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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-26
(45)【発行日】2024-04-03
(54)【発明の名称】マッド材
(51)【国際特許分類】
   C04B 35/66 20060101AFI20240327BHJP
   C21B 7/12 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
C04B35/66
C21B7/12 307
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021202813
(22)【出願日】2021-12-14
(65)【公開番号】P2023088138
(43)【公開日】2023-06-26
【審査請求日】2022-11-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000170716
【氏名又は名称】黒崎播磨株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001601
【氏名又は名称】弁理士法人英和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮地 祥
(72)【発明者】
【氏名】大坪 祐二
(72)【発明者】
【氏名】平野 貴之
【審査官】浅野 昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-100886(JP,A)
【文献】特開2000-192120(JP,A)
【文献】特開2014-144883(JP,A)
【文献】特開2001-335374(JP,A)
【文献】特開2009-292692(JP,A)
【文献】特開2018-158870(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 35/66
C21B 7/00-7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーボンブラックを含む耐火材料に、タール類及びレジンからなる結合剤と、前記レジンの硬化促進剤とを添加して混練してなるマッド材であって、
前記カーボンブラックの含有量は、前記耐火材料100質量%中に占める割合で5質量%以上12質量%以下であり、
前記結合剤の添加量は、前記耐火材料100質量%に対する外掛けで12質量%以上22質量%以下であり、
前記硬化促進剤の添加量は、前記レジン100質量%に対する外掛けで1質量%以上4質量%以下であり、
かつ、前記レジンと前記タール類との質量比(レジン/タール類)が、1以上4以下である、マッド材。
【請求項2】
前記タール類は、60℃における粘度が200mPa・s以上2000mPa・s以下である、請求項1に記載のマッド材。
【請求項3】
前記レジンはフェノールレジンであり、前記硬化促進剤はヘキサミンである、請求項1又は2に記載のマッド材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高炉の出銑口に圧入充填してその出銑口を閉塞するマッド材に関する。
【背景技術】
【0002】
高炉の操業において、出銑終了後の出銑口にマッド材を圧入充填してこれを閉塞する。そして所定時間(通常は2~5時間)経過後の出銑の際に、それまでの時間に炉熱で焼成されたマッド材をドリルで開孔して湯道を形成することが行われる。このようにマッド材をドリルで開孔して湯道を形成するときに、湯道が一定以上の長さ確保される必要がある。このような湯道の長さは孔深度と呼ばれている。
【0003】
また、ドリルによって湯道を形成する途中に、マッド材が脱落して湯道とは異なる部分から湯道へ溶銑やスラグが流入する場合がある。このような場合、ドリル先端が損耗して掘削できなくなる。この現象は孔切れと呼ばれている。
【0004】
また近年、出銑を行う際の出銑時間を延長することが求められているため、出銑中に溶銑やスラグによって湯道が削られて拡大しないようにする必要がある。出銑中に溶銑やスラグによって湯道が削られて拡大することは、孔拡大と呼ばれている。なお、出銑時間を延長するには、孔拡大を抑制することのほか孔切れを抑制し、更に孔深度を確保する必要がある。
【0005】
ところでマッド材の基本構成は、耐火材料に結合剤を添加して混練してなる練り土状の耐火物である。また、結合剤としてタール類を用いたタール系マッド材と、レジンを用いたレジン系マッド材とが知られており、更に、例えば特許文献1に開示されているように結合剤としてタール類とレジンを併用したマッド材も知られている。
タール類は展開性が高いが充填時、低温での強度が得られにくく、一方、レジンは高強度を発現するが展開性が低い。このように、タール類とレジンとは、相反する長所と短所を有するため、結合剤にタール類とレジンとを併用すれば、一方の短所を他方の長所で補うことができ、優れたマッド材が実現されやすいと考えられる。
【0006】
しかし、単に結合剤にタール類とレジンとを併用するだけでは、上述の孔深度の確保、孔切れの抑制、及び孔拡大の抑制という3つの要求特性をバランスよく満足するには十分ではなく、結果として出銑時間の延長も十分ではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2008-100886号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、孔深度の確保、孔切れの抑制、及び孔拡大の抑制という3つの要求特性をバランスよく満足することのできるマッド材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らが、結合剤にタール類とレジンとを併用したマッド材において上述の3つの要求特性をバランスよく満足するために、マッド材の構成について試験及び研究を重ねたところ、結合剤中のレジンとタール類との質量比を特定の範囲とすると共に、レジンの硬化促進剤を適量添加し、かつ耐火材料中のカーボンブラックの含有量を特定の範囲とすることが肝要であることを見出した。
【0010】
すなわち、本発明の一観点によれば次のマッド材が提供される。
カーボンブラックを含む耐火材料に、タール類及びレジンからなる結合剤と、前記レジンの硬化促進剤とを添加して混練してなるマッド材であって、
前記カーボンブラックの含有量は、前記耐火材料100質量%中に占める割合で5質量%以上12質量%以下であり、
前記結合剤の添加量は、前記耐火材料100質量%に対する外掛けで12質量%以上22質量%以下であり、
前記硬化促進剤の添加量は、前記レジン100質量%に対する外掛けで1質量%以上4質量%以下であり、
かつ、前記レジンと前記タール類との質量比(レジン/タール類)が、1以上4以下である、マッド材。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、孔深度の確保、孔切れの抑制、及び孔拡大の抑制という3つの要求特性をバランスよく満足することのできるマッド材を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のマッド材の基本構成は、カーボンブラックを含む耐火材料に、タール類及びレジンからなる結合剤と、レジンの硬化促進剤とを添加して混練してなるものである。そして上述の3つの要求特性をバランスよく満足するために、マッド材の充填時には炉内への展開性がよく、充填後すぐに強度を発現し、かつ溶銑やスラグの侵食に強いものとするとの観点から、マッド材としての具体的な構成を特定したものである。
【0013】
まず、本発明のマッド材は結合剤にタール類とレジンとを併用しているから、タール類のみを使用した場合よりも早く強度を発現し、レジンのみを使用した場合よりも充填中の展開性がよい。そして、レジンとタール類との質量比(レジン/タール類)を1以上4以下とすることで、強度の発現性と展開性をバランスさせている。また、レジンの硬化促進剤を添加していることから、溶銑やスラグに対する耐侵食性(以下「耐食性」という。)が向上する。更に、耐火材料中にカーボンブラックを適量含むことで、耐食性の低下を抑えつつ展開性を向上させることができる。以下、より具体的に説明する。
【0014】
本発明のマッド材において耐火材料は、カーボンブラックを5質量%以上12質量%以下含む。カーボンブラックの含有量が5質量%未満では、展開性が不十分となり孔深度を確保することができない。一方、カーボンブラックの含有量が12質量%を超えると、耐食性の低下が顕著となり孔拡大が顕著となる。カーボンブラックの含有量は、耐火材料100質量%中に占める割合で5質量%以上9質量%以下であることが好ましい。なお、十分な展開性を確保する観点から、カーボンブラックの粒径は0.075mm以下であることが好ましい。
【0015】
カーボンブラック以外の耐火材料としては、一般的なマッド材と同様に、例えば、ろう石、ムライト、カオリン、粘土、シャモット、セリサイト、シリマナイト、アンダリューサイト等のアルミナシリカ質原料、ボーキサイト、ダイアスポア、ばん土頁岩、電融アルミナ、焼結アルミナ、仮焼アルミナ、焼結スピネル、電融スピネル等のアルミナ質原料、珪石、シリカフラワー、溶融シリカ等のシリカ質原料、鱗状黒鉛、土状黒鉛、コークス等のカーボン質原料、その他、炭化珪素、窒化珪素、窒化珪素鉄、ジルコン、ジルコニア、マグネシア、クロム鉱、ドロマイトクリンカー、石灰、フェロシリコン、及びペレットからなる群から選択される1種以上を用いることができる。
【0016】
カーボンブラック以外の耐火材料は、密充填組織が得られるようにすること、及び良好な作業性が得られるようにすること等を目的として、粗粒域、中粒域、及び微粒域に粒度調整される。具体的には、耐火材料は、JIS-Z8801に規定する標準ふるいを用いた測定で、粒径1mmを超えるものが10~30質量%を、粒径0.075mm以下のものが40~70質量%を、粒径0.075mmを超え1mm以下ものが残部を構成するように粒度調整することが好ましい。なお、上述のJIS-Z8801の標準ふるいでのマッド材を構成する粒子の粒度測定においては、平織のふるいを使用する。また、ふるい分け試験はJIS-Z8815に準拠して行い、試験方法は乾式の機械ふるい分けとする。
【0017】
本発明のマッド材は、上述の耐火材料に、タール類及びレジンからなる結合剤と、レジンの硬化促進剤とを添加して混練してなる。結合剤の添加量は、耐火材料100質量%に対する外掛けで12質量%以上22質量%以下である。結合剤の添加量が12質量%未満である場合、マッド材の強度発現が遅くなるため孔切れが起こりやすくなり、また孔深度の延長もし難くなる。結合剤の添加量が22質量%を超える場合、タール類が燃焼後に揮発する成分が多いことから、高温下においてマッド材の組織が多孔質になり、マッド材の溶銑やスラグに対する耐久性が悪く孔拡大が起こりやすくなる。
なお、本発明においてタール類及びレジンの両方を溶解する相溶性溶剤や従前より用いられるレジンの溶剤を用いる場合、その相溶性溶剤やレジンの溶剤の添加量は、結合剤の添加量に含まれるものとし、より具体的にはレジンの添加量に含まれるものとする。言い換えれば、相溶性溶剤やレジンの溶剤はレジンに含まれるものとする。したがって、本発明のマッド材において結合剤は、実質的にタール類及びレジンのみからなる。
【0018】
なお、本発明のマッド材において相溶性溶剤は、例えば、多価アルコールとジカルボン酸メチルエステルとの混合物を使用できる。多価アルコールとしては、例えば、モノエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、及びグリセリンよりなる群から選択される1種以上を使用できる。ジカルボン酸メチルエステルとしては、例えば、マロン酸ジメチル、コハク酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチルよりなる群から選択される1種以上を使用できる。
【0019】
また、レジンの硬化促進剤の添加量は、レジン100質量%に対する外掛けで1質量%以上4質量%以下である。硬化促進剤の添加量が1質量%未満では、マッド材の緻密化が不十分となり耐食性が低下することから孔拡大が顕著となる。一方、硬化促進剤の添加量が4質量%を超えると、レジンの硬化が早くなりすぎて孔深度を確保できなくなる。マッド材のマッドガン内での安定性、熱間での組織安定性を考慮すると、レジンの硬化促進剤の添加量はレジン100質量%に対する外掛けで1.4質量%以上2質量%以下とすることが好ましい。レジンの硬化促進剤としてはヘキサミン、エポキシ樹脂、イソシアネート等を用いることができる。
【0020】
本発明のマッド材において結合剤中のレジンとタール類との質量比(レジン/タール類)は1以上4以下である。質量比が1未満では、充填後の強度発現が不十分となり孔切れが発生しやすくなる。一方、質量比が4を超えると、展開性が低下して孔深度を確保できなくなると共に、耐食性も低下して孔拡大が発生しやすくなる。質量比は1以上2.4以下であることが好ましい。
【0021】
ここで、レジンとしては、例えばフェノールレジン、フランレジン、尿素レジン、メラミンレジン、キシレンレジン、エポキシレジン等が挙げられる。フェノールレジンは、ノボラック型、レゾール型いずれも使用できる。レジンとしてフェノールレジンを用いる場合、その硬化促進剤としてはヘキサミンを用いることが好ましい。
一方、タール類としては、例えばコールタール、石油タール、木タール、ケツ岩タール(油ケツ岩の乾留生成油)、アスファルト、及びピッチ等からなる群から選択される1種以上を用いることができる。なお、タール類としては、60℃における粘度が200mPa・s以上2000mPa・s以下のものを用いることが好ましい。60℃における粘度が200mPa・s未満である場合、タール類の燃焼後の残留炭素が少なくなり、マッド材の溶銑やスラグに対する耐久性が悪く孔拡大が起こりやすくなる。また、60℃における粘度が2000mPa・s超である場合、強度を得るためにマッド材へのタール類の添加量を60℃における粘度が200mPa・s以上2000mPa・s以下のものよりも増やす必要がある。タール類は燃焼後に揮発する成分が多いため、高温下においてマッド材の組織が多孔質になり、マッド材の溶銑やスラグに対する耐久性が悪く孔拡大が起こりやすくなる。
【0022】
以上のように、本発明のマッド材においては、結合剤中のレジンとタール類との質量比を特定の範囲とすると共に、レジンの硬化促進剤を適量添加し、かつ耐火材料中のカーボンブラックの含有量を特定の範囲とすることで、孔深度の確保、孔切れの抑制、及び孔拡大の抑制という3つの要求特性をバランスよく満足することができる。
【実施例
【0023】
表1に示す配合よりなる各例のマッド材について、強度発現性、可塑性及び耐食性を評価し、これらの評価結果に基づいて総合評価を行った。
なお、表1中、カーボンブラック以外の耐火材料としては、一般的なマッド材と同様に、ろう石、炭化珪素、電融アルミナ、粘土等を使用した。また、レジンとしてはノボラック型フェノールレジンを使用し、硬化促進剤としてはヘキサミンを使用した。また、タール類としては、60℃における粘度が200mPa・s以上400mPa・s以下のものを使用した。粘度の測定方法はJISZ8803に従い、60℃時点のタールについてB型粘度計を使用して測定した。
【0024】
【表1】
【0025】
強度発現性、可塑性及び耐食性、並びに総合評価の評価方法及び評価基準は以下の通りである。
<強度発現性>
窒素雰囲気下にした電気炉を予め300℃に昇温し、φ35×30mmのマッド材を炉内に静置し、35分経過後に取り出し、圧縮試験機で強度測定を行った。そして、その強度測定値が20MPa以上40MPa以下の場合を◎(優良)、3MPa以上20MPa未満の場合を〇(良好)、3MPa未満の場合を×(低)(不良)、40MPa超の場合を×(高)(不良)とした。この強度測定値が高いほど、マッド材の充填後すぐに強度を発現するということであり、特に孔切れの抑制に寄与する。
【0026】
<可塑性>
マッド材1kgを250℃で3h加熱し、マーシャル試験機にて押出し圧力値を測定した。そして、その押出し圧力値が3MPa以下の場合を〇(良好)、3MPa超の場合を×(不良)とした。この押出し圧力値が低いほど可塑性に優れ、マッド材の充填時に炉内への展開性がよいということであり、特に孔深度の確保に寄与する。
【0027】
<耐食性>
マッド材を7MPaで加圧成形した後、500℃加熱のベーキング処理を行って得た試験片を、高炉スラグを侵食剤とする小型回転炉に内張りし、1600℃×5時間の侵食試験を行った。なお、侵食試験中30分毎に侵食剤を交換(10回)した。侵食試験後、試験片の溶損寸法(最大溶損部位)を測定し、比較例2の溶損寸法を100とする耐食性指数を求めた。そして、その耐食性指数が70未満の場合を◎(優良)、70以上100未満の場合を〇(良好)、100以上の場合を×(不良)とした。この耐食性指数が小さいほど耐食性に優れているということであり、特に孔拡大の抑制に寄与する。
【0028】
<総合評価>
強度発現性及び耐食性の評価が両方とも◎(優良)でかつ可塑性の評価が〇(良好)の場合を◎(優良)、強度発現性及び耐食性の評価の少なくとも一方の評価が〇(良好)でかつ強度発現性、可塑性及び耐食性の評価に×(不良)の評価がない場合を〇(良)、強度発現性、可塑性及び耐食性の評価のうち少なくとも一つの評価が×(不良)の場合を×(不良)とした。
【0029】
表1中、実施例1~3は、いずれも本発明の範囲内にあるマッド材であり、総合評価は◎(優良)又は〇(良好)となり、良好な結果が得られた。すなわち、実施例1~3のマッド材によれば、孔深度の確保、孔切れの抑制、及び孔拡大の抑制という3つの要求特性をバランスよく満足することができるといえる。なかでもカーボンブラックの含有量、硬化促進剤の添加量、及びレジンとタール類との質量比(レジン/タール類)がいずれも好ましい範囲内にある実施例1は総合評価が◎(優良)となり、特に良好な結果が得られた。
【0030】
比較例1はカーボンブラックの含有量が少なすぎる例である。可塑性の評価が×(不良)となった。そのため、孔深度を確保することができない。
一方、比較例2はカーボンブラックの含有量が多すぎる例である。耐食性の評価が×(不良)となった。そのため、孔拡大を抑制することができない。
【0031】
比較例3は結合剤の添加量が少なすぎる例である。強度発現性の評価が×(低)(不良)となると共に可塑性の評価が×(不良)となった。そのため、孔切れを抑制することができず、孔深度を確保することもできない。
一方、比較例4は結合剤の添加量が多すぎる例である。耐食性の評価が×(不良)となった。そのため、孔拡大を抑制することができない。
【0032】
比較例5は質量比(レジン/タール類)が低すぎる例である。強度発現性の評価が×(低)(不良)となった。そのため、孔切れを抑制することができない。
一方、比較例6は質量比(レジン/タール類)が高すぎる例である。強度発現性の評価が×(高)(不良)となると共に可塑性及び耐食性の評価が×(不良)となった。そのため、孔深度を確保することができず、孔切れ及び孔拡大を抑制することもできない。
【0033】
比較例7は硬化促進剤の添加量が少なすぎる例である。耐食性の評価が×(不良)となった。そのため、孔拡大を抑制することができない。
一方、比較例8は硬化促進剤の添加量が多すぎる例である。強度発現性の評価が×(高)(不良)となると共に可塑性の評価が×(不良)となった。そのため、孔深度を確保することができない。