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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-26
(45)【発行日】2024-04-03
(54)【発明の名称】透過型メタサーフェスレンズ統合
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/18 20060101AFI20240327BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20240327BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20240327BHJP
   G02B 1/14 20150101ALI20240327BHJP
   G02B 3/00 20060101ALI20240327BHJP
   H01L 27/146 20060101ALI20240327BHJP
   H01S 5/022 20210101ALI20240327BHJP
   H01L 33/58 20100101ALI20240327BHJP
   G01J 1/04 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
G02B5/18
G03F7/20 501
H01L21/30 502D
G02B1/14
G02B3/00 A
H01L27/146 D
H01S5/022
H01L33/58
G01J1/04 A
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2020534806
(86)(22)【出願日】2018-08-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-12-17
(86)【国際出願番号】 US2018049276
(87)【国際公開番号】W WO2019046827
(87)【国際公開日】2019-03-07
【審査請求日】2021-08-31
(31)【優先権主張番号】62/552,455
(32)【優先日】2017-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520069800
【氏名又は名称】メタレンズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ライリー,ギルバート,エヌ.ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】デブリン,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】エルリッヒ,アダム
(72)【発明者】
【氏名】ラタヴィェツ,パーヴェル
(72)【発明者】
【氏名】グラフ,ジョン
【審査官】池田 博一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0306079(US,A1)
【文献】米国特許第06958207(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0263982(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/18
G03F 7/20
H01L 21/027
G02B 1/14
G02B 3/00
H01L 27/146
H01S 5/022
H01L 33/58
G01J 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のメタサーフェス素子またはシステムを製作するための方法であって、前記方法は、
ハードマスク材料層を基板の少なくとも一方の表面上に堆積することであって、前記基板は、指定された動作帯域幅にわたって透光性を有する、ことと、
パターン材料層を前記ハードマスク材料層上に堆積することと、
配列パターンを前記ハードマスク材料層の上に形成するために前記パターン材料をパターン化することであって、前記配列パターンは、メタサーフェス特徴配列の正の複製または負の複製のいずれか1つを含み、前記メタサーフェス特徴配列は、前記指定された動作帯域幅内の光の波長よりも小さい特徴サイズを有する複数のメタサーフェス特徴を含み、前記メタサーフェス特徴配列は、複数のメタサーフェス特徴の平面内の衝突光に位相シフトを課すように構成されている、ことと、
前記ハードマスク材料層内の前記配列パターンに対応する複数の窪みおよび複数の隆起した特徴を形成するために、異方性エッチングプロセスを使用して前記ハードマスク材料層をエッチングすることと、
残余のパターン材料を前記ハードマスク材料層の上から除去することと
を含み、
前記方法は、
誘電メタサーフェス材料層が前記ハードマスク材料層内の前記複数の窪みを充填し、かつ、前記ハードマスク材料層の前記複数の隆起した特徴の上に広がるように前記誘電メタサーフェス材料層を前記パターン化されたハードマスク材料層上に堆積し、前記誘電メタサーフェス材料の被覆層を前記ハードマスク材料層の上に形成することと、
前記誘電メタサーフェス材料層および前記ハードマスク材料層が前記基板の上に均一な高さを有するように前記誘電メタサーフェス材料層の前記被覆層を除去することと
をさらに含む、方法。
【請求項2】
前記基板は、溶融石英、サファイア、ホウケイ酸ガラス、希土類酸化物ガラスから成る群から選択された材料から形成され、
前記ハードマスク材料層は、ケイ素、様々なストイキオメトリの窒化ケイ素、二酸化ケイ素、二酸化チタン、アルミナから成る群から選択された材料から形成され、スパッタリング、化学蒸着、原子層蒸着から成る群から選択された堆積プロセスを使用して配置され、
前記パターン材料層は、リソグラフィプロセスを使用するフォトレジストパターン化またはナノインプリント法を使用する高分子パターン化のいずれか1つから形成され、
前記配列パターンは、SF6、Cl2、BCl3、および/または、C48から成る群か
ら選択された反応性イオンエッチング法を使用してエッチングされ、
前記残余のパターン材料は、化学溶剤、化学エッチング液、プラズマエッチング液から成る群から選択されたプロセスを使用して除去される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記パターン化されたハードマスク材料層は、誘電体であり、かつ、前記メタサーフェス素子の前記複数のメタサーフェス特徴を形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記誘電メタサーフェス材料層は、ケイ素、様々なストイキオメトリの窒化ケイ素、二酸化ケイ素、二酸化チタン、アルミナから選択された材料から形成され、前記誘電メタサーフェス材料層は、化学蒸着および原子層蒸着から成る群から選択されたコンフォーマルプロセスを使用して堆積され、
前記誘電メタサーフェス材料層の前記被覆層を除去することは、ウェットエッチングおよびプラズマエッチングから成る群から選択されたエッチングプロセス、または、化学的機械的平坦化技術から選択されたプロセスを使用する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の窪み内に置かれた前記誘電メタサーフェス材料は、前記メタサーフェス素子の前記複数のメタサーフェス特徴を形成し、前記ハードマスク材料層は、前記指定された動作帯域幅において前記誘電メタサーフェス材料よりも低い屈折率を有する包埋材料として構成されている、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ハードマスク材料層は、前記指定された動作帯域幅にわたってごくわずかな吸収を有し、かつ、前記指定された動作帯域幅において1~2.4の間の屈折率を有する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記方法は、前記パターン化されたハードマスクの前記複数の窪み内に置かれた前記誘電メタサーフェス材料層が、前記ハードマスク材料層の除去後に前記基板の前記少なくとも一方の表面上に残ることにより、複数の空隙によって分けられた複数の分離したメタサーフェス特徴を形成するように、選択的なエッチングを使用して前記ハードマスク材料層を除去することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記方法は、前記特徴間の前記空隙が充填されるように、かつ、包埋材料層が前記誘電メタサーフェス材料層の前記表面上に広がるように、前記包埋材料層を前記複数の分離したメタサーフェス特徴上に堆積することをさらに含み、前記包埋材料層は、前記指定された動作帯域幅において前記誘電メタサーフェス材料よりも低い屈折率を有する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記包埋材料は、ポリ(メチルメタクリレート)、硬化ポリマーSU8、ベンゾシクロブテンから成る群から選択されたポリマーである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記包埋材料は、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、二酸化チタン、窒化ケイ素、酸化ハフニウム、酸化亜鉛、ガラスから成る群から選択された固体フィルムである、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記方法は、前記誘電メタサーフェス材料層および前記包埋材料層が前記基板の上に均一な高さを有するように前記包埋材料層を除去することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記方法は、前記包埋材料層および前記メタサーフェス素子の反対側に配置された前記基板の面の一方または両方の上に反射防止コーティングを堆積することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記反射防止コーティングは、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、アモルファスシリコンから成る群から選択された材料の任意の組合せが交互に重なった層から構成され、前記交互に重なった層の各々は、前記動作帯域幅内の光の前記波長を下回る厚さを有する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記基板は、照明器もしくはセンサーの上に配置されているか、または、それ自体が照明器もしくはセンサーであるかのいずれかである、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
1つ以上のメタサーフェス素子またはシステムを製作するための方法であって、前記方法は、
ハードマスク材料層を基板の少なくとも一方の表面上に堆積することであって、前記基板は、指定された動作帯域幅にわたって透光性を有する、ことと、
パターン材料層を前記ハードマスク材料層上に堆積することと、
配列パターンを前記ハードマスク材料層の上に形成するために前記パターン材料をパターン化することであって、前記配列パターンは、メタサーフェス特徴配列の正の複製または負の複製のいずれか1つを含み、前記メタサーフェス特徴配列は、前記指定された動作帯域幅内の光の波長よりも小さい特徴サイズを有する複数のメタサーフェス特徴を含み、前記メタサーフェス特徴配列は、複数のメタサーフェス特徴の平面内の衝突光に位相シフトを課すように構成されている、ことと、
前記ハードマスク材料層内の前記配列パターンに対応する複数の窪みおよび複数の隆起した特徴を形成するために、異方性エッチングプロセスを使用して前記ハードマスク材料層をエッチングすることと、
残余のパターン材料を前記ハードマスク材料層の上から除去することと
を含み、
前記基板は、対象の光学系との使用に不適切な基板厚さを有し、
前記方法は、
研削エッチングまたは化学エッチングの一方または両方を通して前記基板の裏側の少なくとも一部を除去することと、
前記メタサーフェス特徴配列の前記基板に追加の基板を位置合せして融着させることと
のうちの少なくとも一方をさらに含む、方法。
【請求項16】
前記追加の基板自体は、その一方の表面上に配置されているメタサーフェス素子を有し、前記基板および前記追加の基板は、前記追加の基板の前記メタサーフェス素子および前記基板の前記メタサーフェス特徴配列が配置されている前記表面の反対側の表面に沿って融着される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
接合プロセスは、光エポキシ、ベンゾシクロブテン、UV硬化ポリマー、硬化ポリマーSU8、プラズマ活性化二酸化ケイ素フィルムの群から選択された接着剤を使用するウエハ接合プロセスである、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記方法は、融着前に、前記基板の一方または両方の裏側の少なくとも一部を除去することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
1つ以上のメタサーフェス素子またはシステムを製作するための方法であって、前記方法は、
ハードマスク材料層を基板の少なくとも一方の表面上に堆積することであって、前記基板は、指定された動作帯域幅にわたって透光性を有する、ことと、
パターン材料層を前記ハードマスク材料層上に堆積することと、
配列パターンを前記ハードマスク材料層の上に形成するために前記パターン材料をパターン化することであって、前記配列パターンは、メタサーフェス特徴配列の正の複製または負の複製のいずれか1つを含み、前記メタサーフェス特徴配列は、前記指定された動作帯域幅内の光の波長よりも小さい特徴サイズを有する複数のメタサーフェス特徴を含み、前記メタサーフェス特徴配列は、複数のメタサーフェス特徴の平面内の衝突光に位相シフトを課すように構成されている、ことと、
前記ハードマスク材料層内の前記配列パターンに対応する複数の窪みおよび複数の隆起した特徴を形成するために、異方性エッチングプロセスを使用して前記ハードマスク材料層をエッチングすることと、
残余のパターン材料を前記ハードマスク材料層の上から除去することと
を含み、
前記方法は、少なくとも第1のメタサーフェス素子を第1の基板の第1の面上に形成することと、少なくとも第2のメタサーフェス素子を第2の基板の第1の面上に形成することと、前記第1の基板および前記第2の基板を、接合プロセスを使用して、前記基板の前記第1の面の反対側の面に沿って一緒に融着することとをさらに含む、方法。
【請求項20】
1つ以上のメタサーフェス素子またはシステムを製作するための方法であって、
ハードマスク材料層を基板の少なくとも一方の表面上に堆積することであって、前記基板は、指定された動作帯域幅にわたって透光性を有する、ことと、
パターン材料層を前記ハードマスク材料層上に堆積することと、
配列パターンを前記ハードマスク材料層の上に形成するために前記パターン材料をパターン化することであって、前記配列パターンは、メタサーフェス特徴配列の正の複製または負の複製のいずれか1つを含み、前記メタサーフェス特徴配列は、前記指定された動作帯域幅内の光の波長よりも小さい特徴サイズを有する複数のメタサーフェス特徴を含み、前記メタサーフェス特徴配列は、複数のメタサーフェス特徴の平面内の衝突光に位相シフトを課すように構成されている、ことと、
前記ハードマスク材料層内の前記配列パターンに対応する複数の窪みおよび複数の隆起した特徴を形成するために、異方性エッチングプロセスを使用して前記ハードマスク材料層をエッチングすることと、
残余のパターン材料を前記ハードマスク材料層の上から除去することと
を含み、
前記メタサーフェス特徴配列は、前記指定された動作帯域幅内の光の前記波長より小さいか、または、同じオーダーの距離だけ相互に分離されたメタサーフェス特徴の2つの層を含み、それによりメタサーフェス特徴の前記2つの層が連動して動作して衝突光に位相シフトを課す、方法。
【請求項21】
1つ以上のメタサーフェス素子またはシステムを製作するための方法であって、前記方法は、
ハードマスク材料層を基板の少なくとも一方の表面上に堆積することであって、前記基板は、指定された動作帯域幅にわたって透光性を有する、ことと、
パターン材料層を前記ハードマスク材料層上に堆積することと、
配列パターンを前記ハードマスク材料層の上に形成するために前記パターン材料をパターン化することであって、前記配列パターンは、メタサーフェス特徴配列の正の複製または負の複製のいずれか1つを含み、前記メタサーフェス特徴配列は、前記指定された動作帯域幅内の光の波長よりも小さい特徴サイズを有する複数のメタサーフェス特徴を含み、
前記メタサーフェス特徴配列は、複数のメタサーフェス特徴の平面内の衝突光に位相シフトを課すように構成されている、ことと、
前記ハードマスク材料層内の前記配列パターンに対応する複数の窪みおよび複数の隆起した特徴を形成するために、異方性エッチングプロセスを使用して前記ハードマスク材料層をエッチングすることと、
残余のパターン材料を前記ハードマスク材料層の上から除去することと
を含み、
前記方法は、
複数の第1のメタサーフェス素子を形成することと、
平面配列に配置されている複数の照明源を提供し、前記複数の第1のメタサーフェス素子の少なくとも1つを前記配列内の前記複数の照明源の各々と統合することであって、前記複数の照明源の各々からの光が前記第1のメタサーフェス素子の少なくとも1つを通過し、それにより角偏向がかけられる、ことと、
第1のスペーサ層を前記複数の照明源の平面配列と前記複数の第1のメタサーフェス素子との間に配置することであって、前記第1のスペーサ層は、前記それぞれ第1のメタサーフェス素子に衝突する前に、前記平面配列の前記複数の照明源の各々から放出された光に発散を引き起こすように構成されている、ことと、
第2のメタサーフェス素子を、前記複数の第1のメタサーフェス素子から距離を置いて配置することであって、前記第2のメタサーフェス素子は、前記複数の照明源の全部の発光によって形成された明視野に遠視野照射パターンを生成するように構成されている、ことと、
第2のスペーサ層を前記第1のメタサーフェス素子と前記第2のメタサーフェス素子との間に配置することあって、オフセット距離がその間に形成される、ことと
をさらに含む、方法。
【請求項22】
1つ以上のメタサーフェス素子またはシステムを製作するための方法であって、前記方法は、
ハードマスク材料層を基板の少なくとも一方の表面上に堆積することであって、前記基板は、指定された動作帯域幅にわたって透光性を有する、ことと、
パターン材料層を前記ハードマスク材料層上に堆積することと、
配列パターンを前記ハードマスク材料層の上に形成するために前記パターン材料をパターン化することであって、前記配列パターンは、メタサーフェス特徴配列の正の複製または負の複製のいずれか1つを含み、前記メタサーフェス特徴配列は、前記指定された動作帯域幅内の光の波長よりも小さい特徴サイズを有する複数のメタサーフェス特徴を含み、前記メタサーフェス特徴配列は、複数のメタサーフェス特徴の平面内の衝突光に位相シフトを課すように構成されている、ことと、
前記ハードマスク材料層内の前記配列パターンに対応する複数の窪みおよび複数の隆起した特徴を形成するために、異方性エッチングプロセスを使用して前記ハードマスク材料層をエッチングすることと、
残余のパターン材料を前記ハードマスク材料層の上から除去することと
を含み、
前記方法は、
複数の第1のメタサーフェス素子を形成することと、
平面配列に配置されている複数のセンサー素子を提供し、前記複数の第1のメタサーフェス素子の少なくとも1つを前記配列内の前記複数のセンサー素子の各々と統合することであって、前記複数のセンサー素子の各々に衝突する光が前記第1のメタサーフェス素子の少なくとも1つを通過し、それにより角偏向がかけられる、ことと、
第1のスペーサ層を前記複数のセンサー素子の平面配列と前記複数の第1のメタサーフェス素子との間に配置することであって、前記第1のスペーサ層は、前記平面配列の前記複数のセンサー素子のうちのそれぞれのセンサー素子に衝突する前に、前記複数の第1のメタサーフェス素子の各々に衝突する光に発散を引き起こすように構成されている、ことと、
第2のメタサーフェス素子を、前記複数の第1のメタサーフェス素子から距離を置いて配置することであって、前記第2のメタサーフェス素子は、遠視野照射パターンを衝突する明視野に生成するように構成されている、ことと、
第2のスペーサ層を前記第1のメタサーフェス素子と前記第2のメタサーフェス素子との間に配置することであって、オフセット距離がその間に形成される、ことと
をさらに含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、メタサーフェス素子(metasurface element)の光学配置、光源および/または検出器をかかるメタサーフェス素子と統合している統合システム、ならびにかかる光学配置および統合システムの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
メタサーフェス素子は、個々の導波路素子がサブ波長間隔を有していて、平面形状を有している回折光学系である。メタサーフェス素子は、UV-IRバンド(300~10,000nm)における用途に対して最近、開発された。従来型の屈折光学系と比較して、メタサーフェス素子は位相シフトを明視野に突然に導入する。これは、メタサーフェス素子が、動作するように設計されている光の波長のオーダーの厚さを有するのを可能にし、他方、従来型の屈折面は、それらが動作するように設計されている光の波長よりも10~100倍(またはそれ以上)大きい厚さを有する。追加として、メタサーフェス素子は、構成要素における厚さのばらつきがなく、従って、屈折光学系に対して要求されるような、屈曲なしで光を形成することができる。従来型の回折光学素子(DOE)、例えば、バイナリ回折光学系、と比較して、メタサーフェス素子は、ある範囲の位相シフトを入射光場に与える能力があり、最小でもメタサーフェス素子は、その範囲からの少なくとも5つの異なる値をもつ0~2πの間の位相シフトを有することができ、他方、バイナリDOEは2つの異なる値の位相シフトを与えることができるだけであり、多くの場合、0または1πのいずれかの位相シフトに限定される。マルチレベルDOEと比較して、メタサーフェス素子は、その構成要素の光軸に沿った高さの変動を必要とせず、メタサーフェス素子特徴の面内幾何形状だけが変動する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本出願は、メタサーフェス素子の光学配置、光源および/または検出器をかかるメタサーフェス素子と統合している統合システム、ならびにかかる光学配置および統合システムの製造方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
多くの実施形態は、1つ以上のメタサーフェス素子またはシステムを製作するための方法に関し、
ハードマスク材料層を基板の少なくとも片面上に蒸着させることであって、基板は、指定された動作帯域幅にわたって透光性を有すること、
パターン材料層をハードマスク材料層上に蒸着させること、
配列パターンをハードマスク層の上に形成するようにパターン材料をパターン化することであって、配列パターンは、メタサーフェス特徴配列の正または負の複製のいずれか1つを含み、メタサーフェス特徴配列は、指定された動作帯域幅内の光の波長よりも小さい特徴サイズを有する複数のメタサーフェス特徴を含み、複数のメタサーフェス特徴の平面内の衝突光に位相シフトを課すように構成されていること、
ハードマスク内の配列パターンに対応する複数の窪みおよび隆起した特徴を形成するために、異方性エッチングプロセスを使用してハードマスク層をエッチングすること、および
任意の残余のパターン材料をハードマスク層の上から除去すること
を含む。
【0005】
多くの他の実施形態では、基板は、溶融石英、サファイア、ホウケイ酸ガラスおよび希土類酸化物ガラスから成る群から選択された材料から形成される。
【0006】
さらに多くの他の実施形態では、ハードマスク材料層は、ケイ素、様々なストイキオメトリの窒化ケイ素、二酸化ケイ素、二酸化チタン、アルミナから成る群から選択された材料から形成され、スパッタリング、化学蒸着、および原子層蒸着から成る群から選択された蒸着プロセスを使用して配置される。
【0007】
さらに多くの他の実施形態では、パターン材料層は、リソグラフィプロセスを使用するフォトレジストパターン化、またはナノインプリント法を使用する高分子パターン化のいずれか1つから形成される。
【0008】
さらに多くの他の実施形態では、配列パターンは、SF6、Cl2、BCl3、C48またはその任意の静的もしくは多重混合物から成る群から選択された反応性イオンエッチング法を使用してエッチングされる。
【0009】
さらになお多くの他の実施形態では、残余のパターン材料は、化学溶剤、化学エッチング液、およびプラズマエッチング液から成る群から選択されたプロセスを使用して除去される。
【0010】
さらになお多くの他の実施形態では、パターン化ハードマスク材料は誘電体であり、メタサーフェス素子のメタサーフェス特徴を形成する。
【0011】
さらになお多くの他の実施形態では、本方法はさらに、
メタサーフェス材料層がハードマスク材料層内の窪みを充填してハードマスク材料層の隆起した特徴の上に広がるように誘電メタサーフェス材料層をパターン化ハードマスク材料層上に蒸着させてメタサーフェス材料の蒸着層をハードマスク層の上に形成すること、ならびに
メタサーフェス材料層およびハードマスク層が基板の上に均一な高さで終わるように蒸着層を平坦化すること
を含む。
【0012】
さらになお多くの他の実施形態では、メタサーフェス材料層は、ケイ素、様々なストイキオメトリの窒化ケイ素、二酸化ケイ素、二酸化チタン、アルミナから選択された材料から形成されて、化学蒸着、および原子層蒸着から成る群から選択されたコンフォーマルプロセスを使用して蒸着される。
【0013】
さらになお多くの他の実施形態では、平坦化は、ウェットエッチングおよびプラズマエッチングから成る群から選択されたエッチングプロセス、または化学的機械的平坦化技術から選択されたプロセスを使用する。
【0014】
さらになお多くの他の実施形態では、窪み内に置かれたメタサーフェス材料は、メタサーフェス素子のメタサーフェス特徴を形成し、かつハードマスク材料は、指定された動作帯域幅においてメタサーフェス材料よりも低い屈折率を有する包埋材料として構成される。
【0015】
さらになお多くの他の実施形態では、ハードマスク材料は、指定された動作帯域幅にわたってごくわずかな吸収を有し、指定された動作帯域幅において約1~約2.4の間の屈折率を有する。
【0016】
さらになお多くの他の実施形態では、本方法はさらに、パターン化ハードマスクの窪み内に置かれたメタサーフェス材料層が、ハードマスク材料層の除去後に基板の表面上に残り、複数の空隙によって分けられた複数の分離したメタサーフェス特徴を形成するように、選択的なエッチングを使用してハードマスク材料層を除去することを含む。
【0017】
さらになお多くの他の実施形態では、本方法はさらに、特徴間の空隙が充填されるように包埋材料層を分離したメタサーフェス特徴上に蒸着させ、それにより包埋材料層がメタサーフェス材料層の表面上に広がるようにすることを含み、包埋材料層は、指定された動作帯域幅においてメタサーフェス材料よりも低い屈折率を有する。
【0018】
さらになお多くの他の実施形態では、包埋材料は、ポリ(メチルメタクリレート)、SU8、およびベンゾシクロブテンから成る群から選択されたポリマーである。
【0019】
さらになお多くの他の実施形態では、包埋材料は、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、二酸化チタン、窒化ケイ素、酸化ハフニウム、酸化亜鉛、およびスピンオンガラスから成る群から選択された固体フィルムである。
【0020】
さらになお多くの他の実施形態では、本方法はさらに、メタサーフェス材料層および包埋材料層が基板の上に均一な高さで終わるように包埋材料層を平坦化することを含む。
【0021】
さらになお多くの他の実施形態では、本方法はさらに、包埋材料層およびメタサーフェス素子の反対側に配置された基板の面の一方または両方の上に反射防止コーティングを蒸着させることを含む。
【0022】
さらになお多くの他の実施形態では、反射防止コーティングは、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、およびアモルファスシリコンから成る群から選択された材料の任意の組合せが交互に重なった層から構成され、交互に重なった層の各々は、動作帯域幅内の光の波長を下回る厚さを有する。
【0023】
さらになお多くの他の実施形態では、基板は、照明器もしくはセンサーの上に配置されているか、またはそれ自体が照明器もしくはセンサーであるかのいずれかである。
【0024】
さらになお多くの他の実施形態では、基板は、対象の光学系との使用に不適切な基板厚さを有していて、かつ次:
研削または化学エッチングの一方または両方を通して基板の裏側の少なくとも一部を除去すること、および
メタサーフェス素子の基板に追加の基板を位置合せして融着させること
の少なくとも1つをさらに含む。
【0025】
さらになお多くの他の実施形態では、追加の基板自体は、その片面上に配置されたメタサーフェス素子を有し、かつ基板および追加の基板は、関連メタサーフェス素子がその上に配置されている表面の反対側の表面に沿って融着される。
【0026】
さらになお多くの他の実施形態では、融着方法は、600℃を下回るサーマルバジェットを有する接合プロセスを使用する。
【0027】
さらになお多くの他の実施形態では、接合プロセスは、光エポキシ、ベンゾシクロブテン、UV硬化ポリマー、SU8、およびプラズマ活性化二酸化ケイ素フィルムの群から選択された接着剤を使用するウエハ接合プロセスである。
【0028】
さらになお多くの他の実施形態では、本方法はさらに、融着前に、基板の一方または両方の裏側の少なくとも一部を除去することを含む。
【0029】
さらになお多くの他の実施形態では、本方法はさらに、少なくとも第1のメタサーフェス素子を第1の基板の第1の面上に形成すること、および少なくとも第2のメタサーフェス素子を第2の基板の第1の面上に形成すること、ならびに第1および第2の基板を、600℃を下回るサーマルバジェットを有する接合プロセスを使用して、前記基板の第1の面の反対側の面に沿って一緒に融着することを含む。
【0030】
さらになお多くの他の実施形態では、複数のメタサーフェス特徴は不均一である。
【0031】
さらになお多くの他の実施形態では、複数のメタサーフェス特徴は、メタサーフェス特徴の寸法に基づいて事前に判断可能な量だけ理想の形状から逸脱する。
【0032】
さらになお多くの他の実施形態では、メタサーフェス素子は包埋および平坦化されていて、指定された動作帯域幅内の光の波長より小さいか、または同じオーダーの距離だけ相互にオフセットされたメタサーフェス特徴の2つの層を含み、それによりメタサーフェス特徴の2つの層が連動して動作して衝突光に位相シフトを課す。
【0033】
さらになお多くの他の実施形態では、複数のメタサーフェス特徴は不均一であり、メタサーフェス特徴の寸法に基づいて事前に判断可能な量だけ理想の形状から逸脱し、理想の形状は正方形であり、理想的な正方形は、メタサーフェス特徴が円形として形成される200nmよりも小さい側面寸法を有しており、理想的な正方形は、メタサーフェス特徴が丸くされた縁部を有する正方形として形成される300nmよりも小さい側面寸法を有する。
【0034】
さらになお多くの他の実施形態では、本方法はさらに、
複数の同一または固有の第1のメタサーフェス素子を形成すること、
平面配列に配置された複数の同一または固有の照明源を提供して、複数の第1のメタサーフェス素子の少なくとも1つを配列内の複数の照明源の各々と統合し、そのために前記複数の照明源の各々からの光が第1のメタサーフェス素子の少なくとも1つを通過し、それにより角偏向がかけられるようにすること、
第1のスペーサ層を照明源の平面配列と第1のメタサーフェス素子との間に配置することであって、第1のスペーサ層は、それぞれ第1のメタサーフェス素子に衝突する前に、平面配列の照明源の各々から放出された光に発散を引き起こすように構成されていること、
第2のメタサーフェス素子を、複数の第1のメタサーフェス素子から距離を置いて配置することであって、第2のメタサーフェス素子は、複数の照明源の全部の発光によって形成された明視野に遠視野照射パターンをインプリントするように構成されていること、および
第2のスペーサ層を第1と第2のメタサーフェス素子の間に配置し、そのためにオフセット距離がその間に形成されるようにすること
を含む。
【0035】
様々な実施形態は、少なくとも第1のメタサーフェス素子を第1の基板の第1の面上に形成すること、および少なくとも第2のメタサーフェス素子を第2の基板の第1の面上に形成すること、ならびに第1および第2の基板を、600℃を下回るサーマルバジェットを有する接合プロセスを使用して、前記基板の第1の面の反対側の面に沿って一緒に融着することを含む、マルチメタサーフェス素子を形成する方法に関する。
【0036】
様々な他の実施形態では、接合プロセスは、光エポキシ、ベンゾシクロブテン、UV硬化ポリマー、SU8、およびプラズマ活性化二酸化ケイ素フィルムの群から選択された接着剤を使用するウエハ接合プロセスである。
【0037】
さらに様々な他の実施形態では、本方法はさらに、融着前に、基板の一方または両方の裏側の少なくとも一部を除去することを含む。
【0038】
さらに様々な他の実施形態では、本方法はさらに、
第1および第2のメタサーフェス素子の少なくとも1つを包埋および平坦化すること、
少なくとも第3のメタサーフェス素子を第3の基板の第1の面上に形成すること、ならびに
第1の面の反対側の第3の基板の面を、600℃を下回るサーマルバジェットを有する接合プロセスを使用して、平坦化された第1または第2のメタサーフェスに融着すること
を含む。
【0039】
さらになお様々な他の実施形態では、平坦化はさらに、第1および第2のメタサーフェス素子の少なくとも1つをポリマーまたは固体接合剤のいずれか1つに包埋することを含む。
【0040】
さらになお様々な他の実施形態では、本方法はさらに、形成、包埋、および融着を行うステップを反復して、4つ以上のメタサーフェス素子の層状スタックを形成することを含む。
【0041】
さらになお様々な他の実施形態では、層状スタックの一方の端部における層の少なくとも1つは、照明器またはセンサーのいずれか1つである。
【0042】
さらになお様々な他の実施形態では、本方法はさらに、
スペーサ基板を、メタサーフェス素子の反対側の第1および第2の基板の面の間に挿入することであって、スペーサ基板は、それを通して配置された少なくとも1つの開口を有すること、ならびに
600℃を下回るサーマルバジェットを有する接合プロセスを使用して、スペーサ基板を第1および第2の基板に融着し、そのために少なくとも1つの開口が第1および第2の基板の間に空隙を形成するようになること
を含む。
【0043】
さらになお様々な他の実施形態では、スペーサ基板は、ポリマー、SiO、およびガラスの群から選択された低屈折率材料で形成される。
【0044】
さらになお様々な他の実施形態では、スペーサ材料はブラッククロムでコーティングされる。
【0045】
さらになお様々な他の実施形態では、本方法はさらに、形成、挿入、および融着を行うステップを反復して、3つ以上のメタサーフェス素子の層状スタックを形成することを含む。
【0046】
さらになお様々な他の実施形態では、層状スタックの一方の端部における層の少なくとも1つは照明器またはセンサーのいずれか1つである。
【0047】
さらになお様々な他の実施形態では、複数のメタサーフェス特徴は不均一である。
【0048】
さらになお様々な他の実施形態では、複数のメタサーフェス特徴は、メタサーフェス特徴の寸法に基づいて事前に判断可能な量だけ理想の形状から逸脱する。
【0049】
さらなる実施形態は、メタサーフェス特徴の2つの層を基板上に形成することを含み、その2つの層は、指定された動作帯域幅内の光の波長より小さいか、または同じオーダーの距離だけ相互にオフセットされ、それによりメタサーフェス特徴の2つの層が連動して動作して衝突光に位相シフトを課す、複合メタサーフェス素子を形成する方法に関する。
【0050】
追加の実施形態は、
複数の同一または固有の第1のメタサーフェス素子を形成すること、
平面配列に配置された複数の同一または固有の照明源を提供して、複数の第1のメタサーフェス素子の少なくとも1つを配列内の複数の照明源の各々と統合し、そのために前記複数の照明源の各々からの光が第1のメタサーフェス素子の少なくとも1つを通過し、それにより角偏向がかけられるようにすること、
第1のスペーサ層を照明源の平面配列と第1のメタサーフェス素子との間に配置することであって、第1のスペーサ層は、それぞれ第1のメタサーフェス素子に衝突する前に、平面配列の照明源の各々から放出された光に発散を引き起こすように構成されていること、
第2のメタサーフェス素子を、複数の第1のメタサーフェス素子から距離を置いて配置することであって、第2のメタサーフェス素子は、複数の照明源の全部の発光によって形成された明視野に遠視野照射パターンをインプリントするように構成されていること、および
第2のスペーサ層を第1と第2のメタサーフェス素子の間に配置し、そのためにオフセット距離がその間に形成されるようにすること
を含む、メタサーフェス素子を形成する方法に関する。
【0051】
追加の他の実施形態では、少なくとも第1のスペーサ層は、固体材料を含む。
【0052】
追加の他の実施形態では、少なくとも第2のスペーサ層は、空隙を含む。
【0053】
さらに追加の他の実施形態では、複数のメタサーフェス特徴は不均一である。
【0054】
さらに追加の他の実施形態では、複数のメタサーフェス特徴は、メタサーフェス特徴の寸法に基づいて事前に判断可能な量だけ理想の形状から逸脱する。
【0055】
さらになお追加の他の実施形態では、本方法はさらに、
複数の同一または固有の第1のメタサーフェス素子を形成すること、
平面配列に配置された複数の同一または固有のセンサー素子を提供して、複数の第1のメタサーフェス素子の少なくとも1つを配列内の複数のセンサー素子の各々と統合し、そのために前記複数のセンサー素子の各々に衝突する光が第1のメタサーフェス素子の少なくとも1つを通過し、それにより角偏向がかけられるようにすること、
第1のスペーサ層をセンサー素子の平面配列と第1のメタサーフェス素子との間に配置することであって、第1のスペーサ層は、平面配列のそれぞれのセンサー素子に衝突する前に、第1のメタサーフェス素子の各々に衝突する光に発散を引き起こすように構成されていること、
第2のメタサーフェス素子を、複数の第1のメタサーフェス素子から距離を置いて配置することであって、第2のメタサーフェス素子は、遠視野照射パターンを衝突する明視野にインプリントするように構成されていること、および
第2のスペーサ層を第1と第2のメタサーフェス素子の間に配置し、そのためにオフセット距離がその間に形成されるようにすること
を含む。
【0056】
多数の他の実施形態は、
複数の同一または固有の第1のメタサーフェス素子を形成すること、
平面配列に配置された複数の同一または固有のセンサー素子を提供して、複数の第1のメタサーフェス素子の少なくとも1つを配列内の複数のセンサー素子の各々と統合し、そのために前記複数のセンサー素子の各々に衝突する光が第1のメタサーフェス素子の少なくとも1つを通過し、それにより角偏向がかけられるようにすること、
第1のスペーサ層をセンサー素子の平面配列と第1のメタサーフェス素子との間に配置することであって、第1のスペーサ層は、平面配列のそれぞれのセンサー素子に衝突する前に、第1のメタサーフェス素子の各々に衝突する光に発散を引き起こすように構成されていること、
第2のメタサーフェス素子を、複数の第1のメタサーフェス素子から距離を置いて配置することであって、第2のメタサーフェス素子は、遠視野照射パターンを衝突する明視野にインプリントするように構成されていること、および
第2のスペーサ層を第1と第2のメタサーフェス素子の間に配置し、そのためにオフセット距離がその間に形成されるようにすること
を含む、メタサーフェス素子を形成する方法に関する。
【0057】
いくつかの実施形態は、
指定された動作帯域幅にわたって透光性を有する基板上に配置されたメタサーフェス特徴の配列であって、配列は、指定された動作帯域幅内の光の波長よりも小さい特徴サイズを有する複数のメタサーフェス特徴を含み、複数のメタサーフェス特徴の平面内の衝突光に位相シフトを課すように構成されている、メタサーフェス特徴の配列を含み、
複数のメタサーフェス特徴は不均一であり、メタサーフェス特徴の寸法に基づいて事前に判断可能な量だけ理想の形状から逸脱している、
メタサーフェス素子に関する。
【0058】
いくつかの他の実施形態では、理想の形状は正方形であり、理想的な正方形は、メタサーフェス特徴が円形として形成される200nmよりも小さい側面寸法を有しており、理想的な正方形は、メタサーフェス特徴が丸くされた縁部を有する正方形として形成される300nmよりも小さい側面寸法を有する。
【0059】
多くの実施形態は、
平面配列に配置された、複数の同一または固有の照明源またはセンサー素子、
照明源の平面配列の上に配置されて、平面配列の照明源の各々から放出された光に発散を、またはセンサー素子の各々に衝突する光に収束を引き起こすように構成されている、第1のスペーサ層、
第1のスペーサ層の上に配置された複数の同一または固有の第1のメタサーフェス素子であって、複数の照明源の各々から放出されたか、または前記複数のセンサー素子の各々に衝突する光が第1のメタサーフェス素子の少なくとも1つを通過し、それにより角偏向がかけられるように、複数の第1のメタサーフェス素子の少なくとも1つは、配列内の複数の照明源またはセンサー素子の各々と関連付けられている、複数の同一または固有の第1のメタサーフェス素子、
複数の第1のメタサーフェス素子から距離を置いて配置された第2のメタサーフェス素子であって、第2のメタサーフェス素子は、遠視野照射パターンを衝突する明視野にインプリントするように構成されている、第2のメタサーフェス素子、および
オフセット距離がその間に形成されるように、第1と第2のメタサーフェス素子との間の第2のスペーサ層
を含む、メタサーフェス対応の照明またはセンサーの配列に関する。
【0060】
多くの他の実施形態では、メタサーフェス素子の各々上の複数のメタサーフェス特徴は不均一であり、メタサーフェス特徴の寸法に基づいて事前に判断可能な量だけ理想の形状から逸脱している。
【0061】
さらに多くの他の実施形態では、少なくとも第1または第2のメタサーフェス素子上の複数のメタサーフェス特徴は、非対称断面を有するように構成され、少なくとも2つの異なる回転角度で配置されて、そのためにメタサーフェス素子は、直交偏光を有していて相互に直線的にオフセットされている少なくとも2つのパターンを照明源にインプリントするか、またはセンサー素子の照射前に、衝突光からのかかるパターンを検出するように構成されていて、配列は、3次元情報が配列により単一ショットで場面(scene)から取得されるように構成されている。
【0062】
さらに多くの他の実施形態では、照明源は、偏光されるか、または偏光されず、VCSEL、固体レーザー、量子カスケードレーザー、LED、およびスーパールミネッセントLEDから成る群から選択される。
【0063】
さらになお多くの他の実施形態では、2つのパターンは固有である。
【0064】
さらになお多くの他の実施形態では、2つのパターンは、少なくとも50,000の接合ポイントを有する。
【0065】
さらになお多くの他の実施形態では、少なくとも第1のパターンは、場面のフォアグラウンドの測定を取得するように構成され、かつ少なくとも第2のパターンは、場面のバックグラウンドの測定を取得するように構成される。
【0066】
さらになお多くの他の実施形態では、2つのパターンは、レーザー偏光に対して対角線的に偏光される。
【0067】
さらになお多くの他の実施形態では、3つ以上の異なる偏光を有する3つ以上のパターンが使用される。
【0068】
様々な実施形態は、
少なくとも1つのセンサー素子、
少なくとも1つのセンサー素子上にオフセット距離を置いて配置された少なくとも1つの第1の、および少なくとも1つの第2のメタサーフェス素子であって、それらの間に配置された第1の間隔層を有する、少なくとも1つの第1および第2のメタサーフェス素子
を含み、
少なくとも1つの第1および第2のメタサーフェス素子の各々は、指定された動作帯域幅にわたって透光性を有する少なくとも1つの基板上に配置されたメタサーフェス特徴の配列を含み、配列は、指定された動作帯域幅内の光の波長よりも小さい特徴サイズを有する複数のメタサーフェス特徴を含み、複数のメタサーフェス特徴の平面内の衝突光に位相シフトを課すように構成されていて、
少なくとも1つの第1および第2のメタサーフェス素子の各々上のメタサーフェス特徴の配列は、指定された視野にわたって指定された動作帯域幅の光を収集し、入射光をシフトさせて、それがゼロ度またはゼロ度に近いクリティカル光線角度(critical ray angle)でセンサー素子に衝突するように構成される、
メタサーフェス素子対応センサーに関する。
【0069】
様々な他の実施形態では、第1の間隔層は、固体スペーサ材料または空隙のいずれか1つである。
【0070】
さらに様々な他の実施形態では、視野は±44度である。
【0071】
さらに様々な他の実施形態では、センサーはさらに、メタサーフェス素子とセンサー素子との間に配置された狭帯域光学フィルタを含む。
【0072】
さらになお様々な他の実施形態では、狭帯域光学フィルタは、二酸化ケイ素、二酸化チタン、アモルファスシリコン、窒化ケイ素および酸化アルミニウムから成る群から選択された、低屈折率および高屈折率をもつ交互に重なった層から構成される。
【0073】
さらになお様々な他の実施形態では、センサーはさらに、メタサーフェス素子とセンサー素子との間に配置された複数の同一のマイクロレンズを含む。
【0074】
さらになお様々な他の実施形態では、少なくとも1つの第1のメタサーフェス素子および少なくとも1つの第2のメタサーフェス素子は、同じ基板の反対側に配置されて、基板は第1の間隔層を含む。
【0075】
さらになお様々な他の実施形態では、基板の両側上の2つのメタサーフェス素子は同じ高さを有する。
【0076】
さらになお様々な他の実施形態では、2つのメタサーフェス素子は、圧力化学蒸着および原子層蒸着の群から選択されたコンフォーマル蒸着プロセスを使用して、同じ基板の前面および背面上に同時に蒸着されたフィルムから形成される。
【0077】
さらになお様々な他の実施形態では、少なくとも1つの第1のメタサーフェス素子および少なくとも1つの第2のメタサーフェス素子は、空隙によって分離された別々の基板上に互いの方へ内側に向けて配置される。
【0078】
さらになお様々な他の実施形態では、センサーはさらに、少なくとも1つの第2のメタサーフェスの基板の外側に向いた面に組み込まれた光学帯域通過フィルタを含む。
【0079】
さらになお様々な他の実施形態では、センサーはさらに、第1および第2のメタサーフェス素子とCMOSセンサーとの間に配置されて、入射光の経路を角度的に分岐し、そのためCMOSセンサー上に衝突する光が非ゼロの主光線角度を有するように構成された、少なくとも第3のメタサーフェス素子を含む。
【0080】
さらになお様々な他の実施形態では、少なくとも3つのメタサーフェスは、指定された視野にわたって格子歪みを5%未満に最小限にするように構成される。
【0081】
さらになお様々な他の実施形態では、センサー素子はCMOSセンサーである。
【0082】
さらなる実施形態は、
少なくとも1つのセンサー素子および少なくとも1つの照明源、
少なくとも1つのセンサー素子および少なくとも1つの照明源の各々の上にオフセット距離を置いて配置されて、それぞれ各々と関連付けられた少なくとも1つの間隔層を有する、少なくとも1つの別個のメタサーフェス素子
を含み、
メタサーフェス素子の各々は、指定された動作帯域幅にわたって透光性を有する基板上に配置されたメタサーフェス特徴の配列を含み、配列は、指定された動作帯域幅内の光の波長よりも小さい特徴サイズを有する複数のメタサーフェス特徴を含み、照明源と関連付けられて配置された少なくとも1つの照明メタサーフェス素子は、複数のメタサーフェス特徴の平面内でそれから放出された明視野に放射パターンを課すように構成され、少なくとも1つのセンサー素子と関連付けられて配置された少なくとも1つのセンサーメタサーフェス素子は、場面の照射後に、明視野の放射パターンを検出するように構成されている、
メタサーフェス素子対応の単一プラットフォームイメージング/検出システムに関する。
【0083】
なおさらなる実施形態では、本システムはさらに、照明源およびセンサー素子の各々と関連付けられた複数の別個のメタサーフェス素子およびスペーサ層を含む。
【0084】
なおさらなる実施形態では、照明源と関連付けられたメタサーフェス素子は、2つの直交偏光を明視野にインプリントして、直交偏光を有していて相互に直線的にオフセットされている少なくとも2つのパターンを明視野上に生成して場面を照射し、かつセンサー素子と関連付けられたメタサーフェス素子は、場面に関する3次元情報が収集できるように少なくとも2つのパターンを検出するように構成される。
【0085】
多数の実施形態は、
照明源遠視野を計算すること、
対象の遠視野を計算することであって、対象はメタサーフェス素子であること、
対象の遠視野に対する最小二乗適合を計算して擬似遠視野を取得し、それにより擬似遠視野および照明源遠視野のコンボリューションで対象の遠視野をもたらすこと、
初期のメタサーフェス特徴配列格子および位相を初期状態に設定すること、
1つ以上の目標費用関数を決定して、メタサーフェス素子の複数のピクセルの各々に対する1つ以上の費用関数の各々に対して勾配関数を計算すること、
1つ以上の費用関数および勾配関数からの結果を最適化アルゴリズムに入力すること、
メタサーフェス素子の複数のピクセルの各々に対する位相を更新し、目標費用関数が収束するまで勾配計算および最適化を繰り返すこと、ならびに
計算されたメタサーフェス素子位相プロファイルを出力すること
を含む、所望の遠視野強度を照明源にインプリントするためのメタサーフェス素子を製作するための方法に関する。
【0086】
多数の他の実施形態では、費用関数は、対象からの平方距離、最近隣距離、照射下のメタサーフェス素子の遠視野投影の平方誤差、および計算された遠視野の平滑度から成る群から選択される。
【0087】
さらに多数の他の実施形態では、最適化アルゴリズムは、共役勾配またはL-Broyden-Fletcher-Goldfarb-Shannonのいずれか1つである。
【0088】
いくつかの実施形態は、指定された動作帯域幅内の光の波長よりも小さい特徴サイズを有する複数のメタサーフェス特徴を含み、複数のメタサーフェス特徴の平面内の衝突光に位相シフトを課すように構成されている基板上にメタサーフェス素子を形成する方法にも関し、基板は、対象の光学系との使用に不適切な基板厚さを有していて、かつ次:
研削または化学エッチングの一方または両方を通して基板の裏側の少なくとも一部を除去すること、および
メタサーフェス素子の基板に追加の基板を位置合せして融着させること
の少なくとも1つをさらに含む。
【0089】
いくつかの他の実施形態では、追加の基板自体は、その片面上に配置されたメタサーフェス素子を有し、かつ基板および追加の基板は、関連メタサーフェス素子がその上に配置されている表面の反対側の表面に沿って融着される。
【0090】
さらにいくつかの他の実施形態では、融着方法は、600℃を下回るサーマルバジェットを有する接合プロセスを使用する。
【0091】
さらにいくつかの他の実施形態では、接合プロセスは、光エポキシ、ベンゾシクロブテン、UV硬化ポリマー、SU8、およびプラズマ活性化二酸化ケイ素フィルムの群から選択された接着剤を使用するウエハ接合プロセスである。
【0092】
さらになおいくつかの他の実施形態では、本方法はさらに、融着前に、基板の一方または両方の裏側の少なくとも一部を除去することを含む。
【0093】
さらになおいくつかの他の実施形態では、本方法はさらに、少なくとも第1のメタサーフェス素子を第1の基板の第1の面上に形成すること、および少なくとも第2のメタサーフェス素子を第2の基板の第1の面上に形成すること、ならびに第1および第2の基板を、600℃を下回るサーマルバジェットを有する接合プロセスを使用して、前記基板の第1の面の反対側の面に沿って一緒に融着することを含む。
【0094】
さらになおいくつかの他の実施形態では、複数のメタサーフェス特徴は不均一である。
【0095】
さらになおいくつかの他の実施形態では、複数のメタサーフェス特徴は、メタサーフェス特徴の寸法に基づいて事前に判断可能な量だけ理想の形状から逸脱する。
【0096】
さらになおいくつかの他の実施形態では、本方法はさらに、
第1および第2のメタサーフェス素子の少なくとも1つを包埋および平坦化すること、
少なくとも第3のメタサーフェス素子を第3の基板の第1の面上に形成すること、ならびに
第1の面の反対側の第3の基板の面を、600℃を下回るサーマルバジェットを有する接合プロセスを使用して、平坦化された第1または第2のメタサーフェスに融着すること
を含む。
【0097】
さらになおいくつかの他の実施形態では、平坦化はさらに、第1および第2のメタサーフェス素子の少なくとも1つをポリマーまたは固体接合剤のいずれか1つに包埋することを含む。
【0098】
さらになおいくつかの他の実施形態では、形成、包埋、および融着を行うステップを反復して、4つ以上のメタサーフェス素子の層状スタックを形成することを含む。
【0099】
さらになおいくつかの他の実施形態では、層状スタックの一方の端部における層の少なくとも1つは、照明器またはセンサーのいずれか1つである。
【0100】
さらになおいくつかの他の実施形態では、本方法はさらに、
スペーサ基板を、メタサーフェス素子の反対側の第1および第2の基板の面の間に挿入することであって、スペーサ基板は、それを通して配置された少なくとも1つの開口を有すること、ならびに
600℃を下回るサーマルバジェットを有する接合プロセスを使用して、スペーサ基板を第1および第2の基板に融着し、そのために少なくとも1つの開口が第1および第2の基板の間に空隙を形成するようになること
を含む。
【0101】
多数の他の実施形態は、
指定された動作帯域幅にわたって透光性を有する基板上に配置されたメタサーフェス特徴の配列であって、配列は、指定された動作帯域幅内の光の波長よりも小さい特徴サイズを有する複数のメタサーフェス特徴を含み、複数のメタサーフェス特徴の平面内の衝突光に位相シフトを課すように構成されていて、複数のメタサーフェス特徴は、
SiO内に包埋されて、500~1000nmのピラー高さおよび100~300nmのピラー直径を有するアモルファスSiメタサーフェス特徴、
SiO内に包埋されて、600nmのピラー高さおよび100~300nmのピラー直径を有するアモルファスSiメタサーフェス特徴、
間に配置された空隙を有し、1~500nmのピラー高さおよび100~350nmのピラー直径を有するアモルファスSiメタサーフェス特徴、
間に配置された空隙を有し、480nmからのピラー高さおよび100~280nmのピラー直径を有するアモルファスSiメタサーフェス特徴、
間に配置された空隙を有し、300~1000nmのピラー高さおよび100~350nmのピラー直径を有するTiOメタサーフェス特徴、
間に配置された空隙を有し、975nmのピラー高さおよび100~300nmのピラー直径を有するTiOメタサーフェス特徴、
ベンゾシクロブタン内に包埋されて、590nmのピラー高さおよび100~300nmのピラー直径を有するアモルファスSiメタサーフェス特徴、
SiO内に包埋されて、600nmのピラー高さおよび100~275nmのピラー直径を有するアモルファスSiメタサーフェス特徴、
SU8内に包埋されて、675nmのピラー高さおよび100~300nmのピラー直径を有するアモルファスSiメタサーフェス特徴、ならびに
450nmの素子間隔で、600nmのピラー高さおよび100~300nmのピラー直径を有する、空気中のアモルファスSiメタサーフェス特徴
から成る群の1つから形成されている、メタサーフェス特徴の配列を含む、
メタサーフェス素子に関する。
【0102】
アモルファスSiが選択の材料である多数の他の実施形態では、アモルファスSiは水素化されて、水素が構造に存在していないアモルファスシリコンと比較すると高い光透過となり得る。
【0103】
追加の実施形態および特徴は、一部は以下に続く記述で説明され、一部は、本明細書を検討すると当業者に明らかになるか、または本開示の実施によって習得され得る。本開示の特質および利点のさらなる理解は、本明細書の残りの部分および、本開示の一部を形成する、図面を参照することによって実現され得る。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
1つ以上のメタサーフェス素子またはシステムを製作するための方法であって、
ハードマスク材料層を基板の少なくとも片面上に蒸着させることであって、前記基板は、指定された動作帯域幅にわたって透光性を有することと、
パターン材料層を前記ハードマスク材料層上に蒸着させることと、
配列パターンを前記ハードマスク層の上に形成するために前記パターン材料をパターン化することであって、前記配列パターンは、メタサーフェス特徴配列の正または負の複製のいずれか1つを含み、前記メタサーフェス特徴配列は、前記指定された動作帯域幅内の光の波長よりも小さい特徴サイズを有する複数のメタサーフェス特徴を含み、複数のメタサーフェス特徴の平面内の衝突光に位相シフトを課すように構成されていることと、
前記ハードマスク内の前記配列パターンに対応する複数の窪みおよび隆起した特徴を形成するために、異方性エッチングプロセスを使用して前記ハードマスク層をエッチングすることと、
任意の残余のパターン材料を前記ハードマスク層の上から除去することと
を含む、方法。
(項目2)
前記基板は、溶融石英、サファイア、ホウケイ酸ガラスおよび希土類酸化物ガラスから成る群から選択された材料から形成され、
前記ハードマスク材料層は、ケイ素、様々なストイキオメトリの窒化ケイ素、二酸化ケイ素、二酸化チタン、アルミナから成る群から選択された材料から形成され、スパッタリング、化学蒸着、および原子層蒸着から成る群から選択された蒸着プロセスを使用して配置され、
前記パターン材料層は、リソグラフィプロセスを使用するフォトレジストパターン化、またはナノインプリント法を使用する高分子パターン化のいずれか1つから形成され、
前記配列パターンは、SF 6 、Cl 2 、BCl 3 、C 4 8 またはその任意の静的もしくは多重混合物から成る群から選択された反応性イオンエッチング法を使用してエッチングされ、
前記残余のパターン材料は、化学溶剤、化学エッチング液、およびプラズマエッチング液から成る群から選択されたプロセスを使用して除去される、
項目1に記載の方法。
(項目3)
前記パターン化ハードマスク材料は誘電体であり、前記メタサーフェス素子の前記メタサーフェス特徴を形成する、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記メタサーフェス材料層が前記ハードマスク材料層内の前記窪みを充填し、前記ハードマスク材料層の前記隆起した特徴の上に広がるように誘電メタサーフェス材料層を前記パターン化ハードマスク材料層上に蒸着させてメタサーフェス材料の蒸着層を前記ハードマスク層の上に形成することと、
前記メタサーフェス材料層および前記ハードマスク層が前記基板の上に均一な高さで終わるように前記蒸着層を平坦化することと
をさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記メタサーフェス材料層は、ケイ素、様々なストイキオメトリの窒化ケイ素、二酸化ケイ素、二酸化チタン、アルミナから選択された材料から形成されて、化学蒸着、および原子層蒸着から成る群から選択されたコンフォーマルプロセスを使用して蒸着され、
前記平坦化は、ウェットエッチングおよびプラズマエッチングから成る群から選択されたエッチングプロセス、または化学的機械的平坦化技術から選択されたプロセスを使用する
項目4に記載の方法。
(項目6)
前記窪み内に置かれた前記メタサーフェス材料は、前記メタサーフェス素子の前記メタサーフェス特徴を形成し、かつ前記ハードマスク材料は、前記指定された動作帯域幅において前記メタサーフェス材料よりも低い屈折率を有する包埋材料として構成される、項目4に記載の方法。
(項目7)
前記ハードマスク材料は、前記指定された動作帯域幅にわたってごくわずかな吸収を有し、前記指定された動作帯域幅において約1~約2.4の間の屈折率を有する、項目6に記載の方法。
(項目8)
前記パターン化ハードマスクの前記窪み内に置かれた前記メタサーフェス材料層が、前記ハードマスク材料層の除去後に前記基板の前記表面上に残り、複数の空隙によって分けられた複数の分離したメタサーフェス特徴を形成するように、選択的なエッチングを使用して前記ハードマスク材料層を除去すること
をさらに含む、項目4に記載の方法。
(項目9)
前記特徴間の前記空隙が充填されるように包埋材料層を前記分離したメタサーフェス特徴上に蒸着させ、それにより前記包埋材料層が前記メタサーフェス材料層の前記表面上に広がるようにすることをさらに含み、前記包埋材料層は、前記指定された動作帯域幅において前記メタサーフェス材料よりも低い屈折率を有する、項目8に記載の方法。
(項目10)
前記包埋材料は、ポリ(メチルメタクリレート)、SU8、およびベンゾシクロブテンから成る群から選択されたポリマーである、項目9に記載の方法。
(項目11)
前記包埋材料は、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、二酸化チタン、窒化ケイ素、酸化ハフニウム、酸化亜鉛、およびスピンオンガラスから成る群から選択された固体フィルムである、項目9に記載の方法。
(項目12)
前記メタサーフェス材料層および前記包埋材料層が前記基板の上に均一な高さで終わるように前記包埋材料層を平坦化することをさらに含む、項目9に記載の方法。
(項目13)
前記包埋材料層および前記メタサーフェス素子の反対側に配置された前記基板の面の一方または両方の上に反射防止コーティングを蒸着させることをさらに含む、項目12に記載の方法。
(項目14)
前記反射防止コーティングは、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、およびアモルファスシリコンから成る群から選択された材料の任意の組合せが交互に重なった層から構成され、前記交互に重なった層の各々は、前記動作帯域幅内の光の前記波長を下回る厚さを有する、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記基板は、照明器もしくはセンサーの上に配置されているか、またはそれ自体が照明器もしくはセンサーであるかのいずれかである、項目1に記載の方法。
(項目16)
前記基板は、対象の光学系との使用に不適切な基板厚さを有していて、かつ次:
研削または化学エッチングの一方または両方を通して前記基板の裏側の少なくとも一部を除去すること、および
前記メタサーフェス素子の前記基板に追加の基板を位置合せして融着させること
の少なくとも1つをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目17)
前記追加の基板自体は、その片面上に配置されたメタサーフェス素子を有し、かつ前記基板および追加の基板は、前記関連メタサーフェス素子がその上に配置されている前記表面の反対側の表面に沿って融着される、項目16に記載の方法。
(項目18)
融着の前記方法は、600℃を下回るサーマルバジェットを有する接合プロセスを使用する、項目16に記載の方法。
(項目19)
接合プロセスは、光エポキシ、ベンゾシクロブテン、UV硬化ポリマー、SU8、およびプラズマ活性化二酸化ケイ素フィルムの群から選択された接着剤を使用するウエハ接合プロセスである、項目18に記載の方法。
(項目20)
融着前に、前記基板の一方または両方の裏側の少なくとも一部を除去することをさらに含む、項目18に記載の方法。
(項目21)
少なくとも第1のメタサーフェス素子を第1の基板の第1の面上に形成することと、少なくとも第2のメタサーフェス素子を第2の基板の第1の面上に形成することと、前記第1および第2の基板を、600℃を下回るサーマルバジェットを有する接合プロセスを使用して、前記基板の前記第1の面の反対側の面に沿って一緒に融着することとをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目22)
前記複数のメタサーフェス特徴は不均一である、項目1に記載の方法。
(項目23)
前記複数のメタサーフェス特徴は、前記メタサーフェス特徴の寸法に基づいて事前に判断可能な量だけ理想の形状から逸脱する、項目1に記載の方法。
(項目24)
少なくとも第1のメタサーフェス素子を第1の基板の第1の面上に形成することと、少なくとも第2のメタサーフェス素子を第2の基板の第1の面上に形成することと、前記第1および第2の基板を、600℃を下回るサーマルバジェットを有する接合プロセスを使用して、前記基板の前記第1の面の反対側の面に沿って一緒に融着することとを含む、マルチメタサーフェス素子を形成する方法。
(項目25)
前記接合プロセスは、光エポキシ、ベンゾシクロブテン、UV硬化ポリマー、SU8、およびプラズマ活性化二酸化ケイ素フィルムの群から選択された接着剤を使用するウエハ接合プロセスである、項目24に記載の方法。
(項目26)
融着前に、前記基板の一方または両方の裏側の少なくとも一部を除去することをさらに含む、項目24に記載の方法。
(項目27)
前記第1および第2のメタサーフェス素子の少なくとも1つを包埋および平坦化することと、
少なくとも第3のメタサーフェス素子を第3の基板の第1の面上に形成することと、
前記第1の面の反対側の前記第3の基板の前記面を、600℃を下回るサーマルバジェットを有する接合プロセスを使用して、前記平坦化された第1または第2のメタサーフェスに融着することと
をさらに含む、項目24に記載の方法。
(項目28)
前記平坦化は、前記第1および第2のメタサーフェス素子の少なくとも1つをポリマーまたは固体接合剤のいずれか1つに包埋することをさらに含む、項目27に記載の方法。
(項目29)
形成、包埋、および融着を行うステップを反復して、4つ以上のメタサーフェス素子の層状スタックを形成することを含む、項目27に記載の方法。
(項目30)
前記層状スタックの一方の端部における層の少なくとも1つは、照明器またはセンサーのいずれか1つである、項目29に記載の方法。
(項目31)
スペーサ基板を、前記メタサーフェス素子の反対側の前記第1および第2の基板の前記面の間に挿入することであって、前記スペーサ基板は、それを通して配置された少なくとも1つの開口を有することと、
600℃を下回るサーマルバジェットを有する接合プロセスを使用して、前記スペーサ基板を前記第1および第2の基板に融着し、そのために前記少なくとも1つの開口が前記第1および第2の基板の間に空隙を形成するようになることと
をさらに含む、項目24に記載の方法。
(項目32)
前記スペーサ基板は、ポリマー、SiO 、およびガラスの群から選択された低屈折率材料で形成される、項目31に記載の方法。
(項目33)
前記スペーサ材料はブラッククロムでコーティングされる、項目32に記載の方法。
(項目34)
形成、挿入、および融着を行うステップを反復して、3つ以上のメタサーフェス素子の層状スタックを形成することをさらに含む、項目31に記載の方法。
(項目35)
前記層状スタックの一方の端部における層の少なくとも1つは照明器またはセンサーのいずれか1つである、項目24に記載の方法。
(項目36)
前記複数のメタサーフェス特徴は不均一である、項目24に記載の方法。
(項目37)
前記複数のメタサーフェス特徴は、前記メタサーフェス特徴の寸法に基づいて事前に判断可能な量だけ理想の形状から逸脱する、項目24に記載の方法。
(項目38)
前記メタサーフェス素子は包埋および平坦化されていて、前記指定された動作帯域幅内の光の前記波長より小さいか、または同じオーダーの距離だけ相互にオフセットされたメタサーフェス特徴の2つの層を含み、それによりメタサーフェス特徴の前記2つの層が連動して動作して衝突光に位相シフトを課す、項目1に記載の方法。
(項目39)
メタサーフェス特徴の2つの層を基板上に形成することを含み、前記2つの層は、前記指定された動作帯域幅内の光の前記波長より小さいか、または同じオーダーの距離だけ相互にオフセットされ、それによりメタサーフェス特徴の2つの層が連動して動作して衝突光に位相シフトを課す、複合メタサーフェス素子を形成する方法。
(項目40)
前記複数のメタサーフェス特徴は不均一であり、前記メタサーフェス特徴の寸法に基づいて事前に判断可能な量だけ理想の形状から逸脱し、前記理想の形状は正方形であり、前記理想的な正方形は、前記メタサーフェス特徴が円形として形成される200nmよりも小さい側面寸法を有しており、かつ前記理想的な正方形は、前記メタサーフェス特徴が丸くされた縁部を有する正方形として形成される300nmよりも小さい側面寸法を有する、項目1に記載の方法。
(項目41)
複数の同一または固有の第1のメタサーフェス素子を形成することと、
平面配列に配置された複数の同一または固有の照明源を提供して、前記複数の第1のメタサーフェス素子の少なくとも1つを前記配列内の前記複数の照明源の各々と統合し、そのために前記複数の照明源の各々からの光が前記第1のメタサーフェス素子の少なくとも1つを通過し、それにより角偏向がかけられるようにすることと、
前記第1のスペーサ層を照明源の前記平面配列と前記第1のメタサーフェス素子との間に配置することであって、前記第1のスペーサ層は、前記それぞれ第1のメタサーフェス素子に衝突する前に、前記平面配列の前記照明源の各々から放出された光に発散を引き起こすように構成されていることと、
前記第2のメタサーフェス素子を、前記複数の第1のメタサーフェス素子から距離を置いて配置することであって、前記第2のメタサーフェス素子は、前記複数の照明源の全部の発光によって形成された明視野に遠視野照射パターンをインプリントするように構成されていることと、
第2のスペーサ層を前記第1と第2のメタサーフェス素子の間に配置し、そのためにオフセット距離がその間に形成されるようにすることと
をさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目42)
複数の同一または固有の第1のメタサーフェス素子を形成することと、
平面配列に配置された複数の同一または固有の照明源を提供して、前記複数の第1のメタサーフェス素子の少なくとも1つを前記配列内の前記複数の照明源の各々と統合し、そのために前記複数の照明源の各々からの光が前記第1のメタサーフェス素子の少なくとも1つを通過し、それにより角偏向がかけられるようにすることと、
前記第1のスペーサ層を照明源の前記平面配列と前記第1のメタサーフェス素子との間に配置することであって、前記第1のスペーサ層は、前記それぞれ第1のメタサーフェス素子に衝突する前に、前記平面配列の前記照明源の各々から放出された光に発散を引き起こすように構成されていることと、
前記第2のメタサーフェス素子を、前記複数の第1のメタサーフェス素子から距離を置いて配置することであって、前記第2のメタサーフェス素子は、前記複数の照明源の全部の発光によって形成された明視野に遠視野照射パターンをインプリントするように構成されていることと、
第2のスペーサ層を前記第1と第2のメタサーフェス素子の間に配置し、そのためにオフセット距離がその間に形成されるようにすることと
を含む、メタサーフェス素子を形成する方法。
(項目43)
少なくとも前記第1のスペーサ層は、固体材料を含む、項目42に記載の方法。
(項目44)
少なくとも前記第2のスペーサ層は、空隙を含む、項目42に記載の方法。
(項目45)
前記複数のメタサーフェス特徴は不均一である、項目42に記載の方法。
(項目46)
前記複数のメタサーフェス特徴は、前記メタサーフェス特徴の寸法に基づいて事前に判断可能な量だけ理想の形状から逸脱する、項目42に記載の方法。
(項目47)
複数の同一または固有の第1のメタサーフェス素子を形成することと、
平面配列に配置された複数の同一または固有のセンサー素子を提供して、前記複数の第1のメタサーフェス素子の少なくとも1つを前記配列内の前記複数のセンサー素子の各々と統合し、そのために前記複数のセンサー素子の各々に衝突する光が前記第1のメタサーフェス素子の少なくとも1つを通過し、それにより角偏向がかけられるようにすることと、
第1のスペーサ層をセンサー素子の前記平面配列と前記第1のメタサーフェス素子との間に配置することであって、前記第1のスペーサ層は、前記平面配列の前記それぞれのセンサー素子に衝突する前に、前記第1のメタサーフェス素子の各々に衝突する光に発散を引き起こすように構成されていることと、
第2のメタサーフェス素子を、前記複数の第1のメタサーフェス素子から距離を置いて配置することであって、前記第2のメタサーフェス素子は、遠視野照射パターンを衝突する明視野にインプリントするように構成されていることと、
第2のスペーサ層を前記第1と第2のメタサーフェス素子の間に配置し、そのためにオフセット距離がその間に形成されるようにすることと
をさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目48)
複数の同一または固有の第1のメタサーフェス素子を形成することと、
平面配列に配置された複数の同一または固有のセンサー素子を提供して、前記複数の第1のメタサーフェス素子の少なくとも1つを前記配列内の前記複数のセンサー素子の各々と統合し、そのために前記複数のセンサー素子の各々に衝突する光が前記第1のメタサーフェス素子の少なくとも1つを通過し、それにより角偏向がかけられるようにすることと、
第1のスペーサ層をセンサー素子の前記平面配列と前記第1のメタサーフェス素子との間に配置することであって、前記第1のスペーサ層は、前記平面配列の前記それぞれのセンサー素子に衝突する前に、前記第1のメタサーフェス素子の各々に衝突する光に発散を引き起こすように構成されていることと、
第2のメタサーフェス素子を、前記複数の第1のメタサーフェス素子から距離を置いて配置することであって、前記第2のメタサーフェス素子は、遠視野照射パターンを衝突する明視野にインプリントするように構成されていることと、
第2のスペーサ層を前記第1と第2のメタサーフェス素子の間に配置し、そのためにオフセット距離がその間に形成されるようにすることと
を含む、メタサーフェス素子を形成する方法。
(項目49)
指定された動作帯域幅にわたって透光性を有する基板上に配置されたメタサーフェス特徴の配列であって、前記配列は、前記指定された動作帯域幅内の光の前記波長よりも小さい特徴サイズを有する複数のメタサーフェス特徴を含み、複数のメタサーフェス特徴の前記平面内の衝突光に位相シフトを課すように構成されている、メタサーフェス特徴の配列を含み、
前記複数のメタサーフェス特徴は不均一であり、前記メタサーフェス特徴の寸法に基づいて事前に判断可能な量だけ理想の形状から逸脱している、
メタサーフェス素子。
(項目50)
前記理想の形状は正方形であり、前記理想的な正方形は、前記メタサーフェス特徴が円形として形成される200nmよりも小さい側面寸法を有しており、かつ前記理想的な正方形は、前記メタサーフェス特徴が丸くされた縁部を有する正方形として形成される300nmよりも小さい側面寸法を有している、項目49に記載の方法。
(項目51)
平面配列に配置された、複数の同一または固有の照明源またはセンサー素子と、
照明源の前記平面配列の上に配置されて、前記平面配列の前記照明源の各々から放出された光に発散を、または前記センサー素子の各々に衝突する光に収束を引き起こすように構成されている、第1のスペーサ層と、
前記第1のスペーサ層の上に配置された複数の同一または固有の第1のメタサーフェス素子であって、前記複数の第1のメタサーフェス素子の少なくとも1つは、前記配列内の前記複数の照明源またはセンサー素子の各々と関連付けられていて、そのために前記複数の照明源の各々から放出されたか、または前記複数のセンサー素子の各々に衝突する光が前記第1のメタサーフェス素子の少なくとも1つを通過し、それにより角偏向がかけられる、複数の同一または固有の第1のメタサーフェス素子と、
前記複数の第1のメタサーフェス素子から距離を置いて配置された第2のメタサーフェス素子であって、前記第2のメタサーフェス素子は、遠視野照射パターンを衝突する明視野にインプリントするように構成されている、第2のメタサーフェス素子と、
オフセット距離がその間に形成されるように、前記第1と第2のメタサーフェス素子の間の第2のスペーサ層と
を含む、メタサーフェス対応の照明またはセンサーの配列。
(項目52)
前記メタサーフェス素子の各々上の前記複数のメタサーフェス特徴は不均一であり、前記メタサーフェス特徴の寸法に基づいて事前に判断可能な量だけ理想の形状から逸脱している、項目51に記載の照明またはセンサーの配列。
(項目53)
少なくとも前記第1または第2のメタサーフェス素子上の前記複数のメタサーフェス特徴は、非対称断面を有するように構成され、少なくとも2つの異なる回転角度で配置されて、そのために前記メタサーフェス素子は、直交偏光を有していて相互に直線的にオフセットされている少なくとも2つのパターンを前記照明源にインプリントするか、または前記センサー素子の照射前に、前記衝突光からのかかるパターンを検出するように構成されていて、前記配列は、3次元情報が前記配列により単一ショットで場面から取得されるように構成されている、項目51に記載の照明またはセンサーの配列。
(項目54)
前記照明源は、偏光されるか、または偏光されず、VCSEL、固体レーザー、量子カスケードレーザー、LED、およびスーパールミネッセントLEDから成る群から選択される、項目53に記載の照明またはセンサーの配列。
(項目55)
前記2つのパターンは固有である、項目53に記載の照明またはセンサーの配列。
(項目56)
前記2つのパターンは、少なくとも50,000の接合ポイントを有する、項目53に記載の照明またはセンサーの配列。
(項目57)
少なくとも第1のパターンは、前記場面のフォアグラウンドの測定を取得するように構成され、かつ少なくとも第2のパターンは、前記場面のバックグラウンドの測定を取得するように構成される、項目53に記載の照明またはセンサーの配列。
(項目58)
前記2つのパターンは、前記レーザー偏光に対して対角線的に偏光される、項目53に記載の照明またはセンサーの配列。
(項目59)
3つ以上の異なる偏光を有する3つ以上のパターンが使用される、項目53に記載の照明またはセンサーの配列。
(項目60)
少なくとも1つのセンサー素子と、
前記少なくとも1つのセンサー素子上にオフセット距離を置いて配置された少なくとも1つの第1の、および少なくとも1つの第2のメタサーフェス素子であって、その間に配置された第1の間隔層を有する、少なくとも1つの第1および少なくとも1つの第2のメタサーフェス素子
を含み、
前記少なくとも1つの第1および第2のメタサーフェス素子の各々は、指定された動作帯域幅にわたって透光性を有する少なくとも1つの基板上に配置されたメタサーフェス特徴の配列を含み、前記配列は、前記指定された動作帯域幅内の光の前記波長よりも小さい特徴サイズを有する複数のメタサーフェス特徴を含み、複数のメタサーフェス特徴の前記平面内の衝突光に位相シフトを課すように構成されていて、
前記少なくとも1つの第1および第2のメタサーフェス素子の各々上のメタサーフェス特徴の前記配列は、指定された視野にわたって指定された動作帯域幅の光を収集し、前記入射光をシフトさせて、それがゼロ度またはゼロ度に近い主光線角度で前記センサー素子に衝突するように構成される、
メタサーフェス素子対応センサー。
(項目61)
前記第1の間隔層は、固体スペーサ材料または空隙のいずれか1つである、項目60に記載のセンサー。
(項目62)
前記視野は±44度である、項目60に記載のセンサー。
(項目63)
前記メタサーフェス素子と前記センサー素子との間に配置された狭帯域光学フィルタをさらに含む、項目60に記載のセンサー。
(項目64)
前記狭帯域光学フィルタは、二酸化ケイ素、二酸化チタン、アモルファスシリコン、窒化ケイ素および酸化アルミニウムから成る群から選択された、低屈折率および高屈折率をもつ交互に重なった層から構成される、項目60に記載のセンサー。
(項目65)
前記メタサーフェス素子と前記センサー素子との間に配置された複数の同一のマイクロレンズをさらに含む、項目60に記載のセンサー。
(項目66)
前記少なくとも1つの第1のメタサーフェス素子および少なくとも1つの第2のメタサーフェス素子は、同じ基板の反対側に配置されて、前記基板は前記第1の間隔層を含む、項目60に記載のセンサー。
(項目67)
前記基板の両側上の前記2つのメタサーフェス素子は同じ高さを有する、項目60に記載のセンサー。
(項目68)
前記2つのメタサーフェス素子は、圧力化学蒸着および原子層蒸着の群から選択されたコンフォーマル蒸着プロセスを使用して、前記同じ基板の前面および背面上に同時に蒸着されたフィルムから形成される、項目60に記載のセンサー。
(項目69)
前記少なくとも1つの第1のメタサーフェス素子および少なくとも1つの第2のメタサーフェス素子は、空隙によって分離された別々の基板上に互いの方へ内側に向けて配置される、項目60に記載のセンサー。
(項目70)
前記少なくとも1つの第2のメタサーフェスの前記基板の外側に向いた面に組み込まれた光学帯域通過フィルタをさらに含む、項目69に記載のセンサー。
(項目71)
前記第1および第2のメタサーフェス素子とCMOSセンサーとの間に配置されて、前記入射光の経路を角度的に分岐し、そのために前記CMOSセンサー上に衝突する前記光が非ゼロの主光線角度を有するように構成された、少なくとも第3のメタサーフェス素子をさらに含む、項目60に記載のセンサー。
(項目72)
前記少なくとも3つのメタサーフェスは、を前記指定された視野にわたって格子歪み5%未満に最小限にするように構成される、項目72に記載のセンサー。
(項目73)
前記センサー素子はCMOSセンサーである、項目60に記載のセンサー。
(項目74)
少なくとも1つのセンサー素子および少なくとも1つの照明源と、
前記少なくとも1つのセンサー素子および少なくとも1つの照明源の各々の上にオフセット距離を置いて配置されて、それぞれ各々と関連付けられた少なくとも1つの間隔層を有する、少なくとも1つの別個のメタサーフェス素子と
を含み、
前記メタサーフェス素子の各々は、指定された動作帯域幅にわたって透光性を有する基板上に配置されたメタサーフェス特徴の配列を含み、前記配列は、前記指定された動作帯域幅内の光の前記波長よりも小さい特徴サイズを有する複数のメタサーフェス特徴を含み、前記照明源と関連付けられて配置された前記少なくとも1つの照明メタサーフェス素子は、複数のメタサーフェス特徴の前記平面内でそれから放出された明視野に放射パターンを課すように構成され、前記少なくとも1つのセンサー素子と関連付けられて配置された前記少なくとも1つのセンサーメタサーフェス素子は、場面の前記照射後に、前記明視野の前記放射パターンを検出するように構成されている、
メタサーフェス素子対応の単一プラットフォームイメージング/検出システム。
(項目75)
前記照明源および前記センサー素子の各々と関連付けられた複数の別個のメタサーフェス素子およびスペーサ層をさらに含む、項目74に記載のシステム。
(項目76)
前記照明源と関連付けられたメタサーフェス素子は、2つの直交偏光を前記明視野にインプリントして、直交偏光を有していて相互に直線的にオフセットされている少なくとも2つのパターンを前記明視野上に生成して前記場面を照射し、かつ前記センサー素子と関連付けられた前記メタサーフェス素子は、前記場面に関する3次元情報が収集できるように前記少なくとも2つのパターンを検出するように構成される、項目74に記載のシステム。
(項目77)
照明源遠視野を計算することと、
対象遠視野を計算することであって、前記対象はメタサーフェス素子であることと、
前記対象遠視野に対する最小二乗適合を計算して擬似遠視野を取得し、それにより前記擬似遠視野および前記照明源遠視野のコンボリューションで前記対象遠視野をもたらすことと、
初期のメタサーフェス特徴配列格子および位相を初期状態に設定することと、
1つ以上の目標費用関数を決定して、前記メタサーフェス素子の複数のピクセルの各々に対する前記1つ以上の費用関数の各々に対して勾配関数を計算することと、
前記1つ以上の費用関数および前記勾配関数からの結果を最適化アルゴリズムに入力することと、
前記メタサーフェス素子の前記複数のピクセルの各々に対する前記位相を更新し、前記目標費用関数が収束するまで勾配計算および最適化を繰り返すことと、
計算されたメタサーフェス素子位相プロファイルを出力することと
を含む、所望の遠視野強度を照明源にインプリントするためのメタサーフェス素子を製作するための方法。
(項目78)
前記費用関数は、対象からの平方距離、最近隣距離、照射下の前記メタサーフェス素子の前記遠視野投影の平方誤差、および計算された遠視野の平滑度から成る群から選択される、項目77に記載の方法。
(項目79)
前記最適化アルゴリズムは、共役勾配またはL-Broyden-Fletcher-Goldfarb-Shannonのいずれか1つである、項目77に記載の方法。
(項目80)
前記指定された動作帯域幅内の光の前記波長よりも小さい特徴サイズを有する複数のメタサーフェス特徴を含み、複数のメタサーフェス特徴の前記平面内の衝突光に位相シフトを課すように構成されている基板上にメタサーフェス素子を形成する方法であって、前記基板は、対象の光学系との使用に不適切な基板厚さを有していて、かつ次:
研削または化学エッチングの一方または両方を通して前記基板の裏側の少なくとも一部を除去すること、および
前記メタサーフェス素子の前記基板に追加の基板を位置合せして融着させること
の少なくとも1つをさらに含む、方法。
(項目81)
前記追加の基板自体は、その片面上に配置されたメタサーフェス素子を有し、かつ前記基板および追加の基板は、前記関連メタサーフェス素子がその上に配置されている前記表面の反対側の表面に沿って融着される、項目80に記載の方法。
(項目82)
融着の前記方法は、600℃を下回るサーマルバジェットを有する接合プロセスを使用する、項目80に記載の方法。
(項目83)
前記接合プロセスは、光エポキシ、ベンゾシクロブテン、UV硬化ポリマー、SU8、およびプラズマ活性化二酸化ケイ素フィルムの群から選択された接着剤を使用するウエハ接合プロセスである、項目82に記載の方法。
(項目84)
融着前に、前記基板の一方または両方の裏側の少なくとも一部を除去することをさらに含む、項目82に記載の方法。
(項目85)
少なくとも第1のメタサーフェス素子を第1の基板の第1の面上に形成することと、少なくとも第2のメタサーフェス素子を第2の基板の第1の面上に形成することと、前記第1および第2の基板を、600℃を下回るサーマルバジェットを有する接合プロセスを使用して、前記基板の前記第1の面の反対側の面に沿って一緒に融着することとをさらに含む、項目80に記載の方法。
(項目86)
前記複数のメタサーフェス特徴は不均一である、項目80に記載の方法。
(項目87)
前記複数のメタサーフェス特徴は、前記メタサーフェス特徴の寸法に基づいて事前に判断可能な量だけ理想の形状から逸脱する、項目80に記載の方法。
(項目88)
前記第1および第2のメタサーフェス素子の少なくとも1つを包埋および平坦化することと、
少なくとも第3のメタサーフェス素子を第3の基板の第1の面上に形成することと、
前記第1の面の反対側の前記第3の基板の前記面を、600℃を下回るサーマルバジェットを有する接合プロセスを使用して、前記平坦化された第1または第2のメタサーフェスに融着することと
をさらに含む、項目85に記載の方法。
(項目89)
前記平坦化は、前記第1および第2のメタサーフェス素子の少なくとも1つをポリマーまたは固体接合剤のいずれか1つに包埋することをさらに含む、項目88に記載の方法。
(項目90)
形成、包埋、および融着を行うステップを反復して、4つ以上のメタサーフェス素子の層状スタックを形成することを含む、項目88に記載の方法。
(項目91)
前記層状スタックの一方の端部における層の少なくとも1つは照明器またはセンサーのいずれか1つである、項目90に記載の方法。
(項目92)
スペーサ基板を、前記メタサーフェス素子の反対側の前記第1および第2の基板の前記面の間に挿入することであって、前記スペーサ基板は、それを通して配置された少なくとも1つの開口を有することと、
600℃を下回るサーマルバジェットを有する接合プロセスを使用して、前記スペーサ基板を前記第1および第2の基板に融着し、そのために前記少なくとも1つの開口が前記第1および第2の基板の間に空隙を形成するようになることと
をさらに含む、項目88に記載の方法。
(項目93)
指定された動作帯域幅にわたって透光性を有する基板上に配置されたメタサーフェス特徴の配列であって、前記配列は、前記指定された動作帯域幅内の光の前記波長よりも小さい特徴サイズを有する複数のメタサーフェス特徴を含み、複数のメタサーフェス特徴の前記平面内の衝突光に位相シフトを課すように構成されていて、かつ前記複数のメタサーフェス特徴は、
SiO 内に包埋されて、500~1000nmのピラー高さおよび100~300nmのピラー直径を有するアモルファスSiメタサーフェス特徴、
SiO 内に包埋されて、600nmのピラー高さおよび100~300nmのピラー直径を有するアモルファスSiメタサーフェス特徴、
間に配置された空隙を有し、1~500nmのピラー高さおよび100~350nmのピラー直径を有するアモルファスSiメタサーフェス特徴、
間に配置された空隙を有し、480nmからのピラー高さおよび100~280nmのピラー直径を有するアモルファスSiメタサーフェス特徴、
間に配置された空隙を有し、300~1000nmのピラー高さおよび100~350nmのピラー直径を有するTiO メタサーフェス特徴、
間に配置された空隙を有し、975nmのピラー高さおよび100~300nmのピラー直径を有するTiO メタサーフェス特徴、
ベンゾシクロブタン内に包埋されて、590nmのピラー高さおよび100~300nmのピラー直径を有するアモルファスSiメタサーフェス特徴、
SiO 内に包埋されて、600nmのピラー高さおよび100~275nmのピラー直径を有するアモルファスSiメタサーフェス特徴、
SU8内に包埋されて、675nmのピラー高さおよび100~300nmのピラー直径を有するアモルファスSiメタサーフェス特徴、ならびに
450nmの素子間隔で、600nmのピラー高さおよび100~300nmのピラー直径を有する、空気中のアモルファスSiメタサーフェス特徴
から成る群の1つから形成される、メタサーフェス特徴の配列を含む、
メタサーフェス素子。
(項目94)
前記アモルファスSiは水素化される、項目93に記載のメタサーフェス素子。
【0104】
説明は、以下の図面を参照すると、より完全に理解され、図面は、本発明の例示的な実施形態として提示されており、本発明の範囲の完全な列挙として解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0105】
図1図1A図1G。本発明の実施形態に従ったメタサーフェス素子のための製作プロセスを図解する概略図を提供する。
図2A】本発明の実施形態に従って反射防止コーティングを備えた包埋されたメタサーフェス素子を図解する概略図を提供する。
図2B】本発明の実施形態に従って反射防止コーティングを備えた平坦化されて包埋されたメタサーフェス素子を図解する概略図を提供する。
図3】本発明の実施形態に従ってメタサーフェス素子を製作するためのプロセスを図解する概略流れ図を提供する。
図4図4A図4C。本発明の実施形態に従って様々な断面の特徴を有するメタサーフェス素子の概略図を提供する。
図5】本発明の実施形態に従ったメタサーフェス素子を有する複数の基板の組合せを図解する概略図を提供する。
図6】本発明の実施形態に従った多重メタサーフェス素子を有する複数の基板の組合せを図解する概略図を提供する。
図7】本発明の実施形態に従い、空隙を組み込んでいる多重メタサーフェス素子を有する複数の基板の組合せを図解する概略図を提供する。
図8A】本発明の実施形態に従い、センサー/照明器構成要素と統合されたスペーサを組み込んでいるメタサーフェス素子を図解する概略図を提供する。
図8B】本発明の実施形態に従ってスペーサを組み込んでいるメタサーフェス素子を図解する概略図を提供する。
図9】本発明の実施形態に従った多重メタサーフェス素子基板を図解する概略図を提供する。
図10A】本発明の実施形態に従い、VCSELまたはVCSEL配列から任意放射パターンを生成するためにメタサーフェス素子を使用するための流れ図を提供する。
図10B】本発明の実施形態に従い、図10Aのプロセスを使用して取得された位相(10B)および強度(10C)の図を提供する。
図10C】本発明の実施形態に従い、図10Aのプロセスを使用して取得された位相(10B)および強度(10C)の図を提供する。
図11】本発明の実施形態に従い、第2のメタサーフェス素子と共に統合型パッケージに接合された、ピクセル化されたセンサー素子または照明源のセットと接合された配列メタサーフェス素子を図解する概略図を提供する。
図12図12A図12C。本発明の実施形態に従い、メタサーフェス素子を分割してVCSEL配列から2つの固有の放射パターンを生成する偏光を図解する概略図を提供する。
図13】本発明の実施形態に従い、フォーカスされた光の主光線角度がフィルタ平面に関して0度である場合に、カットフィルタなどの第2の素子と接合された2メタサーフェス素子を図解する概略図を提供する。
図14】本発明の実施形態に従い、各メタサーフェス素子が固有の基板上に形成される場合の、2つのメタサーフェス素子システムを図解する概略図を提供する。
図15】本発明の実施形態に従い、複数の単色収差を補正するように設計された3メタサーフェス素子システムを図解する概略図を提供する。
図16】本発明の実施形態に従った図15のメタサーフェス素子システムに対してイメージセンサー面における主光線角度を像の高さの関数として図解する概略図を提供する。
図17】本発明の実施形態に従った図15のメタサーフェス素子システムからの格子歪みの一例を図解する概略図を提供する。
図18】本発明の実施形態に従い、照明器および検出器上にメタサーフェス素子をもつ統合システムを図解する概略図を提供する。
図19】本発明の実施形態に従い、偏光が追加の自由度を提供する場合に、照明器および検出器上にメタサーフェス素子をもつ統合システムを図解する概略図を提供する。
図20】本発明の実施形態に従い、SiO内に包埋されたアモルファスシリコンから成る円柱状ピラーを含むメタサーフェス特徴の位相および透過応答(transmission response)を示すデータグラフを提供する。
図21】本発明の実施形態に従い、空気中のアモルファスシリコンから成る円柱状ピラーを含むメタサーフェス特徴の位相および透過応答を示すデータグラフを提供する。
図22】本発明の実施形態に従い、空気中のアモルファスTiOから成る円柱状ピラーを含むメタサーフェス特徴の位相および透過応答を示すデータグラフを提供する。
図23】本発明の実施形態に従い、850nmの波長に対する、ポリマー内にカプセル化されたアモルファスシリコンから成る円柱状ピラーを含むメタサーフェス特徴の位相および透過応答を示すデータグラフを提供する。
図24】本発明の実施形態に従い、850nmの波長に対する、SiO内にカプセル化されたSiから成る円柱状ピラーを含むメタサーフェス特徴の位相および透過応答を示すデータグラフを提供する。
【発明を実施するための形態】
【0106】
ここで図面を参照すると、メタサーフェス素子、かかるメタサーフェス素子を光源および/または検出器と統合している統合システム、ならびにかかる光学配置および統合システムの製造および操作方法が提供される。多くの実施形態は、透過型メタサーフェス素子を他の半導体デバイスまたは追加のメタサーフェス素子と統合するためのシステムおよび方法に関し、より詳細には、かかるメタサーフェスの基板、照明源およびセンサーとの統合に関する。いくつかの実施形態では、メタサーフェス素子は、照明源からの出力光を成形するか、または場面から反射された光を収集し、偏光を使用して2つの固有のパターンを形成するために使用され得る。かかる実施形態では、成形された発光および集光は、単一のコデザインされたプローブおよび検出光学系に統合され得る。
【0107】
多くの実施形態では、メタサーフェス素子は、2つ以上のメタサーフェス光学素子の組合せを含む多層メタサーフェス素子を統合し得る。様々なかかる実施形態では、多層メタサーフェス素子は、自立式(すなわち、特定の照明器またはセンサーと共にシステムに直接統合されない)である。いくつかのかかる実施形態では、光学系は、そのいずれかの面上に配置されたメタサーフェス素子を有する単一の物理的構成要素または基板から構成され得る。いくつかの実施形態では、多重メタサーフェス素子を有する複数の基板が組み合わされて、より複雑なシステムが作られ得る。かかる実施形態では、基板の厚さは、光学系の要件、製造制約および2つのメタサーフェスの特定の設計によって決定され得る。様々な実施形態では、多層メタサーフェス素子は、各個々のメタサーフェス素子を固有の基板上にパターン化し、その後、基板を、適切な技術、例えば、ウエハ接合、光学接着剤、を通して一緒に融着させることによって形成され得る。しかし、一般に、実施形態によれば、任意の数のメタサーフェス素子が、CMOSまたは関連プロセスを使用する任意の数のステップを通して接合され得る。
【0108】
多くの実施形態では、メタサーフェス素子は、自立式であり得るか、または別の材料内部に包埋され得る。様々なかかる実施形態では、包埋材料の選択は、屈折率および吸光特性の適切な選択を含む。多くのかかる実施形態では、包埋材料は、機械的安定性および保護ならびにメタサーフェスが所望の光学機能を実行するのを可能にする追加の設計自由度を提供し得る。
【0109】
様々な実施形態では、メタサーフェス素子は、LED、VCSELファセットまたは配列内のVCSELの各ファセット上に直接装填または製作されて、デバイス厚さを最小限にしてメタサーフェス-照明器/センサーアラインメントを最適化し得る。いくつかのかかる実施形態では、結果として生じるシステムは、自然のLambertianまたは何らかの任意の光分散を、例えば、いわゆるシルクハット、いわゆるコウモリの翼のようなプロファイル、もしくは任意の他の所望の構造化光パターン、を含む、広範囲で本質的に任意の光分散に変換するために使用できる。
【0110】
いくつかの実施形態では、定義された厚さ(例えば、作動距離)の間隔層が、CMOSイメージセンサー、LED、VCSELなどの上に蒸着されて、所望のカメラ設計、照明設計または最適なシステム性能に適した光学距離を実装し得る。様々なかかる実施形態では、間隔層材料は、有機または無機であり得、メタサーフェスを含む誘電体素子よりも低い屈折率を有し得る。いくつかのかかる実施形態では、間隔層の厚さは特定の光学系に対して適切な光学的間隔を提供するように変更され得る。
【0111】
様々な実施形態は、メタサーフェス素子を製作する方法にも関する。いくつかのかかる実施形態では、方法は、センサーまたは照明器などの、他のデバイスを統合しているウエハ上でのメタサーフェス素子の製造にも関し、それにより、いくつかの実施形態では、例えば、小寸法素子の機械的組立、または光学系のセンサーとの能動的アラインメントなどの、費用のかかる製造プロセスを回避する。いくつかのかかる実施形態では、メタサーフェス素子は、半導体製造工場において一連の作業でセンサー(または照明器)と統合され得る。多くのかかる実施形態では、シーケンスは、(i)センサーまたは照明器、(ii)任意選択のマイクロレンズアレイ/コリメータ、任意選択のフィルタ、任意選択の間隔層、任意選択のメタサーフェス素子(複数可)、任意選択の追加の間隔層、任意選択のメタサーフェス素子(複数可)、任意選択の反射防止(AR)層、任意選択の保護層、を含み得る。多くのかかる実施形態では、素子のシーケンスは、(i)センサーまたは照明器、(ii)任意選択のマイクロレンズアレイ/コリメータ、任意選択のフィルタ、任意選択の間隔層、任意選択のメタサーフェス素子(複数可)、任意選択の追加の間隔層、任意選択のメタサーフェス素子(複数可)、任意選択の反射防止(AR)層、任意選択の保護層、を含み得る。
【0112】
メタサーフェス素子を製造するための実施形態
【0113】
現在、メタサーフェス素子の製造は、大量製造と互換性のない特殊プロセスおよびシステムの使用を必要として、かかるメタサーフェス素子のCMOSデバイス内での実装および採用を制限している。メタサーフェス素子を形成するための従来型のプロセスの例示的な説明は、例えば、米国特許第8,848,273号に見られ、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。標準的な半導体プロセスを用いてメタサーフェスを製造する能力は、メタサーフェス光学系の機能素子、例えば、発光ダイオード(LED)、垂直共振器型面発光レーザー(VCSEL)、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)イメージセンサー、微小電気機械(MEM)デバイスなど、との直接統合を可能にし得、直接統合は、機能CMOS素子を作製するために使用されるものと同一または類似のユニットプロセスを使用した、メタサーフェス素子およびセンサー/照明器の接合を意味する。
【0114】
それに応じて、多くの実施形態は、メタサーフェス素子およびシステムの製作の方法に関し、より詳細には、従来型の半導体製造工場内で実装可能な方法に関する。様々な実施形態では、メタサーフェス素子の製造に適している従来型のプロセスは、とりわけ、フォトリソグラフィ、ナノインプリント、様々な化学蒸着(CVD)、原子層蒸着(ALD)および物理蒸着(PVD)物質移動プロセス、ならびに化学およびプラズマエッチング(およびCMS)を含み得る。図面を参照すると、メタサーフェス素子の実施形態の様々な態様の製造のために調整された製作プロセスの例示的なセットが図1A図1Gの概略図に提示されている。
【0115】
メタサーフェス光学素子は、数10ナノメートル~ミクロン規模、またはメタサーフェスが使用されている光の波長よりも一般に小さい特徴サイズをもつ誘電体から構成される。図1A図1Cを参照すると、多くの実施形態では、メタサーフェス素子を製造するための最初のステップは、メタサーフェス特徴の配列のパターニングおよび形成を含む。多くのかかる実施形態では、図1Aに示されるように、このメタサーフェス特徴形成プロセスは、それ自体が適切な基板(10)上に配置される厚さt(tはフィルムの厚さおよび最終的なメタサーフェスの高さである)の適切なハードマスク材料(12)の上にパターニング材料(14)を蒸着させることによって達成される。任意の適切な蒸着技術は、これらの層を形成するために使用され得、例えば、スパッタリング、化学蒸着(CVD)または原子層蒸着(ALD)を含む。
【0116】
本開示全体にわたって、例示的な材料が特定の実施形態に関して説明されるが、パターニング材料、ハードマスク材料、および基板の任意の適切な組合せがこれらの目的のために使用され得ることが理解されよう。例えば、様々な実施形態では、基板材料は、適切な構造支持を提供するため、および所望の帯域幅にわたって透光性を有するように選択される。実施形態で説明されるプロセスを使用して成功裏に実装されている例示的な基板材料は、例えば、溶融石英、サファイア、ホウケイ酸ガラスおよび希土類酸化物ガラスを含む。同様に、ハードマスク材料は、半導体製造工場での使用に適した任意の容易に入手できる材料から選択され得る。例示的なハードマスク材料は、例えば、ケイ素、様々なストイキオメトリの窒化ケイ素、二酸化ケイ素、二酸化チタン、アルミナなど、を含む。例えば、ハードマスク材料が包埋材料(以下でさらに詳細に説明するような)を形成する場合などの、様々な実施形態では、ハードマスク材料は、光の特定の波長において低い(例えば、1~2.4)屈折率を有するように選択され得る。最後に、実施形態に従ったパターニング材料は、任意の適切なフォトレジスト、例えば、所望のサイズのメタサーフェス特徴を形成可能なリソグラフィ波長に対して調整されたフォトレジストなど、から形成され得る。例示的なリソグラフィプロセスは、例えば、紫外線および深紫外線(DUV)リソグラフィを含む。他の実施形態では、パターニング層は、ナノインプリントリソグラフィでの使用に適したポリマー材料であり得る。使用される特定の材料とは無関係に、パターニング材料は、数10ナノメートル~ミクロン規模の所望のパターンの特徴を再現できる必要があり、後続のステップで選択領域内の基礎となるハードマスクフィルムを適切に保護する必要がある。
【0117】
具体的には、図1Bに示されるように、一旦、基板(10)、ハードマスク(12)およびパターニング材料(14)層が適切にされると、パターニング材料は、最終的な意図したメタサーフェス特徴配列構造の負または正の複製のいずれかに対応する特徴(16)の配列を再現するためにパターン化される。この特徴配列パターンを作成するプロセスは、所望の特徴サイズを作成するのに適した任意の形をとることができる。例えば、可視または近赤外線用途での使用のためのメタサーフェス素子の実施形態では、UVリソグラフィ(例えば、UVリソグラフィステップの操作の波長が193nmを下回る場合)が使用され得る。さらに他の実施形態では、パターンは、ナノインプリントリソグラフィプロセスにおいてマスタースタンプによって物理的にインプリントされ得る。
【0118】
図1Cに示されるように、一旦、所望の特徴配列パターン(16)が適切にされると、所望の特徴パターンをハードマスク層(12)内に移動させるために異方性エッチングプロセスが使用される。実施形態に従った使用のための例示的な異方性エッチングプロセスは、反応性イオンエッチングプロセスである。反応性イオンエッチングプロセスでは、例えば、SFガス、Clガス、BClガス、Cまたはこれらのガスの任意の混合物を含む、いくつかの可能なケミストリが使用され得ることが理解されよう。さらに、ガス混合物は、静的であり得るか、または1つ以上のガスが導入され、その後、何らかの設定された期間の後に、第2の固有のセットの1つ以上のガスが続く多重化方式で、時間を限定され得る。使用される特定の異方性エッチングプロセスにかかわらず、一旦、パターンがハードコーティング層にエッチングされると、残りのフォトレジストが任意の適切な方法(例えば、化学溶剤、化学エッチング液、プラズマエッチング液など)を使用して除去され得る。様々な実施形態では、ハードマスク材料(14)内に形成された特徴配列(16)を最終的なメタサーフェス素子として使用することが望ましくあり得ることに留意されたい。かかる実施形態では、プロセスはここで停止するか、または例えば、図1Gで説明するように、適切なARコーティングもしくは機械的保護包埋層の蒸着と組み合わせることができる。
【0119】
図1Dに示されるように、特定のメタサーフェス材料が最終メタサーフェス素子で使用される場合、エッチングされたハードマスク(12)内に形成された特徴パターン(16)(図1Cで前述したとおり)は、最終メタサーフェス構造のためのテンプレートとして機能できる。かかる実施形態では、別個のメタサーフェス材料(18)が、適切なコンフォーマルコーティング方法、例えば、化学蒸着(CVD)、原子層蒸着(ALD)など、を使用して蒸着されて、マスクネガを充填してメタサーフェス素子を作製する。図のように、メタサーフェス材料(18)は、ハードマスク(12)にエッチングされた特徴パターン(16)によって形成された空間を過充填して、窪みを完全に充填する。窪み(20)を充填することに加えて、このプロセスは、残りのハードマスクの上にメタサーフェス材料の蒸着層を残す。再度、特定のメタサーフェス材料が全体にわたって説明されるが、実施形態に従ったメタサーフェス材料は、所望の屈折率を有し、かつ半導体製造工場での使用に適した任意の容易に入手可能な誘電材料から選択され得ることが理解されよう。例示的なメタサーフェス材料は、例えば、ケイ素、様々なストイキオメトリの窒化ケイ素、二酸化ケイ素、二酸化チタン、アルミナなど、を含む。
【0120】
図1Eを参照すると、一旦、メタサーフェス材料(18)の過充填が蒸着されると、エッチングまたは化学的機械的平坦化が実施形態に従って実行されて過充填層を除去して、パターン化ハードマスク(12)およびメタサーフェス材料(12)に均一の高さをもたらし得る。包埋されたメタサーフェスが望ましい実施形態、および包埋材料(前述のとおり)として機能するために適切なハードコーティング材料が選択されている実施形態では、プロセスは停止され得、結果として得られたハードコーティング材料構造内に包埋されたメタサーフェス材料は最終的なメタサーフェス素子として使用される。このメタサーフェス素子は次いで、任意選択として、以下で説明されるように、適切なARコーティング層または機械的保護層でコーティングされ得る。
【0121】
様々な実施形態では、図1Eに示されるように、ハードマスク材料(12)が除去されて、自立式メタサーフェス素子(20)が残る。かかる実施形態では、ハードマスクは、ハードマスク材料(12)をメタサーフェス材料(18)よりも遥かに高速に(例えば、100:1または1000:1またはそれ以上)エッチングする選択的エッチング化学を使用して除去され得る。当業者には理解されるように、かかるプロセスは、メタサーフェス材料およびハードマスク材料の特定の選択に依存する。例えば、ハードマスクがケイ素でメタサーフェスがTiOである実施形態では、XeFエッチング化学は選択的にケイ素を除去するが、メタサーフェス材料は本質的に不変のままにする。メタサーフェス素子が自立する、すなわち、メタサーフェス素子特徴が空隙(22)だけで分離されて基板の端部から突き出ている、ように設計される実施形態では、プロセスはこのステップで完了することに留意されたい。
【0122】
最後に、前述のように、メタサーフェスがARコーティングまたは機械的保護層を有するのが望ましいある実施形態では、最終メタサーフェス素子を完成させるために追加のステップが必要とされる。図1Gを参照すると、様々な実施形態では、ARコーティングまたは機械的保護もしくは平坦化層(24)もメタサーフェス特徴(20)の間の窪み(22)を充填するために蒸着されて、メタサーフェス材料層(18)の表面の上に延在し得る。特定の光学系設計に適した光学特性、例えば、所望の波長におけるか、または対象の帯域幅にわたる適切な屈折率および最小光吸収など(平坦化層は、複雑な光学系に対して複数レベルのメタサーフェス素子を可能にする)、を有する任意の材料がこのプロセスで使用され得ることが理解されよう。前述のとおり、メタサーフェスを保護して改善された機能性を提供するために、メタサーフェス構成要素および基板面は多くの実施形態では、1つ以上の材料または材料の層でコーティングされる。図2Aを参照すると、包埋されたメタサーフェスの概略図が示されている。図示されているように、メタサーフェス特徴(20)は、前述のように所望の光学特性をもつ任意の材料にでき、典型的には低屈折率を有する包埋媒体(24)に包埋される。例示的な包埋材料は、例えば、ポリ(メチルメタクリレート)、SU8、ベンゾシクロブテン、および/または固体フィルム、例えば、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、二酸化チタン、窒化ケイ素、酸化ハフニウム、酸化亜鉛、もしくはスピンオンガラスなど、を含む。低指数包埋媒体は、メタサーフェス特徴をカプセル化して、メタサーフェス特徴の上に幾分かの厚みを広げ得る。かかる実施形態では、低指数媒体はメタサーフェス素子に対する保護バリアとして機能し得る(すなわち、機械的安定性をもたらす)。包埋材料は、例えば、メタサーフェスの全体的な透過性または効率性を改善するために、ある特性を最適化するのを可能にするシステムに対する追加の設計自由度も提供し得、いくつかの場合には、別個のARコーティングに対する必要性を除去し得る。ここでは、包埋されたメタサーフェスは基板上に製作されているが、以下で詳細に説明されるように、メタサーフェスはセンサー/照明器からも延出できることが示されている。接合された素子(メタサーフェス、包埋媒体および基板)は、メタサーフェス(26´)を含んでいる基板の面上および/または基板(26)の裏面上の適切な反射防止コーティングでも覆われ得る。多くの実施形態では、ARコーティングは、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、またはアモルファスシリコンの任意の組合せが交互に重なった層から構成され得、各々は、メタサーフェスの動作帯域幅内の光の波長を下回る厚さを有する。それに応じて、前述のように、包埋媒体自体が潜在的に、反射防止コーティングとして使用できる。
【0123】
ある包埋されたメタサーフェス実施形態が前述されているが、様々な他の実施形態では、メタサーフェスは、図2Bに示されるように、包埋および平坦化できる。かかる実施形態では、メタサーフェス素子は、適切な低指数材料(前述のとおり)に包埋され得、追加のステップでは、包埋媒体(24)は次いで、その高さがメタサーフェス素子(20)と等しくなるようにエッチングまたは平坦化される。任意選択の反射防止コーティングも、ベア基板表面(26)上またはパターン化メタサーフェス面(図示せず)上のいずれかに含まれ得る。
【0124】
メタサーフェス素子の従来型基板上での製造のための実施形態
【0125】
前述は、従来のCMOS製作技術を使用して、様々な自立式または包埋されたメタサーフェス素子を形成可能な製造プロセスを詳細に説明しているが、実際には、半導体製造工場内に前から存在する設備を使用してメタサーフェス素子の経済的生産を可能にするために、従来型のメタサーフェス素子を適合させることは可能でない可能性がある。例えば、メタサーフェス素子の光学特性を調整するために従来の方式で使用される設計基準の1つは基板の厚さである。この基板の厚さを変化させることは、所望の光学特性を得る際に、メタサーフェス素子設計者に別の自由度をもたらす。しかし、ほとんどの半導体製造工場内の前から存在する設備は、メタサーフェス素子がその上に製作される基板に関する特定の機械的要件となる制約を有する。半導体製造工場内の標準的な基板直径、例えば、200mmおよび300mmの場合、基板の厚さは、それぞれ、725ミクロンおよび775ミクロンに制限される。これらの一定の基板の厚さは、その結果として、基板上に形成されるメタサーフェスまたはかかる基板上に形成される複数のメタサーフェスのシステム(大量生産では、単一のダイ上に形成された、例えば、5,000のメタサーフェス、またはそれ以上があり得る)の、光学機能、および従って設計に特定の要件を課す。
【0126】
それに応じて、多くの実施形態は、メタサーフェス素子またはシステムの製作を、メタサーフェスまたはメタサーフェスシステムがその上に製造されている特定の基板の厚さに合わせるためのプロセスに関する。例えば、様々な実施形態では、特定の機能を光学構成要素(複数可)全体に与えるためにメタサーフェス素子によって与えられる必要がある位相シフトは、素子がその上に形成される基板の厚さに特有であろう。それに応じて、いくつかの実施形態では、メタサーフェス素子を設計および製作するための手順は、(1)メタサーフェス素子のデバイス仕様を考慮すること、(2)メタサーフェスがその上に形成されている基板の厚さおよび光学特性(屈折および吸収率)を考慮すること、(3)基板の特性に対して所望の仕様を取得するためにメタサーフェスの位相プロファイルを最適化すること、ならびに(4)位相プロファイルを再現するために必要なメタサーフェス素子の厚さおよび面内寸法を判断すること、を含む。
【0127】
図3を参照すると、標準的な基板の厚さを使用したメタサーフェスの製造に従った例示的なプロセスが提供されている。図に示されるように、メタサーフェス材料の蒸着およびリソグラフィパターニングおよびエッチング(図1A図1Gで前述のとおり)に続いて、メタサーフェス層が標準的な基板厚さに対して設計される場合、さらなるバックエンド処理のために送られる前に、追加の保護層またはARコーティングがメタサーフェス層上に配置され得る。多くのかかる実施形態では、バックエンド処理は、ダイシングプロセスを使用して、基板にわたって形成された数千ものメタサーフェスを個片化する(singulate)ことを含み得る。さらに、前述した標準的な厚さとは異なる最終的な基板厚さを有するメタサーフェスを製造することが望ましい実施形態では、基礎となる基板の厚さを変更するための追加のステップが実行され得る。かかる実施形態では、メタサーフェスは当初は、再度、業界標準と一致する、標準的な基板直径(200または300mm)で、半導体プロセスにおける標準的な厚さ(それぞれ、725または775ミクロン)に関して形成される。標準的な厚さの基板上でメタサーフェスを最初に定義した後、後続のバックエンド処理が基板の厚さを変更するために実行される。実施形態に従って基板の厚さを変更するための適切な方法は、基板材料を徐々に除去するために、例えば、研削または研削と化学処理の組合せを含む。かかる実施形態では、メタサーフェスがその上に形成されている最終的な基板の厚さは、開始の標準的な厚さよりも小さい任意の値にできる。代替として、もっと厚い基板が必要な場合、各々が任意の数のメタサーフェス(1,000~10,000の個々のメタサーフェス)を含む2つの独立したウエハが実施形態に従って接合されてウエハ接合プロセスで所望の厚さを達成でき、そのために最終的なモノリシックユニットは、両面上にメタサーフェスのセットを備えて、最終設計によって要求されるとおりの全体厚さを有する。かかる実施形態に従ったプロセスは、要求される最終的な厚さが標準的な厚さの2倍である場合、標準的な厚さの2つの基板に対して実行され得るか、または薄くされている2つの基板に対して実行して接合されたユニットの最終的な厚さが任意の所望の厚さを有するようにできる。かかる実施形態では、「バックエンド処理」は、個々の基板の各々が接合される前に相互に位置合わせできる追加のウエハ接合ステップを含み得る。
【0128】
非理想的な特徴をもつメタサーフェス素子を製造するための実施形態
【0129】
メタサーフェスを設計するための従来型のプロセスでは、設計されたメタサーフェスから製造されたものに対する形状適合度は、多くの場合、1対1対応または幾分の誤差範囲内に維持されるかのいずれかであると想定される。このアプローチは、メタサーフェス配列がしばしば、形状のセットの1つの特徴が変化する形状の単一セットから構成される、例えば、メタサーフェスにわたって変化する直径をもつ円、となる結果となる。しかし、メタサーフェスの潜在的な大量生産のために使用される製造技術、例えば、前述のようなUVリソグラフィは、一般に、ある幾何形状の忠実な再現を実行することができない。そのため、多くの実施形態は、メタサーフェスの機能が非理想的かつ不均一な形状を使用して再現されるメタサーフェス素子およびメタサーフェス製造プロセスに関する。
【0130】
例えば、図4Aは、形状の不均一なセットがメタサーフェスにわたって分布されるメタサーフェスの例示的な断面の断面概略図を提供する。この特定の実施形態では、正方形のピラーが望ましい。しかし、製造後、所与のメタサーフェス内で実際に形成されるものは、辺長(例えば、s)が変化する正方形、変化する半径rの丸い角の正方形、および変化する半径rまたはrをもつ円の配列である。具体的には、より大きな特徴はここでは、正方形または丸い角の正方形となるように設計されるが、正方形の辺長が幾分最小辺長を下回って縮小されると、正方形は円になる。実施形態に従ったプロセスでは、製造限界は各所望のメタサーフェス特徴形状に関してシミュレートされ、これらの非理想的であるか、または不均一な特徴の素子が次いで、最終的なメタサーフェス素子配列構造を決定するために使用される。
【0131】
例えば、図4Bおよび図4Cは、メタサーフェス素子マスクレチクルからの印刷および設計されたパターンの変異を例示する図を提供する。図に示されるように、辺200nmおよび450nmの周期の設計された正方形特徴に対する実施形態では、印刷された製造技術は実際には直径200nmの円(図4B)を複製する。それに対して、辺296nmおよび450nmの間隔の正方形特徴に対して、製造された特徴は丸い角の正方形(図4C)である。その結果、正方形のメタサーフェス特徴が設計されるメタサーフェス素子の多くの実施形態は、約300nmを下回る丸みを帯びた正方形および約200nmを下回る円で置換されて、業界標準のCMOS再現技術の使用を可能にし得る。
【0132】
多重メタサーフェス素子を製造するための実施形態
【0133】
前述のとおり、様々な実施形態は、2つの基板をウエハ接合してメタサーフェス素子を一緒に統合するための方法に関する。かかる実施形態は、例えば、ダブレットおよびトリプレットなどの、多重メタサーフェス素子(例えば、2または3つの別個のメタサーフェス特徴配列を含むメタサーフェス素子)の簡易製造を可能にするために変更され得る。具体的には、多くのウエハ接合プロセスが存在するが、各々は特定のサーマルバジェットを接合されている基板に課す。メタサーフェス素子の多くの実施形態は、アモルファスSiをメタサーフェス材料として使用するので、基板の過加熱はSiの結晶化という結果となり得る。それに応じて、低温で2つ以上のメタサーフェス素子のウエハ接合を可能にするために、低温プロセスを使用して、例えば、UV硬化ポリマー(ベンゾシクロブタン(BCB)または同様のものなど)、またはプラズマ活性化SiOを使用してなど、メタサーフェスダブレットおよびトリプレットの形成を可能にする、実施形態が提示される。
【0134】
図5を参照すると、実施形態に従ってメタサーフェスダブレットを形成するための概略図が示されている。図示されているように、多くのかかる実施形態では、複数の固有のメタサーフェス素子(30&32)が2つの別個の基板(34&36)上に作製される。メタサーフェス素子は次いで、各固有の基板の底面(例えば、メタサーフェス素子のない基板の面の部分)を融着することにより接合システムにされる。前述のとおり、基板は、ウエハ接合技術、光エポキシ、または使用されるメタサーフェス材料の許容サーマルバジェット内で2つの固有の素子を単一素子に接合するための任意の適切な方法によって融着され得る。多くの実施形態における接合材料(38)は、ベンゾシクロブテン、硬化ポリマーSU8、またはガラス接合を容易にする二酸化ケイ素フィルムなどの、接着剤であり得る。メタサーフェス材料のサーマルバジェットが低い(600℃未満)事例では、二酸化ケイ素結合は、低温プラズマ活性化SiO接合であり得る。追加として、図示されていないが、メタサーフェスは、図2Aおよび図2Bに例示された実施形態で説明されるように包埋され得る。加えて、図3を参照して説明されるように、最終的にメタサーフェス間の空間の総厚を構成する、2つの基板の厚さが、接合システムのある特性を最適化するためにさらに変更され得る。
【0135】
本開示は今まで2つのメタサーフェス素子だけを組み込む実施形態を詳述してきたが、本プロセスは任意の数のメタサーフェス素子に一般化され得る。例えば、ある用途では、3つ以上のメタサーフェスをモノリシックユニットに接合することを要求し得る。かかる場合、別個のメタサーフェス素子を含む2つの基板が、当初の接合されていないユニットを形成し得る。かかるプロセスの例示的な実施形態の図解が図6に提供されている。図に示されるように、多くのかかる実施形態では、メタサーフェス基板(40)の少なくとも1つは、メタサーフェス素子(42)でパターン化された一面だけを有しているが、他方、基板の反対側は完全に無パターンにできるか、または対象の特定の波長に対する帯域通過フィルタ(44)も含み得る。かかる実施形態では、フィルタは、1つ以上の適切な材料から形成され得、例えば、二酸化ケイ素、二酸化チタン、アモルファスシリコン、窒化ケイ素、および酸化アルミニウムなどの、低屈折率および高屈折率材料の交互に重なった層を含む。少なくとも第2のメタサーフェス基板(46)は、基板の各面上に2つの固有のメタサーフェス素子(48&50)を有する(この第2のメタサーフェス基板は、図5に関連して前述したように、それ自身の中間接合ステップを通して形成されている可能性もある)。メタサーフェス基板(40&46)は次いで、各固有の基板の底面を(例えば、メタサーフェス素子のない第1の基板(40)の面の部分を2つのメタサーフェス素子(48&50)の1つを含む第2の基板(46)の面の部分と)融着することにより接合システムにされる。前述のとおり、基板は、ウエハ接合技術、光エポキシ、または使用されるメタサーフェス材料の許容サーマルバジェット内で2つの固有の素子を単一素子に接合するための任意の適切な方法によって融着され得る。多くの実施形態における接合材料は、ベンゾシクロブテン、硬化ポリマーSU8またはガラス接合を容易にする二酸化ケイ素フィルムなどの、接着剤であり得る。メタサーフェス材料のサーマルバジェットが低い(600℃未満)事例では、二酸化ケイ素結合は、低温プラズマ活性化SiO接合であり得る。この接合材料は、接合される2つの基板の面上または面の間に配置される。ある実施態様では、様々なメタサーフェス素子は前述したように、任意選択としてカプセル化できる(52&54)。しかし、接合プロセスを容易にするための多くの実施形態では、少なくとも接合されたトリプレットデバイス内でベア基板面または帯域通過フィルタ(44)のいずれかの近位にあるメタサーフェス素子(48)はポリマーおよび/または固体接合剤(56)内に包埋される。
【0136】
メタサーフェス素子を接合する前述の事例では各メタサーフェス素子は固体基板によって分離されているが、いくつかの実施形態では、各メタサーフェス素子は代わりに、空隙によって分離され得る。図7を参照すると、空隙を含むメタサーフェスダブレットの概略図が示されている。図に示されるように、多くのかかる実施形態では、2つ以上のメタサーフェス素子(60&62)は、図5に関連して前述された方法などの、適切な方法を使用して、固有の基板(64&66)上に形成される。固有のメタサーフェス素子は次いで、エッチングされた1つ以上の開口(70)を含む第3の基板またはスペーサ基板(68)と接合されてモノリシックユニットを作り、この場合、メタサーフェス間の開口内の空間は充填されていない(すなわち、そのために空隙がメタサーフェス素子(60&62)間に形成される)。メタサーフェス間の空間はシステムレベルの最適化のための追加の設計ツールを提供する。例えば、多くの実施形態では、スペーサウエハの厚さを調整することにより、様々な異なる設計を実装できる。加えて、様々な実施形態では、図7にも示されるように、照明器および/またはセンサー(74)などの、他のシステム要素を組み込むために追加のスペーサ基板(72)を追加することが可能である。
【0137】
かかるスペーサ基板を組み込んでいる実施形態では、任意の適切な基板材料が使用され得る。例えば、多くの実施形態では、スペーサ基板は、例えば、ポリマー、SiO、ガラスなどの、任意の低指数材料であり得る。加えて、他の実施形態では、スペーサ材料はブラッククロムでコーティングされ得る。メタサーフェス素子は任意の材料からも形成され得、それは、例えば、ケイ素、TiO、アルミナ、金属など、特定の帯域幅に対して最適化されている。メタサーフェス素子は、図1A図1Gで説明したようなかかる方法を使用して、または半導体製造プロセス一般を使用しても、製作され得る。
【0138】
前述の実施形態では2および3のメタサーフェスを接合するためのプロセスを説明したが、しかし、かかる実施形態は単に2または3のメタサーフェスを超えて拡張され得る。例えば、図5図7に関連して前述したステップを反復することにより、実施形態は、任意の数のメタサーフェス素子の積み重ねを可能にする。図8Aを参照すると、様々な実施形態では、メタサーフェス(80、82、84など)およびスペーサ層(86、88など)のセットが、照明器またはセンサーと直接統合され得る。かかる実施形態では、任意選択のスペーサ層(90)がまず、例えば、図1A図1Gに関連して前述したとおり、適切な蒸着プロセスを通してセンサー/照明器(92)上に形成される。スペーサ層(90)に続いて、任意の数のメタサーフェス素子(80~メタサーフェスn+1)が、所望の機能を実行するための必要に応じて製作され得る。各後続のメタサーフェスもスペーサ層(86~スペーサn+1)によって分離され得、各間隔層の厚さは、光学設計によって必要とされるとおり変更され得る。前述のように、スペーサ層はかかる実施形態では、任意の低指数材料、例えば、ポリマー、SiO、ガラス、であり得る。同様に前述のとおり、メタサーフェス素子はかかる実施形態では任意の材料でもあり得、それは、例えば、ケイ素、TiO、アルミナ、金属など、特定の帯域幅に対して最適化されている。メタサーフェス素子は、図1A図1Gで説明したようなかかる方法を使用して、または他の適切な半導体製造プロセス一般を使用して、製作され得る。
【0139】
前述はセンサーまたは照明器(92)との統合を想定しているが、メタサーフェス素子およびスペーサ層のセットは、図8Bに示されるように、基板(90)上にも反復して製作できる。図に示されるように、かかる実施形態では、プロセスは図8Aに関連して説明されるとおりであるが、メタサーフェス/スペーサのスタックをセンサー/照明器(92)上に統合するのではなく、スタックがスタンドアロンの基板(90)上に作製される。かかる実施形態に従って接合された基板とスタックは次いで、光学系に組み込まれるか、またはスタンドアロンの光学構成要素として使用され得る。
【0140】
多層メタサーフェス素子およびそれらの製造の実施形態
【0141】
上で詳述された実施形態では、各メタサーフェス素子は、より大規模な光学系において固有の光学機能を実行するように設計されて、メタサーフェス素子は典型的には巨視的な距離(10以上の波長の距離)だけ分離されるが、様々な実施形態では、複数の2層のパターン化材料が相互に微視的な距離を置いて(例えば、相互に光の波長よりも小さいかまたは同じオーダーの距離を置いて)提供され得、そのため、層は一緒に単一のメタサーフェス素子を形成して単一の光学機能を実行する。これは、非常に複雑なメタサーフェス特徴を必要とする光学機能が求められる場合に特に好都合であり得る。かかる複雑な特徴は、製造するための標準的なCMOS製造技術の能力を超え得る。かかる場合、実施形態に従い微視的な距離で配置された単純な特徴の組合せが使用されて、複雑な特徴形状の光学機能が再現され得る。図9を参照すると、距離toffsetだけ分離されたパターン化材料の2つの層を含むメタサーフェス素子の実施形態の概略図が提供される。2層システムに対する概略図だけが示されているが、距離toffsetが複数の層の光学機能の組合せを可能にするために十分に小さい限り、任意の数のかかる層が提供され得ることが理解されよう。これらの特徴層は、上で、図1図8に関連して説明した製造ステップの任意の適切な組合せを使用して、形成および接合され得る。
【0142】
メタサーフェス素子をVCSELと統合するための実施形態
【0143】
実施形態に従ってメタサーフェス素子を製作する技術およびプロセスは、照明源とのそれらの統合も直接可能にする。特に興味深いのは、メタサーフェス素子のVCSELおよびVCSEL配列との組合せである。一般に、透過型メタサーフェス素子は、任意位相プロファイルを電磁波上にインプリントして、任意の放射パターンを遠視野に生成できる。実施形態に従ったメタサーフェス素子のための製造技術は、VCSEL、固体レーザー、量子カスケードレーザー、LED、スーパールミネッセントLEDまたは任意の固体光源との直接統合を可能にする。
【0144】
VCSELは、レーザー光のほぼ平行なビームを単一波長で生成する単一(または2、3の)モードのレーザーとして概念化できる。多くの場合、十分な出力または空間広がりを生成するために、デバイスは1つのVCSELではなく、VCSELの2次元配列を含む。この光は実空間および角度空間において分布(または照射)を有する。メタサーフェスは、適切にコデザインされてVCSEL配列と統合される場合、VCSELまたはVCSEL配列のいずれかの実空間および角度空間分布の両方を変換する能力を有する。具体的には、メタサーフェス素子をVCSELと組み合わせると、メタサーフェス素子が任意放射パターンを源上にインプリントするのを可能にする(例えば、コウモリの翼、シルクハット、スーパーガウス、または当技術分野で既知の他のパターン)。
【0145】
図10Aは、実施形態に従い、任意の所望の遠視野強度をVCSEL配列から作成するためにメタサーフェスを製作するための、プロセスの流れ図を提示する。実空間内で照射を取得するために、VCSELは、実施形態に従い、遠視野領域内で動作すると想定される。VCSELの特徴的な遠視野(VCSEL-FF)は、実験データから、照射下の表面に伝搬され、それはこの場合、上で定義されたとおりメタサーフェス素子である。VCSEL配列の場合、(VCSEL-FF)を介した多くのVCSELからの出力は、非干渉性の仮定の下で、表面で合計されて照射を生成する。この表面照射は次いで、メタサーフェス素子(I-MS)において強度分布を与える。この照射された表面のあらゆるポイントは、VCSEL遠視野角度分布から得られた、その上への入射光の角度の分布も有する。単純化する事例では、実施形態に従い、照射された全てのポイントがこの同じVCSEL遠視野角度分布を有する場合を考慮することが可能であるが、とはいえ、各ポイントはわずかに異なる角度分布を有する。
【0146】
設計内のメタサーフェス素子において角度の分布を考慮に入れるメタサーフェス素子を生成するために、対象の遠視野分布(TARGET_FF)から本プロセスの実施形態は、特性を有する擬似遠視野(PSEUDO-FF)を構成し、そのコンボリューションは、
((PSEUDO-FF)*(VCSEL-FF))(x,y)=(TARGET-FF)(x,y) (式1)
すなわち、実施形態に従い、VCSEL遠視野でコンボリューションされた擬似遠視野は、対象の遠視野を再現する。かかる実施形態では、擬似遠視野は、曲線を対象関数に適合させることによって計算される。次いで(PSEUDO-FF)が、本プロセスの残りにおいて対象(または目標関数)として使用される。
【0147】
様々な実施形態では、本プロセスは、メタサーフェス格子を離散化し、位相を何らかの初期状態に設定することによって初期化することにより開始する。多くの実施形態では、費用関数が決定される。様々な実施形態では、これは、(PSEUDO-FF)に対するVCSEL照射下でメタサーフェスの遠視野投影の平方誤差となるように選択される。いくつかの実施形態では、計算された遠視野における結果の平滑度などの、他の目標も任意選択として設定できる。各目標に関して、対応する勾配関数も導出される。この勾配関数および費用関数の計算結果は次いで、実施形態で、実施形態に従い、図10Aに要約されるように、最適化アルゴリズムへの入力として使用される。最適化アルゴリズムは、実施形態に従って、ピクセル位相の結果を更新し、目標関数が何らかの基準(例えば、収束)を満足するまで継続する。費用関数が収束すると、必要なメタサーフェス位相プロファイルが出力され、メタサーフェス素子設計が波長および所望の材料(例えば、以下で詳細に説明されるとおり)に応じて選択されて、メタサーフェス素子に対する物理的設計が作成され得る。
【0148】
例示的なデータプロットは、実施形態に従い、例示的な事例に関して前述されたアルゴリズムを採用した後、位相(10B)および強度(10C)に関する本プロセスの出力を示す。図に示されるように、かかる実施形態では、位相はメタサーフェス素子によって符号化され、右側の強度プロファイルはレーザー源がメタサーフェス素子を通過した後に生成されて、遠視野に投影される。それに応じて、かかるプロセスを使用すると、所望の動作条件下で提案されたメタサーフェス素子に対する予測性能データを取得し、例えば、素子のサイズ、高さおよび間隔などの、メタサーフェス素子設計の態様を変更することによりその性能を最適化する方法を図解することが可能である。
【0149】
メタサーフェス素子を照明配列と統合するための実施形態
【0150】
前述のプロセスはメタサーフェス素子を、例えば、図7および図8Aで示されるような、単一の照明源と統合することにフォーカスしてきたが、メタサーフェス素子はピクセル化されて分布された照明源のセットとも統合できる。図11に図解されるように、様々な実施形態は、場面(110)を照射するように設計された照明源のセット、p、p、・・・p(これは1Dで示されているが、本システムは2D配列に拡張でき、一般に、配列は周期的に間隔を置かれる必要がないことが理解されよう)を含み得る。各照明器は同一であり得るが、多くの実施形態では、各照明器の特質は一般に固有であり得る。例えば、各照明器は、異なる波長、帯域幅を有し得うるか、または独自に駆動された光波形さえ出力し得る。特定の用途では、図11における配列は、VCSELの配列であり得る。他の用途では、配列内でその後、周期的に反復される3つの色(例えば、赤、緑および青)があり得る。配列を含む各照明器は固有の特性を有し得るので、各々が独自に設計された特性を備えた、メタサーフェス素子の配列を有することも好都合であり得る。かかる実施形態では、メタサーフェス配列(100)は、スペーサ(104)(図7または図8Bと同様)によって照明器配列(102)からオフセットされ得る。前述のとおり、スペーサ層(104)の厚さは特定の設計によって決まるが、多くの実施形態では、厚さは、照明源からの光が、メタサーフェス配列(100)と接触する前に、十分に発散するのを可能にするように構成される。再度、配列内の各メタサーフェス素子の機能は一般に固有であり得るが、ある実施形態では、各メタサーフェス素子は、基礎となる照明器ピクセルの視準を提供し得るか、または各メタサーフェス素子は各基礎となる照明器ピクセルをさらに混合するように機能し得る。
【0151】
第1のメタサーフェス配列(100)に加えて、様々な実施形態は、第2のメタサーフェス素子(106)を組み込んで照明器配列(102)からの放射光をさらに成形し得る。様々な実施形態では、第2のメタサーフェス素子(106)は第2のスペーサ層(108)によってもオフセットされる。この第2のスペーサ層(108)は図11では空隙スペーサとして示されているが、このスペーサは、前述した他の実施形態におけるように、固体材料にもできることが理解されよう。多くの実施形態では、第1のメタサーフェス配列(100)は、追加の角度発散を照明器配列(102)に導入するように構成され、他方、第2のメタサーフェス素子(106)は特定の遠視野放射パターンを明視野上にインプリントする。他の実施形態では、第2のメタサーフェス素子(106)は、各々が固有の機能性を備えた、メタサーフェス素子の配列からも形成され得る。すべてのかかる実施形態では、メタサーフェス素子、および特に、システム内の第2のメタサーフェス素子は、図10Aで説明されるアルゴリズムの実施形態を使用して設計され得る。この特定の事例では、本システムは、場面(110)を照射するためにメタサーフェス配列/素子によって成形されたピクセル化照明器(102)の配列として説明されているが、本システムは、逆に考えることもできる。例えば、ピクセル化照明源は代わりに、CMOSイメージセンサーのピクセルであり得、場面に投影されている光の代わりに、本システムは、場面(10)から光を収集してその光の焦点をピクセルに合わせるように構成され得る。
【0152】
照明源がVCSELである全ての実施形態では、本開示は、VCSELの配列(VCSEL配列)にも適用できることが理解される。かかるVCSEL配列では、設計可能な特性を備えた多くの個々の開口VCSELが単一チップ上に接合される。かかるVCSEL配列は、照明源の総出力を増大させるために使用される。配列は、個々のVCSELの1次元行または個々のVCSELの2D格子から構成され得、各事例では、VCSELの特定の特性(例えば、出力、波長、開口直径、ビーム発散など)および個々のVCSELの配置(例えば、中心間距離、周期的または非周期的間隔など)は全て、自由に選択できる。
【0153】
メタサーフェス素子統合の文脈では、一般に(しかし、必ずしもではなく)固有に設計された特性を備えたメタサーフェス素子の実施形態は、本明細書で概説する技術のいずれかを使用して、配列内の各個々のVCSELの上にパターン化できる。例えば、メタサーフェスは、配列内の各個々のVCSELのファセット上に直接製作され得るか、または適切な誘電体スペーサがVCSEL上に蒸着され、続いて接合された誘電体層とVCSELの上にメタサーフェスが統合され得る。かかる実施形態では、メタサーフェスは各VCSELに対して特定の放射パターンを提供し得、システム全体(VCSEL特性、幾何的パラメータおよびメタサーフェス対応放射パターン)は性能パラメータの特定セットに対して反復して最適化できる。
【0154】
様々な他の実施形態では、構成するVCSEL材料の屈折率よりも低い屈折率をもつ、誘電材料は、単一のメタサーフェスが誘電材料の上にパターン化できるように、蒸着されて平坦化され得る。これは、配列内の各VCSELがそのファセット上にパターン化された固有のメタサーフェスを有する実施形態とは対照的である。再度、かかる実施形態では、接合されたシステムは、所望の性能を達成するように最適化され得る。最後に、前述の実施形態の全てでは、メタサーフェスのVCSEL配列との統合は、ウエハレベル光学プロセスを使用して達成され得る。かかる実施形態では、スペーサ層は、図7に示されるデバイスと同様に、固体誘電体ではなく、空気であり得る。
【0155】
メタサーフェス素子を3D用途に統合するための実施形態
【0156】
ある3D構造化光用途では、擬似ランダムバイナリ配列(PSBA)が場面上に投影される。典型的なPSBAは、例えば、正方格子内に、2D空間を離散化することによって構築される。x-y平面内の各格子点が、固有のインデックス(i,j)によって特性化でき、ここでiおよびjは整数である。各点(i,j)において、格子点がドットを有している(2進値の1を表す)か、または有していない(2進値の0を表す)かを判断するために擬似ランダムアルゴリズムが使用される。
【0157】
典型的には、入射レーザー光を、例えば、VCSELまたはVCSEL配列から単一のドットパターンに変換するために回折光学素子(DOE)が使用される。かかる変換方式は、投影された領域における2つの強度値(ドットまたはドットではない)だけに依存する。しかし、一般に、複数のパターンを単一の場面に与え、複数パターンの各々に対して分離可能な情報チャネルに存在すること(すなわち、単一の素子から場面上に投影された2つのパターンを有すること、および各パターンをセンサー平面において固有に識別するための方法を有すること)が望ましい。3Dイメージングのいくつかの方式では、複数のパターンが異なるタイムスライスにおいて場面に投影される(時間的変化)。これらの方式は、複数の別個の照射パターン、または投影されるパターンを異なる時点において変更するように静電的に調整できる、空間光変調器などの、何らかの能動素子のいずれかを使用する。しかし、これらの方式は、シングルショット取得(single-shot acquisition)を許可せず、複雑さ、および従ってシステムの費用が増大して、統合されたレーザー/DOEよりも実質的に大きくなる傾向がある。それに応じて、多くの実施形態は、3D構造化光用途に対してシングルショット取得を提供するように構成されたメタサーフェス素子に関する。
【0158】
図12A図12Cを参照すると、2つの直交偏光をもつ2つの固有なドットパターンを照明源(124)にインプリント可能である、非対称断面(例えば、長方形または楕円形)、固定の高さ、および回転軸をもつ複数のメタサーフェス特徴(122)から成るメタサーフェス素子(120)の例示的な実施形態が提供される。この例示的な実施形態は、固定偏光のレーザーに関して説明されるが、実施形態は、非偏光源(例えば、発光ダイオード(LED))に関して動作するようにも構成され得、その場合、メタサーフェス素子の機能は非偏光を2つの別個の偏光に分割して(図12Bに概略的に示されるように)、所望の任意パターンを投影光にインプリントすることであろう。照明源が何であれ、様々な他の実施形態では、メタサーフェス素子は、本開示で説明される実施形態に従って、照明源(例えば、LED、VCSEL、VCSEL配列など)と統合できる。例えば、図12Aを参照すると、メタサーフェス素子(120)は、所望の厚さの基板(126)上に製作され、次いで、後に照明源(124)に接合されるスペーサ層と接合されるか、照明源に直接接合されるか、またはメタサーフェス素子がその上に形成される基板がその後、個々のユニットにダイスカットされ、バックエンドパッケージングを通してレーザー源と接合できる。3Dイメージングシステムの様々な実施形態に関して、照明源は近赤外(NIR)(例えば、850または940nmの波長)であり得る。
【0159】
使用されるメタサーフェス素子の特定の構成および製造にかかわらず、かかる実施形態では、メタサーフェス素子は、強度だけではなく、照明源から放出された光の偏光も成形することによって動作する。具体的には、強度の変動に加えて、光は偏光として知られるベクトル量も有する。偏光照明源を所与として、照明偏光を2つの直交偏光またはチャネルの基底に分解することが可能である。これらの偏光基底の直交性に起因して、これらの異なる偏光チャネル上にインプリントされた任意のパターンは、これらの偏光チャネルを分離するように構成された適切な検出器を通して独立して検知もできる。
【0160】
特定の例として、次の事例を検討されたい。水平偏光
【数1】
で光を放出する照明源(この例では、レーザーなどの偏光照明源)に関して、出力を、式:
【数2】
に従い、2つの偏光に分解することが可能であり、式中、
【数3】
および
【数4】
はこの例では、対角および非対角の直線偏光である(しかし、任意のセットの偏光が実施形態に従って使用され得ることが理解されよう)。かかる場合、図12Cに示されるように、照明源(124)の上に配置されたメタサーフェス素子(120)のメタサーフェス特徴(122)のパターンは、それが別個のドットパターン(図12Bに示されるとおり)をこれら2つの偏光の各々上にインプリントするように構成される。実施形態に従い、これらのドットパターンは、図12Bの例示的な概略図に示されるとおり、明確にするために各偏光に対して固有であり得るか、または一部、重複し得る。しかし、ドットの特定の構成にかかわらず、実施形態では、これらのパターンは、空間の同じ領域に投影される(すなわち、それらの格子は同一の空間的原点を有する)。様々な実施形態では、全ての点に関して、パターン1でドットがあり、パターン2でドットがないか、その逆も同じであるように、相補的なドットパターンが使用され得るが、これは本質的ではない。かかる相補的なドットパターン構成は、場面の単一のドット(例えば、領域)が捕捉中に失われた場合、それを捕捉し得る別個の偏光の補足的なドットがあり、従ってある程度の冗長性を提供するという利点を有する。加えて、正方格子上のドットの2つのパターンはこの特定の例示的な実施形態に関連して説明されるが、投影されるパターンは任意の適切な幾何形状および外形を有する任意の構成であり得ることを理解すべきである。同様に、特定の照明偏光およびその照明偏光が分解された偏光数が説明されているが、任意の偏光および任意の数の異なる偏光が実施形態に従って使用され得ることが理解されよう。
【0161】
前述のように、実施形態は、各パターンがその上にインプリントされる偏光チャネルの直交性の結果として動作する。この直交性のため、所与の場面からの反射光は、適切な検出器によって分離され、図12Bに示されるように、同じ場面の複数の像、パターン1に対応する偏光1をもつもの、およびパターン2に対応する偏光2をもつもの、を作成できる。最終結果は、かかるシステムの実施形態は、時分割多重化を必要とすることなく、場面から反射された歪んだパターンの2つの名目上独立した測定をもたらすことである。それに応じて、かかるシステムの実施形態は、3Dイメージングシステムにおいてシングルショット、複数測定を提供するために使用でき、従って曖昧さを減らして精度を向上させる。
【0162】
モバイルデバイスで使用される典型的なパターン投影システムは、例えば、場面上に投影できる総ポイント数に制限がある。この制限は、VCSEL配列内の構成VCSELの数(それはパターンを生成する光学系の動作によって変更可能でない)および構造化光パターンを生成する光学系がVCSEL配列を含む各VCSELの複数の複製を作成する能力の組合せに起因する。実用的な実施態様では、これはパターン内の投影ポイント数を特定の数N(典型的には、およそ30,000)に制限する。前述した偏光依存のメタサーフェスシステムの実施形態によれば、単一のメタサーフェス素子は、各直交偏光に対して複数の完全に固有のパターンを作成する能力を有するので、前述の制限内でさえ、所与のパターン内のドットの総数を2倍(例えば、2N)にでき、典型的なシステムにおいて、単一の投影パターンにおいて60,000ポイントもの数にまで至る。この倍加は、パターンの特質を調べることによって理解できる。概念上は、典型的な投影パターンは何らかの周期(period)pによって分離された格子点のセットを有する。プロジェクタから少し離れて、パターンは、垂直および水平距離、HおよびYによって与えられる視野に広がる。従来型のプロジェクタに関して、最大で30,000の格子点がその視野を満たし、そのために積
【数5】
となる。メタサーフェス偏光ベースのソリューションの実施形態では、光学系は、周期pをもつ1つのパターン、および同様に周期pであるが、p+p/2の線形オフセットをもつ、第2のパターンを投影し、そのために新しい格子点が各半分の周期で投影される。最終結果は、同じ視野、HおよびY内で、格子点の密度は、実施形態に従ったメタサーフェス対応の3Dシステムを使用して、2倍にできることである。
【0163】
最後に、2つの固有で区別可能なパターンが、実施形態に従ったシステムから生成できるので、かかるシステムは、短距離(<1m)および長距離(>1m)の3Dイメージングの両方に対して最適化することもできる。例えば、あるパターンは、デバイスから短距離の物体を区別するように構成でき、他方、異なるパターンは、デバイスから遥かに離れているパターンを区別するように構成され得る。かかる実施形態では、単一のデバイスを使用して、例えば、シングルショットにおいて、短距離測定のための偏光1をもつパターン1および長距離測定のための偏光2をもつパターン2、を作成することが可能であろう。
【0164】
メタサーフェス素子をイメージングシステムに統合するための実施形態
【0165】
いくつかの実施形態では、図7および図8で説明されるような方法を使用して、複数のメタサーフェス素子(例えば、2つ以上)を統合すると、接合されたシステムが実際のCMOSカメライメージングに必要な機能性を達成するのを可能にする。具体的には、CMOSカメラ(可視光場面の像を収集するために、携帯電話、コンピュータ、タブレットなどで、または生体認証のために赤外線で、使用されるものなど)は、イメージングシステムが、増大した視野(FOV)、CMOSイメージセンサーにおける視野高の関数としての主光線角度(CRA)の独立制御、および撮像されている場面の最小の光学的歪みを有することを必要とする。これらの用語は、当業者にとって通常の意味を有すると理解される。屈折レンズから構成される、従来型のイメージングシステムに関して、この機能を実行するために、5または6もの数の固有のレンズを接合する必要がある。その上、かかるイメージングシステム内に1つのメタサーフェス素子を実装することは、これらのパラメータ(CRA、FOVおよび歪みの最小化)を適切に制御するための十分な自由度を提供しない。しかし、各々が固有で独立した位相プロファイルを備えた、複数のメタサーフェスを接合することにより、広いFOV、制御可能な歪みおよび制御可能なCRAを備えたイメージングシステムが実施形態に従って実現できる。
【0166】
図13を参照すると、実施形態に従い単一の基板(134)上に接合された2つのメタサーフェス素子(130&132)をもつシステムの例示的な実施形態による光線追跡図が提供されている。様々なかかる実施形態では、基板の両面上のメタサーフェス素子は、同じ高さを有するように形成される(本明細書では詳細に説明されていないが、これらのメタサーフェス素子は、前述の図のいずれかで説明されたような方法を使用して製作され、例えば、図5で説明されたプロセスのようなプロセスを使用して接合できることが理解されよう。多くのかかる実施形態では、メタサーフェス素子は、例えば、低圧化学蒸着または原子層蒸着などの、適切なコンフォーマル蒸着プロセスを使用して、基板の両面上に同時に蒸着されたフィルムから形成され得る)。この例示的な実施形態では、2つのメタサーフェス素子は、接合されて、広いFOV(この例では±44度、しかし、これは制限する事例ではないことが理解されよう)にわたって良好な像を形成することが可能になるように構成されている。図に示されるように、かかる2メタサーフェスシステムの実施形態は、驚くべきことに、フィルタの平面において、およびテレセントリックな(すなわち、0度のCRAを有する)像平面において、自然に焦点の合った光線を生成することが分かっている。手短に言えば、従来型の屈折設計では、かかるテレセントリック設計を実現するために複雑な、多素子システムを必要とするが、実施形態によれば、同様のテレセントリック性を達成するために2つのメタサーフェス素子しか必要としない。このテレセントリック性はその結果として、改善された光学特性をもたらす。具体的には、低さ(例えば、ゼロまたはほぼゼロ度のCRA)は、狭帯域用途のために光学フィルタ(136)の帯域幅を狭めるのを可能にする。従来型の屈折設計では、特に小型のモバイル用途に対して、CRAは典型的には、15度~30度のオーダーである。これらのより大きなCRAは、その結果としてフィルタ帯域幅を著しく増大させる必要があり、さらなる周囲光が検出器に入るのを認める。狭帯域用途(例えば、近赤外VCSEL配列)では、かかる周囲光は持続性雑音源であり得る。従って、図13に示されるような接合されたメタサーフェス/フィルタシステムの実施形態は、より良い周囲光性能を可能にする。
【0167】
かかるテレセントリック設計の実施形態の追加の特質は、メタサーフェスシステムはイメージセンサーにおいてより均一な照射(当業者によって「相対照度(relative illumination)」と呼ばれる)を提供することである。メタサーフェスシステムの実施形態は、従来型の屈折レンズ系に関して追加の設計変更も提供する。典型的なCMOSイメージセンサー(CIS)ではマイクロレンズを各ピクセルと関連付けることを必要とする。屈折光学系に固有である所与のセンサー平面にわたってCRAにおける大きな変動があるので、CIS上のマイクロレンズ配列も複雑なCRA仕様を必要とする。しかし、本明細書で説明するようなメタサーフェスシステムの実施形態では、マイクロレンズ配列のCRAはCISにわたって一定の0度となるように構成されて、マイクロレンズ配列の設計および製造においてより高い簡潔さを可能にし得る。代替として、ある実施態様では、マイクロレンズ配列はCISから完全に除去されて、CIS製造における工程段階を節約し得る。
【0168】
CMOSセンサーとの使用のためのメタサーフェスシステムの実施形態は今まで、単一基板の両面上の2つのメタサーフェス素子を用いて示されているが、様々な他の実施形態では、2つのメタサーフェス素子は別個の基板上に配置され得る。かかるシステムの例示的な実施形態が図14に図解されている。図に示されるように、多くのかかる実施形態では、メタサーフェス素子は、2つの素子の間に空隙(142)を配置して、2つの別個の基板(138&140)上に配置される。空隙を組み込んでいるかかる実施形態の1つの利点は、光線が短い距離dにわたって、ガラス基板中におけるよりも空気中においてさらに曲がることができ、メタサーフェス素子間のより短い分離で照射ゾーンのさらなる拡大を可能にし、従って、メタサーフェス光学系の全体的な形状因子における縮小を可能にすることである。図14に示されるように、様々な実施形態では、メタサーフェス素子は、基板(138&140)の表面を向いている空隙(142)上に配置される。かかる実施態様は、メタサーフェス素子を環境汚染から保護するのを可能にする。追加として、かかる実施形態は、イメージャ側の基板(140)の外面を無パターンのままにするのを認めて、光学フィルタ(144)を基板上に直接統合するのを可能にする。図14に示される実施形態では、メタサーフェス素子はそれらの間の空隙に関して内側に向くように配置されているが、それらは2つの基板のいずれの表面上にも配置され得ることが理解されよう。図15に示されるメタサーフェスシステムの製造は、例えば、図7と関連付けられたプロセスなど、前述のプロセスに従い得る。
【0169】
前述は、テレセントリック光学特性を提供するように構成されたメタサーフェスシステムを説明しているが、いくつかの場合(例えば、歪み補正が必要とされる場合)、非ゼロCRAを導入する必要がある。それに応じて、実施形態は、FOV、歪みおよびCRAを同時に制御可能な少なくとも3つのメタサーフェスを含むメタサーフェスシステムにも関する。固有の位相プロファイルを有する3つのメタサーフェス素子を含むメタサーフェスシステムの例示的な実施形態の光線追跡図が図15に示されている。各々が別個の任意位相プロファイルの実現を可能にする、追加のメタサーフェス素子または複数の素子を導入すると、相当数の屈折素子から構成された典型的なシステムと比較して、光線の経路を制御するさらなる自由度をもたらす。例えば、実施形態に従った、3つのメタサーフェスから成るシステムの光学機能を2倍にするために、従来型システムにおいて6~7の屈折光学素子を必要とし得る。そのため比較のメタサーフェスシステムは、同等またはさらに改善された性能を達成しながら、かかるイメージングシステムの全体的な厚さを少なくとも50%削減し得る。
【0170】
図15に示されるように、メタサーフェスシステム自体を見ると、かかるイメージングシステムは、2つ以上の基板(156&158)上に配置された3つ以上のメタサーフェス素子(150、152&154)を含み得る。前述のとおり、これらのメタサーフェス素子は、任意の適切な誘電材料、特に、対象の波長において最小の吸収を有する誘電材料、から構成できる。図に示されるように、様々な実施形態では、第1の2つのメタサーフェス素子(150&152)は、入射光にテレセントリック光学性を付与し得、他方、第3のメタサーフェス(154)(例えば、フィルタ(156)に最も近いもの)およびイメージャはさらなる発散または曲がりを光に付与し、従ってイメージャに衝突する光に非ゼロCRAを与え得る。メタサーフェス素子および基板の特定の配置が図15に図解されているシステムに示されているが、かかる略図は、一例として役立つことを意図しており、本開示をこの通りのシステム応答に制限するものでない。素子の特定の配置にかかわらず、かかるメタサーフェス素子の製造は、例えば、図6に関連して図示および説明したプロセスなど、前述のプロセスに従い得る。
【0171】
実施形態に従ったかかる3メタサーフェス素子システムを使用すると、CRAを制御すること、従って、CMOSイメージセンサーにおける格子歪みを最小限にすることが可能である。例えば、図16は、図15に示される実施形態に基づくイメージングシステムに対して、結果として生じるCRAの制御をCMOSイメージセンサーにおける視野高の関数として示しているデータプロットを提供する。これは例示的な事例であり、視野高の関数としてのCRAの制御は、以下に示される線形事例ではなく、他の関数形式を取ることができる。同様に、図17は、図15に示される実施形態に基づくイメージングシステムに対して、格子歪みプロットを提供する。図に示されるように、かかるイメージングシステムの実施形態は、格子歪みをイメージングシステムの全FOVにわたって5%未満まで最小限にすることが可能である。
【0172】
メタサーフェス素子をイメージング/検出システムに組み込むための実施形態
【0173】
実施形態に従ったメタサーフェス素子の検出光学系および投影光学系の両方上での使用の説明された利点を所与として、様々な実施形態は、接合された照明-検出モジュールでの使用のために構成されたメタサーフェスシステムに関する。図18を参照すると、実施形態に従って統合された照明器およびセンサーシステムの概略図が提供されている。図に示されるように、かかる実施形態では、複数のスペーサ(162&162´)およびメタサーフェス素子(164&164´)を、単独で、または特定の放射パターンを提供するためにそれと共に構成された屈折素子と一緒に、有する照明器が、何らかの物体または場面(166)を照射するために使用される。対応するメタサーフェスシステムを備えたセンサー(168)(例えば、CMOSイメージセンサー)が、放射を検出するか、または場面の像を形成するために使用される。かかる実施形態では、システム全体―メタサーフェス素子(162&162´)、センサー(168)、照明器(160)―は、何らかの特定の帯域幅にわたって、または対象の特定の波長において動作するように構成され得、単一のプラットフォーム(170)上に接合され得る。照明器およびセンサーメタサーフェス素子(162&162´)は、電場の任意の偏光に影響を及ぼすように構成され得る。かかる接合されたシステムの実施形態は、コンピュータ、携帯電話、テレビモニター、壁掛け式ユニット、クレジットカード、タブレット、ミラーなど、上で使用され得る。
【0174】
図12A図12Cに関連して前述したように、メタサーフェスは固有の機能性が2つの直交偏光上にインプリントされるのも可能にする。従って、メタサーフェス照明器-検出システムの様々な実施形態はコデザインもされて偏光を追加の最適化変数と見なすことができる。図19を参照すると、放射場の偏光にも作用する統合された照明システムの概略図が提供されている。図に示されるように、1つのかかる例示的な実施形態では、1つ以上のメタサーフェス素子(174&174´)を適切なスペーサ(176&176´)任意選択の屈折素子と共にもつ照明器(172)が、場面または物体(178)を照射するために使用される。かかる実施形態におけるメタサーフェス素子は、光の任意の2つの直交偏光に対して、2つの固有で独立した放射パターンが生成できるように設計されている。メタサーフェス素子の対応するセットを備えたセンサー(180)は、場面から反射した光を収集するために使用される。図に示されるように、照明器およびセンサーメタサーフェス素子は、放射パターンを生成するために使用される2つの直交偏光が2つの固有の像をセンサー上に形成するように協調して働くように構成されている。システム―メタサーフェス(174&174´)、センサー(180)、照明器(172)―は、実施形態に従い、何らかの特定の帯域幅にわたって、または対象の特定の波長において動作するように最適化され得、単一のプラットフォーム(182)上に接合され得る。実施形態に従った照明器およびセンサーメタサーフェス素子は、電場の任意の偏光に影響を及ぼすように構成され得ることが理解されよう。実施形態に従った接合されたシステムは、コンピュータ、携帯電話、テレビモニター、壁掛け式ユニット、クレジットカード、タブレット、ミラーなど、上で使用され得る。
【0175】
メタサーフェス素子材料系の実施形態
【0176】
前述のとおり、任意の光学系内の各個々のメタサーフェス素子は、本系を含む1つ以上のメタサーフェス素子があるかどうかにかかわらず、何らかの特定の2D位相および、それが実行する透過関数
【数6】
およびt(x,y)を有する。一般に、各メタサーフェス素子は、位相および透過の固有の分布を有し得るが、同じ材料内に包埋された任意のメタサーフェス素子を含むナノ構造特徴は、同じベース構成で、および特定の波長において同一である。ほとんどの実際の単一波長用途では、透過は、最大限(1に近い)で、メタサーフェスにわたって均一であることが望まれ、他方、位相は0~2πの間の値をとる必要があるだけである。要約すれば、対象の何らかの波長、材料系(メタサーフェス材料および包埋材料)、固定の厚さおよび素子間隔に対して、0~2πの位相遅延が入射光場にインプリントできるようにナノ構造特徴を含む面内寸法のセットを見つける必要があるだけである。従って、一定の材料および波長条件におけるメタサーフェス素子設計の様々な実施形態に対して、設計ごとの唯一の変数は、メタサーフェス素子にわたるそれらのナノ構造特徴の分布である。それに応じて、特定の光学機能を所望の波長範囲にわたって実行するのに適したメタサーフェス素子材料条件の様々な実施形態が説明される。以下の説明は、メタサーフェス素子およびシステム、ならびにかかるメタサーフェス素子およびシステムを製造するためのプロセスの実施形態を記載するが。以下の実施形態は例示目的のみで提供されており、制限することを意図していないことが理解されよう。
【0177】
図20を参照すると、SiO内に包埋されたシリコンピラーを含むメタサーフェス素子の実施形態に対する位相および透過マップが提供されている。左上の図は、透過のヒートマップをピラーの直径および高さ、右側に示されたカラースケールの関数として提供する。右上の図は、位相マップをピラーの直径および高さの関数として提供する。左下は、透過のラインスキャンの図を600nmの固定の高さにおけるピラー直径の関数として提供する。右下は、相対位相のラインスキャンの図を600nmの固定の高さに対するピラー直径の関数として提供する。これらの図を使用すると、実施形態に従った全ての適切な波長にわたる特定の透過および位相に対して特定セットのピラー直径および高さを、ならびに600nmの高さに対する特定の直径も、判断できることが理解されよう。多くの実施形態では、ピラー高さは500~1000nmまで、またピラー直径は100~300nmまで変動し得る。様々な他の実施形態では、ピラー直径は100~200nmまで、またピラー高さは500~800nmまで変動し得る。様々な他の実施形態では、600nmのピラー高さにおいて、ピラー直径は100~300nmまで変動し得る。特定の高さおよび直径は、素子の透過に対する局所最適を表すが、実施形態では、特定の光学系の設計によって要求されるとおり、他のピラー高さが使用され得る。
【0178】
図21を参照すると、空気中のシリコンピラーを含むメタサーフェス素子の実施形態に対する位相および透過マップが提供されている。左上の図は、透過のヒートマップをピラーの直径および高さ、右側に示されたカラースケールの関数として提供する。右上の図は、位相マップをピラーの直径および高さの関数として提供する。左下は、透過のラインスキャンを480nmの固定の高さにおけるピラー直径の関数として提供する。右下は、相対位相のラインスキャンを480nmの固定の高さに対するピラー直径の関数として提供する。これらの図を使用すると、実施形態に従った全ての適切な波長にわたる特定の透過および位相に対して特定セットのピラー直径および高さを、ならびに480nmの高さに対する特定の直径も、判断できることが理解されよう。多くの実施形態では、ピラー高さは約1~500nmまで、またピラー直径は100~350nmまで変動し得る。様々な他の実施形態では、ピラー直径は100~250nmまで、またピラー高さは150~500nmまで変動し得る。様々な他の実施形態では、480nmのピラー高さにおいて、ピラー直径は100~280nmまで変動し得る。特定の高さおよび直径は、素子の透過に対する局所最適を表すが、実施形態では、特定の光学系の設計によって要求されるとおり、他のピラー高さが使用され得る。
【0179】
図22を参照すると、空気中のTiOピラーを含むメタサーフェス素子の実施形態に対する位相および透過マップが提供されている。左上の図は、透過のヒートマップをピラーの直径および高さ、右側に示されたカラースケールの関数として提供する。右上の図は、位相マップをピラーの直径および高さの関数として提供する。左下の図は、透過のラインスキャンを975nmの固定の高さにおけるピラー直径の関数として提供する。右下は、相対位相のラインスキャンを975nmの固定の高さに対するピラー直径の関数として提供する。これらの図を使用すると、実施形態に従った全ての適切な波長にわたる特定の透過および位相に対して特定セットのピラー直径および高さを、ならびに975nmの高さに対する特定の直径も、判断できることが理解されよう。多くの実施形態では、ピラー高さは300~1000nmまで、またピラー直径は100~350nmまで変動し得る。様々な他の実施形態では、ピラー直径は100~300nmまで、またピラー高さは300~400nmおよび/または700~1000nmまで変動し得る。様々な他の実施形態では、975nmのピラー高さにおいて、ピラー直径は100~300nmまで変動し得る。特定の高さおよび直径は、素子の透過に対する局所最適を表すが、実施形態では、特定の光学系の設計によって要求されるとおり、他のピラー高さが使用され得る。
【0180】
図23を参照すると、ベンゾシクロブタン(BCB)ポリマー内に包埋されたアモルファスシリコンピラーを含むメタサーフェス素子の実施形態に対する位相および透過マップが提供されている。上の図は、透過のラインスキャンを590nmの固定の高さおよび400nmの素子周期におけるピラー直径の関数として提供する。下の図は、位相のラインスキャンを590nmの固定の高さおよび400nmの素子周期におけるピラー直径の関数として提供する。これらの図を使用すると、実施形態に従った全ての適切な波長にわたる特定の透過および位相に対して特定セットのピラー直径および高さを、ならびに590nmの高さに対する特定の直径も、判断できることが理解されよう。多くの実施形態では、975nmのピラー高さにおいて、ピラー直径は100~300nmまで変動し得る。様々な他の実施形態では、ピラー直径は100~225nmまで変動し得る。特定の高さは、素子の透過に対する局所最適を表すが、特定の光学系の設計によって要求されるとおり、他のピラー高さが使用され得る。
【0181】
図24を参照すると、二酸化ケイ素内に包埋されたアモルファスシリコンピラーを含むメタサーフェス素子の実施形態に対する位相および透過マップが提供されている。上の図は、透過のラインスキャンを600nmの固定の高さおよび350nmの素子周期におけるピラー直径の関数として提供する。下の図は、位相のラインスキャンを600nmの固定の高さおよび350nmの素子周期におけるピラー直径の関数として提供する。これらの図を使用すると、実施形態に従った全ての適切な波長にわたる特定の透過および位相に対して特定セットのピラー直径および高さを、ならびに600nmの高さに対する特定の直径も、判断できることが理解されよう。多くの実施形態では、600nmのピラー高さにおいて、ピラー直径は100~275nmまで変動し得る。様々な他の実施形態では、ピラー直径は100~175nmまで変動し得る。特定の高さは、素子の透過に対する局所最適を表すが、特定の光学系の設計によって要求されるとおり、他のピラー高さが使用され得る。
【0182】
他の実施形態では、SU8内に包埋されたアモルファスSiメタサーフェス特徴に関して試験を実施して、675nmのピラー高さおよび100~300のピラー直径を有するかかる表面が使用に適していることが分かった。加えて、450nmの素子間隔で600nmのピラー高さおよび100~300のピラー直径を有する空気中のアモルファスSiメタサーフェス特徴は、様々な実施形態に従って適切であり得る。
【0183】
メタ材料および包埋材料の特定の組合せが前述されているが、メタサーフェス特徴、透過率および位相の同様のマップが本発明の実施形態に従って作成され得ることが理解されよう。
【0184】
均等の原則
結果的に、本発明は、ある特定の態様において説明されているが、多くの追加の修正および変形が当業者には明らかであろう。それ故、本発明は、具体的に説明されるもの以外で実施され得ることが理解される。従って、本発明の実施形態は、あらゆる点において、制限ではなく、例示として解釈されるべきである。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24