(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-26
(45)【発行日】2024-04-03
(54)【発明の名称】トラスを備えた動電型ラウドスピーカ
(51)【国際特許分類】
H04R 9/02 20060101AFI20240327BHJP
H04R 1/06 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
H04R9/02 A
H04R1/06 310
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019184593
(22)【出願日】2019-10-07
【審査請求日】2022-09-07
(32)【優先日】2018-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】512228750
【氏名又は名称】ドゥビアル
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100165995
【氏名又は名称】加藤 寿人
(72)【発明者】
【氏名】ガエル ダボー
(72)【発明者】
【氏名】シルバン クータレル
【審査官】堀 洋介
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04817165(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0085993(US,A1)
【文献】特開2005-269338(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 9/00- 9/06
H04R 1/00- 1/06
H04R 7/00- 7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動電型ラウドスピーカ(10)であって、
-固定フレーム(12)と、
-前記固定フレーム(12)に接続された固定基部(14)と、軸(A-A′)に沿って前記固定基部(14)に対して軸方向に移動可能な可動部(16)とを備えるモータと、
-凸状膜(18)であって、その凸面は前記
動電型ラウドスピーカ(10)の外側に向けられる凸状膜(18)と、
-前記凸状膜(18)と前記可動部(16)とを接続するトラス(20)と、を具備する動電型ラウドスピーカ(10)において、
前記トラス(20)は、放射状柱(50)によって互いに接続された同軸の内側リング(46)および外側リング(48)と、前記可動部(16)の1つの端部(53)に固定するための冠状部(52)とを具備し、前記凸状膜(18)は前記内側リングおよび前記外側リング(46、48)を圧迫するように固定され
ており、
固定用の前記冠状部(52)は、前記可動部(16)の前記端部(53)を受容する溝(58)を具備し、前記可動部(16)は、有利には、受容溝(58)に接着されることを特徴とする、動電型ラウドスピーカ(10)。
【請求項2】
前記凸状膜(18)は周縁部(44)を有し、前記外側リング(48)は前記凸状膜(18)の前記周縁部(44)に直接固定される、請求項1に記載の動電型ラウドスピーカ(10)。
【請求項3】
前記トラス(20)は、前記放射状柱(50)に固定されて前記内側リングおよび外側リング(46、48)の反対側に軸方向に延びる軸方向スカート(54)を具備する、請求項1または2に記載の
動電型ラウドスピーカ(10)。
【請求項4】
前記トラス(20)は、前記軸(A-A′)周りにそれぞれ180°にわたって延びる第1および第2の前方板(62、63)を有し、前記トラス(20)の前記第1の前方板(62)は、前記可動部(16)を給電編組(65)に接続する少なくとも1つの導電
性ストリップ(64)をさらに備え、前記トラス(20)の前記第2の前方板(63)にはそのような導電性ストリップがない、請求項1~
3のいずれか1項に記載の
動電型ラウドスピーカ(10)。
【請求項5】
前記導電性ストリップ(64)は、前記給電編組(65)を受容するように構成された端部ラグ(96)を具備する、請求項
4に記載の
動電型ラウドスピーカ(10)。
【請求項6】
前記導電性ストリップ(64)は、前記トラス(20)の本質的に平行な2つの面(68、70、76、78)の間に受容され、前記導電性ストリップ(64)は、内面に、前記トラス(20)の前記面の1つを圧迫する突起(98、102)を具備し、前記導電性ストリップ(64)は前記トラス(20)の他の面をその他の面に沿って圧迫する、請求項
4または
5に記載の
動電型ラウドスピーカ(10)。
【請求項7】
前記導電性ストリップ(64)は、前記導電性ストリップ(64)が前記
動電型ラウドスピーカ(10)の軸(A-A′)の方向に沿って前記凸状膜(18)からを離れる方向に移動するのを防止するために、前記トラス(20)を貫通するように構成された少なくとも1つの阻止突出部(104)を具備する、請求項
4~
6のいずれか1項に記載の
動電型ラウドスピーカ(10)。
【請求項8】
前記放射状柱(50)は角度的に分布し、放射状柱(50)の密度は、前記トラス(20)の前記第1の前方板(62)よりも前記トラス(20)の前記第2の前方板(63)の方が大きくなる、請求項
4~
7のいずれか1項に記載の
動電型ラウドスピーカ(10)。
【請求項9】
前記固定フレーム(12)と前記軸方向スカート(54)の自由端(57)との間に挿入された弾性案内リング(56)を備える、請求項3に記載の
動電型ラウドスピーカ(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は動電型ラウドスピーカに関する。この動電型ラウドスピーカは、
-固定フレームと、
-固定フレームに接続された固定基部と、軸に沿って固定基部に対して軸方向に移動可能な可動部とを備えるモータと、
-凸状膜であって、その凸面はラウドスピーカの外側に向けられる凸状膜と、
-凸状膜と可動部とを接続するトラスと、を備えるタイプのものである。
【背景技術】
【0002】
そのようなラウドスピーカは、一般に電気信号から音を生成するために使用される。凸状膜の面積を増大させると、ラウドスピーカによって生成される音の音量が増大することが知られている。
【0003】
硬質膜と、凸面が外側を向いたドーム形状とを有するラウドスピーカが知られている。ドームは、ドームの中央位置に配置された接続リングに沿ってコイル保持管の端部に固定される。
【0004】
しかし、そのようなラウドスピーカは充分に満足できるものではない。ラウドスピーカによって生成される音の周波数が高い場合、例えば、約500Hz、特に550Hzに近い場合、共鳴モードが膜によって生成されることがある。このような共鳴モードは、ラウドスピーカによって生成される音の品質を低下させる。
【発明の概要】
【0005】
本発明の1つの目的は、膜の面積が大きい場合でも、高周波数で良質の音を生成することができるラウドスピーカを提案することである。
【0006】
その目的のために、本発明は、上記のタイプの動電型ラウドスピーカに関する。このタイプでは、トラスは、放射状の柱と、可動部の一端に固定するための冠状部とによって互いに接続される同軸の内側リングおよび外側リングを備える。凸状膜は、内側リングと外側リングとを圧迫した状態で固定される。
【0007】
特定の実施形態によれば、ラウドスピーカは、単独で考慮されるか、技術的に可能な組み合わせに従って考慮される以下の特徴のうちの1つ以上を備える。
-凸状膜は周縁部を有し、外側リングは凸状膜の周縁部に直接固定される。
-トラスは、放射状柱に固定されて内側リングおよび外側リングの反対側に軸方向に延びる軸方向スカートを備える。
-固定用の冠状部は、可動部の端部を受容する溝を備え、可動部は、有利には、受容溝に接着される。
-トラスは、軸周りにそれぞれ180°にわたって延びる第1および第2の前方板を有し、トラスの第1の前方板は、可動部を給電編組に接続する少なくとも1つの導電性ストリップをさらに備え、トラスの第2の前方板にはそのような導電性ストリップがない。
-導電性ストリップは、給電編組を受容するように構成された端部ラグを備える。
-導電性ストリップは、トラスの本質的に平行な2つの面の間に受容され、導電性ストリップは、内面に、トラスの面の1つを圧迫する突起を備え、導電性ストリップはトラスの他の面を他の面に沿って圧迫する。
-導電性ストリップは、導電性ストリップがラウドスピーカの軸の方向に沿って凸状膜から離れる方向に移動するのを防止するために、トラスを貫通するように構成された少なくとも1つの阻止突出部を備える。
-放射状柱は角度的に分布し、放射状柱の密度は、トラスの第1の前方板よりもトラスの第2の前方板の方が大きくなる。
-動電型ラウドスピーカは、固定フレームと軸方向スカートの自由端との間に挿入された弾性案内リングを備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明は、単に例として提供され、添付の図面を参照して実施される以下の説明を読むことにより、さらに良好に理解されるであろう。
【
図1】本発明によるラウドスピーカの断面図であって、断面は、ラウドスピーカの軸を通る平面に沿ったものである断面図。
【
図2】凸状膜と固定フレームとを備えていない状態の
図1に示すラウドスピーカの断面図。
【
図3】本発明によるラウドスピーカのトラスの上面図。
【
図6】凸状膜と固定フレームとを備えていない状態の
図1に示すラウドスピーカの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の説明では、「前方」および「後方」という表現は、ラウドスピーカからの音の主な伝搬方向を参照して理解される必要がある。前方方向はラウドスピーカの外側に対応し、後方方向はラウドスピーカの内側に対応する。
【0010】
図1は、動電型ラウドスピーカ10を示す。有利には、軸A-A′回りに実質的に回転する。
【0011】
ラウドスピーカ10は、固定フレーム12と、固定フレーム12に接続された固定基部14を備えるモータと、固定基部14に対して軸方向に移動可能な可動部16と、を備える。
【0012】
ラウドスピーカ10はこのほか、凸状膜18と、凸状膜18と可動部16とを接続するトラス20と、を備える。
【0013】
固定フレーム12はこのほか、「バスケットアセンブリ」と呼ばれる。固定フレームは、底部28と、底部28を接続する周壁30とを備える。
【0014】
周壁30は、軸A-A′を有してラウドスピーカ10の前方に向かって広がった円錐台形状を有する。
【0015】
図示の本発明の実施形態では、固定基部14は、磁石35が配置されたヨーク34を備える。ヨーク34は少なくとも1つの空隙36を形成する。
【0016】
可動部16は、軸A-A′を有する円筒状コイル保持具41であって、外面に可動コイル42が巻かれた保持具を備える。
【0017】
可動コイル42は空隙36に配置される。
【0018】
可動コイル42は図示の平衡位置周りで軸A-A′に沿って振動することができる。
【0019】
以下の説明では、「軸方向」という記載は、軸A-A′に沿った方向を指し、「半径方向」という方向は、軸A-A′に直交する方向を指す。
【0020】
凸状膜18は、上記スピーカ10の外側に向けられた凸面を有する。凸状膜18は、球状のキャップ形状またはドーム形状を有する。
【0021】
凸状膜18は周縁部44を有する。周縁部44は、軸A-A′を中心とする実質的に円形の形状を有する。
【0022】
図1及び
図2を参照すると、トラス20は軸A-A′を概ね有する(軸A-A′は
図1および
図3に示される)。トラス20は、内側リング46と、外側リング48と、内側リング46と外側リング48を接続する複数の放射状柱50と、を備える。
【0023】
トラス20はこのほか、コイル保持具41の一端部53に固定するための冠状部52のほか、弾性案内リング56に接続するための軸方向スカート54を備える。弾性案内リングの外周は固定フレーム12に接続される。
【0024】
トラス20は、プラスチック材料を金型に注入することにより形成されるため、一体型部材である。
【0025】
弾性案内リング56は一般に「スパイダー」と呼ばれる。弾性案内リングは、周壁30と軸方向スカート54の自由端57との間に挿入される。弾性案内リングは、軸方向スカート54を支持することが意図され、軸方向スカート54を使用して、固定フレーム12上にトラスアセンブリ20および凸状膜18を支持することが意図される。
【0026】
弾性案内リング56は軸A-A′周りに延在する。弾性案内リングは半径方向平面に延在する。
【0027】
内側リング46と外側リング48とは同軸である。外側リング48は、内側リング46よりも大きな直径を有する。
【0028】
凸状膜18は、接着によって内側リング46および外側リング48を圧迫するように機械的に固定される。
【0029】
外側リング48は、凸状膜18の周縁部44に直接固定される。
【0030】
放射状柱50は、軸A-A′周りに角度的に分布している。放射状柱はそれぞれ、外側リング48と固定冠状部52との間に延在する。
【0031】
固定冠状部52は、内側リング46の直径よりも小さい直径を有する。
【0032】
固定冠状部52は、可動部16のコイル保持具41の端部53が受容される受容溝58を備える。有利には、受容溝58はコイル保持具41に接着される。
【0033】
軸方向スカート54は放射状柱50に固定される。軸方向スカートは、放射状柱50から自由端57まで突出し、内側リング46および外側リング48の反対側に軸方向に延びる。軸方向スカートは、軸A-A′に実質的に平行に延び、軸A-A′を取り囲んでいる。
【0034】
軸方向スカート54は、内側リング46の直径と外側リング48の直径との間にある直径を有する。
【0035】
トラス20は、軸A-A′を通る平面B-B′によって分離された第1の前方板62及び第2の前方板63を有する。
図3に示すように、放射状柱50の密度は、トラス20の第1の前方板62よりもトラス20の第2の前方板63の方が大きい。
【0036】
トラス20の第1の前方板62はこのほか、少なくとも2つの導電性ストリップ64を備える。導電性ストリップ64は、可動部16の可動コイル42を給電編組65に接続する。各導電性ストリップ64は放射状柱50に受容される。各導電性ストリップは、この放射状柱50を通過し、軸方向スカート54内に延びる。
【0037】
この目的のために、
図2に示すように、トラス20の第1の前方板62では、少なくとも1つの放射状柱50が、軸A-A′に実質的に平行に延びる軸方向スリット66を備える。軸方向スリット66は、ラウドスピーカの軸A-A′から離れる方向に向けられた第1の面68と、軸A-A′に向けられた第2の面70とを備える。軸方向スリット66の第2の面70は第1の面68に本質的に平行である。
【0038】
トラス20の第1の前方板62では、軸方向スカート54は、軸A-A′に実質的に平行に延びる軸方向スリット74を備える。軸方向スリット74は、軸A-A′から離れる方向に向けられた第1の表面76と、軸A-A′の方に向けられた第2の表面78とを備える。軸方向スリット74の第2の表面78は第1の表面76と本質的に平行である。
【0039】
図4および
図5に示すように、導電性ストリップ64は薄型形状を有する。導電性ストリップは、有利には、銅から作成される。
【0040】
導電性ストリップ64は、直交する半径方向セグメント92によって互いに軸方向に接続された2つの維持セグメント88、90を有する。維持セグメント88は半径方向接続セグメント94まで延びる。次に、この半径方向接続セグメント94は、コイル保持具41によって担持されて可動コイル42を延長させる接続タブ95に、溶接によって接続される。
【0041】
維持セグメント90は、編組65が溶接される端部ラグ96によって延長される。
【0042】
維持セグメント88、90はそれぞれ、軸方向スリット66および軸方向スリット74に受容される。
【0043】
維持セグメント88、90はそれぞれ、その内面に、軸方向スリット66の第1の面68、軸方向スリット74の第1の表面76をそれぞれ圧迫する少なくとも1つの第1の突起98、少なくとも1つの第2の突起102を備える。維持セグメント88の外面、維持セグメント90の外面はそれぞれ、軸方向スリット66の第2の面70、軸方向スリット74の第2の表面78を圧迫する。
【0044】
このほか、維持セグメント88、90はそれぞれ、導電性ストリップ64が軸方向に沿って凸状膜18に向かって移動するのを防ぐために、トラス20を貫通するように構成された少なくとも1つの阻止突出部104を備える。
【0045】
維持セグメント88は、導電性ストリップ64が軸方向に沿って凸状膜18から離れるように移動するのを防ぐために、トラス20と協働するように構成された肩部106をさらに備える。
【0046】
このため、阻止突出部104および肩部106は共同で、軸方向に沿って導電性ストリップ64の位置を留める。
【0047】
維持セグメント90は、トラス20に対して距離を置いて保持される肩部108をさらに備える。肩部108およびトラス20は、その間に実質的に0.8mmに等しい非ゼロ遊びを有する。この遊びは、導電性ストリップ64の著しい低下を引き起こす可能性のあるトラス20のいかなる変形の発生中にも、肩部108がトラス20に当接するのを特に防ぐ。
【0048】
端部ラグ96は、給電編組65を受容するように構成される。端部ラグは、有利には、U字形の底部に向かって収束するU字形状を有して給電編組65を維持する。
【0049】
トラス20は、ラウドスピーカ10を組み立てる間に編組65を一時的に阻止するための2つの止め具110(そのうちの1つが
図6に示される)を、2つの放射状柱50の基部に備える。止め具110は、ラウドスピーカ10の固定フレーム12に取り付けられる前に、トラス20および凸状膜18を装備した可動部16の操作中に、編組65が保持される溝を放射状柱50と共に形成する。
【0050】
トラス20の第2の前方板63では、放射状柱50には軸方向スリットがなく、軸方向スカート54には軸方向のスリットがない。トラス20の第2の前方板63にも導電性ストリップ64がない。
【0051】
トラス20の第1および第2の前方板62、63の非対称構成により、第1の前方板62の放射状柱50は、第1の前方板63に配置された導電性ストリップ64の重量を補償することができる。これにより、第1および第2の前方板62、63が実質的に同一の重量を有し、良好な平衡特性を有するラウドスピーカ10を得ることが可能になる。
【0052】
ラウドスピーカ10は、凸状膜18の弾性緩衝シール112をさらに備える。
【0053】
弾性緩衝シール112は、周壁30の上端を、外側リング48の近傍にて軸方向スカート54に接続する。弾性緩衝シール112は、弾性案内リング56よりも軸方向にて凸状膜18に近い位置に配置される。
【0054】
弾性緩衝シール112は軸A-A′周りに延在する。この弾性緩衝シールは半径方向平面に延在する。弾性緩衝シール112は、軸A-A′を通る平面に沿った断面にて、Ω形状を有する。Ωの凸部は、軸方向にてラウドスピーカ10の背面の方を向いている。
【0055】
弾性緩衝シール112は気密である。
【0056】
上記の本発明により、凸状膜18を堅固に固定すると、望ましくない共鳴モードを低減することが可能になるため、生成される音が高い周波数を有する場合のラウドスピーカ10の性能が改善される。
【0057】
さらに、導電性ストリップ64により、可動部16に対する給電編組65の位置をさらに良好に維持することが可能になり、ラウドスピーカ10に電気エネルギーを供給するために過度に長い編組65を供給する必要がなくなる。
また、本開示は以下の発明を含む。
第1の態様は、
動電型ラウドスピーカ(10)であって、
-固定フレーム(12)と、
-前記固定フレーム(12)に接続された固定基部(14)と、軸(A-A′)に沿って前記固定基部(14)に対して軸方向に移動可能な可動部(16)とを備えるモータと、
-凸状膜(18)であって、その凸面は前記動電型ラウドスピーカ(10)の外側に向けられる凸状膜(18)と、
-前記凸状膜(18)と前記可動部(16)とを接続するトラス(20)と、を具備する動電型ラウドスピーカ(10)において、
前記トラス(20)は、放射状柱(50)によって互いに接続された同軸の内側リング(46)および外側リング(48)と、前記可動部(16)の1つの端部(53)に固定するための冠状部(52)とを具備し、前記凸状膜(18)は前記内側リングおよび前記外側リング(46、48)を圧迫するように固定されることを特徴とする、動電型ラウドスピーカ(10)である。
第2の態様は、
前記凸状膜(18)は周縁部(44)を有し、前記外側リング(48)は前記凸状膜(18)の前記周縁部(44)に直接固定される、第1の態様における動電型ラウドスピーカ(10)である。
第3の態様は、
前記トラス(20)は、前記放射状柱(50)に固定されて前記内側リングおよび外側リング(46、48)の反対側に軸方向に延びる軸方向スカート(54)を具備する、第1の態様または第2の態様における動電型ラウドスピーカ(10)である。
第4の態様は、
固定用の前記冠状部(52)は、前記可動部(16)の前記端部(53)を受容する溝(58)を具備し、前記可動部(16)は、有利には、前記受容溝(58)に接着される、第1の態様~第3の態様のいずれか1つにおける動電型ラウドスピーカ(10)である。
第5の態様は、
前記トラス(20)は、前記軸(A-A′)周りにそれぞれ180°にわたって延びる第1および第2の前方板(62、63)を有し、前記トラス(20)の前記第1の前方板(62)は、前記可動部(16)を給電編組(65)に接続する少なくとも1つの導電性ストリップ(64)をさらに備え、前記トラス(20)の前記第2の前方板(63)にはそのような導電性ストリップがない、第1の態様~第4の態様のいずれか1つにおける動電型ラウドスピーカ(10)である。
第6の態様は、
前記導電性ストリップ(64)は、前記給電編組(65)を受容するように構成された端部ラグ(96)を具備する、第5の態様における動電型ラウドスピーカ(10)である。
第7の態様は、
前記導電性ストリップ(64)は、前記トラス(20)の本質的に平行な2つの面(68、70、76、78)の間に受容され、前記導電性ストリップ(64)は、内面に、前記トラス(20)の前記面の1つを圧迫する突起(98、102)を具備し、前記導電性ストリップ(64)は前記トラス(20)の他の面をその他の面に沿って圧迫する、第5の態様または第6の態様における動電型ラウドスピーカ(10)である。
第8の態様は、
前記導電性ストリップ(64)は、前記導電性ストリップ(64)が前記動電型ラウドスピーカ(10)の軸(A-A′)の方向に沿って前記凸状膜(18)からを離れる方向に移動するのを防止するために、前記トラス(20)を貫通するように構成された少なくとも1つの阻止突出部(104)を具備する、第5の態様~第7の態様のいずれか1つにおける動電型ラウドスピーカ(10)である。
第9の態様は、
前記放射状柱(50)は角度的に分布し、放射状柱(50)の密度は、前記トラス(20)の前記第1の前方板(62)よりも前記トラス(20)の前記第2の前方板(63)の方が大きくなる、第5の態様~第8の態様のいずれか1つにおける動電型ラウドスピーカ(10)である。
第10の態様は、
前記固定フレーム(12)と前記軸方向スカート(54)の自由端(57)との間に挿入された弾性案内リング(56)を備える、第3の態様における動電型ラウドスピーカ(10)である。