(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-26
(45)【発行日】2024-04-03
(54)【発明の名称】改善された締結構造を有するバッテリーパック及びそれを含む自動車
(51)【国際特許分類】
H01M 50/213 20210101AFI20240327BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20240327BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20240327BHJP
H01M 50/284 20210101ALI20240327BHJP
【FI】
H01M50/213
H01M50/204 101
H01M50/249
H01M50/284
(21)【出願番号】P 2022510842
(86)(22)【出願日】2020-10-26
(86)【国際出願番号】 KR2020014681
(87)【国際公開番号】W WO2021137403
(87)【国際公開日】2021-07-08
【審査請求日】2022-02-17
(31)【優先権主張番号】10-2020-0000994
(32)【優先日】2020-01-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジュン-フン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ドゥ-ハン・ユン
(72)【発明者】
【氏名】ジェ-フン・ヤン
【審査官】鈴木 雅雄
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2019-0118017(KR,A)
【文献】特開2015-191763(JP,A)
【文献】特開2013-105617(JP,A)
【文献】国際公開第2013/073464(WO,A1)
【文献】特開平05-071523(JP,A)
【文献】特開2019-123355(JP,A)
【文献】特開2007-296934(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/213
H01M 50/204
H01M 50/249
H01M 50/284
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバッテリーモジュールが積層されたモジュール積層体と、
前記モジュール積層体を下部で支持する下部ハウジング、及び前記モジュール積層体の上部から前記下部ハウジングに結合された上部ハウジングを含むパックハウジングと、
前記下部ハウジングの下面に固定された複数のウェルドナットと、
前記パックハウジング及びモジュール積層体を貫通して前記ウェルドナットに締結された複数の締結ボルトと、
を含
み、
前記下部ハウジングは、
前記モジュール積層体の収容空間を提供する下部ハウジング本体と、
前記下部ハウジング本体の下面に取り付けられ、前記ウェルドナットの収容空間を提供する気密プレートアセンブリーと、
を含むことを特徴とする、バッテリーパック。
【請求項2】
前記気密プレートアセンブリーは、
前記ウェルドナットをカバーするガスケットと、
前記ガスケットを加圧して前記下部ハウジングの下面に取り付けられた気密プレートと、
を含むことを特徴とする、請求項
1に記載のバッテリーパック。
【請求項3】
前記気密プレートは、
前記ガスケットが収容される空間及び前記ウェルドナットが収容される空間を有する二重段差構造を有することを特徴とする、請求項
2に記載のバッテリーパック。
【請求項4】
前記下部ハウジング本体の下面には、前記気密プレートアセンブリーが取り付けられる取付け溝が形成されていることを特徴とする、請求項
3に記載のバッテリーパック。
【請求項5】
前記取付け溝の深さは、前記気密プレートが有する段差の高さと同一であるか、またはより深く形成されていることを特徴とする、請求項
4に記載のバッテリーパック。
【請求項6】
前記締結ボルトのヘッド部には、シーリング部材がコーティングされていることを特徴とする、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項7】
複数のバッテリーモジュールが積層されたモジュール積層体と、
前記モジュール積層体を下部で支持する下部ハウジング、及び前記モジュール積層体の上部から前記下部ハウジングに結合された上部ハウジングを含むパックハウジングと、
前記下部ハウジングの下面に固定された複数のウェルドナットと、
前記パックハウジング及びモジュール積層体を貫通して前記ウェルドナットに締結された複数の締結ボルトと、
を含む、バッテリーパックであって、
前記バッテリーモジュールは、
複数の単位モジュールが結合して形成された単位モジュール積層体と、
前記単位モジュール積層体の長手方向の一側に結合されたBMSアセンブリーと、
を含むことを特徴とする
、バッテリーパック。
【請求項8】
前記BMSアセンブリーが、高さ方向に沿って形成されている複数の第1締結ホールを備え、
前記単位モジュールが、長手方向の一側に形成される複数の第2締結ホール及び長手方向の他側に形成された第3締結ホールを備えることを特徴とする、請求項
7に記載のバッテリーパック。
【請求項9】
前記複数の締結ボルトのうち第1締結ボルトが、相互に重ねられた第1貫通ホール及び第2貫通ホールを共に通過し、第2締結ボルトが、互いに重ねられた第2貫通ホール及び第3貫通ホールを共に通過することで、パックハウジングとBMSアセンブリーと単位モジュール積層体とを共に結合させていることを特徴とする、請求項
8に記載のバッテリーパック。
【請求項10】
前記単位モジュールは、前記単位モジュールの長手方向に沿って配列された複数のバッテリーセルを含むセルグループが、前記単位モジュールの幅方向に沿って複数個で配列された構造を有し、
前記第3締結ホールは、互いに隣接するセルグループが交互に配置されることによって発生するデッドスペースに形成されていることを特徴とする、請求項
9に記載のバッテリーパック。
【請求項11】
請求項1から
10のいずれか一項に記載のバッテリーパックを含む、自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改善された締結構造を有するバッテリーパック及びそれを含む自動車に関し、より詳しくは、モジュール積層体とパックハウジングをボルトで共に締結して連結信頼性を高め、コストを節減し、パックハウジング外側の締結部位からの水分浸透が防止可能な構造を有するバッテリーパック及びそれを含む自動車に関する。
【0002】
本出願は、2020年1月3日出願の韓国特許出願第10-2020-0000994号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
製品群に応じた適用性が高く、且つ、高いエネルギー密度などの電気的特性を有する二次電池は、携帯用機器だけでなく、電気的駆動源によって駆動する電気自動車(EV、Electric Vehicle)またはハイブリッド自動車(HEV:Hybrid Electric Vehicle)などに普遍的に適用されている。このような二次電池は、化石燃料の使用を画期的に減少できるという一次的な長所だけでなく、エネルギーの使用に伴う副産物が全く生じないという点で、環境にやさしく、エネルギー効率が向上できることから、新しいエネルギー源として注目を集めている。
【0004】
現在、広く使用される二次電池の種類としては、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池などがある。このような単位二次電池セル、即ち、単位バッテリーセルの作動電圧は約2.5V~4.5Vである。したがって、これよりさらに高い出力電圧が要求される場合、複数のバッテリーセルを直列接続してバッテリーパックを構成する。また、バッテリーパックに要求される充放電容量によって複数のバッテリーセルを並列接続してバッテリーパックを構成し得る。したがって、バッテリーパックに含まれるバッテリーセルの数は、要求される出力電圧または充放電容量によって多様に設定可能である。
【0005】
なお、複数のバッテリーセルを直列・並列接続してバッテリーパックを構成する場合、少なくとも一つのバッテリーセルを含むバッテリーモジュールを先に構成し、このようなバッテリーモジュールが複数個積層されて形成されたモジュール積層体をパックハウジング内に収容してバッテリーパックを構成する方法が一般的である。
【0006】
そこで、複数のバッテリーモジュール同士の締結、及びモジュール積層体とパックハウジングとの締結が最大限に簡素になる構造を有するバッテリーパックの開発によって、部品コストを節減し、構造的信頼性を向上させる必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記技術的課題を考慮してなされたものであり、複数のバッテリーモジュール同士の締結、及び複数のバッテリーモジュールが積層されて形成されたモジュール積層体とパックハウジングとの締結を最大限に簡素にすることで、部品の節減及び工程の簡素化を実現し、エネルギー密度を向上させて構造的信頼性を向上させることを目的とする。
【0008】
但し、本発明が解決しようとする技術的課題は、前述の課題に制限されず、言及していないさらに他の課題は、下記する発明の説明から当業者にとって明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するための本発明の一実施例によるバッテリーパックは、複数のバッテリーモジュールが積層されたモジュール積層体と、モジュール積層体を下部で支持する下部ハウジング及びモジュール積層体の上部から下部ハウジングに結合される上部ハウジングを含むパックハウジングと、下部ハウジングの下面に固定される複数のウェルドナットと、パックハウジング及びモジュール積層体を貫通してウェルドナットに締結される複数の締結ボルトと、を含む。
【0010】
下部ハウジングは、モジュール積層体の収容空間を提供する下部ハウジング本体と、下部ハウジング本体の下面に取り付けられ、ウェルドナットの収容空間を提供する気密プレートアセンブリーと、を含み得る。
【0011】
気密プレートアセンブリーは、ウェルドナットをカバーするガスケットと、ガスケットを加圧して下部ハウジングの下面に取り付けられる気密プレートと、を含み得る。
【0012】
気密プレートは、ガスケットが収容される空間及びウェルドナットが収容される空間を有する二重段差構造を有し得る。
【0013】
下部ハウジング本体の下面には、気密プレートアセンブリーが取り付けられる取付け溝が形成され得る。
【0014】
取付け溝の深さは、気密プレートが有する段差の高さと同一であるか、またはより深く形成され得る。
【0015】
締結ボルトのヘッド部には、シーリング部材がコーティングされ得る。
【0016】
バッテリーモジュールは、複数の単位モジュールが結合して形成された単位モジュール積層体と、単位モジュール積層体の長手方向の一側に結合されるBMSアセンブリーと、を含み得る。
【0017】
BMSアセンブリーは、高さ方向に沿って形成される複数の第1締結ホールを備え、単位モジュールは、長手方向の一側に形成される複数の第2締結ホール及び長手方向の他側に形成される第3締結ホールを備え得る。
【0018】
複数の締結ボルトのうち、第1締結ボルトは、相互に重ねられた第1貫通ホール及び第2貫通ホールを共に通過し、第2締結ボルトは、互いに重ねられた第2貫通ホール及び第3貫通ホールを共に通過することで、パックハウジングとBMSアセンブリーと単位モジュール積層体とを共に結合させ得る。
【0019】
単位モジュールは、単位モジュールの長手方向に沿って配列された複数のバッテリーセルを含むセルグループが、単位モジュールの幅方向に沿って複数個配列された構造を有し、第3締結ホールは、互いに隣接するセルグループが交互に配置されることによって発生するデッドスペースに形成され得る。
【0020】
なお、上記の課題を解決するための本発明の一実施例による自動車は、前述したような本発明の一実施例によるバッテリーパックを含む。
【発明の効果】
【0021】
本発明の一面によると、複数のバッテリーモジュール同士の締結、及び複数のバッテリーモジュールが積層されて形成されたモジュール積層体とパックハウジングとの締結を最大限に簡素にすることで、部品の節減及び工程の簡素化を実現し、エネルギー密度を向上させて構造的信頼性を向上させる。
【0022】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一実施例によるバッテリーパックの完成斜視図である。
【
図2】
図1に示したバッテリーパックの分解斜視図である。
【
図3】
図1に示したバッテリーパックに適用されるパックハウジングを下方から見た下面斜視図である。
【
図5】
図1に示したバッテリーパックに適用されるバッテリーモジュールからモジュールハウジングが除去された状態を示した図である。
【
図6】
図5に示したバッテリーモジュールにおいて、セルハウジングの内部に収容されたバッテリーセルを示した図である。
【
図7】本発明に適用されるパックハウジングを構成する下部ハウジングの分解斜視図である。
【
図8】
図1のX-X線による断面を示した図である。
【
図10】本発明に適用される締結ボルトを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲に使われた用語や単語は一般的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。したがって、本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0025】
先ず、
図1~
図4を参照して、本発明の一実施例によるバッテリーパック1の概略的な構造を説明する。
【0026】
図1~
図4を参照すると、本発明の一実施例によるバッテリーパック1は、モジュール積層体Mと、パックハウジング200と、複数の締結ボルト300と、複数のウェルドナット(weld nut)400と、を含む。
【0027】
モジュール積層体Mは、
図2に示したように、複数のバッテリーモジュール100が積層された形態を有する。各々のバッテリーモジュール100の具体的な構造については、
図5及び
図6を参照して後述する。
【0028】
パックハウジング200は、
図2に示したように、モジュール積層体Mの下部を支持する下部ハウジング210と、モジュール積層体Mの上部をカバーして下部ハウジング210に結合される上部ハウジング220と、を含む。下部ハウジング210は、その下面に特別な構造を有し、このような下部ハウジング210の特別な構造については後述する。
【0029】
複数の締結ボルト300は、
図1及び
図2に示したように、長ボルトの形態を有し、上部ハウジング220、モジュール積層体M及び下部ハウジング210を順次貫通してモジュール積層体Mがパックハウジング200に固定されるようにし得る。
【0030】
ウェルドナット400は、
図4に示したように、下部ハウジング210(
図2及び
図3参照)の底面に溶接によって取り付けられる。ウェルドナット400は、締結ボルト300と結合するように下部ハウジング210の底面に形成された貫通ホールに対応する位置に取り付けられる。また、ウェルドナット400は、下部ハウジング210を構成するガスケット212a及び気密プレート212bの内側に位置する。ウェルドナット400がこのようにガスケット212aと気密プレート212bの内側に位置することは、下部ハウジング210に形成された貫通ホールによる外部の異物や水分がパックハウジング200の内部へ浸透してバッテリーパック1の寿命短縮や性能低下を誘発することを防止するためである。
【0031】
次は、
図2と共に
図5及び
図6を参照して、本発明に適用されるモジュール積層体Mを構成するバッテリーモジュール100について具体的に説明する。
【0032】
図5に示したバッテリーモジュール100は、
図2に示したバッテリーモジュール100の外装カバー、即ち、モジュールハウジングを外したものである。即ち、
図5に示したバッテリーモジュール100と
図2に示したバッテリーモジュール100とは、モジュールハウジングの有無に差があるが、説明の便宜上、同じ図面参照符号を付与した。
【0033】
図5及び
図6を参照すると、バッテリーモジュール100は、複数の単位モジュール111が結合して形成された単位モジュール積層体110と、単位モジュール積層体110の長手方向(
図5のX軸に平行する方向)の一側端部に結合されるBMSアセンブリー120と、を含む。
【0034】
単位モジュール111は、セルハウジング111aと、セルハウジング111a内に収容され、相互に電気的に接続する複数のバッテリーセル111bと、を含む。バッテリーセル111bとしては、例えば、円筒型バッテリーセルが適用され得る。
【0035】
BMSアセンブリー120は、複数のBMS(battery management system)121と、BMS121を囲んで固定するBMSフレーム122と、を含む。各々のBMS121は、単位モジュール111と電気的に接続し、スレーブBMSとして作用し得る。即ち、複数のBMS121は、別のマスターBMS(図示せず)に接続し得る。
【0036】
バッテリーモジュール100は、締結ボルト300(
図1及び
図2参照)が通過する複数の締結ホールH1、H2、及びH3を備える。具体的には、BMSフレーム122は、バッテリーモジュール100の幅方向(
図5のY軸に平行する方向)に沿って相互に離隔して形成される複数の第1締結ホールH1を備える。また、単位モジュール111は、単位モジュール111の長手方向(
図5のX軸と平行する方向)の一側端部に形成され、単位モジュール111の幅方向(
図5のY軸に平行する方向)に沿って相互に離隔して形成される複数の第2締結ホールH2を備える。第2締結ホールH2は、単位モジュール111を構成するセルハウジング111aに形成される。即ち、第2締結ホールH2は、セルハウジング111aにおいて、バッテリーセル111bの収容空間以外の余剰空間に形成される。バッテリーモジュール100の形成のための単位モジュール積層体110とBMSアセンブリー120との組立時に、第1締結ホールH1と第2締結ホールH2とは互いに重ねられる。これによって、締結ボルト300は、第1締結ホールH1と第2締結ホールH2とを共に通過するようになり、これによって単位モジュール積層体110とBMSアセンブリー120とパックハウジング200とが共に結合する。
【0037】
また、単位モジュール111は、単位モジュール111の長手方向(
図5のX軸に平行する方向)の他側端部に形成され、単位モジュール111の幅方向(
図5のY軸に平行する方向)に沿って相互に離隔して形成される複数の第3締結ホールH3を備える。第3締結ホールH3は、単位モジュール111を構成するセルハウジング111aに形成される。即ち、第3締結ホールH3は、セルハウジング111aにおいてバッテリーセル111bの収容空間以外の余剰空間に形成される。単位モジュール積層体110の形成のための単位モジュール111と単位モジュール111との組立時に、第2締結ホールH2と第3締結ホールH3は相互に重ねられる。締結ボルト300は、第2締結ホールH2と第3締結ホールH3とを共に通過するようになり、これによって単位モジュール積層体110とパックハウジング200とは共に結合する。
【0038】
一方、
図6を参照すると、バッテリーモジュール100の長手方向(
図6のX軸に平行する方向)の両側端部のうちBMSアセンブリー120が結合した側の反対側に形成された第3締結ホールH3の場合、相互に隣接するセルグループG間の交互配置によって発生するデッドスペース(dead space)を用いて形成される。即ち、単位モジュール111は、単位モジュール111の長手方向(
図6のX軸に平行する方向)に沿って配列された複数のバッテリーセル111bを含むセルグループGが単位モジュール111の幅方向(
図6のY軸に平行する方向)に沿って複数個配列された構造を有し、第3締結ホールH3は、相互に隣接するセルグループGが交互に配置されることによって発生するデッドスペースに形成されるのである。第3締結ホールH3は、このようにデッドスペースを用いて形成されることで第3締結ホールH3の形成によるエネルギー密度の損失を防止することができる。
【0039】
次に、
図4と共に
図7~
図10を参照し、本発明の一実施例によるバッテリーパック1に適用される気密プレートアセンブリー212、締結ボルト300及びウェルドナット400を用いた締結構造及びそれによる締結性向上及び気密性向上の効果について具体的に説明する。
【0040】
先ず、
図4と共に
図7~
図10を参照すると、下部ハウジング210は、下部ハウジング本体211及び気密プレートアセンブリー212を含む。気密プレートアセンブリー212は、下部ハウジング本体211の下面に形成された取付け溝211a内に挿入され、溶接などによって取付け溝211aの内側底面に固定される。
【0041】
気密プレートアセンブリー212は、ガスケット212a及び気密プレート212bを含む。ガスケット212aは、下部ハウジング本体211の下面に溶接によって取り付けられたウェルドナット400の周りを囲み、ウェルドナット400と気密プレート212bとの間に介在され、ウェルドナット400と下部ハウジング本体211の底面との隙間から異物および/または水分が浸透することを防止する。気密プレート212bは、取付け溝211a内でガスケット212a及びウェルドナット400をカバーしながら下部ハウジング本体211の底面に溶接などによって固定され、一次的に異物および/または水分の浸透を防止する。
【0042】
気密プレート212bは、ガスケット212aを加圧して下部ハウジング210の下面、即ち、ハウジング本体211の底面に取り付けられる。また、気密プレート212bは、ガスケット212aが収容される収容空間及びウェルドナット400が収容される収容空間を有する二重段差構造を有し得る。但し、このような二重段差構造による気密プレート212bの高さと比較して、取付け溝211aの深さは、同一であるか、または深く形成されることが望ましい。これは、気密プレート212bの形成によるエネルギー密度の損失を防止するためである。
【0043】
一方、
図10を参照すると、締結ボルト300は、パックハウジング200の上部に形成された貫通ホール、即ち、上部ハウジング210に形成された貫通ホールから異物および/または水分の浸透を最小化するために、ヘッド部の表面にコーティングされるシーリング部材Sを備え得る。シーリング部材Sは、弾性を有する素材を用いることが望ましく、例えば、ウレタン材質が用いられ得る。
【0044】
上述したように、本発明の一実施例によるバッテリーパック1は、パックハウジング200に予め固定されたウェルドナット400と、パックハウジング200とモジュール積層体Mを共に貫通してウェルドナット400に締結される締結ボルト300とを用いて、モジュール積層体Mを構成する各々の構成要素とパックハウジング200とを共に締結可能な構造を有することで、締結信頼性の向上及び費用節減の効果を奏する。
【0045】
また、本発明の一実施例によるバッテリーパック1は、パックハウジング200の外側に形成されるホールからの外部異物および/または水分の浸透を防止することができる構造を有することで、バッテリーパックの使用過程における性能低下の恐れを減少させることができる。
【0046】
一方、本発明の一実施例による自動車は、上述した本発明の一実施例によるバッテリーパックを含む。
【0047】
以上、本発明を限定された実施例と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の属する技術分野で通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0048】
1 バッテリーパック
100 バッテリーモジュール
200 パックハウジング
210 下部ハウジング
220 上部ハウジング
300 締結ボルト
400 ウェルドナット
M モジュール積層体