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  • 特許-布ナプキン 図1
  • 特許-布ナプキン 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-26
(45)【発行日】2024-04-03
(54)【発明の名称】布ナプキン
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/56 20060101AFI20240327BHJP
   A61F 13/472 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
A61F13/56 110
A61F13/472 300
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022093456
(22)【出願日】2022-06-09
(65)【公開番号】P2023064685
(43)【公開日】2023-05-11
【審査請求日】2023-02-22
(31)【優先権主張番号】P 2021188201
(32)【優先日】2021-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】508122998
【氏名又は名称】匠ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100177231
【弁理士】
【氏名又は名称】鴨志田 伸一
(72)【発明者】
【氏名】只野 優子
【審査官】冨江 耕太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平8-71102(JP,A)
【文献】特表2005-518251(JP,A)
【文献】特開2021-90637(JP,A)
【文献】特開2010-75315(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F13/15-13/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺の布で、その一面を下着又は体液吸収体の内面に対向させて配置され、該下着の着用者の股間と前記内面とに挟まれて着用者の体液を吸収する吸収布であって、その長手方向の中央に配置されている矩形状で幅が幅W1である中央部と、それぞれ該中央部を挟んで前記長手方向の両側に配置され、それぞれの前記長手方向の外側の端が該外側に向けて突出している円弧線を構成している両端部とを有する吸収布と、
それぞれ直線状で、前記一面の前記長手方向の一端から他端に亘ってかつその幅方向の外側に配置され、前記吸収布を前記下着又は前記体液吸収体の内面に接着させる一対の接着部であって、各接着部の前記長手方向の両端はそれぞれ前記円弧線の一部に重なっておりかつ各接着部の前記長手方向の両端側の部分はそれぞれ中央側から外側に亘って徐々に幅が狭くなっている一対の接着部と、
を備え、
前記長手方向における、前記両端部の前記一対の接着部の両端よりも外側の各部分は、着用者が把持可能な把持部として機能し、
前記一対の接着部を構成する各接着部は、それぞれ前記中央部に配置されている部分の前記幅方向の外端が前記中央部の各外端に重なって配置されており、
前記両端部を構成する一端部及び他端部は、それぞれ前記中央部から前記長手方向に向けて離れるにつれて徐々に幅が幅W1から最大幅W2に広がり、更に前記長手方向に向けて離れるについて徐々に狭くなっていることで幅W1よりも幅が広い幅広部分の一部が前記各接着部の前記幅方向の外端からはみ出してはみ出し部分を形成しており、
前記はみ出し部分が形成されている部分における前記各接着部の幅W3は前記最大幅W2から幅W1を減じた値の1/2である、前記はみ出し部分の最大はみ出し幅W4よりも広
布ナプキン。
【請求項2】
前記一端部及び前記他端部における前記中央部との境界以外の各外縁は、それぞれ曲線で構成されている、
請求項に記載の布ナプキン。
【請求項3】
前記一対の接着部を構成する各接着部は、それぞれ、基材と、該基材の一面に配置されている第1接着層と、該基材の他面に配置され、前記第1接着層よりも接着力が弱い第2接着層とを有し、それぞれ、前記第1接着層で前記吸収布の前記一面に固定されている、
請求項又はに記載の布ナプキン。
【請求項4】
前記一対の接着部を構成する各接着部は、それぞれ、糊で構成されている、
請求項又はに記載の布ナプキン。
【請求項5】
前記吸収布は、前記長手方向及び前記幅方向において、それぞれ線対に構成されている、
請求項に記載の布ナプキン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、布ナプキンに関する。
【背景技術】
【0002】
生理用ナプキンとして、紙製のものや、ポリエチレンなどの高分子材料の多孔質フィルムや不織布が多用されている。これらの生理用ナプキンには、吸収機能を向上されるために、紙おむつと同様に、ポリアクリル酸ナトリウムを代表とする吸水性高分子材料を顆粒状にしたものが用いられている。
【0003】
これらは、石油に由来する化学物質なので、人体への影響が懸念されるという説が一部にある他、環境への負荷も考慮して、洗濯により何度も使用可能な、布製のナプキンが見直されている。織編物の布や不織布は、肌触りが快適で、肌荒れやかぶれが生じ難いという利点があるが、下着に取り付けるためのホックやボタンを使用するものが多く、これが肌に接することで、違和感や不快感を与えることがあった。
【0004】
この課題を解決する手段の一例として、特許文献1には、糊材により、下着に固定可能な衛生生理用品に装着して用いられる天然素材もしくは肌に優しい素材で形成された布ナプキンシートであって、該布ナプキンシートの長手方向両端付近に設けられ前記衛生生理用品に取り付けたり取り外したりするための着脱手段を有し、当該着脱手段を用いて前記衛生生理用品に取り付けられたときには、前記衛生生理用品の人体接触を覆い、前記衛生生理用品の下着側の全部又は一部は開放状態になっていることを特徴とする布ナプキンシートが開示されている。
【0005】
しかし、ここに開示されている布ナプキンシートは、下着に取り付けるための構造がやや複雑で、製造コストなどの観点で、なお改善の余地があると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2016-168139号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、下着又は体液吸収体からの取り外し性に優れた布ナプキンの提供を目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1態様の布ナプキンは、
長尺の布で、その一面を下着又は体液吸収体の内面に対向させて配置され、該下着の着用者の股間と前記内面とに挟まれて着用者の体液を吸収する吸収布であって、その長手方向の中央に配置されている矩形状の中央部と、それぞれ該中央部を挟んで前記長手方向の両側に配置され、それぞれの前記長手方向の外側の端が該外側に向けて突出している円弧線を構成している両端部とを有する吸収布と、
それぞれ直線状で、前記一面の前記長手方向の一端から他端に亘ってかつその幅方向の外側に配置され、前記吸収布を前記下着又は前記体液吸収体の内面に接着させる一対の接着部であって、各接着部の前記長手方向の両端はそれぞれ前記円弧線の一部に重なっておりかつ各接着部の前記長手方向の両端側の部分はそれぞれ中央側から外側に亘って徐々に幅が狭くなっている一対の接着部と、
を備え、
前記長手方向における、前記両端部の前記一対の接着部の両端よりも外側の各部分は、着用者が把持可能な把持部として機能する。
【0009】
第2態様の布ナプキンは、
第1態様の布ナプキンにおいて、
前記中央部の幅は、幅W1であり、
前記両端部を構成する一端部及び他端部は、それぞれ前記中央部から前記長手方向に向けて離れるにつれて徐々に幅が幅W1から最大幅W2に広がり、更に前記長手方向に向けて離れるについて徐々に幅が狭くなっており、
前記一対の接着部を構成する各接着部は、それぞれ前記中央部に配置されている部分の前記幅方向の外端が前記中央部の各外端に重なって配置されており、それぞれの幅W3は前記最大幅W2から幅W1を除した値の1/2である最大はみ出し幅W4よりも広く構成されている。
【0010】
第3態様の布ナプキンは、
第2態様の布ナプキンにおいて、
前記一端部及び前記他端部における前記中央部との境界以外の外縁は、それぞれ曲線で構成されている。
【0011】
第4態様の布ナプキンは、
第2態様又は第3態様の布ナプキンにおいて、
前記一対の接着部を構成する各接着部は、それぞれ、基材と、該基材の一面に配置されている第1接着層と、該基材の他面に配置され、前記第1接着層よりも接着力が弱い第2接着層とを有し、それぞれ、前記第1接着層で前記一面に固定されている。
【0012】
第5態様の布ナプキンは、
第2態様又は第3態様の布ナプキンにおいて、
前記一対の接着部を構成する各接着部は、それぞれ、糊で構成されている。
【0013】
第6態様の布ナプキンは、
第3態様の布ナプキンにおいて、
前記吸収布は、前記長手方向及び前記幅方向において、それぞれ線対象に構成されている。
【発明の効果】
【0014】
第1態様の布ナプキンは、下着からの取り外し性に優れている。
【0015】
第2態様及び第3態様の布ナプキンは、体液を吸収するための吸収布の一部が一対の接着部における吸収布の幅方向の外側にはみ出している構成であるにも関わらず、一対の接着部の下着又は体液吸収体への取り付け性に優れている。
【0016】
第4態様の布ナプキンは、下着からの取り外し時に、一対の接着部が下着又は体液吸収体に残り難い。
【0017】
第5態様の布ナプキンは、一対の接着部がそれぞれ多層構造の接着層で構成されている場合に比べて、低コストである。
【0018】
第6態様の布ナプキンは、下着又は体液吸収体に対して長手方向のいずれの方向からも取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本実施形態の布ナプキンの平面図である。
図2図1のII-II切断線で切断された、本実施形態の布ナプキンの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
≪本実施形態≫
以下、本実施形態の布ナプキン10(図1及び図2参照)におけるその機能及び構成並びに効果について、これらの記載順で説明する。次いで、本実施形態の変形例について説明する。
【0021】
<布ナプキンの機能及び構成>
図1は本実施形態の布ナプキン10の平面図であり、図2図1のII-II切断線で切断された、布ナプキン10の断面図である。
本実施形態の布ナプキン10は、長尺のシート状の部材であって、その一面(一面20A)を下着又は体液吸収体(図示省略)の内面に対向させて配置され、該下着の着用者の股間と前記内面とに挟まれて着用者の体液を吸収する機能を有する。ここで、前述の一面20Aとは、布ナプキン10を構成する吸収布20の両面のうち後述する一対の接着テープ30が配置されている側の面を意味する。すなわち、吸収布20の両面のうち図1に図示されている面である。本実施形態でいう下着とは、一例として、パンツ、ショーツ等であって着用者の下腹部に着用されるものを意味する。体液吸収体とは、一例として紙ナプキン、紙おむつ等であって着用者の下腹部から排出される体液を吸収する機能を有する吸収体を意味する。
本実施形態の布ナプキン10は、図1に示されるように、吸収布20と、一対の接着テープ30(一対の接着部の一例)とを備えている。
以下の説明では、便宜上、布ナプキン10の長手方向を符号LDとし、短手方向(幅方向)を符号SDとする。また、長手方向LDの一端側を+LD、他端側を-LDとし、幅方向SDの一端側を+SD、他端側を-SDとする。
【0022】
〔吸収布〕
吸収布20は、長尺の布である。また、吸収布20は、図1に示されるように、長手方向LDの中央に配置されている矩形状の中央部22と、それぞれ中央部22を挟んで長手方向LDの両側に配置されている両端部(一端部24及び他端部26)とを有している。ここで、本実施形態の吸収布20は、一例として、長手方向LD及び幅方向SDにおいて、それぞれ線対称な形状を構成している。図1における符号CL1は吸収布20の長手方向LDに沿う中心線(対象線)であり、符号CL2は幅方向SDに沿う中心線(対象線)である。本実施形態の説明では、便宜的に、吸収布20を中央部22、一端部24及び他端部26に分けているが、これらは一体的に形成された布であり、それぞれは下着の着用者の股間と下着又は体液吸収体(図示省略)の内面とに挟まれて着用者の体液を吸収する機能を有する。
【0023】
(中央部)
中央部22は、図1に示されるとおり、長手方向LDの中央に配置されている部分であって矩形状の部分である。ここでいう矩形状とは、吸収布20の一面20A又は他面20Bから見た形状を意味する。以下、中央部22の幅を幅W1とする。
【0024】
(両端部(一端部及び他端部))
両端部を構成する、一端部24と他端部26とは、前述の説明及び図1に示されるとおり、互いに中央部22を挟んで反対側に配置されつつ、それぞれ中心線CL2に対して線対称の関係を有している。以下、長手方向LDの一端側に配置されている一端部24について説明し、他端部26については一端部24の説明を援用されたい。
【0025】
一端部24は、図1に示されるように、長手方向LDにおいて中央部22に近い側に配置されている第1端部24Aと、第1端部24Aを挟んで中央部22の反対側に配置されている第2端部24Bとを有する。ここで、第1端部24Aにおける中央部22との境界線を境界線BL1とする。
第1端部24Aは、図1に示されるように、中央部22と第2端部24Bとを繋ぐ部分である。第1端部24Aは、その幅が、中央部22から、すなわち、境界線BL1から第2端部24Bに亘って徐々に幅W1から最大幅W2まで増加する台形状の部分である。ここで、第1端部24Aの幅の増加の変化率は一例として2次関数的となっている。すなわち、第1端部24Aの幅方向両側の各端は、曲線を構成している。
これに対して、第2端部24Bは、その幅が、第1端部24Aとの境界から長手方向LDの最端に亘って徐々に最大幅W2から幅0まで減少する(幅が狭くなる)円弧の部分である。ここで、第2端部24Bにおける第1端部24A以外の端は曲線を構成している。そして、図1に示されるように、本実施形態の第2端部24Bは、半円状を構成している。そのため、一端部24における長手方向LDの外側(+LD側)の端、すなわち、第2端部24Bにおける第1端部24A以外の端は外側に向けて突出している円弧線を構成している。
【0026】
他端部26は、図1に示されるように、長手方向LDにおいて中央部22に近い側に配置されている第1端部26Aと、第1端部26Aを挟んで中央部22の反対側に配置されている第2端部26Bとを有する。ここで、第1端部26Aにおける中央部22との境界線を境界線BL2とする。
ここで、前述の説明のとおり、他端部26は、一端部24とは、中央線CL2に対して線対称の関係を有している。そのため、他端部26を構成する、第1端部26A及び第2端部26Bは、それぞれ、一端部24の第1端部24A及び第2端部24Bを線対称にした構造上の関係を有している。すなわち、他端部26については、改めて説明するまでもなく一端部24の説明が援用される。
【0027】
〔一対の接着テープ〕
一対の接着テープ30は、図1及び図2に示されるように、中心線CL1を挟んで、吸収布20の幅方向SDの一端側+SDに配置されている接着テープ30Aと、幅方向SDの他端側-SDに配置されている接着テープ30Bとで構成されている。一対の接着テープ30(接着テープ30A、30B)は、それぞれ直線状で、吸収布20の一面20Aにおける、長手方向LDの一端から他端に亘ってかつ吸収布20の幅方向SDの外側に配置されている。各接着テープ30A、30Bは、互いに平行又は略平行となるように配置されている。そして、一対の接着テープ30(接着テープ30A、30B)は、それぞれ、吸収布20を下着又は体液吸収体の内面に接着させる機能を有する。
【0028】
各接着テープ30A、30Bの長手方向LDの両端は、それぞれ、吸収布20の厚み方向から見て、吸収布20の端にそれぞれの端を重ねて(一致させて)いる。そのため、各接着テープ30A、30Bの長手方向LDの両端は、円弧線を形成している。これに伴い、各接着テープ30A、30Bの長手方向LDの両端側の部分は、それぞれ長手方向LDの中央側から外側(すなわち、両端側)に亘って徐々に幅が狭くなっている。
【0029】
また、各接着テープ30A、30Bは、それぞれ、吸収布20の中央部22に配置されている部分の幅方向SDの外端が中央部22の各外端に重なって配置されている。そのため、各接着テープ30A、30Bのそれぞれは、吸収布20の一端部24、他端部26において、それぞれの一部を幅方向SDの外側にはみ出たせるように配置されている。ここで、各接着テープ30A、30Bの幅方向SDの外側を基準とした場合における、一端部24、他端部26がはみ出した部分の幅方向SDの最大はみ出し量を最大はみ出し幅W4とする。各接着テープ30A、30Bの各両端側の部分以外の部分の幅W3は、最大幅W2から幅W1を除した値の1/2である最大はみ出し幅W4よりも広く構成されている、
【0030】
また、各接着テープ30A、30Bは、図2に示されるように、一例として、基材32と、第1接着層34と、第2接着層36とを有している。第1接着層34は、基材32の一面に配置されている。これに対して、第2接着層36は、基材32の他面に配置されている。すなわち、各接着テープ30A、30Bは、いわゆる両面テープである。そして、第2接着層36の粘着力は、第1接着層34の粘着力よりも弱い。そして、各接着テープ30A、30Bは、第1接着層34で吸収布20の一面20Aに固定されている。
【0031】
〔吸収布20の第2端部24B、26Bと、各接着テープ30A、30Bの両端との関係〕
ここで、吸収布20の第2端部24B、26Bと、各接着テープ30A、30Bの両端との関係について補足する。本実施形態の布ナプキン10を構成する、吸収布20及び各接着テープ30A、30Bは、前述の構成を有することから、以下のような特徴を有する。すなわち、長手方向LDにおける、吸収布20の長さは、各接着テープ30A、30Bの長さよりも長い。また、図1に示されるように、長手方向LDにおける、吸収布20の第2端部24B、26Bの外側の部分は、各接着テープ30A、30Bの両端よりも、長手方向LDの外側にはみ出している。ここで、これらのはみ出している部分を、はみ出し部分24B1、26B1(それぞれ、把持部の一例)とする。そして、はみ出し部分24B1、26B1は、それぞれ、着用者が把持可能な部分でもある。
【0032】
以上が、本実施形態の布ナプキン10の機能及び構成についての説明である。
【0033】
<布ナプキンの効果>
次に、本実施形態の布ナプキン10の効果について図面を参照しながら説明する。
【0034】
〔第1の効果〕
本実施形態の布ナプキン10は、図1に示されるように、吸収布20の第2端部24B、26Bの長手方向LDの外側の端が外側に向けて突出している円弧線を構成している。また、各接着テープ30A、30Bの長手方向LDの外側の部分がそれぞれ中央側から外側に亘って徐々に幅が狭くなっている。さらに、長手方向LDにおける、吸収布20の第2端部24B、26Bの外側の部分は、各接着テープ30A、30Bの両端よりも、長手方向LDの外側にはみ出して、着用者が把持可能なはみ出し部分24B1、26B1を形成している。
以上の構成により、着用者が布ナプキン10を下着から取り外す場合、着用者は、はみ出し部分24B1、26B1を把持部として利用することができる。また、各接着テープ30A、30Bの両端部分の幅の形状によって、着用者がはみ出し部分24B1、26B1を下着から取り外す初期の段階(各接着テープ30A、30Bを下着から剥がし始める段階)における各接着テープ30A、30Bの接着力が最も小さい設定になっている。
したがって、本実施形態の布ナプキン10によれば、下着からの取り外し性に優れている。
【0035】
〔第2の効果〕
本実施形態の布ナプキン10は、図1に示されるように、一端部24及び他端部26は、それぞれ中央部22から長手方向LDに向けて離れるにつれて徐々に幅が幅W1から最大幅W2に広がり、更に長手方向LDに向けて離れるについて徐々に幅が狭くなっている。また、各接着テープ30A、30Bは、それぞれ中央部22に配置されている部分の幅方向SDの外端が中央部22の各外端に重なって配置されており、それぞれの幅W3は最大幅W2から幅W1を除した値の1/2である最大はみ出し幅W4よりも広く構成されている。
以上の構成により、体液を吸収するための吸収布20の一端部24及び他端部26の一部が各接着テープ30A、30Bの外側にはみ出している分、体液の吸収量を確保することができる。そのうえで、着用者による布ナプキン10の取り付け時に一端部24及び他端部26の一部が捲れて各接着テープ30A、30Bにおける下着等への接着面に接着されたとしても、各接着テープ30A、30Bが長手方向LDで分断されて下着等に接着されることがない。
したがって、本実施形態の布ナプキン10は、体液を吸収するための吸収布20の一端部24及び他端部26の一部が各接着テープ30A、30Bの外側にはみ出している構成であるにも関わらず、各接着テープ30A、30Bの下着又は体液吸収体への取り付け性に優れている。
【0036】
〔第3の効果〕
本実施形態の布ナプキン10が備える各接着テープ30A、30Bは、図2に示されるように、基材32と、基材32の一面に配置されている第1接着層34と、基材32の他面に配置され、第1接着層34よりも粘着力が弱い第2接着層36とを有している。そして、各接着テープ30A、30Bは、第1接着層34で吸収布20の一面20Aに固定されている。
したがって、本実施形態の布ナプキン10は、下着又は体液吸収体からの取り外し時に、各接着テープ30A、30Bが下着又は体液吸収体に残り難い。
【0037】
〔第4の効果〕
本実施形態の布ナプキン10(及び吸収布20)は、図1に示されるように、長手方向LD及び幅方向SDにおいて、それぞれ線対象に構成されている。
したがって、本実施形態の布ナプキン10は、下着又は体液吸収体に対して長手方向LDのいずれの方向からも取り付けることができる。すなわち、着用者は、布ナプキン10の方向又は姿勢を気にすることなく、下着又は体液吸収体に布ナプキン10を取り付けることができ、取り付け後の着用者は取り付け方向によらず同等の付け心地を体感することができる。
【0038】
以上が本実施形態の布ナプキン10の効果についての説明である。また、以上が本実施形態についての説明である。
【0039】
≪変形例≫
以上のとおり、本発明の一例として前述の実施形態の布ナプキン10を用いて説明したが、本発明の技術的範囲に含まれる形態は本実施形態の布ナプキン10に限定されるものではない。例えば、本発明の技術的範囲には以下のような変形例も含まれる。
【0040】
例えば、各接着テープ30A、30Bに換えて、糊で構成される直線状の部分(図示省略)としてもよい。この変形例によれば、多層構造の接着層で構成されている各接着テープ30A、30Bを備えた場合に比べて、低コストである。
【0041】
また、例えば、本実施形態では、はみ出し部分24B1、26B1の長手方向LDの外側の縁は、該外側に向けて突出している円弧線を構成しているとした。しかしながら、はみ出し部分24B1、26B1が把持部として機能すれば、はみ出し部分24B1、26B1の長手方向LDの外側の縁は円弧線以外であってもよい。例えば、直線、曲線等の組み合わせであってもよい。
【符号の説明】
【0042】
10 布ナプキン
20 吸収布
20A 一面
20B 他面
22 中央部
24 一端部
24A 第1端部
24B 第2端部
24B1 はみ出し部分(把持部の一例)
26 他端部
26A 第1端部
26B 第2端部
26B1 はみ出し部分(把持部の一例)
30 接着テープ(一対の接着部の一例)
30A 接着テープ
30B 接着テープ
32 基材
34 第1接着層
36 第2接着層
BL1 境界線
BL2 境界線
CL1 中心線
CL2 中央線
LD 長手方向
SD 幅方向
W1 中央部の幅
W2 吸収布の最大幅
W3 接着テープの幅
W4 最大はみ出し幅

図1
図2