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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-26
(45)【発行日】2024-04-03
(54)【発明の名称】包装容器及び展開体
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/18 20060101AFI20240327BHJP
   B65D 5/54 20060101ALI20240327BHJP
   B65D 5/4805 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
B65D5/18 B
B65D5/54 D
B65D5/4805
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020170595
(22)【出願日】2020-10-08
(65)【公開番号】P2022062522
(43)【公開日】2022-04-20
【審査請求日】2023-07-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000129493
【氏名又は名称】株式会社クラウン・パッケージ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 美孝
【審査官】矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】実開昭58-171882(JP,U)
【文献】米国特許第4552268(US,A)
【文献】特開2014-148309(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第0621194(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/18
B65D 5/54
B65D 5/4805
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1主側板と、
前記第1主側板に隙間を有して対向する第2主側板と、
前記第1主側板の一方の側端縁に折曲線を挟んで連結されており、前記第1主側板と前記第2主側板との間に位置する第1副側板と、
前記第1主側板の他方の側端縁に折曲線を挟んで連結されており、前記第1主側板と前記第2主側板との間に配置する第2副側板と、
前記第2主側板の一方の側端縁に折曲線を挟んで連結されており、前記第1主側板と前記第2主側板との間で前記第1副側板と並んで配置される第3副側板と、
前記第2主側板の他方の側端縁に折曲線を挟んで連結されており、前記第1主側板と前記第2主側板との間で前記第2副側板と並んで配置される第4副側板と、
前記第1副側板の前記第1主側板と反対側に連結されている第1仕切板であって、前記第1主側板と前記第2主側板との隙間に配置される前記第1仕切板と、
前記第2副側板の前記第1主側板と反対側に連結されている第2仕切板であって、前記第1主側板と前記第2主側板との隙間に配置される前記第2仕切板と、
前記第3副側板の前記第2主側板と反対側に連結されている第3仕切板であって、前記第1主側板と前記第2主側板との隙間に配置される前記第3仕切板と、
前記第4副側板の前記第2主側板と反対側に連結されている第4仕切板であって、前記第1主側板と前記第2主側板との隙間に配置される前記第4仕切板と、
前記第1主側板の底端縁に折曲線を挟んで連結されている底板と、
前記底板の前記第1主側板が連結されている端縁と反対側の端縁に折曲線を挟んで連結されている第3主側板であって、前記第2主側板に重ねて配置される前記第3主側板と、
前記第3主側板の前記底板と反対側の端縁に折曲線を挟んで配置される蓋板と、を備え、
前記第1仕切板と前記第3仕切板とは、前記蓋板側で折曲線を挟んで連結されており、
前記第2仕切板と前記第4仕切板とは、前記蓋板側で折曲線を挟んで連結されており、
前記第3主側板には、前記第3主側板を、前記底板と前記蓋板との間で切断する切断部が配置されている、包装容器。
【請求項2】
前記蓋板の前記第3主側板と反対側の端縁に折曲線を挟んで配置されており、前記第1主側板に係合可能な係合フラップを、さらに備える、請求項1に記載の包装容器。
【請求項3】
前記係合フラップは、前記第1主側板に重ねて配置されており、
前記第3主側板の前記底板と前記蓋板との間に位置する一対の側端縁の少なくとも一方の側端縁から前記第1主側板まで延びて、前記第1主側板と前記係合フラップとに挟まれる挟持フラップを、さらに備える、請求項2に記載の包装容器。
【請求項4】
前記第3主側板は、前記切断部よりも前記底板側であって前記底板に折曲線を挟んで連結されており、前記切断部において前記第3主側板が切断された後に、前記第1主側板と前記第2主側板との間であって、前記第2主側板の前記第1主側板に対向する面に接触する位置に挿入可能な挿入部を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の包装容器。
【請求項5】
1枚の平板で構成されており、折り曲げられることによって、請求項1から4のいずれか一項に記載の包装容器が形成される包装容器の展開体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、仕切り板を備える包装容器と、包装容器を作製するための展開体と、を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、洋服を収容する洋服携帯箱が開示されている。洋服携帯箱は、1枚の段ボール製の展開体を折り畳むことによって作製される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開昭58-171882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
購入した洋服等の製品は、配送にて受け取られると、自宅等の収納場所に収納される。この場合、配送された製品は配送時に用いられた包装容器から取り出されて、自宅等の収容棚に収納される。配送に用いられた包装容器は、別の用途に用いられるか、破棄され得る。
【0005】
本明細書では、製品を配送する際にも収納する際にも利用可能な包装容器に関する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書では、包装容器を開示する。包装容器は、第1主側板と、前記第1主側板に隙間を有して対向する第2主側板と、前記第1主側板の一方の側端縁に折曲線を挟んで連結されており、前記第1主側板と前記第2主側板との間に位置する第1副側板と、前記第1主側板の他方の側端縁に折曲線を挟んで連結されており、前記第1主側板と前記第2主側板との間に配置する第2副側板と、前記第2主側板の一方の側端縁に折曲線を挟んで連結されており、前記第1主側板と前記第2主側板との間で前記第1副側板と並んで配置される第3副側板と、前記第2主側板の他方の側端縁に折曲線を挟んで連結されており、前記第1主側板と前記第2主側板との間で前記第2副側板と並んで配置される第4副側板と、前記第1副側板の前記第1主側板と反対側に連結されている第1仕切板であって、前記第1主側板と前記第2主側板との隙間に配置される前記第1仕切板と、前記第2副側板の前記第1主側板と反対側に連結されている第2仕切板であって、前記第1主側板と前記第2主側板との隙間に配置される前記第2仕切板と、前記第3副側板の前記第2主側板と反対側に連結されている第3仕切板であって、前記第1主側板と前記第2主側板との隙間に配置される前記第3仕切板と、前記第4副側板の前記第2主側板と反対側に連結されている第4仕切板であって、前記第1主側板と前記第2主側板との隙間に配置される前記第4仕切板と、前記第1主側板の底端縁に折曲線を挟んで連結されている底板と、前記底板の前記第1主側板が連結されている端縁と反対側の端縁に折曲線を挟んで連結されている第3主側板であって、前記第2主側板に重ねて配置される前記第3主側板と、前記第3主側板の前記底板と反対側の端縁に折曲線を挟んで配置される蓋板と、を備え、前記第1仕切板と前記第3仕切板とは、前記蓋板側で折曲線を挟んで連結されており、前記第2仕切板と前記第4仕切板とは、前記蓋板側で折曲線を挟んで連結されており、前記第3主側板には、前記第3主側板を、前記底板と前記蓋板との間で切断する切断部が配置されている。
【0007】
上記の包装容器は蓋板及び底板が設けられているために、包装容器内に洋服等の製品を閉封して、配送する際に用いることができる。配送された製品を受け取った利用者は、切断部において第3主側板を切断することによって、蓋板を底板から切り離すことができる。これにより、包装容器を開封することができる。開封後の包装容器には、第1主側板の底端縁に底板が連結されている。この結果、包装容器において、底側が底板によって閉じられ、蓋側が開放される。使用者は、開封後の包装容器を、製品を収納するための容器として利用することによって、蓋板を開ける作業をしなくても、開放された側から包装容器内の製品を確認することができる。
【0008】
包装容器は、前記蓋板の前記第3主側板と反対側の端縁に折曲線を挟んで配置されており、前記第1主側板に係合可能な係合フラップを、さらに備えていてもよい。この構成によれば、係合フラップを第1主側板に係合させることによって、包装容器を、蓋板によって閉塞することができる。また、切断部において第3主側板を切断することによって、係合フラップを蓋板とともに、底板から切り離すことができる。このため、配送時には、包装容器を適切に封止することができ、開封時には、容易に包装容器を開封することができる。
【0009】
前記係合フラップは、前記第1主側板に重ねて配置されており、前記第3主側板の前記底板と前記蓋板との間に位置する一対の側端縁の少なくとも一方の側端縁から前記第1主側板まで延びて、前記第1主側板と前記係合フラップとに挟まれる挟持フラップを、さらに備えていてもよい。この構成によれば、挟持フラップが第1主側板と係合フラップとの間に挟まれることによって、第3主側板が第2主側板から離間することを抑制することができる。これにより、例えば、配送中に第3主側板と第2主側板との間に意図しない物品が入り込むことを抑制することができる。
【0010】
前記第3主側板は、前記切断部よりも前記底板側であって前記底板に折曲線を挟んで連結されており、前記切断部において前記第3主側板が切断された後に、前記第1主側板と前記第2主側板との間であって、前記第2主側板の前記第1主側板に対向する面に接触する位置に挿入可能な挿入部を備えていてもよい。この構成によれば、挿入部を第2主側板の第1主側板に対向する面に接触する位置に挿入することによって、底板を、第1主側板と第2主側板との隙間を閉じる位置に維持することができる。
【0011】
上記した包装容器を作製するための展開体も新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施例の配送状態の包装容器の正面斜視図。
図2】実施例の配送状態の包装容器の背面斜視図。
図3】実施例の包装容器の展開体。
図4】実施例の包装容器を配送状態に組み立てる組立方法を説明するための図。
図5図4に続く組立方法を説明するための図。
図6図5に続く組立方法を説明するための図。
図7図6に続く組立方法を説明するための図。
図8図7に続く組立方法を説明するための図。
図9図8に続く組立方法を説明するための図。
図10】実施例の包装容器を配送状態から収納状態に変形させる変形方法を説明するための図。
図11】実施例の収納状態の包装容器の背面図。
図12】実施例の収納状態の包装容器が収納されている様子を表す斜視図。
図13】変形例の包装容器の展開体。
【0013】
(実施例)
図1及び図2に示される包装容器10は、Tシャツ等のシャツ類を配送し、配送後に収容するために用いられる。例えば、包装容器10は、ウェブサイト等の通信販売でシャツ類の注文を受けた販売業者が、シャツ類を包装容器10に収容して配送するために用いられるとともに、シャツ類を受け取った利用者が、シャツ類を収納するためにも用いられる。なお、包装容器10に収容される対象物は、シャツ類以外であってもよい。図1及び図2には、本実施例を通して用いられる上下方向、表裏方向、左右方向のそれぞれが示されている。こられの上下方向、表裏方向、左右方向は、本実施例の説明を容易にするために用いられるものであり、包装容器10の使用方向を規定するものではない。
【0014】
包装容器10は、直方体形状を有する。変形例では、包装容器10は、立方体形状等の他の形状を有していてもよい。包装容器10は、主側板12、16と、副側板32、33、34、35と、蓋板17と、底板19と、係合フラップ18と、挟持フラップ42、43と、によって、外形が画定されている。
【0015】
(展開体の構成)
図3に示すように、包装容器10は、一枚の厚紙製の展開体BLを折曲線に沿って折り曲げることによって組み立てられる。なお、包装容器10の材質は、厚紙に限られない。図3では、折曲線は、細い細線で描画されている。折曲線には、折り曲げやすいように、凹溝が形成されている。なお、変形例では、折曲線は、他の部分と同様に溝等が設けられていなくてもよい。包装容器10は、主側板12、14、16と、副側板32、33、34、35と、仕切板22、23、24、25と、蓋板17と、底板19と、係合フラップ18と、挟持フラップ42、43と、を備える。
【0016】
主側板12、14、16のそれぞれは、略四角形の平板形状を有する。主側板12、14、16は、左右方向において、同一の長さを有する。展開体BLにおいて、主側板12と主側板14とは、互いに隣接して配置されている。主側板12と主側板14との間は、切断されている。主側板12は、底板19を挟んで主側板16に連結されている。
【0017】
主側板12は、係合孔60と、破断線部62と、挿入部64と、を備える。係合孔60は、主側板12を貫通しており、左右方向に延びる開口と、開口の左右両端のそれぞれにおいて左右方向に延びるスリットと、を有する。本実施例において、「スリット」とは、スリットが配置される板(係合孔60のスリットの場合、主側板12)を貫通している一方、開口が設けられていない切れ込みを意味する。破断線部62は、係合孔60の左端から右端まで、係合孔60の主側板14が配置されている側とは反対側に湾曲して配置されている。破断線部62は、係合孔60の左端から右端まで延びるミシン目を有する。破断線部62の左右方向の中央部には、係合孔60と反対側に、挿入部64が配置されている。挿入部64では、左右両端のそれぞれにスリットが形成されている。挿入部64は、破断線部62と反対側の端で、主側板12に連結されている。
【0018】
主側板14は、主側板12にスリットを挟んで隣接して配置されている。主側板14は、主側板12に対して、直接的には連結されていない。主側板14は、開口14aと切欠き14bとを備える。開口14aは、主側板14の中間位置において、主側板14を貫通する。開口14aの形状に限定はなく、Tシャツを模した形状であってもよいし、図13に示すように、略P字型であってもよい。切欠き14bは、主側板14の主側板12とは反対側、即ち、包装容器10における底側の端部に配置されている。切欠き14bは、左右方向の中央部に配置され、半円形状を有する。
【0019】
主側板12の左右方向のそれぞれには、副側板32、33のそれぞれが、主側板12に対して折曲線を挟んで連結されている。副側板32、33は、主側板12の上下方向の全長に亘って配置されている。副側板32、33は、同一形状を有する。副側板32は、上下方向に細長い形状を有している。
【0020】
副側板32の主側板12と反対側には、仕切板22が、副側板32に対して折曲線を挟んで連結されている。仕切板22は、副側板32の上下方向の全長に亘って配置されている。左右方向において、仕切板22は、主側板12の長さの半分未満の長さを有する。仕切板22の主側板12と反対側の端縁は、円弧状に切り欠かれている。副側板34の主側板12と反対側には、仕切板23が、副側板33に対して折曲線を挟んで連結されている。仕切板23は、副側板33の上下方向の全長に亘って配置されている。仕切板23は、仕切板22と同一形状を有する。
【0021】
主側板14の左右方向のそれぞれには、副側板34、35のそれぞれが、主側板14に対して折曲線を挟んで連結されている。副側板34、35は、主側板14の上下方向の全長に亘って配置されている。副側板34、35は、同一形状を有する。副側板34は、上下方向に細長い形状を有している。主側板14と副側板34との間の折曲線は、主側板12と副側板32との間の折曲線と同一直線状に位置している。主側板14と副側板35との間の折曲線は、主側板12と副側板33との間の折曲線と同一直線状に位置している。
【0022】
副側板34の主側板14と反対側には、仕切板24が、副側板34に対して折曲線を挟んで連結されている。また、仕切板24は、仕切板22と折曲線を挟んで連結されている。副側板34と仕切板24との間の折曲線は、副側板32と仕切板22との間の折曲線と同一直線状に位置している。仕切板24は、副側板34の上下方向の全長に亘って配置されている。仕切板24は、左右方向において、主側板14の長さの半分未満の長さを有する。仕切板24の主側板14と反対側の端縁は、円弧状に切り欠かれている。仕切板22の円弧状の切欠きと仕切板24の円弧状の切欠きとで半円形状が形成されている。
【0023】
副側板35の主側板14と反対側には、仕切板25が、副側板35に対して折曲線を挟んで連結されている。副側板35と仕切板25との間の折曲線は、副側板33と仕切板23との間の折曲線と同一直線状に位置している。仕切板25は、副側板35の上下方向の全長に亘って配置されている。仕切板25は、仕切板24と同一形状を有する。仕切板25は、仕切板23と折曲線を挟んで連結されている。
【0024】
主側板12には、主側板14と反対側の端縁に、折曲線を挟んで、底板19が連結されている。底板19は、左右方向に細長い四角形状を有している。底板19は、主側板12の左右方向の全長に亘って配置されている。底板19では、主側板12の端縁から離間する方向の長さが、副側板32の主側板12と仕切板22との間の長さと、副側板34の主側板14と仕切板24との間の長さと、を合わせた長さに等しい。
【0025】
底板19には、主側板12と反対側の端縁に、折曲線を挟んで、主側板16が連結されている。主側板16は、上下方向において、主側板14と同一の長さを有する。なお、主側板16は、主部50と、切断部52と、挿入部54と、を備える。底板19には、挿入部54が連結されている。挿入部54の上下方向の長さは、底板19の主側板12の端縁から離間する方向の長さよりも若干長く設定されている。主部50は、切断部52を介して挿入部54に連結されている。上下方向における主部50の長さは、挿入部54の長さよりも長い。
【0026】
切断部52は、主側板16を、主部50と挿入部54とが分離するように切断するために設けられている。切断部52の上下方向の両端には、主側板16の左端から右端まで延びるミシン目が配置されている。切断部52の左右方向の中央部のミシン目は、左右方向の両端側のミシン目とは形状が異なる。
【0027】
主側板16には、底板19と反対側の端縁に、折曲線を挟んで、蓋板17が連結されている。蓋板17は、左右方向に細長い四角形状を有している。蓋板17は、主側板12の左右方向の全長に亘って配置されている。蓋板17では、主側板16の端縁から離間する方向の長さが、底板19の主側板12の端縁から離間する方向の長さよりも長い。
【0028】
蓋板17には、主側板16と反対側の端縁に、折曲線を挟んで、係合フラップ18が連結されている。係合フラップ18は、左右方向に細長い略四角形状を有している。係合フラップ18は、蓋板17と反対側の端部に、係合片44を備える。係合片44は、係合フラップ18の中央に配置されている。係合片44は、係合孔60の左右方向の長さと略同一の左右方向の長さを有する。係合片44は、左右端部において、係合孔60のスリットに係合する部分を有する。
【0029】
主側板16には、左右方向の両端縁のそれぞれにおいて、ミシン目を介して、挟持フラップ42、43が連結されている。挟持フラップ42、43は、同一の形状を有する。挟持フラップ42、43は、主側板16の主部50に配置されている。挟持フラップ42、43は、主部50の蓋板17側の端部に配置されている。挟持フラップ42、43には、上下方向に延びる折曲線が配置されている。左右方向において、挟持フラップ42の折曲線よりも主側板16の反対側の長さは、係合フラップ18の右端から係合片44の右端までの距離よりも短い。挟持フラップ43も同様に、挟持フラップ43の折曲線よりも主側板16の反対側の長さは、係合フラップ18の左端から係合片44の左端までの距離よりも短い。
【0030】
(包装容器の組立方法)
図4から図9を参照して、展開体BLから包装容器10を組み立てる方法を説明する。図4に示すように、包装容器10は、TシャツTSを展開体BL上に載置してから組み立てることができる。なお、TシャツTSは、他のシャツ類であってもよい。また、TシャツTSの配置の方向は特に限定されず、例えば、図4において、TシャツTSは、上下逆方向に配置されていてもよい。この場合、TシャツTSは、身頃が主側板14から上方にはみ出すように配置されていてもよい。図5に示すように、利用者は、上下方向において、TシャツTSの身頃が主側板12、14に収まるように、TシャツTSの身頃を折り畳む。次いで、図6に示すように、互いに同一直線上に並ぶ仕切板22と副側板32との間の折曲線と、仕切板24と副側板34との間の折曲線と、を折り曲げる。また、互いに同一直線上に並ぶ副側板32と主側板12との間の折曲線と、副側板34と主側板14との間の折曲線と、を折り曲げる。同様に、互いに同一直線上に並ぶ仕切板23と副側板33との間の折曲線と、仕切板25と副側板35との間の折曲線と、を折り曲げるとともに、互いに同一直線上に並ぶ副側板33と主側板12との間の折曲線と、副側板35と主側板14との間の折曲線と、を折り曲げる。これにより、TシャツTSは、展開体BLの折り曲げに合わせて、主側板12、14上に収まるように折り畳まれる。左右の仕切板22、23は、左右方向において互いに離間して配置される。同様に、左右の仕切板24、25は、左右方向において互いに離間して配置される。
【0031】
次いで、仕切板22と仕切板24との間の折曲線を、仕切板22と仕切板24とが重なり合うように折り曲げる。同様に、仕切板23と仕切板25との間の折曲線を、仕切板23と仕切板25とが重なり合うように折り曲げる。これにより、図7に示すように、主側板12と主側板14とが互いに隙間を置いて対向して配置される。主側板12と主側板14との間には、互いに重複する仕切板22と仕切板24と、互いに重複する仕切板23と仕切板25と、が配置されている。主側板12と仕切板22との間には副側板32が配置され、主側板12と仕切板23との間には副側板33が配置される。主側板14と仕切板24との間には副側板34が配置され、主側板14と仕切板25との間には副側板35が配置される。副側板32と副側板34とは、主側板12と主側板14との間で並んで配置される。同様に、副側板33と副側板35とは、主側板12と主側板14との間で並んで配置される。主側板12と主側板14とは、副側板32、34の短手方向の合計の長さ分離間している。
【0032】
次いで、図8に示すように、主側板12と底板19との間の折曲線を折り曲げて、底板19を、主側板12と主側板14との隙間を主側板12と主側板14との底端側で覆うように配置する。また、主側板16と底板19との間の折曲線を、主側板16が、主側板14の外側から主側板14に重なり合うに折り曲げる。続いて、図9に示すように、主側板16と挟持フラップ42、43のそれぞれの間のミシン目に沿って、挟持フラップ42、43が主側板12側に配置されるように折り曲げる。また、挟持フラップ42、43に配置されている折曲線を、挟持フラップ42、43が主側板12に重なり合うように折り曲げる。
【0033】
続いて、蓋板17と主側板16との間の折曲線を折り曲げて、蓋板17を、主側板12と主側板14との隙間を主側板12と主側板14との上端側で覆うように配置する。上下方向では、主側板14が主側板12よりも長い。このため、蓋板17は、主側板14と主側板12の上端側を覆っている状態で、主側板14から主側板12に向かって、底側に傾斜して配置される。蓋板17は、底板19に対して傾斜される分だけ、底板19よりも長く形成されている。また、蓋板17と係合フラップ18との間の折曲線を折り曲げて、係合フラップ18を主側板12に重ねる。この構成では、挟持フラップ42、43が、主側板12と係合フラップ18との間に挟持される。そして、係合片44を、係合孔60に挿入する。この結果、係合片44が係合孔60のスリット部分に係合することによって、係合フラップ18が主側板12から離間することを防止することができる。
【0034】
挟持フラップ42では、左右方向において、挟持フラップ42の折曲線よりも主側板16の反対側の長さは、係合フラップ18の右端から係合片44の右端までの距離よりも短い。この構成では、挟持フラップ42は、係合孔60に重複しない。この構成によれば、係合片44を係合孔60に挿入する際に、挟持フラップ42が邪魔にならない。挟持フラップ43も同様である。
【0035】
上記の組立方法により、図1及び図2に示されるように、配送状態の包装容器10を組み立てることができる。配送状態の包装容器10では、挟持フラップ42、43が主側板12と係合フラップ18との間に挟持されることによって、主側板16が、主側板14から離間することを抑制することができる。これにより、配送中に主側板14と主側板16との間に意図しない物品が入り込むことを抑制することができる。
【0036】
(収納状態の包装容器の構成)
次いで、包装容器10を開封する際には、切断部52を把持して、切断部52の両端のミシン目を破断させることによって、主側板16を、主部50と挿入部54との二部材に切断する。また、挟持フラップ42、43をミシン目に沿って主部50から切り離す。主部50は、係合フラップ18に蓋板17を介して連結されている。このため、主側板16を、主部50と挿入部54との二部材に切断しても、主部50は、主側板12から取り外すことができない。利用者は、主側板12の挿入部64に手指を挿入して、破断線部62を破断させて、係合孔60を広げる。これにより、係合片44が主側板12との係合から解放されて、主側板16を主側板12から離間することができる。なお、切断部52による切断と破断線部62の破断とは、どちらを先に実行してもよい。
【0037】
この結果、図10に示すように、主部50が取り外されて、挿入部54が底板19に連結されている状態で、包装容器10側に残存する。挿入部54を、主側板14と主側板12との間であって、主側板14の主側板12に対向する対向面、即ち、主側板14の包装容器10の内側の面に接触するように、包装容器10内に挿入する。これにより、図11及び図12に示すように、上端が開放されている包装容器10が作製される。この結果、複数の包装容器10を、例えば、クローゼットの棚に並べて配置することによって、複数のTシャツTSが包装容器10に配置されている状態で収納することができる。収納されたTシャツTSは、開口14aからも確認することができる。
【0038】
包装容器10によれば、包装容器10内にTシャツTS等を包装して配送することができる。配送された製品を受け取った利用者は、切断部52において主側板16を切断することによって、蓋板17を包装容器10から切り離すことができる。これにより、包装容器10を開封することができる。開封後の包装容器10には、主側板12の底端縁に底板19が連結されている。この結果、包装容器10において、底側が底板19によって閉じられ、蓋側が開放される。使用者は、開封後の包装容器10を、TシャツTSを収容するための容器として利用することができる。
【0039】
包装容器10では、係合フラップ18を主側板12に係合させることによって、包装容器10を、蓋板17によって閉塞することができる。また、切断部52において主側板16を切断することによって、係合フラップ18を蓋板17とともに、包装容器10から切り離すことができる。
【0040】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0041】
例えば、包装容器10は、係合フラップ18を備えていなくてよい。この場合、例えば、蓋板17が主側板12と主側板14との隙間を主側板12と主側板14との上端側で覆うように配置して、蓋板17をテープ等で接着してもよい。
【0042】
例えば、包装容器10は、挟持フラップ42、43を備えていなくてもよい。この場合、例えば、主側板16と主側板14とが離間しないように、テープ等で接着してもよい。
【0043】
例えば、副側板32と仕切板22との間に折曲線が配置されていなくてもよい。副側板33と仕切板23との間、副側板34と仕切板24との間及び副側板35と仕切板25との間も同様である。
【0044】
仕切板22、23、24、25の左右方向における長さは、上記の実施例に限定されない。仕切板22、23、24、25の左右方向における長さは、互いに同一でもよいし、異なっていてもよい。また、仕切板22、23、24、25の左右方向における長さは、上記の実施例で説明された長さよりも長くてもよいし、短くてもよい。仕切板22、23、24、25は、その長さに関わらず、主側板12と主側板14との間に配置されていればよい。
【0045】
主側板16の形状は、上記の実施例に形状に限定されない。例えば、主側板16の左右方向の長さが、主側板12、14の左右方向の長さよりも短くてもよい。言い換えると、主側板16は、蓋板17と、底板19と、を連結する形状を有していればよい。
【0046】
切断部52は、ミシン目以外に、主側板16の切断部52の周辺の部分よりも、容易に切断可能な構成を有していればよい。
【0047】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0048】
10 :包装容器
12、14、16:主側板
17 :蓋板
18 :係合フラップ
19 :底板
22、23、24、25:仕切板
32、33、34、35:副側板
42、43:挟持フラップ
44 :係合片
50 :主部
52 :切断部
54 :挿入部
60 :係合孔
62 :破断線部
64 :挿入部
BL :展開体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13