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特許7461098吸収性複合材及びそれを用いる吸収性物品の製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-26
(45)【発行日】2024-04-03
(54)【発明の名称】吸収性複合材及びそれを用いる吸収性物品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/534 20060101AFI20240327BHJP
   A61F 13/53 20060101ALI20240327BHJP
   A61F 13/536 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
A61F13/534 110
A61F13/53 300
A61F13/536 100
【請求項の数】 25
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019122755
(22)【出願日】2019-07-01
(62)【分割の表示】P 2016503317の分割
【原出願日】2014-03-15
(65)【公開番号】P2019181237
(43)【公開日】2019-10-24
【審査請求日】2019-07-31
【審判番号】
【審判請求日】2022-08-12
(31)【優先権主張番号】61/801,620
(32)【優先日】2013-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510277017
【氏名又は名称】ディーエスジー テクノロジー ホールディングス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 七重
(72)【発明者】
【氏名】ライト アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ヴァロナ ユージニオ
(72)【発明者】
【氏名】スミット アンネ
(72)【発明者】
【氏名】スミット デニス
【合議体】
【審判長】久保 克彦
【審判官】稲葉 大紀
【審判官】八木 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-236911(JP,A)
【文献】特開2013-141(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/15-13/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
嵩高い不織布基材、
前記嵩高い不織布基材と結合された上部織物、及び
その間に固定された超吸収性粒子(SAP)層であって、前記SAPを前記嵩高い不織布基材及び前記上部織物と相互に固定するために、前記SAPと共にちりばめられたホットメルト接着剤を含む層、を含み、
前記嵩高い不織布基材が、前記SAPの少なくとも幾つかを絡み合わせる繊維を含む開放された繊維状ネットワークであり、及び前記SAP層が、吸収性マトリックスを含まない前記SAPのパルプ無し凝集体であ
前記嵩高い不織布基材及び前記上部織物の間の結合が、離間した結合部位を有し、前記離間した結合部位が、前記SAPのパルプ無し凝集体を取り囲むポケットを含む幾何学的囲いの結合パターンを画定し、及び前記離間した結合部位間の間隙が、前記ポケットの1つを隣接する前記ポケットと連通させる、
吸収性複合材。
【請求項2】
前記嵩高い不織布基材が、1,000μm~5,000μmの厚さと、20g/m2~80g/m2の坪量と、0.01g/cc~0.08g/ccの密度と、300μmを超える有効細孔径とを有する、請求項1に記載の吸収性複合材。
【請求項3】
前記上部織物が組織材料を含む、請求項1に記載の吸収性複合材。
【請求項4】
前記SAPが、前記嵩高い不織布基材及び前記上部織物の間の平面に沿って配置されている、請求項1に記載の吸収性複合材。
【請求項5】
前記嵩高い不織布基材及び前記上部織物の間の結合における離間した結合部位が、前記SAPのパルプ無し凝集体を取り囲む菱形ポケットの結合パターンを画定する、請求項1に記載の吸収性複合材。
【請求項6】
吸収性複合材を製造する方法であって、
嵩高い不織布材料の第1の基材を運搬すること、
ホットメルト接着剤粒子と超吸収性粒子(SAP)との混合物を前記運搬された第1の基材上に送出して、SAP層を形成すること、
前記混合物を有する前記第1の基材が運搬される時、前記第1の基材に熱を加え、それによりホットメルト接着剤粒子を活性化し、且つ前記SAPを前記ホットメルト接着剤粒子及び前記第1の基材と結合すること、
第2の基材を前記第1の基材及びそれと結合された前記SAP層の上に適用することであって、前記嵩高い不織布材料の第1の基材が、前記SAPの少なくとも幾つかを絡み合わせる繊維を含む開放された繊維状ネットワークであり、及び前記SAP層が、吸収性マトリックスを含まない前記SAPのパルプ無し凝集体であること、並びに
前記第1の基材を前記第2の基材と結合して、吸収性複合材積層体を製造することであって、前記結合が、離間した結合部位を有し、前記離間した結合部位が、前記SAPのパルプ無し凝集体を取り囲むポケットを含む幾何学的囲いの結合パターンを画定し、及び前記離間した結合部位間の間隙が、前記ポケットの1つを隣接する前記ポケットと連通させること
を含む、上記方法。
【請求項7】
前記吸収性複合材積層体上に前記結合パターンを作り出すために、前記結合が、熱エンボス加工を使用することを含む、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記嵩高い不織布材料の第1の基材が、1,000μm~5,000μmの厚さと、30g/m2~80g/m2の坪量と、0.02g/cc~0.07g/ccの密度と、300μmを超える有効細孔径とを有する、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記ホットメルト接着剤粒子が1~10質量%となる比率で、前記ホットメルト接着剤粒子及び前記SAPが混合される、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記混合物を送出後、前記SAPへエネルギーを与えて、嵩高い不織布材料の繊維状ネットワークへのSAPの進入を促進することをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記嵩高い不織布基材及び前記上部織物の間に位置する前記複数のポケットを画定する前記結合パターンにより、前記嵩高い不織布基材が前記上部織物に結合され、及び
前記SAPのパルプ無し凝集体が前記ポケット内に固定されており、前記嵩高い不織布基材が、前記ポケット内に延在しかつ前記SAPの少なくとも幾つかを絡み合わせる繊維を含む、
請求項1記載の上記吸収性複合材。
【請求項12】
前記SAPの少なくとも幾つかを絡み合わせる繊維が親水性繊維である、請求項1に記載の吸収性複合材。
【請求項13】
前記SAPの少なくとも幾つかを絡み合わせる繊維が親水性繊維である、請求項6に記載の方法。
【請求項14】
使い捨て吸収性物品であって、前記物品が、
第1の端部マージン及び前記第1の端部マージンから長手方向に離間されている第2の端部マージンによって画定されるシャーシ本体であって、前記第1及び第2の端部マージンが、使用者のウエストの周りで締め付け可能な前及び後ウエスト領域を部分的に画定するシャーシ本体、
上部シート
背面シート、ここで前記上部シートと前記背面シートは前記シャーシ本体の長手方向及び横方向のマージンを画定する、及び
前記上部シートと前記背面シートとの間に配置された吸収性複合材、
を含み、前記吸収性複合材が、
嵩高い不織布基材、
前記嵩高い不織布基材に結合されている上部織物、
を含み、ここで
前記嵩高い不織布基材は、前記上部織物に結合パターンにより取り付けられて複数のポケットを画定し、前記複数のポケットは、前記嵩高い不織布基材及び前記上部織物の間にそれぞれ位置しており、かつ超吸収性粒子(SAP)のパルプ無し凝集体と前記SAPと共にちりばめられたホットメルト接着剤を含んでおり、
前記嵩高い不織布基材は、前記上部織物にエンボス加工されており、前記結合パターンがエンボス加工ラインによって形成されて、前記吸収性複合材を形成しており、ここで、前記ポケットが、前記嵩高い不織布基材を前記上部織物に係合させるエンボス加工ラインにより確定される境界を有し、前記結合パターンが、前記ポケットの1つを隣接する前記ポケットと連通させる間隙を有し、
前記SAPの凝集体は、前記嵩高い不織布基材及び上部織物の間のポケット内に固定されており、前記嵩高い不織布基材は、前記凝集体内の前記SAPの少なくとも幾つかを絡み合わせる繊維を含む開放された繊維状ネットワークであり、前記嵩高い不織布基材は、前記SAPの移動を阻害する、上記使い捨て吸収性物品。
【請求項15】
前記エンボス加工ラインは、前記吸収性複合材の中心領域から前記吸収性複合材の側部マージンまで直線を形成せず、及び
前記結合パターンは、前記吸収性複合材の中心領域から前記吸収性複合材の側部マージンまで直接的な流体チャネルを含まない、
請求項14に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項16】
前記境界の間に配置された空間がSAPを含む、請求項14に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項17】
前記境界の間に配置された空間がSAPを含まない、請求項14に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項18】
前記SAPの少なくとも幾つかを絡み合わせる繊維が親水性繊維である、請求項14に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項19】
前記結合パターンが、前記吸収性複合材の中心領域に集中した複数のより大きなポケットと、前記より大きなポケットに隣接した、前記吸収性複合材料のマージンにより近い位置にあるより小さなポケットとを形成し、及び
エンボス加工ラインを、前記嵩高い不織布基材に適用し、及び
前記より大きいポケットの嵩高い不織布表面が、前記より小さいポケットの嵩高い不織布表面よりも低い毛管現象を示し、それによって毛管現象勾配が生じる、請求項14に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項20】
前記第1の基材が、嵩高い不織布のシートまたはウェブであり、前記SAPは、嵩高い不織布の繊維状ネットワークに進入し、及び
前記第2の基材を前記第1の基材及びそれと結合された前記SAP層の上に適用することが、各ポケットが前記SAPのパルプ無し凝集体を含む複数のポケットを有する吸収性複合材を形成するエンボス結合パターンを有するエンボス加工を使用して、前記第2の基材を前記第1の基材に積層することを含み、それにより、エンボス加工ラインが離間しかつ交差して結合パターンをその上に形成し、前記エンボス結合パターンを有するエンボス加工が嵩高い不織布へ適用され、それにより、前記嵩高い不織布の繊維が前記凝集体内のSAPの少なくとも幾つかを絡み合わせ、及び前記エンボス加工が、エンボス加工時にエンボス加工部位間の嵩高い不織布の繊維間距離を増大させる、請求項6記載の方法。
【請求項21】
前記繊維状ネットワークへの前記SAPの進入を増強するために真空または振動を使用することをさらに含み、及び
熱エンボス加工を使用した前記積層が、異なる空間で結合部位を離間させて、異なるサイズのポケットを形成することを含む、
請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記第1及び第2の基材各々が不織ウェブであり、
前記第2の基材を前記第1の基材及びそれと結合された前記SAP層の上に適用することが以下を含む:
エンボス加工を使用して前記不織ウェブを積層して、各ポケットがSAPを含む複数のポケットを有する吸収性複合材料を形成し、それにより、エンボス加工線が離間しかつ交差して結合パターンをその上に形成すること、ここで前記積層工程は、SAPとホットメルト接着剤粒子の混合物を、前記凝集体が前記SAPと前記ホットメルト接着剤粒子を含むように分配することを含み、及び
前記ホットメルト接着剤粒子を活性化すること、ここで前記ホットメルト接着剤粒子は前記SAPと不織ウェブとを一緒に結合し、並びに
前記第1の不織ウェブは嵩高い不織布であり、及び、前記凝集体は2つの不織ウェブ間のポケットに固定されて移動が阻害され、それにより、前記嵩高い不織布の繊維が前記凝集体中の少なくとも幾つかのSAPを絡み合わせ、粒子の移動を阻害する、請求項6記載の方法。
【請求項23】
SAPとホットメルト接着剤粒子との混合物を送出することが、前記第1の基材上に前記混合物を均一に堆積し、次に前記第2の基材を、前記第1の基材の上に積層することを含み、
前記混合物を前記第1の基材の上に堆積させた後で、かつ、前記第2の基材を前記第1の基材の上に重ねる前に、前記ホットメルト接着剤粒子の活性化を行う、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記エンボス加工が異なるサイズのポケットを形成し、前記ポケットが、第1のポケットが第2のポケットよりも大きく、かつ嵩高い不織布表面で前記第2ポケットよりも低い毛管現象を示す隣接ポケットを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記SAPの凝集体が、前記嵩高い不織布基材と前記上部織物との間に固定されており、前記嵩高い不織布基材は、前記SAPの少なくとも幾つかを絡み合わせる繊維を含む、請求項1記載の吸収性複合材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、その開示が、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれ、本開示の一部とされる、2013年3月15日に出願された米国仮出願第61/801,620号(係属中)の利益を主張する。
本開示は、一般に吸収性複合材(又は吸収性の芯の積層体)、及び吸収性複合材の製造方法に関する。本発明はまた、一般に吸収性複合材を用いる使い捨ての吸収性物品及びその製造方法にも関する。かかる使い捨ての吸収性物品は、おむつ、トレーニングパンツ、成人用失禁製品、身体滲出物吸収製品、女性用衛生用品及び他の吸収性製品(総称して「使い捨ての吸収性物品」及び「使い捨ての吸収性製品」)を含む。
【背景技術】
【0002】
使い捨ての吸収性物品は、3つの基本的構造要素を典型的に用いる。すなわち、内面を形成する上部シートと、外面を形成する背面シートと、上部シート及び背面シートの間に置かれる吸収性の芯である。上部シートは、液体が、吸収性物品の外側から上部シートを通って、且つ吸収性の芯へ通過することを可能にするように設計される。上部シートは、一連の液体及び蒸気透過性の親水性又は疎水性材料で作られても良い。上部シートの透過性は、表面活性化剤(「界面活性剤」)を使用することによって増加できる。界面活性剤は、液固界面の接触角の表面エネルギーを減少させ、且つ液体の上部シートの通過を容易にする。
背面シートは、流体が吸収性の芯から背面シートを通り、且つ吸収性物品から外に通過することを妨げるように設計される。背面シートは、物品、又は布状材料及び不透過性フィルムの組合せの全幅に延在する不透過性フィルムで作られても良い。背面シートは、吸収性の芯内に貯蔵された流体を解放せずに、蒸気が背面シートを通過することを可能にする透湿性(「通気性」)も有しても良い。背面シートは、スパンボンド、メルトブロー、スパンボンド(「SMS」);スパンボンド、メルトブロー、メルトブロー、スパンボンド(「SMMS」);マイクロ、ナノ、又は分割性繊維;スパンメルト又はスパンレース;カード等のような、液体不透過性であるが透湿性不織材料から作られても良い。
【0003】
吸収性の芯は、上部シートを通過する流体を含み、且つ分配するように設計される。典型的な吸収性の芯は、吸収性マトリクスによって安定化する高又は超吸収性ポリマー(SAP)で作られる。SAPは、一般にポリビニルアルコール、ポリアクリレート、種々のグラフト化でんぷん、及び架橋ポリアクリル酸ナトリウムのような材料で作られる。SAPは、粒子、繊維、発泡体、ウェブ、球体、規則的又は不規則な形状の凝集体、及びフィルムの形であっても良い。吸収性マトリックスは、概して離解された木材パルプ又は類似の材料である。吸収性マトリックスは、上部シート、背面シート及びSAPに対して非常に嵩高い。おむつの厚さの大部分は、吸収性の芯によってもたらされる。
次第に、吸収性物品の消費者は、より薄い吸収性物品を求めている。これらの要求を満たすために、製造業者は、吸収性の芯に使用される吸収性マトリックスの量を減少させることによって吸収性物品の厚さを減少させている。結果として生じた吸収性の芯は薄いが、性能に劣る。吸収性マトリックス量が減少するにつれ、SAPを安定化させることにおける効果が弱まる-SAPが、吸収性の芯内を移動することを妨げる。SAPが、芯内を移動するにつれ、吸収性の芯は、その有効性を喪失し、且つ均一な吸収性をもはや有さない。例えば、含まれないSAPは、湿った領域に集まる傾向があり、且つその後の排出を取り扱うためには、役に立たない。
【0004】
製造業者は、小さい個別のSAPポケットを作り出すことによって、又はSAPを接着することによってこの問題を解決しようと試みた。しかし、これらの解決策は、大部分が失敗であった。SAPポケットは、ポケット内の動きに対する移動を限定するに過ぎない。しかし、粒子の動きがなおもあるので、吸収性の芯は、均一な吸収性を示さない。SAPを接着することは、SAPを安定化させるが、不快なほど堅い吸収性の芯、及びSAPの膨潤能力損失をもたらす。出願人は、SAPを含む方法の多くが、SAP及び吸収性の芯の吸込みを受け且つ分配する能力に悪影響を及ぼし得ることも発見した。
【0005】
したがって、製品の堅さを最小限に抑え、且つ別の方法で優れた吸収性及び流体取扱い性を示しながら、製品の厚さを減少させる傾向を継続する改良された吸収性製品が必要である。同一出願人による、且つ本出願と共通の少なくとも1人の発明者を指定する米国特許第8,148,598号明細書は、技術水準に対する先行する改良を記載し、且つ本開示の背景の役割を果たす。’598号特許文献は、あらゆる目的のために全体が参照によって本明細書に組み込まれ、且つ本開示の一部とされる。本開示は、ある点において改良された吸収性製品及び製造方法を提供する努力を継続し、且つ推進すると見られても良い。
【発明の概要】
【0006】
一態様において、本開示は、改良された吸収性複合材及び複合材を製造する方法を提供する。吸収性複合材の組成又は構成要素の配置に焦点を合わせた実施形態が、開示される。一実施形態において、使い捨ての吸収性物品の吸収性の芯複合材は、第1の織物と、本体側の第2の織物と、第1の織物、第2の織物の間に位置する複数の超吸収性粒子(SAP)凝集体とを有する。複数のSAP凝集体の各々の周りで、離間した結合部位の配置が、第2の織物を第1の織物に固着し、且つSAP凝集体が第1の織物及び第2の織物の間に固着されるポケットを形成する。本体側の第2の織物は、SAP凝集体内に少なくともいくつかの粒子を絡ませる繊維を含む嵩高い不織布である。好ましい実施形態において、接着剤のパターンは、第1の織物上に予め塗布できる(例えば、接着剤のない開放領域を画定する複数の交差するループを有するパターン)。
【0007】
別の態様において、使い捨ての吸収性物品用の吸収性複合積層体を製造する方法が開示される。方法は、第1の織物を超吸収性粒子(SAP)を受ける位置に運搬し、且つSAPを第1の織物上に堆積させ、SAPの離散凝集体を提供することを含む。嵩高い不織布の第2の織物は、次に運搬され、且つ嵩高い不織布の繊維が、SAP凝集体の粒子の上層内に粒子を絡ませるように第1の織物に対して位置決めする。これは、SAP凝集体をその間に少なくとも部分的に固着する。第1及び第2の織物は、次に結合部位網で結合され、SAP凝集体の複数のポケットを有する細長い積層体を形成し、それにより各ポケットは、SAP凝集体の周りに位置決めされ、且つ第2の織物を第1の織物に固着する結合部位によって画定され、且つ細長い積層体を運搬し、それにより嵩高い不織布及びポケットは、前記ポケットからのSAP粒子の移動を阻害する。好ましい実施形態において、結合部位は、結合点であり、且つ/又は結合部位は、菱形ポケット及び対応する格子を、側部マージンへのいかなる直接的な直線路もなしに形成する。
【0008】
第1の端部マージン及び第1の端部マージンから長手方向に離間される第2の端部マージンによって画定されるシャーシ本体を有する使い捨ての吸収性物品が、同様に開示され、端部マージンは、使用者のウエストの周りで締め付け可能な前及び後ウエスト領域を部分的に画定する。物品は、上部シートと、背面シートと、上部シート及び背面シートの間に配置された吸収性複合材とを更に含む。吸収性複合材は、第1の織物と、前記第1の織物に結合された第2の織物と、第1及び第2の織物の間に固着された吸収性粒子とを含む。第1の織物は、第1の織物及び第2の織物の間に位置し、且つ超吸収性粒子(SAP)の凝集体を含む複数のポケットを画定するために第2の織物に断続的に取り付けられ、不連続の、且つ離間された結合部位は、第1の織物を第2の織物と固着する。第2の織物は、吸収性複合材の本体側に、且つSAP凝集体の上に位置決めされた嵩高い不織布材料であり、嵩高い不織布の繊維が、超吸収性粒子を絡ませるようにしており、SAP凝集体は、嵩高い不織布材料の下から延在する中間部分に吸収性マトリックスを有さない。
【0009】
別の形態において、嵩高い不織布基材と、嵩高い不織布基材と結合された上部織物と、その間に固着された超吸収性粒子(SAP)の層とを有する吸収性複合材が、開示される。更に、ホットメルト接着剤が、SAPによってまき散らされ、SAPを嵩高い不織布基材及び上部織物と相互に固着する。上部織物は、好ましい実施形態において組織材料であっても良い。
なおも別の態様において、吸収性複合材を製造する方法が、開示される。方法は、不織布材料の第1の基材を運搬し、ホットメルト接着粒子との超吸収性粒子(SAP)の混合物を運搬された第1の基材に送出し、且つ混合物を有する第1の基材が運搬される時、第1の基材に熱を加え、それによりホットメルト接着粒子を活性化し、且つSAPをホットメルト粒子及び第1の基材と結合することを含む。第2の基材は、次に第1の基材及びそれと結合されたSAP層の上に貼り付けられる。
吸収性粒子の凝集体が、上層及び下層の間に、且つ複合材又は芯の空間にわたって戦略的に置かれ、且つ/又は構成される種々の実施形態が開示される。凝集体の位置又は凝集体に関する制約を変動させることによって、吸収性複合材の性能及び能力は、管理又は影響を及ぼされ得る。いくつかの実施形態において、吸収性粒子の凝集体は、容器又はポケット内に位置する。更なる実施形態において、容器又はポケットの寸法、間隔、配置、及び/又は幾何学的配列又は形状は、いくつかの芯の流体取扱い性を達成するために具体的に提供される。
【0010】
一実施形態において、使い捨ての吸収性物品は、第1の端部マージン及び第1の端部マージンから長手方向に離間される第2の端部マージンによって画定されるシャーシ本体を含み、端部マージンは、使用者のウエストの周りで締め付け可能な前及び後ウエスト領域を部分的に画定する。物品は、上部シートと、背面シートと、上部シート及び背面シートの間に配置された吸収性複合材とを更に含む。上部シート及び背面シートは、シャーシ本体の長手方向及び横方向のマージンを画定する。吸収性複合材は、第1の織物と、前記第1の織物に結合された第2の織物とを含む。更に、吸収性粒子は、第1及び第2の織物の間に接着され、第1の織物は、第1の織物及び第2の織物の間に位置し、且つ吸収性粒子の凝集体を含む複数の容器を画定するために第2の織物に断続的に取り付けられる。吸収性複合材は、第1の寸法の容器を有する一次領域と、第1の寸法と異なる第2の寸法の複数の容器を有する二次領域とを含む吸収性粒子凝集体の容器の領域を含む。
【0011】
本開示は、いくつかの実施形態における、吸収性マトリックスを必要としない吸収性複合材、及び吸収性複合材を製造する新規な方法に関するものである。本文献は、吸収性複合材を組み込む吸収性物品も開示する。吸収性複合材は、十分な吸収性、並びに乾燥及び湿潤完全性(均一な吸収性)を提供するために十分なSAPを同時に保持しながら、非常に薄く、且つ柔軟にされ得る吸収性物品を提供する。吸収性複合材をおむつに使用することが開示されるが、当業者は、本発明の工程に従って作られた吸収性複合材が、多種多様な吸収性製品に使用され得ることを容易に理解するであろう。
本開示は、吸収性複合材を組み込む改良された吸収性物品も対象にする。
【0012】
一例において、粒子を受けるために第1の織物を位置決めするステップと、第1の織物上に粒子を堆積させるステップと、第2の織物に接着剤を塗布するステップと、第1の織物に対して第2の織物を位置決めするステップと、第1及び第2の織物の間を延在する結合部位を形成するステップとを含む複合シートを製造する方法が、記載される。方法は、粒子が、SAP粒子、スキンケア粒子、臭気吸収粒子、バインダ粒子、イオン交換粒子、及びその組合せを含む物品を更に含んでも良い。なおも更には、方法は、粒子を疎水性材料によって被覆するステップを含んでも良い。
方法は、第1の織物を表面に適合させることを含んでも良い。表面は、第1の織物内でポケット又は容器を形成する凹部を、それが表面に適合する時に含んでも良い。SAP粒子は、第1の織物内に形成されたポケットに案内されても良い。第1の織物を表面に適合させるために、吸引が使用されても良い。第2の織物に塗布された接着剤は、有効量の乾燥粒子を固着するために十分な濃度で塗布されても良い。その濃度は、一般に1平方メートル当たり1~100グラムである。更に具体的には、接着剤は、1平方メートル当たり5~75グラム、又はなおも更に最適には、1平方メートル当たり12~50グラムでの濃度で塗布されても良い。接着剤は、粒子を係合する接着剤の総量が1平方メートル当たり1~100グラムであるように塗布されても良い。本発明の方法は、粒子が第1の織物に堆積される前に、接着剤を第1の織物に塗布するステップを更に含んでも良い。
【0013】
方法に適した結合部位は、連続又は不連続でも良く、且つポケット又は他の形状及び設計を画定しても良い結合線であっても良い。あるいは、結合部位は、結合点であっても良い。結合部位は、粒子に対して位置決めされ、且つ/又は2インチを超える直線の粒子移動を妨げるように配置されても良い。
あるいは、方法は、粒子を受けるために第1の織物を位置決めすること、第1の織物上に粒子を位置決めすること、第1の織物に対して粒子を固着すること、第2の織物を粒子の上に位置決すること、及び第1の織物を第2の織物に接合する結合部位を形成することを含む。結合部位は、粒子の移動を阻害するために離間された離散点であっても良い。結合部位は、粒子の移動を阻害するために離間された結合線、又は単一の結合線を形成するために接続された結合線であっても良い。結合線は、いくつかの粒子が内部に位置決めされるポケットを形成するように配置されても良い。粒子は、SAP粒子、スキンケア粒子、臭気吸収粒子、バインダ粒子、イオン交換粒子、及びその組合せであっても良い。粒子は、接着剤、熱可塑剤又はその組合せによって第1の織物に固着されても良い。その上、又は選択的に、粒子は、接着剤、熱可塑剤又はその組合せによって第2の織物に固着されても良い。更に、粒子を受けるために第1の織物内で形状が、形成されても良い。
【0014】
本開示による使い捨ての吸収性物品は、上部シートと、背面シートと、その間に配置された吸収性の芯とを含んでも良く、背面シート、上部シート、及び吸収性の芯の1つの少なくとも一部。吸収性の芯は、第1の織物と、前記第1の織物に結合された第2の織物と、第1及び第2の織物の間に接着された粒子とを含む吸収性複合材である。粒子は、SAP粒子、スキンケア粒子、臭気吸収粒子、バインダ粒子、イオン交換粒子、及びその組合せであっても良い。
【0015】
あるいは、背面シート上に支持される吸収性層は、背面シートの一部分が、吸収性複合材の第2の織物を提供するように、提供されても良い。背面シートは、第1の背面シート層と、第2の背面シート層と、その間に位置決めされた約20gsmの濃度のSAP粒子とを更に含んでも良く、且つ第2の背面シート層は、約10gsm~60gsmの範囲の坪量を有するSMSである。吸収性層は、1平方メートル当たり1~100グラムの接着剤濃度によって第1及び第2の織物の間に接着されても良い。第1の織物は、離散点で第2の織物に結合されても良く、その離散点は、ポケットを画定しても良い。更に、第1の織物は、複数の結合線に沿って第2の織物に結合されても良く、その結合線は、ポケットを画定しても良い。
【0016】
吸収性の芯は、第1の織物と、第2の織物と、第1の織物が第2の織物に接続される結合部位と、第1及び第2の織物の間に接着された粒子の吸収性層も含んでも良い。粒子は、SAP粒子及び/又は他の有益な粒子であっても良い。吸収性層は、上部シートの一部分が、吸収性複合材の第2の織物を提供するように、上部シートの一部分の下に支持されても良い。吸収性層は、背面シート部分が、吸収性複合材の第1の織物を提供するように、背面シートの一部分の下に支持されても良い。
いくつかの実施形態において、使い捨ての吸収性物品は、1平方メートル当たり約50~650グラムの吸収性層内のSAP粒子濃度を含んでも良い。SAP粒子は、吸収性層内のSAP粒子による液体の初期受け取りを遅延させるために疎水性材料によって被覆されても良い。結合部位は、吸収性層のSAP粒子の動きを阻害する複数の実線を画定しても良い。実線は、第1及び第2の織物の間にポケットを形成するように形作られても良い。結合部位は、吸収性層のSAP粒子の動きを阻害する複数の不連続線を画定しても良い。不連続線は、第1及び第2の織物の間にポケットを形成するように形作られても良い。
【0017】
更に別の実施形態において、結合は、粒子のポケットの周縁に沿って位置決めされても良い。結合は、杉綾模様、レンガ積み、円、三角形、点、長点、長方形、及びその組合せのようなパターンを形成しても良い。更に別の実施形態は、第1及び第2のシート間に位置決めされた密でない粒子も含んでも良い。
【0018】
前述の事項は、以下に続く詳細な説明が、より良く理解できるように、本開示の特徴及び技術的利点を多少広く概説した。追加の特徴及び利点は、以下に記載される。開示された具体的な実施形態は、同じ目的を実行するために、他の構造を修正又は設計するための基礎として容易に利用され得ることが認識されるべきである。かかる同等の構成は、添付の請求項に記述される開示から逸脱しないことも理解されるべきである。その組織及び操作方法の両方に関して、本開示の特性を示すと考えられる特徴は、更なる目的及び利点と共に、添付図面に関連して考慮される時、以下の記載からより良く理解されるであろう。しかし、各図は、例示及び記載のみの目的で提供され、且つ本開示の限度の定義として意図されないことが、明確に理解されるべきである。本開示による使い捨ての吸収性物品は、上部シートと、背面シートと、その間に配置された吸収性の芯とを含んでも良い。吸収性の芯は、第1の織物と、第1の織物に結合された第2の織物と、第1及び第2の織物の間に接着された粒子とを含む吸収性複合材である。粒子は、SAP粒子、スキンケア粒子、臭気吸収粒子、バインダ粒子、イオン交換粒子、及びその組合せであっても良いか、又は好ましい実施形態において、SAPから成る。
【0019】
あるいは、背面シート上に支持される吸収性層は、背面シートの一部分が、吸収性複合材の第2の織物を提供するように、提供されても良い。背面シートは、第1の背面シート層と、第2の背面シート層と、その間に位置決めされた約20gsmの濃度のSAP粒子とを更に含んでも良く、且つ第2の背面シート層は、約10gsm~60gsmの範囲の坪量を有するSMSである。吸収性層は、1平方メートル当たり1~100グラムの接着剤濃度によって第1及び第2の織物の間に接着されても良い。第1の織物は、離散点で第2の織物に結合されても良く、その離散点は、ポケットを画定しても良い。更に、第1の織物は、複数の結合線に沿って第2の織物に結合されても良く、その結合線は、ポケットを画定しても良い。
吸収性の芯は、第1の織物と、第2の織物と、第1の織物が第2の織物に接続される結合部位と、第1及び第2の織物の間に接着された粒子の吸収性層も含んでも良い。粒子は、SAP粒子及び/又は他の有益な粒子であっても良い。吸収性層は、上部シートの一部分が、吸収性複合材の第2の織物を提供するように、上部シートの一部分の下に支持されても良い。吸収性層は、背面シート部分が、吸収性複合材の第1の織物を提供するように、背面シートの一部分の下に支持されても良い。
【0020】
いくつかの実施形態において、使い捨ての吸収性物品は、1平方メートル当たり約50~650グラムの吸収性層内のSAP粒子濃度を含んでも良い。SAP粒子は、吸収性層内のSAP粒子による液体の初期受け取りを遅延させるために疎水性材料によって被覆されても良い。結合部位は、吸収性層のSAP粒子の動きを阻害する複数の実線を画定しても良い。実線は、第1及び第2の織物の間にポケットを形成するように形作られても良い。結合部位は、吸収性層のSAP粒子の動きを阻害する複数の不連続線を画定しても良い。不連続線は、第1及び第2の織物の間にポケットを形成するように形作られても良い。
【0021】
更に別の実施形態において、結合は、粒子のポケットの周縁に沿って位置決めされても良い。結合は、杉綾模様、レンガ積み、円、三角形、点、長点、長方形、及びその組合せのようなパターンを形成しても良い。更に別の実施形態は、第1及び第2のシート間に位置決めされた密でない粒子も含んでも良い。
【0022】
前述の事項は、以下に続く詳細な説明が、より良く理解できるように、本開示の特徴及び技術的利点を多少広く概説した。追加の特徴及び利点は、以下に記載される。開示された具体的な実施形態は、同じ目的を実行するために、他の構造を修正又は設計するための基礎として容易に利用され得ることが認識されるべきである。かかる同等の構成は、添付の請求項に記述される開示から逸脱しないことも理解されるべきである。その組織及び操作方法の両方に関して、本開示の特性を示すと考えられる特徴は、更なる目的及び利点と共に、添付図面に関連して考慮される時、以下の記載からより良く理解されるであろう。しかし、各図は、例示及び記載のみの目的で提供され、且つ本開示の限度の定義として意図されないことが、明確に理解されるべきである。
【0023】
本開示の更に完全な理解のために、添付図面と併用される以下の記載がここで参照される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】カレンダロールを使用する吸収性複合材を製造する方法の一実施形態の概略図である。
図2】カレンダロールを使用する本発明の吸収性複合材を製造する方法の別の実施形態の概略図である。
図3】追加のエネルギー源を有する図1に示す方法の概略図である。
図4】カレンダロールの代わりに超音波結合技術を使用する図1に示す方法の応用例である。
図5】カレンダロールの代わりに超音波結合技術を使用する図2に示す方法の応用例である。
図6-1】方法及び吸収性物品において使用され得る種々の可能な結合パターンの説明図である。
図6-2】方法及び吸収性物品において使用され得る種々の可能な結合パターンの説明図である。
図7】方法によって形成され、且つ吸収性物品内で利用されるポケットの断面説明図である。
図8】吸収性複合材を具体化する使い捨ての吸収性物品の斜視図である。
図9】平坦且つ延在された状態での図8の使い捨ての吸収性物品の上面平面図である。
図10図8の使い捨ての物品の分解組立図である。
図11】吸収性複合材を利用し、且つ吸収性物品によって用いられる吸収性の芯の部分断面図である。
図12】本発明の吸収性複合材の代替的な実施形態を利用し、且つ代替的な吸収性物品によって用いられる吸収性の芯の部分断面図である。
図13】レッグカフ内で吸収性複合材を用いる吸収性物品の断面図である。
図14】レッグカフ内で飽和吸収性複合材を用いる吸収性物品の断面図である。
図15A】複合材にわたる吸収性粒子の凝集体の配置に特に注意した、本開示による吸収性複合材の簡略化された説明図である。
図15B】複合材にわたる吸収性粒子の凝集体の配置に特に注意した、本開示による吸収性複合材の簡略化された説明図である。
図15C】複合材にわたる吸収性粒子の凝集体の配置に特に注意した、本開示による吸収性複合材の簡略化された説明図である。
図15D】複合材にわたる吸収性粒子の凝集体の配置に特に注意した、本開示による吸収性複合材の簡略化された説明図である。
図16A】先行技術のSAPサンドイッチの簡略化された説明図である。
図16B】本開示によるSAP構造(サンドイッチ)の簡略化された説明図である。
図17A-17B】図17Aは、本開示による、ポケット、及びポケットの配置を特徴付ける流体特性の断面図での簡略化された説明図である。図17Bは、本開示による、ポケット、及びポケットの配置を特徴付ける流体特性の断面図での簡略化された説明図である。
図17C-17D】図17Cは、本開示による、ポケット、及びポケットの配置を特徴付ける流体特性の断面図での簡略化された説明図である。図17Dは、本開示による、ポケット、及びポケットの配置を特徴付ける流体特性の断面図での簡略化された説明図である。
図18A-18B】図18Aは、本開示による吸収性複合材を製造する工程の簡略化された概略図である。図18Bは、図18Aに関して記載された工程の代表的な構成要素の説明図又は写真である。
図18C図18Aに関して記載された工程の代表的な構成要素の説明図又は写真である。
図19図18Aの工程による吸収性複合材を表す略断面図である。
図20A】本開示の好ましい実施形態による吸収性の芯積層体を用いる使い捨ての吸収性物品の横中心線に沿った略断面図である。
図20B】本開示の好ましい実施形態による吸収性の芯積層体を用いる使い捨ての吸収性物品の長手方向中心線に沿った略断面図である。
図20C図20A及び図20Bの吸収性の芯積層体内の吸収性複合材の略断面図である。
図21】本開示の実施形態による吸収性の芯積層体の分解組立図である。
図22A図21の積層体を製造する種々の段階の分解組立図である。
図22B図21の積層体を製造する種々の段階の分解組立図である。
図22C図21の積層体を製造する種々の段階の分解組立図である。
図23】本開示の実施形態によるエンボス加工した吸収性の芯積層体の上面斜視図である。
図24】本開示の実施形態による結合点を用いる代表的な吸収性の芯積層体の平面図である。
図25】本開示の代替的な実施形態による吸収性の芯積層体の平面図である。
図26】本開示の代替的な実施形態による吸収性の芯積層体の分解組立図である。
図27】本開示の実施形態による吸収性の芯積層体の製造における段階の簡略化された説明図である。
図28】本開示の好ましい実施形態による吸収性の芯積層体を用いる使い捨ての吸収性物品の平面図である。
図29】本開示の好ましい実施形態による吸収性複合材の断面図での簡略化された説明図である。
図30】本開示による吸収性複合材内に点結合された嵩高い不織布層の部分断面図での簡略化された説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本明細書に提供された詳細な説明及び添付図面を検討すれば、本開示により製造される吸収性複合材が、使い捨ての吸収性物品に、且つ特にはおむつ、トレーニングパンツ又は他の失禁製品のような使い捨ての吸収性物品に使用され得ることが当業者に明らかであろう。したがって、以下の記載は、使い捨てのオムツに使用される吸収性複合材に特に向けられるが、本開示は、本明細書に具体的に記載及び例示された構造及び工程に限定されるものではない。本開示が関連する用語「吸収性物品」又は「吸収性衣類」は、種々の身体滲出物、体液、又は生体液を吸収及び含むように、着用者の身体に対して、又は着用者の身体に近接して置かれる種々のタイプの使い捨ての物品及び衣類を含む。
【0026】
おそらく、本開示に導入される特定の貢献及び改良のより良い理解及び認識を得るために、米国特許第8,148,598号に以前開示された改良を最初に参照できる。これらの以前の改良は、図1図14に対して記載される。その中の教示及び提案のいくつかは、当技術分野での背景的知識として役立つことに加え、本開示のいくつかの具体的な実施形態に形を変えても良い(そのことは、本開示に与えられる関連技術分野で技能を有する者には、明らかになるであろう)。
図1で、織物125は、ロール120から与えられ、且つコンベヤベルト100上で生産ラインに沿って搬送されて示される。織物125は、織布、不織布、フィルム又はその組合せであっても良い熱可塑性材料であっても良い。織物125は、真空システム110によってコンベヤベルト100に固着される。真空システム110は、織物125をコンベヤベルト100に確定する(confirm)働きをする。
【0027】
一実施形態において、コンベヤベルト100の表面は、織物が、コンベヤベルト100の表面に対して引っ張られると、織物125内でカップを形成する陥凹部を有する。コンベヤベルト100の表面は、織物内でカップを形成する構成に限定されず、代わりに多数の異なる表面形状及び寸法によって構成できる。例は、隆起、浮き出した形状、及び孔を含む。その上、表面形状は、コンベヤベルトの幅及び長さにわたって均一又は不均一に分配できる。あるいは、コンベヤベルト100は、平坦であっても良い。コンベヤベルト100が、孔又は他の類似した構成を有する用途において、織物125内に形成されたポケットの深さは、真空システム110の力、織物125の弾性、又はその組合せによって変えることができる。その上、織物が、コンベヤベルト100の表面に対して引っ張られる時、熱が、織物125の弾性を増加させるために使用され得る。熱は、加熱コンベヤベルト又は当技術分野で知られた他のいずれかの手段によって織物に加えられ得る。真空110は、コンベヤベルト100の表面にわたって均一に、又は選択された場所に加えられ得る。例えば、コンベヤベルト100の表面が、くぼみを有する形態において、真空は、くぼみのみに加えられ得る。
【0028】
SAP粒子135は、次にSAPディスペンサ130によって織物125に堆積される。SAPディスペンサ130は、SAP粒子を第1の織物上のその所望の位置に位置決めするように構成されても良いか、又はSAP粒子を第1の織物上に堆積させるようにのみ構成され、SAP粒子は、他の手段によって位置決めされても良い。当業者は、複数のSAPディスペンサ130が使用され得ることを理解する。SAP粒子135は、風又は他の既知の方法によって織物125上に堆積されるか、位置決めされるか、又は両方であっても良い。あるいは、図1に示すコンベヤベルトは、真空システム110が、上から吸引を加えるように逆にされても良い。かかる形態において、織物125は、SAP粒子135の供給の上を搬送され、且つSAP粒子は、真空システム110によって織物125の表面に保持される。代替的な実施形態において、SAPディスペンサ130は、イオン交換樹脂、脱臭剤、抗菌剤、バインダ粒子、又は他の有益な粒子のようなスキンケア粒子を含んでも良い。更に、好ましい実施形態は、SAP粒子を対象とするが、本明細書に開示された方法は、SAPを含まない組合せを含む、以上に参照された粒子のいずれの組合せによっても使用できる。あるいは、生産ライン(図示せず)に沿って有利に位置決めされた別個のディスペンサが、例えばスキンケア粒子のような異なるタイプの粒子を堆積させるために使用され得る。
【0029】
SAP粒子135は、多数の代替的な方法により織物125上に位置決めされ、且つ集められる。一実施形態において、真空システム110及び織物125は、真空システム110が、SAP粒子135を織物125の表面に対して均一に又は特定の領域で引っ張ることを可能にするように構成され得る。別の実施形態において、織物125の形状は、SAP粒子135を定位置に案内する。例えば、織物125が、ポケットを形成するように形作られる時、SAP粒子135は、真空システム110、コンベヤベルトの振動、風、コンベヤベルトの角度、又はその組合せの結果としてポケットに転がり込む。あるいは、SAPディスペンサ130は、SAP粒子135を織物125の表面にわたって戦略的に与えるように位置決め及び制御されても良く、その戦略的位置決めは、機械方向との位置合わせ又は非位置合わせ、オフセット又は無作為を含むが、それらに限定されない。更に、SAPは、SAP粒子がないゾーンがあるように位置決めできる。なおも更には、SAP粒子は、接着剤を表面上の特定の場所に塗布すること、SAP粒子を表面上に堆積させることのように、接着剤を使用して、位置決めされ得る。なおも更には、SAP粒子は、両方の織物125及び155上に位置決めされ得る。
【0030】
一旦SAP粒子が、織物125上に堆積及び位置決めされると、第2の織物155が、ロール150から生産ラインに導入される。第2の織物155は、スパンボンド熱可塑性又は類似した織布若しくは不織布材料、フィルム、又はその組合せを含む種々の材料から選択され得る。
接着剤145は、SAP粒子135に多数の方法で塗布される。図1は、織物155に塗布された接着剤145を示す。あるいは、接着剤145は、織物125及びSAP粒子135に、SAP粒子135が織物125上に堆積される前に織物125に、又はSAP粒子が織物125に堆積される前にSAP粒子に直接、塗布され得る。なおも別の実施形態において、接着剤145は、織物125及び155が一緒に接合される点に塗布される。なおも別の実施形態において、接着剤の複数のコートが塗布される。例えば、接着剤145は、SAP粒子135が堆積される前に織物125に、SAP粒子が位置決めされた後にSAP粒子135に、織物155に、又はその組合せに塗布されても良い。あるいは、又は上記実施形態に加えて、バインダ粒子は、SAP粒子135と混合され得る。その上、接着剤は、完成複合材の所望の吸収特性に応じて、均一に、無作為に、又は特定のパターンで塗布できる。
【0031】
接着剤は、当業者に知られている多数の方法により塗布される。例えば、接着剤は、織物155の表面に吹き付け、圧延、又は紡ぎ出されても良い。接着剤は、疎水性、親水性、生分解性、生物由来、又はその組合せであっても良い。好ましい接着剤は、疎水性である。コート中の接着剤の濃度は、1平方メートル当たり1~100グラム(「GSM」)の幅がある。最適には、濃度は、5~75GSMである。好ましい実施形態において、濃度は、12~50GSMである。その上、標的領域の少なくとも25%を覆うために、十分な接着剤が塗布されるべきである。
織物125及び155は、次に一緒に結合される。図1は、カレンダロール160及び170が使用される熱結合システムを示す。しかし、他の結合システム/方法が使用され得る。例えば、図4及び図5の超音波結合システムが、使用され得る。接着剤145は、結合工程中、且つ結合工程の後で、織物に対して比較的固定された位置にSAP粒子135を保持する。結合パターンは、SAP粒子135の分布と位置合わせされ得る。あるいは、結合パターンは、SAP粒子135の分布と位置合わせされなくても良い。かかる実施形態において、結合装置は、結合又はSAP粒子135を介した結合前に、SAP粒子135を動かすように構成されても良い。これらの実施形態は、結合点をSAP粒子の分布と同期化する必要性を取り除く。
【0032】
織物155及び125は、2つの材料として示される。しかし、当業者は、織物が、実際には同じ材料の一部であっても良いことを理解する。かかる形態において、単一の織物が、SAP粒子を覆うために折り畳まれる。あるいは、織物125の縁部は、第2の織物155を当てる前に折り畳まれても良い。織物125及び155が分離している実施形態において、織物125及び155は、同じ又は異なる材料であっても良い。その上、織物155は、織物125の中心部分のような特定の領域を覆うように寸法が決められる。
一旦、織物が、一緒に結合されると、吸収性複合材195は、巻き返し機200に収集される。
【0033】
図2に例示した方法において、織物125は、コンベヤベルト100に沿って輸送される。織物125は、コンベヤベルト100に沿って輸送され、接着剤145の薄いコートは、織物125に塗布される。図1の方法と同じように、接着剤は、完成複合材の所望の吸収特性に応じて、均一に、無作為に、又は特定のパターンで塗布できる。接着剤145は、SAP粒子135が堆積される前に塗布されて示されるが、代替的な実施形態が、想定される。例えば、接着剤は、図1に関して記載された実施形態により塗布できる。
接着剤の塗布に続き、SAP粒子135は、織物125上に堆積され、且つ位置決めされる。SAP粒子135は、図2に示すように織物125に直接的に、又は織物125にわたってSAP粒子を吹き飛ばす風のように間接的に堆積させても良い。SAP粒子の重量は、織物125をコンベヤベルト100に固着することに役立つ。その上、SAP粒子は、図1に関して開示されたのと同様に位置決めされても良い。
【0034】
第2の織物155は、次にロール150から生産ラインに供給される。第2の織物は、SAP粒子135を覆うように位置決めされる。接着剤145は、SAP粒子が、2つの織物間を自由に動くことを妨げる。結果として生じた挟まれた構成は、次に熱結合のためにカレンダロールに輸送される。図1に関して記載されたように、結合パターンは、SAP粒子135と位置合わせされる、又は位置合わせされなくても良い。吸収性複合材195は、次に巻き返し機200によって収集される。図1に関して記載されたように、織物125及び155は、単一シートの一部であっても良い。その上、織物は、図1に関して記載された方法で折り畳まれても良い。別の実施形態において、織物125は、接着剤によって被覆され、且つSAP粒子の供給に対して押圧されても良い。
【0035】
図3は、オーブン又はマイクロ波発生器のようなエネルギー源900が、組立ラインに沿って位置決めされることを除き、図1及び図2に類似する。エネルギー源は、熱可塑性バインダを溶融するために使用できる熱及び/又は放射線910を加える。熱量は、特定タイプの粒子又は繊維、特定部分の織物、又は粒子/バインダの外層のみを溶融するために、同様に調節できる。
図4及び図5は、織物が、超音波結合を使用して、一緒に結合されることを除き、図1及び図2に類似する。図4及び図5は、超音波結合システム(210a及び210b)を示す。図1図5は、新規方法の異なる実施形態を示し、且つ種々の方法の形態が、必要に応じて有利に組み合わされ得ることが、容易に理解される。しかし、SAP粒子135に塗布される接着剤145、バインダ粒子、又はその組合せの量、及び結合の強さが、全ての組合せに重要である。図1に関して注目されたように、接着剤の最適な濃度は、12~50GSMであるが、他の濃度が、許容できる。全ての実施形態において、接着剤145の濃度が、SAP粒子135の移動を阻害するために十分高いことが重要である。しかし、濃度は、それがSAP粒子135を被覆し、且つSAP膨潤を減少させるほど高くすべきでない。接着剤は、均一の吸収性を確保するために十分なSAP粒子135の移動を阻害すべきであるだけである。図示しないが、当業者は、図3に示したエネルギー源900も図2図4及び図5に示す形態に適用できることを理解する。
【0036】
図6(a)から(q)は、方法によって検討された種々の結合パターンを示す。結合パターンは、領域を完全に囲むか、領域を部分的に囲むか、又は局所的結合ゾーンを提供しても良い。線及び点は、結合部位を示す。実線は、結合線を描く。結合線は、SAP粒子135のポケットを完全に囲む連続した結合線を描く、例(a)及び(c)に見出され得るような開放形状又は囲まれた形状、又は例(g)のように吸収性複合材の分離した異なる領域を形成できる。例(b)及び(m)に見出され得るような破線は、SAP粒子135のポケットを完全に囲まない不連続結合パターン(patters)である。これらの形態において、乾燥SAP粒子の移動は、接着剤及び連続した又は不連続の結合パターンによって阻害される。不連続結合パターン(Discontinuous pond patters)は、連続結合パターンの代わりにされても良く、且つ逆もまた同様である。更に、図6は、連続した又は不連続の結合パターンを示すが、不連続及び連続した結合パターンの組合せが、使用され得る。
【0037】
図7は、吸収性複合材195の部分断面図を示す。図7は、SAP粒子135のポケットを分離するために、結合192が、いかに働き得るかを示す。結合パターンに関して注目したように、SAP粒子135は、結合パターンによって画定されるポケットに全体的に囲まれ得るか、結合パターンによって画定されるポケットに部分的に囲まれ得るか、又は結合パターンによって単に阻害され得る。この文脈における阻害されるは、SAP粒子135が、芯の一方の領域から他方の領域へ直接動けないが、代わりに結合部位の周りで動かねばならないことを意味する。
とりわけ、複数の機能又は有利な特性が、SAP粒子の量、使用される織物のタイプ及び数、並びにSAPの接着剤に対する比のような構成変数を変化させること、及び物品内の種々の場所で吸収性複合材を適用することによって、吸収性複合材内で得られる。かかる製造及び設計技術は、本開示の構造設計及び方法に組み込まれ得る。
【0038】
その上、当業者は、上記の単一の吸収性複合材を構成する工程が、複数の積層吸収性複合材を製造するために修正され得ることを理解する。複数の層を含む構造において、層は、単一の構造、又は単一の構造を形成する織物及びSAP粒子135の交互に重なった層を形成するために一緒に積層される吸収性複合材195のシートであっても良い。当業者は、交互に重なった層が、織物155の頂部に接着剤を塗布し(図1)、SAP粒子135の第2の層、及び第3の織物(図示せず)を当てることによって達成できることを理解する。同様に、追加の層を加えても良く、結合工程に適した最大の厚さによってのみ限定される。
【0039】
SAP粒子135は、混和性の疎水性材料によって被覆され得る。コーティングは、液体取り込みを最初に遅くするバリア又は膜の役目を果たし、それにより追加の又は二次的な排出のためのSAP容量を節約する。この点に関して、コーティングは、排出間の吸収速度を均等にする。図1図5に示される工程において、コーティングは、接着剤145が塗布される前か、接着剤145が塗布された後か、又は同時に塗布され得る。あるいは、接着剤は、コーティング材料と混合され得る。
一例において、鉱油の軽いコーティングが、SAP粒子135上に塗布される。コーティングは、SAP粒子による初期取り込みを遅延させ、且つ液体が、物品内で広がるための更なる時間を許す。好ましくは、鉱油は、(特定の製品設計に応じて)SAP1グラム当たり約0.00001グラムからSAP1グラム当たり約0.1グラムの濃度で塗布される。あるいは、鉱油は、特定の標的ゾーンに塗布され得る。このようにして、受けた液体は、被覆された領域が活性化され、且つ膨潤し始める前に、被覆されない領域に最初に広げられることが推奨される。
【0040】
上記工程によって製造された吸収性複合材は、使い捨ての吸収性物品、又は使い捨ての吸収性物品の1つ以上の構成要素に使用され得る。吸収性物品の構成要素は、背面シートと、上部シートと、吸収性の芯と、閉じ込め壁又はカフ(レッグギャザーを含む)と、背面シート/吸収性の芯複合材と、上部シート/吸収性複合材と、その組合せとを含む。かかる構成は、下記で更に詳細に記載される。
図8は、おむつ10の形の使い捨ての吸収性物品の斜視図である。おむつ10は、上部シート50と、背面シート60と、吸収性の芯(図示せず)とを含む。おむつは、おむつに沿って長手方向に延在し、且つ着用者の臀部と合うように伸縮性を与えられる直立バリアカフ34とを更に含む。その上、おむつは、弾性バンド52と、締め付け要素26とを含む。要素26は、使用時に、おむつを着用者の周りに固着するために、おむつの対応する反対端部に延在し、且つ係合させる。
【0041】
図9は、全体に平坦且つ折り畳まれない形態での図8のおむつ10の複合ウェブ構造を例示する。以下で更に説明するように、ウェブ構造は、使い捨てのおむつ10を完成した又は最終の形に形成するために、その後にトリミング、折り畳み、密封、溶接及び/又は他の方法で操作されても良い。おむつ10の記載を容易にするために、記載は、長手方向に延在する軸AA、横方向に延在する中心軸BB、一対の長手方向に延在する側方縁部90、及び側方縁部90の間で延在する一対の端縁部92を参照する。長手方向軸AAに沿って、おむつ10は、第1の端部領域又は正面ウエスト領域12と、第2の端部領域又は背面ウエスト領域14と、その間に配置されたクロッチ領域16とを含む。正面及び背面ウエスト領域12、14の各々は、中心本体部20の両側に位置し、且つ側方縁部90から横方向に延在する一対の耳領域又は耳18を特徴とする。締め付け構造26(例えば、従来のテープファスナ)は、おむつ10の背面ウエスト領域14に沿って各耳18に張り付けられる。
おむつ10が、ウエストの周りに着用される時、正面ウエスト領域12は、着用者の正面ウエスト領域に隣接して取り付けられ、背面ウエスト領域14は、背面ウエスト領域に隣接して取り付けられ、且つクロッチ領域16は、クロッチ領域の周り且つ下部に適合する。おむつ10を着用者に適切に固着するために、背面ウエスト領域14の耳18は、着用者のウエストの周りに、且つ正面に向かって、正面ウエスト領域12の耳18と位置合わせして運ばれる。固着面は、正面ウエスト領域12の内面又は外面に位置するか、又はそれによって提供されても良い。あるいは、ファスナ26は、正面ウエスト領域12の耳18に位置し、且つ背面ウエスト領域14の耳18に固着可能にされても良い。
【0042】
図10は、図8及び図9のおむつの分解組立図である。適切なおむつ構造は、少なくとも3層を概して用いる。これら3層は、背面シート60と、吸収性の芯46と、上部シート50とを含む。おむつ構造は、上部シート50から上方に配置され、且つ好ましくは1つ以上の離間した長手方向弾性部材38を少なくとも備えた、一対の閉じ込め壁又はレッグカフ34を含んでも、含まなくても良い。これらおむつ要素のいずれか、又はこれら要素の組合せが、吸収性複合材195により、又はそれを使用して、構成され得ることが以下に示される。その上、捕捉層48が、性能を改良するために加えられ得る。
【0043】
背面シート
上述のように、おむつ10は、芯46を覆い、且つ好ましくは芯46を越えておむつ10の側方縁部90及び端縁部92に向かって延在する背面シート60を用いる。本発明の一形態において、背面シート60は、吸収性複合材195の単層材料シートから構成される。かかる形態において、織物125は、背面シート60の外面として位置決めされる。
その上、代替的な構造が、ゲルブロッキングのために使用できる。ゲルブロッキングを使用する用途に関して、本発明の使い捨ての吸収性物品の背面シートは、比較的薄く、且つ改良された柔軟性を提供する。乾燥時に、背面シートは、軟質で、且つ通気性を有するが、湿ると、薄いゲルブロックされた層が、(即ち、背面シートの内面に)形成され、背面シートを実質的に液体不透過性にする。ゲルブロックされた層は、SAP粒子135の膨潤によって形成される。
【0044】
上部シート
同様に、吸収性複合材195は、吸収性衣類の上部シートによって、又は上部シートとして利用できる。上部シート50は、好ましくは軟質で、柔軟に適合し、良好な裏抜け、及び液体透過性材料で再び湿る傾向の減少を示す。おむつ10が着用される時、上部シート50は、着用者の皮膚に近接して置かれる。このようにして、かかる上部シート50は、身体的排出物が、芯46に向かって更に速く流れるが、かかる排出物が上部シート50を通して逆流することを可能にしないように、そこに迅速に浸透することを可能にする。上部シート50は、広範囲の液体及び蒸気透過性の親水性材料のいずれからも構成できる。上部シートの表面は、芯及び芯の内面の上に置かれた上部シートの特に中心ゾーン又は領域で、液体がそこを通って移動することを容易にするように、界面活性剤によって処理され得る。上部シートは、発疹防止又は発疹減少特性を有する物質(例えば、アロエベラ)によって同様に被覆されても良い。
【0045】
一例において、上部シート50は、正面ウエスト領域12、背面ウエスト領域14、及びクロッチ領域16の実質的に全部を含む、使い捨ての吸収性物品10の実質的に全体領域を覆う吸収性複合材195から形成される。更に、内部領域18の耳層は、同じ単一の上部シート材料から形成され、したがって、上部シート材料の横方向延在部の形成において、上部シート50と単一であると称され得る。あるいは、上部シート50は、上部シート50の幅によって変わる複数の異なる材料から形成され得る。かかる複数部品設計は、上部シートの好ましい特性及び異なるゾーンの作成を可能にする。
【0046】
吸収性の芯
上記例に加え、又はその代替案として、使い捨ての吸収性物品の吸収性の芯が、吸収性複合材195、吸収性複合材195の積層(図示せず)、又はSAP粒子135及び織物の複数層から構成され得る。図11及び図12は、それぞれ多層吸収性複合材700及び900を形成するSAP粒子135及び織物の交互に重なった層の断面図を示す。これらの図に示すように、芯46は、SAP粒子135の異なる層(710及び910)からなっても良い。層は、対象とする用途に応じて均一又は不均一であっても良い。不均一な多層吸収性複合材900において、SAP粒子135の濃度は、所与の層内で、層間で、又はその組合せで異なっても良い。
図11は、完成した複合構造700を形成するために、SAP粒子層710及び織物層720が、交互に重ねられる複合構造700を示す。層状設計は、製造工程中に吸収性複合材のシートを一緒に結合し、吸収性複合材の単一シートを折り畳み、又は吸収性複合材を複数の層によって構成することによっても構成できる。折り畳まれた用途において、複合材折り畳みは、C字折り、Z字折り、V字折り、W字折り、又はその組合せであっても良い。更に、折り畳みは、開放、閉鎖又は重複であっても良い。
図12は、多層吸収性複合材900を示す。図12に示すように、SAP粒子910の高濃度領域は、吸収性物品のクロッチのような特定の領域に追加の吸収性を提供するために、戦略的に位置決めされ得る。当業者は、高濃度領域が、液体透過の量及び方向を制御するためにオフセットされても良いことを理解する。その上、高濃度のゾーンを有する層は、実質的に均一な層と組み合わされても良い。あるいは、高いSAP濃度領域は、吸収性の芯の複数層を位置決めすることによって形成できる。
【0047】
芯は、使い捨ての吸収性物品の全長及び/又は全幅を実質的に延在するように構成され得る。しかしながら好ましくは、芯は、物品のクロッチ領域に配置されるか、又は他の方法で集められる。種々の実施形態において、芯は、物品の縁部に延在し、且つSAP粒子135は、物品のクロッチ領域又は他の標的ゾーンに集められる。なおも別の実施形態において、粒子は、SAP粒子、イオン交換樹脂、脱臭剤、抗菌剤、バインダ粒子、又は他の有益な粒子のようなスキンケア粒子の組合せであり得る。
【0048】
閉じ込め壁
ここで図13及び図14を見ると、使い捨ての吸収性物品10は、吸収性複合材195を用いる一対の閉じ込め壁又はカフ34を利用する。各閉じ込め壁34は、好ましくは芯46の各側に位置決めされ、且つ長手方向中心から横方向に離間し、長手方向に延在する壁構造である。壁34の長手方向端部は、正面又は背面ウエスト領域12及び14内で例えば上部シート50に取り付けられても良い。好ましくは、閉じ込め壁34の端部は、内部に留められ、且つ例えば接着剤によってウェブ構造に取り付けられる。かかる構成は、閉じ込め壁34を内側に効果的に偏らせ、且つ一般に閉じ込め壁34に改良された漏出防止特性を示させると考えられる。
【0049】
図13は、おむつ10の断面図を提供する。おむつ10は、背面シート60と、吸収性の芯46と、獲得層48と、上部シート50とを含む。図13に示すように、芯は、吸収性複合材195である。おむつ10は、上部シート50を折り畳み、且つそれを吸収性複合材195の端部の周りに巻き付けることによって形成される、一対の閉じ込め壁又はレッグカフ34も含む。あるいは、カフ34内の吸収性複合材195は、吸収性の芯46と異なっていても良い。
好ましくは、閉じ込め壁34は、閉じ込め壁34の実質的な長さに沿って延在する弾性部材38を備える。共通の用途において、弾性部材38は、延伸した状態で、且つ少なくともその端部が閉じ込め壁に接着される間、閉じ込め壁34内に、好ましくは閉じ込め壁34の頂部に置かれる。弾性部材38は、解放されるか、又は他の方法で弛緩が許される時に、内部に引っ込められる。物品10が着用される時、弾性部材38は、物品10、臀部及び大腿部の間を密封するように、閉じ込め壁34を使用者の臀部及び大腿部の周りで収縮させる働きをする。芯46は、上記のように吸収性複合材195の単一シート、又は多層であっても良い。
図13は、軟質且つ乾燥した時の閉じ込め壁34の形態を示す。他方で図14は、吸収性複合材195が膨潤し、閉じ込め壁34を弾性的に直立した位置に配置する、湿った後の閉じ込め壁を示す。先行技術における伝統的なレッグカフと異なり、弾性的に直立した閉じ込め壁34は、平坦化に抵抗し(例えば、着用者が座る時)、且つそれにより特に爆発的な液化した排便、及び尿の急速な排出の漏出防止を確実にする。
【0050】
任意の層
使い捨ての吸収性物品は、好ましくは上部シート及び芯の間に位置する(例えば、図10)捕捉層又はサージ層48を含む追加の層を用いても良い。かかる捕捉層の1つの機能は、液体が芯表面に更に均一に分配されるように、液体の流れを広げる、又は分散させることである。このことは、液体が芯によって吸収されるための適当な時間を有するように、流れの速度を落とす働きをする。捕捉層は、芯の実質的な残りの部分がいかなる液体も吸収しない間に、芯が局所的に飽和することを妨げる働きもする。
【0051】
テープタブ
使い捨ての吸収性物品は、着用者に固着されねばならない。おむつは、トレーニングパンツ又は失禁用ブリーフのように着用者によって引き上げられず、着用者の周りに締め付けられるので、このことは、おむつに関して最も重要である。固着要素は、着用者及びウエストバンド及びレッグカフの間に準シールをもたらすことによって弾性部材を補足し、その結果、液体が物品内に含まれ、次に吸収される、換言すると、その結果、着用者及び物品の縁部の間の間隙を通って漏出しない。固着要素は、接着剤、機械的ファスナフック及びループファスナ、又は想像では紐、即ち、物品の一端を長手方向反対端に固着するいかなるものであっても良い。固着要素は、互いに接着するが、他の材料に接着しないような共接着剤(co-adhesive)であっても良い。
【0052】
図に示す例において(例えば図10を参照)、物品10は、背面シート60に永続的に張り付けられた(例えば直接縫い付けられた)テープファスナ26によって着用者に張り付けられる。テープファスナ26は、背面シートから延在する横方向に反対の耳22と接触し、そこでファスナ26に塗布された接着化合物のために張り付けられた状態に留まる。あるいは、物品10は、トレーニングパンツ、プルオン式おむつ等であっても良い。この形態において、物品10は、テープファスナ26を有しても、又は有さなくても良い。
【0053】
ウエストバンド
弾性部材52を用いるウエストバンドは、着用された時に、ウエストバンドが着用者のウエストに沿って位置決めされるように、物品10の横部に沿って位置決めされる。一般に、ウエストバンドは、好ましくは液体廃棄物がウエスト弾性材料及び着用者のウエストの間の領域から漏出しないように、ウエストに対する準シール(横弾性部材52)を作り出す。液体は、充填材料によって最終的に吸収され得るが、着用者による液体の攻撃が、充填材料の吸収速度容量を圧倒し得るので、準シールは、有意義である。したがって、ウエストバンドは、液体が吸収される間、液体を含む。第二に、ウエストバンドは、液体を吸収する容量を有し得る(例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,601,544号を参照)。
けばのない吸収性複合材のための凝集体(及びエンボス加工)パターン及び材料の選択
【0054】
図15A図15Dの簡略化された説明図は、本開示による吸収性粒子の凝集体512の特に有利な配列を有する吸収性複合材510を表す(同様の参照番号は、同様の要素を示すために使用される)。最初に図15Aを参照すると、吸収性複合材510上の凝集体の各々は、パターン中で菱形の囲い514によって表される。好ましい実施形態において、SAPは、凝集体中で吸収性粒子として用いられる。更に、図15A図15Dの各々におけるSAP凝集体は、好ましくは、全体にSAP凝集体の上に配置された第1の織物の、全体にSAP凝集体の下に配置された第2の織物との係合によって提供される、容器又は物理的取り込みによって、定位置に維持され、且つ安定化される。したがって、図15Aの代替的な図において、菱形ユニットは、容器又はポケットの輪郭を示し、本明細書で以前記載したように、特定の実施形態において、上部織物の下部織物との係合を反映する。
【0055】
以前記載したように、SAPの吸収性能は、容器の寸法及び構造によって影響を及ぼされ得る。SAPは、更に飽和するので、その透過性は減少する。水分は、SAP粒子内にすでに含まれる高レベルの水分のために、SAP粒子を通過できず、且つ最終的にSAPは、更なる流体がそこを通過することを完全に停止できる。このことは、ゲルブロッキングとして知られる。同様に、SAPは更に飽和すると、膨潤し、且つその体積が増加する。一定容積の小さい容器内にSAPを閉じ込めることによって、SAPの膨潤を制限し、且つその最高飽和レベルに達することを妨げる(したがって、SAPがその最低レベルの透過性に達することを止める)ことが可能である。SAP粒子が制限される程度は、容器の性質及び寸法、(例えば側壁に沿った)容器内の破損の寸法及び頻度、容器内に配置されたSAPの量、及びSAPによって吸収された流体の量を含む、多数の因子よって決まる。更に、SAPの性能特性は、その飽和度によって影響を及ぼされる。具体的には、透過性、吸収速度、(複合材中の空所から生じる)毛細管圧のような、吸収性複合材特性は、SAPが乾燥から完全飽和に変わるにつれ、著しく変化する。本開示の方法によれば、SAPの標的又は最適性能は、SAPの膨潤を物理的に制限し、且つSAPの最高飽和点を抑えるように、容器の寸法及び/又はSAP濃度を変化させることによって達成され得る。これらの物理的特徴を組み込むことにより、好ましい透過性レベル又は好ましい吸収特性が、吸収性の芯の標的領域において達成され得る。したがって、ポケットの寸法及びポケット内のSAP量の2つの変数を使うことによって、その容器又はポケットの最小透過性が、「設定」され得る。おむつのいくつかの領域におけるポケットは、ゲルブロッキングすることが妨げられても良く、且つ芯のその領域の透過性は、最適化され得る。ポケットの寸法勾配が、最大の流れ及び吸収性芯の利用を得るために同様に確立され得る。この勾配は、標的ゾーンからおむつの端部又は側面に向かって放射状である。
【0056】
容器又はポケットの種々の配置は、SAP及び芯の利用を同様に促進し、且つ流体が容器を迂回することを妨げる。理想的には、流体は、SAPが、SAPの特性によって、又はそれが拡張するポケットの容積によって設定される、最高飽和レベルに達するにつれ、容器から容器に漏出又は流れるべきである。出願人は、いくつかの以前に記載した複合材又はポケットの配置(図6を参照)において、流体が、ポケット間で漏出する傾向があり得ると考える。即ち、流体は、エンボス加工したラインによって形成される溝に沿って流れ、且つ芯に入れない。この傾向を緩和するために、容器の配置又はパターンは、好ましくは芯の中心から芯の側部マージンまでの(端縁部での)流体の流れの(エンボス加工したラインに沿って確立され得るような)短く、且つ直接的な経路を最小限に抑えるか、又は取り除くものである。例えば、菱形容器によって形成される斜線又は溝は、長く、且つ遠回りであるので、菱形として形作られる容器又はポケットは、正方形又は長方形に形成されたものよりも好まれる。縁部に急速に流れる溝を有さないように包装されるならば、円も効果的である。更に好ましい配置において、流体の流れは、おむつの側面を通って流れる前に1回以上方向を変更することを強いられる。
【0057】
乳幼児用おむつ又は成人用失禁製品の吸収性の芯は、芯の解剖学的に位置合わせされた領域において流体を速く吸収し、製品の側面又は端部での漏出なしに全ての流体を吸収し、且つ特に使用者の体重によって引き起こされる圧力下にある時に使用者の皮膚を濡らさずに、その流体を保持し続ける必要がある。本開示は、SAPを保持する容器の寸法、並びに容器の配置によって規定される様々な性能パラメータを有する芯の領域を提供することによってそれを達成する。したがって、芯は、ポケットの寸法及び/又はそのポケット内のSAPの濃度を変更することによって最適化された性能特性に達するように設計され得る。
【0058】
本明細書に示すいくつかの配置において、設計特徴は、漏出する可能性が低く、湿りを速く吸収し、且つ使用者にとって乾燥し、快適な感触を提供する芯を提供するために組み合わされる。芯のクロッチ領域で、容器の寸法及びSAPの装填が、高い透過性を有する開放構造を提供するために、最適化され、流体の速い捕捉又は侵襲点(point of insult)及び使用者の皮膚から離れた分配をもたらす。透過性は、SAPが、更なる膨潤を制限する容器の物理的な制約のために膨潤した時にも維持される。このことは、液体が、標的ゾーン(クロッチ領域)から更に離れた領域に向けて更に効率的に広がることを可能にし、且つ吸収性の芯のより良好な性能及び利用に貢献する。芯の周縁に近接し、且つ越える領域のような、クロッチ領域から離れた領域で、透過性は、流体の速度を落とすために減少する。吸収容量は、大きなポケットによって増加し、SAPが、更に十分に膨潤すること、及び更なる流体を保持し続けることを可能にする。
図15Aで、吸収性粒子凝集体522の大きな菱形の容器又はポケット514が、侵襲点と解剖学的に位置合わせされた領域に存在する。容器は、次に芯510の側面、並びに前及び後のマージン又は縁部に向かって寸法を徐々に減少させる。容器の3つの異なる領域がある。クロッチ領域「A」において、大きな菱形ポケットが、提供される。クロッチ領域(A)のそれよりも小さい寸法のポケットの中間領域「B」が、クロッチ領域に隣接し、且つ取り囲む。とりわけ、この中間領域(B)の小さいポケットは、SAP凝集体の周りの、エンボス加工ラインに沿った潜在的な流体の流れの中断を提供する。以前記載したように、側部マージンを通る流体の流れの直接的な流出に対するかかるバリアの提供は、漏出を防止し、且つSAP凝集体の利用を促進する。最後に、ポケットの第3の領域「C」が、SAP凝集体のなおも小さい寸法のポケットによって装着される芯510の各端縁部の近くに存在する。
【0059】
図15Bは、SAP凝集体522及びポケット514の第2の代表的な配置を例示する。この例において、小さい菱形ポケット522が、流体侵襲点と解剖学的に位置合わせされた領域に配置される。ポケットは、次に芯の側面並びに前及び後縁部に向かって配置された領域において寸法を徐々に増加させる。(図15A及び図15Bの)2つの配置は、予期される流れ勾配、及び液体侵襲の取扱いを組織化する代替的な方法を提供する。図15Aの吸収性複合材及びポケットの配置は、最初に大きい容量を有するが、時間の経過に伴い、その空の容積内に、又はその後の液体侵襲から小さい隣接したポケット又はセルに液体を再分配する中心領域を提供し得る。図15Bのパターンにより、中心領域は、小さい容量を最初に備えてもよく、それにより液体が大きなセルまで動く。それは、おむつの側面及び端部からの漏出を防止する表面トポグラフィも発生させ得る、即ち、表面の流れを遮断し、且つ吸収する「ダム」が作り出される。
【0060】
図15C及び図15Dは、SAP凝集体用の円形ポケットが用いられる代替的な配置を提供する。図15Cで、大きな円形ポケットが、侵襲点と解剖学的に位置合わせされた領域に存在する。ポケット534は、芯530の側面、並びに前及び後縁部に向かって寸法を徐々に減少させる。パターンは、図15Aで用いられたものと類似するが、菱形よりもむしろ円形ポケットを有する。図15Aにおける配置の多くの特性は、図15Cの設計に形を変える。
【0061】
しかしながら、菱形ポケットと異なり、円形ポケットによって完全に密集したパターンを生成することは、可能でなく、且つ円形ポケット間の結果として生じた空間は、多数の方法で配置され得る。円形ポケット間の空間が、完全にエンボス加工できる(即ち、ポケット間に大きなエンボス加工された、熱加工領域を有する)か、部分的にエンボス加工できるか、又はエンボス加工できないことが予見される。空間は、同様にSAPを含んでも良いか、又はSAPがなくても良い。
【0062】
図15Dは、パターンが、図15Bに見出されるものと類似する、本発明の更なる実施形態を例示する。この例において、小さい円形ポケット544が、流体侵襲点と解剖学的に位置合わせされた領域に配置される。ポケット544は、芯の側面、並びに前及び後縁部に向かって配置される領域において寸法を徐々に増加させる。この場合も、ポケット544間の空間は、以上に記載されたように、多数の方法で利用できる。
配置及びエンボス加工されたパターンが、菱形ポケット又は円形ポケットの使用に限定されないことが注目されるべきである。他の形状が、検討される。いくつかの配置は、同じパターン内で異なるポケット形状でも利用できる。
次の表は、SAP濃度が、芯にわたって均一なままであると仮定して、異なるポケット寸法の特性を要約する。
【0063】
【表1】
【0064】
吸収性粒子の構成及び/又は安定化のシステム、方法及び構造
本開示による吸収性複合材を提供する更なる応用例において、以前の例で用いられた1つ以上の不織ウェブは、更に開放した構造と置き換えられる。かかる不織布の例は、カーディング加工されたPETウェブ、エアスルー結合不織布、樹脂結合不織布及び非吸収性エアレイド構造を含む。捕捉及び分配層(ADL)として知られる材料は、適切な材料の一覧に含まれる。結果として生じた構造は、吸収性粒子を含むための代替的な手段を、更に具体的には繊維網内であるが、繊維の吸収性マトリックスを使用せずに(即ち、パルプなしに)提供する。構造は、不織ウェブ層によって提供される繊維網内でのSAPの分配を促進する。更に開放したウェブへのSAP粒子のこの分配は、繊維網内での粒子の絡み合いを単に通して、不織布内でSAPを更に安定化させる機構をとりわけ提供する。
【0065】
図16Aは、以前記載した複合構造を例示する。複合材は、下層(NW1)及び上層(NW2)として不織布を用い、SAP材料の層(SAP)を中に挟む。図16Bは、嵩高い不織布(「嵩高い」NW1)が、ベース層として用いられる、代替的な構造を例示する。嵩高い不織布層NW1は、外部に延在し、且つSAPを絡ませる繊維を提供する。更に開放した材料における繊維とのかかる絡み合いは、吸収性複合材内でのSAPの安定化をもたらす。製造工程において、嵩高い不織布のシート又はウェブに適用されるSAP粒子は、更に開放した不織ウェブの繊維網への進入を促進するようにエネルギーを与えられても良い。SAP粒子は、ウェブに敷設されるので、粒子に対する重力の効果は、所望の進入を促進するために十分であり得る。真空又は振動のような技術は、開放した繊維網へのSAP粒子の進入を更に強化するために使用され得る。
【0066】
SAPの安定化は、処理、貯蔵及び使用中の材料の動きを妨げる。代表的な実施形態において、吸収性複合材又は芯は、以前記載したように、接着剤及びSAP凝集体の容器又はポケットの使用に加えて、SAPを安定化させるための(図16Bのような)「嵩高い不織」構造を用いても良い。
更に開放した不織材料が、追加の性能特徴を提供できることが、同様に注目されるべきである。これらには、流体の速い捕捉、及び使用者のための改良された乾燥度(再び湿ること)を含む。同様に、吸収性マトリックは、「平坦な」不織ウェブよりも柔らかく(海綿状に)感じられ、且つ更に柔軟な複合材を提供する。このことは、使用者に対して高い快適さ、及び使用者の体の輪郭の周りでの更に良好な取り付けをもたらし、漏出の可能性を低下させる。
【0067】
ここで図17A図17Bの説明図を参照すると、代表的な吸収性複合材は、好ましくは「嵩高い」不織布の上層を提供される。説明図は、図15Aの複合材の略断面図とみなされても良い。SAPを含むために使用される基材は、開放構造不織布なので、大きな細孔(~2000ミクロン)を特徴とする。エンボス加工は、嵩高い弾性繊維ウェブ基材の局所細孔構造を設定し、且つ安定化する。エンボス加工パターンが小さい(小さい容器を利用する)領域(図17A)は、大きい毛管孔隙を作り出す(17B)大きいエンボス加工パターンを有する領域(図17B)と比較して小さい細孔を作り出す(図17Aを参照)。換言すると、小さいパターンを特徴とする小さい繊維間距離は、高い密度及び高い毛管現象をもたらす。大きなパターンは、低い密度及び低い毛管現象をもたらす大きな繊維間距離を提供する。芯にわたるポケットのこの組合せの結果は、図17Cに例示するような、最適化されたウィッキング構造である。標的領域に位置する大きな細孔及び侵襲点から離れた小さい細孔により、流体の流れのための有効な導管が生じる。この導管は、重力に逆らって液体を更に効率的に運搬するために利用され得る。(図17Cの液体の動きの説明図を参照)。かかる有利な構造は、エンボス加工パターンの適切な選択によって不織布基材内で作り出すことができ、それ故に液体が、更に広がることを可能にし、芯の利用及び吸い込みを強化する。
【0068】
更なる実施形態において、図17C及び図17Dに関連して、三次元パターン又は輪郭は、SAP膨潤の結果として、使用(液体の取り込み)中に形成され得る。図17C及び図17Dに示すように、異なる寸法のポケットは、膨潤容量の差を提供し、それは次に膨潤差をもたらす。ある点において、ダムが、大きな膨潤を有するポケット(即ち、大きな枕)によって作り出されても良い。この構造的な結果は、側方及びウエストの漏出を減少させることに役立つ。大部分の場合において、制御されない液体(製品の表面に貯まる液体)は、漏出の生成に繋がる。SAP膨潤として発生した三次元トポグラフィは、エンボス加工パターンの寸法/頻度によって規定される。表面トポグラフィを自然発生できる吸収性の芯は、(側方漏出を防止するために)幅方向の表面の流れを阻害できるか、又はウエスト領域(芯の長手方向端部)での漏出を抑制できる。図15Aのポケットの構造及び配置は、これらの特性を吸収性の芯において達成するために、良く適している。
SAPを用いて吸収性複合材を製造する更なる代表的な方法及びシステム
プロファイリングと称される方法において、SAP投与速度は、プロファイルされた芯を生成するために変えられる。例えば、プロファイルされた芯の設計に関して米国特許出願第12/925,765号を参照。この文献は、参照により組み込まれ、且つ本開示の一部にされる。プロファイルされた芯構造は、必要とされる芯の領域で更に吸収性の材料を提供することによって、改良されたおむつの性能を提供する。プロファイルは、複数の吸収性複合材層を、但し異なる長さで(例えば、短い上部芯、全長の下部芯)積み重ねることによっても達成され得る。更に効率的な解決策は、SAPの適用中にSAP投与速度を変化させ、且つ芯が、おむつのラインに変換される時、高いSAP投与量領域をおむつのクロッチ領域と位置合わせすることであり得る。かかる方法は、積み重ねられた芯よりも少ない不織材料を利用するので、更に効率的であり得る。それはまた、費用効果が高い。
【0069】
一実施形態において、粉末ホットメルト接着剤が、追加の結合を提供するために、SAPと混合される。SAP及び接着剤混合物は、2つの不織ウェブの間に分配され、且つホットメルト接着剤は、複合材を加熱装置に通すことによって「活性化される」。適切な装置は、熱ローラ、赤外線ヒータ等を含む。接着剤は溶融し、且つSAP及び不織布を一緒に結合する。このことは、パターン化エンボス加工/超音波工程と組み合わせることもでき、以前記載したようにポケットパターンを生成する。概して、接着剤/SAPは、1質量部の接着剤に対して10~100部のSAPの比率で混合される(1~10質量%)。多すぎる接着剤は、SAPの吸収性能を限定し、他方で少なすぎる接着剤は、構造的完全性を犠牲にし得る。好ましくは、接着剤は、SAP粒子当たり約1~2個の接着剤粒子の割合で塗布される。正確な割合は、SAP及び接着剤の平均粒径及びSAP密度が、知られているならば、算定できる。
【0070】
ここまで記載された吸収性複合材は、オフライン及びオンライン製造工程の両方における製造に良く適している。オフライン工程において、芯製作機は、他のいずれの工程とも分かれるようになり、且つ花綱で飾った材料のロール、スプール、又は箱を製造し、それは次におむつ変換ラインに送出される。概して、但し必ずしもではないが、図6図7の製品に関連した機械は、以前に記載したように、吸収性複合材の幅広いシートを製造する。製品は次に、おむつ変換ラインで使用するための材料の多数のロールを製造するために細長く切られ、例えば幅1.5mの機械は、幅100mmで15ロールの材料を製造する。オフライン工程において、オフライン機は、概しておむつ変換ラインよりも遙かに遅い速度で作動する。オンライン工程において、芯製作機は、おむつ変換ラインの一部であり、且つ芯は、おむつ変換工程の一部にされる。芯製作機の出力速度は、おむつ変換ライン速度と一致させねばならず、且つ芯の幅は、製品内の芯の幅と一致させる。
【0071】
図18Aに記載したオフライン工程において、基材Aと、第2の基材Bと、2つの基材間に配置されたSAPコーティングとを有するSAPサンドイッチが、形成される。一実施形態において、SAPは、2つの基材を一緒に結合することによって固定化され、SAPを層間の離散した平坦な容積内に含む。次のSAP安定化方法の1つ又は組合せが、用いられ得る。第1の工程において、熱エンボス加工又は超音波結合が、基材層を規定されたパターンで溶解するために用いられる。第2の工程において、接着剤が、基材内面の一方又は両方に塗布される。2つの基材は、次に有利なエンボス加工パターンにより、一緒に戦略的に結合される。第三に、低融点接着粒子のような熱バインダは、SAP粒子と混合されても良い。外部加熱が、次に複合材に加えられ、接着剤を活性化又は溶融し、それにより粒子を基材に、且つ相互に結合する。ここで、液体吸込みの強化のために、更に開放したSAP層の構造を維持しながら、パターン化エンボス加工ステップが、積層品質を強化するために使用され得る。パターン化を望まないならば、(パターン化されない)平滑なカレンダロールが、カバー層をSAP層に結合し、サンドイッチ構造を製造するために同様に用いられ得る。
【0072】
オンライン工程において、芯形成工程は、おむつ変換工程と直接連結される。SAPサンドイッチ構造は、以上に論じた第1及び第2の工程と同様に、オフライン工程の3~4倍の速度で形成される。第3の方法は、SAPに混入される熱バインダを加熱及び活性化するために必要とされる短い滞留時間のために、速いオンライン工程に適さないことがある。オフライン工程は、幅広い材料を低速で製造するように設計される。材料出力は、次にいくつかのおむつラインに供給する狭い幅に切られる。対照的に、オンライン工程は、狭い(1-幅の(1-wide))材料を高速で製造し、且つ唯一のおむつ製作機用の芯材料を一度に供給するように設計される。
【0073】
したがって、上記の第3の方法によるオフライン法を使用する好ましい実施形態において、少量(10%以下)のホットメルト粒子が、SAPに混入される。この粒子混合は、基材A上に均一に堆積され、且つ次に、放射IR加熱を受け、接着粒子を溶融する。第2の基材Bは、次に材料が依然として熱い間に、頂部に置かれる。層は、パターン化ロール/平滑なアンビルエンボス加工システムによる熱エンボス加工を使用して、直接一緒に積層される。下記表2は、工程を要約し、且つ好ましい実施形態のいくつかのパラメータを提供する。
【0074】
【表2】
【0075】
スイスのSantex、Tobelによって製造されるコーティングラインは、SAP散乱技術、IR加熱及びウェブ取扱いを提供し得る。例えば、図18Bを参照。図18Bに示すように、散乱装置は、混合物を混合し、且つウェブ上に適用するために、ホッパと、標準回転針ロールとを利用する。SAP材料は、用途に対するその適合性によって選択されるが、一般に負荷の下で高い保持容量及び高い吸収性、例えば20~40g/gの遠心保持容量(CRC)、100g/gを超える圧力吸収性指数(PAI)を有するSAPが、好まれる。代表的なSAPは、日本触媒によって製造されるM-151である。適切なホットメルト接着剤は、Abifor Powder Technology、スイスから現在入手可能な低融点EVAポリマー、Abifor 1605、0~200ミクロン粒径級である。図18に詳細に示すように、容易に入手可能な散乱装置は、混合物を混合し、且つウェブ上に適用する際に針ロールを用いる。本実施形態に関して特定された結合パターンは、MD方向に配向された50mmの長軸の長さ、及び22mmの短軸の長さを有する細長い菱形である。例えば、図18Cを参照。
【0076】
図19は、上記で図18A図18Cに関して記載された方法及びシステムによって製造される吸収性複合材910を示す。好ましくは、複合材910は、嵩高い不織布である下部基材Aと、上層又は基材Bと、2つの層の間に位置し、且つ(上述のような)ホットメルト接着粒子HMがちりばめられた超吸収性粒子Sとを含む。更に好ましくは、上部基材Bは、容易に入手可能であり、且つ当技術分野で理解される組織材料によって提供される。上部基材Bは、代替案において、第2の嵩高い不織布層又はSMS又はスパンボンド(「嵩高くない」)不織布層によって提供されても良い。
上述のように、吸収性複合材910の積層体は、オンライン又はオフラインで製造され得る。積層体は、同様に上述のように、追加の又は異なるSAPの装填(即ち、プロファイルされた芯)を組み込むように修正できる。オフライン工程において複合材は、幅広いシートとして送出でき、細長く切られ、且つ個別の芯複合材部分に分割される。
【0077】
図20A及び図20Bは、吸収性の芯積層体812又は吸収性複合材810を組み込む(平らに置かれた)使い捨ての吸収性物品812の断面図である。添付図面を記載する際の便宜のために、使い捨ての吸収性物品の完全な吸収性の芯を提供するために延在される、完全な吸収性複合材は、吸収性の芯積層体と称してもよく、他方で吸収性複合材は、積層体の区分又は部分の構成要素を記載するために使用できる。請求項を含む他の箇所では、用語は、区別をせずに使用できる。吸収性の芯積層体812は、その中に含まれるSAP(超吸収性粒子(S))の凝集体816を有する複数の離間したポケット814を特徴とする。図20Cは、これらのポケット814の1つの詳細な断面立面図を提供する。図20Cは、好ましい吸収性複合材810の構成要素も示す。
【0078】
ここで図28を参照すると、本開示による吸収性の芯積層体812を吸収性の芯として組み込む、(平らな状態に置かれた)基本的使い捨ての吸収性物品862が、示される。吸収性の芯積層体860は、上部シート864によって完全に覆われるが、便宜上、上部シート864は、透明であるように示される。吸収性の芯積層体860は、側部マージン868によって幅広い背面シート866上に支持される。各側部マージン868は、吸収性の芯積層体860の両側に凹形状を示す切り欠きを備える。一般に知られているように、凹形切り欠きは、使用者の大腿部の周りでレッグホールと一致、又は対応する。
再び図20Cを参照すると、好ましい構成において、不織材料は、(吸収性物品製品の製造中に)複合材のベース又は下層818を提供する。製品の使用中、ベース層818は、吸込みを直接受ける際に吸収性複合材810の身体側に位置決めされることとは対照的に、身体から離れて位置決めされるとして記載され得る。更にこの実施形態において、ベース不織布層818は、その上に塗布される接着層822を有する。接着層822は、以下に記載するように、ベース不織布818の上に、且つ有利な開放パターンで、連続したビードとして好ましくは送出される。
【0079】
吸収性複合材は、接着層822の上に、且つ下部不織布818及び上部不織布層826の間に位置決めされたSAP層806も含む。この実施形態において、SAP層824は、いかなるバインダ材料又はマトリックスの形状もなしに、SAP粒子Sのみから構成される。それは、けばのない、又はパルプのないとしても記載され得る。上部不織布層826は、好ましくはSAP層806の上面で、又はその近くでいくつかのSAPを横方向に絡ませる、又はそれに向かって延在する繊維を有する嵩高い不織布材料によって提供される。上部不織布826は、エンボス加工によって、且つ更に好ましくは点結合によってベース不織布818に好ましくは結合される。結合点828は、ポケット814の周縁を画定し、且つ同様に、ポケット周縁で弾性の嵩高い不織布826を圧縮し、(図20Cに示すように)全体的な気泡又はドーム形断面を示す。図29の簡略化された説明図は、吸収性複合材810の、且つ特には複合材の構成要素の代替的な図を、ポケット814の周縁の周りでの圧縮及び点結合を示さずに提供する。
【0080】
この好ましい構成において、嵩高い不織布層826は、SAP層824と接触し、且つ覆い、それによりSAP粒子Sの運動を制限する。嵩高い不織布層826は、同様に有利には、製造及び製品取扱い中に上層として位置決めされ、それにより使用前であってもSAP粒子の運動又は移動を制限する。吸収性物品の使用中、嵩高い不織布826は、同様に有利には身体側に位置決めされ、SAP層へ、及びそれを越える吸込みを受け、且つ分配する。
この好ましい構成において、SAPは、以前記載したように、ポケット又は容器814内で各々が維持される、離散し、離間したSAPの凝集体又は塊816として組織される。2つの不織布層818、826は、結合部位で、又は更に具体的には離散し、離間した結合点828の配置で結合される。したがって、嵩高い不織布826は、SAP凝集体816上で何重にもなり、且つ断続的に固着され、且つSAP凝集体816を定位置に維持することに役立つ。嵩高い不織布の使用を通して吸収性複合材及び吸収性の芯積層体に対して与えられる独自の機能及び特性は、以下で更に記載される。
【0081】
図21の分解組立図は、好ましい実施形態による吸収性複合材810又は吸収性積層体812の種々の構成要素又は層、及びその相対的な位置を見せる。図22は、複合材の構成要素が一緒にされる順序を示すことによって複合材を製造する基本的工程又はステップを例示する追加の分解組立図を提供する。図1図5を含む、複合材を用いる吸収性複合材又は吸収性物品を製造する先行する記載、及びそれに関連した記載も参照すべきである。その中に記載された多くの工程ステップ及び工程構成要素は、図19図29の吸収性複合材の製造における使用に応用又は適応できる。
【0082】
好ましい方法の初期ステップにおいて、不織布818のウェブは、従来の方法で運搬され、次に接着剤アプリケータのそばに通される。吹き付け接着剤アプリケータは、好ましくは連続したビードを不織布818に開放接着パターンで(図22Aを参照)送出する。このようにして、接着剤のループ822aが、(均一層又はフィルムよりもむしろ)接着剤のない開放領域を特徴とする、又は規定する不織布材料818の表面に提供される。代表的な実施形態におけるループ822aは、以前記載したポケット814よりも小さく(即ち、幅又は直径)、直径は概して1mm~25mmの程度である。
図22Bは、接着層822、又はその上に予め適用される開放パターンを有するベース不織布層818からなる基材への本明細書に記載された、又は当技術分野で知られた方法によるSAP凝集体816の送出を例示する。具体的には、SAPは、気流を介して、且つ本明細書に以前記載されたような、又は当技術分野で知られた、従来の真空システム又は吸引機構の使用を通して送出される。不織布818のウェブに対して、且つその下に適用される吸引は、SAPを不織布818に向けて引き、且つ(図22Bに示すように)SAPの凝集体又は塊816の所望の事前配置に組織化する。真空システムは、不織布の下部をより良く係合し、且つSAP凝集体の標的幾何学的配列を画定するために、スクリーン又はメッシュ界面を用いても良い。したがって、界面は、SAP凝集体816の所望のポケットパターンと対応する吸引パターンを示す。真空システムは、好ましくはSAPをウェブの上の流れから、離散塊又は凝集体へ、吸引機構の上のウェブ上で直接引っ張る。側面及び端部に沿った領域を含むいくつかの領域は、SAPのない(並びに接着剤のない)ゾーンとして設計され、且つ意図的にSAPのない状態に残される。
【0083】
SAPは、最初にウェブにわたって分配されることとは対照的に、一般に所望の配置に直接分けられ、次に(代替的な実施形態でのように)ウェブ上に緊密な濃度を形成する前に、ウェブの周りで動かされる。SAPは、一般に標的の複数のSAP凝集体816を形成するために、ウェブ上で接着剤の上を動く必要がない。したがって、結果として生じたウェブは、その上に開放接着剤パターン822を有する不織布ベース層818及び離散し、離間したSAP凝集体816の配置又は層806から構成される。SAPの塊は、一般に接着剤上に置かれ、且つそれと接触するが、接着剤の開放パターンは、そのSAP凝集体の接触の下層よりも実質的に少なく占める。しかしながら、接着剤に接触するSAP粒子は、一般に固定化され得ることに注目すべきである。かかる固定化されたSAP粒子に隣接して位置決めされ、且つそれと接触する別のSAP粒子は、次にそのSAP粒子(及び/又は他の隣接したSAP粒子)によって(動きが)制限され、且つ少なくとも部分的に固定化され得る。かかる摩擦機構は、SAP粒子の水平運動を少なくとも部分的に妨げる。
【0084】
不織布SAPのウェブが、前方に、且つ真空システムから離れて動く時、接着パターン822は、SAP凝集体816の所望の配置及び位置を維持するために働く。その後のステップにおいて、第2の不織布826のウェブは、不織布SAP積層体に向かって運搬され、且つその上に当てられる。図22Cを参照。以上に論じたように、好ましい上部不織布826層は、嵩高い不織布である。おむつ又はトレーニングパンツのような吸収性物品を製造する工程におけるSAP凝集体816の更なる処理及び運動により、追加の不織布826は、追加のカバーを提供し、且つSAP凝集体816を所望のパターンに保持するように働く。完成製品に、且つ使用中に有利な機能を提供することに加えて、嵩高い不織布826は、図29に示すように、上層のSAP粒子Sを絡ませ、それにより(製品製造中、次に製造後の製品取扱い中に)SAP凝集体816の固定化を推進する。SAPの嵩高い不織布の繊維との絡み合いは、SAP凝集体816の頂部近くでのSAPの横及び垂直運動を制限し、且つその直接下でのSAPの動きを同様に妨げる。本明細書で注目されるようにSAP及び嵩高い不織布は、所望の絡み合い及び進入程度を考慮して規定及び選択される。
【0085】
次に、2つの不織布及びその間のSAP凝集体のウェブは、ウェブを係合し、且つ圧縮するカレンダロールに引き渡される。カレンダロールは、以前記載したように、ウェブ上のポケットパターンに対応するパターンを有する表面彫刻を備える。図23は、不連続点結合を使用する典型的な接合吸収性複合積層体826を描く。点は、エンボス加工後の嵩高い不織布826の圧痕を反映する。点は、ポケット814の結合点828でもある(図20A図20Cの断面図も参照)。2つの不織布をSAP凝集体816の周りで一緒に固着することは、SAP凝集体816及び結果として生じた吸収性積層体812の配置を維持する別の機構を提供する。本明細書でこれから論じられるように、結合部位の配置は、SAP凝集体816のポケット814を置き、且つ画定する幾何学的格子830を提供する。
【0086】
したがって、代表的な実施形態において、好ましいSAP積層体構成は、吸収性物品の製品製造及び製造後取扱い中に、SAP凝集体の所望の配置からSAP粒子の移動を阻害するために、いくつかの構造特徴を引き出す。最初に、接着剤は、ベース不織布層に提供され、且つSAP凝集体は、接着剤の上に置かれる。任意の接着層が送出される。しかしながら、いくつかの下層のSAP粒子とのみ接触するが、これらの接触されたSAP粒子を越えるSAP粒子の運動を阻害する閉ループの開放パターンにある。SAP凝集体の上に上部不織布層を適用することは、SAPの動きを更に制限するために、最小限塗布される接着剤を増加させる。有利には、ベース不織布に送出されるSAP層は、パルプがなく、且つマトリックス又はバインダがなく、複合材の吸収及び流体取扱い性を最適化する。それは同様に接着剤がないが、接着剤の下層に関してである。したがって、SAP層の多く、特にSAP層の中間部分は、SAPからなり、他の材料は、代替的な実施形態において、有効な特性を与えるために含まれても良い。SAPのみの構成要素の優勢は、以前論じたような、更に薄く、軟質で、柔軟なSAP構成をもたらす。同様に、(SAP粒子の移動を阻害する)定位置に適切に維持される、SAPのみの構成要素の大きな部分は、改良された吸収特性及び流体取扱い性を提供する。
【0087】
更なる強化として、好ましいSAP積層体構成は、図22の積層体構成と併せた離散又は断続的結合点の配置を利用する。図23を参照。断続的な又は離間した結合点を提供するエンボス加工パターンは、図20図22のSAP積層体構成の利用及び/又は吸収性積層体の頂部又は身体側層としての嵩高い不織布層の使用(又はその逆)との相乗効果を提供する。結合点の間に提供される間隙は、SAP積層体のSAPのみの中間部分から通過する流体の流れを含む、流体が、SAP凝集体の間を通過することを可能にする。嵩高い不織布及び/又は接着剤を提供することは、完全な又は連続した結合線の必要性を減少させる。同様に、嵩高い不織布及び/又は点結合の位置は、SAP安定化に必要とされる接着剤の量を減少させる。
【0088】
更に、長い結合点又は結合の実線よりもむしろエンボス加工点を使用することによる嵩高い不織布層の減少した構成は、弾性的な嵩高い織布が拡張し、且つ有利には流体吸込みを受け且つ分配することを可能にする。エンボス加工によって加えられる圧力は、図20Cに示す結合点で嵩高い不織布を圧縮するが、弾性の嵩高い不織布は、結合点から跳ね上がる。図30も参照。このことは、流体取扱い機能が十分に可能な、更に開放した構造をもたらす。更に、SAPのみの構成要素は、流体吸込みを受け、且つ吸収するように働き、且つ必要に応じて流体吸込みを、結合間の間隙を介して隣接したSAPポケットに通過させる。ある点において、比較的開放した嵩高い不織布層の上面から、嵩高い不織布層を通り、且つSAPのみの本体に、且つSAPのみの本体中間層から、結合点間の間隙を通って横向きに、他方の好ましくは実質的にSAPのみの凝集体に進む流体チャネルがある。
【0089】
図24の平面図は、離散結合点828によって相互に固着された、結合した吸収性の芯積層体812を示す。図24は、この代表的な実施形態によるSAPポケット814の好ましいパターンを示す。横幅の寸法及び長手方向長さの寸法を有する積層体812は、細長い。この段階の積層体812の形状は、全体に長方形である。エンボス加工は、上述のようにポケット間の流体の流れを強化するために、好ましくは断続的な結合パターンを用いる。選択されたポケットパターンは、菱形ポケット814を製造するために、菱形エンボス加工を使用する。菱形ポケット及び対応する格子の使用の利点は、その直線の交差する線によって、エンボス加工ロール上の彫刻パターン及び真空システムの界面を設計し、且つ一致させることが容易なことである。
好ましくは、菱形は、エンボス加工線又は一連の結合点が、芯の側部マージンと正方形でないように配置される。位置合わせされた結合部位が、積層体812の表面上に示し得る直線(SL)は、有利には、側部マージンに対して90度未満の角度で、且つ更に好ましくは、約60度~30度で配向される。このようにして、潜在的な流体経路を(即ち表面、及びポケット814の上、且つ線に沿って)提供し得る、相互に連結された結合線(SL)は、(別のパターンが表し得る)側部マージン834の垂直線よりも長い。このことは、側部マージン834への可能な流体漏出を扱い、且つ下流の非飽和ポケットへの流体経路の迂回を促進する。
【0090】
吸収性の芯積層体812は、側部マージン834に近接し、且つ端部マージン836に近接するSAPのないレーン838も特徴とする。SAPを送出し、且つSAP凝集体を下部不織布層に組織化するするステップは、これらの領域をSAPがないままにし、SAPの使用を最小限に抑えるように設計される。領域は、その後に密封され、且つ側部マージンの場合に、湾曲した部分が、吸収性の芯積層体812から切り取られ、レッグ切り欠きを収容し、且つ/又は砂時計形の芯を製造しても良い。これらの領域におけるSAPの欠如は、更に可撓性の、且つ折り畳み可能な材料層に貢献する。このことは製造工程で要求され得るような、比較的硬い、剛性のSAP材料を通して切断せねばならないこと(又は密封せねばならないこと)も回避し、それにより滑らかで、且つ正確な切断(及び密封)を促進する。おそらく、更に重要なことには、このことは、切刃の余分な摩耗、及び製造装置の保守及び休止時間を回避させる。
【0091】
図25の平面図は、代替的なポケットパターン及び結合パターンを用いる代替的な吸収性の芯積層体840を例示する。断続的な結合の代わりに、結合パターンは、実線の格子を発生させる連続した結合線842を用いる。以前記載した実施形態と同様に、菱形ポケット844が使用される。とりわけ、結合線の接続によって作り出された潜在的な流体経路は、側部マージンから離れた角度(即ち、45度)に向けられ、それにより側部マージンへの直接的な流体ストランドの危険性を多少緩和させる。
【0092】
本明細書で使用されるように、菱形ポケットは、4辺を有し、且つ2つの角が、好ましくは長手方向と相互に位置合わせされ、且つ他方の2つの角が横方向と位置合わせされる、ポケットを意味する。ポケットは、好ましくは積層体の横及び長手方向中心線と直角の長方形として位置合わせされず、結合線は、側部マージンへの「直接的な」直線経路を生み出す。本明細書で使用されるように、用語「格子」は、結合部位又はエンボス加工線に沿った交差線によって確立される幾何学的配列を意味する。更に、ポケットの配置又は幾何学的配列に関して本明細書で使用されるように、「直接的な」直線経路は、長手方向の中心線の近接から側部マージンへの連続し、且つ妨げられない(「折れていない」)経路を生み出すために接続する1以上の結合線を意味し、経路は、側部マージンに対して一般に垂直である。かかる直接的な直線経路は、側部マージンへの最短の流体経路を生み出す。明瞭にするために、垂線から30度を超えて偏向したかかる直線経路は、直接的な直線経路でなく、間接的直線経路と称されるべきである。このように偏向されない直線経路は、「直接的な直」線経路とみなされる。
【0093】
他の「格子」及び他のポケット形状並びにポケット配置が、用いられ得ることが注目されるべきである。用いられるいくつかのポケット形状は、側部マージンに対するいかなる直接的な、又は更に言うと、いかなる直線経路も示さない。これらは、円又は楕円形ポケットの配置を含む、本明細書に以前記載されたいくつかの配置を含む。
【0094】
プロファイルされた芯複合材
この好ましい実施形態において、吸収性の芯を製造する方法はプロファイルされた芯構成を送出するステップを含む。方法は、以前記載された方法の更なるバージョンであり、且つ1つの好ましい工程において、以前の方法の全てのステップを組み込む。例えば、先行する方法は、単一のSAPアプリケータを用い得るが、本方法は、第1のSAPアプリケータによるSAP送出を増加させるために、第2のSAPアプリケータを用いる。第2のSAPアプリケータは、第1のアプリケータの上流(正面)又は下流に位置決めできる。第1のアプリケータのノズルは、標的となる芯の幅をカバーするように寸法が決められ得るが、第2のアプリケータは、芯の狭い部分をカバーするように寸法が決められ得る。更に、第2のアプリケータは、第1のアプリケータの送出期間の分数である特定の期間に送出するようにプログラミングされ得る。例えば、第1のアプリケータは、(側部マージンの狭いSAPのないレーンを除き)SAP芯のほぼ全幅に連続的に送出するようにプログラミングされ得る。第2のアプリケータは、狭い中心領域に、且つ/又は芯の中心領域に対応する断続的な期間、SAPを送出するように寸法を決められ、且つプログラミングされ得る。代表的な実施形態において、第2のSAPアプリケータは、第1のSAPアプリケータの下流に位置決めされ、それにより、不織布のウェブに最初に堆積されるSAPの上にSAPの第2の投与量又は装填を送出する。したがって、第2のアプリケータ(及び第1のアプリケータ)から供給されるSAP凝集体の配置は、第1のアプリケータのみから供給される他のSAP凝集体よりも高いSAP装填を有する。
【0095】
以前のように、好ましい工程は、ウェブ上にSAPポケットを組織化するために吸引機構及びスクリーンを用いる。送出後、SAP装填は、迅速にSAP凝集体形成に引き込まれる。2つのSAPアプリケータから供給されるSAP凝集体は、そのようにして供給されないポケットよりも厚く、且つ嵩高いSAP層を有するポケットを提供する。
好ましい配置において、二重のSAP装填されたポケットは、大部分の吸込みが起きる中心領域に置かれる。更なる実施形態において、2つのSAP装填の構成要素は、所望の混合、又は所望の吸収性若しくは流体取扱い性を達成するために、変えても良い。なおも更なる実施形態において、追加のSAPアプリケータが用いられ、且つ所望のSAPポケットパターン及び機能を生成するために、戦略的に置かれる。
【0096】
嵩高い不織布の使用
本明細書で称されるような「嵩高い」不織布は、親水性の開放した繊維網又はウェブであるが、非吸収性繊維であり、且つそれを提供する。更に、本明細書で使用されるように、嵩高い不織布は、100μm~10,000μm(好ましくは1,000μm~5,000μm)の厚さ、15g/m2~200g/m2(好ましくは20g/m2~80g/m2)の坪量、及び0.01g/cc~0.3g/cc(好ましくは0.01~0.08g/cc)の密度を有する繊維ウェブ材料である。更に、嵩高い不織布は、300μm~2000μmの有効細孔径を有する。概して、選択されたSAP粒子は、約300μmの平均粒径を有し、そのことは、SAP及び選択された嵩高い不織布の間のある程度の進入又は絡み合いを確実にする。下記表3及び表4は、嵩高い不織布を更に定義し、且つ主要な特性間の相互関係を示すことに使用できる。(表中の影付き領域は、本開示による嵩高い不織布材料を指し示す)。有効な細孔径は、Dunstan & White, J. Colloid Interface Sci, 111 (1986), 60の方法に従ってウェブ密度、繊維直径、及び繊維密度値から推定され、有効な細孔径=4*(1-固体体積分率)/(固体体積分率*固体密度*固体比表面積)である。
適切な繊維は、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ乳酸(PLA)、ポリオレフィン、そのコポリマー、及び2成分繊維を含むそのいずれかの組合せを含む。繊維は、親水性であるように、繊維の表面張力を修正するために、表面活性化剤、界面活性剤によって通常処理される。
【0097】
【表3】
【表4】
【0098】
図16及び図17に関して上述のように、吸収性複合材における織物としての嵩高い不織布の使用からもたらされる流体取扱いの利益がある。更に、身体側に位置決めされる嵩高い不織布を有する吸収性複合材の配向は、流体吸込みの獲得及び分配をする吸収性複合材の能力を強化するので特に有利である。嵩高い不織布は、高い空隙の容積及び透過性を有し、且つ複合材が、流体を侵襲点から離して迅速に捕捉及び効率的に分配することを可能にする。
その上、記載されたエンボス加工パターンを有する嵩高い不織布は、次の特徴も有する。
・身体側層が、柔らかさの知覚を強化する、圧縮可能であり、且つ弾性の構造を作り出す時、嵩高い不織布によって提供される「枕」構造(例えば図20C図29及び図30を参照)。
・ポケット領域内で、液体が、頂部(大きい繊維間距離Iを有する更に開放した領域)から結合領域(小さい繊維間の間隔を有する更に密集した領域)に動くことを促進する細孔径勾配が存在する(例えば、図20C及び図30を参照)。これは、図30に例示され、嵩高い不織布826が、結合点828に対する小さい繊維間距離Iを示すことを示す。毛管現象は、密度に反比例するので、密集した領域の毛管現象は、更に開放した領域よりも高く、それ故に不織布内の液体は、密集した領域に向かって引き込まれる傾向がある。このことは、頂部で残留する液体が、結合領域に向かって、且つ更に下層のSAP構造に流出することを可能にし、SAP構造で液体がしっかりと保持されるので、乾燥度の知覚にとって特に重要である。それ故に、比較的液体のない上面が作り出され、乾燥度の知覚に貢献する。この細孔勾配も、流体が表面に逆流することを阻止する。
・不連続の結合パターンも、更に柔軟な複合材を作り出すことによって、柔らかさの知覚に貢献する。
【0099】
吹き付け接着剤
接着剤は、複合材に追加の結合を提供するために使用でき、且つ不織布に対するSAPの固着を支援するために使用できる。このことは、複合材の製造中に、複合材を組み込む使い捨ての吸収性物品のその後の更なる処理中に、且つ吸収性物品内で複合材の貯蔵及び最終的な使用中に必要とされる。理想的には、接着剤は、複合材の不織布ウェブの少なくとも1つに塗布されるか、又は接着剤は、上部及び下部不織布ウェブの両方に塗布できる。
【0100】
適切な接着剤は、(Nordson Corporationによって供給されるような)スロット塗装又は吹き付け塗装アプリケータによって塗布されるホットメルト接着剤を含む。好ましい実施形態において、接着剤は、吹き付け法によって塗布され、ホットメルト接着剤の連続したビードは、らせん形パターン、又は更に無作為なパターンのようなパターンに気流によって方向付けられる。図22は、1つのかかるパターンを示す。らせんの直径は、1mm~25mmの範囲にある。かかる吹き付けパターンの利点は、不織布ウェブ上の接着剤の範囲が均一でなく、且つ実質的に接着剤のない開放領域があることである。これらの開放領域は、不織布ウェブを通り、且つ超吸収性層への流体の流れに関して制限されないアクセスを提供し、他方で均一なコーティングは、ウェブを通る流体の流れの速度を落とすか、又は減少させ得る。
接着剤のある他の且つ種々の実施形態において、好ましい接着剤は、親水性である。更に、塗装内の接着剤の濃度は、1平方メートル当たり0.5~100グラムである。最適には、濃度は、1~25GSMである。好ましい実施形態において、濃度は、2~10GSMである。
【0101】
好ましい実施形態の可能な応用例を例示するために、図26は、代替的な実施形態による吸収性の芯積層体850の分解組立図を提供する。吸収性の芯積層体850は、以前記載したように、予め塗布された接着パターン822を有するベース不織布層818を用いる。積層体850は、積層体850の横及び長手方向空間を実質的に占める離間したSAP凝集体の第1の層816も提供する。接着剤パターン822及びSAP凝集体は、以前に記載したように塗布しても良く、SAPは、SAPアプリケータによって送出され、且つ以前に記載したように、従来の真空システム等を用いて所望のポケットパターンに組織化される。この応用例において、第2のSAPアプリケータは、すでに提供されたSAP凝集体の第1の層816を有するウェブの選択された領域にSAPを堆積させるために、第1のSAPアプリケータの下流に位置決めされても良い。追加のSAP構成要素、又はおそらくは最初に送出されたSAPと異なる特性を有する吸収性材料を受けるように選択された領域は概して、使い捨ての吸収性物品が使用中である時に、クロッチ領域に対応する中心領域である。積層体850の機械方向が横方向と一致する工程において、SAPアプリケータは、第1のSAPアプリケータよりも狭い吹き付け領域又はノズルを備えても良い。SAPが送出される領域は、それ故にSAP層816よりも狭くなる。機械方向が、長手方向と一致するならば、第2のSAPアプリケータは、第2のSAPアプリケータの下の中心領域の運動と位置合わせされる期間中にのみSAPを送出するようにプログラミングされ得る。
【0102】
図20A及び図20Bを参照すると、中央領域854内のポケット814は、吸収性の芯積層体812の長手方向端部領域856に近いポケット814内のSAP濃度よりも高いSAP凝集体又は濃度を含む。これら領域及び中心領域の中間で、中程度の濃度でSAPを含むポケット857がある。これらのポケット857内のSAP濃度は、第2のSAPアプリケータの範囲、及び場合により隣接ポケット間で過剰なSAPを分け合うことによって決定できる。これらのポケット857は、SAPの高及び低容量、並びに吸収及び膨潤特性の間の段階的移行の役割を果たしても良く、且つ本明細書で論じたように(吸収性の芯にわたる)有益な流体の流れを生成し得る。
【0103】
再び図26を参照すると、この実施形態は、ポケット内でSAPを固着することに役立つ第2の接着パターン862を同様に備える。接着パターン862は、下部不織布に対する塗布に好ましい開放パターン822と同一であっても良く、且つ上部不織布826の結果として生じた積層体850への導入前に、上部不織布826に予め塗布される。結果として生じた構成において、この第2の接着パターン862は、上部不織布826に接触するか、又はほぼ接触するSAP凝集体の粒子を固着することに役立つ。嵩高い不織布が、上部不織布826として用いられるならば、接着剤は、SAPの絡み合いを促進することを含む、嵩高い不織布の繊維とSAP凝集体の上層領域内のSAPを固着することに役立つ。図26の積層体と同様に、2つの接着パターンが積層体設計で用いられる時に、各パターンで使用される接着剤の総量(例えば、ビードの厚さ、ループの寸法)が減少できることが、可能である。その上、結合点の数又は頻度も、減少できる。ポケット814内にSAPを固着する種々の機構が、SAPに、且つ種々の観点から異なる作用をするが、共通の目的を達成するために、協働する。
【0104】
図27は、吸収性の芯積層体及び/又は使い捨ての吸収性物品を製造する代表的な工程における後続の段階を例示する。別個の吸収性の芯積層体872のウェブ870は、機械方向と一致する横方向で運搬されて示される。積層体872は、砂時計形形状で調製されて示される。下部不織布へのSAPの送出は、SAPのない領域874が、個別の吸収性の芯積層体の最終的な側部マージン876の近くに、又はそれに沿って存在するように提供される。更に、図27に示すように、側部マージン876の中心の近くの幅広い領域878は同様に、レッグホールを受け入れる切断部に備えてSAPがなく、且つ/又はクロッチ領域の周りで使用者に容易に適合する、又は受け入れることに役立つ好ましくは砂時計形状を単に製造する。このようにして、SAP使用及び材料費が減少され得る。
いずれにせよ、SAP凝集体の狭い領域又は層852は、第1の層816の上に、且つ選択された中心領域に堆積される。真空システムが、SAPの堆積物を標的領域に方向付けるように再び用いられ得る。このようにして、高い濃度のSAP凝集体が、発生する。
【0105】
概して、吸収性の芯積層体812は、一対の長手方向に離間した端部領域856及びその間の中心領域854によって延長される。吸収性の芯積層体は、「芯エンベロープ」880と称されるものの中で上部シート及び背面シートの間に位置する。断面図、図20A及び図20Bも参照。図20Aは、芯エンベロープ880を横方向に横断する(即ち、横中心線XXを横断する)断面図と記載されても良く、他方で図20Bは、芯エンベロープ880を長手方向に横断する(即ち、長手方向中心線YYを横断する)断面図である。吸収性の芯積層体812は、端部領域856の間に延在する側部マージンを有するとして記載されても良い。SAP凝集体816のポケット814の配置は、側部マージン812の間に設定される。図面から判るように、配置は、吸収性の芯積層体812上のパターン又は格子を画定する。中心領域854の周りに、側部マージン856への一対の切り欠き882は、全体に長方形の積層体812における凹部を提供し、そのことは、中心領域854内のポケット814の数を減少させる。凹部は、吸収性の芯積層体812に対して全体に砂時計形状を生み出す。中心領域854は、一般に使い捨ての吸収性物品862のクロッチ領域に対応するので、吸収性積層体812の凹部、及び(上部シート及び背面シート材料よりも)比較的堅い芯材料の全体的な不存在は、使用中にクロッチ領域での吸収性物品862の変形を容易にし、且つ使用者の輪郭を受け入れることに役立つ。
【0106】
したがって、本開示は、目的を実行し、且つ目標及び言及された利点、並びにそれに固有な他のものを達成するために良く適合している。(おむつの形の)現在好ましい実施形態が記載されたが、構成、物品の部品又は構成要素の配置、及び工程へのステップの詳細に対する多数の変更がなされ得る。例えば、種々の上部シート、背面シート、吸収性の芯、閉じ込め壁及び他の吸収性複合材構造が、物品の他の部分に、又はおむつ以外の他の物品によって利用され得る。かかる変更は、当業者の心に容易に浮かび、且つ本発明の精神の中に、また添付の特許請求の範囲に包含される。
【0107】
本開示及びその利点が、詳細に記載されたが、種々の変更、置き換え及び改造が、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明から逸脱せずに、本明細書でなされ得ることが理解されるべきである。更に、本出願の範囲は、明細書に記載された工程、機械、製造、事柄の組み立て、手段、方法及びステップの特定の実施形態に限定されることを意図しない。本開示から容易に認識するように、本明細書に記載された対応する実施形態と実質的に同じ機能を行うか、又は実質的に同じ結果を達成する、現存する、又は後に開発される工程、機械、製造、事柄の組み立て、手段、方法又はステップが、利用され得る。したがって、添付の請求項は、かかる工程、機械、製造、事柄の組み立て、手段、方法及びステップをその範囲内に含むことが意図される。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕使い捨ての吸収性物品の吸収性の芯複合材であって、
第1の織物と、
身体側の第2の織物と、
前記第1及び第2の織物の間に位置する複数の超吸収性粒子(SAP)凝集体とを含み、
複数の前記SAP凝集体の各々の周りで、離間した結合部位の配置が、前記第2の織物を前記第1の織物に固着し、且つ前記SAP凝集体が前記第1の織物及び前記第2の織物の間に固着されるポケットを形成し、
前記SAP凝集体の周りの離間した結合部位が、前記ポケットの1つを隣接する前記ポケットと連通させる結合部位間に間隙を提供し、
前記身体側の第2の織物が、前記SAP凝集体内で少なくともいくつかの粒子を絡ませる繊維を含む嵩高い不織布である吸収性の芯複合材。
〔2〕各前記SAP凝集体は、吸収性マトリックスがない前記〔1〕に記載の吸収性の芯複合材。
〔3〕前記SAP凝集体が、超吸収性粒子からなる前記〔1〕に記載の吸収性の芯複合材。
〔4〕前記第2の織物が、超吸収性粒子の上層で前記SAP凝集体に浸透する繊維を含み、前記SAP凝集体は、吸収性マトリックスがない前記〔1〕に記載の吸収性の芯複合材。
〔5〕第1の織物に塗布され、且つ前記第1の織物に隣接した前記SAP凝集体内の粒子の下層に位置決めされる前記SAP凝集体の超吸収性粒子と接着接触し、前記SAP凝集体の超吸収性粒子を少なくとも部分的に固着する接着パターンを更に含む前記〔1〕に記載の吸収性の芯複合材。
〔6〕前記第1の織物に塗布される前記接着パターンが、接着剤のない開放領域を画定する複数の交差するループを含む前記〔5〕に記載の吸収性の芯複合材。
〔7〕接着剤のない前記開放領域が、一般に前記接着パターン上に位置する前記ポケットの幅又は直径よりも小さい幅又は直径を有する前記〔1〕に記載の吸収性の芯複合材。
〔8〕前記嵩高い不織布の第2の織物が、1,000μm~5,000μmの厚さと、0.02g/cc~0.07g/ccの密度と、20g/m 2 ~80g/m 2 の坪量と、0.01g/cc~0.08g/ccの密度と、300μmを超える有効細孔径とを有する前記〔1〕に記載の吸収性の芯複合材。
〔9〕前記嵩高い不織布が、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ乳酸(PLA)、ポリオレフィン、そのコポリマー、及びその組合せからなる群から選択される繊維を含み、且つ前記繊維が、親水性の処理された繊維である前記〔8〕に記載の吸収性複合材。
〔10〕前記第1の織物が、不織材料であり、且つ前記第1及び第2の織物が、細長い積層体を少なくとも部分的に画定し、前記細長い積層体が、横幅と、長手方向幅と、前記細長い積層体の横中心線及び長手方向中心線の交差の周りに位置決めされる中心領域とを有する前記〔10〕に記載の吸収性複合材。
〔11〕前記結合部位が、菱形ポケットの格子を画定する複数の交差線を形成する前記〔10〕に記載の吸収性複合材。
〔12〕前記結合部位が、成形ポケットの格子を画定する複数の交差線を形成し、前記長手方向中心線から前記積層体の側部マージンに向かって延在する、一連のポケットによって画定される全ての直線が、前記長手方向中心線から60度未満の角度で配向される前記〔10〕に記載の吸収性複合材。
〔13〕前記複数のポケットが、液体吸込みの感度が高い表面トポグラフィを示す特性を前記積層体に与える、異なる膨潤容量のポケットを含む前記〔10〕に記載の吸収性複合材。
〔14〕前記複数のポケットが、異なる膨潤容量のポケットを含み、前記中心領域のポケットが、前記中心領域の外側のポケットよりも低い膨潤容量を有する前記〔10〕に記載の吸収性複合材。
〔15〕前記中心領域内の前記複数のポケットが、前記中心領域の外側のポケットよりも小さい前記〔10〕に記載の吸収性複合材。
〔16〕前記結合部位が、断続的結合点である前記〔1〕に記載の吸収性複合材。
〔17〕各前記織物が、接着剤のない開放領域を画定するループを有する接着パターンで予め塗布され、
前記SAP凝集体に、パルプがなく、且つ吸収性マトリックスがない前記〔1〕に記載の吸収性複合材。
〔18〕使い捨ての吸収性物品用の吸収性複合材積層体を製造する方法であって、
第1の織物を超吸収性粒子(SAP)を受ける位置に運搬すること、
SAPを前記第1の織物上に堆積させ、SAPの離散凝集体を提供すること、
嵩高い不織布の第2の織物を運搬すること、
前記嵩高い不織布の繊維が、SAP凝集体の粒子の上層内に粒子を絡ませ、それによりその間にSAP凝集体を少なくとも部分的に固着するように、前記第2の織物を第1の織物に対して位置決めすること、
前記第1及び第2の織物を結合部位網で結合し、SAP凝集体の複数のポケットを有する細長い積層体を形成し、それにより各ポケットが、SAP凝集体の周りに位置決めされ、且つ前記第2の織物を前記第1の織物に固着する結合部位によって画定されること、並びに
前記細長い積層体を運搬し、それにより前記嵩高い不織布及び前記ポケットは、前記ポケットからのSAP粒子の移動を阻害することを含む方法。
〔19〕前記SAP凝集体に、吸収性マトリックスがないにように、前記堆積SAPは、吸収性マトリックスがない前記〔18〕に記載の方法。
〔20〕前記織物を前記運搬する前に、前記第1の織物に接着パターンを塗布することが先行して、前記第1の織物上に前記超吸収性粒子を堆積させることが、予め塗布された接着パターンを有する前記第1の織物上に複数のSAP凝集体を送出することを含むようにする前記〔18〕に記載の方法。
〔21〕前記接着剤を塗布することが、接着剤を、接着剤のない囲まれた開放領域を有する連続した開放パターンに塗布することを含む前記〔20〕に記載の方法。
〔22〕前記開放領域が、前記ポケットの平均幅よりも小さい平均幅を有する前記〔21〕に記載の方法。
〔23〕前記第2の織物を前記第1の織物に対して位置決めする前に、前記第2の織物に接着パターンを塗布することを更に含む前記〔23〕に記載の方法。
〔24〕流体通過のために間に間隙を有する離間した結合部位によって境界を示されるポケットを製造するために、前記結合が、前記SAP凝集体の周りでの不連続結合部位の配置を使用して、前記織物を結合することを含む前記〔18〕に記載の方法。
〔25〕結合部位の配置が、前記細長い積層体の長手方向中心線に垂直な線から15度超、偏向した角度で積層体の側部マージンに向かって全体に横方向に向けられる真っ直ぐな結合線を特徴とする格子を形成する前記〔24〕に記載の方法。
〔26〕結合部位の配置が、菱形ポケットを形成する前記〔25〕に記載の方法。
〔27〕前記結合が、第1の織物上のSAP凝集体の配置に対応するエンボス加工パターンを提供することを含み、前記エンボス加工パターンが、結合中にSAP凝集体を取り囲む不連続結合部位の配置を示すことを含む前記〔24〕に記載の方法。
〔28〕前記パターンが、前記側部マージンへのいかなる直接的な直線経路もない格子を含む前記〔27〕に記載の方法。
〔29〕前記嵩高い不織布の第2の織物が、300μmよりも大きい有効細孔径を有し、且つSAP粒子の平均粒径が、約300μmである前記〔18〕に記載の方法。
〔30〕前記嵩高い不織布の第2の織物が、1,000μm~5,000μmの厚さと、0.02g/cc~0.07g/ccの密度と、20g/m 2 ~80g/m 2 の坪量と、0.01g/cc~0.08g/ccの密度と、300μmを超える有効細孔径とを有する前記〔18〕に記載の方法。
〔31〕前記嵩高い不織布が、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ乳酸(PLA)、ポリオレフィン、そのコポリマー、及びその組合せからなる群から選択される繊維を含み、且つ前記繊維が、親水性の処理された繊維である前記〔30〕に記載の方法。
〔32〕前記第1の織物に前記超吸収性粒子を堆積させることと無関係に、前記第1の織物の選択領域に超吸収性粒子を更に堆積させ、前記選択領域での前記第1及び第2の織物の結合後に形成されたSAP凝集体のポケットが、前記選択領域の外側のポケットよりも高いSAP凝集体濃度を含むようにすることを更に含む前記〔18〕に記載の方法。
〔33〕前記結合部位が、その間に、且つ隣接するポケット間に流体間隙を画定する離間した結合点である前記〔18〕に記載の方法。
〔34〕使い捨ての吸収性物品を製造する方法であって、
第1の織物を超吸収性粒子(SAP)を受ける位置に運搬すること、
超吸収性粒子を前記第1の織物上に堆積させ、吸収性マトリックスのないSAPの離散凝集体を提供すること、
嵩高い不織布の第2の織物を運搬すること、
前記嵩高い不織布の繊維が、前記SAP凝集体の粒子の上層内で粒子を絡ませ、それによりSAP凝集体を少なくとも部分的に固着するように、前記第2の織物を第1の織物に対して位置決めすること、
前記第1及び第2の織物を結合部位網で結合し、SAP凝集体の複数のポケットを有する細長い吸収性の芯積層体を形成し、それにより各ポケットが、SAP凝集体の周りに位置決めされ、且つ前記第2の織物を前記第1の織物に固着する結合部位によって画定されること、
前記細長い積層体を運搬し、それにより前記嵩高い不織布及び前記ポケットは、前記ポケットからのSAP粒子の移動を阻害すること、
上部シート及び背面シートの間に前記細長い芯積層体を置き、それにより前記上部シート、背面シート、及び吸収性の芯積層体の芯エンベロープを形成し、前記上部シート及び背面シートが、前記吸収性の芯積層体を支持するシャーシを更に提供すること、
前記シャーシ内にレッグホールを形成すること、並びに
前記シャーシの端部領域を接合し、使い捨ての吸収性物品を形成し、それにより前記嵩高い不織布及び前記ポケットが、前記ポケットからのSAP粒子移動を阻害することを含む方法。
〔35〕前記織物を前記運搬する前に、前記第1の織物に接着パターンを塗布することが先行する前記〔34〕に記載の方法。
〔36〕前記接着剤を塗布することが、接着剤を、接着剤のない囲まれた開放領域を有する連続した開放パターンに塗布することを含み、且つ前記開放領域が、前記ポケットの平均幅よりも小さい平均幅を有する前記〔35〕に記載の方法。
〔37〕流体通過のために間に間隙を有する離間した結合点によって境界を示されるポケットを製造するために、前記結合が、前記SAP凝集体の周りでの結合点の配置を使用して、前記織物を結合することを含む前記〔34〕に記載の方法。
〔38〕前記結合点の配置が、細長い積層体の長手方向中心線から90度未満の角度で、前記積層体の側部マージンに向かって全体に横方向に向けられる結合点を取る線を特徴とする格子を形成する前記〔34〕に記載の方法。
〔39〕使い捨ての吸収性物品であって、
第1の端部マージン及び前記第1の端部マージンから長手方向に離間される第2の端部マージンによって画定されるシャーシ本体であって、前記端部マージンが、使用者のウエストの周りで締め付け可能な前及び後ウエスト領域を部分的に画定するシャーシ本体と、 上部シートと、
背面シートと、
前記上部シート及び背面シートの間に配置される吸収性複合材とを含み、前記吸収性複合材が、
第1の織物と、
前記第1の織物に結合された第2の織物と、
前記第1及び第2の織物の間に固着された吸収性粒子とを含み、
前記第1の織物が、前記第2の織物に断続的に取り付けられ、前記第1の織物及び前記第2の織物の間に置かれ、且つ超吸収性粒子(SAP)の凝集体を含む複数のポケットを画定し、
不連続で、且つ離間した結合部位が、前記第1の織物を前記第2の織物と固着し、
前記第2の織物が、前記吸収性複合材の身体側に、且つSAP凝集体の上に位置決めされた嵩高い不織布材料であり、嵩高い不織布の繊維が超吸収性粒子を絡ませるようにし、
前記嵩高い不織布材料の下から延在する中間部で、前記SAP凝集体に、吸収性マトリックスがない使い捨ての吸収性物品。
〔40〕前記SAP凝集体が、SAPからなる前記〔39〕に記載の使い捨ての吸収性粒子。
〔41〕前記吸収性複合材が、前記第1の織物に予め塗布された接着パターンを含む前記〔39〕に記載の使い捨ての吸収性物品。
〔42〕前記第1の織物が、不織材料であり、且つ前記第1及び第2の織物が、横幅と、長手方向幅と、横中心線及び長手方向中心線の交差の周りに位置決めされた中心領域とを有する細長い積層体を少なくとも部分的に画定し、且つ前記複数のポケットが、前記積層体の長手方向範囲に隣接した長手方向端部領域に近接するポケットよりも大きな超吸収性粒子の濃度を有する前記中心領域に置かれるポケットを含む前記〔39〕に記載の使い捨ての吸収性物品。
〔43〕前記結合部位が、菱形ポケットの格子を画定する複数の交差線を形成する前記〔39〕に記載の使い捨ての吸収性物品。
〔44〕前記結合部位が、成形ポケットの格子を画定する複数の交差線を形成し、前記長手方向中心線から前記積層体の側部マージンに向かって延在する、一連のポケット内の結合部位を通る全ての直線が、前記長手方向中心線から60度未満の角度で配向される前記〔39〕に記載の使い捨ての吸収性物品。
〔45〕前記吸収性複合材が、砂時計形を有するように、前記吸収性複合材が、各側部マージンに沿って凹部を含む前記〔39〕に記載の使い捨ての吸収性物品。
〔46〕嵩高い不織布基材と、
前記嵩高い不織布基材と結合された上部織物と、
その間に固着された超吸収性粒子(SAP)の層であって、前記SAPを前記嵩高い不織布基材及び前記上部織物と相互に固着するために、前記SAPをちりばめられたホットメルト接着剤を含む層とを含む吸収性複合材。
〔47〕前記嵩高い不織布が、1,000μm~5,000μmの厚さと、0.02g/cc~0.08g/ccの密度と、20g/m 2 ~80g/m 2 の坪量と、0.01g/cc~0.08g/ccの密度と、300μmを超える有効細孔径とを有する前記〔46〕に記載の吸収性複合材。
〔48〕前記上部織物が、組織層である前記〔46〕に記載の吸収性複合材。
〔49〕前記SAPが、前記嵩高い不織布基材及び前記上部織物の間の平面に沿って配置される前記〔46〕に記載の吸収性複合材。
〔50〕前記嵩高い不織布基材及び前記上部織物の間の結合が、SAPを取り囲む幾何学的囲いの結合パターンを画定する前記〔46〕に記載の吸収性複合材。
〔51〕吸収性複合材を製造する方法であって、
不織布材料の第1の基材を運搬すること、
ホットメルト接着剤粒子との超吸収性粒子(SAP)の混合物を前記運搬された第1の基材に送出すること、
前記混合物を有する前記第1の基材が運搬される時、前記第1の基材に熱を加え、それによりホットメルト接着剤粒子を活性化し、且つ前記SAPを前記ホットメルト粒子及び前記第1の基材と結合すること、並びに
第2の基材を前記第1の基材及びそれと結合されたSAP層の上に適用することを含む方法。
〔52〕吸収性複合材積層体を製造するために、前記第1の基材を前記第2の基材と結合することを更に含む前記〔51〕に記載の方法。
〔53〕前記吸収性複合材積層体上に結合パターンを作り出すために、前記結合が、熱エンボス加工を使用することを含む前記〔52〕に記載の方法。
〔54〕前記第1の基材が、嵩高い不織布材料である前記〔51〕に記載の方法。
〔55〕前記嵩高い不織布が、1,000μm~5,000μmの厚さと、0.02g/cc~0.07g/ccの密度と、30g/m 2 ~80g/m 2 の坪量と、0.02g/cc~0.07g/ccの密度と、300μmを超える有効細孔径とを有する前記〔54〕に記載の方法。
〔56〕前記ホットメルト粒子及び前記SAPが、1~10質量%のホットメルト接着剤の比率で混合される前記〔51〕に記載の方法。
〔57〕使い捨ての吸収性物品であって、
第1の端部マージン及び前記第1の端部マージンから長手方向に離間される第2の端部マージンによって画定されるシャーシ本体であって、前記端部マージンが、使用者のウエストの周りで締め付け可能な前及び後ウエスト領域を部分的に画定するシャーシ本体と、 上部シートと、
背面シートと、
前記上部シート及び背面シートの間に配置される吸収性複合材とを含み、前記吸収性複合材が、
第1の織物と、
前記第1の織物に結合された第2の織物と、
前記第1及び第2の織物の間に接着された吸収性粒子とを含み、
前記第1の織物が、前記第2の織物に断続的に取り付けられ、前記第1の織物及び前記第2の織物の間に置かれ、且つ吸収性粒子の凝集体を含む複数の容器を画定し、
前記吸収性複合材が、第1の寸法の容器を有する一次領域と、前記第1の寸法と異なる第2の寸法の複数の容器を有する二次領域とを含む、吸収性粒子凝集体の容器の領域を含み、
前記上部シート及び前記背面シートが、前記シャーシ本体の長手方向及び横方向のマージンを画定する使い捨ての吸収性物品。
〔58〕前記一次領域が、前記物品のクロッチ領域に対応し、前記クロッチ領域が、前記シャーシ本体の長手方向マージンの中間で、中心に位置し、且つ前記吸収性粒子が、超吸収性粒子である前記〔57〕に記載の使い捨ての吸収性衣類。
〔59〕前記一次領域の容器が、前記二次領域内の容器の周囲の長さよりも大きい周囲の長さを有する前記〔58〕に記載の使い捨ての吸収性衣類。
〔60〕前記二次領域の容器が、前記一次領域を取り囲む前記〔59〕に記載の使い捨ての吸収性衣類。
〔61〕前記吸収性複合材が、二次領域内の容器の寸法と異なる寸法の容器を有する端部領域を更に含み、且つ前記二次領域が、前記一次領域及び端部領域の中間である前記〔60〕に記載の使い捨ての吸収性衣類。
〔62〕前記端部領域の各々が、前記二次領域内の容器の周囲の長さよりも実質的に小さい周囲の長さを有する容器を有する前記〔61〕に記載の使い捨ての吸収性衣類。
〔63〕前記端部領域の容器が、前記二次領域内の容器の周囲の長さよりも大きい周囲の長さを有する前記〔61〕に記載の使い捨ての吸収性衣類。
〔64〕前記一次領域が、第2クラスの容器を更に含み、前記第2クラスの容器が、第1クラスの容器よりも実質的に小さい周囲の長さを有し、且つ前記第2クラスの容器が、前記第1クラスの隣接した容器間の空隙を満たすように位置決めされる前記〔61〕に記載の使い捨ての吸収性衣類。
〔65〕第1の寸法の前記容器が、前記第2の寸法の容器よりも高い超吸収性粒子の濃度を有する前記〔64〕に記載の使い捨ての吸収性衣類。
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