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特許7461383低剛性の弾性リザーブを有するアクチュエータを備えた電気機械式ドラムブレーキ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-26
(45)【発行日】2024-04-03
(54)【発明の名称】低剛性の弾性リザーブを有するアクチュエータを備えた電気機械式ドラムブレーキ
(51)【国際特許分類】
   F16D 65/09 20060101AFI20240327BHJP
   B60T 13/74 20060101ALI20240327BHJP
   F16D 51/50 20060101ALI20240327BHJP
   F16D 65/22 20060101ALI20240327BHJP
   F16D 63/00 20060101ALI20240327BHJP
   F16D 121/24 20120101ALN20240327BHJP
   F16D 125/40 20120101ALN20240327BHJP
【FI】
F16D65/09 Z
B60T13/74 G
F16D51/50
F16D65/22
F16D63/00 A
F16D121:24
F16D125:40
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021572710
(86)(22)【出願日】2020-02-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-19
(86)【国際出願番号】 FR2020050249
(87)【国際公開番号】W WO2020174150
(87)【国際公開日】2020-09-03
【審査請求日】2022-11-04
(31)【優先権主張番号】1901921
(32)【優先日】2019-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】521375151
【氏名又は名称】ヒタチ アステモ フランス
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】モリナロ,アルベルト
(72)【発明者】
【氏名】ギニョン,セドリック
(72)【発明者】
【氏名】ルー,ジェラール
(72)【発明者】
【氏名】ダパス,セドリック
【審査官】大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-501357(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D 65/09
B60T 13/74
F16D 51/50
F16D 65/22
F16D 63/00
F16D 121/24
F16D 125/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路車両のドラムブレーキ(1)のための装置であって、2つのブレーキシュー(12,13)をブレーキドラム(15)に向けて互いに遠ざけるように付勢するように構成されたアクチュエータ(2)を備え、
前記アクチュエータ(2)が弾性付勢要素(331,35)を含み、前記弾性付勢要素(331,35)が、前記ブレーキ(1)が第1ブレーキ位置にあるときには弾性的に変形され、前記アクチュエータ(2)が作動されて前記ブレーキ(1)が前記第1ブレーキ位置にないときには前記ブレーキ(1)を第2ブレーキ位置に付勢するように構成されている前記装置において、
前記弾性付勢要素(331,35)が、0N/m~500N/mのばね定数を有り、
前記弾性付勢要素(331,35)が、前記アクチュエータ(2)のケース(21)、前記アクチュエータ(2)の第1プッシュロッド(33)及び/又は前記アクチュエータ(2)の第2プッシュロッド(32)を少なくとも部分的に取り囲むように構成されている、ことを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記弾性付勢要素(331,35)が、前記弾性付勢要素(331,35)の静止位置に対して2.5mm~6mmのストロークを有するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記弾性付勢要素(331,35)が、前記アクチュエータ(2)の第1プッシュロッド(33)のプッシュヘッド(332)と並行して前記シューの一方(12)を前記シューの他方(13)から遠ざけるように弾性的に付勢するように構成されている、請求項1からのいずれかに記載の装置。
【請求項4】
前記弾性付勢要素(331,35)が圧縮可能であり、前記弾性付勢要素(331,35)が、前記ブレーキ(1)が前記第1ブレーキ位置にあるときに圧縮されるように構成されている、請求項1からのいずれかに記載の装置。
【請求項5】
前記弾性付勢要素(331,35)が、少なくとも1つのベルビルワッシャ(331)、弾性材料のブロック、及び/又はばね(35)を含む、請求項1からのいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記弾性付勢要素(331,35)が、コイルばね(35)、及び/又は正方形断面のばねを含む、請求項に記載の装置。
【請求項7】
前記第1ブレーキ位置が前記ブレーキ(1)のサービスブレーキ位置であり、前記第2ブレーキ位置が前記ブレーキ(1)の緊急ブレーキ位置及び/又は前記ブレーキ(1)の駐車ブレーキ位置である、請求項1からのいずれかに記載の装置。
【請求項8】
前記アクチュエータ(2)が第2アクチュエータであり、前記装置が、前記ブレーキ(1)が前記第1ブレーキ位置にあるときに前記シュー(12,13)を互いに遠ざけるように付勢するように構成された第1アクチュエータ(11)を備えている、請求項1からのいずれかに記載の装置。
【請求項9】
前記第1アクチュエータ(11)が油圧アクチュエータであり、前記油圧アクチュエータが、前記シュー(12,13)を、前記第1アクチュエータ(11)における油圧の増大の作用下で互いに遠ざけるように移動させるように構成されている、請求項に記載の装置。
【請求項10】
2アクチュエータ(2)が電気機械式アクチュエータである、請求項1からのいずれかに記載の装置。
【請求項11】
2アクチュエータ(2)がねじ-ナットシステムを含み、前記アクチュエータ(2)の第2プッシュロッド(32)が、前記ねじ-ナットシステムのねじ(32)及び/又はナット(31)を含む、請求項1から10のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
前記第2アクチュエータ(2)に接続されたモータアセンブリ(5)を備えている、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
プレートと、2つのシュー(12,13)と、請求項1から12の一項に記載の装置とを備えたドラムブレーキ(1)であって、前記シュー(12,13)が前記プレート上に配置され、前記装置の前記アクチュエータ(2)が、前記シュー(12,13)を互いに遠ざけるように付勢するように構成されている、ドラムブレーキ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路車両用のブレーキに関する。より具体的には、本発明は、ドラムブレーキ機構、特に、ドラムブレーキの電気機械式アクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
ドラムブレーキは電動モータにより作動されるときに2つのブレーキシューを互いに遠ざけるように構成されたアクチュエータを備えている。このアクチュエータは、弾性リザーブ(reserve)を含む。
【0003】
弾性リザーブは、ブレーキがサービスブレーキ位置にあるときには弾性的に変形されて機械的エネルギーを保存するように構成されている。弾性リザーブは、アクチュエータが作動されてブレーキがもはやサービスブレーキ位置にないときには、保存されたこの機械的エネルギーを解放し、ブレーキを駐車(パーキング)ブレーキ位置及び/又は緊急ブレーキ位置へと付勢するように構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
アクチュエータの電動モータのパワー、全体寸法、コストを、ブレーキの応答時間を制限しつつ且つブレーキの信頼性を維持しつつ、さらに削減する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この点に関し、本発明の目的の1つは、道路車両用のドラムブレーキ装置である。この装置は、2つのブレーキシューをブレーキドラムに向けて互いに遠ざけるように付勢するように構成されたアクチュエータを備えている。
【0006】
前記アクチュエータは弾性付勢要素を含み、前記弾性付勢要素は、前記ブレーキが第1ブレーキ位置にあるときに弾性的に変形し、前記アクチュエータが作動されてブレーキが第1ブレーキ位置にないときには前記ブレーキを第2ブレーキ位置に付勢するように構成されている。
【0007】
本発明によれば、前記弾性付勢要素は、厳密には0N/m~500N/mのばね定数を有する。
【0008】
本発明により、アクチュエータモータアセンブリのパワー、全体寸法及びコストを、前記ブレーキの応答時間を低く保ちつつ、且つ、前記ブレーキの信頼性を維持したままで制限できる。
【0009】
本発明は、以下の特性の1以上を互いに組み合わせて、又は組み合わせずに任意選択的に含み得る。
【0010】
1つの特徴によれば、組合せ総重量が3500kg未満の軽自動車の場合、前記弾性要素のばね定数は210N/~250N/である。
【0011】
1つの特徴によれば、前記弾性付勢要素は、前記弾性付勢要素の静止位置に対して2.5mm~6mmのストロークを有するように構成されている。
【0012】
1つの特徴によれば、前記弾性付勢要素は、前記アクチュエータのケースを少なくとも部分的に取り囲むように構成されている。
【0013】
1つの特徴によれば、前記弾性付勢要素は、前記アクチュエータの第1プッシュロッドを少なくとも部分的に取り囲むように構成されている。
【0014】
1つの特徴によれば、前記弾性付勢要素は、前記アクチュエータの第2プッシュロッドを少なくとも部分的に取り囲むように構成されている。
【0015】
1つの特徴によれば、前記弾性付勢要素は、前記アクチュエータの第1プッシュロッドと並行して前記シューの一方を前記シューの他方から遠ざけるように弾性的に付勢するように構成されている。
【0016】
1つの特徴によれば、前記弾性付勢要素は圧縮可能である。前記弾性付勢要素は、前記ブレーキが前記第1ブレーキ位置にあるときに圧縮されるように構成されている。
【0017】
1つの特徴によれば、前記弾性付勢要素は、少なくとも1つのベルビルワッシャ、弾性材料のブロック、及び/又はばねを含む。
【0018】
1つの特徴によれば、前記弾性付勢要素は、螺旋ばね及び/又は正方形断面のばねを含む。
【0019】
1つの特徴によれば、前記第1ブレーキ位置は前記ブレーキのサービスブレーキ位置である。
【0020】
1つの特徴によれば、前記第2ブレーキ位置は前記ブレーキの緊急ブレーキ位置及び/又は前記ブレーキの駐車ブレーキ位置である。
【0021】
1つの特徴によれば、前記アクチュエータは第2アクチュエータであり、前記装置は、前記ブレーキが前記第1ブレーキ位置にあるときに前記シューを互いに遠ざけるように付勢するように構成された第1アクチュエータを備えている。
【0022】
1つの特徴によれば、前記第1アクチュエータは油圧アクチュエータであり、前記油圧アクチュエータは、前記シューを、第1アクチュエータにおける油圧の増大の作用下で互いに遠ざけるように移動させるように構成されている。
【0023】
1つの特徴によれば、前記第2アクチュエータは電気機械式アクチュエータである。
【0024】
1つの特徴によれば、前記第2アクチュエータはねじ-ナットシステムを含み、前記アクチュエータの第2プッシュロッドは、前記ねじ-ナットシステムのねじ及び/又はナットを含む。
【0025】
1つの特徴によれば、前記装置は、前記第2アクチュエータに接続されたモータアセンブリを備えている。
【0026】
本発明は、また、プレートと、2つのシューと、上述の装置とを備えたドラムブレーキに関する。前記シューは前記プレート上に配置されている。前記アクチュエータは、前記シューを互いに遠ざけるように付勢するように構成されている。
【0027】
1つの特徴によれば、組合せ総重量が3500kg未満の軽自動車は、以上に定義したドラムブレーキを後車軸の車輪の各々に備え、前記ドラムブレーキの各々の弾性付勢要素は229.8N/のばね定数を有する。これらの弾性付勢要素の各々は、特に、駐車ブレーキの安全性及びブレーキの迅速な作動及び解除時間を保証しつつ、前記モータの電力を12V電源で60Wに低減できる。
【0028】
本発明は、添付図面を参照しつつ例示的な実施形態の説明を読むことで、より良好に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】車両に搭載されるドラムブレーキの概略的な部分切り取り側面図である。
図2】本発明の第1実施形態によるデュアルモードドラムブレーキ機構を示す概略斜視図である。
図3】第1実施形態によるドラムブレーキの、ブレーキが作動して車両が停止しているときの部分概略正面図である。
図4】第1の実施形態によるドラムブレーキの、ブレーキが作動し、保持トルクがシューに第1回転方向で加えられている状態の部分概略正面図である。
図5】第1実施形態によるドラムブレーキの、ブレーキが作動し、保持トルクがシューに、第1回転方向とは反対の第2回転方向で加えられている状態の概略正面図である。
図6】第1実施形態によるブレーキアクチュエータの等角部分切り取り図である。
図7】本発明の第2実施形態によるデュアルモードドラムブレーキ機構の等角図である。
図8】第1又は第2実施形態によるブレーキの弾性付勢要素の動作グラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
各図面において、同一の、類似の又は同等の部分には、1つの図面から別の図面への切り替えを容易にするように同一の参照番号を付している。
【0031】
図1は、自動車などの道路車両に搭載されるドラムブレーキ1を示している。ドラムブレーキ1は、ドラム15と、プレート10と、2つのブレーキシュー12,13と、第1アクチュエータを形成しているホイールシリンダ11(図2)と、スペーサ又はベアリングポイントを形成している電気機械式の第2アクチュエータ2(図2)とを備えている。また、ドラムブレーキ1は、第2アクチュエータ2に接続されたモータアセンブリ5も含む。
【0032】
ドラム15は、ブレーキがかけられるべき車輪の内部を通るハブ6を有し、ハブ6は車輪に取り付けられて車輪と回転可能に一体的である。プレート10が、シャーシ7に取り付けられることによりブレーキの支持体として機能する。
【0033】
図1及び図2を参照すると、ドラムブレーキ1は、回転軸A1を中心に互いに回転可能なドラム15とプレート10との間に制動トルクを発生させるように構成されている。
【0034】
[デュアルモードブレーキ機構]
図2は、本発明の第1の実施形態による「デュアルモード」(“Dual mode”)ドラムブレーキ機構を示している。ドラムブレーキ1は、サービスブレーキ及び/又は駐車ブレーキとして使用され得る。
【0035】
第1実施形態において、デュアルモードのドラムブレーキ機構1は、ここでは、油圧で動作されるサービスブレーキアクチュエータ11と、電気で動作される駐車及び緊急ブレーキアクチュエータ2とを有する例示的な実施形態として示されている。
【0036】
[サービスブレーキモード]
サービスブレーキモードにおいて、ドラム15の内周面に担持された制動面と、第1シュー及び第2シュー12,13にそれぞれ担持された摩擦ライニング123,133との間の摩擦作用によるエネルギーの吸収により制動トルクが生成される。この摩擦は、第1アクチュエータ11の作用下でシューを外側に移動させることにより得られる。
【0037】
この第1アクチュエータ11は、ブレーキ1を静止位置又は駐車ブレーキ位置からサービスブレーキ位置へと移動させる。静止位置への戻しは、例えば、図2に示されている、両方のシュー12,13を互いに接続している戻しばねにより行われる。
【0038】
この例において、ドラムブレーキ1は、サービスブレーキとして作動されるときに、シンプレックス(単一)モードで動作するように構成されている。
【0039】
第1アクチュエータ11(慣用的に「ホイールシリンダ」と称される)は、油圧シリンダの形態であり、油圧を高めることによりシュー12,13を互いに遠ざけるように構成されている。第1アクチュエータ11は、2つの対向するピストン111,112を含み、各ピストンが、シュー12,13の一方を、互いに対向し且つアクチュエータ11に近接しているシュー12,13の2つの端部121,131を互いに遠ざけることにより作動させる。これらの2つの端部121,131は、本明細書において「移動端」(“moving end”)と称され、図2の上部に示されている。
【0040】
各シュー12,13は、その対向する端部122,132(「停止端」と称する)にて、プレート10と一体的な固定要素によりプレート10に支承されている。固定要素は、このシュー12,13のための停止部を形成している。
【0041】
この例において、両方のシューのベアリングポイントが、第2アクチュエータ2のケース21により形成され、このケース21によりベアリングポイントがプレート10に堅固に固定されている。この、ケース21のプレート10への固定が、図3図5において、図面の下部及び中央の接地記号により示されている。このようにして、第2アクチュエータ2はベアリングポイントを形成し、尚且つ、各固定要素と共に、シュー12,13のためのピボット領域を形成している。
【0042】
[駐車又は緊急ブレーキモード]
図3を参照すると、第2アクチュエータ2は、線状作動アセンブリ3を含む。線状作動アセンブリ3は、駐車又は緊急ブレーキモードにおいて、シュー12,13の停止端122,132を押圧して停止端122,132を互いに遠ざけ、これにより、シュー12,13にドラム15の制動面を押圧させる。これにより、第2アクチュエータ2はスペーサとして機能する。
【0043】
この第2アクチュエータ2はブレーキ1を、静止位置又はサービスブレーキ位置から駐車ブレーキ位置に移動させる。静止位置への戻しは、例えば戻しばねにより行われる。
【0044】
この例において、線状作動アセンブリ3は、第1プッシュロッド33及び第2プッシュロッド32を含む。第1プッシュロッド33と第2プッシュロッド32とは、作動方向D2(プレート10に対してほぼ接線方向で且つドラムの回転軸A1に直交する方向)に従って互いに対して線状に移動される。図3に2つの矢印で示されているように、この移動により2つのプッシュロッド32,33が、それぞれ第1シュー12及び第2シュー13の2つの停止端122,132に押し付けられる。
【0045】
図4及び図5に示されているように、例えば、車両が坂道上で停止されるか、又は、車両の走行中に緊急ブレーキが作動するなどした結果、シューにトルクが、ドラム15によりプレート10に対するC4又はC5のいずれかの方向に加えられると即座に、ドラム15は、シュー12,13をこのトルクの方向に、シュー12,13とドラム15との間の摩擦接触により回転させようとする。
【0046】
図5は、時計回り方向のトルクC5の場合をより詳細に示している。第1シュー12が、摩擦によりドラム15からトルクC52を受ける。
【0047】
第1シュー12は、その反対側の端部、すなわち、その「可動」(“movable”)端121にて、第1ヒンジとして知られるヒンジ142(例えばピボット)により、又は、その他の任意の形態のフォームフィッティング(例えば、互いに係合するノッチ)によりパーティション要素14に支承されている。
【0048】
パーティション要素14(例えば接続ロッド)は、プレート10に対して移動可能又は「浮遊」(“floating”)しており、同様に、他方のシュー13の「可動」(“movable”)端131に、これらのシューの2つの可動端121,131を互いに遠ざけて保持するようにヒンジ連結されている。この実施形態において、このパーティション要素は、ライニング123,133の摩耗によるクリアランスを補償するための接続ロッドである。
【0049】
こうして、パーティション要素14は、第1シュー12のベアリングポイントの下で、ベアリングポイントC23を第2シュー13の可動端131に、第2シュー13とパーティション要素14とのヒンジ143にてプレート10に対してほぼ接線方向に伝達する。この第2ヒンジ143は、例えばピボットである。
【0050】
第2シュー13は、パーティション要素14のベアリングポイントの下で、ドラム15の制動面を押圧し、また、摩擦によりドラム15からトルクC53を受ける。この第2シュー13は、その反対側の端部、すなわち「停止」(“stop”)端132を介して、受けたトルクC30の全てをプッシュロッド32に伝達する。
【0051】
作動アセンブリ3は、アクチュエータ2のケース21に対し、その中央位置の両側の停止部により制限されたストロークにわたり、回転軸A1の周囲に接線方向に並進自在に取り付けられている。従って、図5に示されている回転方向において、シュー12,13は、ドラム15により伝達されるトルクC52,C53の作用下で、図5に示されている停止位置まで、これらのトルクの方向に(すなわち、作動方向D2において左向きの白矢印に沿った方向D22に)作動アセンブリ3を移動させるように作用する。
【0052】
従って、駐車又は緊急ブレーキモードにおいて、第2シュー13の停止端132がスペーサのケース21を押圧し、これにより、シュー12,13をドラム15上に支持することにより生じる制動トルク又は保持トルクをプレート10に伝達する。
【0053】
この例において、第2シュー13の停止端132と第2アクチュエータ2のケース21とは、第2プッシュロッド32を介して、例えば、伸出部(outgrowth)により互いに押し付け合う。伸出部は、ここでは、プッシュロッドが担持しているショルダ329であり、図中の鎖点線で示された鉛直線にてケース21の外面に面している。
【0054】
図5のこの回転方向において、シュー12(その離間された端部122がドラム15の運動を最初に受ける)は、図面左側のシュー12であり、このシュー12は枢動し、且つ、その反対側の端部にてヒンジ142上に支持され、これにより、「圧縮された(“compressed”)シューを形成する。同様に、第2シュー13も、その動きを受ける端部131を介して接線方向の力を受け、その停止端132が押圧されることにより、「圧縮された」シューとして機能する。
【0055】
従って、駐車又は緊急ブレーキモードにおいて、第2アクチュエータ2の作動により、この同一のブレーキアセンブリ1が「デュオサーボ」(“Duo servo”)モードで作動し、これが、同一シューの作動力に関し、ドラム15に対して、サービスブレーキのシンプレックスモードよりもはるかに大きいベアリング力を提供する。
【0056】
図5の方向とは逆の図4の回転方向においては、他方の方向のトルクC4がシュー12,13及びパーティション要素14を他方の方向に駆動し、これにより作動アセンブリ3を、作動方向D2において、方向D22とは反対の方向D23に白矢印に沿って右に移動させて、図示された停止位置まで移動させる。
【0057】
そして、制動トルクが、左側シュー12の停止端122からスペーサのケース21に、図中に鎖点線で示されている鉛直線上の第1プッシュロッド33のショルダ339を介して伝達される。
【0058】
[第2アクチュエータの構造及び作動]
ここで、第2アクチュエータ2(本明細書において「スペーサ」とも称する)の構造及び動作を、図2図7を参照してより詳細に説明する。
【0059】
図2に示した実施形態に関して図6を参すると、第2アクチュエータ2の線状作動アセンブリ3は、相互作用する第1ねじ要素と第2ねじ要素とを含み、ねじ-ナットシステム31,32を形成している。このねじ-ナットシステム31,32は、この第2要素に対するこの第1要素の回転の作用下で、作動方向D2に沿った直線運動を生成する。これが、ねじ-ナットシステムの一方の要素31により受け取られたトルクを、ねじ-ナットシステムの要素31,32の各々に加えられる2つの対向する軸方向の力に変換する。
【0060】
この実施形態において、このねじ-ナットシステム31、32のねじ山の角度は、達成される力伝達が不可逆的であるように選択される。これは、これらの2つの要素の作成に使用される材料のペアの摩擦の角度よりも小さいねじ山の角度を選択することにより行われる。
【0061】
このねじ-ナットシステム31,32は、駐車ブレーキ位置でロック機能を提供する不可逆性をもたらす。すなわち、プッシュロッド32,33がシュー13,12から受ける力は、ねじ-ナットシステム31,32の両要素のねじ間の滑り止めにより阻止される。従って、この力はモータシステムには伝達されず、従って、モータをロックすること、及び、モータに負荷をかけ続けることの必要がなくなる。
【0062】
例えば図2図6に見られるように、このねじ-ナットシステムは第2プッシュロッド32を含む。これは、ロッド形状のねじ雄部分323と、第2シュー13を押圧するプッシュロッドヘッド322とを含むねじプッシュロッドの形態である。このプッシュねじ32は、ねじ-ナットシステムの他方の部分(内ねじを有するナット31により形成されている)と相互作用する。この実施形態において、モータアセンブリ5からの作動トルクを受けるのは、ナット31である。
【0063】
第2アクチュエータ2のナット31のモータアセンブリ5が図2及び図6に示されている。駆動アセンブリ5は、外側ケース51と、電動モータ52と、減速ギヤシステム55と、伝達装置(トランスミッション)サブアセンブリ56とを備えている。
【0064】
外側ケーシング51は、電動モータ52、減速ギヤシステム55、及び伝達装置サブアセンブリ56のための内側ハウジングを画成している。
【0065】
電動モータ52は電源ケーブル529により電力供給される。電動モータ52は、減速ギヤシステム55及び伝達装置サブアセンブリ56を介して第2アクチュエータ2のナット31を作動方向D2に沿って移動させるように構成されている。
【0066】
減速ギヤシステム55は、例えば遊星減速ギヤシステムである。このシステムは、モータ52と伝達装置サブアセンブリ56との間に、例えば作動方向D2にほぼ平行な方向にモータ52から実質的に延在することにより配置される。
【0067】
伝達装置サブアセンブリ56は、減速ギヤシステム55と、減速ギヤシステム55が駆動するナット31との間に配置されている。伝達装置サブアセンブリ56は、作動方向D2に対してほぼ直交して延在している。伝達装置サブアセンブリ56はギヤトレインを含み、ギヤトレインに歯付きホイールの1つが、ナット31の外形合致により機械的に係合して、ナット31を作動方向D2に沿って並進駆動させる。
【0068】
示されている実施形態の各々を参照すると、第1プッシュロッド33は、プッシュロッドヘッド332及びプッシュロッド本体333を含む。プッシュロッドヘッド33は、後方に延在するスカートを有し、スカート内でプッシュロッド本体333がスライドできる。プッシュロッド本体333とナット31とは、作動方向D2において互いに軸方向に支承し、それらのベアリング面の相互のスライドにより両者間で相対回転でき、従って、第1プッシュロッド33は、第1プッシュロッドのヘッド332に機械的に係合する第1シュー12により、非回転で回転不能に固定されている。
【0069】
[弾性付勢要素]
ドラムブレーキ1は、ブレーキ1を駐車ブレーキ位置にロックする機能を保証する機構を含み、また、この機構は、ドラムブレーキ1の構成要素の寸法が変動した場合にシュー12,13のドラム15への押し付けを実行する機械的チェーンの力を安定させる機能を含む。
【0070】
示されている実施形態の各々において、ドラムブレーキ1の機械的チェーンに力の安定化機能をもたらすために、第2アクチュエータ2は、2つのシューの停止端122,132を弾性的に付勢して、作動動作の方向D2において弾性付勢要素331,35を介して互いに遠ざけるようにする。弾性付勢要素331,35は、作動方向D2に沿って弾性的に変形可能である。この弾性付勢要素331,35を「ばねパッケージ」(“spring package”)とも称する。
【0071】
弾性付勢要素331,35は、ブレーキ1の第1ブレーキ位置から第2ブレーキ位置への移動に必要なストロークの達成を可能にする弾性リザーブ(elastic reserve)を形成し、尚且つ、車両停止の要求を満たす十分な負荷を保証している。
【0072】
詳細には、弾性付勢要素331,35は、ドラムブレーキ1が第1ブレーキ位置にある間に第2アクチュエータ2を作動させるときの作動アセンブリ3内での圧縮により、十分な量の機械的エネルギーを保存しようとする。これにより、もし第1アクチュエータ11のベアリングポイントが妨害されて第2アクチュエータ2が再作動されない場合であっても、ドラムブレーキ1を第2ブレーキ位置に保持又は移動させることができる。
【0073】
このような弾性付勢要素331,35の圧縮の状況は、例えば運転者がサービスブレーキで車両を停止させて停止状態を維持し、その後、サービスブレーキの制御の解除前に駐車ブレーキを起動させた場合に生じる。これは例えば、坂道で駐車するために停車する場合などである。
【0074】
第1ブレーキ位置は、サービスブレーキのブレーキ位置、すなわち、第1アクチュエータ11が作動されてシュー12,13のスペーサとして機能するブレーキ位置に対応している。第1ブレーキ位置において、第2アクチュエータ2は、シュー12,13のベアリングポイントである。
【0075】
第2ブレーキ位置は、駐車及び/又は緊急ブレーキ位置、すなわち、第2アクチュエータ2が作動されてシュー12,13のスペーサとして機能するブレーキ位置に対応している。第2ブレーキ位置においては、第1アクチュエータ11及び/又はパーティション要素14がベアリングポイントを形成する。
【0076】
第1ブレーキ位置からの移行は、ドラムブレーキ1のシンプレックスモードからデュオサーボモードへの移行に対応している。
【0077】
また、ばね要素33、331のストロークは、ドラムブレーキ1の要素12,13の寸法変更中に、以下のことを、第2アクチュエータ2を作動させずに行うことも可能にする。すなわち、
-制動面に対するシュー12,13の押し付け力を、第1の方向の寸法変動が生じた場合(例えばシュー12,13又はプッシュロッド32,33の熱収縮が生じた場合、或いはドラム15の熱膨張が生じた場合)にも維持すること、及び、
-第1の方向とは反対の第2の方向における寸法変化(例えば、走行中にサービスブレーキとして加熱されたドラム15がその後停止状態で冷却される際の熱収縮による)が生じた場合にドラムブレーキ機構1の力の増大を抑制することである。
【0078】
このようにして、弾性付勢要素331,35は、駐車中の第2アクチュエータ2の自動的な再作動(「再クランプ」(“re-clamping”)として知られ、エネルギーを消費し且つ深刻な結果を招くような誤動作を生じる)の必要性を制限及び/又は回避する。
【0079】
[第1実施形態]
図2及び図6に示されている第1実施形態を詳細に参照すると、弾性付勢要素331は、スチール製の円錐形ワッシャ、いわゆる「ベルビル」(“Belleville”)ワッシャのスタックを含む圧縮可能な弾性構造物により形成されている。圧縮可能なスタック331は、ここでは、第1プッシュロッド33の本体333の後部の周囲にスカート端部を圧着することにより保持される。
【0080】
[第2実施形態]
図7が、第2実施形態によるドラムブレーキ1を示している。第2実施形態によるドラムブレーキ1は、第2アクチュエータ2の構造、特には弾性付勢要素の構造及び第1プッシュロッド33の構造が第1実施形態によるドラムブレーキ1と異なる。
【0081】
弾性付勢要素35は螺旋ばねを含み、この螺旋ばねは、第1プッシュロッド33のスラストヘッド332と並行して、第1シュー12を第2シュー13から遠ざける方向に弾性的に付勢するように構成されている。このコイルばね35は第2アクチュエータのケース21を取り囲んでいる。コイルばね35は、第1プッシュロッド33及び第2プッシュロッド32を部分的に取り囲んでいる。
【0082】
第1プッシュロッド33は、プッシュロッドヘッド332とプッシュロッド本体333との間に、第1実施形態のベルビルワッシャのスタックのような圧縮可能な構造物を有さない。
【0083】
[弾性要素のばね定数及びストローク値の範囲]
図8は、弾性付勢要素331,35に加えられる負荷に関連する、変位軸方向D2に沿った弾性付勢要素331,35の変形を示している。
【0084】
示された第1実施形態をより詳細に参照すると、変位方向D2に沿った弾性要素331の変形は、特に、第1プッシュロッドのヘッド332の端部が変位方向D2に沿って、ヘッド332の静止位置と、ブレーキ1が第1ブレーキ位置にあるときに弾性付勢要素331が圧縮される圧縮位置との間を移動する距離に対応している。
【0085】
示された第2実施形態をより詳細に参照すると、変位方向D2に沿った弾性要素35の変形は、特に、ばね35の静止位置と、ブレーキ1が第1ブレーキ位置にあるときにばね35が圧縮された圧縮位置との間でばね35の長手方向端部が移動する距離に対応している。
【0086】
概して、弾性付勢要素331,35に加えられる負荷は、特に、第1アクチュエータ11が作動されてブレーキ1が第1ブレーキ位置にあるときにシュー12,13の少なくとも一方の停止端122,132が弾性付勢要素331,35に加える圧縮力である。
【0087】
図8に示されているように、特に、弾性付勢要素331,35のばね定数の許容範囲の値、及び、圧縮位置と静止位置との間の弾性付勢要素331,35の最大ストロークの許容範囲の値を決定できる。
【0088】
示された実施形態の各々において、弾性付勢要素331,35は、厳密には0N/m~500N/mのばね定数を有する。弾性付勢要素331,35は、ドラムブレーキ1が作動されていないときの弾性付勢要素331,35の静止位置に対して2.5mm~6mmのストロークを有するように構成されている。
【0089】
弾性付勢要素331,35のばね定数及びストロークの値がこれらの範囲であることにより、第2アクチュエータのモータアセンブリ5のパワー、全体寸法及びコストを、第2アクチュエータ2の応答時間を低く保ちつつ、且つブレーキ1の信頼性を維持したまま制限できる。
【0090】
具体的には、弾性付勢要素331,35のばね定数及びストロークがこれらの値の範囲であることにより、より複雑でなく強力ではない電動モータ52を使用しても、スペーサ2が同等の応答時間及び信頼性で動作できる。
【0091】
もちろん、当業者は、以上に説明した発明に様々な変更を、本発明の開示範囲から逸脱せずに行うことができる。
【0092】
或いは、車両は、車輪の1つを制動するための少なくとも1つのディスクブレーキを備えている。例えば、ドラムブレーキ1はブレーキディスクの中央のベルに部分的に組み込まれ、そのベルがドラムブレーキのドラム15を形成している。このような構造は「ドラムインハット」(Drum in Hat")と称されることがある。
【0093】
或いは、ドラムブレーキ1がホイールシリンダを有さず且つ第1アクチュエータ11が油圧ブレーキ回路に接続されていない場合もある。この場合、第1アクチュエータ11は、特に、モータアセンブリに接続された電気機械式アクチュエータである。
【0094】
ドラムブレーキ1が駐車ブレーキ又は緊急ブレーキである場合、例えば、デュオサーボモードのみでの動作が意図されている場合、又は、ブレーキ1が「ドラムインハット」タイプである場合、ドラムブレーキ1が第1アクチュエータ11を有さなくてもよい。
【0095】
パーティション要素14は、クリアランス補償接続ロッド以外の形態であってもよく、例えば、2つのシュー12,13の間に配置されたパーティションプレートであってもよい。また、パーティション要素14は、浮遊的に取り付けられる場合、ホイールシリンダ11により作成されて、そのケース又はピストン111,112を介して取り付けられてもよい。
【0096】
モータアセンブリ5の減速ギヤシステム55及び伝達装置サブアセンブリ56は、その他のタイプの運動伝達要素、例えばベベルギヤを含んでもよい。
【0097】
或いは、ねじ-ナットシステム31,32は可逆的である。この場合、モータ52及び/又は減速ギヤシステムは、例えば回転可能にロックされて、ブレーキ1が解除されることを防止する。
【0098】
付加的に、又は代替的に、モータアセンブリ5は、ナット31の代わりに、作動方向D2に沿ってねじ32を並進駆動するように構成される。すなわち、ねじ-ナットシステム31,32の雄要素と雌要素とが逆にされる。
【0099】
また、車両は、「ハンドブレーキ」の操作部材又はレバーを保持する爪と、ドラムブレーキシュー12,13に接続された弾性の制御ケーブルとを含み得る。
【0100】
或いは、弾性付勢要素331,35は、ドラムブレーキ1が第1ブレーキ位置にある間に弾性的に引張付勢され得る。これは、第1アクチュエータ11のベアリングポイントが妨害されて第2アクチュエータ2が作動しない場合であっても、ドラムブレーキ1を第2ブレーキ位置に保持又は移動させるための十分な機械的エネルギーを保存するためである。
【0101】
一般的に、弾性付勢要素331,35は、様々な形態、例えば、ベルビルワッシャのスタック、ばね、又は弾性材料のブロック、特にはエラストマーのブロックであり得る。また、弾性付勢要素331,35は第2アクチュエータ2の様々な位置に配置されてもよく、例えば、第1プッシュロッド33及び/又は第2プッシュロッド32を取り囲んでいてもいなくてもよく、或いは、第2プッシュロッドのヘッド322及び/又は第1プッシュロッドのヘッド332を弾性的に付勢していてもいなくてもよい。
【0102】
例示的な第2実施形態によるドラムブレーキ1の第1プッシュロッド33は、プッシュロッドヘッド332とプッシュロッド本体333との間の弾性付勢要素、例えば、圧縮可能な構造物、例えば、エラストマー材料のブロック、ばね、又はベルビルワッシャのスタックを含み得る。
【0103】
第2実施形態の代替として、弾性付勢要素35が正方形断面のばねを含み、これは特に、第1プッシュロッド33の作動方向D2に沿った停止部として機能するショルダ339を形成するためである。
【符号の説明】
【0104】
1 ドラムブレーキ
10 支持プレート
11 第1アクチュエータ-ホイールシリンダ-サービスブレーキ
111,112 ホイールシリンダのピストン
12,13 シュー
121,131 シューの可動端
122,132 シューの停止端
123,133 摩擦ライニング
14 パーティション要素-クリアランス補償ロッド
142,143 パーティション要素のヒンジ
15 ドラム
2 第2アクチュエータ-ベアリングポイント
21 主要スペーサーケース
3 線状アクチュエータアセンブリ
31 ねじ-ナットシステムのナット
32 ねじ-ナットシステム、第2プッシュロッド
322 第2プッシュロッドのヘッド
323 雄ねじ部分
329 ねじ-ナットシステムのベアリングショルダ-制動トルクの伝達
33 第1プッシュロッド
331 弾性要素-ベルビルワッシャのスタック
332 弾性プッシュロッドヘッド
333 弾性プッシュロッド本体
339 弾性プッシュロッドのベアリングショルダ-制動トルクの伝達
35 線状ばね要素-ばねパッケージ
5 モータアセンブリ
51 モータケース
52 電動モータ
529 モータ電源
55 減速ギヤシステム
6 制動される車輪のハブ
7 車両シャーシ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8