形態の表面延在部を有し、動作状態において、表面延在部を有する第1の領域は、冷却構造を通って流れる冷却液体と直接接触し、第2の領域は、第1の領域の周囲に閉じた通路を形成し、冷却ハウジングは、少なくとも1つの穴を含むプレートを有し、プレートは、穴の周囲で溶接によってベースプレートの第2の領域に接続される。
【0010】
本発明は、冷却路または流体トラフを形成するために、3つの半導体モジュール、特に個別のハーフブリッジモジュールを、共通のプレートにおいて、溶接技術を用い、およびカバーを上に溶接して、統合することを可能にする。溶接工程は、半導体モジュールの機能を損なわず、Oリングやねじを使用せずに防漏容器を形成することができる。したがって、充分な信頼性および高温耐性を有するコンパクトな解決策を達成することができる。
【0011】
基板は一般に焼結される。基板は、ベースプレートを受けるように構成される。
半導体モジュールのベースプレートは、プレート、特に金属プレートに溶接可能であるように構成および設計される。一開発では、プレートは、3つの(組み付けられた)ハーフブリッジモジュールが合計6つの半導体スイッチを含む6パック構成を有する。少なくとも1つの半導体モジュールを備えるプレートは、カバーによって閉じられることが可能であるように構成される。少なくとも1つの半導体モジュールを含むプレートおよびカバーは、接合状態において冷却路を形成するように構成される。冷却路は、冷却流体を案内するように構成される。本発明のコンバータは、概して、3つの半導体モジュール、特にハーフブリッジモジュールを備える。
【0012】
ベースプレートとプレートを接続するために、溶接はレーザ溶接とすることができる。したがって、最大温度および温度によって誘導される機械的応力は制限される。プレートをカバーに接続するために、溶接は、レーザ溶接、摩擦撹拌溶接またはアーク溶接、特にCMT溶接とすることができる。CMTは、冷間金属転写の略であり、特別なアーク溶接方法である。
【0013】
ベースプレートおよびプレートは、一般に、同じ材料を含み、適用可能な溶接技術は様々であり得る。ベースプレートおよびプレートは、任意選択で、異なるアルミニウム合金を含むことができる。レーザ溶接は、圧力がなく、非常に迅速であり、高い溶接温度を特徴としないという利点を与える。レーザ溶接は、半導体モジュールをプレートに接続するのに特に有利である。
【0014】
摩擦撹拌溶接およびCMT溶接は、プレートをカバーに接続するのに特に有利であり、なぜならば、最大温度および機械的歪みに関する要件が、半導体モジュールのプレートへの接続に対する要件よりも低いからである。
【0015】
ベースプレートは、一般に、冷却液体に必要な防漏性を達成するために、選択された溶接技術の1つにおいて使用することができる材料を含む。この材料は、熱出力、信頼性、耐腐食性および溶接性の間の最良の妥協を与えるべきである。
【0016】
ベースプレートは、一般に、ベースプレートが冷却回路内に配置される場合に電食保護のためにコーティング(例えばニッケル)を必要としない表面設計を有する。一例として、ベースプレートは、銅/アルミニウムプレートとして設計される。この場合、ベースプレートは、冷却媒体、特に冷却流体と接触状態にある、または接触するように構成されたアルミニウム被覆領域を有する。冷却流体と接触する領域においてアルミニウムから形成される、またはアルミニウムで被覆されるベースプレートは、一般に、腐食保護としての表面仕上げまたはさらなる被覆を必要としないという利点を与える。一方、銅は、一般に、冷却流体と接触するために、ニッケルで被覆される。あるいは、ベースプレートは、AlSiCから形成され、ベースプレートは、溶接領域においてアルミニウムが富化された領域を有する。
【0017】
カバーは、冷却路を形成するための少なくとも1つの入口および出口ポートを含む。
本発明の展開において、プレートは、アルミニウムまたはアルミニウム系合金から形成される。
【0018】
一実施形態では、ベースプレートは、第2の領域上にアルミニウム富化ゾーンを伴ってAlSiCから形成され、適用性を容易にする。あるいは、ベースプレートは、アルミニウムで被覆された銅からなる。
【0019】
一展開では、ベースプレートの第2の面は縁部を含み、第2の領域は縁部の頭部または突出部を形成する。縁部は、溶接シームまたは溶接シームの少なくとも1つの溶接点と半導体チップとの間の間隔が増大されるという利点を与える。溶接シームと半導体チップとの間のより大きな間隔は、溶接技術の選択において、より大きな柔軟性を与える。溶接技術は、重複または組み合わせ実行においても、レーザ溶接または摩擦撹拌溶接とすることができる。レーザビーム溶接装置または摩擦撹拌溶接装置は、プレートとベースプレートとの間の接続点を達成するために、プレート厚を貫通する必要がある。あるいは、溶接技術としてアーク溶接、特にCMT溶接を使用することができ、それによって、プレートとベースプレートとの間の接続点に接続材料が適用される。
【0020】
一展開では、縁部は肩部として設計され、それぞれの肩部は、各場合にベースプレートの第2の面の第2の領域に形成され、少なくとも1つの肩部がアルミニウムコーティングとともに形成される。ベースプレートの材料は、一般に、溶接可能であるように構成される。脆い金属間相の形成を防ぐために、溶接点またはそれぞれの溶接点におけるベースプレートの材料はアルミニウムである。
【0021】
一実施形態では、半導体チップおよび基板は、エポキシ樹脂によって成形化合物内に封入される。
【0022】
本発明の主題はまた、少なくとも1つの半導体モジュールと冷却ハウジングとを含む上述のコンバータを製造する方法であって、少なくとも1つの半導体モジュールは、半導体チップと、第1の面および第2の面を有する基板と、第1の面および第2の面を有するベースプレートと、成形化合物とを含む。
【0023】
本発明によれば、第1のステップにおいて、少なくとも1つの半導体モジュールはプレートに組み込まれる。半導体モジュールは、個別のハーフブリッジモジュールである。3つのハーフブリッジモジュールは、一般に、共通のプレートに組み込まれる。
【0024】
さらなるステップでは、少なくとも1つの半導体モジュールのベースプレートの第2の面はプレートに溶接される。焼結された基板を備えた3つの封入された半導体モジュールは、一般に、共通のプレート、特にアルミニウムプレートに溶接される。この場合、溶接は、ベースプレートの第2の面である、冷却媒体の側から行われ、なぜならば、ベースプレートの第1の面は、成形化合物のため、アクセスできないからである。
【0025】
さらなる工程において、カバーがプレートに適用される。カバーはプレートに溶接される。
【0026】
カバーはプレートに後で溶接され、冷却路が形成される。冷却流体は、少なくとも1つの入口および出口ポートを介して冷却路を流れる。
【0027】
本発明は、実施形態に基づいて図中に模式的に示され、図面を参照してさらに説明され、図中、同一の構成要素には同一の参照符号を付してある。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1a】個別のハーフブリッジモジュールとして設計された本発明の半導体モジュールの一実施形態の斜視図である。
図1b】本発明のコンバータの実施形態の冷却ハウジングのプレートの斜視図である。
図2a】共通プレートに溶接された3つの個別のハーフブリッジモジュールの平面図である。
図2b】共通プレートに溶接された3つの個別のブリッジモジュールの、図2aに示す配置の断面図である。
図3a】ショルダーベースプレートを有する本発明の個別のハーフブリッジモジュールの実施形態を示す。
図3b】本発明による、ショルダーベースプレートを有する3つの個別のハーフブリッジモジュールの共通プレートへの溶接の配置の平面図を示す。
図3c】共通プレート上の3つの個別のハーフブリッジモジュールの、図3bに示される配置の断面図を示す。
図4a】冷却路を形成するための入口および出口ポートを有する、本発明のコンバータの実施形態の冷却ハウジングのカバーを示す。
図4b】個別のハーフブリッジモジュールプレートが上に座した状態にあるプレートを覆う、図4aに示されるカバーを示す。
図5a】本発明のコンバータのベースプレートの実施形態を示す。
図5b】本発明のコンバータのベースプレートのさらなる実施形態を示す。
図5c】本発明のコンバータのベースプレートのさらなる実施形態を示す。
図6】本発明のベースプレートの構造の一実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1aは、個別のハーフブリッジモジュールとして設計された本発明の半導体モジュール11の一実施形態の斜視図である。半導体モジュール11は、半導体チップ13と、第1の面15および第2の面16を有する基板14と、第1の面18(ここでは見えない)および第2の面19を有するベースプレート17と、成形化合物20とを備える。
【0030】
半導体チップ13は、基板14の第1の面15に接続され、基板14の第2の面16は、ベースプレート17の第1の面18に接続される。
【0031】
ベースプレート17の第2の面19は、第1の領域21と第2の領域22とを有する。第1の領域21は、冷却リブ23の形態の表面延在部23を有する。動作状態において、表面延在部23を有する第1の領域21は、冷却液体と直接接触し、第2の領域22は、コンバータにおいて閉じた状態で第1の領域21の周囲に閉じた通路を形成する。
【0032】
図1bは、本発明のコンバータの実施形態の冷却ハウジング12のプレート24の斜視図である。プレート24は、各々が図1aに示す半導体モジュール11を受容するように構成された3つの開口部25を有する。プレート24は、アルミニウムまたはアルミニウム系合金からなり、半導体モジュール11に接合された状態において、開口部25の周囲でベースプレート17の第2の領域22に溶接によって接続される。
【0033】
図2aは、共通プレート24に溶接される、コンバータ10の3つの個別のハーフブリッジモジュール11の平面図を示す。プレート24の3つの開口部25が図示されており、その中に、個別のハーフブリッジモジュール11が受け入れられる。個別のハーフブリッジモジュール11は、共通プレート24に溶接される。したがって、3つの別個のハーフブリッジモジュールに基づく6パック構成が提供され、各場合において、転写成形され焼結された基板を有する2つの半導体スイッチを有する。
【0034】
図2bは、共通プレート24に溶接された3つの個別のブリッジモジュール11の、図2aに示される配置の断面図を示す。この場合、冷却リブ23はプレート24の開口部25内に突出している。
【0035】
図3aは、ショルダーベースプレート27を有する本発明の個別のハーフブリッジモジュール11を示す。ショルダーベースプレート27は、ベースプレート17の第2の面19上に形成される。ショルダーベースプレート27は縁部28を有する。縁部は、ベースプレート17の第2の面19に形成され、ベースプレート17の第2の面19の第2の領域22は、縁部の突出部または頭部を形成する。本実施形態では、縁部28は、第2の領域22から始まって冷却リブ23と同じ整列で形成される肩部として設計されている。肩部28は、冷却リブ23の周囲に形成されている。
【0036】
図3bは、本発明による、図3aに示す3つの個別のハーフブリッジモジュール11の、ショルダーベースプレート27が共通プレート24上にある状態での溶接の構成の平面図を示す。
【0037】
図3cは、共通プレート24上の3つの個別のハーフブリッジモジュール11の、図3bに示される配置の断面図を示す。肩部28を有するショルダーベースプレート27が示されている。さらに、3つの個別のハーフブリッジモジュール11がプレート24に溶接される溶接継ぎ目が示されている。
【0038】
図4aは、2つの入口および出口ポート29を有する、本発明のコンバータの冷却ハウジング12のカバー26を示す。冷却ハウジング12のカバー26が閉じられると、入口および出口ポート29によって冷却路が形成される。カバー26は、個別のハーフブリッジモジュールを伴うプレート24に溶接される。
【0039】
図4bは、個別のハーフブリッジモジュール11がプレート24上に座してそれに溶接された状態においてプレート24を被覆するための、図4aに示すカバー26を示す。
【0040】
図5aは、本発明のコンバータのベースプレート17の実施形態を示す。ベースプレート17は、第1の面18と第2の面19とを有する。ベースプレート17の第2の面19は、第1の領域21において、第2の面19から効果的に一体的に突出する冷却リブ23の形態の表面延在部と、第1の領域21を取り囲む第2の領域22とを有する。ベースプレート17の第1の面18は、銅から形成される。ベースプレート17の第2の面19は、表面延在部、すなわちここでは冷却リブ23とともに、アルミニウムから形成される。したがって、ベースプレート17は、冷却リブを有するアルミニウム被覆銅ベースプレートとして設計することができる。
【0041】
図5bは、本発明のコンバータのベースプレート17のさらなる実施形態を示す。ベースプレート17は、第1の面18と面19とを有する。ベースプレート17の第2の面19は、第1の領域21において、第2の面19から一体的に突出し、例えばここではアルミニウム冷却リブ23の形態の冷却構造を有する表面延在部を有し、第2の領域22において、アルミニウム製の肩部28を有するショルダーベースプレート27を有する。ベースプレート17の第1の面18は、銅から形成される。ベースプレート17の第2の面19は、冷却構造、すなわちここでは冷却リブ23、および肩部28とともに、アルミニウムから形成される。
【0042】
本実施形態では、ショルダーベースプレート27は、ベースプレート17において直接一体化されている。ショルダーベースプレート27は、ベースプレート17の第2の領域22において、アルミニウムで被覆された肩部28を有している。従って、ベースプレート17の一実施形態は、冷却リブおよびアルミニウム被覆肩部28を有するアルミニウム被覆銅ベースプレートとして設計することができる。
【0043】
図5cは、本発明のコンバータのベースプレート17のさらなる実施形態を示す。ベースプレート17は、第1の面18と面19とを有する。ベースプレート17の第2の面19は、第1の領域21において、例えばここでは冷却リブ23の形態の表面延在部を有し、それは、ベースプレートに一体化され、ベースプレートから突出する。ベースプレート17は、AlSiC(アルミニウムシリコンカーバイド)で形成される。図5cに示される実施形態は、第2の面19の第2の領域22内の溶接点において、密な間隔のハッチングによって識別される、アルミニウム富化領域を有する。脆性金属間相の形成は、アルミニウムベースプレート17の第2の面19の第2の領域22における溶接点の設計の結果として防止される。
【0044】
図6は、本発明のベースプレート17の構造の一実施形態を示す。ベースプレート17は、第1の面18と第2の面19とを有する。第2の面19では、冷却リブ23の形態の表面延在部が第1の領域21に配置され、第2の面19に適用され、第2の面19に配置される。第2の領域22においては、ベースプレート17の第2の面19は、密な間隔のハッチングによって識別されるアルミニウムコーティングを有する。
【符号の説明】
【0045】
10 コンバータ
11 半導体モジュール
12 冷却ハウジング
13 半導体チップ
14 基板
15 基板の第1の面
16 基板の第2の面
17 ベースプレート
18 ベースプレートの第1の面
19 ベースプレートの第2の面
20 成形化合物
21 ベースプレートの第2の面19の第1の領域
22 ベースプレートの第2の面19の第2の領域
23 冷却構造、冷却リブ
24 プレート、金属板
25 開口部
26 カバー
27 ショルダーベースプレート
28 縁部/肩部
29 入口および出口ポート
図1a
図1b
図2a
図2b
図3a
図3b
図3c
図4a
図4b
図5a
図5b
図5c
図6