(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-26
(45)【発行日】2024-04-03
(54)【発明の名称】エポキシ樹脂の製造方法
(51)【国際特許分類】
C08G 59/20 20060101AFI20240327BHJP
C08G 59/40 20060101ALI20240327BHJP
C09D 163/00 20060101ALI20240327BHJP
C09J 163/00 20060101ALI20240327BHJP
B32B 27/38 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
C08G59/20
C08G59/40
C09D163/00
C09J163/00
B32B27/38
(21)【出願番号】P 2021518153
(86)(22)【出願日】2019-09-18
(86)【国際出願番号】 EP2019075067
(87)【国際公開番号】W WO2020069871
(87)【国際公開日】2020-04-09
【審査請求日】2022-09-02
(32)【優先日】2018-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】514195481
【氏名又は名称】フェート・エンフェー (フラームス・インステリング・フーア・テクノロジシュ・オンダーゾエク・エンフェー)
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】パブロ・オルティス
(72)【発明者】
【氏名】リチャード・ヴェンダメ
【審査官】内田 靖恵
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-219716(JP,A)
【文献】特開2008-138061(JP,A)
【文献】特開2010-061879(JP,A)
【文献】国際公開第2011/097484(WO,A1)
【文献】特開2010-031092(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G59
C08L63
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エポキシ樹脂の製造方法であって、以下の工程:
a.リグニン、エポキシ化された植物油由来の1種以上の酸及び/又は1種以上のエステル、任意選択で溶媒、並びに任意選択で触媒を準備して、反応混合物を形成する工程、
b.硬化剤の存在下、前記反応混合物を混合及び硬化させてエポキシ樹脂を生成する工程を含み、
混合の間に中間生成物が生成することを特徴とする、方法。
【請求項2】
工程bが、
b.i 硬化剤の存在下、前記反応混合物を混合する工程及び
b.ii 前記反応混合物を硬化させてエポキシ樹脂を生成する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
エポキシ樹脂の製造方法であって、以下の工程:
a.リグニン、エポキシ化された植物油由来の1種以上の酸及び/又は1種以上のエステル、任意選択で溶媒、並びに任意選択で触媒を準備して、反応混合物を形成する工程、
b.i 少なくとも10℃の温度で、少なくとも1分間前記反応混合物を混合する工程及び
b.ii 硬化剤の存在下、前記反応混合物を硬化させてエポキシ樹脂を生成する工程を含
み、
混合の間に中間生成物が生成することを特徴とする、方法。
【請求項4】
前記反応混合物が、少なくとも20℃の温度で、少なくとも5分間混合される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
追加のエポキシ化された植物油、特にエポキシ化された植物油由来の酸及び/若しくはエステル、並びに/又は第二のエポキシ化合物が、混合工程b.iを行った後及び前記反応混合物を硬化させる前に加えられる、請求項3又は4に記載の方法。
【請求項6】
前記溶媒が、混合の間または混合後であるが硬化剤の添加前、硬化剤の添加後であるが硬化の前、又は前記硬化の間に、溶媒が蒸発させられる、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
硬化時間が少なくとも1時間及
び硬化温度が少なくとも50℃である、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
リグニン対エポキシ化された植物油
由来の1種以上の酸及び/又は1種以上のエステルの質量比が0.01:1~5:1;好ましくは0.05:1~1:1である、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
エポキシ化された植物油由来の1種以上の酸及び/又はエステルが、エポキシ化された亜麻仁油若しくはエポキシ化された大豆油由来又はそれらの混合物に由来する、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記硬化剤が、ジアミン、ポリアミン、二酸若しくは三酸、無水物、ジオール又はポリオールである、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
アミン/酸/無水物/アルコール当量:エポキシ当量によって計算される、硬化剤対エポキシ化された植物油由来の1種以上の酸及び/又はエステルの比が、0.2:1~5:1である、請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の方法によって得られる、エポキシ樹脂。
【請求項13】
添加剤及び/又はフィラーを含む、請求項12に記載のエポキシ樹脂。
【請求項14】
複合材、分散液、積層体材料、ゴム状材料、繊維-強化材料、電子材料、航空材料、生物医学的応用、接着剤、塗料
又はコーティングの製造のための、請求項12又は13に記載のエポキシ樹脂の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エポキシ樹脂の製造方法を対象にする。
【背景技術】
【0002】
エポキシ樹脂は熱硬化樹脂である。エポキシ樹脂は、優れた機械特性、化学分解耐性、良好な電気特性及び低い水分吸収性により高性能樹脂である。現在、多くのエポキシ樹脂は、非再生可能資源由来である。主要なエポキシ源は、エピクロロヒドリンとビスフェノールA(BPA)との反応により、産業的に製造されるビスフェノールAのジグリシジルエーテルである。BPA由来の芳香環は、ポリマーに構造上の堅さ及び安定性を与え、良好な機械及び熱特性を有する材料をもたらす。良好な熱特性により、BPAはエポキシポリマーの90%超で存在する。しかしながら、その内分泌かく乱作用により、大きな制御圧力の下である。現在の商業的な工程において、発がん性化学物質であるエピクロロヒドリンも使用される。それ故、BPA及びエピクロロヒドリンの代替物を見出す要請がある。
【0003】
更に、環境の懸念及び化石燃料の枯渇が、再生産可能資源の使用への移行に化学産業を後押ししている。
【0004】
先行技術は、エポキシポリマーを調製するためにリグニンが使用されるいくつかの方法を含む。
【0005】
米国特許3857830号明細書には、リグニンがジエポキシド化合物と架橋するエポキシド組成物が記載されている。ジエポキシド化合物は、末端エポキシド基を有し、バイオマス由来ではない。
【0006】
英国特許第930990A号には、ポリエポキシドとリグニンの反応、及び生成した樹脂が、無水物又はジアミンと更に硬化され得ることが記載されている。使用されるポリエポキシドは、ポリヒドロキシ化合物とエピクロロヒドリンの反応によって生成される。ポリエポキシドは、バイオ再生可能資源由来ではない。
【0007】
米国特許出願公開第2014/0235811号明細書には、バイオベースのエポキシ樹脂の製造方法が記載されている。リグニン化合物が第一にポリオールと反応されて、中間生成物を生成する。その後、中間生成物が複数の-エポキシ化合物と反応される。
【0008】
米国特許出願公開第2016/0102170号明細書には、リグニン-ベースのバイオマスエポキシ樹脂の製造方法が記載され、(a)リグニン、酸無水物化合物、及び溶媒を混合して、第一中間生成物を生成する工程、(b)第一中間体化合物と第一ポリオールを反応させて、第二中間体化合物を生成する工程、及び(c)第二中間体化合物とエポキシ化合物を反応させてバイオ-ベースのエポキシ樹脂を生成する工程を含む。
【0009】
その他の特許出願は、エポキシ化された植物油及びそれらの誘導体をエポキシ樹脂に使用することを記載している。
【0010】
米国特許出願公開第2005/011937号明細書は、エポキシ化された植物油又はそのエステルとエポキシ樹脂前駆体との硬化を記載している。硬化された組成物は、好ましくは、フィラー及び/又は連続炭素繊維を含むが、リグニンは存在しない。
【0011】
同様に、国際公開第2016/164869には、エポキシ化されたトリグリセリドの使用、及びそれらのエポキシ-反応性化合物との反応によりトリグリセリド-アセトアセチル組成物をもたらすことが記載されている。
【0012】
研究論文(T. Tsujimoto, N. Imai, H. Kageyama, H. Uyama, M. Funaoka, JSTAGE, 2008, 4, p. 192-197)においては、触媒を使用した、リグノフェノール及びエポキシ化大豆油の反応が記載される。その論文においては、リグニンが、生成されたポリマーに強化を与えず、リグノフェノール及びエポキシ化された大豆油との反応が観察されなかったことを意味することが記載される。
【0013】
米国特許出願公開第2009/281273号明細書には、リグニンをエポキシ化亜麻仁油と、エポキシ樹脂のエポキシ当量:リグニンのヒドロキシル当量が1:1の比で混合することによりポリマー性の材料を生成する方法が記載される。
【0014】
特開2009/046646号明細書には、実施例において、リグニンスルホン酸塩及びエポキシ化された亜麻仁油によって構成されるエポキシ樹脂の製造方法が記載される。この方法において、触媒が使用される。
【0015】
特開2014/136741号明細書には、リグニン誘導体、エポキシ化された亜麻仁油、触媒として、ヘキサメチレンテトラミン2-メチルイミダゾール及びケイ素粉末を含むエポキシ樹脂を製造する例が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【文献】米国特許3857830号明細書
【文献】英国特許第930990A号
【文献】米国特許出願公開第2014/0235811号明細書
【文献】米国特許出願公開第2016/0102170号明細書
【文献】米国特許出願公開第2005/011937号明細書
【文献】国際公開第2016/164869
【文献】米国特許出願公開第2009/281273号明細書
【文献】特開2009/046646号明細書
【文献】特開2014/136741号明細書
【非特許文献】
【0017】
【文献】T. Tsujimoto, N. Imai, H. Kageyama, H. Uyama, M. Funaoka, JSTAGE, 2008, 4, p. 192-197
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の目的は、製造が容易である、部分的に又は完全にバイオベースのエポキシ樹脂を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明によるエポキシ樹脂の製造方法は以下の工程:
a.リグニン、エポキシ化された植物油由来の1種以上の酸及び/又は1種以上のエステル、任意選択で溶媒、及び任意選択で触媒を準備し、反応混合物を形成する工程、
b.硬化剤の存在下、反応混合物を混合及び硬化させて、エポキシ樹脂を生成する工程
を含む。
【0020】
特に、本発明によるエポキシ樹脂の製造方法は以下の工程:
a.リグニン、エポキシ化された植物油由来の1種以上のエステル、任意選択で溶媒、及び任意選択で触媒を準備し、反応混合物を形成する工程、
b.硬化剤の存在下、反応混合物を混合及び硬化させてエポキシ樹脂を生成する工程
を含む。
【発明の効果】
【0021】
本発明による方法は以下の利点を有する:
リグニン及びエポキシ化された植物油ベースの酸又はエステルは、バイオ-ベースの資源由来である。また、硬化剤及び溶媒は、バイオ-ベースの資源から得られ得る。この方法において、完全なバイオ-ベースのエポキシ樹脂が製造され得る。更に、本発明による方法は、経済的に魅力的な方法にする、一段階の工程又は二段階の工程として行われ得る。更に、エポキシ樹脂の特性は、エポキシ化された植物油ベースの酸又はエステルの種類の変化、エポキシ化された植物油-ベースの酸又はエステルに対するリグニンの量、及びエポキシ化された植物油-ベースの酸又はエステルに対する硬化剤の量の変化によって変化させられ得る。溶媒が使用される場合、溶媒は、好ましくは、エポキシ樹脂に組み込まれずに、溶媒は再利用され得る。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明によるエポキシ樹脂の製造方法は、以下の工程:
a.リグニン、エポキシ化された植物油由来の1種以上の酸及び/又は1種以上のエステル、任意選択で溶媒及び任意選択で触媒を準備して、反応混合物を形成する工程、
b.硬化剤の存在下、反応混合物を混合及び硬化させて、エポキシ樹脂を生成する工程
を含む。
【0023】
第一の実施態様によると、エポキシ樹脂は、一段階の反応工程において製造され得る。エポキシ樹脂が一段階の反応工程で製造される場合、工程bは:
b.i 硬化剤の存在下反応混合物を混合する工程及び
b.ii 反応混合物を硬化させてエポキシ樹脂を生成する工程
を含む。
【0024】
別の実施態様において、二段階工程においてエポキシ樹脂が製造されることが可能であり、工程bが:
b.i 少なくとも20℃の温度で、少なくとも5分間反応混合物を混合する工程、及び
b.ii 硬化剤の存在下反応混合物を硬化させて、エポキシ樹脂を生成する工程
を含む。
【0025】
工程b.iの間、中間生成物が生成され得る。
【0026】
更に、工程b.iの混合を行った後及び反応混合物を硬化させる前に、追加のエポキシ化された植物油及び/又は第二のエポキシ化合物が、反応混合物及び/又は中間生成物に加えられ得;特に追加のエポキシ化された植物油由来の酸及び/若しくはエステル並びに/又は第二のエポキシ化合物が、反応混合物及び/又は中間生成物に加えられ得;より具体的には、植物油由来の追加のエステル、及び/又は第二のエポキシ化合物が、反応混合物及び/又は中間生成物に加えられ得る。
【0027】
硬化の間、リグニン中の水酸基は、エポキシ化された植物油由来の酸及び/又はエステルのエポキシ基と反応する。リグニン並びにエポキシ化された植物油由来の酸及び/又はエステルの反応は、生成物においてエポキシ基に相当するシグナルが消えるため、FTIR分光法によって確認され得る。
【0028】
エポキシ樹脂中のリグニンを組み込むため、リグニンは、硬化剤前にエポキシ化された植物油由来の1種以上の酸及び/又はエステルと反応しなければならない。これが達成され得る異なる方法がある。
【0029】
二段階工程反応は、リグニンがエポキシ化された植物油由来の1種以上の酸及び/又はエステルと、第一工程において反応することを確かにするために行われ得る。第二工程において、中間生成物が硬化される。
【0030】
一段階工程反応も、可能であるが、この場合、リグニンとエポキシ化された植物油由来の酸及び/又はエステルとの反応が、エポキシ化された植物油と硬化剤との反応より早くなければならない。硬化剤は、リグニン並びにエポキシ化された植物油由来の酸及び/又はエステルの反応を可能にするよう選択されるべきである。
【0031】
リグニン及び/又は触媒が、エポキシ化された植物油由来の酸及び/又はエステル中に可溶でない場合、溶媒が必要とされる。リグニンが、エポキシ化された植物油由来の酸及び/又はエステル中に可溶であることが重要である。もしそうでなければ、リグニンは、エポキシ化された植物油由来の酸及び/又はエステルと反応せず、硬化の後の架橋材料がただフィラーの様にリグニンを組み込むだろう。
【0032】
以下の実施例から明らかになるように、特定の実施態様において、エポキシ化された植物油由来のエステルが、本明細書内で記載される方法において使用される。
【0033】
反応混合物は、好ましくは、少なくとも10℃、より好ましくは少なくとも20℃、最も好ましくは少なくとも30℃、別法として、少なくとも40℃の温度で撹拌される。温度は、好ましくは、最大でも200℃であり、より好ましくは最大でも150℃、最も好ましくは最大でも100℃である。反応混合物は、好ましくは、少なくとも1分間、好ましくは少なくとも5分間、好ましくは少なくとも10分間、好ましくは少なくとも30分間撹拌される。反応混合物は、好ましくは、最大でも5時間、より好ましくは最大でも2時間、最も好ましくは最大でも1時間撹拌される。
【0034】
低すぎる温度又は短い反応時間は、リグニンとエポキシ化された植物油由来の1種以上の酸及び/又はエステルとの不完全な反応をもたらす。
【0035】
溶媒は、存在する場合、混合の間又は混合の後であるが、硬化剤の添加前、硬化剤の添加後であるが、硬化の前又は硬化の間に揮発させられてもよい。
【0036】
硬化時間は、好ましくは少なくとも1時間、より好ましくは2時間、最も好ましくは3時間である。硬化時間は、好ましくは、最大でも48時間、より好ましくは36時間、最も好ましくは24時間である。硬化温度は、好ましくは、少なくとも50℃、より好ましくは少なくとも80℃、最も好ましくは少なくとも100℃である。硬化温度は、好ましくは最大でも250℃、より好ましくは最大でも200℃、最も好ましくは最大でも180℃である。
【0037】
好ましくは、リグニン対エポキシ化された植物油由来の1種以上の酸及び/又はエステルの質量比は、0.01:1から5:1;より好ましくは0.05:1から1:1である。より好ましくは、リグニン対エポキシ化された植物油由来のエステルの質量比は、0.01:1から5:1;より好ましくは0.05:1から1:1である。
【0038】
これは、十分な反応点が、硬化剤の反応に利用可能であることを確かにする。
【0039】
更なる実施態様において、リグニンは、エポキシ化された植物油由来の酸及び/又はエステル、特に、エステルと、質量比0.5:1から5:1で混合され得る。硬化の前に、追加のエポキシ化された植物油が添加され得る。第一の工程において、エポキシ化された植物油由来の酸及び/又はエステルが、リグニンと反応する場合、追加のエポキシ化植物油はリグニンと反応しないだろう。中間生成物及び追加のエポキシ化植物油は、硬化剤によって硬化され、エポキシ樹脂を生成するだろう。特定の実施態様において、エポキシ化された植物油由来の、追加の酸及び/又はエステル、好ましくはエステルが、硬化の前に添加され得る。エポキシ化された植物油由来の酸及び/又はエステルが、第一の工程において、リグニンと反応する場合、エポキシ化された植物油由来の追加の酸及び/又はエステルは、リグニンと反応しないだろう。中間体生成物並びにエポキシ化された植物油由来の追加の酸及び/又はエステルが、硬化剤によって硬化され、エポキシ樹脂を生成するだろう。
【0040】
好ましくは、本発明の方法において、硬化剤及び溶媒はバイオ-ベースである。
【0041】
リグニンは、地球上で二番目に最も豊富な天然ポリマーであり、地球上のバイオマスの15~30%を占める。天然のリグニンは芳香族ポリマーの複合体であり、リグノセルロース種の種類によって決定される割合において、3種の芳香族アルコール:p-クマリルアルコール、コニフェリルアルコール、及びシナピルアルコールの、ラジカル重合に由来する。これらのモノリグノール単位は、β-O-4エーテル架橋が主要である、異なる結合モチーフによって一緒に架橋される。リグニンは、再生可能な芳香族化合物の、唯一の拡張可能な資源であるが、現在、特殊な生成物において、そのわずかな割合しか使用されていない。
【0042】
リグニンは、定義された構造を有さず、更に、これは、単離及び後処理工程に依存する。しかしながら、以下から合成されるモノマー由来の繰り返し単位を有する:
【化1】
【0043】
リグニン資源及び処理に関わりなく、リグニンは一定量の水酸基官能基、脂肪族及び芳香族両方を有する。化学変性は、リグニン上でその反応性を高めるために行われてもよい。これらは、制限されないが、エステル化、脱メチル化、フェノール化及びメチロール化を含む。
【0044】
リグニンは、リグノセルロース材料から単離される必要がある。(クラフト工程、ソーダパルプ化及び亜硫酸パルプ化などの)アルカリ分解、(オルガノソルブパルプ化及びホルムアルデヒド-補助分画などの)酸脱リグニン、還元触媒分画、イオン性液体溶解およびイオノソルブパルプ化分画由来の、分画されたリグニンが使用され得る。加えて、バイオマス分画法由来のリグニンが使用され得る。これらの方法は、酸触媒加水分解、酵素-補助加水分解、熱分解を含む。天然又は単離されたリグニンが起源である、脱重合リグニン流は、この方法において使用され得る。脱重合技術は、還元的な脱重合、酸化的な脱重合、塩基-触媒された脱重合、酸-触媒された脱重合、溶媒性脱重合、電気化学脱重合及び熱脱重合を含む。
【0045】
工業リグニン又はそれらの組み合わせは本法で使用され得るが、好ましくは、高い官能性及び低い分子量を有する、より定義されたリグニンが、本方法で使用される。これらは、反応の前に、脱重合、分画又は脱重合及び分画の両方の成果である。脱重合されたリグニンはモノマー、ダイマー及びオリゴマーを組成物中に含む。
【0046】
エポキシ化された植物油は、エポキシ化された植物から抽出されたトリグリセリドの混合物である。
【0047】
制限のないエポキシ化された植物油の例は、エポキシ化された亜麻仁油、エポキシ化された大豆油、エポキシ化されたひまし油、エポキシ化されたキャノーラ油、エポキシ化されたクロヨナ油、エポキシ化された菜種油、エポキシ化されたヒマワリ油、エポキシ化されたニーム油、エポキシ化されたキリ油、エポキシ化された天然ゴム、または少なくとも2種のこれらのエポキシ化生成物を含む、それらの混合物を含む。エポキシ化された植物油は以下の一般式で表され得る:
【化2】
【0048】
エポキシ化された植物油の酸及びエステルが得られ得る。これらは以下の一般式で表され得る。
【化3】
【0049】
エステル中のR基は、最大6個の炭素原子の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり得る。これらのアルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、n-ブチル、t-ブチル及びヘキシル基である。好ましくは、Rはメチル基である。
【0050】
本発明による方法において、エポキシ化された植物油の酸及びエステルの使用は、それらが、エポキシ樹脂中で架橋をより可能にするため、相当するトリグリセリド(エポキシ化された植物油)より良好な性能を与える。
【0051】
エポキシ化された植物油由来の酸及び/又はエステルの混合物は、本発明による方法において使用され得る。特に、エポキシ化された植物油由来のエステルの混合物は、本発明による方法において使用され得る。
【0052】
より好ましくは、エポキシ化された亜麻仁油、及びエポキシ化された大豆油の組み合わせ並びにそれらの酸又はエステル誘導体は、市販で利用可能であることにより、使用される。
【0053】
エポキシ化された植物油由来の酸又はエステルは、第二エポキシ化合物と組み合わせて使用もされ得る。第二エポキシ化合物は、エポキシ化された植物油由来の酸又はエステルと一緒に添加され得、エポキシ樹脂の特性を調整する。第二エポキシ化合物は、少なくとも二つのエポキシ基を含むことを必要とする。好ましくは、第二エポキシ化合物は、バイオ-ベースである。第二エポキシ化合物の例は、グリセロールなどのポリオール、エチレングリコール、没食子酸及びレゾルシノール由来のポリエポキシドである。
【0054】
エポキシ化合物は、存在するエポキシ化合物の総質量に対して、10~100質量%のエポキシ化された植物油由来の酸及び/又はエステル、及び10~90質量%の第二エポキシ化合物を含み得る。
【0055】
硬化剤が、エポキシ樹脂の製造のために本方法で使用される。硬化剤の例は、ジアミン、ポリアミン、二酸又は三酸、無水物、ジオール又はポリオールであり、制限しないが、Croda(登録商標)からのPriamine1074などの、二量体化された脂肪酸由来である二量体ジアミン;ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタアミン、ジエチレンアミノプロピルアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラアミン、イソホロンジアミンなどの、4~40個の炭素原子を含む、直鎖、分岐鎖又は環状脂肪族ジアミン又はポリアミン;m-キシレンジアミン及びメタフェニレンジアミンなどの芳香族ジアミン;コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸などの、4~40個の炭素原子を含む二酸;クエン酸、イソクエン酸、プロパン1,2,3トリカルボン酸などの、6個の炭素原子を含む三酸;Croda(登録商標)からのPripol1009またはOleon(登録商標)からのRadiacid0976などの、二量体脂肪酸;Croda(登録商標)からのPropol1040などの、二量体及び三量体脂肪酸の混合物;無水コハク酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水グルタル酸及び無水フタル酸などの、環状無水物;並びに1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、グリセロール、スクロース、タンニン酸及びペンタエリスリトールなどの、ジオール、トリオール及びポリオール;Oleon(登録商標)からのRadianol1990などの、ダイマージオールを含む。好ましくは、硬化剤はバイオ-ベースの硬化剤である。
【0056】
好ましくは、硬化剤対エポキシ化された植物油由来の酸及び/又はエステルの比は、0.2:1~5:1、より好ましくは0.5:1~3:1、最も好ましくは、0.75:1~1.5:1であり、アミン/酸/無水物/アルコール当量:エポキシ当量によって計算される。
【0057】
低い比は、十分でない硬化をもたらし、一方、高い比は未反応の硬化剤をもたらし得る。
【0058】
任意選択で、溶媒は、エポキシ樹脂の製造の方法において使用される。
【0059】
溶媒の例は、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、トルエン、アセトン、酢酸エチル、ジクロロメタン、クロロホルム、メタノール及びエタノールである。バイオ-ベースの溶媒の例は、2-メチルテトラヒドロフラン、メタノール又はエタノールである。また、溶媒の混合物も使用され得る。
【0060】
溶媒が、必要である場合、好ましくは、反応媒体のみであり、樹脂に組み込まれない。溶媒は再利用され得る。溶媒が、存在する場合、エポキシ樹脂の硬化前又は間に揮発されてもよい。
【0061】
任意選択で、触媒が、エポキシ樹脂の製造方法において使用される。
【0062】
触媒の使用は必須ではないが、反応時間及び/又は硬化温度を低減させる可能性がある。可能な触媒の例は:1-メチルイミダゾールなどの、イミダゾール;トリメチルアミンなどの、ターシャリーアミン;塩化テトラブチルアンモニウムなどの、四級アミン;p-トルエンスルホン酸などの、ルイス酸;又は塩化亜鉛;チタニウムイソプロポキシド又はチタニウムブトキシドなどの、酸化チタン;並びに酢酸亜鉛又は亜鉛アセチルアセトネートなどの、亜鉛錯体である。
【0063】
本発明は、また、エポキシ樹脂;好ましくは部分的又は完全にバイオ-ベースのエポキシ樹脂を対象にする。
【0064】
エポキシ樹脂の組成物は、異なる成分の比を変化させることにより、調整され得る。それを行うことにより、堅くて硬質な材料から弾力があり柔軟な材料まで、異なる特性を有するエポキシ樹脂が得られ得る。
【0065】
エポキシ樹脂は、添加剤及び/又はフィラーを含み得る。フィラー及び添加剤は、硬化の前に樹脂と混合され、所望の特性を達成する。フィラーは、優先的には、ケイ酸塩、中空ガラスマイクロスフェア、炭酸カルシウム(talc)、木粉、カーボンブラック、グラファイト粉末、変性クレイ、綿フロック、(アルミニウムトリヒドロキシドなどの)金属粉末、炭素繊維及び(麻、亜麻、綿及びリネンなどの)パルプ刻み繊維の群から選択される。ナノスケールのフィラーは、エポキシ樹脂中に組み込まれてもよい。これらは、制限しないが、カーボンナノファイバー、グラフェン、ナノ粒子、ナノフィブリル化セルロース、剥離ナノグラファイトプレートレット及び無機ナノウィスカを含む。添加剤は、組成物中に組み込まれ、所望の特性を達成し得る。添加剤は、可塑剤、反応性希釈剤、タッキファイヤー、安定剤及び難燃剤の群から好ましくは選択される。
【0066】
本発明は更に、エポキシ樹脂の使用を対象にする。
【0067】
エポキシ樹脂は、例えば、複合材、分散液、積層体材料、ゴム状材料、繊維-強化材料、電子材料、航空材料、生物医学的応用、接着剤、塗料及びコーティングの生産に使用され得る。好ましくは、エポキシ樹脂は、バイオ-ベースの含有量が有利である用途に使用される。
【0068】
本発明は、本明細書に記載される態様の全ての可能な組み合わせに関し、特に好ましくは、特許請求の範囲に記載された態様の組み合わせに関することが更に示される。
【0069】
用語「含む」は、他の要素の存在を除外しないことが示される。しかしながら、ある成分を含む生成物についての記載は、これらの成分からなる生成物も記載することが理解される。同様に、ある工程を含む方法についての記載は、これらの工程からなる方法も記載することも理解される。
【0070】
本発明は、下記実施例の方法によって、これから説明され得るが、それらに制限されない。
【実施例】
【0071】
リグニン
・クラフトリグノブースト(lignoboost)リグニン(Inventia研究所)
・クラフトリグノブーストリグニン、メタノール抽出画分
・クラフトリグノブーストリグニン、アセトン抽出画分
・塩基-触媒脱重合リグニン、溶媒-抽出画分(Fraunhofer研究所)
溶媒抽出は、150mlの溶媒(メタノール又はアセトン)中に10gのリグニンを溶解させ、一晩撹拌させ、遠心分離又はブフナーに通してろ過し、最後にリグニンを濃縮及び乾燥させることによって行われた。
【0072】
エポキシ化させた植物油
・エポキシ化させた大豆油;Efka(登録商標)PL 5382(BASF)
・エポキシ化させた大豆油メチルエステル
・エポキシ化させた亜麻仁油;LankroflexTM L(Valtris)
・エポキシ化させた亜麻仁油メチルエステル
・エポキシ化させた大豆油及び亜麻仁油のメチルエステルは、RSC Adv., 2015, 5, p. 13674.に記載された方法によって得られ得る。
【0073】
硬化剤
・Croda(登録商標)から得られるPriamine 1074
・Oleon(登録商標)から得られるRadiacid 0976
【0074】
溶媒
・Fisher Scientific(登録商標)からのテトラヒドロフラン(THF)
・Acros Organics(登録商標)からのメタノール
・Acros Organics(登録商標)からのエタノール
・Acros Organics(登録商標)からのアセトン
【0075】
触媒
・Alfa Aesar(登録商標)からの1-メチルイミダゾール
【0076】
実施例1
リグニン(リグノブーストクラフト、メタノール抽出画分)の所定量を2mlのテトラヒドロフランに溶解させ、1グラムのエポキシ化された亜麻仁油メチルエステルと混合させた。混合物を、70℃60分間、オープンフラスコ中で撹拌させた。その後、所定量のPriamine 1074を添加し、混合物を1分間撹拌し、テフロン(登録商標)モールドに注いだ。テフロン(登録商標)モールドを真空オーブン(850mbar)中に50℃60分間置き、溶媒を揮発させた。その後、テフロン(登録商標)モールドをオーブンに置き、120℃4時間及び150℃16時間で硬化させた。
【0077】
【0078】
実施例2
0.5gのリグニンを2mlのテトラヒドロフラン中に溶解させ、1グラムのエポキシ化させた植物油又はその誘導体と混合させた。混合物を70℃60分間オープンフラスコで撹拌させた。その後、0.75gのPriamine 1074を添加し、混合物を1分間撹拌させ、テフロン(登録商標)モールドに注いだ。テフロン(登録商標)モールドを真空オーブン(850mbar)中に50℃60分間置き、溶媒を揮発させた。その後、テフロン(登録商標)モールドをオーブンに置き、120℃4時間及び150℃16時間で硬化させた。実施例2.2では、混合後に不均一性の混合物をもたらし、硬化できなかった。
【0079】
【0080】
実施例3
エポキシ化された植物油を使用した、この不適切な硬化を、0.25gのリグニン(リグノブーストクラフト、メタノール抽出画分)を2mlのテトラヒドロフランに溶解させ、1グラムのエポキシ化された亜麻仁油と混合する、更なる実験において確認した。混合物を70℃60分間オープンフラスコで撹拌させた。その後、硬化剤(1当量)及びいくつかの場合において触媒を添加した。混合物を1分間撹拌させ、テフロン(登録商標)モールドに注いだ。テフロン(登録商標)モールドを、真空オーブン(850mbar)中に50℃60分間置き、溶媒を揮発させた。その後、テフロン(登録商標)モールドをオーブンに置き、硬化させた。
【0081】
【0082】
実施例4
0.5gのリグニン(クラフト、塩基-触媒脱重合により脱重合された、溶媒抽出画分)を0.5グラムのエポキシ化された大豆油メチルエステルと混合させた。混合物を70℃30分間オープンフラスコ中で撹拌させた。その後、0.3gのPriamine 1074を添加し、混合物を1分間撹拌させ、テフロン(登録商標)モールドに注いだ。テフロン(登録商標)モールドを真空オーブン(850mbar)中に50℃60分間置いた。テフロン(登録商標)モールドをオーブンに置き、120℃2時間及び150℃16時間で硬化させた。
【0083】
実施例5
0.25gのリグニン(リグノブーストクラフト、メタノール抽出画分)を2mlのテトラヒドロフラン中に溶解させ、1グラムのエポキシ化された亜麻仁油メチルエステル及び0.75gのPriamine 1074と混合させた。混合物を1分間撹拌させ、テフロン(登録商標)モールドに注いだ。テフロン(登録商標)モールドを真空オーブン(850mbar)中に50℃60分間置き、溶媒を揮発させた。その後、テフロン(登録商標)モールドをオーブンに置き、120℃4時間及び150℃16時間で硬化させた。結果は実施例1.1と類似していた。
【0084】
実施例6
0.25gのリグニン(リグノブーストクラフト、メタノール抽出画分)を1グラムのエポキシ化された亜麻仁油メチルエステル及び0.75gのPriamine 1074と混合させた。混合物を100℃で1分間撹拌させ、テフロン(登録商標)モールドに注いだ。テフロン(登録商標)モールドをオーブンに置き、120℃4時間及び150℃16時間で硬化させた。粘着性の材料が得られ、リグニンはただフィラーとして作用した。
【0085】
実施例7
0.25gのリグニン(リグノブーストクラフト、メタノール抽出画分)を2mlのエタノール中に溶解させ、0.5グラムのエポキシ化された亜麻仁油メチルエステルと混合させた。混合物を90℃2時間オープンフラスコ中で加熱し、溶媒を揮発させた。その後0.5グラムのエポキシ化された亜麻仁油メチルエステル及び0.75gのPriamine 1074を添加し、混合物を1分間撹拌させ、テフロン(登録商標)モールドに注いだ。テフロン(登録商標)モールドをオーブンに置き、120℃4時間及び150℃16時間で硬化させた。結果は実施例1.1と類似していた。
【0086】
実施例8
0.25gのリグニン(リグノブーストクラフト、メタノール抽出画分)を2mlのテトラヒドロフラン中に溶解させ、1グラムのエポキシ化された亜麻仁油メチルエステルと混合させた。混合物を、室温で30分間、オープンフラスコ中で撹拌した。その後、0.75gのPriamine 1074を添加し、混合物を1分間撹拌させ、テフロン(登録商標)モールドに注いだ。テフロン(登録商標)モールドを真空オーブン(850mbar)中に50℃60分間置いた。テフロン(登録商標)モールドをオーブンに置き、120℃2時間及び150℃16時間で硬化させた。結果は実施例1.1と類似していた。
【0087】
実施例9
0.25gのリグニン(リグノブーストクラフト、メタノール抽出画分)を2mlのテトラヒドロフラン中に溶解させ、1グラムのエポキシ化された亜麻仁油メチルエステルと混合させた。混合物を、100℃2時間オープンフラスコ中で加熱し、溶媒を揮発させた。その後、0.75gのPriamine 1074を添加し、混合物を1分間撹拌させ、テフロン(登録商標)モールドに注いだ。テフロン(登録商標)モールドをオーブンに置き、120℃4時間及び150℃16時間で硬化させた。結果は実施例1.1と類似していた。
【0088】
実施例10
1グラムのエポキシ化された亜麻仁油メチルエステルを0.75gのPriamine 1074と混合させ、混合物を1分間80℃で撹拌した。混合物をテフロン(登録商標)モールドに注いだ。テフロン(登録商標)モールドをオーブンに置き、120℃4時間及び150℃16時間で硬化させた。オレンジ色の、粘着性の破れやすい非常に柔らかい材料が得られた。
【0089】
実施例11
0.25gのリグニン(クラフト、塩基-触媒脱重合により脱重合された、溶媒抽出画分)を1グラムのエポキシ化された大豆油メチルエステルと混合させた。混合物を、70℃30分間オープンフラスコ中で撹拌した。その後、0.8gのRadiacid 0976及び20μLの1-メチルイミダゾールを添加し、混合物を1分間撹拌させ、テフロン(登録商標)モールドに注いだ。テフロン(登録商標)モールドを真空オーブン(850mbar)中に50℃60分間置いた。テフロン(登録商標)モールドを、オーブンに置き、120℃2時間及び150℃16時間で硬化させた。
【0090】