(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-26
(45)【発行日】2024-04-03
(54)【発明の名称】肌カウンセリングシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240327BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20240327BHJP
G16H 10/40 20180101ALI20240327BHJP
【FI】
G06Q50/10
A61B5/00 M
G16H10/40
(21)【出願番号】P 2020127559
(22)【出願日】2020-07-28
【審査請求日】2023-04-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000005810
【氏名又は名称】マクセル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099634
【氏名又は名称】平井 安雄
(72)【発明者】
【氏名】青山 和明
(72)【発明者】
【氏名】赤松 章
【審査官】野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-128917(JP,A)
【文献】特許第5871963(JP,B2)
【文献】特開2002-207827(JP,A)
【文献】国際公開第2015/107681(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
A61B 5/00
G16H 10/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーの通信装置との間で、ユーザーの肌状態についてのカウンセリングに関連する情報を少なくともやり取り可能な、カウンセリング装置を少なくとも備え、
当該カウンセリング装置が、ユーザーの肌状態の分析結果に基づいたアドバイス情報を取得し、当該アドバイス情報を前記ユーザーの通信装置から参照可能とすると共に、通信装置でアドバイス情報を参照したユーザーの反応に基づいて、アドバイス情報を修正可能とすることを
特徴とする肌カウンセリングシステム。
【請求項2】
ユーザーの通信装置との間で、ユーザーの肌状態についてのカウンセリングに関連する情報を少なくともやり取り可能な、カウンセリング装置を少なくとも備え、
前記ユーザーの通信装置が、肌状態の測定データを取得可能とされると共に、当該測定データの分析により得られる肌状態の分析結果に関する情報を参照可能とされ、
前記カウンセリング装置が、前記測定データの分析により得られる肌状態の分析結果に関する情報を参照可能とされ、通信装置で肌状態の分析結果を参照したユーザーの反応に基づいて、肌状態の分析結果に関する情報を修正可能とすることを
特徴とする肌カウンセリングシステム。
【請求項3】
前記請求項1又は2に記載の肌カウンセリングシステムにおいて、
前記カウンセリング装置でアドバイス情報又は肌状態の分析結果に関する情報が修正されると、アドバイス情報又は肌状態の分析結果に関する情報の修正された内容を記録して、次回以降のアドバイス情報の作成又は肌状態の分析に利用可能とする、記録手段を備えることを
特徴とする肌カウンセリングシステム。
【請求項4】
前記請求項1又は2に記載の肌カウンセリングシステムにおいて、
前記カウンセリング装置とネットワークを通じてデータ通信可能として配設され、ユーザーの肌状態を分析し、肌状態の分析結果の情報を前記カウンセリング装置に送信可能とされると共に、前記肌状態の分析結果に基づいたアドバイス情報を作成し、当該アドバイス情報を前記カウンセリング装置に取得させる、管理分析部を備え、
当該管理分析部が、ユーザーの反応に基づいて前記カウンセリング装置でアドバイス情報又は肌状態の分析結果に関する情報が修正されると、アドバイス情報又は肌状態の分析結果に関する情報の修正された内容を記録して、次回以降の肌状態の分析に利用可能とすることを
特徴とする肌カウンセリングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザーの肌状態を測定し、得られた測定データを分析した結果に基づいた肌状態についてのカウンセリングを、ユーザーに対し実行可能とする、肌カウンセリングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
顧客の肌状態を測定し、測定データを分析してその分析結果を取得し、分析結果で示される肌状態に対応するスキンケア用化粧品や美容器具を顧客に薦め、販売するサービスは、これまで、肌状態測定装置や分析用機器が設置され、且つ店員が顧客に直接応対可能な実店舗でのみ行われていた。しかし、近年、スマートフォン等の通信端末に、肌状態測定装置を接続し、肌状態測定装置による肌状態測定をユーザーに行わせ、得られた測定データから肌状態の分析を行い、分析結果のデータと共にこれに基づいたアドバイスや推奨商品等の情報をユーザーの通信端末に遠隔表示させるシステムが提案されている。
こうした従来の肌状態の測定と分析結果の表示を行うシステムの例として、特許5871963号公報に開示されるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の肌状態の測定等を行うシステムは、前記特許文献に示される構成とされており、ユーザーに対し、スマートフォン等のユーザークライアントを通じて、測定データに基づく肌状態の分析結果と、この結果に対応して選択された、生活習慣や肌マッサージ等のアドバイス、及び、推奨化粧品をそれぞれ表示できるものであった。
【0005】
一方、肌状態の測定データを分析して得られた分析結果に基づいて、カウンセラーが顧客とコミュニケーションを取りながら、肌についてのアドバイスや好ましい商品の提案等を行うカウンセリングについては、カウンセラーが顧客に対面対応可能な場所(例えば、店舗内や、訪問した顧客の家)であれば、問題なく実現可能であった。
【0006】
しかしながら、前記特許文献に示されるもののような、ユーザーに通信端末を通じて情報を提供するシステムでは、カウンセラーとユーザーとの間で対面状態と同等のコミュニケーションを取れるようにすることや、コミュニケーションの前提としての、カウンセラーにユーザーの肌状態の分析結果を把握させること、などをシステム単独では実現できず、カウンセリングのサービスをシステムとして効率的に提供できない、という課題を有していた。
【0007】
また、前記特許文献の従来システムは、ユーザーに対し肌状態の分析結果やアドバイス等を一方的に示すのみであり、それらがユーザー自身の肌について持つ印象と合わず、ユーザーが不満や疑問を持った場合でも、ユーザーの不満や疑問の解消を図る手立てがなかった。このため、ユーザーが分析結果等に納得できず不満が大きくなった場合、サービス使用を継続しないことも起こり得るという課題を有していた。
【0008】
さらに、仮に測定や分析の精度に問題があり、ユーザーに示される肌状態の分析結果やアドバイス等が正確でない場合でも、それらがユーザー自身の肌について持つ印象からずれているとユーザーが認識した上で、それらを正確でないとユーザーがシステム管理者に指摘(改善要求)しない限りは、測定や分析の問題点が明らかにならず、改善につながらないという課題を有していた。
【0009】
本発明は前記課題を解消するためになされたもので、ユーザーの肌状態の測定データを分析して得られた分析結果に基づいたアドバイス情報について、これをユーザーに示す遠隔カウンセリングを行う中で修正可能とし、カウンセリングの質を向上させつつサービスを実行できる肌カウンセリングシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の開示に係る肌カウンセリングシステムは、ユーザーの通信装置との間で、ユーザーの肌状態についてのカウンセリングに関連する情報を少なくともやり取り可能な、カウンセリング装置を少なくとも備え、当該カウンセリング装置が、ユーザーの肌状態の分析結果に基づいたアドバイス情報を取得し、当該アドバイス情報を前記ユーザーの通信装置から参照可能とすると共に、通信装置でアドバイス情報を参照したユーザーの反応に基づいて、アドバイス情報を修正可能とするものである。
【0011】
このように本発明の開示によれば、カウンセリング装置で取得されて通信装置で参照可能とされたアドバイス情報について、これを通信装置で参照したユーザーの反応に基づいて、カウンセリング装置で修正を行えるようにし、アドバイス情報をより適切なものに改善可能とすることにより、例えば、肌状態の分析結果に基づいたアドバイス情報に含まれる内容にユーザーが納得できない状況の場合には、情報の修正を行うと共に、修正内容をその後の分析に活用するようにすれば、肌状態の分析精度の向上や、個人の肌質の差異に合わせてユーザーごとに特化した分析結果取得が可能となり、ユーザーが分析結果に基づくアドバイス情報を受け入れやすくし、ユーザーのカウンセリングサービス利用満足度を向上させられる。
【0012】
また、本発明の開示に係る肌カウンセリングシステムは、ユーザーの通信装置との間で、ユーザーの肌状態についてのカウンセリングに関連する情報を少なくともやり取り可能な、カウンセリング装置を少なくとも備え、前記ユーザーの通信装置が、肌状態の測定データを取得可能とされると共に、当該測定データの分析により得られる肌状態の分析結果に関する情報を参照可能とされ、前記カウンセリング装置が、前記測定データの分析により得られる肌状態の分析結果に関する情報を参照可能とされ、通信装置で肌状態の分析結果を参照したユーザーの反応に基づいて、肌状態の分析結果に関する情報を修正可能とするものである。
【0013】
このように本発明の開示によれば、カウンセリング装置で取得可能とされた肌状態の分析結果に関する情報について、これを通信装置で参照したユーザーの反応に基づいて、カウンセリング装置で修正を行えるようにし、肌状態の分析結果に関する情報をより適切なものに改善可能とすることにより、例えば、肌状態の分析結果に関する情報にユーザーが納得できない状況の場合には、情報の修正を行うと共に、修正内容をその後の分析に活用するようにすれば、肌状態の分析精度の向上や、個人の肌質の差異に合わせてユーザーごとに特化した分析結果取得が可能となり、ユーザーが肌状態の分析結果を受け入れやすくし、ユーザーのカウンセリングサービス利用満足度を向上させられる。
【0014】
また、本発明の開示に係る肌カウンセリングシステムは、必要に応じて、前記カウンセリング装置でアドバイス情報又は肌状態の分析結果に関する情報が修正されると、アドバイス情報又は肌状態の分析結果に関する情報の修正された内容を記録して、次回以降のアドバイス情報の作成又は肌状態の分析に利用可能とする、記録手段を備えるものである。
【0015】
このように本発明の開示によれば、カウンセリング装置でアドバイス情報を修正した場合に、アドバイス情報の修正内容を記録する記録手段を設けて、記録された修正内容を後のアドバイス情報の作成に利用可能とし、修正内容を踏まえたアドバイス情報を用いてカウンセリングが行えることにより、ユーザーに対するカウンセリングの質の向上や、個人の肌質の差異に合わせてユーザーごとに特化したアドバイスを与えることが可能となり、ユーザーのカウンセリングサービス利用に係る満足度のさらなる向上が図れる。
【0016】
また、本発明の開示に係る肌カウンセリングシステムは、必要に応じて、前記カウンセリング装置とネットワークを通じてデータ通信可能として配設され、ユーザーの肌状態を分析し、肌状態の分析結果の情報を前記カウンセリング装置に送信可能とされると共に、前記肌状態の分析結果に基づいたアドバイス情報を作成し、当該アドバイス情報を前記カウンセリング装置に取得させる、管理分析部を備え、当該管理分析部が、ユーザーの反応に基づいて前記カウンセリング装置でアドバイス情報又は肌状態の分析結果に関する情報が修正されると、アドバイス情報又は肌状態の分析結果に関する情報の修正された内容を記録して、次回以降の肌状態の分析に利用可能とするものである。
【0017】
このように本発明の開示によれば、カウンセリング装置でアドバイス情報を修正した場合に、ユーザーの肌状態を分析する管理分析部が、アドバイス情報の修正内容を記録して、記録された修正内容を後の肌状態の分析に利用可能とし、修正内容を踏まえた肌状態の分析結果が含まれるアドバイス情報を用いてカウンセリングが行えることにより、肌状態の分析における問題点を改善して分析精度を上げられ、個人の肌質の差異に対応した分析結果取得が可能となるのに伴い、肌状態の分析結果に基づくカウンセリングの質を高めることができ、ユーザーのカウンセリングサービス利用に係る満足度のさらなる向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態に係る肌カウンセリングシステムの概略構成図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る肌カウンセリングシステムにおける管理サーバの機能構成図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る肌カウンセリングシステムにおける情報推移の概要説明図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る肌カウンセリングシステムにおける許可情報及び測定データの送信状態説明図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る肌カウンセリングシステムにおける通信装置の許可情報受信状態の表示画面説明図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る肌カウンセリングシステムにおける通信装置による肌状態測定装置使用状態の表示画面説明図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る肌カウンセリングシステムにおける通信装置による測定データ取得状態の表示画面説明図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る肌カウンセリングシステムにおける通信装置の診断結果情報受信状態の表示画面説明図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る肌カウンセリングシステムにおけるカウンセリング装置の診断結果表示状態説明図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係る肌カウンセリングシステムにおけるカウンセリング中の診断結果及びアドバイス情報の送信状態説明図である。
【
図11】本発明の一実施形態に係る肌カウンセリングシステムにおけるカウンセリング中のカウンセリング装置のアドバイス情報表示状態説明図である。
【
図12】本発明の一実施形態に係る肌カウンセリングシステムにおけるカウンセリング中の通信装置のアドバイス情報表示状態説明図である。
【
図13】本発明の一実施形態に係る肌カウンセリングシステムにおけるカウンセリング中の診断結果又はアドバイス情報の修正状態説明図である。
【
図14】本発明の一実施形態に係る肌カウンセリングシステムにおけるカウンセリング中の修正済診断結果又は修正済アドバイス情報の送信状態説明図である。
【
図15】本発明の一実施形態に係る肌カウンセリングシステムにおける診断結果又はアドバイス情報の修正処理フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態に係る肌カウンセリングシステムを前記
図1ないし
図15に基づいて説明する。
前記各図において本実施形態に係る肌カウンセリングシステム1は、ユーザーの肌状態を測定可能な肌状態測定装置20と通信可能に接続される通信装置80と、この通信装置80との間でカウンセリングに関連する情報等をやり取り可能なカウンセリング装置10と、通信装置80及びカウンセリング装置10とネットワーク100を通じてデータ通信可能として配設され、通信装置80で取得された肌状態の測定データを受信して分析する管理分析部としての管理サーバ90とを備える構成である。
【0020】
本実施形態においては、肌状態分析の対象者であるユーザーは、肌カウンセリングシステム1を提供する事業者(以下では、提供事業者とする)との間で、肌状態分析(肌状態診断)のサービスを受けると共に、肌状態分析結果に基づくカウンセリングサービスをカウンセラーから受ける契約を交わしている。また、ユーザーは、カウンセラーの所有する肌状態測定装置20の貸与を受ける。
【0021】
これにより、ユーザーは、肌カウンセリングシステム1を利用した肌状態診断を受けることができ、肌カウンセリングシステム1による肌状態の診断結果に応じたアドバイス情報を得られるというメリットを享受できる。また、提供事業者は、ユーザーの肌状態に関するデータを取得でき、定められた提供者(例えば、提供事業者のスポンサー)が提供する肌ケア用品、又は、肌ケアサービスを、カウンセラーを通じてユーザーに推奨することで、これらの肌ケア用品や肌ケアサービスについての広告効果を実現できるというメリットを享受できる。肌ケア用品とは、肌のケアに用いられる用品であり、例えば、化粧水、美容液、サプリメント、美顔器、洗顔器等である。肌ケアサービスとは、肌のケアを行うサービスであり、例えば、エステティックサービス等である。以下では、肌ケア用品、及び、肌ケアサービスを包含する概念を、肌ケア用品サービスと総称する。
【0022】
前記通信装置80は、ユーザーの肌状態を測定可能な肌状態測定装置20と有線又は無線で通信可能に接続され、この肌状態測定装置20による肌状態測定が実行されると肌状態の測定データを取得可能とされるものである。
【0023】
この通信装置80は、表示デバイス81及び入力デバイス82を備え、IP通信網と接続して通信するための無線通信手段83を有する携帯電話やいわゆるスマートフォン、タブレット装置などの公知の携帯型端末装置であり、このうち、装置上でアプリケーションプログラムを実行可能であり、且つ、肌状態測定装置20を接続可能なUSB等の(ハードウェア)インターフェース84を有するものである。この通信装置80は、タッチパネル式の表示デバイス81を有して、表示デバイスが入力デバイス82を兼ねる構成である。
【0024】
なお、通信装置80は、あらかじめ格納したプログラムを実行することで、通信装置80としての機能や処理を実現する情報処理装置であって、ネットワーク100を介して通信可能であり、且つ肌状態測定装置20を接続して肌状態の測定を行えるものであれば、携帯型の装置に限られるものではなく、ノートタイプやデスクトップタイプ等のコンピュータでもかまわない。
【0025】
前記肌状態測定装置20は、ユーザーの肌状態に関する信号を検知するセンサを備え、このセンサを介して肌に関する信号を測定する装置である。本実施形態では、肌状態測定装置20は、ユーザーの肌の撮影に用いられる撮像素子を備える装置であるとするが、撮像素子と異なる他のセンサを備えてもよく、撮像素子と他のセンサとの複合のセンサを備えてもよい。例えば、肌状態測定装置20は、ユーザーの肌の含有水分、ユーザーの肌の含有油分、ユーザーの肌の弾力等の内の少なくとも1つを検知するセンサ(例えば、肌用の水分計、油分計、弾力計等)を備えてもよい。
この肌状態測定装置20は、カウンセラーの所有物であり、ユーザーはこれをカウンセラーから貸与されることで使用可能とされる。
【0026】
通信装置80は、チャットやビデオ通話等の公知のアプリケーションプログラムを用いて、カウンセリング装置10との間で情報をやり取り可能とされており、ユーザーとカウンセラーとの間でカウンセリング及びそれ以外の内容に係る会話が行える。
【0027】
そして、通信装置80は、カウンセリング装置10との間でカウンセリングに係る通信を実行する間、カウンセリング装置10で作成されたアドバイス情報を参照できる。
この場合、通信装置80は、アプリケーションプログラムの実行により、管理サーバ90又はカウンセリング装置10に記録されたアドバイス情報を通信装置80から参照可能となるよう要求する通信を行い、応答した管理サーバ90又はカウンセリング装置10からアドバイス情報をコンテンツとして取得して表示デバイス81に表示する。この他、通信装置80は、アドバイス情報を参照可能とするために、管理サーバ90又はカウンセリング装置10側から、アドバイス情報のデータ送信を受けて表示を行ったり、アドバイス情報のデータをダウンロードして表示を行うこともできる。
【0028】
また、通信装置80は、カウンセリング装置10から送信される許可情報を受け取ることで、肌状態測定装置20を肌状態測定の実行が可能な状態に移行させる仕組みである。
詳細には、通信装置80は、カウンセリング装置10との会話に係る通信の開始によって、カウンセリング装置10から送信される許可情報を受け取り可能とされる。例えば、通信装置80は、会話に係る通信のために動作状態となったアプリケーションプログラムを通じて許可情報を受け取るようにされる。そして、許可情報を受け取ると、測定用のアプリケーションプログラムを起動させ、肌状態測定装置20を肌状態の測定が行える状態とすることとなる。
【0029】
なお、通信装置80は、カウンセリング装置10から許可情報を受け取ると、測定用アプリケーションプログラムの通知機能により、肌状態測定装置20による肌状態の測定を行える状態にある旨を報知したり、肌状態測定装置15の使用方法を解説する動画等の情報へのアクセス方法を示し、これらの情報を参照可能とすることもできる。
【0030】
この他、通信装置80は、ユーザーから、ユーザーが行っている肌ケア行為の情報の入力を受け付ける。肌ケア行為とは、肌ケアのための行為であり、例えば、肌ケア用品の利用、エステティックサロン等における肌ケアサービスの利用、肌ケア用品サービスの購入等である。本実施形態では、通信装置80は、ユーザーが行っている肌ケア行為の情報として、ユーザーが利用している肌ケア用品サービスの情報の入力を受け付ける。すなわち、通信装置80は、ユーザーが利用している肌ケア用品サービスの情報として、肌ケア用品の情報と、肌ケアサービスの情報と、肌ケア用品と肌ケアサービスとの双方の情報と、のうちのいずれかの情報を受け付ける。以下では、ユーザーが利用している肌ケア用品サービスを、利用肌ケア用品サービスとする。
【0031】
また、肌ケア行為の情報が入力されなかった場合、通信装置80は、肌ケア行為の情報(利用肌ケア用品サービスの情報)を、肌ケア用品サービスが不明であることを示す情報とする。
【0032】
通信装置80は、求めた肌状態を示す指標値と、肌ケア行為の情報(利用肌ケア用品サービスの情報)と、肌状態測定装置20を介して撮影した画像である測定データと、肌状態測定が行われた時期情報と、を管理サーバ90に送信する。
【0033】
本実施形態では、肌状態測定が行われた時期情報は、肌状態測定において肌状態測定装置20を介して画像が撮影された時刻の情報であるとするが、肌状態測定において肌情報を示す指標値が求められた時刻の情報、肌状態測定が行われた日の情報等であるとしてもよい。
【0034】
また、ユーザーは、入力に係る操作が面倒等の理由で、肌ケア行為の情報を入力しない事態が考えられる。そこで、管理サーバ90は、肌ケア行為の情報を通信装置80から受信した場合、ユーザーに対して、定められた特典(例えば、ポイント等)を付与する処理を行うこととしてもよい。これにより、管理サーバ90は、ユーザーが行っている肌ケア行為の情報の入力を促すことができる。
【0035】
また、通信装置80は、ユーザーによる肌カウンセリングシステム1を介した(例えば、通信装置80を介した)肌ケア用品の購入が行われた場合、その肌ケア用品の情報を、利用肌ケア用品サービスの情報として管理サーバ90に送信してもよい。また、通信装置80は、ユーザーによる肌カウンセリングシステム1を介した肌ケア用品の購入が行われた場合、その肌ケア用品の情報を、肌ケアのために購入された肌ケア用品サービスの情報として管理サーバ90に送信してもよい。その場合、管理サーバ90は、受信した情報が示す肌ケア用品サービスの購入が行われたことを示す情報を、肌ケア行為の情報として取得することとしてもよい。
【0036】
前記カウンセリング装置10は、通信装置80との間でユーザーの肌状態についてのカウンセリングに関連する情報を少なくともやり取り可能とされるものである。
このカウンセリング装置10は、通信装置80同様の、携帯電話やいわゆるスマートフォン、タブレット装置などの公知の装置である。カウンセリング装置10も、ネットワーク100を介して通信可能なものであれば、携帯型の装置に限られるものではなく、ノートタイプやデスクトップタイプ等のコンピュータでもかまわない。
【0037】
このようなカウンセリング装置10が、チャットやビデオ通話等の公知のアプリケーションプログラムを用いて、通信装置80との間で情報をやり取り可能とされており、カウンセラーとユーザーとの間でカウンセリング及びそれ以外の内容に係る会話が行える仕組みである。
【0038】
カウンセリング装置10は、通信装置80に対し、この通信装置80と接続された肌状態測定装置20による肌状態測定を一時的に可能とする許可情報を送信可能とされる。
詳細には、カウンセリング装置10は、このカウンセリング装置10を使用するカウンセラーの所有物である肌状態測定装置20について、肌状態測定装置20ごとに異なる所定の識別用情報を記録管理し、カウンセラーが貸与した肌状態測定装置20と接続された通信装置80に対して、その肌状態測定装置20に対応する識別用情報を含む許可情報を送信する。
【0039】
このカウンセリング装置10からの許可情報の送信は、カウンセリング装置10から通信装置80へのメール送信や、カウンセラーとユーザーとのチャットやビデオ通話等でのやり取りのために実行されているアプリケーションプログラム上での通知(メッセージ)等として行われることとなる。
【0040】
なお、こうした許可情報送信の際に、カウンセリング装置10は、通信装置80に対し、肌状態測定装置20の使用方法を解説する動画等の情報を、カウンセリング装置10、管理サーバ90、又は第三者のサーバにアクセスして参照可能である旨を通知するようにしてもよい。
【0041】
カウンセリング装置10から通信装置80に送信される許可情報は、ユーザーの通信装置80と接続された肌状態測定装置20による肌状態測定を一時的に可能とする許可を付与するものであり、肌状態測定装置20ごとに特有で且つ発行時期により内容が異なる、唯一無二の情報となっている。この許可情報は、使用許可の対象である肌状態測定装置20を識別可能な識別用情報を含んでおり、許可情報から対象の肌状態測定装置20を識別できる。
【0042】
カウンセリング対象のユーザーに貸与した肌状態測定装置20に対応し、ユーザーの通信装置80宛となる許可情報を発行する発行制御機能については、カウンセリング装置10から管理サーバ90に移すこともできる。カウンセリング装置10ではユーザーに対応した許可情報の発行をカウンセリング装置10に要求し、得られた許可情報を通信装置80に送信するのみとなり、カウンセリング装置10において、カウンセリング対象のユーザーとこのユーザーに貸与された肌状態測定装置20との対応関係を確認して、適切な肌状態測定装置20に合った許可情報を発行する処理を行わずに済み、カウンセリング装置10の負荷を軽減できる。
【0043】
また、この場合に、カウンセリング対象のユーザーと、こうしたユーザーに貸与された肌状態測定装置との対応関係を記録するなど、カウンセラーの所有する肌状態測定装置20を管理する装置管理機能についても、カウンセリング装置10から管理サーバ90に移すこともでき、カウンセリング装置10ではカウンセリング対象のユーザーのみ管理すれば事足り、カウンセラーの負担を減らすと共にカウンセリング装置10の負荷を軽減でき、カウンセリング装置10の処理能力を抑えても対応可能となることで、カウンセリング装置10のコストダウンが図れる。
【0044】
また、カウンセリング装置10は、通信装置80で取得された測定データの管理サーバ90における分析により得られる、肌状態の診断結果に関する情報を、管理サーバ90にアクセスして参照可能とされつつ、通信装置80との間でカウンセリングに係る通信を実行し、カウンセラーが肌状態の診断結果に基づくカウンセリングをユーザーに対し行えるようにしている。
【0045】
そして、カウンセリング装置10は、肌状態の診断結果を含む情報を含むアドバイス情報を管理サーバ90から取得する。このアドバイス情報は、管理サーバ90に記録されており、ユーザーの通信装置80からもアクセスして参照可能となるように、カウンセリング装置10から通信装置80に参照のための情報が付与される。
【0046】
なお、カウンセリング装置10は、アドバイス情報を参照可能とするために、管理サーバ90側から、アドバイス情報のデータ送信を受けて表示を行ったり、アドバイス情報のデータをダウンロードして表示を行うこともできる。
【0047】
また、カウンセリング装置10が、通信装置80からアドバイス情報を参照可能とする方法としては、カウンセリング装置10から送られた通信で示されたリンク先である管理サーバ90に閲覧可能に記録されたコンテンツに、通信装置80からアクセスして通信装置80上に表示する手法が主である。ただし、これに限られるものではなく、カウンセリング装置10から送られた通信で示されたリンク先であるカウンセリング装置10自体に閲覧可能に記録されたコンテンツに、通信装置80からアクセスして通信装置80上に表示する手法や、カウンセリング装置10からメール等と共に送信された添付ファイルを表示する手法、カウンセリング装置10から送られた通信で示されたリンク先のファイルをダウンロードして表示する手法を用いてもかまわない。
【0048】
この他、カウンセリング装置10は、通信装置80で診断結果やアドバイス情報を参照したユーザーの反応等に基づいて、診断結果やアドバイス情報を修正可能としている。
詳細には、カウンセリングにおいて、診断結果やアドバイス情報について、通信装置80で診断結果やアドバイス情報を参照したユーザーが、診断結果やアドバイスについて納得できない旨の意見を表明したり、カウンセラーがカウンセリング装置10によるビデオ通話等で確認したユーザーの見た目の印象と診断結果やアドバイスとの間に違和感を感じる等の事例が発生した場合に、カウンセラーの判断に基づいて、カウンセリング装置10が診断結果やアドバイス情報を修正することができる。
【0049】
カウンセリング装置10で診断結果やアドバイス情報が修正された場合には、診断結果の修正された内容(修正診断結果)やアドバイス情報の修正された内容(修正アドバイス情報)を管理サーバ90に記録して、次回以降のアドバイス情報の作成に利用可能としている(
図3参照)。こうしたアドバイス情報の修正された内容を記録するのは管理サーバ90に限られず、別途設けられた記録手段を用いるようにしてもよい。
【0050】
前記管理サーバ90は、管理分析部として、通信装置80及びカウンセリング装置10とネットワーク100を通じてデータ通信可能として配設され、通信装置80で取得された肌状態の測定データを受信してユーザーの肌状態を分析し、肌状態の分析結果としての診断結果の情報をカウンセリング装置10や通信装置80に送信可能とされるものである。
【0051】
この管理サーバ90は、通信装置80から、肌状態の測定データと共に許可情報に含まれる肌状態測定装置20の識別用情報を受信し、測定データに基づく肌状態の分析結果の情報を、識別用情報から判明した肌状態測定装置20の所有者であるカウンセラーのカウンセリング装置10に対し送信する。また、管理サーバ90は、ユーザーの反応に基づいてカウンセリング装置10でアドバイス情報が修正されると、アドバイス情報の修正された内容を記録して、次回以降の肌状態の分析に利用可能とする。
【0052】
管理サーバ90は、サーバとして機能する、CPU等を備えたコンピュータである。コンピュータが記録されたプログラムにしたがって処理を実行することで、サーバの機能が実現される。
【0053】
なお、本実施形態における管理サーバ90は、必ずしも単独の実体のあるコンピュータに限られるものでなく、複数のコンピュータ装置がネットワーク接続されて協動して、要求される一又は複数のサービスを一体として提供する装置群である場合や、コンピュータ装置の一部機能に過ぎないものの、要求される一又は複数のサービスをあたかも一つの装置のように提供する機能を有して、サービスを提供される側からは一つの装置として取り扱える仮想装置である場合も含まれる。
【0054】
管理サーバ90は、
図2に示すように、測定データを受け付ける肌状態入力部91と、ユーザーの肌の状態を診断する肌状態診断部94と、肌状態診断部94による診断結果に応じた、ユーザーに対するアドバイス情報を取得するアドバイス情報取得部95と、アドバイス情報取得部95により取得されたアドバイス情報等を通信装置80やカウンセリング装置10から参照可能とする情報制御部96と、測定データ等の各種情報を記録する肌状態データベース(DB)97とを備える。言い換えると、管理サーバ90は、この管理サーバ90をなすコンピュータがプログラムにしたがって処理を実行することで、前記肌状態入力部91、肌状態診断部94、アドバイス情報取得部95、及び情報制御部96の各機能を実現するものである。
【0055】
前記肌状態入力部91は、肌状態、肌ケア行為の情報、肌の画像、肌状態測定が行われた時期等の情報を含む測定データの入力を通信装置80から受け付けて、受け付けた肌状態を示す指標値、肌ケア行為の情報、肌の画像、肌状態測定が行われた時期情報を対応付けて、肌状態データベース(DB)97に記憶するものである。肌状態DB97は、ユーザーの肌状態等の情報を記録する記録領域である。
【0056】
前記肌状態診断部94は、肌状態DB97に記憶された肌状態の指標値と肌状態測定が行われた時期情報とに基づいて、ユーザーの肌状態を診断するものである。
例えば、肌状態診断部94は、肌状態DB97に記憶された肌状態の指標値、肌状態測定が行われた時期情報に基づいて、肌状態の指標値の経時的な推移を特定し、特定した推移の態様に基づいて肌状態が改善したか否かを診断する。例えば、肌状態診断部94は、処理直前のユーザーの肌の新陳代謝(ターンオーバー)にかかる期間(例えば、約28日±1日~7日)における肌状態の指標値の経時的な推移を特定し、肌状態を診断する。
【0057】
また、肌状態診断部94は、処理直前のユーザーのターンオーバーにかかる期間と異なる期間(例えば、処理直前の定められた長さの期間(例えば、1週間、10日間、1カ月間等)、指定された期間等)における肌状態の指標値の経時的な推移を特定し、肌状態を診断してもよい。
【0058】
肌状態診断部94は、肌状態の指標値が経時的に肌状態の改善を示す方向に推移している場合、ユーザーの肌状態が改善したと診断する。肌状態診断部94は、肌状態の指標値が経時的に肌状態の改善を示す方向に推移していない場合(劣化を示す方向に推移、変化しないような推移を示す場合)、肌ケア対象者の肌状態が改善していないと診断する。
また、肌状態診断部94は、肌状態の診断処理として、ユーザーの年齢等の属性を加味した診断処理を行うこととしてもよい。
【0059】
図3の例では、肌状態診断部94の診断結果は、改善したこと、改善していないこと、その他の結果であることのいずれかを示す。ただし、初回の測定の場合(カウンセリングの一時的な試用の場合を含む)は、ユーザーの以前の記録情報がなく、改善の有無を判定できないことから、診断結果は指標値として示される。
【0060】
管理サーバ90は、肌状態診断部94により、測定データに基づいて、ユーザーの肌を評価して、ユーザーの肌状態を示す指標値を求める。管理サーバ90は、肌状態として、肌年齢、肌のキメの細かさ、肌の色白さの度合い、肌の毛穴の開き度合、肌のシミの量、肌の含有水分量(保湿の度合)、肌の含有油量等の項目の内の少なくとも1つを評価し、評価結果から肌状態を示す指標値を求める。
【0061】
本実施形態では、管理サーバ90は、撮影装置である肌状態測定装置20で撮影した画像に対して所定の画像処理を行うことで、ユーザーの肌状態を示す指標値を求める。
例えば、管理サーバ90は、撮影した画像に対するエッジ検出を行い、画像中の皮溝を検出し、検出した皮溝で囲まれた皮丘の領域を特定し、特定した皮丘の領域の大きさが小さく、均一さが一定に近いほど大きい値となるような指標値を、肌のキメの細かさを示す指標値(肌状態を示す指標値)として求める。
【0062】
また、肌状態測定装置20が撮像素子以外の他のセンサを含む場合、管理サーバ90は、他のセンサを介して測定された信号に基づいて、ユーザーの肌状態を示す指標値を求めてもよい。
【0063】
また、管理サーバ90は、測定データから、肌診断を行う既存のアプリケーションプログラム、又は、これから開発されるアプリケーションプログラムを用いて、肌の状態を示す指標値を求めてもよい。
【0064】
前記アドバイス情報取得部95は、
図3に示すように、肌状態診断部94の診断結果と、肌状態DB97に記憶されたユーザーの属性(例えば、年齢等)の情報と、環境情報(例えば、ユーザーが置かれた環境における紫外線量等)と、に基づいて、アドバイス情報を決定することで取得するものである。
本実施形態では、アドバイス情報取得部95は、肌状態診断部94の診断結果がユーザーの肌状態を示す指標値として得られたことを示す情報をアドバイス情報として決定する。
【0065】
前記情報制御部96は、ウェブページのコンテンツとして、アドバイス情報取得部95により取得されたアドバイス情報等を、通信装置80やカウンセリング装置10の要求に対し、これら通信装置80やカウンセリング装置10から参照して適切に表示できるようにする制御を行う。
【0066】
本実施形態では、情報制御部96は、
図12に示すように、アドバイス情報を示すグラフやテキストを含む画像を、通信装置80の表示デバイス82に適切に表示されるようにする制御を行う。この他、情報制御部96は、肌状態の推移を示す推移グラフ、肌画像である画像群、肌画像に対応する肌ケア行為の情報を示す行為情報群、SNSや口コミサイトへのレビューのアップロード支援ページへのリンクに用いられるボタン、有料の肌診断の依頼ページへのリンクに用いられる依頼ボタン、知り合いに対する提供事業者が提供するサービスの紹介ページへのリンクに用いられる紹介ボタン、所定の肌ケア用品又は肌ケアサービスの広告(リンク付き)を示す広告を含む画像を、通信装置80の表示デバイス82に適切に表示されるようにする制御を行うようにしてもよい。
【0067】
情報制御部96は、通信装置80から測定データが送信された後、肌状態診断部94の診断結果のうちユーザーの肌状態を示す一部指標値についてグラフを作成し、これをウェブコンテンツとして通信装置80から参照させ、通信装置80に表示されるようにしている。
【0068】
また、情報制御部96は、アドバイス情報を通信装置80からは一部のみ参照できるようにして、カウンセリング装置10のみから参照可能な情報については、カウンセリング装置10を用いるカウンセラーが、ユーザーとの会話の中で情報を口頭やチャットでのテキスト等で伝える仕組みとすることもできる。
【0069】
一方、カウンセリング装置10は、管理サーバ90のアドバイス情報取得部95で得られたアドバイス情報と、肌状態診断部94の診断結果と、肌状態DB97に記憶されたユーザーが行っている肌ケア行為の情報と、肌ケア用品と肌ケアサービスとのうちの少なくとも1つを提供する定められた提供者の情報と、をそれぞれ受け取り、これらの情報に応じたユーザーへのカウンセリングに係る情報であって、前記提供者が提供する肌ケア用品、又は、肌ケアサービスに関する情報を作成して取得する。提供者の情報は、予め管理サーバ90の肌状態DB97に記憶されており、カウンセリング装置10から参照可能とされる。
【0070】
図3の例では、ユーザーが行っている肌ケア行為の情報は、定められた提供者が提供可能な肌ケア用品サービスを利用していること、定められた提供者が提供可能な肌ケア用品サービスを利用していないこと、利用している肌ケア用品サービスが不明であること、のいずれかを示す。
【0071】
また、肌状態DB97には、予め、記憶された各提供者に対応付けて提供者が提供可能な肌ケア用品サービスの情報を記憶している。
図3の例では、提供者Aが提供可能な肌ケア用品サービスとして、美容液A、美顔器Bの情報が記憶されている。
【0072】
カウンセリング装置10は、定められた提供者に基づいて、情報を収集することで、この提供者の意図が反映されたカウンセリングに係る情報を取得できる。
カウンセリングに係る情報は、例えば、この提供者が提供する肌ケア用品、又は、肌ケアサービスを推奨することを示す情報、この提供者が提供する肌ケア用品、又は、肌ケアサービスが肌状態の改善に寄与していることを示す情報等を含む。本実施形態では、この定められた提供者は、提供事業者のスポンサーであり、肌ケア用品と肌ケアサービスとのうちの少なくとも1つを提供する事業を行っている事業者(例えば、肌ケア用品のメーカ、肌ケアサービスを行う事業者、メーカから仕入れた肌ケア用品の販売を行っているサプライヤー等)であるとする。カウンセリング装置10は、例えば、カウンセリングに係る情報として、肌の手入れ方法、肌ケアに有効な行動の紹介、肌ケアに有効な肌ケア用品や肌ケアサービスの紹介等を示す情報を作成する。
【0073】
また、カウンセリング装置10は、管理サーバ90の肌状態診断部94の診断結果がユーザーの肌状態が改善したことを示し、且つ、肌状態DB97に記憶された肌ケア行為の情報が示す肌ケア用品サービスが、定められた提供者により提供されている場合、ユーザーが利用している肌ケア用品サービスが肌状態の改善に寄与したことを示す情報をカウンセリングに係る情報として決定する。
【0074】
また、カウンセリング装置10は、肌ケア行為の情報が示す肌ケア用品サービスであって、定められた提供者により提供されている肌ケア用品サービスが複数存在する場合、この複数の肌ケア用品サービスが肌状態の向上に寄与していることを示す情報をアドバイス情報として決定してもよいし、この複数の肌ケア用品サービスのうちの一部が肌状態の向上に寄与していることを示す情報をカウンセリングに係る情報として決定してもよい。
【0075】
また、カウンセリング装置10は、管理サーバ90の肌状態診断部94の診断結果がユーザーの肌状態が改善していないことを示す場合、定められた提供者から提供されている肌ケア用品サービス群から、ユーザーの肌状態の改善に寄与する可能性のある肌ケア用品サービスであって、利用肌ケア用品サービスと異なる肌ケア用品サービスを特定する。例えば、カウンセリング装置10は、この肌ケア用品サービス群から、ユーザーに行われた肌状態測定が対象にしているチェック項目(例えば、肌年齢、肌のキメ、肌の含有水分量、肌の含有油分量、肌の弾力等)について、改善する効果がある肌ケア用品サービスであって、利用肌ケア用品サービスと異なる少なくとも1つの肌ケア用品サービスを特定する。
そして、カウンセリング装置10は、特定した肌ケア用品サービスの利用が推奨されることを示す情報をカウンセリングに係る情報として決定する。
【0076】
また、カウンセリング装置10は、特定した肌ケア用品サービスが複数ある場合、特定した複数の肌ケア用品サービスの利用が推奨されることを示す情報をカウンセリングに係る情報として決定してもよいし、特定した複数の肌ケア用品サービスの一部の利用が推奨されることを示す情報をカウンセリングに係る情報として決定してもよい。
【0077】
さらに、カウンセリング装置10は、肌状態診断部34の診断結果がユーザーの肌状態が改善したことを示し、肌状態DB37に記憶された肌ケア行為の情報が示す肌ケア用品サービスが、定められた提供者により提供されている場合、ユーザーが利用した肌ケア用品サービスが肌状態の改善に寄与したことを示す情報のテキストを作成して管理サーバ90の情報制御部96に渡し、情報を通信装置80から参照可能とすることもできる。
【0078】
具体的には、例えば、利用肌ケア用品サービスであり、定められた提供者が提供する美容液Bの利用によりキメが改善したことを示すテキストが、通信装置80からの情報参照に係るアクセスにより、一コンテンツとして、通信装置80で表示される。
【0079】
加えて、カウンセリング装置10は、肌状態診断部34の診断結果がユーザーの肌状態が改善していないことを示す場合、定められた提供者から提供可能な、ユーザーの肌状態の改善に寄与する可能性のある肌ケア用品サービスであって、利用肌ケア用品サービスとは異なる肌ケア用品サービスの利用が推奨されることを示す情報のテキストを作成して管理サーバ90の情報制御部96に渡し、情報を通信装置80から参照可能とすることもできる。
【0080】
具体的には、例えば、利用肌ケア用品サービスと異なり、定められた提供者が提供する美容液Cの利用が推奨されることを示すテキストが、通信装置80からの情報参照に係るアクセスにより、一コンテンツとして、通信装置80で表示される。
【0081】
このように、カウンセリング装置10は、ユーザーの肌状態が改善している場合には、利用肌ケア用品サービスが肌状態の改善に寄与していることを提示し、ユーザーが定められた提供者から提供されたこの利用肌ケア用品サービスに対して好印象を持つように促し、利用肌ケア用品サービスを継続して利用することを促すカウンセリングに係る情報を作成して、これを通信装置80に表示させたり、カウンセラーから通話によりユーザーに伝えることができる。
【0082】
また、カウンセリング装置10は、ユーザーの肌状態が改善していない場合には、肌状態を改善する可能性がある、定められた提供者が提供している肌ケア用品サービスが肌状態を改善する可能性があることを示し、ユーザーにこの肌ケア用品の購買、及び、利用を促すカウンセリングに係る情報を作成して、これを通信装置80に表示させたり、カウンセラーから通話によりユーザーに伝えることができる。
【0083】
結果として、カウンセリング装置10で作成された情報を用いたカウンセリングは、ユーザーに対して、定められた提供者が提供する肌ケア用品サービスの利用を促すことができる。
【0084】
一方、カウンセリング装置10は、カウンセラーの判断に基づいて、提供者に関わらず市場に出ている肌ケア用品サービスの中から、ユーザーの肌状態の改善が見込める肌ケア用品サービスを特定し、これをアドバイス情報の一部として通信装置80から参照可能とする処理等を行うこともできる。
【0085】
また、カウンセリング装置10によるカウンセリングに際し、管理サーバ90が、アドバイス情報の一部として、肌状態診断部94の診断結果を示すコンテンツを作成し、それを通信装置80から参照可能として、管理サーバ90にアクセスした通信装置80の表示デバイス82に表示させるようにしてもよい。例えば、管理サーバ90は、
図12に示すように、保湿の度合、毛穴の開き度合、美白の度合、肌年齢(エイジング)それぞれについて肌状態の指標値を示すバーオブジェクトを含むコンテンツを作成し、通信装置80に表示させるようにしてもよい。
【0086】
また、管理サーバ90は、通信装置80に示される肌ケア用品サービスの購入を支援する支援処理(例えば、購入サイトへのアクセス処理等)の指示に用いられるボタンを、テキストと併せて表示させるコンテンツを作成し、これを通信装置80に表示させるようにしてもよい。
【0087】
次に、本実施形態に係る肌カウンセリングシステムの使用状態について説明する。ここでは、仮想店舗のサイトを設けて、アクセスしたユーザー(顧客)に対して肌状態に係るカウンセリングサービスを行う手順について説明する。
【0088】
前提として、カウンセリングサービス用の仮想店舗が、化粧品メーカーのウェブサイトやEC(電子商取引)サイトにあらかじめ設けられているものとする。この仮想店舗に、他サイトからのリンクにより又は直接、カウンセリングサービスに興味を持ったユーザーがアクセスすると、カウンセリング装置(カウンセラーの端末)10とユーザーの通信装置11との間でチャットやビデオ通話等によるやり取りが可能となり、カウンセラーによるユーザーへの接客対応が遠隔で行われる仕組みである。
【0089】
ユーザーが仮想店舗に初めてアクセスした場合は、ユーザーは肌状態測定装置(肌カメラ)20を手元に持っていないので、初回応対として、カウンセラーは、カウンセリング装置10を通じたユーザーとの会話の中で、ユーザーの普段の肌の手入れや悩み、使用化粧品などを聞き出すと共に、仮想店舗では、実店舗に出向くことなく遠隔で肌の診断が行えることを伝え、この遠隔肌診断をユーザーに薦める。ユーザーが遠隔肌診断の試用を決定した場合、カウンセラーは、ユーザーが遠隔肌診断を受ける予定日時を設定し、カウンセラーの所有する肌状態測定装置20のうちの一台を、ユーザーに貸与する肌状態測定装置20として、前記予定日時に合わせてユーザー宛に送付する手続をカウンセリング装置10から行う。送付される肌状態測定装置20については、貸与状態にあることがカウンセリング装置10に記録管理される。
【0090】
ユーザーの下に肌状態測定装置20が到着すると、ユーザーに肌状態測定装置20が貸与された状態となる。この後、前記予定日時になると、カウンセラーの操作に基づいて、カウンセリング装置10がメッセージアプリケーションやビデオ通話アプリケーション等のプログラムを使用して、ユーザーの通信装置80にチャットやビデオ通話等への参加を求める通知を送ることとなる。
【0091】
ユーザーの通信装置80は参加要求の通知を受け、カウンセリング装置10と同じアプリケーションプログラムの機能によって、通知があった旨をユーザーに報知する。通信装置80上でユーザーが通知を確認して、参加の了承を通信装置80に入力すると、カウンセリング装置10と通信装置80との間で情報のやり取りが行える状態となる。すなわち、カウンセリング装置10は、後述する許可情報の送信とは別途の通信装置80との通信として、カウンセリング装置10を使用するカウンセラーとユーザーとの会話に係る通信を実行可能とされる。
【0092】
こうして、カウンセラーとユーザーがそれぞれカウンセリング装置10と通信装置80を用いて、チャットやビデオ通話等で会話可能な状態となったら、カウンセラーの操作に基づいて、カウンセリング装置10は、ユーザーがこのユーザーに貸与された肌状態測定装置20を使用するのに必要となる、一時的に有効な許可情報を発行し、この許可情報がユーザの通信装置80に送信されるようにする(
図4、
図5参照)。必要に応じて、許可情報送信の旨をユーザーに伝える、カウンセラーの音声情報等を合わせて通信装置80に送信するようにしてもよい。
【0093】
なお、こうしてカウンセリング装置10からユーザーの通信装置80に許可情報を送信するタイミングは、例えば、カウンセリング装置10からの通話への参加要求通知に対し、ユーザーが通信装置80上で参加に係る操作を行って、カウンセラーとユーザーとがチャットやビデオ通話等で会話可能な状態となった後(
図5参照)、に限られるものではなく、チャットやビデオ通話等のアプリケーションプログラムで会話可能となる前、例えば、カウンセリング装置10からユーザーの通信装置80への前記参加要求通知の送信と同時又は直後(参加了承の返信がユーザーの通信装置80から送られる前)でもよく、さらに、カウンセリング装置10から通信装置80に参加要求通知を送るより前の段階でもよい。
【0094】
許可情報は、使用許可の対象である肌状態測定装置20を識別可能な識別用情報を含んでおり、許可情報から対象の肌状態測定装置20を識別できる。
具体例としては、ユーザーの通信装置80が、カウンセリング装置10からメールや実行中プログラムの通知(メッセージ)等として許可情報を受け取ると、許可情報に含まれる特別なURL情報が通信装置80に表示される。ユーザにより肌状態測定装置20が通信装置80に接続された上で、ユーザの操作で通信装置80がURL情報で示されるサービス提供サーバ(例えば、管理サーバ90)に用意された特別なウェブページにアクセスすると、サーバからウェブアプリケーション等のオンラインサービスとして提供される、肌状態測定装置20を使用するためのユーザーインターフェイスを提供するアプリケーションプログラムが通信装置80上で起動し、通信装置80を通じてユーザーが肌状態測定装置20を一回の測定に限り使用できる状態となる。
【0095】
この他、ユーザーの通信装置80が許可情報を受け取ると、オンラインサービスとして提供される、又は、通信装置80にあらかじめ記録されている、肌状態測定装置20を使用するためのユーザーインターフェイスを提供するアプリケーションプログラムが、ユーザの操作なしに自動で起動し、通信装置80を通じてユーザーが肌状態測定装置20を使用可能となるようにすることもできる。
【0096】
ユーザーが、通信装置80上に表示されたユーザーインターフェイスに対し測定開始の操作を行うと、通信装置80に接続された肌状態測定装置20が肌状態の測定を実行する。
詳細には、通信装置80における、肌状態測定用のアプリケーションプログラムの実行により、入力デバイス82を兼ねる表示デバイス81に表示されたユーザーインターフェイスに対し、ユーザーが操作を行うことで、肌状態測定装置20を使用したユーザーの肌状態の測定が行われる。
【0097】
肌状態測定装置20は、測定として所定の照明状況の下で肌表面の撮像を行い、肌状態測定装置20は画像データである測定データを出力し、通信接続された通信装置80がこれを取得する。例えば、肌色光の照明下で肌を撮像したキメ診断用画像と、白色光の照明下で肌を撮像したシミ診断用画像の各画像データが、測定データとして通信装置80に送られる。
【0098】
こうして肌状態測定装置20による測定の実行に伴い、通信装置80は肌状態測定装置20から送られた測定データを受け取って取得する。
取得された測定データは、ユーザーによる通信装置80のユーザーインターフェイスに対する送信操作により、通信装置80から管理サーバ90に送信される(
図4、
図7参照)。そして、通信装置80は、管理サーバ90からの肌状態の分析結果としての診断結果情報が送信されるのを待つ状態となる。
【0099】
測定データは、許可情報に含まれる肌状態測定装置20の識別用情報と紐付けられ、この識別用情報と共に、管理サーバ90に送信される。そして、管理サーバ90の肌状態診断部94で、測定データからユーザーの肌状態の分析が行われる。
【0100】
ユーザーの肌状態の分析結果は、その一部が管理サーバ90からユーザーの通信装置80に送信され、前記アプリケーションプログラムにより通信装置80の表示デバイス82に指標値として簡略に表示される。この分析結果の簡略表示により、肌状態測定装置20の使用による一回の測定が完了となる。
【0101】
また、管理サーバ90での肌状態の分析結果は、肌状態測定装置20の識別用情報から判別可能な肌状態測定装置20の管理者、すなわちカウンセラーであれば参照可能となっており、必要に応じてカウンセラーのカウンセリング装置10に分析が終了して分析結果を参照できるようになったことが通知される。
【0102】
カウンセリング装置10から、管理サーバ90での肌状態の分析結果を参照するにあたっては、識別用情報から判別可能な肌状態測定装置20の貸与先であるユーザーを特定して、このユーザーの肌状態の分析結果として参照することができ、ユーザーに対するカウンセリングに使用できる。
【0103】
肌状態測定装置20で測定されて通信装置80で取得されたユーザーの肌状態の測定データが、測定を行った肌状態測定装置20及びこれの所有者とされるカウンセラーと識別用情報により関連付けられており、測定データに基づくユーザーの肌状態の分析結果も、識別用情報によって、管理サーバ90から肌状態測定装置20の所有者であるカウンセラーのカウンセリング装置10から問題なく参照できる。これにより、ユーザーの肌状態の測定データや分析結果、アドバイス情報等の、ユーザに関連する各種データを、カウンセラーの肌状態測定装置15に関連するデータとして適切に他と区別して取り扱うことができ、初回使用のユーザに関連するデータをそのユーザーの個人識別のための情報と共に管理せずに済む。そして、肌状態の測定データの取り扱いと並行してユーザーの情報の記録、管理を行う必要がないことから、そうしたユーザー情報の取り扱いに関連するコストを抑えられることとなる。
【0104】
ただし、初回使用のユーザーであっても、サービスの継続的な顧客となる可能性もあることから、念のため管理サーバ90で、ユーザの肌状態測定に関連する各種データを、肌状態測定装置15に関連付けて記録しておき、ユーザーが正規の顧客となった段階で、記録しておいたユーザの各種データとユーザーの個人識別情報とを関連付けて、それまでの測定で得られたデータを有効に活用できるようにしておくのが望ましい。
【0105】
カウンセリングにおいては、カウンセラーの操作により、カウンセリング装置10は、ユーザーの通信装置80に、ユーザーの肌状態の分析結果を含むアドバイス情報の参照許可を与えることができる。
【0106】
こうしてカウンセラーは、カウンセリング装置10と通信装置80をそれぞれ用いたカウンセラーとユーザーとのチャットやビデオ通話等による会話を通じて、ユーザーへの肌状態に関する遠隔カウンセリングを行うことができる。このカウンセリングの際、カウンセリング装置10においては、カウンセリングに係るユーザーとのチャット内容やビデオ通話中のユーザーを表示等するだけでなく、ユーザーの肌状態の診断結果やアドバイス情報を同時に表示参照可能とするのが望ましい(
図9、
図11参照)。
【0107】
なお、このカウンセリングや、その前のユーザーの肌状態測定時におけるカウンセラーからの測定支援等における、カウンセラーとユーザーとのチャットやビデオ通話等による会話には、そのような用途に対応したアプリケーションプログラムを使用するが、これに限られるものではなく、例えば、カウンセリング装置10側では、管理サーバ90の診断結果やアドバイス情報を参照するためのアプリケーションプログラムに含まれるチャットやビデオ通話等の機能を用いるようにしたり、また、通信装置80側では、肌状態測定用のアプリケーションプログラムに含まれるチャットやビデオ通話等の機能、又は、肌状態診断結果やアドバイス情報の参照用アプリケーションプログラムに含まれるチャットやビデオ通話等の機能を用いるようにすることもできる。
【0108】
カウンセリングにおいて、カウンセラーはカウンセリング装置10上で肌状態の分析結果や、分析の基となった測定データとしての肌画像を見ることができ、また、ユーザーに分析結果の一部等のアドバイス情報を参照させられることで、ユーザーと肌状態に関するデータを共有しながら、無理なくカウンセリングを行える。
【0109】
なお、カウンセリングにおいて、参照可能な管理サーバ90による分析結果やアドバイス情報について、例えばカウンセリング中のユーザーの実際の肌の印象と診断結果にあらわれた肌状態とに大きな差異があることにより、ユーザーが診断結果やアドバイスを信頼できないといった反応を示すなど、少なくともカウンセラーとユーザーのいずれか一方が診断結果やアドバイスに納得できない事態に至った場合には、カウンセラーの知識や経験を踏まえた判断に基づいて、カウンセラーの操作でカウンセリング装置が診断結果やアドバイス情報をより適切な内容に修正することもできる。
【0110】
カウンセリング装置が診断結果等の情報を修正した場合、修正内容を管理サーバ90に記録して、測定データと修正後の結果情報との組み合わせ例を多数収集することで、適切な診断に係る機械学習を行わせることができ、管理サーバ90での診断精度の向上やユーザー毎の肌質等に合わせた診断のカスタマイズ化を可能として、ユーザーが診断結果を受け入れやすくなり、ユーザーのサービス利用の満足度を向上させられる。
【0111】
診断結果やアドバイス情報の修正に係る処理を、
図15のフローチャートに示す。
こうした診断結果やアドバイス情報の修正にあたっては、カウンセリング装置がユーザーの通信装置80から参照可能な情報、すなわち、ユーザーが見ることができる情報を修正する場合と修正しない場合がある。前者の参照可能な情報を修正する場合には、カウンセリングにおいてカウンセラーが診断結果の信頼性が当初は低い点を認めた上で、ユーザーの意見を取り入れ、精度向上につなげる目的を明確にして情報の修正を行い、参照可能な情報を更新する。これにより、ユーザーが診断結果を受け入れやすくなり、カウンセリングサービスの継続的な使用を促せる。
【0112】
一方、前記後者のユーザーが参照可能な情報を修正しない場合は、カウンセリングにおいて、カウンセラーは、ユーザーには診断結果が自らの肌の印象とは一見異なるように見えても、機械測定による客観的で正確な結果であることを強調し、ユーザーを説得して結果を受け入れさせ、ユーザーから参照可能な情報についてはそのまま維持する。ただし、ユーザーが参照できないカウンセリング装置にある診断結果等の情報については、ユーザーの意見を取り入れて情報の修正を行い、修正内容を管理サーバ90に記録させて、後の診断に反映させられるようにする。こうして、機械測定による正確な診断結果に基づくカウンセリングであるという建前を維持しつつ、診断結果の改良が図れることとなる。
【0113】
この他、カウンセリングにおいて、カウンセラーは診断結果が妥当であると考える一方で、ユーザーは診断結果が自らの肌の印象とは異なるとして結果に納得せず、カウンセラーが説明を行っても結果を受け入れない場合に、カウンセラーはユーザーを説得するために、ユーザーから参照可能な情報について修正を行い、ユーザーが許容できるようにする一方、ユーザーが参照できないカウンセリング装置にある診断結果等の情報については、修正せずそのまま維持し、またこの未修正の情報を管理サーバ90に記録させて、後の診断に反映させられるようにすることもでき、ユーザーの主観に左右されることなく、診断結果の改良が図れることとなる。
【0114】
初回のカウンセリングを終えたユーザーが、肌診断のために仮想店舗に次にアクセスする際は、ユーザーは肌状態測定装置20を既に持っているので、カウンセラーは、カウンセリング装置10を通じたユーザーとの会話を経て、ユーザーが遠隔肌診断を受ける予定日時を設定できる。そして、予定日時になると、カウンセラーがカウンセリング装置10上でアプリケーションプログラムを使用してユーザーにビデオ通話等への参加を求める通知が送られるようにする。
【0115】
この後は、初回の場合と同様に、カウンセラーとユーザーがビデオ通話等で会話可能な状態となったら、カウンセラーは、カウンセリング装置10を操作して許可情報をユーザの通信装置80に送信する。
【0116】
ユーザーは、肌状態測定装置20を通信装置80に接続し、許可情報に基づいて通信装置80を使用して、肌状態測定装置20を測定に使用できるようにする。
ユーザーは、通信装置80を操作して、肌状態測定装置20に肌状態の測定を実行させ、通信装置80に肌状態測定装置20からの測定データを取得させる。この測定データは、前記同様、管理サーバ90に送られ、管理サーバ90で測定データからユーザーの肌状態の分析が行われる。
【0117】
ユーザーの肌状態の分析結果は、管理サーバ90からユーザーの通信装置80に送信され、通信装置80の表示デバイス82に簡略表示されて、肌状態測定装置20の使用による一回の測定が完了となる。
【0118】
また、この肌状態の分析結果に基づいて、前記同様、カウンセラーが、カウンセリング装置10と通信装置80をそれぞれ用いたカウンセラーとユーザーとのチャットやビデオ通話等による会話を通じて、ユーザーへの肌状態に関する遠隔カウンセリングを行うこととなる。
【0119】
このように、本実施形態に係る肌カウンセリングシステムは、カウンセリング装置10で取得されて通信装置80で参照可能とされた分析結果やアドバイス情報について、これを通信装置80で参照したユーザーの反応に基づいて、カウンセリング装置10で修正を行えるようにし、分析結果やアドバイス情報をより適切なものに改善可能とすることから、例えば、肌状態の分析結果に基づいたアドバイス情報に含まれる内容にユーザーが納得できない状況の場合には、情報の修正を行うと共に、修正内容をその後の分析に活用するようにすれば、肌状態の分析精度の向上や、個人の肌質の差異に合わせてユーザーごとに特化した分析結果取得が可能となり、ユーザーが分析結果に基づくアドバイス情報を受け入れやすくし、ユーザーのカウンセリングサービス利用満足度を向上させられる。
【0120】
なお、前記実施形態に係る肌カウンセリングシステムにおいては、ユーザーが仮想店舗サイトにアクセスし、肌状態に係る遠隔カウンセリングサービスを受ける場合について説明しているが、これに限られるものではなく、実際の店舗を訪れたユーザーに対しても、肌状態に係るカウンセリングサービスを遠隔提供するようにしてかまわない。
【0121】
ここで、実際の店舗を訪れたユーザーに対して、前記実施形態の仮想店舗の場合と同様に肌状態に係るカウンセリングサービスを遠隔提供する手順について説明する。
例えば、ユーザーが実店舗を訪問した際に、店内での肌状態測定ができない事情(時間がない、化粧を落としたくない、など)がある場合、カウンセラーは、実店舗にあらためて出向くことなく遠隔で肌の診断が行えることを伝え、この遠隔肌診断をユーザーに薦める。ユーザーが遠隔肌診断の試用を決定した場合、カウンセラーは、ユーザーが遠隔肌診断を受ける予定日時を設定し、カウンセラーの管理する肌状態測定装置20のうちの一台を、ユーザーに貸与する。
【0122】
ユーザーが肌状態測定装置20を自宅に持ち帰った後、前記予定日時になると、カウンセラーによる事前の設定又はリアルタイムの操作により、カウンセリング装置10がアプリケーションプログラムを動かして、ユーザーにチャットやビデオ通話等への参加を求める通知を送るようにされる。ユーザが通信装置11上で通知を確認して参加を了承し、カウンセラーとユーザーがチャットやビデオ通話等で会話可能な状態となったら、前記実施形態の場合と同様、カウンセラーの操作で、カウンセリング装置10が許可情報をユーザの通信装置11に送信する。
【0123】
ユーザーは、肌状態測定装置20を通信装置80に接続し、許可情報に基づいて通信装置80を使用して、肌状態測定装置20に肌状態の測定を実行させ、通信装置80に肌状態測定装置20からの測定データを取得させる。
【0124】
この後は、前記実施形態同様、測定データが管理サーバ90に送られて、ユーザーの肌状態の分析が行われ、得られた肌状態の分析結果が、管理サーバ90からユーザーの通信装置80に送信され、肌状態測定装置20の使用による一回の測定が完了となる一方で、この肌状態の分析結果に基づいて、カウンセリング装置10と通信装置80間でのカウンセラーとユーザーとの会話を通じて、ユーザーへの肌状態に関する遠隔カウンセリングを行うことができる。
【0125】
また、前記実施形態に係る肌カウンセリングシステムにおいては、ユーザーの肌状態の測定に使用される肌状態測定装置20を、ユーザーがカウンセラーから貸与される形で入手して、測定に使用可能としているが、これに限らず、ユーザーが肌状態測定装置を購入し、この購入した肌状態測定装置を肌状態の測定に使用するようにすることもできる。この場合、肌状態測定装置ごとに異なり、肌状態測定装置を識別可能とする識別用情報には、ユーザーの所有物である肌状態測定装置が、カウンセリングでユーザーを担当するカウンセラーの管理下にあることが示される。この識別用情報から、肌状態測定装置20の所有者であるユーザーだけでなく、このユーザーに対しカウンセリングを行うカウンセラーを特定でき、前記実施形態同様に、肌状態測定装置により得られた肌状態の測定データやこれに基づく分析結果等を、ユーザーやカウンセラーと関連付けられることとなる。
【0126】
また、前記実施形態に係る肌カウンセリングシステムにおいては、カウンセリングの際に、管理サーバ90で得られた肌状態に係るアドバイス情報を、通信装置80を通じてユーザーに参照させ、このアドバイス情報を参照したユーザーの反応に基づいて、カウンセラーに操作されたカウンセリング装置10がアドバイス情報を修正可能な構成としているが、この他、管理サーバ90で得られたアドバイス情報を通信装置80で参照可能とはせず、アドバイス情報をユーザーには直接参照させないようにすると共に、このユーザーが知り得ない状態にあるアドバイス情報に対し、必要に応じカウンセラーの判断に基づいてカウンセリング装置10が修正を行える構成とすることもできる。そして、このユーザーの反応に基づかないカウンセリング装置での修正を経た修正アドバイス情報を、管理サーバ90に記録して、次回以降のアドバイス情報の作成に利用可能とする他、通信装置80から参照可能とするようにしてもよい。
【0127】
この場合、カウンセラーの判断のみに基づいたアドバイス情報の修正により得られる修正アドバイス情報は、カウンセラーの意図に沿うものとなることで、ユーザーが修正アドバイス情報を参照しながら、カウンセラーによるカウンセリングを受けると、ユーザーの対応をカウンセラーの意図に沿ったものに誘導でき、例えば、カウンセリングで特定の提供者が提供する肌ケア用品サービスの使用を強く推奨して、実際の使用に結び付けるなど、カウンセリング後のユーザーの肌に関連する行動にカウンセラーの意図を強く反映させることができる。
【符号の説明】
【0128】
1 肌カウンセリングシステム
10 カウンセリング装置
20 肌状態測定装置
80 通信装置
81 表示デバイス
82 入力デバイス
83 無線通信手段
84 インターフェース
90 管理サーバ
91 肌状態入力部
94 肌状態診断部
95 アドバイス情報取得部
96 情報制御部
97 肌状態DB
100 ネットワーク