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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-26
(45)【発行日】2024-04-03
(54)【発明の名称】イメージセンサ用照明装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/04 20060101AFI20240327BHJP
   H04N 1/028 20060101ALI20240327BHJP
   G03B 27/54 20060101ALI20240327BHJP
   G02B 6/00 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
H04N1/04 101
H04N1/028 H
G03B27/54 A
G02B6/00 331
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020035229
(22)【出願日】2020-03-02
(65)【公開番号】P2021141372
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2022-11-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】森本 高明
(72)【発明者】
【氏名】坊垣 晶
(72)【発明者】
【氏名】富垣 直樹
(72)【発明者】
【氏名】清▲瀬▼ 祐輝
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-154120(JP,A)
【文献】特開2008-270885(JP,A)
【文献】特開2011-223389(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/024- 1/207
G06T 1/00
G03B 27/50 -27/70
G02B 6/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主走査方向に延設され、所定の方向に光を出射する少なくとも1本の導光体と、
前記少なくとも1本の導光体の前記主走査方向における少なくとも2つの端面のうち、第1の端面に対向して配置された第1の光源群及び第2の端面に対向して配置された第2の光源群と、を備え、
前記第1の光源群は、所定の波長帯域の光を照射する第1の光源を含み、
前記第2の光源群は、前記第1の光源が照射する光と同じ波長帯域の光を照射する第2の光源を含み、
前記第1の端面側から前記主走査方向に前記少なくとも1本の導光体を見た状態において、出射される光の光軸上であって当該出射される光の進行方向を正とする軸をY軸とし、かつ前記Y軸を対応する導光体の前記主走査方向における端面の中心を回転軸として時計回りに90°回転した軸をX軸とするXY座標系を設定した場合、
前記第1の光源の対応するXY座標系におけるX座標の絶対値は、前記第2の光源の対応するXY座標系におけるX座標の絶対値と等しい
ことを特徴とするイメージセンサ用照明装置。
【請求項2】
前記導光体を2本以上有する
ことを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ用照明装置。
【請求項3】
前記第1の端面及び前記第2の端面は、それぞれ、前記2本以上の導光体のうちの第1の導光体の前記主走査方向における一端及び他端に位置し、
前記第1の光源の対応するXY座標系におけるX座標の符号は、前記第2の光源の対応するXY座標系におけるX座標の符号と異なる
ことを特徴とする請求項2に記載のイメージセンサ用照明装置。
【請求項4】
前記2本以上の導光体のうち第2の導光体の前記主走査方向における2つの端面のうち、前記第1の導光体の前記第1の端面により近い第3の端面に対向して配置された第3の光源群を、更に備え、
前記第3の光源群は、前記第1の光源が照射する光と同じ波長帯域の光を照射する第3の光源を含み、
前記第3の光源の対応するXY座標系におけるX座標は、前記第1の光源の対応するXY座標系におけるX座標と等しい
ことを特徴とする請求項3に記載のイメージセンサ用照明装置。
【請求項5】
前記第1の光源の対応するXY座標系におけるY座標の符号は、前記第3の光源の対応するXY座標系におけるY座標の符号と異なる
ことを特徴とする請求項4に記載のイメージセンサ用照明装置。
【請求項6】
前記第1の光源の対応するXY座標系におけるY座標の絶対値は、前記第3の光源の対応するXY座標系におけるY座標の絶対値と等しい
ことを特徴とする請求項4又は5に記載のイメージセンサ用照明装置。
【請求項7】
前記第1の光源群は、更に、所定の波長帯域の光を照射する第4の光源を含み、
前記第3の光源群は、更に、前記第4の光源が照射する光と同じ波長帯域の光を照射する第5の光源を含み、
前記第4の光源の対応するXY座標系におけるX座標及びY座標は、それぞれ、前記第5の光源の対応するXY座標系におけるX座標及びY座標と等しい
ことを特徴とする請求項4~6のいずれかに記載のイメージセンサ用照明装置。
【請求項8】
前記第1の光源の対応するXY座標系におけるY座標は、前記第3の光源の対応するXY座標系におけるY座標と等しい
ことを特徴とする請求項4に記載のイメージセンサ用照明装置。
【請求項9】
前記第2の導光体の前記主走査方向における前記2つの端面のうち、前記第1の導光体の前記第1の端面からより遠い第4の端面に対向して配置された第4の光源群と、
前記第1の光源群及び前記第3の光源群が配置された第1の基板と、
前記第2の光源群及び前記第4の光源群が配置された第2の基板と、
を更に備える
ことを特徴とする請求項4~8のいずれかに記載のイメージセンサ用照明装置。
【請求項10】
前記2本以上の導光体は、出射される光の光軸が互いに交わる第1の導光体及び第2の導光体を含む
ことを特徴とする請求項2~9のいずれかに記載のイメージセンサ用照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージセンサ用照明装置に関する。より詳しくは、紙葉類の光学画像情報を取得するイメージセンサに好適に用いられるイメージセンサ用照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
イメージセンサ用照明装置には、棒状の導光体を用いて点光源を線光源とするものがある。導光体の長手方向の端面には、点光源からの光が入射する入射面が設けられ、導光体の側面には、照射対象に向けて光を出射する帯状の出射面が設けられる。
【0003】
導光体を備えるイメージセンサ用照明装置に関する技術として、例えば、特許文献1には、発光部が発光面の幅方向における中心位置から幅方向の一方側に偏倚して配置された光源を、導光体の両端面に設置する場合に突出長が小さくなるようにする技術が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、導光体の両端部に設置されたホルダーの中空領域一端側の一部に導光体の端部を挿入し、他端側空間部の外縁に沿って多数のLEDチップを各LEDチップに対して各々の実装用パッド及び各々の接続用パッドを有している基板に配置することにより、導光体の端部に一様な光が照射され、高輝度のイメージセンサ用照明装置を得ることができるという技術が開示されている。
【0005】
更に、特許文献3には、光源と、光を光散乱領域で散乱反射して外部に出射する導光体と、光散乱領域を透過した光を散乱反射させて導光体に再入射させる散乱反射体とを備え、光源は、可視光源と紫外光源とから構成され、散乱反射体は、可視光に対する反射率と比較して紫外光に対する反射率が低い材料で構成され、可視光源の少なくとも1つは、紫外光源よりも光散乱領域の近くに配置されることにより、部品の成型性を損なうことなく、長手方向に広い範囲で均一な照度分布を得ることができる照明装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第5529318号
【文献】特許第4720831号
【文献】特許第6075216号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
導光体を用いたイメージセンサ用照明装置において、導光体の出射面から出射される光(以下、単に「出射光」ともいう)の均一性は、導光体の断面形状、拡散面のパターン、LED(light emitting diode)等の光源の配置等の拡散パターンによって決まる。従来のイメージセンサ用照明装置では、LEDを導光体の端面の中心に配置したときに、出射光が被照射体に向けて導光体の長手方向(主走査方向)において均一に照射されるように、光の拡散パターンが設定されていた。
【0008】
しかしながら、互いに異なる波長帯域の光を照射する複数のLEDを導光体の端面に配置する場合、全てのLEDを導光体の端面の中心に配置することはできない。導光体の端面の中心から離れた場所に配置されたLEDから照射される波長帯域の光については、導光体の長手方向における出射光の均一性が確保されないという課題があった。そのため、導光体の端面の中心に配置されていない光源から照射される波長帯域の光についても、導光体の長手方向において均一に出射することができるイメージセンサ用照明装置が求められていた。
【0009】
上記特許文献1~3では、導光体の端面の中心に配置されていない光源から照射される波長帯域の光について、光の均一性が最適となるようLEDを配置することは検討されていない。
【0010】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、光源が導光体の端面の中心に配置されていなかったとしても、導光体から出射される光の主走査方向における均一性を高めることができるイメージセンサ用照明装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、イメージセンサ用照明装置であって、主走査方向に延設され、所定の方向に光を出射する少なくとも1本の導光体と、前記少なくとも1本の導光体の前記主走査方向における少なくとも2つの端面のうち、第1の端面に対向して配置された第1の光源群及び第2の端面に対向して配置された第2の光源群と、を備え、前記第1の光源群は、所定の波長帯域の光を照射する第1の光源を含み、前記第2の光源群は、前記第1の光源が照射する光と同じ波長帯域の光を照射する第2の光源を含み、前記第1の端面側から前記主走査方向に前記少なくとも1本の導光体を見た状態において、出射される光の光軸上であって当該出射される光の進行方向を正とする軸をY軸とし、かつ前記Y軸を対応する導光体の前記主走査方向における端面の中心を回転軸として時計回りに90°回転した軸をX軸とするXY座標系を設定した場合、前記第1の光源の対応するXY座標系におけるX座標の絶対値は、前記第2の光源の対応するXY座標系におけるX座標の絶対値と等しいことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記発明において、前記少なくとも1本の導光体は、2本以上であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記発明において、前記第1の端面及び前記第2の端面は、それぞれ、前記2本以上の導光体のうちの第1の導光体の前記主走査方向における一端及び他端に位置し、前記第1の光源の対応するXY座標系におけるX座標の符号は、前記第2の光源の対応するXY座標系におけるX座標の符号と異なることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記発明において、前記2本以上の導光体のうち第2の導光体の前記主走査方向における2つの端面のうち、前記第1の導光体の前記第1の端面により近い第3の端面に対向して配置された第3の光源群を、更に備え、前記第3の光源群は、前記第1の光源が照射する光と同じ波長帯域の光を照射する第3の光源を含み、前記第3の光源の対応するXY座標系におけるX座標は、前記第1の光源の対応するXY座標系におけるX座標と等しいことを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、上記発明において、前記第1の光源の対応するXY座標系におけるY座標の符号は、前記第3の光源の対応するXY座標系におけるY座標の符号と異なることを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、上記発明において、前記第1の光源の対応するXY座標系におけるY座標の絶対値は、前記第3の光源の対応するXY座標系におけるY座標の絶対値と等しいことを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、上記発明において、前記第1の光源群は、更に、所定の波長帯域の光を照射する第4の光源を含み、前記第3の光源群は、更に、前記第4の光源が照射する光と同じ波長帯域の光を照射する第5の光源を含み、前記第4の光源の対応するXY座標系におけるX座標及びY座標は、それぞれ、前記第5の光源の対応するXY座標系におけるX座標及びY座標と等しいことを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、上記発明において、前記第1の光源の対応するXY座標系におけるY座標は、前記第3の光源の対応するXY座標系におけるY座標と等しいことを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、上記発明において、前記第2の導光体の前記主走査方向における前記2つの端面のうち、前記第1の導光体の前記第1の端面からより遠い第4の端面に対向して配置された第4の光源群と、前記第1の光源群及び前記第3の光源群が配置された第1の基板と、前記第2の光源群及び前記第4の光源群が配置された第2の基板と、を更に備えることを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、上記発明において、前記2本以上の導光体のうち第1の導光体から出射される光の光軸は、前記2本以上の導光体のうち第2の導光体から出射される光の光軸と交わることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明のイメージセンサ用照明装置によれば、光源が導光体の端面の中心に配置されていなかったとしても、導光体から出射される光の主走査方向における均一性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】実施形態1のイメージセンサ用照明装置を導光体の出射面側から見たときの平面模式図である。
図2】実施形態1のイメージセンサ用照明装置を第1の基板側から見たときの、第1~第4の光源の配置を示した透過模式図である。
図3】実施形態1のイメージセンサ用照明装置を第1の基板側から見たときの、第5~第8の光源の配置を示した透過模式図である。
図4】実施形態1のイメージセンサ用照明装置の端面の中心について説明する図である。
図5】実施形態1のイメージセンサ用照明装置の光軸について説明する図である。
図6】実施形態1のイメージセンサ用照明装置が備える2本の導光体を各々の光軸が重なるように仮想的に配置した場合における平面模式図である。
図7】複数の波長帯域の光源を配置した実施形態1のイメージセンサ用照明装置の一例を示す図であり、第1の基板側から見たときの第1の端面及び第3の端面に対向して設けられた光源を示した模式図である。
図8】実施形態1のイメージセンサ用照明装置を用いたイメージセンサの副走査方向の断面模式図である。
図9】実施形態2のイメージセンサ用照明装置を導光体の出射面側から見たときの平面模式図である。
図10】実施形態3のイメージセンサ用照明装置を導光体の出射面側から見たときの平面模式図である。
図11】実施例1のイメージセンサ用照明装置を第1の基板側から見たときの光源の配置を示した透過模式図である。
図12】実施例1のイメージセンサ用照明装置の、主走査方向における出射光の均一性についてのシミュレーション結果である。
図13】実施例2のイメージセンサ用照明装置を第1の基板側から見たときの光源の配置を示した透過模式図である。
図14】実施例2のイメージセンサ用照明装置の、主走査方向における出射光の均一性についてのシミュレーション結果である。
図15】実施例3のイメージセンサ用照明装置を第1の基板側から見たときの光源の配置を示した透過模式図である。
図16】実施例3のイメージセンサ用照明装置の、主走査方向における出射光の均一性についてのシミュレーション結果である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係るイメージセンサ用照明装置の好適な実施形態を、図面を参照しながら説明する。本発明に係るイメージセンサ用照明装置は様々な分野で利用できるものであるが、紙葉類を走査して、その光学画像情報を取得するイメージセンサ用照明装置に好適であるため、本実施形態では、本発明をそれらに適用した例について説明を行う。なお、以下の説明において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して適宜用い、その繰り返しの説明は適宜省略する
【0024】
(実施形態1)
<本実施形態の概要>
まず、図1を用いて、本実施形態の概要について説明する。図1に示すように、本実施形態のイメージセンサ用照明装置1では、同じ波長帯域の光を照射する第1の光源211及び第2の光源221を、それぞれ、導光体100Aの第1の端面101A及び第2の端面102Aに対向させて、かつ、導光体100Aの出射面130Aから出射される光、すなわち出射光の光軸110Aからの距離が等しい位置に配置する。このように第1の光源211及び第2の光源221から発せられた上記波長帯域の光を、導光体100Aの光軸110Aに対して等しい距離から導光体100Aに照射する場合の方が、導光体100Aの光軸110Aに対して異なる距離から導光体100Aに照射する場合よりも、光軸110Aに対して均等に光を入射することが可能となる。したがって、第1の光源211及び第2の光源221が導光体100Aの端面の中心に配置されていなかったとしても、導光体100Aから出射される光の主走査方向D1における均一性を高めることができる。また、本実施形態のイメージセンサ用照明装置1では、第1の光源211及び第2の光源221と同じ波長帯域の光を照射する第3の光源231及び第4の光源241を、それぞれ、導光体100Bの第3の端面101B及び第4の端面102Bに対向させて、かつ、導光体100Bの出射面130Bから出射される光、すなわち出射光の光軸110Bからの距離が等しい位置に配置する。したがって、導光体100Aの場合と同様に、第3の光源231及び第4の光源241が導光体100Bの端面の中心に配置されていなかったとしても、導光体100Bから出射される光の主走査方向D1における均一性を高めることができる。また、以上の結果、2本の導光体100A及び100Bを同時に照射している場合も、導光体100A及び100Bから出射される光の主走査方向D1における均一性を安定して高めることができる。
【0025】
<イメージセンサ用照明装置の構成>
次に、図1図6を用いて、本実施形態に係るイメージセンサ用照明装置1の構成についてより詳細に説明する。図1図3に示すように、本実施形態のイメージセンサ用照明装置1は、例えば、光学ラインセンサの照射部に用いることができる。イメージセンサ用照明装置1は、主走査方向D1に延設され、それぞれ所定の方向に光を出射する第1の導光体100A及び第2の導光体100Bを備える。第1の導光体100Aは、主走査方向D1における一端及び他端にそれぞれ位置する第1の端面101A及び第2の端面102Aを有し、第2の導光体100Bは、主走査方向における一端及び他端にそれぞれ位置する第3の端面101B及び第4の端面102Bを有する。第3の端面101Bは、第2の導光体100Bの主走査方向D1における2つの端面のうち、第1の端面101A側に配置された端面であり、第4の端面102Bは、第2の導光体100Bの主走査方向D1における2つの端面のうち、第2の端面102A側に配置された端面である。本実施形態では、第1の導光体100Aの第1の端面101Aは、第2の導光体100Bの第3の端面101Bに隣接して配置され、第1の導光体100Aの第2の端面102Aは、第2の導光体100Bの第4の端面102Bに隣接して配置されている。また、イメージセンサ用照明装置1は、第1の導光体100Aの第1の端面101A及び第2の導光体100Bの第3の端面101Bに対向して配置された第1の基板310と、第1の導光体100Aの第2の端面102A及び第2の導光体100Bの第4の端面102Bに対向して配置された第2の基板320と、を備える。
【0026】
第1の基板310及び第2の基板320は、光源が実装される矩形状の回路基板である。第1の基板310は、第1の導光体100Aの第1の端面101Aに対向して配置された第1の光源群210と、第2の導光体100Bの第3の端面101Bに対向して配置された第3の光源群230と、を有する。また、第2の基板320は、第1の導光体100Aの第2の端面102Aに対向して配置された第2の光源群220と、第2の導光体100Bの第4の端面102Bに対向して配置された第4の光源群240と、を有する。
【0027】
第1、第2、第3及び第4の光源群210、220、230及び240からの光がそれぞれ入射する第1、第2、第3及び第4の端面101A、102A、101B、102Bは、いずれも例えば略円形状であり、光源からの光が入射する入射面として機能する。
【0028】
各光源群210、220、230、240は、例えば互いに異なる波長帯域の光を照射可能な複数の光源を含んでおり、互いに異なる波長帯域の光(例えば、緑色の光及び赤外光)を照射できるようになっている。各光源群210、220、230、240に含まれる各光源は点光源であり、例えば、LED(Light Emitting Diode)を用いることができる。
【0029】
第1の光源群210は、所定の波長帯域の光を照射する第1の光源211を備え、第2の光源群220、第3の光源群230及び第4の光源群240は、それぞれ、第1の光源211が照射する光と同じ波長帯域の光(上記所定の波長帯域の光)を照射する第2の光源221、第3の光源231を及び第4の光源241を備える。すなわち、第1の光源211、第2の光源221、第3の光源231を及び第4の光源241は、同じ波長帯域の光を照射するものであり、通常、同種のLEDを用いることができる。
【0030】
また、第1の光源群210は、第1~第4の光源211、221、231及び241が照射する光とは異なる波長帯域の光を照射する第5の光源212を備え、第3の光源群230、第2の光源群220及び第4の光源群240は、それぞれ、第5の光源212が照射する光と同じ波長帯域の光を照射する第6の光源232、第7の光源222及び第8の光源242を備える。すなわち、第5の光源212、第6の光源232、第7の光源222及び第8の光源242は、同じ波長帯域の光を照射するものであり、通常、同種のLEDを用いることができる。
【0031】
第1の導光体100Aは、第1の光源群210及び第2の光源群220からの光を、第2の導光体100Bは、第3の光源群230及び第4の光源群240からの光を、それぞれ導いて照射対象(照明対象)である紙葉類に向けて線状の光を照射するものであり、光源群から発せられる光を線状化する光学部材である。第1及び第2の導光体100A及び100Bは、イメージセンサ用照明装置1の主走査方向D1に延設された、細長い棒状の形状(より具体的には、例えば端面が円形の円柱状)を有しており、例えば、アクリル系樹脂等の透明樹脂からなる。
【0032】
第1の導光体100Aの側面には、光が出射される出射面130Aと、出射面130Aの反対側に位置する拡散面140Aと、出射面130A及び拡散面140Aの間に位置する2つの連結面150Aと、が配置されている。同様に、第2の導光体100Bの側面には、光が出射される出射面130Bと、出射面130Bの反対側に位置する拡散面140Bと、出射面130B及び拡散面140Bの間に位置する2つの連結面150Bと、が配置されている。拡散面140A及び140Bは、入射した光を出射面130A及び130B側にそれぞれ反射する反射面として機能する。出射面130A及び130Bは、拡散面140A及び140Bでそれぞれ反射された光を紙葉類に向けて出射する面として機能する。出射面130A及び130B、並びに、拡散面140A及び140Bは、それぞれ、主走査方向D1に沿って延びた帯状の面である。また、拡散面140A及び140Bには、白色パターンが設けられている。白色パターンは、例えば、白色塗料を塗布することにより形成することができる。上記白色パターンは、より詳細には、主走査方向D1に沿って設けられた破線状のパターンであって、導光体の主走査方向D1の中央に向かうほど破線を構成する線分1つ当たりの長さが長くなるパターンである。
【0033】
第1の光源群210から第1の端面101Aに入射した光、及び第2の光源群220から第2の端面102Aに入射した光は、第1の導光体100Aの内部を伝搬し、拡散面140Aで反射し、出射面130Aから紙葉類に向けて出射する。また、第3の光源群230から第3の端面101Bに入射した光、及び第4の光源群240から第4の端面102Bに入射した光は、第2の導光体100Bの内部を伝搬して拡散面140Bで反射し、出射面130Bから紙葉類に向けて出射する。
【0034】
以下、異なる光源群に含まれる複数の光源間の配置関係についてより詳細に説明する。ここで、図2及び図3に示すように、第1の端面101A側から主走査方向D1に第1及び第2の導光体100A及び100Bをそれぞれ見た状態において、出射される光の光軸上であって当該出射される光の進行方向を正とする軸をY軸とし、かつY軸を対応する導光体の主走査方向D1における端面の中心を回転軸として時計回りに90°回転した軸をX座標とするXY座標系を設定する。すなわち、第1の端面101A側から主走査方向D1に第1の導光体100Aを見た状態において、第1の導光体100A上にXY座標系C1を設定する。XY座標系C1のY軸は、第1の導光体100Aの出射光LAの光軸110A上に位置し、かつ当該出射光LAの進行方向を正とし、XY座標系C1のX軸は、Y軸を第1の端面101Aの中心を回転軸として時計回りに90°回転したものである。同様に、第1の端面101A側から主走査方向D1に第2の導光体100Bを見た状態において、第2の導光体100B上にXY座標系C2を設定する。XY座標系C2のY軸は、第2の導光体100Bの出射光LBの光軸110B上に位置し、かつ当該出射光LBの進行方向を正とし、XY座標系C2のX軸は、Y軸を第3の端面101Bの中心を回転軸として時計回りに90°回転したものである。
【0035】
上記回転軸は、導光体の主走査方向における2つの端面のうちのいずれの端面の中心でもよく、XY座標系C1を設定する場合、回転軸は、第1の端面101Aの中心であっても第2の端面102Aの中心であってもよい。また、XY座標系C2を設定する場合、回転軸は、第3端面101Bの中心であっても第4の端面102Bの中心であってもよい。ここで、第1及び第2の導光体100A及び100Bの各端面の形状は特に限定されず、例えば、円形、楕円形、楕円形の長軸方向の一方の端部の一部が欠けた形状等が挙げられるが、通常は、第1及び第2の導光体100A及び100Bの各端面は同一形状である。「端面の中心」とは、端面の外形の中心であり、端面の形状が円形又は楕円形である場合、端面の中心は円形又は楕円形の中心である。図4に示すように、端面の形状が楕円形の長軸方向の一方の端部の一部が欠けた形状である場合、端面の中心LXは、長軸L1の中点である。なお、この場合、第1及び第2の導光体100A及び100Bは、楕円柱の一部を端面に直交する平面(高さ方向に平行な平面)でカットした形状を有し、カットされた面にそれぞれ拡散面140A及び140Bが形成される。
【0036】
図5に示すように、光軸110A及び110Bは、それぞれ、主走査方向D1に第1の導光体100A及び第2の導光体100Bを見た状態において、導光体100A及び100Bの外径の中心LXと、イメージセンサ用照明装置1が備えるロッドレンズアレイ40等のレンズの焦点位置(媒体読取位置)Fとを結ぶ線である。焦点位置Fと光軸110A及び110Bとが交差する位置に紙葉類Pが配置される。また、図5に示したように、第1及び第2の導光体100A及び100Bの各端面の形状が楕円形、又は楕円形の長軸方向の一方の端部の一部が欠けた形状である場合、光軸110A及び110Bは各端面の楕円形の長軸上に設定されてもよい。
【0037】
図2及び図3に示すように、第1の光源211の対応するXY座標系、すなわちXY座標系C1におけるX座標及びY座標をそれぞれx1及びy1とし、第2の光源221の対応するXY座標系、すなわちXY座標系C1におけるX座標及びY座標をそれぞれx2及びy2とし、第3の光源231の対応するXY座標系、すなわちXY座標系C2におけるX座標及びY座標をそれぞれx3及びy3とし、第4の光源241の対応するXY座標系、すなわちXY座標系C2におけるX座標及びY座標をそれぞれx4及びy4とする。また、第5の光源212の対応するXY座標系、すなわちXY座標系C1におけるX座標及びY座標をそれぞれx5及びy5とし、第6の光源232の対応するXY座標系、すなわちXY座標系C2におけるX座標及びY座標をそれぞれx6及びy6とし、第7の光源222の対応するXY座標系、すなわちXY座標系C1におけるX座標及びY座標をそれぞれx7及びy7とし、第8の光源242の対応するXY座標系、すなわちXY座標系C2におけるX座標及びY座標をそれぞれx8及びy8とする。ここで、各光源の座標は、各光源の外形の中心の座標に対して設定される。各光源としては、例えば、正方形のLEDチップを用いることができ、各光源の外形は、正方形であってもよい。
【0038】
図2に示すように、本実施形態では、第1の光源211の対応するXY座標系におけるX座標の絶対値は、第2の光源221の対応するXY座標系におけるX座標の絶対値と等しい。すなわち、第1の光源211及び第2の光源221は、第1の光源211のX座標x1の絶対値が、第2の光源221のX座標x2の絶対値と等しくなるように配置されている。このように第1の光源211及び第2の光源221から発せられた上記波長帯域の光を、導光体100Aの光軸110Aに対して等しい距離から導光体100Aに照射する場合の方が、導光体100Aの光軸110Aに対して異なる距離から導光体100Aに照射する場合よりも、光軸110Aに対して均等に光を入射することが可能となる。したがって、第1の光源211及び第2の光源221が導光体100Aの端面の中心に配置されていなかったとしても、導光体100Aから出射される光の主走査方向D1における均一性を高めることができる。ここで、出射光の均一性は、導光体から出射される最も高い強度の光と最も低い強度の光との強度差に基づく物性であり、強度差が大きい場合は出射光の均一性は低く、強度差が小さい場合は出射光の均一性は高い。
【0039】
また、本実施形態のイメージセンサ用照明装置1では、第3の光源231の対応するXY座標系におけるX座標の絶対値は、第4の光源241の対応するXY座標系におけるX座標の絶対値と等しい。すなわち、第3の光源231及び第4の光源241は、第3の光源231のX座標x3の絶対値が、第4の光源241のX座標x4の絶対値と等しくなるように配置されている。このように第3の光源231及び第4の光源241についても、第1の光源211及び第2の光源221と同様に配置することにより、第1の光源211及び第2の光源221により得られる効果と同様の効果を得られる。すなわち、第3の光源231及び第4の光源241が導光体100Bの端面の中心に配置されていなかったとしても、導光体100Bから出射される光の主走査方向D1における均一性を高めることができる。
【0040】
図3に示すように、本実施形態のイメージセンサ用照明装置1では、第5の光源212の対応するXY座標系におけるX座標の絶対値は、第7の光源222の対応するXY座標系におけるX座標の絶対値と等しい。すなわち、第5の光源212及び第7の光源222は、第5の光源212のX座標x5の絶対値が、第7の光源222のX座標x7の絶対値と等しくなるように配置されている。このように第5の光源212及び第7の光源222についても、第1の光源211及び第2の光源221と同様に配置することにより、第1の光源211及び第2の光源221により得られる効果と同様の効果を得られる。すなわち、第5の光源212及び第7の光源222が導光体100Aの端面の中心に配置されていなかったとしても、導光体100Aから出射される光の主走査方向D1における均一性を高めることができる。
【0041】
また、本実施形態のイメージセンサ用照明装置1では、第6の光源232の対応するXY座標系におけるX座標の絶対値は、第8の光源242の対応するXY座標系におけるX座標の絶対値と等しい。すなわち、第6の光源232及び第8の光源242は、第6の光源232のX座標x6の絶対値が、第8の光源242のX座標x8の絶対値と等しくなるように配置されている。このように第6の光源232及び第8の光源242についても、第1の光源211及び第2の光源221と同様に配置することにより、第1の光源211及び第2の光源221により得られる効果と同様の効果を得られる。すなわち、第6の光源232及び第8の光源242が導光体100Bの端面の中心に配置されていなかったとしても、導光体100Bから出射される光の主走査方向D1における均一性を高めることができる。
【0042】
なお、本明細書において、X座標(又はY座標)の絶対値が等しいとは、X座標(又はY座標)の絶対値が実質的に等しい場合を含み、製造上の誤差程度の差が生じている場合を包含する。また、X座標(又はY座標)が等しいとは、X座標(又はY座標)が実質的に等しい場合を含み、製造上の誤差程度の差が生じている場合を包含する。
【0043】
図2に示すように、第1の光源211及び第2の光源221は、それぞれ、第1の導光体100AのXY座標系の原点に位置せず、第3の光源231及び第4の光源241は、それぞれ、第2の導光体100BのXY座標系の原点に位置しない。このように本実施形態では、上記所定の波長帯域の光を照射する第1の光源211及び第2の光源221がそれぞれ、第1の導光体100Aの第1の端面101A及び第2の端面102Aの中心から離れた場所に配置され、第3の光源231及び第4の光源241がそれぞれ、第2の導光体100Bの第3の端面101B及び第4の端面102Bの中心から離れた場所に配置される場合であっても、導光体100Aから出射される光の主走査方向D1における均一性を高め、かつ、導光体100Bから出射される光の主走査方向D1における均一性を高めることができる。
【0044】
また、図3に示すように、第5の光源212及び第7の光源222は、それぞれ、第1の導光体100AのXY座標系の原点に位置せず、第6の光源232及び第8の光源242は、それぞれ、第2の導光体100BのXY座標系における原点に位置しない。このように本実施形態では、上記所定の波長帯域の光を照射する第5の光源212及び第7の光源222がそれぞれ、第1の導光体100Aの第1の端面101A及び第2の端面102Aの中心から離れた場所に配置され、第6の光源232及び第8の光源242がそれぞれ、第2の導光体100Bの第3の端面101B及び第4の端面102Bの中心から離れた場所に配置される場合であっても、導光体100Aから出射される光の主走査方向D1における均一性を高め、かつ、導光体100Bから出射される光の主走査方向D1における均一性を高めることができる。
【0045】
図2に示すように、第1の光源211の対応するXY座標系におけるX座標の符号は、第2の光源221の対応するXY座標系におけるX座標の符号と異なる。すなわち、第1の光源211及び第2の光源221は、第1の光源211のX座標x1の符号が、第2の光源221のX座標x2の符号と異なるように配置されている。このような態様とすることにより、第1の光源211及び第2の光源221から発せられた上記所定の波長帯域の光を、導光体100Aの光軸110Aの両側から導光体100Aの拡散面140Aへ照射することが可能となる。その結果、導光体100Aから出射される光の主走査方向D1における均一性をより高めることができる。このように、本実施形態では、第1の光源211及び第2の光源221を光軸110Aに対して左右均等に分けて配置することができ、拡散面140Aに均一に光を照射できるようになる。その結果、光源を特定の位置にかためて配置せずに光軸の両側に振り分けて配置し、限られたスペースに光源をバランスよく配置することができるため、互いに異なる波長帯域の複数の光を照射する場合でも、波長帯域毎に所望の光学特性を満足させることができる。
【0046】
また、第1の光源211及び第2の光源221の関係と同様に、第3の光源231の対応するXY座標系におけるX座標の符号は、第4の光源241の対応するXY座標系におけるX座標の符号と異なる。すなわち、第3の光源231及び第4の光源241は、第3の光源231のX座標x3の符号が、第4の光源241のX座標x4の符号と異なるように配置されている。このような態様とすることにより、第1の光源211及び第2の光源221と同様の効果が得られる。すなわち、導光体100Bから出射される光の主走査方向D1における均一性をより高めることができる。また、互いに異なる波長帯域の複数の光を照射する場合でも、波長帯域毎に所望の光学特性を満足させることができる。
【0047】
第1の光源211の対応するXY座標系におけるY座標の絶対値は、第2の光源221の対応するXY座標系におけるY座標の絶対値と等しい。すなわち、第1の光源211及び第2の光源221は、第1の光源211のY座標y1の絶対値が、第2の光源221のY座標y2の絶対値と等しくなるように配置されている。
【0048】
また、第1の光源211及び第2の光源221の関係と同様に、第3の光源231の対応するXY座標系におけるY座標の絶対値は、第4の光源241の対応するXY座標系におけるY座標の絶対値と等しい。すなわち、第3の光源231及び第4の光源241は、第3の光源231のY座標y3の絶対値が、第4の光源241のY座標y4の絶対値と等しくなるように配置されている。
【0049】
第1の光源211の対応するXY座標系におけるY座標の符号は、第2の光源221の対応するXY座標系におけるY座標の符号と異なる。すなわち、第1の光源211及び第2の光源221は、第1の光源211のY座標y1の符号が、第2の光源221のY座標y2の符号と異なるように配置されている。
【0050】
また、第1の光源211及び第2の光源221の関係と同様に、第3の光源231の対応するXY座標系におけるY座標の符号は、第4の光源241の対応するXY座標系におけるY座標の符号と異なる。すなわち、第3の光源231及び第4の光源241は、第3の光源231のY座標y3の符号が、第4の光源241のY座標y4の符号と異なるように配置されている。
【0051】
以上に示した通り、第1の光源211及び第2の光源221は、XY座標系C1の原点に対して点対称に配置されており、第3の光源231及び第4の光源241は、XY座標系C2の原点に対して点対称に配置されている。
【0052】
図3に示すように、第5の光源212の対応するXY座標系におけるX座標の符号は、第7の光源222の対応するXY座標系におけるX座標の符号と異なる。すなわち、第5の光源212及び第7の光源222は、第5の光源212のX座標x5の符号が、第7の光源222のX座標x7の符号と異なるように配置されている。
【0053】
また、第5の光源212及び第7の光源222と同様に、第6の光源232の対応するXY座標系におけるX座標の符号は、第8の光源242の対応するXY座標系におけるX座標の符号と異なる。すなわち、第6の光源232及び第8の光源242は、第6の光源232のX座標x6の符号が、第8の光源242のX座標x8の符号と異なるように配置されている。
【0054】
第5の光源212の対応するXY座標系におけるY座標は、第7の光源222の対応するXY座標系におけるY座標と等しい。すなわち、第5の光源212及び第7の光源222は、第5の光源212のY座標y5が、第7の光源222のY座標y7と等しくなるように配置されている。
【0055】
また、第5の光源212及び第7の光源222と同様に、第6の光源232の対応するXY座標系におけるY座標は、第8の光源242の対応するXY座標系におけるY座標と等しい。すなわち、第6の光源232及び第8の光源242は、第6の光源232のY座標y6が、第8の光源242のY座標y8と等しくなるように配置されている。
【0056】
以上に示した通り、第5の光源212及び第7の光源222は、XY座標系C1のY軸に対して線対称に配置されており、第6の光源232及び第8の光源242は、XY座標系C2のY軸に対して線対称に配置されている。
【0057】
図1及び図2に示すように、第3の光源231の対応するXY座標系におけるX座標は、第1の光源211の対応するXY座標系におけるX座標と等しい。すなわち、第1の光源211及び第3の光源231は、第1の光源211のX座標x1が、第3の光源231のX座標x3と等しくなるように配置されている。このような態様とすることにより、第1の光源211及び第3の光源231が設けられた第1の基板310と同じ基板を、第2の基板320として、第3の光源231が第1の導光体100Aの第2の端面102Aに対向するよう配置した場合に、第2の端面102Aに対向する位置に、第1の光源211とX座標の絶対値が等しく符号が異なる光源、すなわち第2の光源221を配置することが可能となり、かつ、第4の端面102Bに対向する位置に、第3の光源231とX座標の絶対値が等しく符号が異なる光源、すなわち第4の光源241を配置することが可能となる。その結果、共通の基板を第1の基板310及び第2の基板320として用いることが可能となり、イメージセンサ用照明装置1を構成する部品の種類の数を抑えつつ、第1の光源211及び第2の光源221から発せられた上記所定の波長帯域の光を、第1の導光体100Aの光軸110Aの両側から第1の導光体100Aの拡散面140Aへ照射して、第1の導光体100Aから出射される光の主走査方向D1における均一性をより高めることができる。更に、第3の光源231及び第4の光源241から発せられた上記所定の波長帯域の光を、第2の導光体100Bの光軸110Bの両側から第2の導光体100Bの拡散面140Bへ照射して、第2の導光体100Bから出射される光の主走査方向D1における均一性を高めることができる。
【0058】
図2に示すように、第1の光源211の対応するXY座標系におけるY座標の符号は、第3の光源231の対応するXY座標系におけるY座標の符号と異なる。すなわち、第1の光源211及び第3の光源231は、第1の光源211のY座標y1の符号が、第3の光源231のY座標y3の符号と異なるように配置されている。このような態様とすることにより、図6に示すように、第1の光源211及び第3の光源231の一方の光源(本実施形態では第1の光源211)を、対応する導光体のX軸に対して出射面側に配置し、他方の光源(本実施形態では第3の光源231)を、対応する導光体のX軸に対して拡散面側に配置することができる。そのため、光源側の端部において導光体内を伝搬する光が出射面側に偏った導光体(本実施形態では第1の導光体100A)と拡散面側に偏った導光体(本実施形態では第2の導光体100B)とを組み合わせて用いることが可能になる。前者の導光体では、光源側の端部は拡散面に入射する光の量が少なくなる一方、後者の導光体では、光源側の端部で拡散面に入射する光の量が多くなる。すなわち、光源側の端部にて拡散面に入射する光の量と、端部を除く中間部にて拡散面に入射する光の量とのバランスを両者の導光体間で補完し合う関係とすることが可能となり、2本の導光体全体として、拡散面に入射する光の主走査方向における均一性を向上することができる。その結果、第1の光源211及び第3の光源231から発せられる上記所定の波長帯域の光を、2本の導光体全体として、出射される光の主走査方向D1における均一性をより高めることができる。
【0059】
第1の光源211の対応するXY座標系におけるY座標の絶対値は、第3の光源231の対応するXY座標系におけるY座標の絶対値と等しい。すなわち、第1の光源211及び第3の光源231は、第1の光源211のY座標y1の絶対値が、第3の光源231のY座標y3の絶対値と等しくなるように配置されている。このような態様とすることにより、図6に示すように、第1の光源211及び第3の光源231の一方の光源(本実施形態では第1の光源211)を、対応する導光体のX軸に対して所定の距離で出射面側に配置し、他方の光源(本実施形態では第3の光源231)を、対応する導光体のX軸に対して上記所定の距離で拡散面側に配置することができるため、導光体内を伝搬する光の出射面側への偏りと拡散面側への偏りとを同程度とすることが可能となる。その結果、第1の光源211及び第3の光源231から発せられる上記所定の波長帯域の光を、2本の導光体全体として、出射される光の主走査方向D1における均一性を更に高めることができる。
【0060】
本実施形態では、第5の光源212の対応するXY座標系におけるX座標及びY座標は、第6の光源232の対応するXY座標系におけるX座標及びY座標と等しい。すなわち、第5の光源212及び第6の光源232は、第5の光源212のX座標x5が、第6の光源232のX座標x6と等しくなるように、かつ、第5の光源212のY座標y5が、第6の光源232のY座標y6と等しくなるように配置されている。このような態様とすることにより、第5の光源212及び第6の光源232が設けられた第1の基板310と同じ基板を、第2の基板320として、第6の光源232が第1の導光体100Aの第2の端面102Aに対向するよう配置した場合に、第2の端面102Aに対向する位置に、第5の光源212とX座標の絶対値が等しく符号が異なる光源、すなわち第7の光源222を配置することが可能となり、かつ、第4の端面102Bに対向する位置に、第6の光源232とX座標の絶対値が等しく符号が異なる光源、すなわち第8の光源242を配置することが可能となる。その結果、共通の基板を第1の基板310及び第2の基板320として用いることが可能となり、イメージセンサ用照明装置1を構成する部品の種類の数を抑えつつ、第5の光源212及び第7の光源222から発せられた上記所定の波長帯域の光を、第1の導光体100Aの光軸110Aに対して対称の位置から第1の導光体100Aの拡散面140Aへ照射して、第1の導光体100Aから出射される光の主走査方向D1における均一性を高めることができる。更に、第6の光源232及び第8の光源242から発せられた上記所定の波長帯域の光を、第2の導光体100Bの光軸110Bに対して線対称の位置から第2の導光体100Bの拡散面140Bへ照射して、第2の導光体100Bから出射される光の主走査方向D1における均一性を高めることができる。ここで、上述の通り、第5の光源212及び第6の光源232のX座標は等しいことが好ましいが、第5の光源212及び第6の光源232のY座標は本実施形態のように等しくてもよいし、互いに異なっていてもよく、第5の光源212及び第6の光源232のY軸方向の位置に関してはその制約は緩和される。
【0061】
複数の波長帯域の光源を配置した本実施形態のイメージセンサ用照明装置の一例を図7に示し、第1の基板側から見たときの第1の端面及び第3の端面に対向して設けられた光源の配置について説明する。
【0062】
図7において、第1の端面101Aに対向して配置された青紫色の光源Vと、第3の端面101Bに対向して配置された青紫色の光源Vとは、X座標が等しく、かつY座標の絶対値が等しく符号が互いに異なる。第1の赤外光の光源IR1、第2の赤外光の光源IR2、第3の赤外光の光源IR3及び緑色の光源Gbについても同様に第1の端面101A及び第3の端面101Bに対向して配置されている。図7において破線で囲まれた光源(青紫色の光源V、第1の赤外光の光源IR1、第2の赤外光の光源IR2、第3の赤外光の光源IR3及び緑色の光源Gb)は、図2に示す第1の光源211及び第3の光源231と同様の関係で配置されている。
【0063】
また、図7において第1の端面101Aに対向して配置された赤色の光源Rと、第3の端面101Bに対向して配置された赤色の光源Rとは、X座標及びY座標がそれぞれ等しい。緑色の光源Gaについても同様に第1の端面101A及び第3の端面101Bに対向して配置されている。図7において一点鎖線で囲まれた光源(赤色の光源R及び緑色の光源Ga)は、図3に示す第5の光源212及び第6の光源232と同様の関係で配置されている。本実施形態では、同じ種類の2つの緑色の光源Ga及びGbを用いることにより、緑色の光量を増加させている。
【0064】
本実施形態では、第1の端面101Aに対向して配置された青紫色の光源Vと、第3の端面101Bに対向して配置された青紫色の光源Vとは、X座標が等しく、かつY座標の絶対値が等しく符号が互いに異なるように配置されている。一方、第1の端面101Aに対向して配置された赤色の光源Rと、第3の端面101Bに対向して配置された赤色の光源Rとは、X座標及びY座標がそれぞれ等しくなるように配置されている。ここで、赤色の光源Rについても、青紫色の光源Vと同様にX座標が等しく、かつY座標の絶対値が等しく符号が互いに異なるように配置すると、赤色の光源RのY座標の絶対値が大きいとき、端面の形状の影響を受けて主走査方向D1における均一性を高めることができない。そのため、本実施形態では、赤色の光源Rの配置を青紫色の光源Vとは異なる配置(具体的には、X座標及びY座標がそれぞれ等しい配置、特に、Y座標を正の値とする配置)とすることにより、主走査方向D1における均一性を高めている。このように、導光体から出射される光の主走査方向D1における均一性を高めるために、X座標が等しく、かつY座標の絶対値が等しく符号が互いに異なるように配置した光源と、X座標及びY座標がそれぞれ等しくなるように配置された光源とを組み合わせることが好ましい場合もある。
【0065】
次に、上記イメージセンサ用照明装置1を用いた本実施形態に係るイメージセンサについて説明する。
【0066】
図8に示すように、イメージセンサ2は、搬送路P1を副走査方向D2に搬送されている紙葉類Pの光学画像情報、具体的には反射画像を取得する光学ラインセンサである。イメージセンサ2は、搬送路P1を介して互いに対向して配置された上部ユニット110及び下部ユニット120を備え、上部ユニット110及び下部ユニット120は、それぞれ、搬送路P1の上側及び下側に位置している。上部ユニット110は紙葉類PのA面の反射画像を取得し、下部ユニット120は紙葉類PのB面の反射画像を取得する。
【0067】
上部ユニット110及び下部ユニット120は、それぞれ、第1の導光体100A及び第2の導光体100Bを備えるイメージセンサ用照明装置1と、CCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサ等の撮像素子30と、紙葉類Pからの光を撮像素子30へ導くロッドレンズアレイ(透明の筒状の集光レンズのアレイ)40と、を有している。
【0068】
イメージセンサ用照明装置1が備える各光源(例えば、第1の光源211、第2の光源221、第3の光源231及び第4の光源241)から第1の導光体100Aを経た光及び第2の導光体100Bを経た光が、紙葉類Pに向けて照射される。そして、紙葉類Pで反射した光は、ロッドレンズアレイ40を経て撮像素子30によって受光される。このように、各光源からの光が第1の導光体100A又は第2の導光体100Bに入射され、第1の導光体100A及び第2の導光体100Bが、入射された光を主走査方向D1側へ導きながら高さ方向D3側へ出射することにより、紙葉類Pに向けて光を照射するようになっている。
【0069】
イメージセンサ2は、搬送されている紙葉類Pを搬送方向に走査して、紙葉類Pの全面を撮像する。より詳細には、イメージセンサ2は、搬送されている紙葉類Pに対して、主走査方向D1全体にわたる紙葉類Pの直線状の被撮像領域の撮像を採取ライン毎に順次繰り返すことにより、紙葉類P全体の撮像を行う。
【0070】
イメージセンサ用照明装置1は、2本の導光体を備えるため、イメージセンサ用照明装置1の出射光の強度を高めることができ、かつ2方向から紙葉類Pに対して光を照射することが可能であるため、紙葉類Pの折り目やシワ等による影の発生を抑制することができる。
【0071】
主走査方向D1に2本の導光体100A及び100Bを見た状態において、第1の導光体100Aの出射光の光軸110Aは、第2の導光体100Bの出射光の光軸110Bと交わる。このような態様とすることにより、2本の光軸110A及び110Bが交わる領域に紙葉類Pを配置することにより、紙葉類Pに照射される光の強度を増大させることができる。
【0072】
次に、上記イメージセンサ2を用いた本実施形態に係る紙葉類識別装置について説明する。本実施形態に係る紙葉類識別装置は、制御部、検出部及び記憶部を備えている。
【0073】
上記制御部は、上記記憶部に記憶された各種の処理を実現するためのプログラムと、当該プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)と、当該CPUによって制御される各種ハードウェアと、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の論理デバイス等によって構成されている。制御部は、記憶部に記憶されたプログラムに従って、紙葉類識別装置の各部から出力された信号と、制御部からの制御信号とに基づいて、紙葉類識別装置の各部を制御する。また、制御部は、記憶部に記憶されたプログラムにより、識別部の機能を有している。
【0074】
上記検出部は、画像取得部としてのイメージセンサ2、磁気検出部、UV検出部等を備えている。イメージセンサ2は、紙葉類の画像を取得する。磁気検出部は、磁気を測定する磁気センサを備え、磁気センサにより紙葉類に印刷されている磁気インクやセキュリティスレッド等の磁気を検出する。磁気センサは、複数の磁気検出素子をライン状に配列した磁気ラインセンサである。UV検出部は、紫外線照射部及び受光部を備え、紫外線照射部により紫外線を紙幣に照射したときに発生する蛍光や、紙幣を透過する紫外線を受光部により検出する。
【0075】
上記記憶部は、半導体メモリやハードディスク等の不揮発性の記憶装置から構成されており、紙葉類識別装置を制御するための各種プログラムと各種データとを記憶している。
【0076】
上記識別部は、イメージセンサ2により取得された紙葉類の画像の特徴パターンと、紙葉類の種類(例えば、紙幣の金種)ごとの特徴パターン(例えば、金種識別用テンプレート)とを比較して、紙幣の金種を判定する。
【0077】
以上説明したように、本実施形態では、第1の光源211のX座標の絶対値が、第2の光源221のX座標の絶対値と等しい。このように、第1の光源211及び第2の光源221から発せられた上記波長帯域の光を、導光体100Aの光軸110Aに対して等しい距離から導光体100Aに照射する方が、導光体100Aの光軸110Aに対して異なる距離から導光体100Aに照射する場合よりも、光軸110Aに対して均等に光を入射することが可能となる。したがって、第1の光源211及び第2の光源221が導光体100Aの端面の中心に配置されていなかったとしても、導光体100Aから出射される光の主走査方向D1における均一性を高めることができる。
【0078】
(実施形態1の変形例1)
上記実施形態1のイメージセンサ用照明装置1では、X座標が等しく、Y座標の絶対値が等しくかつY座標の符号が互いに異なる光源の配置パターン(例えば、図2に示した第1の光源211及び第3の光源231の配置パターン、以下図2の配置パターンともいう。)、及び、X座標が等しく、かつY座標が等しい光源の配置パターン(例えば、図3に示した第5の光源212及び第6の光源232の配置パターン、以下、図3の配置パターンともいう。)の両方の配置パターンが用いられるが、イメージセンサ用照明装置1では、図2に示した配置パターンのみを用いて光源を配置してもよい。また、イメージセンサ用照明装置1は、図3に示した配置パターンのみを用いて光源を配置してもよい。
【0079】
(実施形態1の変形例2)
上記実施形態では2本の導光体(第1の導光体100A及び第2の導光体100B)を用いるが、イメージセンサ用照明装置1は、1本の導光体100Aから構成されてもよいし、3本以上の導光体から構成されてもよい。3本の導光体が配置される場合としては、例えば、上記実施形態の2本の導光体100A及び100Bに加えて、透過光源として3本目の導光体を配置する場合や、上記実施形態の2本の導光体100A及び100Bを、それぞれ2本の導光体から構成する場合等が挙げられる。
【0080】
(実施形態2)
本実施形態では、本実施形態に特有の特徴について主に説明し、上記実施形態と重複する内容についての詳細な説明は省略する。実施形態1のイメージセンサ用照明装置1では、第1の端面101A、第2の端面102A、第3の端面101B及び第4の端面102Bにそれぞれ対向して第1の光源群210、第2の光源群220、第3の光源群230及び第4の光源群240が配置されるが、本実施形態では、図9に示すように、第1の端面101Aに対向して配置された第1の光源群210及び第4の端面102Bに対向して配置された第4の光源群240が配置され、第2の端面102A及び第3の端面101Bに対向する位置には光源群が設けられていない。
【0081】
本実施形態では、第1の光源211の対応するXY座標系におけるX座標は、第4の光源241の対応するXY座標系におけるX座標と絶対値が等しく、符号が異なる。すなわち、第1の光源211及び第4の光源241は、第1の光源211のX座標x1の絶対値が、第4の光源241のX座標x4の絶対値と等しくなるように、かつ、第1の光源211のX座標x1の符号が、第4の光源241のX座標x4の符号と異なるように配置されている。このように第1の光源211及び第4の光源241から発せられた上記波長帯域の光を、紙葉類Pの直線状の被撮像領域Rに対して等しい距離から照射する場合の方が、被撮像領域Rに対して異なる距離から照射する場合よりも、被撮像領域Rに対して均等に光を入射することが可能となる。したがって、第1の光源211及び第4の光源241が導光体100Aの端面の中心に配置されていなかったとしても、導光体100A及び100Bから出射される光の主走査方向D1における均一性を、イメージセンサ用照明装置1全体として高めることができる。また、このような態様とすることにより、第1の基板310と同じ基板を第2の基板320として用いることが可能となり、イメージセンサ用照明装置1を構成する部品の種類の数を抑えることができる。
【0082】
また、第5の光源212の対応するXY座標系におけるX座標は、第8の光源242の対応するXY座標系におけるX座標の絶対値と等しく、符号が異なる。すなわち、第5の光源212及び第8の光源242は、第5の光源212のX座標x5の絶対値が、第8の光源242のX座標x8の絶対値と等しくなるように、かつ、第5の光源212のX座標x5の符号が、第8の光源242のX座標x8の符号と異なるように配置されている。このように、第5の光源212及び第8の光源242を、第1の光源211及び第4の光源241と同様の関係で配置することにより、第1の光源211及び第4の光源241により得られる効果と同様の効果が得られ、導光体100A及び100Bから出射される光の主走査方向D1における均一性を、イメージセンサ用照明装置1全体として高めることができる。また、このような態様とすることにより、第1の基板310と同じ基板を第2の基板320として用いることが可能となり、イメージセンサ用照明装置1を構成する部品の種類の数を抑えることができる。
【0083】
第1の光源211の対応するXY座標系におけるY座標は、第4の光源241の対応するXY座標系におけるY座標と等しい。すなわち、第1の光源211及び第4の光源241は、第1の光源211のY座標y1が、第4の光源241のY座標y4と等しくなるように配置されている。このような態様とすることにより、第1の基板310と同じ基板を第2の基板320として用いることが可能となり、イメージセンサ用照明装置1を構成する部品の種類の数を抑えることができる。このような態様とすることにより、第1の光源211及び第4の光源241を、対応する導光体の端面のX軸に対して等しい距離に配置することができる。その結果、第1の光源211及び第4の光源241から発せられる上記所定の光を、2本の導光体全体として、出射される光の主走査方向D1における均一性をより高めることができる。
【0084】
第5の光源212の対応するXY座標系におけるY座標は、第8の光源242の対応するXY座標系におけるY座標と等しい。すなわち、第5の光源212及び第8の光源242は、第5の光源212のY座標y5が、第8の光源242のY座標y8と等しくなるように配置されている。このような態様とすることにより、第1の基板310と同じ基板を第2の基板320として用いることが可能となり、イメージセンサ用照明装置1を構成する部品の種類の数を抑えることができる。
【0085】
(実施形態3)
本実施形態では、本実施形態に特有の特徴について主に説明し、上記実施形態と重複する内容についての詳細な説明は省略する。実施形態1のイメージセンサ用照明装置1では、第1の端面101A、第2の端面102A、第3の端面101B及び第4の端面102Bにそれぞれ対向して第1の光源群210、第2の光源群220、第3の光源群230及び第4の光源群240が配置されるが、本実施形態では、図10に示すように、第1の端面101Aに対向して配置された第1の光源群210及び第3の端面101Bに対向して配置された第3の光源群230が配置され、第2の端面102A及び第4の端面102Bに対向する位置には光源群が設けられていない。
【0086】
本実施形態では、第1の光源211の対応するXY座標系におけるX座標は、第3の光源231の対応するXY座標系におけるX座標と絶対値が等しく、符号が異なる。すなわち、第1の光源211及び第3の光源231は、第1の光源211のX座標x1の絶対値が、第3の光源231のX座標x3の絶対値と等しくなるように、かつ、第1の光源211のX座標x1の符号が、第3の光源231のX座標x3の符号と異なるように配置されている。このように第1の光源211及び第3の光源231から発せられた上記波長帯域の光を、紙葉類Pの直線状の被撮像領域Rに対して等しい距離から照射する場合の方が、被撮像領域Rに対して異なる距離から照射する場合よりも、被撮像領域Rに対して均等に光を入射することが可能となる。したがって、第1の光源211及び第3の光源231が導光体100Aの端面の中心に配置されていなかったとしても、導光体100A及び100Bから出射される光の主走査方向D1における均一性を、イメージセンサ用照明装置1全体として高めることができる。
【0087】
また、第5の光源212の対応するXY座標系におけるX座標は、第6の光源232の対応するXY座標系におけるX座標の絶対値と等しく、符号が異なる。すなわち、第5の光源212及び第6の光源232は、第5の光源212のX座標x5の絶対値が、第6の光源232のX座標x6の絶対値と等しくなるように、かつ、第5の光源212のX座標x5の符号が、第6の光源232のX座標x6の符号と異なるように配置されている。このように、第5の光源212及び第6の光源232を、第1の光源211及び第3の光源231と同様の関係で配置することにより、第1の光源211及び第3の光源231により得られる効果と同様の効果が得られ、導光体100A及び100Bから出射される光の主走査方向D1における均一性を、イメージセンサ用照明装置1全体として高めることができる。
【0088】
第1の光源211の対応するXY座標系におけるY座標は、第3の光源231の対応するXY座標系におけるY座標と絶対値が等しく、符号が異なる。すなわち、第1の光源211及び第3の光源231は、第1の光源211のY座標y1の絶対値が、第3の光源231のY座標y3の絶対値と等しくなり、かつ、第1の光源211のY座標y1の符号が、第3の光源231のY座標y3の符号と異なるように配置されている。これにより、実施形態1の場合と同様の効果が得られる。
【0089】
また、第5の光源212の対応するXY座標系におけるY座標は、第6の光源232の対応するXY座標系におけるY座標と絶対値が等しく、符号が異なる。すなわち、第5の光源212及び第6の光源232は、第5の光源212のY座標y5の絶対値が、第6の光源232のY座標y6の絶対値と等しく、かつ、第5の光源212のY座標y5の符号が、第6の光源232のY座標y6の符号と異なるように配置されている。これにより、実施形態1の場合と同様の効果が得られる。
【0090】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0091】
(実施例1)
実施例1では、図11に示す構成を有するイメージセンサ用照明装置1について主走査方向における出射光の均一性をシミュレーションした。実施例1では、図11に示すように、第1の光源211及び第2の光源221のX座標が負となり、第3の光源231及び第4の光源241のX座標が正となり、第1の光源211、第2の光源221、第3の光源231及び第4の光源241のX座標の絶対値が等しくなるように設定した。また、第1の光源211、第2の光源221、第3の光源231及び第4の光源241のY座標の符号が正となり、絶対値が等しくなるように設定した。図12に示すように、実施例1のイメージセンサ用照明装置の主走査方向における出射光の均一性は34%であった。
【0092】
(実施例2)
実施例2では、図13に示す構成を有するイメージセンサ用照明装置1について主走査方向における出射光の均一性をシミュレーションした。実施例2では、図13に示すように、第1の光源211及び第2の光源221のX座標が正となり、第3の光源231及び第4の光源241のX座標が負となり、第1の光源211、第2の光源221、第3の光源231及び第4の光源241のX座標の絶対値が等しくなるように設定した。また、第1の光源211、第2の光源221、第3の光源231及び第4の光源241のY座標の符号が負となり、絶対値が等しくなるように設定した。図14に示すように、実施例2のイメージセンサ用照明装置の主走査方向における出射光の均一性は28%であった。
【0093】
(実施例3)
実施例3では、図15に示す構成を有するイメージセンサ用照明装置1について主走査方向における出射光の均一性をシミュレーションした。実施例3では、図15に示すように、第1の光源211及び第3の光源231のX座標が負となり、第2の光源221及び第4の光源241のX座標が正となり、第1の光源211、第2の光源221、第3の光源231及び第4の光源241のX座標の絶対値が等しくなるように設定した。また、第1の光源211及び第4の光源241のY座標が正となり、第2の光源221及び第3の光源231のY座標が負となり、第1の光源211、第2の光源221、第3の光源231及び第4の光源241のY座標の絶対値が等しくなるように設定した。図16に示すように、実施例3のイメージセンサ用照明装置の主走査方向における出射光の均一性は27%であった。
【0094】
(実施例1~3の考察)
実施例1~3より、第1の光源211の対応するXY座標系におけるX座標の絶対値を第2の光源221の対応するXY座標系におけるX座標の絶対値と等しくすることにより、また、第3の光源231の対応するXY座標系におけるX座標の絶対値を第4の光源241の対応するXY座標系におけるX座標の絶対値と等しくすることにより、各導光体100A及び100Bにおいて、イメージセンサ用照明装置の主走査方向における出射光の均一性が高められることが示された。
【0095】
特に、実施例3では、実施例1、2に比べて、各導光体100A及び100Bにおいて、イメージセンサ用照明装置の主走査方向における出射光の均一性がより高められることが示された。また、実施例3では、実施例1、2と異なり、第1の光源211の対応するXY座標系におけるX座標の符号が、第2の光源221の対応するXY座標系におけるX座標の符号と異なり、第3の光源231の対応するXY座標系におけるX座標が、第1の光源211の対応するXY座標系におけるX座標と等しく、第1の光源211の対応するXY座標系におけるY座標の符号が、第3の光源231の対応するXY座標系におけるY座標の符号と異なり、第1の光源211の対応するXY座標系におけるY座標の絶対値が、第3の光源231の対応するXY座標系におけるY座標の絶対値と等しく、第1の光源211及び第2の光源231が、XY座標系C1の原点に対して互いに点対称に配置されており、第3の光源231及び第4の光源241が、XY座標系C2の原点に対して互いに点対称に配置されている。したがって、これらの構成が、それぞれ単独で、又は2以上の構成が組み合わさって、出射光の均一性の更なる向上に寄与したと考えられる。
【0096】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、説明された個々の事項は、すべて本発明全般に対して適用され得るものである。また、各実施形態の構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜組み合わされてもよいし、変更されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0097】
以上のように、本発明は、イメージセンサによる光学画像情報の取得に有用な技術である。
【符号の説明】
【0098】
1:イメージセンサ用照明装置
2:イメージセンサ
30:撮像素子
40:ロッドレンズアレイ
100A、100B:導光体
101A、101B、102A、102B:端面(入射面)
110:上部ユニット
110A、110B:光軸
120:下部ユニット
130A、130B:出射面
140A、140B:拡散面(反射面)
150A、150B:連結面
210、220、230、240:光源群
211、212、221、222、231、232、241、242、Ga、Gb、IR1、IR2、IR3、R、V:光源
310、320:基板
C1、C2:XY座標系
D1:主走査方向
D2:副走査方向
D3:高さ方向
F:焦点位置
L1:長軸
LA、LB:出射光
LX:中心
P:紙葉類
P1:搬送路
R:被撮像領域

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16