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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-26
(45)【発行日】2024-04-03
(54)【発明の名称】電気調理器
(51)【国際特許分類】
   A47J 37/06 20060101AFI20240327BHJP
【FI】
A47J37/06 321
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020083762
(22)【出願日】2020-05-12
(65)【公開番号】P2021177864
(43)【公開日】2021-11-18
【審査請求日】2023-02-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000112233
【氏名又は名称】ピーコック魔法瓶工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】青木 弘
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-340229(JP,A)
【文献】特許第2827486(JP,B2)
【文献】実開平04-064325(JP,U)
【文献】特開平10-216021(JP,A)
【文献】特開2012-217672(JP,A)
【文献】特開2002-209755(JP,A)
【文献】特開2000-083831(JP,A)
【文献】特開平08-256911(JP,A)
【文献】実開平01-115437(JP,U)
【文献】特開2013-252232(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 37/00-37/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に加熱ヒータが配置された本体と、
該本体に上載されるプレートと、
上記本体が上方から収納されるベース部材と、
上記本体から外方に向けて突出形成されたターミナルと、
該ターミナルに対して着脱可能で上記プレートの熱を感熱する感熱棒を有するプラグと、を備えた電気調理器であって、
上記本体には、熱伝導性を有するとともに上記プレートの上載時に上記感熱棒の挿入を許容する支持部材が設けられ、
上記支持部材は、上端部から下方へ凹むとともに上記感熱棒の挿脱方向に延びる凹部をもった感熱棒支持部と、
上方にバネ付勢されると共に、上記感熱棒支持部の直下に位置して上記プレートの非上載時に上記感熱棒の挿入を規制する規制部と、を備え、
上記支持部材における上記凹部は、挿入した上記感熱棒の下部が面接触可能な底壁を有し、上記感熱棒の直径に対応する凹部幅を有し、かつ上記感熱棒の直径以上の深さを有し、
上記支持部材の上記上端部は、上記本体に対する上記プレートの上載時に、上記バネ付勢により上記プレートの下面に面接触にて圧接可能な平坦面状に形成された
電気調理器。
【請求項2】
上記凹部は、上記凹部幅よりも上記挿脱方向の長さが長くなるように形成された
請求項1に記載の電気調理器。
【請求項3】
上記感熱棒支持部は、
上下方向および上記挿脱方向に直交する直交方向において上記凹部の両サイドに側壁を有し、
上記支持部材の平坦面状の上記上端部は、一対の上記側壁の各上端部に設けられ、
上記規制部は、上記感熱棒支持部における一対の上記側壁の下方への延出部を上記直交方向の両サイドに有するように上記感熱棒支持部と一体形成された筒形状とした
請求項1または2に記載の電気調理器。
【請求項4】
上記ターミナルの基部と対応する上記ベース部材には、当該ベース部材の内方からベース部材内端部にかけて上方へ傾斜する案内部が設けられ、
上記ターミナルの基部には、下方へバネ付勢されて当該ターミナルの基部から下方へ突出するシャッタが設けられ、
上記シャッタには、上記ベース部材に対する上記本体の収納時に、上記案内部にて上動して感熱棒挿入通路と一致する開口部が形成された
請求項1~3の何れか一項に記載の電気調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ホットプレートのような電気調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、上述例の電気調理器としては、例えば、特許文献1に開示されているように、上面に加熱ヒータが配置された本体と、該本体に着脱可能に上載されるプレートと、上記本体が上方から収納されるベース部材と、上記本体から外方に向けて突出形成されたターミナルと、該ターミナルに対して着脱可能で上記プレートの熱を感熱する感熱棒を有するプラグと、を備えたものがある。
【0003】
上記特許文献1に開示された従来構造においては、本体に対してプレートが上載された時、感熱棒をその下方から支持する片持ち構造の支持部材(遮へい板16参照)が開示されているが、この支持部材における感熱棒の上記支持部は横方向に直線状に延びる形状であるから、支持部材による感熱棒の支持が不安定となって、安定した感熱効果が確保できないという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第2827486号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、この発明は、感熱棒の支持安定性向上と耐久性の維持とを図りつつ、安定した感熱効果を確保することができる電気調理器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明による電気調理器は、上面に加熱ヒータが配置された本体と、該本体に上載されるプレートと、上記本体が上方から収納されるベース部材と、上記本体から外方に向けて突出形成されたターミナルと、該ターミナルに対して着脱可能で上記プレートの熱を感熱する感熱棒を有するプラグと、を備えた電気調理器であって、上記本体には、熱伝導性を有するとともに上記プレートの上載時に上記感熱棒の挿入を許容する支持部材が設けられ、上記支持部材は、上端部から下方へ凹むとともに上記感熱棒の挿脱方向に延びる凹部をもった感熱棒支持部と、上方にバネ付勢されると共に、上記感熱棒支持部の直下に位置して上記プレートの非上載時に上記感熱棒の挿入を規制する規制部と、を備え、上記支持部材における上記凹部は、挿入した上記感熱棒の下部が面接触可能な底壁を有し、上記感熱棒の直径に対応する凹部幅を有し、かつ上記感熱棒の直径以上の深さを有し、
上記支持部材の上記上端部は、上記本体に対する上記プレートの上載時に、上記バネ付勢により上記プレートの下面に面接触にて圧接可能な平坦面状に形成されたものである。
【0007】
上記構成によれば、上記支持部材の感熱棒支持部は、感熱棒の挿脱方向に延びる凹部を有しているので、感熱棒の支持が安定し、これにより、安定した感熱効果が確保でき、また該感熱棒の挿脱時に、該感熱棒と感熱棒支持部とが強く擦れることがなく、感熱棒の耐久性を維持することができる。
【0008】
さらに上述したように、上記支持部材は、上方にバネ付勢されると共に、上記感熱棒支持部の直下に位置して上記プレートの非上載時に上記感熱棒の挿入を規制する規制部を備えたものである。
【0009】
上記構成によれば、上記本体に対して上記プレートが上載されない限り、上記感熱棒の挿入が上記支持部材にて規制されるので、上記感熱棒の誤挿入が防止でき、安全性を確保することができる。
【0010】
また、上記支持部材は、上方にバネ付勢されており、上記本体に対するプレートの上載時には、該支持部材がプレート下面で下方に押圧されると共に、バネ付勢力により上記支持部材の上端部がプレート下面に圧接される。プレートの上載後に感熱棒を支持部材に挿入した際には、該支持部材を介して、または、支持部材とプレート下面との双方から感熱棒に熱が伝わるため、確実な感熱性と、プレートの温度変化に対する追従性とを確保することができる。
【0011】
さらに、上記本体に対して上記プレートが上載されていない場合には、上記支持部材の上記規制部にて感熱棒の誤挿入が規制されるので、安全性のさらなる向上を図ることができる。
【0012】
この発明の一実施態様においては、上記凹部は、上記凹部幅よりも上記挿脱方向の長さが長くなるように形成されたものである。
【0013】
この発明の一実施態様においては、上記感熱棒支持部は、上下方向および上記挿脱方向に直交する直交方向において上記凹部の両サイドに側壁を有し、上記支持部材の平坦面状の上記上端部は、一対の上記側壁の各上端部に設けられ、上記規制部は、上記感熱棒支持部における一対の上記側壁の下方への延出部を上記直交方向の両サイドに有するように上記感熱棒支持部と一体形成された筒形状としたものである。
【0014】
この発明の一実施態様においては、上記ターミナルの基部と対応する上記ベース部材には、当該ベース部材の内方からベース部材内端部にかけて上方へ傾斜する案内部が設けられ、上記ターミナルの基部には、下方へバネ付勢されて当該ターミナルの基部から下方へ突出するシャッタが設けられ、上記シャッタには、上記ベース部材に対する上記本体の収納時に、上記案内部にて上動して感熱棒挿入通路と一致する開口部が形成されたものである。
【0015】
上記構成によれば、上記ベース部材に対して上記本体を収納して始めて上記シャッタの開口部が感熱棒挿入通路と一致するので、上記シャッタおよび上記案内部が安全装置として作用し、安全性のさらなる向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、感熱棒の支持安定性向上と耐久性の維持とを図りつつ、安定した感熱効果を確保することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の電気調理器を示す外観斜視図
図2】電気調理器の分解斜視図
図3図1のA-A線矢視断面図
図4】支持部材のバネ付勢構造を示す分解斜視図
図5】ターミナル、シャッタおよび案内部を示す分解斜視図
図6】アッパターミナルケースを反転した状態で示す斜視図
図7】ベース部材に対する本体の収納以前の状態を示す断面図
図8図7のB-B線矢視断面図
図9】ベース部材に対して本体を収納した状態で示す断面図
図10】本体に対してプレートを上載した状態で示す断面図
図11図3のC-C線に沿う要部の拡大断面図
【発明を実施するための形態】
【0018】
感熱棒の支持安定性向上と耐久性の維持とを図りつつ、安定した感熱効果を確保するという目的を、上面に加熱ヒータが配置された本体と、該本体に上載されるプレートと、上記本体が上方から収納されるベース部材と、上記本体から外方に向けて突出形成されたターミナルと、該ターミナルに対して着脱可能で上記プレートの熱を感熱する感熱棒を有するプラグと、を備えた電気調理器であって、上記本体には、熱伝導性を有するとともに上記プレートの上載時に上記感熱棒の挿入を許容する支持部材が設けられ、上記支持部材は、上端部から下方へ凹むとともに上記感熱棒の挿脱方向に延びる凹部をもった感熱棒支持部と、上方にバネ付勢されると共に、上記感熱棒支持部の直下に位置して上記プレートの非上載時に上記感熱棒の挿入を規制する規制部と、を備え、上記支持部材における上記凹部は、挿入した上記感熱棒の下部が面接触可能な底壁を有し、上記感熱棒の直径に対応する凹部幅を有し、かつ上記感熱棒の直径以上の深さを有し、上記支持部材の上記上端部は、上記本体に対する上記プレートの上載時に、上記バネ付勢により上記プレートの下面に面接触にて圧接可能な平坦面状に形成されたという構成にて実現した。
【実施例
【0019】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
【0020】
図面は、例えば焼肉などができるホットプレートのような電気調理器を示し、図1は当該電気調理器を示す外観斜視図、図2はその分解斜視図、図3図1のA-A線矢視断面、図4は支持部材のバネ付勢構造を示す分解斜視図、図5はターミナル、シャッタおよび案内部を示す分解斜視図である。
【0021】
また、図6はアッパターミナルケースを反転した状態で示す斜視図、図7はベース部材に対する本体の収納以前の状態を示す断面図、図8図7のB-B線矢視断面図である。
【0022】
さらに、図9はベース部材に対して本体を収納した状態で示す断面図、図10は本体に対してプレートを上載した状態で示す断面図、図11図3のC-C線に沿う要部の拡大断面図である。
【0023】
図2に示すように、この電気調理器は、ベース部材10と、このベース部材10に上方から収納される本体(詳しくは、調理器本体)20と、該本体20に上載されるプレート30と、このプレート30の上方開口を着脱可能に閉塞する蓋部材40と、を備えている。
【0024】
また、上記本体20には当該本体20から外方に向けて突出形成されたターミナル50が一体的に連結固定されている。
【0025】
さらに、上記ターミナル50に対して着脱可能で上記プレート30の熱を感熱する感熱棒61を有するプラグ60を設けている。
【0026】
この実施例の電気調理器は、図1に示すように、平面視で略方形状に形成されている。これにより、図2に示すように、上述のベース部材10は、略方形枠状の環状側壁11と、該環状側壁11の下端に一体形成された環状底壁12と、を備えている。
【0027】
上述の環状底壁12の内側は開放されていて、下部開口13が形成されている。また、上述の環状側壁11のうち短辺側の一方の側壁11aの中央部には、上記ターミナル50を内方から外方へ貫通させるための環状ボス部14が一体形成されている。
【0028】
図2に示すように、上述の本体20は、ベース部材10内に収納される大きさの略方形枠状の環状側壁21と、この環状側壁21の下端に一体形成されて底面全体を覆う底壁22と、を備えている。
【0029】
この底壁22の上面には複数の支持片23を介して加熱ヒータ24が取付けられている。該加熱ヒータ24の一対の端子24a,24aはターミナル50内部に配索されており、プラグ60をターミナル50に差込み固定した時、電源プラグ62、コード63およびプラグ60の内部構造を介して電源が供給され、プレート30を加熱するように構成している。
【0030】
図2図3に示すように、上述の本体20における環状側壁21の上下方向中間部には、プレート30を定位置に固定保持するための環状の段差部25が形成されており、当該本体20に対して上方からプレート30を上載した時、この段差部25で該プレート30を定位置に水平に保持するように構成している。
【0031】
図2に示すように、上述のプレート30は略方形枠状の環状側壁31と、この環状側壁31の下端に一体形成されて底面全体を覆う底壁32と、を備えている。このプレート30は、プレス加工により深底構造に形成されており、上述の底壁32は下方への突起が一切存在しないフルフラット構造に形成されている。
【0032】
また、図2図3に示すように、上述のプレート30における環状側壁31の上端部には、当該上端部から外方へ延びる環状のフランジ部33が一体形成されており、このフランジ部33上面に上記蓋部材40を着脱可能に上載するように構成している。上記プレート30は熱伝導性に優れる金属材料にて形成されている。
【0033】
図1図2に示すように、上述の蓋部材40は平面視で略方形状の蓋部材本体41と、この蓋部材本体41の周縁に一体形成されて上記フランジ部33上面に上載される環状の上載部42と、を一体形成したものである。
【0034】
また、図1図2に示すように、上記蓋部材40における蓋部材本体41の中央部には、取手43が設けられている。ここで、上述の蓋部材本体41はその中央部から周縁部にかけて、湾曲状になだらかに下方に向けて傾斜するように形成されている。上述の蓋部材40は耐熱ガラスのような透明部材にて形成することが好ましい。
【0035】
図2に示すように、上述のプラグ60はプラグ本体64の上部に温度調節用のツマミ65を有すると共に、既述したように、感熱棒61と、コード63および電源プラグ62を備えている。
【0036】
図3図4図7図9図10図11に示すように、上記本体20の底壁22には、上方にバネ付勢されて上記プレート30の上載時(図3図10図11参照)に上述の感熱棒61の挿入を許容する支持部材70が設けられている。
【0037】
上記支持部材70は熱伝導性に優れる金属材料にて形成されている。また、該支持部材70は、感熱棒61の挿脱方向(挿入方向および離脱方向)に延びる凹部71をもった感熱棒支持部72と、この感熱棒支持部72の直下に位置してプレート30の非上載時(図7図9参照)に上記感熱棒61の挿入を規制する規制部73と、を備えている。
【0038】
図11に示すように、上述の感熱棒支持部72は、U字形状の凹部71と、該凹部71の両サイドに位置する一対の側壁72a,72aとこれら一対の側壁72a,72aの下端相互を連結する底壁72bとを備えている。そして、熱伝達効率の向上を図る目的で、上記側壁72aおよび底壁72bは中実構造に形成されている。また、上述の感熱棒支持部72の上端は、図4に示すように、プレート30の底壁32下面に面接触させる目的でフラットに形成されている。
【0039】
図3図11に示すように、上記支持部材70における規制部73は、軽量化を目的として内部中空の筒形状に形成されている。すなわち、該規制部73は筒部74で構成されると共に、この筒部74の内部中央には上記底壁72bから下方に延びる略円筒状のスプリングガイド75が一体形成されている。
【0040】
また、図3図11に示すように、筒部74で形成された上記規制部73の下端には、当該下端から外方に延びる抜け止め用のフランジ部76が一体形成されている。
【0041】
この実施例においては、上記各要素71~76を備えた支持部材70は、ダイカスト製の鋳造部材にて形成されているが、これに代えて板金加工製の部材を用いてもよい。
【0042】
図3図11に示すように、上述の支持部材70を本体20の底壁22に取付けるために、該底壁22には開口部22aが形成されている。
【0043】
この実施例では、図11に示すように、上記開口部22aの口縁と対応する底壁22上面には、当該開口部22aと一致する開口部77aを有する補強部材77が設けられている。なお、この補強部材77は図11のみに示し、他図においては図示の便宜上、その図示を省略している。
【0044】
図11に示すように、上記支持部材70を上方にバネ付勢するために、本体20の底壁22下部には有底角筒形状のスプリングリテーナ78を設けている。
【0045】
図4図11に示すように、該スプリングリテーナ78は、底壁78aと、この底壁78aの四辺から上方に延びる側壁78b,78c,78d,78eと、4つの側壁78b~78eのうちの対向する2つの側壁78d,78eの上端から外方に延びる取付けフランジ78f,78gと、を一体形成したものである。
【0046】
図11に示すように、スプリングリテーナ78の底壁78aが上記開口部77a,22aの下方に位置するように、ボルト79およびナット80等の取付け部材を用いて、当該スプリングリテーナ78の取付けフランジ78f,78gを、補強部材77および本体20の底壁22に共締め固定している。
【0047】
そして、本体20の底壁22における開口部22aから該底壁22上方に向けて挿入配置した支持部材70において、当該支持部材70の底壁72bとスプリングリテーナ78の底壁78aとの間には、スプリングガイド75で案内されるコイルスプリングSP1を張架している。
【0048】
上記コイルスプリングSP1で支持部材70を上方にバネ付勢することで、本体20に対するプレート30の非上載時には、図7図9に示すように、当該支持部材70が上動し、その下端のフランジ部76が本体20の底壁22下面に当接することで、該支持部材70の抜け止めを図るものである。
【0049】
しかも、上記プレート30の非上載時には、図7図9に示すように、感熱棒61の挿入通路(後述する感熱棒挿入通路100参照)内に上記支持部材70の規制部73が位置することで、当該感熱棒61の誤挿入を防止する。
【0050】
一方、図3図10図11に示すように、本体20にプレート30が上載された際には、上記支持部材70がプレート30の底壁32により、コイルスプリングSP1の上方付勢力に抗して下動し、当該支持部材70の凹部71が後述する感熱棒挿入通路100と一致し、感熱棒61の挿入を許容する。
【0051】
図11に示すように、上記支持部材70の凹部71は、感熱棒61の直径(詳しくは、感熱棒61の先端テーパ部よりも基端側に位置する感熱棒61の主体部の外径)に対応するものである。
【0052】
これにより、上記凹部71により感熱棒61の支持安定化を図るように構成すると共に、上記構成により感熱棒61の下部が凹部71の底壁72bに当接し、感熱棒61の上部がプレート30の底壁32下面に当接することで、感熱性能の向上を図るように構成している。なお、上記感熱棒61はその下部が凹部71の底壁72bに当接していればよく、当該感熱棒61の挿脱性を考慮して、該感熱棒61と凹部71およびプレート30との間にクリアランスを設けるように成してもよい。
【0053】
ところで、図7図8に示すように、上述のターミナル50は、アッパターミナルケース51とロアターミナルケース52との上下2つ割り構造に形成されている。これらの各ターミナルケース51,52を合せ面53で接合一体化したターミナル50は、プラグ本体64の一部が挿入配置される先端部50Aと、感熱棒61が貫通される基部50Bと、を備えている。
【0054】
図5図6に示すように、上述のアッパターミナルケース51とロアターミナルケース52とは、略上下対称構造に形成されている。
【0055】
図5図8に示すように、上記ターミナル50の基部50Bにおいてアッパターミナルケース51とロアターミナルケース52には、シャッタ54を案内する筒状のシャッタガイド55,56が一体形成されている。
【0056】
図5図6に示すように、上述のシャッタガイド55,56には、感熱棒61との干渉を回避する凹部55a,56aが形成されている。図7に示すように、アッパターミナルケース51側の凹部55aは上方に凹んでおり、ロアターミナルケース52側の凹部56aは下方に凹んでいる。
【0057】
図8に示すように、アッパターミナルケース51側のシャッタガイド55は、当該ケース51と一体の上壁55bを有しており、ロアターミナルケース52側のシャッタガイド56は、当該ケース52と一体の下壁56bを有している。
【0058】
この下壁56bには、上述のシャッタ54をターミナル50の基部50Bから下方へ突出させるために、開口57が形成されている。
【0059】
図8に示すように、上記シャッタ54は上側幅狭部54aと、中間幅広部54bと、下側幅狭部54cと、この下側幅狭部54cの下端から上方に折り返し形成した折返し片54d(図7参照)と、下側幅狭部54cと折返し片54dとの間に形成されたアール部54eと、を一体形成したものである。
【0060】
図7図8に示すように、上述のシャッタ54をシャッタガイド55,56内に配設すると共に、該シャッタ54の下側幅狭部54c、折返し片54d、アール部54eを下側のシャッタガイド56の開口57から下方へ突出している。
【0061】
また、図7図8に示すように、上側のシャッタガイド55の上壁55b下面と、シャッタ54の中間幅広部54b上面との間には、コイルスプリングSP2を張架している。これにより、上記シャッタ54を下方へバネ付勢し、当該シャッタ54の下部をターミナル50の基部50Bから下方へ突出するように形成している。
【0062】
図3に示すように、ベース部材10に対して本体20を収納した状態下において、上記ターミナル50の基部50Bと上下方向に対応するベース部材10の所定位置には、該ベース部材10の内方底部から当該ベース部材10の内端部(詳しくは、短辺側の側壁11aにおける内側面上部)にかけて上方へ傾斜する案内部90が設けられている。
【0063】
図5に示すように、この案内部90は、ブラケット91により形成されている。すなわち、該ブラケット91は、平面視方形状の傾斜上壁92と、この傾斜上壁92の側端部から下方に延びる一対の脚部93,93と、これら一対の脚部93から外方に延びるフランジ部94,94と、を備えている。
【0064】
上述のフランジ部94をベース部材10の環状底壁12に締結固定することで、ターミナル50の基部50Bと対応するベース部材10の所定位置に上記案内部90を設けたものである。
【0065】
図5図8図9図10に示すように、上述のシャッタ54における中間幅広部54bには、ベース部材10に対する本体20の収納時に、上述の案内部90にて上動して感熱棒挿入通路100と一致する開口部54fが開口形成されている。上述の感熱棒挿入通路100は図5図6で示した各シャッタガイド55,56の凹部55a,56aと、後述する開口部26,28と、上述の支持部材70の凹部71とで形成したものである。
【0066】
図7図9図10に示すように、上記本体20の環状側壁21において、上述の感熱棒挿入通路100と対応する部位には、感熱棒61の挿脱を許容する開口部26が形成されている。
【0067】
また、この実施例においては、本体20の環状側壁21と底壁22との間に跨がってプロテクタ27を設けているので、このプロテクタ27において上記開口部26と一致する部位にも開口部28を設けている。そして、上述の各要素55a,56a,26,28,71により感熱棒挿入通路100が形成されている。
【0068】
次に、図7図9図10を参照して上記構成の電気調理器の作用について説明する。
【0069】
図7に示すように、ベース部材10に対してターミナル50を含む本体20が収納されていない状態下においては、シャッタ54がコイルスプリングSP2で下方へバネ付勢されて下動しており、シャッタ54の開口部54fは感熱棒挿入通路100から下方にずれた位置にある。このため、仮に感熱棒61を挿入しても、該感熱棒61の先端部はシャッタ54と干渉し、当該感熱棒61のそれ以上の誤挿入が阻止される。
【0070】
図7に示す状態(本体20の未収納状態)から図9に示すように、ベース部材10に対して本体20を収納し、ターミナル50をベース部材10の内側から環状ボス部14を介してその外方へ突出すると、シャッタ54はその下端が案内部90で案内されて上動する。この場合、シャッタ54の下端にはアール部54e
が形成されているので、案内部90に対するシャッタ54の摺動抵抗低減を図ることができる。
【0071】
図9に示すように、ベース部材10に対して本体20が収納された状態(本体収納状態)では、同図に示すように、シャッタ54の開口部54fが感熱棒挿入通路100と一致する。但し、図9に示す時点では本体20に対してプレート30が未だ上載されていない(プレート30の非上載状態)。
【0072】
上述のプレート30の非上載時においては、図9に示すように、コイルスプリングSP1により支持部材70が上方にバネ付勢されており、感熱棒挿入通路100の内には当該支持部材70の規制部73が位置している。このため、仮に感熱棒61をターミナル50の凹部55a,56a、シャッタ54の開口部54f、本体20の開口部26、プロテクタ27の開口部28を介して本体20内方へ挿入しても、感熱棒61の先端部は支持部材70の規制部73と干渉し、それ以上の誤挿入が阻止される。
【0073】
このように、支持部材70の規制部73で感熱棒61の誤挿入が防止できるので、安全性を確保することができる。
【0074】
図9に示す状態(プレート30の非上載状態)から図10に示すように、本体20に対してプレート30を上載すると、プレート30の底壁32で上記支持部材70はコイルスプリングSP1の上方付勢力に抗して下動し、当該支持部材70の凹部71が感熱棒挿入通路100およびシャッタ54の開口部54fと一致する。
【0075】
このプレート30の上載後には、図3に示すように、上述の感熱棒挿入通路100およびシャッタ54の開口部54fを介して感熱棒61を支持部材70の凹部71とプレート30の底壁32との間に挿入することができる。
【0076】
図3図11に示すように、本体20に対するプレート30の上載時には、圧縮されたコイルスプリングSP1のバネ付勢力により支持部材70の上端部がプレート30の底壁32下面に面接触にて圧接される。これにより、感熱棒61には支持部材70を介して、または、支持部材70とプレート30下面との双方から熱が伝わり、確実な感熱性と、プレート30の温度変化に対する追従性とを確保することができる。
【0077】
また、図3図11に示すように、上述の支持部材70の感熱棒支持部72は、感熱棒61の挿脱方向に延びる凹部71を有しており、これにより感熱棒61の支持が安定するうえ、当該感熱棒61と感熱棒支持部72とが、従来構造のエッジ接触のように、強く擦れることがなく、感熱棒61の耐久性確保を図ることができる。
【0078】
このように、上記実施例の電気調理器は、上面に加熱ヒータ24が配置された本体20と、該本体20に上載されるプレート30と、上記本体20が上方から収納されるベース部材10と、上記本体20から外方に向けて突出形成されたターミナル50と、該ターミナル50に対して着脱可能で上記プレート30の熱を感熱する感熱棒61を有するプラグ60と、を備えた電気調理器であって、上記本体20には、上記プレート30の上載時に上記感熱棒61の挿入を許容する支持部材70が設けられ、上記支持部材70は、上記感熱棒61の挿脱方向に延びる凹部71をもった感熱棒支持部72を備えたものである(図2図3図9参照)。
【0079】
この構成によれば、上記支持部材70の感熱棒支持部72は、感熱棒61の挿脱方向に延びる凹部71を有しているので、感熱棒61の支持が安定し、これにより、安定した感熱効果が確保できる。また該感熱棒61の挿脱時に、当該感熱棒61と感熱棒支持部72とが、従来のエッジ圧接のように、強く擦れることがなく、感熱棒61の耐久性を維持することができる。
【0080】
この発明の一実施形態においては、上記支持部材70における上記凹部71は、上記感熱棒61の直径に対応するものである(図11参照)。
【0081】
この構成によれば、上記凹部71が上記感熱棒61の直径と対応するので、該凹部71により感熱棒61の支持がさらに安定する。
【0082】
この発明の一実施形態においては、上記支持部材70は、上方にバネ付勢されると共に、上記感熱棒支持部72の直下に位置して上記プレート30の非上載時に上記感熱棒61の挿入を規制する規制部73を備えたものである(図3図11参照)。
【0083】
上記構成によれば、上記本体20に対して上記プレート30が上載されない限り、上記感熱棒61の挿入が上記支持部材70にて規制されるので、上記感熱棒61の誤挿入が防止でき、安全性を確保することができる。
【0084】
また、上記支持部材70は、上方にバネ付勢されており、上記本体20に対するプレート30の上載時(図10参照)には、該支持部材70がプレート30下面で下方に押圧されると共に、バネ付勢力により上記支持部材70の上端部がプレート30下面に圧接される。プレート30の上載後に感熱棒61を支持部材70に挿入した際(図3参照)には、該支持部材70を介して、または、支持部材70とプレート30下面との双方から感熱棒61に熱が伝わるため、確実な感熱性と、プレート30の温度変化に対する追従性とを確保することができる。
【0085】
さらに、上記本体20に対して上記プレート30が上載されていない場合(図9参照)には、上記支持部材70の上記規制部73にて感熱棒61の誤挿入が規制されるので、安全性のさらなる向上を図ることができる。
【0086】
この発明の一実施形態においては、上記ターミナル50の基部50Bと対応する上記ベース部材10には、当該ベース部材10の内方からベース部材10内端部にかけて上方へ傾斜する案内部90が設けられ、上記ターミナル50の基部50Bには、下方へバネ付勢されて当該ターミナル50の基部50Bから下方へ突出するシャッタ54が設けられ、上記シャッタ54には、上記ベース部材10に対する上記本体20の収納時に、上記案内部90にて上動して感熱棒挿入通路100と一致する開口部54fが形成されたものである(図7図9参照)。
【0087】
この構成によれば、上記ベース部材10に対して上記本体20を収納(図9参照)して始めて上記シャッタ54の開口部54fが感熱棒挿入通路100と一致するので、上記シャッタ54および上記案内部90が安全装置として作用し、安全性のさらなる向上を図ることができる。
【0088】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明のベース部材は、実施例のベース部材10に対応し、
以下同様に、
本体は、本体20に対応し、
加熱ヒータは、加熱ヒータ24に対応し、
プレートは、プレート30に対応し、
ターミナルは、ターミナル50に対応し、
シャッタは、シャッタ54に対応し、
開口部は、開口部54fに対応し、
ターミナルの基部は、基部50Bに対応し、
プラグは、プラグ60に対応し、
感熱棒は、感熱棒61に対応し、
支持部材は、支持部材70に対応し、
凹部は、凹部71に対応し、
感熱棒支持部は、感熱棒支持部72に対応し、
規制部は、規制部73に対応し、
案内部は、案内部90に対応し、
感熱棒挿入通路は、感熱棒挿入通路100に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【0089】
例えば、電気調理器の平面視形状は略方形状に代えて、円形状や楕円形状などの他の形状であってもよい。
【0090】
また、上述の支持部材70はダイカスト製のものに代えて、板金製のものであってもよい。
【0091】
さらに、上記実施例においては、ベース部材10に対して別体の案内部90を設けたが、この案内部90はベース部材10と一体形成されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0092】
以上説明したように、本発明は、上面に加熱ヒータが配置された本体と、該本体に上載されるプレートと、上記本体が上方から収納されるベース部材と、上記本体から外方に向けて突出形成されたターミナルと、該ターミナルに対して着脱可能で上記プレートの熱を感熱する感熱棒を有するプラグと、を備えた電気調理器について有用である。
【符号の説明】
【0093】
10…ベース部材
20…本体
24…加熱ヒータ
30…プレート
50…ターミナル
50B…基部
54…シャッタ
54f…開口部
60…プラグ
61…感熱棒
70…支持部材
71…凹部
72…感熱棒支持部
72a,72a…側壁
72b…底壁
73…規制部
90…案内部
100…感熱棒挿入経路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11