(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-26
(45)【発行日】2024-04-03
(54)【発明の名称】誘導灯
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20240327BHJP
F21S 9/02 20060101ALI20240327BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240327BHJP
【FI】
F21S2/00 439
F21S9/02 120
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2020144632
(22)【出願日】2020-08-28
【審査請求日】2023-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【氏名又は名称】山田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【氏名又は名称】樺澤 襄
(72)【発明者】
【氏名】白戸 遼介
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-278484(JP,A)
【文献】特開2002-279821(JP,A)
【文献】特開2012-018759(JP,A)
【文献】特開2004-055454(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21S 9/02
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
挟み部と、支持部と、を有し、表示部が取り付けられる本体ユニットと;
光源を有し、前記本体ユニットに取り付けられる光源部と;
前記本体ユニットに取り付けられ、前記光源の光を前記表示部の背面側に導く導光体と;を備え、
前記光源部は、前記本体ユニットに対する前記導光体の取り付け方向と同方向に差し込まれて前記本体ユニットに取り付けられ、かつ、
前記挟み部に当接した状態で前記導光体と前記
挟み部との間に少なくとも一部が挟み込まれて
前記支持部と前記挟み部の端部との間で前記本体ユニットに対する前記導光体の取り付け方向と交差する方向に保持される
ことを特徴とする誘導灯
。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、本体ユニットに取り付けられる光源部の光源からの光を表示部の背面側に導く導光体を備える誘導灯に関する。
【背景技術】
【0002】
誘導灯は、本体ユニットの取付面に取り付けられる表示板を照明する光源ユニットを備える。光源ユニットは、LED等の光源を備える光源モジュールと、光源からの光を表示板の背面に導く導光板と、を有し、光源モジュールと導光板とがそれぞれ本体ユニットに取り付けられる。
【0003】
光源モジュールは、導光板の側面に対向する位置に取り付けられるが、従来、光源ユニットの光源モジュールについては、本体ユニットへの導光板の取り付け方向に対して交差する方向に取り付けられているため、取り付け方向に位置ずれが生じると、光源モジュールが導光板の設置予定範囲に入り込むことで、導光板の取り付けを妨げるおそれがある。そのため、本体ユニットに対する光源モジュールの位置ずれを抑制することが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、本体ユニットへの導光体の取り付け方向に対して交差する方向への光源部の位置ずれを抑制できる誘導灯を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の誘導灯は、本体ユニットと、光源部と、導光体と、を備える。本体ユニットは、挟み部と、支持部と、を有し、表示部が取り付けられる。光源部は、光源を有し、本体ユニットに取り付けられる。導光体は、本体ユニットに取り付けられ、光源の光を表示部の背面側に導く。光源部は、本体ユニットに対する導光体の取り付け方向と同方向に差し込まれて本体ユニットに取り付けられ、かつ、挟み部に当接した状態で導光体と挟み部との間に少なくとも一部が挟み込まれて支持部と挟み部の端部との間で本体ユニットに対する導光体の取り付け方向と交差する方向に保持される。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の誘導灯によれば、本体ユニットへの導光体の取り付け方向に対して交差する方向への光源部の位置ずれを抑制することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1の実施形態を示す誘導灯の斜視図である。
【
図3】同上誘導灯の本体ユニットに対する光源部の取り付け前の状態の一部の斜視断面図である。
【
図4】同上誘導灯の本体ユニットに対する光源部の取り付け前の状態の一部の斜視図である。
【
図5】同上誘導灯の本体ユニットに対し光源部を取り付けた状態の一部の斜視断面図である。
【
図6】同上誘導灯の本体ユニットに対し光源部を取り付けた状態の一部の斜視図である。
【
図7】同上誘導灯の本体ユニットに対する導光体の取り付け前の状態の一部の斜視図である。
【
図8】同上誘導灯の本体ユニットに対する導光体の取り付け前の状態の一部の斜視断面図である。
【
図9】同上誘導灯の本体ユニットに対し導光体を取り付けた状態の一部の斜視断面図である。
【
図10】同上誘導灯の導光体を本体ユニットに吊り下げて本体ユニット内にアクセスする状態を示す正面図である。
【
図11】第2の実施形態を示す誘導灯の本体ユニットに対する光源部の取り付け工程の斜視図である。
【
図12】同上誘導灯の本体ユニットに対する光源部の
図11に続く取り付け工程の斜視図である。
【
図13】同上誘導灯の本体ユニットに対する光源部の
図12に続く取り付け工程の斜視図である。
【
図14】第3の実施形態を示す誘導灯の一面側からの分解斜視図である。
【
図15】同上誘導灯を示す他面側からの分解斜視図である。
【
図16】同上誘導灯の一部の一面側からの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、第1の実施形態を、
図1ないし
図10を参照して説明する。
【0010】
図1に誘導灯10を示す。誘導灯10は、設置面である天井面および壁面いずれにも選択的に設置可能な片面表示形誘導灯である。
【0011】
図2に示すように、誘導灯10は、設置面に設置される本体11を備えている。本体11には光源部12、導光体13が取り付けられ、本体11の主面である前面側に表示部14が配置される。本実施形態において、光源部12は、対をなして配置される。なお、本実施形態の誘導灯10では、天井面に取り付けられる面を上面、この上面に対して反対側を下面、壁面に取り付けられる面を背面(後面)、背面に対して反対側を前面(正面)、これら上下面および前後面に交差する幅方向の両側面を左右の側面として説明する。つまり、上下方向、前後方向、および、左右方向については、誘導灯10が設置面に取り付けられた状態を基準とする。
【0012】
本体11は、金属あるいは樹脂等により形成されている。上面部11a、下面部11b、左右の側面部11c、および背面部11dを有し、前面を開口した箱形に一体に形成されている。本体11の前面側は、表示部14が取り付けられる取付面aである。
【0013】
本体11の上面部11aには、天井面に取り付けられる複数の取付孔15、および天井面側からの配線である電源ケーブルを引き込むための配線孔16が設けられている。
図7に示すように、本体11の背面部11dの上部側にも、同様に、壁面に取り付けられる複数の取付孔17、および壁面からの配線である電源ケーブルを引き込むための配線孔18が設けられている。配線孔16,18は本体11の左右方向の中央に設けられている。
【0014】
また、
図3に示すように、本体11の側面部11cには、光源部12を支持する支持部19が形成されている。支持部19は、平板状に形成され、側面部11cに対し、本体11の左右方向の中央部側に突出し、先端部が前方向に屈曲されて前後方向に沿う面状となっている。支持部19は、本体11の左右方向において光源部12の外側の位置を規制する。
【0015】
本体11の内部には、取付体20が取り付けられている。取付体20は、金属等により板状に形成された取付板である。取付体20は、本体11の背面部11dに対し、前側に僅かに離れて配置され、背面部11dに対し前後方向に対向している。
図2に示すように、取付体20は、背面部11dに対し、上側が低く形成されている。つまり、取付体20の上部には、本体11の上面部11aとの間に隙間が形成されている。また、取付体20の両側は、本体11の両側面部11cに固定されている。取付体20には、端子台22、電源ユニット23、バッテリ24、点検ユニット25、および、光源部取付部26などがそれぞれ取り付けられている。そして、本体11、取付体20、端子台22、電源ユニット23、バッテリ24、点検ユニット25、および、光源部取付部26などにより、本体ユニット27が構成されている。
【0016】
端子台22は、取付体20の上側左寄りの位置に取り付けられ、本体11内に収容されている。端子台22は、本体11内に引き込まれる電源ケーブルおよび電源ユニット23に対し電気的に接続される。
【0017】
電源ユニット23は、電源回路部を備える。電源回路部は、入力部に端子台を介して外部電源が電気的に接続され、出力部に光源部12が電気的に接続される。また、電源ユニット23には、入力部に入力される外部電源である交流電源を点灯電源である直流電源に変換して出力する変換回路、この変換回路から出力される直流電源によって光源部12を点灯させる常時点灯回路、変換回路から出力される直流電源によってバッテリ24を充電する充電回路、外部電源の停電時にバッテリ24の電源によって光源部12を点灯させる非常時点灯回路、および点検操作時に動作する点検回路などの回路が少なくとも設けられている。
【0018】
バッテリ24は、充放電可能な二次電池である。バッテリ24は、電源ユニット23のバッテリ装着部28に着脱可能に装着されて電源回路部と電気的に接続される。
【0019】
点検ユニット25は、光源部12およびバッテリ24の点検の開始の入力の受け付けおよび点検結果の表示などをするものである。
【0020】
電源ユニット23、バッテリ24、および、点検ユニット25は、それぞれ光源部12に対応して配置される。すなわち、本実施形態において、これら電源ユニット23、バッテリ24、および、点検ユニット25は、それぞれ対をなして配置される。図示される例では、電源ユニット23は、左右一対、互いに離れた位置で取付体20の前面に固定されて本体11内に収容され、電源ユニット23のそれぞれにバッテリ24が着脱可能に取り付けられる。各電源ユニット23に対応して、点検ユニット25が左右一対、互いに離れて取付体20の前面に固定されて本体11内に収容され、本体11の下面部11bに開口された窓部30(
図4)に対向している。
【0021】
光源部取付部26は、光源部12を本体11に取り付ける部材である。本実施形態において、光源部取付部26は、対をなして配置され、それぞれの光源部取付部26により光源部12が本体11に取り付けられる。光源部取付部26は、長尺に形成され、両側面部11cに沿ってそれぞれ配置されている。つまり、光源部取付部26は、上下方向に長手状に配置される。また、光源部取付部26は、両側面部11cに対して離れて位置する。
図3および
図4に示すように、各光源部取付部26と各側面部11cとの間にて本体11内に、取付面aと連通する第一収容空間bがそれぞれ区画され、光源部取付部26,26間にて本体11内に、取付面aと連通する第二収容空間cが区画される。つまり、光源部取付部26は、本体11内を、取付面aと連通する第一収容空間bと第二収容空間cとに仕切る仕切り部である。
【0022】
第一収容空間bは、本体11の両側縁に沿って上下方向に細長く形成され、第二収容空間cは、本体11の中央部に正面から見て四角形状に、第一収容空間bよりも大きく形成される。第一収容空間b内に光源部12の少なくとも一部が収容され、
図2に示すように、第二収容空間c内に端子台22、電源ユニット23、バッテリ24、および、点検ユニット25が収容される。
【0023】
図3に示すように、光源部取付部26は、細長い板状に形成されて本体11の側面部11cと対向する取付部本体26aを有し、この取付部本体26aの長辺から、取付体20に固定される被固定部26bと光源部12および導光体13(
図2)を支持する挟み部である取付支持部26cとを一体的に有する断面コ字状に形成されている。
【0024】
被固定部26bおよび取付支持部26cは、それぞれ側面部11cに向かい取付部本体26aの長辺から屈曲されている。
【0025】
取付支持部26cは、左右方向に延びる面状に形成されている。取付支持部26cは、本体11の前後方向において、光源部12の位置を規制する。また、取付支持部26cの先端部26c1は、本体11の支持部19に一部が対向している。取付支持部26cの先端部26c1は、本体11の左右方向において、光源部12の内側の位置を規制する。
【0026】
また、
図4に示すように、光源部取付部26には、光源部12を受ける受け部26dが形成されている。受け部26dは、光源部取付部26の取付支持部26cから取付部本体26aの前側に亘り切り欠き形成されている。受け部26dの上下の縁部には、ガイド部26d1が前後方向に沿って形成されている。
【0027】
図2に示す光源部12は、導光体13を介して表示部14を背面側から照明する。本実施形態において、光源部12は、導光体13の左右に一対ずつ備えられる。図示される例では、光源部12は、左右それぞれに上下一対配置される。
図3および
図5に示すように、光源部12は、発光モジュール32、およびこの発光モジュール32を保持するホルダ33を有する。光源部12は、縦長に設けられ、発光モジュール32からの光が導光体13(
図2)の両側面に入射するようにホルダ33によって本体ユニット27に取り付けられる。
【0028】
発光モジュール32は、光源基板32a、およびこの光源基板32aに実装された光源32b(
図4)を有している。光源32b(
図4)は、例えば発光素子が用いられる。本実施形態において、発光素子は、LEDや有機EL等の半導体発光素子である。
【0029】
ホルダ33は、光源基板32aを左右方向から挟み込んで保持し、本体11に対し光源部取付部26により着脱可能に取り付けられる。ホルダ33は、長尺の箱状に形成されている。ホルダ33は、ホルダ側面部33a,33bと、前側のホルダ前面部33cと、後側のホルダ後面部33dと、を有する。ホルダ側面部33bに、光源32b(
図4)が露出される。
【0030】
また、
図4に示すように、ホルダ33は、ホルダ後面部33dから突出するコネクタ部33eを有する。つまり、コネクタ部33eは、ホルダ33の長手方向に対し交差する方向に突出している。コネクタ部33eは、電源ユニット23と光源基板32a(
図3)とを電気的に接続する部分である。本実施形態において、コネクタ部33eは、ホルダ33の長手方向の一端寄りに配置されている。コネクタ部33eは、光源部取付部26の受け部26dに前方から差し込まれる。
【0031】
また、ホルダ33は、被挟持部33fを備える。被挟持部33fは、
図9に示すように、本体ユニット27側である光源部取付部26の取付支持部26cと導光体13との間に挟み込まれる部分である。被挟持部33fは、ホルダ側面部33bから突出して、ホルダ側面部33bと交差する方向に平板状に延びている。被挟持部33fは、ホルダ33の長手方向に沿って形成されている。
【0032】
図2に示す導光体13は、表示部14の背面側にて本体ユニット27に取り付けられる。導光体13は、本体ユニット27に対し、本体11の取付面aに対して垂直な方向である前方から所定方向である後方向に向かって取り付けられる。
【0033】
導光体13は、本体11より一回り小さい四角形状に形成されている。導光体13と対をなす光源部12とにより、光源ユニット34が構成される。本実施形態において、導光体13は、導光体本体13aと、導光体本体13aの背面側に重ねられる導光体支持体13bと、導光体支持体13bとの間で導光体本体13aの上下の縁部を挟み込む取付部材13cと、を有する。
【0034】
導光体本体13aは、例えばアクリルなどの透明な樹脂製で平板状に形成された導光板である。導光体本体13aは、両側面が両側の光源32bに対向する位置にて本体11(本体ユニット27)に取り付けられ、両側面から入射される光源32bからの光を表示部14に導くものである。
【0035】
導光体支持体13bは、例えば金属製で平板状に形成されている。導光体支持体13bは、導光体本体13aよりも上下に大きい外形を有する四角形状に形成され、上下が導光体本体13aよりも外方に延出している。導光体支持体13bは、導光体本体13aの背面側に拡散される光を前面側に反射させる反射体の機能を有する。
【0036】
取付部材13cは、例えば金属製であり、導光体本体13aの上下から延出する導光体支持体13bの上下の位置に前側から重ねられて、導光体本体13aの上下部を導光体支持体13bとともに挟み込んで保持する。
図7に示すように、上側の取付部材13cには、導光体13を本体11(本体ユニット27)に係止する係止開口部35が形成されている。係止開口部35は、対をなして形成され、互いに左右に離れてそれぞれ配置されている。本実施形態において、係止開口部35は、導光体13において左右に対称または略対称な位置に配置されている。係止開口部35には、本体11の上面部11aの前部に突設された取付爪36がそれぞれ挿入される。
【0037】
また、上側の取付部材13cには、ワイヤ取付開口部37が形成され、ワイヤ取付開口部37に仮係止部材である仮吊りワイヤ38が取り付けられている。ワイヤ取付開口部37は、対をなして形成され、互いに左右に離れてそれぞれ配置されている。本実施形態において、ワイヤ取付開口部37は、導光体13において左右に対称または略対称な位置に配置されている。また、仮吊りワイヤ38は、導光体13を本体11(本体ユニット27)に対して仮係止するものである。仮吊りワイヤ38は、基端部がワイヤ取付開口部37に取り付けられ、先端部に拡大されたストッパ部38aが形成されている。そして、仮吊りワイヤ38は、本体ユニット27の取付体20に形成された仮固定部であるワイヤ固定部40,41に対し選択的に前側から引っ掛けられる。ワイヤ固定部40は、取付体20の上縁部にクランク状に切り欠き形成された溝部である。
図4に示すように、ワイヤ固定部41は、取付体20の下部に形成された溝部である。ワイヤ固定部40,41は、対をなして形成され、それぞれ左右に離れて形成されている。
【0038】
さらに、
図2に示すように、下側の取付部材13cには、導光体13を本体11(本体ユニット27)にねじなどにより固定するための取付孔42が形成されている。取付孔42は、下側の取付部材13cに複数形成されている。取付孔42は、本体11の下面部11bの前部に形成された受け孔43と位置合わせされ、これら取付孔42と受け孔43とに亘り、ねじなどが挿入される。
【0039】
表示部14は、本体11の取付面aに対して垂直な方向である前方から所定方向である後方向に向かって本体ユニット27に組み合わされて取り付けられる。表示部14は、枠体45、および、この枠体45の前面側に配置される表示パネル46などを備えている。
【0040】
枠体45は、四角形枠状に形成され、本体11の前面側に嵌合されて取り付けられる。枠体45は、表示パネル46が臨む開口部45aを中央部に有する。枠体45は、本体ユニット27に対し、本体11の前側から導光体13を覆って取り付けられる。なお、本体11と枠体45とで誘導灯10の筐体が構成される。
【0041】
また、表示パネル46は、透光性を有し、誘導表示のピクトグラムが表示されている。表示パネル46は、枠体45の背面側に枠体45の後面側から挿入され、枠体45の開口部45aを背面側から覆って配置されている。
【0042】
次に、誘導灯10の施工について説明する。
【0043】
施工にあたっては、まず、本体11に対し端子台22、電源ユニット23、バッテリ24、点検ユニット25、および、光源部取付部26などを予め取り付けた本体ユニット27を、設置面である天井面または壁面に設置する。
【0044】
誘導灯10を天井面に設置する場合には、天井面から引き出されている電源ケーブルを本体11の上面部11aの配線孔16から引き込み、本体11の上面部11aの取付孔15を通じてねじを天井面に螺着し、本体ユニット27を天井面に取り付ける。
【0045】
誘導灯10を壁面に設置する場合には、壁面から引き出されている電源ケーブルを本体11の背面部11dの配線孔18から引き込み、本体11の背面部11dの取付孔17を通じてねじを壁面に螺着し、本体ユニット27を壁面に取り付ける。
【0046】
続いて、電源ケーブルを端子台22に接続するとともに、端子台22側と電源ユニット23側とをコネクタ接続し、本体ユニット27の前方から光源部12、導光体13、および、表示部14を順次取り付ける。
【0047】
光源部12を本体ユニット27に取り付ける際には、
図3に示すように、光源部12を本体ユニット27の前方にて本体11の側面部11cと光源部取付部26との間に位置させ、
図4に示すように、コネクタ部33eを光源部取付部26の受け部26dに位置合わせし、本体11の支持部19と光源部取付部26の取付支持部26cの先端部26c1との間に光源部12を前側から後側へと差し込むことで、受け部26dのガイド部26d1,26d1により光源部12のコネクタ部33eがガイドされるとともに、光源部12のホルダ33のホルダ側面部33a(
図3)が支持部19にガイドされ、光源部12が第一収容空間bに挿入される。その結果、光源部12は、
図5および
図6に示すように、被挟持部33fが取付支持部26cの前側に重ねられて本体ユニット27に対し前後方向に位置決めされ、コネクタ部33eが光源部取付部26の受け部26dのガイド部26d1,26d1間に上下から挟み込まれて本体ユニット27に対し上下方向に保持され、かつ、本体11の支持部19と光源部取付部26の取付支持部26cの先端部26c1との間にホルダ33が挟み込まれて本体ユニット27に対し左右方向に保持される。
【0048】
さらに、導光体13を本体ユニット27に取り付ける際には、
図7に示す仮吊りワイヤ38をそれぞれワイヤ固定部40に前側から引っ掛けて仮係止し、上側の係止開口部35を前側から取付爪36に引っ掛けた後、取付爪36を支点として下部を本体ユニット27側である後側へと回動させ、
図8および
図9に示すように、光源部12の被挟持部33fに重ねる。その結果、導光体13の導光体本体13aの側縁と光源部取付部26の取付支持部26cとの間に光源部12の被挟持部33fが挟み込まれる。また、導光体13は、導光体支持体13bの両側縁が両光源部取付部26の取付部本体26a間に嵌合されることで、本体ユニット27に対し第二収容空間cを覆って左右方向に保持される。導光体13は、
図2に示す下部の取付孔42にねじなどを挿入し、本体ユニット27に対し下部を固定する。導光体13が本体ユニット27に固定されることにより、光源部12が本体ユニット27に対し導光体13と光源部取付部26の取付支持部26cとにより前後方向に保持される。また、導光体13の導光体本体13aの両側面が光源部12の光源32bに対向して位置する。
【0049】
そして、表示部14は、枠体45の背面側に表示パネル46を保持し、本体ユニット27に対し、取付面aを覆って本体ユニット27に前面側から組み合わせ、ねじなどにより本体ユニット27に対して固定する。
【0050】
次に、誘導灯10の動作について説明する。
【0051】
外部電源の供給時には、電源ユニット23が備える電源回路部の常時点灯回路により、外部電源を電源として光源部12の光源32bを点灯させ、かつ、電源回路部の充電回路により、外部電源を電源としてバッテリ24を充電する。
【0052】
また、外部電源の停電時には、電源回路部の非常時点灯回路により、バッテリ24を電源として光源部12の光源32bを点灯させる。
【0053】
そして、光源32bからの光は、導光体13の導光体本体13aの両側面に入射し、導光体本体13a内で拡散されて表示パネル46に向けて出射され、表示パネル46が照明される。なお、導光体本体13aの背面側に拡散される光は、導光体支持体13bにより反射され、表示パネル46に向けて出射される。
【0054】
また、バッテリ24の交換時には、まず、表示部14を本体ユニット27から取り外す。表示部14を本体ユニット27から外すには、本体ユニット27に対して表示部14を固定するねじなどを外し、表示部14を本体ユニット27に対して前方に向けて引き離すように操作する。続いて、導光体13を本体ユニット27から取り外す。導光体13は、本体ユニット27に固定するねじなどを外し、上部の取付爪36を支点として、導光体13の下部を本体ユニット27から前方に離すように回動させた後、取付爪36に対し係止開口部35を外し、仮吊りワイヤ38をワイヤ固定部40から取り外す。
【0055】
導光体13を取り外したことで露出したバッテリ24を電源ユニット23のバッテリ装着部28から取り外し、新たなバッテリ24をバッテリ装着部28に取り付ける。なお、バッテリ24を交換する作業の間、本体ユニット27から取り外した導光体13は、
図10に示すように、仮吊りワイヤ38をワイヤ固定部41にそれぞれ引っ掛け、本体ユニット27の下部に吊り下げておくことで、作業性を確保しつつ、取り外した導光体13を置いておくスペース等が不要で、省スペースでの作業が可能となる。バッテリ24の交換が終了すると、取り外したときと逆順で導光体13および表示部14を本体ユニット27に取り付ける。
【0056】
このように、本実施形態によれば、光源部12を、本体ユニット27に対する導光体13の取り付け方向である後方向に差し込んで本体ユニット27に取り付け、かつ、導光体13と本体ユニット27側との間に少なくとも一部を挟み込んで保持することで、本体ユニット27に対する光源部12の左右方向、つまり本体ユニット27に対する導光体13の取り付け方向と交差する方向への光源部12の位置ずれを抑制できる。
【0057】
また、導光体13との間で光源部12の少なくとも一部を挟み込んで光源部12を前後方向に保持する光源部取付部26の取付支持部26cを利用し、取付支持部26cの先端部26c1と支持部19との間で光源部12を左右方向に保持することで、簡素な構成で、本体ユニット27に対する光源部12の左右方向、つまり本体ユニット27に対する導光体13の取り付け方向と交差する方向への位置ずれを確実に抑制できる。
【0058】
そして、本体ユニット27に対する導光体13の取り付け方向と交差する方向への光源部12の位置ずれを抑制できるため、導光体13を取り付ける際に、光源部12が導光体13の設置予定範囲に入り込みにくくなり、導光体13の取り付けを妨げにくく、導光体13を容易に取り付けできる。
【0059】
【0060】
誘導灯10は、本体11に、光源部12を保持するための規制部50をさらに備える。規制部50は、本体11の各側面部11cの前部に、本体11の左右方向の中央部側に向かって延びる爪状に形成されている。規制部50は、光源部12毎に少なくとも一つ設定されている。本実施形態において、規制部50は、本体11の上部、下部、および、上下方向の中央部に配置され、上部および中央部の規制部50が、上側の光源部12の保持用であり、中央部および下部の規制部50が、下側の光源部12の保持用である。つまり、中央部の規制部50は、上側の光源部12と下側の光源部12との保持に共用される。
【0061】
光源部12には、規制部50と干渉可能な干渉部51が形成されている。干渉部51は、光源部12のホルダ33のホルダ側面部33aから突出して形成されている。好ましくは、干渉部51は、光源部12の複数箇所に設定されている。本実施形態において、干渉部51は、光源部12の長手方向に離れて複数箇所に設定されている。図示される例では、干渉部51は、光源部12のホルダ33の長手方向の両端部に配置されている。
【0062】
そして、光源部12を本体ユニット27に取り付ける際には、光源部12を、干渉部51が規制部50と干渉しない位置として本体ユニット27に対し前方から差し込んだ後、長手方向へとスライドさせることで、規制部50が光源部12の干渉部51と干渉する位置となることにより、本体ユニット27からの光源部12の前方への抜けを防止する。光源部12のコネクタ部33eについては、光源部取付部26の受け部26d内でスライド可能となっている。
【0063】
本実施形態では、光源部12を、
図11および
図12に示すように、干渉部51が規制部50に対して上側となる位置として本体ユニット27に対し前方から差し込んだ後、
図13に示すように下方へとスライドさせて規制部50が光源部12の干渉部51と干渉する位置とする。したがって、本実施形態の場合、下側の光源部12を本体ユニット27に対して先に取り付けた後、上側の光源部12を本体ユニット27に対して取り付ける。
【0064】
そして、第2の実施形態の誘導灯10においても、光源部12が、本体ユニット27に対し表示部14が取り付けられる所定方向と同方向に差し込まれて本体ユニット27に取り付けられ、かつ、導光体13と本体ユニット27側との間に挟み込まれて保持されるなど、上述した第1の実施形態と同様の構成を有し、同様の作用効果を奏する。
【0065】
また、規制部50と干渉部51との干渉によって光源部12の本体ユニット27からの前方への抜けを防止するので、光源部12を本体ユニット27に対し、より確実に保持できる。
【0066】
【0067】
誘導灯10は、光源部12、導光体13、および、表示部14が、本体11(本体ユニット27)の一面側と他面側とにそれぞれ配置される両面表示形誘導灯である。この誘導灯10は設置面である天井面に設置される。
【0068】
上述した各実施形態の光源部12、導光体13、および、表示部14の構成に対し、各光源部12、各導光体13、および、各表示部14の構成は基本的に同様であるが、本体ユニット27の構造、具体的には本体11の構造、電源ユニット23、バッテリ24、および、点検ユニット25の配置が異なっている。
【0069】
本体11については、背面部11dを有しておらず、取付体20を挟み、内部の一面側と他面側とが仕切られている。
【0070】
また、電源ユニット23、バッテリ24、および、点検ユニット25については、取付体20の一面側に、一面側の第一光源部12a(
図14)用のものと、他面側の第二光源部12b(
図15)用のものとがまとめて配置されている。
【0071】
本実施形態において、電源ユニット23には、第一光源部12a(
図14)用の第一電源ユニット23aと、第二光源部12b(
図15)用の第二電源ユニット23bと、が設定されている。
図13に示すように、第二収容空間c内において、第一電源ユニット23a,23aは、下側寄りの左右の位置に互いに離れて配置され、第二電源ユニット23b,23bは、上側寄りの左右の位置に互いに離れて配置されている。
【0072】
同様に、バッテリ24には、第一光源部12a(
図14)用の第一バッテリ24aと、第二光源部12b(
図15)用の第二バッテリ24bと、が設定されている。図示される例では、第二収容空間c内において、第一バッテリ24a,24aは、第一電源ユニット23a,23aに装着されて下側寄りの左右の位置に互いに離れて配置され、第二バッテリ24b,24bは、第二電源ユニット23b,23bに装着されて上側寄りの左右の位置に互いに離れて配置されている。
【0073】
したがって、第一光源部12a(
図14)用の第一電源ユニット23aおよび第一バッテリ24aと、第二光源部12b(
図15)用の第二電源ユニット23bおよび第二バッテリ24bとが、本体ユニット27の前側において、上下に分けて配置されている。
【0074】
また、点検ユニット25は、第一光源部12a(
図14)用および第一バッテリ24a用の第一点検ユニット25aと、第二光源部12b(
図15)用および第二バッテリ24b用の第二点検ユニット25bと、が設定されている。図示される例では、第二収容空間c内において、第一点検ユニット25a,25aは、本体ユニット27の下端の位置で左右両側に配置され、第二点検ユニット25b,25bは、本体ユニット27の下端の位置で第一点検ユニット25a,25aに対し本体ユニット27の幅方向である左右方向の中央部側に配置されている。
【0075】
そして、第3の実施形態の誘導灯10においても、光源部12(第一光源部12aおよび第二光源部12b)が、本体ユニット27に対し表示部14が取り付けられる所定方向と同方向に差し込まれて本体ユニット27に取り付けられ、かつ、導光体13と本体ユニット27側との間に挟み込まれて保持されるなど、上述した各実施形態と同様の構成を有し、同様の作用効果を奏する。
【0076】
また、バッテリ24の交換の際には、前側の表示部14および導光体13のみを本体ユニット27から取り外して本体ユニット27の前側を開くだけで、第一バッテリ24aであっても第二バッテリ24bであっても交換することが可能なので、バッテリ24の交換が容易である。
【0077】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0078】
10 誘導灯
12 光源部
13 導光体
14 表示部
19 支持部
26c 挟み部である取付支持部
27 本体ユニット
32b 光源