(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-26
(45)【発行日】2024-04-03
(54)【発明の名称】AC/DCコンバータユニット
(51)【国際特許分類】
H01L 25/07 20060101AFI20240327BHJP
H01L 25/18 20230101ALI20240327BHJP
【FI】
H01L25/04 C
(21)【出願番号】P 2020568082
(86)(22)【出願日】2020-01-15
(86)【国際出願番号】 JP2020001046
(87)【国際公開番号】W WO2020153190
(87)【国際公開日】2020-07-30
【審査請求日】2022-10-05
(31)【優先権主張番号】P 2019007650
(32)【優先日】2019-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019165842
(32)【優先日】2019-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【氏名又は名称】臼井 尚
(72)【発明者】
【氏名】澤田 秀喜
【審査官】井上 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-220429(JP,A)
【文献】特開2001-189416(JP,A)
【文献】国際公開第2017/154198(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/012678(WO,A1)
【文献】特開2011-250491(JP,A)
【文献】特開2017-188511(JP,A)
【文献】特開2016-100442(JP,A)
【文献】国際公開第2018/185805(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 25/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電力が入力される入力モジュールと、
前記入力モジュールから出力された交流電流が入力され、且つ直流電流を出力する
出力端子を有する第1半導体モジュールと、
前記第1半導体モジュールから出力された直流電力が入力され
る入力端子を有し、且つ直流電力を出力する第2半導体モジュールと、
前記第2半導体モジュールから出力された直流電力が入力され、且つ直流電力を出力する出力モジュールと、
前記第1半導体モジュールの前記出力端子と、前記第2半導体モジュールの前記入力端子とに接続されたコンデンサモジュールと、
を備え、
前記第1半導体モジュールおよび前記第2半導体モジュールの各々は、
複数の半導体素子、複数の入出力端子、複数の制御端子および前記複数の半導体素子を覆う封止樹脂を有する半導体装置と、
第1基板と、
前記第1基板に固定され且つ前記制御端子と接続する第1コネクタとを備え、
前記第1コネクタは、前記第1基板の厚さ方向と直角であって互いに平行である第1方向および第2方向の少なくともいずれかにおいて前記制御端子が相対動することを許容し、
前記第1コネクタは、前記第2方向視において前記封止樹脂と重なり、
前記入力モジュールは、第1出力端子および第2出力端子を有し、
前記入力モジュールの前記第1出力端子と、前記第1半導体モジュールの第1半導体装置の前記複数の入出力端子に含まれる第1入力端子とは、各々が有する締結用孔に締結部材が挿通されることによって直接接続されており、
前記入力モジュールの前記第2出力端子と、前記第1半導体モジュールの前記第1半導体装置の前記複数の入出力端子に含まれる第2入力端子とは、各々が有する締結用孔に締結部材が挿通されることによって直接接続されており、
前記コンデンサモジュールは、第1接続端子および第2接続端子を有し、
前記第1半導体モジュールの前記第1半導体装置の前記複数の入出力端子に含まれる第1出力端子と、前記第2半導体モジュールの第2半導体装置の前記複数の入出力端子に含まれる第1入力端子と、前記コンデンサモジュールの前記第1接続端子とは、各々が有する締結用孔に締結部材が挿通されることによって直接接続されており、
前記第1半導体モジュールの前記第1半導体装置の前記複数の入出力端子に含まれる第2出力端子と、前記第2半導体モジュールの前記第2半導体装置の前記複数の入出力端子に含まれる第2入力端子と、前記コンデンサモジュールの前記第2接続端子とは、各々が有する締結用孔に締結部材が挿通されることによって直接接続されている、
AC/DCコンバータユニット。
【請求項2】
前記制御端子は、前記厚さ方向に延びる起立部を有しており、
前記第1コネクタは、前記起立部が挿通される挿通孔を有する、請求項1に記載のAC/DCコンバータユニット。
【請求項3】
前記制御端子は、前記封止樹脂から前記第2方向に突出する基部を有し、
前記起立部は、前記基部の先端に繋がる、請求項2に記載のAC/DCコンバータユニット。
【請求項4】
複数の前記制御端子は、前記第1方向に並んでいる、請求項2または3に記載のAC/DCコンバータユニット。
【請求項5】
複数の前記制御端子は、前記封止樹脂を挟んで前記第2方向に分かれて配置されている、請求項4に記載のAC/DCコンバータユニット。
【請求項6】
複数の前記入出力端子は、前記第1方向において複数の前記制御端子の外側に配置されている、請求項4または5に記載のAC/DCコンバータユニット。
【請求項7】
複数の前記入出力端子は、前記封止樹脂を挟んで前記第2方向に分かれて配置されている、請求項4に記載のAC/DCコンバータユニット。
【請求項8】
前記第1基板は、前記入出力端子を挿通させる入出力用貫通部を有する、請求項2ないし7のいずれかに記載のAC/DCコンバータユニット。
【請求項9】
前記第1基板は、前記厚さ方向において互いに反対側を向く第1基板主面および第1基板裏面を有しており、
前記第1基板裏面は、前記厚さ方向において前記封止樹脂と対向している、請求項2ないし8のいずれかに記載のAC/DCコンバータユニット。
【請求項10】
前記第1コネクタは、前記第1基板に対して前記厚さ方向における前記第1基板裏面側に配置されている、請求項9に記載のAC/DCコンバータユニット。
【請求項11】
複数の前記第1コネクタは、前記第1方向に並んで配置されている、請求項10に記載のAC/DCコンバータユニット。
【請求項12】
複数の前記第1コネクタは、前記第2方向において前記封止樹脂を挟んで分かれて配置されている、請求項11に記載のAC/DCコンバータユニット。
【請求項13】
前記第1基板は、前記第1コネクタの一部を挿通させる制御用貫通部を有する、請求項10ないし12のいずれかに記載のAC/DCコンバータユニット。
【請求項14】
前記第1基板に搭載された複数の電子部品を備える、請求項9ないし13のいずれかに記載のAC/DCコンバータユニット。
【請求項15】
複数の前記電子部品は、前記第1基板主面に実装されたものを含む、請求項14に記載のAC/DCコンバータユニット。
【請求項16】
複数の前記電子部品は、前記第1基板裏面に実装されたものを含む、請求項14または15に記載のAC/DCコンバータユニット。
【請求項17】
前記封止樹脂は、前記厚さ方向にボルトを挿通させるための貫通孔を有しており、
前記第1基板は、前記厚さ方向視において前記貫通孔を内包する凹部を有する、請求項9ないし16のいずれかに記載のAC/DCコンバータユニット。
【請求項18】
前記第1半導体モジュールは、PFC用モジュールである、請求項1ないし17のいずれかに記載のAC/DCコンバータユニット。
【請求項19】
前記第2半導体モジュールは、LLC用モジュールである、請求項18に記載のAC/DCコンバータユニット。
【請求項20】
前記第2半導体モジュールと前記出力モジュールとの間に介在するトランスモジュールを備える、請求項1ないし19のいずれかに記載のAC/DCコンバータユニット。
【請求項21】
前記トランスモジュールは、入力端子および出力端子を有し、
前記第2半導体モジュールの前記出力端子と、前記トランスモジュールの前記入力端子とは、第3固定手段によって直接接続されている、請求項20に記載のAC/DCコンバータユニット。
【請求項22】
前記第3固定手段は、締結部材である、請求項21に記載のAC/DCコンバータユニット。
【請求項23】
前記第3固定手段は、溶接部である、請求項21に記載のAC/DCコンバータユニット。
【請求項24】
前記出力モジュールは、入力端子および出力端子を有する第3半導体装置を具備し、
前記トランスモジュールの前記出力端子と、前記第3半導体装置の前記入力端子とは、第4固定手段によって直接接続されている、請求項21ないし23のいずれかに記載のAC/DCコンバータユニット。
【請求項25】
前記第4固定手段は、締結部材である、請求項24に記載のAC/DCコンバータユニット。
【請求項26】
前記出力モジュールは、出力基板を有しており、
前記第3半導体装置の前記出力端子は、第5固定手段によって前記出力基板に直接接続されている、請求項24または25に記載のAC/DCコンバータユニット。
【請求項27】
前記第5固定手段は、締結部材である、請求項26に記載のAC/DCコンバータユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、AC/DCコンバータユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、スイッチング機能を有する半導体素子を有する半導体装置を備えた半導体モジュールが開示されている。半導体素子としては、たとえばIGBTチップが採用される。このような半導体装置は、スイッチング制御の対象である電流を入出力する入出力端子と、制御信号が入力される制御端子とを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体モジュールを構成する基板等と、入出力端子や制御端子との接続は、半導体モジュールの特性や製造効率に影響を及ぼす。
【0005】
本開示は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、端子接続の容易化とより確実な導通とを図ることが可能な半導体モジュールおよびAC/DCコンバータユニットを提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の側面によって提供される半導体モジュールは、複数の半導体素子、複数の入出力端子、複数の制御端子および前記複数の半導体素子を覆う封止樹脂を有する半導体装置と、第1基板と、前記第1基板に固定され且つ前記制御端子と接続する第1コネクタとを備え、前記第1コネクタは、前記第1基板の厚さ方向と直角であって互いに平行である第1方向および第2方向の少なくともいずれかにおいて前記制御端子が相対動することを許容する。
【0007】
本開示の第2の側面によって提供されるAC/DCコンバータユニットは、交流電力が入力される入力モジュールと、本開示の第1の側面によって提供される半導体モジュールからなり、前記入力モジュールから出力された交流電流が入力され、且つ直流電流を出力する第1半導体モジュールと、本開示の第1の側面によって提供される半導体モジュールからなり、前記第1半導体モジュールから出力された直流電力が入力され、且つ直流電力を出力する第2半導体モジュールと、前記第2半導体モジュールから出力された直流電力が入力され、且つ直流電力を出力する出力モジュールと、を備え、前記第1半導体モジュールの第1半導体装置の前記複数の入出力端子に含まれる出力端子と、前記第2半導体モジュールの第2半導体装置の前記複数の入出力端子に含まれる入力端子とは、第1固定手段によって直接接続されている。
【発明の効果】
【0008】
本開示の半導体モジュールによれば、端子接続の容易化とより確実な導通とを図ることができる。
【0009】
本開示のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の第1実施形態に係る半導体モジュールを示す分解斜視図である。
【
図2】本開示の第1実施形態に係る半導体モジュールを示す斜視図である。
【
図3】本開示の第1実施形態に係る半導体モジュールを示す斜視図である。
【
図4】本開示の第1実施形態に係る半導体モジュールを示す平面図である。
【
図5】本開示の第1実施形態に係る半導体モジュールを示す底面図である。
【
図6】本開示の第1実施形態に係る半導体モジュールを示す正面図である。
【
図7】本開示の第1実施形態に係る半導体モジュールを示す側面図である。
【
図8】
図4のVIII-VIII線に沿う断面図である。
【
図11】本開示の第1実施形態に係る半導体モジュールの半導体装置を示す平面図である。
【
図14】本開示の第1実施形態に係る半導体モジュールの半導体装置を示す要部拡大平面図である。
【
図16】本開示の第1実施形態に係る半導体モジュールの半導体装置を示す回路図である。
【
図17】本開示の第1実施形態に係る半導体モジュールの変形例を示す断面図である。
【
図19】本開示の第1実施形態に係るAC/DCコンバータユニットを示すブロック図である。
【
図20】本開示の第1実施形態に係るAC/DCコンバータユニットを示す平面図である。
【
図21】本開示の第1実施形態に係るAC/DCコンバータユニットを示す要部平面図である。
【
図22】本開示の第1実施形態に係るAC/DCコンバータユニットの半導体モジュールを示す正面図である。
【
図23】
図21のXXIII-XXIII線に沿う要部断面図である。
【
図24】
図21のXXIV-XXIV線に沿う要部断面図である。
【
図26】
図21のXXVI-XXVI線に沿う要部断面図である。
【
図27】
図20のXXVII-XXVII線に沿う断面図である。
【
図28】
図20のXXVIII-XXVIII線に沿う断面図である。
【
図29】本開示の第1実施形態に係るAC/DCコンバータユニットの第1変形例を示す平面図である。
【
図30】本開示の第1実施形態に係るAC/DCコンバータユニットの第2変形例を示す平面図である。
【
図31】本開示の第1実施形態に係るAC/DCコンバータユニットの第3変形例を示す平面図である。
【
図32】本開示の第1実施形態に係るAC/DCコンバータユニットの第3変形例の第3半導体装置の入力端子を示す要部断面図である。
【
図33】本開示の第1実施形態に係るAC/DCコンバータユニットの第3変形例の第3半導体装置の出力端子を示す要部断面図である。
【
図34】本開示の第1実施形態に係るAC/DCコンバータユニットの第4変形例を示す平面図である。
【
図35】本開示の第1実施形態に係るAC/DCコンバータユニットの第5変形例を示す平面図である。
【
図36】本開示の第2実施形態に係るAC/DCコンバータユニットを示す平面図である。
【
図37】本開示の第2実施形態に係るAC/DCコンバータユニットを示す要部平面図である。
【
図38】
図37のXXXVIII-XXXVIII線に沿う断面図である。
【
図39】
図37のXXXIX-XXXIX線に沿う断面図である。
【
図43】本開示の第2実施形態に係るAC/DCコンバータユニットの第1変形例を示す平面図である。
【
図44】本開示の第2実施形態に係るAC/DCコンバータユニットの第2変形例を示す平面図である。
【
図45】本開示の第3実施形態に係る半導体モジュールを示す斜視図である。
【
図46】本開示の第3実施形態に係る半導体モジュールを示す平面図である。
【
図47】本開示の第3実施形態に係る半導体モジュールを示す正面図である。
【
図48】本開示の第3実施形態に係る半導体モジュールの変形例を示す斜視図である。
【
図49】本開示の第3実施形態に係る半導体モジュールの変形例を示す平面図である。
【
図50】本開示の第3実施形態に係る半導体モジュールの変形例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0012】
本開示における「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、単にラベルとして用いたものであり、必ずしもそれらの対象物に順列を付することを意図していない。
【0013】
〔第1実施形態 半導体モジュールA1〕
図1~
図16は、本開示の第1実施形態に係る半導体モジュールを示している。本実施形態の半導体モジュールA1は、半導体装置B1、第1基板7、複数の電子部品700、複数の接続端子76および複数の第1コネクタ8を備えている。
【0014】
図1は、半導体モジュールA1を示す分解斜視図である。
図2は、半導体モジュールA1を示す斜視図である。
図3は、半導体モジュールA1を示す斜視図である。
図4は、半導体モジュールA1を示す平面図である。
図5は、半導体モジュールA1を示す底面図である。
図6は、半導体モジュールA1を示す正面図である。
図7は、半導体モジュールA1を示す側面図である。
図8は、
図4のVIII-VIII線に沿う断面図である。
図9は、
図4のIX-IX線に沿う断面図である。
図10は、
図4のX-X線に沿う断面図である。
図11は、半導体モジュールA1の半導体装置B1を示す平面図である。
図12は、
図11のXII-XII線に沿う断面図である。
図13は、
図11のXIII-XIII線に沿う断面図である。
図14は、半導体モジュールA1の半導体装置B1を示す要部拡大平面図である。
図15は、
図14のXV-XV線に沿う要部拡大断面図である。
図16は、半導体モジュールA1の半導体装置B1を示す回路図である。
【0015】
<半導体装置B1>
以下、半導体モジュールA1を構成する半導体装置B1について説明する。
図11に示す半導体装置B1は、MOSFETなどの複数のスイッチング素子を搭載した電力変換装置である。半導体装置B1は、モータなどの駆動源や、様々な電気製品のインバータ装置に用いられる。半導体装置B1は、基材10、導電部材20、補助導電部材21、複数の入出力端子3A、複数の制御端子3B、複数の半導体素子40、および封止樹脂60を備える。複数の半導体素子40は、第1スイッチング素子40Aおよび第2スイッチング素子40Bを含む。
【0016】
本実施形態の説明においては、便宜上、後述の第1基板7の厚さ方向を「z方向」と呼ぶ。本実施形態の説明においては、基材10の厚さ方向がz方向と一致する。z方向に対して直角の方向であるx方向は、第1方向に相当する。x方向およびz方向に対して直角の方向であるy方向は、第2方向に相当する。半導体装置B1は、z方向から視て、すなわち平面視において矩形状である。y方向は、半導体装置B1の短手方向に対応する。x方向は、半導体装置B1の長手方向に対応する。また、半導体装置B1の説明においては、便宜上、y方向のうち一対の入力端子31が位置する側を「y方向の一方側」と呼ぶ。y方向のうち一対の出力端子32が位置する側を「y方向の他方側」と呼ぶ。
【0017】
基材10は、
図11、
図12および
図13に示すように、導電部材20が配置されている。基材10は、導電部材20および複数の半導体素子40の支持部材をなす。基材10は、電気絶縁性を有する。基材10の構成材料は、熱伝導性に優れたセラミックスである。このようなセラミックスとして、たとえば窒化アルミニウム(AlN)が挙げられる。基材10は、第1主面11Aおよび第1裏面12Aを有する。第1主面11Aおよび第1裏面12Aは、z方向において互いに反対側を向く。第1主面11Aは、z方向のうち導電部材20が配置される側を向く。第1主面11Aは、導電部材20および複数の半導体素子40とともに封止樹脂60に覆われている。
図5に示すように、第1裏面12Aは、封止樹脂60の樹脂裏面62から露出している。
【0018】
導電部材20は、
図11、
図12および
図13に示すように、基材10の第1主面11Aに配置されている。導電部材20は、補助導電部材21、一対の入力端子31および一対の出力端子32とともに、複数の半導体素子40と、半導体装置B1に実装される配線基板との導電経路を構成している。導電部材20は、金属板である。当該金属板の構成材料は、銅(Cu)または銅合金である。導電部材20は、たとえば銀(Ag)ペーストのような接合材(図示略)により第1主面11Aに接合されている。導電部材20の表面には、たとえば銀めっきを施してもよい。なお、導電部材20は、金属板に替えて、銅箔などの金属箔でもよい。
【0019】
図11に示すように、半導体装置B1が示す例においては、導電部材20は、第1導電部20Aおよび一対の第2導電部20Bを含む。なお、導電部材20の構成は本実施形態に限定されず、半導体装置B1に要求される性能に応じて設定された複数の半導体素子40の個数に基づき、自在に設定可能である。
【0020】
図11に示すように第1導電部20Aは、第1主面11Aにおいてy方向の一方側に位置する。z方向から視て、一対の第1導電部20Aは矩形状である。第1導電部20Aの表面には、一対の第1スイッチング素子40Aが電気的に接合されている。
【0021】
図11に示すように、一対の第2導電部20Bは、第1主面11Aにおいてy方向の他方側に位置する。第1導電部20Aおよび一対の第2導電部20Bは、y方向において互いに離間している。z方向から視て、第2導電部20Bは矩形状である。一対の第2導電部20Bは、x方向において互いに離間している。一対の第2導電部20Bの各々の表面には、第2スイッチング素子40Bが電気的に接合されている。
【0022】
一対の補助導電部材21は、
図11および
図13に示すように、基材10の第1主面11Aに配置されている。一対の補助導電部材21は、第1主面11Aにおいてy方向の一方側に、かつx方向において第1導電部20Aを挟んで離間配置されている。z方向から視て、補助導電部材21は矩形状である。補助導電部材21は、金属板である。補助導電部材21の構成材料は、導電部材20の構成材料と同一である。補助導電部材21は、たとえば銀(Ag)ペーストのような接合材(図示略)により第1主面11Aに接合されている。補助導電部材21の表面には、たとえば銀めっきを施してもよい。なお、補助導電部材21は、金属板に替えて、銅箔などの金属箔でもよい。
【0023】
図11および
図13に示すように、半導体装置B1は、連結導電部材29をさらに備える。連結導電部材29は、x方向に沿って、かつ第1導電部20Aを跨いだ状態で一対の補助導電部材21の表面に接続されている。これにより、一対の補助導電部材21は、連結導電部材29を介して相互に導通している。連結導電部材29は、複数のワイヤから構成される。当該ワイヤの構成材料は、たとえばアルミニウム(Al)である。なお、連結導電部材29は、複数のワイヤに替えて、銅などから構成され、かつz方向から視てx方向に延びる金属片でもよい。
【0024】
複数の入出力端子3Aは、一対の入力端子31および一対の出力端子32を含む。複数の入出力端子3Aは、半導体装置B1のスイッチングの対象である主電流が入出力される端子である。一対の入力端子31は、
図11に示すように、半導体装置B1においてy方向の一方側に位置する。一対の入力端子31は、x方向において互いに離間している。一対の入力端子31には、外部からの直流電源が供給される。半導体装置B1においては、一対の入力端子31は、一対の出力端子32、複数の制御端子3Bとともに、同一のリードフレームから構成される。当該リードフレームの構成材料は、銅または銅合金である。一対の入力端子31は、入力端子31Aおよび入力端子31Bを含む。入力端子31Aおよび入力端子31Bの各々は、パッド部311および端子部312を有する。
【0025】
図11に示すように、パッド部311は、z方向から視て基材10に対して離間しており、かつ封止樹脂60に覆われている。これにより、一対の入力端子31は、封止樹脂60に支持されている。パッド部311の表面には、第1接続ワイヤ51が接続されている。第1接続ワイヤ51の構成材料は、たとえばアルミニウムである。なお、パッド部311の表面には、たとえば銀めっきを施してもよい。
【0026】
入力端子31Aは、一対の入力端子31の正極(P端子)をなしている。
図11および
図12に示すように、入力端子31Aのパッド部311の表面に接続された第1接続ワイヤ51は、第1導電部20Aの表面に接続されている。これにより、入力端子31Aは、第1導電部20Aに導通している。
【0027】
入力端子31Bは、一対の入力端子31の負極(N端子)をなしている。
図11に示すように、入力端子31Bのパッド部311の表面に接続された第1接続ワイヤ51は、一方の補助導電部材21の表面に接続されている。これにより、入力端子31Bは、一対の補助導電部材21に導通している。
【0028】
図11に示すように、端子部312は、パッド部311につながり、かつ封止樹脂60から露出している。端子部312は、半導体装置B1を配線基板に実装する際に用いられる。端子部312は、基部312Aおよび起立部312Bを有する。基部312Aは、パッド部311につながり、かつy方向の一方側に位置する封止樹脂60の樹脂第1側面631(詳細は後述)からy方向に延びている。
図6に示すように、起立部312Bは、基部312Aのy方向における先端から、z方向の基材10の第1主面11Aが向く側に向けて延びている。これにより、
図7~
図12に示すように、x方向から視て、端子部312はL字状をなしている。
【0029】
一対の出力端子32は、
図11に示すように、半導体装置B1においてy方向の他方側に位置する。一対の出力端子32は、x方向において互いに離間している。一対の出力端子32から、複数の半導体素子40により電力変換された交流電力(電圧)が出力される。一対の出力端子32の各々は、パッド部321および端子部322を有する。なお、出力端子32の本数は本実施形態に限定されず、半導体装置B1に要求される性能に応じて自在に設定可能である。
【0030】
図11に示すように、パッド部321は、z方向から視て基材10に対して離間しており、かつ封止樹脂60に覆われている。これにより、一対の出力端子32は、封止樹脂60に支持されている。パッド部321の表面には、第2接続ワイヤ52が接続されている。第2接続ワイヤ52の構成材料は、たとえばアルミニウムである。なお、パッド部321の表面には、たとえば銀めっきを施してもよい。
図11に示すように、一対のパッド部321の表面に接続された複数の第2接続ワイヤ52は、一対の第2導電部20Bの表面に接続されている。これにより、一対の出力端子32は、一対の第2導電部20Bに導通している。
【0031】
図11に示すように、端子部322は、パッド部321につながり、かつ封止樹脂60から露出している。端子部322は、半導体装置B1を配線基板に実装する際に用いられる。端子部322は、基部322Aおよび起立部322Bを有する。基部322Aは、パッド部321につながり、かつy方向の他方側に位置する封止樹脂60の樹脂第1側面631(詳細は後述)からy方向に延びている。
図7~
図12に示すように、起立部322Bは、基部322Aのy方向における先端から、z方向の基材10の第1主面11Aが向く側に向けて延びている。これにより、x方向から視て、端子部322はL字状をなしている。なお、端子部322の形状は、一対の入力端子31の端子部312の形状と同一である。
【0032】
複数の半導体素子40は、
図11および
図12に示すように、導電部材20のうち、第1導電部20Aおよび一対の第2導電部20Bに電気的に接合されている。複数の半導体素子40は、z方向から視て矩形状(半導体装置B1では正方形状)である。半導体装置B1が示す例においては、複数の半導体素子40は、一対の第1スイッチング素子40Aおよび一対の第2スイッチング素子40Bを含む。なお、複数の半導体素子40の個数は本実施形態に限定されず、半導体装置B1に要求される性能に応じて自在に設定可能である。一対の第1スイッチング素子40Aおよび一対の第2スイッチング素子40Bは、炭化ケイ素(SiC)を主とする半導体材料を用いて構成されたMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)である。なお、一対の第1スイッチング素子40Aおよび一対の第2スイッチング素子40Bは、MOSFETに限らずMISFET(Metal-Insulator-Semiconductor Field-Effect Transistor)を含む電界効果トランジスタや、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)のようなバイポーラトランジスタでもよい。さらには、複数の半導体素子40は、スイッチング素子のみならず、ショットキーバリアダイオードのような整流素子でもよい。半導体装置B1の説明においては、複数の半導体素子40は、一対の第1スイッチング素子40Aおよび一対の第2スイッチング素子40Bを含み、かつこれらがnチャンネル型のMOSFETである場合を対象とする。
【0033】
図14および
図15に示すように、一対の第1スイッチング素子40Aおよび一対の第2スイッチング素子40Bの各々は、素子主面401、素子裏面402、主面電極41、裏面電極42、ゲート電極43および絶縁膜44を有する。素子主面401および素子裏面402は、z方向において互いに反対側を向く。このうち素子主面401は、基材10の第1主面11Aが向く側を向く。
【0034】
図14および
図15に示すように、主面電極41は、素子主面401に設けられている。主面電極41には、ソース電流が流れる。半導体装置B1が示す例においては、主面電極41は、4つの領域に分割されている。
【0035】
図14に示すように、第1スイッチング素子40Aの主面電極41においては、分割された4つの領域の各々に第1ワイヤ501が接続されている。第1ワイヤ501の構成材料は、たとえばアルミニウムである。一対の第1スイッチング素子40Aの主面電極41に接続された複数の第1ワイヤ501は、一対の第2導電部20Bの表面に接続されている。これにより、一対の第1スイッチング素子40Aの主面電極41は、一対の第2導電部20Bに個別に導通している。
【0036】
図14に示すように、第2スイッチング素子40Bの主面電極41においては、分割された4つの領域の各々に第2ワイヤ502が接続されている。第2ワイヤ502の構成材料は、たとえばアルミニウムである。一対の第2スイッチング素子40Bの主面電極41に接続された複数の第2ワイヤ502は、一対の補助導電部材21の表面に個別に接続されている。これにより、一対の第2スイッチング素子40Bの主面電極41は、一対の補助導電部材21に個別に導通している。したがって、入力端子31Bは、補助導電部材21を介して一対の第2スイッチング素子40Bに導通している。
【0037】
図15に示すように、裏面電極42は、素子裏面402の全体にわたって設けられている。裏面電極42にはドレイン電流が流れる。
図15に示すように、第1スイッチング素子40Aの裏面電極42は、導電性を有する導電接合層49により第1導電部20Aの表面に電気的に接合されている。導電接合層49の構成材料は、たとえば錫(Sn)を主成分とする鉛フリーはんだである。これにより、一対の第1スイッチング素子40Aの裏面電極42は、一対の第1導電部20Aに導通している。第1スイッチング素子40Aの裏面電極42と同様に、第2スイッチング素子40Bの裏面電極42は、導電接合層49により第2導電部20Bの表面に電気的に接合されている。これにより、一対の第2スイッチング素子40Bの裏面電極42は、一対の第2導電部20Bに導通している。
【0038】
図14に示すように、ゲート電極43は、素子主面401に設けられている。ゲート電極43には、一対の第1スイッチング素子40Aおよび一対の第2スイッチング素子40Bの各々を駆動させるためのゲート電圧が印加される。ゲート電極43の大きさは、主面電極41の大きさよりも小とされている。
【0039】
図14および
図15に示すように、絶縁膜44は、素子主面401に設けられている。絶縁膜44は、電気絶縁性を有する。絶縁膜44は、z方向から視て主面電極41を囲んでいる。絶縁膜44は、たとえば二酸化ケイ素(SiO
2)層、窒化ケイ素(Si
3N
4)層、ポリベンゾオキサゾール(PBO)層が素子主面401からこの順番で積層されたものである。なお、絶縁膜44においては、当該ポリベンゾオキサゾール層に代えてポリイミド層でもよい。
【0040】
複数の制御端子3Bは、
図11に示すように、複数のゲート端子33および複数の検出端子34を含む。本実施形態においては、複数の制御端子3Bは、半導体装置B1のy方向両側に分かれて配置されている。複数のゲート端子33は、
図11に示すように、半導体装置B1においてy方向の両側に位置する。複数のゲート端子33は、一対の第1スイッチング素子40Aおよび一対の第2スイッチング素子40Bの個数に対応して配置されている。複数のゲート端子33の各々には、それが対応する一対の第1スイッチング素子40Aおよび一対の第2スイッチング素子40Bのいずれかを駆動させるためのゲート電圧が印加される。複数のゲート端子33の各々は、パッド部331および端子部332を有する。
【0041】
図11に示すように、パッド部331は、z方向から視て基材10に対して離間しており、かつ封止樹脂60に覆われている。これにより、複数のゲート端子33は、封止樹脂60に支持されている。パッド部331の表面には、ゲートワイヤ503が接続されている。ゲートワイヤ503の構成材料は、たとえばアルミニウムである。なお、パッド部331の表面には、たとえば銀めっきを施してもよい。
図11および
図14に示すように、複数のパッド部331の表面に接続された複数のゲートワイヤ503の各々は、対応する一対の第1スイッチング素子40Aおよび一対の第2スイッチング素子40Bのいずれかのゲート電極43に接続されている。これにより、複数のゲート端子33は、一対の第1スイッチング素子40Aのゲート電極43、および一対の第2スイッチング素子40Bのゲート電極43に個別に導通している。
【0042】
図11に示すように、端子部332は、パッド部331につながり、かつ封止樹脂60から露出している。端子部332は、半導体装置B1を配線基板に実装する際に用いられる。端子部332は、基部332Aおよび起立部332Bを有する。基部332Aは、パッド部331につながり、かつ封止樹脂60の一対の樹脂第1側面631(詳細は後述)のいずれかからy方向に延びている。基部332Aのy方向における寸法は、一対の入力端子31の基部312A、および一対の出力端子32の基部322Aの各々のy方向における寸法よりも小である。
図6に示すように、起立部332Bは、基部332Aのy方向における先端から、z方向の基材10の第1主面11Aが向く側に向けて延びている。これにより、
図7~
図12に示すように、x方向から視て、端子部332はL字状をなしている。
【0043】
図11に示すように、一対の第1スイッチング素子40Aに対応する一対のゲート端子33は、半導体装置B1においてy方向の他方側に位置する。当該一対のゲート端子33は、x方向において一対の出力端子32の間に位置する。また、一対の第2スイッチング素子40Bに対応する一対のゲート端子33は、半導体装置B1においてy方向の一方側に位置する。当該一対のゲート端子33は、x方向において一対の入力端子31の間に位置する。
【0044】
複数の検出端子34は、
図11に示すように、半導体装置B1においてy方向の両側に位置する。複数の検出端子34は、一対の第1スイッチング素子40Aおよび一対の第2スイッチング素子40Bの個数に対応して配置されている。複数の検出端子34の各々は、それが対応する一対の第1スイッチング素子40Aおよび一対の第2スイッチング素子40Bのいずれかのゲート電極43に導通するゲート端子33の隣に位置する。複数の検出端子34の各々には、一対の第1スイッチング素子40Aおよび一対の第2スイッチング素子40Bのいずれかの主面電極41に流れるソース電流に対応した電圧が印加される。複数の検出端子34の各々に印加された電圧に基づき、半導体装置B1の外部回路において主面電極41に流れるソース電流が検出される。複数の検出端子34の各々は、パッド部341および端子部342を有する。
【0045】
図11に示すように、パッド部341は、z方向から視て基材10に対して離間しており、かつ封止樹脂60に覆われている。これにより、複数の検出端子34は、封止樹脂60に支持されている。パッド部341の表面には、検出ワイヤ504が接続されている。検出ワイヤ504の構成材料は、たとえばアルミニウムである。なお、パッド部341の表面には、たとえば銀めっきを施してもよい。
図11および
図14に示すように、複数のパッド部341の表面に接続された複数の検出ワイヤ504の各々は、対応する一対の第1スイッチング素子40Aおよび一対の第2スイッチング素子40Bのいずれかの主面電極41に接続されている。これにより、複数の検出端子34は、一対の第1スイッチング素子40Aの主面電極41、および一対の第2スイッチング素子40Bの主面電極41に個別に導通している。
【0046】
図11に示すように、端子部342は、パッド部341につながり、かつ封止樹脂60から露出している。端子部342は、半導体装置B1を配線基板に実装する際に用いられる。端子部342は、基部342Aおよび起立部342Bを有する。基部342Aは、パッド部341につながり、かつ封止樹脂60の一対の樹脂第1側面631(詳細は後述)のいずれかからy方向に延びている。基部342Aのy方向における寸法は、一対の入力端子31の基部312A、および一対の出力端子32の基部322Aの各々のy方向における寸法よりも小である。
図6に示すように、起立部342Bは、基部342Aのy方向における先端から、z方向の基材10の第1主面11Aが向く側に向けて延びている。これにより、
図7~
図12に示すように、x方向から視て、端子部342はL字状をなしている。なお、端子部342の形状は、複数のゲート端子33の端子部332の形状と同一である。
【0047】
図11に示すように、図示された例においては、入力端子31Aの起立部312B、入力端子31Bの起立部312B、y方向一方側のゲート端子33の起立部332Bおよびy方向一方側の検出端子34の起立部342Bのy方向における位置が略一致している。言い換えると、入力端子31Aの起立部312B、入力端子31Bの起立部312B、y方向一方側のゲート端子33の起立部332Bおよびy方向一方側の検出端子34の起立部342Bは、x方向視において互いに重なる。
【0048】
図11に示すように、図示された例においては、一対の出力端子32の起立部322B、y方向他方側のゲート端子33の起立部332Bおよびy方向他方側の検出端子34の起立部342Bのy方向における位置が略一致している。言い換えると、一対の出力端子32の起立部322B、y方向他方側のゲート端子33の起立部332Bおよびy方向他方側の検出端子34の起立部342Bは、x方向視において互いに重なる。
【0049】
図16は、上述した複数の半導体素子40、導電部材20、補助導電部材21、連結導電部材29、複数の入出力端子3Aおよび複数の制御端子3Bによって構成される半導体装置B1電気回路を示している。このような構成の半導体装置B1は、たとえばAC/DCコンバータとして用いられる。
【0050】
封止樹脂60は、
図1~
図3、
図5~
図13に示すように、基材10(ただし、第1裏面12Aを除く。)導電部材20、補助導電部材21、連結導電部材29、複数の半導体素子40(一対の第1スイッチング素子40Aおよび一対の第2スイッチング素子40B)を覆っている。封止樹脂60は、複数の第1ワイヤ501、複数の第2ワイヤ502、複数のゲートワイヤ503、複数の検出ワイヤ504、複数の第1接続ワイヤ51および複数の第2接続ワイヤ52をさらに覆っている。封止樹脂60の構成材料は、たとえばエポキシ樹脂である。封止樹脂60は、樹脂主面61、樹脂裏面62、一対の樹脂第1側面631、一対の樹脂第2側面632、および一対の貫通孔64を有する。
【0051】
図12および
図13に示すように、樹脂主面61は、z方向の基材10の第1主面11Aが向く側を向く。樹脂裏面62は、z方向の基材10の第1裏面12Aが向く側を向く。
図5に示すように、第1裏面12Aは、樹脂裏面62から露出している。樹脂裏面62は、第1裏面12Aを囲む枠状である。
【0052】
図5および
図6に示すように、一対の樹脂第1側面631は、樹脂主面61および樹脂裏面62の双方につながり、かつy方向を向く。樹脂第1側面631のy方向の一方側からは、一対の入力端子31の端子部312と、一対の第2スイッチング素子40Bに対応して配置された一対のゲート端子33の端子部332、および一対の検出端子34の端子部342とが露出している。樹脂第1側面631のy方向の他方側からは、一対の出力端子32の端子部322と、一対の第1スイッチング素子40Aに対応して配置された一対のゲート端子33の端子部332、および一対の検出端子34の端子部342とが露出している。
【0053】
図5および
図7に示すように、一対の樹脂第2側面632は、樹脂主面61および樹脂裏面62の双方につながり、かつx方向を向く。
【0054】
図5、
図9および
図13に示すように、一対の貫通孔64は、z方向において樹脂主面61から樹脂裏面62に至って封止樹脂60を貫通している。z方向から視て、一対の貫通孔64の孔縁は円形状である。一対の貫通孔64は、基材10のx方向の両側に位置する。
【0055】
一対の凹部65は、
図5および
図9に示すように、樹脂裏面62から凹んでいる。一対の凹部65は、後述するように、半導体装置B1をヒートシンクX1に対して位置決めするためのものである。
【0056】
<第1基板7>
第1基板7は、半導体モジュールA1と接続されており、本実施形態においては、複数の電子部品700が実装されている。
図1~
図11に示すように、本実施形態の第1基板7は、第1基板主面71、第1基板裏面72、複数の入出力用貫通部73、複数の制御用貫通部74、一対の凹部75を有する。第1基板7の形状は特に限定されず、図示された例においては、z方向において矩形状である。第1基板7は、たとえば、エポキシ樹脂からなる絶縁性の基材と、当該基材に形成された配線パターン(図示略)を有する。
【0057】
第1基板主面71は、z方向一方側を向く面である。第1基板裏面72は、z方向において第1基板主面71とは反対側を向く面である。本実施形態においては、第1基板裏面72は、半導体モジュールA1の封止樹脂60の樹脂主面61と対向している。
【0058】
複数の入出力用貫通部73は、半導体モジュールA1の複数の入出力端子3Aである、入力端子31A、入力端子31Bおよび一対の出力端子32を挿通させるためのものであり、各々が第1基板7をz方向に貫通している。本実施形態においては、4つの入出力用貫通部73が設けられている。入力端子31Aの起立部312B、入力端子31Bの起立部312Bおよび一対の出力端子32の起立部322Bが4つの入出力用貫通部73に個別に挿通されている。図示された例においては、入力端子31Aの起立部312B、入力端子31Bの起立部312Bおよび一対の出力端子32の起立部322Bは、第1基板主面71からz方向に突出している。
【0059】
複数の制御用貫通部74は、半導体モジュールA1の複数の制御端子3Bである複数のゲート端子33および複数の検出端子34が接続される複数の第1コネクタ8の一部を挿通させるためのものであり、各々が第1基板7をz方向に貫通している。図示された例においては、4つの制御用貫通部74が設けられている。2つの制御用貫通部74は、x方向において2つの入出力用貫通部73の間に位置しており、x方向視においてこれらの制御用貫通部74と重なる。他の2つの制御用貫通部74は、x方向において他の2つの入出力用貫通部73の間に位置しており、x方向視においてこれらの制御用貫通部74と重なる。制御用貫通部74には、第1コネクタ8の一部が挿通されており、第1コネクタ8を介して1つのゲート端子33と1つの検出端子34とが挿通されている。
【0060】
一対の凹部75は、第1基板7のx方向両端に設けられており、x方向内方に凹んでいる。
図4に示すように、凹部75は、z方向視において半導体モジュールA1の封止樹脂60の貫通孔64を内包している。
【0061】
接続端子76は、半導体モジュールA1への制御信号の入出力に用いられる端子である。本実施形態においては、複数の接続端子76は、第1基板7のx方向およびy方向の中央寄りに配置されている。複数の接続端子76は、一対の凹部75の間に配置されている。
【0062】
接続端子76は、支持部761および複数の接続ピン762を有する。支持部761は、第1基板7に固定されており、複数の接続ピン762を支持している。図示された例においては、支持部761は、第1基板7の第1基板主面71に取り付けられている。複数の接続ピン762は、支持部761からz方向に突出している。接続ピン762は、第1基板7の配線パターン(図示略)に導通している。
【0063】
複数の電子部品700は、第1基板7に実装されている。本実施形態においては、複数の電子部品700の用途や機能は、特に限定されず、たとえば、複数の接続端子76から入力された制御信号から、半導体モジュールA1の複数の制御端子3B(複数のゲート端子33)に入力される制御信号を生成したり、複数の制御端子3B(検出端子34)からの検出信号を外部に出力すべき出力信号に変換したりする機能を果たす回路を構成する。
【0064】
図1、
図3および
図4に示すように、本実施形態においては、複数の電子部品700は、複数の電子部品701、複数の電子部品702、複数の電子部品703、複数の電子部品704、複数の電子部品705、複数の電子部品706、複数の電子部品707、複数の電子部品708および複数の電子部品709を含む。
【0065】
図示された例においては、
図3および
図4に示すように、複数の電子部品701、複数の電子部品702、複数の電子部品703、複数の電子部品704および複数の電子部品705は、第1基板7の第1基板主面71に搭載されている。
図1に示すように、複数の電子部品706、複数の電子部品707、複数の電子部品708および複数の電子部品709は、第1基板7の第1基板裏面72に搭載されている。
【0066】
図4に示すように、複数の電子部品701は、複数の接続端子76に対してy方向両側に配置されている。電子部品701は、たとえばショットキーバリアダイオードである。
【0067】
複数の電子部品702は、複数の接続端子76に対してx方向に並んで配置されている。電子部品702は、たとえばチップ抵抗である。
【0068】
複数の電子部品703は、複数の電子部品701を挟んで複数の接続端子76に対してy方向外側に配置されている。複数の電子部品703は、x方向に並んでいる。電子部品703は、たとえばチップ抵抗である。
【0069】
複数の電子部品704は、複数の電子部品703に対してy方向外側に配置されている。電子部品704は、たとえばショットキーバリアダイオードである。
【0070】
複数の電子部品705は、複数の電子部品704に対してy方向外側に配置されている。複数の電子部品705は、第1基板主面71において制御用貫通部74に最も近い位置に配置されている。電子部品705は、たとえばセラミックコンデンサである。
【0071】
図1に示すように、複数の電子部品706は、複数の接続端子76に対してy方向両側に配置されている。電子部品706は、たとえばバイポーラトランジスタである。
【0072】
複数の電子部品707は、複数の706に対してy方向外側に配置されている。電子部品707は、たとえばセラミックコンデンサである。
【0073】
複数の電子部品708は、複数の707に対してx方向に並んで配置されている。電子部品708は、たとえばMOS-FETである。
【0074】
複数の電子部品709は、複数の707と複数の電子部品708との間に配置されている。電子部品709は、たとえばチップ抵抗である。
【0075】
<第1コネクタ8>
複数の第1コネクタ8は、第1基板7に固定されており、複数の制御端子3B(複数の33および複数の検出端子34)と接続する。第1コネクタ8の第1基板7に対する固定位置や固定方法は特に限定されない。本実施形態においては、複数の第1コネクタ8は、第1基板7の第1基板裏面72側に取り付けられている。また、図示された例においては、第1コネクタ8の一部が、第1基板7の制御用貫通部74に挿通されている。
【0076】
図1、
図8および
図9に示すように、本実施形態の第1コネクタ8は、筐体81および複数の挿通孔82を有する。筐体81は、たとえば樹脂等からなり、筐体81の本体部分を構成している。挿通孔82は、z方向に貫通しており、ゲート端子33の起立部332Bまたは検出端子34の起立部342Bが挿通される。
【0077】
第1コネクタ8は、ゲート端子33および検出端子34と、第1基板7の配線パターン(図示略)の適所とを導通させる。また、第1コネクタ8は、ゲート端子33および検出端子34が、第1基板7に対してx方向およびy方向の少なくともいずれかに相対動することを許容する。図示された例においては、第1コネクタ8は、
図8に示すように、ゲート端子33および検出端子34がy方向において第1基板7に対して相対動することを許容するとともに、
図10に示すように、ゲート端子33および検出端子34がx方向において第1基板7に対して相対動することを許容する。また、第1コネクタ8は、ゲート端子33および検出端子34が第1基板7に対してz方向に相対動することを許容する構成であってもよい。このような第1コネクタ8としては、たとえば、特開2018-113163号公報、特開2018-63886号公報、特開2017-139101号公報等に開示された従来公知のコネクタを採用することができる。
【0078】
図示された例においては、1つの第1コネクタ8の2つの挿通孔82に、ゲート端子33および検出端子34が挿通される。また、4つの第1コネクタ8がx方向およびy方向に並んで配置されている。
【0079】
図6および
図7に示すように、本実施形態においては、複数の第1コネクタ8は、封止樹脂60に対してy方向外側に配置されている。また、第1コネクタ8は、y方向視において半導体モジュールA1の封止樹脂60と重なる。
【0080】
本実施形態によれば、
図1に示すように、半導体モジュールA1の組み立てに際して、第1コネクタ8を介して半導体装置B1の複数の制御端子3B(複数のゲート端子33および複数の検出端子34)を第1基板7に接続する。第1コネクタ8は、第1基板7に対して複数のゲート端子33がx方向およびy方向の少なくともいずれかに相対動することを許容する。このため、複数のゲート端子33の起立部332Bおよび複数の検出端子34の起立部342Bが起立する角度が、ばらつきを有していても、第1コネクタ8によってx方向およびy方向における位置ずれを吸収することが可能である。したがって、ゲート端子33および検出端子34の角度や位置を第1基板7を基準として修正することが抑制される。したがって、半導体モジュールA1によれば、端子接続の容易化とより確実な導通とを図ることができる。
【0081】
第1コネクタ8がy方向視において封止樹脂60と重なることにより、第1コネクタ8を設けることによって半導体モジュールA1のz方向寸法が大きくなることを抑制することができる。
【0082】
第1基板7からは、半導体モジュールA1の複数の入出力端子3A(入力端子31A、入力端子31Bおよび一対の出力端子32)と複数の接続端子76の複数の接続ピン762とがz方向において同じ側(第1基板主面71が向く側)に突出している。これにより、複数の入出力端子3Aおよび複数の接続端子76に接続すべき基板等を、第1基板7の第1基板主面71が向く側にまとめて配置することができる。
【0083】
〔第1実施形態 変形例〕
図17は、半導体モジュールA1の変形例を示している。なお、本図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上述した例と同一の符号を付している。
【0084】
本変形例の半導体モジュールA11は、半導体モジュールA1の構成要素に加えて、第2基板91、第3基板92およびヒートシンクX1をさらに備えている。
【0085】
第2基板91は、第1基板7に対してz方向において第1基板主面71が向く側に配置されている。第2基板91には、たとえば複数の第2コネクタ911が取り付けられている。第2コネクタ911は、第1コネクタ8と同様に、入出力端子3Aの起立部312Bや起立部322Bが、第2基板91に対してx方向およびy方向に相対動することを許容するとともに、第2基板91の適所と複数の入出力端子3Aとを導通させる。図示された例においては、第2コネクタ911は、第2基板91のうち第1基板7とは反対側を向く面に設けられている。第2基板91は、たとえば半導体モジュールA1のスイッチング対象である電流が通電される。
【0086】
第3基板92は、第2基板91に対してz方向において第1基板7とは反対側に配置されている。第3基板92には、たとえば複数の第3コネクタ921が取り付けられている。第3コネクタ921は、第1コネクタ8および第2コネクタ911と同様に、接続端子76の接続ピン762が、第3基板92に対してx方向およびy方向に相対動することを許容するとともに、第3基板92の適所と複数の接続ピン762とを導通させる。なお、本例においては、第2基板91は、複数の接続ピン762を挿通させる貫通孔(図示略)を有する。第3基板92は、たとえば、複数の接続端子76に入出力される制御信号が通電される。
【0087】
ヒートシンクX1は、複数の半導体素子40から生じる熱を外部に逃がすためのものである。ヒートシンクX1は、たとえばアルミ等の金属からなる。さらに、ヒートシンクX1は、内部に水冷用の水路を有するものであってもよい。半導体装置B1は、ボルトX2によってヒートシンクX1に取り付けられている。ボルトX2は、封止樹脂60の貫通孔64に挿通されており、ヒートシンクX1に設けられた雌ねじに螺合している。また、図示された例においては、ヒートシンクX1には、複数の凸部X11が設けられている。複数の凸部X11は、封止樹脂60の複数の凹部65に嵌まることにより、半導体装置B1とヒートシンクX1との位置決めをより正確に行うためのものである。
【0088】
本変形例によっても、端子接続の容易化とより確実な導通とを図ることができる。また、第2基板91に第2コネクタ911を設け、第3基板92に第3コネクタ921を設けることにより、半導体モジュールA1および第1基板7に加えて第2基板91および第3基板92を設ける作業をより容易に行うことができる。
【0089】
〔半導体装置B1 変形例〕
図18は、半導体装置B1の変形例を示している。本変形例の半導体装置B11は、複数の入出力端子3Aの起立部312Bおよび起立部322Bと、複数の制御端子3Bの起立部332Bおよび起立部342Bとのy方向における位置が互いに異なっている。より具体的には、複数の制御端子3Bの起立部332Bおよび起立部342Bは、複数の入出力端子3Aの起立部312Bおよび起立部322Bよりも、y方向内方(封止樹脂60に近い位置)に配置されている。
【0090】
本変形例によれば、たとえば、
図17に示す例における第1基板7のy方向外側に起立部312Bおよび起立部322Bを位置させることにより、第1基板7に入出力用貫通部73を設けることを省略することが可能である。
【0091】
〔第1実施形態 AC/DCコンバータユニットC1〕
図19~
図28は、本開示の第1実施形態に係るAC/DCコンバータユニットを示している。本実施形態のAC/DCコンバータユニットC1は、第1半導体モジュールA21、第2半導体モジュールA22、入力モジュールD、出力モジュールE、コンデンサモジュールF、絶縁電源モジュールGおよびトランスモジュールHを備えている。AC/DCコンバータユニットC1の用途は特に限定されず、その一例を挙げると、入力モジュールDに入力されたAC電力(たとえば200V-36A)を変換し、出力モジュールEからDC電力(たとえば、800V-9A,7.2kW)として出力するAC/DC変換用途に用いられる。
【0092】
図19は、AC/DCコンバータユニットC1を示すブロック図である。
図20は、AC/DCコンバータユニットC1を示す平面図である。
図21は、AC/DCコンバータユニットC1を示す要部平面図である。
図22は、AC/DCコンバータユニットC1の半導体モジュールを示す正面図である。
図23は、
図21のXXIII-XXIII線に沿う要部断面図である。
図24は、
図21のXXIV-XXIV線に沿う要部断面図である。
図25は、
図21のXXV-XXV線に沿う要部断面図である。
図26は、
図21のXXVI-XXVI線に沿う要部断面図である。
図27は、
図20のXXVII-XXVII線に沿う断面図である。
図28は、
図20のXXVIII-XXVIII線に沿う断面図である。
【0093】
〔第1半導体モジュールA21〕
第1半導体モジュールA21は、上述した半導体モジュールA1と一部が共通した構成である。
図22に示すように、第1半導体モジュールA21は、半導体装置B21、第1基板7、複数の電子部品700、複数の接続端子76および複数の第1コネクタ8を備えている。第1基板7、複数の電子部品700、複数の接続端子76および複数の第1コネクタ8は、たとえば、半導体モジュールA1における構成と同様である。なお、
図19のゲートドライバおよびコントロールボード等は、たとえば第1基板7に実装された複数の電子部品700によって構成されていてもよい。
【0094】
半導体装置B21は、
図19に示すように、2つの第1スイッチング素子40Aおよび第2スイッチング素子40Bを備えている。本実施形態においては、半導体装置B21は、たとえば、PFC(power factor correction)回路を構成し、AC/DC変換機能を果たす。
【0095】
図19~
図22に示すように、半導体装置B21は、入力端子31A、入力端子31B、出力端子32Aおよび出力端子32Bを有する。入力端子31A、入力端子31B、出力端子32Aの端子部312および出力端子32Bの端子部322は、半導体装置B1における構成とは異なり、起立部312Bおよび起立部322Bを有さない、直状の形状である。
【0096】
図20および
図21に示すように、入力端子31Aの端子部312および入力端子31Bの端子部312は、y方向一方側に突出しており、x方向において互いに離間している。出力端子32Aの端子部322および出力端子32Bの端子部322は、y方向他方側に突出しており、x方向において互いに離間している。
【0097】
図19に示すように、入力端子31Aは、第1スイッチング素子40Aのソース電極(主面電極41)および第2スイッチング素子40Bのドレイン電極(裏面電極42)に接続されている。入力端子31Bは、コイルを介して直列に接続された2つのダイオードの接続点に接続されている。出力端子32Aは、一方のダイオードのカソードに接続されている。出力端子32Bは、他方のダイオードのアノードに接続されている。
【0098】
入力端子31Aおよび入力端子31Bの端子部312は、締結用孔313を有する。締結用孔313は、端子部312の先端付近に設けられており、端子部312をz方向に貫通している。
【0099】
〔第2半導体モジュールA22〕
第2半導体モジュールA22は、上述した半導体モジュールA1と一部が共通した構成である。
図22に示すように、第2半導体モジュールA22は、半導体装置B22、第1基板7、複数の電子部品700、複数の接続端子76および複数の第1コネクタ8を備えている。第1基板7、複数の電子部品700、複数の接続端子76および複数の第1コネクタ8は、たとえば、半導体モジュールA1における構成と同様である。なお、
図19のゲートドライバおよびコントロールボード等は、たとえば第1基板7に実装された複数の電子部品700によって構成されていてもよい。
【0100】
半導体装置B22は、
図19に示すように、2つの第1スイッチング素子40Aおよび2つの第2スイッチング素子40Bを備えている。本実施形態においては、半導体装置B22は、たとえば、トランスモジュールHおよび出力モジュールEの半導体装置B23とともにLLC共振DC/DCコンバータを構成するためのHブリッジ(フルブリッジ)回路である。
【0101】
図19~
図22に示すように、半導体装置B22は、入力端子31A、入力端子31B、出力端子32Aおよび出力端子32Bを有する。半導体装置B22の入力端子31A、入力端子31B、出力端子32Aの端子部312および出力端子32Bの端子部322は、半導体装置B1における構成とは異なり、起立部312Bおよび起立部322Bを有さない、直状の形状である。
【0102】
図20および
図21に示すように、入力端子31Aの端子部312および入力端子31Bの端子部312は、y方向一方側に突出しており、x方向において互いに離間している。出力端子32Aの端子部322および出力端子32Bの端子部322は、y方向他方側に突出しており、x方向において互いに離間している。
【0103】
図19に示すように、入力端子31Aは、2つの第1スイッチング素子40Aのドレイン電極(裏面電極42)に接続されている。入力端子31Bは、2つの第2スイッチング素子40Bのソース電極(主面電極41)に接続されている。出力端子32Aは、一方の第1スイッチング素子40Aのソース電極(主面電極41)と一方の第2スイッチング素子40Bのドレイン電極(裏面電極42)とに接続されている。出力端子32Bは、他方の第1スイッチング素子40Aのソース電極(主面電極41)と他方の第2スイッチング素子40Bのドレイン電極(裏面電極42)とに接続されている。
【0104】
半導体装置B22の入力端子31Aおよび入力端子31Bの端子部312は、締結用孔313を有する。締結用孔313は、端子部312の先端付近に設けられており、端子部312をz方向に貫通している。
【0105】
〔入力モジュールD〕
入力モジュールDは、AC/DCコンバータユニットC1への電力が入力されるモジュールである。入力モジュールDの具体的な構成は何ら限定されず、本実施形態においては、
図19および
図20に示すように、入力コネクタD1、入力フィルタD2、リアクトルD3、出力端子D41および出力端子D42を有する。
【0106】
入力コネクタD1は、外部のコネクタ等と接続されることにより、AC電力(たとえば200V-36A)が入力される部位である。入力フィルタD2は、入力コネクタD1に入力されたAC電力に、任意のフィルタ処理を施す部位である。リアクトルD3は、入力フィルタD2と出力端子D41との間に介在している。
【0107】
出力端子D41および出力端子D42は、入力コネクタD1から第1半導体モジュールA21(半導体装置B21)へと出力するためのものである。
図20、
図21、
図23および
図24に示すように、出力端子D41および出力端子D42は、y方向他方側に突出しており、x方向において互いに離間している。出力端子D41および出力端子D42は、たとえば、金属板からなる。当該金属板の構成材料は、銅(Cu)または銅合金である。出力端子D41および出力端子D42は、先端がy方向に直上に延びた形状である。出力端子D41および出力端子D42は、締結用孔D43を有する。締結用孔D43は、出力端子D41および出力端子D42の先端付近に設けられており、出力端子D41および出力端子D42をz方向に貫通している。
【0108】
〔出力モジュールE〕
出力モジュールEは、AC/DCコンバータユニットC1からの電力が出力されるモジュールである。出力モジュールEの具体的な構成は何ら限定されず、本実施形態においては、
図19、
図20および
図28に示すように、出力コネクタE1、出力フィルタE2、出力基板E3および半導体装置B23を有する。
【0109】
出力コネクタE1は、外部のコネクタ等と接続されることにより、DC電力(たとえば、800V-9A,7.2kW)を出力するためのものである。出力フィルタE2は、出力コネクタE1から出力するDC電力に、任意のフィルタ処理を施す部位である。出力基板E3は、たとえばガラスエポキシ樹脂からなる基材および当該基材に形成された配線パターンを有する配線基板であり、たとえば、出力フィルタE2や半導体装置B23が実装されている。
【0110】
半導体装置B23は、
図19に示すように、4つのダイオード素子40C、入力端子31A、入力端子31B、出力端子32Aおよび出力端子32Bを有しており、ブリッジ形整流回路を構成している。
図20に示すように、入力端子31Aおよび入力端子31Bは、y方向一方側に突出しており、x方向において互いに離間している。出力端子32Aおよび出力端子32Bは、y方向他方側に突出しており、x方向において互いに離間している。
【0111】
〔コンデンサモジュールF〕
コンデンサモジュールFは、
図19~
図21、
図24および
図25に示すように、第1半導体モジュールA21の半導体装置B21の端子部322(出力端子32A)および第2半導体モジュールA22の半導体装置B22の端子部312(入力端子31A)と、半導体装置B21の端子部322(出力端子32B)および半導体装置B22の端子部312(入力端子31B)とに接続されている。コンデンサモジュールFの具体的な構成は何ら限定されず、本実施形態においては、複数のスナバコンデンサF1、接続端子F21および接続端子F22を有する。
【0112】
複数のスナバコンデンサF1は、たとえば、第1半導体モジュールA21(半導体装置B21)と第2半導体モジュールA22(半導体装置B22)との接続経路における寄生インダクタンスに起因するスイッチオフ時のサージ電圧を吸収する機能を果たす。
【0113】
接続端子F21および接続端子F22は、たとえば、金属板からなる。当該金属板の構成材料は、銅(Cu)または銅合金である。接続端子F21は、半導体装置B21の端子部322(出力端子32A)および半導体装置B22の端子部312(入力端子31A)に接続されている。接続端子F22は、半導体装置B21の端子部322(出力端子32B)および半導体装置B22の端子部312(入力端子31B)に接続されている。
【0114】
〔絶縁電源モジュールG〕
絶縁電源モジュールGは、AC/DCコンバータユニットC1の第1半導体モジュールA21および第2半導体モジュールA22等を駆動するための電力を供給するモジュールである。絶縁電源モジュールGは、たとえば図示しないケーブルを介して第1半導体モジュールA21および第2半導体モジュールA22等に接続される。
【0115】
〔トランスモジュールH〕
トランスモジュールHは、
図19および
図20に示すように、第2半導体モジュールA22と出力モジュールEとの間に介在している。トランスモジュールHは、第2半導体モジュールA22および出力モジュールEとともに、DC/DCコンバータ機能を果たすものである。トランスモジュールHの具体的な構成は何ら限定されず、本実施形態においては、トランスH3、入力端子H11、入力端子H12、出力端子H21および出力端子H22を有する。
【0116】
トランスH3は、第2半導体モジュールA22側(1次側)と出力モジュールE側(2次側)とを絶縁しつつ、所定の電圧変化機能を果たす。入力端子H11は、第2半導体モジュールA22(半導体装置B22)の出力端子32Aに接続されている。入力端子H12は、第2半導体モジュールA22(半導体装置B22)の出力端子32Bに接続されている。出力端子H21は、出力モジュールEの半導体装置B23の入力端子31Aに接続されている。出力端子H22は、出力モジュールEの半導体装置B23の入力端子31Bに接続されている。
【0117】
本実施形態においては、
図20および
図21に示すように、入力モジュールDのy方向他方側に第1半導体モジュールA21、コンデンサモジュールFおよび絶縁電源モジュールGが配置されている。第1半導体モジュールA21は、x方向においてコンデンサモジュールFと絶縁電源モジュールGとに挟まれて配置されている。第2半導体モジュールA22は、第1半導体モジュールA21のy方向他方側に配置されている。第2半導体モジュールA22は、x方向においてコンデンサモジュールFと絶縁電源モジュールGとに挟まれて配置されている。トランスモジュールHは、コンデンサモジュールF、第2半導体モジュールA22および絶縁電源モジュールGのy方向他方側に配置されている。出力モジュールEは、トランスモジュールHのy方向他方側に配置されている。半導体装置B23は、x方向における位置が、半導体装置B21および半導体装置B22と略同じとなるように配置されている。
【0118】
図20、
図21および
図23に示すように、入力モジュールDの出力端子D41と第1半導体モジュールA21(半導体装置B21)の入力端子31Aの端子部312とは、ボルト351およびナット361によって直接接続されている。ボルト351およびナット361は、本開示の締結部材の一具体例であり、本開示の固定手段の一例である。出力端子D41と端子部312とは、締結用孔D43および締結用孔313がz方向視において略一致するように互いに重ねられている。ボルト351は、締結用孔D43および締結用孔313に挿通されている。ナット361は、ボルト351に螺合されている。ボルト351とナット361との締結力によって、出力端子D41と端子部312(入力端子31A)とが締結(固定)されており、直接接続されている。
【0119】
また、入力モジュールDの出力端子D42と第1半導体モジュールA21(半導体装置B21)の入力端子31Bの端子部312とは、ボルト352およびナット362によって直接接続されている。ボルト352およびナット362は、本開示の締結部材の一具体例であり、本開示の固定手段の一例である。出力端子D42と端子部312とは、締結用孔D43および締結用孔313がz方向視において略一致するように互いに重ねられている。ボルト352は、締結用孔D43および締結用孔313に挿通されている。ナット362は、ボルト352に螺合されている。ボルト352とナット362との締結力によって、出力端子D42と端子部312(入力端子31B)とが締結(固定)されており、直接接続されている。
【0120】
図20、
図21、
図24および
図25に示すように、第1半導体モジュールA21(半導体装置B21)の出力端子32Aの端子部322と、第2半導体モジュールA22(半導体装置B22)の入力端子31Aの端子部312とは、ボルト353およびナット363によって直接接続されている。ボルト353およびナット363は、本開示の締結部材の一具体例であり、本開示の固定手段の一例である。半導体装置B21の出力端子32Aの端子部322と半導体装置B22の入力端子31Aの端子部312とは、締結用孔323および締結用孔313がz方向視において略一致するように互いに重ねられている。ボルト353は、締結用孔323および締結用孔313に挿通されている。ナット363は、ボルト353に螺合されている。ボルト353とナット363との締結力によって、半導体装置B21の出力端子32Aの端子部322と半導体装置B22の入力端子31Aの端子部312とが締結(固定)されており、直接接続されている。
【0121】
また、本実施形態においては、半導体装置B21の出力端子32Aの端子部322および半導体装置B22の入力端子31Aの端子部312とともに接続端子F21が締結されている。本実施形態の接続端子F21は、第1部F211、第2部F212および第3部F213を有する。第1部F211は、スナバコンデンサF1の側からx方向に直状に延びる部分である。第2部F212は、接続端子F21のy方向における先端部分であり、第1部F211に対してz方向図中下方に位置している。第3部F213は、第1部F211と第2部F212との間に介在しており、x方向およびz方向に対して傾いている。第2部F212には、締結用孔F214が形成されている。第2部F212と端子部322および端子部312とは、締結用孔F214と締結用孔323および締結用孔313とがz方向視において略一致するように互いに重ねられている。ボルト353は、締結用孔F214、締結用孔323および締結用孔313に挿通されている。ナット363は、ボルト353に螺合されている。ボルト353とナット363との締結力によって、半導体装置B21の出力端子32Aの端子部322および半導体装置B22の入力端子31Aの端子部312と接続端子F21の第2部F212とが締結(固定)されており、直接接続されている。
【0122】
図20、
図21および
図25に示すように、第1半導体モジュールA21(半導体装置B21)の出力端子32Bの端子部322と、第2半導体モジュールA22(半導体装置B22)の入力端子31Bの端子部312とは、ボルト354およびナット364によって直接接続されている。ボルト354およびナット364は、本開示の締結部材の一具体例であり、本開示の固定手段の一例である。半導体装置B21の出力端子32Bの端子部322と半導体装置B22の入力端子31Bの端子部312とは、締結用孔323および締結用孔313がz方向視において略一致するように互いに重ねられている。ボルト354は、締結用孔323および締結用孔313に挿通されている。ナット364は、ボルト354に螺合されている。ボルト354とナット364との締結力によって、半導体装置B21の出力端子32Bの端子部322と半導体装置B22の入力端子31Bの端子部312とが締結(固定)されており、直接接続されている。
【0123】
また、本実施形態においては、半導体装置B21の出力端子32Bの端子部322および半導体装置B22の入力端子31Bの端子部312とともに接続端子F22が締結されている。本実施形態の接続端子F22は、第1部F221、第2部F222および第3部F223を有する。第1部F221は、スナバコンデンサF1の側からx方向に直状に延びる部分である。第1部F221は、z方向視においてボルト353およびナット363によって固定された端子部312、端子部322および第2部F212と重なっている。また、第1部F221は、ボルト353およびナット363によって固定された端子部312、端子部322および第2部F212のz方向図中下方に位置している。第2部F222は、接続端子F22のy方向における先端部分であり、第1部F221に対してz方向図中上方に位置している。第3部F223は、第1部F221と第2部F222との間に介在しており、x方向およびz方向に対して傾いている。第2部F222には、締結用孔F224が形成されている。第2部F222と端子部322および端子部312とは、締結用孔F224と締結用孔323および締結用孔313とがz方向視において略一致するように互いに重ねられている。ボルト354は、締結用孔F224、締結用孔323および締結用孔313に挿通されている。ナット364は、ボルト354に螺合されている。ボルト354とナット364との締結力によって、半導体装置B21の出力端子32Bの端子部322および半導体装置B22の入力端子31Bの端子部312と接続端子F22の第2部F222とが締結(固定)されており、直接接続されている。
【0124】
図20、
図21および
図26に示すように、第2半導体モジュールA22(半導体装置B22)の出力端子32Aの端子部322と、トランスモジュールHの入力端子H11とは、ボルト355およびナット365によって直接接続されている。ボルト355およびナット365は、本開示の締結部材の一具体例であり、本開示の固定手段の一例である。半導体装置B22の出力端子32Aの端子部322とトランスモジュールHの入力端子H11とは、締結用孔323および締結用孔H13がz方向視において略一致するように互いに重ねられている。ボルト355は、締結用孔323および締結用孔H13に挿通されている。ナット365は、ボルト355に螺合されている。ボルト355とナット365との締結力によって、半導体装置B22の出力端子32Aの端子部322とトランスモジュールHの締結用孔H13とが締結(固定)されており、直接接続されている。
【0125】
また、第2半導体モジュールA22(半導体装置B22)の出力端子32Bの端子部322と、トランスモジュールHの入力端子H12とは、ボルト356およびナット366によって直接接続されている。ボルト356およびナット366は、本開示の締結部材の一具体例であり、本開示の固定手段の一例である。半導体装置B22の出力端子32Bの端子部322とトランスモジュールHの入力端子H12とは、締結用孔323および締結用孔H13がz方向視において略一致するように互いに重ねられている。ボルト356は、締結用孔323および締結用孔H13に挿通されている。ナット366は、ボルト356に螺合されている。ボルト356とナット366との締結力によって、半導体装置B22の出力端子32Bの端子部322とトランスモジュールHの締結用孔H13とが締結(固定)されており、直接接続されている。
【0126】
図20および
図27に示すように、トランスモジュールHの出力端子H21と、半導体装置B23の入力端子31Aの端子部312とは、ボルト357およびナット367によって直接接続されている。ボルト357およびナット367は、本開示の締結部材の一具体例であり、本開示の固定手段の一例である。トランスモジュールHの出力端子H21と、半導体装置B23の入力端子31Aの端子部312とは、締結用孔H23および締結用孔313がz方向視において略一致するように互いに重ねられている。ボルト357は、締結用孔H23および締結用孔313に挿通されている。ナット367は、ボルト357に螺合されている。ボルト357とナット367との締結力によって、トランスモジュールHの出力端子H21と、半導体装置B23の入力端子31Aの端子部312とが締結(固定)されており、直接接続されている。
【0127】
また、トランスモジュールHの出力端子H22と、半導体装置B23の入力端子31Bの端子部312とは、ボルト358およびナット368によって直接接続されている。ボルト358およびナット368は、本開示の締結部材の一具体例であり、本開示の固定手段の一例である。トランスモジュールHの出力端子H22と、半導体装置B23の入力端子31Bの端子部312とは、締結用孔H23および締結用孔313がz方向視において略一致するように互いに重ねられている。ボルト358は、締結用孔H23および締結用孔313に挿通されている。ナット368は、ボルト358に螺合されている。ボルト358とナット368との締結力によって、トランスモジュールHの出力端子H22と、半導体装置B23の入力端子31Bの端子部312とが締結(固定)されており、直接接続されている。
【0128】
図20および
図28に示すように、半導体装置B23の出力端子32Aと、出力基板E3とは、ボルト359およびナット369によって直接接続されている。ボルト359およびナット369は、本開示の締結部材の一具体例であり、本開示の固定手段の一例である。半導体装置B23の出力端子32Aの端子部322と出力基板E3とは、締結用孔323および締結用孔E31がz方向視において略一致するように互いに重ねられている。ボルト359は、締結用孔323および締結用孔E31に挿通されている。ナット369は、ボルト359に螺合されている。ボルト359とナット369との締結力によって、半導体装置B23の出力端子32Aの端子部322と出力基板E3とが締結(固定)されており、直接接続されている。
【0129】
また、半導体装置B23の出力端子32Bと、出力基板E3とは、ボルト35aおよびナット36aによって直接接続されている。ボルト35aおよびナット36aは、本開示の締結部材の一具体例であり、本開示の固定手段の一例である。半導体装置B23の出力端子32Bの端子部322と出力基板E3とは、締結用孔323および締結用孔E31がz方向視において略一致するように互いに重ねられている。ボルト35aは、締結用孔323および締結用孔E31に挿通されている。ナット36aは、ボルト35aに螺合されている。ボルト35aとナット36aとの締結力によって、半導体装置B23の出力端子32Bの端子部322と出力基板E3とが締結(固定)されており、直接接続されている。
【0130】
本実施形態によれば、
図20~
図22、
図24および
図25に示すように、第1半導体モジュールA21(半導体装置B21)の出力端子32Aの端子部322と第2半導体モジュールA22(半導体装置B22)の入力端子31Aの端子部312とが、固定手段であるボルト353およびナット363によって直接接続されている。これにより、出力端子32Aと入力端子31Aとの接続経路におけるインダクタンスを低減することが可能であり、AC/DCコンバータユニットC1の応答性をより高めることができる。また、第1半導体モジュールA21(半導体装置B21)の出力端子32Bの端子部322と第2半導体モジュールA22(半導体装置B22)の入力端子31Bの端子部312とが、固定手段であるボルト354およびナット364によって直接接続されている。これにより、出力端子32Bと入力端子31Bとの接続経路におけるインダクタンスを低減することが可能であり、AC/DCコンバータユニットC1の応答性をより高めることができる。
【0131】
封止樹脂60から突出する端子部312および端子部322は、y方向に直状に延びる形状である。これにより、端子部312および端子部322自体のインダクタンスを低減することが可能であり、AC/DCコンバータユニットC1の応答性をより高めるのに好ましい。
【0132】
固定手段として、締結手段であるボルト353およびナット363やボルト354およびナット364を用いることは、確実な接続を実現するとともに、第1半導体モジュールA21(半導体装置B21)および第2半導体モジュールA22(半導体装置B22)のいずれか一方をAC/DCコンバータユニットC1から取り外し、その後取り付けることを容易に行うことができる。これにより、第1半導体モジュールA21(半導体装置B21)および第2半導体モジュールA22(半導体装置B22)のいずれか一方をより容易に交換可能である。
【0133】
図20、
図21、
図24および
図25に示すように、本実施形態においては、接続端子F21の第2部F212が、出力端子32Aの端子部322および入力端子31Aの端子部312とともに、固定手段であるボルト353およびナット363によって、互いに直接接続されている。これにより、第1半導体モジュールA21(半導体装置B21)、第2半導体モジュールA22(半導体装置B22)およびコンデンサモジュールFを接続する接続経路のインダクタンスを低減することができる。
【0134】
また、本実施形態においては、接続端子F22の第2部F222が、出力端子32Bの端子部322および入力端子31Bの端子部312とともに、固定手段であるボルト354およびナット364によって、互いに直接接続されている。これにより、第1半導体モジュールA21(半導体装置B21)、第2半導体モジュールA22(半導体装置B22)およびコンデンサモジュールFを接続する接続経路のインダクタンスを低減することができる。
【0135】
図20、
図21および
図23に示すように、入力モジュールDの出力端子D41と第1半導体モジュールA21(半導体装置B21)の入力端子31Aの端子部312とが、固定手段であるボルト351およびナット361によって直接接続されている。また、入力モジュールDの出力端子D42と第1半導体モジュールA21(半導体装置B21)の入力端子31Bの端子部312とが、ボルト352およびナット362によって直接接続されている。これにより、出力端子D41,D42と入力端子31A,31Bとの接続経路におけるインダクタンスを低減することが可能であり、AC/DCコンバータユニットC1の応答性をより高めることができる。
【0136】
出力端子D41,D42および端子部312は、y方向に直状に延びる形状である。これにより、出力端子D41,D42および端子部312自体のインダクタンスを低減することが可能であり、AC/DCコンバータユニットC1の応答性をより高めるのに好ましい。
【0137】
固定手段として、締結手段であるボルト351およびナット361やボルト352およびナット362を用いることは、確実な接続を実現するとともに、入力モジュールDおよび第1半導体モジュールA21(半導体装置B21)のいずれか一方をAC/DCコンバータユニットC1から取り外し、その後取り付けることを容易に行うことができる。これにより、入力モジュールDおよび第1半導体モジュールA21(半導体装置B21)のいずれか一方をより容易に交換可能である。
【0138】
図20、
図21および
図26に示すように、第2半導体モジュールA22(半導体装置B22)の出力端子32Aの端子部322とトランスモジュールHの入力端子H11とが、固定手段であるボルト355およびナット365によって直接接続されている。また、第2半導体モジュールA22(半導体装置B22)の出力端子32Bの端子部322とトランスモジュールHの入力端子H12とが、固定手段であるボルト356およびナット366によって直接接続されている。これにより、出力端子32A,32Bと入力端子H11,H12との接続経路におけるインダクタンスを低減することが可能であり、AC/DCコンバータユニットC1の応答性をより高めることができる。
【0139】
端子部322および入力端子H11,H12は、y方向に直状に延びる形状である。これにより、端子部322および入力端子H11,H12自体のインダクタンスを低減することが可能であり、AC/DCコンバータユニットC1の応答性をより高めるのに好ましい。
【0140】
固定手段として、締結手段であるボルト355およびナット365やボルト356およびナット366を用いることは、確実な接続を実現するとともに、第2半導体モジュールA22(半導体装置B22)および出力モジュールEのいずれか一方をAC/DCコンバータユニットC1から取り外し、その後取り付けることを容易に行うことができる。これにより、第2半導体モジュールA22(半導体装置B22)および出力モジュールEのいずれか一方をより容易に交換可能である。
【0141】
図20および
図27に示すように、トランスモジュールHの出力端子H21と、半導体装置B23の入力端子31Aの端子部312とが、固定手段であるボルト357およびナット367によって直接接続されている。また、トランスモジュールHの出力端子H22と、半導体装置B23の入力端子31Bの端子部312とが、固定手段であるボルト358およびナット368によって直接接続されている。これにより、出力端子H21,H22と入力端子31A,31Bとの接続経路におけるインダクタンスを低減することが可能であり、AC/DCコンバータユニットC1の応答性をより高めることができる。
【0142】
出力端子H21,H22および端子部312は、y方向に直状に延びる形状である。これにより、出力端子H21,H22および端子部312自体のインダクタンスを低減することが可能であり、AC/DCコンバータユニットC1の応答性をより高めるのに好ましい。
【0143】
固定手段として、締結手段であるボルト357およびナット367やボルト358およびナット368を用いることは、確実な接続を実現するとともに、トランスモジュールHおよび半導体装置B23のいずれか一方をAC/DCコンバータユニットC1から取り外し、その後取り付けることを容易に行うことができる。これにより、トランスモジュールHおよび半導体装置B23のいずれか一方をより容易に交換可能である。
【0144】
図20および
図28に示すように、半導体装置B23の出力端子32Aの端子部322と、出力基板E3とが、固定手段であるボルト359およびナット369によって直接接続されている。また、半導体装置B23の出力端子32Bの端子部322と、出力基板E3とが、固定手段であるボルト35aおよびナット36aによって直接接続されている。これにより、出力端子32A,32Bと出力基板E3との接続経路におけるインダクタンスを低減することが可能であり、AC/DCコンバータユニットC1の応答性をより高めることができる。
【0145】
固定手段として、締結手段であるボルト359およびナット369やボルト35aおよびナット36aを用いることは、確実な接続を実現するとともに、半導体装置B23をAC/DCコンバータユニットC1から取り外し、その後取り付けることを容易に行うことができる。これにより、半導体装置B23をより容易に交換可能である。
【0146】
図29~
図50は、本開示の変形例および他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
【0147】
〔AC/DCコンバータユニットC1 第1変形例〕
図29は、AC/DCコンバータユニットC1の第1変形例を示している。本変形例のAC/DCコンバータユニットC11は、第1半導体モジュールA21、第2半導体モジュールA22、コンデンサモジュールF、絶縁電源モジュールGおよび半導体装置B23の配置が、上述したAC/DCコンバータユニットC1と異なる。
【0148】
本変形例においては、コンデンサモジュールFが、x方向において絶縁電源モジュールGと第1半導体モジュールA21および第2半導体モジュールA22の間に配置されている。また、半導体装置B23は、x方向における位置が半導体装置B21および半導体装置B22と同じとなるように配置されており、出力モジュールEのx方向中心に対して偏った配置とされている。
【0149】
本変形例によっても、AC/DCコンバータユニットC1と同様に、応答性をより高めることができる。また、本変形例から理解されるように、第1半導体モジュールA21、第2半導体モジュールA22、コンデンサモジュールF、絶縁電源モジュールGおよび半導体装置B23の配置等の配置は種々に変更可能である。
【0150】
〔AC/DCコンバータユニットC1 第2変形例〕
図30は、AC/DCコンバータユニットC1の第2変形例を示している。本変形例のAC/DCコンバータユニットC12は、半導体装置B23の配置が上述したAC/DCコンバータユニットC1と異なっている。
【0151】
本変形例においては、半導体装置B23は、半導体装置B21および半導体装置B22に対して、x方向にシフトした位置に配置されている。言い換えると、半導体装置B23は、y方向視において半導体装置B21および半導体装置B22から離間している。本変形例によっても、AC/DCコンバータユニットC1と同様に、応答性をより高めることができる。
【0152】
〔AC/DCコンバータユニットC1 第3変形例〕
図31~
図33は、AC/DCコンバータユニットC1の第3変形例を示している。本変形例のAC/DCコンバータユニットC13は、出力端子H21および出力端子H22と、半導体装置B23の入力端子31A、入力端子31B、出力端子32Aおよび出力端子32Bの固定態様が、上述したAC/DCコンバータユニットC1と異なっている。
【0153】
本変形例においては、
図31および
図32に示すように、半導体装置B23の入力端子31Aの端子部312は、固定手段の一例である溶接部377によって出力基板E3に直接固定されている。図示された例においては、出力基板E3の溶接用孔E32に端子部312が挿通されており、溶接部377が設けられている。なお、溶接部377の具体的な溶接形式はなんら限定されない。いわゆる溶接棒を用いて溶接ビードを形成する形式であってもよいし、端子部312等を溶融させることによって溶接ビードを形成する形式であってもよい。この点は、以降に述べる各溶接部についても同様である。
【0154】
また、半導体装置B23の入力端子31Bの端子部312は、固定手段の一例である溶接部378によって出力基板E3に直接固定されている。図示された例においては、出力基板E3の溶接用孔E32に端子部312が挿通されており、溶接部378が設けられている。なお、溶接部378の具体的な溶接形式はなんら限定されない。
【0155】
図31および
図32に示すように、半導体装置B23の出力端子32Aの端子部322は、固定手段の一例である溶接部379によって出力基板E3に直接固定されている。図示された例においては、出力基板E3の溶接用孔E32に端子部322が挿通されており、溶接部379が設けられている。なお、溶接部379の具体的な溶接形式はなんら限定されない。
【0156】
また、半導体装置B23の出力端子32Bの端子部322は、固定手段の一例である溶接部37aによって出力基板E3に直接固定されている。図示された例においては、出力基板E3の溶接用孔E32に端子部322が挿通されており、溶接部37aが設けられている。なお、溶接部37aの具体的な溶接形式はなんら限定されない。
【0157】
本変形例によっても、AC/DCコンバータユニットC1と同様に、応答性をより高めることができる。また、固定手段として溶接部377,378,379,37aを用いた場合であっても、インダクタンスの低減に寄与できる。また、本開示における直接接続された構成には、溶接棒由来の溶接ビードを介して双方が固定されている形態を含む概念である。
【0158】
〔AC/DCコンバータユニットC1 第4変形例〕
図34は、AC/DCコンバータユニットC1の第4変形例を示している。本変形例のAC/DCコンバータユニットC14は、第1半導体モジュールA21、第2半導体モジュールA22、コンデンサモジュールF、絶縁電源モジュールGおよび半導体装置B23の配置が、上述したAC/DCコンバータユニットC13と異なる。
【0159】
本変形例においては、コンデンサモジュールFが、x方向において絶縁電源モジュールGと第1半導体モジュールA21および第2半導体モジュールA22の間に配置されている。また、半導体装置B23は、x方向における位置が半導体装置B21および半導体装置B22と同じとなるように配置されており、出力モジュールEのx方向中心に対して偏った配置とされている。
【0160】
本変形例によっても、AC/DCコンバータユニットC1と同様に、応答性をより高めることができる。また、本変形例から理解されるように、第1半導体モジュールA21、第2半導体モジュールA22、コンデンサモジュールF、絶縁電源モジュールGおよび半導体装置B23の配置等の配置は種々に変更可能である。
【0161】
〔AC/DCコンバータユニットC1 第5変形例〕
図35は、AC/DCコンバータユニットC1の第5変形例を示している。本変形例のAC/DCコンバータユニットC15は、半導体装置B23の配置が上述したAC/DCコンバータユニットC13と異なっている。
【0162】
本変形例においては、半導体装置B23は、半導体装置B21および半導体装置B22に対して、x方向にシフトした位置に配置されている。言い換えると、半導体装置B23は、y方向視において半導体装置B21および半導体装置B22から離間している。本変形例によっても、AC/DCコンバータユニットC1と同様に、応答性をより高めることができる。
【0163】
〔第2実施形態〕
図36~
図42は、本開示の第2実施形態に係るAC/DCコンバータユニットを示している。本実施形態のAC/DCコンバータユニットC2は、半導体装置B21および半導体装置B22の入力端子31A、入力端子31B、出力端子32Aおよび出力端子32Bの固定形態が、上述した実施形態と異なっている。
【0164】
本実施形態においては、
図36~
図38に示すように、入力モジュールDの出力端子D41と第1半導体モジュールA21(半導体装置B21)の入力端子31Aの端子部312とは、固定手段である溶接部371によって直接接続されている。溶接部371の溶接形式は何ら限定されない。また、入力モジュールDの出力端子D42と第1半導体モジュールA21(半導体装置B21)の入力端子31Bの端子部312とは、固定手段である溶接部372によって直接接続されている。溶接部371の溶接形式は何ら限定されない。
【0165】
また、
図36、
図37、
図39~
図41に示すように、第1半導体モジュールA21(半導体装置B21)の出力端子32Aの端子部322と第2半導体モジュールA22(半導体装置B22)の入力端子31Aの端子部312とは、固定手段である溶接部373によって直接接続されている。また、本実施形態においては、接続端子F21の第2部F212が、溶接部373によって出力端子32Aの端子部322および入力端子31Aの端子部312に直接接続されている。図示された例においては、溶接部373は、溶接部373aと溶接部373bとを含む。溶接部373aは、端子部322と第2部F212とを固定している。溶接部373bは、端子部312と第2部F212とを固定している。なお、溶接部373の具体的態様は何ら限定されない。たとえば、端子部322、端子部312および第2部F212がすべて重ね合わされた状態で、1つの溶接部373によって一括して固定されていてもよい。
【0166】
図36、
図37、
図39~
図41に示すように、第1半導体モジュールA21(半導体装置B21)の出力端子32Bの端子部322と第2半導体モジュールA22(半導体装置B22)の入力端子31Bの端子部312とは、固定手段である溶接部374によって直接接続されている。また、本実施形態においては、接続端子F22の第2部F222が、溶接部374によって出力端子32Aの端子部322および入力端子31Aの端子部312に直接接続されている。図示された例においては、溶接部374は、溶接部374aと溶接部374bとを含む。溶接部374aは、端子部322と第2部F222とを固定している。溶接部374bは、端子部312と第2部F222とを固定している。なお、溶接部374の具体的態様は何ら限定されない。たとえば、端子部322、端子部312および第2部F222がすべて重ね合わされた状態で、1つの溶接部374によって一括して固定されていてもよい。
【0167】
図36、
図37および
図42に示すように、第2半導体モジュールA22(半導体装置B22)の出力端子32AとトランスモジュールHの入力端子H11とは、固定手段である溶接部375によって直接接続されている。溶接部375の溶接形式は何ら限定されない。また、第2半導体モジュールA22(半導体装置B22)の出力端子32BとトランスモジュールHの入力端子H12とは、固定手段である溶接部376によって直接接続されている。溶接部376の溶接形式は何ら限定されない。
【0168】
本実施形態によっても、AC/DCコンバータユニットC1と同様に応答性をより高めることができる。また、インダクタンスの低減に寄与する固定態様であれば、締結手段や溶接部に限定されず、様々な固定手段を用いることができる。
【0169】
〔AC/DCコンバータユニットC2 第1変形例〕
図43は、AC/DCコンバータユニットC2の第1変形例を示している。本変形例のAC/DCコンバータユニットC21は、第1半導体モジュールA21、第2半導体モジュールA22、コンデンサモジュールFおよび絶縁電源モジュールGの配置が、上述したAC/DCコンバータユニットC2と異なる。
【0170】
本変形例においては、コンデンサモジュールFが、x方向において絶縁電源モジュールGと第1半導体モジュールA21および第2半導体モジュールA22の間に配置されている。また、半導体装置B23は、x方向における位置が半導体装置B21および半導体装置B22と異なる位置に配置されている。本変形例によっても、AC/DCコンバータユニットC2と同様に、応答性をより高めることができる。
【0171】
〔AC/DCコンバータユニットC2 第2変形例〕
図44は、AC/DCコンバータユニットC2の第2変形例を示している。本変形例のAC/DCコンバータユニットC22は、半導体装置B23の配置が、上述したAC/DCコンバータユニットC2と異なる。
【0172】
本変形例においては、半導体装置B23は、x方向における位置が半導体装置B21および半導体装置B22と異なる位置に配置されており、出力モジュールEのx方向中心に対して偏った配置とされている。本変形例によっても、AC/DCコンバータユニットC2と同様に、応答性をより高めることができる。
【0173】
〔第3実施形態 半導体モジュールA3〕
図45~
図47は、本開示の第3実施形態に係る半導体モジュールを示している。本実施形態の半導体モジュールA3は、主に入出力端子3Aおよび制御端子3Bの構成や、第1基板7の具体的構成が、上述した実施形態と異なっている。
【0174】
半導体モジュールA3は、半導体装置B3を備えている。半導体装置B3は、たとえば、上述の半導体装置B1と同様の機能を果たす。半導体装置B3は、複数の入出力端子3Aおよび複数の制御端子3Bを有している。複数の入出力端子3Aは、たとえば、上述の入力端子31A、入力端子31B、出力端子32Aおよび出力端子32Bに該当するものである。複数の制御端子3Bは、たとえば、上述のゲート端子33および検出端子34に該当するものである。
【0175】
本実施形態においては、複数の入出力端子3Aは、封止樹脂60からx方向の一方側に突出するものと、x方向の他方側に突出するものとを含んでいる。すなわち、複数の入出力端子3Aは、封止樹脂60からx方向の両側に突出している。また、本実施形態の入出力端子3Aは、z方向を厚さ方向とする平板状または帯板状の形態とされている。
【0176】
複数の制御端子3Bは、封止樹脂60から、y方向の一方側に突出している。複数の制御端子3Bは、第1コネクタ8によって第1基板7に接続されている。
【0177】
図47に示すように、封止樹脂60には、複数の凸部66が形成されている。複数の凸部66は、第1基板7の第1基板裏面72に当接することにより、第1基板7と封止樹脂60(半導体装置B3)とのz方向における位置関係を規定するものである。複数の凸部66の個数は何ら限定されず、図示された例においては、封止樹脂60の四隅に4つの凸部66が配置されている。
【0178】
図46に示すように、本実施形態の第1基板7は、第1領域L1、第2領域L2および第3領域L3が設定されている。第1領域L1、第2領域L2および第3領域L3は、第1基板7に形成された配線パターンのうち、互いに離間した部位である。
【0179】
複数の電子部品700は、電子部品722および電子部品723を含む。電子部品722は、第1領域L1と第2領域L2とに跨って実装されている。電子部品723は、第1領域L1と第3領域L3とに跨って実装されている。電子部品722および電子部品723は、たとえば、スイッチング素子を制御するための専用の制御ICである。
【0180】
第1基板7には、コネクタ721が実装されている。コネクタ721は、半導体モジュールA3と外部回路とを接続するためのものである。
【0181】
本実施形態によっても、端子接続の容易化とより確実な導通とを図ることができる。また、複数の入出力端子3Aが、x方向の両側に突出していることにより、複数の半導体モジュールA3を、y方向に並べた状態使用するに適している。
【0182】
〔第3実施形態 変形例 半導体モジュールA31〕
図48~
図50は、半導体モジュールA3の変形例を示している。本変形例の半導体モジュールA31は、主に入出力端子3Aの構成が、上述した実施形態と異なっている。
【0183】
本変形例においては、複数の制御端子3Bが、封止樹脂60からy方向の一方側に突出しており、複数の入出力端子3Aが封止樹脂60からy方向の他方側に突出している。複数の入出力端子3Aは、x方向において2列に配置されている。
【0184】
また、第1基板7には、電子部品724および電子部品725が実装されている。電子部品724は、電子部品722とともに第1領域L1および第2領域L2に跨って実装されている。電子部品725は、電子部品723とともに第1領域L1および第3領域L3に跨って実装されている。電子部品724および電子部品725は、たとえば変圧を行うとともに、入力側と出力側とを絶縁する絶縁トランスである。
【0185】
本変形例によっても、端子接続の容易化とより確実な導通とを図ることができる。また、複数の入出力端子3Aが、y方向の他方側にまとめて突出している。これにより、複数の半導体モジュールA3を、x方向に並べた場合に、すべての入出力端子3Aがy方向の他方側に突出する。これは、複数の半導体モジュールA31の複数の入出力端子3Aに外部から接続する際に、y方向の他方側のみから接続すればよいという利点がある。
【0186】
本開示に係る半導体モジュールおよびAC/DCコンバータユニットは、上述した実施形態に限定されるものではない。本開示に係る半導体モジュールおよびAC/DCコンバータユニットの各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0187】
〔付記1〕
複数の半導体素子、複数の入出力端子、複数の制御端子および前記複数の半導体素子を覆う封止樹脂を有する半導体装置と、
第1基板と、
前記第1基板に固定され且つ前記制御端子と接続する第1コネクタとを備え、
前記第1コネクタは、前記第1基板の厚さ方向と直角であって互いに平行である第1方向および第2方向の少なくともいずれかにおいて前記制御端子が相対動することを許容する、半導体モジュール。
〔付記2〕
前記制御端子は、前記厚さ方向に延びる起立部を有しており、
前記第1コネクタは、前記起立部が挿通される挿通孔を有する、付記1に記載の半導体モジュール。
〔付記3〕
前記制御端子は、前記封止樹脂から前記第2方向に突出する基部を有し、
前記起立部は、前記基部の先端に繋がる、付記2に記載の半導体モジュール。
〔付記4〕
複数の前記制御端子は、前記第1方向に並んでいる、付記2または3に記載の半導体モジュール。
〔付記5〕
複数の前記制御端子は、前記封止樹脂を挟んで前記第2方向に分かれて配置されている、付記4に記載の半導体モジュール。
〔付記6〕
複数の前記入出力端子は、前記第1方向において複数の前記制御端子の外側に配置されている、付記4または5に記載の半導体モジュール。
〔付記7〕
複数の前記入出力端子は、前記封止樹脂を挟んで前記第2方向に分かれて配置されている、付記4に記載の半導体モジュール。
〔付記8〕
前記第1基板は、前記入出力端子を挿通させる入出力用貫通部を有する、付記2ないし7のいずれかに記載の半導体モジュール。
〔付記9〕
前記第1基板は、前記厚さ方向において互いに反対側を向く第1基板主面および第1基板裏面を有しており、
前記第1基板裏面は、前記厚さ方向において前記封止樹脂と対向している、付記2ないし8のいずれかに記載の半導体モジュール。
〔付記10〕
前記第1コネクタは、前記第1基板に対して前記厚さ方向における前記第1基板裏面側に配置されている、付記9に記載の半導体モジュール。
〔付記11〕
複数の前記第1コネクタは、前記第1方向に並んで配置されている、付記10に記載の半導体モジュール。
〔付記12〕
複数の前記第1コネクタは、前記第2方向において前記封止樹脂を挟んで分かれて配置されている、付記11に記載の半導体モジュール。
〔付記13〕
前記第1基板は、前記第1コネクタの一部を挿通させる制御用貫通部を有する、付記10ないし12のいずれかに記載の半導体モジュール。
〔付記14〕
前記第1基板に搭載された複数の電子部品を備える、付記9ないし13のいずれかに記載の半導体モジュール。
〔付記15〕
複数の前記電子部品は、前記第1基板主面に実装されたものを含む、付記14に記載の半導体モジュール。
〔付記16〕
複数の前記電子部品は、前記第1基板裏面に実装されたものを含む、付記14または15に記載の半導体モジュール。
〔付記17〕
前記封止樹脂は、前記厚さ方向にボルトを挿通させるための貫通孔を有しており、
前記第1基板は、前記厚さ方向視において前記貫通孔を内包する凹部を有する、付記9ないし16のいずれかに記載の半導体モジュール。
〔付記18〕
交流電力が入力される入力モジュールと、
付記1ないし5のいずれかに記載の半導体モジュールからなり、前記入力モジュールから出力された交流電流が入力され、且つ直流電流を出力する第1半導体モジュールと、
付記1ないし5のいずれかに記載の半導体モジュールからなり、前記第1半導体モジュールから出力された直流電力が入力され、且つ直流電力を出力する第2半導体モジュールと、
前記第2半導体モジュールから出力された直流電力が入力され、且つ直流電力を出力する出力モジュールと、を備え、
前記第1半導体モジュールの第1半導体装置の前記複数の入出力端子に含まれる出力端子と、前記第2半導体モジュールの第2半導体装置の前記複数の入出力端子に含まれる入力端子とは、第1固定手段によって直接接続されている、AC/DCコンバータユニット。
〔付記19〕
前記第1固定手段は、締結部材である、付記18に記載のAC/DCコンバータユニット。
〔付記20〕
前記第1固定手段は、溶接部である、付記18に記載のAC/DCコンバータユニット。
〔付記21〕
前記第1半導体モジュールは、PFC用モジュールである、付記18ないし20のいずれかに記載のAC/DCコンバータユニット。
〔付記22〕
前記第2半導体モジュールは、LLC用モジュールである、付記21に記載のAC/DCコンバータユニット。
〔付記23〕
前記入力モジュールは、出力端子を有し、
前記入力モジュールの前記出力端子と、前記第1半導体モジュールの前記入力端子とは、第2固定手段によって直接接続されている、付記22に記載のAC/DCコンバータユニット。
〔付記24〕
前記第2固定手段は、締結部材である、付記23に記載のAC/DCコンバータユニット。
〔付記25〕
前記第2固定手段は、溶接部である、付記23に記載のAC/DCコンバータユニット。
〔付記26〕
前記第1半導体モジュールの前記出力端子と、前記第2半導体モジュールの前記入力端子とに接続されたコンデンサモジュールを備える、付記23ないし25のいずれかに記載のAC/DCコンバータユニット。
〔付記27〕
前記コンデンサモジュールは、前記第1固定手段によって前記第1半導体モジュールの前記出力端子と、前記第2半導体モジュールの前記入力端子とに直接接続されている、付記26に記載のAC/DCコンバータユニット。
〔付記28〕
前記第2半導体モジュールと前記出力モジュールとの間に介在するトランスモジュールを備える、付記26または27に記載のAC/DCコンバータユニット。
〔付記29〕
前記トランスモジュールは、入力端子および出力端子を有し、
前記第2半導体モジュールの前記出力端子と、前記トランスモジュールの前記入力端子とは、第3固定手段によって直接接続されている、付記28に記載のAC/DCコンバータユニット。
〔付記30〕
前記第3固定手段は、締結部材である、付記29に記載のAC/DCコンバータユニット。
〔付記31〕
前記第3固定手段は、溶接部である、付記29に記載のAC/DCコンバータユニット。
〔付記32〕
前記出力モジュールは、入力端子および出力端子を有する第3半導体装置を具備し、
前記トランスモジュールの前記出力端子と、前記第3半導体装置の前記入力端子とは、第4固定手段によって直接接続されている、付記31に記載のAC/DCコンバータユニット。
〔付記33〕
前記第4固定手段は、締結部材である、付記32に記載のAC/DCコンバータユニット。
〔付記34〕
前記出力モジュールは、出力基板を有しており、
前記第3半導体装置の前記出力端子は、第5固定手段によって前記出力基板に直接接続されている、付記32または33に記載のAC/DCコンバータユニット。
〔付記35〕
前記第5固定手段は、締結部材である、付記34に記載のAC/DCコンバータユニット。