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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-26
(45)【発行日】2024-04-03
(54)【発明の名称】誘導灯
(51)【国際特許分類】
   F21S 9/02 20060101AFI20240327BHJP
   F21S 8/02 20060101ALI20240327BHJP
   F21V 23/04 20060101ALI20240327BHJP
   G08B 7/00 20060101ALI20240327BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240327BHJP
【FI】
F21S9/02 130
F21S8/02 100
F21V23/04 130
G08B7/00 C
F21Y115:10
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020144634
(22)【出願日】2020-08-28
(65)【公開番号】P2022039544
(43)【公開日】2022-03-10
【審査請求日】2023-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 優
(72)【発明者】
【氏名】川越 真
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-020903(JP,A)
【文献】実開平02-076408(JP,U)
【文献】特開2019-106269(JP,A)
【文献】特開2012-043074(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 9/02
F21S 8/02
F21V 23/04
G08B 7/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と;
前記筐体の前面側に設けられた誘導表示部と;
前記筐体の前記前面側に設けられ、前記筐体の前記前面側からの正面視において前記誘導表示部に対して左右方向の一側に配置された音出力部および点滅表示部と;
前記正面視において前記一側とは反対の他側で前記筐体内に配置される前記誘導表示部用の第1電源部と;
前記正面視において前記誘導表示部と重なる位置で前記筐体内に配置される前記音出力部および点滅表示部用の第2電源部と;
前記筐体の前記前面側に設けられ、前記正面視において前記一側に配置され、前記筐体の前記前面側から操作可能な動作確認スイッチ部と;
前記筐体の前記前面側に設けられ、前記正面視において前記他側に配置され、前記筐体の前記前面側から操作可能な点検スイッチ部と;
を備えることを特徴とする誘導灯
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示パネルとともに音出力部および点滅表示部を備えた誘導灯に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、誘導灯は、非常口などの避難路を示す誘導表示部を備えている。さらに、火災発生時などに、非常口などへの避難誘導を案内するために、音声ガイドを出力する音出力部や、高輝度で点滅する点滅表示部を有する誘導灯がある。
【0003】
点滅表示部は誘導表示部の下側の近い位置に配置されているため、点滅表示部が高輝度で点滅すると、点滅表示部が眩しくて誘導表示部が見にくい場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-162148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、点滅表示部の点滅時にも誘導表示部の視認性を確保できる誘導灯を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の誘導灯は、筐体と、筐体の前面側に設けられた誘導表示部と、筐体の前面側に設けられ、筐体の前面側からの正面視において誘導表示部に対して左右方向の一側に配置された音出力部および点滅表示部と、正面視において一側とは反対の他側で筐体内に配置される誘導表示部用の第1電源部と、正面視において誘導表示部と重なる位置で筐体内に配置される音出力部および点滅表示部用の第2電源部と、筐体の前面側に設けられ、正面視において一側に配置され、筐体の前面側から操作可能な動作確認スイッチ部と、筐体の前面側に設けられ、正面視において他側に配置され、筐体の前面側から操作可能な点検スイッチ部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の誘導灯によれば、点滅表示部の動作時にも誘導表示部の視認性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態を示す誘導灯の斜視図である。
図2】同上誘導灯の本体ケースから化粧枠を外した状態の斜視図である。
図3】同上誘導灯の本体ケースから誘導表示部を外した状態の斜視図である。
図4】同上誘導灯を背面側から見た分解状態の斜視図である。
図5】同上誘導灯の誘導表示部の上部側の位置決め構造、および側部の取付構造を示す斜視図である。
図6】同上誘導灯の誘導表示部の下部側の位置決め構造を示す背面側から見た斜視図である。
図7】同上誘導灯の化粧枠を外した状態の斜視図である。
図8】同上誘導灯の点滅表示部および動作確認スイッチ部の分解状態の斜視図である。
図9】同上誘導灯の動作確認スイッチ部の分解状態の斜視図である。
図10】同上誘導灯の点検スイッチ部の分解状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0010】
図1および図2に示すように、誘導灯10は、施設の非常口などに対応して設けられるものであって、壁面に設けられた壁開口に埋め込み状態に設置される壁埋込形誘導灯である。誘導灯10は、筐体11と、この筐体11の前面側中央に配置される誘導表示部12と、この誘導表示部12の一側である前面から見て左側の位置に配置される音出力部13、点滅表示部14および動作確認スイッチ部15と、誘導表示部12の他側である前面から見て右側の位置に配置される点検スイッチ部16とを備えている。
【0011】
さらに、図3に示すように、誘導灯10は、筐体11内の中央上部側に配置される電源用端子台17および複数の信号用端子台18、筐体11内の右側に配置される誘導表示部12用の第1電源部19および第1バッテリ20、筐体11内の中央下部側に配置される音出力部13用および点滅表示部14用の第2電源部21および第2バッテリ22をさらに備えている。
【0012】
そして、図1ないし図4に示すように、筐体11は、壁面に埋め込まれる埋込ケースである本体ケース25、およびこの本体ケース25の前面側に着脱可能に取り付けられる前面カバーである化粧枠26(図3には図示していない)を備えている。
【0013】
本体ケース25は、背面部25a、上面部25b、下面部25c、および両側の側面部25dを有し、前面側が開口された箱状で左右幅方向に横長に形成されている。背面部25aには壁面に埋め込んで取り付けるための複数の取付孔27が設けられている。背面部25aには、外部からの電源線および信号線を本体ケース25内に引き込むための配線孔28が設けられている。両側の側面部25dの内面側には、上下2箇所に、化粧枠26を本体ケース25の前面側に対して着脱可能に取り付けるための取付ばね29が設けられている。
【0014】
化粧枠26は、壁開口およびこの壁開口に埋め込み状態に設置された本体ケース25の前面側を覆う。化粧枠26は、前面部26a、およびこの前面部26aの周囲に設けられた周縁部26bを有している。前面部26aの中央には、誘導表示部12に対向して四角形状の誘導表示用開口30が設けられている。前面部26aの誘導表示用開口30の一側である前面から見て左側には、音出力部13に対応して音出力用開口31が設けられているとともに、この音出力用開口31を覆って例えば複数の小さい孔が開けられたスピーカカバー32が取り付けられている。前面部26aの誘導表示用開口30の左側で音出力用開口31の下側には、点滅表示部14に対応して円形状の点滅表示用窓孔33が設けられている。前面部26aの誘導表示用開口30の左側で下部側には、動作確認スイッチ部15に対応してそれぞれ所定形状の複数の動作確認スイッチ部用窓孔34が設けられている。前面部26aの誘導表示用開口30の他側で下部側には、点検スイッチ部16に対応してそれぞれ所定形状の複数の点検スイッチ部用窓孔35が設けられている。また、化粧枠26の前面部26aの背面側の両側には、上下2箇所に、化粧枠26が本体ケース25の前面側に被着された状態で、本体ケース25の取付ばね29に着脱可能に取り付けられる取付金具36が取り付けられている。
【0015】
また、誘導表示部12は、表示ケース39、この表示ケース39の前面側に配置された表示パネル40、この表示パネル40の背面側に配置された導光板41、表示ケース39の上部側に配置された光源ユニット42、表示ケース39の背面側に取り付けられた補強板43、およびこの補強板43に取り付けられた取付部材である取付ばね44などを備えている。
【0016】
表示ケース39は、上面側が開口され、内部に上面側から表示パネル40および導光板41が挿入されて位置決め収納する収納部が形成され、前面側に表示パネル40の中央域が臨む開口部45が形成されている。表示ケース39の背面側には、両側から後方に向けて側面部46が突出され、下側近傍から後方に向けて突出部47が突出されている。
【0017】
表示ケース39の上部側は、この表示ケース39の上部側に配置される光源ユニット42よりも上方に突出されている。図5に示すように、表示ケース39の上部側の背面側には、上方および後方に開口する略直角な窪み状の被上側位置決め部48が形成されている。表示ケース39の被上側位置決め部48は、誘導表示部12が本体ケース25の前面側に前方から取り付けられる際、本体ケース25の上面部25bに取り付けられている上側位置決め部49に係合して位置決めされる。上側位置決め部49は、先端側が上面部25bよりも前方に突出されているとともに、先端側が下方に向けて断面略L字状に折曲されており、先端側に誘導表示部12の被上側位置決め部48が係合することによって誘導表示部12の上部側が位置決め保持される。
【0018】
表示ケース39の下部側は、突出部47よりも下方に突出されている。図6に示すように、表示ケース39の下部側には、突出部47の下面側と表示ケース39の背面側との間に、下方および後方に開口する略直角な窪み状の被下側位置決め部50が形成されている。図7に示すように、表示ケース39の被下側位置決め部50は、誘導表示部12が本体ケース25の前面側に前方から取り付けられる際、本体ケース25の下面部25cに取り付けられている動作確認スイッチ部15および点検スイッチ部16に係合して位置決めされる。
【0019】
表示パネル40は、透光性を有する例えば樹脂製で平板状に形成され、表面には避難誘導表示用のピクトグラムが表示されている。
【0020】
導光板41は、例えばアクリル樹脂などの透明な樹脂製で平板状に形成されている。導光板41は、上端面側に光源ユニット42からの光を入射して前面側から出射し、表示パネル40を背面側から照明する。
【0021】
光源ユニット42は、図示しない発光モジュール、この発光モジュールを保持するホルダ51、および発光モジュールに電気的に接続されたコネクタ52を備えている。光源ユニット42は、表示ケース39の上面側に上方から嵌め込まれて取り付けられ、表示ケース39内に収納されている表示パネル40および導光板41を表示ケース39との間に保持する。発光モジュールは、基板、およびこの基板に実装された例えばLEDなどの発光素子である光源を有している。光源は、導光板41の上端面側に対向され、光を導光板41に入射する。コネクタ52は、ハーネスにより第1電源部19に電気的に接続される。
【0022】
補強板43は、例えば金属板により形成され、表示ケース39の背面側に取り付けられている。補強板43の両側には、取付ばね44が取り付けられている。
【0023】
取付ばね44は、例えば金属製の板ばねで構成されている。取付ばね44は、誘導表示部12が本体ケース25の前面側に前方から取り付けられる際、本体ケース25の背面部25aに取り付けられている左右両側の取付金具53に係合して着脱可能に取り付けられる。図5に示すように、取付ばね44は、後方に向けて突出する略V字形または略U字形に設けられ、一端側が補強板43に取り付けられ、他端側が自由端であって表示ケース39の側面部46の内面側に対向するように配置されている。取付ばね44の他端側には、取付金具53の背面側に引っ掛かる引掛部54が設けられているとともに、この引掛部54よりも前側に引掛部54を取付金具53から取り外し操作可能とする操作部55が設けられている。取付ばね44の操作部55に対向する表示ケース39の側面部46には、操作部55に臨む切欠部46aが設けられている。
【0024】
また、音出力部13は、例えば「非常口はこちらです」などの避難誘導を案内する音声を出力する音声出力部である。音出力部13は、スピーカ58、およびこのスピーカ58を本体ケース25の背面部25aに取り付ける取付部材59を有している。スピーカ58は、化粧枠26の音出力用開口31に対向配置される。
【0025】
また、図8に示すように、点滅表示部14は、例えばLEDなどの発光素子にて構成される光源62を備えている。光源62は、基板に実装され、ソケット63と組み合わされて放熱板64に取り付けられている。なお、光源62には、例えばキセノンランプなどを用いてもよい。また、放熱板64には、左側上部に係合孔65が設けられ、右側に複数の取付孔66が設けられている。
【0026】
光源62の前面側には、光源62からの光を所定の配光に制御するレンズ67が配置されている。レンズ67は、前面側に突出する凸レンズ状に形成され、レンズ押え68によって保持されている。レンズ67は、化粧枠26の点滅表示用窓孔33から前方に一部が突出するように配置される。
【0027】
レンズ押え68には、中央にレンズ67が挿通するレンズ嵌合口69が設けられ、両側に放熱板64の前面側に当接される当接部70が折曲され、左側上部に放熱板64の係合孔65に差し込まれて放熱板64の背面側に係合する断面略L字形の引掛部71が突設されている。右側の当接部70には放熱板64の前面側に沿って配置される取付板部72が設けられ、この取付板部72に放熱板64の取付孔66の位置に対応して複数の取付孔73が設けられている。
【0028】
そして、レンズ押え68および放熱板64は、レンズ押え68の取付孔73および放熱板64の取付孔66を挿通する複数のねじ74により動作確認スイッチ部15に一体に取り付けられている。下側のねじ74は、レンズ押え68の取付孔73を挿通して放熱板64の取付孔66に螺着されてレンズ押え68と放熱板64を固定するとともに、動作確認スイッチ部15側に挿入されて位置決めされる。上側のねじ74は、レンズ押え68の取付孔73および放熱板64の取付孔66を挿通して動作確認スイッチ部15側に螺着される。
【0029】
また、図9に示すように、動作確認スイッチ部15は、外部から操作されている間、第2電源部21が第2バッテリ22の電力により音出力部13から避難誘導を案内する音声を出力させるとともに点滅表示部14を点滅させ、音出力部13および点滅表示部14が正常に動作するか否かを確認可能とする。
【0030】
動作確認スイッチ部15は、スイッチ基板77、このスイッチ基板77を収容するスイッチケース78、およびこのスイッチケース78を取り付ける取付部材79を備えている。
【0031】
スイッチ基板77には、動作確認時に操作されるスイッチである動作確認スイッチ80、この動作確認スイッチ80の操作に応じて点灯、点滅、消灯する複数のモニタランプ81、および第2電源部21とハーネスで電気的に接続されるコネクタ82が実装されている。
【0032】
スイッチケース78は、背面側が開口されており、背面側からスイッチ基板77が差し込まれて係止されている。スイッチケース78の前面側には、動作確認スイッチ80を操作するためのスイッチ部83が前後方向に揺動可能に一体に設けられているとともに、このスイッチ部83の下側にモニタランプ81が臨む複数の窓孔84が設けられている。スイッチ部83の左側にも、所定の形状の複数の窓孔84が設けられている。スイッチ部83は化粧枠26の動作確認スイッチ部用窓孔34から前方に突出され、前方からスイッチ部83および動作確認スイッチ80を押動操作可能とし、また、窓孔84は化粧枠26の動作確認スイッチ部用窓孔34に対向され、前方から動作確認スイッチ部用窓孔34を通じてモニタランプ81の点灯状態を確認可能としている。
【0033】
取付部材79は、例えば金属板によって形成されている。取付部材79は、前面部85、この前面部85の下部側から折曲された下面部86、および前面部85の両側から後方に向けて折曲された側面部87を有している。前面部85には、スイッチケース78の前端側が挿通される挿通口88が形成されている。前面部85の左側には、点滅表示部14の放熱板64およびレンズ押え68を取付部材79に取り付けるねじ74が取り付けられる複数の取付孔89が設けられている。上側の取付孔89にねじ74が螺着され、下側の取付孔89にはねじ74が挿通されて位置決めする。下面部86には、スイッチケース78がねじで固定される。下面部86は、本体ケース25の下面部25c上に配置され、下面部25cの下面側から挿通されるねじ90で下面部25cに固定される。
【0034】
取付部材79の上部側は、誘導表示部12の被下側位置決め部50が係合され、誘導表示部12の下部側を位置決めする下側位置決め部92である。前面部85の上部側には、複数の位置決め溝部91が設けられている。図6に示すように(点検スイッチ部16を示すが、取付部材79は共通である)、一方の位置決め溝部91に誘導表示部12の側面部46の下部側が配置され、誘導表示部12の左右方向の位置決めをする。
【0035】
また、図10に示すように、点検スイッチ部16は、操作または点検信号の入力により、第1バッテリ20および光源ユニット42の光源の点検を実施する。
【0036】
点検スイッチ部16は、スイッチ基板94、このスイッチ基板94を収容するスイッチケース78、およびこのスイッチケース78を取り付ける取付部材79を備えている。スイッチケース78および取付部材79については、動作確認スイッチ部15と共通である。
【0037】
スイッチ基板94には、点検時に操作されるスイッチである点検スイッチ95、この点検スイッチ95の操作に応じて点灯、点滅、消灯する複数のモニタランプ96、点検リモコンからの無線信号を受信する受信部97、点検リモコンに対して点検結果の無線信号を送信する送信部98、および第2電源部21とハーネスで電気的に接続されるコネクタ99が実装されている。
【0038】
スイッチ基板94の形状は、スイッチ基板77と共通であり、点検スイッチ95およびモニタランプ96の位置も動作確認スイッチ80およびモニタランプ81の位置と共通であるため、スイッチ基板94を動作確認スイッチ部15と共通のスイッチケース78に組み合わせて使用することができる。
【0039】
スイッチケース78のスイッチ部83は化粧枠26の点検スイッチ部用窓孔35から前方に突出され、前方からスイッチ部83および点検スイッチ95を押動操作可能とし、また、スイッチケース78の窓孔84は化粧枠26の点検スイッチ部用窓孔35に対向され、前方から点検スイッチ部用窓孔35を通じてモニタランプ96の点灯状態を確認可能とするとともに、受信部97による信号の受信および送信部98による信号の送信を可能としている。
【0040】
また、電源用端子台17は、第1電源部19および第2電源部21にハーネスで電気的に接続されている。電源用端子台17には、商用交流電源などの外部電源からの電力を供給する電源線が接続される。
【0041】
また、信号用端子台18は、第2電源部21にハーネスにより電気的に接続されている。信号用端子台18には、例えば、施設の自動火災報知機に連動する信号装置からの信号線、および所定の煙感知器からの信号線などが接続される。
【0042】
また、第1電源部19は、外部電源の供給時に、外部電源からの電力を誘導表示部12の光源ユニット42の光源を点灯させるのに必要な所定の直流電圧などの電力に変換して供給し、光源ユニット42の光源を点灯させる。さらに、第1電源部19は、外部電源の供給時に、外部電源により第1バッテリ20を充電する。また、第1電源部19は、外部電源の停電時に、第1バッテリ20の電力により光源ユニット42の光源を点灯させる。さらに、第1電源部19は、点検スイッチ部16からの点検信号により第1バッテリ20および光源ユニット42の光源の点検を実施する点検回路を備えている。
【0043】
また、第1バッテリ20は、充放電可能な二次電池で構成されている。第1バッテリ20は、第1電源部19の前面側に着脱可能に取り付けられるとともにコネクタ接続にて電気的に接続されている。第1バッテリ20は、第1電源部19とともに誘導表示部12よりも右側に外れた位置に配置され、誘導表示部12の取付状態でも、第1電源部19に対して交換可能とする。
【0044】
また、第2電源部21は、常時モードと、非常時に音出力部13から音を出力動作させるとともに点滅表示部14を点滅動作させる非常時モードを有している。
【0045】
常時モードは、非火災時に、信号装置からの信号の状態に応じて切り換わり、音出力部13からの音声出力を停止するとともに点滅表示部14を消灯し、外部電源により第2バッテリ22を充電する。
【0046】
非常時モードは、火災時に、信号装置からの信号の状態の変化に応じて切り換わり、第2バッテリ22の電力により音出力部13から避難誘導を案内する音声を出力させるとともに点滅表示部14を点滅させる。また、非常時モード時に、避難誘導する方向に設置されている所定の煙感知器からの感知信号が入力されると、音出力部13からの音声出力を停止するとともに点滅表示部14を消灯する。
【0047】
第2電源部21は、点検スイッチ部16からの点検信号により第2バッテリ22、音出力部13および点滅表示部14の点検を実施する点検回路を備えている。
【0048】
また、第2バッテリ22は、本体ケース25の下面部25c上で、誘導表示部12の下側位置に、バッテリホルダ101により着脱可能に配置されている。
【0049】
また、本実施形態の誘導灯10では、第2電源部21と接続される音出力部13の接続部、点滅表示部14、動作確認スイッチ部15、点検スイッチ部16、および第2バッテリ22が、筐体11の上下方向の中心から下側、または中心よりも下側に位置され、これらに接続される第2電源部21の接続部も第2電源部21の下部側に位置されている。さらに、電源用端子台17と接続される第1電源部19の接続部も第1電源部19の下部側に位置されている。これらにより、筐体11内の下部側で各電気部品の接続部間の配線が可能となるため、配線距離を短くでき、配線の取り回しを容易にできる。
【0050】
そして、このように構成された誘導灯10を施工するには、本体ケース25から化粧枠26および誘導表示部12を外した状態で、壁面の壁開口に導かれている電源線および信号線を、配線孔28から本体ケース25内に引き込んで、所定の端子台17,18に接続する。本体ケース25を壁面の壁開口に挿入し、取付孔27を利用して埋め込み固定する。
【0051】
化粧枠26を取り外す際には、本体ケース25から前方に移動させることにより、取付金具36が取付ばね29から外れる。
【0052】
誘導表示部12を取り外す際には、誘導表示部12の両側部から取り外し操作する。すなわち、誘導表示部12の両側の側面部46に設けられた切欠部46aを通じて指で取付ばね44の操作部55を内方へ押し、取付ばね44の引掛部54を取付金具53から外すことにより、誘導表示部12を本体ケース25の前方に移動させて取り外すことができる。
【0053】
本体ケース25を設置した後、誘導表示部12と第1電源部19とをハーネスで電気的に接続し、誘導表示部12を本体ケース25の前面側に取り付ける。この場合、誘導表示部12の下部側が本体ケース25に近付くように前傾させた状態で、誘導表示部12の被下側位置決め部50を動作確認スイッチ部15の取付部材79および点検スイッチ部16の取付部材79に係合させて位置決めし、誘導表示部12の上部側を本体ケース25に近付け、誘導表示部12の取付ばね44を本体ケース25の取付金具53に押し込んで取り付ける。
【0054】
誘導表示部12の被下側位置決め部50を動作確認スイッチ部15の取付部材79および点検スイッチ部16の取付部材79に係合させて位置決めした際、誘導表示部12の側面部46が取付部材79の位置決め溝91に係合することにより、誘導表示部12の左右方向の位置も位置決めされるため、誘導表示部12の取付ばね44を本体ケース25の取付金具53に位置決めできて容易に取り付けることができる。
【0055】
誘導表示部12の取付ばね44を本体ケース25の取付金具53に取り付けると、取付ばね44の引掛部54が取付金具53の背面側に引っ掛かり、誘導表示部12が本体ケース25に係止される。また、誘導表示部12の被上側位置決め部48が本体ケース25の上側位置決め部49に係合して位置決めされるとともに、誘導表示部12の被下側位置決め部50が動作確認スイッチ部15の取付部材79および点検スイッチ部16の取付部材79に係合されて位置決めされ、誘導表示部12の上下左右の4辺が本体ケース25に対して位置決めされた状態に取り付けられ、誘導表示部12の取付状態が安定する。
【0056】
なお、誘導表示部12の上部側が本体ケース25に近付くように後傾させた状態で、誘導表示部12の被上側位置決め部48を本体ケース25の上側位置決め部49に係合して位置決めし、誘導表示部12の下部側を本体ケース25に近付け、誘導表示部12の取付ばね44を本体ケース25の取付金具53に押し込んで取り付けることでも、誘導表示部12を本体ケース25に取り付けることができる。
【0057】
化粧枠26を本体ケース25の前面側に被着し、化粧枠26の取付金具36を本体ケース25の取付ばね29に押し込んで取り付ける。これにより、誘導灯10の施工が完了する。
【0058】
そして、誘導灯10では、外部電源の供給時、第1電源部19により、外部電源からの電力を誘導表示部12の光源ユニット42の光源を点灯させるのに必要な所定の直流電圧などの電力に変換して供給し、光源ユニット42の光源を点灯させ、さらに、外部電源からの電力により第1バッテリ20を充電する。
【0059】
一方、誘導灯10では、外部電源の停電時、第1電源部19により、第1バッテリ20の電力を利用して誘導表示部12の光源ユニット42の光源を点灯させるのに必要な所定の直流電圧などの電力に変換して供給し、光源ユニット42の光源を点灯させる。
【0060】
また、誘導灯10では、非火災時、施設の自動火災報知機に連動する信号装置からの信号の状態に応じて、第2電源部21の動作モードが常時モードで動作する。常時モードでは、音出力部13からの音声出力を停止するとともに点滅表示部14を消灯し、外部電源により第2バッテリ22を充電する。
【0061】
一方、誘導灯10では、火災時、施設の自動火災報知機に連動する信号装置からの信号の状態の変化に応じて、第2電源部21の動作モードが非常時モードに切り換わる。非常時モードでは、第2バッテリ22の電力により音出力部13から避難誘導を案内する音声を出力させるとともに点滅表示部14を点滅させる。
【0062】
このとき、点滅表示部14は、避難誘導のために誘導灯10の位置が確認されやすいように点滅表示部14を高輝度で点滅させるので、例えば、誘導表示部12の下側の近い位置にあると、点滅表示部14が眩しくて誘導表示部12が見にくい場合がある。
【0063】
本実施形態の誘導灯10では、点滅表示部14が誘導表示部12の下側位置から外れた位置であって、誘導表示部12の左側の音出力部13側に配置されているため、点滅表示部14が高輝度で点滅しても、誘導表示部12が見にくくなることが少なく、誘導表示部12の視認性を確保することができる。
【0064】
また、誘導灯10は、非常時モード時に、避難誘導する方向に設置されている所定の煙感知器からの感知信号が入力されると、音出力部13からの音声出力を停止するとともに点滅表示部14を消灯し、避難誘導を停止する。
【0065】
また、誘導灯10の前面側から動作確認スイッチ部15のスイッチ部83を介して動作確認スイッチ80が操作されることにより、その動作確認スイッチ80が操作されている間、第2電源部21が第2バッテリ22の電力により音出力部13から避難誘導を案内する音声を出力するとともに点滅表示部14を点滅させ、音出力部13および点滅表示部14が正しく動作するか否かを確認することができる。
【0066】
また、誘導灯10の前面側から点検スイッチ部16のスイッチ部83を介して点検スイッチ95が操作されることにより、または点検リモコンからの点検信号を点検スイッチ部16の受信部97が受信することにより、電源部19,21の点検回路が点検モードに移行し、バッテリ20,22、光源ユニット42の光源、音出力部13および点滅表示部14の点検が実施される。点検結果は、モニタランプ96に表示される。また、点検リモコンから点検結果を要求する信号が送信され、この信号を点検スイッチ部16の受信部97が受信すると、点検スイッチ部16の送信部98から点検結果が送信され、この点検結果を受信した点検リモコンで点検結果を確認することができる。
【0067】
さらに、点検スイッチ部16の送信部98から点検結果を点検リモコンに送信する際、誘導灯10に搭載されているバッテリ20,22および光源ユニット42の型名を一緒に送信することにより、点検リモコンで交換の必要なバッテリ20,22や光源ユニット42の型名を確認でき、交換部品の手配を容易に行うことができる。
【0068】
そして、動作確認スイッチ部15は、誘導表示部12の左側で、音出力部13および点滅表示部14に近い側に配置されており、また、点検スイッチ部16は、音出力部13および点滅表示部14に対して反対側で、誘導表示部12の右側に配置されているため、誘導表示部12の両側にスイッチ部が配置されていても、音出力部13および点滅表示部14に近い側に配置されたスイッチ部が動作確認スイッチ部15であり、音出力部13および点滅表示部14に対して反対側に配置されたスイッチ部が点検スイッチ部16であることが直感的に把握しやすく、スイッチ部の誤操作を防止できる。
【0069】
なお、本実施形態の誘導灯10において、点滅表示部14は、誘導表示部12の左側の音出力部13側に配置されていることにより、筐体11内のスペースを有効利用して配置できるが、音出力部13側に対して反対側となる誘導表示部12の右側に配置してもよい。
【0070】
また、誘導灯10は、壁面埋込形誘導灯に限らず、天井面または壁面に直付けして取り付けられる直付形誘導灯でもよい。
【0071】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0072】
10 誘導灯
11 筐体
12 誘導表示部
13 音出力部
14 点滅表示部
15 動作確認スイッチ部
16 点検スイッチ部
19 第1電源部
21 第2電源部
図1
図2
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図10