(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-26
(45)【発行日】2024-04-03
(54)【発明の名称】医薬品、医薬部外品、医療機器、細胞に加工を施したもの、または生体の体内で発現する遺伝子を含有されたもののうちのひとつを生産若しくは製造する設備
(51)【国際特許分類】
C12M 1/00 20060101AFI20240327BHJP
E04H 5/02 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
C12M1/00 A
E04H5/02 B
(21)【出願番号】P 2019171200
(22)【出願日】2019-09-20
【審査請求日】2022-05-25
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成31年2月20日~22日インテックス大阪において開催された第5回インターフェックス大阪 医薬品・化粧品・洗剤 研究・製造技術展で発表
(73)【特許権者】
【識別番号】000174943
【氏名又は名称】三井住友建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108497
【氏名又は名称】小塚 敏紀
(72)【発明者】
【氏名】平松 真一
(72)【発明者】
【氏名】小嶋 美穂
(72)【発明者】
【氏名】能森 雅己
(72)【発明者】
【氏名】中島 正勝
(72)【発明者】
【氏名】大槻 陽
【審査官】斉藤 貴子
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-174909(JP,A)
【文献】特開2001-153415(JP,A)
【文献】特開2006-284025(JP,A)
【文献】特表2017-532470(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12M 1/00-1/42
E04H 5/00-5/12
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬品、医薬部外品、医療機器、細胞に加工を施したもの、または生体の体内で発現する遺伝子を含有されたもののうちのひとつを生産若しくは製造する設備であって、
複数のユニットと、
複数の前記ユニットで構成される主設備を収納する建屋収納空間を形成する建屋と、
を備え、
前記ユニットは骨組と骨組に支持されるパネルとを持ち内部に収納空間である建築設備収納空間を形成する設備である建築設備と、前記建築設備の中に設置され前記建築設備収納空間の内に収納空間である生産設備収納空間を形成する設備である生産設備とを有し、
複数の前記ユニットが特定の順番である特定順番に従って直列または並列に配置され複数の前記ユニットの前記建築設備が連結され複数の前記ユニットの前記生産設備が連結され、
隣り合う前記建築設備は互いの端部をシール部材を介して連結されることにより共通の前記建築設備収納空間を形成し、
連結される隣り合う前記建築設備に形成される共通の前記建築設備収納空間に収納される隣り合う前記生産設備が当該生産設備の前記生産設備収納空間に連通できる連結ボックスを介して連結さ
れ、
前記生産設備収納空間の気圧が前記建築設備収納空間の当該建築設備収納空間に収納される前記生産設備収納空間を除く空間の気圧より低く、且つ前記建築設備収納空間の当該建築設備収納空間に収納される前記生産設備収納空間を除く空間の気圧が前記建屋収納空間の当該建屋収納空間に収納される当該建築設備収納空間を除く空間の気圧より低くなる様に、
または、前記生産設備収納空間の気圧が前記建築設備収納空間の当該建築設備収納空間に収納される前記生産設備収納空間を除く空間の気圧より高く、且つ前記建築設備収納空間の当該建築設備収納空間に収納される前記生産設備収納空間を除く空間の気圧が前記建屋収納空間の当該建屋収納空間に収納される当該建築設備収納空間を除く空間の気圧より高くなる様に、のうちのどちらか一方になる様に気圧制御される、
ことを特徴とする設備。
【請求項2】
前記生産設備の駆動
機器を収納する収納空間である駆動機器収納空間が
前記建築設備収納空間の内に前記生産設備収納空間
に接するような位置関係にある様に設置される、
ことを特徴とする請求項1に記載の設備。
【請求項3】
前記生産設備収納
空間の気圧が前記建築設備収納空間の当該建築設備収納空間に収納される前記生産設備収納空間
と前記駆動機器収納空間とを除く空間の気圧より低く、且つ前記建築設備収納空間の当該建築設備収納空間に収納される前記生産設備収納空間
と前記駆動機器収納空間とを除く空間の気圧が前記建屋収納空間の当該建屋収納空間に収納される当該建築設備収納空間を除く空間の気圧より低くなる様に気圧制御され、
当該気圧制御中に前記建屋収納空間の当該建屋収納空間に収納される当該建築設備収納空間を除く空間の気圧と前記駆動機器収納空間の気圧とが等しくなることを許す、
ことを特徴とする請求項2に記載の設備。
【請求項4】
前記生産設備収納
空間の気圧が前記建築設備収納空間の当該建築設備収納空間に収納される前記生産設備収納空間
と前記駆動機器収納空間とを除く空間の気圧より高く、且つ前記建築設備収納空間の当該建築設備収納空間に収納される前記生産設備収納空間
と前記駆動機器収納空間とを除く空間の気圧が前記建屋収納空間の当該建屋収納空間に収納される当該建築設備収納空間を除く空間の気圧より高くなる様に気圧制御され、
当該気圧制御中に前記建屋収納空間の当該建屋収納空間に収納される当該建築設備収納空間を除く空間の気圧と前記駆動機器収納空間の気圧とが等しくなることを許す、
ことを特徴とする請求項2に記載の設備。
【請求項5】
前記建築設備収納空間の当該建築設備収納空間に収納される前記生産設備収納空間
と前記駆動機器収納空間とを除く空間にオペレータの全身を置くことができ、
前記建築設備収納空間の当該建築設備収納空間に収納される前記生産設備収納空間
と前記駆動機器収納空間とを除く空間に居るオペレータが、当該建築設備収納空間に収納される当該生産設備収納空間のなかで行われる医薬品、医薬部外品、医療機器、細胞に加工を施したもの、または生体の体内で発現する遺伝子を含有されたもののうちのひとつを生産若しくは製造するために必要な作業をできる、
ことを特徴とする請求項2に記載の設備。
【請求項6】
上から見て前記生産設備収納空間を境として前記生産設備の前記建築設備収納空間の当該建築設備収納空間に収納される前記生産設備収納空間
と前記駆動機器収納空間とを除く空間に居るオペレータに対面する側を前記生産設備の表側と前記生産設備のその反対側を前記生産設備の裏側と呼称するときに、
前記生産設備の表側が前記建築設備収納空間の当該建築設備収納空間に収納される前記生産設備収納空間
と前記駆動機器収納空間とを除く空間に面しており前記建築設備収納空間の当該建築設備収納空間に収納される前記生産設備収納空間
と前記駆動機器収納空間とを除く空間に居るオペレータが前記生産設備の
表側から前記生産設備収納空間の中での操作をでき、
前記建屋収納空間の当該建屋収納空間に収納される前記建築設備収納空間を除く空間にメンテナンス員の全身を置くことができ、
前記生産設備の裏側が前記建屋収納空間の当該建屋収納空間に収納される前記建築設備収納空間を除く空間に面しており前記建屋収納空間の当該建屋収納空間に収納される前記建築設備収納空間を除く空間に居るメンテナンス員が前記建築設備の裏側の壁面パネルと前記生産設備の裏面のパネルとを共有する構造を有する前記生産設備の裏側から前記生産設備収納
空間の中の清浄度を乱すことなく前記生産設備収納
空間に接するような位置関係にある前記駆動機器収納空間にアクセスして前記駆動
機器をメンテナンスできる、
ことを特徴とする請求項5に記載の設備。
【請求項7】
上から見て前記建築設備収納空間を境として前記建築設備の前記生産設備の表側に対応する側を前記建築設備の表側と前記建築設備のその反対側を前記建築設備の裏側と呼称するときに、
前記生産設備の裏側を覆う壁体である生産設備裏側壁体が前記建築設備の裏側を覆うパネ
ルである建築設備裏側パネルの一部を兼ねる、
ことを特徴とする請求項6に記載の設備。
【請求項8】
前記生産設備の裏側を覆い生産設備収納空間を形成する壁体である生産設備裏側壁体が前記建築設備の裏側を覆うパネルである建築設備裏側パネルの一部を兼ねる、
ことを特徴とする請求項7に記載の設備。
【請求項9】
前記生産設備の裏側を覆い前記生産設備収納空間を形成する壁体である生産設備裏側壁体が前記建築設備の裏側を覆い前記建築設備収納空間と前記建屋収納空間の当該建屋収納空間に収納される前記建築設備収納空間を除く空間とを仕切るパネルである建築設備裏側パネルの一部を兼ねる、
ことを特徴とする請求項8に記載の設備。
【請求項10】
前記生産設備の前記駆動機器収納空間の裏側を覆うパネルである駆動機器裏側パネルが前記建築設備の裏側にあり前記建築設備収納空間と前記建屋収納空間の当該建屋収納空間に収納される前記建築設備収納空間を除く空間とを仕切るパネルである建築設備裏側パネルの壁または天井の一部を兼ね、前記駆動機器裏側パネルを外すと前記建屋収納空間の当該建屋収納空間に収納される当該建築設備収納空間を除く空間に居るメンテナンス員が前記駆動機器収納空間にアクセスして前記生産設備収納
空間と前記建築設備収納空間の前記建築設備収納空間に収納される前記生産設備収納空間
と前記駆動機器収納空間とを除く空間
との清浄度を乱すことなく前記駆動
機器をメンテナンスできる、
ことを特徴とする請求項9に記載の設備。
【請求項11】
前記主設備を構成する全ての前記ユニットを支持できる長尺部材と前記長尺部材の長手方向に沿って前記長尺部材に支持されるユニットを前記長尺部材の長手方向に沿って移動自在に案内できる案内部材とを有する補助部材と、
を備え、
前記補助部材は前記建屋収納空間の当該建屋収納空間に収納される全ての前記建築設備収納空間を除く空間に収納される、
ことを特徴とする請求項10に記載の設備。
【請求項12】
前記主設備を構成する全ての前記ユニットを支持できる長尺部材と前記長尺部材の長手方向に沿って前記長尺部材に支持されるユニットを前記長尺部材の長手方向に沿って移動自在に案内できる案内部材とを有する補助部材と、
を備え、
前記補助部材は前記建屋収納空間の当該建屋収納空間に収納される全ての前記建築設備収納空間を除く空間に収納される、
ことを特徴とする請求項1に記載の設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬品、医薬部外品、医療機器、細胞に加工を施したもの、または生体の体内で発現する遺伝子を含有されたもののうちのひとつを生産若しくは製造する設備に係る。
特に、本発明は、医薬品若しくは医薬部外品を生産する設備、患者に施術する際に使用される医療機器を製造する設備、又は細胞に加工を施したもの若しくは生体の細胞に導入されてこれらの体内で発現する遺伝子を含有されたもののうちのひとつを生産する設備のうちのひとつの設備に関する。
【背景技術】
【0002】
医薬品または医薬部外品を生産する設備が用いられる。
患者に施術する際に使用される医療機器を製造する設備が用いられる。
細胞に加工を施したもの若しくは生体の細胞に導入されてこれらの体内で発現する遺伝子を含有されたもののうちのひとつを生産する設備が用いられる。
以下では、医薬品若しくは医薬部外品を生産する設備、医療の施術の際に使用される医療機器を製造する設備、又は細胞に加工を施したもの若しくは生体の細胞に導入されてこれらの体内で発現する遺伝子を含有されたもののうちのひとつを生産する設備のうちのひとつを「医薬品等生産/製造設備」と呼称する。
【0003】
医薬品または医薬部外品を生産する設備が適正に用いられるために、予め、基準、法令、またはガイドラインが世界基準に準拠して定められる。
例えば、医薬品または医薬部外品を生産する設備が適正に用いられるために、予め「医薬品及び医薬部外品の生産基準及び品質管理の基準」が定められる。
例えば、医薬品または医薬部外品生産設備が適正に用いられるために、予めGood Manufacturing Practice(以下、「GMP」と呼称する。)が定められる。
【0004】
患者に施術する際に使用される医療機器を製造する設備が適正に用いられるために、予め、基準、法令、またはガイドラインが定められる。
例えば、注射針、バイアルを製造する設備が適正に用いられるために、予め「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」が定められる。
ここで、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」は、我が国の法律であって、「医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品の品質、有効性及び安全性の確保並びにこれらの仕様による保健衛生上の危害及び拡大の防止のために必要な規制を行うとともに、指定薬物の規制に関する措置を講ずるほか、医療上特にその必要がない医薬品、医療機器及び再生医療等製品の研究開発の促進のために必要な措置を講ずることにより、保健衛生の向上を図ることを目的とする。」(第一条)
【0005】
細胞に加工を施したもの若しくは生体の細胞に導入されてこれらの体内で発現する遺伝子を含有されたもののうちのひとつを生産する設備が適正に用いられるために、予め、基準、法令、またはガイドラインが定められる。
例えば、細胞に加工を施したもの若しくは生体の細胞に導入されてこれらの体内で発現する遺伝子を含有されたもののうちのひとつを生産する設備が適正に用いられるために、予め「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」が定められる。
ここで、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」は、我が国の法律であって、「再生医療等に用いられる再生医療等技術の安全性の確保及び生命倫理への配慮に関する措置その他の再生医療等を提供しようとする者が講ずべき措置を明らかにするとともに、特定細胞加工物の製造の許可等の制度を定めること等により、再生医療等の迅速かつ安全な提供及び普及の促進を図り、もって医療の質及び保健衛生の向上に寄与することを目的とする。」(第一条)
【0006】
例えば、細胞に加工を施したもの若しくは生体の細胞に導入されてこれらの体内で発現する遺伝子を含有されたもののうちのひとつは、再生医療等製品である。
我が国の法律「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」に「再生医療等製品」が定義される。
この法律で「再生医療等製品」とは、次に掲げる物(医薬部外品及び化粧品を除く。)であって、政令で定めるものをいう。(第2条9項)
1号 次に掲げる医療又は獣医療に使用されることが目的とされている物のうち、人又は動物の細胞に培養その他の加工を施したもの
イ 人又は動物の身体の構造又は機能の再建、修復又は形成
ロ 人又は動物の疾病の治療又は予防
2号 人又は動物の疾病の治療に使用されることが目的とされている物のうち、人又は動物の細胞に導入され、これらの体内で発現する遺伝子を含有させたもの
以下では、これらの設備について予め定められた基準、法令、またはガイドラインのうちのひとつを、「基準/法令/ガイドライン」と呼称する。
【0007】
ところで、近年、以下の様な社会的な問題が発生している。
薬の特許切れが起きると、後発医薬品生産企業が台頭し既存製薬企業の業績が悪化する。
医薬製造認可(査察)基準の国際標準化に伴い医薬品製造工場の設備基準が変更される。
先進医学の進展に伴い個人の遺伝子や抗体、細胞加工等の技術に基づいた医薬品等の需要が増大する。
【0008】
そこで、以下の不具合を解決しなければならない。
少量多品種の医薬品生産に際し、固定設備の場合には交叉汚染防止のための洗浄に手間がかかる。
医薬品生産の操業までに時間がかかる。
例えば、建屋の建設の過程に医薬品生産ラインの構築過程を組み込むために工程管理が煩雑になる。
例えば、医薬品生産の審査基準(例えば、GMP)の満足のために、操業までの設計時、工場出荷前、機器類設置時、試運転時、実稼働運転時の全行程に渡り煩雑な適格性評価を要する。
【0009】
上述の不具合の一部を解決するために、固定設備の替わりに、単一の使用目的の設備技術(「シングルユース」と呼称する。)を用いることが知られている。
発明者らが、これを前提にして、以下の効果を発揮できる技術を検討した。
すでに出来上がっている建屋の空間を活用し、建設過程を省略する。例えば、物流施設は、建屋空間利用の自由度が高く、重量物の設置に耐えられる床面を備えている。
医薬品生産にかかる室をプレハブ化して既存床面に適切に配置することにより、建設地での生産ラインの構築手順を簡略化する。
プレハブ化した単数または複数の室には医薬品生産の設備を予め装備し、建設地での当該設備工事を省略する。
医薬品生産設備の適格性評価の大部分をプレハブ化した時期に前倒しして評価し、建設地での当該評価管理を省略する。
単数または複数の室のプレハブ化と同時に原料、中間生産物、最終製品、廃棄物等のものの移動特性や作業員、保守要員、査察官等の人の更衣動線に応じた機能をプレハブ化し、既存建屋への特殊な改修工事を少なくする。
既存建屋の改修工事を最小限とするために、もの、人の移動特性に必要なものの搬入出設備を交換可能な構造の使い捨てまたは再利用可能な容器等を有するユニットとする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特開2012-187016号
【文献】特開2013-253761号
【文献】特開平9-222247号
【文献】特開2009-002634号
【文献】特開2011-257019号
【文献】特開2011-257018号
【文献】特開2017-048941号
【文献】特開2000-018663号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
その結果、発明者らは、建屋の大きな空間内に、工場の計画から操業までの時間を短縮でき、メンテナンスが容易になる様に、予め主要な機能やユーティリティーを内蔵した箱状のユニットを適切に配置して構築される主設備を含む医薬品等生産/製造設備を考案した。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、医薬品、医薬部外品、医療機器、細胞に加工を施したもの、または生体の体内で発現する遺伝子を含有されたもののうちのひとつを生産若しくは製造する設備を、単数または複数のユニットと、単数または複数の前記ユニットで構成される主設備を収納する収納空間である建屋収納空間を形成する建屋と、を備え、前記ユニットは、骨組と骨組に支持されるパネルとを持ち内部に収納空間である建築設備収納空間を形成する設備である建築設備と、前記建築設備の中に設置され前記建築設備収納空間の内に収納空間である生産設備収納空間を形成する設備である生産設備と、を有する、ものとした。
【0013】
上記本発明の構成において、建屋は、単数または複数の前記ユニットで構成される主設備を収納する前記建屋収納空間を形成する。単数または複数の前記ユニットは建設設備と生産設備とを有する。建築設備は、骨組と骨組に支持されるパネルとを持ち、内部に建築設備収納空間を形成する設備である。生産設備は、前記建築設備の中に設置され前記建築設備収納空間の内に生産設備収納空間を形成する設備である。
その結果、前記生産設備収納空間と前記建築設備収納空間と前記建屋収納空間との間の漏洩を抑制したい設備を簡易に構築できる。
【0014】
以下に、本発明の実施形態に係る医薬品、医薬部外品、医療機器、細胞に加工を施したもの、または生体の体内で発現する遺伝子を含有されたもののうちのひとつを生産若しくは製造する設備を説明する。本発明は、以下に記載した実施形態のいずれか、またはそれらの中の二つ以上が組み合わされた態様を含む。
【0015】
また、本発明の実施形態に係る設備は、前記生産設備収納空間の気圧と前記建築設備収納空間の気圧とが異なり、且つ前記建築設備収納空間の気圧と前記建屋収納空間の気圧とが異なる様に気圧制御される。
上記本発明に係る実施形態の構成により、前記生産設備収納空間の気圧と前記建築設備収納空間の気圧とが異なる。前記建築設備収納空間の気圧と前記建屋収納空間の気圧とが異なる様に気圧制御される。
その結果、前記生産設備収納空間と前記建築設備収納空間と前記建屋収納空間との間の漏洩を抑制しやすい。
【0016】
また、本発明の実施形態に係る設備は、前記生産設備収納空間の気圧が前記建築設備収納空間の気圧より低く、且つ前記建築設備収納空間の気圧が前記建屋収納空間の気圧より低くなる様に気圧制御される、
上記本発明に係る実施形態の構成により、前記生産設備収納空間の気圧が前記建築設備収納空間の気圧より低い。且つ前記建築設備収納空間の気圧が前記建屋収納空間の気圧より低くなる様に気圧制御される、
その結果、前記生産設備収納空間と前記建築設備収納空間と建屋収納空間との間の漏洩を抑制しやすい。
【0017】
また、本発明の実施形態に係る設備は、複数のユニットと、複数の前記ユニットで構成される主設備を収納する前記建屋収納空間を形成する建屋と、を備え、複数の前記ユニットが特定の順番である前記特定順番に従って直列または並列に配置され複数の前記ユニットの前記建築設備が連結され複数の前記ユニットの前記生産設備が連結される。
上記本発明に係る実施形態の構成により、建屋は、複数の前記ユニットで構成される主設備を収納する前記建屋収納空間を形成する。複数の前記ユニットが特定の順番である前記特定順番に従って直列または並列に配置され複数の前記ユニットの前記建築設備が連結され複数の前記ユニットの前記生産設備が連結される。
その結果、前記生産設備収納空間と前記建築設備収納空間と前記建屋収納空間との間の漏洩を抑制しやすい設備を迅速に構築できる。
【0018】
また、本発明の実施形態に係る設備は、前記特定順番に従って直列または並列に配置される複数の前記ユニットで構成される前記主設備の1対の両端部が前記生産設備収納空間と前記建屋収納空間とを仕切るパネルまたは前記建築設備収納空間と前記建屋収納空間を仕切るパネルで閉じられる、
上記本発明に係る実施形態の構成により、前記特定順番に従って直列または並列に配置される複数の前記ユニットで構成される前記主設備の1対の両端部が前記生産設備収納空間と前記建屋収納空間とを仕切るパネルまたは前記建築設備収納空間と前記建屋収納空間を仕切るパネルで閉じられる。
その結果、生産設備収納空間と建築設備収納空間と建屋収納空間との間の漏洩を抑制しやすい。
【0019】
また、本発明の実施形態に係る設備は、上から見て前記生産設備収納空間を境として前記生産設備の前記建築設備収納空間に居るオペレータに対面する側を前記生産設備の表側と前記生産設備のその反対側を前記生産設備の裏側と呼称するときに、前記生産設備の表側が前記建築設備収納空間に面しており前記建築設備収納空間にいるオペレータが前記生産設備の表側から前記生産設備収納空間の中での操作をでき、前記生産設備の裏側が前記建屋収納空間に面しており前記建屋収納空間にいるメンテナンス員が前記生産設備の裏側から前記生産設備収納空間と区分けられて前記生産設備収納空間にある生産機器を駆動する機器である駆動機器が収まる空間である駆動機器収納空間にアクセスして前記駆動機器をメンテナンスできる、
上記本発明に係る実施形態の構成により、前記生産設備の表側が前記建築設備収納空間に面しており前記建築設備収納空間にいるオペレータが前記生産設備の表側から前記生産設備収納空間の中での操作をできる。前記生産設備の裏側が前記建屋収納空間に面しており前記建屋収納空間にいるメンテナンス員が前記生産設備の裏側から前記生産設備収納空間と区分けられて前記生産設備収納空間にある生産機器を駆動する機器である駆動機器が収まる空間である駆動機器収納空間にアクセスして前記駆動機器をメンテナンスできる。
その結果、オペレータが前記生産設備の表側から前記生産設備収納空間の中での操作するときに、メンテナンス員が前記生産設備の裏側から前記生産設備収納空間にある生産機器を駆動する機器である駆動機器が収まる空間である駆動機器収納空間にアクセスして前記駆動機器をメンテナンスできる。
【0020】
また、本発明の実施形態に係る設備は、上から見て前記建築設備収納空間を境として前記建築設備の前記生産設備の表側に対応する側を前記建築設備の表側と前記建築設備のその反対側を前記建築設備の裏側と呼称するときに、前記生産設備の裏側を覆う壁体である生産設備裏側壁体が前記建築設備の裏側を覆うパネルである建築設備裏側パネルの一部を兼ねる。
上記本発明に係る実施形態の構成により、前記生産設備の裏側を覆う壁体である生産設備裏側壁体が前記建築設備の裏側を覆うパネルである建築設備裏側パネルの一部を兼ねる。
その結果、前記生産設備と前記建築設備とを一体化した単数または複数の前記ユニットで構成される主設備として取り扱うことができる。
【0021】
また、本発明の実施形態に係る設備は、前記生産設備の裏側を覆い前記生産設備収納空間を形成する壁体である生産設備裏側壁体が前記建築設備の裏側を覆うパネルである建築設備裏側パネルの一部を兼ねる、
上記本発明に係る実施形態の構成により、前記生産設備の裏側を覆い前記生産設備収納空間を形成する壁体である生産設備裏側壁体が前記建築設備の裏側を覆うパネルである建築設備裏側パネルの一部を兼ねる。
その結果、前記生産設備と前記建築設備とを一体化した単数または複数の前記ユニットで構成される主設備として取り扱うことができる。
【0022】
また、本発明の実施形態に係る設備は、前記生産設備の裏側を覆い前記生産設備収納空間を形成する壁体である生産設備裏側壁体が前記建築設備の裏側を覆い前記建築設備収納空間と前記建屋収納空間とを仕切るパネルである建築設備裏側パネルの一部を兼ねる。
上記本発明に係る実施形態の構成により、前記生産設備の裏側を覆い前記生産設備収納空間を形成する壁体である生産設備裏側壁体が前記建築設備の裏側を覆い前記建築設備収納空間と前記建屋収納空間とを仕切るパネルである建築設備裏側パネルの一部を兼ねる、
その結果、前記生産設備と前記建築設備とを一体化した単数または複数の前記ユニットで構成される主設備として取り扱うことができる。
【0023】
また、本発明の実施形態に係る設備は、前記生産設備の前記駆動機器収納空間の裏側を覆うパネルである駆動機器裏側パネルが前記建築設備の裏側にあり前記建築設備収納空間と前記建屋収納空間を仕切るパネルである建築設備裏側パネルの壁または天井の一部を兼ね、前記駆動機器裏側パネルを外すと前記建屋収納空間にいるメンテナンス員が前記駆動機器収納空間にアクセスして前記生産設備収納空間と前記建築設備収納空間の清浄度を乱すことなく前記駆動機器をメンテナンスできる、
上記本発明に係る実施形態の構成により、前記生産設備の駆動機器収納空間の裏側を覆うパネルである駆動機器裏側パネルが前記建築設備の裏側にあり前記建築設備収納空間と前記建屋収納空間を仕切るパネルである建築設備裏側パネルの壁または天井の一部を兼ねる。前記駆動機器裏側パネルを外すと建屋収納空間にいるメンテナンス員が前記駆動機器収納空間にアクセスして前記生産設備収納空間と前記建築設備収納空間の清浄度を乱すことなく前記駆動機器をメンテナンスできる、
その結果、従来重複していた必要設備や機器を削減でき、前記ユニットを1つの装置として取り扱うことができる。
【0024】
また、本発明の実施形態に係る設備は、前記主設備を構成する全ての前記ユニットを支持できる長尺部材と前記長尺部材の長手方向に沿って前記長尺部材に支持されるユニットを案内できる案内部材とを有する補助部材と、を備える。
上記本発明に係る実施形態の構成により、補助部材は、前記主設備を構成する全ての前記ユニットを支持できる長尺部材と前記長尺部材の長手方向に沿って前記長尺部材に支持されるユニットを案内できる案内部材とを有する。
その結果、前記主設備の建屋への導入が容易になる。
【発明の効果】
【0025】
以上説明したように、本発明に係る設備は、その構成により、以下の効果を有する。
建物の形成する前記建屋収納空間に前記建設設備と前記生産設備とでできた前記ユニットを含む前記主設備を収納し、前記建築設備の形成する前記建築設備収納空間に前記生産設備を収納し、前記生産設備のなかに前記生産設備収納空間を形成する様にしたので、前記生産設備収納空間と前記建築設備収納空間と前記建屋収納空間との間の漏洩を抑制したい設備を簡易に構築できる。
また、気圧制御され、前記生産設備収納空間の気圧と前記建築設備収納空間の気圧とが異なる。前記建築設備収納空間の気圧と前記建屋収納空間の気圧とが異なる様にしたので、前記生産設備収納空間と前記建築設備収納空間と前記建屋収納空間との間の漏洩を抑制しやすい。
また、気圧制御され、前記生産設備収納空間の気圧が前記建築設備収納空間の気圧より低く、且つ前記建築設備収納空間の気圧が前記建屋収納空間の気圧より低くなる様にしたので、前記生産設備収納空間と前記建築設備収納空間と前記建屋収納空間との間の漏洩を抑制しやすい。
また、建物の形成する前記建屋収納空間に複数の前記建設設備と複数の前記生産設備とでできた前記主設備を収納し、複数の前記建築設備の形成する前記建築設備収納空間に複数の前記生産設備を収納し、複数の前記生産設備のなかに前記生産設備収納空間を形成する様にしたので、前記生産設備収納空間と前記建築設備収納空間と前記建屋収納空間との間の漏洩を抑制しやすい設備を構築できる。
また、前記特定順番に従って直列または並列に配置される複数の前記ユニットで構成される前記主設備の1対の両端部が生産設備収納空間と建屋収納空間または建築設備収納空間と建屋収納空間を仕切るパネルで閉じられる様にしたので、前記生産設備収納空間と前記建築設備収納空間と前記建屋収納空間との間の漏洩を抑制しやすい。
また、前記建築設備収納空間にいるオペレータが前記生産設備の表側から前記生産設備収納空間の中での操作をでき、前記建屋収納空間にいるメンテナンス員が前記建築設備の裏側から前記生産設備収納空間と区分けられて前記生産設備収納空間にある生産機器を駆動する機器である駆動機器が収まる空間である駆動機器収納空間にアクセスして前記前記生産設備収納空間と前記建築設備収納空間の清浄度を乱すことなく前記駆動機器をメンテナンスできる様にしたので、オペレータが前記生産設備の表側から前記生産設備収納空間の中での操作する際に、メンテナンス員が前記生産設備の裏側から前記生産設備収納空間にある前記生産機器を駆動する機器である前記駆動機器が収まる空間である前記駆動機器収納空間にアクセスして前記生産設備収納空間と前記建築設備収納空間の清浄度を乱すことなく前記駆動機器をメンテナンスできる。
また、前記生産設備の裏側を覆う壁体である生産設備裏側壁体が前記建築設備の裏側を覆うパネルである建築設備裏側パネルの一部を兼ねる様にしたので、前記生産設備と前記建築設備とを一体化した単数または複数のユニットで構成される主設備として取り扱うことができる。
また、前記生産設備の裏側を覆い前記生産設備収納空間を形成する壁体である生産設備裏側壁体が前記建築設備の裏側を覆うパネルである建築設備裏側パネルの一部を兼ねる様にしたので、前記生産設備と前記建築設備とを一体化した単数または複数の前記ユニットで構成される主設備として取り扱うことができる。
また、前記生産設備の裏側を覆い前記生産設備収納空間を形成する壁体である生産設備裏側壁体が前記建築設備の裏側を覆い前記建築設備収納空間と前記建屋収納空間とを仕切るパネルである建築設備裏側パネルの一部を兼ねる様にしたので、前記生産設備と前記建築設備とを一体化した単数または複数のユニットで構成される前記主設備として取り扱うことができる。
また、前記建築設備の裏側にあり前記建築設備収納空間と前記建屋収納空間を仕切るパネルである建築設備裏側パネルの内壁または天井の一部を兼ねる前記駆動機器裏側パネルを外すと前記建屋収納空間にいるメンテナンス員が前記駆動機器収納空間にアクセスして前記生産設備収納空間と前記建築設備収納空間の清浄度を乱すことなく前記駆動機器をメンテナンスできる様にしたので、従来重複していた必要設備や機器を削減でき、ユニットを1つの装置として取り扱うことができる。
また、長尺部材が支持する前記主設備を構成する全てのユニットを長手方向に沿って案内できる様にしたので、主設備の建屋への導入が容易になる。
その結果、建屋の大空間内に、工場の計画から操業までの時間を短縮でき、メンテナンスが容易になる様に、予め主要な機能やユーティリティーを内蔵した箱状のユニットを適切に配置した主設備を含む設備を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の実施形態に係るユニットの概念図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る主設備の概念図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る医薬品等生産/製造設備の平面図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る医薬品等生産/製造設備の正面図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る医薬品等生産/製造設備の側面断面図その1である。
【
図6】本発明の実施形態に係る医薬品等生産/製造設備の側面断面図その2である。
【
図7】本発明の実施形態に係る医薬品等生産/製造設備のA-A矢視図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る医薬品等生産/製造設備のB-B矢視図である。
【
図9】本発明の第一の実施形態に係る医薬品等生産/製造設備の構築説明図である。
【
図10】本発明の第一の実施形態に係る医薬品等生産/製造設備の構築手順図である。
【
図11】本発明の第二の実施形態に係る医薬品等生産/製造設備の構築説明図である。
【
図12】本発明の第二の実施形態に係る医薬品等生産/製造設備の構築手順図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。
【0028】
本発明の実施形態にかかる医薬品等生産/製造設備は、医薬品若しくは医薬部外品を生産する設備、患者に施術する際に使用される医療機器を製造する設備、又は細胞に加工を施したもの若しくは生体の細胞に導入されてこれらの体内で発現する遺伝子を含有されたもののうちのひとつを生産する設備のうちのひとつの設備である。
以下では、説明の便宜上、上から見て生産設備収納空間を境として生産設備の建築設備収納空間に居るオペレータに対面する側を生産設備の表側と生産設備のその反対側を生産設備の裏側と呼称し、上から見て前記建築設備収納空間を境として建築設備の生産設備の表側に対応する側を建築設備の表側と建築設備のその反対側を建築設備の裏側と呼称する。
【0029】
本発明の実施形態にかかる医薬品等生産/製造設備は、単数又は複数のユニット10と建屋100とで構成される。
本発明の実施形態にかかる医薬品等生産/製造設備は、単数のユニット10と建屋100とで構成されてもよい。
本発明の実施形態にかかる医薬品等生産/製造設備は、複数のユニット10と建屋100とで構成されてもよい。
本発明の実施形態にかかる医薬品等生産/製造設備は、複数のユニット10と補助部材20と建屋100とで構成されてもよい。
【0030】
建屋100は、単数または複数のユニット10で構成される主設備を収納する建屋収納空間を形成する。
建屋100は、付属設備を支持可能な床をもち、所定の機能を発揮できる建屋収納空間E3を形成する建築物であってもよい。
例えば、建屋1は、医薬品または医薬部外品生産設備を支持可能な床とその重量を移動させる機能を発揮できる収納空間を持つ建築物である。
建屋1は、医薬品または医薬部外品生産設備に必要なリソースを供給できるリソース供給機能を備えていてもよい。
【0031】
ユニット10は、建築設備11と生産設備12とで構成される。
図1(A)は、工場に据えられた建築設備11を示す。
図1(B)は、工場に据えられた建築設備11と生産設備12とを示す。
図1(C)は、工場に据付けられたユニットについて基準/法令/ガイドラインに沿った製造のための妥当性確認をする様子を示す。
図1(D)は、建屋100に据付けられたユニットを示す。
図1(E)は、主設備を示す。
【0032】
建築設備11は、内部に建築設備収納空間E2を形成する設備である。
建築設備11は、骨組11sと骨組11sに支持されるパネルとを有し、内部に建築設備収納空間E2を形成する設備であってもよい。
建築設備11は、骨組11sと骨組11sに支持されるパネルとを有し、パネルで囲われる内部に建築設備収納空間E2を形成する設備であってもよい。
建築設備11は、骨組11sと骨組11sに支持されるパネルとを有し、骨格とパネルとで囲われる内部に建築設備収納空間E2を形成する設備であってもよい。
例えば、パネルは、建築設備表側パネル11f、建築設備裏側パネル11r、建築設備天井パネル11t、建築設備床面パネル11g、端部パネル14、その他である。
図1(A)に、パネルを省略した建築設備11の骨組が示される。
【0033】
生産設備12は、建築設備11の中に設置され建築設備収納空間E2の内に生産設備収納空間E1を形成する設備である。
医薬品、医薬部外品、医療機器、細胞に加工を施したもの、または生体の体内で発現する遺伝子を含有されたもののうちのひとつを生産若しくは製造する工程で、原料、容器等が生産設備収納空間E1を通過する。
生産機器12が、生産設備収納空間E1の中に設けられる。
生産機器12は、医薬品若しくは医薬部外品を生産する機器、患者に施術する際に使用される医療機器を製造する機器、又は細胞に加工を施したもの若しくは生体の細胞に導入されてこれらの体内で発現する遺伝子を含有されたもののうちのひとつを生産する機器、その他である。
生産設備12は、生産設備収納空間E1を形成するパネルを持つ。
例えば、パネルは、生産設備表側壁体12f、生産設備裏側壁体12r、生産設備天井パネル12t、生産設備床面パネル12g、生産設備側面パネル、端部パネル14、その他である。
生産設備表側壁体12f、生産設備裏側壁体12r、生産設備天井パネル12t、生産設備床面パネル12g、生産設備側面パネルが建築設備収納空間E2を囲う。
例えば、生産設備表側壁体12fは、作業のためにオペレータ5が生産設備収納空間E1の中を見るためののそき窓とのそき窓に連結されるグローブを備えられる。
例えば、気流が生産設備天井パネル12tから生産設備床面パネル12gに流れる。
図1(B)に、生産設備12が建築設備11の建築設備収納空間E2に収納される様子を示される。
【0034】
建屋収納空間E3の気圧と建屋100の外の雰囲気の大気圧は等しくてもよい。
建屋収納空間E3の気圧と建屋100の外の雰囲気の大気圧は等しくなる様に気圧制御されていてもよい。
建屋収納空間E3の気圧と建屋100の外の雰囲気の大気圧が異なる様に気圧制御されていてもよい。
建屋収納空間E3はクリーンルームとして管理されていてもよい。
【0035】
生産設備収納空間E2の気圧と建築設備収納空間E2の気圧とが異なり、且つ建築設備収納空間E2の気圧と建屋収納空間E3の気圧とが異なる様に気圧制御されてもよい。
気圧制御機器15が、生産設備収納空間E1の気圧と建築設備収納空間E2の気圧と建屋収納空間E3の気圧とを制御する。
気圧制御機器15が、ユニット10の裏側に配されてもよい。
生産設備収納空間E1の気圧と建築設備収納空間E2の気圧との差およびその正負、建築設備収納空間E2の気圧と建屋収納空間E3の気圧との差およびその正負は、主設備で生産または製造される対象物に応じて予め設定される。
【0036】
生産設備収納空間E1の気圧が建築設備収納空間E2の気圧より低く、且つ建築設備収納空間E2の気圧が建屋収納空間E3の気圧より低くなる様に気圧制御されてもよい。
例えば、生産設備収納空間E1から外への漏洩を抑制したいとき、気圧制御機器15が、生産設備収納空間E1の気圧が建築設備収納空間E2の気圧より低く、且つ建築設備収納空間E2の気圧が建屋収納空間E3の気圧より低くなる様に気圧制御する。
【0037】
生産設備収納空間E1の気圧が建築設備収納空間E2の気圧より高く、且つ建築設備収納空間E2の気圧が建屋収納空間E3の気圧より高くなる様に気圧制御されてもよい。
例えば、外から生産設備収納空間E1への漏洩を抑制したいとき、気圧制御機器15が、生産設備収納空間E1の気圧が建築設備収納空間E2の気圧より高く、且つ建築設備収納空間E2の気圧が建屋収納空間E3の気圧より高くなる様に気圧制御する。
【0038】
主設備50が複数のユニット10で構成される場合、複数のユニット10が、特定の順番である特定順番に従って直列または並列に配列される。
複数のユニット10が特定の順番である特定順番に従って直列または並列に配置され複数のユニット10の建築設備11が連結され複数のユニットの生産設備12が連結される。
複数のユニット10が特定の順番である特定順番に従って直列または並列に配置され複数のユニット10の建築設備11が特定順番に従って直列または並列に連結され複数のユニットの生産設備12が特定順番に従って直列または並列に連結されてもよい。
図3乃至4に、複数のユニット10が特定順番に従って直列に配列され複数のユニットの建築設備11が特定順番に従って直列に連結され複数のユニット10の生産設備12が特定順番に従って直列に連結される様子が示される。
図2に、複数のユニット10が特定順番に従って直列に配列され、複数のユニット10の建築設備11が特定順番に従って直列に連結される様子が示される。
例えば、複数のユニット10の建築設備11が特定順番に従って直列に建築設備収納空間E2と建屋収納空間E3との間を気密に保つ様に連結される。
【0039】
隣り合う建築設備11の端部がシール部材16を介して連結される。建築設備収納空間E2が、隣り合う建築設備11の中に形成される。共通の建築設備収納空間E2が、隣り合う建築設備11の中に形成されてもよい。各々の建築設備収納空間E2が、隣り合う各々の建築設備11の中に別個に形成されてもよい。
隣り合う生産設備12が連結される。
例えば、隣り合う生産設備12が連結ボックス17を介して連結される。共通の生産設備収納空間E1が隣り合う生産設備12のなかに形成されてもよい。各々の生産設備収納空間E1が隣り合う生産設備12のなかに別個に形成されてもよい。連結ボックス17は、その収納空間を連結する生産設備12の生産設備収納空間E1と連通したり遮断したりできる。
【0040】
特定順番に従って直列または並列に配置される複数のユニット10で構成される主設備50の1対の両端部が生産設備収納空間E1と建屋収納空間E3を仕切るパネルまたは建築設備収納空間E2と建屋収納空間E3を仕切るパネルである端部パネル14で閉じられる。
図4に、端部パネル14が、特定順番に従って直列に配置される複数のユニット10で構成される主設備50の1対の両端部が建築設備収納空間E2と建屋収納空間E3を仕切る様子が示される。
【0041】
生産設備12の表側が建築設備収納空間E2に面しており、建築設備収納空間E2にいるオペレータ5が生産設備12の表側から生産設備収納空間E1の中での操作をできてもよい。
図5、
図6に、建築設備収納空間E2にいるオペレータ5が生産設備12の表側からグローブボックスの手袋に手を入れて生産設備収納空間E1の中での操作をする様子が示される。
生産設備12の裏側が建屋収納空間E3に面しており、建屋収納空間E3にいるメンテナンス員6が生産設備12の裏側から生産設備収納空間E1と区分けられて生産設備収納空間E1にある生産機器を駆動する機器である駆動機器(図示せず)が収まる空間である駆動機器収納空間E4にアクセスして駆動機器をメンテナンスできてもよい。
例えば、生産設備12の裏側が建屋収納空間E3に面しており、建屋収納空間E3にいるメンテナンス員6が生産設備12の裏側から生産設備収納空間E1と区分けられて生産設備収納空間E1にある生産機器を駆動する機器である駆動機器(図示せず)が収まる空間である駆動機器収納空間E4にアクセスして生産設備収納空間E1と建築設備収納空間E2の清浄度を乱すことなく駆動機器をメンテナンスできる。
図6に、建屋収納空間E3にいるメンテナンス員6が生産設備12の裏側から生産設備収納空間E1にある生産機器を駆動する機器である駆動機器(図示せず)が収まる空間である駆動機器収納空間E4にアクセスして駆動機器をメンテナンスする様子が示される。
図6では、建屋収納空間E3と駆動機器収納空間E4の気圧が等しくなり、生産設備収納空間E1の気圧と建築設備収納空間E2の気圧とが建屋収納空間E3の気圧より低くなる様に維持されている様子が示される。
この様にすると、生産設備収納空間E1から建屋収納空間E3への漏洩と、建築設備収納空間E2から建屋収納空間E3への漏洩を抑制できる。
【0042】
生産設備12の裏側を覆う壁体である生産設備裏側壁体12rが建築設備11の裏側を覆うパネルである建築設備裏側パネル11rの一部を兼ねてもよい。
【0043】
生産設備12の裏側を覆い生産設備収納空間を形成する壁体である生産設備裏側壁体12rが建築設備11の裏側を覆うパネルである建築設備裏側パネル11rの一部を兼ねてもよい。
【0044】
生産設備12の裏側を覆い生産設備収納空間E1を形成する壁体である生産設備裏側壁体12rが建築設備11の裏側を覆い建築設備収納空間E2と建屋収納空間E3とを仕切るパネルである建築設備裏側パネル11rの一部を兼ねてもよい。
【0045】
生産設備12の駆動機器収納空間E4の裏側を覆うパネルである駆動機器裏側パネル13rが建築設備11の裏側にあり建築設備収納空間E2と建屋収納空間E3を仕切るパネルである建築設備裏側パネル11rの壁または天井の一部を兼ね、駆動機器裏側パネル13rを外すと建屋収納空間居E3にいるメンテナンス員6が駆動機器収納空間E4にアクセスして生産設備収納空間E1と建築設備収納空間E2の清浄度を乱すことなく駆動機器(図示せず)をメンテナンスできてもよい。
生産機器(図示せず)は、生産または製造に供する機器である。
例えば、駆動機器(図示せず)は、生産設備収納空間E1に収納される生産機器(図示せず)を駆動する機械、配管、電気回路等をもつ。
【0046】
補助部材20は、主設備を構成する全てのユニットを支持できる長尺部材31を持ってもよい。
補助部材20は、主設備50を構成する全てのユニット10を支持できる長尺部材21と長尺部材21の長手方向に沿って長尺部材に支持されるユニットを案内できる案内部材22とで構成されてもよい。
案内部材は、長尺部材21の長手方向に沿って長尺部材に支持されるユニットを長尺部材21の上を移動できる様に案内できてもよい。
案内部材は、長尺部材21の長手方向に沿って長尺部材に支持されるユニットを長尺部材21と一体として建屋収納空間E3の床の上を移動できる様に案内できてもよい。
主装置を構成する複数のユニット10が、長尺部材21に支持される。
主装置を構成する全てのユニット10が、長尺部材21に支持されてもよい。
例えば、案内部材22は、ユニット10に設けられた車輪を長尺部材の長手方向に案内するレールである。
例えば、案内部材22は、ユニット10と長尺部材21とを一体として建屋収納空間E3の床の上を移動できる治具であってもよい。
補助部材20は、一体構造であってもよい。
補助部材20は、複数に分割できる構造であってもよい。
長尺部材は、型鋼材、ラチス梁、等できた長尺の部材である。
長尺部材は、型鋼材、ラチス梁、プレート梁、トラス梁のうちの1つであってもよい。
【0047】
以下に、本発明の実施形態にかかる医薬品等生産/製造設備の例を、図を基に、説明する。
図3は、医薬品等生産/製造設備の例を示す。
例えば、医薬品等生産/製造設備は、薬品等を凍結乾燥させてバイアルに封入する設備である。
図3に示す医薬品等生産/製造設備の主設備は、供給機ユニット10aと充填機ユニット10bと凍結機ユニット10cと巻締機ユニット10dと外洗機ユニット10eと凍結乾燥機30とバイアル集積機40とで構成される。
供給機ユニット10aは、第一建設設備11aと薬剤を供給する供給機アイソレータ12aとで構成される。
充填機ユニット10bは、第二建設設備11bと薬剤をバイアルに充填する充填機アイソレ-タ12bとで構成される。
凍結機ユニット10cは、第三建設設備11cと薬剤を凍結させる凍結機アイソレータ12cとで構成される。
巻締機ユニット10dとは、第四建設設備11dとバイアルの口に蓋を巻締めるバイル巻締機アイソレータ12dとで構成される。
外洗機ユニット10eは、第五建設設備11eとバイアルを外洗するバイアル外洗機アイソレータ12eとで構成される。
凍結乾燥機30は、凍結した薬剤を凍結乾燥する機械である。
バイアル集積機40は、完成した薬剤入りのバイアルを集積する機械である。
【0048】
供給機ユニット10aと充填機ユニット10bと凍結機ユニット10cと巻締機ユニット10dと外洗機ユニット10eとが補助部材20に支持される。
【0049】
生産設備である供給機アイソレータ12a、充填機アイソレ-タ12b、凍結機アイソレータ12c、バイル巻締機アイソレータ12d、及びバイアル外洗機アイソレータ12eの中には、各々に生産設備収納空間E1が形成される。
建設設備である第一建設設備11a、第二建設設備11b、第三建設設備11c、第四建設設備11d、及び第五建設設備11Eの中には、建築設備収納空間E2が形成される。
建物100の中には、建屋収納空間E3が形成される。
図6に、作業員6が建築設備収納空間E2に居て、生産設備収納空間E1の中でバイアルへの収納作業をしている様子が示される。
図6、
図8に、駆動機器裏側パネル13rを外した様子が示される。
【0050】
以下に、本発明の第一の実施形態にかかる医薬品等生産/製造設備の構築手順を、図を基に、詳述する。
図9は、本発明の第一の実施形態に係る医薬品等生産/製造設備の構築説明図である。
図10は、本発明の第一の実施形態に係る医薬品等生産/製造設備の構築手順図である。
【0051】
<建屋特定工程S15>
建屋特定工程S15は、主設備50を収納可能な建屋収納空間E3を形成する建屋を特定する工程である。
【0052】
<ユニット製作工程S20>
ユニット製作工程S20は、ユニット毎に、工場であるユニット製作工場で建築設備11を設置して、建築設備11のなかに生産設備12を設置して主設備50を構成する単数または複数のユニット10を製作する工程である。
ユニット製作工程S20を、1つのユニット製作工場で実行してもよい。
ユニット製作工程S30を、複数のユニット製作工場で、ユニット毎に実行してもよい。
ユニット製作工程S20は、ユニット毎に、工場であるユニット製作工場でレベル調整をした補助部材20の上に建築設備11をレベル調整をして設置して建築設備のなかに生産設備12をレベル調整をして設置して単数または複数のユニットを製作する工程であってもよい。
図9(A)は、ユニット製作工程S20を実行する様子を示す。
ユニット製作工場200のなかで、供給機ユニット10aと充填機ユニット10bと凍結機ユニット10cと巻締機ユニット10dと外洗機ユニット10eとが補助部材20の上で組み立てられる。
主設備の組立が完了すると、妥当性確認工程S30が実行される。
【0053】
<妥当性確認工程S30>
妥当性確認工程S30は、単数または複数のユニットについて予め定められた基準、法令、またはガイドラインのうちのひとつである基準/法令/ガイドラインに沿った製造のための妥当性確認をする工程である。
【0054】
<ユニット運搬工程S40>
ユニット運搬工程S40は、単数または複数のユニットをユニット製作工場から建屋に運搬する工程である。
供給機ユニット10aと充填機ユニット10bと凍結機ユニット10cと巻締機ユニット10dと外洗機ユニット10eとが、ユニット単位にばらされて、ユニット製作工場200から建屋に運ばれる。
【0055】
<補助部材搬入工程S45>
補助部材搬入工程S45は、補助部材20を建屋に搬入する工程である。
補助部材20が建屋100に搬入される。
図9(C)に、補助部材20が建屋100の開口を通過して建屋100に搬入される様子が示される。
【0056】
<ユニット搬入工程S50>
ユニット搬入工程S50は、単数または複数のユニットをユニット毎に建屋に設けた開口から建屋の建屋収納空間に搬入する工程である。
供給機ユニット10aと充填機ユニット10bと凍結機ユニット10cと巻締機ユニット10dと外洗機ユニット10eとが建屋100に搬入される。
図9(D)に、供給機ユニット10aと充填機ユニット10bと凍結機ユニット10cと巻締機ユニット10dと外洗機ユニット10eとが補助部材20の上を案内部材22に案内されて移動して特定順番に従って直列に配置される様子が示される。
【0057】
<ユニット設置工程S60>
ユニット設置工程S60は、建屋の建屋収納空間E3の中に単数または複数のユニット10を設置して医薬品等生産/製造設備を構築する工程である。
建屋の建屋収納空間の中に主設備50を設置する。
図9(E)に、第一建設設備11a、第二建設設備11b、第三建設設備11c、第四建設設備11d、第五建設設備11eが、特定順番に従って直列に連結され、供給機アイソレータ12a、充填機アイソレータ12b、凍結機アイソレータ12c、バイアル巻締機アイソレータ12d、バイアル外洗機アイソレータ12eが、特定順番に従って直列に連結され、凍結乾燥機30とバイアル集積機40とが並列に連結される様子が示される。
【0058】
<全体妥当性確認工程S70>
全体妥当性確認工程S70は、建屋の据付けられた主設備について予め定められた基準、法令、またはガイドラインのうちのひとつである基準/法令/ガイドラインに沿った製造のための全体の妥当性確認をする工程である。
【0059】
以下に、本発明の第二の実施形態にかかる医薬品等生産/製造設備の構築手順を、図を基に、詳述する。
図11は、本発明の第二の実施形態に係る医薬品等生産/製造設備の構築説明図である。
図12は、本発明の第二の実施形態に係る医薬品等生産/製造設備の構築手順図である。
【0060】
<建屋特定工程S15>
建屋特定工程S15は、主設備50を収納可能な建屋収納空間E3を形成する建屋を特定する工程である。
【0061】
<ユニット製作工程S20>
ユニット製作工程S20は、ユニット毎に、工場であるユニット製作工場で建築設備11を設置して、建築設備11のなかに生産設備12を設置して主設備50を構成する単数または複数のユニット10を製作する工程である。
ユニット製作工程S20を、1つのユニット製作工場で実行してもよい。
ユニット製作工程S30を、複数のユニット製作工場で、ユニット毎に実行してもよい。
ユニット製作工程S20は、ユニット毎に、工場であるユニット製作工場でレベル調整をした補助部材20の上に建築設備11をレベル調整をして設置して建築設備のなかに生産設備12をレベル調整をして設置して単数または複数のユニットを製作する工程であってもよい。
図9(A)は、ユニット製作工程S20を実行する様子を示す。
ユニット製作工場200のなかで、供給機ユニット10aと充填機ユニット10bと凍結機ユニット10cと巻締機ユニット10dと外洗機ユニット10eとが補助部材20の上で組み立てられる。
主設備の組立が完了すると、妥当性確認工程S30が実行される。
【0062】
<妥当性確認工程S30>
妥当性確認工程S30は、単数または複数のユニットについて予め定められた基準、法令、またはガイドラインのうちのひとつである基準/法令/ガイドラインに沿った製造のための妥当性確認をする工程である。
【0063】
<ユニット運搬工程S40>
ユニット運搬工程S40は、単数または複数のユニットをユニット製作工場から建屋に運搬する工程である。
供給機ユニット10aと充填機ユニット10bと凍結機ユニット10cと巻締機ユニット10dと外洗機ユニット10eとが、ユニット単位にばらされて、ユニット製作工場200から建屋に運ばれる。
【0064】
<補助部材搬入工程S45>
補助部材搬入工程S45は、補助部材20を建屋に搬入する工程である。
補助部材20が建屋100に搬入される。
図11(C)に、補助部材20が建屋100の開口を通過して建屋100に搬入される様子が示される。
補助部材20とユニットとが一体となって状態で運搬、搬入されてもよい。
【0065】
<ユニット搬入工程S50>
ユニット搬入工程S50は、単数または複数のユニットをユニット毎に建屋に設けた開口から建屋の建屋収納空間に搬入する工程である。
供給機ユニット10aと充填機ユニット10bと凍結機ユニット10cと巻締機ユニット10dと外洗機ユニット10eとが建屋100に搬入される。
図11(D)に、供給機ユニット10aと充填機ユニット10bと凍結機ユニット10cと巻締機ユニット10dと外洗機ユニット10eとが各々に分割された各々の補助部材20と一体となって上を案内部材22に案内されて建屋の床の上を移動して特定順番に従って直列に配置される様子が示される。
【0066】
<ユニット設置工程S60>
ユニット設置工程S60は、建屋の建屋収納空間E3の中に単数または複数のユニット10を設置して医薬品等生産/製造設備を構築する工程である。
建屋の建屋収納空間の中に主設備50を設置する。
図11(E)に、第一建設設備11a、第二建設設備11b、第三建設設備11c、第四建設設備11d、第五建設設備11eが、特定順番に従って直列に連結され、供給機アイソレータ12a、充填機アイソレータ12b、凍結機アイソレータ12c、バイアル巻締機アイソレータ12d、バイアル外洗機アイソレータ12eが、特定順番に従って直列に連結され、凍結乾燥機30とバイアル集積機40とが並列に連結される様子が示される。
【0067】
<全体妥当性確認工程S70>
全体妥当性確認工程S70は、建屋の据付けられた主設備について予め定められた基準、法令、またはガイドラインのうちのひとつである基準/法令/ガイドラインに沿った製造のための全体の妥当性確認をする工程である。
【0068】
本発明の実施形態に係る医薬品等生産/製造設備は、その構成により、以下の効果を有する。
建物の形成する建屋収納空間E3に建設設備11と生産設備12とでできた主設備50を収納し、建築設備11の形成する建築設備収納空間E2に生産設備12を収納し、生産設備12のなかに生産設備収納空間E1を形成する様にしたので、生産設備収納空間E1と建築設備収納空間E2と建屋収納空間E3との間の漏洩を抑制しやすい設備を簡易に構築できる。
また、気圧制御され、生産設備収納空間E1の気圧と建築設備収納空間E2の気圧とが異なり、建築設備収納空間E2の気圧と建屋収納空間E3の気圧とが異なる様にしたので、生産設備収納空間E1と建築設備収納空間E2と建屋収納空間E3との間の漏洩を抑制しやすい。
また、気圧制御され、生産設備収納空間E1の気圧が建築設備収納空間E2の気圧より低く、且つ建築設備収納空間E2の気圧が建屋収納空間E3の気圧より低くなる様にしたので、生産設備収納空間E1と建築設備収納空間E2と建屋収納空間E3との間の漏洩を抑制しやすい。
また、建物100の形成する建屋収納空間E3に複数の建設設備11と複数の生産設備12とでできたユニット10を含む主設備50を収納し、複数の建築設備11の形成する建築設備収納空間E2に複数の生産設備12を収納し、複数の生産設備12のなかに生産設備収納空間E1を形成する様にしたので、生産設備収納空間E1と建築設備収納空間E2と建屋収納空間E3との間の漏洩を抑制しやすい。
また、特定順番に従って直列または並列に配置される複数のユニットで構成される主設備の1対の両端部が生産設備収納空間と建屋収納空間または建築設備収納空間と建屋収納空間を仕切るパネルで閉じられる様にしたので、生産設備収納空間と建築設備収納空間と建屋収納空間との間の漏洩を抑制しやすい。
また、建築設備収納空間E2にいるオペレータ5が生産設備12の表側から生産設備収納空間E1の中での操作をでき、建屋収納空間E3にいるメンテナンス員6が生産設備12の裏側から生産設備収納空間E1と区分けられて生産設備収納空間E1にある生産機器を駆動する機器である駆動機器が収まる空間である駆動機器収納空間E4にアクセスして生産設備収納空間E1と建築設備収納空間E2の清浄度を乱すことなく駆動機器をメンテナンスできる様にしたので、オペレータ5が生産設備12の表側から生産設備収納空間E1の中での操作する際に、メンテナンス員6が生産設備12の裏側から生産設備収納空間E1にある生産機器(図示せず)を駆動する機器である駆動機器(図示せず)が収まる空間である駆動機器収納空間E4にアクセスして生産設備収納空間E1と建築設備収納空間E2の清浄度を乱すことなく駆動機器をメンテナンスできる。
また、生産設備12の裏側を覆う壁体である生産設備裏側壁体12rが建築設備13の裏側を覆うパネルである建築設備裏側パネル13rの一部を兼ねる様にしたので、生産設備12と建築設備11とを一体化した単数または複数のユニット10で構成される主設備50として取る扱うことができる。
また、生産設備12の裏側を覆い生産設備収納空間E1を形成する壁体である生産設備裏側壁体12rが建築設備11の裏側を覆うパネルである建築設備裏側パネル11rの一部を兼ねる様にしたので、生産設備12と建築設備11とを一体化した単数または複数のユニット10で構成される主設備50として取る扱うことができる。
また、生産設備12の裏側を覆い生産設備収納空間E1を形成する壁体である生産設備裏側壁体12rが建築設備11の裏側を覆い建築設備収納空間E2と建屋収納空間E3とを仕切るパネルである建築設備裏側パネル12rの一部を兼ねる様にしたので、生産設備12と建築設備11とを一体化した単数または複数のユニット10で構成される主設備50として取り扱うことができる。
また、建築設備11の裏側にあり建築設備収納空間E2と建屋収納空間E3を仕切るパネルである建築設備裏側パネル11rの内壁または天井の一部を兼ねる駆動機器裏側パネル13rを外すと建屋収納空間E3にいるメンテナンス員6が駆動機器収納空間にアクセスして生産設備収納空間E1と建築設備収納空間E2の清浄度を乱すことなく駆動機器をメンテナンスできる様にしたので、従来重複していた必要設備や機器を削減でき、ユニット10を1つの装置として取り扱うことができる。
また、長尺部材21が支持する主設備50を構成する全てのユニット10を長手方向に沿って案内できる様にしたので、主設備50の建屋100への導入が容易になる。
【0069】
本発明は以上に述べた実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。
図4は特定の医薬品等生産/製造設備について図示しているが、これに限定されない。
【符号の説明】
【0070】
E1 生産設備収納空間
E2 建築設備収納空間
E3 建屋収納空間
E4 駆動機器収納空間
5 オペレータ
6 メンテナンス員
10 ユニット
10a 供給機ユニット
10b 充填機ユニット
10c 凍結機ユニット
10d 巻締機ユニット
10e 外洗機ユニット
11 建築設備
11a 第一建設設備
11b 第二建設設備
11c 第三建設設備
11d 第四建設設備
11e 第五建設設備
11f 建設設備表側パネル
11r 建設設備裏側パネル
11t 建設設備天井パネル
11g 建設設備床面パネル
12 生産設備
12a 供給機アイソレータ
12b 充填機アイソレータ
12c 凍結機アイソレータ
12d バイアル巻締機アイソレータ
12e バイアル外洗機アイソレータ
12f 生産設備表側壁体
12r 生産設備裏側壁体
13r 駆動機器裏側パネル
14 端部パネル
15 気圧制御機器
16 シール部材
17 連結ボックス
20 補助部材
21 長尺部材
22 案内部材
30 凍結乾燥機
40 バイアル集積機
50 主設備
100 建屋
200 ユニット製作工場
S10 建築設備/生産設備準備工程
S15 建屋特定工程
S20 ユニット製作工程
S30 妥当性確認工程
S40 ユニット運搬工程
S45 補助部材搬入工程
S50 ユニット搬入工程
S60 ユニット設置工程
S70 全体妥当性確認工程