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  • 特許-位置決め方法および位置決め装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-26
(45)【発行日】2024-04-03
(54)【発明の名称】位置決め方法および位置決め装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/68 20060101AFI20240327BHJP
   H01L 21/67 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
H01L21/68 G
H01L21/68 E
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020046319
(22)【出願日】2020-03-17
(65)【公開番号】P2021150368
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2023-01-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 忠知
(72)【発明者】
【氏名】毛受 利彰
【審査官】内田 正和
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-179805(JP,A)
【文献】特開2015-154031(JP,A)
【文献】特開2007-311748(JP,A)
【文献】特開2011-192663(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/68
H01L 21/67
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体の表面張力を用いて片状体を所定の位置に位置決めする位置決め方法であって、
親水性を有する親水部が設けられた支持面の前記親水部で接着シートに貼付された前記片状体を吸着支持する支持工程と、
前記支持面で吸着支持した前記片状体から前記接着シートを剥離する剥離工程と、
前記接着シートを剥離した前記片状体の吸着支持を解除して前記親水部に液体を供給する液体供給工程と、
前記親水部から前記液体を回収する液体回収工程とを実施することを特徴とする位置決め方法。
【請求項2】
複数の前記片状体が貼付された接着シートに張力を付与し、前記片状体の相互間隔を広げる離間工程を実施し、
前記支持工程では、前記離間工程で相互間隔を広げた前記片状体を支持することを特徴とすることを特徴とする請求項1に記載の位置決め方法。
【請求項3】
液体の表面張力を用いて片状体を所定の位置に位置決めする位置決め装置であって、
親水性を有する親水部が設けられた支持面の前記親水部で接着シートに貼付された前記片状体を吸着支持する支持手段と、
前記支持面で吸着支持した前記片状体から前記接着シートを剥離する剥離手段と、
前記接着シートを剥離した前記片状体の吸着支持を解除して前記親水部に液体を供給する液体供給手段と、
前記親水部から前記液体を回収する液体回収手段とを備えていることを特徴とする位置決め装置。
【請求項4】
複数の前記片状体が貼付された接着シートに張力を付与し、前記片状体の相互間隔を広げる離間手段を備え、
前記支持手段は、前記離間手段で相互間隔を広げた前記片状体を支持することを特徴とすることを特徴とする請求項3に記載の位置決め装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置決め方法および位置決め装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体の表面張力を用いて複数の片状体を所定の位置に位置決めする位置決め方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-245452号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された位置決め方法では、支持基板31(支持部材)の上面(支持面)に形成された親水膜31a(親水部)上に水(液体)を塗布し、親水部にチップ20(片状体)を配置することで、親水部における液体の表面張力で片状体を所定位置に位置決めした後、片状体が支持面に支持されるまで親水部の液体が蒸発することを待たなければならないので、単位時間当たりの処理能力が低下するという不都合がある。
【0005】
本発明の目的は、単位時間当たりの処理能力が低下することを防止することができる位置決め方法および位置決め装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、請求項に記載した構成を採用した。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、支持面における親水部から液体を回収するため、片状体が支持面に支持されるまで親水部の液体が蒸発することを待つ必要がなく、単位時間当たりの処理能力が低下することを防止することができる。
また、支持面を有する支持部材の内部に設けられた流路で親水部に液体を供給すれば、親水部に確実に液体を供給することができる。
また、親水部から回収した液体を親水部に再供給すれば、液体の消費量を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る位置決め方法を実施する位置決め装置の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を図1に基づいて説明する。
なお、本実施形態におけるX軸、Y軸、Z軸は、それぞれが直交する関係にあり、X軸およびY軸は、所定平面内の軸とし、Z軸は、前記所定平面に直交する軸とする。さらに、本実施形態では、Y軸と平行な図1の手前方向から観た場合を基準とし、方向を示した場合、「上」がZ軸の矢印方向で「下」がその逆方向、「左」がX軸の矢印方向で「右」がその逆方向、「前」がY軸と平行な図1中手前方向で「後」がその逆方向とする。
【0010】
本発明の位置決め装置EAは、水やアルコール溶液等の液体LQの表面張力を用いて片状体としての半導体チップ(以下、単に「チップ」ともいう)CPを所定の位置に位置決めする装置であって、親水性を有する親水部12Fが設けられた支持面12Aの親水部12FでチップCPを支持する支持手段10と、親水部12Fに液体LQを供給する液体供給手段20と、親水部12Fから液体LQを回収する液体回収手段30とを備え、複数のチップCPが貼付された接着シートASに張力を付与し、それらチップCPの相互間隔を広げる離間手段40と、チップCPから接着シートASを剥離する剥離手段50との近傍に配置されている。
【0011】
支持手段10は、駆動機器としての直動モータ11と、直動モータ11の出力軸11Aに支持され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の減圧手段23によって吸着保持が可能な支持面12Aを有する支持部材としてのテーブル12とを備えている。本実施形態の場合、減圧手段23は、支持手段10と液体回収手段30とで共有する構成となっている。
テーブル12は、上面に設けられた凹部12Bと、テーブル12の内部に設けられ、凹部12Bと連通する流路12Cと、凹部12B内に配置され、その上面が支持面12Aとされた多孔質樹脂等の多孔質部材12Dとを備えている。
支持面12Aには、図1(A)中AAを付した図に示すように、疎水性を有する疎水部12Eが格子状に形成され、当該疎水部12Eによって親水部12Fが区画されている。
本実施形態では、疎水部12Eは、支持面12Aに格子状に形成された溝の内面に、接着剤や樹脂等の撥水材料12Gが塗布された構成とされ、親水部12Fは、粗面加工、ブラスト加工等を行う粗面形成手段によって、ザラザラした粗い面となる粗面処理が施された構成とされている。
【0012】
液体供給手段20は、液体LQを収容するタンク21と、加圧ポンプやタービン等の加圧手段22と、減圧手段23と、タンク21に対する加圧手段22および減圧手段23の連通状態を切り替える切替弁24と、配管25Aを介して流路12Cに接続され、タンク21に対する流路12Cの連通位置をタンク21の上部および底部で切り替える切替弁25とを備え、支持面12Aを有するテーブル12の内部に設けられた流路12Cで親水部12Fに液体LQを供給する構成になっている。なお、タンク21は、加圧側配管21Aと減圧側配管21Bとを介して切替弁25に連通している。
【0013】
液体回収手段30は、液体供給手段20と兼用する構成が採用され、支持面12Aを有するテーブル12の内部に設けられた流路12Cで親水部12Fから液体LQを回収する構成になっている。
【0014】
離間手段40は、駆動機器としての複数の直動モータ41と、各直動モータ41の出力軸41Aに支持され、一対の把持爪42Aを有する保持手段であって駆動機器としてのチャックシリンダ42とを備えている。
【0015】
剥離手段50は、駆動機器としてのリニアモータ51と、リニアモータ51のスライダ51Aに支持され、一対の把持爪52Aを有する保持手段であって駆動機器としてのチャックシリンダ52とを備えている。
【0016】
以上の位置決め装置EAの動作を説明する。なお、位置決め装置EAによって実施される以下の工程は、チップCPを備えた半導体装置の製造方法で実施されるものである。
先ず、図1(A)で示す初期位置に各部材が配置された位置決め装置EAに対し、当該位置決め装置EAの使用者(以下、単に「使用者」という)、または、多関節ロボットやベルトコンベア等の図示しない搬送手段が、接着シートASに貼付された複数のチップCPをテーブル12上方の所定位置に搬送すると、離間手段40が直動モータ41およびチャックシリンダ42を駆動し、図1(A)中二点鎖線で示すように、一対の把持爪42Aで接着シートASを把持する。次いで、離間手段40が直動モータ41を駆動し、図1(B)に示すように、接着シートASに張力を付与して複数のチップCPの相互間隔を広げる(離間工程)。この際、各チップCPは、支持面12Aの各親水部12Fにそれぞれ対向配置するように、相互間隔が広げられる。
【0017】
その後、支持手段10が直動モータ11を駆動し、図1(B)に示すように、テーブル12を上昇させて支持面12AをチップCPに当接させた後、減圧手段23を駆動し、支持面12AでのチップCPの吸着保持を開始する(支持工程)。次に、離間手段40がチャックシリンダ42を駆動し、把持爪42Aでの接着シートASの把持を解除した後、支持手段10が直動モータ11を駆動し、接着シートASがチャックシリンダ52左方の所定の高さ位置に到達するまでテーブル12を下降させる。
【0018】
そして、剥離手段50がリニアモータ51およびチャックシリンダ52を駆動し、一対の把持爪52Aで接着シートASの右端部を把持する。次いで、支持手段10が直動モータ11を駆動し、テーブル12を下降させて初期位置に復帰させつつ、剥離手段50がリニアモータ51を駆動し、図1(C)に示すように、チャックシリンダ52を左方に移動させてチップCPから接着シートASを剥離する(剥離工程)。
【0019】
全てのチップCPから接着シートASが剥離されると、剥離手段50がリニアモータ51の駆動を停止した後、チャックシリンダ52を駆動し、把持爪52Aでの接着シートASの把持を解除して、剥離した接着シートASの下方に位置する回収箱や回収袋等の図示しない回収手段内に落下させる。その後、支持手段10が減圧手段23の駆動を停止し、支持面12AでのチップCPの吸着保持を解除すると、液体供給手段20が切替弁24、25を駆動し、図1(D)に示すように、加圧側配管21Aを介して凹部12Bと加圧手段22とを連通させた後、当該加圧手段22を駆動し、タンク21内の圧力を上昇させる。これにより、加圧側配管21A、切替弁25、配管25A、流路12Cおよび多孔質部材12Dを通じて、支持面12Aの親水部12Fに液体LQが供給される(液体供給工程)。液体LQが親水部12Fに供給されると、当該液体LQは、親水部12F内で盛り上がり、図1(D)に示すように、チップCPを押し上げる。チップCPが液体LQによって押し上げられると、当該チップCPは、図1(D)中二点鎖線で示すように、液体LQの表面張力によって所定の位置に位置決めされる。
【0020】
次に、液体供給手段20が加圧手段22の駆動を停止すると、液体回収手段30が切替弁24、25を駆動し、図1(E)に示すように、減圧側配管21Bを介して凹部12Bと減圧手段23とを連通させた後、当該減圧手段23を駆動し、タンク21内の圧力を下降させる。これにより、多孔質部材12D、流路12C、配管25A、切替弁25および減圧側配管21Bを通じて、支持面12Aの親水部12F上にあった液体LQをタンク21内に回収する(液体回収工程)。親水部12F上にあった液体LQが回収されると、チップCPが支持面12Aに当接し、当該支持面12AでのチップCPの吸着保持が開始される。この際、各チップCPは、所定の位置、所定の角度で位置決めされ、所定の位置に位置決めした状態で支持面12Aに支持される。なお、液体回収工程で親水部12Fから回収した液体LQは、次回の液体供給工程で親水部12Fに再供給される。
【0021】
そして、支持手段10が減圧手段23の駆動を停止し、支持面12AでのチップCPの吸着保持を解除した後、図示しない搬送手段が支持面12AからチップCPを搬送し、リードフレームや基板等に積層する(積層工程)。次いで、全てのチップCPが支持面12Aから搬送されると、各手段がそれぞれの駆動機器を駆動し、各部材を初期位置に復帰させ、以降上記同様の工程が繰り返される。
【0022】
以上のような実施形態によれば、支持面12Aにおける親水部12Fから液体LQを回収するため、チップCPが支持面12Aに支持されるまで親水部12Fの液体LQが蒸発することを待つ必要がなく、単位時間当たりの処理能力が低下することを防止することができる。
【0023】
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。また、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれる。
【0024】
例えば、支持手段10は、液体回収手段30から独立した減圧手段によって支持面12AでチップCPを吸着保持してもよいし、液体回収工程の後に支持面12AでチップCPを吸着保持しなくてもよい。
疎水部12Eは、疎水性を有するシート、フィルム、テープ等を支持面12Aに貼付ししたり、疎水性を発揮する表面処理やコーティングを支持面12Aに施したりして構成してもよい。
親水部12Fは、親水性を有するシート、フィルム、テープ等を支持面12Aに貼付ししたり、親水性を発揮する表面処理やコーティングを支持面12Aに施したりして構成してもよい。
【0025】
液体供給手段20は、ノズルやホース等でテーブル12の外側から支持面12A上に液体LQを供給してもよいし、液体回収工程で親水部12Fから回収した液体LQを親水部12Fに再供給しない構成でもよい。
【0026】
液体回収手段30は、液体供給手段20と別体に設けてもよく、この場合、テーブル12の流路12Cを液体供給手段20と共用して当該流路12Cから液体LQを回収してもよいし、テーブル12に流路12Cとは別の回収用の流路を設け、当該回収用の流路から液体LQを回収してもよい。
【0027】
離間手段40は、接着シートASに、例えば、上下方向に張力を付与したり、右方、左方、前方および後方の4方向、右方および左方の2方向、左前方、左後方および右方の3方向または、前後左右方向の成分を含む5方向以上に張力を付与したりして、チップCPの相互間隔を広げてもよいし、接着シートASを介してチップCPと一体化されたリングフレーム等のフレーム部材が用いられる場合、フレーム部材を支持して接着シートASに張力を付与することで、チップCPの相互間隔を広げてもよいし、レーザ照射装置や薬液付与装置等の脆弱化手段で物理的または化学的に形成された脆弱層や、カッター刃等の切断手段で形成された凹溝や切欠によって、複数のチップCPに個片化可能な状態とされた半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」ともいう)が貼付された接着シートASに張力を付与することで、ウエハを複数のチップCPに分割してチップCPの相互間隔を広げてもよい。
離間手段40は、本発明の位置決め装置EAに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよく、離間手段40が備わっていない場合、他の装置でチップCPの相互間隔を広げてもよい。
【0028】
剥離手段50は、本発明の位置決め装置EAに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよく、剥離手段50が備わっていない場合、他の装置で接着シートASを剥離してもよいし、切断刃等の切断手段や、ノズル等の気体吹付手段による気体吹き付けによって、接着シートASを複数のチップCPの間隙に沿って切断し、切断された接着シートASがチップCPに貼付されたままにしてもよい。
【0029】
位置決め装置EAは、押圧ローラ等の押圧部材でチップCPまたはウエハに接着シートASを貼付する貼付手段が備わっていてもよいし、ウエハを切断して複数のチップCPに個片化するレーザ照射装置や切断刃等の切断手段が備わっていてもよいし、接着シートASを介してチップCPまたはウエハとフレーム部材とを一体化する一体化手段が備わっていてもよいし、接着シートASに貼付されていない複数のチップCPを図示しない搬送手段で搬送し、支持面12Aの親水部12F上に載置する構成でもよい。
位置決め装置EAで用いる液体LQは、一定の表面張力を有するものであれば特に限定されず、例えば、エタノール、プロパノール、グリセリン等を含むアルコール溶液であってもよい。
前記実施形態では、片状体として複数のチップCPを位置決めするものを例示したが、片状体としては、1つのチップCPでもよい。
支持工程および液体供給工程は、どちらを先に実施してもよく、支持工程を実施した後に液体供給工程を実施してもよいし、液体供給工程を実施した後に支持工程を実施してもよい。液体供給工程を実施した後に支持工程を実施する場合、他の装置でチップCPをその相互間隔を維持したまま接着シートASから剥離し、剥離したチップCPを液体供給工程が実施された後で支持面12Aに転写して支持させてもよい
積層工程や回収工程は、実施してもよいし、実施しなくてもよい。
フレーム部材は、リングフレーム以外に、環状でない(外周が繋がっていない)ものや、円形、楕円形、多角形、その他の形状であってもよい。
【0030】
本発明における手段および工程は、それら手段および工程について説明した動作、機能または工程を果たすことができる限りなんら限定されることはなく、まして、前記実施形態で示した単なる一実施形態の構成物や工程に全く限定されることはない。例えば、支持工程は、親水性を有する複数の親水部が設けられた支持面の親水部で片状体を支持するものであればどのような工程でもよく、出願当初の技術常識に照らし合わせてその技術範囲内のものであればなんら限定されることはない(その他の手段および工程も同じ)。
【0031】
接着シートASや片状体の材質、種別、形状等は、特に限定されることはない。例えば、接着シートASや片状体は、円形、楕円形、多角形、その他の形状であってもよいし、接着シートASは、感圧接着性、感熱接着性等の接着形態のものであってもよい。また、このような接着シートASは、例えば、接着剤層だけの単層のもの、基材と接着剤層との間に中間層を有するもの、基材の上面にカバー層を有する等3層以上のもの、更には、基材を接着剤層から剥離することのできる所謂両面接着シートのようなものであってもよく、両面接着シートは、単層又は複層の中間層を有するものや、中間層のない単層又は複層のものであってよい。また、片状体としては、例えば、食品、樹脂容器、シリコン半導体チップや化合物半導体チップ等の半導体チップ、回路基板、光ディスク等の情報記録基板、ガラス板、鋼板、陶器、木板または樹脂等の単体物であってもよいし、それら2つ以上で形成された複合物であってもよく、任意の形態の部材や物品なども対象とすることができる。なお、接着シートASは、機能的、用途的な読み方に換え、例えば、情報記載用ラベル、装飾用ラベル、保護シート、ダイシングテープ、ダイアタッチフィルム、ダイボンディングテープ、記録層形成樹脂シート等の任意のシート、フィルム、テープ等でもよい。
【0032】
前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、2軸または3軸以上の関節を備えた多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダおよびロータリシリンダ等のアクチュエータ等を採用することができる上、それらを直接的又は間接的に組み合せたものを採用することもできる。
前記実施形態において、押圧ローラや押圧ヘッド等の押圧手段や押圧部材といった被押圧物を押圧するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、ローラ、丸棒、ブレード材、ゴム、樹脂、スポンジ等の部材を採用したり、大気やガス等の気体の吹き付けにより押圧する構成を採用したりしてもよいし、押圧するものをゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、変形しない部材で構成してもよいし、支持(保持)手段や支持(保持)部材等の被支持部材(被保持部材)を支持(保持)するものが採用されている場合、メカチャックやチャックシリンダ等の把持手段、クーロン力、接着剤(接着シート、接着テープ)、粘着剤(粘着シート、粘着テープ)、磁力、ベルヌーイ吸着、吸引吸着、駆動機器等で被支持部材を支持(保持)する構成を採用してもよいし、切断手段や切断部材等の被切断部材を切断または、被切断部材に切込や切断線を形成するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、カッター刃、レーザカッタ、イオンビーム、火力、熱、水圧、電熱線、気体や液体等の吹付け等で切断するものを採用したり、適宜な駆動機器を組み合わせたもので切断するものを移動させて切断するようにしたりしてもよい。
【符号の説明】
【0033】
EA…位置決め装置
10…支持手段
12…テーブル(支持部材)
12A…支持面
12C…流路
12F…親水部
20…液体供給手段
30…液体回収手段
CP…チップ(片状体)
LQ…液体
図1