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特許7460972光信号によって制御される電源スイッチを含む無線電子起爆装置、無線起爆システム、及び起爆装置の起動方法
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  • 特許-光信号によって制御される電源スイッチを含む無線電子起爆装置、無線起爆システム、及び起爆装置の起動方法 図1
  • 特許-光信号によって制御される電源スイッチを含む無線電子起爆装置、無線起爆システム、及び起爆装置の起動方法 図2
  • 特許-光信号によって制御される電源スイッチを含む無線電子起爆装置、無線起爆システム、及び起爆装置の起動方法 図3
  • 特許-光信号によって制御される電源スイッチを含む無線電子起爆装置、無線起爆システム、及び起爆装置の起動方法 図4
  • 特許-光信号によって制御される電源スイッチを含む無線電子起爆装置、無線起爆システム、及び起爆装置の起動方法 図5
  • 特許-光信号によって制御される電源スイッチを含む無線電子起爆装置、無線起爆システム、及び起爆装置の起動方法 図6
  • 特許-光信号によって制御される電源スイッチを含む無線電子起爆装置、無線起爆システム、及び起爆装置の起動方法 図7
  • 特許-光信号によって制御される電源スイッチを含む無線電子起爆装置、無線起爆システム、及び起爆装置の起動方法 図8
  • 特許-光信号によって制御される電源スイッチを含む無線電子起爆装置、無線起爆システム、及び起爆装置の起動方法 図9
  • 特許-光信号によって制御される電源スイッチを含む無線電子起爆装置、無線起爆システム、及び起爆装置の起動方法 図10
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-26
(45)【発行日】2024-04-03
(54)【発明の名称】光信号によって制御される電源スイッチを含む無線電子起爆装置、無線起爆システム、及び起爆装置の起動方法
(51)【国際特許分類】
   F42B 3/12 20060101AFI20240327BHJP
   H04B 10/112 20130101ALI20240327BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
F42B3/12
H04B10/112
H04Q9/00 301Z
H04Q9/00 311U
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022535656
(86)(22)【出願日】2020-12-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-08
(86)【国際出願番号】 FR2020052324
(87)【国際公開番号】W WO2021116584
(87)【国際公開日】2021-06-17
【審査請求日】2022-11-02
(31)【優先権主張番号】1913940
(32)【優先日】2019-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】522230831
【氏名又は名称】ダベイ ビックフォード
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】リオネル ビアー
(72)【発明者】
【氏名】ベルナール ピアジェ
(72)【発明者】
【氏名】メラニー デシャルル
(72)【発明者】
【氏名】バンサン ベルグ
(72)【発明者】
【氏名】フランク ギヨン
【審査官】長谷井 雅昭
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2006/047823(WO,A1)
【文献】実開平06-019024(JP,U)
【文献】特開2000-055594(JP,A)
【文献】特開2019-066091(JP,A)
【文献】特開2011-012903(JP,A)
【文献】特開平11-003144(JP,A)
【文献】特開2010-239350(JP,A)
【文献】国際公開第2019/073148(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F42B 3/12
H04B 10/112
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主エネルギー源(230)と、少なくとも1つの機能モジュール(250)と、前記主エネルギー源(230)と前記機能モジュール(250)との間に配置され、前記機能モジュール(250)と前記主エネルギー源(230)を接続又は切断するように構成された電源スイッチ(240)と、前記電源スイッチを制御するためのモジュール(210)とを備えた無線電子起爆装置(200)において、
前記機能モジュール(250)は、少なくとも1つの導火線(256)と、前記導火線(256)の点火専用のエネルギー貯蔵要素(253)とをさらに含み、前記電源スイッチを制御するための前記モジュール(210)が、制御コンソール(100)が放射する光信号(LU)を検出して復調し、出力において復調された光信号(LU)に従って制御信号を発生するように構成された光受信器(220)を含み、前記制御信号は少なくとも前記電源スイッチ(240)を制御するために構成されたことを特徴とする、無線電子起爆装置(200)。
【請求項2】
前記光受信器(220)は、前記制御コンソール(100)によって放射された前記光信号(LU)を検出し、前記光信号(LU)を電気信号に変換するように構成された光検出器(221)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の起爆装置(200)。
【請求項3】
前記起爆装置が、前記光検出器(221)の上流に少なくとも1つの光フィルタを含むことを特徴とする、請求項2に記載の起爆装置(200)。
【請求項4】
前記光検出器(221)は、光起電力素子(234)を含むことを特徴とする、請求項2又は3に記載の起爆装置(200)。
【請求項5】
前記起爆装置は、前記電気信号を復調するように構成された復調器(222)を含むことを特徴とする、請求項~4のいずれか一項に記載の起爆装置(200)。
【請求項6】
前記復調器(222)は、前記光検出器(221)からの前記電気信号をデジタル信号に変換するように構成されたアナログ調整器(223)を含むことを特徴とする、請求項5に記載の起爆装置(200)。
【請求項7】
前記復調器(222)は、前記デジタル信号を復調し、前記電源スイッチ(240)を制御するための制御信号を生成するように構成されたデジタル処理モジュール(224)を含むことを特徴とする、請求項6に記載の起爆装置(200)。
【請求項8】
前記起爆装置は、少なくとも前記デジタル処理モジュール(224)への電力供給を遮断するように構成された低消費モードを含むことを特徴とする、請求項7に記載の起爆装置(200)。
【請求項9】
前記光受信器(220)への電力供給を遮断するように構成された全体遮断モジュールを含むことを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の起爆装置(200)。
【請求項10】
前記全体遮断モジュールは、非常に低いレベルの照明を検出するように構成された検出抵抗器(237)と結合された、高ゲインのフォトトランジスタ(235)と、スイッチとして機能するトランジスタ(236)を含み、前記検出抵抗器(237)は前記トランジスタ(236)を制御するように構成されていることを特徴とする、請求項9に記載の起爆装置(200)。
【請求項11】
前記光受信器(220)が少なくとも前記制御コンソール(100)から放射された前記光信号(LU)を検出したときに、前記起爆装置が応答信号を放射するように構成されていることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の起爆装置(200)。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の無線電子起爆装置(200)と、前記無線電子起爆装置(200)に光信号(LU)を発するように構成された制御コンソール(100)とを備える、無線起爆システム(10)。
【請求項13】
前記制御コンソール(100)は、前記光信号(LU)を少なくとも1つの起爆装置(200)に向けて焦点を合わせるように構成されたレンズを含むことを特徴とする、請求項12に記載の起爆システム(10)。
【請求項14】
前記制御コンソール(100)は、少なくとも1つの変調パターン(M)に従って前記光信号(LU)を変調するように構成された変調器(120)を含むことを特徴とする、請求項12又は13に記載の起爆システム(10)。
【請求項15】
前記変調された光信号(LU)は、少なくとも1つの起動シーケンスを含むことを特徴とする、請求項14に記載の起爆システム(10)。
【請求項16】
前記変調された光信号(LU)は、前記起爆装置(200)に指示を送るように構成されたデータシーケンスを含むことを特徴とする、請求項14又は15に記載の起爆システム(10)。
【請求項17】
主エネルギー源(230)と、少なくとも1つの導火線(256)及び前記導火線(256)の点火専用のエネルギー貯蔵要素(253)を含む少なくとも1つの機能モジュール(250)と、電源スイッチ(240)とを含む無線電子起爆装置(200)の起動方法であって、前記主エネルギー源(230)と前記機能モジュール(250)との間に配置され、前記機能モジュール(250)と前記主エネルギー源(230)とを接続又は切断するように構成された、電源スイッチを制御するためのモジュール(210)と、を備え、前記起動方法は、
光信号(LU)を受信するステップと、
受信した前記光信号(LU)を復調するステップと、
復調された前記光信号(LU)に従って、制御信号を生成するステップであって、前記制御信号は、少なくとも前記電源スイッチ(240)を制御するように構成された、
無線電子起爆装置(200)の起動方法。
【請求項18】
前記光信号(LU)を受信するステップは、前記光信号(LU)を検出するステップと、前記光信号(LU)を電気信号に変換するステップとを含む、請求項17に記載の起動方法。
【請求項19】
前記復調ステップは、前記電気信号をデジタル信号に変換するステップと、前記デジタル信号中の少なくとも1つの起動シーケンスを識別するステップとを含み、前記起動シーケンスが識別された場合、制御信号を生成するステップは、前記電源スイッチ(240)を起動するステップを含む、請求項18に記載の起動方法。
【請求項20】
前記復調ステップは、前記デジタル信号における少なくとも1つのデータシーケンスを特定するステップを含み、データシーケンスが特定された場合、前記制御信号を生成するステップは、前記データシーケンスに対応する指示を生成するステップを含む、請求項19に記載の起動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線電子起爆装置に関する。
【0002】
また、本発明は、無線起爆システム、及び電子起爆装置の起動方法に関する。
【0003】
ここで、起動方法とは、電子起爆装置をその点火とは無関係にON又はOFFさせることを言う。
【0004】
本発明の用途は、火工品の起動の分野であり、1つ以上の起爆装置のネットワークを実装しなければならない任意の分野で従来から使用されるものである。典型的な使用例としては、鉱山、採石場、地震探査、又は建設及び公共事業の分野の開発に関する。
【背景技術】
【0005】
電子起爆装置は、使用する際に、それぞれが所定の場所に設置され、爆薬と共に装填されることが意図されている。設置場所は、例えば地面に掘られた穴などである。そして、あらかじめ決められた順序で電子起爆装置が点火される。
【0006】
そのため、各電子起爆装置に個別に点火遅延時間が設定され、制御コンソールを通じて電子起爆装置のネットワークに共通の点火指示が送信される。
【0007】
この点火指示の共有化により、全ての電子起爆装置の点火遅延のカウントダウンを同期させることができる。
【0008】
点火指示を受けると、各電子起爆装置は各々に対応した点火遅延の個別のカウントダウンと、各々の点火を管理する。
【0009】
無線電子起爆装置は、起爆装置と電波で通信して、例えば起爆装置の状態に関する命令やメッセージを交換したり、起爆装置に点火指示を送ったりできるように構成されたリモート制御コンソールによって起動されるものが知られている。そのため、無線起爆装置を実現するためには、エネルギーに依存しないことが重要な条件となる。
【0010】
国際公開第2019/073148号パンフレットには、エネルギー源と、機能モジュールと、エネルギー源と機能モジュールとの間に配置され、エネルギー源と機能モジュールとの接続又は非接続を可能にする第1のスイッチング手段とを含む無線電子起爆装置が記載されており、この第1のスイッチング手段を制御するモジュールは、制御コンソールからの無線信号を受信し、この受信した無線信号中の電気エネルギーを回収し、回収した電気エネルギーのレベルを代表するエネルギー回収信号を生成し、回収したエネルギーに応じた制御信号を出力で生成し、そして前記制御信号が前記切り替え手段を制御するように構成された、無線エネルギー回収モジュールを含む。
【発明の概要】
【0011】
このように、制御コンソールから起爆装置に無線信号が送られる。起爆装置側では、適切な受信システム、すなわち無線エネルギー回収モジュールを用いて無線信号に含まれるエネルギーを回収し、電源スイッチ機構を制御する原理を採用している。この方法には、特に以下のような利点がある。
―起動に機械的な要素がないため、起爆装置を完全な不浸透性のケースに設計でき、環境条件や取り扱いに対して堅牢で、システムの信頼性を高めることができる。
―起爆装置の起動は、適切な制御コンソールを持つ人のみが実行できるため、必要な装置を持たない人により起動される可能性を制限することができる。
―起爆装置を起動するためのコンソールに近づき、スイッチシステムに遠隔で電力を供給し、無線起爆装置の自動制御を開始するだけでよいため、システムが簡単ですぐに利用できる。
【0012】
しかし、この方式には欠点もある。
【0013】
特に、無線起爆システムの範囲はかなり限定されている。規制により電波出力に制限があるため、実際には数十センチを超えることはなく、手軽に使うには障害となる。
【0014】
また、複数の起爆装置が互いに近接している場合などは、特定の起爆装置を確実に目標にできるとは限らない。しかし、こういった識別は、誤った起爆装置を点火パターンに関連付けたり、誤った点火遅延時間を起爆装置に割り当てたりしないようにするために不可欠である。近接性、アンテナの指向性、又は起動コンソールと起爆装置の間の距離の推定に基づく技術は、例えば国際公開第2019/073148号パンフレットで提案されているが、それらの現実的な実装は複雑である。
【0015】
このようなことから、本発明の1つの目的は、前述の欠点を少なくとも部分的に克服し、さらに他の利点につながることができるようにすることである。
【0016】
本発明の目的は、特に、上記の問題点をより効率的に解決する遠隔起動技術を提案することにある。
【0017】
特に、本発明の目的は、スイッチを制御するためのシステム、すなわち、起爆装置を作動させるか否かを可能にする機構に関するものである。
【0018】
この目的のために、本発明の第1の態様によれば、主エネルギー源と、少なくとも1つの機能モジュールと、主エネルギー源と機能モジュールの間に配置され、機能モジュールと主エネルギー源とを接続又は切断するように構成された電源スイッチと、電源スイッチを制御するためのモジュールを備えた無線電子起爆装置であって、電源スイッチを制御するためのモジュールは、制御コンソールによって放射された光信号を検出及び復調し、復調された光信号に従って出力において制御信号を生成するように構成された光受信器を備え、制御信号は、少なくとも電源スイッチを制御するように構成されたことを特徴とする。
【0019】
このように、起爆装置は、制御コンソール(遠隔起動コンソールともいう)から受信した光信号を受信して復調するように構成される。
【0020】
光信号が正しく復調されると、電源スイッチが起動され、起爆装置の残りの電子機器に電源が入る。
【0021】
主エネルギー源は、電源スイッチを介して起爆装置の他の様々な要素に電力を供給するように構成される。
【0022】
例えば、基板上のエネルギー源、又はローカルエネルギー貯蔵部と組み合わせたエネルギー回収モジュール、又はケーブルで接続されたエネルギー供給モジュールなどが含まれる。
【0023】
主エネルギー源は、例えば、機能モジュールの導火線の点火のためのエネルギー貯蔵要素にエネルギーを伝達するようにも構成されている。
【0024】
電源スイッチは、国際公開第2019/073148号パンフレットにて提示された実施形態の1つと同様のものとすることができる。
【0025】
電源スイッチは、例えば、スイッチを含む。
【0026】
本発明によれば、起爆装置は、電源スイッチを制御するためのモジュール、すなわち、電源スイッチを制御するように構成された制御モジュールを含む。
【0027】
したがって、制御モジュールは、例えば、点火命令を受信し、当該点火命令に従って導火線の点火を指示するように構成される。
【0028】
そのために、コントロールモジュールには主として光受信器を含む。
【0029】
好ましい実施形態では、光受信器は、制御コンソールによって放射された光信号を検出し、光信号を電気信号に変換するように構成された光検出器を含む。
【0030】
例えば、光検出器にはフォトダイオードが含まれ、これには検出抵抗器が任意で付加される。
【0031】
好ましい実施形態では、起爆装置は、電気信号を復調するように構成された復調器をさらに含む。
【0032】
好ましい実施形態によれば、復調器は、光検出器からのアナログな電気信号をデジタル信号に変換するように構成されたアナログ調整器を含む。
【0033】
アナログ調整器は、例えば、光ビームの静的成分を除去するように構成された少なくとも1つのハイパスフィルタ、あるいはパスバンドフィルタを含む。
【0034】
好ましい実施形態によれば、復調器は、例えば制御コンソールによって発せられたバイナリシーケンスを検出するために、デジタル信号を復調し、例えばバイナリシーケンスに従って、電源スイッチを制御するための制御信号を生成するように構成されたデジタル処理モジュールを含む。
【0035】
デジタル処理モジュールは、例えば少なくとも1台のコンピュータと、任意で記憶要素を含む。
【0036】
ここで、記憶要素とは、一般的なメモリとレジスタの両方を示している。
【0037】
例えば、受信した信号は、例えば記憶要素に記録された基準信号と関連付けられ、起動シーケンスを検出する。
【0038】
関連付けの結果に従って、デジタル処理モジュールは、電源スイッチを制御するための信号を生成するように構成される。
【0039】
いずれの場合も、本明細書で紹介する光受信器には電力が供給されなければならない。
【0040】
しかし、理想的には、現場での使用前に起爆システムの電池寿命を縮めないように、できるだけエネルギー消費を少なくし、主エネルギー源のエネルギーをできるだけ節約することが必要である。
【0041】
そのため、電力消費をできるだけ低くする必要がある。
【0042】
光検出器とデジタル処理モジュールの電力消費を最初に削減することで、可能であれば、システムの電力消費を数マイクロアンペア程度にすることを目指す。
【0043】
光検出器は一般に、明るさに正比例した電力消費を伴う。
【0044】
第1の実施例によれば、起爆装置は、検出性能を低下させることなく、環境光の強度を低下させるために、光検出器の上流に少なくとも1つの光フィルタを有利に含む。
【0045】
目標の一つは、光信号に対応する受光パワーを最大化し、環境光に対応する受光パワーを可能な限り低減することである。
【0046】
これにより、環境光の強度に連動して光検出器で消費される電流を低減することができる。
【0047】
第2の実施例によれば、光検出器は、光起電力素子を有利に含む。
【0048】
そのため、ここでは光検出器は光起電力モードで使用される。
【0049】
このため、例えば、電源電圧によって極性が変化しない。
【0050】
このタイプのアセンブリは、おそらく完全に、光検出器の電力消費を排除することができる。
【0051】
そのため、電力消費は非常によく制御され、周囲の照明条件からより独立したものとなる。
【0052】
第3の実施例によれば、起爆装置は、少なくともデジタル処理モジュールへの電力供給を遮断するように構成された低消費モードを含み、これにより、システムの電力消費を制限することができる。
【0053】
そのため、例えば自然光の下では、光量の変化が緩やかであるため、ハイパスフィルタにより、アナログ調整器の出力には変化が生じない。
【0054】
照明に急激な変化が生じると、アナログ調整器の出力に遷移が現れ、これがデジタル処理モジュールを覚醒させるために使用される。
【0055】
この機能は、一般的に、マイクロコントローラの低消費モードによって実現することができる。
【0056】
これにより、電力消費を1マイクロアンペア(1μA)未満に抑えることができます。
【0057】
第4の実施例では、例えば起爆装置の保管期間中(使用前の数か月間)の残存の電力消費を避けるため、照明レベルに応じて光受信器への電力供給を遮断する方法を採用する(「暗所モード」)。
【0058】
このため、起爆装置には、例えば、光受信器への電力供給を遮断するように構成された全体遮断モジュールが含まれる。
【0059】
全体遮断モジュールは、例えば高ゲインのフォトトランジスタ(例えば40μA/100ルクス)を含み、選択肢として、非常に低いレベルの照明、典型的には100ルクス未満、あるいは80ルクス、あるいは60ルクス、あるいは40ルクス、あるいは20ルクス、あるいは1ルクスを検知するように構成された検出抵抗器と結合されている。
【0060】
起爆装置、あるいは例えば全体遮断モジュールは、スイッチとして機能する例えばトランジスタも含み、検出抵抗器はトランジスタを制御するように構成される。
【0061】
これにより、起爆装置が例えば箱の中などの暗所に収納されているとき、光受信器への電力供給が完全に遮断される。そのため、起爆装置の電力消費はほぼゼロ(トランジスタとフォトトランジスタの、無視できる程度のリーク電流を除く)となる。
【0062】
起爆装置を使用するために箱から取り出されると、全体遮断モジュールが光受信器に電源を供給し、起爆装置はユーザからの(制御コンソールを介しての)光起動を待つ。
【0063】
機能モジュールは、ここでは例えば少なくとも1つの導火線を含む。
【0064】
対象となる好ましい実施形態によれば、機能モジュールは、導火線の点火専用のエネルギー貯蔵要素をさらに含む。
【0065】
安全のために、機能モジュールは、主エネルギー源からエネルギー貯蔵要素へのエネルギーの伝達を起動又は非起動にするように構成された、エネルギー貯蔵要素を絶縁するためのスイッチも有利に含む。
【0066】
また、安全のために、機能モジュールには、例えば起爆装置の電源が切れた場合に安全状態に戻すために、エネルギー貯蔵要素を緩やかに放電するように構成された放電装置も含めることができる。
【0067】
対象となる選択肢によれば、機能モジュールは、したがって、点火専用のエネルギー貯蔵要素と導火線との間でエネルギーの伝達を可能にするように構成された点火スイッチも含むことができる。
【0068】
好ましい実施形態によれば、機能モジュールは、起爆装置の動作を制御するように構成されたコンピュータをさらに含む。
【0069】
コンピュータは、例えば電源スイッチを介して主エネルギー源から接続されたり、切断されたりする。
【0070】
したがって、コンピュータは、例えば、信号を受信し、当該信号に応じて機能モジュールの導火線の点火を指示するように構成される。
【0071】
対象となる別の選択肢によれば、起爆装置は、起爆装置の光受信器が制御コンソールによって放射された光信号を少なくとも検出したときに、応答信号を放射するように構成される。
【0072】
ユーザは、例えば、制御コンソールが放射する光信号が、少なくとも対象となる起爆装置によって少なくとも検知されたことについて、警報を受けることができる。
【0073】
このようにして、起爆装置の電源投入が光起動で行われる。
【0074】
例えば、起爆装置は、視覚信号や音響信号のような、ユーザが直接知覚できる応答信号を放射するように構成される。
【0075】
別の実施例によれば、起爆装置は、制御コンソールによって結果的に検出されるように構成された応答信号、例えば無線信号を放射するように構成される。
【0076】
このような起爆装置は、特に以下に示すとおり、上記に提示された先行技術と少なくとも同じ利点を有する。
信頼性の観点では、不浸透性のケースとして製作でき、機械的要素を排除することができ、接触不良のリスクは制限又は回避される、など。
安全性の観点では、起爆装置を起動させるために、適切な制御コンソール(光源を含む)が必要である。
実施の容易性及び迅速性の観点では、起爆装置を起動させるために制御コンソールを物理的及び電気的に接続する必要がなく、起動は接触動作を伴うことなく行われる。
【0077】
そして、このような起爆装置は、遠隔起動の範囲を介して、簡略化された操作モードを提供するという利点も少なくとも有する。例えば、起爆装置を作動させるために付属品を使用する必要はなく、例えば、現場の起爆装置を作動させるための屈曲しないポールや、地下道で高い位置にある起爆装置を作動させるためのナセルを使用する必要もない。
【0078】
本発明の第2の態様によれば、前述の特徴の少なくとも一部を備える無線電子起爆装置と、無線電子起爆装置に光信号を放射するように構成された制御コンソールとを含む無線起爆システムについても提案される。
【0079】
実際には、ユーザはこのようにして、起動させたい起爆装置の方向に光信号を導く。
【0080】
無線起爆システムは、無線電子起爆装置に関連して、上述と類似した特徴及び利点を有する。
【0081】
さらに、対応する制御コンソールと関連するこのような起爆装置は、少なくとも以下の利点をさらに有する。
範囲の観点では、範囲が拡大され、実際には、周囲の光度及び光源のパワーに応じて、数メートルの距離で起爆装置を作動させることができる。
規制の観点では、先行技術で示された無線起動システムのような規制の制約を受けないため、より優れた性能を持つシステムを開発することができる。
安全の観点では、制御コンソールが所望の起爆装置を正確に目標とすることを可能にし、信号が可視範囲に放射される場合、光ビームの照準がユーザから完全に視認できるので、曖昧さが回避される。
柔軟性の観点では、通常のケースとは異なる使い方にも対応する。複数の起爆装置を照らすことのできる広い画角のレンズを使えば、複数の起爆装置を同時に起動させることも可能である。この技術は、地下環境や、発射パターンが既に確立されており、複数の起爆装置を素早く作動させることが目的である場合などに有効である。
【0082】
特に便利な好ましい実施形態では、制御コンソールは、光信号を放射するように構成された光源を含む。
【0083】
光源は、可視領域の光信号、すなわち約400~800nmの波長を有する光信号を放射するように構成されていることが好ましい。
【0084】
しかし、光信号は、用途に応じて赤外線(IR)や紫外線(UV)で放射することも可能である。
【0085】
使用される技術は同一である。
【0086】
可視領域に関しては、赤外線や紫外線で放射される光信号は、ユーザには知覚(可視)できないため、特に精密な起爆装置を目標とする場合、起爆装置の使用が容易でなくなる可能性がある。
【0087】
この困難を克服するために、起爆システムは、照準合わせを補助するシステムを有利に含む。
【0088】
しかし、可視領域の信号を使用する場合にも、照準合わせを補助するシステムは有効である。
【0089】
例えば、光ビームのパワーに基づき、若しくは周囲の光度が著しい場合には、光信号が知覚されにくくなる可能性がある。
【0090】
そのため、起爆装置に狙いを合わせる作業は、ユーザにとってより複雑なものとなる。
【0091】
実際の例では、制御コンソールは、起爆装置によって放射された応答信号を検出するように構成された検出器を含む。
【0092】
対象となる選択肢によれば、制御コンソールは、光源によって放射された光信号が少なくとも照準合わせされた起爆装置によって検出されたこと、又は応答信号が実際に制御コンソールによって検出されたことをユーザに知らせることを可能にする、例えば視覚又は音響などによる警告信号を放射するように構成された表示器を更に含む。
【0093】
このため、制御コンソールは、例えばLEDやブザーを含む。
【0094】
このような起爆システムの構成により、照準合わせを補助するシステムが形成される。
【0095】
このように、起爆装置は、例えば、制御コンソールのビームによって照らされると、応答信号を放射するように構成されている。
【0096】
したがって、対象となる好ましい実施形態では、制御コンソールは、所定時間、又はユーザによる要求に応じて、光信号を連続的に発するように構成される。
【0097】
ユーザは、起爆装置が配置されている区域、若しくはより詳細には起爆装置の光受信器を、スイープ動作で照らす。
【0098】
期待される光シーケンスが起爆装置によって検出されると、LEDなどによる簡単な視覚的応答若しくはブザーなどによる音響が、起爆装置によって引き起こされる。
【0099】
対象となるさらに別の選択肢によれば、制御コンソールは、少なくとも1つの起爆装置に向けて光信号を集束させるように構成されたレンズをさらに含む。
【0100】
ここで示されるレンズは光学レンズであり、調整可能若しくは可変と呼ばれるものである。
【0101】
このようなレンズを使用することで、システムの自由度を高めることができる。
【0102】
例えば、広い画角のレンズで幾つかの起爆装置を照らすことで、一群の起爆装置を同時に起動させることが可能である。
【0103】
この方法は、地下環境や、すでに点火パターンが確立されていて、数個又は全ての起爆装置を非常に素早く作動させることが目的である場合に有効である。
【0104】
また、安全面では、制御コンソールに使われるレンズにより、起爆装置に正確に照準を合わせることができる。
【0105】
別の好ましい実施形態において、制御コンソールは、少なくとも1つの変調パターンに従って光信号を変調するように構成された変調器をさらに含む。
【0106】
このように、光信号は、自然光や人工光と区別できるような変調パターンで変調され、起爆装置が不用意に電源投入されるのを防ぐことができる。
【0107】
したがって、有利には、変調された光信号は、少なくとも1つの起動シーケンスを含む。
【0108】
光変調を用いた起爆システムの一つの利点は、変調された信号を用いて有用なデジタルデータを起爆装置に送ることができることにある。
【0109】
例えば以下のことが可能となる。
起爆装置の光学的起動時に、点火遅延を起爆装置に直接伝達すること。
起爆装置が起動されたコンソールの識別子又は使用される点火コンソールの識別子を提供し、複数のチームが同じ区域で同時に起爆装置のネットワークを展開することを可能にすること。
起爆装置に固有の点火コードを提供し、固有コードを持たない起爆装置への偶発的な点火を回避可能にすること。
【0110】
したがって、例えば、変調された光信号は、遅延値、及び/又は識別子、及び/又は点火コードなどの指示を起爆装置に送信するように構成されたデータシーケンスを含む。
【0111】
データシーケンスは、光信号内の起動シーケンスの後に送信される。
【0112】
また、光ビームが可視光で放射された場合、目標とする起爆装置をユーザが視覚的に確認できるため、情報の傍受やスクランブルも困難で、より安全性の高いシステムとなる。
【0113】
対象となるさらに別の選択肢によれば、変調された光信号は、停止信号を含む。
【0114】
手動スイッチと同じ機能を実現するために、光変調を用いた起爆システムは、好ましくは、起爆装置を電源オフすることができる。
【0115】
これにより、点火の中止が決定された場合や、誤って電源が投入された起爆装置を停止させることができるなど、さらに安全性を高めることができる。
【0116】
この停止機能を利用するために、電源投入時のシーケンスと電源切断時のシーケンスの2つの異なるシーケンスが使われる。
【0117】
その結果、制御コンソールは、例えば選択モジュールを含み、ユーザが一方のシーケンス又は他方のシーケンス(すなわち、起動シーケンス又は停止シーケンス)を選択できるように構成される。
【0118】
そして、第3の態様によれば、主エネルギー源と、少なくとも1つの機能モジュールと、主エネルギー源と機能モジュールとの間に配置され、機能モジュールと主エネルギー源とを接続又は切断するように構成された電源スイッチと、電源スイッチを制御するモジュールとを含む無線電子起爆装置の起動方法が提案される。
【0119】
本発明によれば、この方法は、以下のステップを含む。
光信号を受信するステップと、
受信した光信号を復調するステップと、
復調された光信号に従って、制御信号を生成するステップを含み、制御信号は、少なくとも電源スイッチを制御するように構成されている。
【0120】
このように、電子起爆装置の機能モジュールは、主エネルギー源と、復調された光信号が少なくとも電子起爆装置の起動のための指示に対応するときに生成される制御信号によって制御される機能モジュールとの間に配置された電源スイッチとを介して、起動若しくは電源投入される。
【0121】
この起動方法は、無線電子起爆装置及び無線起爆システムに関連して、上述したものと類似した特徴及び利点を有する。
【0122】
対象となる実施形態によれば、光信号を受信するステップは、光信号を検出するステップと、光信号を電気信号に変換するステップとを含む。
【0123】
対象となる実施形態によれば、復調ステップは、電気信号をデジタル信号に変換するステップと、デジタル信号における少なくとも1つの起動シーケンスを識別するステップとを含む。
【0124】
起動シーケンスが特定された場合、制御信号を生成するステップは、電源スイッチを起動させるステップを含む。
【0125】
例えば、デジタル信号が少なくとも1つの起動シーケンスを含む基準信号に対応する場合、電源スイッチが起動される。
【0126】
ここでいう起動とは、電子起爆装置の点火とは無関係に電源を投入し又は電源を切断すること、つまり電子起爆装置の制御を意味する。
【0127】
対象となる選択肢によれば、復調ステップは、デジタル信号内の少なくとも1つのデータシーケンスを識別するステップをさらに含む。
【0128】
データシーケンスが特定された場合、制御信号を生成するステップは、そのデータシーケンスに対応する指示を生成するステップを含む。
【0129】
例えば、電子起爆装置に電源を入れると、点火のための遅延時間を関連付けることができる。
【0130】
この関連付けは、電源投入直後に行うことも、電源投入後しばらくしてから行うこともできる。
【0131】
様々な実施形態によれば、電源投入と遅延の関連付けは、同じ制御コンソールで実施することも、異なる制御コンソールで実施することも可能である。
【0132】
このように、電子起爆装置はさまざまな方法で展開することが可能である。
【0133】
電源投入と遅延の関連付けを異なる制御コンソールで行う場合、電源投入は設置時に行い、遅延の関連付けはその後、全ての起爆装置に電源投入されてから行うことも可能である。
【0134】
遅延時間の関連付けを後から行う場合、電子起爆装置の設置時にまず制御コンソールから全ての電子起爆装置に電源を投入する。その後、電子起爆装置を定期的に目覚めさせる手順でスリープさせるか、スタンバイさせることが可能である。全ての電子起爆装置が設置され、電源が投入されると、全ての電子起爆装置に遅延時間が設定される。このために、電子起爆装置は、任意のロケーション・システム(例えば、GPSや、ネットワークの各電子起爆装置間の相対距離又は受信電力を測定するシステムなどで、任意に後処理ステップを必要とする)を備えることができる。各電子起爆装置に関連する生データ(例えば、絶対位置、相対距離又は受信電力など)は、電子起爆装置のネットワークとその識別子のマップを作成するために、例えば制御コンソールとの無線によって収集される。このマップを知ることで、各電子起爆装置に遅延を関連付けることが可能となる。
【0135】
意図した点火パターンと電子起爆装置の実マップとの間に矛盾があることが検知されると、矛盾がある起爆装置を停止させることができる。
【0136】
電源投入と遅延時間の関連付けを別の制御コンソールで行う場合、この2つの操作は、数分から数時間、場合によっては数日間と、時間的に離れた瞬間に行われる。電子起爆装置を電源オフ状態に戻すための間隔として、電源オフ状態を考慮することができる。例えば、一定時間後に光信号による要求がない場合、あるいは電子起爆装置を定期的に覚醒させる操作中に制御コンソールとのメッセージの交換又は受信がない場合、デジタル処理モジュールは電子起爆装置を電源オフ状態にすることができる。
【0137】
結局、いずれの手法も従来の点火方法を実行することに終始している。
【0138】
本発明は、好ましい実施形態によるものであり、以下の添付図面を参照しながら、情報提供のため、かつ、決して目的を限定するためのものでなく与えられる以下の詳細な説明を読むことで、よく理解され、その利点がよりよく認識されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0139】
図1】本発明の好ましい実施形態による起爆システムの概要を示す図である。
図2】変調パターンに続く擬似ランダムシーケンスの一例を示す図である。
図3】本発明の好ましい実施形態による無線起爆装置を示す図である。
図4】光受信器の好ましい実施形態の概要を示す図である。
図5】光受信器の第1の好ましい実施形態を示す図である。
図6】LEDを含む光源の波長による発光スペクトルの一例を示す模式図である。
図7】フォトダイオードの分光感度を波長別に模式的に示す図である。
図8図6の発光スペクトルから得られるフィルタの分光特性と、図7のフォトダイオードの感度を波長に応じて示す図である。
図9】光受信器の第2の好ましい実施形態を示す図である。
図10】光受信器の第3の好ましい実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0140】
前述の図面において、同一の要素には同一の参照番号を付している。
【0141】
図1に概略的に示された本発明の態様の好ましい実施形態によれば、起爆システム10は主に以下のものを含む。
変調された光信号LUを放射するように構成された制御コンソール100と、
制御コンソール100の光信号LUを検出し、復調するように構成された、エネルギーの点で自律的な起爆装置200。
【0142】
好ましい実施形態によれば、制御コンソール100は、変調された光源を含む。
【0143】
図1に概略的に示すように、制御コンソール100は、例えば、光信号を含む光ビームを放射するように構成された光源110と、少なくとも1つの変調パターンに従って光信号を変調するように構成された変調器120と、を含む。
【0144】
光源110は、可視領域の光信号、すなわち約400~800nmの間の波長を有する光信号を放射するように構成されていることが好ましい。
【0145】
また、必要に応じて、又は意図して、赤外線や紫外線を発する光源を使用することも可能である。
【0146】
図示しない選択肢によれば、制御コンソールは、1つ以上の起爆装置に向けて光信号を集中させるように構成された、調整可能なレンズとも呼ばれる可変レンズをさらに含むことができる。
【0147】
レンズが細いビームを放射するように調整されている場合は、制御コンソールは1つの起爆装置を起動させることができ、レンズが複数の起爆装置を照らすことができる広いビームを放射するように調整されている場合は、同時に複数の起爆装置を作動させることができる。
【0148】
対象となる選択肢によれば、起爆装置は、制御コンソールのビームによって照らされたとき、応答信号を放射するように構成される。
【0149】
起爆装置は、例えば、視覚的又は音響による表示器を含む。
【0150】
起爆装置は、例えば無線信号のように、制御コンソールによって結果的に検出されるように構成された応答信号を放射するように構成することもできる。
【0151】
対象となる少なくとも1つの他の選択肢によれば、制御コンソール100は、起爆装置によって放射された応答信号を検出するように構成された検出器と、光源110によって放射された光信号が少なくとも対象となる起爆装置によって検出されたこと、又は応答信号が実際に制御コンソールによって検出されたことをユーザに警告するように構成された、例えば視覚又は音響などの表示器を含むことが可能である。
【0152】
制御コンソールや起爆装置の表示器としては、例えばLEDやブザーなどがある。
【0153】
このように、起爆システムには、照準合わせを補助するシステムが搭載されている。
【0154】
制御コンソールは、好ましくは、予め決められた時間、又はユーザによる要求に応じて、光シーケンスを連続的に放射させる。
【0155】
ユーザは、起爆装置200が配置された区域、あるいはさらに詳細には起爆装置200の光受信器220(後述する)を、スイープ動作で照らす。
【0156】
期待される光シーケンスが起爆装置によって検出されると、LEDなどによる簡単な視覚的応答やブザーなどによる音響が起爆装置によって引き起こされる。
【0157】
図2は、制御コンソール100が放射する光信号LUを変調するために用いられる変調パターンMの一例を示す図である。
【0158】
特にこの図ではOOK(On/Off Keying)変調された擬似ランダムシーケンスであるが、他のタイプの光変調も可能である。
【0159】
OOK型の変調は実装が簡単で、復調もそれほど複雑ではないため、起爆装置のコストを抑えることができるという利点がある。
【0160】
好ましくは、コンソールから放射される光信号を変調するために、受信器により認識される疑似ランダムシーケンスが使用され、自然光又は人工光(特定の人工照明は、実際に矩形波形状のハッシュ化した信号を持つ)とできるだけ誤差なく区別できるようにする。
【0161】
擬似乱数シーケンスのサイズは、誤報を避けるために、通常は32ビットを超える充分な長さにする必要がある。
【0162】
好ましくは、変調率(周波数)は、通常100Hz~10kHzである。
【0163】
この値は、ユーザの動きに対して過敏にならない程度に充分であり、また、例えば、限られた性能のフォトダイオード231(図5に概略的に示す)を用いれば、受信器220のコストに制約を与えるほど大きくはない。
【0164】
この例は限定的なものではない。他のタイプの変調、他のタイプのシーケンス、他の変調レートも使用可能である。
【0165】
光変調によるシステムのもう一つの利点は、変調された光信号を用いて、起爆装置に有用な情報、すなわちデジタルデータを光学的に伝送することができることにある。
【0166】
このために、制御コンソールにおいて、変調された光信号LUは、例えば好ましくは良好な自己相関特性を有する起動シーケンス、典型的にはカサミシーケンスを含む。
【0167】
これにより、受信器、すなわち起爆装置は、受信した信号に適切に同期し、そこからデータを抽出することができる。
【0168】
データシーケンスには、例えば、起動シーケンスの後に単に連結されたバイナリデータも含まれる。
【0169】
制御コンソールから送信されるメッセージは、例えば次のシーケンスを含む。
[起動シーケンス]-[データシーケンス]。
【0170】
データシーケンスは、例えば、遅延値、及び/又は識別子、及び/又は点火コード、又はその他を送信するように構成されている。
【0171】
一例として、CRC(巡回冗長検査)タイプの統合制御を任意でメッセージに追加することで、起爆装置(すなわち受信器)のデータシーケンスの復調結果を制御できるようにすることが可能となる。
【0172】
したがって、制御コンソールから送信されるメッセージは、例えば次のシーケンスを含む。
[起動シーケンス]-[データシーケンス]-[制御シーケンス]。
【0173】
別の実施例によれば、訂正符号を追加することも可能である。
【0174】
したがって、制御コンソールから送信されるメッセージは、例えば以下のシーケンスを含む。
[起動シーケンス]-[データシーケンス]-[制御シーケンス]-[訂正シーケンス]。
【0175】
したがって、好ましい実施形態によれば、データシーケンスと訂正シーケンスを含むハミング型のブロック符号を使用することが可能である。
【0176】
受信器側、すなわち起爆装置側では、従来のデジタル復調技術を使用することができる。
【0177】
この起動シーケンスにより、送信メッセージの冒頭で受信器の同期を取ることができる。
【0178】
単純な規則的サンプリング、又は前方検出により、メッセージの内容を復調することができる。
【0179】
対象となるさらに別の選択肢によれば、変調された光信号LUは、停止信号を含む。
【0180】
手動スイッチと同じ機能を実現するために、光変調を用いた起爆システムでは、起爆装置を電源オフすることが好ましい。
【0181】
これにより、点火の中止が決定された場合や、誤って電源が投入された起爆装置を停止させることができるなど、さらに安全性を高めることができる。
【0182】
この停止機能を利用するために、電源投入時のシーケンスと電源切断時のシーケンスという2つの異なるシーケンスを使うことができる。
【0183】
放射されたシーケンスの検出不良のリスクを抑えるために、これら2つの配列は準直交であることが好ましい。
【0184】
例えば、2つの異なるカサミシーケンスによってこの条件を満たすことができる。
【0185】
代替案として、シーケンスの符号を使用することもできる。通常、シーケンスは起動時に正の相関ピークを示すが、反転して放射されると、例えば停止時に負の相関ピークを示す。
【0186】
結局、相関器は1つでよく、結果の符号の違いでしかない。
【0187】
しかし、カサミシーケンスは、シーケンス間のオフセットに関係なく、相互相関が0に近い結果を与えるので、好ましい。
【0188】
そのため、制御コンソールは、ユーザにいずれかのシーケンス(つまり、起動シーケンス又は停止シーケンス)を選択させる必要がある。
【0189】
受信器では、起爆装置の光受信器(後述する)のデジタル処理モジュールが、例えば一方若しくは他方のシーケンスを検出するように構成される。相関処理は、例えば、一方のシーケンスと他方のシーケンスを交互に基準シーケンスとして使用することにより、二重に行われる。
【0190】
図3は、起爆装置200の好ましい実施形態を示す図である。
【0191】
本発明による、エネルギーの点で自律的な起爆装置200は、ここでは主に、起爆装置を光学的に起動させるように構成された光受信器220を含む制御モジュール210を備える。
【0192】
光受信器220は、特に、コンソール100が送信する光ビームLUを復調し、電源スイッチ240を制御するための信号を生成することを可能にする。
【0193】
さらに、起爆装置200は、ここでは例えば以下の要素を含む。
電源スイッチ240を介して起爆装置の様々な他の要素に電力供給し、導火線256の点火のためのエネルギー貯蔵要素253にエネルギーを伝達するように構成された主エネルギー源230(例えば基板上のエネルギー源、又はローカルエネルギー貯蔵部と組み合わせたエネルギー回収モジュール、又はケーブルで接続されたエネルギー供給モジュール)。
例えばK10スイッチを含み、主エネルギー源230から機能モジュール250の様々な電子素子の電源投入を制御することを可能にする電源スイッチ240。この電源スイッチ240は、国際公開第2019/073148号パンフレットにて提示された実施形態の1つと同様のものとすることができる。
そして、機能モジュール250である。
【0194】
機能モジュール250は、ここでは例えば以下の電子要素を含む。
電子起爆装置の動作の制御を可能にするコンピュータ251。コンピュータ251は、電源スイッチ240を介して主エネルギー源230と接続又は切断される。
導火線256の点火のためのエネルギー貯蔵要素253。
エネルギー貯蔵要素を分離するためのスイッチ252であって、例えばK20スイッチを含み、主エネルギー源230からエネルギー貯蔵要素253へのエネルギーの伝達を、主エネルギー源230からコンピュータ251へのエネルギーの伝達とは独立して起動又は非起動にすることが可能なスイッチ252。
電源が切れた場合に安全状態に戻すために、点火のためのエネルギー貯蔵要素253の緩やかな放電を可能にする安全機構を形成する、放電装置254。
点火専用のエネルギー貯蔵要素253と導火線256との間でエネルギーの伝達を可能にする、例えばK30スイッチを含む点火スイッチ255。
そして、導火線256である。
【0195】
好ましい実施形態による光受信器220を図4に概略的に示す。
図4の光受信器220は、主として、
受信した光信号LUを電気信号に変換するように構成された光検出器221と、
受信した光信号を復調し、電源スイッチ240を制御するための信号を生成するように構成された復調器222と、を含む。
【0196】
ここで、復調器222は、例えば、
アナログである光検出器221の電気信号をデジタル信号に変換するように構成された、アナログ調整器223と
制御コンソール100によって放射されたバイナリシーケンスを検出し、バイナリシーケンスに従って少なくとも電源スイッチ240を制御するための制御信号を生成するために、デジタル信号を復調するように構成された、デジタル処理モジュール224と、を含む。
【0197】
ここで、デジタル処理モジュール224及び/又はコンピュータ251は、例えば、
電子起爆装置200の動作を管理し、
制御コンソール100を介して受信されたメッセージを分析し、
受信したメッセージの意味に従って動作し、
点火のためにエネルギー貯蔵要素253のエネルギーの貯蔵を起動させ、
電子起爆装置200に関連する点火遅延のカウントダウンを実行し、
点火スイッチ255を介して、カウントダウン後にエネルギー貯蔵要素253から導火線24へのエネルギーの伝達を作動させ、
放電装置254を作動させ、
電源スイッチ240を制御し、
エネルギー貯蔵要素252の絶縁スイッチを制御する、ように構成される。
【0198】
図5は、図4に概略的に示された光受信器220の好ましい実施形態である。
【0199】
光検出器221は、ここでは、光信号LUを電流に変換するフォトダイオード231を含む。
【0200】
また、光検出器221は、ここでは、アナログ調整器223で使用可能な、電圧を処理できる検出抵抗器232を含む。
【0201】
検出抵抗器232は、強い光度の下で信号が飽和しないように寸法決めされており、これはシステムを非効果的にしてしまう。逆に、低すぎる値は、電気信号のダイナミクスを減少させ、起爆システムの範囲の減少を伴う。
【0202】
最大可能照度Emax(通常13万ルクス)、フォトダイオード231の感度をSA/lux、電源電圧Vddとすると、Rで示した抵抗値を有する検出抵抗器232は、最大照度で飽和限界となるようにVdd=R×S×Emaxの関係性を検証する必要がある。
【0203】
このため、[フォトダイオード231-検出抵抗器232]の組の寸法が、範囲に関するシステムの性能の大部分を決定することになる。
【0204】
アナログ調整器223は、ここでは、自然光やユーザの動作に関連する静的な成分を除去するために、少なくとも1つのハイパスフィルタを含む。
【0205】
また、パスバンドフィルタ(ハイパスフィルタにローパスフィルタを追加したもの)により、高周波の歪みも除去することができる。
【0206】
図5に示す実施例では、アナログ調整器223は、周囲照明のレベルに関連する信号の静的成分を除去することを可能にする通過帯域フィルタ(比較器233の「+」(プラス)ピン上のペアR(抵抗器-コンデンサ)は高周波数を決定し、「-」(マイナス)ピン上のペアR)は低周波数を決定する)を含む。
【0207】
フィルタリングされた信号は、比較器233に導入され、比較器233の出力、したがってアナログ調整器223の出力で2値信号が得られる。
【0208】
アナログ調整器223は、例えば、コンパレータ及び/又はオペアンプを含む。
【0209】
そして、デジタル信号が導入されるデジタル処理モジュール224は、例えば少なくとも1つのコンピュータ(一般にはマイクロコントローラ又は専用デジタル回路)、及び任意でメモリ素子を含む。
【0210】
受信信号は、起動信号の存在を検出するように、予想される基準信号と相関される。
【0211】
予想される基準信号は、おそらくデジタル処理モジュール224に予め記録されている。
【0212】
このレベルでは、デジタル信号の復調のためのあらゆる既知の技術を使用することができる。
【0213】
起動シーケンスが検出されると、デジタル処理モジュール224は、これがスイッチであれば、起爆装置の他の要素に電力を供給するよう、例えば閉位置となるように、電源スイッチ240を起動位置に制御するように構成された制御信号を生成する。
【0214】
しかし、これらの機能は、図5で概説した実施形態とは異なる方法で実行することができる。
【0215】
例えば、ハードウェア資源を共有するために、例えば、機能モジュール250のコンピュータ251でデジタル処理を実行することが可能である。したがって、電源スイッチ240の上流にコンピュータ251を組み立てるように、一般的なアーキテクチャを若干見直す必要がある。
【0216】
言い換えれば、機能モジュール250のコンピュータ251とデジタル処理モジュール224は、このように、好ましくは電源スイッチ240の上流、例えば光受信器220に配置される単一のものとしてまとめることができる。
【0217】
さらに、光シーケンスを受信していない間は、コンピュータの一部を「非アクティブ」(低消費モード)にしておくことも可能である。
【0218】
光信号を復調するために他の手法を用いることも可能であり、これは光受信器220の異なるハードウェアアーキテクチャへとつながる。例えば、アナログ調整器223は、光受信器からの生の信号のADC(アナログ-デジタル変換器)を用いたデジタル化によって置き換えることができ、これはその後、デジタル処理モジュール224のコンピュータによって直接処理される。
【0219】
いずれの場合も、提示された光受信器に電源を供給する必要がある。
【0220】
しかし、現場での使用前に起爆装置の電池寿命を縮めないために、起爆システムの消費エネルギーをできるだけ少なくすることが理想的である。
【0221】
そのため、少しでも実用的なシステムにするためには、消費量をできるだけ少なくする必要がある。
【0222】
光受信器220は、一般に、照明に正比例して電力を消費する。
【0223】
通常、40nA/100ルクスの感度を持つフォトダイオードの場合、最大13万ルクスの太陽光の下では52μAの電力消費となる。
【0224】
アナログ調整器223の電力消費は、使用するコンパレータやオペアンプに応じて、通常1μA~30μAの間となる。
【0225】
[ゲイン×帯域幅]の積を小さくしたコンパレータ233を選択することで、消費電流が1マイクロアンペア(μA)程度の部品を選択することができる。
【0226】
これは、許容される変調率に不利に働くが、システムの重要な要素ではない。
【0227】
そして、デジタル処理モジュール224は、処理を行う際に、通常、数ミリアンペアを消費する。
【0228】
したがって、光検出器221及びデジタル処理モジュール224の消費は、可能であれば数マイクロアンペア程度の消費を目指すべく、何よりもまず削減しなければならないものである。
【0229】
したがって、第1のアプローチでは、検出性能を低下させることなく、周囲照明の強度を低下させるために、例えば、光検出器221のフォトダイオード231の前に光フィルタを追加することが行われる。
【0230】
目標の一つは、光信号に対応する受光パワーを最大化し、周囲の照明に対応する受光パワーを可能な限り低減することである。
【0231】
これにより、周囲の明るさに関係する光検出器の消費電流を低減することができる。
【0232】
制御コンソール100の光源は非常に特殊な発光スペクトルを有しており(図6)、フォトダイオード231は特徴的な分光感度を有している(図7)。
【0233】
したがって、これら2つの要素は、制御コンソール100によって放射される光信号の波長λに依存する利得フィルタリングステージGtx(λ)及びGrx(λ)として動作する。
【0234】
したがって、フォトダイオード231によって電力に変換される光パワーPrxは、コンソールが放射するパワーPtx、距離Rに関する減衰、照射立体角Ω、及びそれぞれのゲインGtx、Grxに応じて、以下の式で表される。
Prx=[(Grx×Gtx)/ΩR]×Ptx
【0235】
ある距離と焦点距離において、利得(Gtx×Grx)が最大のとき、つまりある波長λ(図8)において、受信電力は最大となる。
【0236】
この波長の周辺に追加のフィルタを加えることで、この波長での受信を最大化し、他の波長での受信を低減することができ、所期の目的に対応することができる。
【0237】
このように、低減したい自然光に対する光フィルタの応答に応じて、最適な幅を算出する。
【0238】
これにより、光検出器の電力消費を3分の1に低減することが可能となる。
【0239】
第2のアプローチは、例えば、光検出器234の光起電力効果を光検出器221に利用するものである。
【0240】
光検出器234は、ここでは、図9に概略を示す組立品のように、光起電力モードで使用される。
【0241】
このため、電源電圧で分極することはない。
【0242】
前述の例のようなフォトダイオードでは、使用に供するだけの電流を発生させることができない。受光素子の面積を大きくする、光起電力パネルを小型化する、フォトダイオードを複数個並列に配置するなどの工夫が必要である。
【0243】
このアセンブリにより、光検出器の電力消費を完全に削減することができる。
【0244】
そのため、電力消費は非常によく制御され、周囲の光の条件からより独立したものとなる。
【0245】
第の3アプローチとして、デジタル処理モジュールへの電力供給を遮断することで、電力消費を抑制することも可能である。
【0246】
例えば、デジタル処理モジュール224は、クロック及び任意にデジタル電子機器への電力供給を遮断することができる低消費モードを含む。
【0247】
コンパレータの出力についてのデジタル信号の状態変化の有無は、例えば、システムを低消費モードから解放する際に利用される。
【0248】
このように、自然光の下では光量の変化が緩やかであるため、ローパスフィルタにより、アナログ調整器の出力には変化が生じなくなる。
【0249】
照明に急激な変化が生じると、アナログ調整器の出力に遷移が現れ、デジタル処理モジュールを覚醒させるために使用される。
【0250】
この機能は、通常、マイクロコントローラの低消費モードによって実装することができる。
【0251】
その結果、少なくとも1マイクロアンペア(1μA)分の電力消費を削減することができる。
【0252】
第4のアプローチとして、起爆装置の保管期間中(使用前の数か月間)の残存の電力消費を避けるため、照明レベルに応じて電力供給を全体遮断する方法を採用する(「暗所モード」)。
【0253】
図10に示すように、照明のレベルを追加で検出するステージが使用されており、非常に低い照明レベルが現れると同時に出力信号を任意に飽和させることができるように設定される。
【0254】
このために、照明レベルの追加検出のための段階は、例えば、高ゲイン(例えば40μA/100ルクス)のフォトトランジスタ235と、その設定値によって非常に低い照明レベル、典型的には数十ルクスを検出できる検出抵抗器237を含む。
【0255】
検出抵抗器237の端子での電圧により、スイッチとして機能するトランジスタ236を制御することができる。
【0256】
したがって、光検出ステージ221は変更されないままである。その末端の上流に追加のステージ(しかし同じ原理に基づく)が追加され、この追加のステージは、光検出ステージとは異なる調整を行う。
【0257】
このようにして、起爆装置が例えば箱に収納された暗所にあるとき、電力供給は完全に遮断される。したがって、電力消費はほぼゼロである(トランジスタ236のリーク電流とフォトトランジスタ235のリーク電流は除かれるが、これらは無視できる)。
【0258】
起爆装置を使用するために箱から取り出されると、全体遮断ステージは光受信器220に電源を供給し、起爆装置はこのようにしてユーザからの(制御コンソールを介しての)光起動を待つ。本発明の態様の一部を以下記載する。
[態様1]
主エネルギー源(230)と、少なくとも1つの機能モジュール(250)と、前記主エネルギー源(230)と前記機能モジュール(250)との間に配置され、前記機能モジュール(250)と前記主エネルギー源(230)を接続又は切断するように構成された電源スイッチ(240)と、前記電源スイッチを制御するためのモジュール(210)とを備えた無線電子起爆装置(200)において、
前記機能モジュール(250)は、少なくとも1つの導火線(256)と、前記導火線(256)の点火専用のエネルギー貯蔵要素(253)とをさらに含み、前記電源スイッチを制御するための前記モジュール(210)が、制御コンソール(100)が放射する光信号(LU)を検出して復調し、出力において復調された光信号(LU)に従って制御信号を発生するように構成された光受信器(220)を含み、前記制御信号は少なくとも電源スイッチ(240)を制御するために構成されたことを特徴とする、無線電子起爆装置(200)。
[態様2]
前記光受信器(220)は、前記制御コンソール(100)によって放射された前記光信号(LU)を検出し、前記光信号(LU)を電気信号に変換するように構成された光検出器(221)を含むことを特徴とする、態様1に記載の起爆装置(200)。
[態様3]
前記起爆装置が、前記光検出器(221)の上流に少なくとも1つの光フィルタを含むことを特徴とする、態様2に記載の起爆装置(200)。
[態様4]
前記光検出器(221)は、光起電力素子(234)を含むことを特徴とする、態様2又は3に記載の起爆装置(200)。
[態様5]
前記起爆装置は、前記電気信号を復調するように構成された復調器(222)を含むことを特徴とする、態様1~4のいずれか一項に記載の起爆装置(200)。
[態様6]
前記復調器(222)は、前記光検出器(221)からの前記電気信号をデジタル信号に変換するように構成されたアナログ調整器(223)を含むことを特徴とする、態様5に記載の起爆装置(200)。
[態様7]
前記復調器(222)は、前記デジタル信号を復調し、前記電源スイッチ(240)を制御するための制御信号を生成するように構成されたデジタル処理モジュール(224)を含むことを特徴とする、態様6に記載の起爆装置(200)。
[態様8]
前記起爆装置は、少なくとも前記デジタル処理モジュール(224)への電力供給を遮断するように構成された低消費モードを含むことを特徴とする、態様7に記載の起爆装置(200)。
[態様9]
前記光受信器(220)への電力供給を遮断するように構成された全体遮断モジュールを含むことを特徴とする、態様1~8のいずれか一項に記載の起爆装置(200)。
[態様10]
前記全体遮断モジュールは、非常に低いレベルの照明を検出するように構成された検出抵抗器(237)と結合された、高ゲインのフォトトランジスタ(235)と、スイッチとして機能するトランジスタ(236)を含み、前記検出抵抗器(237)は前記トランジスタ(236)を制御するように構成されていることを特徴とする、態様9に記載の起爆装置(200)。
[態様11]
前記光受信器(220)が少なくとも前記制御コンソール(100)から放射された前記光信号(LU)を検出したときに、前記起爆装置が応答信号を放射するように構成されていることを特徴とする、態様1~10のいずれか一項に記載の起爆装置(200)。
[態様12]
態様1~11のいずれか一項に記載の無線電子起爆装置(200)と、前記無線電子起爆装置(200)に光信号(LU)を発するように構成された制御コンソール(100)とを備える、無線起爆システム(10)。
[態様13]
前記制御コンソール(100)は、前記光信号(LU)を少なくとも1つの起爆装置(200)に向けて焦点を合わせるように構成されたレンズを含むことを特徴とする、態様12に記載の起爆システム(10)。
[態様14]
前記制御コンソール(100)は、少なくとも1つの変調パターン(M)に従って前記光信号(LU)を変調するように構成された変調器(120)を含むことを特徴とする、態様12又は13に記載の起爆システム(10)。
[態様15]
前記変調光信号(LU)は、少なくとも1つの起動シーケンスを含むことを特徴とする、態様12~14のいずれか一項に記載の起爆システム(10)。
[態様16]
前記変調光信号(LU)は、前記起爆装置(200)に指示を送るように構成されたデータシーケンスを含むことを特徴とする、態様12~15のいずれか一項に記載の起爆システム(10)。
[態様17]
主エネルギー源(230)と、少なくとも1つの導火線(256)及び前記導火線(256)の点火専用のエネルギー貯蔵要素(253)を含む少なくとも1つの機能モジュール(250)と、電源スイッチ(240)とを含む無線電子起爆装置(200)の起動方法であって、前記主エネルギー源(230)と前記機能モジュール(250)との間に配置され、前記機能モジュール(250)と前記主エネルギー源(230)とを接続又は切断するように構成された、電源スイッチを制御するためのモジュール(210)と、を備え、前記方法は、
光信号(LU)を受信するステップと、
受信した前記光信号(LU)を復調するステップと、
復調された前記光信号(LU)に従って、制御信号を生成するステップであって、前記制御信号は、少なくとも前記電源スイッチ(240)を制御するように構成された、
無線電子起爆装置(200)の起動方法。
[態様18]
前記光信号(LU)を受信するステップは、前記光信号(LU)を検出するステップと、前記光信号(LU)を電気信号に変換するステップとを含む、態様17に記載の起動方法。
[態様19]
前記復調ステップは、前記電気信号をデジタル信号に変換するステップと、前記デジタル信号中の少なくとも1つの起動シーケンスを識別するステップとを含み、前記起動シーケンスが識別された場合、制御信号を生成するステップは、前記電源スイッチ(240)を起動するステップを含む、態様17又は18に記載の起動方法。
[態様20]
前記復調ステップは、前記デジタル信号における少なくとも1つのデータシーケンスを特定するステップを含み、データシーケンスが特定された場合、前記制御信号を生成するステップは、前記データシーケンスに対応する指示を生成するステップを含む、態様17~19のいずれか一項に記載の起動方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10