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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-26
(45)【発行日】2024-04-03
(54)【発明の名称】表示装置、液冷却装置、および液圧装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/14 20060101AFI20240327BHJP
   G09G 3/04 20060101ALI20240327BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20240327BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20240327BHJP
【FI】
G09G3/14 K
G09G3/04 K
G09G3/20 633K
G09G3/04 S
H01L33/00 L
H01L33/00 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022007722
(22)【出願日】2022-01-21
(65)【公開番号】P2023106787
(43)【公開日】2023-08-02
【審査請求日】2023-03-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 和男
(72)【発明者】
【氏名】河田 健一
【審査官】小野 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-151362(JP,A)
【文献】特開2011-237517(JP,A)
【文献】特開昭55-090996(JP,A)
【文献】特開2012-045167(JP,A)
【文献】特開2013-206146(JP,A)
【文献】特開2000-299803(JP,A)
【文献】特開2005-018196(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0014208(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00-3/38
G11B 27/10-27/34
H01L 33/00-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
7つのセグメント(57a~57g)をそれぞれが有する複数の7セグメントLED(56a~56c)が設けられた複数桁の表示部(55)と、
上記表示部(55)が有する上記複数の7セグメントLED(56a~56c)の少なくとも一つを点灯対象桁に指定する桁指定部(71)と、
上記7セグメントLED(56a~56c)が有する7つの上記セグメント(57a~57g)の少なくとも一つを点灯対象セグメントに指定するセグメント指定部(72)とを備え、
上記桁指定部(71)が上記点灯対象桁に指定する上記7セグメントLED(56a~56c)を一つずつ順に切り換える状態で、上記点灯対象桁に指定された上記7セグメントLED(56a~56c)において上記点灯対象セグメントを点灯させることによって、上記表示部(55)に複数の数字または文字を表示させる表示動作と、
上記桁指定部(71)が上記点灯対象桁に指定する上記7セグメントLED(56a~56c)を一定に保持する状態で、上記点灯対象桁に指定された上記7セグメントLED(56a~56c)において全ての上記点灯対象セグメントを同時に点滅させることによって、データを送信するデータ送信動作とを行う一方、
それぞれが複数のデータを含む複数のデータ群(100a,100b,…)を、上記データ送信動作において送信可能であり、
上記セグメント指定部(72)は、上記データ送信動作において、上記点灯対象セグメントに指定する上記セグメント(57a~57g)を、送信する上記データ群(100a,100b,…)毎に相違させる
表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置(50)において、
上記セグメント指定部(72)は、上記データ送信動作において、上記表示部(55)に表示される数字または文字が、送信する上記データ群(100a,100b,…)毎に相違するように、上記点灯対象セグメントに指定する上記セグメント(57a~57g)を、送信する上記データ群(100a,100b,…)毎に相違させる
表示装置。
【請求項3】
請求項1に記載の表示装置(50)において
数の上記データ群(100a,100b,…)のうち上記データ送信動作において送信する一つのデータ群を指定する情報を取得する情報取得部(74)を備える
表示装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一つに記載の表示装置(50)において、
上記桁指定部(71)は、上記データ送信動作において、上記点灯対象桁に指定する上記7セグメントLED(56a~56c)の数を変更できる
表示装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一つに記載の表示装置(50)において、
上記データ送信動作において、
送信対象のデータを、それぞれが複数のデータを含む複数のデータセット(110a,110b,…)に区分し、
複数の上記データセット(110a,110b,…)のそれぞれに、該データセット(110a,110b,…)を識別する識別情報(120)を付加し、
複数の上記データセット(110a,110b,…)を一つずつ順に繰り返し送信する
表示装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一つに記載の表示装置(50)と、
冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)とを備え、
上記冷媒回路(20)の冷媒によって液体を冷却する
液冷却装置。
【請求項7】
請求項1~5のいずれか一つに記載の表示装置(50)と、
作動流体を加圧して送出する加圧機構(320)とを備える
液圧装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置と、表示装置を備えた液冷却装置および液圧装置とに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、三つの7セグメントLEDを備えた表示装置が開示されている。この表示装置は、ダイナミック点灯制御を行い、各7セグメントLEDの所定のセグメントを点灯させることによって、複数桁の数字や文字を表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-2375117号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
7セグメントLEDを備えた従来の表示装置は、専ら、数字や文字を表示して人間に視認させる用途に用いられる。そのため、7セグメントLEDを備えた表示装置の用途が限られていた。
【0005】
本開示の目的は、7セグメントLEDを備えた表示装置の用途を増やすことにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様は、表示装置(50)であって、7つのセグメント(57a~57g)をそれぞれが有する複数の7セグメントLED(56a~56c)が設けられた複数桁の表示部(55)と、上記表示部(55)が有する上記複数の7セグメントLED(56a~56c)の少なくとも一つを点灯対象桁に指定する桁指定部(71)と、上記7セグメントLED(56a~56c)が有する7つの上記セグメント(57a~57g)の少なくとも一つを点灯対象セグメントに指定するセグメント指定部(72)とを備え、上記桁指定部(71)が上記点灯対象桁に指定する上記7セグメントLED(56a~56c)を一つずつ順に切り換える状態で、上記点灯対象桁に指定された上記7セグメントLED(56a~56c)において上記点灯対象セグメントを点灯させることによって、上記表示部(55)に複数の数字または文字を表示させる表示動作と、上記桁指定部(71)が上記点灯対象桁に指定する上記7セグメントLED(56a~56c)を一定に保持する状態で、上記点灯対象桁に指定された上記7セグメントLED(56a~56c)において上記点灯対象セグメントを点滅させることによって、データを送信するデータ送信動作とを行う。
【0007】
第1の態様において、表示装置(50)は、表示動作とデータ送信動作とを行う。この表示装置(50)は、表示部(55)に数字または文字を表示させる機能と、表示部(55)の7セグメントLED(56a~56c)を用いてデータを送信する機能とを有する。そのため、数字等を表示する用途とは異なる用途にも表示装置(50)を用いることができ、表示装置(50)の用途が増える。また、この態様の表示装置(50)では、表示動作を行うために設けられた桁指定部(71)及びセグメント指定部(72)が、データ送信動作においても用いられる。
【0008】
本開示の第2の態様は、上記第1の態様おいて、それぞれが複数のデータを含む複数のデータ群(100a,100b,…)を、上記データ送信動作において送信可能であり、上記セグメント指定部(72)は、上記データ送信動作において、上記点灯対象セグメントに指定する上記セグメント(57a~57g)を、送信する上記データ群(100a,100b,…)毎に相違させる。
【0009】
第2の態様では、データ送信動作において、点灯対象セグメントに指定されるセグメント(57a~57g)が、送信するデータ群(100a,100b,…)毎に相違する。そのため、データ送信動作中に点滅しているセグメント(57a~57g)を視認することによって、送信されているデータ群(100a,100b,…)を人間が認識できる。
【0010】
本開示の第3の態様は、上記第2の態様おいて、上記セグメント指定部(72)は、上記データ送信動作において、上記表示部(55)に表示される数字または文字が、送信する上記データ群(100a,100b,…)毎に相違するように、上記点灯対象セグメントに指定する上記セグメント(57a~57g)を、送信する上記データ群(100a,100b,…)毎に相違させる。
【0011】
第3の態様において、データ送信動作中に点灯対象桁に指定された7セグメントLED(56a~56c)では、表示部(55)に数字または文字が表示されるように、所定のセグメント(57a~57g)が点滅する。また、データ送信動作では、送信されるデータ群(100a,100b,…)毎に異なる数字または文字が、表示部(55)に表示される。そのため、表示部(55)に表示される数字または文字と、送信されているデータ群(100a,100b,…)との対応関係を人間が容易に把握できる。その結果、送信されているデータ群(100a,100b,…)を人間が認識し易くなる。
【0012】
本開示の第4の態様は、上記第1の態様おいて、それぞれが複数のデータを含む複数のデータ群(100a,100b,…)を、上記データ送信動作において送信可能であり、複数の上記データ群(100a,100b,…)のうち上記データ送信動作において送信する一つのデータ群を指定する情報を取得する情報取得部(74)を備える。
【0013】
第4の態様では、情報取得部(74)が取得した情報によって指定されたデータ群を、データ送信動作において表示装置(50)が送信する。
【0014】
本開示の第5の態様は、上記第1~第4のいずれか一つの態様において、上記桁指定部(71)は、上記データ送信動作において、上記点灯対象桁に指定する上記7セグメントLED(56a~56c)の数を変更できる。
【0015】
第5の態様では、データ送信動作において、セグメントが点滅する7セグメントLED(56a~56c)の数を変更できる。
【0016】
本開示の第6の態様は、上記第1~第5のいずれか一つの態様において、上記データ送信動作において、送信対象のデータを、それぞれが複数のデータを含む複数のデータセット(110a,110b,…)に区分し、複数の上記データセット(110a,110b,…)のそれぞれに、該データセット(110a,110b,…)を識別する識別情報(120)を付加し、複数の上記データセット(110a,110b,…)を一つずつ順に繰り返し送信する。
【0017】
第6の態様では、各データセット(110a,110b,…)に識別情報(120)が付加される。そのため、表示装置(50)のデータ送信動作によって送信されたデータを受信する機器が、識別情報(120)に基づいて受信中のデータセット(110a,110b,…)を識別することが可能となる。
【0018】
本開示の第7の態様は、上記第1~第6のいずれか一つの態様の表示装置(50)と、冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)とを備え、上記冷媒回路(20)の冷媒によって液体を冷却する液冷却装置(10)である。
【0019】
第7の態様では、液冷却装置(10)に表示装置(50)が設けられる。
【0020】
本開示の第8の態様は、上記第1~第6のいずれか一つの態様の表示装置(50)と、作動流体を加圧して送出する加圧機構(320)とを備える液圧装置(300)である。
【0021】
第8の態様では、液圧装置(300)に表示装置(50)が設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、実施形態1の液冷却装置と、受信装置とを示す概略の斜視図である。
図2図2は、実施形態1の液冷却装置の構成を示す配管系統図である。
図3図3は、実施形態1の液冷却装置が備える制御器の構成を示すブロック図である。
図4図4は、実施形態1の表示装置の構成を示す回路図である。
図5図5は、実施形態1の表示装置の表示部の正面図である。
図6図6は、実施形態1の表示装置の表示動作における表示部の状態を示す説明図である。
図7図7は、実施形態1の表示装置のデータ送信動作における表示部の状態を示すタイミングチャートである。
図8図8は、実施形態1の表示装置における“各データ群”と“データ送信動作中の表示部に表示される数字”との対応関係を示す図である。
図9図9は、実施形態1の表示装置における各データ群の構造を示すブロック図である。
図10図10は、実施形態2の液圧装置の構成を示す配管系統図である。
図11図11は、その他の実施形態の第1変形例の表示装置における“各データ群”と“データ送信動作中の表示部に表示される数字”との対応関係を示す図である。
図12図12は、その他の実施形態の第2変形例の表示装置における“各データ群”と“データ送信動作中の表示部に表示される数字”との対応関係を示す図である。
図13図13は、その他の実施形態の第3変形例の表示装置における“各データ群”と“データ送信動作中の表示部に表示される文字”との対応関係を示す図である。
図14図14は、その他の実施形態の第3変形例の表示装置における“各データ群”と“データ送信動作中の表示部に表示される図形”との対応関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
《実施形態1》
実施形態1について説明する。本実施形態は、表示装置(50)を備えた液冷却装置(10)である。
【0024】
-液冷却装置-
図1に示すように、液冷却装置(10)は、直方体状のケーシング(11)を備える。ケーシング(11)には、後述する冷媒回路(20)等の構成機器が収容される。図2に示すように、本実施形態の液冷却装置(10)は、工作機械(200)に接続され、工作機械(200)において用いられる切削液を冷却する。液冷却装置(10)は、冷媒回路(20)と液循環路(30)とを備える。また、液冷却装置(10)は、制御器(40)と操作盤(45)とを備える。
【0025】
〈冷媒回路〉
冷媒回路(20)は、冷媒が充填された閉回路である。冷媒回路(20)は、圧縮機(21)と、凝縮器(22)と、第1膨張弁(23)と、蒸発器(24)とを順に配管で接続することによって構成される。また、冷媒回路(20)は、バイパス配管(25)を備える。バイパス配管(25)は、一端が圧縮機(21)と凝縮器(22)の間に接続し、他端が第1膨張弁(23)と蒸発器(24)の間に接続する。バイパス配管(25)には、第2膨張弁(26)が設けられる。圧縮機(21)が作動すると、冷媒回路(20)において冷媒が循環し、蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる。
【0026】
〈液循環路〉
液循環路(30)は、往管路(31)と復管路(32)とを備える。往管路(31)の一端は、蒸発器(24)の流出口に接続される。往管路(31)の他端は、配管を介して工作機械(200)に接続される。復管路(32)の一端は、配管を介して工作機械(200)に接続される。復管路(32)の他端は、蒸発器(24)の流入口に接続される。復管路(32)には、ポンプ(33)が設けられる。復管路(32)と工作機械(200)を接続する配管には、タンク(201)が設けられる。ポンプ(33)が作動すると、蒸発器(24)と工作機械(200)の間を切削液が循環する。工作機械(200)から蒸発器(24)へ流入した切削液は、冷媒によって冷却され、その後に工作機械(200)へ供給される。
【0027】
〈ファン、センサ〉
液冷却装置(10)は、ファン(12)を備える。ファン(12)は、凝縮器(22)へ空気を送る。また、液冷却装置(10)は、複数のセンサを備える。例えば、冷媒回路(20)には、冷媒の温度を計測する温度センサと、冷媒の圧力を計測する圧力センサとが設けられる。また、液循環路(30)には、切削液の温度を計測する温度センサが設けられる。
【0028】
〈制御器〉
図3に示すように、制御器(40)は、CPU(Central Processing Unit)とメモリーデバイス(44)とを備える。メモリーデバイス(44)は、制御器(40)の制御動作に必要はプログラムとデータを記憶する半導体メモリーである。CPU(41)は、メモリーデバイス(44)に記録されたプログラムを実行することによって、機器制御部(42)、データ取得部(43)、及び表示制御部(70)として機能する。また、制御器(40)には、センサの計測値が入力される。
【0029】
機器制御部(42)は、液冷却装置(10)の構成機器を制御する。機器制御部(42)は、例えば、圧縮機(21)の回転速度、第1膨張弁(23)の開度、第2膨張弁(26)の開度、ファン(12)の回転速度等を、センサの計測値に基づいて調節する。
【0030】
データ取得部(43)は、取得したセンサの計測値等を、液冷却装置(10)の運転状態を示す内部データとしてメモリーデバイス(44)に記録する。内部データの例としては、センサの計測値と時刻を関連付けた時系列データ、圧縮機(21)およびファン(12)の回転速度と時刻を関連付けた時系列データ、発生した不具合の種類を示すエラーコードと不具合の発生時刻を関連付けたデータが挙げられる。
【0031】
表示制御部(70)は、後述する表示装置(50)の表示部(55)を制御する。表示制御部(70)の詳細は、後述する。
【0032】
〈操作盤〉
図1に示すように、操作盤(45)は、ケーシング(11)の前面に配置される。図2に示すように、操作盤(45)には、後述する表示装置(50)の表示部(55)と、操作ボタン(46)とが設けられる。操作ボタン(46)は、作業者が操作して制御器(40)に情報を入力するための入力機器である。
【0033】
-表示装置-
液冷却装置(10)に設けられた表示装置(50)について説明する。図4に示すように、表示装置(50)は、表示部(55)と、制御回路(60)とを備える。また、制御器(40)の表示制御部(70)は、表示部(55)及び制御回路(60)と共に、表示装置(50)を構成する。
【0034】
表示装置(50)は、表示動作とデータ送信動作とを行う。表示動作は、表示部(55)に数字や文字などを表示する動作である。データ送信動作は、表示部(55)を用いた可視光通信によってデータを送信する動作である。
【0035】
〈表示部〉
図5に示すように、表示部(55)は、三つの7セグメントLED(56a~56c)によって構成された三桁の表示部である。表示部(55)では、第1の7セグメントLED(56a)と、第2の7セグメントLED(56b)と、第3の7セグメントLED(56c)とが、左から右へ一列に配置される。各7セグメントLED(56a~56c)は、七つのセグメント(57a~57g)と、一つのデシマルポイント(57h)とを備える。各セグメント(57a~57g)とデシマルポイント(57h)は、発光ダイオード(light emitting diode:LED)によって構成される。
【0036】
〈制御回路〉
図4に示すように、制御回路(60)は、三つの電子スイッチ(61a~61c)を備える。各電子スイッチ(61a~61c)は、トランジスタによって構成される。各電子スイッチ(61a~61c)のコレクタは、一つのコモン線(64)を介して制御器(40)に接続される。第1電子スイッチ(61a)のベースは第1ベース線(62a)を介して、第2電子スイッチ(61b)のベースは第2ベース線(62b)を介して、第3電子スイッチ(61c)のベースは第3ベース線(62c)を介して、それぞれ制御器(40)に接続される。
【0037】
第1の7セグメントLED(56a)の各セグメント(57a~57g)及びデシマルポイント(57h)のアノードは、第1電子スイッチ(61a)のエミッタに接続される。第2の7セグメントLED(56b)の各セグメント(57a~57g)及びデシマルポイント(57h)のアノードは、第2電子スイッチ(61b)のエミッタに接続される。第3の7セグメントLED(56c)の各セグメント(57a~57g)及びデシマルポイント(57h)のアノードは、第3電子スイッチ(61c)のエミッタに接続される。
【0038】
各7セグメントLED(56a~56c)の第1セグメント(57a)のカソードは、第1接続線(63a)を介して制御器(40)に接続される。各7セグメントLED(56a~56c)の第2セグメント(57b)のカソードは、第2接続線(63b)を介して制御器(40)に接続される。各7セグメントLED(56a~56c)の第3セグメント(57c)のカソードは、第3接続線(63c)を介して制御器(40)に接続される。各7セグメントLED(56a~56c)の第4セグメント(57d)のカソードは、第4接続線(63d)を介して制御器(40)に接続される。各7セグメントLED(56a~56c)の第5セグメント(57e)のカソードは、第5接続線(63e)を介して制御器(40)に接続される。各7セグメントLED(56a~56c)の第6セグメント(57f)のカソードは、第6接続線(63f)を介して制御器(40)に接続される。各7セグメントLED(56a~56c)の第7セグメント(57g)のカソードは、第7接続線(63g)を介して制御器(40)に接続される。各7セグメントLED(56a~56c)のデシマルポイント(57h)のカソードは、第8接続線(63h)を介して制御器(40)に接続される。
【0039】
-表示制御部-
上述したように、制御器(40)のCPU(41)は、所定のプログラムを実行することによって、表示制御部(70)として機能する。図3に示すように、表示制御部(70)として機能するCPU(41)は、桁指定部(71)、セグメント指定部(72)、送信データ作成部、及び情報取得部(74)として機能する。
【0040】
〈桁指定部〉
桁指定部(71)は、表示部(55)に設けられた7セグメントLED(56a~56c)のうちの一つ又は複数を、点灯対象桁に指定するように構成される。桁指定部(71)は、点灯対象桁に指定した7セグメントLED(56a~56c)に対応する電子スイッチ(61a~61c)のベースに電流を流す。例えば、第1の7セグメントLED(56a)が点灯対象桁に指定された場合、桁指定部(71)は、第1電子スイッチ(61a)のベースに電流を流す。
【0041】
〈セグメント指定部〉
セグメント指定部(72)は、表示部(55)に設けられた各7セグメントLED(56a~56c)が有する7つのセグメント(57a~57g)のうちの一つ又は複数を、点灯対象セグメントに指定するように構成される。セグメント指定部(72)は、点灯対象セグメントに指定したセグメント(57a~57g)に対応する接続線(63a~63g)を電流が流れる状態にする。点灯対象桁に指定された7セグメントLED(56a~56c)において、点灯対象セグメントに指定されたセグメント(57a~57g)に電流が流れると、そのセグメント(57a~57g)が点灯する。
【0042】
〈送信データ作成部〉
送信データ作成部(73)は、メモリーデバイス(44)に記録された内部データを、複数のデータ群(100a,100b,…)に分類する。送信データ作成部(73)は、例えば、過去の所定期間におけるセンサの計測値の時系列データを第1データ群とし、発生した不具合の種類を示すエラーコードと不具合の発生時刻を関連付けたデータを第2データ群とする。
【0043】
送信データ作成部(73)が作成する各データ群(100a,100b,…)は、「0」と「1」で表現されたデジタルデータである。各データ群(100a,100b,…)は、所定のデータ構造を有する。データ群(100a,100b,…)については、後述する。
【0044】
〈情報取得部〉
情報取得部(74)は、データ指定情報を取得する。データ指定情報は、後述する表示装置(50)のデータ送信動作において送信される一つのデータ群(100a,100b,…)を特定する情報である。データ指定情報は、作業者が操作盤(45)の操作ボタン(46)を操作することによって、情報取得部(74)に入力される。
【0045】
-受信装置-
上述したように、表示装置(50)の表示動作では、表示部(55)を用いた可視光通信によってデータが送信される。表示動作において送信されたデータは、受信装置(250)によって受信される。
【0046】
図1に示すように、受信装置(250)は、受光器(251)と、信号処理器(252)とを備える。受光器(251)は、表示部(55)の明状態と暗状態を電気信号に変換する。信号処理器(252)には、受光器(251)の通信ケーブルが接続される。信号処理器(252)は、受光器(251)が出力した電気信号を処理し、人間が認識できる数字や文字等の情報に変換する。信号処理器(252)の例としては、信号処理用のソフトウェアがインストールされたスマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等が挙げられる。
【0047】
-表示装置の動作-
表示装置(50)の動作を説明する。表示装置(50)は、表示動作とデータ送信動作とを行う。
【0048】
〈表示動作〉
表示動作は、表示部(55)に数字や文字などを人間が認識できるように表示する動作である。表示動作において、表示装置(50)を構成する表示制御部(70)は、表示部(55)に対して、ダイナミック点灯制御を行う。
【0049】
表示動作において、表示制御部(70)の桁指定部(71)は、点灯対象桁に指定する7セグメントLED(56a~56c)を一つずつ順に切り換える。桁指定部(71)は、点灯対象桁を、例えば数ミリ秒毎に切り換える。また、表示制御部(70)のセグメント指定部(72)は、点灯対象桁の切り換えに同期して、点灯対象セグメントを指定する。そして、表示制御部(70)は、“点灯対象桁に指定された7セグメントLED(56a~56c)”の“点灯対象セグメントに指定されたセグメント(57a~57g)”を点灯させる。
【0050】
表示動作について、図6を参照しながら説明する。図6は、表示部に「12.3」という数字を表示する場合の表示動作を示す。表示制御部は、下記の三つの動作を繰り返し行う。
【0051】
第1の動作では、桁指定部(71)が第1の7セグメントLED(56a)を点灯対象桁に指定し、セグメント指定部(72)がセグメント(57b,57c)を点灯対象セグメントに指定する。その結果、第1の7セグメントLED(56a)のセグメント(57b,57c)が点灯し、「1」が表示される。
【0052】
第2の動作では、桁指定部(71)が第2の7セグメントLED(56b)を点灯対象桁に指定し、セグメント指定部(72)がセグメント(57a,57b,57d,57e,57g)及びデシマルポイント(57h)を点灯対象セグメントに指定する。その結果、第2の7セグメントLED(56b)のセグメント(57a,57b,57d,57e,57g)及びデシマルポイント(57h)が点灯し、「2.」が表示される。
【0053】
第3の動作では、桁指定部(71)が第3の7セグメントLED(56c)を点灯対象桁に指定し、セグメント指定部(72)がセグメント(57a,57b,57c,57d,57g)を点灯対象セグメントに指定する。その結果、第3の7セグメントLED(56c)のセグメント(57a,57b,57c,57d,57g)が点灯し、「3」が表示される。
【0054】
表示制御部(70)は、第1~第3の動作を一つの周期として繰り返し行う。また、一つの周期の長さは、1~10ミリ秒程度の極めて短い時間に設定される。その結果、人間は、表示部(55)に「12.3」が表示されていると認識する。
【0055】
〈データ送信動作〉
データ送信動作は、表示部(55)を用いた可視光通信によってデータを送信する動作である。データ送信動作において、表示装置(50)は、表示部(55)が発する可視光を利用して、データを受信装置(250)へ送信する。
【0056】
データ送信動作において、表示装置(50)は、7セグメントLED(56a~56c)の所定のセグメント(57a~57g)を点滅させ、表示部(55)の明状態と暗状態を切り換えることによって、データを受信装置(250)へ送信する。具体的に、データ送信動作において、表示装置(50)は、7セグメントLED(56a~56c)の「点灯」と「消灯」の一方を「0」に、他方を「1」にそれぞれ対応させ、「0」と「1」の羅列で表現されたデジタルデータを、7セグメントLED(56a~56c)を点滅させることによって、受信装置(250)へ送信する。
【0057】
データ送信動作において、表示制御部(70)の桁指定部(71)は、点灯対象桁に指定する7セグメントLED(56a~56c)を一定に保持する。また、表示制御部(70)のセグメント指定部(72)は、点灯対象セグメントに指定するセグメント(57a~57g)を一定に保持する。この状態において、表示制御部(70)は、“点灯対象桁に指定された7セグメントLED(56a~56c)”の“点灯対象セグメントに指定されたセグメント(57a~57g)”を点滅させる。
【0058】
データ送信動作において、表示制御部(70)は、“点灯対象桁に指定された7セグメントLED(56a~56c)”の全ての“点灯対象セグメントに指定されたセグメント(57a~57g)”を、実質的に同時に点灯させ、実質的に同時に消灯させる。つまり、データ送信動作では、“点灯対象桁に指定された7セグメントLED(56a~56c)”の全ての“点灯対象セグメントに指定されたセグメント(57a~57g)”の点滅が、実質的に同期する。その結果、データ送信動作では、表示部(55)の明状態と暗状態が交互に繰り返し切り換わる。
【0059】
データ送信動作について、図7を参照しながら説明する。図7は、第3の7セグメントLED(56c)が点灯対象桁に指定され、第1~第7セグメント(57a~57g)が点灯対象セグメントに指定さている場合のデータ送信動作を示す。
【0060】
データ送信動作では、7セグメントLED(56a~56c)の「点灯」が「0」に、その「消灯」が「1」に、それぞれ対応づけられる。また、データ送信動作において、一つのビット(bit)に対応する時間tは、例えば1ミリ秒以下に設定される。そして、図7に示す例では、第3の7セグメントLED(56c)の第1~第7セグメント(57a~57g)が、送信するデータの各ビットに対応して点灯状態と消灯状態に相互に切り換わる。
【0061】
表示動作において、本実施形態の表示制御部(70)の桁指定部(71)は、第3の7セグメントLED(56c)を、点灯対象桁に常に指定する。一方、表示制御部(70)のセグメント指定部(72)は、送信するデータ群に対応して点灯対象セグメントに指定するセグメント(57a~57g)を変更する。
【0062】
図8に示すように、データ送信動作において送信するデータが第1データ群である場合、セグメント指定部(72)は、表示部(55)に「1」が表示されるように、セグメント(57b,57c)を点灯対象セグメントに指定する。データ送信動作において送信するデータが第2データ群である場合、セグメント指定部(72)は、表示部(55)に「2」が表示されるように、セグメント(57a,57b,57d,57e,57g)を点灯対象セグメントに指定する。データ送信動作において送信するデータが第3データ群である場合、セグメント指定部(72)は、表示部(55)に「3」が表示されるように、セグメント(57a,57b,57c,57d,57g)を点灯対象セグメントに指定する。
【0063】
表示動作において、表示装置(50)は、送信対象のデータ群に含まれるデータセットを一つずつ順に送信する。また、表示動作において、表示装置(50)は、送信対象のデータ群を、繰り返し送信し続ける。
【0064】
-データ群の構造-
上述したように、表示制御部(70)の送信データ作成部(73)は、複数のデータ群(100a,100b,…)を作成する。各データ群(100a,100b,…)の構造について説明する。
【0065】
図9に示すように、各データ群(100a,100b,…)では、データ群(100a,100b,…)に含まれるデータが、複数のデータセット(110a,110b,…)に区分される。各データ群(100a,100b,…)では、複数のデータセット(110a,110b,…)が一つずつ順に配置される。各データセット(110a,110b,…)は、一つの識別フレーム(120)と、複数のデータフレーム(121)とによって構成される。各データセット(110a,110b,…)では、先頭に識別フレーム(120)が配置され、識別フレーム(120)の後に複数のデータフレーム(121)が一つずつ順に配置される。
【0066】
各識別フレーム(120)は、その識別フレーム(120)が属するデータセット(110a,110b,…)を識別する識別情報である。言い換えると、各識別フレーム(120)は、その識別フレーム(120)が属するデータセット(110a,110b,…)を特定するための情報を含む。例えば、第1データ群(100a)の第1データセット(110a)に設けられた識別フレーム(120)は、その識別フレーム(120)の属するデータセットが“第1データ群(100a)の第1データセット(110a)”であることを示す情報を含む。また、第2データ群(100b)の第3データセット(110c)に設けられた識別フレーム(120)は、その識別フレーム(120)の属するデータセットが“第2データ群(100b)の第3データセット(110c)”であることを示す情報を含む。
【0067】
表示装置(50)のデータ送信動作では、送信対象のデータ群(100a,100b,…)に含まれる複数のデータセット(110a,110b,…)が、配列された順に一つずつ送信される。また、各データセット(110a,110b,…)に含まれる一つの識別フレーム(120)と複数のデータフレーム(121)は、配列された順に一つずつ送信される。従って、表示装置(50)は、データセット(110a,110b,…)を送信する際に、最初に識別フレーム(120)を送信し、その後に複数のデータフレーム(121)を一つずつ順に送信する。
【0068】
-実施形態1の特徴(1)-
本実施形態の表示装置(50)は、表示部(55)に数字または文字を表示させる表示動作と、表示部(55)の7セグメントLED(56a~56c)を用いてデータを送信するデータ送信動作とを行う。従って、本実施形態によれば、数字等を表示する用途とは異なる用途にも表示装置(50)を用いることができ、表示装置(50)の用途を増やすことができる。
【0069】
また、本実施形態の表示装置(50)では、表示装置(50)が表示動作を実行するために備える表示制御部(70)及び制御回路(60)が、データ送信動作を実行するためにも用いられる。従って、本実施形態によれば、表示装置(50)に新たな部材を追加することなく、表示装置(50)にデータ送信動作を実行させることができる。
【0070】
-実施形態1の特徴(2)-
本実施形態の表示装置(50)では、データ送信動作において点灯対象セグメントに指定されるセグメント(57a~57g)が、送信されるデータ群毎に相違する。そのため、表示装置(50)のデータ送信動作では、表示部(55)において点灯するセグメントが、送信されるデータ群毎に相違する。その結果、作業者は、表示部(55)を視認することによって、送信されているデータ群を特定することができる。
【0071】
特に、本実施形態の表示装置(50)は、表示動作において、送信されているデータ群に対応する「数字」を表示部(55)に表示するためのセグメント(57a~57g)を、点灯対象セグメントに指定する。そのため、作業者は、表示動作中に表示部(55)に表示される「数字」と、送信されているデータ群との対応関係を、容易に把握することができる。その結果、表示装置(50)の使い勝手が向上する。
【0072】
-実施形態1の特徴(3)-
本実施形態の表示装置(50)は、表示動作において、送信対象のデータ群(100a,100b,…)に含まれるデータフレーム(121)を一つずつ順に送信すると共に、送信対象のデータ群(100a,100b,…)を繰り返し送信し続ける。一方、受信装置(250)がデータの受信を開始するタイミングは、表示装置(50)がデータの送信を開始するタイミングと一致するとは限らない。
【0073】
ここで、データ群に含まれるデータフレームがデータセットに区分されていないと仮定する。この場合において、送信されているデータ群の途中のデータフレームから受信装置がデータの受信を開始すると、受信装置(250)は、データ群の中のどのデータフレームから受信を開始したのか認識できない。そのため、この場合、受信装置(250)は、データ群の送信が終了し、次回のデータ群の送信が開始されるまで待機しなければならない。
【0074】
これに対し、本実施形態の表示装置(50)では、各データ群(100a,100b,…)に含まれるデータフレーム(121)が複数のデータセット(110a,110b,…)に区分され、各データフレーム(121)の先頭に識別フレーム(120)が配置される(図9を参照)。
【0075】
そのため、例えば、第2データセット(110b)の送信中に受信装置(250)がデータの受信を開始した場合、受信装置(250)は、第2データセット(110b)の送信が終了して第3データセット(110c)の識別フレーム(120)を受信したときに、第3データセット(110c)の受信を開始したことを認識できる。そして、受信装置(250)は、送信対象のデータ群(100a,100b,…)に属する最後のデータセット(110a,110b,…)の受信を終了した後に、次回のデータ群(100a,100b,…)の送信において第1データセット(110a)及び第2データセット(110b)を受信することによって、送信対象のデータ群(100a,100b,…)に属する全てのデータセット(110a,110b,…)を受信できる。
【0076】
従って、本実施形態によれば、受信装置(250)が送信対象のデータ群(100a,100b,…)に属する全てのデータセット(110a,110b,…)を受信するのに要する時間を短縮でき、表示装置(50)の使い勝手を向上させることができる。
【0077】
《実施形態2》
実施形態2について説明する。本実施形態は、表示装置(50)を備えた液圧装置(300)である。ここでは、液圧装置(300)について説明する。本実施形態の表示装置(50)の構成と動作は、実施形態1と同じである。
【0078】
図10に示すように、液圧装置(300)は、液圧シリンダ(310)と、液圧ポンプ(320)と、制御弁(330)と、制御器(40)と、操作盤(45)とを備える。この液圧装置(300)は、作動流体として油を用いる。
【0079】
液圧シリンダ(310)は、複動形の両ロッドシリンダである。液圧シリンダ(310)は、ピストン(311)とロッド(312)とを備える。ピストン(311)は、液圧シリンダ(310)の内部空間を、第1液室(313a)と第2液室(313b)に区画する。
【0080】
液圧ポンプ(320)は、可変容量形のピストンポンプである。液圧ポンプ(320)は、作動流体を加圧して吐出する加圧機構である。液圧ポンプ(320)の吸込口は、油タンク(325)に接続される。液圧ポンプ(320)の吐出口は、制御弁(330)に接続される。液圧ポンプ(320)は、モータ(321)によって駆動される。
【0081】
制御弁(330)は、電磁比例切換弁である。制御弁(330)は、第1ポート(331)と第2ポート(332)と流入ポート(333)と排出ポート(334)とを備える。第1ポート(331)は、液圧シリンダ(310)の第1液室(313a)に接続される。第2ポート(332)は、液圧シリンダ(310)の第2液室(313b)に接続される。流入ポート(333)は、液圧ポンプ(320)の吐出口に接続される。排出ポート(334)は、油タンク(325)に接続される。
【0082】
制御弁(330)は、第1ポート(331)が流入ポート(333)と連通して第2ポート(332)が排出ポート(334)に連通する第1状態と、第1ポート(331)と第2ポート(332)のそれぞれが流入ポート(333)と排出ポート(334)の両方から遮断される第2状態と、第2ポート(332)が流入ポート(333)と連通して第1ポート(331)が排出ポート(334)に連通する第3状態とに切り換わる。制御弁(330)が切り換わることによって、液圧シリンダ(310)のロッド(312)が往復動する。
【0083】
本実施形態の制御器(40)は、実施形態1の制御器(40)と同様に、CPU(41)とメモリーデバイス(44)とを備える。CPU(41)は、メモリーデバイス(44)に記録されたプログラムを実行することによって、機器制御部(42)、データ取得部(43)、及び表示制御部(70)として機能する。
【0084】
本実施形態の機器制御部(42)は、主に制御弁(330)と液圧ポンプ(320)を制御するように構成される。本実施形態の表示制御部(70)は、実施形態1の表示制御部(70)と同様に表示部(55)を制御するように構成され、表示装置(50)に表示動作とデータ送信動作とを実行させる。
【0085】
本実施形態の操作盤(45)には、実施形態1の操作盤(45)と同様に、表示装置(50)の表示部(55)と、操作ボタン(46)とが設けられる。
【0086】
《その他の実施形態》
上記各実施形態の表示装置(50)については、次のような変形例を適用してもよい。なお、以下の変形例は、表示装置(50)の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
【0087】
-第1変形例-
各実施形態の表示制御部(70)の桁指定部(71)は、表示装置(50)のデータ送信動作において、複数の7セグメントLED(56a~56c)を点灯対象桁に指定するように構成されていてもよい。
【0088】
図11は、表示装置(50)のデータ送信動作において桁指定部(71)が第2の7セグメントLED(56b)と第3の7セグメントLED(56c)とを点灯対象桁に指定した場合の、表示部(55)の状態を示す。この場合、データ送信動作中の表示部(55)には、第2の7セグメントLED(56b)と第3の7セグメントLED(56c)のそれぞれに、送信対象のデータ群に対応する数字が表示される。
【0089】
-第2変形例-
各実施形態の表示制御部(70)の桁指定部(71)は、表示装置(50)のデータ送信動作において、点灯対象桁に指定する7セグメントLED(56a~56c)の数を変更するように構成されていてもよい。
【0090】
図12は、表示装置(50)のデータ送信動作において桁指定部(71)が点灯対象桁に指定する7セグメントLED(56a~56c)の数をデータ群毎に相違させた場合の、表示部(55)の状態を示す。この例において、桁指定部(71)は、第1データ群を送信する場合は全ての7セグメントLED(56a~56c)を点灯対象桁に指定し、第2データ群を送信する場合は第2の7セグメントLED(56b)と第3の7セグメントLED(56c)とを点灯対象桁に指定し、第3データ群を送信する場合は第3の7セグメントLED(56c)を点灯対象桁に指定する。
【0091】
-第3変形例-
各実施形態の表示制御部(70)のセグメント指定部(72)は、表示装置(50)のデータ送信動作において、表示部(55)に数字以外の文字または図形が表示されるようなセグメント(57a~57g)を、点灯対象セグメントに指定するように構成されていてもよい。
【0092】
図13は、表示装置(50)のデータ送信動作においてセグメント指定部(72)が“表示部(55)にアルファベットが表示されるようなセグメント(57a~57g)”を点灯対象セグメントに指定した場合の、表示部(55)の状態を示す。この場合、セグメント指定部(72)は、送信対象のデータ群毎に異なるアルファベットが表示部(55)に表示されるように、所定のセグメント(57a~57g)を点灯対象セグメントに指定する。
【0093】
図14は、表示装置(50)のデータ送信動作においてセグメント指定部(72)が“表示部(55)に図形が表示されるようなセグメント(57a~57g)”を点灯対象セグメントに指定した場合の、表示部(55)の状態を示す。この場合、セグメント指定部(72)は、送信対象のデータ群毎に異なる図形が表示部(55)に表示されるように、所定のセグメント(57a~57g)を点灯対象セグメントに指定する。
【0094】
-第4変形例-
各実施形態の表示装置(50)において、データ送信動作によって送信される内部データは、複数のデータ群(100a,100b,…)に区分されていなくてもよい。この場合、表示装置(50)は、データ送信動作において、送信対象の内部データの全てを一つずつ順に送信する。
【0095】
-第5変形例-
各実施形態の表示装置(50)において、表示部(55)は、二つの7セグメントLEDを備えていてもよいし、四つ以上の7セグメントLEDを備えていてもよい。
【0096】
-第6変形例-
表示装置(50)の設置対象は、液冷却装置(10)および液圧装置(300)に限定されない。表示装置(50)は、例えば、室内空間や庫内空間の温度調節を行う冷凍装置に設けられていてもよい。作業者に数字等を視認させるための7セグメントLEDを備える装置であれば、表示動作とデータ送信動作とを行う表示装置(50)を設置できる。
【0097】
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態および変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。また、明細書および特許請求の範囲の「第1」、「第2」、「第3」…という記載は、これらの記載が付与された語句を区別するために用いられており、その語句の数や順序までも限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0098】
以上説明したように、本開示は、表示装置、液冷却装置、および液圧装置について有用である。
【符号の説明】
【0099】
10 液冷却装置
20 冷媒回路
50 表示装置
55 表示部
56a 第1の7セグメントLED
56b 第2の7セグメントLED
56c 第3の7セグメントLED
57a~57g セグメント
71 桁指定部
72 セグメント指定部
74 情報取得部
100a データ群
100b データ群
300 液圧装置
320 液圧ポンプ(加圧機構)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14