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特許7461474異物捕集装置及びこれを含む電気鋼板の製造設備
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-26
(45)【発行日】2024-04-03
(54)【発明の名称】異物捕集装置及びこれを含む電気鋼板の製造設備
(51)【国際特許分類】
   B03C 1/10 20060101AFI20240327BHJP
   B03C 1/00 20060101ALI20240327BHJP
   C21D 9/46 20060101ALI20240327BHJP
   C21D 8/12 20060101ALN20240327BHJP
【FI】
B03C1/10 Z
B03C1/00 C
C21D9/46 501Z
C21D8/12 D
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022528716
(86)(22)【出願日】2020-11-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-19
(86)【国際出願番号】 KR2020016149
(87)【国際公開番号】W WO2021101206
(87)【国際公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-07-15
(31)【優先権主張番号】10-2019-0147864
(32)【優先日】2019-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】592000691
【氏名又は名称】ポスコホールディングス インコーポレーティッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホン,ソン‐チョル
(72)【発明者】
【氏名】ミン,キ‐ヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ドン‐グン
(72)【発明者】
【氏名】クォン,オ‐チョル
(72)【発明者】
【氏名】キム,チャン‐ホ
【審査官】目代 博茂
(56)【参考文献】
【文献】特表平11-514292(JP,A)
【文献】特表2019-511629(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110201792(CN,A)
【文献】国際公開第2018/065779(WO,A1)
【文献】特表2018-534121(JP,A)
【文献】特開2012-240019(JP,A)
【文献】特開2017-159206(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B03C1/00-1/32
C21D8/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性異物が含まれた空気が進入する流入口と、磁性異物が除去された空気が排出される流出口が形成された捕集本体ユニットと、
前記捕集本体ユニットに連係され、前記捕集本体ユニットの内部で流動する前記空気から前記磁性異物を引力によって分離する磁石部材を含み、前記磁石部材を囲む非磁性部材が備えられた磁気分離ユニットと、を含み、
前記非磁性部材は、
前記捕集本体ユニットに結合され、非磁性体を含む非磁性板部と、
前記非磁性板部に結合され、複数個の柱状に備えられる前記磁石部材に対応するように複数個の管材状に備えられ、非磁性体を含む収容管部と、を含み、
前記非磁性部材は、前記空気の流動方向の上流に配置される第1列の収容管部間の間隔が前記空気の流動方向の下流に配置される第2列の収容管部間の間隔よりも広く配置され
前記第1列の収容管部及び前記第2列の収容管部は、前記空気の流動方向と交差する方向に複数個の収容管部が配置され、
前記空気の流動方向と交差する方向に配置される前記第1列の収容管部の数は、前記第2列の収容管部の数より小さく、
前記空気の流動方向と交差する方向に前記第2列の収容管部の一部は前記第1列の収容管部間に配置される異物捕集装置。
【請求項2】
前記収容管部は、隣り合う収容管部との間隔が30mmより小さく配置されることを特徴とする請求項に記載の異物捕集装置。
【請求項3】
前記収容管部は、外面に周縁方向に突出するように形成された付着防止タブが備えられた、請求項に記載の異物捕集装置。
【請求項4】
前記付着防止タブは、ドーナツディスクの形態で前記収容管部に垂直に結合されることを特徴とする請求項に記載の異物捕集装置。
【請求項5】
前記磁気分離ユニットは、
前記磁石部材と結合され、前記磁石部材を前記捕集本体ユニットに結合された前記非磁性部材に挿入または引き抜く駆動力を提供する駆動部材を含むことを特徴とする請求項1に記載の異物捕集装置。
【請求項6】
前記捕集本体ユニットは、
前記流入口及び前記流出口が形成され、前記非磁性部材が結合される連通管部材と、
前記連通管部材の下部に結合され、前記連通管部材から落下する磁性異物を収容するアンダーボックス部材と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の異物捕集装置。
【請求項7】
前記非磁性部材に隣接して備えられ、前記非磁性部材に流体を噴射するシャワーユニットを含むことを特徴とする請求項1に記載の異物捕集装置。
【請求項8】
前記シャワーユニットは、下方傾斜した方向に前記流体を噴射することを特徴とする請求項に記載の異物捕集装置。
【請求項9】
電気鋼板が提供されるレーザルームと、
前記レーザルームの内部に備えられ、レーザを照射して前記電気鋼板の表面に溝を形成するレーザ装置と、
前記電気鋼板の表面から飛散する異物を吸入するフード部材に連係されて磁性異物を含む空気が伝達される、請求項1からのいずれか一項に記載の異物捕集装置と、を含むことを特徴とする電気鋼板の製造設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異物捕集装置及びこれを含む電気鋼板の製造設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
変圧器などの電気機器の電力損失を減らし、効率を向上させるために、鉄損が低く磁束密度の高い磁気的特性を有する方向性電気鋼板が求められ、このために方向性電気鋼板の磁区微細化製品を生産するための工程、すなわち、方向性電気鋼板の表面に溝を形成させることができる高出力連続波レーザビームを印加して溝を生成することで鉄損を改善させる磁区微細化工程が必要である。
【0003】
このような方向性電気鋼板の磁区微細化固定の一例として、パルスレーザ照射による物質の気化(Vaporization)で溝を形成することで、方向性電気鋼板の熱処理後の鉄損改善率を確保する技術などが提示されている。
【0004】
ところで、このような永久磁区微細化のための方法は、鋼板表面に溝を形成する必要があるが、この時、鋼板表面部には粒子、チップ(Chip)、スパッタ(Spatter)、ヒューム(Fume)などの多様な形態の異物が形成される。
【0005】
かかる異物は、発生と同時に削除される必要があり、異物の発生と同時に削除されないと、周辺設備を汚染し、作業環境を悪化させるという虞がある。
【0006】
特に、レーザを鋼板に伝送する光学系が汚染されると、性能が急速に低下して溝加工品質及び生産性を確保できなくなる問題が生じる。
【0007】
したがって、このような異物の完全な除去のための捕集が必要であり、スパッタ及びヒュームなどの異物を捕集して除去するためには、スパッタ及びヒュームなどの異物の特性を考慮して、捕集装置及び方法を設計する必要がある。
【0008】
ここで、スパッタ(Spatter)は形状が略球状であり、直径が数百nmから数十μmの範囲の大きさを有し、成分がFe、Si、C、Oから構成され、磁性異物を含んでいるため、この除去が問題となる。
【0009】
さらに、磁性異物には、磁性部材に付着後に脱落させて収集することが難しいという欠点がある。
【0010】
したがって、上述の問題や限界を改善することができる異物捕集装置及びこれを含む電気鋼板の製造設備に対する研究が必要となった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、異物を除去することができる異物捕集装置及びこれを含む電気鋼板の製造設備を提供することを目的とする。
【0012】
他の側面で、本発明は、異物の除去時に磁力によって付着した磁性異物を容易に脱落させることができる異物捕集装置及びこれを含む電気鋼板の製造設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の異物捕集装置は、磁性異物が含まれた空気が進入する流入口と、磁性異物が除去された空気が排出される流出口が形成された捕集本体ユニット及び前記捕集本体ユニットに連係され、前記捕集本体ユニットの内部で流動する前記空気中で前記磁性異物を引力によって分離する磁石部材を含むが、前記磁石部材を囲む非磁性部材が備えられた磁気分離ユニットを含むことを特徴とする。
【0014】
より詳しくは、本発明の異物捕集装置の前記非磁性部材は、前記捕集本体ユニットに結合され、非磁性体で形成された非磁性板部及び前記非磁性板部に結合され、複数個の柱状に備えられる前記磁石部材に対応するように複数個の管材状に備えられ、非磁性体で形成された収容管部を含むことができる。
【0015】
ここで、本発明の異物捕集装置の前記収容管部は、隣り合う収容管部との間隔が少なくとも30mmより小さく配置されることを特徴とすることができる。
【0016】
そして、本発明の異物捕集装置の前記収容管部は、外面に周縁方向に突出するように形成された付着防止タブが備えられたことを特徴とすることができる。
【0017】
ここで、本発明の異物捕集装置の前記付着防止タブは、ドーナツディスクの形態で前記収容管部に垂直に結合されることを特徴とすることができる。
【0018】
そして、本発明の異物捕集装置の前記非磁性部材は、前記空気の流動方向の上流に配置される第1列の収容管部間の間隔が前記空気の流動方向の下流に配置される第2列の収容管部間の間隔よりも広く配置されることを特徴とすることができる。
【0019】
さらに、本発明の異物捕集装置の前記磁気分離ユニットは、前記磁石部材と結合され、前記磁石部材を前記捕集本体ユニットに結合された前記非磁性部材で挿入または引き抜く駆動力を提供する駆動部材を含むことができる。
【0020】
また、本発明の異物捕集装置の前記捕集本体ユニットは、前記流入口及び前記流出口が形成され、前記非磁性部材が結合される連通管部材及び前記連通管部材の下部に結合されて、前記連通管部材から落下する磁性異物を収容するアンダーボックス部材を含むことができる。
【0021】
さらに、本発明の異物捕集装置は、前記非磁性部材に隣接して備えられ、前記非磁性部材に流体を噴射するシャワーユニットを含むことができる。
【0022】
ここで、本発明の異物捕集装置の前記シャワーユニットは、下方傾斜した方向に前記流体を噴射することを特徴とすることができる。
【0023】
さらに、本発明の異物捕集装置は、電気鋼板が提供されるレーザルーム、前記レーザルームの内部に備えられ、レーザを照射して前記電気鋼板の表面に溝を形成するレーザ装置及び前記電気鋼板の表面から飛散する異物を吸入するフード部材に連係されて磁性異物を含む空気が伝達される前記異物捕集装置を含むことができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の異物捕集装置及びこれを含む電気鋼板の製造設備は、異物を除去することができる効果がある。
【0025】
また、本発明の異物捕集装置及びこれを含む電気鋼板の製造設備は、異物の除去時に磁力によって付着した磁性異物を容易に脱落させることができるという利点がある。
【0026】
但し、本発明の多様でありながらも有意義な利点及び効果は、上述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施例を説明する過程で、より容易に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の異物捕集装置を示した構成図である。
図2】本発明の異物捕集装置の磁気分離ユニットを示した斜視図である。
図3】本発明の異物捕集装置の磁気分離ユニットの収容管部の間隔を調整した実施例を示した平面図である。
図4】本発明の異物捕集装置の磁気分離ユニットが空気流動方向と交差する方向に複数個備えられた実施例を示した正面図である。
図5】本発明の異物捕集装置の磁気分離ユニットの収容管部に付着防止タブが備えられた実施例を示した側面図である。
図6】本発明の異物捕集装置のシャワーユニットが下方傾斜した方向に流体を噴射する実施例を示した側面図である。
図7】本発明の電気鋼板の製造設備を示した構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は、いくつかの他の形態に変形することができ、本発明の範囲が以下説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(又は強調表示や簡略化表示)がされることがある。
【0029】
また、本明細書において単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味ではない限り、複数の表現を含み、明細書全体にわたって同一参照符号または類似する方式で付与された参照符号は、同一構成要素または対応する構成要素を示すものとする。
【0030】
本発明は、異物捕集装置1及びこれを含む電気鋼板の製造設備に関するものであって、異物を除去することができ、他の側面で異物の除去時に磁力によって付着した磁性異物を容易に脱落させることができる。
【0031】
具体的に図面を参照して説明すると、図1は、本発明の異物捕集装置1を示した構成図であり、図面に示すとおり、本発明の一実施例に係る異物捕集装置1は磁性異物が含まれた空気が進入する流入口111と、磁性異物が除去された空気が排出される流出口112が形成された捕集本体ユニット100、及び捕集本体ユニット100と連係され、捕集本体ユニット100の内部で流動する空気中で磁性異物を引力によって分離する磁石部材210を含み、磁石部材210を囲む非磁性部材220が備えられた磁気分離ユニット200を含むことができる。
【0032】
このように、本発明の異物捕集装置1は、磁気分離ユニット200において、磁性異物を磁力によって分離する磁石部材210を含むことで磁性異物を分離することができる。また、磁石部材210を囲むように備えられた非磁性部材220によって、磁性異物が磁石部材210に直接付着しないように構成して磁性異物の分離を容易にすることができる。
【0033】
捕集本体ユニット100は、磁気分離ユニット200などが備えられる装置の本体の役割を果たすようになり、磁性異物が含まれた空気が流入し、さらに磁気分離ユニット200を通過して磁性異物が除去された空気を外部に排出するように流入口111及び流出口112が形成されることができる。
【0034】
そして、捕集本体ユニット100には、後述するシャワーユニット300も配置されることができ、これにより、磁気分離ユニット200に付着した磁性異物をより効果的に脱落させることができる。これに対する詳細な説明は、図6を参照して後述する。
【0035】
また、捕集本体ユニット100は、磁気分離ユニット200から脱落した磁性異物を収集するアンダーボックス部材120を含むことができ、これによって分離された磁性異物の処理をより容易にすることができる。
【0036】
すなわち、本発明の一実施例に係る異物捕集装置1の捕集本体ユニット100は、流入口111及び流出口112が形成され、非磁性部材220が結合される連通管部材110及び連通管部材110の下部に結合されて連通管部材110から落下する磁性異物を収容するアンダーボックス部材120を含むことができる。
【0037】
ここで、連通管部材110は、空気が流動する通路の役割を果たす。すなわち、連通管部材110には、流入口111及び流出口112が形成されて空気が流動するようになる。
【0038】
そして、連通管部材110には、磁気分離ユニット200が備えられ、連通管部材110を通過する空気から磁性異物を分離して空気から除去するようになる。
【0039】
また、連通管部材110には、シャワーユニット300も備えることができ、これによって磁気分離ユニット200に付着した磁性異物をより効果的に脱落させることができる。
【0040】
アンダーボックス部材120は、磁気分離ユニット200によって分離された磁性異物が磁気分離ユニット200から脱落して落下すると、これを収集する役割を果たす。
【0041】
このために、アンダーボックス部材120は、磁気分離ユニット200が備えられる連通管部材110の下部に結合されることができる。そして、落下する磁性異物を収集するために、連通管部材110の下部と連通するように備えることができる。
【0042】
磁気分離ユニット200は、磁性異物を含む空気から磁性異物を分離して除去する役割を果たす。このために、磁気分離ユニット200は、空気が流動する捕集本体ユニット100に連係され、磁力によって磁性異物を分離する磁石部材210を含み、さらに磁性異物が磁石部材210に直接付着しないように磁石部材210を囲む非磁性部材220を含むことができる。
【0043】
そして、磁石部材210によって分離され、磁石部材210の磁力によって非磁性部材220の外面に付着する磁性異物は、磁石部材210が非磁性部材220から抜け出して脱落できるように構成されており、これに対する詳細な説明は、図2図4を参照して後述する。
【0044】
図2は、本発明の異物捕集装置1の磁気分離ユニット200を示した斜視図であり、図3は、本発明の異物捕集装置1の磁気分離ユニット200の収容管部222の間隔Iを調整した実施例を示した平面図であり、図4は、本発明の異物捕集装置1において磁気分離ユニット200が空気流動方向と交差する方向に複数個備えられた実施例を示した正面図である。
【0045】
図面に示すとおり、本発明の一実施例による異物捕集装置1の非磁性部材220は、捕集本体ユニット100に結合され、非磁性体で形成された非磁性板部221及び非磁性板部221に結合され、複数個の柱状に備えられる磁石部材210に対応するように複数個の管材状に備えられ、非磁性体で形成された収容管部222を含むことができる。
【0046】
このように、非磁性部材220は、非磁性板部221、収容管部222を含むことによって、磁石部材210が非磁性部材220から抜け出して磁石部材210の磁力によって非磁性部材220の外面に付着する磁性異物が脱落するように構成されることができる。
【0047】
換言すると、収容管部222は管材状に備えられ、磁石部材210は管材状の収容管部222に挿入可能な柱状に備えられることができる。
【0048】
非磁性板部221は、捕集本体ユニット100に結合され、収容管部222が備えられる構成である。
【0049】
収容管部222は、非磁性板部221を介して捕集本体ユニット100に結合される構成であり、または非磁性板部221なしに直接捕集本体ユニット100に結合されることもできる。
【0050】
そして、収容管部222は、磁石部材210が挿入されるか、磁石部材210が離脱する構成である。収容管部222に磁石部材210が挿入された状態では、磁石部材210が磁性異物を引き込む引力によって収容管部222の外面には磁性異物が付着するようになり、この後、磁石部材210が収容管部222から離脱すると、収容管部222の外面に付着した磁性異物は脱落して落下する。
【0051】
このために、収容管部222は、磁石部材210の柱状に対応する管材状となる。そして、磁石部材210は、後述する駆動部材230に連結されて収容管部222に挿入または離脱できるよう移動可能に構成されることができる。
【0052】
すなわち、本発明の一実施例に係る異物捕集装置1の磁気分離ユニット200は、磁石部材210と結合され、磁石部材210を捕集本体ユニット100に結合された非磁性部材220に挿入または引き抜く駆動力を提供する駆動部材230を含むことができる。
【0053】
ここで、駆動部材230は、伸縮する油圧または空圧シリンダであることができ、または電気モータで構成されることもできる。
【0054】
このように、駆動部材230は、磁石部材210を移動させる駆動力を提供し、これによって磁石部材210は、収容管部222に挿入または離脱するように作動することができる。
【0055】
一例として、収容管部222は、上端部が開放されて下端部が塞がれた形態であることができ、磁石部材210は、収容管部222の上端部から下降して収容管部222に挿入され、上昇して収容管部222から離脱するように伸縮するシリンダから構成される駆動部材230に連結されることができる。
【0056】
そして、本発明の一実施例に係る異物捕集装置1の収容管部222は、隣り合う収容管部222との間隔Iが少なくとも30mmより小さく配置されることを特徴とすることができる。
【0057】
このように複数の収容管部222間の間隔Iを限定したことは、収容管部222間に通過する空気から磁性異物を分離するためのものである。
【0058】
すなわち、互いに隣り合う収容管部222間の間隔Iが30mmより広いと、空気中で磁性異物を捕集する割合が顕著に低減されるため、収容管部222間の間隔Iを限定したことである。
【0059】
そして、本発明の一実施例に係る異物捕集装置1の非磁性部材220は、空気の流動方向の上流に配置される第1列L1の収容管部222間の間隔Iが空気の流動方向の下流に配置される第2列L2の収容管部222間の間隔Iよりも広く配置されることを特徴とすることができる。
【0060】
このように収容管部222を配置することによって、捕集本体ユニット100を通過する空気中の磁性異物をより効果的に除去することができる。
【0061】
すなわち、空気の流動方向の上流に配置される第1列L1の収容管部222は、空気の流動方向の下流に配置される第2列L2の収容管部222よりも先に空気と触れるようになる。このとき、第1列L1の収容管部222間の間隔Iは比較的広いため、空気の流動を妨げることを最大限に抑えつつ、磁性異物を一時的に分離することができる。そして、第1列L1の収容管部222より後に空気と接する第2列L2の収容管部222は、磁性異物が既に除去された空気に対する接触比率をさらに高めながら磁性異物を除去するため、より多くの磁性異物を除去することができる。
【0062】
また、このような配置によると、空気の流動方向と交差する方向に、第1列L1の収容管部222の間に第2列L2の収容管部222が配置されるようになり、さらに効果的に磁性異物を除去する。
【0063】
また、本発明の一実施例に係る異物捕集装置1の非磁性部材220は、空気の流動方向と交差する方向に複数個備えられることを特徴とすることができる。
【0064】
これにより、非磁性部材220に挿入される磁性部材及び磁性部材を移動させる駆動部材230も複数個が備えられることができる。
【0065】
これにより、空気の流動方向と交差する方向の一部のみに磁性異物を除去するように備えられることができ、磁性異物の捕集度を調整することができる。
【0066】
図5は、本発明の異物捕集装置1の磁気分離ユニット200の収容管部222に付着防止タブ222aが備えられた実施例を示した側面図であり、図面を参照すると、本発明の一実施例に係る異物捕集装置1の収容管部222は、外面に周縁方向に突出するように形成された付着防止タブ222aが備えられたことを特徴とすることができる。
【0067】
このように、収容管部222に付着防止タブ222aが備えられることによって、磁石部材210が収容管部222から離脱時に収容管部222の外面に付着した磁性異物が引き上がるという問題を防止することができるようになる。
【0068】
すなわち、収容管部222に外面に磁性異物が付着する要因は、磁石部材210の磁力によるものであり、このような磁石部材210が移動すると、磁性異物も移動するという問題がある。
【0069】
ここで、付着防止タブ222aは、収容管部222の外面に突出するように形成されるため、磁性異物が収容管部222の外面に沿って移動する際に、障害物としての役割を果たすようになる。
【0070】
これにより、磁性異物は磁石部材210に沿って移動せず、付着防止タブ222aに掛かって脱落する。
【0071】
より具体的には、付着防止タブ222aは、中央部分に収容管部222が配置されることができる中空が形成されたディスク状であることができる。
【0072】
すなわち、本発明の一実施例に係る異物捕集装置1の付着防止タブ222aは、ドーナツディスクの形態で収容管部222に垂直に結合されることを特徴とすることができる。
【0073】
このように、付着防止タブ222aが収容管部222の外面に垂直に結合されることで、磁性異物はさらに付着防止タブ222aによって移動が遮断され、磁石部材210に沿って移動せずに脱落する比率を高めることができる。
【0074】
図6は、本発明の異物捕集装置1のシャワーユニット300が下方傾斜した方向に流体を噴射する実施例を示した側面図であり、図面に示すとおり、本発明の一実施例による異物捕集装置1は、非磁性部材220に隣接して備えられ、非磁性部材220に流体を噴射するシャワーユニット300を含むことができる。
【0075】
すなわち、捕集本体ユニット100には、後述するシャワーユニット300も配置されることができ、これによって、磁気分離ユニット200に付着した磁性異物をより効果的に脱落させることができる。
【0076】
換言すると、磁性異物は、磁石部材210によって非磁性部材220に付着することができるが、この後、磁石部材210が非磁性部材220から離脱した後にも、非磁性部材220の外面と付着する場合があり、シャワーユニット300がこのように非磁性部材220の外面に付着した磁性異物を落とす役割を果たすようになる。
【0077】
このために、シャワーユニット300は非磁性部材220に向かって流体を噴射することができる。流体は、一例として空気などの気体であることができ、水などの液体であることができる。
【0078】
ここで、本発明の一実施例に係る異物捕集装置1のシャワーユニット300は、下方傾斜した方向に流体を噴射することを特徴とすることができる。
【0079】
このようにシャワーユニット300が流体を噴射する方向を限定したことは、捕集本体ユニット100の下部にアンダーボックス部材120が備えられる場合に、磁性異物をより効果的に収集するためである。
【0080】
すなわち、シャワーユニット300は、非磁性部材220に流体が衝突するように非磁性部材220に向かって噴射し、且つ下方にも噴射するために、下方傾斜した形態で流体を噴射することができる。
【0081】
図7は、本発明の電気鋼板の製造設備を示した構成図であり、図面に示すように、本発明の他の実施例に係る異物捕集装置1は、電気鋼板Sが提供されるレーザルーム2、レーザルーム2の内部に備えられ、レーザを照射して電気鋼板Sの表面に溝を形成するレーザ装置3及び電気鋼板Sの表面から飛散する異物を吸入するフード部材2aに連係されて磁性異物を含む空気が伝達される異物捕集装置1を含むことができる。
【0082】
このように、本発明の電気鋼板Sの製造設備は、方向性電気鋼板Sに溝を形成して磁区微細化製品を生産するために、レーザ装置3を備え、レーザ装置3による溝の形成時に発生するスパッタ、ヒュームなどの異物の中から磁性異物を除去する上述の異物捕集装置1が備えられる。
【0083】
ここで、レーザルーム2は、レーザ装置3が備えられ、異物捕集装置1に異物が含まれた空気を伝達するためのフード部材2aが備えられることができる。そして、レーザルーム2に電気鋼板Sが搬送される。
【0084】
そして、レーザルーム2は、外部との密閉のために電気鋼板Sの入口及び出口にエアカーテン2cが形成されることができ、電気鋼板Sの搬送を支持するためのローラ2bが備えられることができる。
【0085】
レーザ装置は、電気鋼板Sに溝を形成するためにレーザを照射するように構成される。一例として、レーザ装置3はオンオフ制御系、レーザ発振器、光学系から構成され、オンオフ制御系は正常的な作業条件下では発振器をオン(On)とし、鋼板斜行量に応じて発振器を自動的にオフ(Off)させることができる。
【0086】
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
【符号の説明】
【0087】
1 異物捕集装置
2 レーザルーム
2a フード部材
2b ローラ
2c エアカーテン
3 レーザ装置
100 捕集本体ユニット
110 連通管部材
111 流入口
112 流出口
120 アンダーボックス部材
200 磁気分離ユニット
210 磁石部材
220 非磁性部材
221 非磁性板部
222 収容管部
222a 付着防止タブ
230 駆動部材
300 シャワーユニット
L1 第1列
L2 第2列
S 電気鋼板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7